TOP > 国内特許検索 > 渦電流探傷試験装置および渦電流探傷試験方法 > 明細書

明細書 :渦電流探傷試験装置および渦電流探傷試験方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-085061 (P2016-085061A)
公開日 平成28年5月19日(2016.5.19)
発明の名称または考案の名称 渦電流探傷試験装置および渦電流探傷試験方法
国際特許分類 G01N  27/90        (2006.01)
FI G01N 27/90
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 9
出願番号 特願2014-216311 (P2014-216311)
出願日 平成26年10月23日(2014.10.23)
発明者または考案者 【氏名】小井戸 純司
【氏名】日比野 俊
出願人 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100126882、【弁理士】、【氏名又は名称】五十嵐 光永
【識別番号】100175824、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 淳一
審査請求 未請求
テーマコード 2G053
Fターム 2G053AA11
2G053AB21
2G053BA12
2G053BA26
2G053BC02
2G053BC05
2G053BC14
2G053CA03
2G053CB12
2G053CB16
2G053DA08
2G053DB20
要約 【課題】鋼管等の強磁性の材質から成る被検査体に渦電流探傷法を適用する際に、渦電流の変化に応じた検出信号のSN比を改善すること。
【解決手段】第一のコイル11及び第二のコイル12,13を有し被検査体2の表面に沿って移動するコイル部と、第一のコイル11にパルス電流を供給するパルス電流発生部20と、第二のコイル12,13に、第一のコイル11に供給されるパルス電流のパルス電流区間内にパルス電流の開始から所定時間だけ遅れて開始し且つパルス電流の幅より短い幅の励磁電流を供給する励磁電流発生部30と、第二のコイル12,13だけから検出信号を取得して出力する出力部40と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
第一のコイル及び第二のコイルを有し被検査体の表面に沿って移動するコイル部と、
前記第一のコイルにパルス電流を供給するパルス電流発生部と、
前記第二のコイルに、前記パルス電流発生部から前記第一のコイルに供給されるパルス電流のパルス電流区間内にパルス電流の開始から所定時間だけ遅れて開始し且つパルス電流の幅より短い幅の励磁電流を供給する励磁電流発生部と、
前記第二のコイルだけから検出信号を取得して出力する出力部と、
を備えた渦電流探傷試験装置。
【請求項2】
前記励磁電流は前記パルス電流区間内で終了する、請求項1に記載の渦電流探傷試験装置。
【請求項3】
前記励磁電流は単一周波数の正弦波電流である、請求項1又は2のいずれか1項に記載の渦電流探傷試験装置。
【請求項4】
前記第二のコイルは自己誘導形自己比較方式の検出コイルである、請求項1から3のいずれか1項に記載の渦電流探傷試験装置。
【請求項5】
パルス電流発生部が、第一のコイル及び第二のコイルを有し被検査体の表面に沿って移動するコイル部の前記第一のコイルにパルス電流を供給するステップと、
励磁電流発生部が、前記第二のコイルに、前記パルス電流発生部から前記第一のコイルに供給されるパルス電流のパルス電流区間内にパルス電流の開始から所定時間だけ遅れて開始し且つパルス電流の幅より短い幅の励磁電流を供給するステップと、
出力部が、前記第二のコイルだけから検出信号を取得して出力するステップと、
を含む渦電流探傷試験方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、渦電流探傷試験装置および渦電流探傷試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非破壊検査方法の一つとしてパルス渦電流探傷法(PECT:Pulsed Eddy Current Testing)が知られている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。パルス渦電流探傷法では、励磁コイルにパルス電流を供給することにより被検査体内に渦電流を発生させ、渦電流の変化を検出する。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2014-178200号公報
【0004】

【非特許文献1】小井戸純司、加藤修一、“内挿コイルを用いたパルス渦電流試験による強磁性伝熱管の探傷”、社団法人 日本非破壊検査協会、非破壊検査、第61巻7号、p.331-340、2012年7月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来のパルス渦電流探傷法では、鋼管等の強磁性の材質から成る被検査体に対して探傷精度の向上を図る上で、渦電流の変化に応じた検出信号のSN比(signal-to-noise ratio:信号対雑音比)を改善することが一課題である。例えば火力プラントや化学プラントなどの熱交換器の伝熱管には、鋼管が使用される割合が多い。鋼管が使用された強磁性伝熱管に対してパルス渦電流探傷法を適用すると、励磁コイルへのパルス電流の供給により、強磁性伝熱管の磁化が始まるのと同時に渦電流も強磁性伝熱管内に誘導され、この誘導された渦電流の変化を検出することで、強磁性伝熱管の探傷が行われる。この時、強磁性伝熱管の磁化が始まると磁区が回転し始めて磁気飽和に向かうが、強磁性伝熱管の磁化の開始と同時に渦電流が誘導されると、強磁性伝熱管の磁化がまだ十分に進んでいないために、強磁性伝熱管の磁化特性の場所によるバラツキが生じる。この磁化特性の場所によるバラツキによって、渦電流の変化に応じた検出信号に対する磁性ノイズが発生する。このため、渦電流の変化に応じた検出信号のSN比を改善するために、磁気ノイズを低減することが好ましい。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、鋼管等の強磁性の材質から成る被検査体に渦電流探傷法を適用する際に、渦電流の変化に応じた検出信号のSN比を改善することができる渦電流探傷試験装置および渦電流探傷試験方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様は、第一のコイル及び第二のコイルを有し被検査体の表面に沿って移動するコイル部と、前記第一のコイルにパルス電流を供給するパルス電流発生部と、前記第二のコイルに、前記パルス電流発生部から前記第一のコイルに供給されるパルス電流のパルス電流区間内にパルス電流の開始から所定時間だけ遅れて開始し且つパルス電流の幅より短い幅の励磁電流を供給する励磁電流発生部と、前記第二のコイルだけから検出信号を取得して出力する出力部と、を備えた渦電流探傷試験装置である。
(2)本発明の一態様は、上記(1)の渦電流探傷試験装置において、前記励磁電流は前記パルス電流区間内で終了する、渦電流探傷試験装置である。
(3)本発明の一態様は、上記(1)又は(2)のいずれかの渦電流探傷試験装置において、前記励磁電流は単一周波数の正弦波電流である、渦電流探傷試験装置である。
(4)本発明の一態様は、上記(1)から(3)のいずれかの渦電流探傷試験装置において、前記第二のコイルは自己誘導形自己比較方式の検出コイルである、渦電流探傷試験装置である。
【0008】
(5)本発明の一態様は、パルス電流発生部が、第一のコイル及び第二のコイルを有し被検査体の表面に沿って移動するコイル部の前記第一のコイルにパルス電流を供給するステップと、励磁電流発生部が、前記第二のコイルに、前記パルス電流発生部から前記第一のコイルに供給されるパルス電流のパルス電流区間内にパルス電流の開始から所定時間だけ遅れて開始し且つパルス電流の幅より短い幅の励磁電流を供給するステップと、出力部が、前記第二のコイルだけから検出信号を取得して出力するステップと、を含む渦電流探傷試験方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、鋼管等の強磁性の材質から成る被検査体に渦電流探傷法を適用する際に、渦電流の変化に応じた検出信号のSN比を改善することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る渦電流探傷試験装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されるコイル部10の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る信号のタイムチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る信号の他のタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る渦電流探傷試験装置1の構成を示すブロック図である。図1において、渦電流探傷試験装置1は、コイル部10とパルス電流発生部20と励磁電流発生部30と出力部40とを備える。コイル部10は、第一のコイル11と第二のコイル12,13とを有する。コイル部10は、被検査体2の表面に沿って移動する。本実施形態では被検査体2は管である。例えば、被検査体2は鋼管である。図1に示されるように、コイル部10は、被検査体2の管の中を移動する、内挿コイルである。コイル部10は、被検査体2の管の内面に沿って移動する。

【0012】
図2は、図1に示されるコイル部10の構成を示す断面図である。第一のコイル11は軸方向に比較的長い巻線を有する。第二のコイル12,13は、第一のコイル11の軸方向中央部の外側に同軸で軸方向に比較的短い巻線を有する。第二のコイル12,13は自己誘導形自己比較方式の検出コイルとして機能する。

【0013】
なお、本実施形態では、被検査体2として管を例に挙げて説明するが、被検査体2は棒であってもよい。この場合、コイル部10は、被検査体2の棒の表面に沿って移動する。

【0014】
説明を図1に戻す。パルス電流発生部20は、第一のコイル11に電気的に接続される。パルス電流発生部20は、第一のコイル11にパルス電流を供給する。励磁電流発生部30は第二のコイル12,13に励磁電流を供給する。励磁電流発生部30は、正弦波電流発生器31とゲート回路32とゲート制御部33とを有する。正弦波電流発生器31は、単一周波数の正弦波電流を発生する。該正弦波電流はゲート回路32へ出力される。ゲート回路32は、第二のコイル12,13に電気的に接続される。ゲート回路32は、正弦波電流発生器31から出力された正弦波電流を、第二のコイル12,13へ、供給する(オン)又は供給しない(オフ)を切り替える。ゲート制御部33は、ゲート回路32のオンとオフの切り替えを制御する。

【0015】
出力部40は、第二のコイル12,13だけから検出信号を取得して出力する。出力部40は、ブリッジ回路41と増幅器42と同期検波回路43,44とローパスフィルタ45,46とPCR(Phase controlled rectifier)制御部47とシフト器48とを有する。ブリッジ回路41は、第二のコイル12,13に電気的に接続される。ブリッジ回路41は、第二のコイル12,13の信号の平衡を取る。増幅器42は、ブリッジ回路41の出力信号を増幅する。同期検波回路43,44は、増幅器42の出力信号に対して同期検波を行う。ローパスフィルタ45,46は、同期検波回路43,44の出力信号の高周波成分を減衰させる。PCR制御部47は、同期検波回路43,44の同期検波制御信号を出力する。シフト器48は、PCR制御部47から出力された同期検波制御信号を、位相シフトする。この位相シフトされた同期検波制御信号は、同期検波回路44に入力される。

【0016】
次に、図3を参照して、図1に示す渦電流探傷試験装置1の動作を説明する。図3は、本実施形態に係る信号のタイムチャートである。なお、図中の下付きの文字Xのことを以下「_X」と記す。図3(a)は、パルス電流発生部20から第一のコイル11に供給されるパルス電流の波形である。パルス電流発生部20は、所定の周期Tで、所定のパルス幅τ_Pを有するパルス電流を発生する。パルス電流の一周期分において、パルス電流の開始からパルス幅τ_Pまでの区間は、パルス電流区間である。該パルス電流区間の長さはパルス幅τ_Pである。

【0017】
図3(c)は、正弦波電流発生器31が発生する単一周波数の正弦波電流の波形である。正弦波電流発生器31は、所定の単一周波数で、正弦波電流を発生する。この正弦波電流は、正弦波電流発生器31からゲート回路32へ出力される。図3(b)は、ゲート回路32から第二のコイル12,13に供給される励磁電流の波形である。ゲート回路32は、正弦波電流発生器31から出力された正弦波電流を第二のコイル12,13へ供給するが、その供給のオンとオフを、ゲート制御部33からのゲート制御信号に従って切り替える。

【0018】
ゲート制御部33は、パルス電流発生部20から、第一のコイル11に供給されるパルス電流の開始を示すパルス電流開始信号を受信する。該パルス電流開始信号は、第一のコイル11に供給されるパルス電流のパルス電流区間の始まりを示す。該パルス電流開始信号は、パルス電流の周期T毎に、パルス電流発生部20からゲート制御部33へ出力される。ゲート制御部33は、パルス電流発生部20からパルス電流開始信号を受信してから所定の時間τ_dだけ経過した時に、ゲート回路32へ出力するゲート制御信号をオンにする。ゲート回路32は、ゲート制御信号がオンになると、第二のコイル12,13に対して、正弦波電流発生器31から出力された正弦波電流の供給を開始する。時間τ_dは、パルス電流のパルス幅τ_Pよりも短い時間である。よって、正弦波電流発生器31から出力された正弦波電流の供給は、第一のコイル11に供給されるパルス電流のパルス電流区間内に、パルス電流の開始から時間τ_dだけ遅れて開始される。ゲート回路32は、ゲート制御信号がオンである間は継続して、正弦波電流発生器31から出力された正弦波電流を第二のコイル12,13へ供給する。

【0019】
ゲート制御部33は、ゲート制御信号をオンにしてから所定の時間τ_Eだけ経過した時に、ゲート回路32へ出力するゲート制御信号をオフにする。ゲート回路32は、ゲート制御信号がオフになると、第二のコイル12,13に対して、正弦波電流発生器31から出力された正弦波電流の供給を停止する。時間τ_Eは、パルス電流のパルス幅τ_Pよりも短い時間である。よって、第二のコイル12,13には、パルス電流のパルス幅τ_Pよりも短い時間だけ、正弦波電流発生器31から出力された正弦波電流が供給される。ゲート回路32は、ゲート制御信号がオフである間は、第二のコイル12,13に対して、正弦波電流発生器31から出力された正弦波電流の供給停止を継続する。

【0020】
図3(b)に示されるように、ゲート回路32から第二のコイル12,13に供給される励磁電流は、図3(a)のパルス電流のパルス電流区間内にパルス電流の開始から所定の時間τ_dだけ遅れて開始する。該励磁電流は、図3(a)のパルス電流のパルス幅τ_Pより短い幅τ_Eだけ継続してから、停止する。該励磁電流は、図3(c)の正弦波電流の一部から構成される周期Tのバースト波となる。

【0021】
第一のコイル11に対して図3(a)のパルス電流の供給が開始されると、被検査体2の管の磁化が始まる。そのパルス電流の供給の開始から時間τ_dだけ遅れて、第二のコイル12,13に対して図3(b)の励磁電流の供給が開始される。これにより、被検査体2の管の磁化が始まってから時間τ_dだけ経過した時に、第二のコイル12,13に対して励磁電流の供給が開始されて、被検査体2の管内に渦電流が誘導される。その被検査体2の管の磁化の開始時点から第二のコイル12,13への励磁電流の供給の開始時点までの時間τ_dは、被検査体2の管の磁区が回転して磁気飽和に向かう時間となる。

【0022】
このことから、時間τ_dを、被検査体2の管の十分な磁化に要する適当な時間に設定すれば、被検査体2の管が十分に磁化されてから、第二のコイル12,13に対する励磁電流の供給を開始して被検査体2の管内に渦電流を誘導することができる。被検査体2の管が十分に磁化されていれば、被検査体2の管の磁化特性の場所によるバラツキがおさまった状態と言える。

【0023】
よって、時間τ_dを、被検査体2の管の十分な磁化に要する適当な時間に設定すれば、被検査体2の管の磁化特性の場所によるバラツキがおさまった状態で、自己誘導形自己比較方式の検出コイル(第二のコイル12,13)を用いた渦電流探傷法を適用できる。この渦電流探傷法の適用によれば、被検査体2の管の磁化特性の場所によるバラツキがおさまった状態で被検査体2の管内に渦電流を誘導し、渦電流の変化を検出するので、磁化特性の場所によるバラツキによって発生する、渦電流の変化に応じた検出信号に対する磁性ノイズ、が低減される。これにより、渦電流の変化に応じた検出信号のSN比を改善する効果が得られる。

【0024】
第二のコイル12,13(自己誘導形自己比較方式の検出コイル)の信号は、ブリッジ回路41で平衡を取った後に、増幅器42を通して同期検波回路43,44に被検波信号として入力される。同期検波回路43は、PCR制御部47からの同期検波制御信号に基づいて、被検波信号を同期検波する。PCR制御部47からの同期検波制御信号は、第二のコイル12,13に供給される励磁電流と同期した同相成分であるX信号を同期検波するための同期検波制御信号である。同期検波回路44は、シフト器48からの同期検波制御信号に基づいて、被検波信号を同期検波する。シフト器48からの同期検波制御信号は、第二のコイル12,13に供給される励磁電流に対して1/4周期進相成分であるY信号を同期検波するための同期検波制御信号である。

【0025】
同期検波回路43,44から各々出力されたX信号、Y信号は、各々ローパスフィルタ45,46を通して出力される。該X信号、Y信号の各ローパスフィルタ45,46からの出力信号は、渦電流の変化に応じた検出信号として、例えば振幅や位相の判定を行う演算装置に入力されることにより、被検査体2の管のきずの判定に利用可能である。

【0026】
上述したように本実施形態によれば、被検査体2の管を磁化するためのパルス電流を供給する第一のコイル11と、渦電流探傷のための励磁電流を供給する第二のコイル12,13とを別個に設ける。これにより、励磁電流の開始タイミングを、被検査体2の管の磁化タイミングとは独立に任意に設定できる。このことから、被検査体2の管内に渦電流を誘導するタイミングである励磁電流の開始タイミングを、被検査体2の管の磁化タイミングから遅らすことによって、被検査体2の管の磁化がまだ十分に進んでいない状態で被検査体2の管内に渦電流を誘導することを防ぐ。これにより、鋼管等の強磁性の材質から成る被検査体に渦電流探傷法を適用する際に、渦電流の変化に応じた検出信号のSN比を改善できるという効果が得られる。

【0027】
また、本実施形態によれば、渦電流探傷のための励磁電流は、被検査体2の管を磁化するためのパルス電流とは別であるので、励磁電流として単一周波数の正弦波電流を使用できる。これにより、単一周波数の正弦波電流を使用する一般の渦電流探傷法を適用することができる。

【0028】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。

【0029】
例えば、図4は、図1に示す渦電流探傷試験装置1に係る信号の他のタイムチャートである。図4(a)は、パルス電流発生部20から第一のコイル11に供給されるパルス電流の波形である。図4(b)は、ゲート回路32から第二のコイル12,13に供給される励磁電流の波形である。図4(c)は、正弦波電流発生器31が発生する単一周波数の正弦波電流の波形である。ゲート回路32から第二のコイル12,13に供給される励磁電流は、図4(b)に示されるように、第一のコイル11に供給されるパルス電流(図4(a))のパルス電流区間内に開始されて、当該パルス電流区間が終了した後に終了してもよい。この場合、励磁電流の幅τ_Eは、パルス電流のパルス幅τ_Pよりも短くてもよく、又は、パルス電流のパルス幅τ_Pと同じでもよく、又は、パルス電流のパルス幅τ_Pよりも長くてもよい。但し、次のパルス電流の周期への悪影響を避けるために、パルス電流区間以降の励磁電流の継続時間は短い方が好ましい。さらには、励磁電流は、パルス電流区間内で終了することが好ましい。

【0030】
また、上述した実施形態では、第二のコイル12,13に供給される励磁電流として単一周波数の正弦波電流を使用したが、これに限定されない。本実施形態によれば、渦電流探傷のための励磁電流は、被検査体2の管を磁化するためのパルス電流とは別であるので、励磁電流として任意の電流を使用できる。このことから、励磁電流として、複数の周波数の成分から成る電流を使用してもよい。

【0031】
また、上述した実施形態では、第二のコイルとして自己誘導形のコイルを使用したが、第二のコイルとして相互誘導形のコイルを使用してもよい。
【符号の説明】
【0032】
1…渦電流探傷試験装置、2…被検査体、10…コイル部、11…第一のコイル、12,13…第二のコイル、20…パルス電流発生部、30…励磁電流発生部、31…正弦波電流発生器、32…ゲート回路、33…ゲート制御部、40…出力部、41…ブリッジ回路、42…増幅器、43,44…同期検波回路、45,46…ローパスフィルタ、47…PCR制御部、48…シフト器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3