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明細書 :信号機の制御装置、及び、信号機の制御方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-091249 (P2016-091249A)
公開日 平成28年5月23日(2016.5.23)
発明の名称または考案の名称 信号機の制御装置、及び、信号機の制御方法
国際特許分類 G08G   1/08        (2006.01)
FI G08G 1/08 A
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 23
出願番号 特願2014-223925 (P2014-223925)
出願日 平成26年11月4日(2014.11.4)
発明者または考案者 【氏名】加納 剛史
【氏名】石黒 章夫
【氏名】杉山 雄規
出願人 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100092978、【弁理士】、【氏名又は名称】真田 有
審査請求 未請求
テーマコード 5H181
Fターム 5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC07
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC18
5H181FF04
5H181JJ06
5H181JJ15
要約 【課題】車両が円滑に通行することが可能な信号機の制御装置を提供すること。
【解決手段】信号機10の制御装置20は、複数の信号の中で、表示される信号を切り替える。制御装置20は、複数の車両のそれぞれの位置を取得する。制御装置20は、上記取得された位置に基づいて、上記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを算出し、当該算出したパラメータに基づいて、上記表示される信号の切り替えを制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
複数の信号の中で、表示される信号を切り替える信号機の制御装置であって、
複数の車両のそれぞれの位置を取得する取得部と、
前記取得された位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを算出し、当該算出したパラメータに基づいて、前記表示される信号の切り替えを制御する制御部と、
を備える、信号機の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の信号機の制御装置であって、
前記取得部は、前記複数の車両のそれぞれの位置及び速度を第1の時点にて取得し、
前記制御部は、
複数の異なる切替時点のそれぞれに対して、前記表示される信号が当該切替時点にて切り替えられたという仮定の下で、前記取得された位置及び速度に基づいて前記第1の時点から第2の時点までの期間内の複数の時点における前記複数の車両のそれぞれの位置を推定し且つ当該推定した位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを当該期間に亘って積分した値の、前記複数の車両に対する和を算出し、
前記算出した和に基づいて、前記複数の切替時点のうちの1つの切替時点を選択し、
前記表示される信号を前記選択した切替時点にて切り替える、信号機の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の信号機の制御装置であって、
前記複数の切替時点のうちの1つの切替時点は、前記第2の時点以後の時点であり、且つ、当該複数の切替時点のうちの他の切替時点のそれぞれは、前記第2の時点よりも前の時点である、信号機の制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の信号機の制御装置であって、
前記取得部は、前記複数の車両のそれぞれの位置及び速度を第1の時点にて取得し、
前記制御部は、
前記表示される信号が前記第1の時点よりも後の第2の時点までの間に切り替えられなかったという第1の仮定の下で、前記取得された位置及び速度に基づいて前記第1の時点から前記第2の時点までの期間内の複数の時点における前記複数の車両のそれぞれの位置を推定し且つ当該推定した位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを当該期間に亘って積分した値の、前記複数の車両に対する第1の和を算出し、
前記表示される信号が前記第2の時点よりも前の切替時点にて切り替えられたという第2の仮定の下で、前記取得された位置及び速度に基づいて前記複数の時点における前記複数の車両のそれぞれの位置を推定し且つ当該推定した位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを前記期間に亘って積分した値の、前記複数の車両に対する第2の和を算出し、
前記算出した第1及び第2の和に基づいて、前記表示される信号を前記切替時点にて切り替えるか否かを決定する、信号機の制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の信号機の制御装置であって、
前記パラメータは、前記複数の車両のそれぞれの加速度と、他の車両及び信号が存在しないという仮定の下の当該車両の加速度と、の差に比例する、信号機の制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の信号機の制御装置であって、
前記制御部は、車両間の距離、及び、車両の進行を禁止する信号を表示する信号機が設置された交差点と車両との間の距離に基づいて、前記パラメータを算出する、信号機の制御装置。
【請求項7】
複数の信号の中で、表示される信号を切り替える信号機の制御方法であって、
複数の車両のそれぞれの位置を取得し、
前記取得された位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを算出し、
前記算出されたパラメータに基づいて、前記表示される信号の切り替えを制御する、信号機の制御方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、信号機の制御装置、及び、信号機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の信号の中で、表示される信号を切り替える信号機の制御装置が知られている。例えば、この種の制御装置は、サイクル長、スプリット、及び、オフセットを調整することにより、表示される信号の切り替えを制御する。
【0003】
サイクル長は、各信号がある表示周期にて繰り返し表示される場合における、その表示周期の時間長である。スプリットは、1つの表示周期において各信号が表示される時間のサイクル長に対する割合である。オフセットは、表示周期が開始する時点の、互いに異なる複数の交差点に設置された信号機間の差である。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の制御装置は、車両の存在を検出し、検出の結果に基づいて、表示される信号の切り替えを制御する。また、例えば、特許文献2に記載の制御装置は、車両の位置を検出し、検出された位置に基づいて、表示される信号の切り替えを制御する。また、例えば、非特許文献1に記載の制御装置は、車両と信号機との間の距離、及び、車両の速度に基づいて、表示される信号の切り替えを制御する。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開平7-93690号公報
【特許文献2】特開2011-203933号公報
【0006】

【非特許文献1】川上大輔、長谷川孝明、「不完全入力データと過飽和交通流を含めた高度デマンド信号制御方式の性能評価(ITS)」、電子情報通信学会技術研究報告、電子情報通信学会、2014年6月、第114巻、第74号、35-40ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、車両の速度は、車両の進行方向にて表示される信号の変化に応じて変化する。例えば、車両の速度は、車両の進行を禁止する信号(例えば、赤信号)が表示された信号機が設置された交差点と、車両と、の間の距離に応じて変化する。一方、速度が減少する車両の数が多くなるほど、車両が円滑に通行している程度は低くなる。また、車両の速度の減少量が大きくなるほど、車両が円滑に通行している程度は低くなる。
【0008】
しかしながら、上記制御装置によれば、各車両の速度の変化に基づいて、表示される信号の切り替えを制御できない。従って、速度が減少する車両の数が無駄に多くなることがある。また、車両の速度の減少量が無駄に大きくなることがある。このため、上記制御装置によれば、車両が円滑に通行できない虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一つの側面では、信号機の制御装置は、複数の信号の中で、表示される信号を切り替える。更に、この信号機の制御装置は、複数の車両のそれぞれの位置を取得する取得部と、上記取得された位置に基づいて、上記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを算出し、当該算出したパラメータに基づいて、上記表示される信号の切り替えを制御する制御部と、を備える。
【0010】
本発明の他の一つの側面では、信号機の制御方法は、複数の信号の中で、表示される信号を切り替える。更に、この信号機の制御方法は、複数の車両のそれぞれの位置を取得し、上記取得された位置に基づいて、上記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを算出し、上記算出されたパラメータに基づいて、上記表示される信号の切り替えを制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一つの側面では、車両が円滑に通行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態に係る交通信号システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1の信号機の構成の一例を示す図である。
【図3】図1の制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図1の制御装置が車両の位置及び速度を取得する対象である領域の一例を示す説明図である。
【図5】図1の制御装置により用いられる、複数の切替時点、及び、信号機により表示される信号の時間に対する変化の一例を示す説明図である。
【図6】図1の制御装置により用いられる、目標速度と間隙距離との関係の一例を示すグラフである。
【図7】図1の制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】図1の制御装置が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。
【図9】道路及び交差点の配置の一例を示す説明図である。
【図10】車両の平均速度の交通量に対する変化の一例を示すグラフである。
【図11】車両の平均速度の交通量に対する変化の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る、信号機の制御装置、及び、信号機の制御方法、の各実施形態について図1乃至図11を参照しながら説明する。

【0014】
<第1実施形態>(構成) 図1に示すように、第1実施形態に係る交通信号システム1は、複数(本例では、4個)の信号機10-1~10-4と、制御装置20と、を備える。本例では、車両が道路の左側部分を通行する(換言すると、左側通行である)場合を想定する。なお、車両が道路の右側部分を通行する(換言すると、右側通行である)場合も、車両が左側通行である場合と同様に説明されるため、その説明を省略する。

【0015】
本例では、交通信号システム1は、2つの道路が交差する(本例では、直交する)交差点に設置されている。なお、交通信号システム1が設置される交差点は、直角と異なる角度にて2つの道路が交わっていてもよい。また、交通信号システム1が設置される交差点は、T字状に2つの道路が交わる丁字路であってもよい。

【0016】
また、交通信号システム1が設置される交差点は、3つ以上の道路が交差していてもよい。この場合、交通信号システム1は、5つ以上の信号機を備えていてよい。なお、交通信号システム1が備える信号機の数は、3つ以下であってもよい。

【0017】
本例では、信号機10-1は、X軸正方向にて交差点に進入する車両に対する信号を表示する。また、信号機10-2は、X軸負方向にて交差点に進入する車両に対する信号を表示する。また、信号機10-3は、Y軸正方向にて交差点に進入する車両に対する信号を表示する。また、信号機10-4は、Y軸負方向にて交差点に進入する車両に対する信号を表示する。本例では、X軸とY軸とは互いに直交する。

【0018】
本例では、制御装置20は、各信号機10-1~10-4と分離して設けられている。なお、制御装置20は、信号機10-1,10-2,10-3又は10-4の一部を構成していてもよい。
制御装置20は、各信号機10-1~10-4と通信可能に接続されている。なお、制御装置20は、各信号機10-1~10-4と、通信網を介して接続されていてもよい。

【0019】
以下において、信号機10-mは、区別する必要がない場合、信号機10とも表される。mは、1から4の整数を表す。本例では、信号機10は、電気式信号機である。なお、信号機10は、機械式信号機であってもよい。

【0020】
図2に示すように、信号機10は、支柱11と、信号灯器12と、撮像装置13と、を備える。支柱11は、鉛直方向に延びるように、道路の近傍に設置される。支柱11は、道路を通行する車両よりも高い位置にて、信号灯器12及び撮像装置13を支持する。

【0021】
信号灯器12は、複数(本例では、3個)の信号灯121~123を備える。信号灯121は、赤色の光を発する点灯状態と、光を発しない消灯状態と、に状態が切り替わる。以下、信号灯121は、赤色灯とも表される。信号灯122は、黄色の光を発する点灯状態と、光を発しない消灯状態と、に状態が切り替わる。以下、信号灯122は、黄色灯とも表される。信号灯123は、青色(又は、緑色)の光を発する点灯状態と、光を発しない消灯状態と、に状態が切り替わる。以下、信号灯123は、青色灯とも表される。

【0022】
本例では、赤色灯121の状態が点灯状態であり且つ黄色灯122及び青色灯123の状態が消灯状態であることは、信号機10が、車両の進行を禁止する信号を表示していることに対応する。以下、車両の進行を禁止する信号は、赤信号とも表される。

【0023】
また、本例では、青色灯123の状態が点灯状態であり且つ赤色灯121及び黄色灯122の状態が消灯状態であることは、信号機10が、車両の進行を許可する信号を表示していることに対応する。以下、車両の進行を許可する信号は、青信号とも表される。

【0024】
また、本例では、黄色灯122の状態が点灯状態であり且つ赤色灯121及び青色灯123の状態が消灯状態であることは、信号機10が、車両の進行を制限する信号を表示していることに対応する。例えば、車両の進行の制限は、車両が所定の停止領域内に安全に停止できない場合に限って、車両の進行を許可することである。以下、車両の進行を制限する信号は、黄信号とも表される。

【0025】
上述したように、本例では、1つの信号灯121,122又は123のみの状態が点灯状態であることが、1つの信号を表す。ところで、複数の信号灯の状態が点灯状態であることが、1つの信号を表してもよい。また、1つ又は複数の信号灯の状態が、点灯状態と消灯状態とに交互に切り替わる点滅状態であることが、1つの信号を表してもよい。

【0026】
信号機10は、後述するように、制御装置20からの制御信号に従って、各信号灯121~123の状態を切り替える。これにより、信号機10は、複数の信号の中で、表示される信号を切り替える。なお、信号灯器12が備える信号灯の数は、4つ以上、又は、2つ以下であってもよい。

【0027】
撮像装置13は、レンズ131を備えるとともに、レンズ131を介して入力された光に基づいて、道路を通行する車両を撮像する。本例では、撮像装置13は、動画像を撮像する。撮像装置13は、撮像した動画像を表す動画データを制御装置20へ送信する。なお、交通信号システム1は、動画像に代えて、又は、動画像に加えて、複数の異なる時点にて撮像された静止画像を用いてもよい。

【0028】
制御装置20は、図3に示すように、取得部21と、制御部22と、を備える。
取得部21は、各信号機10-1~10-4の撮像装置13から動画データを受信する。取得部21は、受信した動画データに基づいて、所定の基準時点における、所定の対象領域内の車両のそれぞれの位置及び速度を取得する。

【0029】
本例では、基準時点は、受信された動画データが表す動画像における最新の時点である。基準時点は、第1の時点の一例である。
本例では、図4に示すように、対象領域TRは、対象交差点CR0を含むとともに、対象交差点CR0と隣接する4つの交差点CR1~CR4のそれぞれと対象交差点CR0とに挟まれた道路を含む領域である。対象交差点CR0は、交通信号システム1が設置された交差点である。なお、対象領域TRは、対象交差点CR0又は信号機10から所定の距離内の領域であってもよい。

【0030】
本例では、取得部21は、対象領域TR内の車両のそれぞれに対して、基準時点における車両の位置と、動画像において基準時点よりも所定の速度取得用時間だけ前の速度取得用時点における車両の位置と、を取得する。本例では、位置の取得は、パターン認識技術を用いることにより実現される。

【0031】
そして、取得部21は、対象領域TR内の車両のそれぞれに対して、基準時点及び速度取得用時点のそれぞれの当該車両の位置に基づいて、速度取得用時点から基準時点までの間に当該車両が移動した距離を推定する。次いで、取得部21は、対象領域TR内の車両のそれぞれに対して、推定した距離を速度取得用時間により除することにより、基準時点における当該車両の速度を推定(換言すると、取得)する。

【0032】
なお、取得部21は、車両の位置及び速度の少なくとも一方を、当該車両から受信することにより取得してもよい。この場合、車両は、GNSS(Global Navigation Satellite System)により、当該車両の位置を検出し、検出した位置を制御装置20へ送信する。また、この場合、車両は、当該車両の速度を検出し、検出した速度を制御装置20へ送信する。この場合、制御装置20と車両との間の通信は、通信網を介して行なわれてもよい。

【0033】
制御部22は、対象領域TR内の車両のそれぞれに対して、取得部21により取得された基準時点の位置及び速度に基づいて、基準時点から最先推定時点までの期間内の複数の時点における当該車両の位置及び速度を推定する。最先推定時点は、基準時点よりも所定の推定時間だけ後の時点である。最先推定時点は、第2の時点の一例である。

【0034】
本例では、制御部22は、複数の異なる切替時点のそれぞれに対して、信号機10-1~10-4により表示される信号が当該切替時点にて切り替えられたという仮定の下で、対象領域TR内の車両のそれぞれの、上記期間内の複数の時点における位置及び速度を推定する。

【0035】
本例では、複数の切替時点は、第1乃至第Pの切替時点である。本例では、Pは、5以上の整数を表す。なお、Pは、2乃至4の整数を表してもよい。
図5は、第1乃至第Pの切替時点のうちの、第1乃至第4の切替時点を示す。図5に示すように、最先推定時点tは、基準時点tよりも推定時間Tだけ後の時点である。
Pは、推定時間Tから所定のクリアランス時間τを引いた値を所定の単位切替時間τにより除算することにより得られる商の整数部分Qに2を加えた値を表す。なお、クリアランス時間τについては後述する。

【0036】
例えば、推定時間Tは、後述する特徴時間である。なお、推定時間Tは、特徴時間を1乃至2倍した時間であってもよい。
特徴時間は、対象交差点CR0と隣接する交差点CR1,CR2,CR3又はCR4から、対象交差点CR0まで車両が移動するために要する時間の代表値である。

【0037】
例えば、特徴時間は、対象交差点CR0と隣接する交差点CR1,CR2,CR3又はCR4と、対象交差点CR0と、の間の距離を、当該交差点CR1,CR2,CR3又はCR4と、対象交差点CR0と、に挟まれた道路における車両の最高速度(又は、制限速度)により除した値である。なお、特徴時間は、対象交差点CR0と隣接する交差点CR1~CR4のそれぞれに対する代表値が異なる場合、代表値の最大値、最小値、又は、平均値等であってもよい。

【0038】
例えば、単位切替時間τは、特徴時間を1/3倍した時間である。なお、単位切替時間τは、特徴時間を1/30乃至2/3倍した時間であってもよい。

【0039】
図5においては、クロスのハッチングにより示される領域は、赤信号の表示を示す。また、斜線のハッチングにより示される領域は、青信号の表示を示す。また、ドットのハッチングにより示される領域は、黄信号の表示を示す。

【0040】
図5に係る説明においては、基準時点tにおいて、X軸方向における信号機10-1及び10-2が赤信号を表示するとともに、Y軸方向における信号機10-3及び10-4が青信号を表示している場合を想定する。図5に係る説明においては、信号機10-1~10-4により表示される信号が切り替えられる時点は、Y軸方向における信号機10-3及び10-4により表示される信号が、青信号から黄信号に切り替えられる時点である。

【0041】
なお、基準時点tにおいて、X軸方向における信号機10-1及び10-2が青信号を表示するとともに、Y軸方向における信号機10-3及び10-4が赤信号を表示している場合も、上述した場合と同様に説明されるので、その説明を省略する。

【0042】
図5の(A)に示すように、第1の切替時点は、最先推定時点tよりも後の時点である。従って、この場合、基準時点tから最先推定時点tまでの間、X軸方向における信号機10-1及び10-2が赤信号を表示するとともに、Y軸方向における信号機10-3及び10-4が青信号を表示する状態が維持される。換言すると、基準時点tから最先推定時点tまでの期間において、信号機10-1~10-4により表示される信号は、切り替えられない。

【0043】
従って、本例では、信号機10-1~10-4により表示される信号が第1の切替時点にて切り替えられたという仮定は、信号機10-1~10-4により表示される信号が、基準時点tから最先推定時点tまでの間に切り替えられないという仮定に対応する。

【0044】
第p+2の切替時点は、基準時点tよりも単位切替時間τをp倍した時間pτだけ後の時点である。pは、0からQの整数を表す。
以下、第2乃至第4の切替時点について説明を加える。

【0045】
図5の(B)に示すように、第2の切替時点は、基準時点tである。従って、この場合、基準時点tにて、Y軸方向における信号機10-3及び10-4により表示される信号が、青信号から黄信号に切り替えられる。更に、基準時点tよりも所定の黄信号時間τだけ後の時点t11にて、Y軸方向における信号機10-3及び10-4により表示される信号が、黄信号から赤信号に切り替えられる。加えて、時点t11よりも所定の待機時間τだけ後の時点t12にて、X軸方向における信号機10-1及び10-2により表示される信号が、赤信号から青信号に切り替えられる。

【0046】
本例では、クリアランス時間τは、Y軸方向における信号機10-3及び10-4により表示される信号が、青信号から黄信号に切り替えられてから、X軸方向における信号機10-1及び10-2により表示される信号が、赤信号から青信号に切り替えられるまでの時間である。

【0047】
更に、時点t12から最先推定時点tまでの間、X軸方向における信号機10-1及び10-2が青信号を表示するとともに、Y軸方向における信号機10-3及び10-4が赤信号を表示する状態が維持される。

【0048】
図5の(C)に示すように、第3の切替時点は、基準時点tよりも単位切替時間τだけ後の時点t21である。従って、この場合、時点t21にて、Y軸方向における信号機10-3及び10-4により表示される信号が、青信号から黄信号に切り替えられる。更に、時点t21よりも黄信号時間τだけ後の時点t22にて、Y軸方向における信号機10-3及び10-4により表示される信号が、黄信号から赤信号に切り替えられる。加えて、時点t22よりも待機時間τだけ後の時点t23にて、X軸方向における信号機10-1及び10-2により表示される信号が、赤信号から青信号に切り替えられる。

【0049】
更に、時点t23から最先推定時点tまでの間、X軸方向における信号機10-1及び10-2が青信号を表示するとともに、Y軸方向における信号機10-3及び10-4が赤信号を表示する状態が維持される。

【0050】
図5の(D)に示すように、第4の切替時点は、基準時点tよりも、単位切替時間τを2倍した時間2τだけ後の時点t31である。従って、この場合、時点t31にて、Y軸方向における信号機10-3及び10-4により表示される信号が、青信号から黄信号に切り替えられる。更に、時点t31よりも黄信号時間τだけ後の時点t32にて、Y軸方向における信号機10-3及び10-4により表示される信号が、黄信号から赤信号に切り替えられる。加えて、時点t32よりも待機時間τだけ後の時点t33にて、X軸方向における信号機10-1及び10-2により表示される信号が、赤信号から青信号に切り替えられる。

【0051】
更に、時点t33から最先推定時点tまでの間、X軸方向における信号機10-1及び10-2が青信号を表示するとともに、Y軸方向における信号機10-3及び10-4が赤信号を表示する状態が維持される。
なお、第5乃至第Pの切替時点についても、第2乃至第4の切替時点と同様に説明されるので、その説明を省略する。

【0052】
なお、制御部22が用いる切替時点の数は、P個よりも少なくてもよい。この場合、制御部22が用いる複数の切替時点は、基準時点tから、基準時点tよりも所定の制限時間だけ後の時点までの期間に含まれる時点に制限されてもよい。
また、例えば、制御部22が用いる切替時点の数は、2個であってもよい。この場合、制御部22は、複数の切替時点として、最先推定時点tよりも後の時点である第1の切替時点、及び、基準時点tである第2の切替時点を用いてよい。

【0053】
ここで、基準時点tから最先推定時点tまでの期間内の複数の時点における各車両の位置及び速度の推定について説明を加える。
本例では、制御部22は、時点t+jΔtにおける各車両の位置及び速度に基づいて、時点t+(j+1)Δtにおける各車両の位置及び速度を推定する単位推定処理を繰り返し実行する。

【0054】
Δtは、所定の分割時間(換言すると、時間ステップ)を表す。例えば、分割時間Δtは、特徴時間を1/300倍した時間である。なお、分割時間Δtは、特徴時間を1/1000乃至1/10倍した時間であってもよい。例えば、分割時間Δtは、特徴時間を1/100乃至1/30倍した時間であることが好適である。

【0055】
jは、整数を表す。制御部22は、単位推定処理を最初に実行する場合に値jとして0を用いるとともに、単位推定処理の実行が繰り返される毎に値jに1を加算する。制御部22は、値(j+1)Δtが推定時間Tに到達するまで、単位推定処理を繰り返し実行する。

【0056】
単位推定処理について説明を加える。
本例では、制御部22は、時点t+jΔtにおける各車両の位置と、時点t+jΔtにおける信号機10-1~10-4により表示される信号と、に基づいて、間隙距離を算出する。間隙距離は、車両とその車両の進行方向における直前の車両との間の距離(換言すると、車両間の距離)、及び、赤信号又は黄信号を表示する信号機10が設置された交差点と車両との間の距離、のうちの短い方の距離である。そして、制御部22は、時点t+jΔtにおける各車両の速度及び間隙距離と、下記数式1と、に基づいて、時点t+jΔtにおける各車両の速度の時間変化率(換言すると、加速度)を算出する。
【数1】
JP2016091249A_000003t.gif

【0057】
iは、自然数を表す。vは、対象領域TR内の車両のうちのi番目の車両の速度を表す。tは、時間を表す。Δxは、対象領域TR内の車両のうちのi番目の車両の間隙距離を表す。αは、正の係数を表す。係数αは、車両の速度の、間隙距離に対する反応の速さを表すパラメータである、と捉えられてよい。目標速度Vは、下記数式2により表される。v、β、及び、κのそれぞれは、正の係数を表す。目標速度Vは、間隙距離Δxに対して、図6に示すように変化する。
【数2】
JP2016091249A_000004t.gif

【0058】
例えば、上記数式1及び2により表される数理モデルは、最適速度(Optimal Velocity;OV)モデルと表される。OVモデルに関連する数理モデルは、例えば、文献(M.Bando、外4名、「Dynamical model of traffic congestion and numerical simulation」、Physical Review E、American Physical Society、1995年2月、第51巻、1035-1042ページ)に開示されている。

【0059】
そして、制御部22は、時点t+jΔtにおける各車両の速度及び加速度に基づいて、時点t+(j+1)Δtにおける各車両の速度を算出する。更に、制御部22は、時点t+jΔtにおける各車両の位置及び速度に基づいて、時点t+(j+1)Δtにおける各車両の位置を算出する。
このようにして、制御部22は、単位推定処理を実行する。

【0060】
上述したように、制御部22は、単位推定処理を最初に実行する場合に値jとして0を用いるとともに、単位推定処理の実行が繰り返される毎に値jに1を加算し、値(j+1)Δtが推定時間Tに到達するまで、単位推定処理を繰り返し実行する。

【0061】
なお、制御部22は、係数αとして、車両毎に異なる値を用いてもよい。この場合、取得部21は、車両の種類(例えば、普通自動車、大型自動車、又は、貨物自動車等)と、係数αと、を対応付けて予め記憶し、パターン認識技術を用いることにより動画データに基づいて、車両の種類を推定し、推定した車両の種類と対応付けて記憶されている係数αを取得する。更に、この場合、制御部22は、取得部21により取得された係数αに基づいて、各車両の加速度を算出する。

【0062】
また、制御部22は、各係数v、β、及び、κとして、車両毎に異なる値を用いてもよい。この場合、取得部21は、車両の種類と、各係数v、β、及び、κと、を対応付けて予め記憶し、パターン認識技術を用いることにより動画データに基づいて、車両の種類を推定し、推定した車両の種類と対応付けて記憶されている係数v、β、及び、κを取得する。更に、この場合、制御部22は、取得部21により取得された係数v、β、及び、κに基づいて、各車両の加速度を算出する。
また、制御部22は、OVモデルと異なる数理モデルに基づいて、各車両の加速度を算出してもよい。

【0063】
制御部22は、第1乃至第Pの切替時点のそれぞれに対して、信号機10-1~10-4により表示される信号が当該切替時点にて切り替えられたという仮定の下で、対象領域TR内の車両のそれぞれに対して、変化量パラメータを推定期間に亘って積分した値を算出する。本例では、対象領域TR内の車両のうちのi番目の車両に対する変化量パラメータΩは、下記数式3により表される。また、推定期間は、基準時点tから最先推定時点tまでの期間である。
【数3】
JP2016091249A_000005t.gif

【0064】
本例では、上述したように、制御部22は、上記数式1における係数αとして、対象領域TR内のすべての車両に共通する値を用いる。従って、変化量パラメータΩは、上記切替時点にて切り替えられたという仮定の下の、i番目の車両の加速度を、他の車両及び信号が存在しないという仮定の下の当該車両の加速度から減じた値に比例する。従って、変化量パラメータΩは、対象領域TR内のi番目の車両の加速度に対応するパラメータの一例である。

【0065】
また、本例では、制御部22は、車両の質量として、対象領域TR内のすべての車両に共通する値を用いる。本例では、制御部22は、この値を予め保持する。従って、変化量パラメータΩは、上記切替時点にて切り替えられたという仮定の下の、i番目の車両が受ける力を、他の車両及び信号が存在しないという仮定の下の当該車両が受ける力から減じた値に比例する。従って、本例では、変化量パラメータΩを推定期間に亘って積分した値は、上記切替時点にて切り替えられたという仮定の下の、i番目の車両が受ける力積を、他の車両及び信号が存在しないという仮定の下の当該車両が受ける力積から減じた値に比例する。

【0066】
例えば、車両が受ける力は、路面からの反力である。車両が受ける力は、当該車両の運転者が、間隙距離に応じて車両を制御することにより変化する。従って、車両が受ける力は、他の車両、又は、赤信号若しくは黄信号を表示する信号機10から仮想的に受ける力である、と捉えられ得る。

【0067】
なお、変化量パラメータΩを推定期間に亘って積分した値の算出は、単位推定処理を実行する毎に、変化量パラメータΩと分割時間Δtとの積を積算することにより行なわれてよい。

【0068】
なお、制御部22は、係数αとして、車両毎に異なる値を用いる場合、上記数式3に代えて、下記数式4により表される変化量パラメータΩを用いることが好適である。
【数4】
JP2016091249A_000006t.gif

【0069】
なお、制御部22は、車両の質量mとして、車両毎に異なる値を用いてもよい。この場合、取得部21は、車両の種類と、車両の質量と、を対応付けて予め記憶し、パターン認識技術を用いることにより動画データに基づいて、車両の種類(例えば、普通自動車、大型自動車、又は、貨物自動車等)を推定し、推定した車両の種類と対応付けて記憶されている車両の質量を取得する。更に、この場合、制御部22は、取得部21により取得された質量と、上記数式3に代わる下記数式5と、に基づいて、変化量パラメータΩを算出する。
【数5】
JP2016091249A_000007t.gif

【0070】
また、制御部22は、係数αとして、車両毎に異なる値を用いるとともに、車両の質量として、車両毎に異なる値を用いる場合、上記数式3に代えて、下記数式6により表される変化量パラメータΩを用いることが好適である。
【数6】
JP2016091249A_000008t.gif

【0071】
また、制御部22は、上記数式3に代えて、下記数式7により表される変化量パラメータΩを用いてもよい。下記数式7により表される変化量パラメータΩは、上記切替時点にて切り替えられたという仮定の下の、i番目の車両の加速度を0から減じた値に比例する。従って、下記数式7により表される変化量パラメータΩは、対象領域TR内のi番目の車両の加速度に対応するパラメータの一例である。
【数7】
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【0072】
なお、制御部22は、係数αとして、車両毎に異なる値を用いる場合、上記数式7に代えて、下記数式8により表される変化量パラメータΩを用いることが好適である。また、制御部22は、車両の質量mとして、車両毎に異なる値を用いる場合、上記数式7に代えて、下記数式9により表される変化量パラメータΩを用いることが好適である。また、制御部22は、係数αとして、車両毎に異なる値を用いるとともに、車両の質量mとして、車両毎に異なる値を用いる場合、上記数式7に代えて、下記数式10により表される変化量パラメータΩを用いることが好適である。
【数8】
JP2016091249A_000010t.gif

【数9】
JP2016091249A_000011t.gif

【数10】
JP2016091249A_000012t.gif

【0073】
また、制御部22は、上記数式3に代えて、下記数式11により表される変化量パラメータΩを用いてもよい。下記数式11により表される変化量パラメータΩは、上記切替時点にて切り替えられたという仮定の下の、i番目の車両の加速度を0から減じた値の絶対値に比例する。従って、下記数式11により表される変化量パラメータΩは、対象領域TR内のi番目の車両の加速度に対応するパラメータの一例である。下記数式11により表される変化量パラメータΩは、車両が加速する場合と、車両が減速する場合と、の両方における加速度に基づく値である、と捉えられ得る。
【数11】
JP2016091249A_000013t.gif

【0074】
なお、制御部22は、係数αとして、車両毎に異なる値を用いる場合、上記数式11に代えて、下記数式12により表される変化量パラメータΩを用いることが好適である。また、制御部22は、車両の質量mとして、車両毎に異なる値を用いる場合、上記数式11に代えて、下記数式13により表される変化量パラメータΩを用いることが好適である。また、制御部22は、係数αとして、車両毎に異なる値を用いるとともに、車両の質量mとして、車両毎に異なる値を用いる場合、上記数式11に代えて、下記数式14により表される変化量パラメータΩを用いることが好適である。
【数12】
JP2016091249A_000014t.gif

【数13】
JP2016091249A_000015t.gif

【数14】
JP2016091249A_000016t.gif

【0075】
また、制御部22は、上記数式3に代えて、下記数式15により表される変化量パラメータΩを用いてもよい。下記数式15により表される変化量パラメータΩは、上記切替時点にて切り替えられたという仮定の下の、i番目の車両の加速度を0から減じた値と、0と、の最大値に比例する。従って、下記数式15により表される変化量パラメータΩは、対象領域TR内のi番目の車両の加速度に対応するパラメータの一例である。下記数式15により表される変化量パラメータΩは、車両が加速する場合と、車両が減速する場合と、のうちの、車両が減速する場合のみにおける加速度に基づく値である、と捉えられ得る。
【数15】
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【0076】
なお、制御部22は、係数αとして、車両毎に異なる値を用いる場合、上記数式15に代えて、下記数式16により表される変化量パラメータΩを用いることが好適である。また、制御部22は、車両の質量mとして、車両毎に異なる値を用いる場合、上記数式15に代えて、下記数式17により表される変化量パラメータΩを用いることが好適である。また、制御部22は、係数αとして、車両毎に異なる値を用いるとともに、車両の質量mとして、車両毎に異なる値を用いる場合、上記数式15に代えて、下記数式18により表される変化量パラメータΩを用いることが好適である。
【数16】
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【数17】
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【数18】
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【0077】
制御部22は、対象領域TR内の車両のそれぞれに対して算出した、変化量パラメータΩを推定期間に亘って積分した値(換言すると、変化量積分値)に基づいて、各信号機10-1~10-4により表示される信号の切り替えを制御する。

【0078】
本例では、制御部22は、第1乃至第Pの切替時点のそれぞれに対して、信号機10-1~10-4により表示される信号が当該切替時点にて切り替えられたという仮定の下で、対象領域TR内の車両のすべてに対する変化量積分値の和を算出する。変化量積分値の和は、変化量和と表されてよい。

【0079】
更に、制御部22は、第1乃至第Pの切替時点のうちの、算出した変化量和が最小である切替時点(換言すると、変化量和最小時点)を選択し、選択した変化量和最小時点が第2の切替時点であるか否かを判定する。制御部22は、変化量和最小時点が第2の切替時点である場合、信号機10-1~10-4により表示される信号を切り替えるように、制御信号を各信号機10-1~10-4の信号灯器12へ送信する。一方、制御部22は、変化量和最小時点が第2の切替時点でない場合、制御信号を各信号機10-1~10-4の信号灯器12へ送信しない。

【0080】
上述したように、制御部22は、各車両が交差点において直進するという仮定の下で、変化量積分値を算出する。ところで、制御部22は、各車両が交差点において、所定の右折確率に従って右折するとともに、所定の左折確率に従って左折するという仮定の下で、変化量積分値を算出してもよい。この場合、左折確率及び右折確率は、交差点及び進行方向の組み合わせのそれぞれに対して設定されることが好適である。

【0081】
この場合、制御部22は、各切替時点に対して、疑似乱数を用いることにより、複数回、変化量和を算出し、算出した複数の変化量和の平均値に基づいて変化量和最小時点を選択することが好適である。

【0082】
例えば、右折確率及び左折確率は、予め定められた値であってよい。また、右折確率及び左折確率は、所定の期間において、交差点に進入した車両の数(換言すると、進入数)と、交差点を右折した車両の数(換言すると、右折数)と、交差点を左折した車両の数(換言すると、左折数)と、を取得し、取得した、進入数、右折数、及び、左折数に基づいて決定されてよい。

【0083】
この場合、右折確率及び左折確率は、現在の時間帯と同じ時間帯の過去(例えば、1日前)の期間において取得された、進入数、右折数、及び、左折数に基づいて決定されることが好適である。また、右折確率及び左折確率は、現時点にて取得されている最新の、進入数、右折数、及び、左折数に基づいて決定されてもよい。

【0084】
制御装置20の各機能は、LSI(Large Scale Integration)によって実現されてよい。また、制御装置20の各機能は、プログラム可能な論理回路装置(例えば、PLD(Programmable Logic Device)、又は、FPGA(Field-Programmable Gate Array))によって実現されてよい。また、制御装置20の各機能は、CPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサが、記憶装置に記憶されたプログラムを実行することによって実現されてもよい。

【0085】
(動作) 次に、上述した交通信号システム1の動作について説明する。制御装置20は、図7のフローチャートに示す処理を実行する。本例では、後述するように、図7のステップS101~S109の処理は、所定の判定周期が経過する毎に繰り返し実行される。本例では、判定周期は、特徴時間を1/5倍した時間である。なお、上述したように、本例では、単位切替時間τは、特徴時間を1/3倍した時間である。従って、本例では、単位切替時間τは、判定周期よりも長い。また、判定周期は、特徴時間を1/50乃至1/3倍した時間であってもよい。

【0086】
制御装置20は、各信号機10-1~10-4の撮像装置13から受信した動画データに基づいて、基準時点tにおける、対象領域TR内の車両のそれぞれの位置及び速度を取得する(ステップS101)。

【0087】
次いで、制御装置20は、第1乃至第Pの切替時点にそれぞれ対応付けられたP個のループ処理を順次に実行する。P個のループ処理の始端は、ステップS102であり、P個のループ処理の終端は、ステップS105である。なお、制御装置20は、P個のループ処理を並列に実行してもよい。

【0088】
P個のループ処理のうちのk番目のループ処理について説明を加える。kは、1からPの整数を表す。
制御装置20は、信号機10-1~10-4により表示される信号が第kの切替時点にて切り替えられたという仮定の下で、対象領域TR内の車両のそれぞれの、推定期間内の複数の時点における位置及び速度を推定する(ステップS103)。本例では、上述したように、制御装置20は、単位推定処理を繰り返し実行することにより、推定期間内の複数の時点における、各車両の位置及び速度を推定する。

【0089】
次いで、制御装置20は、ステップS101にて取得された基準時点tにおける各車両の位置と、ステップS103にて推定された、推定期間内の複数の時点における各車両の位置と、に基づいて、第kの切替時点に対する変化量和を算出する(ステップS104)。
このようにして、制御装置20は、k番目のループ処理を実行する。

【0090】
そして、制御装置20は、P個のループ処理のすべてを実行した後、第1乃至第Pの切替時点のうちの、算出された変化量和が最小である切替時点(換言すると、変化量和最小時点)を選択する(ステップS106)。

【0091】
次いで、制御装置20は、選択された変化量和最小時点が、第2の切替時点(本例では、現時点)であるか否かを判定する(ステップS107)。

【0092】
選択された変化量和最小時点が第2の切替時点である場合を想定する。この場合、制御装置20は、ステップS107にて「Yes」と判定し、信号機10-1~10-4により表示される信号を切り替えるように、制御信号を各信号機10-1~10-4の信号灯器12へ送信する(ステップS108)。これにより、信号機10-1~10-4は、表示される信号を切り替える。

【0093】
次いで、制御装置20は、次回判定時点が到来するまで待機する(ステップS109)。本例では、次回判定時点は、ステップS101~S109の処理の実行を次回に開始する時点である。換言すると、次回判定時点は、ステップS101~S109の処理の今回の実行を開始した時点から、判定周期だけ後の時点である。
そして、制御装置20は、次回判定時点にて、ステップS101へ戻り、ステップS101~S109の処理を再び実行する。

【0094】
次に、選択された変化量和最小時点が第2の切替時点でない場合を想定する。この場合、制御装置20は、ステップS107にて「No」と判定し、信号機10-1~10-4により表示される信号を切り替えることなく(換言すると、制御信号を各信号機10-1~10-4の信号灯器12へ送信せずに)、ステップS109へ進む。従って、この場合、信号機10-1~10-4は、表示される信号を切り替えない。

【0095】
なお、単位切替時間τが判定周期よりも短い場合、制御部22は、第1乃至第Pの切替時点のうちの、変化量和最小時点を選択し、信号機10-1~10-4により表示される信号を、上記選択した変化量和最小時点にて切り替えるように、制御信号を各信号機10-1~10-4の信号灯器12へ送信してもよい。

【0096】
この場合、制御装置20は、図7の処理に代えて、図7のステップS107~S108の処理を、図8のステップS207~S208の処理に置換した処理を実行する。従って、制御装置20は、図7のステップS106にて、第1乃至第Pの切替時点のうちの変化量和最小時点を選択した後、選択された変化量和最小時点が、次回判定時点よりも前の時点であるか否かを判定する(図8のステップS207)。

【0097】
選択された変化量和最小時点が、次回判定時点よりも前の時点である場合を想定する。この場合、制御装置20は、ステップS207にて「Yes」と判定し、信号機10-1~10-4により表示される信号を、選択された変化量和最小時点にて切り替えるように、制御信号を各信号機10-1~10-4の信号灯器12へ送信する(図8のステップS208)。これにより、信号機10-1~10-4は、上記変化量和最小時点にて、表示される信号を切り替える。

【0098】
次いで、制御装置20は、次回判定時点が到来するまで待機する(図7のステップS109)。そして、制御装置20は、次回判定時点にて、図7のステップS101へ戻り、ステップS101~S109の処理を再び実行する。

【0099】
次に、選択された変化量和最小時点が、次回判定時点以後の時点である場合を想定する。この場合、制御装置20は、図8のステップS207にて「No」と判定し、信号機10-1~10-4により表示される信号を切り替えることなく(換言すると、制御信号を各信号機10-1~10-4の信号灯器12へ送信せずに)、図7のステップS109へ進む。従って、この場合、信号機10-1~10-4は、表示される信号を切り替えない。

【0100】
以上、説明したように、第1実施形態に係る制御装置20は、複数の車両のそれぞれの位置を取得する。更に、制御装置20は、取得された位置に基づいて、複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータ(本例では、変化量パラメータ)を算出し、当該算出したパラメータに基づいて、表示される信号の切り替えを制御する。

【0101】
これによれば、各車両の加速度に対応するパラメータに基づいて、表示される信号の切り替えが制御される。これにより、例えば、車両の速度の減少量を抑制できる。また、例えば、速度が減少する車両の数を減少できる。この結果、車両が円滑に通行することができる。

【0102】
更に、第1実施形態に係る制御装置20は、複数の車両のそれぞれの位置及び速度を第1の時点(本例では、基準時点)tにて取得する。更に、制御装置20は、複数の異なる切替時点のそれぞれに対して、表示される信号が当該切替時点にて切り替えられたという仮定の下で、取得された位置及び速度に基づいて第1の時点tから第2の時点(本例では、最先推定時点)tまでの期間内の複数の時点における複数の車両のそれぞれの位置を推定し且つ当該推定した位置に基づいて、複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを当該期間に亘って積分した値の、複数の車両に対する和(本例では、変化量和)を算出する。加えて、制御装置20は、算出した和に基づいて、複数の切替時点のうちの1つの切替時点を選択し、表示される信号を、当該選択した切替時点にて切り替える。

【0103】
各車両の加速度に対応するパラメータを上記期間に亘って積分した値の、複数の車両に対する和と、車両の速度の減少量及び速度が減少する車両の数と、の相関は強い。従って、制御装置20によれば、車両の速度の減少量を抑制できる。また、速度が減少する車両の数を減少できる。この結果、車両が円滑に通行することができる。

【0104】
更に、第1実施形態に係る制御装置20において、上記パラメータは、複数の車両のそれぞれの加速度と、他の車両及び信号が存在しないという仮定の下の当該車両の加速度と、の差に比例する。

【0105】
各車両の加速度と、他の車両及び信号が存在しないという仮定の下の当該車両の加速度と、の差と、当該車両の速度の減少量と、の相関は強い。従って、制御装置20によれば、車両の速度の減少量を抑制できる。この結果、車両が円滑に通行することができる。

【0106】
更に、第1実施形態に係る制御装置20は、車両間の距離、及び、車両の進行を禁止する信号を表示する信号機10が設置された交差点と車両との間の距離に基づいて、上記パラメータを算出する。

【0107】
車両間の距離、及び、車両の進行を禁止する信号を表示する信号機10が設置された交差点と車両との間の距離と、車両の加速度と、の相関は強い。従って、制御装置20によれば、各車両の加速度を上記パラメータに高い精度にて反映できる。

【0108】
以下、第1実施形態に係る制御装置20が奏する効果について説明を加える。
ここでは、一例として、下記の(1)~(7)のすべての条件が満足される場合を想定する。
(1)図9に示すように、所定の幅を有する10本の道路RX-1~RX-5及びRY-1~RY-5のうちの5本の道路RX-1~RX-5は、X軸方向に延びるとともに、所定の道路間隔Dにて等間隔に配置される。上記10本の道路RX-1~RX-5及びRY-1~RY-5のうちの他の5本の道路RY-1~RY-5は、Y軸方向に延びるとともに、上記道路間隔Dにて等間隔に配置される。従って、上記10本の道路RX-1~RX-5及びRY-1~RY-5により形成される25個の交差点C-1~C-25は、正方格子の格子点に位置する。

【0109】
(2)上記25個の交差点C-1~C-25のそれぞれに交通信号システムが設置されている。
(3)上記道路間隔Dは、各道路RX-1~RX-5及びRY-1~RY-5の幅に対して十分に長い。なお、上記道路間隔Dは、互いに隣接する道路間の距離(換言すると、互いに隣接する交差点間の距離)を表す。
(4)車両は、直進のみを行なう。
(5)交通信号システムが動作を開始する時点において、各交差点C-1~C-25に設置された信号機が表示する信号は、ランダムに設定されている。
(6)交通信号システムが動作を開始する時点において、車両は存在しない。
(7)車両は、所定の交通量にてランダムに、上記10本の道路RX-1~RX-5及びRY-1~RY-5の端から、図9に示す領域へ進入する。交通量は、図9に示す領域へ単位時間あたりに進入する車両の数である。

【0110】
図10は、X軸負方向側の端と、Y軸負方向側の端と、のみから車両が進入する(換言すると、X軸正方向へ進行する車両と、Y軸正方向へ進行する車両と、のみが存在する)場合における車両の平均速度の交通量に対する変化を示す。
図11は、X軸正方向側の端と、X軸負方向側の端と、Y軸正方向側の端と、Y軸負方向側の端と、から車両が進入する(換言すると、すべての方向へ進行する車両が存在する)場合における車両の平均速度の交通量に対する変化を示す。

【0111】
図10及び図11において、実線C10及びC20は、各交差点C-1~C-25に設置された交通信号システムが第1実施形態に係る制御装置20を備える場合における、車両の平均速度の交通量に対する変化を示す。車両の平均速度は、図9に示す領域内のすべての車両の速度を平均した値である。

【0112】
また、点線C11及びC21は、各交差点C-1~C-25に設置された交通信号システムが第1比較例に係る制御装置を備える場合における、車両の平均速度の交通量に対する変化を示す。第1比較例に係る制御装置は、所定の切替周期が経過する毎に、表示される信号を切り替える。

【0113】
また、一点鎖線C12及びC22は、各交差点C-1~C-25に設置された交通信号システムが第2比較例に係る制御装置を備える場合における、車両の平均速度の交通量に対する変化を示す。第2比較例に係る制御装置は、X軸方向における信号機が青信号を表示している場合、下記数式19が満足されるときに、表示される信号を切り替え、一方、下記数式19が満足されないときに、表示される信号を切り替えない。
【数19】
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【0114】
は、交通信号システムが設置された交差点(換言すると、対象交差点)とY軸方向にて隣接する2つの交差点のそれぞれと、対象交差点と、に挟まれた道路に位置する車両の数を表す。Nは、対象交差点とX軸方向にて隣接する2つの交差点のそれぞれと、対象交差点と、に挟まれた道路に位置する車両の数を表す。θは、所定の閾値を表す。本例では、θは、3である。

【0115】
更に、第2比較例に係る制御装置は、Y軸方向における信号機が青信号を表示している場合、下記数式20が満足されるときに、表示される信号を切り替え、一方、下記数式20が満足されないときに、表示される信号を切り替えない。
【数20】
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【0116】
第2比較例に係る制御装置に関連する制御は、例えば、文献(H.Suzuki、外2名、「Chaotic Ising-like dynamics in traffic signals」、Scientific Reports、Macmillan Publishers Limited.、2013年1月、第3巻、記事番号1127)に開示されている。

【0117】
図10及び図11に示すように、第1実施形態に係る制御装置20によれば、車両の平均速度を、第1比較例及び第2比較例に係る制御装置よりも高めることができる。従って、車両が円滑に通行することができる。

【0118】
第1実施形態に係る交通信号システム1は、各信号機10が備える撮像装置13により撮像された動画像に基づいて、車両の位置及び速度を取得する。ところで、交通信号システム1は、各信号機10が備える撮像装置13に代えて、又は、各信号機10が備える撮像装置13に加えて、道路の近傍に設置された撮像装置を備え、この撮像装置により撮像された動画像に基づいて、車両の位置及び速度を取得してもよい。

【0119】
また、交通信号システム1は、撮像された動画像に代えて、又は、撮像された動画像に加えて、撮像装置以外のセンサ(例えば、ループコイル式、超音波式、マイクロ波式、又は、光学式等の車両感知器)により、車両の位置及び速度の少なくとも一方を取得してもよい。

【0120】
交通信号システム1は、複数の異なる交差点(例えば、互いに隣接する複数の交差点)のそれぞれに設置されてよい。また、交通信号システム1は、制御装置20と異なる制御を行なう制御装置を備える交通信号システムが設置された交差点と隣接する交差点に設置されてもよい。また、制御装置20は、所定の期間において、図7に示す処理を実行し、他の期間において、図7に示す処理と異なる処理を実行してもよい。

【0121】
また、交通信号システム1は、複数の異なる交差点に設置された複数の信号機10を備え、制御装置20が複数の信号機10のそれぞれを制御してもよい。

【0122】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。例えば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、上述した実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。

【0123】
<付記>
本発明に関し、以下を付記する。

【0124】
(付記1)
複数の信号の中で、表示される信号を切り替える信号機の制御装置であって、
複数の車両のそれぞれの位置を取得する取得部と、
前記取得された位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを算出し、当該算出したパラメータに基づいて、前記表示される信号の切り替えを制御する制御部と、
を備える、信号機の制御装置。

【0125】
(付記2)
付記1に記載の信号機の制御装置であって、
前記取得部は、前記複数の車両のそれぞれの位置及び速度を第1の時点にて取得し、
前記制御部は、
複数の異なる切替時点のそれぞれに対して、前記表示される信号が当該切替時点にて切り替えられたという仮定の下で、前記取得された位置及び速度に基づいて前記第1の時点から第2の時点までの期間内の複数の時点における前記複数の車両のそれぞれの位置を推定し且つ当該推定した位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを当該期間に亘って積分した値の、前記複数の車両に対する和を算出し、
前記算出した和に基づいて、前記複数の切替時点のうちの1つの切替時点を選択し、
前記表示される信号を前記選択した切替時点にて切り替える、信号機の制御装置。

【0126】
(付記3)
付記2に記載の信号機の制御装置であって、
前記複数の切替時点のうちの1つの切替時点は、前記第2の時点以後の時点であり、且つ、当該複数の切替時点のうちの他の切替時点のそれぞれは、前記第2の時点よりも前の時点である、信号機の制御装置。

【0127】
(付記4)
付記1に記載の信号機の制御装置であって、
前記取得部は、前記複数の車両のそれぞれの位置及び速度を第1の時点にて取得し、
前記制御部は、
前記表示される信号が前記第1の時点よりも後の第2の時点までの間に切り替えられなかったという第1の仮定の下で、前記取得された位置及び速度に基づいて前記第1の時点から前記第2の時点までの期間内の複数の時点における前記複数の車両のそれぞれの位置を推定し且つ当該推定した位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを当該期間に亘って積分した値の、前記複数の車両に対する第1の和を算出し、
前記表示される信号が前記第2の時点よりも前の切替時点にて切り替えられたという第2の仮定の下で、前記取得された位置及び速度に基づいて前記複数の時点における前記複数の車両のそれぞれの位置を推定し且つ当該推定した位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを前記期間に亘って積分した値の、前記複数の車両に対する第2の和を算出し、
前記算出した第1及び第2の和に基づいて、前記表示される信号を前記切替時点にて切り替えるか否かを決定する、信号機の制御装置。

【0128】
(付記5)
付記1乃至付記4のいずれか一項に記載の信号機の制御装置であって、
前記パラメータは、前記複数の車両のそれぞれの加速度と、他の車両及び信号が存在しないという仮定の下の当該車両の加速度と、の差に比例する、信号機の制御装置。

【0129】
(付記6)
付記1乃至付記5のいずれか一項に記載の信号機の制御装置であって、
前記制御部は、車両間の距離、及び、車両の進行を禁止する信号を表示する信号機が設置された交差点と車両との間の距離に基づいて、前記パラメータを算出する、信号機の制御装置。

【0130】
(付記7)
複数の信号の中で、表示される信号を切り替える信号機の制御方法であって、
複数の車両のそれぞれの位置を取得し、
前記取得された位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを算出し、
前記算出されたパラメータに基づいて、前記表示される信号の切り替えを制御する、信号機の制御方法。

【0131】
(付記8)
付記7に記載の信号機の制御方法であって、
前記複数の車両のそれぞれの位置及び速度を第1の時点にて取得し、
複数の異なる切替時点のそれぞれに対して、前記表示される信号が当該切替時点にて切り替えられたという仮定の下で、前記取得された位置及び速度に基づいて前記第1の時点から第2の時点までの期間内の複数の時点における前記複数の車両のそれぞれの位置を推定し且つ当該推定した位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを当該期間に亘って積分した値の、前記複数の車両に対する和を算出し、
前記算出した和に基づいて、前記複数の切替時点のうちの1つの切替時点を選択し、
前記表示される信号を前記選択した切替時点にて切り替える、信号機の制御方法。

【0132】
(付記9)
付記8に記載の信号機の制御方法であって、
前記複数の切替時点のうちの1つの切替時点は、前記第2の時点以後の時点であり、且つ、当該複数の切替時点のうちの他の切替時点のそれぞれは、前記第2の時点よりも前の時点である、信号機の制御方法。

【0133】
(付記10)
付記7に記載の信号機の制御方法であって、
前記複数の車両のそれぞれの位置及び速度を第1の時点にて取得し、
前記表示される信号が前記第1の時点よりも後の第2の時点までの間に切り替えられなかったという第1の仮定の下で、前記取得された位置及び速度に基づいて前記第1の時点から前記第2の時点までの期間内の複数の時点における前記複数の車両のそれぞれの位置を推定し且つ当該推定した位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを当該期間に亘って積分した値の、前記複数の車両に対する第1の和を算出し、
前記表示される信号が前記第2の時点よりも前の切替時点にて切り替えられたという第2の仮定の下で、前記取得された位置及び速度に基づいて前記複数の時点における前記複数の車両のそれぞれの位置を推定し且つ当該推定した位置に基づいて、前記複数の車両のそれぞれの加速度に対応するパラメータを前記期間に亘って積分した値の、前記複数の車両に対する第2の和を算出し、
前記算出した第1及び第2の和に基づいて、前記表示される信号を前記切替時点にて切り替えるか否かを決定する、信号機の制御方法。

【0134】
(付記11)
付記7乃至付記10のいずれか一項に記載の信号機の制御方法であって、
前記パラメータは、前記複数の車両のそれぞれの加速度と、他の車両及び信号が存在しないという仮定の下の当該車両の加速度と、の差に比例する、信号機の制御方法。

【0135】
(付記12)
付記7乃至付記11のいずれか一項に記載の信号機の制御方法であって、
車両間の距離、及び、車両の進行を禁止する信号を表示する信号機が設置された交差点と車両との間の距離に基づいて、前記パラメータを算出する、信号機の制御方法。
【符号の説明】
【0136】
1 交通信号システム
10 信号機
11 支柱
12 信号灯器
121~123 信号灯
13 撮像装置
131 レンズ
20 制御装置
21 取得部
22 制御部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10