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明細書 :エッチング装置およびエッチング方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-152367 (P2016-152367A)
公開日 平成28年8月22日(2016.8.22)
発明の名称または考案の名称 エッチング装置およびエッチング方法
国際特許分類 H01L  21/302       (2006.01)
H01L  21/3065      (2006.01)
FI H01L 21/302 201A
H01L 21/302 105A
請求項の数または発明の数 14
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2015-030105 (P2015-030105)
出願日 平成27年2月18日(2015.2.18)
発明者または考案者 【氏名】田嶋 聡美
【氏名】林 俊雄
【氏名】堀 勝
出願人 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100087723、【弁理士】、【氏名又は名称】藤谷 修
【識別番号】100165962、【弁理士】、【氏名又は名称】一色 昭則
審査請求 未請求
テーマコード 5F004
Fターム 5F004AA09
5F004BA19
5F004BC03
5F004CA02
5F004CA04
5F004DA00
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA25
5F004DA28
5F004DB01
5F004EA06
5F004EB02
要約 【課題】 プラズマ発生装置を用いることなく、非常に遅いエッチングレートでエッチングすることのできるエッチング装置およびエッチング方法を提供することである。
【解決手段】 エッチング装置100は、Si部材をガスエッチングするための反応室150と、NO2 ガスを含む第1のガスを貯蔵するための第1のガス貯蔵部111と、F2 ガスを含む第2のガスを貯蔵するための第2のガス貯蔵部121と、第1のガス貯蔵部111から反応室150まで第1のガスを供給する第1の配管112と、第1の配管112を加熱する第1の配管加熱部192と、を有する。第1の配管加熱部192は、第1の配管112を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
エッチング装置において、
Si部材をガスエッチングするための反応室と、
NO2 ガスを含む第1のガスを貯蔵するための第1のガス貯蔵部と、
2 ガスを含む第2のガスを貯蔵するための第2のガス貯蔵部と、
前記第1のガス貯蔵部から前記反応室まで前記第1のガスを供給する第1の配管と、
前記第2のガス貯蔵部から前記反応室まで前記第2のガスを供給する第2の配管と、
を有し、
前記第1のガス貯蔵部と前記第2のガス貯蔵部と前記第1の配管と前記第2の配管との少なくとも1つを40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する加熱部を有すること
を特徴とするエッチング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエッチング装置において、
前記第1の配管を加熱する第1の配管加熱部を有し、
前記第1の配管加熱部は、
前記第1の配管を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱すること
を特徴とするエッチング装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のエッチング装置において、
前記第1のガス貯蔵部を加熱する第1のガス貯蔵部加熱部を有し、
前記第1のガス貯蔵部加熱部は、
前記第1のガス貯蔵部を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱すること
を特徴とするエッチング装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエッチング装置において、
前記第2の配管を加熱する第2の配管加熱部を有し、
前記第2の配管加熱部は、
前記第2の配管を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱すること
を特徴とするエッチング装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のエッチング装置において、
前記第2のガス貯蔵部を加熱する第2のガス貯蔵部加熱部を有し、
前記第2のガス貯蔵部加熱部は、
前記第2のガス貯蔵部を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱すること
を特徴とするエッチング装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のエッチング装置において、
前記反応室を加熱する反応室加熱部を有し、
前記反応室加熱部は、
前記反応室を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱すること
を特徴とするエッチング装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のエッチング装置において、
前記Si部材の温度を制御する基板温度制御部を有し、
前記基板温度制御部は、
前記Si部材の温度を-20℃以上180℃未満の範囲内の温度とすること
を特徴とするエッチング装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のエッチング装置において、
プラズマ発生装置を有していないこと
を特徴とするエッチング装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のエッチング装置において、
前記反応室は、
内圧を10Pa以上10000Pa以下の範囲内とするものであること
を特徴とするエッチング装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のエッチング装置において、
Ar、He、Ne、Xe、Kr、N2 のいずれか1種類以上のガスを含む第3のガスを貯蔵するための第3のガス貯蔵部と、
前記第3のガス貯蔵部から前記第1の配管まで前記第3のガスを供給する第3の配管と、
前記第3の配管を加熱する第3の配管加熱部と、
を有し、
前記第3の配管加熱部は、
前記第3の配管を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱すること
を特徴とするエッチング装置。
【請求項11】
エッチング方法において、
Si部材をガスエッチングするための反応室と、
NO2 ガスを含む第1のガスを貯蔵するための第1のガス貯蔵部と、
2 ガスを含む第2のガスを貯蔵するための第2のガス貯蔵部と、
前記第1のガス貯蔵部から前記反応室まで前記第1のガスを供給する第1の配管と、
前記第2のガス貯蔵部から前記反応室まで前記第2のガスを供給する第2の配管と、
を有するエッチング装置を用い、
前記第1のガス貯蔵部と前記第2のガス貯蔵部と前記第1の配管と前記第2の配管との少なくとも1つを40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱し、
2 およびNO2 を含む混合気体の圧力を10Pa以上10000Pa以下の範囲内として前記Si部材に導き、
前記Si部材をエッチングすること
を特徴とするエッチング方法。
【請求項12】
請求項11に記載のエッチング方法において、
前記Si部材の温度を-20℃以上180℃未満の範囲内の温度とすること
を特徴とするエッチング方法。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載のエッチング方法において、
2 およびNO2 を含む混合気体をプラズマ状態にしないで前記Si部材に導くこと
を特徴とするエッチング方法。
【請求項14】
請求項11から請求項13までのいずれか1項に記載のエッチング方法において、
前記エッチング装置として、
Ar、He、Ne、Xe、Kr、N2 のいずれか1種類以上のガスを含む第3のガスを貯蔵するための第3のガス貯蔵部と、
前記第3のガス貯蔵部から前記第1の配管まで前記第3のガスを供給する第3の配管と、
を有するものを用い、
前記第3の配管を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱すること
を特徴とするエッチング方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本明細書の技術分野は、エッチング装置およびエッチング方法に関する。さらに詳細には、Si単結晶、Si多結晶、アモルファスシリコン等をガスエッチングするエッチング装置およびエッチング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エッチング技術は、半導体デバイスの製造における種々の工程で実施される。例えば、MOSデバイスにおける電極形成工程や、太陽電池における表面の粗面化工程や、MEMSにおける犠牲層エッチング工程、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing(CMP))のダメージ層除去等が挙げられる。このようにシリコンを対象とするエッチング技術は、多岐の技術分野に応用されている。
【0003】
エッチングの種類には、ウェットエッチングとドライエッチングがある。ドライエッチングには、プラズマを用いてイオンやラジカルを発生させる反応性イオンエッチングがある。例えば、特許文献1には、SF6 ガスと塩素ガスとの混合ガスをプラズマ化して多結晶Siをドライエッチングする技術が開示されている。
【0004】
また、ドライエッチングには、プラズマを用いないケミカルドライエッチングがある。例えば、特許文献2には、XeF2 ガスを用いてシリコン基板をケミカルドライエッチングする技術が開示されている(特許文献2の段落[0002]等参照)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2002-367957号公報
【特許文献2】特開2000-21849号公報
【特許文献3】国際公開第2014/141664号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、MOSデバイスの製造工程において、ゲート電極を反応性イオンエッチングにより形成する場合には、その電極の周囲に、イオンダメージが残留する(Nakakubo et al. Jpn. J. Appl. Phys. 49 (2010) 08JD02, Erituchi & Ono, J. Phys. D 41 (2008) 024002 )。また、大面積基板をエッチングする場合のプラズマ発生領域では、プラズマ密度が局所的に高い。つまり、ウエハに対してプラズマ密度の高い箇所とプラズマ密度の低い箇所とが生じてしまう。そのため、ウエハの平面に均一にエッチングを実施するのが困難である。また、プラズマを用いたエッチング方法を用いるためには、もちろん、設備にプラズマ発生装置を設ける必要がある。そのため、設備が複雑化、大型化しやすい。そして、設備が高価なものとなってしまう。
【0007】
一方、プラズマを用いないケミカルドライエッチングで用いられるガスは、取扱いが容易でないことが多い。そもそも、これらのガスは、非常に高い反応性を有している。例えば、XeF2 ガスは、腐食性、毒性を有しており、沸点が114℃と高く、取り扱いが容易ではない。また、キセノン(Xe)は希少である。そのため、ガスそのものが高価なものとなってしまう。また、ClF3 がエッチングガスとして用いられることがある。ClF3 ガスは、支燃性、腐食性、毒性を有している。そして、ClF3 ガスも高価である。
【0008】
そこで、本発明者らは、F2 とNO2 とを用いたガスエッチング技術と、F2 とNOとを用いたガスエッチング技術と、を研究開発した(特許文献3参照)。NO2 は、NOに比べて、F2 と反応しにくい(特許文献3の段落[0061]-[0076]および図5から図8参照)。したがって、NO2 はより遅いエッチングレートでエッチングをすることができる(特許文献3の図37参照)。しかし、基板温度を180℃以上とする必要があった。この温度領域では、エッチングレートを数nm/minに制御することが、やや困難であった。
【0009】
ここで、ゲート電極近傍における反応性イオンエッチングでは、半導体等に深さ10nm程度のダメージ層が発生する。このダメージ層を除去するためには、特許文献3に記載のエッチングレートよりもさらに遅いエッチングレートでエッチングすることが好ましい。しかし、特許文献3に記載の技術では、基板温度が180℃未満では、エッチングができなかった。用いるガスの反応性が低ければ、エッチングそのものが生じないのである。そのため、(1)エッチングができること、(2)エッチングレートが遅いこと、を兼ね備えるエッチング技術を研究開発することは決して容易ではない。
【0010】
本明細書の技術は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは、プラズマ発生装置を用いることなく、非常に遅いエッチングレートでエッチングすることのできるエッチング装置およびエッチング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様におけるエッチング装置は、Si部材をガスエッチングするための反応室と、NO2 ガスを含む第1のガスを貯蔵するための第1のガス貯蔵部と、F2 ガスを含む第2のガスを貯蔵するための第2のガス貯蔵部と、第1のガス貯蔵部から反応室まで第1のガスを供給する第1の配管と、第2のガス貯蔵部から反応室まで第2のガスを供給する第2の配管と、を有する。そして、エッチング装置は、第1のガス貯蔵部と第2のガス貯蔵部と第1の配管と第2の配管との少なくとも1つを40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する加熱部を有する。
【0012】
このエッチング装置は、Si単結晶やSi多結晶等のSi結晶や、アモルファスシリコン、シリコン窒化膜、シリコン炭化膜、シリコン酸化膜をドライエッチングするための装置である。また、この方法はガスエッチング方法であり、供給するガスをプラズマ状態にしない。そのため、プラズマ発生領域でプラズマ密度が局所的に高くなってしまうプラズマエッチングと異なり、ウエハに対して均一なエッチングが可能である。すなわち、大口径のシリコンウエハのエッチングに好適である。さらには、比較的安価なガスを用いてエッチングを実施することができる。
【0013】
そして、このエッチング装置では、第1のガスの供給経路を加熱する。そのため、エッチング対象であるSi部材の温度を180℃未満に設定してもエッチングをすることができる。第1のガスの供給経路と第2のガスの供給経路との少なくとも一方を加熱することにより、F2 とNO2 との反応を活発にするとともに、第1のガスに含まれているNO2 の割合を増やす。したがって、エッチング装置は、Si部材の温度が比較的低い状態で、Si部材を非常に小さいエッチングレートでエッチングすることができる。そのため、例えば、MOSFETのゲート近傍に生ずるダメージ層を除去するために適用することができる。
【0014】
第2の態様におけるエッチング装置は、第1の配管を加熱する第1の配管加熱部を有する。第1の配管加熱部は、第1の配管を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する。
【0015】
第3の態様におけるエッチング装置は、第1のガス貯蔵部を加熱する第1のガス貯蔵部加熱部を有する。第1のガス貯蔵部加熱部は、第1のガス貯蔵部を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する。
【0016】
第4の態様におけるエッチング装置は、第2の配管を加熱する第2の配管加熱部を有する。第2の配管加熱部は、第2の配管を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する。
【0017】
第5の態様におけるエッチング装置は、第2のガス貯蔵部を加熱する第2のガス貯蔵部加熱部を有する。第2のガス貯蔵部加熱部は、第2のガス貯蔵部を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する。
【0018】
第6の態様におけるエッチング装置は、反応室を加熱する反応室加熱部を有する。反応室加熱部は、反応室を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する。
【0019】
第7の態様におけるエッチング装置は、Si部材の温度を制御する基板温度制御部を有する。基板温度制御部は、Si部材の温度を-20℃以上180℃未満の範囲内の温度とする。このように、ガスの供給経路を加熱する代わりにSi部材の温度を低くしても、Si部材を低いエッチングレートでエッチングをすることができる。
【0020】
第8の態様におけるエッチング装置は、プラズマ発生装置を有していない。つまり、F2 およびNO2 を含む混合気体をプラズマ状態にしないでSi部材に導く。そのため、高価なプラズマ発生装置を設ける必要がない。
【0021】
第9の態様におけるエッチング装置においては、反応室の内圧は10Pa以上10000Pa以下の範囲内である。
【0022】
第10の態様におけるエッチング装置は、Ar、He、Ne、Xe、Kr、N2 のいずれか1種類以上のガスを含む第3のガスを貯蔵するための第3のガス貯蔵部と、第3のガス貯蔵部から第1の配管まで第3のガスを供給する第3の配管と、第3の配管を加熱する第3の配管加熱部と、を有する。第3の配管加熱部は、第3の配管を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する。
【0023】
第11の態様におけるエッチング方法においては、Si部材をガスエッチングするための反応室と、NO2 ガスを含む第1のガスを貯蔵するための第1のガス貯蔵部と、F2 ガスを含む第2のガスを貯蔵するための第2のガス貯蔵部と、第1のガス貯蔵部から反応室まで第1のガスを供給する第1の配管と、第2のガス貯蔵部から反応室まで第2のガスを供給する第2の配管と、を有するエッチング装置を用いる。そして、第1のガス貯蔵部と第2のガス貯蔵部と第1の配管と第2の配管との少なくとも1つを40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱し、F2 およびNO2 を含む混合気体の圧力を10Pa以上10000Pa以下の範囲内としてSi部材に導き、Si部材をエッチングする。
【0024】
第12の態様におけるエッチング方法においては、Si部材の温度を-20℃以上180℃未満の範囲内の温度とする。
【0025】
第13の態様におけるエッチング方法においては、F2 およびNO2 を含む混合気体をプラズマ状態にしないでSi部材に導く。
【0026】
第14の態様におけるエッチング方法においては、エッチング装置として、Ar、He、Ne、Xe、Kr、N2 のいずれか1種類以上のガスを含む第3のガスを貯蔵するための第3のガス貯蔵部と、第3のガス貯蔵部から第1の配管まで第3のガスを供給する第3の配管と、を有するものを用いる。第3の配管を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する。
【発明の効果】
【0027】
本明細書では、プラズマ発生装置を用いることなく、非常に遅いエッチングレートでエッチングすることのできるエッチング装置およびエッチング方法が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態におけるエッチング装置の概略構成を示す図である。
【図2】実施形態におけるエッチング装置の反応室の周辺の構成を示す図である。
【図3】Si基板をエッチングした様子を示す顕微鏡写真である。
【図4】基板温度とエッチングレートとの関係を示すグラフである。
【図5】実施形態の変形例におけるエッチング装置の概略構成を示す図(その1)である。
【図6】実施形態の変形例におけるエッチング装置の概略構成を示す図(その2)である。
【図7】実施形態の変形例におけるエッチング装置の反応室の周辺の構成を示す図である。
【図8】実施形態の変形例におけるエッチング装置の概略構成を示す図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、具体的な実施形態について、Si結晶等にケミカルドライエッチングを行うことのできるエッチング装置およびエッチング方法を例に挙げて図を参照しつつ説明する。

【0030】
(第1の実施形態)
本実施形態では、F2 +NO2 →F+FNO2 の反応により生じるF原子をSi部材に反応させることにより、Si部材をエッチングすることに特徴がある。ここで、Si部材とは、Si単結晶と、Si多結晶と、アモルファスシリコンと、シリコン窒化膜(SiN)と、シリコン炭化膜(SiC)と、シリコン酸化膜(SiO)を含む材質から成るものである。そして、Si部材は、MOSや太陽電池等の半導体、電子素子として、もしくは、MEMS等の機械部品に用いられる。

【0031】
1.エッチング装置
1-1.ガスの供給経路
図1は、本実施形態のエッチング装置100の全体の概略を示す概略構成図である。エッチング装置100は、第1のガス貯蔵部111と、第2のガス貯蔵部121と、第3のガス貯蔵部131と、第1の配管112と、第2の配管122と、第3の配管132と、ガス混合室140と、反応室150と、を有している。また、その他に、ガスを排出するガス排出部や、種々の弁を有している。なお、エッチング装置100は、プラズマ発生装置を有していない。

【0032】
第1のガス貯蔵部111は、NO2 ガスを含む第1のガスを貯蔵するためのものである。また、第1のガス貯蔵部111は、第1のガスを反応室150に供給するためのものである。第1のガスは、NO2 を含むガスである。第1のガスは、低圧ガス管で供給される。

【0033】
第2のガス貯蔵部121は、F2 ガスを含む第2のガスを貯蔵するためのものである。また、第2のガス貯蔵部121は、第2のガスを反応室150に供給するためのものである。第2のガスは、F2 ガスとArガスとの混合気体である。この混合気体におけるF2 ガスの混合比は、体積比で5%である。第2のガスは、低圧ガス管で供給される。

【0034】
第3のガス貯蔵部131は、第3のガスであるArガスを貯蔵するためのものである。また、第3のガス貯蔵部131は、Arガスを第1のガスに混合させるためのものである。そのため、この混合の後には、第1のガスは、NO2 ガスとArガスとを含む混合気体になっている。このように、第1のガスは、NO2 ガスを含むガスである。これらのガスは、低圧ガス管で供給される。

【0035】
第1の配管112は、第1のガス貯蔵部111から反応室150まで第1のガスを供給するためのものである。第1の配管112は、第1のガス貯蔵部111からガス混合室140までを連結している。第1の配管112は、マスフローコントローラーと、圧力調整バルブと、を有している。これにより、第1の配管112は、設定した流量および圧力で第1のガスを輸送する。

【0036】
第2の配管122は、第2のガス貯蔵部121から反応室150まで第2のガスを供給するためのものである。第2の配管122は、第2のガス貯蔵部121からガス混合室140までを連結している。第2の配管122は、マスフローコントローラーと、圧力調整バルブと、を有している。これにより、第2の配管122は、設定した流量および圧力で第2のガスを輸送する。

【0037】
第3の配管132は、第3のガス貯蔵部131から第1の配管112までArガスを供給するためのものである。第3の配管132は、第3のガス貯蔵部131から合流部133までを連結している。合流部133は、第1のガスとArガスとを合流させる箇所である。第3の配管132は、マスフローコントローラーと、圧力調整バルブと、を有している。これにより、第3の配管132は、設定した流量および圧力でArガスを輸送する。

【0038】
ここで、第1の配管112の内部の圧力と、第2の配管122の内部の圧力と、第3の配管132の内部の圧力とは、ほぼ同じである。そのため、これらを流れるガスを合流させても、特に問題は生じない。

【0039】
ガス混合室140は、NO2 ガスを含む第1のガスと、F2 ガスを含む第2のガスと、を混合させるためのものである。そのため、ガス混合室140は、反応室150よりガスの流れの上流側の位置に配置されている。ガス混合室140の材質として、耐熱ガラスや石英管、ステンレス管が挙げられる。このガス混合室140の内部の温度および圧力は、反応室150のものとほぼ同じである。ガス混合室140の内部では、後述する反応式により、F原子が生成される。

【0040】
反応室150は、ガス混合室140で生成された混合気体によりSi部材をガスエッチングするためのものである。反応室150の材質として、耐熱ガラスや石英管、ステンレス管が挙げられる。反応室150の詳細については後述する。

【0041】
1-2.反応室
図2に示すように、反応室150は、載置台151と、ヒーター152と、を有している。載置台151は、エッチングの対象であるSi部材S1を載置するための台である。また、載置台151には、温度計が取り付けられている。これにより、Si部材S1の温度を測定することができるようになっている。ヒーター152は、Si部材S1を加熱するためのものである。Si部材S1の温度をフィードバックすることにより、ヒーター152は、Si部材S1の温度をほぼ一定に保持することができる。

【0042】
そして、反応室150には、圧力計170が設けられている。圧力計170は、反応室150の内圧を測定するためのものである。ここで、反応室150の内部の圧力は、10Pa以上10000Pa以下の範囲内である。また、反応室150の内部の圧力は、100Pa以上1000Pa以下の範囲内であるとなおよい。また、反応室150には、ドライポンプ180が設けられている。

【0043】
2.加熱部
図1に示すように、エッチング装置100は、第1のガス貯蔵部加熱部191と、第1の配管加熱部192と、混合室加熱部193と、反応室加熱部194と、を有している。第1のガス貯蔵部加熱部191と、第1の配管加熱部192と、混合室加熱部193と、反応室加熱部194とは、第1のガスを供給する供給経路を加熱するための加熱部である。

【0044】
第1のガス貯蔵部加熱部191は、第1のガス貯蔵部111を加熱する。具体的には、ガスボンベを加熱している。第1のガス貯蔵部加熱部191は、例えば、ウォーターバスである。また、第1のガス貯蔵部加熱部191は、ガスボンベを加熱できるものであればその他のヒーターを用いることができる。ただし、第1のガス貯蔵部加熱部191は、ガスボンベを加熱しすぎないよう、温度調整できることが望ましい。つまり、第1のガス貯蔵部加熱部191は、第1のガス貯蔵部111を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する。好ましくは、第1のガス貯蔵部111を50℃以上100℃以下の範囲内の温度に加熱する。

【0045】
第1の配管加熱部192は、第1の配管112を加熱する。例えば、発熱体を第1の配管112に巻きつける。または、第1の配管112として、第1の流路と、第1の流路の外周をとりまく第2の流路と、を有するものを用いてもよい。第1の流路に第1のガスを流すとともに、第2の流路にお湯等の熱流体を流す。第1の配管加熱部192は、温度調整できることが望ましい。つまり、第1の配管加熱部192は、第1の配管112を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する。好ましくは、第1の配管112を50℃以上100℃以下の範囲内の温度に加熱する。

【0046】
混合室加熱部193は、ガス混合室140を加熱する。混合室加熱部193における加熱方法は、第1の配管加熱部192と同様である。混合室加熱部193は、ガス混合室140を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する。好ましくは、ガス混合室140を50℃以上100℃以下の範囲内の温度に加熱する。

【0047】
反応室加熱部194は、反応室150を加熱する。反応室加熱部194における加熱方法は、第1の配管加熱部192と同様である。反応室加熱部194は、反応室150を40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱する。好ましくは、反応室150を50℃以上100℃以下の範囲内の温度に加熱する。

【0048】
また、エッチング装置100は、温度制御部160を有している。温度制御部160は、第1のガス貯蔵部加熱部191と、第1の配管加熱部192と、混合室加熱部193と、反応室加熱部194と、ヒーター152と、を制御するためのものである。これにより、各部の温度を好適に制御する。

【0049】
3.ガス混合室および反応室で生じる化学反応
3-1.ガス混合室での反応
ここで、ガス混合室140で生じる化学反応について説明する。ガス混合室140では、次に示す式(1)および式(2)の化学反応が生じる。
2 + NO2 → F + FNO2 ………(1)
F + NO2 → FNO2 ………(2)
式(1)の反応速度定数: k1
式(2)の反応速度定数: k2

【0050】
このように、F2 ガスとNO2 ガスとが混合することにより、式(1)に示すように、F原子が生成される。そして、式(2)に示すように、生成されたF原子はNO2 と再結合し、F原子は減少する。そのため、これらの反応のいずれが支配的であるかによって、F原子の濃度は異なる値をとる。

【0051】
なお、従来においては、k2がk1に比べて十分に大きいとの認識が強かった。すなわち、F原子はほとんど生成されないと考えられていた(D. D. Ebbing and S. D. Gammon, General Chemistry, Brooks/Cole Pub. Co; 9th Enhanced ed. P555. )。したがって、F2 ガスとNO2 ガスとを混合することにより、エッチングを実施できるとは到底考えられなかった。

【0052】
本実施形態では、後述するように、低圧下でF2 ガスとNO2 ガスとを混合する。低圧下での各粒子の平均自由行程は、高圧下での各粒子の平均自由行程に比べて長い。また、本実施形態では、F2 とNO2 とを少なくとも含む混合気体をガス混合室140に継続して供給し続けることとしている。そのため、式(1)の反応によって生じるF原子がガス混合室140の内部に一定数存在し得るであろうと考えられる。

【0053】
3-2.反応室での反応
反応室150の内部においても、上記の式(1)および式(2)の反応は生じている。そして、反応室150の内部に一定数存在し得るであろうF原子を用いてSi部材S1にエッチングを実施する。このときSi部材S1のSi原子との反応に寄与する粒子は、F原子のみとは限らない。ただし、F原子が主にエッチングに寄与すると考えられる。

【0054】
4.供給経路の加熱と反応
4-1.反応の活性化
化学反応は、一般に温度に依存する。そして、反応速度定数は、温度の上昇とともに増大する。そのため、第1の配管加熱部192等の加熱部は、第1の配管112等のガス供給経路を加熱することにより、ガス混合室140における式(1)の反応を活性化させると考えられる。

【0055】
4-2.NO2 とN2 4 との平衡状態
NO2 とN2 4 とは、平衡状態にある(L. Medard, Gas Encyclopedia, translated by N. Marshall, (Elsevier, 1976) p.1065 )。例えば、大気圧下で室温(25℃)の場合には、NO2 が約30%を占めるとともに、N2 4 が約70%を占める。そして、温度が高いほど、NO2 の割合は高い。大気圧下では、140℃以上の温度でNO2 の割合は98%以上である。したがって、加熱することにより、式(1)の反応を活性化させると考えられる。

【0056】
上記の2つの効果がどのような相乗効果を奏するかについては、実験しない限り不明である。しかし、第1のガス貯蔵部加熱部191と、第1の配管加熱部192と、混合室加熱部193と、反応室加熱部194とは、式(1)の反応を活性化させると考えられる。

【0057】
5.エッチング方法
5-1.パターン形成工程
本実施形態のエッチング方法について説明する。まず、Si部材S1にマスクパターンを形成する。マスクの材質として、例えばSiO2 が挙げられる。

【0058】
5-2.エッチング供給工程
そして、反応室150の載置台151の上にSi部材S1を載置する。次に、反応室150を真空引きして反応室150の内圧を下げる。それとともに、ヒーター152を設定値まで加熱する。そして、第1のガス貯蔵部111から第1のガスを供給するとともに、第2のガス貯蔵部121から第2のガスを供給するとともに、第3のガス貯蔵部131からArガスを供給する。その際、NO2 を含む第1のガスは、供給経路に設けられた第1の配管加熱部192等により加熱される。

【0059】
そして、ガス混合室140において、前述の式(1)に示した反応によりF原子が発生する。また、その他の粒子も生成される。このときガス混合室140の混合気体中には、F2 と、NO2 と、Fと、FNO2 と、Arと、N2 4 と、が存在し得る。また、反応室150においても、同様の反応が継続し、同様の粒子が存在し得る。

【0060】
次に、反応室150の内部で、この混合気体をSi部材S1に導く。そして、F原子がSi部材S1と反応する。これにより、Si部材S1のエッチングが進行する。そして、Si部材S1のマスクで覆われていない部分を除去する。ここで、反応室150の内部の圧力は、10Pa以上10000Pa以下の範囲内である。また、反応室150の内部の圧力は、100Pa以上1000Pa以下の範囲内であるとなおよい。なお、反応室150の内部の圧力とは、反応室150の内部に占める混合気体の全圧のことである。そのため、Arガスを供給していれば、その圧力をも含む。そして、Si部材S1の温度は、-20℃以上500℃以下の範囲内とする。また、Si部材S1の温度が-20℃以上180℃未満の範囲内であっても、エッチングを実施することができる。この圧力および温度の範囲内では、混合気体は気体のままである。混合気体をプラズマ状態にすることはない。

【0061】
5-3.その他の工程
また、その他の工程を実施してもよい。

【0062】
6.本実施形態の効果
本実施形態のエッチング装置100およびエッチング方法を用いることにより、基板温度が180℃未満の場合に、Si部材S1をエッチングすることができる。特許文献3の技術では、基板温度が180℃未満の条件のときにエッチングは進行しなかった。

【0063】
本実施形態では、供給するガスのうち、NO2 を含む第1のガスを加熱することにより、式(1)の反応を起こりやすくする。そして、基板温度を低く設定する。このように、第1のガスの温度を高くする代わりに、基板温度を低く設定する。これにより、基板温度が低い状態でエッチングをすることができる。また、後述する実験で説明するように、従来よりも遅いエッチングレートでエッチングを実施することができる。

【0064】
7.実験A(F2 +NO2 のエッチング可能性)
7-1.Si部材
本実験では、Si部材S1として、シリコン基板を用いた。このシリコン基板のサイズは、幅6mm長さ15mmであった。また、シリコン基板はp型半導体である。そして、その電気抵抗率は10Ωcmであった。

【0065】
7-2.実験条件
ArガスにF2 ガスを体積比で5%の割合で混合した混合気体を109.1sccm供給した。これにより、F2 ガスを反応室に5.4sccm供給することとなる。一方、NO2 を10sccmだけ反応室に供給した。反応室の内部の圧力を600Paとした。シリコン基板の温度を160℃とした。エッチングを実施した時間は60分間であった。なお、マスクにより設定した開口幅を8μmとした。また、ガス混合室と反応室との間の距離は30mmであった。

【0066】
7-3.実験結果
図3は、そのシリコン基板の電子顕微鏡による顕微鏡写真である。60分間のエッチングにより削られた凹部の深さは380nmであった。エッチングレートは、6nm/minであった。図3に示すように、Si部材の微細な加工が可能である。

【0067】
8.実験B(F2 +NO2 の温度依存性)
また、シリコン基板の温度以外の実験条件を、前述の実験Aと同じとして実験を行った。図4は、基板温度とエッチングレートとの関係を示すグラフである。図4の横軸は、基板の温度である。図4の縦軸は、エッチングレートである。図4に示すように、基板温度が低いほど、エッチングレートは遅い。そして、基板温度が160℃のときには、エッチングレートは、平均して25nm/min±標準偏差9nm/minである。

【0068】
このように、第1のガスの温度を高くする代わりに基板温度を低くすることにより、(1)エッチングできること、(2)遅いエッチングレートでエッチングできること、という2つの条件を満たすようになる。

【0069】
9.変形例
9-1.第2のガスの供給経路の加熱
図5に示すように、第2のガスを供給する供給経路を加熱してもよい。ガス混合室140で第1のガスと第2のガスとが混合するときに、ガスの温度がほとんど下がらないからである。このエッチング装置200は、第2のガス貯蔵部121を加熱する第2のガス貯蔵部加熱部291と、第2の配管122を加熱する第2の配管加熱部292と、を有している。

【0070】
9-2.第3のガスの供給経路の加熱
図6に示すように、第1のガスの供給経路および第2のガスの供給経路に加えて、第3のガスの供給経路を加熱するとよい。第1のガスは合流部133でArガスと合流したときに、ガスの温度がほとんど下がらないからである。つまり、このエッチング装置300は、第3のガス貯蔵部131を加熱する第3のガス貯蔵部加熱部391と、第3の配管132を加熱する第3の配管加熱部392と、を有している。

【0071】
9-3.加熱箇所
エッチング装置は、第1のガス貯蔵部111と第2のガス貯蔵部121と第1の配管112と第2の配管122との少なくとも1つを40℃以上200℃以下の範囲内の温度に加熱すればよい。これにより、ガスをある程度加熱できることに変わりないからである。例えば、第2のガスを加熱しておけば、第1のガスと混合する際に、第1のガスを加熱することとなる。加熱部は、その加熱箇所に応じた位置に配置されていればよい。

【0072】
9-4.ガス混合室
本実施形態のエッチング装置100は、ガス混合室140を有する。しかし、ガス混合室140はなくても構わない。Si部材のエッチング対象箇所に供給する前に、第1のガスと第2のガスとが混合する空間があれば、エッチングを実施することができる。図7は、ガス混合室140を設けない場合を示す図である。

【0073】
9-5.ガス混合室および反応室
また、図8に示すエッチング装置400を用いてもよい。エッチング装置400は、大型のエッチング装置である。エッチング装置400は、ガス混合室440と、反応室450と、載置台451と、を有している。この場合、ガス混合室440と、反応室450とは、貫通孔を有する仕切り板452により仕切られている。

【0074】
9-6.第3のガス供給部無し
第3のガス貯蔵部131は無くてもよい。第1のガス貯蔵部111に、NO2 ガスとArガスとの混合気体を入れておけばよい。その場合であっても、ガス混合室140に供給されるガスは、同じである。第1のガスの圧力と、第2のガスの圧力とが、同じであれば、Arガスはなくてもよい。

【0075】
9-7.第3のガスの種類
本実施形態の第3のガスはArガスである。第3のガスは、不活性ガスであればよい。そのため、第3のガスとして、Ar、He、Ne、Xe、Kr、N2 のいずれか1種類以上のガスを含むガスを用いることができる。

【0076】
9-8.冷却装置
本実施形態では、反応室150にヒーター152を設けることとした。しかし、ヒーター152を設ける代わりに、もしくはヒーター152とともに、冷却装置を設けてもよい。これにより、Si部材を低い温度にした条件下でエッチングを施すことができるからである。これにより、例えば、エッチング装置100の温度制御部160は、Si部材の温度を-20℃以上180℃未満の範囲内の温度とすることができる。この場合、温度制御部160は、基板の温度を制御する基板温度制御部としての役割を担う。

【0077】
9-9.マスクのパターン
本実施形態では、SiO2 のマスクを作製することとした。しかし、太陽電池の表面の粗面化処理を行う際には、このようなマスクを形成する必要がない。このように、マスクを必要としない場合がある。

【0078】
9-10.F2 の生成
本実施形態では、F2 を含む第2のガスを供給することとした。しかし、少なくともIF3 やIF5 、IF7 、XeF2 を含むソースを加熱して、F2 ガスを発生させてもよい。また、HFを含む液体から電気分解によりF2 を発生させてもよい。すなわち、その場合には、第2のガス貯蔵部121は、F2 発生部を有することとなる。

【0079】
9-11.組み合わせ
上記の変形例を自由に組み合わせてもよい。

【0080】
10.本実施形態のまとめ
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るエッチング方法は、NO2 を含む第1のガスとF2 を含む第2のガスとを混合させた混合気体として、Si部材の表面に導く方法である。また、エッチングの際の雰囲気の圧力は、10Pa以上10000Pa以下の範囲内であり、大気圧に比べて十分に小さい。そのため、エッチングに用いられるF原子の寿命および濃度が、十分であると考えられる。したがって、プラズマを用いることなく、比較的入手しやすい安価なガスを用いて、Si部材に高精度な低速エッチングを実施することのできるエッチング装置およびエッチング方法が実現されている。

【0081】
なお、本実施形態は単なる例示にすぎない。したがって当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、F2 等に混合させる不活性ガスは、Arガスに限らない。例えば、He、Ne、Xe、Krを用いることができる。また、N2 であってもよい。また、これらの不活性ガスを2種類以上用いてもよい。
【符号の説明】
【0082】
100…エッチング装置
111…第1のガス貯蔵部
112…第1の配管
121…第2のガス貯蔵部
122…第2の配管
131…第3のガス貯蔵部
132…第3の配管
140…ガス混合室
150…反応室
151…載置台
152…ヒーター
170…圧力計
191…第1のガス貯蔵部加熱部
192…第1の配管加熱部
193…混合室加熱部
194…反応室加熱部
S1…Si部材
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7