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明細書 :医用画像処理装置、その医用目的領域抽出方法及び医用目的領域抽出処理プログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-156894 (P2015-156894A)
公開日 平成27年9月3日(2015.9.3)
発明の名称または考案の名称 医用画像処理装置、その医用目的領域抽出方法及び医用目的領域抽出処理プログラム
国際特許分類 A61B   6/03        (2006.01)
A61B   5/055       (2006.01)
FI A61B 6/03 360J
A61B 6/03 360G
A61B 5/05 380
請求項の数または発明の数 13
出願形態 OL
全頁数 79
出願番号 特願2014-032066 (P2014-032066)
出願日 平成26年2月21日(2014.2.21)
発明者または考案者 【氏名】伊藤 彰義
【氏名】中山 壽之
【氏名】高山 忠利
出願人 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100067736、【弁理士】、【氏名又は名称】小池 晃
【識別番号】100096677、【弁理士】、【氏名又は名称】伊賀 誠司
【識別番号】100106781、【弁理士】、【氏名又は名称】藤井 稔也
審査請求 未請求
テーマコード 4C093
4C096
Fターム 4C093AA22
4C093AA26
4C093CA35
4C093FD03
4C093FD08
4C093FD09
4C093FD11
4C093FD13
4C093FF17
4C093FF18
4C093FF19
4C093FF23
4C093FF27
4C093FF28
4C093FF42
4C096AB36
4C096DC12
4C096DC19
4C096DC24
4C096DC28
4C096DC33
4C096DC36
4C096DC38
4C096DD09
4C096DD13
4C096DD16
要約 【課題】医用画像診断装置で取得した複数の二次元断層画像から、簡単な操作で、二次元又は三次元の目的領域を短時間で抽出する。
【解決手段】
制御部10により前処理部20や画像処理部30の動作を制御し、前処理部20により、入力部40の手動操作による指定入力を受け付けて、目的領域のデータと同時にその概略の大きさを取得するとともに、非目的領域のデータを取得する前処理を行い、画像処理部30により、前処理部20により取得された目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータ及び非目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータから、目的領域の画素の輝度データのヒストグラムと上記非目的領域の画素の輝度データのヒストグラム生成し、各ヒストグラムを正規分布に近似し、目的領域の近似正規分布と非目的領域の近似正規分布を用いて、Bays則による領域分割の閾値を決定して、目的領域と非目的領域を抽出する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲 【請求項1】
手動操作による指定入力を受け付けて、目的領域のデータと同時にその概略の大きさを取得するとともに、非目的領域のデータを取得する前処理を行う前処理部と、
上記前処理部により取得したデータを用いて二次元又は三次元の目的領域を抽出する画像処理部とを備え、
上記前処理部は、処理対象の画像の領域の概略の大きさを指定する手動操作による指定入力を受け付ける機能を有し、
上記画像処理部は、上記前処理部により取得された目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータ及び非目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータから、上記目的領域の画素の輝度データのヒストグラムと上記非目的領域の画素の輝度データのヒストグラム生成し、各ヒストグラムを正規分布に近似する正規分布近似処理機能と、上記正規分布近似処理機能により求めた目的領域の近似正規分布と非目的領域の近似正規分布を用いて、Bays則による領域分割の閾値を決定して、目的領域と非目的領域を抽出する領域抽出機能を有する
ことを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項2】
上記前処理部は、取得する処理対象の画像の輝度範囲を所定輝度範囲内に収める画像輝度調節処理機能を有することを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
上記画像処理部は、既に検出された目的領域を拡大してした目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素をラスタースキャンして得られる上記目的領域周辺の複数個の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内を母集団として求めた母平均及び母標準偏差を用いてZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する大局的目的領域修正処理と、既に検出された目的領域を拡大してした目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素のみを探索して得られる上記目的領域周辺の複数個の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内を母集団として求めた母平均及び母標準偏差を用いてZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する局所的目的領域修正処理とを行う目的領域修正処理機能を有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
上記画像処理部は、既に検出された目的領域を拡大してした目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素をラスタースキャンして得られる上記目的領域周辺の複数個の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内を母集団として求めた母平均及び母標準偏差を用いてZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する大局的目的領域修正処理と、既に検出された目的領域を拡大した目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素のみを探索して得られる検定対象画素およびその周辺の複数個(n個)の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内のみの検定対象画素周辺の複数個(m個>n個)の画素の平均値と標準偏差を母平均及び母標準偏差として用いZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する局所的目的領域修正処理とを行う目的領域修正処理機能を有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
上記画像処理部は、抽出した目的領域を三次元化するための二次元画像上での繰り返し処理を、既抽出領域を拡大・縮小した中間領域に限定した領域内で行い目的領域を分離する連続的二領域抽出処理機能を有することを特徴とする請求項4記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
手動操作による指定入力を受け付けて、目的領域のデータと同時にその概略の大きさを取得するとともに、非目的領域のデータを取得する前処理を行う前処理ステップと、
上記前処理ステップにより取得したデータを用いて二次元又は三次元の目的領域を抽出する画像処理ステップとを有し、
上記前処理ステップでは、処理対象の画像の領域の概略の大きさを指定する手動操作による指定入力を受け付け、
上記画像処理ステップでは、上記前処理ステップにより取得された目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータ及び非目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータから、上記目的領域の画素の輝度データのヒストグラムと上記非目的領域の画素の輝度データのヒストグラム生成し、各ヒストグラムを正規分布に近似する正規分布近似処理機能と、上記正規分布近似処理機能により求めた目的領域の近似正規分布と非目的領域の近似正規分布を用いて、Bays則による領域分割の閾値を決定して、目的領域と非目的領域を抽出する
ことを特徴とする医用目的領域抽出方法。
【請求項7】
上記前処理ステップでは、取得する処理対象の画像の輝度範囲を所定輝度範囲内に収める画像輝度調節処理を行うことを特徴とする請求項5記載の医用目的領域抽出方法。
【請求項8】
上記画像処理ステップでは、既に検出された目的領域を拡大してした目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素をラスタースキャンして得られる上記目的領域周辺の複数個の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内を母集団として求めた母平均及び母標準偏差を用いてZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する大局的目的領域修正処理と、既に検出された目的領域を拡大してした目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素のみを探索して得られる上記目的領域周辺の複数個の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内を母集団として求めた母平均及び母標準偏差を用いてZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する局所的目的領域修正処理とを行うことを特徴とする請求項5又は請求項6のいずれか1項に記載の医用目的領域抽出方法。
【請求項9】
上記画像処理ステップでは、抽出した目的領域を三次元化するための二次元画像上での繰り返し処理を、既抽出領域を拡大・縮小した中間領域に限定した領域内で行い目的領域を分離する連続的二領域抽出処理を行うことを特徴とする請求項7記載の医用目的領域抽出方法。
【請求項10】
医用画像処理装置に搭載されるコンピュータにより実行される医用目的領域抽出処理プログラムであって、
上記コンピュータを、
手動操作による指定入力を受け付けて、目的領域のデータと同時にその概略の大きさを取得するとともに、非目的領域のデータを取得する前処理を行う前処理部と、上記前処理部により取得したデータを用いて二次元又は三次元の目的領域を抽出する画像処理部とし機能させ、
上記前処理部は、処理対象の画像の領域の概略の大きさを指定する手動操作による指定入力を受け付ける機能を有し、
上記画像処理部は、上記前処理部により取得された目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータ及び非目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータから、上記目的領域の画素の輝度データのヒストグラムと上記非目的領域の画素の輝度データのヒストグラム生成し、各ヒストグラムを正規分布に近似する正規分布近似処理機能と、上記正規分布近似処理機能により求めた目的領域の近似正規分布と非目的領域の近似正規分布を用いて、Bays則による領域分割の閾値を決定して、目的領域と非目的領域を抽出する領域抽出機能を有する
ことを特徴とする医用目的領域抽出処理プログラム。
【請求項11】
取得する処理対象の画像の輝度範囲を所定輝度範囲内に収める画像輝度調節処理機能を有する上記前処理部として上記コンピュータを機能させることを特徴とする請求項9記載の医用目的領域抽出処理プログラム。
【請求項12】
既に検出された目的領域を拡大してした目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素をラスタースキャンして得られる上記目的領域周辺の複数個の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内を母集団として求めた母平均及び母標準偏差を用いてZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する大局的目的領域修正処理と、既に検出された目的領域を拡大してした目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素のみを探索して得られる上記目的領域周辺の複数個の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内を母集団として求めた母平均及び母標準偏差を用いてZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する局所的目的領域修正処理とを行う目的領域修正処理機能を有する上記画像処理部として上記コンピュータを機能させることを特徴とする請求項9又は請求項10のいずれか1項に記載の医用目的領域抽出処理プログラム。
【請求項13】
抽出した目的領域を三次元化するための二次元画像上での繰り返し処理を、既抽出領域を拡大・縮小した中間領域に限定した領域内で行い目的領域を分離する連続的二領域抽出処理機能を有する上記画像処理部として上記コンピュータを機能させることを特徴とする請求項11記載の医用目的領域抽出処理プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断装置により取得した画像データから目的領域を高精度に抽出する医用画像処理装置、その医用目的領域抽出方法及び医用目的領域抽出処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、X線コンピュータ断層撮影(CT:Computer Tomography)装置や核磁気共鳴撮影(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置、陽電子放射断層撮影(PET:Positron Emission Tomography)装置等の医用画像診断装置で取得して再構成した二次元の断層画像や三次元画像から、病変部を発見し、またその病変部の状態を観察して、疾病の有無や進行状況の診断を行うことが行われている。
【0003】
これらの装置によって撮像される画像は、画像中のある点に関する濃度情報(画素の濃度情報)で表現され、濃度情報から目的領域、例えば臓器等に注目し、病変の有無などの診断にもちいられる。
【0004】
医用画像診断装置により大量の画像を取得することが可能になったため、医師が腫瘍診断をするためには、膨大な労力が必要になってきている。このような診断にかかる労力の増加は、見落としや誤診などを招くこともあるため、少しでも軽減する事が望まれている。そのため、腫瘍などの目的領域を自動抽出する技術(CAD:Computer Aided Detection)や、その技術を搭載した装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、CT画像などの濃淡画像からの目的領域の抽出は、セグメンテーション(分離)技術として、以下のような様々な手法(1)~(8)が提案されている。
(1) 画像の輝度(濃度)ヒストグラムから、適する2値化の閾値を決定して、領域を分離する方法。
(2) 画像の輝度(濃度)の勾配(グレーディエント)やラプラシアン、ラプラシアンゼロクロッシング点を利用して境界領域を抽出する方法。
(3) 何らか方法で初期的に決定した境界線を逐次最適化する動的輪郭抽出法(スネーク法)。
(4) 出発点と終了点を決め、その間をあらかじめ決めた評価関数が小さく(又は、大きく)なるように、画素を逐次追跡し境界を決定する方法。
(5) 対象領域内の各画素から、各方向へ触手を伸ばし、出発画素との輝度(濃度)値差が、閾値以上である点(リーチ点)の分布状態から境界を決定するリーチ点探索法。
(6) 造影剤投入後の時間経過(時相)とともにコントラストの異なる画像を取得し、時相毎の濃度特徴、すなわち、多時相関濃度特徴を利用する方法。
(7) 肺がん領域の抽出にみられるような、ウエーブレット変換と平滑化による腫瘍領域抽出法。
(8) 変形可能三(二)次元曲面を解析的に決定し所期画像とし、弾性変形などの仮定の下、目標領域の形状を求める方法。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2012-245085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記手法(1)では、異なる領域間のヒストグラムの分離が良好でない場合、適する2値化の閾値を決定するのは容易でない。
【0008】
また、上記手法(2)では、輝度勾配、ラプラシアンの値は、境界以外でも雑音として大きく、境界との区別が容易でない。
【0009】
また、上記手法(3)では、所期形状の決定、逐次変形のためのパラメータが多く、かつ対象画像に適する値の決定が難しく、異なる画像間でロバストネス(頑強性)が低い。
【0010】
また、上記手法(4)では、画像間で共通の評価関数の決定ができない。また、結果が出発点と終端点の選択に大きく左右される。
【0011】
また、上記手法(5)では、処理回数が対象画素数の二乗に比例するため、処理時間が画像毎(特に三次元で)に大きく異なる。また、汎用的な閾値の決定は容易でない。
【0012】
また、上記手法(6)では、異時相関の画像位置合わせが容易でなく、その誤差が検出精度に大きく影響する。
【0013】
また、上記手法(7)では、大きさ、形状の異なる対象領域に適するウエーブレットの選択と平滑化の程度の決定が未確定である。
【0014】
また、上記手法(8)では、対象画像に適する変形パラメータと変形法の設定が容易でない。
【0015】
本件発明者等は、上述の如き従来の手法(1)~(8)全てについて、目的領域の抽出を行う場合の閾値など各種パラメータを汎用的に決定することを試みるが、画像毎に濃度分布及び目的領域と非目的領域との間のコントラストなどが大きく異なるのが通常で、それらの変化への処理の頑強性を確保する必要があるが、そのための汎用的パラメータの決定は、実際には困難である。
【0016】
特に、三次元で目的領域を決定する場合には、直接三次元データを処理することが多いが、処理プログラムが複雑となり処理時間が増大するのが一般的である。
【0017】
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の実情に鑑み、X線コンピュータ断層撮影(CT:Computer Tomography)装置や核磁気共鳴撮影(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置、陽電子放射断層撮影(PET:Positron Emission Tomography)装置等の医用画像診断装置で取得した複数の三次元断層画像から、簡単な操作で、二次元又は三次元の目的領域を短時間で抽出することができるようにした医用画像処理装置、その医用目的領域抽出方法及び医用目的領域抽出処理プログラムを提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明では、医用画像診断装置で取得した複数の二次元断層画像から、目的領域(例えば、肝臓内の肝臓細胞癌等)を自動抽出して、二次元又は三次元の目的領域を抽出するにあたり、簡単な手動操作による指定入力を受け付けて、目的領域のデータと同時にその概略の大きさを取得するとともに、非目的領域のデータを取得する前処理を行い、上記前処理により取得したデータを用いて二次元又は三次元の目的領域を自動的に抽出する画像処理を行う。上記画像処理では、濃度分布の正規分布への近似処理と、bays則による統計的領域抽出処理と、大局的及び局所的統計検定による目的領域修正処理と、三次元化するための二次元画像上での繰り返し処理を既抽出領域を拡大・縮小下中間領域に限定した領域内で行い目的領域を分離する連続的二領域抽出処理を行う。
【0020】
すなわち、本発明は、医用画像処理装置であって、手動操作による指定入力を受け付けて、目的領域のデータと同時にその概略の大きさを取得するとともに、非目的領域のデータを取得する前処理を行う前処理部と、上記前処理部により取得したデータを用いて二次元又は三次元の目的領域を抽出する画像処理部とを備え、上記前処理部は、処理対象の画像の領域の概略の大きさを指定する手動操作による指定入力を受け付ける機能を有し、上記画像処理部は、上記前処理部により取得された目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータ及び非目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータから、上記目的領域の画素の輝度データのヒストグラムと上記非目的領域の画素の輝度データのヒストグラム生成し、各ヒストグラムを正規分布に近似する正規分布近似処理機能と、上記正規分布近似処理機能により求めた目的領域の近似正規分布と非目的領域の近似正規分布を用いて、Bays則による領域分割の閾値を決定して、目的領域と非目的領域を抽出する領域抽出機能を有することを特徴とする。
【0021】
本発明に係る医用画像処理装置において、上記前処理部は、取得する処理対象の画像の輝度範囲を所定輝度範囲内に収める画像輝度調節処理機能を有するものとすることができる。
【0022】
上記画像処理部は、既に検出された目的領域を拡大してした目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素をラスタースキャンして得られる上記目的領域周辺の複数個の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内を母集団として求めた母平均及び母標準偏差を用いてZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する大局的目的領域修正処理と、既に検出された目的領域を拡大した目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素のみを探索して得られる検定対象画素およびその周辺の複数個(n個)の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内のみの検定対象画素周辺の複数個(m個>n個)の画素の平均値と標準偏差を母平均及び母標準偏差として用いZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する局所的目的領域修正処理とを行う目的領域修正処理機能を有するものとすることができる。
【0023】
さらに、本発明に係る医用画像処理装置において、上記画像処理部は、抽出した目的領域を三次元化するための二次元画像上での繰り返し処理を、既抽出領域を拡大・縮小した中間領域に限定した領域内で行い目的領域を分離する連続的二領域抽出処理機能を有するものとすることができる。
【0024】
本発明は、医用目的領域抽出方法であって、手動操作による指定入力を受け付けて、目的領域のデータと同時にその概略の大きさを取得するとともに、非目的領域のデータを取得する前処理を行う前処理ステップと、上記前処理ステップにより取得したデータを用いて二次元又は三次元の目的領域を抽出する画像処理ステップとを有し、上記前処理ステップでは、処理対象の画像の領域の概略の大きさを指定する手動操作による指定入力を受け付け、上記画像処理ステップでは、上記前処理ステップにより取得された目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータ及び非目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータから、上記目的領域の画素の輝度データのヒストグラムと上記非目的領域の画素の輝度データのヒストグラム生成し、各ヒストグラムを正規分布に近似する正規分布近似処理機能と、上記正規分布近似処理機能により求めた目的領域の近似正規分布と非目的領域の近似正規分布を用いて、Bays則による領域分割の閾値を決定して、目的領域と非目的領域を抽出することを特徴とする。
【0025】
本発明に係る医用目的領域抽出方法において、上記前処理ステップでは、取得する処理対象の画像の輝度範囲を所定輝度範囲内に収める画像輝度調節処理を行うものとすることができる。
【0026】
また、本発明に係る医用目的領域抽出方法において、上記画像処理ステップでは、既に検出された目的領域を拡大してした目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素をラスタースキャンして得られる上記目的領域周辺の複数個の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内を母集団として求めた母平均及び母標準偏差を用いてZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する大局的目的領域修正処理と、既に検出された目的領域を拡大してした目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素のみを探索して得られる上記目的領域周辺の複数個の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内を母集団として求めた母平均及び母標準偏差を用いてZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する局所的目的領域修正処理とを行うものとすることができる。
【0027】
さらに、本発明に係る医用目的領域抽出方法において、上記画像処理ステップでは、抽出した目的領域を三次元化するための二次元画像上での繰り返し処理を、既抽出領域を拡大・縮小した中間領域に限定した領域内で行い目的領域を分離する連続的二領域抽出処理を行うものとすることができる。
【0028】
本発明は、医用画像処理装置に搭載されるコンピュータにより実行される医用目的領域抽出処理プログラムであって、上記コンピュータを、手動操作による指定入力を受け付けて、目的領域のデータと同時にその概略の大きさを取得するとともに、非目的領域のデータを取得する前処理を行う前処理部と、上記前処理部により取得したデータを用いて二次元又は三次元の目的領域を抽出する画像処理部とし機能させ、上記前処理部は、処理対象の画像の領域の概略の大きさを指定する手動操作による指定入力を受け付ける機能を有し、上記画像処理部は、上記前処理部により取得された目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータ及び非目的領域のデータとその概略の大きさを示すデータから、上記目的領域の画素の輝度データのヒストグラムと上記非目的領域の画素の輝度データのヒストグラム生成し、各ヒストグラムを正規分布に近似する正規分布近似処理機能と、上記正規分布近似処理機能により求めた目的領域の近似正規分布と非目的領域の近似正規分布を用いて、Bays則による領域分割の閾値を決定して、目的領域と非目的領域を抽出する領域抽出機能を有することを特徴とする。
【0029】
本発明に係る医用目的領域抽出処理プログラムは、取得する処理対象の画像の輝度範囲を所定輝度範囲内に収める画像輝度調節処理機能を有する上記前処理部として上記コンピュータを機能させるものとすることができる。
【0030】
また、本発明に係る医用目的領域抽出処理プログラムは、既に検出された目的領域を拡大してした目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素をラスタースキャンして得られる上記目的領域周辺の複数個の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内を母集団として求めた母平均及び母標準偏差を用いてZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する大局的目的領域修正処理と、既に検出された目的領域を拡大してした目的領域周辺のみを検定実行領域とし、検定実行領域内の画素のみを探索して得られる上記目的領域周辺の複数個の画素の平均値と、既に目的領域として決定された領域内を母集団として求めた母平均及び母標準偏差を用いてZ検定を行い、その検定結果に基づいて目的領域を修正する局所的目的領域修正処理とを行う目的領域修正処理機能を有する上記画像処理部として上記コンピュータを機能させるものとすることができる。
【0031】
さらに、本発明に係る医用目的領域抽出処理プログラムは、抽出した目的領域を三次元化するための二次元画像上での繰り返し処理を、既抽出領域を拡大・縮小した中間領域に限定した領域内で行い目的領域を分離する連続的二領域抽出処理機能を有する上記画像処理部として上記コンピュータを機能させるものとすることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、簡単な手動操作による指定入力を受け付けて、医用画像診断装置で取得した複数の二次元断層画像から、目的領域のデータと同時にその概略の大きさを取得するとともに、非目的領域のデータを取得する前処理を行い、上記前処理により取得したデータを用いて二次元又は三次元の目的領域を自動的に抽出する画像処理を行うことにより、所望の目的領域を短時間で抽出することができる。
【0033】
上記画像処理では、濃度分布の正規分布への近似処理と、bays則による統計的領域抽出処理と、大局的及び局所的統計検定による目的領域修正処理と、三次元化するための二次元画像上での繰り返し処理を既抽出領域を拡大・縮小下中間領域に限定した領域内で行い目的領域を分離する連続的二領域抽出処理を行うことにより、所望の目的領域を短時間で的確に抽出することができる。
【0034】
したがって、X線コンピュータ断層撮影(CT:Computer Tomography)装置や核磁気共鳴撮影(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置、陽電子放射断層撮影(PET:Positron Emission Tomography)装置等の医用画像診断装置で取得した複数の二次元断層画像から、簡単な操作で、二次元又は三次元の目的領域を短時間で抽出することができるようにした医用画像処理装置、その医用目的領域抽出方法及び医用目的領域抽出処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を適用した医用画像処理装置の構成を示すブロック図である
【図2】上記医用画像処理装置における前処理部の処理内容を示すフローチャートである。
【図3】上記前処理部における目的画像選択処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】上記目的画像選択処理における表示部による表示内容を示す図であり、(A)は初期画面を示し、(B)は処理画像決定入力受付処理の際の表示内容を示している。
【図5】上記前処理部における領域とデータの取得処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】上記領域とデータの取得処理における表示部による表示内容を示す図であり、(A)は目的領域指定入力受付処理の際の表示内容を示し、(B)は目的外領域指定入力受付処理の際の表示内容を示している。
【図7】上記医用画像処理装置における画像処理部の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】上記画像処理部においてHccデータとLiverデータから作成される各近似正規分布HHcc,HLiverを示す図であり、(A)は前処理部における利用画像輝度調節処理が施されたHccデータとLiverデータから作成された各近似正規分布を示し、(B)は利用画像輝度調節処理が施されていないHccデータとLiverデータから作成された各近似正規分布を示している。
【図9】上記画像処理部における閾値決定・領域抽出処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】上記閾値決定・領域抽出処理において作成されるヒストグラムの一例を示す図である。
【図11】上記画像処理部におけるYZ面上での領域抽出処理の内容を示すフローチャートである。
【図12】上記YZ面上での領域抽出処理における表示部による表示内容を示す図であり、(A)目的候補領域(Hcc1)を示し、(B)は上記目的候補領域(Hcc1)内の最大面積を抽出した画像を示し、(C)は上記目的候補領域(Hcc1)内の最大面積を抽出した画像を穴埋めしたものを示し、(D)は目的外候補領域(Liver1)を示し、(E)は(D)に(C)を加えた、目的候補領域を内包する目的外候補領域を示す。(F)は(E)を穴埋めして2値化したものを示し、(G)は最終目的外領域を示す。
【図13】上記画像処理部におけるXZ面上でのX方向の大きさの抽出処理の内容を示すフローチャートである。
【図14】上記XZ面上でのX方向の大きさの抽出処理における表示部による表示内容を示す図であり、(A)は目的領域(Hcc)の選択受け付画面を示し、(B)は選択された目的領域(Hcc)の画像を示している。
【図15】上記XZ面上でのX方向の大きさの抽出処理における表示部による表示内容を示す図であり、(A)は長さの指定入力受け付け画面を示し、(B)は長さの計測画面を示している。
【図16】上記画像処理部におけるXY面上での目的領域抽出処理の内容を示すフローチャートである。
【図17】上記XY面上での目的領域抽出処理における表示部による表示内容を示す図であり、(A)は目的領域(Hcc)と目的外候補領域(Liver)の抽出画面を示し、(B)は抽出対象画面を示し、(C)は目的領域(Hcc)の最大面積の検出画面を示し、(D)は領域(Liver for Data)設定画面を示している。
【図18】上記XY面上での目的領域抽出処理に使用されるヒストグラムの一例を示す図である。
【図19】上記XY面上での目的領域抽出処理における表示部による表示内容を示す図であり、(A)は抽出された目的領域を原画像上に重畳して示したもの、(B)は抽出された目的外領域を示しているが、目的領域との関係をも示すために上記目的領域をも重畳して示している。
【図20】上記画像処理部における目的領域修正処理の内容を示すフローチャートである。
【図21】上記目的領域修正処理における大局的目的領域抽修正処理の内容を示すフローチャートである。
【図22】上記大局的目的領域修正処理における表示部による表示内容を示す図であり、(A)は既に検出した目的領域(Hcc)を示し、(B)は目的領域(Hcc)を拡大した検定実行領域を示している。
【図23】上記目的領域修正処理における局所的目的領域抽修正処理の内容を示すフローチャートである。
【図24】上記局所的目的領域抽修正処理における表示部による表示内容を示す図であり、(A)は既に検出した目的領域(Hcc)を示し、(B)は目的領域(Hcc)を拡大した検定実行領域を示している。
【図25】上記局所的目的領域修正処理における表示部による表示内容を示す図である。
【図26】上記局所的目的領域修正処理における表示部による表示内容を示す図である。
【図27】上記画像処理部における異なるZ上での二領域連続抽出処理の内容を示すフローチャートである。
【図28】上記異なるZ上での二領域連続抽出処理における表示部による表示内容を示す図であり、(A)は目的候補領域(Hcc)を示し、(B)は目的外候補領域(Liver)を示している。
【図29】上記異なるZ上での二領域連続抽出処理に使用されるヒストグラムの一例を示す図である。
【図30】上記画像処理部における新目的領域探索範囲決定処理の内容を示すフローチャートである。
【図31】上記新目的領域探索範囲決定処理における表示部による表示内容を示す図であり、(A)は中間領域(IHcc)を示し、(B)は領域分離処理の実行画面を示し、(C)は新しい目的領域(HccNEW)を示し、(D)は抽出結果を示している。
【図32】上記新目的領域探索範囲決定処理におけるZ上下方向の探索終了決定処理の内容を示すフローチャートである。
【図33】上記画像処理部における三次元表示処理の内容を示すフローチャートである。
【図34】上記三次元表示処理に使用されるZ方向の連続抽出結果を示す図であり、(A)は異なるZ上方向の連続抽出結果の一例を示し、(B)はZ下方向の連続抽出結果の一例を示す図である。
【図35】上記三次元表示処理による表示結果を示す図であり、三次元の表示画面を示し、二次元の表示画面を示している。
【図36】特徴量の抽出を説明に供する図であり、(A)は術前の二次元腹部CT画像を示し、(B)は抽出した肝臓癌を示している。
【図37】二次元形状評価で用いた癌のくぼみを領域の塗り潰し処理を三次元に適用した場合を示す図であり、(A)はくぼみ領域の塗り潰した画像を示し、(B)塗り潰し前の画像を示し、(C)はくぼみ領域を示している。
【図38】上記医用画像処理装置における凸部領域の抽出についての説明に供する図であり、(A)は水平断面画像を示し、(B)は自動抽出された癌領域を積層し構成した状態を示し、(C)は臓癌の三次元画像を示している。
【図39】中点法による内接円の半径算出についての説明に供する図であり、(A)は対象図形を示し、(B)は構造要素(円)を示し、(C)は収縮結果を示している。
【図40】凸部領域の抽出処理の説明に供する図であり、(A)は対象図形を示し、(B)は描画された内接円を示し、(C)は抽出された凸部領域を示している。
【図41】癌の三次元画像との差分を凸部領域として抽出処理の説明に供する図であり、(A)は対象図形を示し、(B)は構造要素(球)を示し、(C)は2画素削った凸部領域を示している。
【図42】門脈侵襲(vp)の有無を正解(学習パターン)として1つ抜き法で2クラス(vp0/vp1)に分類した判別結果を示す図である。
【図43】判別結果のクラスごとにカプランマイヤー法により作成した生存曲線を示す図である。
【図44】「原発性肝癌取り扱い規約」で規定されている肉眼分類を示す図である。
【図45】病理標本写真の画像を示す図である
【図46】癌領域の色による分類を示す図であり、(a)は白い癌、(c)は緑色の癌(胆汁が多い)、(d)はピンク色の癌、(e)は黒い癌、(f)は出血している領域を示している。
【図47】肝癌領域を示す図であり、(a)は赤い肝癌領域、と図47の(b)は肝硬変が起きている白くなた領域、(c)は肝臓の淵を示している。
【図48】その他の領域を示す図であり、(a)はスケール、(b)は背景の青い台、(c)は光の反射を示している。
【図49】エッジ保存平滑化処理の説明に供する図であり、(a)はエッジ保存平滑化処理適用前の画像を示し、(b)はエッジ保存平滑化処理適用後の画像を示している。
【図50】マハラノビスの汎距離により未知データを最も確率の高いクラスとする判別分析を行った結果を示す図である。
【図51】第1の特徴量Rate(肝硬変領域周囲の肝臓領域と癌領域の比率)と第2の特徴量Rate(癌を含む肝臓領域と癌領域の比率)の2変量で肝硬変の判別分析を行った結果を示す図である。
【図52】第2の特徴量Rate(癌を含む肝臓領域と癌領域の比率)と(第3の特徴量Rateピンク色の癌領域周囲の癌領域の比率)の2変量でピンク色の癌の判別分析を行った結果を示す図である。
【図53】黒い癌、出血、光の反射領域の判別に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。

【0037】
本発明は、例えば図1のブロック図に示すような構成の医用画像処理装置100に適用される。

【0038】
この医用画像処理装置100は、制御部10、前処理部20、画像処理部30、入力部40、記憶部50、表示部60等からなる。この医用画像処理装置100は、所定の処理プログラムがインストールされたコンピュータシステムであって、上記制御部10により、上記処理プログラムにしたがって、上記前処理部20や画像処理部30の動作を制御するようになっている。

【0039】
この医用画像処理装置100は、医用画像診断装置で取得した複数の二次元断層画像から二次元又は三次元の目的領域を抽出する医用画像処理装置であって、医用画像診断装置で取得した複数の二次元断層画像を取り込んで記憶部50に記憶する機能を有し、本実施の形態では、例えばX線コンピュータ断層撮影(CT:Computer Tomography)装置により取得された多数枚のCT画像が予め記憶部50に記憶されているものとして説明する。

【0040】
この医用画像処理装置100における前処理部20による処理内容を図2のフローチャートに示すように、上記制御部10は、上記処理プログラムにしたがって上記前処理部20の動作を制御して、上記前処理部20により目的画像選択処理(S1)、領域とデータ取得処理(S2)を行う。

【0041】
すなわち、上記前処理部20は、目的画像選択機能及び領域とデータ取得機能を有する。

【0042】
上記前処理部20における目的画像選択処理(S1)では、図3のフローチャートに示すように、初期画面表示処理(S11)、相の選択入力受付処理(S12)、処理画像決定入力受付処理(S13)を行う。

【0043】
初期画面表示処理(S11)では、図4の(A)に示すように、上記記憶部50から読み出されるYZ(矢状)断面、XY(水平)断面、XZ(頭額)断面の三断面画像A1,A2,A3を患者番号や画素サイズ、画像スライス厚さなどの属性情報A4とともに表示部60により同時表示する。

【0044】
相の選択入力受付処理(S12)では、入力部40のマウスやキーボードなどの入力デバイスによる操作入力を受け付け、上記属性情報A4とともに表示される選択ボタンによる選択操作入力により、異なる相の撮像条件の下での画像から目的達成に適する条件の「相」が選択される。

【0045】
処理画像決定入力受付処理(S13)では、入力部40のマウスやキーボードなどの入力デバイスによる操作入力を受け付け、表示部60による表示画面内の画像選択ための点線位置(カーソル)あるいは+,-ボタンA5の操作により、図4の(B)に示すように、処理対象として最適な画像が選択される。表示部60による表示画面には、選択位置情報A6が表示される。

【0046】
上記前処理部20は、入力部40による手動操作入力を受け付けて、目的画像選択処理(S1)により処理対象として最適な画像が選択されると、次の領域とデータ取得処理(S2)を行う。

【0047】
上記前処理部20における領域とデータ取得処理(S2)では、図5のフローチャートに示すように、利用画像輝度調節処理(S21)、目的領域指定入力受付処理(S22)、目的領域の画像データ取得処理(S23)、目的外領域指定入力受付処理(S24)、目的外領域の画像データ取得処理(S25)を行う。

【0048】
利用画像輝度調節処理(S21)では、上記記憶部50から読み出す画像の輝度範囲を調整し、輝度0~255レベルに内に納める。

【0049】
目的領域指定入力受付処理(S22)では、入力部40のマウスやキーボードなどの入力デバイスによる操作入力を受け付け、処理対象の断面を選択し、図6の(A)に示すように表示部60による表示画面に表示されているYZ面上で、目的領域(Hcc)内部に、対角上の二点を選択し、二点を結ぶ線分が目的領域(Hcc)を大略含む対角線となるようにする。そして、図6の(B)に示すように、その対角線L1で決定される矩形を適宜拡大(あるいは縮小)して、仮の目的領域(Hcc)とする

【0050】
そして、目的領域の画像データ取得処理(S23)では、上記対角線L1に沿った各XY面上での周辺の画素の輝度値データをHccデータとして取得する。

【0051】
次の目的外領域指定入力受付処理(S24)では、入力部40のマウスやキーボードなどの入力デバイスによる操作入力を受け付け、図6の(B)に示すように表示部60による表示画面に表示されているYZ面上で、目的外領域(Liver)内部に対角上の二点を選択する。

【0052】
そして、目的外領域の画像データ取得処理(S25)では、上記二点を結ぶ線分L2に沿った各XY面上での周辺の画素の輝度値データをLiverデータとして取得する。

【0053】
次に、上記制御部10は、上記前処理部20による目的画像選択処理(S1)と領域とデータ取得処理(S2)が終了すると、上記画像処理部30による画像処理の制御を行う。

【0054】
すなわち、この医用画像処理装置100における画像処理部30による処理内容を図7のフローチャートに示すように、上記制御部10は、上記処理プログラムにしたがって上記画像処理部30の動作を制御して、ヒストグラムの生成と正規分布近似処理(S3)、閾値決定・領域抽出処理(S4)、目的領域修正処理(S5)、連続二領域抽出処理(S6)、探索終了決定処理(S7)、三次元表示処理(S8)を行う。

【0055】
上記画像処理部30によるヒストグラムの生成と正規分布近似処理(S3)では、上記前処理部20により得られたHccデータとLiverデータ、すなわち、上記対角線L1に沿った各XY面上での周辺の画素の輝度値データと、上記線分L2に沿った各XY面上での周辺の画素の輝度値データの、ヒストグラムと各平均、分散を求め、それらから目的領域(Hcc)の画素の輝度分布の近似正規分布HHcc及び目的外領域(Liver)の画素の輝度分布の近似正規分布HLiverを作成して、表示部60による表示画面に表示する。

【0056】
ここで、上記画像処理部30によるヒストグラムの生成と正規分布近似処理(S3)では、上記前処理部20における利用画像輝度調節処理(S21)が施されたHccデータとLiverデータから各近似正規分布HHcc,HLiverを作成するので、作成される各近似正規分布HHcc,HLiverは、例えば図8の(A)に示すように、輝度0~255レベルに内に全体が収められた正しく近似されたものとなる。

【0057】
なお、上記利用画像輝度調節処理(S21)が施されていないHccデータとLiverデータから各近似正規分布HHcc’,HLiver’を作成した場合、例えば図8の(B)に示すように、輝度0~255レベルに内に一部が収まらず正しく近似されないため、この後に続く閾値決定・領域抽出処理(S4)における目的領域抽出の頑強性に大きく影響を与えることになる。

【0058】
上記画像処理部30における閾値決定・領域抽出処理(S4)では、図9のフローチャートに示すように、Bays則に基づく閾値決定処理(S41)、YZ(矢状断)面上での領域抽出処理(S42)、XZ(頭額断)面上でのX方向の大きさ抽出処理(S43)、XY(水平断)面上での領域抽出処理(S44)、次のXY(水平断)面上での領域抽出処理(S45)、XY(水平断)面上での領域抽出処理(S46)、XZ(頭額断)面上でのZ方向の大きさ抽出処理(S47)、XZ(頭額断)面上での領域抽出処理(S48)、XY(水平断)面上での領域抽出処理(S49)を行う。

【0059】
Bays則に基づく閾値決定処理(S41)、では、上記ヒストグラムの生成と正規分布近似処理(S3)により求めた2つの近似正規分布HHcc,HLiverを用いて、これら2つの近似正規分布HHcc,HLiverの交点を求め、 Bays則での二値化閾値(iEqual)とする。

【0060】
ここで、Bays則に基づく領域分割処理は、例えば図10に示すように、異なる正規分布する輝度からなる画像を二値化するとき、その交点を二値化閾値(iEqual)とし、それ以上を1、未満を0とするものである。このBays則に基づく領域分割処理では、図10において、本来は低輝度領域に属するが高輝度と判定される誤差(Err1)と本来は高輝度領域に属するが低輝度と判定される誤差(Err2)の和(ErrT)が論理的に最小となる。

【0061】
YZ(矢状断)面上での領域抽出処理(S42)では、図11のフローチャートに示すように、目的領域(Hcc)と目的外領域(Liver)の候補領域抽出処理(S421)、最終目的外領域決定処理(S422)、目的領域を囲む矩形領域決定処理(S423)を行う。

【0062】
上記候補領域抽出処理(S421)では、上記Bays則に基づく閾値決定処理(S41)、により決定されたYZ(矢状断)面上での二値化閾値(iEqual)により、目的候補領域(Hcc1)と目的外候補領域(Liver1)をそれぞれ抽出する。

【0063】
例えば図12の(A)に示す目的候補領域(Hcc1)を示す画像から、図12の(B)に示す上記目的候補領域(Hcc1)内の最大面積を抽出した画像を得て、図12の(H)に示すように、その内部を穴埋めして2値化した目的領域(Hcc2)とする。

【0064】
例えば図12の(A)に示す目的候補領域(Hcc1)を示す画像から、図12の(B)に示す上記目的候補領域(Hcc1)内の最大面積を抽出した画像を得て、図12の(C)に示すように、その内部を穴埋めして2値化した目的領域(Hcc2)とする。

【0065】
次の最終目的外領域決定処理(S422)では、上記候補領域抽出処理(S421)により抽出された例えば図12の(A)に示す目的候補領域(Hcc1)を示す画像から、図12の(B)に示す上記目的候補領域(Hcc1)内の最大面積を抽出した画像を得て、図12の(C)に示すように、その内部を穴埋めして2値化した目的領域(Hcc2)とするとともに、上記候補領域抽出処理(S421)により抽出された例えば図12の(D)に示す目的外候補領域(Liver1)を示す画像に図12の(C)に示す上記目的候補領域(Hcc1)内の最大面積を抽出した画像を加えることにより、図12の(E)に示すように、上記目的候補領域を内包する目的外候補領域を決定し、図12の(F)に示すように、その内部を穴埋めして2値化後、図12の(G)に示すように、目的領域でも目的外領域でも無い、例えば雑音あるいは血管領域を除いた最終目的外領域とする。

【0066】
そして、矩形領域決定処理(S423)では、上記候補領域抽出処理(S421)により決定された図12の(C)に示す二値化した目的領域(Hcc2)に基づいて、図12の(H)に示すように、目的領域(Hcc2)を囲む矩形領域を決定する。

【0067】
また、XZ(頭額断)面上でのX方向の大きさ抽出処理(S43)では、図13のフローチャートに示すように、XZ面上で目的領域(Hcc)の選択入力を受け付ける選択入力受付処理(S431)、選択された目的領域(Hcc)内のX(水平)方向の長さの指定入力を受け付ける長さ指定入力受付処理(S432)、選択された目的領域(Hcc)内のX(水平)方向の幅情報を計測する幅情報計測処理(S433)、X(水平)方向の幅情報を保存する幅情報保存処理(S434)を行う。

【0068】
すなわち、上記画像処理部30は、選択入力受付処理(S431)では、入力部40のマウスやキーボードなどの入力デバイスによる操作入力を受け付け、図14の(A)に示すように、表示部60により表示される画面上のメニューバー内のプルダウンメニューPによる目的領域(Hcc)の選択を受け付け、図15の(B)に示すように、選択された目的領域(Hcc)の画像を別のウインドウ上に表示する

【0069】
次の長さ指定入力受付処理(S432)では、入力部40のマウスやキーボードなどの入力デバイスによる操作入力を受け付け、図15の(A)に示すように、選択された目的領域(Hcc)内のX(水平)方向の長さの指定入力を受け付け、指定された長さの線分L3を描画する。

【0070】
次の幅情報計測処理(S433)では、図15の(B)に示すように、上記長さ指定入力受付処理(S432)により指定された線分L3の長さを計測して、上記目的領域(Hcc)のX(水平)方向の幅情報を得る。

【0071】
なお、上記長さ指定入力受付処理(S432)において多少傾斜して線分L3が指定された場合にも、上記幅情報計測処理(S433)では、上記目的領域(Hcc)のX(水平)方向の長さのみを計測するようにしている。

【0072】
そして、次の幅情報保存処理(S434)では、上記幅情報計測処理(S433)により得られた上記目的領域(Hcc)のX(水平)方向の長さ(幅情報)を120%に延長して、その両端位置をXmin,Xmaxとして、上記目的領域(Hcc)の大きさを示す位置情報Xmin,Xmax,Ymin,Ymax,Zmin,Zmaxを保存する。

【0073】
また、次のXY(水平断)面上での領域抽出処理(S44)では、領域抽出処理(S441)、領域制限枠処理(S442)、領域最大面積検出処理(S443)、目的外領域設定処理(S444)、正規分布近似処理(S445)、閾値決定処理S446)、領域抽出処理(S447)を行う。

【0074】
領域抽出処理(S441)では、図17の(A)に示すように、注目Z断面上でYZ面と同一基準で目的領域(Hcc)と目的外候補領域(Liver)を抽出する。

【0075】
次の域制限枠処理(S442)では、図17の(B)に示すように、位置情報Xmin,Xmax,Ymin,Ymax,Zmin,Zmaxにより示される目的領域(Hcc)の大きさを示す矩形枠を拡張し、目的領域(Hcc)付近の矩形枠S内のみを抽出対象とする処理を行う。

【0076】
次の領域最大面積検出処理(S443)では、図17の(C)に示すように、上記矩形枠S内にある目的領域(Hcc)の最大面積(XYHccMaxYZ)を検出する。

【0077】
次の目的外領域設定処理(S444)では、図17の(D)に示すように、新しく目的外領域の輝度データを取得する領域(Liver for Data)を設定する。

【0078】
以上の説明は、図9に示したBays則に基づく閾値決定処理(S41)を、先ず始めにYZ面上で行うYZ(矢状断)面上での領域抽出処理(S42)を採用する場合についてのべたものであり、この処理終了後には、後述する正規分布近似処理(S445)の処理へ移行する。

【0079】
一方、図9に示すBays則に基づく閾値決定処理(S41)を、先ず始めに上述したXY(水平断)面上での領域抽出処理(S46)を行う方法を採用することも出来るから、その場合は、上述のYZ(矢状断)面上での領域抽出処理(S42)と同様の処理を、対応する適切な面を対象としてXY(水平断)面上での領域抽出処理(S46)として実施する。

【0080】
上記のように先ず始めにXY面上から処理を開始したときは、XY面上での目的領域とそれを囲む矩形領域すなわちXおよびY方向の目的領域の大きさが検出されるので、XZ(頭額断)面上でのZ方向の大きさ抽出処理(S47)により目的領域のZ方向の大きさを決定する。この処理終了後には、後述する正規分布近似処理(S445)へ移行する。

【0081】
一方、図9に示す,Bays則に基づく閾値決定処理(S41)を、先ず始めにXZ(頭額断)面上での領域抽出処理(S48)を行う方法を採用することも出来るから、その場合は,上述のYZ(矢状断)面上での領域抽出処理(S42)の処理と同様の処理を、対応する適切な面を対象としてXZ(頭額断)面上での領域抽出処理(S48)として実施する。

【0082】
上記のように先ず始めにXZ面上から処理を開始したときは、XZ面上での目的領域とそれを囲む矩形領域すなわちXおよびZ方向の目的領域の大きさが検出されるので、XY(水平断)面上でのY方向の大きさ抽出処理(S49)により目的領域のY方向の大きさを決定する。この処理終了後には、次の正規分布近似処理(S445)の処理へ移行する。

【0083】
次の正規分布近似処理(S445)では、上記目的外領域設定処理(S444)により設定された領域(Liver for Data)と上記領域最大面積検出処理(S443)により検出された目的領域(Hcc)の最大面積(XYHccMaxYZ)の新しい輝度データのヒストグラムから、次に処理する画像の目的領域(Hcc)の画素の輝度分布の近似正規分布HHcc及び目的外領域(Liver)の画素の輝度分布の近似正規分布HLiverを作成する。

【0084】
次の閾値決定処理S446では、上記正規分布近似処理(S445)により作成した目的領域(Hcc)の画素の輝度分布の近似正規分布HHcc及び目的外領域(Liver)の画素の輝度分布の近似正規分布HLiverを用いて、図18に示すように、これら2つの近似正規分布HHcc,HLiverの交点を求め、 Bays則での二値化閾値(iEqual)とするBays則に基づく領域分割(二値化)の閾値(iEqual)を決定する処理を行う。

【0085】
そして、次の領域抽出処理(S447)では、上記閾値決定処理S446により決定した二値化閾値(iEqual)を用いて、図19に示すように、XY面内で新しい2つの領域を抽出する処理を行う。

【0086】
また、上記画像処理部30は、目的領域修正処理(S5)では、図20のフローチャートに示すように、大局的目的領域修正処理(S51)と局所的目的領域修正処理(S52)を行う。

【0087】
大局的目的領域修正処理51では、図21のフローチャートに示すように、検定必要性決定処理(S511)、検定棄却基準設定処理(S512)、検定実行設定処理(S513)、検定領域探索処理(S514)、母集団データ取得処理(S515)、検定実行処理(S516)、目的領域修正処理(S517)、矩形領域決定処理(S511)を行う。

【0088】
まず、検定必要性決定処理(S511)では、ヒストグラムによる全誤差の値により検定の必要性を決定する。検定不要の場合には、検定前の結果を利用するものとする。

【0089】
次の検定棄却基準設定処理(S512)では、二領域のヒストグラムから求めたトータル誤差の大きさに基づいて検定棄却基準を設定する。

【0090】
次の検定実行設定処理(S513)では、図22の(A)に示すように既に検出した目的領域(Hcc)を用いて、図22の(B)に示すように目的領域(Hcc)を拡大し、検定実行領域(Act)を目的領域周辺のみとする設定を行う。

【0091】
次の検定領域探索処理(S514)では、上記検定実行設定処理(S513)により設定された検定実行領域(Act)内の画素をラスタースキャンにより順次探査する。

【0092】
次の母集団データ取得処理(S515)では、既に目的領域として決定された領域内を母集団として、母平均、母標準偏差を求める処理を行う。

【0093】
次の検定実行処理(S516)では、検定対象画素周辺のn個の画素の平均値と母集団の母平均、母標準偏差を用いてZ検定を行い、棄却されれば当該画素は目的領域と見なす処理を行う。

【0094】
次の目的領域修正処理(S517)では、上記検定実行処理(S516)による検定結果に基づいて目的領域を修正処理する処理を行う。

【0095】
次の矩形領域決定処理(S511)では、目的領域修正処理(S517)により域修正処理が施されたあるZでのXY面上で決定した目的領域を囲む矩形領域を決定し、この矩形領域内の目的領域を基に、上下のZの各XY面上で目的領域を決定する。このようにして決定されたあるZでの目的領域を初期目的領域とする。

【0096】
局所目的領域修正処理51では、図23のフローチャートに示すように、検定必要性決定処理(S521)、検定棄却基準設定処理(S522)、検定実行設定処理(S523)、検定領域探索処理(S524)、検定対象画素決定処理(S525)、母集団データ取得処理(S526)、検定実行処理(S527)、目的領域修正処理(S528)、矩形領域決定処理(S529)を行う。

【0097】
まず、検定必要性決定処理(S521)では、ヒストグラムによる全誤差の値により検定の必要性を決定する。検定不要の場合には、検定前の結果を利用するものとする。

【0098】
次の検定棄却基準設定処理(S522)では、二領域のヒストグラムから求めたトータル誤差の大きさに基づいて検定棄却基準を設定する。

【0099】
次の検定実行設定処理(S523)では、図24の(A)に示すように既に検出した目的領域(Hcc)を用いて、図24の(B)に示すように目的領域(Hcc)を拡大し、検定実行領域(Act)を目的領域周辺のみとする設定を行う。

【0100】
次の検定領域探索処理(S524)では、上記検定実行設定処理(S523)により設定された検定実行領域(Act)内の画素のみを順次探査する。

【0101】
次の検定対象画素決定処理(S525)では、上記検定実行領域(Act)内の検定未実施画素を決定し,当該画素を検定対象として処理し、処理終了後に検定済み画素として登録することを順次実施し、上記検定実行領域(Act)内画素の全ての検定を実施する。

【0102】
次の母集団データ取得処理(S526)では、検定対象画素及びその周辺の複数個(n個)の画素のデータ及び既に目的領域として決定された領域内のみの検定対象画素周辺の複数個(m個>n個)の画素のデータを局所検定用母集団データとして取得するための領域内を決定する処理を行う。

【0103】
次の検定実行処理(S527)では、上記検定対象画素周辺のn個の画素の平均値および上記局所検定用母集団データの平均値と標準偏差を母平均及び母標準偏差として用いZ検定を行い、棄却されれば当該画素は目的領域と見なす処理を行う。

【0104】
次の目的領域修正処理(S528)では、図25に示すように、上記検定実行処理(S527)による検定結果に基づいて目的領域(Hcc)を修正処理する処理を行う。

【0105】
次の矩形領域決定処理(S529)では、目的領域修正処理(S528)により域修正処理が施されたあるZでのXY面上で決定した目的領域を囲む矩形領域Sを図26に示すように決定し、この矩形領域S内の目的領域(Hcc)を基に、上下のZの各XY面上で目的領域(Hcc)を決定する。このようにして決定されたあるZでの目的領域(Hcc)を初期目的領域とする。

【0106】
また、上記画像処理部30は、連続二領域抽出処理(S6)では、図27のフローチャートに示すように、初期目的領域画面設定処理(S61)、二領域連続抽出処理(S62)、新Zでの二領域連続抽出処理(S63)、新閾値採用可否決定処理(S64)、新目的領域探索範囲決定処理(S65)、探索終了決定処理(S66)を行う。

【0107】
初期目的領域画面設定処理(S61)では、初期Zでの目的領域を初期目的領域画面として設定する処理を行う。

【0108】
次の二領域連続抽出処理(S62)では、図28の(A)、(B)に示すように、Z方向に処理する平面を変えながら連続的に目的候補領域(Hcc)と目的外候補領域(Liver)の二領域を抽出する処理を行う。

【0109】
次の新Zでの二領域連続抽出処理(S63)では、旧Z上(最初は初期目的領域、次からは1つ前の目的領域)の二領域データを用いて、新Z上のXY面上で新たに目的領域(Hcc)と目的外領域(Liver)の二領域を抽出する処理を行う。

【0110】
次の新閾値採用可否決定処理(S64)では、旧目的領域の大きさ(換算直径)がある値より小さい場合は旧閾値をそのまま用い、そうでないときには、図29に示すように、上記新たな目的候補領域(Hcc)と目的外候補領域(Liver)の二領域のデータのヒストグラムの近似正規分布HHcc,HLiverから二値化用の新閾値(iEqual)を決定して用いる処理を行う。

【0111】
次の新目的領域探索範囲決定処理(S65)では、図30のフローチャートに示すように、中間領域決定処理(S651)、領域分離処理(S652)、新領域追加処理(S653)、抽出結果表示処理(S654)を行う。

【0112】
中間領域決定処理(S651)では、図31の(A)に示すように、旧目的領域(HccOLD)を収縮・拡大した中間領域(IHcc)を決定する処理を行う。

【0113】
次の領域分離処理(S652)では、図31の(B)に示すように、上記中間領域決定処理(S651)で決定した中間領域(IHcc)内でのみBays則で領域分離処理を行う。

【0114】
次の新領域追加処理(S653)では、図31の(C)に示すように、上記領域分離処理(S652)で分離された領域内新領域を上記旧目的領域(HccOLD)に追加した新しい目的領域(HccNEW)とする処理を行う。

【0115】
そして、次の抽出結果表示処理(S654)では、図31の(D)に示すように、異なるZでの抽出結果を原画像とともに表示する処理を行う。

【0116】
探索終了決定処理(S7)では、図32のフローチャートに示すように、目的領域抽出処理(S71)、終了条件決定処理(S72)、目的領域抽出処理(S73)を行う。

【0117】
目的領域抽出処理(S71)では、Z上方向に複数枚の二次元目的画像を抽出する処理を行う。

【0118】
終了条件決定処理(S72)では、YZ面で求めた目的画像の大きさ(高さ)により終了条件を決定する処理を行う。

【0119】
目的領域抽出処理(S73)では、Z下方向に複数枚の二次元目的画像を抽出する処理を行う。

【0120】
三次元表示処理(S8)では、図33のフローチャートに示すように、三次元行列への収納処理(S81)、表示処理(S82)を行う。

【0121】
三次元行列への収納処理(S81)では、複数枚の二次元目的領域抽出結果を三次元行列に収納する処理を行う。

【0122】
次の表示処理(S82)では、上記収納処理(S81)により複数枚の二次元目的領域抽出結果が収納された三次元行列、例えば図34の(A)に示すような異なるZでのZ上方向の連続抽出結果や図34の(B)に示すような異なるZでのZ下方向の連続抽出結果が収納された三次元行列を用いて、図35の(A)や(B)に示すように、目的領域を三次元表示する処理を行う。

【0123】
上述の如き医用画像処理装置100では、制御部10が処理プログラムにしたがって前処理部20の動作を制御して、上記前処理部20で上記目的画像選択処理(S1)、領域とデータ取得処理(S2)を行うことにより、簡単な手動操作による指定入力を受け付けて、医用画像診断装置で取得した複数の二次元断層画像から、目的領域のデータと同時にその概略の大きさを取得するとともに、非目的領域のデータを取得し、上記前処理により取得したデータを用いて二次元又は三次元の目的領域を自動的に抽出する画像処理を画像処理部30で行うことにより、所望の目的領域を短時間で抽出することができる。そして、上記制御部10が処理プログラムにしたがって上記画像処理部30の動作を制御して、濃度分布の正規分布への近似処理(S3)と、bays則による統計的領域抽出処理(S4)と、大局的及び局所的統計検定による目的領域修正処理(S5)と、三次元化するための二次元画像上での繰り返し処理を既抽出領域を拡大・縮小下中間領域に限定した領域内で行い目的領域を分離する連続的二領域抽出処理(S6)とを行うことにより、所望の目的領域を短時間で的確に抽出することができる。

【0124】
上記処理プログラムにしたがって上記制御部10により動作を制御される上記前処理部20及び画像処理部30の各種機能は、医用画像処理装置に搭載されるコンピュータが医用目的領域抽出処理プログラムを実行することによって、当該コンピュータにより実現することができ、X線コンピュータ断層撮影(CT:Computer Tomography)装置や核磁気共鳴撮影(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置、陽電子放射断層撮影(PET:Positron Emission Tomography)装置等の医用画像診断装置に上記医用目的領域抽出処理プログラムをインストールすることにより、医用画像診断装置で取得した複数の二次元断層画像から、簡単な操作で、二次元又は三次元の目的領域を短時間で抽出することができる。

【0125】
上述の如き医用画像処理装置100により抽出された二次元又は三次元の目的領域(Hcc)の画像データは、例えば肝癌の評価・分類のために、上記目的領域(Hcc)の輪郭等の特徴量が抽出される。
なお、医用画像処理装置100おける、上記前処理部20は、処理対象の画像の領域の概略の大きさを指定する手動操作による指定入力として、対角線により特定される矩形領域の入力を受け付けるようにしたが、矩形領域に限定されることなく、多角形、任意形状の閉曲面、円など他の形状の領域であってもよい。

【0126】
目的領域(Hcc)の特徴量の抽出は、例えば、次のようにして行われる。

【0127】
以下特徴量の抽出について、お送りいただいた2件の予稿原稿の内容を記載する。
ここで、本件発明者等は、例えば図36の(A)に示すような術前の二次元腹部CT画像から抽出した図36の(B)に示すような肝臓癌境界のくぼみ特徴が、術後の生存曲線とよく対応するという結果を得ている。

【0128】
しかし、CT画像の一枚ではみることができない凹凸が多数存在しているので、肝臓癌の三次元像を用いた形状評価を行う。

【0129】
また、図37の(A)、(B)、(C)は二次元形状評価で用いた癌のくぼみを領域の塗り潰し処理を三次元に適用した場合を示す図であり、(A)はくぼみ領域の塗り潰した画像を示し、(B)塗り潰し前の画像を示し、(C)はくぼみ領域を示している。図37の(A)、(B)、(C)に示すように、二次元形状評価で用いた癌のくぼみを領域の塗り潰し処理を三次元に適用した場合、時間計算量はO(m)(m:スライス数、n:画像一枚あたりの輪郭画素数)となるため、実際の医療現場で使うシステムとしては実用的でない。

【0130】
そこで、ここでは、術前腹部CT画像から抽出された肝臓癌三次元画像と内接球の差分を凸部領域特徴として抽出する。

【0131】
すなわち、この医用画像処理装置100では、図38の(A)、(B)、(C)に示すように水平断面画像毎に自動抽出された癌領域を積層し構成した肝臓癌の三次元画像を利用して、癌の三次元像から求めた内接球と癌との差分により凸部領域を抽出する。図38は、上記医用画像処理装置100における凸部領域の抽出についての説明に供する図であり、(A)は水平断面画像を示し、(B)は自動抽出された癌領域を積層し構成した状態を示し、(C)は臓癌の三次元画像を示している。

【0132】
内接球と癌との差分による凸部領域の抽出の説明に先駆けて、二次元(内接円)で原理を説明する。

【0133】
ここでいう内接円とは「ある図形内に描ける最大の円」である。そのため、1つの図形に対して内接円が複数存在する場合がある。

【0134】
中点法による内接円の半径算出では、中点法を利用して対象図形内を走査させた円が、図形内に収まれば半径を増加、図形内に収まらなければ半券を減少させて、収束したときの値を内接円の半径とする。図形内に収まるか否かは、図39の(A)、(B)、(C)に示すように、対象画像の円の構造要素で収縮した画像に残る自画素の有無で判定する。中点法による内接円の半径算出についての説明に供する図であり、(A)は対象図形を示し、(B)は構造要素(円)を示し、(C)は収縮結果を示している。

【0135】
以下に、中心法の初期条件を示す。
=0
=√((xSize/2)+(ySize/2)
許容誤差:1画素、r:半径の最小範囲、r:半径の最大範囲、 xSize:画像の横幅、ySize:画像の縦幅

【0136】
また、対象図形から次の手順で内接円の中心を求める。

【0137】
すなわち、
(手順1)上記中点法による内接円の半径算出で求めた半経の円を収縮し、
(手順2)残った1画素に対して(手順1)の円構造要素で膨張する。

【0138】
しかし、画像の量子化誤差や1つの図形に対して内接円が複数存在する場合があり、(手順1)で残った数だけ中心候補点が存在するので、図40の(A)、(B)、(C)に示すように、対象画像の重心から最も近い中心候補点を内接円の中心として描画する。図40は、凸部領域の抽出の説明に供する図であり、(A)は対象図形を示し、(B)は描画された内接円を示し、(C)は抽出された凸部領域を示している。

【0139】
そして、対称図形を二次元画像から三次元画像に、収縮・膨張で用いた構造要素を円から球に替えることで内接球を作成して、図41の(A)、(B)、(C)に示すように、癌の三次元画像との差分を凸部領域として抽出する。図41は、癌の三次元画像との差分を凸部領域として抽出処理の説明に供する図であり、(A)は対象図形を示し、(B)は構造要素(球)を示し、(C)は2画素削った凸部領域を示している。

【0140】
凸部領域は、画像の量子化誤差の影響を考慮して、内接球+その外側から2画素削った領域とする。

【0141】
内接球の作成における時間計算量はO(mn)(m:スライス数、n:画像一枚あたりの輪郭画素数)となることから、くぼみ領域の塗り潰し処理よりも実用的である。

【0142】
臨床的有用性を次の検証ステップにしたがって検証したところ、肝臓癌の三次元形状特徴が臨床データを分類することに有用であるとの検証結果が得られている。

【0143】
検証ステップ1:抽出した癌の凸部領域から三次元形状特徴量をもとめる。
検証ステップ2:術後に分かる情報を学習パターンとした識別関数を作成する。
検証ステップ3:未知パターン(27症例)を識別関数で分離する。
検証ステップ4:カプランマイヤー法により生存曲線を作成する。
検証ステップ5:生存曲線間の有意差を検定する。

【0144】
ここで、術後に分かる情報として門脈侵襲(vp)を利用した。門脈侵襲(vp)は、癌が門脈に入り込んで通常の血流とは逆方向に癌が伸びていく現象のことであり、術後に分かる予後因子で医学的に有用とされている。

【0145】
また、抽出した三次元凸部領域から形状評価に用いる特徴量として、「癌境界の複雑度」と「癌の大きさ」を表す特徴量をそれぞれ用いた。

【0146】
また、門脈侵襲(vp)の有無がよく別れる分離度の最も大きい特徴量として、次の式(1)で示される癌と凸部領域の体積比を用いた。

【0147】
【数1】
JP2015156894A_000003t.gif

【0148】
さらに、「癌の大きさ」を表す特徴量として、次の式(2)で示される癌の球相当の半径rを用いた。

【0149】
【数2】
JP2015156894A_000004t.gif

【0150】
そして、門脈侵襲(vp)の有無を正解(学習パターン)として全27症例を1つ抜き法で2クラス(vp0/vp1)に分類したところ、図42に示すような判別結果が得られた。

【0151】
合計判別的中率は74%(vp0の判別的中率は82%、vp1の判別的中率は75%)であり、医学的に見て十分に高い数値となっている。

【0152】
判別結果のクラスごとにカプランマイヤー法により生存曲線を作成し、ロクランク検定で図43に示すクラス間の有意さを検討したところ、有意水準P=0.050未満の有意確率P=0.048となったことから、このクラス間には有意差があるといえる。

【0153】
すなわち、肝臓癌の三次元形状特徴が臨床データを分類することに有用である。

【0154】
したがって、対象画像の主成分分析から内接円又は内接球を近似し、対象境界との差の領域を特徴量とすることができる。また、内接円又は内接球に替えて、内接楕円又は内接楕円体近似するようにしてもよい。

【0155】
なお、二元の場合には、主成分分析による近似円あるは近似楕円求め、対象境界との差の領域を凹凸特徴とするようにしてもよい。

【0156】
また、対象画像の曲座標表示とその周波数解析から近似円,近似楕円と凹凸特徴を求めるようにすることもできる。

【0157】
すなわち、直流分,基本周波数成分から,近似円直径,近似円中心を求めることができる。また、直流分,基本周波数成分,第2高調波成分から近似楕円,近似楕円中心を求めることができる。

【0158】
また、近似楕円と対象境界との差の領域を凹凸特徴とする場合に、対象境界の曲座標表示とその周波数解析-高周波数成分より凹凸特徴を求めるようにしてもよい。

【0159】
また、対象画像のフーリエ記述子表示とその周波数解析から近似円,近似楕円と凹凸特徴を求めるようにすることもできる。

【0160】
また、対象画像の内接円,外接円を高速に求める方法とそれらを利用した凹凸特徴抽出法としては、モロホロジー演算により対象画像の内接円,外接円を高速に求める方法、内接円と対象画像境界との差の領域を凹凸特徴として求める方法、外接円と対象画像境界との差の領域を凹凸特徴として求める方法、上記2つの特徴を併用する方法などがある。

【0161】
また、三次元の場合には、三次元画像が複数の2次元画像の集合からなる場合を前提とし、多くの3次元画像はそのような構造と思われるが、そうでない場合は,そのように分解してから利用すれば良く、その分解は容易である。

【0162】
例えば、三次元の場合には、複数の二次元平面上で上記各種の手法を適用し得られた各面上での特徴を複合的に取り扱う。複合特徴として,平均値,中央値,再頻値など通常の統計的量が容易に考えられる。

【0163】
また、従来から,医師ら専門家は,対象領域の「最大割面=最も対象領域の面積が大きくなる面」を探索し、その面上で解析・診断を行う習慣がある。しかし,例えばCT画像では,一般的に水平断面の集合が提供され、三次元化されることなく利用され、限られた条件下での「最大割面」を利用せざるを得なかったが、三次元画像中で対象領域の面積が大きくなる最大割面抽出法を採用することができる。

【0164】
三次元画像を構成する3断面,典型的には水平断面,矢状断面,頭額断面の各断面上での、対象領域最大面積を検出しその中の最大となるものを抽出するものとする。

【0165】
三次元画像中での対象画像の最長軸を抽出し(例えば境界画素同士を全て連結した線分の最長を求めれば良い)その軸周りでの最大面積を求める。また、三次元対象画像の第一主成分,第2主成分が作る最大割面とする。求められた最大割面上で上記2の2次元面上での特徴の全てが適用可能である.

【0166】
三次元の場合には、対象画像の主成分分析から近似球又は近似楕円体を求め、近似球又は近似楕円体と対象境界との差の領域を凹凸特徴とすることができる。

【0167】
このときの特徴量は2次元で採用されたものの3次元化したものが全て適用可能である。

【0168】
また、対象画像の内接球,外接球を高速に求める方法とそれらを利用した凹凸特徴抽出法としては、モロホロジー演算により対象画像の内接球,外接球を高速に求める方法、内接球と対象画像境界との差の領域を凹凸特徴として求める方法、外接球と対象画像境界との差の領域を凹凸特徴として求める方法等を採用することができる。

【0169】
さらに、この医用画像処理装置100では、摘出後の癌を最大径で切除して撮像したカラー画像を取り込んで、門脈侵襲(vp)の有無を評価することにより、癌の悪性度の客観的、定量的な形態分類を行う機能を有している。

【0170】
肝癌患者の予後推定方法の1つとして、癌を含む肝臓の一部分を切除し、「原発性肝癌取り扱い規約」で規定されている図44に示す肉眼分類に従って形態分類を行う方法が知られているが、この医用画像処理装置100では、350症例について摘出後の癌を最大径で切除して撮像した図45に示すようなカラー画像(RGB各256階調)の病理標本写真の解析を行い、門脈侵襲(vp)の有無を評価することにより、癌の悪性度の客観的、定量的な形態分類を次のようにして行うようにした。

【0171】
すなわち、癌は分化度(癌細胞の成熟度)や巻き込む領域により、色が異なるので、医師が提示した癌の特徴をもとに、図46の(a)~(f)に示すように、(a)白い癌、(c)緑色の癌(胆汁が多い)、(d)ピンク色の癌、(e)黒い癌、に分ける。なお,癌内部には図46の(f)に示すように、出血していることもあり、この状態も癌領域に含め、六種類に分類するものとした。

【0172】
肝癌領域は図47の(a)に示すように赤いが、肝硬変が起きていると図47の(b)に示すように白くなる。また、図47の(c)に示すように肝臓の淵は暗く青い台の色が写り込んでいる。

【0173】
また、その他の領域としては、図48の(a)~(c)に示すように、(a)スケール、(b)背景の青い台、(c)光の反射がある。図48の(a)に示すスケールは黒色で白字である。また、図48の(c)に示すように、撮影時に生じた光の反射が、癌を含む肝臓内にある。

【0174】
そして、図49の(a)に示すように癌と肝臓領域の境界が曖昧な部分があるため、前処理としてエッジ保存平滑化処理を行うことにより、図49の(b)に示すように癌と肝臓領域の境界を強調してから、判別分析による各領域の判別を行った。

【0175】
癌領域の色の違いにより、癌領域を上記六種類に分類するために、対象画像内の各領域の輝度値を調査したところ、各領域はRGB三次元空間上でそれぞれ異なる輝度値の分布となることが判明した。そこで、マハラノビスの汎距離により未知データを最も確率の高いクラスとする判別分析を行ったところ、図50に示すような結果が得られ、癌領域を色の違いにより分類することができた。

【0176】
このように、色の違いにより癌領域を判別することができるのであるが、RGB三次元空間上では各領域に重なりがあり、誤差が生じるので、各領域の連結領域ごとに詳細分類を行う。

【0177】
まず、肝硬変は白い癌領域と色が似ているが、周囲の領域には肝臓領域が多いため、肝硬変領域周囲の肝臓領域と癌領域の比率を第1の特徴量Rateとする。第1の特徴量Rateは、次の式(3)にて示される。

【0178】
【数3】
JP2015156894A_000005t.gif

【0179】
また、撮像時のコントラストにより、ほとんどの白い癌が肝硬変と誤判別される症例があるため、癌を含む肝臓領域と癌領域の比率を第2の特徴量Rateとする。第2の特徴量Rateは、次の式(4)にて示される。

【0180】
【数4】
JP2015156894A_000006t.gif

【0181】
そして、図51に示すように、上記第1の特徴量Rateと第2の特徴量Rateの2変量で肝硬変の判別分析を行った。

【0182】
また、ピンク色の癌は肝硬変領域と似ているが、周囲の領域には白い癌領域が多いため、ピンク色の癌領域周囲の癌領域の比率を第3の特徴量Rateとする。第3の特徴量Rateは、次の式(5)にて示される。

【0183】
【数5】
JP2015156894A_000007t.gif

【0184】
そして、図52に示すように、上記第2の特徴量Rateと第3の特徴量Rateの2変量でピンク色の癌の判別分析を行った。

【0185】
また、黒い癌、出血、光の反射領域の周囲は、図53に示すように、いずれも癌で囲まれているので、黒い癌、出血、光の反射領域の各画素毎に8方向に探索を行い、癌が全方向にあれば癌領域とする。

【0186】
その後、最大面積連結領域に対して、5×5の構造要素によりオープニング、クロージング、穴埋め処理を行った。

【0187】
以上の処理により、全350症例中の192症例、すなわち54.8%の症例で過抽出率10%未満かつ未抽出率10%未満で抽出できた。

【0188】
それ以外の症例については、ユーザが修正したい輪郭上の候補点を与え、その間の経路をDP法により探索する手法であるNomalized Cost(NC)法により修正を行い、輪郭追跡の際に、濃度勾配が大きく、且つエンドポイントへの距離が小さい経路をとるようにローカルコストを決定した。

【0189】
これを過抽出率もしくは未抽出率が10%以上の領域に適用して輪郭補正を行った。

【0190】
そして、このようにして抽出した癌領域に対して、癌領域の複雑さ、癌の大きさを用いて門脈侵襲(vp)の有無を判別する。

【0191】
門脈侵襲(vp)は、巻き込む門脈の場所によってvp0(巻き込みなし)からvp4まであり、数値が大きいほど悪性である。vp2以上は術前CT上で肉眼で確認できるので、vp0とvp1の判別を行うものした。

【0192】
癌の全体的な複雑さを表す形状特徴量として、
形状特徴量=1-4πS/L
S:癌面積L:癌周囲長L
にて示される1-円形度を用いた。

【0193】
また、画像から得られる特徴量として、癌の悪性度の使用となる癌の大きさをあらわす特徴量として、癌面積Sから
R=2√(S/π)
にて示される円相当直径Rを用いた。

【0194】
vp0又はvp1である319症例に対し、これらの特徴量を適用し、1つ抜き法にて認識率を評価した結果は、医学的に十分に高い、73.3%であった。

【0195】
すなわち、上述の如く、癌、肝臓などの色の特徴、周辺領域の特徴、境界修正によって癌領域を抽出し、その輪郭形状の複雑さ、癌の大きさを評価して、医学的に信用できる認識率を得ることができる。
【符号の説明】
【0196】
10 制御部、20 前処理部、30 画像処理部、40 入力部、50 記憶部、60 表示部、100 医用画像処理装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21
【図23】
22
【図24】
23
【図25】
24
【図26】
25
【図27】
26
【図28】
27
【図29】
28
【図30】
29
【図31】
30
【図32】
31
【図33】
32
【図34】
33
【図35】
34
【図36】
35
【図37】
36
【図38】
37
【図39】
38
【図40】
39
【図41】
40
【図42】
41
【図43】
42
【図44】
43
【図45】
44
【図46】
45
【図47】
46
【図48】
47
【図49】
48
【図50】
49
【図51】
50
【図52】
51
【図53】
52