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明細書 :液圧駆動回路

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5668259号 (P5668259)
登録日 平成26年12月26日(2014.12.26)
発行日 平成27年2月12日(2015.2.12)
発明の名称または考案の名称 液圧駆動回路
国際特許分類 F15B  11/028       (2006.01)
F15B  11/00        (2006.01)
F15B  11/02        (2006.01)
FI F15B 11/02 K
F15B 11/00 D
F15B 11/02 B
請求項の数または発明の数 3
全頁数 12
出願番号 特願2013-548698 (P2013-548698)
出願日 平成25年7月23日(2013.7.23)
国際出願番号 PCT/JP2013/069900
国際公開番号 WO2014/017475
国際公開日 平成26年1月30日(2014.1.30)
優先権出願番号 2012164773
優先日 平成24年7月25日(2012.7.25)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成26年8月4日(2014.8.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
【識別番号】504224393
【氏名又は名称】有限会社モリ工業
発明者または考案者 【氏名】玄 相昊
【氏名】水井 晴次
【氏名】森 悦宏
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100080182、【弁理士】、【氏名又は名称】渡辺 三彦
審査官 【審査官】北村 一
参考文献・文献 特開2010-174883(JP,A)
特開昭58-046256(JP,A)
特開2007-298073(JP,A)
特開2006-292067(JP,A)
実開昭55-163505(JP,U)
調査した分野 F15B 11/02;11/00;11/028;11/04
F15B 11/17;11/08
特許請求の範囲 【請求項1】
メイン液圧ポンプから吐出された圧液を供給することによって液圧アクチュエータを駆動する液圧駆動回路であって、
前記メイン液圧ポンプから吐出された前記圧液を二方向に分岐させて前記液圧アクチュエータのそれぞれの液室へと流通させるメイン配管経路に配置され、前記液圧アクチュエータの駆動状態を切り替えるための第1バルブと、
前記メイン配管経路から前記液圧アクチュエータの一方の液室に流入され、他方の液室から排出された圧液をタンクに戻すための第2バルブと、
前記メイン液圧ポンプと前記切替弁の間で、前記メイン配管経路から分岐された分岐配管経路に配置され、該分岐配管経路に流れる圧液を用いて、前記メイン配管経路から前記液圧アクチュエータへ供給される圧液を所定分だけ増圧・増量させるサブ液圧ポンプとを備えることを特徴とする液圧駆動回路。
【請求項2】
前記サブ液圧ポンプ、前記第1バルブ、及び前記第2バルブは、マニホールドブロックによって一体化構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液圧駆動回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液圧駆動回路を複数備え、前記メイン配管経路は、前記メイン液圧ポンプから吐出された圧液を前記それぞれの液圧駆動回路へ流通させるよう分岐されていることを特徴とする液圧駆動回路。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、液圧(油圧や水圧等)駆動機械に用いられる液圧駆動回路に関し、特に高精度、高応答性が要求されるサーボアプリケーションへの適用に好適な液圧駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、「油圧ハイブリッド」や「油圧サーボ」等の技術が知られている。油圧ハイブリッド技術については、非特許文献1に記載されているように、大まかに2種類ある。一つは、従来の効率の低い油圧サーボシステムに取って代わって、従来の油圧ポンプをインバータ駆動モータやサーボモータで駆動することで、余分なエネルギーを発生することなく弁制御を可能としたハイブリッド油圧システムであり、産業界に広く普及している。
【0003】
もう一つは、主に自動車や建設機械のうち、余剰な機械エネルギーを電動機経由でバッテリーに回生するタイプのものであり、このようなタイプのものもハイブリッド型と呼ばれている。特に自動車業界ではハイブリッド車が爆発的に普及しているため、一般的にはハイブリッド=ガソリンと電気モータの複合利用という認識が高いが、海外では非特許文献2に記載されているような、油圧式ハイブリッド自動車の研究開発もなされている。これは電気モータの代わりに油圧モータを利用し、バッテリーの代わりにアキュムレータを利用することで、制動時等に得られる機械(流体)エネルギーを蓄える技術を指しており、あくまでも目的はエネルギー回生であり、後述する本発明とは技術的に異なるものである。
【0004】
次に、本発明に関連する技術として油圧サーボシステムがある(ここでサーボシステムとは位置・速度・力等の目標値に自動追尾するためのシステムを意味する)。この油圧サーボシステムとしては、非特許文献3に記載されているように、圧力・吐出量が一定である従来の弁制御型と、比較的最近のポンプ制御型に分類できる。一般に広く用いられている安価な油圧駆動回路は、メインポンプで圧油を発生し、それをバルブで絞ることにより、アクチュエータを駆動し、タンクに戻す開回路で構成されている。弁制御型のサーボシステムの代表として、アクチュエータの応答性や精度を高めるために、高性能な比例弁やサーボ弁を用いるものが挙げられる。ポンプ制御型のサーボシステムの代表例としては、可変容量ポンプをロードセンシング駆動したり、定容量ポンプの回転数をインバータモータやサーボモータで制御することで効率化を図ったものが挙げられる。また、非特許文献4に記載されているように、2つ以上のポンプをシリアルに結合することで増圧効果を得る油圧駆動回路もある。
【先行技術文献】
【0005】

【非特許文献1】西海孝夫、田中豊他、特集「油圧ハイブリッドの技術動向」、日本フルードパワーシステム学会誌、Vol.41、no.4、pp.182-253、2010.
【非特許文献2】Karl-Erik Rydberg, Hydraulic hybrids-the new generation of energyefficient drives, Proc. of ISFP, pp.899-905, 2009.
【非特許文献3】芦金石、留滄海、斉藤理人他、「N圧ハイブリッド油圧源とそれを用いた高応答高効率油圧サーボシステムに関する研究(第1報)N圧ハイブリッド油圧源の提案と効率向上の検証実験」、日本フルードパワーシステム学会論文集、Vol.42, no.3, pp.46-52, 2011.
【非特許文献4】パラレル回路とシリーズ回路、油空圧便覧、新版 日本油空圧学会編、pp.109-110
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の弁制御型の油圧サーボシステムは、高性能なサーボ弁を用いるため、導入コストとランニングコスト(絞り捨てによる熱損、目詰まりによる故障)が極めて高い。ポンプ制御型は、大元の油圧源だけを変更するだけで済むので、少しの工事の手間で省エネ効果を得ることができるが、サーボ弁なしで弁制御型と同等の応答性を達成することはできない。また、大容量インバータ・サーボモータに高いコストが掛かる。また、この考え方をよりサーボアプリケーションに特化したものとして、非特許文献1に示すように、ポンプとアクチュエータとを1対1とした電気油圧アクチュエータ(EHA)があるが、これは開回路ではなく、建設機械で広く用いられているハイドロ・スタティック・トランスミッション(HST)と同様の閉回路構成となるため、導入することはシステム総入れ替えとほぼ同義であり、導入コストが高く、また、負荷変動が激しいアプリケーションにおいて、サーボ弁による弁制御型に匹敵する応答性と精度を両立させることは困難である。また、非特許文献4のように単に複数のポンプをシリアルに結合した油圧駆動回路では増圧効果しか得ることができないとともに、コストが高くなる。
【0007】
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みてなされたものであって、プレス等の産業機器や建設機械等のモバイル用途で広く用いられている液圧駆動システムにおいて、高応答性、高精度、及び、高効率性を低コストで実現することができる液圧駆動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の液圧駆動回路は、メイン液圧ポンプから吐出された圧液を供給することによって液圧アクチュエータを駆動する液圧駆動回路であって、前記メイン液圧ポンプから吐出された前記圧液を二方向に分岐させて前記液圧アクチュエータのそれぞれの液室へと流通させるメイン配管経路に配置され、前記液圧アクチュエータの駆動状態を切り替えるための第1バルブと、前記メイン配管経路から前記液圧アクチュエータの一方の液室に流入され、他方の液室から排出された圧液をタンクに戻すための第2バルブと、前記メイン液圧ポンプと前記切替弁の間で、前記メイン配管経路から分岐された分岐配管経路に配置され、該分岐配管経路に流れる圧液を用いて、前記メイン配管経路から前記液圧アクチュエータへ供給される圧液を所定分だけ増圧・増量させるサブ液圧ポンプとを備えることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の液圧駆動回路は、前記サブ液圧ポンプ、前記第1バルブ、及び前記第2バルブが、マニホールドブロックによって一体化構成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の液圧駆動回路は、請求項1又は2に記載の液圧駆動回路を複数備え、前記メイン配管経路は、前記メイン液圧ポンプから吐出された圧液を前記それぞれの液圧駆動回路へ流通させるよう分岐されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の液圧駆動回路によれば、サブ液圧ポンプによって、メイン配管経路から液圧アクチュエータへ供給される圧液を所定分だけ増圧・増量させることができるので、液圧アクチュエータの力や速度の制御の応答性及び精度を向上させることができる。また、既存のメイン液圧ポンプと液圧アクチュエータの間に、サブ液圧ポンプと第1バルブを設けた構成であるので、低コスト且つ簡易に高性能化することができる。
【0012】
請求項2に記載の液圧駆動回路によれば、マニホールドブロックによって前記サブ液圧ポンプ、前記第1バルブ、及び前記第2バルブを一体化構成しているので、小型軽量化することができる。
【0013】
請求項3に記載の液圧駆動回路によれば、1つのメイン配管経路で全体の負荷をカバーし、液圧アクチュエータ毎の変動分をサブ液圧ポンプでカバーするため、液圧アクチュエータ側の機械重量を大幅に小型軽量化することができるので、建設機械等の駆動システムに有効に利用することができる。また、メイン液圧ポンプが配置されているメイン側の回路と、サブ液圧ポンプ、第1バルブ、第2バルブ等が配置される液圧アクチュエータ側の回路とで保守管理を分散化することができるため、設置コスト及びメンテナンスコストを大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る構成を概略的に示す液圧回路図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る構成を概略的に示す液圧回路図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る構成を概略的に示す液圧回路図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る構成を概略的に示す液圧回路図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る構成を概略的に示す液圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1の実施形態に係る液圧駆動回路1について、図面を参照しつつ説明する。液圧駆動回路1は、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液を供給することによって両ロッドシリンダ(液圧アクチュエータ)2を駆動制御するためのものである。

【0016】
液圧駆動回路1は、図1に示すようにメイン液圧ポンプPから吐出された圧液を二方向に分岐させて両ロッドシリンダ2のそれぞれの液室21、22へと流通させるメイン配管経路3にそれぞれ配置される左右の第1バルブ4(4a、4b)と、両ロッドシリンダ2から排出された圧液をタンクTへと戻すための左右の第2バルブ5(5a、5b)と、メイン液圧ポンプPと第1バルブ4a、4bの間で、メイン配管経路3から分岐された分岐配管経路6に配置される双方向回転可能なサブ液圧ポンプ7とを備えている。また、液圧駆動回路1には、詳しくは図示しないが、サブ液圧ポンプ7を回転駆動させるためのサーボモータ8や各種バルブ等の動作を制御するためのコンピュータ制御回路、手動操作回路、及び圧力センサ等の各種センサ等が適宜設けられている。

【0017】
メイン液圧ポンプPは、不図示の電動モータやエンジン等によって駆動され、メイン配管経路3へ高圧の圧液を吐出するためのものである。メイン配管経路3は、図1に示すように、二方向に分岐されており、それぞれ両ロッドシリンダ2の液室21、22に接続されている。

【0018】
左右の第1バルブ4a、4bは、メイン配管経路3のうちの左右の経路31、32にそれぞれ配置されている。この第1バルブ4a、4bとしては、切替弁、流量制御弁、圧力制御弁等を用いることができる。例えば、第1バルブ4a、4bとして切替弁を用いた場合には、左右の第1バルブ4a、4bの開閉を行うことによって、メイン配管経路3から両ロッドシリンダ2の左の液室21又は右の液室22に供給される圧液の流量を調整して、両ロッドシリンダの駆動状態(左右への駆動)を切り替える。また、メイン配管経路3から両ロッドシリンダ2の一方の液室に流入され、他方の液室から排出された圧液をタンクに戻すように第2バルブ5a、5bが設けられている。この第2バルブ5a、5bとしては、切替弁、流量制御弁、圧力制御弁等を用いることができる。

【0019】
サブ液圧ポンプ7は、サーボモータ8等の電動モータによって双方向の回転が可能なものである。このサブ液圧ポンプ7は、図1に示すように、メイン配管経路3(経路31、32)から分岐され、左の経路31と右の経路32に両端が接続されている分岐配管経路6に配置されている。サブ液圧ポンプ7は、サーボモータ8によって回転駆動されることによって分岐配管経路7に流れる圧液を用いて、メイン配管経路3から両ロッドシリンダ2の液室21、22のいずれか一方へ供給する圧液を所定分だけ増圧・増量させるものである。

【0020】
尚、本実施形態では、サブ液圧ポンプ7として双方向回転可能なものを用いる例を示しているが、これに限定されるものではなく、片方向回転可能なものを用いても良く、両ロッドシリンダ(液圧アクチュエータ)2へ供給される圧液を所定分だけ増圧・増量させることができるものであれば良い。また、本実施形態では、サブ液圧ポンプ7を駆動させるためにサーボモータ8を用いる例を示しているが、これに限定されるものではなく、他の電動モータや従来公知の駆動手段等を用いても良い。このようにサーボモータ8の代わりに、比較的低価格の電動モータを用いる場合であっても、アプリケーションに応じて容量を最適に選定することにより、容易に高性能化することができる。例えば、高速域ではメイン配管経路3の弁制御で両ロッドシリンダ2等の液圧アクチュエータを駆動し、低速域では左右の第2バルブ5a、5bを閉じることで閉回路を構成し、サブ液圧ポンプ7を駆動すれば、微速駆動できる。このように、サブ液圧ポンプ7を双方向回転型又は片方向回転型とし、複数のバルブを設けて閉回路の機能も持たせた液圧駆動回路は従来ない。従来は単に複数のポンプをシリアルに結合させただけであるので、増圧効果しか得ることができないが、液圧駆動回路1のような構成を採ることにより、低コスト且つ簡易な構成で液圧アクチュエータの力や速度の制御の応答性及び精度を向上させることができる。また、サブ液圧ポンプ7及び電動モータ8の選定にあたり、負荷変動分をカバーする最低限の性能と容量を選定すれば、大容量ポンプより小型ポンプの方が高応答であるので、1アクチュエータ-1ポンプ式で負荷を全てカバーしようとするEHA(Electro Hydrostatic Actuator)よりも大幅に低コストで、EHA以上のサーボ性能を実現することができる。

【0021】
また、サブ液圧ポンプ7、第1バルブ4a、4b、第2バルブ5a、5bをマニホールドブロック(不図示)に納めて1つのユニットとして構成することで省スペース化を図ることができる。また、本実施形態では、メイン液圧ポンプPからメイン配管経路3へ圧液を吐出しているが、全体の負荷率とサブ液圧ポンプ7の容量を考慮して最適なアキュムレータ(不図示)を設けて、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液を蓄圧するようにしても良い。これにより、小容量のポンプをメイン液圧ポンプPとして利用することができるので、装置全体の小型化を図ることができる。また、メイン液圧ポンプPを駆動する電動モータをインバータやサーボ式にすることにより、更に性能を向上させることができる。また、本実施形態では、液圧アクチュエータとして両ロッドシリンダ2を駆動する場合を示しているが、これに限定されるものではなく、液圧駆動回路1は、片ロッドシリンダ等の他の液圧アクチュエータにも適用することができる。

【0022】
以下、本実施形態に係る液圧駆動回路1を用いた場合の動作について図1を参照しつつ説明する。通常、この液圧駆動回路1では、例えば、両ロッドシリンダ2を右方向に駆動する場合には、左側の第2バルブ5aを閉じ、右側の第2バルブ5bを開いた状態で、左側の第1バルブ4aを開き、右側の第1バルブ4bを閉じることにより、圧液は、第1バルブ4aが配置されるメイン配管経路3の左の経路31から両ロッドシリンダ2の左の液室21へと流入し、右の液室22から第2バルブ5bを通ってタンクTへと戻る。

【0023】
この液圧駆動回路1において、瞬間的に両ロッドシリンダ2の力や速度を上げたい場合には、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液の圧力や流量を制御する代わりに、分岐配管経路6に配置される双方向回転可能なサブ液圧ポンプ7をサーボモータ8によって必要なトルク・回転数だけ左回転させることにより、右の経路32を流れる圧液を吸い上げて増圧し、それを左の第1バルブ4aの手前の分岐点において左の経路31を流れる圧液と合流させる。このような動作により、左の経路31を流れる圧液を増圧・増量させて両ロッドシリンダ2の左の液室21へと供給することができる。尚、両ロッドシリンダ2を左方向に駆動する場合には、開回路構成で、左側の第1バルブ4aを閉じ、右側の第1バルブ4bを開いた状態で、サブ液圧ポンプ7をサーボモータ8によって必要なトルク・回転数だけ右回転させることにより、左の経路31を流れる圧液を吸い上げて増圧し、それを右の第1バルブ4bの手前の分岐点において右の経路32を流れる圧液と合流させれば良い。いずれの場合もサーボモータ8によってサブ液圧ポンプ7を必要なだけ回転させることにより、圧液の増圧・増量を得ることができる。尚、サブ液圧ポンプ7として、例えば、片方向(左)回転可能なものを用いて、右の経路32を流れる圧液を吸い上げて増圧し、それを左の経路31を流れる圧液と合流させるようにし、右の経路32については、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液の圧力や流量を制御するように構成しても良い。

【0024】
次に、本発明の第2の実施形態に係る液圧駆動回路1aについて図2を参照しつつ説明する。尚、第1の実施形態に係る液圧駆動回路1と同様の構成等については、同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。

【0025】
液圧駆動回路1aは、図2に示すように、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液を二方向に分岐させて両ロッドシリンダ2のそれぞれの液室21、22へと流通させるメイン配管経路3にそれぞれ配置される左右の電磁切替弁(第1バルブ)4a、4bと、メイン配管経路3内の圧力を調整し、両ロッドシリンダ2から排出される圧液をタンクTへと戻すための左右の電磁リリーフ弁(第2バルブ)5a、5bと、メイン液圧ポンプPと電磁切替弁4a、4bの間で、メイン配管経路3から分岐された分岐配管経路6に配置される双方向回転可能なサブ液圧ポンプ7とを備えている。また、液圧駆動回路1aには、詳しくは図示しないが、サブ液圧ポンプ7を回転駆動させるためのサーボモータ8や各種バルブ等の動作を制御するためのコンピュータ制御回路、手動操作回路、及び圧力センサ等の各種センサ等が適宜設けられている。

【0026】
この液圧駆動回路1aでは、両ロッドシリンダ2の駆動状態を切り替えるための第1バルブとして左右の電磁切替弁4(4a、4b)を用いており、両ロッドシリンダ2から排出される圧液をタンクに戻すための第2バルブとして左右の電磁リリーフ弁5(5a、5b)を用いている。尚、本実施形態においても、サブ液圧ポンプ7を駆動させるためにサーボモータ8を用いる代わりに、他の電動モータや従来公知の駆動手段等を用いても良い。このようにサーボモータ8の代わりに、比較的低価格の電動モータを用いる場合であっても、アプリケーションに応じて容量を最適に選定することにより、容易に高性能化することができる。例えば、高速域ではメイン配管経路3の弁制御で両ロッドシリンダ2等の液圧アクチュエータを駆動し、低速域では左右の電磁リリーフ弁5a、5bを閉じることで閉回路を構成し、サブ液圧ポンプ7を駆動すれば、微速駆動できる。また、サブ液圧ポンプ7、電磁切替弁4a、4b、電磁リリーフ弁5a、5bをマニホールドブロック(不図示)に納めて1つのユニットとして構成することで省スペース化を図ることができる。また、液圧駆動回路1aでは、液圧アクチュエータとして両ロッドシリンダ2を駆動する場合を示しているが、これに限定されるものではなく、液圧駆動回路1と同様に、片ロッドシリンダ等の他の液圧アクチュエータにも適用することができる。

【0027】
以下、本実施形態に係る液圧駆動回路1aを用いた場合の動作について図2を参照しつつ説明する。通常、両ロッドシリンダ2は、電磁リリーフ弁5a、5bによってメイン配管経路3の圧力が調整された上で、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液で弁制御される。例えば、両ロッドシリンダ2を右方向に駆動する場合には、電磁リリーフ弁5a、5bによってメイン配管経路3の圧力を調整した状態で、左側の電磁切替弁4aを開き、右側の電磁切替弁4bを閉じることにより、圧液は、左のメイン配管経路31から両ロッドシリンダ2の左の液室21へと流入し、右の液室22から電磁リリーフ弁5bを通ってタンクTへと戻る。

【0028】
この液圧駆動回路1aにおいて、瞬間的に両ロッドシリンダ2の力や速度を上げたい場合には、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液の圧力や流量を制御する代わりに、分岐配管経路6に配置される双方向回転可能なサブ液圧ポンプ7をサーボモータ8によって必要なトルク・回転数だけ左回転させることにより、右の経路32を流れる圧液を吸い上げて増圧し、それを左の電磁切替弁4aの手前の分岐点において左の経路31を流れる圧液と合流させる。このような動作により、左の経路31を流れる圧液を増圧・増量させて両ロッドシリンダ2の左の液室21へと供給することができる。尚、両ロッドシリンダ2を左方向に駆動する場合には、開回路構成で、左側の電磁切替弁4aを閉じ、右側の電磁切替弁4bを開いた状態で、サブ液圧ポンプ7をサーボモータ8によって必要なトルク・回転数だけ右回転させることにより、左の経路31を流れる圧液を吸い上げて増圧し、それを右の電磁切替弁4bの手前の分岐点において右の経路32を流れる圧液と合流させれば良い。いずれの場合もサーボモータ8によってサブ液圧ポンプ7を必要なだけ回転させることにより、圧液の増圧・増量を得ることができる。

【0029】
次に、本発明の第3の実施形態に係る液圧駆動回路1bについて図3を参照しつつ説明する。尚、第1及び第2の実施形態に係る液圧駆動回路1、1aと同様の構成等については、同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。

【0030】
液圧駆動回路1bは、図3に示すように、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液を二方向に分岐させて両ロッドシリンダ2のそれぞれの液室21、22へと流通させるメイン配管経路3に配置されるパイロット切替弁(第1バルブ)4cと、両ロッドシリンダ2の一方の液室に圧液を流入させ、他方の液室から排出された圧液がタンクTへと流れるようにパイロット切替弁4cと両ロッドシリンダ2の間に配置されるパイロット切替弁9と、メイン配管経路3の圧力を調整し、パイロット切替弁9を通って流れてくる圧液をタンクTへと戻すための電磁リリーフ弁(第2バルブ)5と、メイン液圧ポンプPとパイロット切替弁4cの間で、メイン配管経路3から分岐された分岐配管経路6に配置される双方向回転可能なサブ液圧ポンプ7とを備えている。この液圧駆動回路1bでは、図2に示す第1バルブとして機能する2つの電磁切替弁4a、4bを1つのパイロット切替弁4cに置き換え、このパイロット切替弁4cと両ロッドシリンダ2の間にパイロット切替弁9を配置し、1つの電磁リリーフ弁5をタンクTへの出口に備えた構成になっている。また、液圧駆動回路1bには、詳しくは図示しないが、サブ液圧ポンプ7を回転駆動させるためのサーボモータ8や各種バルブ等の動作を制御するためのコンピュータ制御回路、手動操作回路、及び圧力センサ等の各種センサ等が適宜設けられている。

【0031】
パイロット切替弁4cは、左右のパイロット圧に差が生じることにより、メイン配管経路3から両ロッドシリンダ2へ流れる圧液の流れ方向を左右切り替えて、両ロッドシリンダ2の駆動状態(左右の駆動)を切り替えるものである。尚、本実施形態においても、サブ液圧ポンプ7を駆動させるためにサーボモータ8を用いる代わりに、他の電動モータや従来公知の駆動手段等を用いても良い。このようにサーボモータ8の代わりに、比較的低価格の電動モータを用いる場合であっても、アプリケーションに応じて容量を最適に選定することにより、容易に高性能化することができる。例えば、高速域ではメイン配管経路3の弁制御で両ロッドシリンダ2等の液圧アクチュエータを駆動し、低速域では電磁リリーフ弁5を閉じることで閉回路を構成し、サブ液圧ポンプ7を駆動すれば、微速駆動できる。また、サブ液圧ポンプ7、パイロット切替弁4c、パイロット切替弁9、電磁リリーフ弁5をマニホールドブロック(不図示)に納めて1つのユニットとして構成しても良い。また、液圧駆動回路1bでは、液圧アクチュエータとして両ロッドシリンダ2を駆動する場合を示しているが、これに限定されるものではなく、液圧駆動回路1と同様に、片ロッドシリンダ等の他の液圧アクチュエータにも適用することができる。

【0032】
以下、本実施形態に係る液圧駆動回路1bを用いた場合の動作について図3を参照しつつ説明する。通常、両ロッドシリンダ2は、メイン液圧ポンプPから発生した圧液で弁制御される。中立状態においては、メイン配管経路3内の圧力は、電磁リリーフ弁5で設定した値に保たれ、両ロッドシリンダ2はパイロット切替弁9の中央の絞りだけの抵抗が掛かっている状態である。

【0033】
この状態から両ロッドシリンダ2を右方向に動かしたい場合、電磁リリーフ弁5で必要なだけ背圧を加えた上で、サーボモータ8によってサブ液圧ポンプ7を左回転させる。すると、パイロット切替弁4cの左右パイロット圧に差圧が生じ、スプールが右に移動する。これにより、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液は、メイン配管経路3の左の経路31を通って、両ロッドシリンダ2の左の液室21に流入する。それと同時に、パイロット切替弁9の左右のパイロット圧に差が生じ、該パイロット切替弁9のスプールが右に移動する。これにより、両ロッドシリンダ2の右の液室22から押し出された圧液はパイロット切替弁9を通ってタンクTへと流れる。同様に両ロッドシリンダ2を左方向に駆動したい場合は、サーボモータ8を逆回転させれば良い。いずれの場合もサーボモータ8によってサブ液圧ポンプ7を必要なだけ回転させることにより、圧液の増圧・増量を得ることができる。

【0034】
次に、本発明の第4の実施形態に係る液圧駆動回路1cについて図4を参照しつつ説明する。尚、第1~3の実施形態に係る液圧駆動回路1~1bと同様の構成等については、同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。

【0035】
液圧駆動回路1cは、図4に示すように、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液を二方向に分岐させて両ロッドシリンダ2のそれぞれの液室21、22へと流通させるメイン配管経路3にそれぞれ配置される左右の電磁切替弁4a、4bと、両ロッドシリンダ2の一方の液室に圧液を流入させ、他方の液室から排出された圧液をタンクTに戻すように電磁切替弁(第1バルブ)4a、4bと両ロッドシリンダ2の間に配置されるパイロット切替弁9と、メイン配管経路3の圧力を調整するためのリリーフ弁(第2バルブ)5cと、タンクTへの出口に配置される電磁切替弁10と、メイン液圧ポンプPと電磁切替弁4a、4bの間で、メイン配管経路3から分岐された分岐配管経路6に配置される双方向回転可能なサブ液圧ポンプ7とを備えている。液圧駆動回路1cでは、図2の液圧駆動回路1と同様にメイン配管経路3の左の経路31と右の経路32にそれぞれ第1バルブとして機能する電磁切替弁4a、4bを設けており、この電磁切替弁4a、4bの開閉を行うことによって、メイン配管経路3から両ロッドシリンダ2に供給される圧液の流量を調整している。また、液圧駆動回路1cでは、液圧アクチュエータとして両ロッドシリンダ2を駆動する場合を示しているが、これに限定されるものではなく、液圧駆動回路1と同様に、片ロッドシリンダ等の他の液圧アクチュエータにも適用することができる。

【0036】
以下、本実施形態に係る液圧駆動回路1cを用いた場合の動作について図4を参照しつつ説明する。通常、両ロッドシリンダ2は、リリーフ弁5cによってメイン配管経路3の圧力が調整された上で、メイン液圧ポンプPから発生した圧液で弁制御される。例えば、両ロッドシリンダ2を右方向に駆動したい場合、電磁切替弁10を開いた開回路構成の状態で、左側の電磁切替弁4aを開き、右側の電磁切替弁4bを閉じる。すると、圧力差によって、パイロット切替弁9は、スプールが右に移動する。これにより、圧液は、両ロッドシリンダ2の左の液室21へと流入し、右の液室22からパイロット切替弁9と電磁切替弁10とを通ってタンクTへと戻る。

【0037】
この液圧駆動回路1cにおいて、瞬間的に両ロッドシリンダ2の力や速度を上げたい場合には、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液の圧力や流量を制御する代わりに、分岐配管経路6に配置される双方向回転可能なサブ液圧ポンプ7をサーボモータ8によって必要なトルク・回転数だけ左回転させることにより、メイン配管経路3の右の経路32を流れる圧液を吸い上げて増圧し、それを左の電磁切替弁4aの手前の分岐点においてメイン配管経路3の左の経路31を流れる圧液と合流させる。このような動作により、左の経路31を流れる圧液を増圧・増量させて両ロッドシリンダ2の左の液室21へと供給することができる。尚、両ロッドシリンダ2を左方向に駆動する場合には、開回路構成で、左側の電磁切替弁4aを閉じ、右側の電磁切替弁4bを開いた状態で、サブ液圧ポンプ7をサーボモータ8によって必要なトルク・回転数だけ右回転させることにより、メイン配管経路3の左の経路31を流れる圧液を吸い上げて増圧し、それを右の電磁切替弁4bの手前の分岐点においてメイン配管経路3の右の経路32を流れる圧液と合流させれば良い。

【0038】
また、電磁切替弁4a、4bを開いたまま、電磁切替弁10を閉じることにより、任意の時点でサブ液圧ポンプ7を用いた閉回路構成で両ロッドシリンダ2を駆動させることができる。この場合、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液のエネルギーが遮断される代わりに、外乱を受けないため、微小な力制御や微速制御に特に有効である。

【0039】
次に、本発明の第5の実施形態に係る液圧駆動回路1dについて図5を参照しつつ説明する。尚、第1~4の実施形態に係る液圧駆動回路1~1cと同様の構成等については、同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。

【0040】
液圧駆動回路1dは、1つのメイン配管経路3aに両ロッドシリンダ(液圧アクチュエータ)2とサブ液圧ポンプ7を複数接続することで、システム全体の平均的な負荷をメイン液圧ポンプPからメイン配管経路3aへと吐出される圧液のエネルギーでカバーし、それぞれの両ロッドシリンダ2の負荷のうち全体平均からの差分を双方向回転可能なサブ液圧ポンプ7による生成エネルギーでカバーするよう多軸分散制御回路として構成したものである。

【0041】
この液圧駆動回路1dは、図5に示すように、図4に示す液圧駆動回路1cを複数備えており、メイン液圧ポンプPから吐出された圧液をそれぞれの液圧駆動回路1cへ流通させるようメイン配管経路3aは分岐されている。このような液圧駆動回路1dは、建設機械等の駆動システムに有効に用いることができる。尚、図5では、液圧駆動回路1dを構成する複数の液圧駆動回路1cの一部については、その構成を省略して図示している。また、液圧駆動回路1dでは、液圧駆動回路1cを複数用いて多軸分散制御回路を構成している例を示しているが、他の液圧駆動回路1~1bを用いて多軸分散制御回路を構成するようにしても良い。また、液圧駆動回路1dでも、液圧アクチュエータとして両ロッドシリンダ2を駆動する場合を示しているが、これに限定されるものではなく、片ロッドシリンダ等の他の液圧アクチュエータにも適用することができる。

【0042】
また、本発明の実施の形態は上述の形態に限るものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0043】
1、1a~1d 液圧駆動回路
2 両ロッドシリンダ(液圧アクチュエータ)
21、22 液室
3、3a メイン配管経路
4、4a~4c 第1バルブ
5、5a~5c 第2バルブ
6 分岐配管経路
7 サブ液圧ポンプ
8 サーボモータ(電動モータ)
9 パイロット切替弁
10 電磁切替弁
P メイン液圧ポンプ
T タンク
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4