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明細書 :水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムを用いた定量的軟寒天コロニー形成アッセイ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5935141号 (P5935141)
登録日 平成28年5月20日(2016.5.20)
発行日 平成28年6月15日(2016.6.15)
発明の名称または考案の名称 水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムを用いた定量的軟寒天コロニー形成アッセイ
国際特許分類 C12Q   1/04        (2006.01)
FI C12Q 1/04
請求項の数または発明の数 13
全頁数 14
出願番号 特願2013-537523 (P2013-537523)
出願日 平成24年10月3日(2012.10.3)
国際出願番号 PCT/JP2012/075598
国際公開番号 WO2013/051590
国際公開日 平成25年4月11日(2013.4.11)
優先権出願番号 2011219433
優先日 平成23年10月3日(2011.10.3)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成26年10月7日(2014.10.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
発明者または考案者 【氏名】古川 龍彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100091096、【弁理士】、【氏名又は名称】平木 祐輔
【識別番号】100118773、【弁理士】、【氏名又は名称】藤田 節
【識別番号】100169579、【弁理士】、【氏名又は名称】村林 望
審査官 【審査官】鶴 剛史
参考文献・文献 国際公開第2005/023786(WO,A1)
CytoselectTM 96well in vitro腫瘍感受性アッセイ,コスモバイオニュース,2010年,No.82,p.3
TSUKATANI Tadayuki.et al.,Colorimetric cell proliferation assay for microorganisms in microtiter plate using water-soluble tet,J Microbiol Methods,2008年,Vol.75,p.109-116
BUTTKE T M.et al.,Use of an aqueous soluble tetrazolium/formazan assay to measure viability and proliferation of lymph,J Immunol Methods,1993年,Vol.157,p.233-240
CORY A H.et al.,Use of an Aqueous Soluble Tetrazolium/Formazan Assay for Cell Growth Assays in Culture,Cancer Commun,1991年,Vol.3,p.207-212
迫田秀行 他,三次元スキャフォールドを用いた細胞培養系の評価方法の検討,国立医薬品食品衛生研究所報告,2008年,Vol.126,pages 76-81
調査した分野 C12Q 1/04
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
WPIDS/WPIX(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
容器底面の寒天上に細胞を含む寒天を重層し、細胞を含む寒天の上部に培地を重層し、細胞を培養する工程と、
培地を除去し、水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムと電子キャリアーとを添加し、細胞を培養する工程と、
水溶性ホルマザンの発色を指標として細胞の生存を評価する工程と、
を含み、寒天可溶化バッファー添加による寒天の可溶化及び界面活性剤添加による生成したホルマザンの溶解を行わない、細胞の生存を評価する方法。
【請求項2】
水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムが2-(4-ヨードフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム・モノナトリウム塩である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
電子キャリアーが1-メトキシ-5-メチルフェナジニウムメチルサルフェートである、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
容器底面の寒天の濃度が0.55~0.65%である、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
細胞を含む寒天の濃度が0.35~0.45%である、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
容器底面の寒天上に癌細胞を含む寒天を重層し、癌細胞を含む寒天の上部に培地を重層し、癌細胞を培養する工程であって、癌細胞を含む寒天又は培地が候補抗癌剤を含有する、前記工程と、
培地を除去し、水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムと電子キャリアーとを添加し、癌細胞を培養する工程と、
水溶性ホルマザンの発色を指標として癌細胞の増殖を評価する工程と、
を含み、寒天可溶化バッファー添加による寒天の可溶化及び界面活性剤添加による生成したホルマザンの溶解を行わない、抗癌剤のスクリーニング方法。
【請求項7】
水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムが2-(4-ヨードフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム・モノナトリウム塩である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
電子キャリアーが1-メトキシ-5-メチルフェナジニウムメチルサルフェートである、請求項6又は7記載の方法。
【請求項9】
容器底面の寒天の濃度が0.55~0.65%である、請求項6~8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
癌細胞を含む寒天の濃度が0.35~0.45%である、請求項6~9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムと、電子キャリアーと、寒天とを含み、寒天可溶化バッファー及び界面活性剤を含まない、細胞生存又は細胞増殖評価キット。
【請求項12】
水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムが2-(4-ヨードフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム・モノナトリウム塩である、請求項11記載のキット。
【請求項13】
電子キャリアーが1-メトキシ-5-メチルフェナジニウムメチルサルフェートである、請求項11又は12記載のキット。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば水溶性ホルマザンを生成することができるテトラゾリウムを用いた定量的軟寒天コロニー形成アッセイに関する。
【背景技術】
【0002】
in vitroでのアッセイ系の確立は癌の研究の進歩を支えてきた重要な技術である。従来より、足場非依存性増殖は腫瘍性との高い相関性が知られており、足場非依存性増殖能の有無によって細胞の悪性形質転換が評価されてきた。
【0003】
軟寒天コロニー形成アッセイは、in vitroで比較的簡便に行える腫瘍形成能のアッセイである。軟寒天コロニー形成アッセイでは、ディッシュ上に軟寒天培地を分注し、当該軟寒天培地において細胞を培養させ、形成したコロニーを計数することで、細胞の増殖能を評価する。しかしながら、従来の軟寒天コロニー形成アッセイでは、寒天中で三次元に細胞が増殖することから定量化することが困難であった。これまで一般には細胞を染色することで半定量的に足場非依存的増殖能の有無が示されるに留まっている。
【0004】
そこで、軟寒天コロニー形成アッセイを定量化することで、より短時間で多検体を能率良く解析するスクリーニング法として確立することが望まれている。
【0005】
一方、例えばCytoSelectTM96-Well In Vitro Tumor Sensitivity Assay (Soft Agar Colony Formation)(CELL BIOLABS, INC.社製)では、テトラゾリウム塩の1つであるMTT(3-[4,5-ジメチルチアゾール-2-イル]-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)を使用して、軟寒天コロニー形成アッセイにおいて細胞の増殖能を定量化する。MTTは、黄色の水溶性溶液であり、生細胞内に取り込まれると細胞内のミトコンドリアの脱水素酵素により還元され、ホルマザンが形成される。当該ホルマザンは、青色の非水溶性結晶であり、生成後、沈殿する。沈殿したホルマザンをDMSO等の界面活性剤で溶解させると、赤紫色の溶液となり、当該溶液を吸光度で測定することで比色に基づいて細胞増殖能を定量化することができる。
【0006】
CytoSelectTM96-Well In Vitro Tumor Sensitivity Assayでは、具体的に96ウエル(穴)のマイクロタイタープレートにおいてボトムアガー上に、細胞を含む軟寒天を重層し、さらに当該軟寒天上に抗癌剤等の薬剤を含む培地を重層し、1週間程度培養する。培養後、寒天可溶化バッファーを添加することで寒天を可溶化する。可溶化した混合物を別の96ウエルのマイクロタイタープレートに移し、MTT溶液を添加し、2~4時間インキュベートした後、界面活性剤を添加し、再度2~4時間インキュベートする。次いで、マイクロタイタープレートリーダーで570nmにおける吸光度を測定する。
【0007】
しかしながら、MTTを使用した軟寒天コロニー形成アッセイでは、不溶性ホルマザンが形成され、界面活性剤の添加を必要とし、界面活性剤添加による泡立ちによって測定精度が低下するといった問題があった。また、培地を除かずに寒天可溶化バッファーを添加し、さらに可溶化した軟寒天細胞浮遊液の一部を用いるので、酵素反応系が希釈された条件となり、反応効率が低下し、データのばらつきが生じる虞がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した実情に鑑み、迅速に行うことができ且つ計測精度が高い定量的軟寒天コロニー形成アッセイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、水溶性ホルマザンを形成するテトラゾリウムを使用することで、寒天可溶化バッファー及び界面活性剤の添加を必要とすることなく、迅速に行うことができ且つ計測精度が高い定量的軟寒天コロニー形成アッセイを提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、以下を包含する。
【0011】
(1)容器底面の寒天上に細胞を含む寒天を重層し、細胞を含む寒天の上部に培地を重層し、細胞を培養する工程と、培地を除去し、水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムと電子キャリアーとを添加し、細胞を培養する工程と、水溶性ホルマザンの発色を指標として細胞の生存を評価する工程とを含む、細胞の生存を評価する方法。
【0012】
(2)水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムが2-(4-ヨードフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム・モノナトリウム塩である、(1)記載の方法。
【0013】
(3)電子キャリアーが1-メトキシ-5-メチルフェナジニウムメチルサルフェートである、(1)又は(2)記載の方法。
【0014】
(4)容器底面の寒天の濃度が0.55~0.65%である、(1)~(3)のいずれか1記載の方法。
【0015】
(5)細胞を含む寒天の濃度が0.35~0.45%である、(1)~(4)のいずれか1記載の方法。
【0016】
(6)容器底面の寒天上に癌細胞を含む寒天を重層し、癌細胞を含む寒天の上部に培地を重層し、癌細胞を培養する工程であって、癌細胞を含む寒天又は培地が候補抗癌剤を含有する、前記工程と、培地を除去し、水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムと電子キャリアーとを添加し、癌細胞を培養する工程と、水溶性ホルマザンの発色を指標として癌細胞の増殖を評価する工程とを含む、抗癌剤のスクリーニング方法。
【0017】
(7)水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムが2-(4-ヨードフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム・モノナトリウム塩である、(6)記載の方法。
【0018】
(8)電子キャリアーが1-メトキシ-5-メチルフェナジニウムメチルサルフェートである、(6)又は(7)記載の方法。
【0019】
(9)容器底面の寒天の濃度が0.55~0.65%である、(6)~(8)のいずれか1記載の方法。
【0020】
(10)癌細胞を含む寒天の濃度が0.35~0.45%である、(6)~(9)のいずれか1記載の方法。
【0021】
(11)水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムと、電子キャリアーと、寒天とを含む、細胞生存又は細胞増殖評価キット。
【0022】
(12)水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムが2-(4-ヨードフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム・モノナトリウム塩である、(11)記載のキット。
【0023】
(13)電子キャリアーが1-メトキシ-5-メチルフェナジニウムメチルサルフェートである、(11)又は(12)記載のキット。
【0024】
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2011-219433号の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、迅速に行うことができ且つ計測精度が高い定量的軟寒天コロニー形成アッセイが提供される。当該定量的軟寒天コロニー形成アッセイを使用することで、細胞の生存評価又は抗癌剤のスクリーニングを高効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本方法を使用した癌細胞(DU145細胞及びPanc1細胞)の増殖における細胞数と定量性の評価の結果を示すグラフである。
【図2】本方法を使用した癌細胞(DU145細胞)に対する抗癌剤Paclitaxelによる濃度依存的コロニー形成抑制効果の結果を示すグラフである。
【図3】本方法を使用した癌細胞(DU145細胞)に対する新規抗癌剤候補分子による濃度依存的コロニー形成抑制効果の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を詳細に説明する。

【0028】
本発明に係る細胞の生存を評価する方法(以下、「本方法」と称する)は、容器底面の寒天上に細胞を含む寒天を重層し、細胞を含む寒天の上部に培地を重層し、細胞を培養する工程と、培地を除去し、水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムと電子キャリアーとを添加し、細胞を培養する工程と、水溶性ホルマザンの発色を指標として細胞の生存を評価する工程とを含む。換言すれば、本方法は、細胞数を測定する方法、細胞増殖を評価する方法とすることができる。CytoSelectTM96-Well In Vitro Tumor Sensitivity Assay (Soft Agar Colony Formation)(CELL BIOLABS, INC.社製)等の従来のMTTを使用した軟寒天コロニー形成アッセイでは、不溶性ホルマザンが形成され、界面活性剤の添加を必要とし、界面活性剤添加による泡立ちによって測定精度が低下するといった問題があった。また、培地を除かずに寒天可溶化バッファーを添加することで、酵素反応系が希釈された条件となり、反応効率が低下し、データのばらつきが生じる虞がある。一方、本方法によれば、寒天可溶化バッファー及び界面活性剤の添加を必要とすることなく、迅速に且つ高精度に細胞の生存、細胞数の測定又は細胞増殖の評価を行うことができる。

【0029】
本方法では、水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムと電子キャリアーとを使用し、生細胞内に取り込まれると細胞内のミトコンドリアの脱水素酵素により還元され、形成される水溶性ホルマザンの発色を指標として、細胞の生存を評価する。生細胞数が増加すれば、細胞内のミトコンドリアの脱水素酵素の活性が増加することになり、当該酵素活性の増加と水溶性ホルマザンの生成増加とが相関することで、水溶性ホルマザンの発色と細胞数とが直線的な相関関係を示すことになる。

【0030】
本方法で使用される水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムとしては、例えば2-(4-ヨードフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム・モノナトリウム塩(以下、「WST-1」と称する)、2-(2-メトキシ-4-ニトロフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム・モノナトリウム塩(以下、「WST-8」と称する)、ナトリウム3'-[1-フェニルアミノカルボニル-3,4-テトラゾリウム]-ビス(4-メトキシ-6-ニトロ)ベンゼンスルホン酸水和物(以下、「XTT」と称する)、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム(以下、「MTS」と称する)等が挙げられ、特にWST-1が好ましい。

【0031】
一方、電子キャリアーは、脱水素酵素の活性によりテトラゾリウムから水溶性ホルマザンへ変換される際の電子伝達体を意味する。細胞内のミトコンドリアにおける脱水素酵素の活性によりニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの酸化型(NAD+)及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の酸化型(NADP+)から還元されたそれぞれの還元型(NADH及びNADPH)から再び当該酸化型に変換される際に、電子キャリアーは、水素を受容し、還元体となる。当該還元体が再び電子伝達体に変換される際にテトラゾリウムを還元し、水溶性ホルマザンが形成されることとなる。電子キャリアーとしては、例えば1-メトキシ-5-メチルフェナジニウムメチルサルフェート(以下、「1-methoxy PMS」と称する)、N-メチルフェナジニウムメチルサルフェート(以下、「PMS」と称する)等が挙げられ、特に1-methoxy PMSが好ましい。

【0032】
以下に、WST-1と1-methoxy PMSとを使用した場合の水溶性ホルマザンの形成の反応を示す。
【化1】
JP0005935141B2_000002t.gif

【0033】
上記反応においては、細胞内のミトコンドリアにおける脱水素酵素の活性によりNAD+及びNADP+から還元されたそれぞれの還元型(NADH及びNADPH)から再び当該酸化型に変換される際に、1-methoxy PMSが水素を受容し、還元体となる。当該還元体が再び電子伝達体に変換される際にWST-1を還元し、対応の水溶性WST-1ホルマザン(化合物名:1-(4-ヨードフェニル)-3-(2,4-ジスルホフェニル)-5-(4-ニトロフェニル)ホルマザン)が形成されることとなる。

【0034】
また、WST-8を使用した場合には対応の水溶性WST-8ホルマザン(化合物名:1-(2-メトキシ-4-ニトロフェニル)-3-(2,4-ジスルホフェニル)-5-(4-ニトロフェニル)ホルマザン)が形成され、XTTを使用した場合には対応の水溶性ホルマザン(化合物名:1,5-ビス[(4-メトキシ-6-ニトロ)ベンゼンスルホン酸]-3-フェニルアミノカルボニル-ホルマザン)が形成され、MTSを使用した場合には対応の水溶性ホルマザン(化合物名:1-(4-スルホフェニル)3-(3-カルボキシメトキシフェニル)-5-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)ホルマザン)が形成される。

【0035】
本方法で使用されるテトラゾリウム及び電子キャリアーは、市販のものを使用することができる。

【0036】
本方法では、先ず培養物を準備する。具体的には、容器底面の寒天上に細胞を含む寒天を重層し、細胞を含む寒天の上部に培地を重層する。容器としては、例えば96ウエルや24ウエル等のマイクロタイタープレートが挙げられる。容器の底面に重層する寒天(ボトムアガー)は、例えば0.5~0.7%、好ましくは0.55~0.65%、特に好ましくは0.6%の濃度の寒天とする。一方、細胞を含む寒天(軟寒天)は、例えば0.35~0.45%、好ましくは0.4%の濃度の寒天とする。

【0037】
例えば、容器として96ウエルマイクロタイタープレートを使用し、底面の寒天として0.6%濃度の寒天を含む培地を1ウエル当たり60μl程度ずつ添加し、冷蔵庫等で5分間程度固める。次いで、37℃の炭酸ガスインキュベーターに当該プレートを入れて温める。

【0038】
一方、検体の培養細胞を剥がして数を測定し、細胞数が1ウエル当たり2000~10000個程度になるように希釈し、0.4%濃度の寒天を含む培地と混合する。得られた細胞を含む寒天を上述のプレートのウエル上に75μl程度ずつ重層する。冷蔵庫等で5分間程度固めた後、再度37℃の炭酸ガスインキュベーターに当該プレートを入れて温める。

【0039】
さらに、培地を上述のプレートのウエル上に100μl程度ずつ重層する。

【0040】
このようにして、本方法における培養物を準備することができる。

【0041】
得られた培養物を、コロニーが多数形成されるのに十分な期間(例えば1週間~10日間程度)培養する。

【0042】
培養後、上層の培地を除去し、テトラゾリウムと電子キャリアーとを添加し、再度培養(インキュベート)する。添加するテトラゾリウム及び電子キャリアーの濃度は、適宜決定することができ、例えば4~6μM、好ましくは5μM濃度のテトラゾリウム溶液と0.15~0.3mM、好ましくは0.2mM濃度の電子キャリアーとを添加する。例えば96ウエルマイクロタイタープレートにテトラゾリウム溶液と電子キャリアー溶液をそれぞれ10μl程度ずつ添加する。テトラゾリウムと電子キャリアーの添加後、例えば37℃で炭酸ガスインキュベーターにおいて培養物を1~4時間程度インキュベートする。

【0043】
当該インキュベーションにより、テトラゾリウムから水溶性ホルマザンが形成され、軟寒天が呈色することとなる。そこで、本方法では、水溶性ホルマザンの発色を指標として細胞の生存、細胞数の測定又は細胞増殖の評価を行う。具体的には、水溶性ホルマザンの呈色について、好適な測定波長域において軟寒天の吸光度を測定する。例えば、WST-1又はWST-8は赤色であり、水溶性WST-1ホルマザン又は水溶性WST-8ホルマザンが形成されることにより、黄色を呈色することとなる。従って、軟寒天の吸光度を、水溶性WST-1ホルマザン又は水溶性WST-8ホルマザンの測定波長域OD405又はOD450(対照波長OD650以上)において測定する。水溶性WST-1ホルマザン又は水溶性WST-8ホルマザンによる呈色が高い(すなわち、吸光度の値が高い)ほど、生存する細胞数が多いことを示す。

【0044】
また、XTTは黄色であり、水溶性ホルマザンが形成されることによりオレンジ色を呈色することとなる。従って、軟寒天の吸光度を、XTTに対応する水溶性ホルマザンの測定波長域OD450~500(対照波長OD650以上)において測定する。

【0045】
さらに、MTSは無色であり、水溶性ホルマザンが形成されることによりオレンジ色を呈色することとなる。従って、軟寒天の吸光度を、MTSに対応する水溶性ホルマザンの測定波長域OD490(対照波長OD630~700)において測定する。

【0046】
次いで、測定した吸光度を、検体の細胞数と相関させることができる。例えば、既知の細胞数を使用して作成した検量線に対して、測定した吸光度に基づいて細胞数を算出することができる。

【0047】
算出された細胞数により細胞の生存を評価することができる。特に、培養前の細胞数と比較して、生存細胞数が有意に多いことにより、細胞が増殖していると評価することができる。例えば、癌細胞の足場非依存性増殖能を本方法により評価することができる。

【0048】
また、本方法では、細胞として癌細胞を使用し、癌細胞を含む寒天又は上層の培地に候補抗癌剤を添加することで、水溶性ホルマザンの呈色に基づいて候補抗癌剤が抗癌剤として有効であるか否かをスクリーニングすることができる。例えば、候補抗癌剤を添加しない場合と比較して候補抗癌剤を添加し、培養した場合に、水溶性ホルマザンによる呈色が有意に低い(すなわち、吸光度の値が有意に低い)場合に、当該候補抗癌剤が抗癌剤として有効であるものとして評価することができる。癌細胞としては、いずれの癌組織由来の癌細胞であってよく、また癌患者から単離した初代培養の癌細胞や癌細胞系であってよい。

【0049】
以上に説明する本方法によれば、従来のMTTを使用した軟寒天コロニー形成アッセイと比較し、界面活性剤の添加を必要とせず、処理工程を省くことができ、且つ泡立ちによる測定精度低下を防止することができる。また、本方法によれば、寒天可溶化バッファーを添加する必要がなく、酵素反応系が希釈されることがないので、反応効率が向上する。さらに、本方法は迅速に行うことができ且つ計測精度が高いので、多検体の処理に有効である。

【0050】
一方、本発明は、本方法に使用することができる、水溶性ホルマザンを生成するテトラゾリウムと、電子キャリアーと、寒天とを含む、細胞生存又は細胞増殖評価キットに関する。当該キットには、例えばマイクロタイタープレート等の容器、培地、バッファー、使用取り扱い説明書等をさらに含むことができる。
【実施例】
【0051】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0052】
〔実施例1〕本方法を使用した癌細胞(DU145細胞及びPanc1細胞)の増殖における細胞数と定量性の評価
1-1.材料及び方法
寒天はAgarose typeVII(シグマ社(A9045))、96ウエルマイクロタイタープレートはNUNC社163371、培地はRPMI-1640(日水製薬株式会社)を使用し、発色には1-methoxy PMS及びWST-1(同仁化学研究所)を用いた。
【実施例】
【0053】
0.6%軟寒天を含む10%ウシ胎児血清含有RPMI培地を、96ウエルプレートに50マイクロリットルずつ加えた。4℃に5分間置いて寒天を固めてから、当該プレートを37℃炭酸ガスインキュベーターに移して10分間以上置いた。
【実施例】
【0054】
次いで、この96ウエルマイクロタイタープレートの0.6%軟寒天の上に1ウエル当たりDU145細胞(ヒト前立腺癌細胞株)については10000個、5000個、2500個、1250個、625個、Panc1細胞(ヒト膵臓腺癌細胞株)については20000個、10000個、5000個、2500個、1250個、625個、313個を含んだ75マイクロリットルの0.4%軟寒天を含む10%ウシ胎児血清含有RPMI培地を播種した。さらにそれぞれの細胞を含まない同様の軟寒天のみのウエルも作製し、陰性コントロールとした。直ぐに4℃に5分間置いて寒天を固め、次に当該プレートを37℃の炭酸ガスインキュベーターに10分間入れた。
【実施例】
【0055】
10分間のインキュベーション後、(A) DU145細胞には100マイクロリットルの10%ウシ胎児血清含有RPMI培地あるいは100マイクロモルの抗癌剤Paclitaxelを含む培地を重層した。一方、(B) Panc1細胞には100マイクロリットルの10%ウシ胎児血清含有RPMI培地あるいは滅菌蒸留水を重層した。陰性コントロールのウエルには100マイクロリットルの10%ウシ胎児血清含有RPMI培地を重層した。いずれも7日間培養してから、重層した培地あるいは蒸留水を除いて、5マイクロモルWST-1/0.2ミリモル1-methoxy PMSを含む7ミリモルHEPES(pH7.4)溶液を寒天上に12マイクロリットルずつ注入した。
【実施例】
【0056】
37℃炭酸ガスインキュベーターで2時間インキュベート後、OD405/0D750をマイクロプレートリーダーで測定した。測定はいずれのサンプルも3点で行った。陰性コントロールのウエルのOD値をバックグラウンドとして差し引いた値を測定値とした。
【実施例】
【0057】
1-2.結果
結果を図1に示す。図1において、(A)のグラフはDU145細胞の細胞数に対する吸光度(OD405)の関係を示すグラフである。(B)のグラフはPanc1細胞の細胞数に対する吸光度(OD405)の関係を示すグラフである。
【実施例】
【0058】
図1に示すように、DU145細胞では10000個、5000個で播種した細胞数と相関するOD値が観測できた。Panc1細胞では20000個、10000個、5000個、2500個、1250個、625個、313個で播種した細胞数と相関するOD値が観測できた。
【実施例】
【0059】
蒸留水を用いた場合にも抗癌剤Paclitaxelを用いた場合もOD値が低く細胞数に相関せず、培地を用いた場合と明らかな差がみられた。
【実施例】
【0060】
なお、DU145細胞では2500個、1250個、625個では有意なOD値が得られなかった。従って、DU145細胞についてはコロニー形成に5000個程度の細胞数を必要とすることが示された。
【実施例】
【0061】
〔実施例2〕本方法を使用した抗癌剤Paclitaxelによる癌細胞(DU145細胞)のコロニー形成抑制効果の評価
2-1.材料及び方法
実施例1の第1-1節と同様に操作し、DU145細胞を1ウエルあたり10000個の条件で播種し、培地のみをコントロールとして、抗癌剤Paclitaxelをそれぞれ図2において表示した濃度で100マイクロリットルずつ重層し、上記と同様に1週間培養の後に測定を行った。
【実施例】
【0062】
それぞれの濃度のOD値について陰性コントロールのOD値を引いた値について、抗癌剤Paclitaxelを含まないウエルのOD値から陰性コントロールのOD値を引いた値で割った値に100を乗じて、生存率を示した。
【実施例】
【0063】
2-2.結果
結果を図2に示す。図2において縦軸は、生存率(%)を示す。
【実施例】
【0064】
図2に示すように、抗癌剤Paclitaxelにより濃度依存的に細胞生存率が低下していた。
【実施例】
【0065】
〔実施例3〕本方法を使用した新規の化学物質A、B、及びCによる癌細胞(DU145細胞)のコロニー形成抑制効果の評価
3-1.材料及び方法
実施例1の第1-1節と同様に操作し、DU145細胞を1ウエルあたり10000個の条件で播種し、培地のみをコントロールとして、新規の化学物質A、B及びCをそれぞれ図3において表示した濃度で100マイクロリットルずつ重層し、上記と同様に1週間培養の後にアッセイを行った。その後、実施例2の第2-1節と同様に実験・測定を行った。
【実施例】
【0066】
3-2.結果
結果を図3に示す。図3において縦軸は、生存率(%)を示す。
【実施例】
【0067】
図3に示すように、コントロールに比較して新規の化学物質A、B、C共に良好なコロニー形成の抑制作用をみとめた。またその効果が濃度依存的であることが明らかになった。
【実施例】
【0068】
〔実施例4〕本方法を使用した低分子による癌細胞のコロニー形成抑制効果の評価
本実施例では、実施例3に記載の化学物質による癌細胞のコロニー形成抑制効果の評価と同様の手順により、11種類の類似低分子による癌細胞のコロニー形成抑制効果の評価を行った。使用した低分子はPCA-1阻害効果を有し、副作用(細胞毒性)がより少なく、腫瘍縮小効果が高い理想的な抗腫瘍薬剤となる可能性があるものである。
【実施例】
【0069】
PCA-1は前立腺癌で高発現するが、正常前立腺上皮細胞や良性腫瘍である前立腺肥大では高発現が認められない新規遺伝子(Prostate Cancer Antigen-1:PCA-1)として報告されている(第123回日本薬学会年会要旨集4, p.15,2003年、及びKonishi N et al., Clin Cancer Res., 2005 Jul 15;11(14):5090-7)。
【実施例】
【0070】
PCA-1の発現状況を前立腺癌の診断に用いる方法(国際公開第2006/098464号パンフレット)やPCA-1の発現又は機能を抑制する化合物を有効成分として含むアポトーシス促進剤、細胞増殖阻害剤、癌の予防・治療剤等(国際公開第2007/015587号パンフレット)が報告されている。また、PCA-1は膵臓癌(特開2011-1286号公報)や非小細胞肺癌(Tasaki M et al., Br J Cancer., 2011, 104(4):700-6)においても高発現している。これらの癌細胞におけるPCA-1発現をsiRNAを用いて抑制した結果、前立腺癌細胞(特開2011-1286号公報)、膵臓癌細胞(特開2011-1286号公報)、及び非小細胞肺癌の顕著な増殖抑制作用が認められた(Tasaki M et al., Br J Cancer., 2011, 104(4):700-6)。また、癌細胞をマウスに移植して形成させた腫瘍は、PCA-1に対するsiRNA投与により退縮が認められた。これらの結果より、PCA-1が前立腺癌、膵臓癌等の癌治療の新たな分子標的となることが示唆されている。
【実施例】
【0071】
PCA-1は、ヒトAlkBホモログ3(human AlkB homolog 3:hALKBH3)とも呼ばれ、近年、DNA及びRNA脱メチル化を触媒することが確認されている(DNA unwinding by ASCC3 helicase is coupled to ALKBH3-dependent DNA alkylation repair and cancer cell proliferation. Dango S, Mosammaparast N, Sowa ME, Xiong LJ, Wu F, Park K, Rubin M, Gygi S, Harper JW, Shi Y., Mol Cell., 2011 Nov 4;44(3):373-84)。
【実施例】
【0072】
PCA-1酵素阻害活性は、メチル化された基質DNAを用いてその脱メチル化の程度に比例してPCR反応が進むことに基づいて測定することができる。
【実施例】
【0073】
そこで、PCA-1酵素阻害活性の評価を以下のように行った。80fmolの3-メチルシトシン含有オリゴDNAを基質として含む酵素反応溶液(50mMトリス塩酸バッファー(pH8.0)、2mMアスコルビン酸、100μMオキソグルタル酸、40μM硫酸鉄)に、被検化合物(低分子)(10μM、1μM)及び4ngの蚕リコンビナントPCA-1を添加し、37℃で1時間インキュベートした。反応終了後、酵素反応溶液を水で20倍希釈して反応を停止させ、その2μLを用いて20μL反応系でのreal-time PCR(Bio-Rad iQ SYBR Green Supermix)を行った。検量線は非メチル化オリゴDNAの希釈系列を用いて作成した。使用したプライマーは、forward primer 24base及びreverse primer 22baseであり、反応条件は、以下の通りであった:95℃10秒→95℃5秒、61℃30秒、72℃15秒を40サイクル→95℃1分→55℃1分→55℃10秒から0.5℃ずつ上昇させ95℃10秒→25℃保存。
【実施例】
【0074】
結果を下記の表1に示す。表1に示す値は、被検化合物(低分子)の非存在下に比して、被検化合物(低分子)存在下でPCR産物が減じた割合をパーセントで表し、被検化合物(低分子)によるPCA-1酵素阻害活性として評価した値である。この評価によって選択されたPCA-1酵素阻害活性を持つ11種類の低分子について細胞の生存抑制効果を検討した。
【実施例】
【0075】
また、表1に、従来の細胞増殖アッセイにおける10マイクロモルの濃度の各低分子の癌細胞増殖抑制効果と、本方法における各低分子の癌細胞に対する50%阻害濃度とをDU145(前立腺癌細胞)及びPanc1(膵癌細胞)で比較検討した結果を示す。
【実施例】
【0076】
ここで、従来の細胞増殖アッセイは以下のように行われた。通常の単層培養で、96穴プレートに細胞を90マイクロリットルの培地中に5000個で播種し、一晩培養した後、被検化合物(低分子)を10マイクロリットル添加し、再度培養した。48時間の培養後、1-methoxy PMS水溶液とWST-1/20 mM 4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid (HEPES)溶液(DOJIN)とを1:9で混合したものを10マイクロリットル添加して、2時間後に450 nmでの吸光度を測定した。また、対照波長として630 nmを使用した。被検化合物の代わりにリン酸バッファーのみを加えた場合の値に対してどれだけ減少したかを、リン酸バッファーのみを加えた場合の値で除した値をパーセントで表し、被検化合物(低分子)による細胞の生存抑制率を評価した。
【表1】
JP0005935141B2_000003t.gif
【実施例】
【0077】
表1に示すように、従来の細胞増殖アッセイによれば、低分子のほとんどについて、癌細胞増殖を50%抑制に必要な濃度が10マイクロモル付近あるいはそれ以上であった。一方、本方法では、癌細胞増殖を50%抑制に必要な低分子の濃度が0.3~1マイクロモルとより低い濃度であった。また、これらの低分子は、従来の細胞増殖アッセイと本方法とで検討した癌細胞増殖抑制効果の間に高度な相関関係がないので、従来の細胞増殖アッセイと本方法とでは低分子の同一の活性を見ているのではないことが明確になった。
【実施例】
【0078】
表1に示すように、in vivoの条件に近い軟寒天を使用した本方法によれば、低分子の癌細胞増殖抑制効果が、通常の培養による従来の細胞増殖アッセイよりも10倍から数10倍程度高かった。このように、本方法は従来法よりも候補抗癌剤の癌細胞増殖抑制を評価する上で優れた方法であることが判った。
【実施例】
【0079】
〔実施例5〕本方法を使用した抗癌剤イマチニブ(Imatinib)による癌細胞のコロニー形成抑制効果の評価
本実施例では、実施例3に記載の化学物質による癌細胞のコロニー形成抑制効果の評価と同様の手順により、既に悪性新生物の治療に用いられ、且つ効果が確認されている分子標的薬剤であるイマチニブについて、その治療標的分子であるBCR-Ablを発現しており、治療効果を示す細胞であるK562細胞を用いて癌細胞のコロニー形成抑制効果の評価を行った。ただし、K562細胞は浮遊細胞であるので、軟寒天内での増殖の不利は上皮性細胞よりも少ないものと予想された。
【実施例】
【0080】
結果を表2に示す。
【実施例】
【0081】
表2は、従来の細胞増殖アッセイと本方法においてイマチニブのK562細胞に対する50%阻害濃度(IC50)を比較検討した結果を示す。従来の細胞増殖アッセイは、実施例4に記載の手順により行った。
【表2】
JP0005935141B2_000004t.gif
【実施例】
【0082】
表2に示すように、従来の細胞増殖アッセイと比較して、本方法では、40%以下の濃度で増殖抑制が観察された。寒天への薬剤浸透を考えると、実行濃度はさらに2分の1になることが予想されるので、感受性にほぼ20%以下の濃度差がある(すなわち、従来の細胞増殖アッセイと比較して、本方法は感度が5倍程度高い)と考えられた。
【実施例】
【0083】
実施例4及び5に示すように、本方法を用いることで、従来の方法(細胞増殖アッセイ)では見つけることができなかった細胞毒性が低い抗癌剤を同定することができる。さらに、例えば表1に示すPCA-1酵素阻害活性のように、現在創薬の主流となっている標的分子を同定してスクリーニングする方法に対して、本方法によれば未同定の癌治療の標的分子に対してもランダムにスクリーニングすることができる。
【実施例】
【0084】
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2