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明細書 :ナトリウムイオン二次電池用負極、ナトリウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-091699 (P2016-091699A)
公開日 平成28年5月23日(2016.5.23)
発明の名称または考案の名称 ナトリウムイオン二次電池用負極、ナトリウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池
国際特許分類 H01M   4/58        (2010.01)
H01M  10/054       (2010.01)
H01M  10/052       (2010.01)
FI H01M 4/58
H01M 10/054
H01M 10/052
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2014-222946 (P2014-222946)
出願日 平成26年10月31日(2014.10.31)
発明者または考案者 【氏名】守友 浩
【氏名】柴田 恭幸
出願人 【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100188558、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 雅人
審査請求 未請求
テーマコード 5H029
5H050
Fターム 5H029AJ02
5H029AJ03
5H029AK01
5H029AL01
5H029AL12
5H029AM03
5H029AM05
5H029AM07
5H029AM12
5H029BJ02
5H029BJ14
5H029HJ02
5H050AA02
5H050AA08
5H050BA15
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA01
5H050CB01
5H050CB12
5H050EA10
5H050EA24
5H050FA05
5H050HA02
要約 【課題】低コストで作製でき、充放電効率が高く、容量の大きいナトリウムイオン二次電池用負極およびそれを備えたナトリウムイオン二次電池、並びに、リチウムイオン二次電池用負極およびそれを備えたリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】ナトリウムイオン二次電池用負極10は、化学式NaM[Fe(CN)(式中、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。xは、0~2を表わす。yは、0~1を表わす。)で表わされるプルシャンブルー類似体を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
化学式NaM[Fe(CN)(式中、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。xは、0~2を表わす。yは、0~1を表わす。)で表わされるプルシャンブルー類似体を含むことを特徴とするナトリウムイオン二次電池用負極。
【請求項2】
請求項1に記載のナトリウムイオン二次電池用負極からなる負極と、
化学式NaM[Fe(CN)(但し、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。pは、0~2を表わす。qは、0~1を表わす。)で表わされるプルシャンブルー類似体を含み、前記負極と対をなす正極と、
ナトリウムイオンが移動可能、かつ前記正極および前記負極に接触する電解質と、
を備えたことを特徴とするナトリウムイオン二次電池。
【請求項3】
化学式NaM[Fe(CN)(式中、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。xは、0~2を表わす。yは、0~1を表わす。)で表わされるプルシャンブルー類似体を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
【請求項4】
請求項3に記載のリチウムイオン二次電池用負極からなる負極と、
化学式NaM[Fe(CN)(但し、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。pは、0~2を表わす。qは、0~1を表わす。)で表わされるプルシャンブルー類似体を含み、前記負極と対をなす正極と、
リチウムイオンが移動可能、かつ前記正極および前記負極に接触する電解質と、
を備えたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ナトリウムイオン二次電池用負極およびそれを備えたナトリウムイオン二次電池、並びに、リチウムイオン二次電池用負極およびそれを備えたリチウムイオン二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
充放電可能な二次電池において、負極に金属ナトリウムを用いたナトリウムイオン二次電池が知られている。ナトリウムイオン二次電池は、リチウムイオン二次電池を構成する希少なリチウムを、ナトリウムに代替した二次電池である。
日本は、リチウム化合物を他国からの輸入に依存しているため、リチウム化合物の供給量が不安定である。そのため、エネルギー基盤の1つである二次電池の材料として、リチウム以外の元素を用いることが望まれている。
【0003】
ナトリウムイオン二次電池では、プルシャンブルー類似体を含む電極が正極として動作することが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、リチウムイオン二次電池では、プルシャンブルー類似体を含む電極が正極として動作することが知られている。
また、ナトリウムイオン二次電池は、ハードカーボンを含む負極を用いることにより、優れた充放電サイクル特性を示すことが知られている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2013-152869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ハードカーボンを含む負極は、微量の水分が存在すると電池が動作しないため、水分の存在しない環境でナトリウムイオン二次電池を作製しなければならず、製造コストが高くなるという問題があった。
また、グラファイトやハードカーボンを含む電極は、インターカレーション反応(イオンが活物質の中に侵入する反応)により動作するが、インターカレーション反応の速度が遅いため、充放電効率が悪いという問題があった。
また、ハードカーボンを含む負極の容量は、300Ah/g程度であるが、より高いエネルギー密度の電池を実現するために、負極の容量をさらに高めたいという要望があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、低コストで作製でき、充放電効率が高く、容量の大きいナトリウムイオン二次電池用負極およびそれを備えたナトリウムイオン二次電池、並びに、リチウムイオン二次電池用負極およびそれを備えたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナトリウムイオン二次電池用負極は、化学式NaM[Fe(CN)(式中、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。xは、0~2を表わす。yは、0~1を表わす。)で表わされるプルシャンブルー類似体を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明のナトリウムイオン二次電池は、本発明のナトリウムイオン二次電池用負極からなる負極と、化学式NaM[Fe(CN)(但し、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。pは、0~2を表わす。qは、0~1を表わす。)で表わされるプルシャンブルー類似体を含み、前記負極と対をなす正極と、ナトリウムイオンが移動可能、かつ前記正極および前記負極に接触する電解質と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、化学式NaM[Fe(CN)(式中、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。xは、0~2を表わす。yは、0~1を表わす。)で表わされるプルシャンブルー類似体を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明のリチウムイオン二次電池用負極からなる負極と、化学式NaM[Fe(CN)(但し、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。pは、0~2を表わす。qは、0~1を表わす。)で表わされるプルシャンブルー類似体を含み、前記負極と対をなす正極と、リチウムイオンが移動可能、かつ前記正極および前記負極に接触する電解質と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、低コストで作製でき、充放電効率が高く、容量の大きいナトリウムイオン二次電池用負極およびそれを備えたナトリウムイオン二次電池、並びに、リチウムイオン二次電池用負極およびそれを備えたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ナトリウムイオン二次電池用負極の第1の実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】ナトリウムイオン二次電池用負極の第2の実施形態を示す概略斜視図である。
【図3】ナトリウムイオン二次電池の一実施形態を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA-A線に沿う断面図である。
【図4】実施例1のナトリウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。
【図5】実施例2のナトリウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。
【図6】実施例3のナトリウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。
【図7】比較例1のナトリウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。
【図8】実施例4のリチウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。
【図9】実施例5のリチウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。
【図10】実施例6のリチウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。
【図11】実施例7のリチウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。
【図12】実施例8のリチウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。
【図13】比較例2のリチウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のナトリウムイオン二次電池用負極およびそれを備えたナトリウムイオン二次電池、並びに、リチウムイオン二次電池用負極およびそれを備えたリチウムイオン二次電池の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。

【0014】
[ナトリウムイオン二次電池用負極]
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のナトリウムイオン二次電池用負極を示す概略斜視図である。
本実施形態のナトリウムイオン二次電池用負極10は、導電性基材11と、導電性基材11の表裏両面に形成され、負極活物質として、下記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体の粉末を含む薄膜12とを有する電極である。
また、ナトリウムイオン二次電池用負極10は、図1に示すように、例えば、矩形の平板状をなしている。

【0015】
導電性基材11の材料としては、例えば、銅、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide、ITO)等が挙げられる。

【0016】
薄膜12は、下記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体の粉末と、導電材と、バインダーと、を含む電極材料からなる。

【0017】
プルシャンブルー類似体は、下記の化学式(1)で表わされる。
NaM[Fe(CN) (1)
化学式(1)中、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。xは、0~2を表わす。yは、0~1を表わす。
このようなプルシャンブルー類似体としては、例えば、Na1.332Mn[Fe(CN)0.833.5HO、Na1.60Co[Fe(CN)0.902.9HO、Na0.71Na0.13Co[Fe(CN)0.713.8HO、Na0.68Na0.04Ni[Fe(CN)0.685.1HO、Na0.96Na0.88Cd[Fe(CN)0.964.8HO等が挙げられる。

【0018】
導電材としては、特に限定されないが、例えば、アセチレンブラック等が用いられる。

【0019】
バインダーとしては、ナトリウムイオン二次電池用負極10の性能を損なわずに、プルシャンブルー類似体の粉末と導電材を結合することができるものであれば、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が用いられる。

【0020】
次に、ナトリウムイオン二次電池用負極10の製造方法の一例を説明する。
まず、六シアン化コバルト三カリウム(K[Co(CN)])の濃度が20mmol/Lの水溶液と、硝酸鉄(III)(Fe(NO)の濃度が20mmol/Lの水溶液とを調製する。

【0021】
次いで、これら2つの水溶液を混合して、K[Co(CN)]の濃度が10mmol/L、Fe(NOの濃度が10mmol/Lの混合溶液とし、その混合溶液を撹拌しながら、K[Co(CN)]とFe(NOを24時間反応させる。その後、混合溶液を、室温(300K)で1週間静置する。

【0022】
次いで、上記の混合溶液を、アスピレーター、ダイアフラムポンプ、ロータリーポンプ等を用いて濾過し、固形分(粉末)を回収する。
次いで、得られた粉末を、室温(300K)で24時間乾燥し、プルシャンブルー類似体の粉末を得る。

【0023】
次いで、プルシャンブルー類似体の粉末(140mg)を乳鉢で40分間磨り潰す。
次いで、プルシャンブルー類似体の粉末と、アセチレンブラック(40mg)とを乳鉢で20分間混合する。

【0024】
また、ポリフッ化ビニリデン(20mg)とN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(0.4mL)を混合し、その混合物をペンシルミキサーで撹拌し、その混合物を、凝集体がなくなるまで混合する。

【0025】
次いで、ポリフッ化ビニリデンとN,N-ジメチルホルムアミドの混合物に、プルシャンブルー類似体の粉末とアセチレンブラックの混合物を加え、さらに、N,N-ジメチルホルムアミド(0.4ml)を徐々に加え、その混合物をペンシルミキサーで撹拌し、その混合物を、20分間混合し、負極材料のペーストを調製する。

【0026】
次いで、オゾン処理した、矩形の平板状をなす厚さ20μmの導電性基材の表裏両面に、負極材料のペーストを、塗布後の厚さが101.6μmとなるように塗布する。
次いで、負極材料のペーストが塗布された導電性基材を、真空乾燥機を用いて、100℃で2時間乾燥することにより、導電性基材11の表裏両面に、上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体の粉末を含む薄膜12が形成されたナトリウムイオン二次電池用負極10を得る。

【0027】
本実施形態のナトリウムイオン二次電池用負極10は、ハードカーボンを用いないため、水分の存在する環境下でも容易、かつ低コストで作製することができる。
また、本実施形態のナトリウムイオン二次電池用負極10は、薄膜12が上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体を含むため、インターカレーション反応の速度が速く、充放電効率に優れている。
また、本実施形態のナトリウムイオン二次電池用負極10は、薄膜12が上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体を含むため、従来のハードカーボンを用いた負極よりも容量が大きい。

【0028】
(第2の実施形態)
図2は、本実施形態のナトリウムイオン二次電池用負極を示す概略斜視図である。
本実施形態のナトリウムイオン二次電池用負極20は、導電性基材21と、導電性基材21の表裏両面に、電界析出法により形成され、上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体からなる薄膜22とを有する電極である。
また、ナトリウムイオン二次電池用負極20は、図2に示すように、例えば、矩形の平板状をなしている。

【0029】
導電性基材21の材料としては、上述の第1の実施形態と同様のものが用いられる。
薄膜22は、上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体で形成されている。

【0030】
次に、ナトリウムイオン二次電池用負極20の製造方法の一例を説明する。
本実施形態では、薄膜22を、電界析出法により形成する。
まず、K[Co(CN)]の濃度が10mmol/L、Fe(NOの濃度が15mmol/L、塩化ナトリウム(NaCl)の濃度が1mol/Lの水溶液を調製する。

【0031】
次いで、この水溶液に、ITOからなる作用極(導電性基材21)と、白金からなる対極と、Ag/AgClからなる標準電極とを浸漬し、作用極と対極に-1Vの電圧を、30分間印加する。
これにより、作用極(導電性基材21)の表裏両面に、上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体からなる、厚さ1.7μmの薄膜22が形成されたナトリウムイオン二次電池用負極20を得る。

【0032】
本実施形態のナトリウムイオン二次電池用負極20は、ハードカーボンを用いないため、水分の存在する環境下でも容易、かつ低コストで作製することができる。
また、本実施形態のナトリウムイオン二次電池用負極20は、薄膜22が上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体からなるため、インターカレーション反応の速度が速く、充放電効率に優れている。
また、本実施形態のナトリウムイオン二次電池用負極20は、薄膜22が上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体からなるため、従来のハードカーボンを用いた負極よりも容量が大きい。

【0033】
[ナトリウムイオン二次電池]
図3は、本実施形態のナトリウムイオン二次電池を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA-A線に沿う断面図である。
なお、図3(b)において、構成の理解を容易にするために、全体の断面ではなく、一部を模式的に記載している。
本実施形態のナトリウムイオン二次電池30は、上述のナトリウムイオン二次電池用負極10またはナトリウムイオン二次電池用負極20からなる負極31と、上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体を含み、負極31と対をなす正極32と、電解質33とを備えてなる二次電池である。

【0034】
また、ナトリウムイオン二次電池30は、負極31、正極32、電解質33等を包囲する円筒状のケース34を有する。
ケース34は、導電性の材料の一例としてのアルミニウムにより構成された負極部35と、負極部35の外表面を覆う絶縁材料製の絶縁チューブ36とを有する。
負極部35は、円筒状の筒部35aと、筒部35aの下端に支持された円板状の負極端子部35bと、筒部35aの上端に支持された円板状の上板部35cとを有する。上板部35cの中央部には、正極端子部を支持する部位の一例としての正極支持孔35dが形成されている。正極支持孔35dには、絶縁性のパッキング37を介して、正極端子部38が支持されている。

【0035】
ケース34の内部には、複数の正極32と、複数の負極31と、正極32と負極31との間に配置されたセパレータ(電解質)33と、が配置されている。各正極32および各負極31は、同心円筒状に交互に配置されており、各正極32と各負極31との間に同心円筒状のセパレータ33が配置されている。また、各正極32は、タブ39により正極端子部38に電気的に接続されている。また、各負極31は、タブ40により負極部35に電気的に接続されている。また、各セパレータ33は、下端が円板状の板部33aに接続され、一体化されている。
なお、本実施形態では、セパレータに電解質が保持されているため、セパレータと電解質を同一符合33で示す。

【0036】
正極32は、下記の化学式(2)で表わされるプルシャンブルー類似体を含む。
NaM[Fe(CN) (2)
化学式(2)中、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。pは、0~2を表わす。qは、0~1を表わす。
このようなプルシャンブルー類似体としては、例えば、Na1.332Mn[Fe(CN)0.833.5HO、Na1.60Co[Fe(CN)0.902.9HO、Na0.71Na0.13Co[Fe(CN)0.713.8HO、Na0.68Na0.04Ni[Fe(CN)0.685.1HO、Na0.96Na0.88Cd[Fe(CN)0.964.8HO等が挙げられる。

【0037】
本実施形態において、正極32が、上記の化学式(2)で表わされるプルシャンブルー類似体を含むとは、上述のナトリウムイオン二次電池用負極10と同様に、正極32が、導電性基材と、導電性基材の表裏両面に形成され、正極活物質として、上記の化学式(2)で表わされるプルシャンブルー類似体の粉末を含む薄膜とを有する電極であることを言う。あるいは、上述のナトリウムイオン二次電池用負極20と同様に、正極32が、導電性基材と、導電性基材の表裏両面に形成され、上記の化学式(2)で表わされるプルシャンブルー類似体からなる薄膜とを有する電極であることを言う。

【0038】
セパレータ33は、正極32と負極31とを隔離するとともに、電解質を保持してナトリウムイオンを透過させることが可能な従来公知の材料が用いられる。セパレータ33としては、例えば、ナトリウムイオン伝導性を示す固体電解質であるベータアルミナや、ナトリウムイオンが透過可能なナフィオン(登録商標)膜等の従来公知の材料が挙げられる。

【0039】
なお、本実施形態では、固体電解質としてのセパレータ33を例示したが、本実施形態はこれに限定されない。電解質としては、液体の電解質、例えば、過塩素酸ナトリウム(NaClO)を溶解した炭酸プロピレン(PC)や、炭酸エチレン(EC)と炭酸ジエチル(DEC)を体積比1:1で混合した溶液等の任意の電池用の電解質を使用することもできる。

【0040】
ナトリウムイオン二次電池30では、正極32と負極31との間における、ナトリウムイオン(Na)や電子の移動に伴って、充電・放電が行われる。
充電時の正極32、負極31における化学反応は、例えば、以下の通りとなる。
(正極32)NaM[Fe(CN) → M[Fe(CN) + pNa + pe (但し、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。pは、0~2を表わす。qは、0~1を表わす。)
(負極31)NaM[Fe(CN) + pNa + pe → Nax+p-M-Fe-(CN)6y (但し、xは、0~2を表わす。yは、0~1を表わす。pは、0~2を表わす。)

【0041】
本実施形態のナトリウムイオン二次電池30は、上述のナトリウムイオン二次電池用負極10またはナトリウムイオン二次電池用負極20からなる負極31と、上記の化学式(2)で表わされるプルシャンブルー類似体を含む正極32とを備えており、負極31にハードカーボンが含まれていないため、電解質に水分が含まれていても、動作することができる。
また、本実施形態のナトリウムイオン二次電池30は、上述のナトリウムイオン二次電池用負極10またはナトリウムイオン二次電池用負極20からなり、従来のハードカーボンを用いた負極よりも容量が大きい負極31を備えているため、従来のナトリウムイオン二次電池よりもエネルギー密度が高い。

【0042】
[リチウムイオン二次電池用負極]
(第1の実施形態)
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、導電性基材と、導電性基材の表裏両面に形成され、負極活物質として、上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体の粉末を含む薄膜とを有する電極である。すなわち、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、上述のナトリウムイオン二次電池用負極10と同様の構成をなしている。

【0043】
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、上述のナトリウムイオン二次電池用負極10と同様に製造することができる。

【0044】
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、ハードカーボンを用いないため、水分の存在する環境下でも容易、かつ低コストで作製することができる。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、薄膜が上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体を含むため、インターカレーション反応の速度が速く、充放電効率に優れている。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、薄膜が上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体を含むため、従来のハードカーボンを用いた負極よりも容量が大きい。

【0045】
(第2の実施形態)
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、導電性基材と、導電性基材21の表裏両面に、電界析出法により形成され、上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体からなる薄膜22とを有する電極である。すなわち、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、上述のナトリウムイオン二次電池用負極20と同様の構成をなしている。

【0046】
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、上述のナトリウムイオン二次電池用負極20と同様に製造することができる。

【0047】
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、ハードカーボンを用いないため、水分の存在する環境下でも容易、かつ低コストで作製することができる。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、薄膜が上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体からなるため、インターカレーション反応の速度が速く、充放電効率に優れている。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、薄膜が上記の化学式(1)で表わされるプルシャンブルー類似体からなるため、従来のハードカーボンを用いた負極よりも容量が大きい。

【0048】
[リチウムイオン二次電池]
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、上述のリチウムイオン二次電池用負極の第1の実施形態またはリチウムイオン二次電池用負極の第2の実施形態からなる負極と、上記の化学式(2)で表わされるプルシャンブルー類似体を含み、負極と対をなす正極と、電解質とを備えてなる二次電池である。すなわち、本実施形態のリチウムイオン二次電池は、上述のナトリウムイオン二次電池30と同様の構成をなしている。

【0049】
本実施形態におけるセパレータは、正極と負極とを隔離するとともに、電解質を保持してリチウムイオンを透過させることが可能な従来公知の材料が用いられる。セパレータとしては、例えば、リチウムイオン伝導性を示す固体電解質であるLiS-GeS-Pや、リチウムイオンが透過可能なポリオレフィン多孔質膜等の従来公知の材料が挙げられる。

【0050】
本実施形態のリチウムイオン二次電池では、正極と負極との間における、リチウムイオン(Li)や電子の移動に伴って、充電・放電が行われる。
充電時の正極、負極における化学反応は、例えば、以下の通りとなる。
(正極)NaM[Fe(CN) → M[Fe(CN) + pNa + pe (但し、Mは、Fe、Co、Ni、MnまたはCdを表わす。pは、0~2を表わす。qは、0~1を表わす。)
(負極)NaM[Fe(CN) + pLi + pe → Na-Li-M-Fe-(CN)6y (但し、xは、0~2を表わす。yは、0~1を表わす。pは、0~2を表わす。)

【0051】
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、上述のリチウムイオン二次電池用負極の第1の実施形態またはリチウムイオン二次電池用負極の第2の実施形態からなる負極と、上記の化学式(2)で表わされるプルシャンブルー類似体を含む正極とを備えており、負極にハードカーボンが含まれていないため、電解質に水分が含まれていても、動作することができる。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池は、上述のリチウムイオン二次電池用負極の第1の実施形態またはリチウムイオン二次電池用負極の第2の実施形態からなり、従来のハードカーボンを用いた負極よりも容量が大きい負極を備えているため、従来のリチウムイオン二次電池よりもエネルギー密度が高い。
【実施例】
【0052】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0053】
「実施例1」
(薄膜の形成)
[Fe(CN)]の濃度が0.8mmol/L、Co(NOの濃度が0.5mmol/L、NaNOの濃度が5.0mol/Lの水溶液を調製した。
次いで、この水溶液に、ITO基板からなる作用極と、白金からなる対極と、Ag/AgClからなる標準電極とを浸漬し、作用極と対極に-1Vの電圧を、30分間印加した。
これにより、作用極の表裏両面に、厚さ1μmの薄膜を形成した。
【実施例】
【0054】
(薄膜の評価)
ICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy、ICP-AES)とCHN有機元素分析とを組み合わせて、得られた薄膜の組成を分析した。その結果、実施例1の薄膜は、Na1.60Co[Fe(CN)0.902.9HOからなることが確認された。
また、実施例1の薄膜を形成するNa1.60Co[Fe(CN)0.902.9HOを、X線回折法で分析した結果、Na1.60Co[Fe(CN)0.902.9HOの結晶構造は、プルシャンブルー類似体特有の面心立方格子であることが確認された。
【実施例】
【0055】
(充放電特性の評価)
実施例1の薄膜が形成されたITO基板を正極とし、金属ナトリウムを負極としたビーカー型の二端子セルを用い、電解質として、過塩素酸ナトリウムの濃度を1mol/Lとした炭酸プロピレン溶液を用いて、実施例1のナトリウムイオン二次電池を作製した。
電解質に正極と負極を浸漬し、充放電特性を測定した。結果を、図4に示す。
図4の結果から、初期容量は900mAh/gであり、200mAh/g程度の可逆容量を示すことが分かった。また、容量を200mAh/gとみなした場合、充放電レートは0.4C、放電電位は1.0V、充電電位は1.0Vであることが分かった。
【実施例】
【0056】
「実施例2」
(薄膜の形成)
[Fe(CN)]の濃度が0.5mmol/L、Ni(NOの濃度が0.5mmol/L、NaNOの濃度が1.0mol/Lの水溶液を調製した。
次いで、この水溶液に、ITO基板からなる作用極と、白金からなる対極と、Ag/AgClからなる標準電極とを浸漬し、作用極と対極に-1Vの電圧を、30分間印加した。
これにより、作用極の表裏両面に、厚さ1μmの薄膜を形成した。
【実施例】
【0057】
(薄膜の評価)
実施例1と同様にして、得られた薄膜の組成を分析した。その結果、実施例2の薄膜は、Na0.68Na0.04Ni[Fe(CN)0.685.1HOからなることが確認された。
また、実施例1と同様にして、Na0.68Na0.04Ni[Fe(CN)0.685.1HOの結晶構造を分析した。その結果、Na0.68Na0.04Ni[Fe(CN)0.685.1HOの結晶構造は、プルシャンブルー類似体特有の面心立方格子であることが確認された。
【実施例】
【0058】
(充放電特性の評価)
実施例1と同様にして、実施例2のナトリウムイオン二次電池を作製し、充放電特性を測定した。結果を、図5に示す。
図5の結果から、初期容量は700mAh/gであり、200mAh/g程度の可逆容量を示すことが分かった。また、容量を200mAh/gとみなした場合、充放電レートは0.4C、放電電位は1.0V、充電電位は1.0Vであることが分かった。
【実施例】
【0059】
「実施例3」
(薄膜の形成)
[Fe(CN)]の濃度が1.0mmol/L、MnClの濃度が1.5mmol/L、NaClの濃度が1.0mol/Lの水溶液を調製した。
次いで、この水溶液に、ITO基板からなる作用極と、白金からなる対極と、Ag/AgClからなる標準電極とを浸漬し、作用極と対極に-1Vの電圧を、30分間印加した。
これにより、作用極の表裏両面に、厚さ1μmの薄膜を形成した。
【実施例】
【0060】
(薄膜の評価)
実施例1と同様にして、得られた薄膜の組成を分析した。その結果、実施例3の薄膜は、Na0.96Na0.88Cd[Fe(CN)0.964.8HOからなることが確認された。
また、実施例1と同様にして、Na0.96Na0.88Cd[Fe(CN)0.964.8HOの結晶構造を分析した。その結果、Na0.96Na0.88Cd[Fe(CN)0.964.8HOの結晶構造は、プルシャンブルー類似体特有の面心立方格子であることが確認された。
【実施例】
【0061】
(充放電特性の評価)
実施例1と同様にして、実施例3のナトリウムイオン二次電池を作製し、充放電特性を測定した。結果を、図6に示す。
図6の結果から、初期容量は600mAh/gであり、100mAh/g程度の可逆容量を示すことが分かった。また、容量を100mAh/gとみなした場合、充放電レートは0.3C、放電電位は0.5V、充電電位は1.0Vであることが分かった。
【実施例】
【0062】
「比較例1」
(薄膜の形成)
[Fe(CN)]の濃度が1.0mmol/L、FeClの濃度が1.0mmol/Lの水溶液を調製した。
次いで、この水溶液に、ITO基板からなる作用極と、白金からなる対極と、Ag/AgClからなる標準電極とを浸漬し、作用極と対極に-1Vの電圧を、30分間印加した。
これにより、作用極の表裏両面に、厚さ1μmの薄膜を形成した。
【実施例】
【0063】
(薄膜の評価)
実施例1と同様にして、得られた薄膜の組成を分析した。その結果、比較例1の薄膜は、Fe[Fe(CN)0.754.2HOからなることが確認された。
また、実施例1と同様にして、Fe[Fe(CN)0.754.2HOの結晶構造を分析した。その結果、Fe[Fe(CN)0.754.2HOの結晶構造は、面心立方格子であることが確認された。
【実施例】
【0064】
(充放電特性の評価)
実施例1と同様にして、比較例1のナトリウムイオン二次電池を作製し、充放電特性を測定した。結果を、図7に示す。
図7の結果から、初期容量は500mAh/gであり、100mAh/g程度の可逆容量を示すことが分かった。また、容量を100mAh/gとみなした場合、充放電レートは1C、放電電位は0.5V、充電電位は1.0Vであることが分かった。
【実施例】
【0065】
「実施例4」
(薄膜の形成)
[Fe(CN)]の濃度が1.0mmol/L、MnClの濃度が1.5mmol/L、NaClの濃度が1.0mol/Lの水溶液を調製した。
次いで、この水溶液に、ITO基板からなる作用極と、白金からなる対極と、Ag/AgClからなる標準電極とを浸漬し、作用極と対極に-1Vの電圧を、30分間印加した。
これにより、作用極の表裏両面に、厚さ1μmの薄膜を形成した。
【実施例】
【0066】
(薄膜の評価)
実施例1と同様にして、得られた薄膜の組成を分析した。その結果、実施例4の薄膜は、Na1.332Mn[Fe(CN)0.833.5HOからなることが確認された。
また、実施例1と同様にして、Na1.332Mn[Fe(CN)0.833.5HOの結晶構造を分析した。その結果、Na1.332Mn[Fe(CN)0.833.5HOの結晶構造は、プルシャンブルー類似体特有の面心立方格子であることが確認された。
【実施例】
【0067】
(充放電特性の評価)
実施例4の薄膜が形成されたITO基板を正極とし、金属リチウムを負極としたビーカー型の二端子セルを用い、電解質として、過塩素酸ナトリウムの濃度を1mol/Lとした炭酸エチレンと炭酸ジエチルを体積比1:1で混合した溶液を用いて、実施例4のリチウムイオン二次電池を作製した。
電解質に正極と負極を浸漬し、充放電特性を測定した。結果を、図8に示す。
図8の結果から、初期容量は1300mAh/gであり、400mAh/g程度の可逆容量を示すことが分かった。また、容量を400mAh/gとみなした場合、充放電レートは0.2C、放電電位は0.5V、充電電位は0.5V-1.5Vであることが分かった。
【実施例】
【0068】
「実施例5」
(充放電特性の評価)
実施例1の薄膜が形成されたITO基板を正極として用いた以外は実施例4と同様にして、実施例5のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例4と同様にして、実施例5のリチウムイオン二次電池を作製し、充放電特性を測定した。結果を、図9に示す。
図9の結果から、初期容量は1200mAh/gであり、600mAh/g程度の可逆容量を示すことが分かった。また、容量を800mAh/gとみなした場合、充放電レートは0.1C、放電電位は0.5V、充電電位は0.5V-1.5Vであることが分かった。
【実施例】
【0069】
「実施例6」
(薄膜の形成)
[Fe(CN)]の濃度が0.5mmol/L、Co(NOの濃度が1.25mmol/L、NaNOの濃度が1.0mol/Lの水溶液を調製した。
次いで、この水溶液に、ITO基板からなる作用極と、白金からなる対極と、Ag/AgClからなる標準電極とを浸漬し、作用極と対極に-1Vの電圧を、30分間印加した。
これにより、作用極の表裏両面に、厚さ1μmの薄膜を形成した。
【実施例】
【0070】
(薄膜の評価)
実施例1と同様にして、得られた薄膜の組成を分析した。その結果、実施例6の薄膜は、Na0.71Na0.13Co[Fe(CN)0.713.8HOからなることが確認された。
また、実施例1と同様にして、Na0.71Na0.13Co[Fe(CN)0.713.8HOの結晶構造を分析した。その結果、Na0.71Na0.13Co[Fe(CN)0.713.8HOの結晶構造は、プルシャンブルー類似体特有の面心立方格子であることが確認された。
【実施例】
【0071】
(充放電特性の評価)
実施例4と同様にして、実施例6のリチウムイオン二次電池を作製し、充放電特性を測定した。結果を、図10に示す。
図10の結果から、初期容量は2000mAh/gであり、800mAh/g程度の可逆容量を示すことが分かった。また、容量を800mAh/gとみなした場合、充放電レートは0.1C、放電電位は0.5V、充電電位は0.5V-1.5Vであることが分かった。
【実施例】
【0072】
「実施例7」
(充放電特性の評価)
実施例2の薄膜が形成されたITO基板を正極として用いた以外は実施例4と同様にして、実施例7のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例4と同様にして、実施例7のリチウムイオン二次電池を作製し、充放電特性を測定した。結果を、図11に示す。
図11の結果から、初期容量は900mAh/gであり、400mAh/g程度の可逆容量を示すことが分かった。また、容量を400mAh/gとみなした場合、充放電レートは0.3C、放電電位は0.5V、充電電位は0.5V-1.5Vであることが分かった。
【実施例】
【0073】
「実施例8」
(充放電特性の評価)
実施例3の薄膜が形成されたITO基板を正極として用いた以外は実施例4と同様にして、実施例8のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例4と同様にして、実施例8のリチウムイオン二次電池を作製し、充放電特性を測定した。結果を、図12に示す。
図12の結果から、初期容量は900mAh/gであり、500mAh/g程度の可逆容量を示すことが分かった。また、容量を500mAh/gとみなした場合、充放電レートは0.1C、放電電位は0.5V、充電電位は0.5V-1.5Vであることが分かった。
【実施例】
【0074】
「比較例2」
(充放電特性の評価)
比較例1の薄膜が形成されたITO基板を正極として用いた以外は実施例4と同様にして、比較例2のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例4と同様にして、比較例2のリチウムイオン二次電池を作製し、充放電特性を測定した。結果を、図13に示す。
図13の結果から、初期容量は900mAh/gであり、500mAh/g程度の可逆容量を示すことが分かった。また、容量を500mAh/gとみなした場合、充放電レートは0.2C、放電電位は0.5V、充電電位は0.5V-1.5Vであることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明のナトリウムイオン二次電池は、ナトリウムイオン二次電池用負極を備えているため、リチウムイオン電池に比べて低コストで大量化が可能であるため、安価な大容量蓄電池を開発することが可能であり、例えば、家庭用蓄電池や家電用電池、非常用バッテリー等として好適に使用することが可能である。
本発明のナトリウムイオン二次電池は、プルシャンブルー類似体を含むナトリウムイオン二次電池用負極を備え、プルシャンブルー類似体は薄くすることが可能であるため、例えば、ICカード等に埋め込まれるカード埋め込み型の薄膜電池や電化製品(例えば、電動歯ブラシや携帯電話、ノートパソコン等)等に使用することが期待でき、電気自動車にも適用が期待される。
【符号の説明】
【0076】
10,20・・・ナトリウムイオン二次電池用負極、11,21・・・導電性基材、12,22・・・薄膜、30・・・ナトリウムイオン二次電池、31・・・負極、32・・・正極、33・・・セパレータ(電解質)、34・・・ケース、35・・・負極部、36・・・絶縁チューブ、37・・・パッキング、38・・・正極端子部、39,40・・・タブ。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12