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明細書 :アリール基で置換された多環性芳香族化合物の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5988051号 (P5988051)
登録日 平成28年8月19日(2016.8.19)
発行日 平成28年9月14日(2016.9.14)
発明の名称または考案の名称 アリール基で置換された多環性芳香族化合物の製造方法
国際特許分類 C07C   2/86        (2006.01)
C07C  15/38        (2006.01)
C07C  15/20        (2006.01)
C07C  15/30        (2006.01)
C07C  17/263       (2006.01)
C07C  25/22        (2006.01)
C07C  22/08        (2006.01)
C07C   5/44        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 2/86 CSP
C07C 15/38
C07C 15/20
C07C 15/30
C07C 17/263
C07C 25/22
C07C 22/08
C07C 5/44
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 20
全頁数 125
出願番号 特願2013-519551 (P2013-519551)
出願日 平成24年6月8日(2012.6.8)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 ウェブサイトの掲載日 2011年12月21日 ウェブサイトのアドレス http://pubs.acs.org/journal/orlef7 http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/o1203235w
国際出願番号 PCT/JP2012/064845
国際公開番号 WO2012/169635
国際公開日 平成24年12月13日(2012.12.13)
優先権出願番号 2011130547
優先日 平成23年6月10日(2011.6.10)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成27年6月5日(2015.6.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
発明者または考案者 【氏名】伊丹 健一郎
【氏名】望田 憲嗣
【氏名】川澄 克光
【氏名】瀬川 泰知
【氏名】梶野 智敬
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査官 【審査官】鈴木 雅雄
参考文献・文献 特開2009-016693(JP,A)
特開2010-238924(JP,A)
特開2010-222268(JP,A)
特開2010-222261(JP,A)
特表2010-528070(JP,A)
MATSUDA,T. et al.,Synthesis of Pyrenes by Twofold Hydroarylation of 2,6-Dialkynylbiphenyls,Chem. Lett,2011年,Vol.40,p.40-41,Table 2, published on the web:2010.11.25
DUAN,Z. et al.,A Novel Thiophen-Fused Polycyclic Aromatic with a Tetracene Core: Synthesis, Characterization, Optic,Molecules,2011年 5月27日,Vol.16,p.4467-4481,Scheme 1
JOUAITI,A. et al.,Molecular Tectonics: Design of 1-D Coordination Networks Based on Pyrene-Bearing Pyrazolyl Units, Eur. J. Inorg. Chem.,2003年,No.1,p.57-61,Scheme 1
GARCIA-CUADRADO,D. et al.,Proton Abstraction Mechanism for the Palladium-Catalyzed Intramolecular Arylation,J. Am. Chem. Soc.,2006年,Vol.128,p.1066-1067,Table 1
ANTON, U. et al.,Synthesis of n-Alkyl-Substituted Perylenes and Terrylenes via Alkali-Metal Induced Cyclization of Ol,Chem. Ber.,1992年,Vol.125, No.10,p.2325-2330
調査した分野 C07C 2/86
C07C 5/44
C07C 15/20
C07C 15/30
C07C 15/38
C07C 17/263
C07C 22/08
C07C 25/22
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物の製造方法であって、
パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、
多環性芳香族化合物と、置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物とを反応させる、製造方法。
【請求項2】
前記多環性芳香族化合物のsp2混成炭素原子に結合する少なくとも1つの水素原子が、前記置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物に由来する置換基を有していてもよいアリール基で置換される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物が、一般式(A1):
【化1】
JP0005988051B2_000234t.gif
[式中、Arは置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基;2個のRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基;2個のRは互いに結合して、隣接する-O-B-O-とともに環を形成していてもよく、該環は、さらに、芳香環が縮合していてもよい]
で示される有機ホウ素化合物;一般式(A2):
【化2】
JP0005988051B2_000235t.gif
[式中、3個のArは同じか又は異なり、それぞれ前記に同じである]
で示される環状有機ホウ素化合物;又は一般式(A3):
【化3】
JP0005988051B2_000236t.gif
[式中、Arは前記に同じ;3個のXは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基;Mはアルカリ金属である]
で示されるイオン性ホウ素化合物である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物が、一般式(D):
【化4】
JP0005988051B2_000237t.gif
[式中、R~Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基であり、Arは置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基であり、nは1~4の整数であり、Arはいずれの環状構造に結合していてもよく、且つ、以下の(1)~(4)のいずれかの要件を満たす。
(1)R~Rはいずれも水素原子である。
(2)R及びRはいずれも水素原子;RとRは互いに結合して5~6員の不飽和環を形成する;該不飽和環には、さらに単環又は縮合環の芳香環が縮合していてもよい。
(3)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。
(4)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。]
で示される化合物であり、且つ、前記多環性芳香族化合物が、一般式(B):
【化5】
JP0005988051B2_000238t.gif
[式中、R~Rは前記に同じである。]
で示される化合物である、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
パラジウム化合物が、0価パラジウム又はII価パラジウムを含む化合物である、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
前記多環性芳香族化合物と、前記置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物とを反応させる際に、銀化合物を共存させる、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
一般式(C):
【化6】
JP0005988051B2_000239t.gif
で示される構造を有する化合物の製造方法であって、
(I)パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、
一般式(B’):
【化7】
JP0005988051B2_000240t.gif
で示される構造を有する化合物と、
一般式(G):
【化8】
JP0005988051B2_000241t.gif
で示される化合物とを反応させて、
一般式(D’):
【化9】
JP0005988051B2_000242t.gif
で示される化合物を製造する工程、及び
(II)工程(I)で製造した化合物に縮環反応を施す工程
を備える、製造方法。
【請求項8】
一般式(C’):
【化10】
JP0005988051B2_000243t.gif
で示される構造を有する化合物の製造方法であって、
(I)パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、
一般式(B”):
【化11】
JP0005988051B2_000244t.gif
で示される化合物と、
ナフタレン骨格を有する化合物と
を反応させて、一般式(D”):
【化12】
JP0005988051B2_000245t.gif
で示される構造を有する化合物製造する工程、及び
(II)工程(I)で製造した化合物に縮環反応を施す工程
を備える、製造方法。
【請求項9】
前記工程(II)が、FeClを用いて酸化反応を施す工程である、請求項7又は8に記載の製造方法。
【請求項10】
置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物の製造方法であって、
パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、
多環性芳香族化合物と、置換基を有していてもよいアリール基とを反応させる、製造方法。
【請求項11】
前記多環性芳香族化合物のsp2混成炭素原子に結合する少なくとも1つの水素原子が、前記置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物に由来する置換基を有していてもよいアリール基で置換される、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物が、一般式(E):
【化13】
JP0005988051B2_000246t.gif
[式中、l個のRは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数3~50のシクロアルキル基、又は炭素数6~50のアリール基;lは0~4の整数である。]
で示されるアリール基を有する化合物、又は一般式(E’):
【化14】
JP0005988051B2_000247t.gif
[式中、R及びlは前記に同じ;Rはいずれのベンゼン環に結合していてもよい。]
で示されるアリール基を有する化合物である、請求項10又は11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物が、一般式(D):
【化15】
JP0005988051B2_000248t.gif
[式中、R~Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基であり、Arは置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基であり、nは1~4の整数であり、Arはいずれの環状構造に結合していてもよく、且つ、以下の(1)~(4)のいずれかの要件を満たす。
(1)R~Rはいずれも水素原子である。
(2)R及びRはいずれも水素原子;RとRは互いに結合して5~6員の不飽和環を形成する;該不飽和環には、さらに単環又は縮合環の芳香環が縮合していてもよい。
(3)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。
(4)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。]
で示される化合物であり、且つ、前記多環性芳香族化合物が、一般式(B):
【化16】
JP0005988051B2_000249t.gif
[式中、R~Rは前記に同じである。]
で示される化合物である、請求項10~12のいずれかに記載の製造方法。
【請求項14】
前記多環性芳香族化合物と、前記アリール基を有する化合物とを反応させる際に、銀化合物を共存させる、請求項10~13のいずれかに記載の製造方法。
【請求項15】
前記銀化合物が、トリフルオロメタンスルホン酸銀である、請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
一般式(F1a):
【化17】
JP0005988051B2_000250t.gif
[式中、R8a及びR8bは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子及び炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基(ただし、フェニル基を除く);m1は0;m2は1又は2である。]
、又は一般式(F1a-1):
【化18】
JP0005988051B2_000251t.gif
[式中、3個のR8c及び3個のR8dは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は環員数が1又は2の芳香族基(ただし、3個のR8cのうち水素原子の数は0個又は2個、3個のR8dのうち水素原子の数は0個又は2個である)である。]
で示される化合物。
【請求項17】
一般式(F1b-1):
【化19】
JP0005988051B2_000252t.gif
[式中、R5a及びR7aは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1~20のアルキル基;R8c及びR8dは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は環員数が1又は2の芳香族基(3個のR8cのうち水素原子の数は0個又は2個、3個のR8dのうち水素原子の数は0個又は2個である)である。]
、又は一般式(F1b-2):
【化20】
JP0005988051B2_000253t.gif
[式中、R5a、R7a及びR8dは前記に同じである。]
で示される化合物。
【請求項18】
一般式(F2):
【化21】
JP0005988051B2_000254t.gif
[R5-1及びR7-1は水素原子又は炭素数1~20のアルキル基;Rのうち水素原子の数は0個又は2個;Rのうち水素原子の数が0個の場合、Rはハロゲン原子、炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は環員数が1又は2の芳香族基;Rのうち水素原子の数が2個の場合、Rは水素原子、又は炭素数1~20のアルキル基を示す。]
で示される化合物。
【請求項20】
一般式(F3):
【化22】
JP0005988051B2_000255t.gif
[式中、R及びRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を示す]
で示される化合物。
【請求項22】
一般式(F5):
【化23】
JP0005988051B2_000256t.gif
[式中、R11は同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子及び炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基である。]
で示される化合物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、アリール基で置換された多環性芳香族化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
sp2結合炭素原子の2次元シートであるグラフェンは、ほとんど全ての科学技術分野において非常に注目されている。形状、幅等がグラフェンの性質を決定するため、構造的に均一なグラフェンの合成が、この研究分野において最も重要な課題の一つである。
【0003】
このグラフェンへの応用については、多環性芳香族化合物(PAH)が期待されており、PAH誘導体の簡便かつ効率的合成法への潜在的需要は大きい。また、遷移金属触媒を用いた芳香環C-H結合の直接アリール化は最も簡便かつ理想的なPAH誘導体の合成方法の一つと考えられている。このような観点から、簡便な方法で行われる、市販されている小さいPAHのC-H結合の直接アリール化が、大きいPAHの合成に重要な有用性がある(非特許文献1~3)。しかし、これまでに報告されている直接アリール化の適用可能基質には、ヘテロ芳香環、配向基を有するもの等が多く、PAHの直接アリール化の報告例は少ない(非特許文献3)。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】Ackermann, L.; Vicente, R.; Kapdti, A. R. Angew. Chem., Int. Ed. 2009, 48, 9792.
【非特許文献2】Chen, X.; Engle, K. M.; Wang, D.-H.; Yu, J.-Q. Angew. Chem., Int. Ed.2009, 48, 5094.
【非特許文献3】Kawai, H.; Kobayashi, Y.; Oi, S.; Inoue, Y. Chem. Commun. 2008, 1464.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、多環性芳香族化合物のC-H結合の所望の位置に直接アリール化した化合物を簡便に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、パラジウム化合物、o-クロラニル及び特定のホウ素化合物を用いてC-H/C-Bカップリングを行うことで、PAHのC-H結合を位置選択的に直接アリール化した化合物が簡便な方法で得られることを見出した。また、基質及びホウ素化合物を適切に選択すれば、この後に縮環反応を行うことにより、さらに大きなPAHを得ることも可能である。さらに、本発明者らは、パラジウム化合物、o-クロラニル及び特定の芳香族化合物を用いてC-H/C-Hクロスカップリングを行うことによっても、同様に、PAHのC-H結合を位置選択的に直接アリール化した化合物が簡便な方法で得られることを見出した。本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ねた結果、完成されたものである。すなわち、本発明は、以下の項1~22に係る発明を包含する。
【0007】
項1.置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物の製造方法であって、
パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、
多環性芳香族化合物と、置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物とを反応させる、製造方法。
【0008】
項2.前記多環性芳香族化合物のsp2混成炭素原子に結合する少なくとも1つの水素原子が、前記置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物に由来する置換基を有していてもよいアリール基で置換される、項1に記載の製造方法。
【0009】
項3.前記置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物が、一般式(A1):
【0010】
【化1】
JP0005988051B2_000002t.gif

【0011】
[式中、Arは置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基;2個のRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基;2個のRは互いに結合して、隣接する-O-B-O-とともに環を形成していてもよく、該環は、さらに、芳香環が縮合していてもよい]
で示される有機ホウ素化合物;一般式(A2):
【0012】
【化2】
JP0005988051B2_000003t.gif

【0013】
[式中、3個のArは同じか又は異なり、それぞれ前記に同じである]
で示される環状有機ホウ素化合物;又は一般式(A3):
【0014】
【化3】
JP0005988051B2_000004t.gif

【0015】
[式中、Arは前記に同じ;3個のXは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基;Mはアルカリ金属である]
で示されるイオン性ホウ素化合物である、項1又は2に記載の製造方法。
【0016】
項4.前記置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物が、一般式(D):
【0017】
【化4】
JP0005988051B2_000005t.gif

【0018】
[式中、R~Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基であり、Arは置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基であり、nは1~4の整数であり、Arはいずれの環状構造に結合していてもよく、且つ、以下の(1)~(4)のいずれかの要件を満たす。
(1)R~Rはいずれも水素原子である。
(2)R及びRはいずれも水素原子;RとRは互いに結合して5~6員の不飽和環を形成する;該不飽和環には、さらに単環又は縮合環の芳香環が縮合していてもよい。
(3)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。
(4)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。]
で示される化合物であり、且つ、前記多環性芳香族化合物が、一般式(B):
【0019】
【化5】
JP0005988051B2_000006t.gif

【0020】
[式中、R~Rは前記に同じである。]
で示される化合物である、項1~3のいずれかに記載の製造方法。
【0021】
項5.パラジウム化合物が、0価パラジウム又はII価パラジウムを含む化合物である、項1~4のいずれかに記載の製造方法。
【0022】
項6.前記多環性芳香族化合物と、前記置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物とを反応させる際に、銀化合物を共存させる、項1~5のいずれかに記載の製造方法。
【0023】
項7.一般式(C):
【0024】
【化6】
JP0005988051B2_000007t.gif

【0025】
で示される構造を有する化合物の製造方法であって、
(I)パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、
一般式(B’):
【0026】
【化7】
JP0005988051B2_000008t.gif

【0027】
で示される構造を有する化合物と、
一般式(G):
【0028】
【化8】
JP0005988051B2_000009t.gif

【0029】
で示される化合物とを反応させて、
一般式(D’):
【0030】
【化9】
JP0005988051B2_000010t.gif

【0031】
で示される化合物を製造する工程、及び
(II)工程(I)で製造した化合物に縮環反応を施す工程
を備える、製造方法。
【0032】
項8.一般式(C’):
【0033】
【化10】
JP0005988051B2_000011t.gif

【0034】
で示される構造を有する化合物の製造方法であって、
(I)パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、
一般式(B”):
【0035】
【化11】
JP0005988051B2_000012t.gif

【0036】
で示される化合物と、
ナフタレン骨格を有する化合物と
を反応させて、一般式(D”):
【0037】
【化12】
JP0005988051B2_000013t.gif

【0038】
で示される構造を有する化合物製造する工程、及び
(II)工程(I)で製造した化合物に縮環反応を施す工程
を備える、製造方法。
【0039】
項9.前記工程(II)が、FeClを用いて酸化反応を施す工程である、項7又は8に記載の製造方法。
【0040】
項10.置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物の製造方法であって、
パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、
多環性芳香族化合物と、置換基を有していてもよいアリール基とを反応させる、製造方法。
【0041】
項11.前記多環性芳香族化合物のsp2混成炭素原子に結合する少なくとも1つの水素原子が、前記置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物に由来する置換基を有していてもよいアリール基で置換される、項10に記載の製造方法。
【0042】
項12.前記置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物が、一般式(E):
【0043】
【化13】
JP0005988051B2_000014t.gif

【0044】
[式中、l個のRは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数3~50のシクロアルキル基、又は炭素数6~50のアリール基;lは0~4の整数である。]
で示されるアリール基を有する化合物、又は一般式(E’):
【0045】
【化14】
JP0005988051B2_000015t.gif

【0046】
[式中、R及びlは前記に同じ;Rはいずれのベンゼン環に結合していてもよい。]
で示されるアリール基を有する化合物である、項10又は11に記載の製造方法。
【0047】
項13.前記置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物が、一般式(D):
【0048】
【化15】
JP0005988051B2_000016t.gif

【0049】
[式中、R~Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基であり、Arは置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基であり、nは1~4の整数であり、Arはいずれの環状構造に結合していてもよく、且つ、以下の(1)~(4)のいずれかの要件を満たす。
(1)R~Rはいずれも水素原子である。
(2)R及びRはいずれも水素原子;RとRは互いに結合して5~6員の不飽和環を形成する;該不飽和環には、さらに単環又は縮合環の芳香環が縮合していてもよい。
(3)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。
(4)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。]
で示される化合物であり、且つ、前記多環性芳香族化合物が、一般式(B):
【0050】
【化16】
JP0005988051B2_000017t.gif

【0051】
[式中、R~Rは前記に同じである。]
で示される化合物である、項10~12のいずれかに記載の製造方法。
【0052】
項14.前記多環性芳香族化合物と、前記アリール基を有する化合物とを反応させる際に、銀化合物を共存させる、項10~13のいずれかに記載の製造方法。
【0053】
項15.前記銀化合物が、トリフルオロメタンスルホン酸銀である、項14に記載の製造方法。
【0054】
項16.一般式(F1a):
【0055】
【化17】
JP0005988051B2_000018t.gif

【0056】
[式中、R8a及びR8bは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子及び炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基(ただし、フェニル基を除く);m1及びm2は同じか又は異なり、それぞれ0~2の整数(ただし、m1+m2は1~4の整数)である。]
で示される化合物。
【0057】
項17.一般式(F1b):
【0058】
【化18】
JP0005988051B2_000019t.gif

【0059】
[式中、R及びRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基(ただし、R及びRの少なくとも1つはアルキル基である);R8a及びR8aは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子及び炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基;m1及びm2は同じか又は異なり、それぞれ0~2の整数(ただし、m1+m2は1~4の整数)である。]
で示される化合物。
【0060】
項18.一般式(F2):
【0061】
【化19】
JP0005988051B2_000020t.gif

【0062】
[式中、R5-1及びR7-1は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基;Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は環員数が1又は2の芳香族基(ただし、3個のRのうち水素原子の数は0個又は2個である)を示す。]
で示される化合物。
【0063】
項19.式:
【0064】
【化20】
JP0005988051B2_000021t.gif

【0065】
で示される化合物。
【0066】
項20.一般式(F3):
【0067】
【化21】
JP0005988051B2_000022t.gif

【0068】
[式中、R及びRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を示す]
で示される化合物。
【0069】
項21.一般式(F4):
【0070】
【化22】
JP0005988051B2_000023t.gif

【0071】
[式中、R10は同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子及び炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基、又は水素原子(ただし、2個のR10のうち水素原子の数は0個又は1個である);2個のR10は互いに結合して環を形成してもよい。]
で示される化合物。
【0072】
項22.一般式(F5):
【0073】
【化23】
JP0005988051B2_000024t.gif

【0074】
[式中、R11は同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子及び炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基である。]
で示される化合物。
【発明の効果】
【0075】
本発明によれば、パラジウム化合物、o-クロラニル及び特定のホウ素化合物を用いてC-H/C-Bカップリングを行うことで、PAHのC-H結合の所望の位置に直接アリール化した化合物が簡便な方法で得られる。例えば、PAHの典型例としてピレンを使用した場合には、4位のC-H結合がアリール化される。また、基質及びホウ素化合物を適切に選択すれば、この後に縮環反応を行うことにより、さらに大きなPAHを得ることも可能である。さらに、パラジウム化合物、o-クロラニル及び特定の芳香族化合物を用いてC-H/C-Hクロスカップリングを行うことによっても、同様に、PAHのC-H結合の所望の位置に直接アリール化した化合物が簡便な方法で得られる。また、この場合も基質及び特定の芳香族化合物を適切に選択すれば、この後に縮環反応を行うことにより、さらに大きなPAHを得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の製造方法において、基質としてピレンを用いた場合を例にとった場合の予測される反応機構を示す概念図である。
【図2】熱振動楕円体作画ソフト(ORTEP)による、4-フェニルピレン(2a)の構造を示す図面である(楕円は50%の原子存在)。
【図3】熱振動楕円体作画ソフト(ORTEP)による、4-(2,4,6-トリメチルフェニル)ピレン(2h)の構造を示す図面である(楕円は50%の原子存在)。
【図4】熱振動楕円体作画ソフト(ORTEP)による、トリベンゾ[a,c,f]テトラフェン(8)の構造を示す図面である(楕円は50%の原子存在)。
【図5】熱振動楕円体作画ソフト(ORTEP)による、3-フェニルフルオランテンの構造を示す図面である(楕円は50%の原子存在)。
【図6】熱振動楕円体作画ソフト(ORTEP)による、3-(ナフタレン-1-イル)フルオランテンの構造を示す図面である(楕円は50%の原子存在)。
【図7】フルオランテンの光物性の測定結果である。実線は吸収スペクトル、破線は蛍光スペクトルである。
【図8】3-フェニルフルオランテンの光物性の測定結果である。実線は吸収スペクトル、破線は蛍光スペクトルである。
【図9】3-(ナフタレン-1-イル)フルオランテンの光物性の測定結果である。実線は吸収スペクトル、破線は蛍光スペクトルである。
【図10】ペリレンの光物性の測定結果(吸収スペクトル)である。
【図11】3,4,9-トリフェニルペリレンの光物性の測定結果である。実線は吸収スペクトル、破線は蛍光スペクトルである。
【図12】3,4,9,10-テトラフェニルペリレンの光物性の測定結果である。実線は吸収スペクトル、破線は蛍光スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0077】
1.第1の態様[C-H/C-Bカップリング]
本発明の第1の態様における芳香族化合物の製造方法は、パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、多環性芳香族化合物と、置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物とを反応させることにより、置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物を得る方法である。

【0078】
[1-1]多環性芳香族化合物
本発明では、好ましくは、以下の式:

【0079】
【化24】
JP0005988051B2_000025t.gif

【0080】
[式中、R~Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基であり、Arは置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基であり、nは1~4の整数であり、Arはいずれの環状構造に結合していてもよく、且つ、以下の(1)~(4)のいずれかの要件を満たす。
(1)R~Rはいずれも水素原子である。
(2)R及びRはいずれも水素原子;RとRは互いに結合して5~6員の不飽和環を形成する;該不飽和環には、さらに単環又は縮合環の芳香環が縮合していてもよい。
(3)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子;Rは水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基である。
(4)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基である。]
で示される反応を経るものである。

【0081】
本発明において、基質として使用される多環性芳香族化合物としては、2以上の環が縮合した構造を有するものであれば特に限定されない。具体的には、一般式(B):

【0082】
【化25】
JP0005988051B2_000026t.gif

【0083】
[式中、R~Rは前記に同じである。]
で示される多環性芳香族化合物が好ましい。つまり、本発明で使用する多環性芳香族化合物は、少なくともナフタレン骨格を有することが好ましい。

【0084】
多環性芳香族化合物(B1)
多環性芳香族化合物(B1)は、多環性芳香族化合物(B)のなかでも、(1)の要件を満たすものであり、ナフタレンである。この場合、以下の式:

【0085】
【化26】
JP0005988051B2_000027t.gif

【0086】
[式中、Ar及びnは前記に同じ;Arは2個のベンゼン環のいずれに結合していてもよい。]
に示される反応により、アリール化されたナフタレンが得られる。

【0087】
芳香族化合物(D1)において、Arは、後述するホウ素化合物に由来する置換基を有していてもよいアリール基であり、炭素数が6~50で、且つ置換基を有していてもよいものである。アリール基としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。アリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br等)、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20、特に1~6のアルキル基(メチル基、エチル基、パーフルオロメチル基等)、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20、特に1~6のアルコキシ基(メトキシ基等)等が挙げられる。置換基の数は特に制限はなく、1~3個が好ましい。

【0088】
このようなアリール基(Ar)としては、具体的には、

【0089】
【化27】
JP0005988051B2_000028t.gif

【0090】
等が挙げられる。

【0091】
多環性芳香族化合物(B2)
多環性芳香族化合物(B2)は、多環性芳香族化合物(B)のなかでも、(2)の要件を満たすものである。具体的には、一般式(B2):

【0092】
【化28】
JP0005988051B2_000029t.gif

【0093】
[式中、R及びRは前記一般式(B)における(2)に同じである。]
で示されるものである。この場合、以下の式:

【0094】
【化29】
JP0005988051B2_000030t.gif

【0095】
[式中、R及びRは前記一般式(B)における(2)に同じ;Ar及びnは前記に同じ;Arは、いずれの環状構造に結合していてもよい。]
に示される反応により、アリール化された芳香族化合物が得られる。

【0096】
とRは互いに結合して5~6員の不飽和環を形成するが、本発明の製造方法で得られる芳香族化合物をグラフェンの前駆体として使用することを考慮すると、6員の不飽和環(例えばベンゼン環)が好ましい。

【0097】
また、RとRが結合して得られる不飽和環には、さらに、単環又は縮合環の芳香環が縮合していてもよい。この芳香環は、炭素数が6のものが好ましい。単環の芳香環としては、具体的には、ベンゼン環が挙げられる。また、縮合環の芳香環としては、具体的には、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環等が挙げられる。

【0098】
このような多環性芳香族化合物(B2)としては、具体的には、式:

【0099】
【化30】
JP0005988051B2_000031t.gif

【0100】
で示されるペリレン、式:

【0101】
【化31】
JP0005988051B2_000032t.gif

【0102】
で示されるフルオランテン等が挙げられる。

【0103】
なお、ペリレンを使用した場合には、一般式(D2a):

【0104】
【化32】
JP0005988051B2_000033t.gif

【0105】
[式中、4個のArは同じか又は異なり、それぞれ前記に同じである。]
で示されるように、位置選択的に、4個の水素原子がアリール基で置換された芳香族化合物を得ることも可能である。

【0106】
多環性芳香族化合物(B3)
多環性芳香族化合物(B3)は、多環性芳香族化合物(B)のなかでも、(3)の要件を満たすものである。具体的には、一般式(B3):

【0107】
【化33】
JP0005988051B2_000034t.gif

【0108】
[式中、R、R及びRは前記一般式(B)における(3)に同じである。]
で示されるものである。この場合、以下の式:

【0109】
【化34】
JP0005988051B2_000035t.gif

【0110】
[式中、R、R及びRは前記一般式(B)における(3)に同じ;Ar及びnは前記に同じ;Arは、いずれの環状構造に結合していてもよい。]
に示される反応により、アリール化された芳香族化合物が得られる。

【0111】
とRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する。この芳香環は、炭素数が6~12のものが好ましい。この際、縮合する芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。

【0112】
また、この芳香環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br等)、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20、特に1~6のアルキル基等が挙げられる。置換基の数は特に制限はなく、1~6個が好ましい。

【0113】
また、Rは水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基である。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、nープロピル基、t-ブチル基、nーヘキシル基等が挙げられる。

【0114】
このような多環性芳香族化合物(B3)としては、具体的には、

【0115】
【化35】
JP0005988051B2_000036t.gif

【0116】
(Rは前記に同じ;R5’は前記Rに同じ;RとR5’は同一でも異なっていてもよい)
等が挙げられる。

【0117】
多環性芳香族化合物(B4)
多環性芳香族化合物(B4)は、多環性芳香族化合物(B)のなかでも、(4)の要件を満たすものである。具体的には、一般式(B4):

【0118】
【化36】
JP0005988051B2_000037t.gif

【0119】
[式中、R~Rは前記一般式(B)における(4)に同じである。]
で示されるものである。この場合、以下の式:

【0120】
【化37】
JP0005988051B2_000038t.gif

【0121】
[式中、R~Rは前記一般式(B)における(4)に同じ;Ar及びnは前記に同じ;Arは、いずれの環状構造に結合していてもよい。]
に示される反応により、アリール化された芳香族化合物が得られる。

【0122】
とRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する。この芳香環は、炭素数が6~12のものが好ましい。この際、縮合する芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。

【0123】
また、この芳香環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br等)、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20、特に1~6のアルキル基等が挙げられる。置換基の数は特に制限はなく、1~6個が好ましい。

【0124】
とRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する。この芳香環は、炭素数が6のものが好ましい。この際、芳香環としては、例えば、ベンゼン環等が挙げられる。

【0125】
また、この芳香環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br等)、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20、特に1~6のアルキル基等が挙げられる。置換基の数は特に制限はなく、1~6個が好ましい。

【0126】
また、Rは水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基である。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、nープロピル基、t-ブチル基、nーヘキシル基等が挙げられる。

【0127】
このような多環性芳香族化合物(B4)としては、具体的には、

【0128】
【化38】
JP0005988051B2_000039t.gif

【0129】
等が挙げられる。

【0130】
[1-2]ホウ素化合物
本発明で使用するホウ素化合物は、置換基を有していてもよいアリール基を有するものである。この置換基を有していてもよいアリール基は、前記したArと同じものであり、具体例等も同じである。

【0131】
このようなアリール基を有するホウ素化合物としては、一般式(A1):

【0132】
【化39】
JP0005988051B2_000040t.gif

【0133】
[式中、Arは前記に同じ;2個のRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基;2個のRは互いに結合して、隣接する-O-B-O-とともに環を形成していてもよく、該環は、さらに、芳香環が縮合していてもよい。]
で示される有機ホウ素化合物;一般式(A2):

【0134】
【化40】
JP0005988051B2_000041t.gif

【0135】
[式中、3個のArは同じか又は異なり、それぞれ前記に同じである。]
で示される環状有機ホウ素化合物;一般式(A3):

【0136】
【化41】
JP0005988051B2_000042t.gif

【0137】
[式中、Arは前記に同じ;3個のXは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基;Mはアルカリ金属である。]
で示されるイオン性ホウ素化合物等が挙げられる。

【0138】
有機ホウ素化合物(A1)
有機ホウ素化合物(A1)において、2個のRは、それぞれ水素原子又は炭素数1~20、好ましくは1~6のアルキル基である。また、2つのRは同一であっても異なっていてもよい。また、Rがアルキル基である場合には、それぞれのアルキル基を構成する炭素原子が、互いに結合してホウ素原子及び酸素原子とともに環を形成してもよい。

【0139】
2個のRが環を形成する場合、形成される環は、具体的には、

【0140】
【化42】
JP0005988051B2_000043t.gif

【0141】
等が挙げられる。

【0142】
また、この環には、さらに、芳香環が縮合していてもよい。縮合してもよい芳香環としては、炭素数が6のものが好ましい。この際、芳香環としては、例えば、ベンゼン環等が挙げられる。

【0143】
このようなホウ素化合物(A1)としては、具体的には、

【0144】
【化43】
JP0005988051B2_000044t.gif

【0145】
等が挙げられる。

【0146】
この場合、ホウ素化合物(A1)の使用量は、位置選択的に置換基を有していてもよいアリール基で置換された芳香族化合物が高収率で得られ、且つ、副生成物の生成を抑制できる観点から、多環性芳香族化合物(B)1モルに対して、通常、1~6モル、好ましくは1.5~2.5モルである。

【0147】
環状有機ホウ素化合物(A2)
環状有機ホウ素化合物(A2)としては、具体的には、

【0148】
【化44】
JP0005988051B2_000045t.gif

【0149】
等が挙げられる。

【0150】
この場合、ホウ素化合物(A2)の使用量は、位置選択的に置換基を有していてもよいアリール基で置換された芳香族化合物が高収率で得られ、且つ、副生成物の生成を抑制できる観点から、多環性芳香族化合物(B)1モルに対して、通常、0.33~2モル、好ましくは0.5~0.83モルである。

【0151】
イオン性ホウ素化合物(A3)
イオン性ホウ素化合物(A3)において、3個のXは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基であり、具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フェニル基等である。なかでも、フッ素原子が好ましい。

【0152】
また、Mはアルカリ金属であり、具体的には、リチウム、カリウム、ナトリウム等である。なかでも、カリウムが好ましい。

【0153】
このようなイオン性ホウ素化合物(A3)としては、具体的には、

【0154】
【化45】
JP0005988051B2_000046t.gif

【0155】
等が挙げられる。

【0156】
この場合、ホウ素化合物(A3)の使用量は、位置選択的に置換基を有していてもよいアリール基で置換された芳香族化合物が高収率で得られ、且つ、副生成物の生成を抑制できる観点から、多環性芳香族化合物(B)1モルに対して、通常、1~6モル、好ましくは1.5~2.5モルである。

【0157】
[1-3]パラジウム化合物
本発明の第1の態様においては、反応は、通常、パラジウム化合物の存在下で行われる。このパラジウム化合物としては、有機化合物(高分子化合物を含む)等の合成用触媒として公知のパラジウム化合物等が挙げられ、0価パラジウムを含む化合物及びII価パラジウムを含む化合物のいずれでもよい。なお、0価パラジウムを含む化合物を用いた場合には、当該0価パラジウムは、系中で酸化されてII価パラジウムになる。使用できるパラジウム化合物としては、具体的には、Pd(OAc)(Acはアセチル基)、PdCl、PdBr、PdI、Pd(OTf)(Tfはトリフルオロメチルスルホニル基である)等が挙げられる。本発明においては、Pd(OAc)が好ましい。

【0158】
本発明の第1の態様において、パラジウム化合物の使用量は、収率の観点から、原料の多環性芳香族化合物(B)1モルに対して、通常、0.01~0.5モル、好ましくは0.025~0.2モルである。

【0159】
また、本発明の第1の態様において、必要に応じて、上記パラジウム化合物の中心元素であるパラジウム原子に配位し得る配位子を併用してもよい。ただし、後述するo-クロラニルの酸化力によって酸化されると配位能を失うため、配位子を使用する場合には、酸化に強い配位子を使用することが好ましい。このような配位子としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)ホスファイト、トリス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル)ホスファイト等のホスファイト系配位子等が挙げられる。

【0160】
本発明の第1の態様において、配位子を使用する場合、その使用量は、収率の観点から、原料の多環性芳香族化合物(B)1モルに対して、通常、0.01~0.5モル、好ましくは0.025~0.2モルである。

【0161】
[1-4]o-クロラニル
本発明の第1の態様においては、酸化剤としてo-クロラニルを使用する。このo-クロラニルは、以下の式:

【0162】
【化46】
JP0005988051B2_000047t.gif

【0163】
で示されるものである。

【0164】
本発明の第1の態様では、o-クロラニルを酸化剤として使用することで、収率を向上させ、且つ、ビフェニル等の副生成物の生成を抑制することができる。

【0165】
なお、酸化剤として、以下の式:

【0166】
【化47】
JP0005988051B2_000048t.gif

【0167】
で示される3,5-ジ-tert-ブチル-1,2-ベンゾキノンを用いた場合にも、収率を向上させることができるが、副生成物であるビフェニルが多数生成してしまう。また、o-クロラニルと比較すると収率も悪い。

【0168】
また、酸化剤として、o-クロラニルと構造が似ている以下の式:

【0169】
【化48】
JP0005988051B2_000049t.gif

【0170】
で示されるp-クロラニルを使用しても収率を向上させることはできない。

【0171】
以上から、本発明の第1の態様では、酸化剤としてo-クロラニルを使用することで、初めて簡便な手法で、多環性芳香族化合物のC-H結合をアリール化することができる。

【0172】
なお、o-クロラニルの使用量は、収率の観点から、多環性芳香族化合物(B)1モルに対して、通常、1~5モル、好ましくは1~2モルである。

【0173】
[1-5]銀化合物
本発明の第1の態様においては、多環性芳香族化合物(B)と、置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物(A)とを反応させる際に、銀化合物を共存させておいてもよい。これにより反応を促進させることができる。

【0174】
このような銀化合物としては、AgOTf(Tfはトリフルオロメチルスルホニル基)、AgBF、AgPF、AgSbF、AgTFA(トリフルオロ酢酸銀)、AgOAc(Acはアセチル基)、AgCO、AgF等が挙げられる。

【0175】
本発明の第3の態様において、銀化合物の使用量は、収率の観点から、原料の多環性芳香族化合物(B)1モルに対して、通常、0.01~1モル、好ましくは0.025~0.4モルである。

【0176】
[1-6]反応条件
本発明の第1の態様における反応は、通常、反応溶媒の存在下で行われる。この反応溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、m-ジクロロベンゼン、p-ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル等の環状エーテル類;1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE)、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、本発明では、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE)、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、m-ジクロロベンゼン、p-ジクロロベンゼン、ジメトキシエタン等が好ましい。

【0177】
本発明の第1の態様における反応の反応温度は、通常、20℃以上であり且つ上記反応溶媒の沸点温度以下である範囲から選択される。収率及び位置選択性を考慮すると、70~90℃程度が好ましい。

【0178】
また、反応圧力は特に制限はなく、常圧程度とすればよい。

【0179】
さらに、反応雰囲気は、特に限定されないが、好ましくは不活性ガス雰囲気であり、アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等とすることができる。なお、空気雰囲気とすることもできる。

【0180】
上記のようにすることにより、原料である多環性芳香族化合物(B)のsp2混成炭素原子に結合する少なくとも1つの水素原子が、位置選択的に、ホウ素化合物(A)に由来するアリール基で置換されることとなる。

【0181】
[1-7]反応機構
本発明において、反応機構は必ずしも明らかではないが、図1に示されるとおりと考えられる。なお、以下の反応機構の説明では、簡便のために、基質である多環性芳香族化合物(B)としてピレンを用いた場合を例に取って説明する。

【0182】
反応機構1(図1の上段のルート)
まず、ホウ素化合物(A)又はホウ素化合物中に含まれるアリール基から生成したArPd種(Arは上記に同じ)が、ピレンの1位に求電子的に攻撃し、図1のAで示される中間体を生成する。その後、Aからのσ-π-σ異性化により、Bを経由してCで示される中間体を生成する。共鳴安定化効果により、Cで示される中間体は、熱力学的に最安定な中間体であると考えられる。さらに、Cで示される中間体からの脱プロトン反応により、Dで示される中間体を生成する。最後に、Dで示される中間体から、Pdからの還元的脱離により、2で示される、4位が選択的にアリール化されたピレンが得られる。

【0183】
反応機構2(図1の左下から斜め上のルート)
まず、ピレンの4位-5位二重結合部位(K-region)にArPd種がπ相互作用し、Eで示される中間体が生成する。その後、Eで示される中間体から求電子的に、Pdが4位に移動し、Cで示される中間体が生成する。この後は上記反応機構1と同様に、4位が選択的にアリール化されたピレンが得られる。

【0184】
反応機構3(図1の下段のルート)
まず、反応機構2と同様に、Eで示される中間体が生成する。その後、Ar/Pd挿入反応(Heck反応)によりFで示される中間体が生成する。このとき、Pdは4位に選択的に挿入すると考えられる。さらに、β水素脱離(又はプロトン化によるPd脱離の後の酸化反応)により、2で示される、4位が選択的にアリール化されたピレンが得られる。

【0185】
なお、この本発明の第1の態様における反応で製造される化合物のうち、一般式(B)の(4)を満たす化合物を用いて得られる、一般式(F1a):

【0186】
【化49】
JP0005988051B2_000050t.gif

【0187】
[式中、R8a及びR8bは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子及び炭素数1~20、特に1~6のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基(ただし、フェニル基を除く);m1及びm2は同じか又は異なり、それぞれ0~2の整数(ただし、m1+m2は1~4の整数)である。]
で示される化合物は、文献未記載の新規化合物である。

【0188】
この一般式(F1a)で示される化合物としては、一般式(F1a-1):

【0189】
【化50】
JP0005988051B2_000051t.gif

【0190】
[式中、3個のR8c、3個のR8d、R8cとR8dは同じか又は異なり、R8cとR8dはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~20、特に1~6のフッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は環員数が1又は2の芳香族基(ただし、3個のR8cのうち水素原子の数は0個又は2個であり、3個のR8dのうち水素原子の数は0個又は2個である)である。]
で示される化合物、一般式(F1a-2):

【0191】
【化51】
JP0005988051B2_000052t.gif

【0192】
[式中、R8dは前記に同じである。]
で示される化合物等が好ましい。

【0193】
特に、後述の実施例にて示される化合物が好ましい。

【0194】
本発明の第1の態様における反応で製造される化合物のうち、一般式(B)の(4)を満たす化合物を用いて得られる、一般式(F1b):

【0195】
【化52】
JP0005988051B2_000053t.gif

【0196】
[式中、R及びRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基(ただし、R及びRの少なくとも1つはアルキル基である);R8a及びR8aは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子及び炭素数1~20、特に1~6のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基;m1及びm2は同じか又は異なり、それぞれ0~2の整数(ただし、m1+m2は1~4の整数)である。]
で示される化合物も、文献未記載の新規化合物である。

【0197】
この一般式(F1b)で示される化合物としては、一般式(F1b-1):

【0198】
【化53】
JP0005988051B2_000054t.gif

【0199】
[式中、R5a及びR7aは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1~20、特に1~6のアルキル基;R8c及びR8dは前記に同じである。]
で示される化合物、一般式(F1b-2):

【0200】
【化54】
JP0005988051B2_000055t.gif

【0201】
[式中、R5a、R7a及びR8dは前記に同じである。]
で示される化合物等が好ましい。

【0202】
特に、後述の実施例にて示される化合物が好ましい。

【0203】
本発明の第1の態様における反応で製造される化合物のうち、一般式(B)の(3)を満たす化合物を用いて得られる、一般式(F2):

【0204】
【化55】
JP0005988051B2_000056t.gif

【0205】
[式中、R5-1及びR7-1は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基;Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~20、特に1~6のフッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は環員数が1又は2の芳香族基(ただし、3個のRのうち水素原子の数は0個又は2個である)を示す。]
で示される化合物も文献未記載の新規化合物である。

【0206】
この一般式(F2)で示される化合物としては、一般式(F2-1):

【0207】
【化56】
JP0005988051B2_000057t.gif

【0208】
[式中、Rは前記に同じである。]
で示される化合物等が好ましい。

【0209】
特に、後述の実施例にて示される化合物が好ましい。

【0210】
本発明の第1の態様における反応で製造される化合物のうち、一般式(B)の(2)を満たす化合物を用いて得られる一般式(F4):

【0211】
【化57】
JP0005988051B2_000058t.gif

【0212】
[式中、R10は同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子及び炭素数1~20、特に1~6のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基、又は水素原子(ただし、2個のR10のうち水素原子の数は0個又は1個である);2個のR10は互いに結合して環を形成してもよい。]
で示される化合物も文献未記載の新規化合物である。

【0213】
この一般式(F4)で示される化合物としては、一般式(F4-1):

【0214】
【化58】
JP0005988051B2_000059t.gif

【0215】
[式中、R10aはハロゲン原子及び炭素数1~20、特に1~6のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基である。]
で示される化合物等が好ましい。

【0216】
特に、後述の実施例にて示される化合物が好ましい。

【0217】
本発明の第1の態様における反応で製造される化合物のうち、一般式(B)の(2)を満たす化合物を用いて得られる一般式(F5):

【0218】
【化59】
JP0005988051B2_000060t.gif

【0219】
[式中、R11は同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子及び炭素数1~20、特に1~6のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基である。]
で示される化合物も文献未記載の新規化合物である。

【0220】
この一般式(F5)で示される化合物としては、一般式(F5-1):

【0221】
【化60】
JP0005988051B2_000061t.gif

【0222】
[式中、R11aは同じであり、ハロゲン原子及び炭素数1~20、特に1~6のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基である。]
で示される化合物等が好ましい。

【0223】
特に、後述の実施例にて示される化合物が好ましい。

【0224】
2.第2の態様[C-H/C-Bカップリング後の縮環反応]
本発明の第2の態様における製造方法では、C-H/C-Bカップリング又はC-H/C-Hカップリング(工程(I))の後に、縮環反応(工程(II))を行う。

【0225】
[2-1]C-H/C-Bカップリング又はC-H/C-Hカップリング(工程(I))
工程(I)は、上述した本発明の第1の態様、又は後述の本発明の第3の態様と同じ反応である。ただし、この後の工程(II)において縮環反応を行うために、原料となる多環性芳香族化合物(B)と、ホウ素化合物(A)又は置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物(E)については、適切なものを選択する必要がある。なお、その他の成分及び条件については、上述した本発明の第1の態様、又は第3態様と同様とすればよい。

【0226】
多環性芳香族化合物(B)
本発明の第2の態様では、位置選択的に、C-H結合をアリール化しやすい点と、その後の工程(II)において縮環反応を起こしやすい点から、フェナントレン骨格を有するものを原料として使用する。このような原料は、上述の一般式(B)において、(3)又は(4)を満たすものである。具体的には、以下の一般式(B’):

【0227】
【化61】
JP0005988051B2_000062t.gif

【0228】
で示される構造を有する化合物を使用する。この場合、以下の式:

【0229】
【化62】
JP0005988051B2_000063t.gif

【0230】
に示される反応により、アリール化された芳香族化合物が得られる。

【0231】
なお、本発明において、フェナントレン骨格を有する化合物とは、以下の式:

【0232】
【化63】
JP0005988051B2_000064t.gif

【0233】
で示されるピレン等も含む概念である。

【0234】
また、多環芳香族化合物(B)としては、式:

【0235】
【化64】
JP0005988051B2_000065t.gif

【0236】
で示されるフルオランテン等のように、一般式(B”):

【0237】
【化65】
JP0005988051B2_000066t.gif

【0238】
で示される構造を有する化合物も採用することができる。

【0239】
この場合、以下の式:

【0240】
【化66】
JP0005988051B2_000067t.gif

【0241】
に示される反応により、アリール化された芳香族化合物が得られる。

【0242】
ホウ素化合物(A)
本発明の第2の態様では、この後の工程(II)において縮環反応を起こしやすい点から、一般式(B’)で示される構造を有する化合物に対しては、アリール基としてビフェニル骨格を有するものを使用する。具体的には、一般式(G):

【0243】
【化67】
JP0005988051B2_000068t.gif

【0244】
で示される構造を有する化合物、好ましくは式:

【0245】
【化68】
JP0005988051B2_000069t.gif

【0246】
で示される化合物を使用する。当該化合物は、環状有機ホウ素化合物(A2)に含まれるものである。

【0247】
一方、一般式(B”)で示される構造を有する化合物に対しては、アリール基としてナフタレン骨格を有するものを使用する。具体的には、一般式(G’):

【0248】
【化69】
JP0005988051B2_000070t.gif

【0249】
で示される構造を有する化合物、好ましくは式:

【0250】
【化70】
JP0005988051B2_000071t.gif

【0251】
で示される化合物を使用する。当該化合物は、環状有機ホウ素化合物(A2)に含まれるものである。

【0252】
置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物(E)
多環芳香族化合物(B)として、上述のフルオランテンを使用する場合には、上述の一般式(G’)で示される化合物以外に、ナフタレン等を使用することもできる(一般式(G’)で示される化合物と総称してナフタレン骨格を有する化合物と言うこともある)。当該化合物は、後述の置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物(E)に含まれるものである。

【0253】
[2-2]縮環反応(工程(II))
工程(II)では、既知の縮環反応を行う。一例として、一般式(B’)で示される構造を有する多環芳香族化合物と、アリール基としてビフェニル骨格を有する上述のホウ素化合物とを使用する場合には、この反応により、以下の式:

【0254】
【化71】
JP0005988051B2_000072t.gif

【0255】
で示される反応により、共役系を拡大することができる。

【0256】
また、多環芳香族化合物(B)として一般式(B”)で示される化合物を使用し、置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物(E)としてナフタレンを使用する場合には、この反応により、以下の式:

【0257】
【化72】
JP0005988051B2_000073t.gif

【0258】
で示される反応により、共役系を拡大することができる。

【0259】
縮環反応としては、特に制限されない。このように、既知の縮環反応と組合せれば、共役系を拡大できる。

【0260】
このような縮環反応としては、一般的な酸化反応でもよいし、Scholl反応でもよい。また、酸化反応に限らず、アニオン的な反応であってもよい。この際、五塩化アンチモン、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、塩化亜鉛、塩化銅、塩化鉄(FeCl)、三フッ化ホウ素、フッ化水素、リン酸、五酸化二リン、ポリリン酸、フェリシアン化カリウム、二酸化マンガン、過酸化水素、過硫酸、ヨウ素、酸化セレン、有機過酸等を用いて酸化反応を施してもよいし、カリウムを用いたアニオン的な反応を起こさせてもよい。本発明においては、FeClを用いたScholl反応、又はカリウムを用いたアニオン的な反応が好ましい。

【0261】
この工程に用いられる溶媒は、非極性溶媒であっても極性溶媒であってもよい。例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカン類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン等のハロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ペンタメチルベンゼン等のベンゼン類;クロロベンゼン、1,2-ジクロロエチレン(1,2-DCE)、ブロモベンゼン等のハロベンゼン類;ジエチルエーテル、アニソール等のエーテル類;硝酸メチル;ジメチルスルホキシド;ニトロメタン等が挙げられる。上記溶媒は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。

【0262】
本発明の縮環反応の反応温度は、通常、0℃~溶媒の沸点である範囲から選択される。また、本発明の縮環反応の反応圧力は、通常、常圧である範囲から選択される。さらに、本発明の縮環反応の反応時間は、通常、1~24hである範囲から選択される。

【0263】
また、反応雰囲気は、特に限定されないが、好ましくは不活性ガス雰囲気であり、アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等とすることができる。なお、空気雰囲気とすることもできる。

【0264】
なお、原料として、以下の一般式(B’-1):

【0265】
【化73】
JP0005988051B2_000074t.gif

【0266】
で示されるようなピレン骨格を有する化合物を使用すれば、工程(I)において、2箇所のC-H結合を選択的にアリール基で置換することも可能である。このことから、1箇所のC-H結合を選択的にアリール基で置換する場合と比較し、さらに共役系を拡大することが可能である。この場合、最終的に得られる化合物は、以下の一般式(C-1)

【0267】
【化74】
JP0005988051B2_000075t.gif

【0268】
で示されるような構造を有する化合物を得ることもできる。

【0269】
なお、この本発明の第2の態様による製造方法で製造される化合物のうち、式:

【0270】
【化75】
JP0005988051B2_000076t.gif

【0271】
で示される化合物と、一般式(F3):

【0272】
【化76】
JP0005988051B2_000077t.gif

【0273】
[式中、R及びRは前記に同じである。]
で示される化合物は、文献未記載の新規化合物である。

【0274】
このうち、一般式(F3)で示される化合物としては、一般式(F3-1):

【0275】
【化77】
JP0005988051B2_000078t.gif

【0276】
[式中、R5b及びR7bは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1~6のアルキル基である。]
で示される化合物が好ましい。

【0277】
特に、後述の実施例にて示される化合物が好ましい。

【0278】
また、本発明の第2の態様による製造方法で製造される化合物のうち、式:

【0279】
【化78】
JP0005988051B2_000079t.gif

【0280】
で示される化合物は、文献未記載の新規化合物である。

【0281】
3.第3の態様[C-H/C-Hカップリング]
本発明の第3の態様における芳香族化合物の製造方法は、パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、多環性芳香族化合物と、置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物とを反応させることにより、置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物を得る方法である。

【0282】
[3-1]多環性方向族化合物(B)
多環芳香族化合物(B)としては、第1の態様と同様のものを使用することができる。具体的には、以下のとおりである。

【0283】
本発明において、基質として使用される多環性芳香族化合物としては、2以上の環が縮合した構造を有するものであれば特に限定されない。具体的には、一般式(B):

【0284】
【化79】
JP0005988051B2_000080t.gif

【0285】
[式中、R~Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基であり、且つ、以下の(1)~(4)のいずれかの要件を満たす。
(1)R~Rはいずれも水素原子である。
(2)R及びRはいずれも水素原子;RとRは互いに結合して5~6員の不飽和環を形成する;該不飽和環には、さらに単環又は縮合環の芳香環が縮合していてもよい。
(3)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子;Rは水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基である。
(4)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基である。]
で示される多環性芳香族化合物が好ましい。つまり、本発明で使用する多環性芳香族化合物は、少なくともナフタレン骨格を有することが好ましい。

【0286】
多環性芳香族化合物(B1)
多環性芳香族化合物(B1)は、多環性芳香族化合物(B)のなかでも、(1)の要件を満たすものであり、ナフタレンである。この場合、以下の式:

【0287】
【化80】
JP0005988051B2_000081t.gif

【0288】
[式中、Arは置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基;nは1~4の整数;Arは2個のベンゼン環のいずれに結合していてもよい。]
に示される反応により、アリール化されたナフタレンが得られる。

【0289】
芳香族化合物(D1)において、Arは、後述するホウ素化合物に由来する置換基を有していてもよいアリール基であり、炭素数が6~50で、且つ置換基を有していてもよいものである。アリール基としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。アリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br等)、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20、特に1~6のアルキル基(メチル基、エチル基、パーフルオロメチル基等)、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20、特に1~6のアルコキシ基(メトキシ基等)等が挙げられる。置換基の数は特に制限はなく、1~3個が好ましい。

【0290】
このようなアリール基(Ar)としては、具体的には、

【0291】
【化81】
JP0005988051B2_000082t.gif

【0292】
等が挙げられる。

【0293】
多環性芳香族化合物(B2)
多環性芳香族化合物(B2)は、多環性芳香族化合物(B)のなかでも、(2)の要件を満たすものである。具体的には、一般式(B2):

【0294】
【化82】
JP0005988051B2_000083t.gif

【0295】
[式中、R及びRは前記一般式(B)における(2)に同じである。]
で示されるものである。この場合、以下の式:

【0296】
【化83】
JP0005988051B2_000084t.gif

【0297】
[式中、R及びRは前記一般式(B)における(2)に同じ;Ar及びnは前記に同じ;Arは、いずれの環状構造に結合していてもよい。]
に示される反応により、アリール化された芳香族化合物が得られる。

【0298】
とRは互いに結合して5~6員の不飽和環を形成するが、本発明の製造方法で得られる芳香族化合物をグラフェンの前駆体として使用することを考慮すると、6員の不飽和環(例えばベンゼン環)が好ましい。

【0299】
また、RとRが結合して得られる不飽和環には、さらに、単環又は縮合環の芳香環が縮合していてもよい。この芳香環は、炭素数が6のものが好ましい。単環の芳香環としては、具体的には、ベンゼン環が挙げられる。また、縮合環の芳香環としては、具体的には、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環等が挙げられる。

【0300】
このような多環性芳香族化合物(B2)としては、具体的には、式:

【0301】
【化84】
JP0005988051B2_000085t.gif

【0302】
で示されるペリレン、式:

【0303】
【化85】
JP0005988051B2_000086t.gif

【0304】
で示されるフルオランテン等が挙げられる。

【0305】
なお、ペリレンを使用した場合には、一般式(D2a):

【0306】
【化86】
JP0005988051B2_000087t.gif

【0307】
[式中、4個のArは同じか又は異なり、それぞれ前記に同じである。]
で示されるように、位置選択的に、4個の水素原子がアリール基で置換された芳香族化合物を得ることも可能である。

【0308】
多環性芳香族化合物(B3)
多環性芳香族化合物(B3)は、多環性芳香族化合物(B)のなかでも、(3)の要件を満たすものである。具体的には、一般式(B3):

【0309】
【化87】
JP0005988051B2_000088t.gif

【0310】
[式中、R、R及びRは前記一般式(B)における(3)に同じである。]
で示されるものである。この場合、以下の式:

【0311】
【化88】
JP0005988051B2_000089t.gif

【0312】
[式中、R、R及びRは前記一般式(B)における(3)に同じ;Ar及びnは前記に同じ;Arは、いずれの環状構造に結合していてもよい。]
に示される反応により、アリール化された芳香族化合物が得られる。

【0313】
とRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する。この芳香環は、炭素数が6~12のものが好ましい。この際、縮合する芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。

【0314】
また、この芳香環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br等)、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20、特に1~6のアルキル基等が挙げられる。置換基の数は特に制限はなく、1~6個が好ましい。

【0315】
また、Rは水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基である。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、nープロピル基、t-ブチル基、nーヘキシル基等が挙げられる。

【0316】
このような多環性芳香族化合物(B3)としては、具体的には、

【0317】
【化89】
JP0005988051B2_000090t.gif

【0318】
(Rは前記に同じ;R5’は前記Rに同じ;RとR5’は同一でも異なっていてもよい)
等が挙げられる。

【0319】
多環性芳香族化合物(B4)
多環性芳香族化合物(B4)は、多環性芳香族化合物(B)のなかでも、(4)の要件を満たすものである。具体的には、一般式(B4):

【0320】
【化90】
JP0005988051B2_000091t.gif

【0321】
[式中、R~Rは前記一般式(B)における(4)に同じである。]
で示されるものである。この場合、以下の式:

【0322】
【化91】
JP0005988051B2_000092t.gif

【0323】
[式中、R~Rは前記一般式(B)における(4)に同じ;Ar及びnは前記に同じ;Arは、いずれの環状構造に結合していてもよい。]
に示される反応により、アリール化された芳香族化合物が得られる。

【0324】
とRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する。この芳香環は、炭素数が6~12のものが好ましい。この際、縮合する芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。

【0325】
また、この芳香環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br等)、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20、特に1~6のアルキル基等が挙げられる。置換基の数は特に制限はなく、1~6個が好ましい。

【0326】
とRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する。この芳香環は、炭素数が6のものが好ましい。この際、芳香環としては、例えば、ベンゼン環等が挙げられる。

【0327】
また、この芳香環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br等)、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20、特に1~6のアルキル基等が挙げられる。置換基の数は特に制限はなく、1~6個が好ましい。

【0328】
また、Rは水素原子又は炭素数1~20、特に1~6のアルキル基である。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、nープロピル基、t-ブチル基、nーヘキシル基等が挙げられる。

【0329】
このような多環性芳香族化合物(B4)としては、具体的には、

【0330】
【化92】
JP0005988051B2_000093t.gif

【0331】
等が挙げられる。

【0332】
[3-2]パラジウム化合物
パラジウム化合物としては、第1の態様と同様のものを使用することができる。具体的には、以下のとおりである。

【0333】
ここでは、反応は、通常、パラジウム化合物の存在下で行われる。このパラジウム化合物としては、有機化合物(高分子化合物を含む)等の合成用触媒として公知のパラジウム化合物等が挙げられ、0価パラジウムを含む化合物及びII価パラジウムを含む化合物のいずれでもよい。なお、0価パラジウムを含む化合物を用いた場合には、当該0価パラジウムは、系中で酸化されてII価パラジウムになる。使用できるパラジウム化合物としては、具体的には、Pd(OAc)(Acはアセチル基)、PdCl、PdBr、PdI、Pd(OTf)(Tfはトリフルオロメチルスルホニル基である)等が挙げられる。本発明においては、Pd(OAc)が好ましい。

【0334】
ここでは、パラジウム化合物の使用量は、収率の観点から、原料の多環性芳香族化合物(B)1モルに対して、通常、0.01~0.5モル、好ましくは0.025~0.2モルである。

【0335】
また、この際、必要に応じて、上記パラジウム化合物の中心元素であるパラジウム原子に配位し得る配位子を併用してもよい。ただし、後述するo-クロラニルの酸化力によって酸化されると配位能を失うため、配位子を使用する場合には、酸化に強い配位子を使用することが好ましい。このような配位子としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)ホスファイト、トリス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル)ホスファイト等のホスファイト系配位子等が挙げられる。

【0336】
配位子を使用する場合、その使用量は、収率の観点から、原料の多環性芳香族化合物(B)1モルに対して、通常、0.01~0.5モル、好ましくは0.025~0.2モルである。

【0337】
[3-3]o-クロラニル
ここでは、第1の態様と同様に、酸化剤としてo-クロラニルを使用する。このo-クロラニルは、以下の式:

【0338】
【化93】
JP0005988051B2_000094t.gif

【0339】
で示されるものである。

【0340】
o-クロラニルを酸化剤として使用することで、収率を向上させ、且つ、ビフェニル等の副生成物の生成を抑制することができる。

【0341】
なお、酸化剤として、以下の式:

【0342】
【化94】
JP0005988051B2_000095t.gif

【0343】
で示される3,5-ジ-tert-ブチル-1,2-ベンゾキノンを用いた場合にも、収率を向上させることができるが、副生成物であるビフェニルが多数生成してしまう。また、o-クロラニルと比較すると収率も悪い。

【0344】
また、酸化剤として、o-クロラニルと構造が似ている以下の式:

【0345】
【化95】
JP0005988051B2_000096t.gif

【0346】
で示されるp-クロラニルを使用しても収率を向上させることはできない。

【0347】
以上から、酸化剤としてo-クロラニルを使用することで、初めて簡便な手法で、多環性芳香族化合物のC-H結合をアリール化することができる。

【0348】
なお、o-クロラニルの使用量は、収率の観点から、多環性芳香族化合物(B)1モルに対して、通常、1~5モル、好ましくは1~2モルである。

【0349】
[3-4]置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物
本発明で使用する置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物が有するアリール基は、前記したArと同じものであり、具体例等も同じである。また、このアリール基が有していてもよい置換基も同様に、前記したArが有していてもよい置換基と同様である。具体的には、以下のとおりである。

【0350】
アリール基は、炭素数が6~50で、且つ置換基を有していてもよい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。アリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br等)、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20、特に1~6のアルキル基(メチル基、エチル基、パーフルオロメチル基等)、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20、特に1~6のアルコキシ基(メトキシ基等)等が挙げられる。置換基の数は特に制限はなく、1~3個が好ましい。

【0351】
このようなアリール基としては、具体的には、

【0352】
【化96】
JP0005988051B2_000097t.gif

【0353】
等が挙げられる。

【0354】
置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物としては、一般式(E):

【0355】
【化97】
JP0005988051B2_000098t.gif

【0356】
[式中、l個のRは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数3~50のシクロアルキル基、又は炭素数6~50のアリール基;lは0~4の整数である。]
で示される化合物、又は一般式(E’):

【0357】
【化98】
JP0005988051B2_000099t.gif

【0358】
[式中、R及びlは前記に同じ;Rはいずれのベンゼン環に結合していてもよい。]
で示される化合物が好ましい。

【0359】
特に、一般式(E1):

【0360】
【化99】
JP0005988051B2_000100t.gif

【0361】
[式中、l1個のR6aは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルコキシ基;l1は2~4の整数である。]
で示される化合物、又はナフタレンが好ましい。

【0362】
このような化合物としては、具体的には、

【0363】
【化100】
JP0005988051B2_000101t.gif

【0364】
等が挙げられる。

【0365】
これらのなかでも、収率の観点から、

【0366】
【化101】
JP0005988051B2_000102t.gif

【0367】
等が好ましく、

【0368】
【化102】
JP0005988051B2_000103t.gif

【0369】
等がより好ましい。

【0370】
なお、多環性芳香族化合物としてフルオランテン、ペリレン等の一般式(B”)で示される構造を有する化合物を用い、置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物としてナフタレンを使用した場合には、上述の第2の態様において共役系を拡大することも可能である。この観点からは、置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物としてはナフタレンが好ましい。

【0371】
本発明の第3の態様では、置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物のなかでも、一般式(E)で示される化合物は、溶媒としても使用できるため、その使用量は、過剰量とすることが好ましい。一方、一般式(E’)で示される化合物は、溶媒としては使用できないが、反応性を考慮してその使用量は過剰量とすることが好ましい。

【0372】
[3-5]銀化合物
本発明の第3の態様においては、多環性芳香族化合物(B)と、置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物(E)とを反応させる際に、銀化合物を共存させておいてもよい。これにより反応を促進させることができる。

【0373】
このような銀化合物としては、AgOTf(Tfはトリフルオロメチルスルホニル基)が好ましい。

【0374】
本発明の第3の態様において、銀化合物の使用量は、収率の観点から、原料の多環性芳香族化合物(B)1モルに対して、通常、0.01~1モル、好ましくは0.025~0.4モルである。

【0375】
[3-6]溶媒
置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物(E)として一般式(E)で示される化合物を使用する場合には、それ自体を基質溶媒として使用できるので、溶媒は特に必要ない。一方、置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物(E)として一般式(E’)で示される化合物を使用する場合には、溶媒を使用することが好ましい。

【0376】
この溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、m-ジクロロベンゼン、p-ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル等の環状エーテル類;1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE)、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、本発明では、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE)、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、m-ジクロロベンゼン、p-ジクロロベンゼン、ジメトキシエタン等が好ましい。

【0377】
[3-7]反応条件
本発明の第3の態様における反応の反応温度は、通常、室温以上であり且つ基質溶媒として使用するアリール基を有する化合物(E)の沸点温度以下である範囲から選択される。また、本発明の第3の態様における反応圧力は、通常、常圧である範囲から選択される。さらに、本発明の第3の態様における反応時間は、通常、1~24hである範囲から選択される。

【0378】
また、反応雰囲気は、特に限定されないが、好ましくは不活性ガス雰囲気であり、アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等とすることができる。なお、空気雰囲気とすることもできる。

【0379】
上記のようにすることにより、原料である多環性芳香族化合物(B)のsp2混成炭素原子に結合する少なくとも1つの水素原子が、位置選択的に、アリール基を有する化合物(E)に由来するアリール基で置換されることとなる。

【0380】
また、最終的に得られる芳香族化合物も、第1の態様と同様である。つまり、一般式(D):

【0381】
【化103】
JP0005988051B2_000104t.gif

【0382】
[式中、R~Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基であり、Arは置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基であり、nは1~4の整数であり、Arはいずれの環状構造に結合していてもよく、且つ、以下の(1)~(4)のいずれかの要件を満たす。
(1)R~Rはいずれも水素原子である。
(2)R及びRはいずれも水素原子;RとRは互いに結合して5~6員の不飽和環を形成する;該該不飽和環には、さらに単環又は縮合環の芳香環が縮合していてもよい。
(3)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。
(4)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。]
で示される化合物が得られる。

【0383】
このうち、上記の一般式(F1a)、(F1b)、(F2)、(F4)又は(F5)で示される化合物は、上述のとおり文献未記載の新規化合物である。
【実施例】
【0384】
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
【実施例】
【0385】
特に制約しない限り、乾燥溶媒を含む全ての材料は、購入したものを精製せずに使用した。また、特に制約しない限り、全ての反応は、フレームドライしたガラス製品中で、アルゴン雰囲気下で行った。
【実施例】
【0386】
分析に関して、薄層クロマトグラフィ(TLC)は、E. Merck 60 F254薄層プレート(0.25mm)を用いて行った。また、分取薄層クロマトグラフィ(PTLC)は、Wako-gel(登録商標)B5-Fを用いてシリカでコートしたプレート(0.75mm)を作製して使用した。さらに、ガスクロマトグラフィ(GC)分析は、HP-5カラム(30m×0.25mm、Hewlett-Packard)を備えたShimadzu GC-2010で行った。クロマトグラムには、UVランプ(254nm及び365nm)を用いた。高分解能質量分析スペクトル(HRMS)は、JMS-T100TD(DART)を用いた。融点は、MPA100型融点測定装置Optimeltを用いて測定した。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、JEOL社製ECS-400(1H 400 MHz, 13C 100 MHz)及びECS-600(1H 600 MHz, 13C 150 MHz)を用いて記録した。1H NMRについての化学シフトは、テトラメチルシラン(δ0.0 ppm)に対するppmで表現した。13C NMRについての化学シフトは、CDCl3(δ 77.0 ppm)に対するppmで表現した。
【実施例】
【0387】
[実施例1~6]
実施例1~6では、以下の式:
【実施例】
【0388】
【化104】
JP0005988051B2_000105t.gif
【実施例】
【0389】
で示される反応式により、フェニル化されたピレンを得た。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0390】
実施例1
Pd(OAc)の溶液(1.1mg、5.0μmol、2.5mol%)、o-クロラニル(49mg、0.20mmol、1当量)、以下の式:
【実施例】
【0391】
【化105】
JP0005988051B2_000106t.gif
【実施例】
【0392】
で示されるピレン(40mg、0.20mmol、1当量)及び以下の式:
【実施例】
【0393】
【化106】
JP0005988051B2_000107t.gif
【実施例】
【0394】
で示されるフェニルボロン酸(0.40mmol、2当量)を、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、2.0mL)中に投入し、80℃で2時間攪拌した。GC収率は、内部標準としてn-ドデカンを用いて測定した。
【実施例】
【0395】
実施例2
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0396】
【化107】
JP0005988051B2_000108t.gif
【実施例】
【0397】
で示される化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にした。
【実施例】
【0398】
実施例3
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0399】
【化108】
JP0005988051B2_000109t.gif
【実施例】
【0400】
で示される化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にした。
【実施例】
【0401】
実施例4
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0402】
【化109】
JP0005988051B2_000110t.gif
【実施例】
【0403】
で示される化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にした。
【実施例】
【0404】
実施例5
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0405】
【化110】
JP0005988051B2_000111t.gif
【実施例】
【0406】
で示される化合物を0.13mmol(0.67当量)用いたこと以外は実施例1と同様にした。
【実施例】
【0407】
実施例6
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0408】
【化111】
JP0005988051B2_000112t.gif
【実施例】
【0409】
で示される化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にした。
【実施例】
【0410】
以上の実施例1~6の、目的生成物である4-フェニルピレン(2a)と副生成物であるビフェニル(BiPh)のGC収率を表1に示す。
【実施例】
【0411】
【表1】
JP0005988051B2_000113t.gif
【実施例】
【0412】
[実施例7~11]
実施例7~11では、以下の式:
【実施例】
【0413】
【化112】
JP0005988051B2_000114t.gif
【実施例】
【0414】
で示される反応式により、フェニル化されたピレンを得た。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0415】
実施例7
Pd(OAc)の溶液(1.1mg、5.0μmol、2.5mol%)、o-クロラニル(49mg、0.20mmol、1当量)、以下の式:
【実施例】
【0416】
【化113】
JP0005988051B2_000115t.gif
【実施例】
【0417】
で示されるピレン(40mg、0.20mmol、1当量)及び以下の式:
【実施例】
【0418】
【化114】
JP0005988051B2_000116t.gif
【実施例】
【0419】
で示されるホウ素化合物(0.067mmol、0.33当量)を、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、2.0mL)中に投入し、80℃で2時間攪拌した。GC収率は、内部標準としてn-ドデカンを用いて測定した。
【実施例】
【0420】
実施例8
ホウ素化合物の使用量を0.13mmol(0.67当量)としたこと以外は実施例7と同様にした。
【実施例】
【0421】
実施例9
ホウ素化合物の使用量を0.2mmol(1当量)としたこと以外は実施例7と同様にした。
【実施例】
【0422】
実施例10
ホウ素化合物の使用量を0.13mmol(0.67当量)とし、攪拌温度を50℃としたこと以外は実施例7と同様にした。
【実施例】
【0423】
実施例11
ホウ素化合物の使用量を0.13mmol(0.67当量)とし、攪拌温度を室温(rt)としたこと以外は実施例7と同様にした。
【実施例】
【0424】
以上の実施例7~11の、目的生成物であるフェニル化されたピレン(2a)と副生成物であるビフェニル(BiPh)のGC収率を表2に示す。
【実施例】
【0425】
【表2】
JP0005988051B2_000117t.gif
【実施例】
【0426】
[実施例12及び比較例1~7]
実施例12及び比較例1~7では、以下の式:
【実施例】
【0427】
【化115】
JP0005988051B2_000118t.gif
【実施例】
【0428】
で示される反応式により、フェニル化されたピレンを得た。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0429】
実施例12
Pd(OAc)の溶液(1.1mg、5.0μmol、2.5mol%)、o-クロラニル(49mg、0.20mmol、1当量)、以下の式:
【実施例】
【0430】
【化116】
JP0005988051B2_000119t.gif
【実施例】
【0431】
で示されるピレン(40mg、0.20mmol、1当量)及び以下の式:
【実施例】
【0432】
【化117】
JP0005988051B2_000120t.gif
【実施例】
【0433】
で示されるホウ素化合物(0.13mmol、0.67当量)を、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、2.0mL)中に投入し、80℃で2時間攪拌した。GC収率は、内部標準としてn-ドデカンを用いて測定した。
【実施例】
【0434】
比較例1
o-クロラニルの代わりに、以下の式:
【実施例】
【0435】
【化118】
JP0005988051B2_000121t.gif
【実施例】
【0436】
で示される3,5-ジ-tert-ブチル-1,2-ベンゾキノン(o-DBQ)を44.0mg(0.20mmol、1当量)用いたこと以外は実施例12と同様にした。
【実施例】
【0437】
比較例2
o-クロラニルの代わりに、以下の式:
【実施例】
【0438】
【化119】
JP0005988051B2_000122t.gif
【実施例】
【0439】
で示される9,10-フェナントレンキノン(9,10-PQ)を41.6mg(0.20mmol、1当量)用いたこと以外は実施例12と同様にした。
【実施例】
【0440】
比較例3
o-クロラニルの代わりに、以下の式:
【実施例】
【0441】
【化120】
JP0005988051B2_000123t.gif
【実施例】
【0442】
で示されるp-クロラニルを49.2mg(0.20mmol、1当量)用いたこと以外は実施例12と同様にした。
【実施例】
【0443】
比較例4
o-クロラニルの代わりに、以下の式:
【実施例】
【0444】
【化121】
JP0005988051B2_000124t.gif
【実施例】
【0445】
で示される2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノンを45.4mg(0.20mmol、1当量)用いたこと以外は実施例12と同様にした。
【実施例】
【0446】
比較例5
o-クロラニルの代わりに、以下の式:
【実施例】
【0447】
【化122】
JP0005988051B2_000125t.gif
【実施例】
【0448】
で示される1,4-ベンゾキノンを21.6mg(0.20mmol、1当量)用いたこと以外は実施例12と同様にした。
【実施例】
【0449】
比較例6
o-クロラニルの代わりに、CuClを26.9mg(0.20mmol、1当量)用いたこと以外は実施例12と同様にした。
【実施例】
【0450】
比較例7
o-クロラニルの代わりに、Kを54.0mg(0.20mmol、1当量)用いたこと以外は実施例12と同様にした。
【実施例】
【0451】
以上の実施例12及び比較例1~7の、目的生成物である4-フェニル化ピレン(2a)と副生成物であるビフェニル(BiPh)のGC収率を表3に示す。
【実施例】
【0452】
【表3】
JP0005988051B2_000126t.gif
【実施例】
【0453】
[実施例13~21]
実施例13~21では、以下の式:
【実施例】
【0454】
【化123】
JP0005988051B2_000127t.gif
【実施例】
【0455】
で示される反応式により、アリール化されたピレンを得た。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0456】
実施例13
Pd(OAc)の溶液(1.1mg、5.0μmol、2.5mol%)、o-クロラニル(49mg、0.20mmol、1当量)、以下の式:
【実施例】
【0457】
【化124】
JP0005988051B2_000128t.gif
【実施例】
【0458】
で示されるピレン(40mg、0.20mmol、1当量)及び以下の式:
【実施例】
【0459】
【化125】
JP0005988051B2_000129t.gif
【実施例】
【0460】
で示されるホウ素化合物(0.13mmol、0.67当量)を、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、2.0mL)中に投入し、80℃で2時間攪拌した。反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、50mL)でろ過し、揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン/トルエン)で精製した。その結果、以下の式:
【実施例】
【0461】
【化126】
JP0005988051B2_000130t.gif
【実施例】
【0462】
で示される4-フェニルピレン(2a)を得た。
【実施例】
【0463】
PTLC (hexane only): 2a (28 mg, 50% yield), diarylation product (11 mg, 15% yield), and pyrene (12 mg, 31% yield).
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.20 - 8.16 (m, 4H), 8.08 (s, 2H), 8.005 (s, 1H), 7.996 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.92 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.55 (dd, J = 8.0, 7.6 Hz, 2H), 7.48 (dd, J = 7.6, 7.2 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 140.8, 139.5, 131.3, 131.1, 130.8, 130.4, 130.1, 128.4, 127.8, 127.6, 127.5, 127.2, 126.1, 125.7, 125.2, 125.1, 125.0, 124.8, 124.2, 123.9. HRMS (DART, ESI+) m/zcalcd for C22H14 [M+H]+: 279.1174, found: 279.1184. Mp: 131.9 - 133.5℃.
【実施例】
【0464】
実施例14
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0465】
【化127】
JP0005988051B2_000131t.gif
【実施例】
【0466】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例13と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0467】
【化128】
JP0005988051B2_000132t.gif
【実施例】
【0468】
で示される4-(4-クロロフェニル)ピレン(2b)を得た。
【実施例】
【0469】
PTLC (hexane only): 2b (30 mg, 49% yield), diarylation product (6.2 mg, 7% yield), and pyrene (11 mg, 26% yield).
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.19 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 8.17 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.090 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.089 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.01 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.94 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.52 (d, J = 8.4 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ139.2, 138.2, 133.5, 131.4, 131.0, 130.6, 130.1, 128.6, 127.9, 127.6, 127.3, 126.1, 125.8, 125.3, 125.14, 125.06, 124.9, 124.2, 123.5. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C22H13Cl [M+H]+: 313.0784, found: 313.0784. Mp: 120.5 - 121.5℃.
【実施例】
【0470】
実施例15
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0471】
【化129】
JP0005988051B2_000133t.gif
【実施例】
【0472】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例13と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0473】
【化130】
JP0005988051B2_000134t.gif
【実施例】
【0474】
で示される4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピレン(2c)を得た。
【実施例】
【0475】
PTLC (hexane only): 2c (37 mg, 53% yield), diarylation product (11 mg, 11% yield), and pyrene (11 mg, 28% yield).
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 8.21 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 8.18, (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.10 (s, 2H), 8.08 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.03 (dd, J= 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.94 (dd, J= 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.76 (d, J = 7.8 Hz, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 144.6, 138.0, 131.4, 131.1, 130.5, 130.4, 129.9, 129.7 (q, 2JFC= 33.5 Hz), 128.1, 127.6, 127.4, 126.2, 125.9, 125.5, 125.4 (q, 3JFC = 3.8 Hz), 125.32, 125.30, 124.9, 124.34 (q, 1JFC = 273.4 Hz), 124.32, 123.4. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C23H13F3[M+H]+: 347.1048, found: 347.1044. Mp: 145.6 - 147.1℃.
【実施例】
【0476】
実施例16
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0477】
【化131】
JP0005988051B2_000135t.gif
【実施例】
【0478】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例13と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0479】
【化132】
JP0005988051B2_000136t.gif
【実施例】
【0480】
で示される4-(4-n-ブチルフェニル)ピレン(2d)を得た。
【実施例】
【0481】
PTLC (hexane only): 2d (29 mg, 43% yield), diarylation product (9.9 mg, 11% yield), and pyrene (13 mg, 32% yield).
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 8.23 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.16 (d, J= 8.4 Hz, 2H), 8.08 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.99 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.93 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.36 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 2.74 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 1.75~1.68 (m, 2H), 1.50 - 1.42 (m, 2H), 0.99 (t, J = 7.8 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 142.2, 139.5, 138.0, 131.3, 131.1, 130.9, 130.5, 129.9, 128.4, 127.7, 127.6, 127.2, 126.1, 125.6, 125.1, 125.0, 124.7, 124.1, 124.0, 35.5, 33.7, 22.5, 14.0. HRMS (DART, ESI+) m/zcalcd for C26H22 [M+H]+: 335.1800, found: 335.1802. Mp: 61.4 - 62.5℃.
【実施例】
【0482】
実施例17
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0483】
【化133】
JP0005988051B2_000137t.gif
【実施例】
【0484】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例13と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0485】
【化134】
JP0005988051B2_000138t.gif
【実施例】
【0486】
で示される4-(2-クロロフェニル)ピレン(2e)を得た。
【実施例】
【0487】
PTLC (hexane only): 2e (32 mg, 52% yield), diarylation product (7.1 mg, 8% yield), and pyrene (15 mg, 37% yield).
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 8.18 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 8.08 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.00 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.91 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.60 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.44~7.40 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 139.4, 136.9, 134.3, 132.2, 131.3, 131.1, 130.5, 130.1, 129.7, 129.2, 128.2, 127.6, 127.2, 126.8, 126.1, 125.8, 125.3, 125.2, 124.7, 124.4, 123.7. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C22H13Cl [M+H]+: 313.0784, found: 313.0777. Mp: 114.3 - 115.9℃.
【実施例】
【0488】
実施例18
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0489】
【化135】
JP0005988051B2_000139t.gif
【実施例】
【0490】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例13と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0491】
【化136】
JP0005988051B2_000140t.gif
【実施例】
【0492】
で示される4-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]ピレン(2f)を得た。
【実施例】
【0493】
PTLC (hexane only): 2f (42 mg, 61% yield), diarylation product (14 mg, 14% yield), and pyrene (8.0 mg, 20% yield).
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 8.19 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.09 (s2H), 8.01 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.88 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.64 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.59 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 7.2 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 139.2, 136.1, 132.8, 131.3, 131.2, 131.12, 131.07, 130.2, 130.0 (q, 2JFC= 30.0 Hz), 128.2, 127.9, 127.6, 127.3, 126.3 (q, 3JFC = 4.8 Hz), 126.2, 125.7, 125.32, 125.26, 125.1, 124.6, 124.4, 124.1 (q, 1JFC = 275.4 Hz), 124.0. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C23H13F3[M+H]+: 347.1048, found: 347.1053. Mp: 104.7 - 106.6 ℃.
【実施例】
【0494】
実施例19
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0495】
【化137】
JP0005988051B2_000141t.gif
【実施例】
【0496】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例13と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0497】
【化138】
JP0005988051B2_000142t.gif
【実施例】
【0498】
で示される4-(2-メチルフェニル)ピレン(2g)を得た。
【実施例】
【0499】
PTLC (hexane only): 2g (31 mg, 53% yield), diarylation product (12 mg, 16% yield), and pyrene (10 mg, 23% yield).
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 8.17 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 8.154 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.149 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.08 (s, 2H), 8.00 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.88 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.76 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.42 - 7.34 (m, 4H), 2.10 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 140.2, 139.2, 137.1, 131.3, 131.1, 130.8, 130.7, 130.4, 130.0, 127.8, 127.6, 127.4, 127.3, 126.1, 125.82, 125.78, 125.1, 125.0, 124.8, 124.7, 124.2, 123.8, 20.1. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C23H16 [M+H]+: 293.1330, found: 293.1334. Mp: 112.6 - 114.6℃.
【実施例】
【0500】
実施例20
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0501】
【化139】
JP0005988051B2_000143t.gif
【実施例】
【0502】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例13と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0503】
【化140】
JP0005988051B2_000144t.gif
【実施例】
【0504】
で示される4-(2,4,6-トリメチルフェニル)ピレン(2h)を得た。
【実施例】
【0505】
PTLC (hexane only): 2h (35 mg, 54% yield), diarylation product (6.6 mg, 8% yield), and pyrene (7.9 mg, 20% yield).
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.20 - 8.15 (m, 3H), 8.110 (s, 1H), 8.106 (s, 1H), 8.02 (dd, J = 8.0, 7.6 Hz 1H), 7.89 (s, 1H), 7.87 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.08 (s, 2H), 2.44 (s, 3H), 1.98 (s, 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 138.2, 137.1, 137.0, 136.6, 131.4, 131.2, 131.1, 130.5, 128.2, 127.6, 127.2, 126.0, 125.1, 124.95, 124.91, 124.7, 124.2, 123.1, 21.2, 20.3. HRMS (DRAT, ESI+) m/z calcd for C25H20[M+H]+: 321.1643, found: 321.1632. Mp: 78.0 - 80.0 ℃.
【実施例】
【0506】
実施例21
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0507】
【化141】
JP0005988051B2_000145t.gif
【実施例】
【0508】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例13と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0509】
【化142】
JP0005988051B2_000146t.gif
【実施例】
【0510】
で示される4-(ナフタレン-1-イル)ピレン(2i)を得た。
PTLC (hexane/toluene = 19:1): 2i (30 mg, 45% yield), and pyrene (16 mg, 39% yield).
【実施例】
【0511】
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 8.22 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.12 (s, 2H), 8.10 (s, 1H), 8.03 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 8.01~8.00 (m, 1H), 7.97 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.79 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.69 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 7.65~7.64 (m, 2H), 7.53 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.47 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.23 (t, J = 7.2 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 138.5, 137.9, 133.6, 133.0, 131.4, 131.2, 131.1, 130.8, 128.8, 128.2, 128.1, 127.9, 127.6, 127.3, 126.7, 126.2, 126.0, 125.9, 125.8, 125.6, 125.1, 125.0, 124.7, 124.5, 124.4. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C26H16[M+H]+: 329.1330, found: 329.1332. Mp: 158.0 - 160.0℃.
【実施例】
【0512】
[実施例22~24]
実施例22~24では、以下の式:
【実施例】
【0513】
【化143】
JP0005988051B2_000147t.gif
【実施例】
【0514】
で示される反応式により、アリール化された2,7-ジ-tert-ブチルピレンを得た。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0515】
実施例22
Pd(OAc)の溶液(1.1mg、5.0μmol、2.5mol%)、o-クロラニル(49mg、0.20mmol、1当量)、以下の式:
【実施例】
【0516】
【化144】
JP0005988051B2_000148t.gif
【実施例】
【0517】
で示される2,7-ジ-tert-ブチルピレン(63mg、0.20mmol、1当量)及び以下の式:
【実施例】
【0518】
【化145】
JP0005988051B2_000149t.gif
【実施例】
【0519】
で示されるホウ素化合物(0.13mmol、0.67当量)を、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、2.0mL)中に投入し、80℃で2時間攪拌した。反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、50mL)でろ過し、揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン)で精製した。その結果、以下の式:
【実施例】
【0520】
【化146】
JP0005988051B2_000150t.gif
【実施例】
【0521】
で示される2,7-ジ-tert-ブチル-4-フェニルピレン(3a)を得た。
【実施例】
【0522】
Yield: 3a (38 mg, 49% yield) and diarylation product (19 mg, 20% yield).
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.25 (s, 1H), 8.199 (s, 1H), 8.195 (s, 1H), 8.189 (s, 1H),8.05 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.70 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.57 (dd, J = 8.0, 7.6 Hz, 2H), 7.49 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 1.58 (s, 9H), 1.47 (s, 9H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 148.8, 148.3, 141.1, 139.5, 131.0, 130.8, 130.5, 130.0, 129.9, 128.4, 128.0, 127.7, 127.4, 127.3, 123.2, 122.4, 122.13, 122.11, 121.9, 121.0, 35.3, 35.2, 31.9, 31.8. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C30H30 [M+H]+: 391.2426, found: 391.2459. Mp: 95.2 - 97.2℃.
【実施例】
【0523】
実施例23
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0524】
【化147】
JP0005988051B2_000151t.gif
【実施例】
【0525】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例22と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0526】
【化148】
JP0005988051B2_000152t.gif
【実施例】
【0527】
で示される2,7-ジ-tert-ブチル-4-(2-クロロフェニル)ピレン(3e)を得た。
【実施例】
【0528】
Yield: 3e (47 mg, 55% yield) and diarylation product (9.9 mg, 9% yield).
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.21 - 8.19 (m, 3H), 8.05 (s, 2H), 7,95 (s, 1H), 7.80 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.63 - 7.61 (m, 1H), 7.56 - 7.54 (m, 1H), 7.47 - 7.44 (m, 2H), 1.58 (s, 9H), 1.44 (s, 9H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ148.8, 148.4, 139.6, 137.0, 134.3, 132.3, 130.9, 130.8, 130.1, 129.6, 129.5, 129.0, 128.3, 127.7, 127.2, 126.8, 122.8, 122.6, 122.3, 122.1, 121.0, 35.21, 35.18, 31.9, 31.8. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C30H29Cl [M+H]+: 425.2036, found: 425.2026. Mp: 116.7 - 117.7℃.
【実施例】
【0529】
実施例24
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0530】
【化149】
JP0005988051B2_000153t.gif
【実施例】
【0531】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例22と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0532】
【化150】
JP0005988051B2_000154t.gif
【実施例】
【0533】
で示される2,7-ジ-tert-ブチル-4-(2,4,6-トリメチルフェニル)ピレン(3h)を得た。
【実施例】
【0534】
Yield: 3h (61 mg, 71% yield) and diarylation product (17 mg, 16% yield).
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.20 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 8.05 (s, 2H), 7.81 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.06 (s, 2H), 2.44 (s, 3H), 1.98 (s, 6H), 1.58 (s, 9H), 1.41 (s, 9H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ148.7, 148.6, 138.2, 137.0, 136.7, 130.9, 130.8, 130.1, 128.1, 127.7, 127.6, 127.2, 123.1, 122.4, 121.9, 121.82, 121.78, 120.3, 35.2, 35.1, 32.0, 31.8, 21.2, 20.3. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C33H37[M+H]+: 433.2895, found: 433.2862. Mp: 122.5 - 124.4 ℃.
【実施例】
【0535】
[実施例25~27]
実施例25~27では、以下の式:
【実施例】
【0536】
【化151】
JP0005988051B2_000155t.gif
【実施例】
【0537】
で示される反応式により、ジアリール化された2,7-ジ-tert-ブチルピレンを得た。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0538】
実施例25
Pd(OAc)の溶液(2.2mg、10μmol、5.0mol%)、o-クロラニル(98mg、0.40mmol、2当量)、以下の式:
【実施例】
【0539】
【化152】
JP0005988051B2_000156t.gif
【実施例】
【0540】
で示される2,7-ジ-tert-ブチルピレン(63mg、0.20mmol、1当量)及び以下の式:
【実施例】
【0541】
【化153】
JP0005988051B2_000157t.gif
【実施例】
【0542】
で示されるホウ素化合物(0.20mmol、1当量)を、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、3.0mL)中に投入し、80℃で12時間攪拌した。反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、50mL)でろ過し、揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン)で精製した。その結果、以下の式:
【実施例】
【0543】
【化154】
JP0005988051B2_000158t.gif
【実施例】
【0544】
で示される2,7-ジ-tert-ブチル-4,9-ジフェニルピレン及び2,7-ジ-tert-ブチル-4,10-ジフェニルピレン(4a)を得た。
【実施例】
【0545】
Yield: 77 mg (83% yield), Regioisomer ratio: 4,9-/4,10- = 1.1:1
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.27 (s, 4H), 8.21 (s, 2H), 8.20 (s, 2H), 8.02 (s, 2H), 8,00 (s, 2H), 7.71 (t, J = 7.9 Hz, 8H), 7.59-7.56 (m, 8H), 7.51-7.48 (m, 4H), 1.85 (s, 9H), 1.47 (s, 18H), 1.36 (s, 9H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 149.1, 148.6, 148.0, 141.2, 141.1, 139.7, 139.3, 130.7, 130.3, 130.07, 130.05, 130.0, 129.9, 128.4, 128.3, 127.9, 127.4, 123.5, 122.7, 122.3, 122.1, 121.1, 120.9, 35.4, 35.3, 35.2, 31.9, 31.8, 31.7. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C36H35 [M+H]+: 467.2739, found: 467.2713.
【実施例】
【0546】
実施例26
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0547】
【化155】
JP0005988051B2_000159t.gif
【実施例】
【0548】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例25と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0549】
【化156】
JP0005988051B2_000160t.gif
【実施例】
【0550】
で示される2,7-ジ-tert-ブチル-4,9-ビス(2-クロロフェニル)ピレン及び2,7-ジ-tert-ブチル-4,10-ビス(2-クロロフェニル)ピレン(4e)を得た。
【実施例】
【0551】
Yield: 60 mg (56%), Regioisomer ratio: 4,9-/4,10- = 1.1:1
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.23 (s, 2H), 8.21 (s, 2H), 7.99 (s, 2H), 7.98 (s, 2H), 7.84 (s, 2H), 7.82 (s, 2H), 7.64-7.60 (m, 4H), 7.59-7.52 (m, 4H), 7.48-7.43 (m, 8H), 1.58 (s, 9H), 1.44 (s, 18 H), 1.30 (s, 9H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ149.0, 148.7, 148.7, 139.69, 139.66, 139.6, 137.2, 137.1, 136.8, 134.3, 132.3, 130.3, 130.1, 129.7, 129.6, 129.6, 129.49, 129.46, 128.6, 128.3, 128.2, 126.82, 126.78, 126.7, 122.6, 122.4, 121.3, 121.1, 121.0, 35.2, 31.9, 31.8, 31.6. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C36H33Cl2[M+H]+: 535.1959, found: 535.1991.
【実施例】
【0552】
実施例27
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0553】
【化157】
JP0005988051B2_000161t.gif
【実施例】
【0554】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例25と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0555】
【化158】
JP0005988051B2_000162t.gif
【実施例】
【0556】
で示される2,7-ジ-tert-ブチル-4,9-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)ピレン及び2,7-ジ-tert-ブチル-4,10-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)ピレン(4h)を得た。
【実施例】
【0557】
Yield: 88 mg (80% yield), Regioisomer ratio: 4,9-/4,10- = 1:1.5.
1H NMR of 2,7-Di-tert-butyl-4,9-bis(2,4,6-trimethylphenyl)pyrene (CDCl3, 400 MHz): δ 8.14 (d, J= 2.0 Hz, 2H), 7.85 (s, 2H), 7.71 (d, J= 2.0 Hz, 2H), 7.08 (s, 4H), 2.45 (s, 6H), 2.03 (s, 12H), 1.42 (s, 18H). 1H NMR of 2,7-Di-tert-butyl-4,10-bis(2,4,6-trimethylphenyl)pyrene (CDCl3, 400 MHz): δ 8.17 (s, 2H), 7.84 (s, 2H), 7.67 (s, 2H), 7.07 (s, 4H), 2.44 (s, 6H), 2.02 (s, 12H), 1.60 (s, 9H), 1.24 (s, 9H). 13C NMR of the mixture (CDCl3, 100 MHz) δ148.7, 148.6, 148.5, 138.4, 138.0, 137.1, 137.0, 136.9, 136.7, 136.6, 130.9, 130.7, 130.3, 130.1, 128.1, 127.9, 127.4, 123.4, 122.7, 121.7, 121.6, 120.1, 35.2, 35.1, 35.0, 32.0, 31.9, 31.7, 21.2, 20.4. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C42H47[M+H]+: 551.3678, found: 551.3685.
【実施例】
【0558】
[実施例28~30]
実施例28~30では、以下の式:
【実施例】
【0559】
【化159】
JP0005988051B2_000163t.gif
【実施例】
【0560】
で示される反応式により、アリール化されたフェナントレンを得た。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0561】
実施例28
Pd(OAc)の溶液(2.2mg、10μmol、5.0mol%)、o-クロラニル(74mg、0.30mmol、1.5当量)、以下の式:
【実施例】
【0562】
【化160】
JP0005988051B2_000164t.gif
【実施例】
【0563】
で示されるフェナントレン(36mg、0.20mmol、1当量)及び以下の式:
【実施例】
【0564】
【化161】
JP0005988051B2_000165t.gif
【実施例】
【0565】
で示されるホウ素化合物(0.13mmol、0.67当量)を、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、1.0mL)中に投入し、80℃で12時間攪拌した。反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、50mL)でろ過し、揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン)で精製した。その結果、以下の式:
【実施例】
【0566】
【化162】
JP0005988051B2_000166t.gif
【実施例】
【0567】
で示される9-フェニルフェナントレン(5a)を得た。
【実施例】
【0568】
Yield: 5a (33 mg, 64% yield). 9-フェニルフェナントレン(5a)のスペクトルデータは、Oiらにより報告されている(Kawai, H.; Kobayashi, Y. ; Oi, S.; Inoue, Y. Chem. Commun. 2008, 1464.)。
【実施例】
【0569】
実施例29
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0570】
【化163】
JP0005988051B2_000167t.gif
【実施例】
【0571】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例28と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0572】
【化164】
JP0005988051B2_000168t.gif
【実施例】
【0573】
で示される9-(2-クロロフェニル)フェナントレン(5e)を得た。
【実施例】
【0574】
Yield: 5e (47 mg, 81% yield).
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 8.74 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.71 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.67 - 7.64 (m, 3H), 7.59 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.52 - 7.48 (m, 2H), 7.41 - 7.34 (m, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 139.3, 136.1, 134.3, 132.1, 131.3, 130.8, 130.2, 129.5, 129.1, 128.7, 127.8, 126.85, 126.81, 126.70, 126.67, 126.6, 126.5, 122.9, 122.6. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C20H13Cl [M+H]+: 289.0784, found: 289.0790. Mp: 118.9 - 120.1℃.
【実施例】
【0575】
実施例30
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0576】
【化165】
JP0005988051B2_000169t.gif
【実施例】
【0577】
で示されるホウ素化合物を用いたこと以外は実施例28と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0578】
【化166】
JP0005988051B2_000170t.gif
【実施例】
【0579】
で示される9-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]フェナントレン(5f)を得た。
【実施例】
【0580】
Yield: 5f (51 mg, 79% yield).
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 8.74 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 8.72 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.67 (dd, J = 8.4, 7.2 Hz, 1H), 7.64 - 7.59 (m, 4H), 7.55 (dd, J = 7.8, 7.2 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 7.2, 6.6 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 139.2, 135.4, 132.7, 131.8, 131.2, 131.0, 130.19, 130.16, 129.8 (q, 2JFC= 30.0 Hz), 128.8, 127.82, 127.79, 127.0, 126.9, 126.5, 126.4, 126.2 (q, 3JFC = 5.1 Hz), 124.0 (q, 1JFC = 275.3 Hz), 122.7, 122.6. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C21H13F3 [M+H]+: 323.1048, found: 323.1050. Mp: 104.7 - 106.6℃.
【実施例】
【0581】
[実施例31]
実施例31では、以下の式:
【実施例】
【0582】
【化167】
JP0005988051B2_000171t.gif
【実施例】
【0583】
で示される反応式により、共役系を拡大した。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0584】
Pd(OAc)の溶液(2.2mg、10μmol、5.0mol%)、o-クロラニル(59mg、0.24mmol、1.2当量)、以下の式:
【実施例】
【0585】
【化168】
JP0005988051B2_000172t.gif
【実施例】
【0586】
で示されるフェナントレン(36mg、0.20mmol、1当量)及び以下の式:
【実施例】
【0587】
【化169】
JP0005988051B2_000173t.gif
【実施例】
【0588】
で示されるホウ素化合物(64mg、0.12mmol、0.6当量)を、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、2.0mL)中に投入し、80℃で12時間攪拌した。反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、50mL)でろ過し、揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン/CHCl=10:1)で精製した。その結果、以下の式:
【実施例】
【0589】
【化170】
JP0005988051B2_000174t.gif
【実施例】
【0590】
で示される9-(o-ビフェニル)フェニルフェナントレンを46mg得た(収率70%)。
【実施例】
【0591】
9-(o-ビフェニル)フェニルフェナントレン(17mg、0.05mmol、1当量)のCHCl溶液(0.5mL)中に、FeCl(41mg、0.25mmol、5当量)のニトロメタン溶液1.0mLを室温で添加した。12時間攪拌した後、反応生成物にメタノール(2mL)を添加し、シリカゲル層を通過させて、さらにCHClで洗浄した。揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン/CHCl=10:1)で精製した。その結果、以下の式:
【実施例】
【0592】
【化171】
JP0005988051B2_000175t.gif
【実施例】
【0593】
で示されるジベンゾ[g,p]クリセン(7)を得た(14mg、2工程で収率60%)。ジベンゾ[g,p]クリセン(7)のスペクトルデータは、Liuらにより報告されている(Li, C.-W.; Wang, C.-I.; Liao, H.-Y.; Chaudhuri, R.; Liu, R.-S. J. Org. Chem. 2007, 72, 9203)。
【実施例】
【0594】
[実施例32]
実施例32では、以下の式:
【実施例】
【0595】
【化172】
JP0005988051B2_000176t.gif
【実施例】
【0596】
で示される反応式により、共役系を拡大した。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0597】
Pd(OAc)の溶液(2.2mg、10μmol、5.0mol%)、o-クロラニル(59mg、0.24mmol、1.2当量)、以下の式:
【実施例】
【0598】
【化173】
JP0005988051B2_000177t.gif
【実施例】
【0599】
で示されるベンゾ[a]アントラセン(46mg、0.20mmol、1当量)及び以下の式:
【実施例】
【0600】
【化174】
JP0005988051B2_000178t.gif
【実施例】
【0601】
で示されるホウ素化合物(64mg、0.12mmol、0.6当量)を、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、2.0mL)中に投入し、80℃で12時間攪拌した。反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、50mL)でろ過し、揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン/CHCl=10:1)で精製した。その結果、ビフェニル化されたベンゾ[a]アントラセンを位置異性体の混合物として得た(43mg、合計で収率57%)。
【実施例】
【0602】
ビフェニル化されたベンゾ[a]アントラセン(19mg、0.05mmol、1当量)のCHCl溶液(0.5mL)中に、FeCl(41mg、0.25mmol、5当量)のニトロメタン溶液1.0mLを室温で添加した。12時間攪拌した後、反応生成物にメタノール(2mL)を添加し、シリカゲル層を通過させて、さらにCHClで洗浄した。揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン/CHCl=10:1)で精製した。その結果、以下の式:
【実施例】
【0603】
【化175】
JP0005988051B2_000179t.gif
【実施例】
【0604】
で示されるトリベンゾ[a,c,f]テトラフェン(8)を得た(4mg、2工程で収率12%)。
【実施例】
【0605】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 9.13 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 8.88 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 8.82 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.76 - 8.69 (m, 3H), 8.61 (t, J= 8.4 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.74 - 7.54 (m, 8H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 132.0, 131.6, 131.3, 131.0, 130.9, 129.9, 129.8, 129.3, 129.2, 129.1, 128.62, 128.57, 128.3, 128.2, 128.0, 127.9, 127.7, 127.0, 126.9, 126.8, 126.62, 126.57, 126.2, 125.9, 124.2, 123.7, 123.6, 122.3. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C30H18[M+H]+: 379.1487, found: 379.1496. Mp: 114.0 - 116.0℃.
【実施例】
【0606】
[実施例33]
実施例33では、以下の式:
【実施例】
【0607】
【化176】
JP0005988051B2_000180t.gif
【実施例】
【0608】
で示される反応式により、共役系を拡大した。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0609】
Pd(OAc)の溶液(36mg、0.16mmol、5.0mol%)、o-クロラニル(1.7g、7.0mmol、2.2当量)、以下の式:
【実施例】
【0610】
【化177】
JP0005988051B2_000181t.gif
【実施例】
【0611】
で示される2,7-ジ-tert-ブチルピレン(1.0g、3.2mmol、1当量)及び以下の式:
【実施例】
【0612】
【化178】
JP0005988051B2_000182t.gif
【実施例】
【0613】
で示されるホウ素化合物(1.7g、7.0mmol、1当量)を、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、30mL)中に投入し、80℃で2時間攪拌した。反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、100mL)でろ過し、揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン/CHCl=9:1)で精製した。その結果、ビフェニルでジアリール化された2,7-ジ-tert-ブチルピレンを位置異性体の混合物として得た(1.4g、収率73%)。
【実施例】
【0614】
上記のジアリール化された化合物(1.4g、2.3mmol、1当量)のCHCl溶液(200mL)中に、FeCl(2.8g、17mmol、7.5当量)のニトロメタン溶液30mLを0℃で添加した。8時間室温で攪拌した後、反応生成物にメタノール(30mL)を添加し、溶媒を除去した後にシリカゲル層を通過させて、さらにCHClで洗浄した。揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をCHCl中で溶解させ、得られた溶液をメタノール中に注いだ。その結果、以下の式:
【実施例】
【0615】
【化179】
JP0005988051B2_000183t.gif
【実施例】
【0616】
で示される10,21-ジ-tert-ブチルヘキサベンゾ[a,c,fg,j,l,op]テトラセン(9)を得た(1.2g、2工程で収率60%)。
【実施例】
【0617】
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 9.05 (s, 4H), 8.90 (d, J = 8.3 Hz, 4H), 8.82 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 7.76 (dd, J = 8.2, 6.8 Hz, 4H), 7.70 (dd, J = 8.3, 6.8 Hz, 4H), 1.61 (s, 18H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ147.7, 131.0, 129.9, 128.5, 128.3, 127.9, 126.7, 126.6, 123.8, 123.4, 122.8, 35.7, 31.7. HRMS (DART, ESI+) m/zcalcd for C48H38 [M+H]+: 615.3052, found: 615.3067. Mp: 260 - 265 ℃ (decompose).
【実施例】
【0618】
[実施例34]
実施例34では、以下の式:
【実施例】
【0619】
【化180】
JP0005988051B2_000184t.gif
【実施例】
【0620】
で示される反応式により、共役系を拡大した。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0621】
Pd(OAc)の溶液(1.1mg、5μmol、5.0mol%)、o-クロラニル(54mg、0.22mmol、2.2当量)、以下の式:
【実施例】
【0622】
【化181】
JP0005988051B2_000185t.gif
【実施例】
【0623】
で示される2,7-ジ-tert-ブチルピレン(31mg、0.10mmol、1当量)及び以下の式:
【実施例】
【0624】
【化182】
JP0005988051B2_000186t.gif
【実施例】
【0625】
で示されるホウ素化合物(54mg、0.10mmol、1当量)を、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、1.0mL)中に投入し、80℃で12時間攪拌した。反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、50mL)でろ過し、揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン/CHCl=10:1)で精製した。その結果、ビフェニルでジアリール化された2,7-ジ-tert-ブチルピレンを位置異性体の混合物として得た(31mg、収率82%)。
【実施例】
【0626】
上記のジアリール化された化合物(12mg、0.02mmol、1当量)のCHCl溶液(1.5mL)中に、FeCl(24mg、0.15mmol、7.5当量)のニトロメタン溶液0.2mLを室温で添加した。12時間攪拌した後、反応生成物にメタノール(2mL)を添加し、シリカゲル層を通過させて、さらにCHClで洗浄した。揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン/CHCl=10:1)で精製した。その結果、以下の式:
【実施例】
【0627】
【化183】
JP0005988051B2_000187t.gif
【実施例】
【0628】
で示される10,21-ジ-tert-ブチルヘキサベンゾ[a,c,fg,j,l,op]テトラセン(9)を得た(12mg、2工程で収率82%)。
【実施例】
【0629】
参考例1:4-フェニルピレン(2a)、4-(2,4,6-トリメチルフェニル)ピレン(2h)及びトリベンゾ[a,c,f]テトラフェン(8)のX線構造解析
リガク社製CCD単結晶自動X線構造解析装置「Saturn」(商品名)を用いて、4-フェニルピレン(2a)、4-(2,4,6-トリメチルフェニル)ピレン(2h)及びトリベンゾ[a,c,f]テトラフェン(8)のX線構造解析を行った。その結果を表4に示す。また、それぞれの熱振動楕円体作画ソフト(ORTEP)による構造を図2~4に示す。
【実施例】
【0630】
【表4】
JP0005988051B2_000188t.gif
【実施例】
【0631】
[実施例35~36]
実施例35~36では、以下の式:
【実施例】
【0632】
【化184】
JP0005988051B2_000189t.gif
【実施例】
【0633】
で示される反応式により、位置選択的にアリール化された芳香族化合物を得た。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0634】
実施例35
Pd(OAc)の溶液(4.4mg、20μmol、10mol%)、AgOTf(Tfはトリフルオロメチルスルホニル基)(10mg、40μmol、20mol%)、o-クロラニル(49mg、0.20mmol、1.0当量)、及び以下の式:
【実施例】
【0635】
【化185】
JP0005988051B2_000190t.gif
【実施例】
【0636】
で示されるピレン(40mg、0.20mmol、1.0当量)を、以下の式:
【実施例】
【0637】
【化186】
JP0005988051B2_000191t.gif
【実施例】
【0638】
で示されるメシチレン(1.0mL、36当量)中に投入し、50℃で14時間攪拌した。反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、50mL)でろ過し、揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(ヘキサン/CHCl=10:1)で精製した。その結果、以下の式:
【実施例】
【0639】
【化187】
JP0005988051B2_000192t.gif
【実施例】
【0640】
で示される4-(2,4,6-トリメチルフェニル)ピレン(2h)を44%の収率で28mg得た。
【実施例】
【0641】
実施例36
ピレンの代わりに、以下の式:
【実施例】
【0642】
【化188】
JP0005988051B2_000193t.gif
【実施例】
【0643】
で示される化合物を使用したこと以外は実施例35と同様にした。その結果、以下の式:
【実施例】
【0644】
【化189】
JP0005988051B2_000194t.gif
【実施例】
【0645】
で示される2,7-ジ-tert-ブチル-4-(2,4,6-トリメチルフェニル)ピレン(3h)を57%の収率で49mg得た。
【実施例】
【0646】
[実施例37~46]
実施例37~46では、以下の式:
【実施例】
【0647】
【化190】
JP0005988051B2_000195t.gif
【実施例】
【0648】
で示される反応式(C-H/C-Bカップリング)により、位置選択的にアリール化された芳香族化合物(アリール化されたフルオランテン)を得た。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0649】
実施例37
Pd(OAc)の溶液(2.2mg、10μmol、5.0mol%)、o-クロラニル(49mg、0.20mmol、1.0当量)、AgOTf(Tfはトリフルオロメチルスルホニル基)(5.2mg、20μmol、10mol%)、以下の式:
【実施例】
【0650】
【化191】
JP0005988051B2_000196t.gif
【実施例】
【0651】
で示されるフルオランテン(40mg、0.20mmol、1.0当量)、及び以下の式:
【実施例】
【0652】
【化192】
JP0005988051B2_000197t.gif
【実施例】
【0653】
で示されるホウ素化合物(0.13mmol、0.67当量)を、乾燥1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、1.0mL)中に投入し、80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、50mL)でろ過した。位置選択性は、内部標準としてn-ドデカンを使用したろ液のGC分析により確定した。揮発性物質は減圧下に除去し、残渣をPTLC(主要溶離液:ヘキサン)で精製した。その結果、以下の式:
【実施例】
【0654】
【化193】
JP0005988051B2_000198t.gif
【実施例】
【0655】
で示される3-フェニルフルオランテンを収率50%、選択率88%で27.6mg得た。
【実施例】
【0656】
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.97 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.93-7.91 (m, 3H), 7.62-7.59 (m, 4H), 7.52 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.44 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.39-7.38 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 140.3, 139.8, 139.1, 137.1, 136.3, 132.7, 130.3, 128.6, 128.4, 128.1, 127.6, 127.5, 127.4, 125.6, 121.5, 121.4, 120.0. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C22H15 [M+H]+: 279.1174, found: 279.1208. Mp: 139.3-141.0℃.
【実施例】
【0657】
実施例38
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0658】
【化194】
JP0005988051B2_000199t.gif
【実施例】
【0659】
で示される化合物を用いたこと以外は実施例37と同様に行い、以下の式:
【実施例】
【0660】
【化195】
JP0005988051B2_000200t.gif
【実施例】
【0661】
で示される3-(o-トルイル)フルオランテンを収率49%、選択率98%で28.6mg得た。
【実施例】
【0662】
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 7.95 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.92-7.90 (m, 3H), 7.53 (dd, J = 8.4, 7.2 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.38-7.30 (m, 6H), 2.12 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ 140.0, 139.6, 139.3, 139.2, 137.1, 136.7, 136.2, 132.4, 130.7, 130.0, 129.1, 128.6, 128.0, 127.7, 127.6, 127.4, 125.7, 125.4, 121.5, 121.4, 120.0, 119.8, 20.5. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C23H17 [M+H]+: 293.1330, found: 293.1326, Mp: 50.5-51.5℃.
【実施例】
【0663】
実施例39
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0664】
【化196】
JP0005988051B2_000201t.gif
【実施例】
【0665】
で示される化合物を用いたこと以外は実施例37と同様に行い、以下の式:
【実施例】
【0666】
【化197】
JP0005988051B2_000202t.gif
【実施例】
【0667】
で示される3-メシチルフルオランテンを収率71%、選択率99%以上で58.4mg得た。
【実施例】
【0668】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.98 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.93-7.91 (m, 3H), 7.50 (dd, J = 8.4, 6.8 Hz, 1H), 7.39-7.37 (m, 3H), 7.34 (d, J = 8.4 Hz 1H), 7.02 (s, 2H), 2.40 (s, 3H), 1.93 (s, 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 139.5, 139.4, 139.3, 137.2, 136.99, 136.95, 135.9, 135.8, 132.7, 129.2, 128.5, 127.99, 127.95, 127.6, 127.4, 125.2, 121.5, 121.4, 120.2, 120.0, 21.1, 20.6. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C25H21 [M+H]+: 321.1643, found: 321.1649. Mp: 135.5-136.5℃.
【実施例】
【0669】
実施例40
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0670】
【化198】
JP0005988051B2_000203t.gif
【実施例】
【0671】
で示される化合物を用い、PTLCの溶離液をヘキサン/酢酸エチル=19:1としたこと以外は実施例37と同様に行い、以下の式:
【実施例】
【0672】
【化199】
JP0005988051B2_000204t.gif
【実施例】
【0673】
で示される3-(2-メトキシフェニル)フルオランテンを収率42%、選択率97%で26.1mg得た。
【実施例】
【0674】
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.96 (d, J = 7.2 Hz 1H), 7.90-7.88 (m, 3H), 7.61 (d, J = 8.4 Hz 1H), 7.57 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 8.4, 6.6 Hz, 1H), 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.37-7.34 (m, 3H), 7.09 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 3.71 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 157.1, 139.6, 139.3, 137.0, 136.9, 136.3, 132.5, 132.3, 129.3, 129.2, 129.1, 128.5, 127.6, 127.4, 127.3, 126.1, 121.41, 121.35, 120.5, 119.9, 119.8, 111.1, 55.5. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C23H17O [M+H]+: 309.1279, found: 309.1266. Mp: 113.9-115.9℃.
【実施例】
【0675】
実施例41
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0676】
【化200】
JP0005988051B2_000205t.gif
【実施例】
【0677】
で示される化合物を用い、PTLCの溶離液をヘキサン/酢酸エチル=19:1としたこと以外は実施例37と同様に行い、以下の式:
【実施例】
【0678】
【化201】
JP0005988051B2_000206t.gif
【実施例】
【0679】
で示される3-(4-メトキシフェニル)フルオランテンを収率40%、選択率78%で24.6mg得た。
【実施例】
【0680】
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 7.96-7.90 (m, 5 H), 7.61 (dd, J = 8.4, 7.2 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.39-7.34 (m, 2H), 7.05 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 3.89 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 159.1, 140.0, 139.5, 139.1, 137.1, 135.9, 132.7, 132.2, 131.3, 128.5, 128.4, 127.9, 127.5, 127.3, 125.7, 121.5, 121.3, 120.1, 119.9, 113.9, 55.4. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C23H17O [M+H]+: 309.1279, found: 309.1230. Mp: 161.8-168.3℃.
【実施例】
【0681】
実施例42
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0682】
【化202】
JP0005988051B2_000207t.gif
【実施例】
【0683】
で示される化合物を用いたこと以外は実施例37と同様に行い、以下の式:
【実施例】
【0684】
【化203】
JP0005988051B2_000208t.gif
【実施例】
【0685】
で示される3-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]フルオランテンを収率57%、選択率99%で39.3mg得た。
【実施例】
【0686】
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 7.92 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.91-7.88 (m, 3H), 7.83 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.55-7.49 (m, 3H), 7.41 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.37-7.36 (m, 2H), 7.34 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 139.6, 139.2, 138.34, 138.32, 136.9, 136.9, 132.9, 132.2, 130.8, 129.8 (q, 2JFC = 30.3 Hz), 129.5, 128.9, 128.8, 128.1, 127.8, 127.7, 127.67, 127.66, 126.1 (q, 3JFC = 5.1 Hz), 125.3, 124.0 (q, 1JFC = 275.4 Hz), 121.6, 120.1, 119.2. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C23H14F3 [M+H]+: 347.1048, found: 347.1004. Mp: 61.8-63.8℃.
【実施例】
【0687】
実施例43
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0688】
【化204】
JP0005988051B2_000209t.gif
【実施例】
【0689】
で示される化合物を用いたこと以外は実施例37と同様に行い、以下の式:
【実施例】
【0690】
【化205】
JP0005988051B2_000210t.gif
【実施例】
【0691】
で示される3-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]フルオランテンを収率43%、選択率86%で29.5mg得た。
【実施例】
【0692】
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 7.98 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.93-7.91, (m, 2H), 7.83 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.71 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.62 (dd, J = 8.4, 7.2 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.41-7.39 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 143.5, 139.6, 138.9, 137.3, 137.1, 132.7, 130.5, 129.5 (q, 2JFC = 33.0 Hz), 128.9, 128.5, 128.1, 127.79, 127.75, 125.3 (q, 3JFC= 4.0 Hz), 124.3 (q, 1JFC = 273 Hz), 121.6, 120.3, 119.9. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C23H14F3 [M+H]+: 347.1048, found: 347.1003. Mp: 194.0-195.7℃.
【実施例】
【0693】
実施例44
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0694】
【化206】
JP0005988051B2_000211t.gif
【実施例】
【0695】
で示される化合物を用いたこと以外は実施例37と同様に行い、以下の式:
【実施例】
【0696】
【化207】
JP0005988051B2_000212t.gif
【実施例】
【0697】
で示される3-(2-クロロフェニル)フルオランテンを収率38%、選択率94%で23.6mg得た。
【実施例】
【0698】
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 7.96 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.92-7.90 (m, 3H), 7.57-7.51 (m, 4H), 7.43-7.42 (m, 1H), 7.40-7.36 (m, 4H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 139.7, 139.2, 138.3, 137.2, 137.1, 137.0, 133.9, 132.4, 132.4, 129.7, 129.2, 129.0, 128.8, 128.1, 127.6, 126.5, 125.5, 121.5, 120.1, 119.6. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C22H14Cl [M+H]+: 313.0784, found: 313.0787. Mp: 95.7-97.4℃.
【実施例】
【0699】
実施例45
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0700】
【化208】
JP0005988051B2_000213t.gif
【実施例】
【0701】
で示される化合物を用いたこと以外は実施例37と同様に行い、以下の式:
【実施例】
【0702】
【化209】
JP0005988051B2_000214t.gif
【実施例】
【0703】
で示される3-(4-クロロフェニル)フルオランテンを収率47%、選択率88%で29.2mg得た。
【実施例】
【0704】
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.96 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.92-7.91 (m, 2H), 7.85 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 8.4, 7.8 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.40-7.38 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 139.5, 139.0, 138.9, 138.2, 137.2, 136.7, 133.6, 131.5, 128.60, 128.58, 128.3, 128.2, 127.7 127.6, 125.2, 121.54, 121.49, 120.1, 119.9. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C22H14Cl [M+H]+: 313.0784, found: 313.0752. Mp: 173.8-175.8℃.
【実施例】
【0705】
実施例46
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0706】
【化210】
JP0005988051B2_000215t.gif
【実施例】
【0707】
で示される化合物を用いたこと以外は実施例37と同様に行い、以下の式:
【実施例】
【0708】
【化211】
JP0005988051B2_000216t.gif
【実施例】
【0709】
で示される3-(ナフタレン-1-イル)フルオランテンを収率20%、選択率92%で13.1mg得た。
【実施例】
【0710】
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ 8.04 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.97-7.93 (m, 5H), 7.66 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.62-7.59 (m, 2H), 7.56 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.50-7.46 (m, 2H), 7.43-7.40 (m, 3H), 7.32 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.31-7.29 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 139.6, 139.2, 138.6, 137.4, 137.0, 136.6, 133.5, 132.9, 132.5, 129.9, 129.7, 128.3, 128.1, 128.04, 128.00, 127.62, 127.56, 126.6, 126.0, 125.9, 125.8, 125.2, 121.6, 121.5, 120.1, 119.8. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C26H17 [M+H]+: 329.1330, found: 329.1294. Mp: 187.9-189.5℃.
【実施例】
【0711】
[実施例47~49]
実施例47~49においては、実施例37において、ホウ素化合物及び銀化合物の種類を変えて実験を行った。具体的には、以下のとおりである。
【実施例】
【0712】
実施例47
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0713】
【化212】
JP0005988051B2_000217t.gif
【実施例】
【0714】
で示されるフェニルボロン酸を用い、銀化合物を使用しなかったこと以外は実施例37と同様に行い、3-フェニルフルオランテンを収率28%、選択率92%で得た。
【実施例】
【0715】
実施例48
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0716】
【化213】
JP0005988051B2_000218t.gif
【実施例】
【0717】
で示されるフェニルボロン酸を用いたこと以外は実施例37と同様に行い、3-フェニルフルオランテンを収率36%、選択率92%で得た。
【実施例】
【0718】
実施例49
ホウ素化合物として、以下の式:
【実施例】
【0719】
【化214】
JP0005988051B2_000219t.gif
【実施例】
【0720】
で示される化合物を用いたこと以外は実施例37と同様に行い、3-フェニルフルオランテンを収率50%、選択率90%で得た。
【実施例】
【0721】
[実施例50]
実施例50では、以下の式:
【実施例】
【0722】
【化215】
JP0005988051B2_000220t.gif
【実施例】
【0723】
で示される反応式(C-H/C-Hカップリング)により、位置選択的にアリール(メシチル)化された芳香族化合物(メシチル化されたフルオランテン)を得た。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0724】
Pd(OAc)の溶液(2.2mg、10μmol、5.0mol%)、o-クロラニル(49mg、0.20mmol、1.0当量)、AgOTf(Tfはトリフルオロメチルスルホニル基)(5.2mg、20μmol、10mol%)、及び以下の式:
【実施例】
【0725】
【化216】
JP0005988051B2_000221t.gif
【実施例】
【0726】
で示されるフルオランテン(40mg、0.20mmol、1.0当量)を、以下の式:
【実施例】
【0727】
【化217】
JP0005988051B2_000222t.gif
【実施例】
【0728】
で示されるメシチレン(1.0mL、7.2mmol、36当量)中に投入し、50℃で14時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、50mL)でろ過し、揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン)で精製した。その結果、以下の式:
【実施例】
【0729】
【化218】
JP0005988051B2_000223t.gif
【実施例】
【0730】
で示される3-メシチルフルオランテンを74%の収率で47.7mg得た。
【実施例】
【0731】
[実施例51]
実施例51では、以下の式:
【実施例】
【0732】
【化219】
JP0005988051B2_000224t.gif
【実施例】
【0733】
で示される反応式(C-H/C-Hカップリング)により、位置選択的にアリール(ナフチル)化された芳香族化合物(ナフチル化されたフルオランテン)を得た。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0734】
Pd(OAc)の溶液(2.2mg、10μmol、5.0mol%)、o-クロラニル(25mg、0.10mmol、1.0当量)、AgOTf(Tfはトリフルオロメチルスルホニル基)(5.2mg、20μmol、10mol%)、以下の式:
【実施例】
【0735】
【化220】
JP0005988051B2_000225t.gif
【実施例】
【0736】
で示されるフルオランテン(20mg、0.10mmol、1.0当量)、及びナフタレン(256mg、2.0mmol、20当量)を、乾燥1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、200μL)中に投入し、80℃で12時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、50mL)でろ過し、揮発性物質は減圧下に除去した。残渣をPTLC(溶離液:ヘキサン)で精製した。その結果、以下の式:
【実施例】
【0737】
【化221】
JP0005988051B2_000226t.gif
【実施例】
【0738】
で示される3-(ナフタレン-1-イル)フルオランテンを10%の収率で3.3mg得た。
【実施例】
【0739】
[実施例52]
実施例52では、以下の式:
【実施例】
【0740】
【化222】
JP0005988051B2_000227t.gif
【実施例】
【0741】
で示される反応式(縮環反応)により、共役系を拡大した。詳細には、以下のとおりである。
【実施例】
【0742】
カリウム(100mg、2.56mmol)とナフタレン(162mg、1.26mmol)との混合物を、乾燥THF(5mL)中、1時間還流させ、カリウムナフタレナイドのTHF溶液を得た。10mLの攪拌子付きガラス製マイクロウェーブ合成用反応容器を真空下にフレームドライし、室温まで冷却した後にアルゴンを充填した。この反応容器に、実施例46又は51で得た3-(ナフタレン-1-イル)フルオランテン(16.4mg、0.05mmol)及び上記のカリウムナフタレナイドのTHF溶液(5mL)を添加した。反応容器を密封して攪拌しながら90℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後、30分間酸素をバブルし、反応生成物は、シリカゲル(CHCl)でろ過し、残渣をPTLC(ヘキサン)で精製した。その結果、橙色の固体として、以下の式:
【実施例】
【0743】
【化223】
JP0005988051B2_000228t.gif
【実施例】
【0744】
で示される化合物を17%の収率で2.7mg得た。
【実施例】
【0745】
1H NMR (C2D2Cl4, 600 MHz, 80℃) δ8.41 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 8.35 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 8.04 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.98 (dd, J = 5.5, 3.1 Hz, 2H), 7.84 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.61 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.44 (dd, J = 5.6, 3.0 Hz, 2H); 13C NMR (C2D2Cl4, 150 MHz, 80℃) δ138.8, 135.4, 134.6, 132.8, 131.4, 130.1, 129.1, 127.8, 127.2, 126.5, 125.3, 121.54, 121.50, 121.2, 120.6. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C26H15 [M+H]+: 327.1173, found: 327.1173. Mp: >300℃.
【実施例】
【0746】
参考例2:3-フェニルフルオランテン及び3-(ナフタレン-1-イル)フルオランテンのX線構造解析
3-フェニルフルオランテン及び3-(ナフタレン-1-イル)フルオランテンの結晶データ及び強度データを表5に示す。いずれの場合も、リガク社製CCD単結晶自動X線構造解析装置「Saturn」(商品名)を用いて行った。また、それぞれの熱振動楕円体作画ソフト(ORTEP)による構造を図5~6に示す。
【実施例】
【0747】
【表5】
JP0005988051B2_000229t.gif
【実施例】
【0748】
参考例3:フルオランテン、3-フェニルフルオランテン及び3-(ナフタレン-1-イル)フルオランテンの光物性
光物性の測定には、フルオランテン、3-フェニルフルオランテン及び3-(ナフタレン-1-イル)フルオランテンを対象とした。
【実施例】
【0749】
対象の固体試料(アモルファス)を有効数字3桁で量り取り、50mLメスフラスコを用いて、クロロホルムによる希釈溶液を調製した。
【実施例】
【0750】
希釈溶液について、下記条件(使用機器、使用器具)で光物性(蛍光スペクトル)を測定した。
【実施例】
【0751】
紫外可視近赤外分光光度計:株式会社島津製作所製「UV-3600」
分光蛍光光度計:株式会社日立製作所製「F-4500」
1cm石英セル
なお、蛍光スペクトル測定時に使用した励起波長は最長の極大吸収波長である。
【実施例】
【0752】
結果を図7~9に示す。なお、図7はフルオランテン、図8は3-フェニルフルオランテン、図9は3-(ナフタレン-1-イル)フルオランテンの測定結果であり、各図において、実線は吸収スペクトル、破線は発光スペクトルである。
【実施例】
【0753】
[実施例53]
上記実施例37~52と同様に、フルオランテンの代わりに、基質としてペリレンを使用したところ、
【実施例】
【0754】
【化224】
JP0005988051B2_000230t.gif
【実施例】
【0755】
の反応により、フェニルペリレン、ジフェニルペリレン、トリフェニルペリレン及びテトラフェニルペリレンを得た。具体的には、以下のとおりである。
【実施例】
【0756】
Pd(OAc)の溶液(11.2mg、50μmol、5.0mol%)、o-クロラニル(490mg、2.0mmol、2.0当量)、以下の式:
【実施例】
【0757】
【化225】
JP0005988051B2_000231t.gif
【実施例】
【0758】
で示されるペリレン(252mg、1.0mmol、1.0当量)、及び以下の式:
【実施例】
【0759】
【化226】
JP0005988051B2_000232t.gif
【実施例】
【0760】
で示されるホウ素化合物(311mg、1.0mmol、1.0当量)を、乾燥1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE、20mL)中に投入し、80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応生成物は、シリカゲル(溶離液:CHCl、100mL)でろ過した。ろ液を蒸発させた後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/CHCl=100/0~85/15)により精製し、3-フェニルペリレンを収率17%で56.2mg、ジフェニルペリレンを収率24%で97.5mg、3,4,9-トリフェニルペリレンを収率11%で54.2mg、テトラフェニルペリレンを収率0.7%で3.7mg得た。
【実施例】
【0761】
3,4,9-トリフェニルペリレン:
1H NMR (600 MHz, CDCl3/CS2 = 1/1) δ 8.24 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.23 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.21 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.19 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.49-7.45 (m, 4H), 7.42-7.37 (m, 5H), 6.96 (d, J = 7.2 Hz, 4H), 6.89 (t, J = 7.2 Hz, 4H), 6.84 (d, J = 7.2 Hz, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3/CS2 = 1/1) δ142.9, 140.4, 140.01, 139.98, 139.6, 132.5, 131.5, 131.3, 130.61, 130.59, 130.56, 130.5, 130.4, 129.8, 129.4, 128.4, 128.2, 127.8, 127.2, 126.6, 125.8, 125.7, 120.4, 120.3, 120.1, 120.0. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C38H25[M+H]+: 481.1956, found: 481.1955.
3,4,9,10-テトラフェニルペリレン:
1H NMR (600 MHz, CDCl3/CS2 = 1/1) δ 8.32 (d, J = 7.8 Hz 4H), 7.45 (d, J = 7.8 Hz 4H), 7.02 (d, J = 6.6 Hz, 8H), 6.93 (t, J = 7.2 Hz, 8H), 6.89 (t, J = 7.4 Hz, 4H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3/CS2 = 1/1) δ142.8, 140.0, 131.7, 130.7, 130.4, 130.1, 129.4, 127.2, 125.7, 120.4. HRMS (DART, ESI+) m/z calcd for C44H29O [M+H]+: 557.2269, found: 557.2243.
また、参考例3と同様に、原料基質であるペリレンと、得られた3,4,9-トリフェニルペリレン及び3,4,9,10-テトラフェニルペリレンについて光物性を測定した。結果を図10~12及び表6に示す。
【実施例】
【0762】
【表6】
JP0005988051B2_000233t.gif
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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