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明細書 :生物試料をそのままの姿で観察するための電子顕微鏡による観察方法とそれに用いられる真空下での蒸発抑制用組成物、走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6055766号 (P6055766)
登録日 平成28年12月9日(2016.12.9)
発行日 平成28年12月27日(2016.12.27)
発明の名称または考案の名称 生物試料をそのままの姿で観察するための電子顕微鏡による観察方法とそれに用いられる真空下での蒸発抑制用組成物、走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡
国際特許分類 H01J  37/20        (2006.01)
H01J  37/22        (2006.01)
G01N   1/30        (2006.01)
G01N   1/28        (2006.01)
H01J  37/18        (2006.01)
H01J  37/16        (2006.01)
FI H01J 37/20 F
H01J 37/20 Z
H01J 37/20 H
H01J 37/22 502L
H01J 37/20 E
H01J 37/20 A
G01N 1/30
G01N 1/28 J
G01N 1/28 G
H01J 37/18
H01J 37/16
請求項の数または発明の数 10
全頁数 40
出願番号 特願2013-532684 (P2013-532684)
出願日 平成24年9月7日(2012.9.7)
国際出願番号 PCT/JP2012/072982
国際公開番号 WO2013/035866
国際公開日 平成25年3月14日(2013.3.14)
優先権出願番号 2011197685
2012044383
優先日 平成23年9月9日(2011.9.9)
平成24年2月29日(2012.2.29)
優先権主張国 日本国(JP)
日本国(JP)
審査請求日 平成26年5月28日(2014.5.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】国立研究開発法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】針山 孝彦
【氏名】高久 康春
【氏名】鈴木 浩司
【氏名】村中 祥悟
【氏名】太田 勲
【氏名】下村 政嗣
【氏名】石井 大佑
個別代理人の代理人 【識別番号】100093230、【弁理士】、【氏名又は名称】西澤 利夫
審査官 【審査官】佐藤 仁美
参考文献・文献 特開平10-012173(JP,A)
特開2004-095477(JP,A)
特開2001-153760(JP,A)
特開2005-285485(JP,A)
特開2005-100988(JP,A)
特開2011-154917(JP,A)
特開2003-203595(JP,A)
実開昭61-076676(JP,U)
特開平04-106853(JP,A)
特開2011-137807(JP,A)
特開平10-134751(JP,A)
特開平01-197626(JP,A)
特開昭61-002250(JP,A)
特開昭61-088442(JP,A)
特開昭57-147857(JP,A)
特開2010-025656(JP,A)
特開2005-026530(JP,A)
特開2004-319518(JP,A)
実開平02-000147(JP,U)
調査した分野 G01N 1/00- 1/36、
H01J 27/00-27/26、37/00-37/36
特許請求の範囲 【請求項1】
両親媒性化合物、油脂類、およびイオン液体から選ばれる少なくとも1種を含有する蒸発抑制用組成物を試料の表面に適用する工程と、蒸発抑制用組成物を適用した試料に電子線またはプラズマを照射して試料の表面に薄膜として重合膜を形成し、この重合膜で試料を覆う工程と、真空下の試料室に収容されたこの重合膜で覆った試料の電子顕微鏡像を表示装置に表示する工程とを含むことを特徴とする電子顕微鏡による試料の観察方法。
【請求項2】
前記重合膜で試料を覆う工程は、電子顕微鏡の試料室内において試料観察用の電子線を試料に照射することによって重合反応させ、試料の表面に薄膜として重合膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の電子顕微鏡による試料の観察方法。
【請求項3】
前記重合膜で試料を覆う工程は、電子顕微鏡による試料観察前に予め、電子顕微鏡の試料観察用の電子線とは別途の電子線またはプラズマを試料に照射することによって重合反応させ、試料の表面に薄膜として重合膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の電子顕微鏡による試料の観察方法。
【請求項4】
前記蒸発抑制用組成物は、両親媒性化合物と、金属化合物および糖から選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子顕微鏡による試料の観察方法。
【請求項5】
前記試料は、含水試料であって、前記含水試料の濡れたままの状態の電子顕微鏡像を、前記含水試料の破壊を伴わずに前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子顕微鏡による試料の観察方法。
【請求項6】
前記試料は、生存している生物試料であって、前記蒸発抑制用組成物を前記生物試料の体表に適用し、前記重合膜で前記生物試料を覆い、真空下の試料室に置かれた前記重合膜で覆った生物試料の生きたままの運動の電子顕微鏡像を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子顕微鏡による試料の観察方法。
【請求項7】
前記重合膜によって、前記生物試料の体内からの蒸発に伴う温度低下を抑制して前記生物試料に運動能を与え、かつ前記生物試料そのものの形態を維持することを特徴とする請求項6に記載の電子顕微鏡による試料の観察方法。
【請求項8】
前記重合膜によって、前記生物試料が活動できるための体内温度を真空下においても維持することを特徴とする請求項6または7に記載の電子顕微鏡による試料の観察方法。
【請求項9】
前記電子顕微鏡は、走査型電子顕微鏡であって、前記重合膜によって、前記試料のチャージアップを起こさずに前記試料の電子顕微鏡像を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電子顕微鏡による試料の観察方法。
【請求項10】
両親媒性化合物と、金属化合物および糖から選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする真空下での蒸発抑制用組成物
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡などにおいて、生物試料をそのままの姿で観察するための電子顕微鏡による観察方法とそれに用いられる真空下での蒸発抑制用組成物、走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡で試料の観察を行うためには、試料を真空下におくことから、試料の耐真空性と、像を得るために必要な導電性の付与が必要である。
【0003】
走査型電子顕微鏡の試料の調製は、試料を予め真空乾燥することによって水分を除去した後に、導電性を付与し2次電子の発生効率を上げるために導電材料(白金、炭素、金、パラジウム、オスミニウムなど)を蒸着、スパッタなどの手段で試料の表面にコートして行われる。
【0004】
金属や半導体などのように、導電性を有し、耐真空性があるものは、このような前処理は必要としないが、導電性が無いものは導電性材料に導電膜コートが必要である。また、耐真空性などに劣るもの、すなわち、真空乾燥や、電子顕微鏡観察時の真空中で電子ビーム照射によって変形するものである場合も、導電性材料による導電膜コートが必要である。
【0005】
生物/生体試料は、大量の水分を含むため、予め真空乾燥を要する場合が多い。このため、表面の形状が著しく変形してしまうこともあり、生きた状態をそのままの状態で電子顕微鏡観察することは困難であった。
【0006】
ゲル状物質、食品などの湿潤試料の含水状態は、低真空SEMやクライオSEM、環境制御型SEM(ESEM)などを用いて、常温での観察が可能である。これらの方法によれば、湿潤試料に限らず、試料を未処理のままで観察可能である。しかし、高倍率での観察を行うためには、高真空にする必要があり、試料の耐真空性、あるいは導電性が必要となる。そのため、生物/生体試料の観察においても、生きた状態のままの高倍率での像を得ることは困難であった。
【0007】
近年は、イオン液体を用いた電子顕微鏡観察方法が提案されている。特許文献1および非特許文献2には、イオン液体を用いて濡れた試料をSEM観察したことが記載されている。細胞への応用についても非特許文献2に記載されている。また、特許文献2にはイオン液体の技術を透過型電子顕微鏡観察に用いる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】国際公開WO2007/083756号パンフレット
【特許文献2】特開2009-266741号公報
【0009】

【非特許文献1】Langmuir, 2011, 27, 9671-9675
【非特許文献2】Microsc. Res. Tech. 2011, 74, 415-420
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、環境SEMを用いる観察や上記の各文献による方法であっても、試料のそのままの状態を直接高倍率での電子顕微鏡像を得ることはできていない。そして生物/生体試料に関しては、生きたままの状態を生きたままで電子顕微鏡観察することは達成されていない。
【0011】
すなわち、生物試料においては、生きたままの生物試料の動いている様子の電子顕微鏡観察を行うことは達成されていない。
【0012】
また、電子顕微鏡での観察後、回収した試料が成長を続けることや、生き続けるということはできなかった。すなわち生還を果たす電顕観察は不可能とされていた。
【0013】
電子顕微鏡の測定環境は、真空状態であるため試料は極度の乾燥状態におかれる。このため試料は変形や変質がおこり、生きたままの状態に近い状態を観察することができない。
【0014】
さらに、含水試料においては、真空下に置かれた際に瞬時に凍結してしまい、試料の氷晶によって変形や変質がおこり、もとの状態に近い状態を観察することができない。
【0015】
生物試料においては、真空下におかれるため、外界からの酸素供給を絶たれ、酸欠状態に陥る。また、乾燥状態におかれるため、干物のようになってしまい(イカがスルメのようになってしまう。)、生物試料を生きたままの状態で電子顕微鏡の鏡体内にいれることは難しい。
【0016】
乾燥状態に耐えることができる生物であっても、生体内に含まれる水が凍ってしまうことから、動いている状態を観察する前に、あるいは観察中に死んでしまう。
【0017】
電子顕微鏡での観察を行うために電子ビームを照射するが、この電子ビームの照射による電気的な要因や熱的な要因などによって変形、変性をきたさず、生物試料を生きたままの状態で電子顕微鏡像を得ることが必要である。
【0018】
バリア性能に関しては、これまでに有機物、無機物、有機/無機ハイブリッド素材を使用して、試料をスピンコート、蒸着、塗布するなどの手段によって試料表面に膜を作製しバリア性能を付与する技術は提案されているものの、このようなバリア性能を電子顕微鏡の試料作製に応用する例はこれまでにない。
【0019】
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、真空下においても試料を変形させずに試料そのものの状態を損なうことを抑制できる、電子顕微鏡による観察方法とそれに用いられる真空下での蒸発抑制用組成物、走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡を提供すること課題としている。
【0020】
また、電子顕微鏡を用いて生物試料を生きたままで観察することができ、動いている様子を観察することができる、電子顕微鏡による観察方法とそれに用いられる真空下での蒸発抑制用組成物、走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡を提供すること課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を解決するために、本発明の電子顕微鏡による試料の観察方法は、両親媒性化合物、油脂類、およびイオン液体から選ばれる少なくとも1種を含有する蒸発抑制用組成物を試料の表面に適用して薄膜を形成し、この試料を薄膜で覆う工程と、真空下の試料室に収容されたこの薄膜で覆った試料の電子顕微鏡像を表示装置に表示する工程とを含むことを特徴としている。
【0022】
また本発明の電子顕微鏡による試料の観察方法は、両親媒性化合物、油脂類、およびイオン液体から選ばれる少なくとも1種を含有する蒸発抑制用組成物を試料の表面に適用する工程と、蒸発抑制用組成物を適用した試料に電子線またはプラズマを照射して試料の表面に薄膜として重合膜を形成し、この重合膜で試料を覆う工程と、真空下の試料室に収容されたこの重合膜で覆った試料の電子顕微鏡像を表示装置に表示する工程とを含むことを特徴としている。
【0023】
この電子顕微鏡による試料の観察方法における好ましい1つの態様では、電子顕微鏡の試料室内において試料観察用の電子線を試料に照射することによって重合反応させ、試料の表面に薄膜として重合膜を形成する。この電子顕微鏡による試料の観察方法における好ましい別の態様では、電子顕微鏡による試料観察前に予め、電子顕微鏡の試料観察用の電子線とは別途の電子線またはプラズマを試料に照射することによって重合反応させ、試料の表面に薄膜として重合膜を形成する。
【0024】
この電子顕微鏡による試料の観察方法における好ましい別の態様では、蒸発抑制用組成物は、両親媒性化合物と、金属化合物および糖から選ばれる少なくとも1種とを含有する。
【0025】
この電子顕微鏡による試料の観察方法における好ましい別の態様では、含水試料の濡れたままの状態の電子顕微鏡像を、含水試料の破壊を伴わずに前記表示装置に表示する。
【0026】
この電子顕微鏡による試料の観察方法における好ましい別の態様では、蒸発抑制用組成物を生存している生物試料の体表に適用して薄膜を形成し、この試料を薄膜で覆う工程と、真空下の試料室に置かれたこの薄膜で覆った生物試料の生きたままの運動の電子顕微鏡像を表示装置に表示する工程とを含む。この場合、好ましい態様では、前記薄膜によって、生物試料体内からの蒸発に伴う温度低下を抑制して生物試料に運動能を与え、かつ生物試料そのものの形態を維持する。好ましい別の態様では、前記薄膜によって、生物試料が活動できるための体内温度を真空下においても維持する。
【0027】
この電子顕微鏡による試料の観察方法における好ましい別の態様では、走査型電子顕微鏡を用いて、試料のチャージアップを起こさずに試料の電子顕微鏡像を表示装置に表示する。
【0028】
本発明の真空下での蒸発抑制用組成物は、真空下において蒸発性のある物質を含有する試料の表面に薄膜を形成してこの試料を覆い、前記蒸発性のある物質に対して真空下においてその蒸発を抑制するバリア能を与えるために使用される真空下での蒸発抑制用組成物であって、両親媒性化合物、油脂類、およびイオン液体から選ばれる少なくとも1種を含有する。
【0029】
この蒸発抑制用組成物における好ましい態様では、生存している生物試料の体表に薄膜を形成してこの生物試料を覆い、生物試料体内の蒸発性のある物質に対して真空下においてその蒸発を抑制するバリア能を与えるために使用される。
【0030】
この蒸発抑制用組成物における好ましい別の態様では、蒸発抑制用組成物を適用した試料に電子線またはプラズマを照射することによって試料の表面に薄膜として重合膜が形成され、この重合膜で試料が覆われる。
【0031】
この蒸発抑制用組成物における好ましい別の態様では、両親媒性化合物と、金属化合物および糖から選ばれる少なくとも1種とを含有する。
【0032】
本発明の走査型電子顕微鏡は、前記の電子顕微鏡による試料の観察方法に使用される走査型電子顕微鏡であって、鏡体内の試料室に配置する試料を導入可能な予備排気室と、試料室および予備排気室を脱気する排気装置とを備えることを特徴としている。
【0033】
この走査型電子顕微鏡における好ましい態様では、予備排気室にグローブボックスを備えている。
【0034】
この走査型電子顕微鏡における好ましい別の態様では、試料室または予備排気室に、プラズマ照射装置または電子線照射装置を備えている。
【0035】
この走査型電子顕微鏡における好ましい別の態様では、試料室または予備排気室に、試料への作用が可能な3次元マニピュレータ装置を備えている。
【0036】
本発明の走査型電子顕微鏡は、前記の電子顕微鏡による試料の観察方法に使用される走査型電子顕微鏡であって、試料室に2次電子の検出器と試料との相対位置を3次元的に調節可能な検出位置調節機構を備えることを特徴としている。
【0037】
本発明の走査型電子顕微鏡は、前記の電子顕微鏡による試料の観察方法に使用される走査型電子顕微鏡であって、試料室に試料の色情報を取得可能な高速度カラーカメラを備えることを特徴としている。
【0038】
本発明の走査型電子顕微鏡は、前記の電子顕微鏡による試料の観察方法に使用される走査型電子顕微鏡であって、試料室内の試料台の温度を調節可能な温度調節装置を備えることを特徴としている。
【0039】
本発明の走査型電子顕微鏡は、前記の電子顕微鏡による試料の観察方法に使用される走査型電子顕微鏡であって、試料室に、電気センサ(表面抵抗測定、生体電気応答など)、光センサ(生体用光刺激光測定、分光センサ、光量子数測定など)、ガスセンサ(フェロモンなどの生体由来高分子測定、酸素濃度・窒素濃度測定など)、水センサ(水蒸気、表面水分量測定など)、および温度センサから選ばれる少なくとも1種のセンサを備えることを特徴としている。
【0040】
本発明の透過型電子顕微鏡は、前記の電子顕微鏡による試料の観察方法に使用される透過型電子顕微鏡であって、鏡体内の試料室に配置する試料を導入可能な予備排気室と、試料室および予備排気室を脱気する排気装置とを備えることを特徴としている。
【0041】
この透過型電子顕微鏡における好ましい態様では、予備排気室にグローブボックスを備えている。
【0042】
本発明の透過型電子顕微鏡は、前記の電子顕微鏡による試料の観察方法に使用される透過型電子顕微鏡であって、試料を配置するグリッドメッシュの両面のそれぞれに、前記蒸発抑制用組成物に電子線またはプラズマを照射して形成した重合膜を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、試料を変形させずに試料そのものの状態を損なうことなく高倍率で観察することができる。
【0044】
また、電子顕微鏡を用いて生きた生物試料を生きたままで観察することができ、動いている状態の超微細構造を観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1のSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図2】実施例2のSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図3】実施例3のSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図4】実施例4のSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図5】実施例5のTEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図6】実施例6のSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図7】実施例7のTEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図8】実施例8のSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図9】実施例9のTEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図10】実施例10のSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図11】実施例11の重合膜の写真である。
【図12】実施例11の試料表面の重合膜とSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図13】実施例12の試料表面の重合膜とSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図14】実施例13の試料表面の重合膜とSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図15】実施例14の試料表面の重合膜とSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図16】実施例15の試料表面の重合膜とSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図17】実施例16の試料表面の重合膜とSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図18】実施例17の試料表面の重合膜とSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図19】実施例18の試料表面の重合膜とSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図20】実施例19の試料表面の重合膜とSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図21】実施例20の試料表面の重合膜とSEMビデオ撮影の様子を示す写真である。
【図22】本発明の走査型電子顕微鏡の一実施形態の要部を模式的に示した図である。
【図23】本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。
【図24】本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。
【図25】本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。
【図26】本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。
【図27】本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。
【図28】本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。
【図29】本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。
【図30】本発明の透過型電子顕微鏡の一実施形態の要部を模式的に示した図である。
【図31】図30の要部を模式的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下に、本発明を詳細に説明する。

【0047】
なお、本発明において「真空」とは、例えば10-1Pa以下、さらには10-2~10-4Pa、特に10-4~10-8Paの範囲を意味する。

【0048】
本発明の蒸発抑制用組成物は、生物試料を生きたままの状態で電子顕微鏡の鏡体内に入れ、生きたままの状態で電子顕微鏡観察を行うために、生物試料の表面にバリアを形成する。

【0049】
このバリアは、真空下でも生物体内の水が乾燥されず液体状態のままで維持できる機能(水バリア性)、生体内の酸素などのガス状物質の脱気を抑える機能(ガスバリア性)を持ち、これら水/ガスバリア性能に加えて、電子顕微鏡像を得るために電子ビーム照射による電気的かつ熱的な変形変質を抑える機能(導電性/耐熱性)を併せ持つ。

【0050】
現在の光学装置や電子線装置で生物試料あるいは非生物試料を観察しようとしたとき、高真空条件下で行われる事が常であるが、この条件下では大気圧下における試料の状態とはかけ離れてしまう。試料中の水、ガス状分子を大気圧の状態のままに保持できなくなり、著しいダメージを試料に与えてしまう場合もある。もともとの形態をそのままに維持し、より高精密に観察することが求められている。すなわち、生物試料であるならば、生きたままの状態を損なう事なくライブで動的観察ができること、非生物試料であっても、含水試料の乾燥等のダメージなく観察できることである。

【0051】
本発明者らは、両親媒性化合物、油脂類、そしてイオン液体が真空下において水と空気(ガス)を保持する(水/ガスバリア機能がある)ことを見いだした。この溶液を生物試料にかけることによって、均一な保護膜が形成され、大気圧および真空下において水/ガスバリア能が発現される。

【0052】
特にこの溶液を電子顕微鏡での生物試料の観察に用いると、生物試料が電子顕微鏡の鏡体内で乾燥されずに、変形、変質を伴うことなく、生きたままの状態を維持でき、動いている様子のSEM画像を得ることができた。高倍率にしても、電子ビームによる変形や変性もなく、動いている様子を観察可能でき、帯電することもなく良好なSEM観察が可能であった。

【0053】
真空下であるにも関わらず、生物試料が生きたままでいられたことから、生体内の水は凍っていない。すなわち、減圧するのに伴う温度低下が抑制されていることも観測結果から示唆され、このことは両親媒性化合物単独や、両親媒性化合物と金属化合物または糖との併用、油脂類単独、あるいはイオン液体単独の真空下での温度測定の実験から確認している。

【0054】
この結果から、両親媒性化合物や、両親媒性化合物と金属化合物または糖との併用、油脂類、あるいはイオン液体、水/ガスバリア性能を付与する保護膜を形成することが明らかとなった。本発明者はこの水/ガスバリア性能をSurface Shielding Effect(SS効果)と唱えている。

【0055】
両親媒性化合物や、両親媒性化合物と金属化合物または糖との併用、油脂類、あるいはイオン液体が、Surface Shielding Effect(SS効果)を付与するが、これらのバリア性能とあわせて、導電性を与えること、電子線による熱的ダメージも抑制されることから、多機能なバリア性能膜として機能することも見い出される。

【0056】
本発明によれば、生物/生体試料を生きたままの状態で電子顕微鏡観察することができる。生物/生体試料の電子顕微鏡観察のための溶液を提供することに限定されず、広くSurface Shielding Effect(SS効果)を与えるSS溶液の組成について提供する。

【0057】
本発明によれば、Surface Shielding Effect(SS効果)を与えるSS溶液は、両親媒性化合物を含有し、または主成分の両親媒性化合物と、金属化合物または糖とを含有し、あるいは油脂類を含有し、あるいはイオン液体を含有するが、以下の項目に挙げるアミノ酸およびその誘導体、ビタミン類およびその誘導体、無機塩類、金属酸化物、脂肪酸およびその誘導体、導電性高分子、ナノクレイなどを任意の割合で加えてさまざまな用途に用いることが可能である。

【0058】
本発明の一つの態様によれば、SS溶液は、両親媒性化合物を主成分(基材)としている。両親媒性化合物は、例えば、界面活性剤を用いることができる。界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、天然由来の界面活性剤などのように分子構造から大きく区別されている。工業、食品、医療品など幅広い分野で用いられているが、基本的にどの界面活性剤を用いてもある一定のバリア性能は発現することができる。

【0059】
上記、界面活性剤のうち、陰イオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型に分類される。このうち、具体的には、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、α-スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルエトキシレート硫酸ナトリウムなどが挙げられ、中でも、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いることが好ましい。

【0060】
上記、界面活性剤のうち、陽イオン性界面活性剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩型、アルキルアミン型、複素環アミン型に分類される。具体的には、例えば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、セチルトリピリジニウムクロライド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。

【0061】
上記、界面活性剤のうち、非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N-メチルアルキルグルカミドなどが挙げられる。中でも、ドデシルアルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ラウロイルジエタノールアマイドの他、TritonTMX(TritonTMX-100など)、Pluronic(R) (Pluronic(R) F-123、F-68など)、Tween (Tween 20、40、60、65、80、85など)、Brij(R)(Brij(R)35、58、98など)、Span (Span 20、40、60、80、83、85)の名前で市販されているものが好ましい。

【0062】
上記、界面活性剤のうち、両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、3-(テトラデシルジメチルアミニオ)プロパン-1-スルホナートなどがあるが、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート(CHAPS)、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホナート(CHAPSO)などを用いることが好ましい。

【0063】
上記、界面活性剤のうち、天然由来の界面活性剤としては、例えば、レシチン、サポニンが好ましく、レシチンとして称される化合物のうち、具体的には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロールなどが好ましい。また、サポニンとしてはキラヤサポニンが好ましい。

【0064】
上記、界面活性剤のうち、微生物由来の両親媒性化合物(バイオサーファクタント)としては、ラムノリピド、ソフオロリピド、マンノシルエリストールリピッドなどを用いることが好ましい。

【0065】
上記、界面活性剤に例示したもの以外に、一般に公知のものとして使用されている界面活性剤のうち、特に化粧品類に用いられている界面活性剤としては、例えば、アーモンド油PEG-6、アシル(C12,14)アスパラギン酸Na、アシル(C12、14)アスパラギン酸TEA、アラキデス-20、ステアリルアルコール、アルキル(C11、13、15)硫酸ナトリウム、アルキル(C11,13,15)硫酸TEA、アルキル(C11,13,15)リン酸カリウム、アルキル(C12,13)硫酸DEA、アルキル(C12,13)硫酸ナトリウム、アルキル(C12,13)硫酸TEA、アルキル(C12,14,16)硫酸アンモニウム、アルキル(C12-14)オキシヒドロキシプロピルアルギニン塩酸塩、アルキル(C12-14)ジアミノエチルグリシン塩酸塩、アルキル(C12-14)硫酸TEA、アルキル(C12-15)硫酸TEA、アルキル(C14-18)スルホン酸ナトリウム、アルキル(C16,18)トリモニウムクロリド、アルキル(C28)トリモニウムクロリド、イソステアラミドDEA、イソステアリルアルコール、イソステアリルグリセリル、イソステアリルラウリルジモニウムクロリド、イソステアリン酸PEG-2、イソステアリン酸PEG-3、イソステアリン酸PEG-4、イソステアリン酸PEG-6、イソステアリン酸PEG-8、イソステアリン酸PEG-10、イソステアリン酸PEG-12、イソステアリン酸PEG-15グリセリル、イソステアリン酸PEG-20、イソステアリン酸PEG-20グリセリル、イソステアリン酸PEG-20水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG-20ソルビタン、イソステアリン酸PEG-30、イソステアリン酸PEG-30グリセリル、イソステアリン酸PEG-40、イソステアリン酸PEG-50水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG-58水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG-60グリセリル、イソステアリン酸PG、イソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルベス-3、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、イソステアリン酸ポリグリセリル-3、イソステアリン酸ポリグリセリル-4、イソステアリン酸ポリグリセリル-5、イソステアリン酸ポリグリセリル-6、イソステアリン酸ポリグリセリル-10、イソステアレス-2、イソステアレス-10、イソステアレス-15、イソステアレス-22、イソステアロイル加水分解コラーゲン、イソステアロイル加水分解コラーゲンAMPD、イソステアロイル乳酸ナトリウム、イソセテス-10、イソセテス-20、イソパルミチン酸オクチル、イソパルミチン酸ポリグリセリル-2、イソ酪酸酢酸スクロース、ウンデシレノイル加水分解コラーゲンカリウム、エチレンジアミンテトラキスヒドロキシイソプロピルジオレイン酸、エポキシエステル-1、エポキシエステル-2、エポキシエステル-3、エポキシエステル-4、エポキシエステル-5、エルカ酸グリセリル、オクタン酸PEG-4、ノノキシノール-14、オクチルドデセス-2、オクチルドデセス-5、オクチルドデセス-10、オクチルドデセス-30、オクテニルコハク酸デキストリンTEA、オクトキシノール-1、オクトキシノール-2エタンスルホン酸ナトリウム、オクトキシノール-10、オクトキシノール-25、オクトキシノール-70、オリーブ油PEG-6、オリゴコハク酸PEG-3-PPG-20、オレアミドDEA、オレアミンオキシド、オレイルベタイン、オレイル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸TEA、オレイン酸PEG-2、オレイン酸PEG-10、オレイン酸PEG-10グリセリル、オレイン酸PEG-15グリセリル、オレイン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-30グリセリル、オレイン酸PEG-36、オレイン酸PEG-40ソルビット、オレイン酸PEG-75、オレイン酸PEG-150、オレイン酸PG、オレイン酸スクロース、オレイン酸ヒドロキシ{ビス(ヒドロキシエチル)アミノ}プロピルオレイン酸ポリグリセリル-2、オレイン酸ポリギリセリル-5、オレイン酸ポリグリセリル-10、オレオイル加水分解コラーゲン、オレオイルサルコシン、オレオイルメチルタウリン酸ナトリウム、オレス-2、オレス-3リン酸DEA、オレス-7リン酸ナトリウム、オレス-8リン酸ナトリウム、オレス-10、オレス-10リン酸、オレス-10リン酸DEA、オレス-20、オレス-20リン酸、オレス-30、オレス-50、オレフィン(C14-16)スルホン酸ナトリウム、カチオン化加水分解コムギタンパク-1、カチオン化加水分解コムギタンパク-3、カチオン化加水分解コンキオリン-2、カチオン化加水分解ダイズタンパク-1、カチオン化加水分解ダイズタンパク-2、カチオン化加水分解ダイズタンパク-3、カチオン化デキストラン-2、カプラミドDEA、牛脂脂肪酸グリセリル、キョウニン油PEG-6、クエン酸ジステアリル、クエン酸脂肪酸グリセリル、クオタニウム-14、クオタニウム-18、クオタニウム-18ヘクトライト、クオタニウム18ベントナイト、クオタニウム-22、クオタニウム-33、コーン油PEG-6、コーン油PEG-8、コカミド、コカミドDEA、コカミドMEA、コカミドプロピルベタイン、ココアミンオキシド、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ポリオキシエチレントリデシル硫酸ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸ニナトリウム、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、ココイルアラニンTEA、ココイルアルギニンエチルPCA、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイル加水分解カゼインカリウム、ココイル加水分解ケラチンカリウム、ココイル加水分解酵母カリウム、ココイル加水分解酵母タンパクカリウム、ココイル加水分解コムギタンパクカリウム、ココイル加水分解コラーゲン、ココイル加水分解コラーゲンカリウム、ココイル加水分解コラーゲンナトリウム、ココイル加水分解コラーゲンTEA、ココイル加水分解ジャガイモタンパクカリウム、ココイル加水分解ダイズタンパクカリウム、ココイル加水分解トウモロコシタンパクカリウム、ココイル加水分解バレイショタンパクカリウム、ココイルグリシンカリウム、ココイルグリシンTEA、ココイルグルタミン酸、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルサルコシン、ココイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンTEA、ココイルタウリンナトリウム、ココイルメチルアラニン、ココイルメチルアラニンナトリウム、ココイルメチルタウリンカリウム、ココイルメチルタウリンマグネシウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ココグリセリル硫酸ナトリウム、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解シルク、ココベタイン、コハク酸PEG-50水添ヒマシ油、コハク酸脂肪酸グリセリル、コレス-10、コレス-15、酢酸イソセテス-3、酢酸セテス-3、酢酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸グリセリル、酢酸脂肪酸グリセリル、酢酸ステアリン酸スクロース、酢酸トリデセス-3、酢酸トリデセス-15、酢酸ブチル、酢酸モノステアリン酸グリセリル、酢酸ラネス-9、ジアセチル酒石酸脂肪酸グリセリル、ジアルキル(C12-15)ジモニウムクロリド、ジアルキル(C12-18)ジモニウムクロリド、ジイソステアリン酸PEG-8、ジイソステアリン酸PG、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジオレイン酸PEG-4、ジオレイン酸PEG-10、ジオレイン酸PEG-32、ジオレイン酸PEG-75、ジオレイン酸PEG-120メチルグルコース、ジオレイン酸PEG-150、ジオレイン酸PG、ジオレイン酸グリコール、ジオレイン酸ポリグリセリル-6、ジ牛脂アルキルジモニウム硫酸セルロース、ジココジモニウムクロリド、ジ酢酸ステアリン酸グリセリル、ジステアリルジモニウムクロリド、ジステアリン酸PEG-2、ジステアリン酸PEG-12、ジステアリン酸PEG-20メチルグルコース、ジステアリン酸PEG-120、ジステアリン酸PEG-250、ジステアリン酸PEG-トリメチロールプロパン、ジステアリン酸PG、ジステアリン酸PPG-20メチルグルコース、ジステアリン酸グリコール、ジステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸スクロース、ジステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ジステアリン酸ポリグリセリル-10、ジセチルジモニウムクロリド、ジセテアリルリン酸MEA、ジヒドロキシエチルステアリルベタイン、ジパルミチン酸PEG-3、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解シルク、ジヒドロコレス-15、脂肪酸(C8-22)ポリグリセリル-10、ジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールエチル、ジメチコンコポリオールブチル、ジメチルステアラミン、ジラウリン酸PEG-4、ジラウリン酸PEG-12、ジラウリン酸PEG-32、ジラウリン酸スクロース、ジラウレスー4リン酸、ジラウレス-10リン酸、ジラウロイルグルタミン酸マグネシウム、水酸化レシチン、水添ココグリセリル、水添ダイズ脂肪酸グリセリル、水添タロウアミドDEA、水添タロウグルタミン酸ニナトリウム、水添タロウグルタミン酸TEA、水添ラノリン、水添ラノリンアルコール、水添リゾレシチン、水添レシチン、ステアラミド、ステアラミドDEA、ステアラミドMEA、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミンオキシド、ステアラルコニウムクロリド、ステアラルコニウムヘクトライト、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ステアリルトリモニウムサッカリン、ステアリルトリモニウムブロミド、ステアリルベタイン、ステアリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸PEG-2、ステアリン酸PEG-6ソルビット、ステアリン酸PEG-10、ステアリン酸PEG-10グリセリル、ステアリン酸PEG-14、ステアリン酸PEG-20グリセリル、ステアリン酸PEG-23、ステアリン酸PEG-25、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-100、ステアリン酸PEG-120グリセリル、ステアリン酸PEG-150、ステアリン酸PEG-200グリセリル、ステアリン酸PG、ステアリン酸TEA、ステアリン酸グリコール、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸スクロース、ステアリン酸ステアレス-4、ステアリン酸ステアロイルジヒドロキシイソブチルアミド、ステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ポリオキシエチレンセチルエーテル、ステアリン酸ポリグリセリル-2、ステアリン酸ポリグリセリルー10、ステアリン酸/リンゴ酸グリセリル、ステアルジモニウムヒドロキシジプロピル加水分解ケラチン、ステアルジモニウムヒドロキシジプロピル加水分解コラーゲン、ステアルジモニウムヒドロキシジプロピル加水分解シルク、ステアルトリモニウムクロリド、ステアレス-2リン酸、ステアレス-3、ステアレス-10、ステアレス-16、ステアレス-50、ステアレス-80、ステアレス-100、ステアロイル加水分解コラーゲンカリウム、ステアロイル加水分解コラーゲンナトリウム、ステアロイルグルタミン酸、ステアロイルグルタミン酸ニナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ステアロイルコラミノホルミルメチルピリジウムクロリド、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、スルホコハク酸(C12-14)パレスニナトリウム、スルホコハク酸PEG-2オレアミドニナトリウム、スルホコハク酸PEG-4ココイルイソプロパノールアミドニナトリウム、スルホコハク酸PEG-5ラウラミドニナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸シトステレスー14-2ナトリウム、スルホコハク酸ラウリルニナトリウム、スルホコハク酸ラウレスニナトリウム

、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸グリセリル、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ジグリセリル、セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸メチルグルコース、セチルジメチコンコポリオール、セチルピリジウムクロリド、セチル硫酸ナトリウム、セチルリン酸DEA、セチルリン酸カリウム、セテアリルアルコール、セテアリルグルコシド・セテアリルアルコール、セテアリル硫酸ナトリウム、セテアレス-10、セテアレス-15、セテアレス-22、セテアレス-34、セテアレス-55、セテアレス-60、セテアレス-60ミリスチルグリコール、セテアレス-100、セテス-8リン酸、セテス-10、セテス-10リン酸、セテス-12、セテス-24、セテス-45、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムサッカリン、セトリモニウムプロミド、セトレス-10、セトレス-20、セトレス-25、タロウアミドMEA、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10、デカオレイン酸ポリグリセリル-10、デカステアリン酸ポリグリセリル-10、デシルグルコシド、テトラオクタン酸ジグリセロールソルビタン、テトラオレイン酸ソルベス-30、テトラオレイン酸ソルベス-40、テトラオレイン酸ソルベス-60、テトラステアリン酸ソルベス-60、ドデシルベンゼンスルホン酸TEA、トリPEG-8アルキル(C12-15)リン酸、トリ(イソステアリン酸PEG-3)トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸PEG-10グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-15水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-20水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-30グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-30水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-50グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-50水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-160ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トリオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ポリグリセリル-10、トリステアリン酸PEG-3ソルビット、トリステアリン酸PEG-140グリセリル、トリステアリン酸PEG-160ソルビタン、トリステアリン酸スクロース、トリステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ポリグリセリル-10トリデセス-三酢酸ナトリウム、トリデセス-六酢酸ナトリウム、トリデセス-9、トリデセス-10、トリデセス-11、トリデセス-20、トリデセス-21、トリヒドロキシステアリン、トリベヘン酸スクロース、トリラウリルアミン、トリラウレス-四リン酸、トリラウレス-四リン酸ナトリウム、乳酸脂肪酸グリセリル、ノニルノノキシノール-10、ノニルノノキシノール-100、ノノキシノール-3、ノノキシノール-4硫酸ナトリウム、ノノキシノール-6リン酸、ノノキシノール-6リン酸ナトリウム、ノノキシノール-10、ノノキシノール-10リン酸、ノノキシノール-23、ノノキシノール-50、ノノキシノール-120、パーフルオロアルキルPEGリン酸、パーフルオロアルキルリン酸DEA、パーム核脂肪酸アミドDEA、パーム核脂肪酸アミドエチルヒドロキシエチルアミノプロピオン酸ナトリウム、パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム脂肪酸グルタミン酸ナトリウム、パルミタミドMEA、パルミチン酸PEG-6、パルミチン酸PEG-18、パルミチン酸PEG-20、パルミチン酸スクロース、パルミチン酸ソルビタン、パルミトイルアスパラギン酸二TEA、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ピーナッツ油PEG-6、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解カゼイン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コムギタンパク、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コラーゲン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解シルク、ヒドロキシラノリン、プロピオン酸PPG-2ミリスチル、ヘプタステアリン酸ポリグリセリル-10、ヘプタデシルヒドロキシエチルカルボキシラートメチルイミダゾリニウム、ベヘナミドプロピルPGジモニウムクロリド、ベヘナミンオキシド、ベヘネス-10、ベヘネス-30、ベヘン酸グリセリル、ベヘントリモニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタオクタン酸ジグリセロールソルビタン、ペンタオレイン酸PEG-40ソルビット、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-6、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸TEA、ポリオキシエチレンエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルステアリルジエーテル、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸TEA、ポリオキシプロピレンカルボキシアルキル(C14-18)ジグルコシド、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルリン酸、ポリオキシプロピレンソルビット、ポリオレイン酸スクロース、ポリグリセリル-2オレイル、ポリステアリン酸スクロース、酢酸セチル、酢酸ラノリンアルコール、ポリバーム脂肪酸スクロース、ポリラウリン酸スクロース、ポリリシノレイン酸ポリグセリル、ポリリノール酸スクロースポロキサマー181、ポロキサマー333、ポロキサミン304、ポロキサミン901、ポロキサミン1104、ポロキサミン1302、ポロキサミン1508、マルチトールヒドロキシアルキル(C12,14)、ミリスタミドDEA、ミリスタミンオキシド、ミリスタルコニウムクロリド、ミリスチルPGヒドロキシエチルデカナミド、ミリスチルベタイン、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミリスチン酸PEG-8、ミリスチン酸PEG-20、ミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸スクロース、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ミレス-3、ミリストイル加水分解コラーゲン、ミリストイル加水分解コラーゲンカリウム、ミリストイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、ミリストイルメチルアラニンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、ミレス-3、ミレス-3硫酸ナトリウム、モノ酢酸モノステアリン酸グリセリル、ヤシ脂肪酸TEA、ヤシ脂肪酸グリセリル、ヤシ脂肪酸スクロース、ヤシ脂肪酸ソルビタン、ヤシ脂肪酸リシン、ラウラミドDEA、ラウラミドMEA、ラウラミドプロピルベタイン、ラウラミノジ酢酸ナトリウム、ラウラミノプロピオン酸、ラウラミノプロピオン酸ナトリウム、ラウラミンオキシド、ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルDEA、ラウリルイソキノリニウムサッカリン、ラウリルイソキノリニウムプロミド、ラウリルグルコシド、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルジモリニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ラウリルジモリニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ラウリルジモリニウムヒドロキシプロピル加水分解シルクラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウリルヒドロキシ酢酸アミド硫酸ナトリウム、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルピリジニウムクロリドラウリルベタイン、ラウリル硫酸DEA、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸MEA、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸TEAラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルリン酸、ラウリルリン酸ニナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリン酸PEG-2、ラウリン酸PEG-4DEA、ラウリン酸PEG-6、ラウリン酸PEG-8、ラウリン酸PEG-8グリセリル、ラウリン酸PEG-9、ラウリン酸PEG-10、ラウリン酸PEG-12グリセリル、ラウリン酸PEG-23グリセリル、ラウリン酸PEG-32、ラウリン酸PEG-75、ラウリン酸PEG-150、ラウリン酸PEGソルビット、ラウリン酸PG、ラウリン酸TEA、ラウリン酸グリセリル、ラウリン酸スクロース、ラウリン酸ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、ラウリン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸マルチトール、ラウルトリモニウムクロリド、ラウルトリモニウムプロミド、ラウレス-2-硫酸アンモニウム、ラウレス-3酢酸、ラウレス-3硫酸TEA、ラウレス-3硫酸アンモニウム、ラウレス-3リン酸、ラウレス-4リン酸、ラウレス-4リン酸ナトリム、ラウレス-4.5酢酸カリウム、ラウレス-5酢酸、ラウレス-5硫酸ナトリム、ラウレス-6酢酸、ラウレス-6酢酸ナトリム、ラウレス-7リン酸、ラウレス-9、ラウレス-10、ラウレス-10酢酸、ラウレス-10酢酸カリウム、ラウレス-16酢酸ナトリム、ラウレス-17酢酸ナトリウム、ラウレス-40、ラウレス硫酸TEA、ラウロアンホPG酢酸リン酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸、ラウロイル加水分解コラーゲンカリウム、ラウロイル加水分解コラーゲンナトリウム、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミンTEA、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデセス-2、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルグルタミン酸ジコレステリル、ラウロイルグルタミン酸ジステアレス-2、ラウロイルグルタミン酸ジステアレス-5、ラウロイルサルコシン、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンTEA、ラウロイルトレオニンカリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ラウロイルメチルアラニン、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンTEA、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ラネス-10、ラネス-25、ラネス-40、ラネス-75、ラノリン脂肪酸PEG-4、ラノリン脂肪酸PEG-12、ラノリン脂肪酸アミドDEA、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸グリセリル、ラノリン脂肪酸コレステリル、ラピリウムクロリド、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸グリセリル、リシノレイン酸スクロース、リシノレイン酸ポリオキシプロピレンソルビット、リシノレイン酸ポリグリセリル-6、リノール酸ラノリル、リノレアミドDEA、硫酸化ヒマシ油、リンゴ酸ラウラミド、ロジン加水分解コラーゲン、ロジン加水分解コラーゲンAMPDなどが挙げられる。

【0066】
上記、界面活性剤の他、フッ素系の界面活性剤を用いることもできる。具体的には、例えば、ヘプタデカフルオロ-1-オクタンスルホン酸アンモニウム、ペンタデカフルオロオクタン酸アンモニウム、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸、ヘプタデカフルオロ-1-オクタンスルホン酸リチウム、ペンタデカフルオロオクタン酸、ペンタデカフルオロオクタン酸水和物、ヘプタデカフルオロ-1-オクタンスルホン酸カリウムなどが挙げられる。

【0067】
上記、界面活性剤の他、例えば、N-長鎖アシルグルタミン酸塩、N-長鎖アシルアスパラギン酸塩、N-長鎖アシルグリシン塩、N-長鎖アシルアラニン塩、N-長鎖アシルスレオニン塩、N-長鎖アシルサルコシン塩などのN-長鎖アシル中性アミノ酸塩等のN-長鎖アシルアミノ酸塩、N-長鎖脂肪酸アシル-N-メチルタウリン塩、アルキルサルフェートおよびそのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、脂肪酸の金属塩、スルホコハク酸系界面活性剤、アルキルフォスフェートおよびそのアルキレンオキシド付加物、高級アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルヒドロキシエーテルカルボン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸などのアニオン界面活性剤、グリセリンエーテルおよびそのアルキレンオキシド付加物などのエーテル型界面活性剤、グリセリンエステルおよびそのアルキレンオキシド付加物などのエステル型界面活性剤、ソルビタンエステルおよびそのアルキレンオキシド付加物などのエーテルエステル型界面活性剤、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸アルキロールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン水添ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリン、グリセリンエステル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、アシルアミノ酸ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型界面活性剤、アルキルグルコシド類、硬化ヒマシ油ピログルタミン酸ジエステルおよびそのエチレンオキシド付加物、脂肪酸アルカノールアミドなどの含窒素型の非イオン性界面活性剤などの非イオン性界面活性剤、アルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、塩化アルキルトリメチルアンモニウム(C16-C22)、ジアルキルジメチルアンモニウムメトサルフェート塩などの脂肪族アミン塩、それらの4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩などの芳香族4級アンモニウム塩、脂肪酸アシルアルギニンエステル、N-長鎖アシルアルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩、アミドアミン類、ステアラミドプロピルジメチルアミングルタミン酸塩、ステアラミドプロピルジメチルアミン乳酸塩、ステアラミドプロピルジメチルアミンピロリドンカルボン酸塩、ベヘナミドプロピルジメチルアミングルタミン酸塩ベヘナミドプロピルジメチルアミン乳酸塩、ベヘナミドプロピルジメチルアミンピロリドンカルボン酸塩等のカチオン両親媒性化合物並びにアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン、アミノプロピオネート、カルボキシベタインなどのベタイン型両親媒性化合物、N-長鎖アシルアルギニン、N-(3-アルキル(12,14)オキシ-2-ヒドロキシプロピル)アルギニン塩酸塩、アミノカルボン酸型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤などの両性界面活性剤などを用いることもできる。

【0068】
本発明の一つの態様によれば、SS溶液は両親媒性化合物と金属化合物を含む。金属化合物としては、金属イオンを含むものであれば幅広く用いることができる。

【0069】
上記の金属化合物は、陽イオンと陰イオンからなる塩(単塩)であっても、二種類以上からなる塩(複塩)であってもよい。

【0070】
上記の金属化合物は、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩などの化合物であってもよい。具体的には、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム、塩化ストロンチウム、塩化リチウム、塩化ハフニウム、塩化鉄、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化銅、塩化コバルト、塩化硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。

【0071】
上記の金属化合物は、金属酸化物であってもよい。金属アルコキシドはMORで示される化合物であり、金属(M)とアルコキシド(RO-)(Rは炭化水素)からなる。金属(M)として、具体的には、ケイ素、チタン、アルミニウム、ホウ素、ジルコニウム、ホウ素、バナジウム、タングステン、リン、ゲルマニウム、インジウム、ハフニウム、モリブデンなどが挙げられ、種々のアルコールから金属アルコキシドが得られる。これらの金属アルコキシドをそのまま用いてもよく、これらの金属アルコキシドを酸またはアルカリ存在下でゾルゲル反応を行った反応物を用いてもよい。金属アルコキシドとしては、単一成分を用いず、二種類以上のものを混合してもよい。

【0072】
上記の金属化合物は、金属錯体であってもよい。

【0073】
本発明の別の態様によれば、SS溶液は両親媒性化合物と糖を含む。糖・両親媒性化合物の組み合わせについて、SS効果を与えることは、本発明者らによる新知見である。糖としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖、多糖類とその誘導体を配合する。具体的には、単糖類として、グルコース、フルクトースなどが挙げられる。二糖類として、スクロースなどが挙げられる他、多糖類として、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、プルラン、ペクチン、グアーガム、キサンンガム、カラギーナン、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースなどを挙げることができ、特にプルランのような多糖類が好ましい。その他、カラメル、蜂蜜、ミツロウを用いてもよい。

【0074】
また、本発明の別の態様によれば、SS溶液は油脂類を含む。

【0075】
油脂類としては、例えば、シリコンオイルなどが挙げられる。シリコンオイルは、生物試料の組織または細胞の水環境を保つ水分保持剤として機能し、これにより生きたままの生物試料の動的観察を達成する。すなわち、真空下においても組織や細胞の水が失われない、バリア性能を有する材料として用いることができる。

【0076】
シリコンオイルとしては、例えば、25℃における粘度が1~100,000mPa・sのものを使用できる。例えば、和光純薬工業「636-04001」、信越シリコーン「KF-54」、「KF-96」などが使用できる。

【0077】
シリコンオイルを用いた本発明の蒸発抑制用組成物(SS溶液)は、シリコンオイルを組成物全量に対して好ましくは10重量%以上含有し、それ以外の成分として、下記に例示したような成分を配合してもよい。

【0078】
また、本発明の別の態様によれば、SS溶液はイオン液体を含む。

【0079】
イオン液体としては、例えば、イミダゾリウム塩類、ピリジニウム塩類、ピペリジニウム塩類、ピロリジニウム塩類、四級アンモニウム塩類、ホスホニウム類、スルホニウム類、ピラゾリウム類などが挙げられる。

【0080】
イミダゾリウム塩類としては、例えば、1-アルキル-3-アルキルイミダゾリウム、1,3-ジメチルイミダゾリウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリム、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム、3-メチル-1-オクチルイミダゾリウム、1-ドデシル-3-メチルイミダゾリウム、1-ドデシル-3-メチルイミダゾリイウム、1-メチル-3-テトラデシルイミダゾリウム、1-ヘキサデシル-3-イミダゾリウム、1-オクタデシル-3-メチルイミダゾリウム、1-アリル-3-メチルイミダゾリウム1-アリル-3-エチルイミダゾリウム、1-アリル-3-ブチルイミダゾリウム、1,3-ジアリルイミダゾリウム、1-ベンジル-3-メチルイミダゾリウム、1-(2-ヒドロキシエチル)-3-メチルイミダゾリウムなどが挙げられる。

【0081】
1-アルキル-2,3-ジアルキルイミダゾリウム塩としては、例えば、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウム、1,2,3,-トリエチルイミダゾリウム、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウム、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウム、1-ヘキシル-2,3-ジメチルイミダゾリウム、1,3-ジデシル2-メチルイミダゾリウムなどが挙げられる。

【0082】
ピリジニウム塩類としては、例えば、1-メチルピリジニウム、1-エチルピリジニウム、1-ブチルピリジニウム、1-ヘキシルピリジニウム、1-エチル-3-メチルピリジニウム、1-メチル-4-メチルピリジニウム、1-プロピル-4-メチルピリジニウム、1-プロピル-3-メチルピリジニウム、1-ブチル-2-メチルピリジニウム、1-ブチル-3-メチルピリジニウム、1-エチル-3-ヒドロキシメチルピリジニウム、1-(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムなどが挙げられる。

【0083】
ピペリジニウム塩類としては、例えば、1-メチル-1-プロピルピペリジニウム、1-ブチル-1-メチルピペリジニウム、1-(メトキシエチル)-1-メチルピペリジニウムなどが挙げられる。

【0084】
ピロリジニウム塩類としては、例えば、1,1-ジメチルピロリジニウム、1-エチル-1-メチルピロリジニウム、1-メチル-1-プロピルピロリジニウム、1-ブチル-1-メチルピロリジニウム、1-(メトキシエチル)-1-メチルピロリジニウムなどが挙げられる。

【0085】
四級アンモニウム塩類としては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、エチル-ジメチル-プロピルアンモニウム、トリブチルメチルアンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモウムなどの他、コリン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-(2-メトキシエチル)アンモニウム、トリメチルアミンオキシドなどが挙げられる。

【0086】
ホスホニウム類としては、例えば、テトラブチルホスホニウム、トリブチルヘキサデシルホスホニウム、トリエチルペンチルホスホニウム、トリエチルオクチルホスホニウム、テトラオクチルホスホニウム、トリイソブチルメチルホスホニウム、トリブチルテトラデシルホスホニウム、トリエチルテトラデシルホスホニウムなどが挙げられる。

【0087】
スルホニウム類としては、例えば、トリエチルスルホニウム、ジエチルメチルスルニウムなどが挙げられる。

【0088】
ピラゾリウム類としては、例えば、1-エチル-2,3,5-トリメチルピラゾリウム、1-プロピル-2,3,5-トリメチルピラゾリウム、1-ブチル-2,3,5-トリメチルピラゾリウムなどの他、グアニジニウム、N-(メトキシエチル)-N-メチルモルホリニウムなどが挙げられる。

【0089】
上記、イオン液体と称される化合物のうち、アニオン部位は、次のようなものであってよい。すなわち、飽和/不飽和炭化水素基の他、芳香族炭化水素基、エーテル基、アルキル水酸基、クロライド、ブロマイド、アイオイド、アセテート、ラクテート、メトキシスルホネート、エトキシスルホネート、ジメトキシホスフェート、n-ブチルスルホネート、ジエトキシホスフェート、エチルスルホネート、n-ヘキシルホスフェート、ハイドロゲンホスフェート、チオシアネート、オクチルスルホネート、2-(2-メトキシエトキシ)エチルサルフェート、トリシアノメタン、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、トリフラート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリフルオロメタンスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、エチルサルフェート、パーフルオロブタンスルホネート、ジシアンアミド、トリフルオロアセテート、ホルメート、りん酸二水素イオン(ジハイドロゲンホスフェート)、炭酸水素、メチルカルボネート、ジブチルホスフェート、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、ビス[オキサレート(2-)-O,O’]ボレート、デカノエート、ビス(2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィネート、ドデシルベンゼンスルホネート、p-トリエンスルホネート、ジエチルホスホネート、ベンゾエート、チオサリシネート、テトラクロロフェラート、テトラクロロアルミネート、ヘキサフルオロアンチモネートなどであってもよい。

【0090】
また、アニオン部位は、J.Am.Chem.Soc., 2005, 127, 2398-2399に示す方法による方法でイオン交換して得られる任意のアミノ酸であってもよい。ここでいうアミノ酸はモノマーであっても、ジペプチド、オリゴペプチドであってもよい。また、非特許文献3はイミダゾリウム塩に対して1:1の割合で対イオンをなしているが、本発明におけるイオン液体については1:1の割合である必要は無い。

【0091】
また、本発明によれば、SS溶液は両親媒性化合物を含み、あるいは両親媒性化合物と金属化合物または糖とを含み、あるいは油脂類を含み、あるいはイオン液体を含むが、これらの成分に加え、以下の項目に挙げるアミノ酸およびその誘導体、多価アルコール、ビタミン類およびその誘導体、脂肪酸およびその誘導体、高分子材料などを任意の割合で加えてもよい。

【0092】
上記、SS効果を与える溶液の組成分として、アミノ酸およびその誘導体を配合しても良い。アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジンなどの単体、塩酸塩、二分子以上で結合しているもの、その高分子などが挙げられる。これらは1種単独であっても二種類以上の混合物であってもよい。さらに、これらの誘導体であってもよい。

【0093】
上記、SS効果を与える溶液の組成分として、多価アルコールおよびその誘導体を配合してもよい。水酸基を分子内にもち、低蒸気圧物質であるものが好ましい。具体的には、例えば、グリセリン、トリグリセリド、ポリレゾルシノール、ポリフェノール、タンニン酸、ウルシオールなど、上記の天然由来の両親媒性化合物で例示したもの以外のものが挙げられ、特にタンニン酸を用いることが好ましい。

【0094】
上記、SS効果を与える溶液の組成分として、ビタミン類およびその誘導体と関連物質を配合してもよい。具体的には、例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9、ビタミンB12、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、あるいはこれら誘導体が挙げられる。中でも、レチナール、β-カロテン、ビタミンB3(ニコチン酸、ニコチンアミド)、ビタミンB(ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン)、ビタミンB9(葉酸)が好ましい。この他、ビタミン誘導体としては、D-アラボアスコルビン酸、セトフラビンT、4-デオキシピリドキシン塩酸塩、ジベンゾイルチアミン、2,6-ジ-O-パルミトイル-L-アスコルビン酸、フラビンアデニンジヌクレオチド二ナトリウム水和物、(+)-5,6-O-イソプロピリデン-L-アスコルビン酸、6-O-パルミトイル-L-アスコルビン酸、プロフラビンヘミ硫酸塩水和物、ピリドキサール塩酸塩、5-りん酸ピリドキサール一水和物、ピリドキシン3,4-ジパルミタート、イソアスコルビン酸ナトリウム一水和物、チアミンジスルフィド水和物、チアミンジスルフィド硝酸塩などが挙げられる。ビタミン関連物質としては、塩化コリン、臭化コリン、くえん酸二水素コリン、重酒石酸コリンコエンザイムQ10、補酵素Qo、メチオニンメチルスルホニルクロリド、イノシトール類などが挙げられる。

【0095】
高分子材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、テフロン(登録商標)、ポリフッ化ビニリデン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、チタンイソプロポキシド、ジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。

【0096】
上記、SS効果を与える溶液の組成分として、前述したようなイオン液体を他の必須成分に加えて配合してもよい。

【0097】
上記、SS効果を与える溶液の組成分として、両親媒性化合物、金属化合物、糖など、上記に例示した成分以外に、下記の成分を配合してもよい。

【0098】
配位化合物:クラウンエーテル、シクロデキストリン、レゾルシン環状四量体、カリックスアレーン、デンドリマーなど。

【0099】
脂肪酸とその誘導体:リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノレイン酸など。

【0100】
糖と脂肪酸の誘導体:ヒアルロン酸、セラミド、両親媒性化合物、コラーゲン、アミノ酸、精油、ワセリンなど。

【0101】
ゲル化剤:Poly(pyridinium-1,4-diyliminocarbonyl-1,4-phenylenemethylene chlorideなど。

【0102】
色素:クロロフィル、カロテノイド(リコペン)、フィコビリン、メラニンなどの他、パプリカ色素、マラカイトグリーンなど。

【0103】
導電性ポリマー:ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの他、ナフィオンなど。

【0104】
ナノクレイ:Nanoclay Nanomer(R) Laponiteの名前で商品化されているものやモンモリロナイトなど。

【0105】
質量分析用試薬で主にMALDI法に用いられるマトリックス素材:3-アミノ-4-ヒドロキシ安息香酸、シナピン酸、エスクレチン、4-ヒドロキシアゾベンゼン-2'-カルボン酸、3-ヒドロキシ-2-ピリジンカルボン酸、ニコチン酸、2',4',6'-トリヒドロキシアセトフェノン、α-シアノ-4-ヒドロキシけい皮酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸など。

【0106】
本発明の蒸発抑制用組成物は、固体状態や液状であってよいが、真空下において試料組織の水環境を保持するために、液状で粘性の高い状態のものが好ましい。また、固体状態のものは、使用する際は液状態にして用いることができる。

【0107】
本発明の蒸発抑制用組成物は、例えば、上記した各成分を水、有機溶剤などに溶かして、試料に直接コートなどすると、試料の表面にごく薄い膜を形成することができる。

【0108】
本発明の蒸発抑制用組成物において、両親媒性化合物と、金属化合物および糖との配合割合は、特に限定されないが、例えば次のような組成が好ましいものとして例示される。
(1) 両親媒性化合物(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)/金属化合物(エチレンジアミンニッケル錯体)=0.005/0.001~0.05/0.01
(2) 両親媒性化合物(ドデシル硫酸ナトリウム)/金属化合物(エチレンジアミンニッケル錯体)=0.005/0.0001~0.05/0.001
(3) 両親媒性化合物(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)/金属化合物(テトラアンミンコバルト錯体)=0.005/0.001~0.05/0.01
(4) 両親媒性化合物(Tween 20)/糖(トレハロース)=3/1~20/2
(5) 両親媒性化合物(Tween 20)/糖(プルラン)=3/0.2~20/2
(6) 両親媒性化合物(Tween 20/糖(イヌリン)=3/0.1~20/7
本発明の蒸発抑制用組成物は、塗布、付着、コート、被覆などにより試料表面に適用される。例えば塗布の場合には、塗布した後、余分な液をキムワイプのような柔らかい布状の紙、ろ紙などで吸い取る。TEM観察のための試料は、媒体の塗布、付着、コート、被覆、包埋などにより処理される。

【0109】
このようにして試料表面に形成される薄膜の膜厚は、例えば、5nm~1000nmの範囲にすることができる。

【0110】
なお、上記において「生物試料」には、原核生物および真核生物が含まれる。

【0111】
原核生物には、真正細菌、古細菌が含まれる。

【0112】
真正細菌には、アシドバクテリア門、アクイフェックス門、アクチノバクテリア門、エルシミクロビウム門、カルディセリクム門、クラミジア門、クロロビウム門、クロロフレクサス門、クリシオゲネス門、サーモデスルフォバクテリウム門、サーモミクロビア門、シアノバクテリア門、ゲマティモナス門、シネルギステス門、スピロヘータ門、ディクチオグロムス門、デイノコッカス-サーマス門、テネリクテス門、デフェリバクター門、テルモトガ門、ニトロスピラ門、バクテロイデス門、フィルミクテス門、フィブロバクター門、フソバクテリア門、プランクトミケス門、プロテオバクテリア門、ウェルコミクロビウム門、レンティスファエラ門が含まれる。

【0113】
古細菌には、クレンアーキオータ門(界)、ユリアーキオータ門(界)、コルアーキオータ門(界)、ナノアーキオータ門、タウムアーキオータ門が含まれる。

【0114】
真核生物には、原生生物界、植物界、菌界 、動物界が含まれる。

【0115】
原生生物界には、藻類(緑藻、褐藻、紅藻、珪藻類、ユーグレナ植物門、クリプト植物門、渦鞭毛植物門)、原生動物(繊毛虫門、根足虫類(アメーバ、有孔虫、太陽虫、放散虫)、胞子虫門(アピコンプレクサ、微胞子虫、粘液胞子虫)、鞭毛虫(トリパノソーマ類、襟鞭毛虫、超鞭毛虫、多鞭毛虫))、その他 、変形菌門、細胞性粘菌、ラビリンチュラ、二毛菌門が含まれる。

【0116】
植物界には、緑藻門、コケ植物門、車軸藻門、維管束植物亜界 (古マツバラン門、ヒゲノカズラ門、トクサ植物門、ハナヤスリ門、シダ植物門、球果植物門(マツ門)、ソテツ門、イチョウ門、マオウ門、被子植物門(モクレン門(双子葉植物綱(モクレン綱)、単子葉植物綱(ユリ綱)))が含まれる。

【0117】
菌界には、ツボカビ門(ツボカビ)、接合菌門(ケカビ、クモノスカビ)、子嚢菌門(酵母、アカパンカビ)、担子菌門(キノコ)、不完全菌、地衣植物門が含まれる。

【0118】
動物界には、海綿動物門、平板動物門(センモウヒラムシ)、刺胞動物門(クラゲ、イソギンチャク、サンゴ)、有櫛動物門(クシクラゲ)、中生動物門(ニハイチュウ)、扁形動物門(ウズムシ、プラナリア)、紐形動物門(ヒモムシ)、顎口動物門、腹毛動物門、輪形動物門(ワムシ)、動吻動物門、鉤頭動物門、内肛動物門、線形動物門(回虫、C. elegans)、類線形動物門(ハリガネムシ)、外肛動物門、箒虫動物門、腕足動物門、軟体動物門(貝、イカ、タコ)、鰓曳動物門、星口動物門(ホシムシ)、ユムシ動物門、環形動物門(ミミズ、ゴカイ)、緩歩動物門(クマムシ)、五口動物門、有爪動物門(カギムシ)、節足動物門(鋏角亜門(ウミグモ上綱、カブトガニ上綱(カブトガニ)、クモ上綱(クモ、サソリ))、甲殻亜門(エビ、カニ)、多足亜門 (ムカデ綱(唇脚綱、ムカデ)、コムカデ綱(結合綱、コムカデ)、エダヒゲムシ綱(少脚綱、エダヒゲムシ)、ヤスデ綱(倍脚綱、ヤスデ))、六脚亜門(内顎綱、外顎綱(昆虫綱)))、有鬚動物門、棘皮動物門(ウニ、ヒトデ、クモヒトデ、ナマコ、ウミユリ)、毛顎動物門(ヤムシ)、半索動物門(ギボシムシ)、脊索動物門(尾索動物亜門(ホヤ)、頭索動物亜門(ナメクジウオ)、脊椎動物亜門(無顎上綱(ヌタウナギ綱、頭甲綱(ヤツメウナギ))、顎口上綱(軟骨魚綱(サメ、エイ、ギンザメ)、肉鰭綱(シーラカンス、ハイギョ)、条鰭綱、両生綱、爬虫綱、哺乳綱、鳥綱)))が含まれる。

【0119】
本発明の電子顕微鏡による試料の観察方法によれば、以上に説明した蒸発抑制用組成物を用いて、蒸発抑制用組成物を試料の表面に適用して薄膜を形成し、この試料を薄膜で覆い、真空下の試料室に収容されたこの薄膜で覆った試料の電子顕微鏡像を表示装置に表示することによって試料を観察することができる。

【0120】
特に、この蒸発抑制用組成物を試料の表面に適用した後、蒸発抑制用組成物を適用した試料に電子線またはプラズマを照射して、試料の表面に薄膜として重合膜(ポリマーの膜)を形成してこの重合膜で試料を覆い、真空下の試料室に収容されたこの重合膜で覆った試料の電子顕微鏡像を表示装置に表示することによって試料を観察することができる。

【0121】
この重合膜は、電子顕微鏡の試料室内において試料観察用の電子線を試料に照射することによって重合反応させ、試料の表面に形成することができる。

【0122】
あるいは、電子顕微鏡による試料観察前に予め、電子顕微鏡の試料観察用の電子線とは別途の電子線またはプラズマを試料に照射することによって重合反応させ、試料の表面に形成することができる。

【0123】
照射条件は、使用する蒸発抑制用組成物等によって適宜に選択され、特に限定されないが、一例としては、従来の前処理をせずに蒸発抑制用組成物で覆った生物試料にSEMの電子ビーム(例えば5.0kV程度)を試料室内で60分間照射することによって、高真空(例えば10-4-10-7Pa)での生きたままの生物試料のSEM観察、例えば通常のFE-SEMでの観察が可能になる。

【0124】
また、別の一例では、従来の前処理をせずに蒸発抑制用組成物で覆った生物試料に予め3分間プラズマを照射することによって、高真空での生きたままの生物試料のSEM観察やTEM観察が可能になる。

【0125】
このような電子線やプラズマの照射によって、試料の表面は、薄い重合膜で覆われる。この重合膜の厚さは、生物試料表面に形成する場合には、例えば、5nm~1000nmの範囲にすることができる。

【0126】
プラズマの照射による重合は、例えば、従来のイオンスパッタリング装置などを用いて、圧力10-3~105Pa、-20~+80℃、1~10kV DCの条件で行うことができる。あるいは、従来のプラズマ重合で用いられているような反応管のような装置や方法で行うことができる。

【0127】
本発明において、電子顕微鏡による観察のために、SEM観察のための試料は、蒸発抑制用組成物の塗布、付着、コート、被覆などにより処理される。例えば塗布の場合には、塗布した後、余分な液をキムワイプのような柔らかい布状の紙、ろ紙などで吸い取る。TEM観察のための試料は、蒸発抑制用組成物の塗布、付着、コート、被覆、包埋などにより処理される。

【0128】
本発明によれば、試料を変形させずに試料そのものの状態を損なうことなく観察できるようになる。また、電子顕微鏡を用いて生きた生物試料を生きたままで観察することができ、動いている様子を観察することができる。本発明によれば、SS効果を与える組成物は、電子顕微鏡の試料に限らず、真空中での試料の損失を押さえることができる。

【0129】
本発明の蒸発抑制用組成物は、電子顕微鏡による試料を観察するための良好な可視化剤として機能する。すなわち、生物/生体試料であるものを従来の脱水、化学固定、電子染色を施すことなく、生きたものを生きたままの状態で電子顕微鏡の鏡体内にいれることを可能にし、観察時においても、減圧下における、乾燥、氷晶、温度変化によるダメージを抑制し、かつ、試料中の水/ガスをバリアするSurface Shielding Effect(SS効果)を与える。

【0130】
また、電子線照射による帯電を防ぐなどして、真空下において、電子線照射により良好な2次電子像を与える。生きたままの試料の生きたままの状態での高い倍率で電子顕微鏡観察を可能にする。

【0131】
すなわち本発明の蒸発抑制用組成物は、電子顕微鏡による試料を観察するための良好な可視化剤として機能するため、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡での試料観察への利用に適している。

【0132】
電子顕微鏡による試料観察方法において試料を変形させずに試料そのものの形状を観察する、特に生物/生体試料においては、生きたままの状態を観察するための手段と組成物(試薬材料)を提供する。

【0133】
生物試料の表面には化学物質によって保護膜が形成される。その膜は、真空下において生物試料に含まれている水や空気(ガス状物質)が抜けていってしまうのを防ぐ。膜の形成は大気圧条件下でも真空条件下でも形成可能であり、形成された膜は真空下ではより強堅なものになる。膜の形成は一枚膜でも多層でも可能である。

【0134】
外界と内界を隔てるために、無機物質(セラミクス)で覆うなどの方法がある。この方法では、表面が硬く、試料の動きが妨げられたり、生きた試料である場合は、呼吸が妨げられ死んでしまう場合もある。これに対して本発明では、試料全体を袋のようなもので一様に覆う方法によってこれらの問題を解決している。

【0135】
本発明の蒸発抑制用組成物は、大気圧下および真空下において生物体内の水やガスなどの蒸発性のある物質に対して、バリア能を与える。その能力によって、真空下において生物内物質の蒸発を防ぐことができる。そして蒸発に伴う温度低下を引き起こさずに運動能を与え、かつ生物試料そのものの形態を維持でき、生物が活動できるための体内温度を減圧下においても維持することができる。

【0136】
本発明の蒸発抑制用組成物で試料を覆う場合、生物試料であれば生きたままのコートが可能であり、コートした後も生物は生存する。生きた生物の体表を本発明の蒸発抑制用組成物による薄膜で覆うことによって、生物試料の生きた状態を走査型電子顕微鏡でかつ生物微細表面などの構造を観察できる。

【0137】
そして本発明の蒸発抑制用組成物によれば、生きた生物の体表を覆うことによって、生物試料の生きた状態を走査型電子顕微鏡で帯電(チャージアップ)することなく直接観察を可能にする。

【0138】
また、電子顕微鏡での観察においていままでに必要とされてきた、生物/生体試料の試料作製に必要であった化学固定→導電染色→脱水→乾燥→コーティング、あるいは、化学固定→脱水→包埋→超薄切→電子染色→コーティングなどの行程を行うことなく高倍率での観察を可能にする。

【0139】
本発明の蒸発抑制用組成物は、生物試料に限らず含水試料の濡れたままの状態を試料の破壊をともなわず真空下での電子顕微鏡観察を可能にする。

【0140】
本発明の蒸発抑制用組成物は、電子顕微鏡による測定中においても試料の変形、変質を抑制し、測定の前後に置いて著しいダメージを試料に与えない。真空下において、水/ガスバリア性能、試料内の温度の著しい低下の抑制のほか、真空下において、電子線を照射しても、水/ガスバリア性能、試料内の温度の著しい低下の抑制を発現するほか、電子線照射による帯電の防止、熱的ダメージの抑制を与える。試料が生物試料である場合は、生きた状態のものを生きたままで観察でき、鏡体から出しても試料になんら変化はみられない。

【0141】
本発明において、走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡による試料観察は、これまでに知られている構成の装置によって行うことができる。

【0142】
走査型電子顕微鏡は、一般に鏡筒部(鏡体)と操作部とから構成されている。鏡筒部では、電子銃による電子線の発生、電子レンズによる電子線の絞り込み、電子プローブの整形、偏向コイルによる電子プローブの試料表面の観察領域での走査などが行われる。試料が載置される試料室は、試料台と、試料から放出された信号を検出する検出器を備えている。この鏡筒部は、清浄な真空で維持されなければならないため、目的に応じた真空排気機構が設けられる。

【0143】
操作部は、電子線の発生、電子レンズのレンズ作用、非点補正、電子プローブの試料面上での走査範囲(倍率)や走査速度などの制御を行い、また検出された信号をCRT上に映像として表示する。

【0144】
また、静止した走査型電子顕微鏡像ではノイズの少ないロースキャン画像で観察・撮影するのが一般的であったが、生きた生物試料の走査型電子顕微鏡による観察ではTVモードでの観察、すなわち動画の映像が主になる。したがって、走査型電子顕微鏡にはノイズの少ない(S/Nの小さい)TVモード画像表示・録画回路を付加し、高画質のTVモードで走査型電子顕微鏡像の表示と録画を行うことも考慮される。

【0145】
本発明において、走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡による試料観察は、これまでに知られている構成の装置によって行うこともできるが、次に説明するような新規な構成の装置は、本発明の方法に適している。

【0146】
図22は、本発明の走査型電子顕微鏡の一実施形態の要部を模式的に示した図である。この走査型電子顕微鏡(SEM)1は、鏡体内の試料室に配置する試料4を導入可能な予備排気室2と、試料室および予備排気室2を脱気する排気装置7とを備えている。

SEM1による試料観察においては、試料室の中に試料をセットして観察するが、高真空を維持するために試料室と外部との間に試料交換室として予備排気室2を設け、試料交換棒3によって試料4の出し入れを行うようにしている。

【0147】
この予備排気室2は真空ポンプ等の排気装置7と連通し、これらの間の排気通路にはニードルバルブ等の調節バルブ6が設けられ、調節バルブ6よりも排気上流側には、ピラニー真空計等の真空計5が設けられている。 このように、試料室および予備排気室2を排気装置7によって徐々に脱気できる機構を取り付け、一定の真空度を保つようにして、それぞれの真空度において別の作業が遂行できるように構成されている。

生体試料をSEM1で観察する場合に、生体試料を大気圧中から真空中に持ち込まなければならない。ところが、生体試料はもちろん、微細な構造体であっても排気時の圧力変化や風圧によって障害を受ける。したがって、大気圧からの真空排気をより穏やかにする機構を設けることが必要となる。

【0148】
そこで、この実施形態では、ロータリーポンプ領域の到達真空度までの真空排気速度を制御できるように、真空計5と調節バルブ6を組み合わせた機構をSEM1に取り付けている。 このように段階的に排気する装置(異なる真空度で使用可能)は、予備排気室2と試料室を大きくし、かつ大きい部屋に対して効率よく真空にできるように高機能の真空ポンプを設置し、かつ真空度コントロールが瞬時に行えるようにすることが好ましい。

【0149】
図23は、本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。(a)はSEM本体と電源の正面図、(b)はその側面図、(c)はグローブボックスを取り外した状態の側面図、(d)はグローブボックスを取り付けた状態の側面図、(e)はグローブボックスに不活性ガスボンベを取り付けた状態を示す斜視図である。

【0150】
この実施形態では、予備排気室2にグローブボックス12を備えている。予備排気室2にグローブボックスを設置することで、真空内での作業を行うことができる。

【0151】
(c)および(d)に示すように、電源9を取り付けたSEM1の鏡体8の下部の試料室10に、グローブボックス12を、グローブボックス12内のハウジング14内に試料フォルダー11が収容されるように横付けで設置している。

【0152】
グローブボックス12は、ゴム手袋等が取り付けられた作業用入口15と、内部を見ることができる窓部14とを有し、真空下で試料を扱う作業ができるようになっている。そして試料を覆う薄膜を大気圧に曝すことなく、試料導入部としてのグローブボックス12内から試料フォルダー11によってSEM1内の試料室に導入することが可能である。例えば、SEM1に連結されたグローブボックス12内でプラズマ重合膜を成膜することができる。

【0153】
また、グローブボックス12は、真空下でサンプルを取り扱えるほか、(e)に示すように、グローブボックス12内にアルゴンや窒素等の不活性ガスを導入可能な不活性ガスボンベ16を設置して、グローブボックス12内を不活性ガスで置換して使用することも可能である。これは、プラズマ処理等に好適である。例えば、予備排気室2内で重合反応によって試料の表面に重合膜を形成するときに、窒素、アルゴンなどの特定のガスを充填して反応をコントロールすることができる。

【0154】
図24は、本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。この実施形態では、予備排気室2に、プラズマ照射装置または電子線照射装置18を備えている。

【0155】
なお、このプラズマ照射装置または電子線照射装置18は、SEM1の試料室に設置してもよい。

【0156】
また予備排気室2は、透明なベルジャー17を備えている。この透明なベルジャー17を介して、プラズマ照射装置または電子線照射装置18からのプラズマや電子線を照射できるようになっている。

【0157】
例えば、プラズマ照射装置として、従来のイオンエッチングに使用されているような照射部分が固定されているタイプのものに加えて、照射部分が手に持って収まるようなハンディタイプのものを付加してそれぞれが使用できるようにすることもできる。さらに、プラズマの照射径を数nmから数十cmの範囲で調整できるようにして、試料4のサイズに応じて照射面積・強度を変えることができるようにすると、電流量のコントロールだけでなく、照射径自身のサイズも変更可能な装置となる。

【0158】
試料4が配置される試料台は、電子線やプラズマの照射により試料全面が均一に重合できるように、3次元的に回転する機能を有していてもよい。あるいは、試料裏面にまで重合が及ぶように、電子線あるいはプラズマが試料台を通過できるデザインを施すことができる。また、予備排気室2内での作業を映すCCDカメラを設置して、予備排気状態の試料4の様子およびプラズマ照射の様子をモニタリングすることができる。

【0159】
以上のような例などのように、予備排気室2にプラズマや電子線を様々な条件で照射できる装置を組み込むことで、プラズマ照射装置また電子線照射装置18の照射時間や電流量などのコントロールが自動もしくは手動でコントロールすることができる。

【0160】
図25は、本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。この実施形態では、試料室内部19に、試料4への作用が可能な3次元マニピュレータ装置21を備えている。

【0161】
なお、この3次元マニピュレータ装置21は、予備排気室2に設置してもよい。

【0162】
この3次元マニピュレータ装置21は、対象となる生きたままの生物等の試料の動きを制御するために(観撮影時のブレ軽減を含む)に用いられる。

【0163】
この3次元マニピュレータ装置21は、微細生体解剖、刺激、生体信号導出等にも用いることができる。

例えば、試料の移動、試料の微細解剖、または物理的もしくは化学的刺激に用いられる部材を移動するための移動機構として試料室内部19に3次元マニピュレータ装置21を設けることができる。生体試料への試薬の接触、浸透などの反応をダイナミックにSEM1で観察するには、電子線を出して2次電子像等を観察しながら反応実験を開始できる装置を必要とする。そのために、移動機構としての3次元マニピュレータ装置21を、SEM1で観察しながら試料4の微細解剖、物理的もしくは化学的刺激などを行う装置として用いることができる。 図26は、本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。この実施形態では、試料室内部19に2次電子検出器22と試料4との相対位置を3次元的に調節可能な検出位置調節機構を備えている。

【0164】
2次電子検出器22をSEM1内で移動可能にし、必要に応じ、試料4に近付けたり特別な角度で接するようにする。これにより検出2次電子の増強が可能になる。

【0165】
この検出位置調節機構は、高速度撮影装置を設置するのに適している。すなわちスキャン速度を上げることができ、スロー再生のできるTVモードのために、検出器のエリアコントロール、および検出器までのワーキングディスタンスのコントロール等を可能にし、2次電子を無駄なく集めることができる。前後の差分をとって動きを特徴化するソフトなども補間技術として適用することができる。

【0166】
図27は、本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。この実施形態では、試料室内部19に試料4の色情報を取得可能な高速度カラーカメラ23を備えている。

【0167】
本発明によれば、生きたままの試料4を観察できるようになるので、試料4の色はそのまま維持される。そこで、試料室内部19に高速度カラーカメラ23を設置し、色などの情報も記録できるようにすることで、記録した実際の色を利用し、SEM観察した像に疑似カラーとして応用することができる。

【0168】
図28は、本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。この実施形態では、試料室内部19の試料台20の温度を調節可能な温度調節装置24を備えている。

【0169】
例えば、鏡体外から試料台20の温度を-20℃~100℃の間でコントロールできる磁場の影響を受けないステージを設置することができる。具体的には、例えば、試料台20の温度を一定に(例えば37℃)する装置として、ペルチェ素子などを設置することができる。

【0170】
この温度調節装置24によって、試料台20に配置される生物試料等の試料4の温度を調節することができる。

【0171】
図29は、本発明の走査型電子顕微鏡の別の実施形態の要部を模式的に示した図である。この実施形態では、試料室内部19に、各種のセンサ25を備えている。

【0172】
センサ25としては、例えば、電気センサ、光センサ、ガスセンサ、水センサ、温度センサなどが挙げられる。また、微弱光で測定できる高感度センサ(暗視野カメラ付き)を設置することができる。

【0173】
このセンサ25によって、試料台20に配置される生物試料等の試料4の情報を得たり、物理的もしくは化学的刺激等への応答、重合反応等の監視や測定などを行うことができる。

【0174】
図30は、本発明の透過型電子顕微鏡の一実施形態の要部を模式的に示した図、図31は、図30の要部を模式的に示した斜視図である。この実施形態では、試料を配置するグリッドメッシュ33の両面のそれぞれに、前記蒸発抑制用組成物に電子線またはプラズマを照射して形成した重合膜32を有している。

【0175】
図30に示すように、サンドイッチ状のTEM用試料フォルダーは、c-リング30、o-リング31の下に、上下の重合膜32で挟まれたグリッドメッシュ33が配置されている。重合膜32は、例えば、真空グリスとO-リングにより封止することもできる。

【0176】
図31に示すように、試料の細胞34は、グリッドメッシュ33にプラズマによる重合膜32を重ね、その重合膜32上に細胞34を載せ、さらに前記蒸発抑制用組成物を塗布し、プラズマ照射して重合膜32を形成する。例えば、透過型電子顕微鏡は、図22のSEMの場合と同様に、鏡体内の試料室に配置する試料を導入可能な予備排気室と、試料室および予備排気室を脱気する排気装置とを備えることができる。また、図24のSEMの場合と同様に、試料室または予備排気室に、プラズマ照射装置または電子線照射装置を備えることができる。このようにTEMの予備排気室内でプラズマあるいは電子線重合を行えるように改良した中で、前記蒸発抑制用組成物を塗布し、プラズマ照射して重合膜32を形成することができる。プラズマの照射径を数nmから数十cmの範囲で調節することで、試料のサイズに応じて照射面積を変えることができる。また、このような方法で標的細胞および培養液を試料フォルダー内に密封することで、高真空中でも生きたまま動的解析を行うことができる。金コロイドを結合させた試料も観察可能である。また、STEM(Scanning transmission electron microscope)を改良して、TEM内に入れた生きた試料に照射される電子線量を減少させることで、長時間の観察が可能になる。
【実施例】
【0177】
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0178】
以下の実施例において、SEM観察は、典型的には、電界放射型走査電子顕微鏡(FESEM、S-4800 (Hitachi))を用いて、5.0 kVの加速電圧で行った。生物試料のダイナミックな動きを記録するために、SEMの画像データは直接にビデオ・レコーダー(Hi-band digital formatted video recorder, Pioneer, DVR-DT95)に転送した。
【実施例】
【0179】
TEM観察は、典型的には、120kVの加速電圧で、JEM-1220(JEOL)を用いて行った。
【実施例】
【0180】
プラズマ重合は、典型的には、金属ターゲットが解体されたイオンスパッタリング装置(JFC-1100, JEOL)によって行い、約1.0Paの真空レベルで、室温において1.0kV DC(8.0mA)で3分間プラズマ照射を行った。
<実施例1>
両親媒性化合物としてSodium laurylbenzenesulfonateを0.1 %水溶液として、金属化合物としてエチレンジアミンニッケル錯体を0.01wt%を使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0181】
生きたハムシを蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0182】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図1)。電子ビーム照射開始後もハムシが運動する様子が観察された。
【実施例】
【0183】
そしてSEM観察後に試料室からハムシを取り出した後も生存していた。
<実施例2>
両親媒性化合物としてSodium laurylbenzenesulfonateを0.1 %水溶液として、金属化合物としてエチレンジアミンニッケル錯体を0.01wt%を使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0184】
生きたトビムシを蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0185】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図2)。電子ビーム照射開始後もトビムシが運動する様子が観察された。
【実施例】
【0186】
そしてSEM観察後に試料室からトビムシを取り出した後も生存していた。
<実施例3>
両親媒性化合物としてTween 20を10 %水溶液として、糖としてtrehaloseを1% (w/v)、pullulanを0.1% (w/v)使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0187】
生きたネムリユスリカの幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0188】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図3)。電子ビーム照射開始後もネムリユスリカの幼虫が運動する様子が観察された。
【実施例】
【0189】
そしてSEM観察後に試料室からネムリユスリカの幼虫を取り出した後も生存し、成虫に変態した。
【実施例】
【0190】
生きたボウフラ(ヒトスジシマカ)の幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0191】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図4)。電子ビーム照射開始後もボウフラの幼虫が運動する様子が観察された。
【実施例】
【0192】
そしてSEM観察後に試料室からボウフラの幼虫を取り出した後も生存し、成虫に変態した。
<実施例5>
両親媒性化合物としてTween 20を10 %水溶液として、糖としてtrehaloseを1% (w/v)、pullulanを0.1% (w/v)使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0193】
生きたボウフラの幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0194】
その後TEM試料室に入れてビデオ撮影した(図5)。電子ビーム照射開始後もボウフラの幼虫が運動する様子が観察された。
<実施例6>
両親媒性化合物としてSodium laurylbenzenesulfonateを0.1 %水溶液として、金属化合物としてエチレンジアミンニッケル錯体を0.01wt%を使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0195】
アリをゼラチンカプセルで包み、帯電防止用カーボンテープで固定し、ゼラチンで穴を塞いだ。このようにして、アリをゼラチンカプセルに入れて内部の大気を保ちつつ、観察部位の脚のみをカプセル外に出して、蒸発抑制用組成物をこの脚部分に塗布し、生きたままのSEM観察を行った。脚部分の動きをビデオ撮影することができた(図6)。
【実施例】
【0196】
そしてSEM観察後に試料室からアリを取り出した後も生存していた。
<実施例7>
両親媒性化合物としてSodium laurylbenzenesulfonateを0.1 %水溶液として、金属化合物としてエチレンジアミンニッケル錯体を0.01wt%を使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0197】
生きたメダカの鱗を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後TEM試料室に入れてビデオ撮影した(図7)。電子ビーム照射開始後も内部の微細構造が変化する様子が観察された。
<実施例8>
両親媒性化合物としてTween 20を10 %水溶液として、糖としてtrehaloseを1% (w/v)、pullulanを0.1% (w/v)使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0198】
グッピーをマイクロチューブに飼育水ごと封入し、尾びれのみをチューブ外に出し、デンタルワックスで穴を塞いだ。このようにして、グッピーをマイクロチューブに入れて内部の大気および水系を保ちつつ、観察部位の尾びれのみをチューブ外に出して、蒸発抑制用組成物をこの尾びれ部分に塗布し、生きたままのSEM観察を行った。電子ビーム照射開始後も尾びれの動きをビデオ撮影することができた(図8)。
【実施例】
【0199】
そしてSEM観察後に試料室からグッピーを取り出した後も生存していた。
<実施例9>
両親媒性化合物としてTween 20を10 %水溶液として、糖としてtrehaloseを1% (w/v)、pullulanを0.1% (w/v)使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0200】
ヒドラ外胚葉性上皮細胞を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後TEM試料室に入れて、電子ビーム照射開始後も生きたままビデオ撮影した(図9)。図中、左が光学顕微鏡像、右がTEMのビデオ撮影像である。従来の前処理は行わずに上記の処理を行った後、直接に高真空下で3分間電子線照射(120kV)を行った。
<実施例10>
蒸発抑制用組成物として油脂類を用いた。
【実施例】
【0201】
生きたプラナリアを蒸発抑制用組成物(シリコンオイル)に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0202】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図10)。電子ビーム照射開始後もプラナリアが運動する様子が観察された。
【実施例】
【0203】
そしてSEM観察後に試料室からプラナリアを取り出した後も生存していた。
<実施例11>
両親媒性化合物として、Tween 20を用いた。自立した薄膜を作るために、50 % (v/v)のTween 20を100%エタノールに溶解し、ガラス上にスピンコーター(3000rpm, 5s) (SC8001, Aiden)を使用して広げてプラズマ重合した。重合後の薄膜は、ガラス板からエタノール中で解離させた。
【実施例】
【0204】
図11(a)は、プラズマ照射により作成した自立性の重合膜(Tween20)の光学顕微鏡像、(b)はTween 20の化学式、(c)は膜表面のAFM像、(d)は膜断面のTEM像である。(d)において矢印の間がTween 20の重合膜である。照射側の表面(矢尻の間の部分)には薄い層が形成されていた。
【実施例】
【0205】
次に、両親媒性化合物としてTween 20を1%水溶液として使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0206】
生きたボウフラの幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0207】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図12)。電子ビーム照射開始後もボウフラの幼虫が運動する様子が観察された。
【実施例】
【0208】
図12は、SEM従来像と、プラズマ照射膜(Tween20)でコートされた試料による新規SEM像である。(a)はボウフラ光学顕微鏡像、(b)~(d)はSEM従来像、(f)~(n)はプラズマ照射個体 (Tween20塗布無し (f-i), 有り (k-n) )、(e, j, o)は試料断面のTEM像である。
【実施例】
【0209】
生きたボウフラ(a, time 0)に、SEM内の高真空下で電子線を30分照射した(b-d, time 30)。矢尻は静電帯電のエリアを示す。
【実施例】
【0210】
f-iでは、1% Tween 20で覆った生きたボウフラに3分間プラズマ照射し(f, time 0)、その後SEMで30分間観察した(g-i)。
【実施例】
【0211】
k-nでは、生きたボウフラを従来のSEMで電子線照射し(kは光学顕微鏡像)、その後観察した(l-n)。
【実施例】
【0212】
b, g, lのそれぞれの四角内を拡大し(c, h, m)、さらに拡大した(d, i, n)。
【実施例】
【0213】
(e, j, o)は試料断面のTEM像であり、矢尻の間の層はプラズマ処理によって形成された重合膜である。
<実施例12>
両親媒性化合物として、TritonTMX-100を用いた。1 % (v/v)のTritonTM X-100を蒸留水に溶解し、ガラス上にスピンコーターを使用して広げてプラズマ重合し、実施例11と同様にして自立性の薄膜を得た。図13(a)は、プラズマ照射により作成した自立性の重合膜(TritonTMX-100)の光学顕微鏡像、図13(b)はTritonTM X-100の化学式である。
【実施例】
【0214】
次に、両親媒性化合物としてTritonTM X-100を1%水溶液として使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0215】
生きたボウフラの幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0216】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図13)。cは0min、dは30minでの様子を示し、dの四角内を拡大し(e)、さらに拡大した(f)。電子ビーム照射開始後もボウフラの幼虫が運動する様子が観察された。
<実施例13>
両親媒性化合物として、pluronic(R) F-127を用いた。1 % (v/v)のpluronic(R) F-127を蒸留水に溶解し、ガラス上にスピンコーターを使用して広げてプラズマ重合し、実施例11と同様にして自立性の薄膜を得た。図14(a)は、プラズマ照射により作成した自立性の重合膜(pluronic(R)F-127)の光学顕微鏡像、図14(b)はpluronic(R)F-127の化学式である。
【実施例】
【0217】
次に、両親媒性化合物としてpluronic(R) F-127を1 %水溶液として使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0218】
生きたボウフラの幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0219】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図14)。cは0min、dは30minでの様子を示し、dの四角内を拡大し(e)、さらに拡大した(f)。電子ビーム照射開始後もボウフラの幼虫が運動する様子が観察された。
<実施例14>
両親媒性化合物として、Brij(R) 35を用いた。1 % (v/v)のBrij(R) 35を蒸留水に溶解し、ガラス上にスピンコーターを使用して広げてプラズマ重合し、実施例11と同様にして自立性の薄膜を得た。図15(a)は、プラズマ照射により作成した自立性の重合膜(Brij(R) 35)の光学顕微鏡像、図15(b)はBrij(R)35の化学式である。
【実施例】
【0220】
次に、両親媒性化合物としてBrij(R) 35を1 %水溶液として使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0221】
生きたボウフラの幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0222】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図15)。cは0min、dは30minでの様子を示し、dの四角内を拡大し(e)、さらに拡大した(f)。電子ビーム照射開始後もボウフラの幼虫が運動する様子が観察された。
<実施例15>
両親媒性化合物として、CHAPSを用いた。1 % (v/v)のCHAPSを蒸留水に溶解し、ガラス上にスピンコーターを使用して広げてプラズマ重合し、実施例11と同様にして自立性の薄膜を得た。図16(a)は、プラズマ照射により作成した自立性の重合膜(CHAPS)の光学顕微鏡像、図16(b)はCHAPSの化学式である。
【実施例】
【0223】
次に、両親媒性化合物としてCHAPSを1 %水溶液として使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0224】
生きたボウフラの幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0225】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図16)。cは0min、dは30minでの様子を示し、dの四角内を拡大し(e)、さらに拡大した(f)。電子ビーム照射開始後もボウフラの幼虫が運動する様子が観察された。
<実施例16>
両親媒性化合物として、MEGA8を用いた。1 % (v/v)のMEGA8を蒸留水に溶解し、ガラス上にスピンコーターを使用して広げてプラズマ重合し、実施例11と同様にして自立性の薄膜を得た。図17(a)は、プラズマ照射により作成した自立性の重合膜(MEGA8)の光学顕微鏡像、図17(b)はMEGA8の化学式である。
【実施例】
【0226】
次に、両親媒性化合物としてMEGA8を1 %水溶液として使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0227】
生きたボウフラの幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0228】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図17)。cは0min、dは30minでの様子を示し、dの四角内を拡大し(e)、さらに拡大した(f)。電子ビーム照射開始後もボウフラの幼虫が運動する様子が観察された。
<実施例17>
両親媒性化合物として、Sodium cholateを用いた。1 % (v/v)のSodium cholateを蒸留水に溶解し、ガラス上にスピンコーターを使用して広げてプラズマ重合し、実施例11と同様にして自立性の薄膜を得た。図18(a)は、プラズマ照射により作成した自立性の重合膜(Sodium cholate)の光学顕微鏡像、図18(b)はSodium cholateの化学式である。
【実施例】
【0229】
次に、両親媒性化合物としてSodium cholateを1 %水溶液として使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0230】
生きたボウフラの幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0231】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図18)。cは0min、dは30minでの様子を示し、dの四角内を拡大し(e)、さらに拡大した(f)。電子ビーム照射開始後もボウフラの幼虫が運動する様子が観察された。
<実施例18>
両親媒性化合物として、n-Dodecyl-β-D-maltosideを用いた。1 % (v/v)のn-Dodecyl-β-D-maltosideを蒸留水に溶解し、ガラス上にスピンコーターを使用して広げてプラズマ重合し、実施例11と同様にして自立性の薄膜を得た。図19(a)は、プラズマ照射により作成した自立性の重合膜(n-Dodecyl-β-D-maltoside)の光学顕微鏡像、図19(b)はn-Dodecyl-β-D-maltosideの化学式である。
【実施例】
【0232】
次に、両親媒性化合物としてn-Dodecyl-β-D-maltosideを1 %水溶液として使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0233】
生きたボウフラの幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0234】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図19)。cは0min、dは30minでの様子を示し、dの四角内を拡大し(e)、さらに拡大した(f)。電子ビーム照射開始後もボウフラの幼虫が運動する様子が観察された。
<実施例19>
両親媒性化合物として、n-Octyl-β-D-glucosideを用いた。1 % (v/v)のn-Octyl-β-D-glucosideを蒸留水に溶解し、ガラス上にスピンコーターを使用して広げてプラズマ重合し、実施例11と同様にして自立性の薄膜を得た。図20(a)は、プラズマ照射により作成した自立性の重合膜(n-Octyl-β-D-glucoside)の光学顕微鏡像、図20(b)はn-Octyl-β-D-glucosideの化学式である。
【実施例】
【0235】
次に、両親媒性化合物としてn-Octyl-β-D-glucosideを1 %水溶液として使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0236】
生きたボウフラの幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0237】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図20)。cは0min、dは30minでの様子を示し、dの四角内を拡大し(e)、さらに拡大した(f)。電子ビーム照射開始後もボウフラの幼虫が運動する様子が観察された。
<実施例20>
イオン液体として、1,3-Diallylimidazolium bromideを用いた。1%(v/v)の1,3-Diallylimidazolium bromideを蒸留水に溶解し、ガラス上にスピンコーターを使用して広げてプラズマ重合し、実施例11と同様にして自立性の薄膜を得た。図20(a)は、プラズマ照射により作成した自立性の重合膜(1,3-Diallylimidazolium bromide)の光学顕微鏡像、図20(b)は1,3-Diallylimidazolium bromideの化学式である。
【実施例】
【0238】
次に、イオン液体として1,3-Diallylimidazolium bromideを1%水溶液として使用し、蒸発抑制用組成物を調製した。
【実施例】
【0239】
生きたボウフラの幼虫を蒸発抑制用組成物に1分間浸漬し、その後取り出して余剰分をふき取り、その体表を薄膜で覆った。
【実施例】
【0240】
その後SEM試料室に入れてビデオ撮影した(図21)。cは0min、dは30minでの様子を示し、dの四角内を拡大し(e)、さらに拡大した(f)。電子ビーム照射開始後もボウフラの幼虫が運動する様子が観察された。
【符号の説明】
【0241】
1 走査型電子顕微鏡(SEM)
2 予備排気室
3 試料交換棒
4 試料
5 真空計
6 調節バルブ
7 真空ポンプ
8 鏡体
9 電源
10 試料室
11 試料フォルダー
12 グローブボックス
13 グローブボックス内のハウジング
14 窓部
15 作業用入口
16 不活性ガスボンベ
17 ベルジャー
18 プラズマ照射装置または電子線照射装置
19 試料室内部
20 試料台
21 3次元マニピュレータ
22 2次電子検出器
23 高速度カラーカメラ
24 温度調節装置
25 センサ
30 c-リング
31 o-リング
32 重合膜
33 グリッドメッシュ
34 細胞
図面
【図22】
0
【図23】
1
【図24】
2
【図25】
3
【図26】
4
【図27】
5
【図28】
6
【図29】
7
【図1】
8
【図2】
9
【図3】
10
【図4】
11
【図5】
12
【図6】
13
【図7】
14
【図8】
15
【図9】
16
【図10】
17
【図11】
18
【図12】
19
【図13】
20
【図14】
21
【図15】
22
【図16】
23
【図17】
24
【図18】
25
【図19】
26
【図20】
27
【図21】
28
【図30】
29
【図31】
30