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明細書 :短波長多波長短パルス光生成装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3897988号 (P3897988)
公開番号 特開2002-287189 (P2002-287189A)
登録日 平成19年1月5日(2007.1.5)
発行日 平成19年3月28日(2007.3.28)
公開日 平成14年10月3日(2002.10.3)
発明の名称または考案の名称 短波長多波長短パルス光生成装置
国際特許分類 G02F   1/35        (2006.01)
FI G02F 1/35
請求項の数または発明の数 3
全頁数 7
出願番号 特願2001-084547 (P2001-084547)
出願日 平成13年3月23日(2001.3.23)
審査請求日 平成15年7月24日(2003.7.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】後藤 俊夫
【氏名】西澤 典彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
審査官 【審査官】佐藤 宙子
参考文献・文献 特開2000-105394(JP,A)
特開平06-138500(JP,A)
特開平02-306226(JP,A)
特開2000-258809(JP,A)
調査した分野 G02F 1/35
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)短パルス光源と、
(b)該短パルス光源からの光の特性を調整する光特性調整器と、
(c)該光特性調整器からの入射パルスが入射される負分散光ファイバと、
(d)該負分散光ファイバからの出力光を分岐する光分岐器と、
(e)該光分岐器からの出力光を結合し、それぞれ異なる波長において第2高調波を生成するように調整されている非線形光学素子とを備え、
(f)前記負分散光ファイバからの出力光の波長を時間的に変化するように調整し、前記非線形光学素子において波長が結晶の特性と一致したときのみ第2高調波を生成することを特徴とする短波長多波長短パルス光生成装置。
【請求項2】
請求項1記載の短波長多波長短パルス光生成装置において、前記光特性調整器が電気的に光強度を調整するようにした光強度変調器であることを特徴とする短波長多波長短パルス光生成装置。
【請求項3】
(a)短パルス光源と、
(b)該短パルス光源からの光の強度を調整する光強度調整器と、
(c)該光強度調整器からの入射パルスが入射される負分散光ファイバと、
(d)該負分散光ファイバからの出力光を分岐する光分岐器と、
(e)該光分岐器からの出力光を結合し、それぞれ異なる波長において第2高調波を生成するように調整されている非線形光学素子と、
(f)該非線形光学素子の出力光を結合する光結合器と
(g)該光結合器に接続される単一の光出力ファイバと、
を備え、
(h)前記光強度調整器の調整により、前記単一の光出力ファイバから時間的に異なる波長の第2高調波を出力することを特徴とする短波長多波長短パルス光生成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、短波長多波長短パルス光生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、本発明者等は、既に、特開2000-105394において、光の強度を変化させるだけで、波長を変化させることのできる波長可変短パルス光生成装置を開発した。
【0003】
この波長可変短パルス光生成装置では、光ファイバを用いて励起光波長から波長が連続的にシフトするパルス光を生成することができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の波長可変短パルス光生成装置では、
(1)1本の光ファイバで波長が異なる複数の第2高調波を得ることはできなかった。
【0005】
(2)時間的に異なる波長のパルス光を単一の光ファイバから得ることができなかった。
【0006】
本発明は、上記問題点を除去し、1本の光ファイバで波長が異なる複数の第2高調波を得ることができ、また、時間的に異なる波長のパルス光を単一の光ファイバから得ることができる短波長多波長短パルス光生成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕短波長多波長短パルス光生成装置において、短パルス光源と、この短パルス光源からの光の特性を調整する光特性調整器と、この光特性調整器からの入射パルスが入射される負分散光ファイバと、この負分散光ファイバからの出力光を分岐する光分岐器と、この光分岐器からの出力光を結合し、それぞれ異なる波長において第2高調波を生成するように調整されている非線形光学素子とを備え、前記負分散光ファイバからの出力光の波長を時間的に変化するように調整し、前記非線形光学素子において波長が結晶の特性と一致したときのみ第2高調波を生成することを特徴とする。
【0008】
〔2〕上記〔1〕記載の短波長多波長短パルス光生成装置において、前記光特性調整器が電気的に光強度を調整するようにした光強度変調器であることを特徴とする。
【0009】
〕短波長多波長短パルス光生成装置において、短パルス光源と、この短パルス光源からの光の強度を調整する光強度調整器と、この光強度調整器からの入射パルスが入射される負分散光ファイバと、この負分散光ファイバからの出力光を分岐する光分岐器と、この光分岐器からの出力光を結合し、それぞれ異なる波長において第2高調波を生成するように調整されている非線形光学素子と、この非線形光学素子の出力光を結合する光結合器と、この光結合器に接続される単一の光出力ファイバと、を備え、前記光強度調整器の調整により、前記単一の光出力ファイバから時間的に異なる波長の第2高調波を出力することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の第1実施例を示す短波長多波長短パルス光生成装置の構成図である。
【0012】
この図において、1は短パルス光源としての超短パルスレーザー、2はその超短パルスレーザー1からの出力光を受ける光特性調整器としての光強度変調器、3はその光強度変調器2に接続されるコントローラ、4は光強度変調器2に接続される負分散光ファイバ、5は負分散光ファイバ4に接続される光分岐器、6は光分岐器5に接続される非線形結晶(非線形光学素子)、7Aは非線形結晶6の出力光であり、第2高調波8Aが重畳している。なお、この出力光7Aは波長フィルタ(図示なし)を通して、第2高調波8Aを出力光として取り出すようにしてもよい。
【0013】
この図において、超短パルスレーザー1からの出力光1Aは光強度変調器2により電気的に透過光強度を変化させる。光強度変調器2の出力は負分散可変光ファイバ4に入射され、負分散光ファイバ4の非線形光学効果によって、波長可変超短パルス光(負分散光ファイバ出力)4Aが生成される。この負分散光ファイバ4の出力光である波長超短パルス光4Aは、光分岐器5によって複数のパルス光に分岐され、非線形結晶6に入射される。各非線形結晶6は、それぞれ異なる波長において第2高調波が効率よく生成されるよう調整されている。よって、負分散光ファイバ4の波長可変超短パルス光4Aの波長を時間的に変化するよう調整すると、各非線形結晶6において波長が結晶の特性と一致したときのみ出力光7Aである第2高調波パルス光が生成される。
【0014】
図2は本発明の第1実施例による光強度変調後の光ファイバの出力における光スペクトルの測定結果を表している。
【0015】
ここでは、負分散光ファイバ4の出力の波長可変超短パルス光4Aの波長は、時間的に周期的に変化する。また、生成される出力光7Aのスペクトル波形はsech2型になっている。
【0016】
光ファイバ長が220mの時では、1.56~1.75μm以上の広帯域に渡ってソリトンパルスが生成される。これまで、最大2.03μmまでの波長シフトが観測されている。
【0017】
図3は本発明の第1実施例による光ファイバの出力において観測されたソリトンパルスの時間波形の自己相関波形を表している。
【0018】
ここでは、自己相関波形は理想的なsech2型に対応するものになっている。光ファイバ長が220mのとき、約300fsのパルス光が得られる。
【0019】
図4は本発明の第2実施例を示す短波長多波長短パルス光生成装置の構成図である。
【0020】
この図において、11は短パルス光源としての超短パルスレーザー、12はその超短パルスレーザー11からの出力光11Aを受ける光特性調整器としての光強度変調器、13はその光強度変調器12に接続されるコントローラ、14は光強度変調器12に接続される負分散光ファイバ、14Aは波長可変超短パルス光(負分散光ファイバ出力)、15は光分岐器、16は非線形結晶、17は光結合器、18は光ファイバ、19は波長フィルタ、20は単一の光出力ファイバである。
【0021】
この実施例では、第1実施例の短波長多波長短パルス光生成装置の構成に加え、各非線形結晶16の出力光16Aを光結合器17で結合し、一つの光ファイバ18から全ての出力光17Aが取れるようにする。光ファイバ18の出力側には波長フィルタ19を設置する。このとき、光強度変調器12の調整によって、時間的に異なる波長のパルス出力光(第2高調波)19Aを単一の光出力ファイバ20の出力から得ることができる。
【0022】
図5は本発明の第2実施例における出力光の光スペクトルの観測結果を表している。
【0023】
この図から明らかなように、非線形結晶は波長812nm、833nm、863nmにおいて第2高調波を効率よく生成するように設計されている。また、光ファイバ18の出力において、3つの異なる波長の超短パルス光17Aが生成されている。
【0024】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0025】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0026】
(A)励起光源から出力されるパルス光を光強度変調器において透過光強度を変化させた後、負分散の光ファイバに入れ、その後光分岐器にて複数のパルス光に分岐し、非線形結晶に入射する。各非線形結晶の出力は、それぞれ異なる波長において、第2高調波が効率よく生成されるように調整されているので、波長が結晶の特性と一致したときのみ第2高調波パルス光を生成することができる。
【0027】
(B)上記(A)の構成の後に、光結合器を入れることにより一つの光ファイバから全ての出力を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す短波長多波長短パルス光生成装置の構成図である。
【図2】 本発明の第1実施例による光ファイバの光強度変調後の光ファイバの出力における光スペクトルの測定結果を示す図である。
【図3】 本発明の第1実施例による光ファイバの出力において観測されたソリトンパルスの時間波形の自己相関波形を示す図である。
【図4】 本発明の第2実施例を示す短波長多波長短パルス光生成装置の構成図である。
【図5】 本発明の第2実施例における出力光の光スペクトルの観測結果を表す図である。
【符号の説明】
1,11 超短パルスレーザー(短パルス光源)
1A,11A 超短パルスレーザーからの出力光
2,12 光強度変調器(光特性調整器)
3,13 コントローラ
4,14 負分散光ファイバ
4A,14A 負分散光ファイバ出力(波長可変超短パルス光)
5,15 光分岐器
6,16 非線形結晶(非線形光学素子)
7A,16A 非線形結晶の出力光
8A,19A 第2高調波(パルス出力光)
17 光結合器
17A 一つの光ファイバからの出力光
18 光ファイバ
19 波長フィルタ
19A パルス出力光(第2高調波)
20 単一の光出力ファイバ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4