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明細書 :短波長帯波長可変短パルス光生成装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3936147号 (P3936147)
公開番号 特開2002-287188 (P2002-287188A)
登録日 平成19年3月30日(2007.3.30)
発行日 平成19年6月27日(2007.6.27)
公開日 平成14年10月3日(2002.10.3)
発明の名称または考案の名称 短波長帯波長可変短パルス光生成装置
国際特許分類 G02F   1/365       (2006.01)
G02F   1/37        (2006.01)
FI G02F 1/365
G02F 1/37
請求項の数または発明の数 3
全頁数 7
出願番号 特願2001-084548 (P2001-084548)
出願日 平成13年3月23日(2001.3.23)
審査請求日 平成15年7月24日(2003.7.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】後藤 俊夫
【氏名】西澤 典彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
審査官 【審査官】三橋 健二
参考文献・文献 特開2000-105394(JP,A)
特開平02-012227(JP,A)
調査した分野 G02F 1/35 - 1/39
IEEE
JSTPlus(JDream2)
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)短パルス光源と、
(b)該短パルス光源からの光の第2高調波を生成する非線形光学素子と、
(c)該非線形光学素子において波長の変換された第2高調波の短パルス光の強度を調整する光強度調整器と、
(d)該光強度調整器から入射パルスが入射されるとともに、第2高調波の波長帯で負分散を示し第1の第2高調波パルスから波長のシフトした第2の第2高調波パルス、および波長可変超短パルスを生成することができる負分散光ファイバとを具備することを特徴とする短波長帯波長可変短パルス光生成装置。
【請求項2】
(a)短パルス光源と、
(b)該短パルス光源からの光の第2高調波を生成する非線形光学素子と、
(c)該非線形光学素子において波長の変換された第2高調波の短パルス光の強度を調整する光強度調整器と、
(d)該光強度調整器から入射パルスが入射されるとともに、出力パルスの波長をシフトさせる、第2高調波の波長帯で分散零近傍であり、長波長側にシフトする波長可変ストークスパルスと共に、短波長側にシフトする波長可変アンチストークスパルスを生成することができる零分散光ファイバとを具備することを特徴とする短波長帯波長可変短パルス光生成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の短波長帯波長可変短パルス光生成装置において、前記光強度調整器を電気的に調整し、パルス光の波長を制御する手段を具備することを特徴とする短波長帯波長可変短パルス光発生装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、短波長帯波長可変短パルス光生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の波長可変光源は、機械的に光学部品を回転・移動させて波長を変化させるものであった。そのため、波長の可変速度が遅く、装置が大がかりであった。
【0003】
本願発明者らは、既に、特開2000-105394として、「波長可変短パルス光発生装置及び方法」を提案し、光ファイバにおける非線形光学効果を用いて、光の強度を変化させるだけで、光学系の調整をすることなく波長を変化させることのできる波長可変短パルス光生成装置を開発した。
【0004】
この波長可変短パルス光生成装置は、光ファイバを用いて励起光波長から波長が連続にシフトするパルス光を生成することができた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の波長可変短パルス光生成装置では、物質と光の相互作用が最も顕著な波長1μm以下の光スペクトルを得ることができなかった。
【0006】
本発明は、上記問題点を除去し、物質と光の相互作用が最も顕著な波長1μm以下の光スペクトルを得ることができる短波長帯波長可変短パルス光生成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕短波長帯波長可変短パルス光生成装置において、短パルス光源と、この短パルス光源からの光の第2高調波を生成する非線形光学素子と、この非線形光学素子において波長の変換された第2高調波の短パルス光の強度を調整する光強度調整器と、この光強度調整器から入射パルスが入射されるとともに、第2高調波の波長帯で負分散を示し、第1の第2高調波パルスから波長のシフトした第2の第2高調波パルス、および波長可変超短パルスを生成することができる負分散光ファイバとを具備することを特徴とする。
【0008】
〔2〕短波長帯波長可変短パルス光生成装置において、短パルス光源と、この短パルス光源からの光の第2高調波を生成する非線形光学素子と、この非線形光学素子において波長の変換された第2高調波の短パルス光の強度を調整する光強度調整器と、この光強度調整器から入射パルスが入射されるとともに、出力パルスの波長をシフトさせる、第2高調波の波長帯で分散零近傍であり、長波長側にシフトする波長可変ストークスパルスと共に、短波長側にシフトする波長可変アンチストークスパルスを生成することができる零分散光ファイバとを具備することを特徴とする。
【0009】
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の短波長帯波長可変短パルス光生成装置において、前記光強度調整器を電気的に調整し、パルス光の波長を制御する手段を具備することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の第1実施例を示す短波長帯波長可変短パルス光生成装置の構成図である。
【0013】
この図において、1は短パルス光源としての超短パルスレーザー、2は非線形光学素子としての非線形結晶、2Aは第2高調波パルス、3は光特性調整器としての光強度調整器、4は負分散光ファイバ、4Aは第1の第2高調波パルス、4Bは第2の第2高調波パルス、4Cは波長可変超短パルスである。
【0014】
この実施例では、短パルス光源として超短パルスレーザー1を用いる。この超短パルスレーザー1からの出力を非線形結晶2に通し、第2高調波のパルス2Aを生成する。生成された第2高調波のパルス2Aは、光強度調整器3において透過光強度が調整される。光強度調整器3の出力は、構造を制御することで第2高調波の波長帯において負の分散を示す負分散光ファイバ4に入射される。この負分散光ファイバ4において、第1の第2高調波のパルス4Aから波長のシフトした第2の第2高調波のパルス4B、および波長可変超短パルス4Cが生成される。
【0015】
実際の実験では、光源には、波長1556nmで発振する超短パルスレーザー1を用いる。この超短パルスレーザー1の出力では、パルス光の時間幅は約200fsである。また、非線形結晶2には、周期分極反転LiNbO3 結晶(PPLN)を用い、778nmの波長において約200fsの超短パルス光を生成する。光強度調整器3には、波長板と偏光分岐器の組み合わせを用いる。光ファイバには、通常の光ファイバを延伸し、外形を3μm程度まで細径化した負分散光ファイバ4を用いる。この負分散光ファイバ4を用いると、波長778nmにおいても負の分散が得られる。
【0016】
この負分散光ファイバ4を用いると、光ファイバ中でパルスの圧縮効果が得られ、励起光の波長から長波長側に連続にシフトする波長可変超短パルス4Cを生成することができる。
【0017】
図2は本発明の第1実施例の光ファイバの出力において観測した光スペクトルの測定結果を表している。
【0018】
この図から明らかなように、波長775nmの励起光(4A)の波長に対し、長波長側に波長のシフトした波長可変超短パルス(ソリトンパルス:波長850nm)(4C)が生成されている。このソリトンパルスは、ラマン散乱とソリトン効果の相乗効果によって生成される。このパルス光の波長は、励起光強度の変化に伴って連続的にシフトする。
【0019】
図3は本発明の第2実施例を示す短波長帯波長可変短パルス光生成装置の構成図である。
【0020】
この図において、11は超短パルスレーザー、12は非線形結晶、13は光強度調整器、14は零分散光ファイバ、14Aは第1の第2高調波パルス、14Bは波長可変アンチストークスパルス、14Cは第2の第2高調波パルス、14Dは波長可変ストークスパルスである。
【0021】
ここでは、第2高調波の波長において波長分散を零分散に近づけると、長波長側にシフトする波長可変ストークスパルス14Dと共に、短波長側にシフトする波長可変アンチストークスパルス14Bを生成することができる。この方法を用いると、第2高調波の長波長側と短波長側の両方の帯域にパルススペクトルを生成することができる。
【0022】
図4は本発明の第2実施例において、光ファイバの出力で観測した光スペクトルの測定結果を表している。
【0023】
この図から明らかなように、励起光の波長778nmにおいて波長分散の大きさが零近傍になっているため、長波長側のソリトンパルス(波長可変ストークスパルス14D)と共に、短波長側に波長可変アンチストークスパルス(14B)が生成されている。この二つのパルス光の波長は励起光強度の変化に伴って連続的に変化する。
【0024】
図5は本発明の第3実施例を示す短波長帯波長可変短パルス光生成装置の構成図である。
【0025】
この図において、21は超短パルスレーザー、22は非線形結晶、23は光強度調整器、24はコントローラ、25は分散制御光ファイバ、25Aは第1の第2高調波パルス、25Bは第2の第2高調波パルス、25Cは波長可変超短パルスである。
【0026】
ここでは、光特性調整器として、光強度調整器23において電気的に透過光の特性を調整する変調器を用いる。このような電気的な変調器を用いると、生成される波長可変超短パルス光の波長を電気的に制御することができる。
【0027】
この短波長帯波長可変短パルス光生成装置を用いると、生成されるパルス光の波長を自動制御することや、高速に波長を制御することができる。
【0028】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0029】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、物質との相互作用が顕著に現れる1μm以下の波長帯で波長可変短パルス光を生成することができ、極めて有用な光源を提供することができる。
【0030】
また、光の強度を変化させるだけで、生成されるパルス光の波長を連続的に変化させることができる。
【0031】
更に、光軸を変化させることなく、高速に波長を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す短波長帯波長可変短パルス光生成装置の構成図である。
【図2】 本発明の第1実施例の光ファイバの出力において観測した光スペクトルの測定結果を示す図である。
【図3】 本発明の第2実施例を示す短波長帯波長可変短パルス光生成装置の構成図である。
【図4】 本発明の第2実施例の光ファイバの出力で観測した光スペクトルの測定結果を示す図である。
【図5】 本発明の第3実施例を示す短波長帯波長可変短パルス光生成装置の構成図である。
【符号の説明】
1,11,21 超短パルスレーザー(短パルス光源)
2,12,22 非線形結晶(非線形光学素子)
2A 第2高調波パルス
3,13,23 光強度調整器(光特性調整器)
4 負分散光ファイバ
4A,14A,25A 第1の第2高調波パルス
4B,14C,25B 第2の第2高調波パルス
4C,25C 波長可変超短パルス
14 零分散光ファイバ
14B 波長可変アンチストークスパルス
14D 波長可変ストークスパルス
24 コントローラ
25 分散制御光ファイバ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4