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明細書 :ヒドロキシカルボン酸アミド化合物の製法及び新規なアリールボロン酸化合物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5881189号 (P5881189)
登録日 平成28年2月12日(2016.2.12)
発行日 平成28年3月9日(2016.3.9)
発明の名称または考案の名称 ヒドロキシカルボン酸アミド化合物の製法及び新規なアリールボロン酸化合物
国際特許分類 C07C 231/02        (2006.01)
C07C 235/34        (2006.01)
C07C 235/36        (2006.01)
C07C 235/06        (2006.01)
C07C 235/16        (2006.01)
C07C 235/60        (2006.01)
C07D 211/16        (2006.01)
C07F   5/02        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 231/02 CSP
C07C 235/34
C07C 235/36
C07C 235/06
C07C 235/16 Z
C07C 235/60
C07D 211/16
C07F 5/02 C
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 8
全頁数 19
出願番号 特願2013-558719 (P2013-558719)
出願日 平成25年2月14日(2013.2.14)
国際出願番号 PCT/JP2013/053500
国際公開番号 WO2013/122130
国際公開日 平成25年8月22日(2013.8.22)
優先権出願番号 2012032400
優先日 平成24年2月17日(2012.2.17)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成27年1月6日(2015.1.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
発明者または考案者 【氏名】石原 一彰
【氏名】坂倉 彰
個別代理人の代理人 【識別番号】110000017、【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
審査官 【審査官】天野 皓己
参考文献・文献 国際公開第2004/113351(WO,A1)
国際公開第2010/103976(WO,A1)
TANG P,BORIC ACID CATALYZED AMIDE FORMATION FROM CARBOXYLIC ACIDS AND AMINES: N-BENZYL-4-PHENYLBUTYRAMIDE,ORGANIC SYNTHESES,2005年,Vol. 81,P. 262
ISHIHARA et al.,3,4,5-Trifluorobenzeneboronic Acid as an Extremely Active Amidation Catalyst,JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY,1996年,Vol. 61,P. 4196-4197
MARCELLI T.,Machanistic Insights into Direct Amide Bond Formation Catalyzed by Boronic Acids: Halogens as Lewis,Angew. Chem. Int. Ed.,2010年,Vol. 49,P. 6840-6843
MYLAVARAPU et al.,Boric Acid Catalyzed Amidation in the Synthesis of Active Pharmaceutical Ingredients,Organic Process Research & Development,2007年,Vol. 11,P. 1065-1068
調査した分野 C07C 231/02
C07C 235/06
C07C 235/16
C07C 235/34
C07C 235/36
C07C 235/60
C07D 211/16
C07F 5/02
C07B 61/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/CASREACT(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
B(OH)で表されるアルキルボロン酸(式中、Rは1級アルキル基である)を触媒としてα-又はβ-ヒドロキシカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合を行うか、式(1)のアリールボロン酸化合物を触媒としてα-ヒドロキシカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合を行うことによりヒドロキシカルボン酸アミド化合物を得る、ヒドロキシカルボン酸アミド化合物の製法。
【化1】
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(式(1)中、-(CHNRはオルト位又はパラ位に結合し、nは1であり、-NRは2,2,6,6-テトラアルキルピペリジニルである)
【請求項2】
前記式(1)は、-(CHNRはオルト位に結合し、-NRが2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルである、請求項1に記載のヒドロキシカルボン酸アミド化合物の製法。
【請求項3】
前記アミン化合物は、2級アミン又は芳香族アミンである、請求項1又は2に記載のヒドロキシカルボン酸アミド化合物の製法。
【請求項4】
前記アミド縮合を弱酸性条件下で行う、請求項1~3のいずれか1項に記載のヒドロキシカルボン酸アミド化合物の製法。
【請求項5】
前記ヒドロキシカルボン酸化合物を前記アミン化合物よりも過剰に加えるか、又は、前記ヒドロキシカルボン酸化合物よりも反応活性の低いカルボン酸化合物を共存させる、請求項1~4のいずれか1項に記載のヒドロキシカルボン酸アミド化合物の製法。
【請求項6】
前記アミド縮合は、反応溶媒中、共沸脱水することにより行う、請求項1~5のいずれか1項に記載のヒドロキシカルボン酸アミド化合物の製法。
【請求項7】
前記アミド縮合は、水を添加した炭化水素系溶媒中、共沸脱水することにより行う、請求項1~6のいずれか1項に記載のヒドロキシカルボン酸アミド化合物の製法。
【請求項8】
式(2)で表される新規なアリールボロン酸化合物。
【化2】
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(式(2)中、nは1であり、-NRは2,2,6,6-テトラアルキルピペリジニルである)
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロキシカルボン酸アミド化合物の製法及び新規なアリールボロン酸化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アリールボロン酸触媒を用いるアミド縮合が知られている。例えば、特許文献1の39頁には、アリールボロン酸触媒として2-(ジイソプロピルアミノメチル)フェニルボロン酸や2-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルメチル)フェニルボロン酸などが記載され、42~43頁には、2-(ジイソプロピルアミノメチル)フェニルボロン酸を触媒として、カルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合を行うことにより、対応するカルボン酸アミド化合物を得る反応例が記載されている。
【0003】
また、非特許文献1には、電子求引性置換基をもつアリールボロン酸化合物である3,4,5-トリフルオロフェニルボロン酸を触媒として、カルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合を行うことにより、対応するカルボン酸アミド化合物を得る反応例が記載されている。例えば、光学活性なα-ヒドロキシカルボン酸化合物とベンジルアミンとのアミド縮合では、トルエン還流下で、ほとんどラセミ化することなく高収率でカルボン酸アミド化合物を得ている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】国際公開第2004/113351号パンフレット
【0005】

【非特許文献1】J. Org. Chem., 1996, vol.61, p4196-4197
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、α-ヒドロキシカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合については検討されておらず、こうしたアミド縮合においてどのような構造の触媒が有用であるかについては記載も示唆もない。一方、非特許文献1には、α-ヒドロキシカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合の例が記載されているものの、触媒としては3,4,5-トリフルオロフェニルボロン酸を用いているだけであるため、こうしたアミド縮合において、3,4,5-トリフルオロフェニルボロン酸に勝る触媒活性や汎用性を有する触媒の構造はもちろん、そのような触媒が存在するか否かについても記載も示唆もない。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、α-又はβ-ヒドロキシカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合において、従来と比べてカルボン酸アミド化合物の収率が高いばかりでなく反応基質の汎用性も高いものを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明者らは、α-又はβ-ヒドロキシカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合において、種々の構造のアルキルボロン酸やアリールボロン酸化合物を触媒として試したところ、分岐のないアルキル基を持つアルキルボロン酸やオルト位に特定のアミノアルキル基を有するアリールボロン酸化合物を用いたときに収率が高く反応基質の汎用性も高いことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明のカルボン酸アミド化合物の製法は、R3B(OH)2で表されるアルキルボロン酸(式中、R3は1級アルキル基である)又は式(1)のアリールボロン酸化合物(式(1)中、-(CH2nNR12はオルト位又はパラ位に結合し、nは1又は2であり、R1は3級アルキル基であり、R2は2級又は3級アルキル基であり、-NR12は環を形成していてもよい)を触媒としてα-又はβ-ヒドロキシカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合を行うことによりヒドロキシカルボン酸アミド化合物を得るものである。
【0010】
【化1】
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【0011】
また、本発明の新規なアリールボロン酸化合物は、式(2)で表される。
【化2】
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(式(2)中、nは1又は2であり、R1は3級アルキル基であり、R2は2級又は3級アルキル基であり、-NR12は環を形成していてもよい)
【発明の効果】
【0012】
本発明のカルボン酸アミド化合物の製法によれば、従来と比べてカルボン酸アミド化合物の収率が高いばかりでなく反応基質の汎用性も高い。このような効果が得られる理由は以下のように考えられる(下記式参照)。下記式では、アリールボロン酸化合物として2-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルメチル)フェニルボロン酸、ヒドロキシカルボン酸化合物としてマンデル酸、アミン化合物としてフェニルエチルアミンを例に挙げて説明する。まず、ヒドロキシカルボン酸化合物は、アリールボロン酸化合物と反応して、式中に示した中間体を容易に形成する。続いて、アリールボロン酸化合物の嵩高いアミノ基が、アミン化合物を活性化してこの中間体に対するアミン化合物の求核攻撃を促進し、ヒドロキシカルボン酸アミド化合物とアリールボロン酸化合物とが生成する。このように、中間体が容易に生成することやアリールボロン酸化合物がアミン化合物の求核攻撃を促進することから、反応性が向上してカルボン酸アミド化合物の収率が高まり、反応基質の汎用性も高くなったと考えられる。
【0013】
【化3】
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【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のカルボン酸アミド化合物の製法は、R3B(OH)2で表されるアルキルボロン酸(式中、R3は1級アルキル基である)又は上記式(1)のアリールボロン酸化合物を触媒としてα-又はβ-ヒドロキシカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合を行うことによりヒドロキシカルボン酸アミド化合物を得るものである。

【0015】
3は、1級アルキル基であり、炭素数1~20の1級アルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基などが挙げられる。このうち、メチル基、n-ブチル基が特に好ましい。式(1)中、nは1又は2であればよいが、アリールボロン酸化合物の入手容易性を考慮すればnは1の方が好ましい。R1は3級アルキル基であり、R2は2級又は3級アルキル基であるが、-NR12は環を形成していてもよい。2級アルキル基としては、炭素数3~20の2級アルキル基が好ましく、例えばイソプロピル基、sec-ブチル基、sec-ペンチル基、sec-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。3級アルキル基としては、炭素数4~20の3級アルキル基が好ましく、例えばtert-ブチル基、tert-ペンチル基、tert-ヘキシル基などがあげられる。-NR12が環を形成している場合、含窒素ヘテロ環の窒素の両サイドの炭素に1つ又は2つのアルキル基を有しているものが好ましく、例えば2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル基、2,2,6-トリメチルピペリジニル基、2,2,5,5-テトラメチルピロリジニル基、2,2,5-トリメチルピロリジニル基などが挙げられる。

【0016】
本発明のカルボン酸アミド化合物の製法において、反応基質であるα-又はβ-ヒドロキシカルボン酸化合物は、α位又はβ位にヒドロキシ基を有するカルボン酸化合物であれば特に限定されるものではなく、例えばα-ヒドロキシカルボン酸はRCH(OH)COOH(Rはアルキル基又はアリール基)と表してもよい。その場合、アルキル基は、炭素数1~20のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ビス(2-エチルヘキシル)基、デシル基、セチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。アリール基は、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。こうしたアルキル基やアリール基は、適宜置換基を有していてもよい。置換基としてはハロゲン、シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。また、ヒドロキシ基が結合している炭素が不斉炭素である光学活性なα-ヒドロキシカルボン酸を用いてもよい。その場合、本発明の製法によって得られるカルボン酸アミド化合物は光学活性を維持している。また、β-ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、サリチル酸などが挙げられる。

【0017】
本発明のカルボン酸アミド化合物の製法において、もう一つの反応基質であるアミン化合物は、1級アミン又は2級アミンである。1級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、n-ペンチルアミン、イソペンチルアミン、sec-ペンチルアミン、tert-ペンチルアミン、ネオペンチルアミンなどのアルキルアミン;シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロドデシルアミンなどのシクロアルキルアミン;ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンズヒドリルアミンなどのアラルキルアミン;アニリン、ナフチルアミンなどのアリールアミンなどが挙げられる。2級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ-sec-ブチルアミン、ジ-tert-ブチルアミン、ジ-n-ペンチルアミン、ジイソペンチルアミン、ジ-sec-ペンチルアミン、ジ-tert-ペンチルアミン、ジネオペンチルアミン、メチルエチルアミン、イソプロピルエチルアミンなどのジアルキルアミン;ジシクロプロピルアミン、ジシクロブチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロドデシルアミンなどのジシクロアルキルアミン;ジベンジルアミン、ジフェネチルアミンなどのジアラルキルアミン;ジフェニルアミン、ジナフチルアミンなどのジアリールアミン;ピペリジン、ピロリジン、モルホリンなどの環状アミンなどが挙げられる。こうした1級又は2級アミンは、適宜置換基を有していてもよい。例えば、アルキル基が有する置換基としてはハロゲン、シアノ基、ニトロ基などが挙げられ、シクロアルキル基やアラルキル基、アリール基、環状アミンが有する置換基としては、ハロゲン、アルキル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。

【0018】
本発明のカルボン酸アミド化合物の製法は、ヒドロキシカルボン酸化合物やアミン化合物として、反応性の低いものを用いる場合に有用である。反応性の低いヒドロキシカルボン酸化合物としては、例えば、上述したRCH(OH)COOHのRが長鎖のアルキル基(例えばn-ヘキシル基)のものなどが挙げられる。また、反応性の低いアミン化合物としては、例えば、2級アミン(例えばジ-n-ブチルアミンやピペリジン)のほか、1級アミンでもシクロアルキルアミン(例えばシクロドデシルアミン)やアリールアミン(例えばアニリン)などが挙げられる。こうした反応性の低い基質を用いた場合、非特許文献1に記載された3,4,5-トリフルオロフェニルボロン酸を触媒として用いたとしても、アミド縮合がほとんど進行しないか、進行したとしても低収率でしかカルボン酸アミド化合物が得られない。これに対して、式(1)のアリールボロン酸化合物を触媒として用いると、アミド縮合が容易に進行し、高収率でカルボン酸アミド化合物が得られる。

【0019】
本発明のカルボン酸アミド化合物の製法において、アミド縮合を弱酸性条件(pH4~5)下で行うことが好ましい。式(1)のアリールカルボン酸化合物は、中性~塩基性条件下では分解しやすく、アミド縮合が十分進行しないおそれがあるが、弱酸性条件ではそのようなおそれがない(又は少ない)からである。その場合、ヒドロキシカルボン酸化合物をアミン化合物よりも過剰に加えるか、又は、ヒドロキシカルボン酸化合物よりも反応活性の低い他のカルボン酸化合物(例えば安息香酸などの芳香族カルボン酸)を共存させることが好ましい。前者は、ヒドロキシカルボン酸化合物が比較的安価な場合に採用するのが好ましく、後者は、ヒドロキシカルボン酸化合物が比較的高価で他のカルボン酸化合物がそのヒドロキシカルボン酸化合物よりも安価な場合に採用するのが好ましい。

【0020】
本発明のカルボン酸アミド化合物の製法において、アルキルボロン酸やアリールボロン酸化合物の使用量は、アミン化合物1molに対して、0.1~50mol%好ましく、1~20mol%がより好ましい。

【0021】
本発明のカルボン酸アミド化合物の製法において、反応溶媒は、アミド縮合に影響しない溶媒であれば特に限定されないが、例えば炭化水素系溶媒やアルコール系溶媒、ニトリル系溶媒、ニトロ系溶媒が好ましい。炭化水素系溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。なお、炭化水素系溶媒に少量の水を添加してもよい。水を添加することにより反応の再現性が向上することがある。アルコール系溶媒としては、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。ニトリル系溶媒としては、ブチロニトリル、プロピオニトリルなどが挙げられる。ニトロ系溶媒としては、ニトロメタン、ニトロエタンなどが挙げられる。また、これらの混合溶媒を用いてもよい。極性の高いヒドロキシカルボン酸やアミンを用いる場合には、炭化水素系溶媒を用いると溶解度が低いため反応が進行しにくいため、イソプロピルアルコールのようなアルコール系溶媒を用いることが好ましい。

【0022】
本発明のカルボン酸アミド化合物の製法において、反応温度は反応速度などを考慮して適宜設定すればよいが、例えば、20~200℃の範囲で設定するのが好ましく、60~160℃の範囲で設定するのがより好ましい。また、アミド縮合では、カルボン酸アミド化合物と共に水が生成するが、カルボン酸アミド化合物の収率を向上させるには脱水を効率よく行うことが好ましい。例えば、反応温度を溶媒の還流温度(つまり沸点)とし、共沸脱水しながら還流することが好ましい。

【0023】
本発明のカルボン酸アミド化合物の製法において、反応時間は、反応基質、反応温度などに応じて適宜設定すればよいが、通常は数分~数10時間である。なお、アミド縮合は反応基質が完全に消費されるまで行ってもよいが、反応が進むにつれて反応基質の消失速度が極端に遅くなる場合には反応基質が完全に消費されなくても反応を終了してカルボン酸アミド化合物を取り出した方が好ましい場合もある。

【0024】
本発明のカルボン酸アミド化合物の製法において、目的とするカルボン酸アミド化合物を単離するには、通常知られている単離手法を適用すればよい。例えば、反応混合物中の反応溶媒を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラムや再結晶などで精製することにより、目的とするカルボン酸アミド化合物を単離することができる。
【実施例】
【0025】
[参考例]
触媒として用いる2-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルメチル)フェニルボロン酸(以下、触媒Cという)の合成手順を以下に説明する。この化合物は既知化合物である。
【実施例】
【0026】
まず、フラスコに臭化2-ブロモベンジル(10mmol)、炭酸カリウム(22mmol)、ヨウ化カリウム(11mmol)、3-ペンタノン(20mL)および2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(22mmol)を加え、2日間加熱還流した。室温まで放冷した後、不溶物をろ過によって除去した。ろ液を水で2回洗浄し、水層をクロロホルムで抽出した。有機層をすべて合わせて硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、ヘキサン)で精製し、目的とするアミン化合物、すなわち1-ブロモ-2-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルメチル)ベンゼンを収率92%で得た。
【実施例】
【0027】
続いて、得られたアミン化合物(10mmol)のTHF(8.5mL)溶液にTMEDA(20mmol)を加え、-78℃に冷却した。この溶液にBuLiの1.5Mヘキサン溶液(30mmol)をゆっくりと滴下した。この溶液を-78℃にて1.5時間撹拌した後、B(OMe)3(60mmol)を加え、室温に昇温して8時間撹拌した。この反応混合物に水を加え、さらに15分間撹拌した後、水で洗浄した。水層をクロロホルムで抽出した後、有機層をすべて合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、目的とする触媒Cを得た。
【実施例】
【0028】
[実験例1~12]
表1に示す種々の触媒を用いて、マンデル酸と2-フェニルエチルアミンとのアミド縮合を行うことにより対応するカルボン酸アミド化合物を得た。その合成手順を以下に説明する。20mLフラスコに2-フェニルエチルアミン(2.5mmol)、マンデル酸(2.5mmol又は3.0mmol)、触媒(表1参照、0.25mmol)およびトルエン(10mL)を加え、乾燥したモレキュラーシーブス3A(約3g)を充填したカラム(小型ソックスレー抽出器)を装着した。この溶液を8時間脱水加熱還流した(オイルバスの温度:約130℃)後、室温まで放冷した。トルエンを減圧留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン-酢酸エチル3:1)で精製し,目的とするカルボン酸アミド化合物を得た。その結果を表1に示す。なお、実験例5,6が本発明の実施例に相当し、その他の実験例は比較例に相当する。
【実施例】
【0029】
【表1】
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【実施例】
【0030】
表1から明らかなように、触媒A,B,D,E,Fを用いた実験例1~4,7~12に比べて、触媒Cを用いた実験例5,6の方が反応活性が高く、高収率でカルボン酸アミド化合物が得られた。具体的には、フェニルホウ酸の片方又は両方のオルト位にジイソプロピルアミノメチル基を有する触媒A,Bやホウ酸である触媒Fでは、触媒Cに比べて反応促進効果が小さかった。また、フェニルホウ酸の両方のオルト位に2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルメチル基を有する触媒Dやフェニルホウ酸の3,4,5位にフッ素原子を有する触媒Eでは、触媒Cと比べて反応促進効果がやや小さかった。これに対して、フェニルホウ酸の片方のオルト位に2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルメチル基を有する触媒Cは、N上に2つの3級アルキル基が付いた化合物とみることができるが、他の触媒と比べて反応促進効果が大きかった。
【実施例】
【0031】
また、触媒Cを用いた例において、マンデル酸を2-フェニルエチルアミンと等モル用いた実験例5では、触媒Cの分解が41%発生したが、マンデル酸を2-フェニルエチルアミンの1.2倍モル用いた実験例6では、反応液が弱酸性となり、触媒Cの分解をほぼゼロに抑えることができた。ちなみに、触媒Dを用いた例においても、マンデル酸を2-フェニルエチルアミンと等モル用いた実験例7では、触媒Dの分解が54%発生したが、マンデル酸を2-フェニルエチルアミンの1.2倍モル用いた実験例8では、反応液が弱酸性となったものの、触媒Dの分解を16%までしか抑えることができなかった。なお、触媒C,Dの分解物は、-B(OH)2が-Hになったものであった。
【実施例】
【0032】
[実験例13~48]
表2及び表3に示す種々の触媒を用いて、種々のα-ヒドロキシカルボン酸化合物と種々のアミン化合物とのアミド縮合を行うことにより対応するカルボン酸アミド化合物を得た。合成手順は、実験例1~12に準じた。但し、実験例15では、安息香酸(1.0当量)を添加して弱酸性条件下で反応を実施し、実験例47では、安息香酸(0.10当量)を添加し、キシレン(沸点144℃)中、弱酸性条件下で反応を実施した。その結果を表2及び表3に示す。なお、実験例14,15,19,22,26,32,37,40,43,46,47が本発明の実施例に相当し、その他の実験例は比較例に相当する。
【実施例】
【0033】
【表2】
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【実施例】
【0034】
【表3】
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【実施例】
【0035】
表2及び表3から明らかなように、いずれのアミド縮合においても、触媒Cが優れた反応活性を示した。このことから、触媒Cを用いたα-ヒドロキシカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合は、他の触媒と比べてカルボン酸アミド化合物の収率が高いばかりでなく反応基質の汎用性も高いことがわかる。
【実施例】
【0036】
具体的には、実験例13,14,16,17では、α-ヒドロキシカルボン酸化合物としてマンデル酸、アミン化合物として反応性の低い2級アミンである3,5-ジメチルピペリジンを用いたところ、触媒A,Dでは収率が10%に満たず、触媒Eでは収率がゼロだったのに対して、触媒Cでは収率が46%であった。特に、触媒D,Eは、表1に示すアミド縮合(アミン化合物として1級アミンである2-フェニルエチルアミンを使用)においては比較的高収率だったのに対して、ここでは低収率に終わったことから、反応基質の汎用性が高いとはいい難い。また、実験例15では、触媒Cの分解を抑制するため、マンデル酸よりも安価な安息香酸を添加して反応したところ、収率が99%となり、顕著な効果がみられた。こうしたことから、触媒Cは、アミン化合物として2級アミンを用いた場合でも、アミド縮合を容易に促進させることがわかる。
【実施例】
【0037】
実験例18~20では、α-ヒドロキシカルボン酸化合物としてマンデル酸、アミン化合物として嵩高いアルキル基を持つシクロドデシルアミンを用いたところ、触媒A,Eでは収率が30%程度に留まったのに対して、触媒Cでは収率が74%であり、他の触媒に比べて高い反応促進効果がみられた。
【実施例】
【0038】
実験例21~23では、α-ヒドロキシカルボン酸化合物としてマンデル酸、アミン化合物としてベンズヒドリルアミンを用いたところ、触媒A,Eでは収率が80%程度と比較的高い値だったのに対して、触媒Cでは収率が99%であり、一段と高い反応促進効果がみられた。
【実施例】
【0039】
実験例24~29では、α-ヒドロキシカルボン酸化合物として2-ヒドロキシオクタン酸、アミン化合物として2-フェニルエチルアミンを用いたところ、触媒F,触媒A,触媒B,触媒E,触媒D,触媒Cの順に収率が高くなった。このアミド縮合においても、触媒Cでは収率が95%であり、他の触媒に比べて一段と高い反応促進効果がみられた。
【実施例】
【0040】
実験例30~35では、α-ヒドロキシカルボン酸化合物として2-ヒドロキシオクタン酸、アミン化合物として反応性の低いアニリンを用いたところ、触媒E,Fでは反応がほとんど進行しなかったのに対して、他の触媒では反応が進行したが、触媒B,触媒D,触媒A,触媒Cの順に収率が高くなった。このアミド縮合においても、触媒Cでは収率が51%であり、他の触媒に比べて高い反応促進効果がみられた。
【実施例】
【0041】
実験例36~38では、α-ヒドロキシカルボン酸化合物として2-ヒドロキシイソ酪酸、アミン化合物として2-フェニルエチルアミンを用いたところ、触媒A,C,Eのいずれも収率が80%以上であったが、触媒Cは触媒Eと並んで収率が99%であり、高い反応促進効果がみられた。
【実施例】
【0042】
実験例39~41では、α-ヒドロキシカルボン酸化合物として光学活性な2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピオン酸、アミン化合物として2-フェニルエチルアミンを用いたところ、触媒A,Eのいずれも収率が60~70%であったのに対して、触媒Cは定量的にカルボン酸アミド化合物が得られ、しかも光学純度を維持することもできた。
【実施例】
【0043】
実験例42~44では、α-ヒドロキシカルボン酸化合物として2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピオン酸、アミン化合物として2級アミンである3,5-ジメチルピペリジンを用いたところ、触媒Eは収率が22%、触媒Aは収率が50%だったのに対して、触媒Cは定量的にカルボン酸アミド化合物が得られた。
【実施例】
【0044】
実験例45,46,48では、α-ヒドロキシカルボン酸化合物として2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピオン酸、アミン化合物として2級アミンであるジ-n-ブチルアミンを用いたところ、触媒Eはほとんど反応が進行せず、触媒Aも収率がわずか5%だったのに対して、触媒Cは収率が23%であった。触媒Cを用いて安息香酸を少量添加した実験例47では、収率が77%に向上した。
【実施例】
【0045】
[実験例49]
実験例14では、触媒Cを用いて、α-ヒドロキシカルボン酸化合物としてマンデル酸、アミン化合物として2級アミンである3,5-ジメチルピペリジンを用いたところ、反応は定量的に進行した。これに対して、実験例49では、下記式に示すように、実験例14のマンデル酸の代わりに、2-フェニルプロピオン酸を用いて同じ反応条件下でアミド縮合を実施した。そうしたところ、対応するカルボン酸アミド化合物はわずか18%しか得られなかった。このことから、触媒Cは、どのようなカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合でも促進するわけではなく、α-ヒドロキシカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合を特異的に促進することがわかる。なお、実験例49は、本発明の比較例に相当する。
【実施例】
【0046】
【化4】
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【実施例】
【0047】
以上の実験例の結果から、触媒Cを用いたα-ヒドロキシカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合は、他の触媒と比べてカルボン酸アミド化合物の収率が高いばかりでなく反応基質の汎用性も高いことがわかる。また、触媒Cは、どのようなカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合でも促進するわけではなく、α-ヒドロキシカルボン酸化合物とアミン化合物とのアミド縮合を特異的に促進することがわかる。更に、触媒Cは、弱酸性条件(例えばα-ヒドロキシカルボン酸化合物を過剰に用いた場合やα-ヒドロキシカルボン酸化合物とは別に安息香酸などの反応性の低い酸を加えた場合)において、自身の分解が効果的に抑制されることがわかる。
【実施例】
【0048】
[実験例50~54]
マンデル酸と2-フェネチルアミンとのアミド縮合において、表4に示すように触媒量の検討を行った。反応時間を8時間に固定して触媒量を10mol%から1mol%まで段階的に減らしたところ、触媒量が少ないほど収率が低下した。しかし、1mol%であっても反応時間を14時間に延ばすことで反応は良好に進行し、98%でカルボン酸アミド化合物が得られた。なお、実験例50~54は、すべて実施例に相当する。
【実施例】
【0049】
【表4】
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【実施例】
【0050】
[実験例55~57]
テトラメチルピペリジニルメチル基がメタ位、パラ位に結合した触媒を合成し、表5に示すように、マンデル酸と3,5-ジメチルピペリジンとのアミド縮合における触媒活性を検討した。その結果、置換基がメタ位に結合した触媒は、安息香酸(10mol%)を添加しても分解が起こり、目的とするカルボン酸アミド化合物が得られなかったのに対して、置換基がオルト位に結合した触媒やパラ位に結合した触媒は、分解が起きず、良好に反応が進行した。なお、実験例55,57は実施例に相当し、実験例56は比較例に相当する。
【実施例】
【0051】
【表5】
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【実施例】
【0052】
置換基がメタ位、パラ位に結合した触媒(表5の実施例56,57参照)は、上述した触媒Cの合成手順に準じて、臭化2-ブロモベンジルの代わりに臭化3-ブロモベンジルあるいは臭化4-ブロモベンジルを用いて合成した。また、置換基がパラ位に結合した触媒は、そのままでは1H NMRスペクトルがブロードで複雑な形になってしまい、構造の確認ができなかった。そのため、置換基がパラ位に結合した触媒を、トルエン中、室温でピナコールと30分間反応させることにより、ボロン酸部位をピナコールエステルへと変換して、その構造を確認した。そのピナコールエステルの1H NMRデータは以下のとおり。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ0.99 (s, 24H), 1.44-1.64 (m, 6H), 3.73 (s, 2H), 6.97 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 7.8 Hz, 2H).
【実施例】
【0053】
[実験例58]
酒石酸とベンジルアミンとのアミド縮合を検討した(下記式参照)。酒石酸は、極性が高いため、反応溶媒としてイソプロピルアルコール(沸点82℃)を使用したところ(オイルバスの温度100℃)、溶媒に溶解し、反応が良好に進行した。なお、実験例58は実施例に相当する。
【実施例】
【0054】
【化5】
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【実施例】
【0055】
[実験例59~61]
表6に示すように、マンデル酸と3,5-ジメチルピペリジン(1当量)とのアミド縮合において、種々のアルキルボロン酸を触媒として用いてそれらの触媒活性を検討した。そのアミド縮合の手順を実験例59を例に挙げて以下に説明する。20mLフラスコにマンデル酸(1.25mmol)、メチルボロン酸(0.125mmol)および安息香酸(0.125mmol)を量り取り、トルエン(10mL)に溶解した。この溶液に3,5-ジメチルピペリジン(1.25mmol)および水(50μL)を加えて室温にて10分間撹拌した。このフラスコに乾燥したモレキュラーシーブス3A(約2g)を充填したカラム(小型ソックスレー抽出器)と冷却管を装着した。この溶液を14時間脱水加熱還流した(オイルバスの温度:約130℃)後、室温まで冷却した。トルエンを減圧留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン-酢酸エチル3:1)で精製し、目的とするアミド化合物を297mg得た(収率96%)。その結果を表6に示す。また、実験例60,61は、それぞれ触媒としてn-ブチルボロン酸、イソプロピルボロン酸を用い、実験例59に準じて反応を行った。その結果も表6に示す。
【実施例】
【0056】
検討の結果、メチルボロン酸およびn-ブチルボロン酸が本反応に優れた触媒活性を示すことが明らかとなった。一方、イソプロピルボロン酸を用いた場合は低収率であった。また、メチルボロン酸触媒の反応において、安息香酸(10mol%)を添加して反応を実施したところ、反応性が向上した。表6には示さなかったが、安息香酸を50mol%添加した場合、メチルボロン酸の量を1mol%まで減らしても反応は良好に進行した。なお、実験例59,60が実施例に相当する。
【実施例】
【0057】
【表6】
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【実施例】
【0058】
[実験例62~82]
メチルボロン酸触媒を用いて、様々なα-ヒドロキシカルボン酸とアミンとのアミド縮合を実施した。合成手順は実験例59に準じて行った。その結果を表7および表8に示す。(S)-3-フェニル乳酸のアミド結合においては、ラセミ化は全く起こらず、対応するアミドが高収率で得られた(実験例62~68)。(R)-マンデル酸のアミド縮合においては、反応は良好に進行するものの、わずかにラセミ化が起こった(実験例69~75)。このラセミ化は、反応溶媒としてジクロロエタン(沸点83℃)を用いることである程度抑えることができた。なお、反応性の高いアミンとの縮合では、触媒量を1mol%に減らしても良好に反応が進行した。2-ヒドロキシオクタン酸のアミド縮合においては、対応するアミドが高収率で得られた(実験例76~79)。α位が4級炭素の2-ヒドロキシイソ酪酸と1級アミンとのアミド縮合においても、対応するアミドが高収率で得られた(実験例80~82)。なお、実験例62~82が実施例に相当する。
【実施例】
【0059】
【表7】
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【実施例】
【0060】
【表8】
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【実施例】
【0061】
[実験例83,84]
メチルボロン酸触媒を用いて、β-ヒドロキシカルボン酸であるサリチル酸のアミド縮合を実施した。合成手順は実験例59に準じて行った。その結果を表9に示す。反応溶媒としてキシレン(沸点144℃)を使用することで良好に反応が進行した(実験例83)。これに対して、メチルボロン酸触媒を用いなかった場合には、反応性は低かった(実験例84)。なお、実験例83が実施例に相当する。
【実施例】
【0062】
【表9】
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【実施例】
【0063】
本出願は、2012年2月17日に出願された日本国特許出願第2012-32400号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、主に薬品化学産業に利用可能であり、例えば医薬品や農薬、化粧品の中間体などを製造する際に利用することができる。