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明細書 :有機光電変換素子及びそれを用いた有機薄膜太陽電池

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-162982 (P2016-162982A)
公開日 平成28年9月5日(2016.9.5)
発明の名称または考案の名称 有機光電変換素子及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
国際特許分類 H01L  51/46        (2006.01)
H01L  51/44        (2006.01)
FI H01L 31/04 168
H01L 31/04 154B
H01L 31/04 154D
H01L 31/04 154E
H01L 31/04 112Z
H01L 31/04 154C
請求項の数または発明の数 15
出願形態 OL
全頁数 67
出願番号 特願2015-042988 (P2015-042988)
出願日 平成27年3月4日(2015.3.4)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用申請有り (1)発行日 2014年9月7日 刊行物 第25回基礎有機化学討論会予稿集 (2)開催日 2014年9月7日から2014年9月9日 集会名、開催場所 第25回基礎有機化学討論会 東北大学川内北キャンパス・萩ホール(仙台市青葉区川内41)
発明者または考案者 【氏名】若宮 淳志
【氏名】伊丹 健一郎
【氏名】瀬川 泰知
【氏名】西村 秀隆
【氏名】藤川 鷹王
【氏名】丸山 直輝
【氏名】村田 靖次郎
出願人 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 5F151
Fターム 5F151AA11
要約 【課題】ペロブスカイト型太陽電池において、優れた光電変換特性を示すことができ且つ安価に得られる、p型バッファ層用有機半導体材料および光電変換素子を提供する。
【解決手段】準平面化合物を含有するp型バッファ層を備える光電変換素子。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
準平面化合物を含有するp型バッファ層を備える光電変換素子であって、
前記準平面化合物は、一般式(1):
【化1】
JP2016162982A_000063t.gif
[式中、Arはn価の芳香族炭化水素基;Y1aは同一であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、又はケイ素原子を介して連結する連結基;Y2aは窒素原子又はリン原子を介して連結する連結基;R~Rは同じか又は異なり、それぞれ置換基;m1は0~4の整数;m2は0~3の整数;m3は0~3の整数;nは2以上の整数である。]
で示される化合物、一般式(2A):
【化2】
JP2016162982A_000064t.gif
[式中、Ar~Arは同じか又は異なり、それぞれ芳香環又は複素芳香環;R~R11は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基;ただし、RとR、RとR、RとR10、及びRとR11の少なくとも1つが結合して置換されていてもよい環を形成してもよい;破線は単結合の存在又は非存在を示す。]
で示される化合物、一般式(2B):
【化3】
JP2016162982A_000065t.gif
[式中、R12~R15は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基;k1~k4は同じか又は異なり、それぞれ0~4の整数である。]
で示される化合物、及び一般式(2C):
【化4】
JP2016162982A_000066t.gif
[式中、Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基である。]
で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、光電変換素子。
【請求項2】
前記準平面化合物が、前記一般式(1)で示される化合物である、請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項3】
前記一般式(1)で示される化合物が、一般式(1A):
【化5】
JP2016162982A_000067t.gif
[式中、Ar、R~R、m1~m3、及びnは前記に同じである。]
で示される化合物である、請求項1又は2に記載の光電変換素子。
【請求項4】
前記一般式(1)において、Arが多環芳香族炭化水素基又は縮合多環芳香族炭化水素基である、請求項1~3のいずれかに記載の光電変換素子。
【請求項5】
前記一般式(1)において、nが2~10の整数である、請求項1~4のいずれかに記載の光電変換素子。
【請求項6】
前記一般式(1)で示される化合物のコーン・シャム方程式により計算される最高被占有軌道のエネルギー準位(HOMO)が、-5.2~-3.8eVである、請求項1~5のいずれかに記載の光電変換素子。
【請求項7】
前記準平面化合物が、前記一般式(2A)で示される化合物、前記一般式(2B)で示される化合物、及び前記一般式(2C)で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項8】
前記一般式(2A)において、Ar~Arは同一であり、いずれもベンゼン環又はチオフェン環である、請求項1又は7に記載の光電変換素子。
【請求項9】
前記一般式(2A)で示される化合物が、一般式(2A1):
【化6】
JP2016162982A_000068t.gif
[式中、R~R11は前記に同じ;ただし、RとR、RとR、RとR10、及びRとR11のが結合して置換されていてもよい環を形成することはない;破線は単結合の存在又は非存在を示す。]
で示される化合物、又は一般式(2A2):
【化7】
JP2016162982A_000069t.gif
[式中、R16~R23は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基;ただし、R16とR17、R18とR19、R20とR21、及びR22とR23の少なくとも1つが結合して置換されていてもよい環を形成してもよい。]
で示される化合物である、請求項1、7又は8に記載の光電変換素子。
【請求項10】
前記一般式(2)で示される化合物のコーン・シャム方程式により計算される最高被占有軌道のエネルギー準位(HOMO)が、-5.2~-3.8eVである、請求項1及び7~9のいずれかに記載の光電変換素子。
【請求項11】
前記p型バッファ層は、さらに、3価コバルト錯体塩を含有する、請求項1~10のいずれかに記載の光電変換素子。
【請求項12】
前記3価コバルト錯体塩が、3価コバルト錯体のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩である、請求項11に記載の光電変換素子。
【請求項13】
前記3価コバルト錯体塩の含有量が、前記一般式(1)で示される骨格を有する化合物1モルに対して、0.02~0.4モルである、請求項11又は12に記載の光電変換素子。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載の光電変換素子を備える、ペロブスカイト型太陽電池。
【請求項15】
準平面化合物と、3価コバルト錯体塩とを含有する光電変換素子用p型バッファ層形成用組成物であって、
前記準平面化合物は、
一般式(1):
【化8】
JP2016162982A_000070t.gif
[式中、Arはn価の芳香族炭化水素基;Y1aは同一であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、又はケイ素原子を介して連結する連結基;Y2aは窒素原子又はリン原子を介して連結する連結基;R~Rは同じか又は異なり、それぞれ置換基;m1は0~4の整数;m2は0~3の整数;m3は0~3の整数;nは2以上の整数である。]
で示される化合物、一般式(2A):
【化9】
JP2016162982A_000071t.gif
[式中、Ar~Arは同じか又は異なり、それぞれ芳香環又は複素芳香環;R~R11は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基;ただし、RとR、RとR、RとR10、及びRとR11の少なくとも1つが結合して置換されていてもよい環を形成してもよい;破線は単結合の存在又は非存在を示す。]
で示される化合物、一般式(2B):
【化10】
JP2016162982A_000072t.gif
[式中、R12~R15は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基;k1~k4は同じか又は異なり、それぞれ0~4の整数である。]
で示される化合物、及び一般式(2C):
【化11】
JP2016162982A_000073t.gif
[式中、Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基である。]
で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、光電変換素子用p型バッファ層形成用組成物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、有機光電変換素子及びそれを用いた有機薄膜太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
CHNHPbX(X=I、Br、Cl)等のペロブスカイト材料を光吸収材料として用いたペロブスカイト型太陽電池は、低コストで製造できる次世代型の太陽電池として急速に注目を集めている。ペロブスカイト型太陽電池は、色素増感型太陽電池や有機薄膜太陽電池等と同様に、塗布法による作製が可能である。ペロブスカイト型太陽電池の基本構造としては、メソポーラスチタニア層を用いるか否かの違いはあるが、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の透明電極上に、ペロブスカイト層(光吸収層)をn型及びp型のバッファ層で挟んだ構造である。n型バッファ層としては、コンパクトチタニアと呼ばれる酸化チタンからなる緻密なチタニア層をFTO基板等の上に形成した膜が多く用いられる。メソポーラスチタニアを用いる場合は、このコンパクトチタニア層の上にさらに平均粒子径20 nm程度の酸化チタンからなる多孔質のチタニア層を100 nm~250 nm程度形成したものを用いる。一万、p型のバッファ層としては、有機半導体の正孔輸送性材料が一般的には用いられている。
【0003】
しかしながら、従来のペロブスカイト型太陽電池は、その光電変換効率が十分とは言えず、現在、ペロブスカイト型太陽電池の光電変換効率の熾烈な高効率化競争が国内外で展開されている状況にある。光電変換効率の高効率化のためには、まず光吸収性材料であるペロブスカイト層をいかに作製できるかが重要である。その作製方法としては、一段階溶液法、二段階溶液法等の他、真空蒸着法や蒸気暴露法等が知られている。本発明者らは、これまでに二段階溶液法に着目し、検討を進めてきた。その結果、用いる材料と溶媒の脱水及び精製が高効率太陽電池の作製に重要であることを見出し、特にPbIの脱水及び精製を行うことにより、10%をこえる光電変換効率を示す太陽電池セルが再現性よく作製できる事を見出している。
【0004】
一方、ペロブスカイト型太陽電池の高効率化のために、ペロブスカイト層(光吸収層)の他に重要となるのがバッファ層であり、特にp型バッファ層として用いられる優れた有機半導体材料の開発がさらなる高効率化の鍵を握るといっても過言ではない。これまでに、いくつかの正孔輸送性材料の開発が報告されているが、ペロブスカイト型太陽電池として有用と言えるほどの光電変換効率を発揮することができる化合物は報告されておらず、固体型の色素増感型太陽電池用の正孔輸送性材料として開発されたSpiro-OMeTADと呼ばれるスピロ型の有機半導体材料(例えば、非特許文献1~2等)が、依然として標準材料として用いられている状況である。なお、Spiro-OMeTADの構造は以下のとおりである。
【0005】
【化1】
JP2016162982A_000002t.gif

【先行技術文献】
【0006】

【非特許文献1】N.G. Park, et al, Sci. Rep. 2012, 2, 591.
【非特許文献2】H. J. Snaith et al. Science, 2012, 338, 643.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のSpiro-OMeTADの正孔輸送特性は、移動度が10-4cm/Vs、ドーピングした場合でも10-3cm/Vsであり、ペロブスカイト材料(CHNHPbX)の正孔輸送特性(0.43cm/Vs)及び電子輸送特性(0.66cm/Vs)と比較すると二桁以上低い値である。ペロブスカイト型太陽電池のさらなる高効率化のためには、p型バッファ層として優れた光電変換特性を示すことができる有機半導体材料の開発が強く望まれている。また、Spiro-OMeTADは1gあたり8.8万円程度(Merck)と非常に高価でもある。このような観点から、本発明は、ペロブスカイト型太陽電池のp型バッファ層として優れた光電変換特性を示すことができ、且つ安価に得られる有機半導体材料をp型バッファ層に用いた光電変換素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述のように、従来のSpiro-OMeTADは色素増感型太陽電池用の正孔輸送材料として開発された経緯がある。スピロ型構造により球状の形状をもつこの低分子材料は、等方的な正孔輸送特性を示すと期待され、多孔質なメソポーラスチタニア層の内部から正孔を取り出す目的では有効であると考えられる。しかしながら、ペロブスカイト型太陽電池では、メソポーラスチタニア層を用いた場合でもセルの断面の走査型電子顕微鏡(SEM) 画像からも、ペロブスカイト層はメソポーラスチタニア層を完全に覆っていることが明らかになっている。つまり、ペロブスカイト型太陽電池のp型バッファ層に適用される正孔輸送材料としては、固体型の色素増感太陽電池の場合とは異なり、より平坦なペロブスカイト層の界面から金属電極までの膜厚方向(基板に垂直方向)により高い正孔輸送特性を示す材料が必要と考えられる。
【0009】
高い電荷輸送特性の発現には、(1)分子間の分子の配向及び配列の制御と、(2)分子内の電子構造の制御とが重要となる。本発明者らは、π共役分子の形に着目し、従来の平面型構造(ペンタセン等)、プロペラ型構造(a-NPD、TPD等)、及び直交型のスピロ型構造(Spiro-OMeTAD)と異なり、平面から少しねじれた準平面型の構造を有する化合物群を新たに設計及び開発した。
【0010】
そのうえで、ペロブスカイト型太陽電池の高効率化のためには、(A)固体状態(塗布膜)での正孔輸送特性に加えて、(B)ペロブスカイト材料及び金等の電極の価電子帯準位と正孔輸送材料の最高被占有軌道のエネルギー準位(HOMO)のマッチング、並びにペロブスカイト材料の伝導帯準位と正孔輸送材料の最低空軌道のエネルギー準位(LUMO)との差が重要であると考え、検討を行った。その結果、特定の構造を有する準平面型の構造を有する化合物群をp型バッファ層として用いた場合には、従来の材料であるSpiro-OMeTADを凌駕する優れた光電変換特性を示すことを見出した。
【0011】
本発明者らは、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、本発明を完成した。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
【0012】
項1.準平面化合物を含有するp型バッファ層を備える光電変換素子であって、
前記準平面化合物は、一般式(1):
【0013】
【化2】
JP2016162982A_000003t.gif

【0014】
[式中、Arはn価の芳香族炭化水素基;Y1aは同一であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、又はケイ素原子を介して連結する連結基;Y2aは窒素原子又はリン原子を介して連結する連結基;R~Rは同じか又は異なり、それぞれ置換基;m1は0~4の整数;m2は0~3の整数;m3は0~3の整数;nは2以上の整数である。]
で示される化合物、一般式(2A):
【0015】
【化3】
JP2016162982A_000004t.gif

【0016】
[式中、Ar~Arは同じか又は異なり、それぞれ芳香環又は複素芳香環;R~R11は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基;ただし、RとR、RとR、RとR10、及びRとR11の少なくとも1つが結合して置換されていてもよい環を形成してもよい;破線は単結合の存在又は非存在を示す。]
で示される化合物、一般式(2B):
【0017】
【化4】
JP2016162982A_000005t.gif

【0018】
[式中、R12~R15は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基;k1~k4は同じか又は異なり、それぞれ0~4の整数である。]
で示される化合物、及び一般式(2C):
【0019】
【化5】
JP2016162982A_000006t.gif

【0020】
[式中、Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基である。]
で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、光電変換素子。
【0021】
項2.前記準平面化合物が、前記一般式(1)で示される化合物である、項1に記載の光電変換素子。
【0022】
項3.前記一般式(1)で示される化合物が、一般式(1A):
【0023】
【化6】
JP2016162982A_000007t.gif

【0024】
[式中、Ar、R~R、m1~m3、及びnは前記に同じである。]
で示される化合物である、項1又は2に記載の光電変換素子。
【0025】
項4.前記一般式(1)において、Arが多環芳香族炭化水素基又は縮合多環芳香族炭化水素基である、項1~3のいずれかに記載の光電変換素子。
【0026】
項5.前記一般式(1)において、nが2~10の整数である、項1~4のいずれかに記載の光電変換素子。
【0027】
項6.前記一般式(1)で示される化合物のコーン・シャム方程式により計算される最高被占有軌道のエネルギー準位(HOMO)が、-5.2~-3.8eVである、項1~5のいずれかに記載の光電変換素子。
【0028】
項7.前記準平面化合物が、前記一般式(2A)で示される化合物、前記一般式(2B)で示される化合物、及び前記一般式(2C)で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1に記載の光電変換素子。
【0029】
項8.前記一般式(2A)において、Ar~Arは同一であり、いずれもベンゼン環又はチオフェン環である、項1又は7に記載の光電変換素子。
【0030】
項9.前記一般式(2A)で示される化合物が、一般式(2A1):
【0031】
【化7】
JP2016162982A_000008t.gif

【0032】
[式中、R~R11は前記に同じ;ただし、RとR、RとR、RとR10、及びRとR11のが結合して置換されていてもよい環を形成することはない;破線は単結合の存在又は非存在を示す。]
で示される化合物、又は一般式(2A2):
【0033】
【化8】
JP2016162982A_000009t.gif

【0034】
[式中、R16~R23は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基;ただし、R16とR17、R18とR19、R20とR21、及びR22とR23の少なくとも1つが結合して置換されていてもよい環を形成してもよい。]
で示される化合物である、項1、7又は8に記載の光電変換素子。
【0035】
項10.前記一般式(2)で示される化合物のコーン・シャム方程式により計算される最高被占有軌道のエネルギー準位(HOMO)が、-5.2~-3.8eVである、項1及び7~9のいずれかに記載の光電変換素子。
【0036】
項11.前記p型バッファ層は、さらに、3価コバルト錯体塩を含有する、項1~10のいずれかに記載の光電変換素子。
【0037】
項12.前記3価コバルト錯体塩が、3価コバルト錯体のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩である、項11に記載の光電変換素子。
【0038】
項13.前記3価コバルト錯体塩の含有量が、前記一般式(1)で示される骨格を有する化合物1モルに対して、0.02~0.4モルである、項11又は12に記載の光電変換素子。
【0039】
項14.項1~13のいずれかに記載の光電変換素子を備える、ペロブスカイト型太陽電池。
【0040】
項15.準平面化合物と、3価コバルト錯体塩とを含有する光電変換素子用p型バッファ層形成用組成物であって、
前記準平面化合物は、
一般式(1):
【0041】
【化9】
JP2016162982A_000010t.gif

【0042】
[式中、Arはn価の芳香族炭化水素基;Y1aは同一であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、又はケイ素原子を介して連結する連結基;Y2aは窒素原子又はリン原子を介して連結する連結基;R~Rは同じか又は異なり、それぞれ置換基;m1は0~4の整数;m2は0~3の整数;m3は0~3の整数;nは2以上の整数である。]
で示される化合物、一般式(2A):
【0043】
【化10】
JP2016162982A_000011t.gif

【0044】
[式中、Ar~Arは同じか又は異なり、それぞれ芳香環又は複素芳香環;R~R11は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基;ただし、RとR、RとR、RとR10、及びRとR11の少なくとも1つが結合して置換されていてもよい環を形成してもよい;破線は単結合の存在又は非存在を示す。]
で示される化合物、一般式(2B):
【0045】
【化11】
JP2016162982A_000012t.gif

【0046】
[式中、R12~R15は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基;k1~k4は同じか又は異なり、それぞれ0~4の整数である。]
で示される化合物、及び一般式(2C):
【0047】
【化12】
JP2016162982A_000013t.gif

【0048】
[式中、Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基である。]
で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、光電変換素子用p型バッファ層形成用組成物。
【発明の効果】
【0049】
本発明によれば、特定の構造を有する準平面型の構造を有する化合物群をp型バッファ層として用いることで、従来の材料であるSpiro-OMeTADを凌駕する優れた光電変換特性を示す光電変換素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】合成例21で得たダブルヘリセンのUV/VIS吸収スペクトル及び蛍光スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明の光電変換素子は、特定の準平面構造を有する化合物(後述の第1の準平面構造を有する化合物又は第2の準平面構造を有する化合物)を含有するp型バッファ層を備える。

【0052】
1.第1の準平面構造を有する化合物
本発明において使用される第1の準平面構造を有する化合物は、一般式(1):

【0053】
【化13】
JP2016162982A_000014t.gif

【0054】
[式中、Arはn価の芳香族炭化水素基;Y1aは同一であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、又はケイ素原子を介して連結する連結基;Y2aは窒素原子又はリン原子を介して連結する連結基;R~Rは同じか又は異なり、それぞれ置換基;m1は0~4の整数;m2は0~3の整数;m3は0~3の整数;nは2以上の整数である。]
で示される化合物である。

【0055】
このような構造を有する化合物を使用することで、コア部分としてのArの存在により、よりπ共役を二次元方向に拡張し、これにより固体状態でのπ-スタッキングを構築しやすくすることができる。また、

【0056】
【化14】
JP2016162982A_000015t.gif

【0057】
[式中、Y1a、Y2a、R~R、及びm1~m3は前記に同じである。]
で示される骨格が準平面骨格であるため、隣接する第1の準平面構造を有する化合物の当該骨格同士が分子間相互作用を有することで、第1の準平面構造を有する化合物を所望の方向に配列及び配向させることが可能となり、上記のπ-スタッキングを2次元的に拡張することが可能である。このため、分子間での正孔輸送に関する軌道の重なり積分(電子カップリング)が大きくなり、正孔移動特性の低下を低減することができる。また、分子内でπ共役を拡張させることで正孔輸送時の分子の最配列エネルギーも小さくすることができる。このような化合物を用いた光電変換素子は、光電変換効率を向上させることができる。

【0058】
一般式(1)において、Arはn価の芳香族炭化水素基である。このn価の芳香族炭化水素基としては、単環芳香族炭化水素基、多環芳香族炭化水素基、縮合多環芳香族炭化水素基等が挙げられる。このような芳香族炭化水素基としては、特に制限されるわけではないが、例えば、

【0059】
【化15】
JP2016162982A_000016t.gif

【0060】
【化16】
JP2016162982A_000017t.gif

【0061】
[式中、R34~R40は同じか又は異なり、それぞれアルキル基;R41~R42は同じか又は異なり、それぞれアルキル基又はアルコキシ基である。]
等が挙げられる。

【0062】
なお、上記一般式において、R34~R42で示されるアルキル基及びアルコキシ基としては、後述のものを採用できる。

【0063】
これらのなかでも、第1の準平面構造を有する化合物同士がよりπ—スタッキングのネットワークを構築しやすくするとともに、第1の準平面構造を有する化合物の最高被占有軌道のエネルギー準位(HOMO)及び最低空軌道のエネルギー準位(LUMO)をより適切に調整することで、得られる光電変換素子の光電変換効率をより向上させる観点から、多環芳香族炭化水素基又は縮合多環芳香族炭化水素基が好ましく、縮合多環芳香族炭化水素基がより好ましく、

【0064】
【化17】
JP2016162982A_000018t.gif

【0065】
がさらに好ましい。

【0066】
一般式(1)において、Y1aは同一であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、又はケイ素原子を介して連結する連結基である。

【0067】
このような連結基としては、例えば、

【0068】
【化18】
JP2016162982A_000019t.gif

【0069】
[式中、R24~R27は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基である。]
で示される基が挙げられる。

【0070】
24で示される置換基としては、特に制限されないが、例えば、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基等が挙げられる。R25で示される置換基としては、特に制限されないが、例えば、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基等が挙げられる。R26及びR27で示される置換基としては、同一でも異なっていてもよく、特に制限されないが、例えば、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基等が挙げられる。

【0071】
24~R27で示されるアルキル基は、直鎖状であっても、分枝状であっても、環状であってもよいが、直鎖状又は分枝状のアルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は、1~20が好ましく、1~12がより好ましく、1~6がさらに好ましく、1~3(つまり、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又はイソプロピル基)が特に好ましい。環状のアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。

【0072】
26~R27で示されるアルコキシ基は、直鎖状であっても、分枝状であっても、環状であってもよいが、直鎖状又は分枝状のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基の炭素数は、1~20が好ましく、1~12がより好ましく、1~6がさらに好ましく、1~3(つまり、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、又はイソプロポキシ基)が特に好ましい。環状のアルコキシ基としては、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基等が挙げられる。

【0073】
24~R27で示されるアリール基は、単環芳香環由来の基であってもよいし、多環芳香環由来の基であってもよい。アリール基の炭素数は、6~22が好ましく、6~18がより好ましく、6~14がさらに好ましく、6~10(つまり、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等)が特に好ましい。

【0074】
26~R27で示されるアリールオキシ基は、単環芳香環由来の基であってもよいし、多環芳香環由来の基であってもよい。アリールオキシ基の炭素数は、6~22が好ましく、6~18がより好ましく、6~14がさらに好ましく、6~10(つまり、フェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等)が特に好ましい。

【0075】
上記アルキル基及びアルコキシ基は、さらに置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。置換されている場合の置換基としては、例えば、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、アミノ基等が挙げられ、その説明と好ましい範囲については上記アルコキシ基、上記アリール基、上記アリールオキシ基、下記ヘテロアリール基、及び下記アミノ基と同様とすることができる。また、置換基の数は、特に制限されないが、0~3個が好ましい。

【0076】
また、上記アリール基及びアリールオキシ基は、さらに置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。置換されている場合の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、アミノ基等が挙げられ、その説明と好ましい範囲については上記アルキル基、上記アルコキシ基、上記アリール基、上記アリールオキシ基下記ヘテロアリール基、及び下記アミノ基の記載と同様とすることができる。また、置換基の数は、特に制限されないが、0~3個が好ましい。

【0077】
これらのなかでも、Y1aとしては、第1の準平面構造を有する化合物同士がよりπ—スタッキングのネットワークを構築しやすくするとともに、第1の準平面構造を有する化合物のHOMO及びLUMOをより適切に調整することで、得られる光電変換素子の光電変換効率をより向上させる観点から、酸素原子を介して連結する連結基(-O-で示される基)が好ましい。

【0078】
また、2個のY1aは、それぞれ同一でもよいし、異なっていてもよいが、第1の準平面構造を有する化合物同士がよりπ—スタッキングのネットワークを構築しやすくするとともに、第1の準平面構造を有する化合物のHOMO及びLUMOをより適切に調整することで、得られる光電変換素子の光電変換効率をより向上させる観点、合成の容易さの観点から、同一であることが好ましい。

【0079】
一般式(1)において、Y2aは、窒素原子又はリン原子を介して連結する連結基である。このような連結基としては、例えば、

【0080】
【化19】
JP2016162982A_000020t.gif

【0081】
で示される基等が挙げられる。この場合、優れたホール輸送特性を示すことができる。特に、正孔輸送性材料としてのπ軌道の拡張性及び電子構造の制御の観点から、Y2aが窒素原子を介して連結する連結基である場合に顕著であり好ましい。

【0082】
一般式(1)において、R~Rは置換基である。このような置換基としては、例えば、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基等が好ましい。ここでいうアルキル基、アルコキシ基、アリール基、及びアリールオキシ基の説明と好ましい範囲については、上記アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基の記載と同様とすることができる。また、ここでいうアルキル基、アルコキシ基、アリール基、及びアリールオキシ基が置換されている場合の置換基も、上記アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基における置換基の記載と同様とすることができる。

【0083】
これらのなかでも、R及びRの少なくとも1つ(特に全て)を上記置換基(置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基等)とすれば、一般的な有機溶媒に対する溶解性を向上させ、塗布型材料として利用できるという効果を発現することができる。また、Rの少なくとも1つ(特に全て)を置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基等とすれば、第1の準平面構造を有する化合物の溶解性をより向上させることができる。

【0084】
が複数ある場合(m1が2以上の場合)、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Rが複数ある場合(m2が2以上の場合)、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Rが複数ある場合(m3が2以上の場合)、複数のRは同一でも異なっていてもよい。また、R~Rは相互に同一でもよく異なっていてもよい。

【0085】
一般式(1)において、m1は置換基Rの個数を意味し、0~4の整数である。m1を1~4の整数、特に1又は2とすれば有機溶媒への溶解性を発現しながらも固体状態での分子間での密なパッキング構造を保持できるという効果を発現することができるが、0であってもよい。

【0086】
一般式(1)において、m2は置換基Rの個数を意味し、0~3の整数である。m2を1~3の整数、特に1又は2とすれば有機溶媒への溶解性を発現しながらも固体状態での分子間での密なパッキング構造を保持できるという効果を発現することができるが、0であってもよい。

【0087】
一般式(1)において、m3は置換基Rの個数を意味し、0~3の整数である。m3を1~3の整数、特に1又は2とすれば第1の準平面構造を有する化合物の溶解性をより向上させることができるが、0であってもよい。

【0088】
一般式(1)において、nは準平面骨格の個数を意味し、2以上の整数である。第1の準平面構造を有する化合物同士がよりπ—スタッキングのネットワークを構築しやすくするとともに、第1の準平面構造を有する化合物のHOMO及びLUMOをより適切に調整することで、得られる光電変換素子の光電変換効率をより向上させる観点、合成の容易さの観点から、nは2~10の整数が好ましく、2~4の整数がより好ましい。なお、対称性の観点では、nは2又は4が特に好ましく、コア部分が有する手の数が3個の場合はnは3が特に好ましい。

【0089】
このような条件を満たす第1の準平面構造を有する化合物としては、第1の準平面構造を有する化合物同士がよりπ—スタッキングのネットワークを構築しやすくするとともに、第1の準平面構造を有する化合物のHOMO及びLUMOをより適切に調整することで、得られる光電変換素子の光電変換効率をより向上させる観点、合成の容易さの観点から、一般式(1A):

【0090】
【化20】
JP2016162982A_000021t.gif

【0091】
[式中、Ar、R~R、m1~m3、及びnは前記に同じである。]
で示される化合物が好ましく、一般式(1A1):

【0092】
【化21】
JP2016162982A_000022t.gif

【0093】
[式中、Ar、R、R、m1、m3、及びnは前記に同じである。]
で示される化合物がより好ましい。

【0094】
このような第1の準平面構造を有する化合物のHOMOは、隣接する金属電極(金等)側にホールを輸送しやすくして光電変換効率をより向上させる観点から、隣接する光吸収層中のペロブスカイト材料(CHNHPbX)の価電子帯準位より高く、隣接する金属電極(金等)の価電子帯準位より低いことが好ましい。後述の酸化剤(3価コバルト錯体塩)を使用してカチオン化する場合は、カチオン化した第1の準平面構造を有する化合物を含む薄膜のHOMO準位(価電子帯準位)が、隣接する光吸収層中のペロブスカイト材料(CHNHPbX)の価電子帯準位より高く、隣接する金属電極(金等)の価電子帯準位より低いことが好ましい。なお、隣接する光吸収層中のペロブスカイト材料として一般に使用されるCHNHPbXの価電子帯準位は-5.44 eV(実測値;真空準位)、隣接する金属電極として一般に使用される金の価電子帯準位は-4.89 eV(実測値;真空準位)である。一般に、実測値は、コーン・シャム方程式による計算値と比較して0.5~0.9 eV程度(特に0.6~0.7 eV程度)負側にずれていることが明らかになっているため、第1の準平面構造を有する化合物のHOMOは、コーン・シャム方程式による計算値が、-5.2~-3.8 eVが好ましく、-5.0~-4.0 eVがより好ましく、-4.8~-4.3 eVがさらに好ましい。

【0095】
また、このような第1の準平面構造を有する化合物のLUMOは、隣接する光吸収層中のペロブスカイト材料(CHNHPbX)の価電子帯準位との差を一定範囲に保つことが好ましい。このため、第1の準平面構造を有する化合物のLUMOは、コーン・シャム方程式による計算値が、-3.0~0 eVが好ましく、-0.5~-2.5 eVがより好ましく、-0.8~-2.0 eVがさらに好ましい。

【0096】
上記の一般式(1A1)で示される化合物のうち、コーン・シャム方程式による計算値によるHOMO及びLUMOが上記の条件を満たす化合物としては、例えば、

【0097】
【化22】
JP2016162982A_000023t.gif

【0098】
【化23】
JP2016162982A_000024t.gif

【0099】
【化24】
JP2016162982A_000025t.gif

【0100】
等が好適に挙げられ、なかでも、

【0101】
【化25】
JP2016162982A_000026t.gif

【0102】
等が好ましく、

【0103】
【化26】
JP2016162982A_000027t.gif

【0104】
がより好ましい。

【0105】
本発明において使用される第1の準平面構造を有する化合物の合成方法は特に制限されない。例えば、反応式1:

【0106】
【化27】
JP2016162982A_000028t.gif

【0107】
[式中、Ar、Y1a、Y2a、R~R、m1~m3及びnは前記に同じ;Yはボロン酸又はそのエステル基;Xはハロゲン原子である。]
で示される反応により得ることができる。

【0108】
一般式(3)において、Yはボロン酸又はそのエステル基であり、具体的には、一般式(3A):

【0109】
【化28】
JP2016162982A_000029t.gif

【0110】
[式中、R28及びR29は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~10のアルキル基;R28及びR29は互いに結合して、隣接する-O-B-O-とともに環を形成してもよい。]
で示される基である。

【0111】
一般式(3A)において、R28及びR29で示されるアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~8がより好ましく、1~5がさらに好ましい。また、R24及びR25は同一であっても異なっていてもよい。また、R28及びR29がアルキル基である場合には、それぞれのアルキル基を構成する炭素原子が、互いに結合してホウ素原子及び酸素原子とともに環を形成してもよい。

【0112】
このようなボロン酸又はそのエステル基としては、具体的には、

【0113】
【化29】
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【0114】
等が挙げられる。

【0115】
一般式(4)において、Xで示されるハロゲン原子としては制限はなく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。なかでも、収率等の観点から、臭素原子が好ましい。

【0116】
上記反応式1において、一般式(4)で示される化合物の添加量は、特に制限はなく、nの数によって決定されるが、収率等の観点から、一般式(3)で示される化合物1モルに対して、0.1~20モルが好ましく、0.2~10モルがより好ましく、0.5~5モルがさらに好ましい。

【0117】
反応は、通常、パラジウム触媒の存在下で行われる。パラジウム触媒としては、金属パラジウムをはじめ、有機化合物(高分子化合物を含む)等の合成用触媒として公知のパラジウム化合物等が挙げられる。本発明においては、鈴木-宮浦カップリング反応に使用されるパラジウム触媒(パラジウム化合物)を用いることができる。具体的には、Pd(PPh(Phはフェニル基;以下同様である)、PdCl(PPh、酢酸パラジウム(Pd(OAc))(Acはアセチル基;以下同様である)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)Cl)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(Pd(dba))、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、ビス(トリt-ブチルホスフィノ)パラジウム(0)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(Pd(dppf)Cl・CHCl 等が挙げられる。本工程では、Pd(dppf)Cl・CHCl等が好ましい。

【0118】
パラジウム触媒の使用量は、収率の観点から、一般式(3)で示される化合物1モルに対して、通常、0.001~1モルが好ましく、0.005~0.1モルがより好ましい。

【0119】
また、上記説明したパラジウム触媒には配位子が含まれているものもあるが、パラジウム触媒と別途、パラジウム原子に配位し得るリン配位子を使用することもできる。このリン配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ-(o,m,p)-トリルホスフィン、トリス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス[2-(ジフェニルホスフィノ)エチル]ホスフィン、ビス(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィン、2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)ビフェニル、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2-(ジフェニルホスフィノ)-2’-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル、トリ-t-ブチルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2-ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6-ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン、1,2-ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、ビス(2-ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル(S-Phos)、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリ-イソプロピル-1,1’-ビフェニル(X-Phos)、ビス(2-ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル(DPEPhos)等が挙げられる。

【0120】
リン配位子を使用する場合、その使用量は、パラジウム触媒1モルに対して、0.01~50モルが好ましく、0.1~20モルがより好ましい。

【0121】
また、上記パラジウム触媒に加えて、必要に応じて、塩基を使用することもできる。この塩基は、鈴木-宮浦カップリング反応において、ホウ素原子上にアート錯体を形成し得る化合物であれば特に限定はされない。具体的には、フッ化カリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩;リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム等のアルカリ(土類)金属酢酸塩等が挙げられる。これらのうち、収率等の観点から、金属炭酸塩が好ましく、炭酸セシウムがより好ましい。

【0122】
塩基を使用する場合、その使用量は、一般式(3)で示される化合物に対して過剰量とすることが好ましく、具体的には、一般式(3)で示される化合物1モルに対して、通常、1~50モル程度が好ましく、2~20モルがより好ましい。

【0123】
反応は、通常、反応溶媒の存在下で行われる。この反応溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、本発明では、エーテル類が好ましく、テトラヒドロフランがより好ましい。

【0124】
反応温度は、通常、0℃以上であり且つ上記反応溶媒の沸点温度以下(シュレンク内密閉系ででの環境を含む)である範囲から選択される。また、反応時間は、反応が十分に進行する時間とすればよい。

【0125】
また、反応雰囲気は、特に限定されないが、好ましくは不活性ガス雰囲気であり、アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等とすることができる。なお、空気雰囲気とすることもできる。

【0126】
このようにして、第1の準平面構造を有する化合物が得られるが、上記反応式1で基質として用いられる一般式(3)で示される化合物及び一般式(4)で示される化合物は、公知又は市販の化合物を用いてもよいし、公知又は市販の芳香族化合物から合成してもよい。

【0127】
一般式(3)で示される化合物を合成する場合、例えば、反応式2:

【0128】
【化30】
JP2016162982A_000031t.gif

【0129】
[式中、Ar、Y、及びnは前記に同じである。]
で示される反応により得ることができる。

【0130】
上記反応式2において、一般式(6)で示される化合物の添加量は、特に制限はなく、nの数によって決定されるが、収率等の観点から、一般式(5)で示される化合物1モルに対して、1~100モルが好ましく、2~50モルがより好ましく、5~30モルがさらに好ましい。

【0131】
反応は、通常、パラジウム触媒又はイリジウム触媒の存在下で行われる。

【0132】
パラジウム触媒としては、上記したものが挙げられる。本工程では、Pd(OAc)が好ましい。

【0133】
イリジウム触媒としては、イリジウム塩及びイリジウム錯体のいずれも採用することができる。イリジウム塩としては、例えば、三塩化イリジウム、四塩化イリジウム、塩化イリジウム酸、塩化イリジウム酸ナトリウム、塩化イリジウム酸カリウム等が挙げられる。イリジウム錯体としては、例えば、クロロ(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)ダイマー、ブロモ(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)ダイマー、ヨード(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)ダイマー、(1,5-シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)ダイマー([IrOMe(cod)])、クロロ(2,5-ノルボルナジエン)イリジウム(I)ダイマー、ブロモ(2,5-ノルボルナジエン)イリジウム(I)ダイマー、ヨード(2,5-ノルボルナジエン)イリジウム(I)ダイマー、1,5-シクロオクタジエン(アセチルアセトナト)イリジウム(I)、クロロビス(シクロオクテン)イリジウム(I)ダイマー、クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム(I)等が挙げられる。本工程では、[IrOMe(cod)]が好ましい。

【0134】
パラジウム触媒又はイリジウム触媒の使用量は、収率の観点から、一般式(5)で示される化合物1モルに対して、通常、0.01~1モルが好ましく、0.05~0.5モルがより好ましい。

【0135】
また、上記説明したパラジウム触媒及びイリジウム触媒には配位子が含まれているものもあるが、パラジウム触媒又はイリジウム触媒と別途、パラジウム原子又はイリジウム原子に配位し得る配位子を使用することもできる。この配位子としては、カルボン酸系、アミド系、ホスフィン系、オキシム系、スルホン酸系、1,3-ジケトン系、シッフ塩基系、オキサゾリン系、ジアミン系、一酸化炭素、カルベン系等の配位子等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記配位子における配位原子は窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子等であり、これらの配位子には配位原子を1箇所のみ有する単座配位子と2箇所以上を有する多座配位子がある。また、一酸化炭素、カルベン系に関しては、炭素原子を配位原子とする配位子である。

【0136】
上記単座の配位子としては、トリフェニルホスフィン、トリメトキシホスフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ(tert-ブチル)ホスフィン、トリ(n-ブチル)ホスフィン、トリイソプロポキシホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(o-トルイル)ホスフィン、トリメシチルホスフィン、トリフェノキシホスフィン、トリ-(2-フリル)ホスフィン、ビス(p-スルホナートフェニル)フェニルホスフィンカリウム、ジ(tert-ブチル)メチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。

【0137】
上記二座の配位子としては、2,2’-ビピリジル、4,4’-ジメチルビピリジル、4,4’-ジ(tert-ブチル)ビピリジル、フェナントロリン、2,2’-ビピリミジル、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、2-(ジメチルアミノ)エタノール、テトラメチルエチレンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N’-ジメチルエチレンジアミン、2-アミノメチルピリジン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,1’-ビス(tert-ブチル)フェロセン、ジフェニルホスフィノメタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,2-ビス(ジペンタフルオロフェニルホスフィノ)エタン、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、1,3-(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン、1,2-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)プロパン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1,5-シクロオクタジエン等が挙げられる。

【0138】
これらのなかでも、本工程では、トリシクロヘキシルホスフィン及び4,4’-ジメチルビピリジル(4,4’-dmbpy)が好ましい。

【0139】
配位子を使用する場合、その使用量は、パラジウム触媒又はイリジウム触媒1モルに対して、0.5~10モルが好ましく、1~5モルがより好ましい。

【0140】
また、上記パラジウム触媒及びイリジウム触媒に加えて、必要に応じて、塩基を使用することもできる。具体的には、フッ化カリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、カリウムtert-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩;リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム等のアルカリ(土類)金属酢酸塩等が挙げられる。これらのうち、収率等の観点から、アルカリ金属アルコキシド及びアルカリ(土類)金属酢酸塩が好ましく、カリウムtert-ブトキシド及び酢酸カリウムがより好ましい。

【0141】
塩基を使用する場合、その使用量は、一般式(5)で示される化合物1モルに対して、通常、0.01~20モル程度が好ましく、0.1~10モルがより好ましい。

【0142】
反応は、通常、反応溶媒の存在下で行われる。この反応溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、本発明では、エーテル類が好ましく、テトラヒドロフラン及びジオキサンがより好ましい。

【0143】
反応温度は、通常、0℃以上であり且つ上記反応溶媒の沸点温度以下(シュレンク内密閉系ででの環境を含む)である範囲から選択される。また、反応時間は、反応が十分に進行する時間とすればよい。

【0144】
また、反応雰囲気は、特に限定されないが、好ましくは不活性ガス雰囲気であり、アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等とすることができる。なお、空気雰囲気とすることもできる。

【0145】
一方、一般式(4)で示される化合物を合成する場合、例えば、国際公開第2012/118164号に記載のスキーム3と同様の工程(同一ではない)や国際公開第2012/118164号に記載の実施例4と同様の工程にしたがって合成することができる。

【0146】
2.第2の準平面構造を有する化合物
本発明において使用される第2の準平面構造を有する化合物は、一般式(2A):

【0147】
【化31】
JP2016162982A_000032t.gif

【0148】
[式中、Ar~Arは同じか又は異なり、それぞれ芳香環又は複素芳香環;R~R11は水素原子又は置換基;ただし、RとR、RとR、RとR10、及びRとR11の少なくとも1つが結合して置換されていてもよい環を形成してもよい;破線は単結合の存在又は非存在を示す。]
で示される化合物、一般式(2B):

【0149】
【化32】
JP2016162982A_000033t.gif

【0150】
[式中、R12~R15は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基;k1~k4は同じか又は異なり、それぞれ0~4の整数である。]
で示される化合物、及び一般式(2C):

【0151】
【化33】
JP2016162982A_000034t.gif

【0152】
[式中、Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基である。]
で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。

【0153】
一般式(2A)において、Ar~Arは芳香環又は複素芳香環である。

【0154】
芳香環としては、ベンゼン環の他、ペンタレン環、インデン環、ナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピレン環、ペリレン環、トリフェニレン環、アズレン環、ヘプタレン環、ビフェニレン環、インダセン環、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環等の芳香族縮合環も挙げられる。

【0155】
複素芳香環としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ホウ素原子、リン原子、ケイ素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1種の原子を有する複素芳香環が挙げられる。複素芳香環の具体例としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環、シロール環、ボロール環、ホスホール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環等が挙げられる。また、これら同士又はこれらとベンゼン環、上記縮合環等との複素縮合環等(チエノチオフェン環、キノリン環等)も使用できる。

【0156】
Ar~Arとしては、全て同一であってもよいし、異なるものであってもよい。また、これらのなかでも、第2の準平面構造を有する化合物同士がよりπ—スタッキングのネットワークを構築しやすくするとともに、第2の準平面構造を有する化合物の最高被占有軌道のエネルギー準位(HOMO)及び最低空軌道のエネルギー準位(LUMO)をより適切に調整することで、得られる光電変換素子の光電変換効率をより向上させる観点から、ベンゼン環又はチオフェン環が好ましい。

【0157】
一般式(2A)において、R~R11は水素原子又は置換基であるが、R~R11で示される置換基としては、同一でも異なっていてもよく、特に制限されないが、例えば、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のヘテロアリール基、置換又は無置換のアミノ基等が挙げられる。

【0158】
一般式(2A)において、R~R11で示される置換基としてのアルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基の説明と好ましい範囲については、上記アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基の記載と同様とすることができる。また、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、及びアリールオキシ基が置換されている場合の置換基も、上記アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基における置換基の記載と同様とすることができる。

【0159】
一般式(2A)において、R~R11で示される置換基としてのヘテロアリール基は、単環芳香族複素環由来の基であってもよいし、多環芳香族複素環由来の基であってもよい。このようなヘテロアリール基としては、環員数が5~50、特に5~20のものが好ましく、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、シラシクロペンタジエニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、アクリジニル基、キノリル基、キノキサロイル基、フェナンスロリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ピロリル基、ベンゾオキサゾリル基、ピリミジル基、イミダゾリル基等が挙げられる。また、ヘテロアリール基が置換されている場合の置換基としては、例えば、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、アミノ基等が挙げられ、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、及びヘテロアリール基の説明と好ましい範囲については上記アルコキシ基、上記アリール基、上記アリールオキシ基、及び上記ヘテロアリール基と同様とすることができる。

【0160】
一般式(2A)において、R~R11で示される置換基としてのアミノ基は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。また、アミノ基が置換されている場合の置換基としては、例えば、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基等が挙げられ、その説明と好ましい範囲については上記アルコキシ基、上記アリール基、上記アリールオキシ基、及び上記ヘテロアリール基と同様とすることができる。

【0161】
このような一般式(2A)で示される化合物としては、第2の準平面構造を有する化合物同士がよりπ—スタッキングのネットワークを構築しやすくするとともに、第2の準平面構造を有する化合物のHOMO及びLUMOをより適切に調整することで、得られる光電変換素子の光電変換効率をより向上させる観点、合成の容易さの観点から、一般式(2A1):

【0162】
【化34】
JP2016162982A_000035t.gif

【0163】
[式中、R~R11は前記に同じ;ただし、RとR、RとR、RとR10、及びRとR11のが結合して置換されていてもよい環を形成することはない;破線は単結合の存在又は非存在を示す。]
で示される化合物、又は一般式(2A2):

【0164】
【化35】
JP2016162982A_000036t.gif

【0165】
[式中、R16~R23は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換基;ただし、R16とR17、R18とR19、R20とR21、及びR22とR23の少なくとも1つが結合して置換されていてもよい環を形成してもよい。]
で示される化合物が好ましい。

【0166】
なお、一般式(2A2)において、R16~R23で示される置換基は、例えば、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のヘテロアリール基等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、及びヘテロアリール基の説明と好ましい範囲については、上記アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、及びヘテロアリール基の記載と同様とすることができる。また、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、及びアミノ基が置換されている場合の置換基も、上記アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、及びアミノ基における置換基の記載と同様とすることができる。

【0167】
一般式(2B)において、R12~R15は水素原子又は置換基であるが、R12~R15で示される置換基としては、同一でも異なっていてもよく、特に制限されないが、例えば、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のヘテロアリール基、置換又は無置換のアミノ基等が挙げられる。

【0168】
一般式(2B)において、R12~R15で示される置換基としてのアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、及びヘテロアリール基の説明と好ましい範囲については、上記アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、及びヘテロアリール基の記載と同様とすることができる。また、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、及びアミノ基が置換されている場合の置換基も、上記アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、及びアミノ基における置換基の記載と同様とすることができる。R12~R15は同一でもよいし、それぞれ異なっていてもよい。

【0169】
一般式(2B)において、k1~k4はいずれも0~4の整数であり、0~2の整数が好ましい。k1~k4は同一でもよいし、それぞれ異なっていてもよい。

【0170】
一般式(2C)において、Rは水素原子又は置換基であるが、Rで示される置換基としては、同一でも異なっていてもよく、特に制限されないが、例えば、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のヘテロアリール基、置換又は無置換のアミノ基等が挙げられる。

【0171】
一般式(2C)において、Rで示される置換基としてのアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、及びヘテロアリール基の説明と好ましい範囲については、上記アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、及びヘテロアリール基の記載と同様とすることができる。また、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、及びアミノ基が置換されている場合の置換基も、上記アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、及びアミノ基における置換基の記載と同様とすることができる。Rは同一でもよいし、それぞれ異なっていてもよい。

【0172】
このような条件を満たす一般式(2C)で示される化合物としては、一般式(2C1):

【0173】
【化36】
JP2016162982A_000037t.gif

【0174】
[式中、Rは置換基である。]
で示される化合物、一般式(2C2):

【0175】
【化37】
JP2016162982A_000038t.gif

【0176】
[式中、Rは置換基である。]
で示される化合物が好ましい。

【0177】
一般式(2C1)及び一般式(2C2)において、Rは置換きであり、上記した置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のヘテロアリール基、置換又は無置換のアミノ基等が挙げられる。

【0178】
このような第2の準平面構造を有する化合物のHOMOは、隣接する金属電極(金等)側にホールを輸送しやすくして光電変換効率をより向上させる観点から、隣接する光吸収層中のペロブスカイト材料(CHNHPbX)の価電子帯準位より高く、隣接する金属電極(金等)の価電子帯準位より低いことが好ましい。後述の酸化剤(3価コバルト錯体塩)を使用してカチオン化する場合は、カチオン化した第1の準平面構造を有する化合物のHOMOが、隣接する光吸収層中のペロブスカイト材料(CHNHPbX)の価電子帯準位より高く、隣接する金属電極(金等)の価電子帯準位より低いことが好ましい。なお、隣接する光吸収層中のペロブスカイト材料として一般に使用されるCHNHPbXの価電子帯準位は-5.44 eV(実測値;真空準位)、隣接する金属電極として一般に使用される金の価電子帯準位は-4.89 eV(実測値;真空準位)である。一般に、実測値は、コーン・シャム方程式による計算値と比較して0.5~0.9 eV程度(特に0.6~0.7 eV程度)負側にずれていることが明らかになっているため、第1の準平面構造を有する化合物のHOMOは、コーン・シャム方程式による計算値が、-5.2~-3.8 eVが好ましく、-5.0~-4.0 eVがより好ましく、-4.8~-4.3 eVがさらに好ましい。

【0179】
また、このような第2の準平面構造を有する化合物のLUMOは、隣接する光吸収層中のペロブスカイト材料(CHNHPbX)の価電子帯準位との差を一定範囲に保つことが好ましい。このため、第2の準平面構造を有する化合物のLUMOは、コーン・シャム方程式による計算値が、-3.0~0eVが好ましく、-2.5~-0.5 eVがより好ましく、-2.0~-0.8 eVがさらに好ましい。

【0180】
このような条件を満たす一般式(2A)で示される化合物としては、具体的には、

【0181】
【化38】
JP2016162982A_000039t.gif

【0182】
[式中、R8a~R11aは同じか又は異なり、それぞれ上記の置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロアリール基、又は置換又は無置換のアミノ基;R8b~R11bは同じか又は異なり、それぞれ上記の置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基;R30~R33は同じか又は異なり、それぞれ上記の置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のヘテロアリール基、又は置換又は無置換のアミノ基である。]
等が挙げられる。

【0183】
このような条件を満たす一般式(2B)で示される化合物としては、具体的には、

【0184】
【化39】
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【0185】
【化40】
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【0186】
等が挙げられる。

【0187】
このような条件を満たす一般式(2C)で示される化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0188】
【表1】
JP2016162982A_000042t.gif

【0189】
これら一般式(2A)で示される化合物、一般式(2B)で示される化合物、及び一般式(2C)で示される化合は、公知又は市販品を使用してもよいし、合成してもよい。合成する場合は、例えば、日本化学会第93春季年会1F6-38(2013年3月23日)の方法に従って、又はそれに準じて、合成することができる。

【0190】
3.p型バッファ層
本発明において、p型バッファ層は、上記した準平面化合物(上記の第1の準平面構造を有する化合物又は第2の準平面構造を有する化合物)を含有する。この準平面化合物は、上記した準平面化合物をいずれも使用することが可能であるが、後述の酸化剤(3価コバルト錯体塩)を使用しない場合には、中性状態におけるHOMO(コーン・シャム方程式による計算値)が隣接する光吸収層中のペロブスカイト材料(CHNHPbX)の価電子帯準位と近いことが好ましく、コーン・シャム方程式により計算されたHOMOが-5.2~-4.5 eV程度(特に-5.2~-4.8 eV程度)の準平面化合物を用いることが好ましい。一方、後述の酸化剤(3価コバルト錯体塩)を使用する場合には、酸化剤の作用によりカチオン化された準平面化合物のHOMO(コーン・シャム方程式による計算値)が上記説明した範囲内となることが好ましいことから、コーン・シャム方程式により計算されたHOMOが-4.5~-3.8 eV程度(特に-4.2~-4.0 eV程度)の準平面化合物を用いることが好ましい。

【0191】
このp型バッファ層中には、上記した準平面化合物以外にも、前記準平面化合物をカチオン化して前記準平面化合物のHOMOを調整(HOMOを低減)しつつ、前記準平面化合物の正孔輸送特性をさらに向上させることを目的として、酸化剤が含まれていてもよい。

【0192】
この酸化剤としては、特に制限されないが、上記した準平面化合物のHOMOを適切な範囲に調整することがより容易であることから、3価コバルト錯体塩が好ましく、3価コバルト錯体のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩がより好ましい。

【0193】
このような酸化剤としては、具体的には、

【0194】
【化41】
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【0195】
LiTFSI、Ag(TFSI)、AgTFS、NOSbF、SbCl、SbF
[TFSIはトリス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド;TFSはトリフルオロメタンスルホニル基である。]
等が挙げられる。

【0196】
酸化剤を使用する場合、p型バッファ層中の酸化剤の含有量は、特に制限されるわけではないが、前記準平面化合物をカチオン化して前記準平面化合物のHOMOを調整(HOMOを低減)しつつ、前記準平面化合物の正孔輸送特性をさらに向上させることができることから、前記準平面化合物1モルに対して、0.02~0.4モルが好ましく、0.05~0.2モルがより好ましい。

【0197】
本発明においては、p型バッファ層には、上記準平面化合物及び酸化剤以外にも、従来からp型バッファ層に含ませることができる添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含めることができる。

【0198】
p型バッファ層の厚みは、特に制限されないが、得られる光電変換素子の光電変換効率をより向上させる観点から、10~500nm程度が好ましく、200~400nm程度がより好ましい。

【0199】
p型バッファ層の形成方法は特に制限されない。例えば、光電変換素子用p型バッファ層形成用組成物を、対象基板又は膜(好ましくは、後述の光吸収層)に対して塗布及び乾燥することにより形成することが好ましい。この際使用される光電変換素子用p型バッファ層形成用組成物は、上記準平面化合物、必要に応じて上記酸化剤及び添加剤、並びに溶媒を含有する。

【0200】
この際使用される溶媒は、上記の準平面化合物、並びに必要に応じて上記酸化剤及び添加剤を溶解することができる限り特に制限はないが、イソプロパノール、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、二硫化炭素、ナフタレン、ベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、酢酸エチル等が挙げられる。

【0201】
塗布方法は特に制限されず、スピンコート、スクリーン印刷、ロールコート、ディップコート、スプレー、ナイフコート、バーコート、ダイコート、カーテンコート等が挙げられるが、膜厚、成膜性等の観点から、スピンコートが好ましい。なお、スピンコートの条件は、所望の膜厚に応じて、適宜設定することができる。

【0202】
乾燥の条件は特に制限はないが、余分な溶媒を除去できる程度とすればよいが、25~100℃が好ましく、30~50℃がより好ましい。

【0203】
4.光電変換素子
本発明の光電変換素子は、上記した本発明のp型バッファ層を備えている。具体的には、本発明の光電変換素子は、透明電極、n型バッファ層(電子輸送層)、光吸収層、本発明のp型バッファ層(正孔輸送層)、及び金属電極をこの順に備えることが好ましい。

【0204】
<透明電極>
透明基板は、光電変換に寄与する光を透過可能な透光性を有する必要がことから、透明な材料を使用する。また、透明電極は、後述の光吸収層の支持体であるとともに、光吸収層より電流を取り出す機能を有するものであることから、導電性基板が好ましい。

【0205】
このような観点から、透明電極としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)膜、フッ素ドープの二酸化錫膜(FTO)、不純物ドープの酸化亜鉛(ZnO)膜、不純物ドープの酸化インジウム(In)膜、又はこれらを積層してなる積層膜等の透明導電性酸化物からなる透明導電層を備えていることが好ましい。

【0206】
これら透明電極の厚みは特に制限されないが、通常、抵抗が5~15Ω/□となるように調整することが好ましい。

【0207】
透明導電層は、成形する材料に応じて、公知の成膜方法を用いて得ることができる。当該透明導電層は、外部から保護するために、必要に応じて、透光性被覆体により覆われていてもよい。

【0208】
当該透光性被覆体としては、例えば、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド等の樹脂シート、白板ガラス、ソーダガラス等の無機シート、又はこれらの素材を組み合わせてなるハイブリッドシート等が挙げられる。

【0209】
これら透光性被覆体の厚みは特に制限されないが、通常、抵抗が5~15Ω/□となるように調整することが好ましい。

【0210】
<緻密n型バッファ層(緻密電子輸送層)>
本発明の光電変換素子においては、前記透明電極の上に、緻密n型バッファ層(緻密電子輸送層)が形成されることが好ましい。この緻密n型バッファ層(緻密電子輸送層)は、平滑構造を有し、p型バッファ層中の前記準平面化合物が上記透明電極と接して短絡することをより防ぐ目的で形成されるものである。

【0211】
緻密n型バッファ層(緻密電子輸送層)は、透光性の電子輸送材料を含む層(特に透光性の電子輸送材料をからなる層)とすることが好ましい。透光性の電子輸送材料としては、特に制限されないが、具体的には、酸化チタン(TiO等)、酸化タングステン(WO、WO、W等)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb等)、酸化タンタル(Ta等)、酸化イットリウム(Y等)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO等)等の1種又は2種以上を採用できる。なお、半導体を使用する場合には、ドナーがドープされていてもよい。これにより、多孔質電子輸送層からのリークをより抑制することができる。透光性の電子輸送材料として酸化チタン(TiO等)を採用する場合には、結晶形態はアナターゼ型が好ましい。

【0212】
緻密n型バッファ層(緻密電子輸送層)の厚みは、特に制限されないが、ペロブスカイト層が上記透明電極と接して短絡することをより防ぐ観点から、5~100nm程度が好ましく、30~50nm程度がより好ましい。

【0213】
緻密n型バッファ層(緻密電子輸送層)は、成形する材料に応じて、公知の成膜方法を用いて得ることができる。

【0214】
<多孔質n型バッファ層(多孔質電子輸送層)>
本発明の光電変換素子においては、前記緻密n型バッファ層(緻密電子輸送層)の上に、多孔質n型バッファ層(多孔質電子輸送層)が形成されることが好ましい。

【0215】
多孔質n型バッファ層(多孔質電子輸送層)は、多孔質構造を有している。多孔質構造とは、特に制限されるわけではないが、粒状体、線状体(線状体:針状、チューブ状、柱状等)等が集合して、全体として多孔質な性質を有していることが好ましい。また、細孔サイズはナノスケールであることが好ましい。多孔質構造を有することにより、ナノスケールであるため、光吸収層の活性表面積を著しく増加させ、光電変換効率を向上させるとともに、電子収集に優れる多孔質電子輸送層とすることができる。

【0216】
多孔質n型バッファ層(多孔質電子輸送層)は、透光性の多孔質電子輸送材料を含む層(透光性の多孔質電子輸送材料からなる層)とすることが好ましい。透光性の多孔質電子輸送材料としては、特に制限されないが、具体的には、酸化チタン(TiO等)、酸化タングステン(WO、WO、W等)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb等)、酸化タンタル(Ta等)、酸化イットリウム(Y等)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO等)等の1種又は2種以上を採用できる。なお、半導体を使用する場合には、ドナーがドープされていてもよい。これにより、多孔質電子輸送層が、光吸収層に導入するための窓層となり、且つ、光吸収層から得られた電力をより効率よく取り出すことができる。

【0217】
多孔質n型バッファ層(多孔質電子輸送層)の厚みは、特に制限されないが、光吸収層からの電子をより収集できる観点から、50~500nm程度が好ましく、100~250nm程度がより好ましい。

【0218】
多孔質n型バッファ層(多孔質電子輸送層)は、成形する材料に応じて、公知の成膜方法を用いて得ることができる。

【0219】
<光吸収層>
本発明の光電変換素子においては、前記多孔質n型バッファ層(多孔質電子輸送層)の上に、光吸収層が形成されることが好ましい。

【0220】
光吸収層は、特に制限されるわけではないが、例えば、CHNHPbI、CNHPbI、CHNHPbBr、CNHPbBr、CHNHPbBr、CNHPbCl、CHNHPbCl、CNHPbCl、CsSnI、CHNHSnI、CNHSnI、CsSnBr、CHNHSnBr、CNHSnBr、CsSnCl、CHNHSnCl、CNHSnCl等のペロブスカイト材料を含有する層を採用することができる。これらのペロブスカイト材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。

【0221】
光吸収層の厚みは、過度に厚膜化すると欠陥や剥離による性能劣化が発生しやすいという観点から、50~1000nmが好ましく、200~500nmがより好ましい。

【0222】
光吸収層は、成形する材料に応じて、公知の成膜方法を用いて得ることができる。

【0223】
<p型バッファ層>
本発明において、p型バッファ層は、上記説明したように、準平面化合物を含有するが、上記光吸収層の上に形成されることが好ましい。つまり、上記光吸収層の上に、スピンコート、スクリーン印刷、ロールコート、ディップコート、スプレー、ナイフコート、バーコート、ダイコート、カーテンコート等(好ましくはスピンコート)の方法によって形成されることが好ましい。

【0224】
<金属電極>
本発明の光電変換素子においては、前記p型バッファ層の上に、金属電極を備えることが好ましい。

【0225】
金属電極を構成する材料としては、特に制限されないが、例えば、金、白金、パラジウム、ロジウム、タングステン、モリブデン、タンタル、チタン、ニオビウム等が好ましい。また、金、白金、パラジウム、ロジウム、タングステン、モリブデン、タンタル、チタン、ニオビウム等の金属の合金等も好ましく用いられる。

【0226】
金属電極の厚みは特に制限されないが、例えば、50~100nm程度とすることが好ましい。
【実施例】
【0227】
以下、実施例等を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0228】
合成例1(化合物6a)及び合成例2(化合物6b)
【実施例】
【0229】
【化42】
JP2016162982A_000044t.gif
【実施例】
【0230】
<2,6-ジフルオロ-N-(2-メトキシフェニル)アニリン(化合物3)の合成>
o-ヨードアニソール(化合物1;21.7 g, 92.5 mmol)、2,6-ジフルオロアニリン(化合物2;10.7 g, 82.7 mmol)、Pd2(dba)3・CHCl3(dba:ジベンジリデンアセトン;1.60 g, 1.59 mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(9.22 g, 95.9 mmol)、及びトリ-tert-ブチルホスフィン(2.58 g, 12.7 mmol)を乾燥トルエン(200 mL)中に溶解させ、混合物を100℃で16時間攪拌した。不溶性物質をろ過し、トルエン(150 mL)で抽出した。ろ液に純水を添加し、生成物をトルエン(50 mL)で3回抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルショートカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2: ヘキサン = 1: 2, Rf = 0.45)で精製し、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2: ヘキサン = 1: 4, Rf = 0.25)で精製し、2,6-ジフルオロ-N-(2-メトキシフェニル)アニリン(化合物3)を橙色油として得た(96 %, 18.7 g, 79.4 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.18-7.01 (m, 1H), 7.18-6.93 (m, 2H), 6.91-6.81 (m, 3H), 6.60 (ddd, 3J(H,H) = 9.0 Hz, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 4J(H,H) = 2.5 Hz, 1H), 5.88 (s, 1H), 3.93 (s, 3H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3): δ 157.05 (dd, 1J(C,F) = 246.1 Hz, 3J(C,F) = 5.7 Hz), 147.59, 133.18, 123.56 (t, 3J(C,F) = 9.8 Hz), 120.65, 119.72, 118.95 (t, 2J(C,F) = 15.5 Hz), 112.91 (t, 4J(C,F) = 2.3 Hz), 111.77 (dd, 2J(C,F) = 16.6 Hz, 4J(C,F) = 6.8 Hz), 109.96, 55.47; HRMS(FAB) (m/z): [M]+ calcd. for C13H11F2NO: 235.0809; found, 235.0811; Elemental analysis calcd (%) for C13H11F2NO: C 66.38, H 4.71, N 5.95; found: C 66.27, H 4.53, N 6.06。
【実施例】
【0231】
<N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2,5-ジメトキシ-N-(2-メトキシフェニル)アニリン(化合物4)の合成>
2,6-ジフルオロ-N-(2-メトキシフェニル)アニリン(化合物3;23.3 g, 99.0 mmol)、2-ヨード-1,4-ジメトキシベンゼン(28.8 g, 109 mmol)、K2CO3(34.6 g, 250 mmol)、銅粉末(12.7 g, 200 mmol)、及び18-クラウン-6(1.28 g, 4.86 mmol)をメシチレン(150 mL)中に溶解させ、混合物を220℃で30時間攪拌した。不溶性物質をろ過し、固体をCH2Cl2(250 mL)で洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮した。得られた粗生成物をヘキサン(250 mL)及びメタノール(100 mL)で洗浄し、N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2,5-ジメトキシ-N-(2-メトキシフェニル)アニリン(化合物4)を白色固体として得た(92 %, 33.9 g, 91.3 mmol)。
mp: 152.6-153.6℃; 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.07 (td, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 1H), 7.01 (tt, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 3J(H,F) = 6.0 Hz, 1H), 6.97 (dd, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 1H), 6.90 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 1.0 Hz, 1H), 6.87 (td, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 1H), 6.84 (d, 3J(H,H) = 6.0 Hz, 1H), 6.83-6.81 (m, 2H), 3.68 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.52 (s, 3H); 13C NMR (125 MHz, CD2Cl2): δ 159.1 (dd, 1J(C,F) = 249 Hz, 3J(C,F) = 6.0 Hz), 154.4, 153.5, 147.4, 138.2, 136.3, 125.0, 124.8 (t, 2J(C,F) = 13.1 Hz), 124.7, 124.1 (t, 3J(C,F) = 9.6 Hz), 121.1, 115.3, 113.1, 111.5 (dd, 2J(C,F) = 18.4 Hz, 4J(C,F) = 5.4 Hz), 110.5, 107.8, 57.3, 56.1, 55.5; HRMS (FAB) (m/z): [M]+ calcd. for C21H19F2NO3, 371.1333; found, 371.1336; Elemental analysis calcd (%) for C21H19F2NO3: C 67.92, H 5.16, N 3.77; found: C 67.93, H 5.16, N 3.92。
【実施例】
【0232】
<2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物5a)の合成>
N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2,5-ジメトキシ-N-(2-メトキシフェニル)アニリン(化合物4;6.10 g, 16.4 mmol)をCH2Cl2(180 mL)中に溶解させた。溶液を-78℃まで冷却し、次いで、BBr3(5.10 mL, 53.8 mmol)を添加した。混合物をゆっくりと室温まで昇温し、3時間攪拌した。反応混合物を純水中に注ぎ、エチルアセテート(30 mL)で3回抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮し、粗生成物を6.37 g得た。得られた固体をDMF(150 mL)中に溶解させた。混合物にK2CO3(9.13 g, 66.1 mmol)を添加し、120℃で14時間攪拌した。溶液を室温まで冷却した。この溶液に、オクチルブロマイド(5.30 mL, 24.7 mmol)を添加し、80℃で8時間攪拌した。不溶性物質をろ過し、CH2Cl2(50 mL)で洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮した。得られた固体をCH2Cl2(30 mL)中に溶解し、純水を添加し、CH2Cl2(20 mL)で3回抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2: ヘキサン = 1: 10, Rf = 0.40)で精製し、2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物5a)を無色油として得た(82 %, 5.42 g, 13.5 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ7.36 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 1H), 6.97 (td, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 1H), 6.94-6.88 (m, 3H), 6.81 (d, 3J(H,H) = 9.0 Hz, 1H), 6.77 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 1H), 6.49 (d, 3J(H,H) = 9.0 Hz, 2H), 6.42 (dd, 3J(H,H) = 9.0 Hz,4J(H,H) = 2.5 Hz, 1H), 3.88 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 2H), 1.73 (quin, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 2H), 1.43 (quin, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 2H), 1.37-1.23 (m, 8H), 0.88 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 3H); 13C NMR (125 MHz, CD2Cl2): δ 155.9, 147.4, 146.1, 145.7, 141.0, 130.0, 129.3, 124.06, 124.02, 123.8, 120.9, 117.73, 117.69, 115.4, 111.3, 111.1, 108.3, 102.3, 69.0, 32.2, 29.8, 29.68, 29.66, 26.4, 23.1, 14.3; HRMS (FAB) (m/z): [M]+ calcd. for C26H27NO3, 401.1991; found, 401.1990; Elemental analysis calcd (%) for C26H27NO3: C 77.78, H 6.78, N 3.49; found: C 77.57, H 6.68, N 3.75。
【実施例】
【0233】
<3-ブロモ-2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6a)の合成>
2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物5a;4.28 g, 10.7 mmol)をCH2Cl2(160 mL)中に溶解させた。次いで、N-ブロモスクシンイミド(1.90 g, 10.7 mmol)を溶液に添加し、室温で14時間攪拌した。反応混合物をシリカパッドでろ過し、濃縮することで、合成例1の目的物である3-ブロモ-2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6a)を白色固体として得た(98 %, 5.00 g, 10.4 mmol)。
mp: 65.6-66.6℃; 1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ 7.29 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.98 (dd, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 1H), 6.97-6.88 (m, 3H), 6.77 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 1H), 6.50 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 1H), 6.48 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 1H), 3.89 (t, 3J(H,H) = 6.5 Hz, 2H), 1.78 (quin, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 2H), 1.47 (quin, 3J(H,H) = 6.5 Hz, 2H), 1.40-1.23 (m, 8H), 0.90 (t, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 3H); 13C NMR (125 MHz, CD2Cl2): δ 152.1, 147.4, 145.8, 145.7, 141.2, 129.3, 129.0, 124.3, 124.13, 124.05, 121.6, 120.6, 117.9, 115.0, 111.46, 111.42, 104.1, 101.0, 70.5, 32.2, 29.7, 29.6, 29.5, 26.3, 23.0, 14.3; HRMS (FAB) (m/z): [M]+ calcd. for C26H26BrNO3, 481.1079; found, 481.1083; Elemental analysis calcd (%) for C26H26BrNO3: C 65.00, H 5.46, N 2.92; found: C 64.89, H 5.44, N 2.94。
【実施例】
【0234】
<2-(2-エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物5b)の合成>
オクチルブロマイドの代わりに2-エチルヘキシルブロマイドを使用すること以外は上記化合物5aの合成方法と同様の方法により、2-(2-エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物5b)を無色油として得た(63 %, 3.79 g, 9.45 mmol)。
1H NMR (500 MHz, C6D6): δ 7.09 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 1H), 6.94 (d, 4J(H,H) = 2.5 Hz, 1H), 6.80 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 1H), 6.78 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 1H), 6.54 (td, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 1H), 6.50 (td, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 1H), 6.44 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 1H), 6.41 (t, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 1H), 6.39 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 3.0 Hz, 1H), 6.27 (dd, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4J(H,H) = 3.0 Hz, 1H), 3.57 (d, 3J(H,H) = 5.5 Hz, 1H), 3.56 (d, 3J(H,H) = 5.0 Hz, 1H), 1.58 (quin, 3J(H,H) = 6.0 Hz, 1H), 1.49-1.16 (m, 8H), 0.88 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 3H), 0.85 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 3H); HRMS (FAB) (m/z): [M]+calcd. for C26H27NO3, 401.1991; found, 401.1992。
【実施例】
【0235】
<3-ブロモ-2-(2-エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6b)の合成>
2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物5a)の代わりに2-(2-エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物5b)を使用すること以外は上記化合物6aの合成方法と同様に、3-ブロモ-2-(2-エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6b)を白色固体として得た(88 %, 3.99 g, 8.30 mmol)。
mp: 79.9-80.8℃; 1H NMR (500 MHz, C6D6): δ 7.07 (s, 1H), 6.97 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 1H), 6.80 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 1H), 6.69 (s, 1H), 6.61 (td, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 1H), 6.57 (td, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 1H), 6.43-6.38 (m, 2H), 6.80 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 1H), 6.34 (dd, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 1H), 3.49 (d, 3J(H,H) = 6.0 Hz, 2H), 1.55 (quin, 3J(H,H) = 6.0 Hz, 1H), 1.48 (quin, 3J(H,H) = 6.5 Hz, 1H), 1.44-1.31 (m, 2H), 1.30-1.17 (m, 3H), 0.90 (t, 3J(H,H) = 6.5 Hz, 3H), 0.86 (t, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 1H); HRMS (FAB) (m/z): [M]+ calcd. for C26H26BrNO3, 481.1079; found, 481.1081; Elemental analysis calcd (%) for C26H26BrNO3: C 65.00, H 5.46, N 2.92; found: C 64.86, H 5.49, N 3.16。
【実施例】
【0236】
合成例3(化合物6c)
【実施例】
【0237】
【化43】
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【実施例】
【0238】
<3-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物5c)の合成>
3-ブロモベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(709 mg, 2.01 mmol)、及びPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(dppf:1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;32.8 mg, 40.2 μmol)をTHF(20 mL)中に溶解させた。この溶液に、C6H13MgClのTHF溶液(2.60 mmol)を添加し、75℃で24時間加熱した。この溶液を1 M HCl水溶液に注ぎ、CH2Cl2(10 mL)で3回抽出した。有機相を純水及び食塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン: CH2Cl2 = 9: 1, Rf = 0.39)で精製し、3-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物5c)を黄色油として得た(61 %, 441 mg, 1.23 mmol)。
【実施例】
【0239】
<3-ブロモ-11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6c)の合成>
3-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物5c;438 mg, 1.23 mmol)をCH2Cl2(10 mL)中に溶解させた。N-ブロモスクシンイミド(220 mg, 1.23 mmol)を溶液に添加し、室温で25時間攪拌した。反応混合物を純水中に注ぎ、CH2Cl2(10 mL)で3回抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルパッド(CH2Cl2)で精製し、合成例3の目的物である3-ブロモ-11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6c)を黄色固体として得た(99 %, 528 mg, 1.21 mmol)。
1H NMR (500 MHz, C6D6): δ6.90 (d, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 1H), 6.83 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 1H), 6.73 (d, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 1H), 6.71 (dd, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4J(H,H) = 2.5 Hz, 1H), 6.67 (d, 3J(H,H) = 9.0 Hz, 1H), 6.52 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 1H), 6.40 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 2.5 Hz, 1H), 6.37 (t, 3J(H,H) = 9.0 Hz, 1H), 6.28 (dd, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4J(H,H) = 2.5 Hz, 1H), 2.33 (t, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 2H), 1.46 (quin, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 2H), 1.29-1.20 (m, 6H), 0.89 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 3H)。
【実施例】
【0240】
合成例4(化合物9)
【実施例】
【0241】
【化44】
JP2016162982A_000046t.gif
【実施例】
【0242】
<1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8;Bpin: ピナコレートボリル基)の合成>
B2pin2(ビスピナコレートジボロン;16.8 g, 66.0 mmol)、(1,5-シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)ダイマー([Ir(OMe)cod]2; 1.99 g, 3.01 mmol)、4,4’-ジメチル-2,2’-ビピリジル(1.11 g, 6.01 mmol)、及びカリウムt-ブトキシド(168 mg, 1.50 mmol)をシュレンク管に投入し、アルゴンを流した。ここにTHF(13 mL)を添加し、混合物を50℃で10分間加熱した。アズレン(化合物7;1.93 g, 15.0 mmol)を溶液に添加し、85℃で6日間攪拌した。混合物を室温まで冷却し、CH2Cl2(100 mL)で希釈した。溶液を純水(100 mL)でクエンチし、相分離した。水相をCH2Cl2(50 mL)で3回抽出し、有機相を食塩水で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。得られた粗生成物にメタノール(200 mL)を添加して混合物が溶液と紫色沈殿とに分離するまで30分間超音波分散した。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄し、1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)を紫色固体として得た(38 %, 3.62 g, 5.73 mmol)。
mp (decomp.): 289.0℃; 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 9.72 (s, 2H), 8.69 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 1.41 (s, 48H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ 153.3, 149.8, 149.4, 146.0, 84.2, 82.9, 25.1, 25.0 (Two signals for the carbon atoms bonding to the boron atom were not observed due to the quadrupolar relaxation of the boron atom); HRMS (FAB) (m/z): [M]+ calcd. for C34H52B4O8, 632.4056; found, 632.4071; Elemental analysis calcd (%) for C34H52B4O8: C 64.61, H 8.29; found: C 64.53, H 8.10。
【実施例】
【0243】
<3,3’,3’’,3’’’-(アズレン-1,3,5,7-テトライル)テトラキス(2-(オクチルオキシ) ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン)(化合物9)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8;639 mg, 1.01 mmol)、3-ブロモ-2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6a;2.33 g, 4.84 mmol)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(50.5 mg, 61.8 μmol)、及び炭酸セシウム(3.29 g, 10.1 mmol)をシュレンク管に投入し、アルゴンを流した。このシュレンク管にTHF(90 mL)を添加し、95℃で2日間加熱した。混合物をシリカゲルパッドに通し、減圧下に濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン: CH2Cl2 = 3:1, Rf = 0.20)で精製し、目的物である3,3’,3’’,3’’’-(アズレン-1,3,5,7-テトライル)テトラキス(2-(オクチルオキシ) ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン)(化合物9)を緑色固体として得た(58 %, 1.01 g, 0.583 mmol)。
mp: 114.9-116.7 ℃; 1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ 8.48 (s, 2H), 8.12 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.45 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 7.41 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 7.08 (s, 4H), 7.04-6.97 (m, 8H), 6.95-6.91 (m, 8H), 6.79 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 6.78 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 6.54-6.49 (m, 8H), 3.89 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 4H), 3.83 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 4H), 1.65 (quin, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4H), 1.60 (quin, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4H), 1.28-1.09 (m, 40H), 0.79 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 6H), 0.78 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 6H); 13C NMR (125 MHz, CD2Cl2): δ 153.1, 152.3, 147.4, 146.0, 145.9, 145.8, 145.7, 142.4, 140.9, 140.7, 138.0, 135.8, 131.8, 129.6, 129.5, 129.3, 128.6, 127.9, 126.5, 124.15, 124.07, 123.7, 123.6, 121.6, 121.0, 120.8, 120.0, 117.78, 117.75, 115.0, 111.4, 111.2, 111.1, 101.2, 100.8, 69.94, 69.91, 32.3, 29.8, 29.74, 29.69, 29.66, 29.60, 29.5, 26.5, 26.3, 23.05, 23.03, 14.3 (seven sp2 and two sp3-carbon signals were overlapped); HRMS (FAB) (m/z): [M]+ calcd. for C114H108N4O12, 1724.7964; found, 1724.7959; Elemental analysis calcd (%) for C114H108N4O12: C 79.32, H 6.31, N 3.25; found: C 79.25, H 6.26, N 3.27。
【実施例】
【0244】
合成例5(化合物11a)、合成例6(化合物11b)、及び合成例7(化合物11c)
【実施例】
【0245】
【化45】
JP2016162982A_000047t.gif
【実施例】
【0246】
<3,3',5,5'-テトラキス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)-1,1'-ビフェニル(化合物11a)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりに3,3’,5,5’-テトラキス(Bpin)ビフェニル(化合物10)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、3,3',5,5'-テトラキス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)-1,1'-ビフェニル(化合物11a)を白色固体として得た(59 %, 62.3 mg, 0.0355 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ 7.87 (s, 4H), 7.75 (s, 2H), 7.43 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 7.09 (s, 4H), 7.04 (s, 4H), 7.03-6.98 (m, 4H), 6.97-6.92 (m, 8H), 6.79 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 6.53 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 6.52 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 3.91 (t, 3J(H,H) = 6.5 Hz, 8H), 1.74 (quin, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 8H), 1.34 (quin, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 8H), 1.20-1.06 (m, 32H), 0.75 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 12H)。
【実施例】
【0247】
<3,3',5,5'-テトラキス(2-(エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)-1,1'-ビフェニル(化合物11b)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりに3,3’,5,5’-テトラキス(Bpin)ビフェニル(化合物10)を使用し、3-ブロモ-2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6a)の代わりに3-ブロモ-2-(2-エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6b)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、3,3',5,5'-テトラキス(2-(エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)-1,1'-ビフェニル(化合物11b)を白色固体として得た(65 %, 342 mg, 0.195 mmol)。
mp: 121.2-123.0℃; 1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ 7.83 (d, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 4H), 7.73 (t, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 2H), 7.43 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 7.07 (s, 4H), 7.05-7.00 (m, 8H), 6.97-6.92 (m, 8H), 6.80 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 6.53 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 8H), 3.77 (d, 3J(H,H) = 5.5 Hz, 8H), 1.60 (quin, 3J(H,H) = 5.5 Hz, 4H), 1.44-1.20 (m, 20H), 1.19-1.05 (m, 16H), 0.76 (t, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 12H), 0.74 (t, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 12H); 13C NMR (125 MHz, CD2Cl2): δ 152.9, 147.5, 146.0, 145.8, 141.0, 140.9, 138.0, 129.7, 129.6, 128.7, 127.0, 126.0, 124.18, 124.15, 123.7, 121.0, 119.3, 117.8, 115.1, 111.4, 111.2, 100.7, 72.2, 30.8, 29.4, 24.2, 23.3, 14.2, 11.2; HRMS (FAB) (m/z): [M]+ calcd. for C116H110N4O12, 1750.8120; found, 1750.8124; Elemental analysis calcd (%) for C116H110N4O12: C 79.52, H 6.33, N 3.20; found: C 79.37, H 6.37, N 3.21。
【実施例】
【0248】
<3,3',5,5'-テトラキス(11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)-1,1'-ビフェニル(化合物11c)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりに3,3’,5,5’-テトラキス(Bpin)ビフェニル(化合物10)を使用し、3-ブロモ-2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6a)の代わりに3-ブロモ-11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6c)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、3,3',5,5'-テトラキス(11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)-1,1'-ビフェニル(化合物11c)を白色固体として得た(56 %, 35.0 mg, 0.0222 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ7.75 (s, 4H), 7.70 (s, 2H), 7.37 (d, 3J(H,H) = 8.50 Hz, 4H), 7.31 (dd, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 4H), 7.27-7.22 (m, 8H), 6.77 (dd, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 4H), 6.74 (t, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4H), 6.73 (s, 4H), 6.49 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4H), 6.48 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 2.51 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 8H), 1.60 (quin, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 8H), 1.38-1.28 (m, 24H), 0.90 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 12H)。
【実施例】
【0249】
合成例8(化合物13a)、及び合成例9(化合物13b)
【実施例】
【0250】
【化46】
JP2016162982A_000048t.gif
【実施例】
【0251】
<4,4’-ビス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)-1,1'-ビフェニル(化合物13a)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりに4,4’-ビス(Bpin)ビフェニル(化合物12)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、4,4’-ビス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)-1,1'-ビフェニル(化合物13a)を淡黄色固体として得た(73 %, 36.7 mg, 0.0367 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ7.70 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4H), 7.65 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 7.42 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 7.05-6.99 (m, 6H), 6.97-6.93 (m, 4H), 6.80 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 6.54 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 6.53 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 3.89 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 4H), 1.73 (quin, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 4H), 1.41(quin, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 4H), 1.34-1.20 (m, 16H), 0.87 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 6H)。
【実施例】
【0252】
<4,4’-ビス(2-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)-1,1'-ビフェニル(化合物13b)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりに4,4’-ビス(Bpin)ビフェニル(化合物12)を使用し、3-ブロモ-2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6a)の代わりに3-ブロモ-11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6c)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、4,4’-ビス(2-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)-1,1'-ビフェニル(化合物13b)を黄色固体として得た(58 %, 24.8 mg, 0.0287 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ7.74 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4H), 7.68 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4H), 7.41 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 2H), 7.29 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 2H), 7.28 (dd, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 2H), 7.23 (d, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 2H), 6.82 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 2H), 6.78 (t, 3J(H,H) = 9.0 Hz, 2H), 6.77 (s, 2H), 6.53 (dd, 3J(H,H) = 9.0 Hz, 4J(H,H) = 1.0 Hz, 4H), 6.53 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 2.54 (t, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4H), 1.60 (quin, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4H), 1.38-1.28 (m, 12H), 0.90 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 6H)。
【実施例】
【0253】
合成例10(化合物15a)、及び合成例11(化合物15b)
【実施例】
【0254】
【化47】
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【実施例】
【0255】
<1,3,5-トリス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ベンゼン(化合物15a)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりに1,3,5-トリス(Bpin)ベンゼン(化合物14)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、1,3,5-トリス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ベンゼン(化合物15a)を淡黄色固体として得た(69 %, 52.9 mg, 0.0415 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ7.72 (s, 3H), 7.42 (d, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 3H), 7.06 (s, 3H), 7.04-6.99 (m, 3H), 7.02 (s, 3H), 6.95-6.92 (m, 6H), 6.79 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 3H), 6.53 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 6H), 3.89 (t, 3J(H,H) = 6.5 Hz, 6H), 1.72 (quin, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 6H), 1.36 (quin, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 6H), 1.29-1.11 (m, 24H), 0.78 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 9H)。
【実施例】
【0256】
<1,3,5-トリス(11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ベンゼン(化合物15b)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりに1,3,5-トリス(Bpin)ベンゼン(化合物14)を使用し、3-ブロモ-2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6a)の代わりに3-ブロモ-11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6c)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、1,3,5-トリス(11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ベンゼン(化合物15b)を淡黄色固体として得た(64 %, 36.2 mg, 0.0316 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ7.70 (s, 3H), 7.42 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 3H), 7.33 (dd, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 3H), 7.30 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 3H), 7.27 (d, 4J(H,H) = 2.5 Hz, 3H), 6.81 (dd, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 3H), 6.79 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 3H), 6.77 (d, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 3H), 6.53 (d, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 3H), 6.52 (d, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 3H), 2.54 (t, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 6H), 1.58 (quin, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 6H), 1.38-1.16 (m, 18H), 0.90 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 9H)。
【実施例】
【0257】
合成例12(化合物17及び化合物18)
【実施例】
【0258】
【化48】
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【実施例】
【0259】
1,3,6,8-テトラブロモピレン(化合物16;516 mg, 0.997 mmol)、B2pin2(1.54 g, 6.06 mmol)、酢酸パラジウム(17.3 mg, 0.077 mmol)、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン(41.5 mg, 0.148 mmol)、及び酢酸カリウム(716 mg, 7.29 mmol)を圧力容器に投入し、N2を流した。この圧力容器に1,4-ジオキサン(40 mL)を添加し、90℃で4日間加熱した。不溶性物質をろ過し、メタノールで洗浄し、1,3,6,8-テトラキス(Bpin)ピレン(化合物17)及び1,3,6-トリス(Bpin)ピレン(化合物18)の混合物を淡黄色固体として得た。
【実施例】
【0260】
合成例13(化合物19及び化合物20)
【実施例】
【0261】
【化49】
JP2016162982A_000051t.gif
【実施例】
【0262】
1,3,6,8-テトラキス(Bpin)ピレン(化合物17;35.7 mg, 0.0505 mmol)及び1,3,6-トリス(Bpin)ピレン(化合物18;26.4 mg, 0.0455 mmol)の混合物、3-ブロモ-2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6a;243 mg, 0.506 mmol)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(14.1 mg, 17.3 μmol)、及び炭酸セシウム(278 mg, 0.852 mmol)を圧力容器に投入し、N2を流した。この圧力容器にTHF(8 mL)を添加し、10分間脱気し、95℃で24時間加熱した。混合物をCH2Cl2(50 mL)で希釈し、1 M HCl水溶液でクエンチし、CH2Cl2(5 mL)で3回抽出した。有機相を水及び食塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン: CH2Cl2 = 4:1, Rf = 0.09)で精製し、1,3,6,8-テトラキス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ピレン(化合物19)を黄色固体として得た(37 %, 34.1 mg, 0.0189 mmol)。また、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン: CH2Cl2 = 4:1, Rf = 0.10)で精製し、1,3,6-トリス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ピレン(化合物20)を黄色固体として得た(38 %, 24.5 mg, 0.0175 mmol)。
化合物19:
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ8.04-7.88 (m, 6H), 7.50 (d, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4H), 7.33 (t, 4J(H,H) = 2.7 Hz, 4H), 7.07-7.02 (m, 8H), 6.96 (d, 4J(H,H) = 2.4 Hz, 8H), 6.83-6.77 (m, 4H), 6.57-6.50 (m, 8H), 3.86-3.73 (m, 8H), 1.20-0.84 (m, 40H), 0.79-0.70 (m, 12H)。
化合物20:
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ8.20 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 1H), 8.08-7.88 (m, 6H), 7.53 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 1H), 7.50 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 7.16-7.10 (m, 3H), 7.08-6.98 (m, 6H), 6.98-6.92 (m, 6H), 6.84-6.74 (m, 3H), 6.58-6.50 (m, 6H), 3.86-3.73 (m, 8H), 1.20-0.84 (m, 40H), 0.79-0.70 (m, 12H)。
【実施例】
【0263】
合成例14(化合物22a)、及び合成例15(化合物22b)
【実施例】
【0264】
【化50】
JP2016162982A_000052t.gif
【実施例】
【0265】
<2,7-ビス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ピレン(化合物22a)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりにビス(Bpin)ピレン(化合物21)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、2,7-ビス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ピレン(化合物22a)を黄色固体として得た(60 %, 36.7 mg, 0.0367 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ8.39 (s, 4H), 8.10 (s, 4H), 7.48 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 7.22 (s, 2H), 7.12 (s, 2H), 7.05 (td, 3J(H,H) = 9.0 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 2H), 6.99-6.94 (m, 4H), 6.82 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 6.57 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 2H), 6.55 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 2H), 3.93 (t, 3J(H,H) = 6.0 Hz, 4H), 1.69 (quin, 3J(H,H) = 6.5 Hz, 4H), 1.40 (quin, 3J(H,H) = 6.5 Hz, 4H), 1.25-1.10 (m, 16H), 0.79 (t, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 6H)。
【実施例】
【0266】
<2,7-ビス(11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ピレン(化合物22b)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりにビス(Bpin)ピレン(化合物21)を使用し、3-ブロモ-2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6a)の代わりに3-ブロモ-11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6c)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、2,7-ビス(11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ピレン(化合物22b)を黄色固体として得た(67 %, 30.9 mg, 0.0338 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ8.38 (s, 4H), 8.14 (s, 4H), 7.52 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 2H), 7.50 (s, 2H), 7.46 (d, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 2H), 7.34 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 2H), 6.84 (dd, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 2H), 6.80 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 6.78 (d, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 2H), 6.57 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 1.0 Hz, 2H), 6.54 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 1.0 Hz, 2H), 2.55 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 1.61 (quin, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 1.39-1.30 (m, 12H), 0.91 (t, 3J(H,H) = 6.0 Hz, 6H)。
【実施例】
【0267】
合成例16(化合物24a)、及び合成例17(化合物24b)
【実施例】
【0268】
【化51】
JP2016162982A_000053t.gif
【実施例】
【0269】
<2,5,8,11-テトラキス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ペリレン(化合物24a)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりに2,5,8,11-テトラキス(Bpin)ペリレン(化合物23)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、2,5,8,11-テトラキス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ペリレン(化合物24a)を黄色固体として得た(56 %, 63.4 mg, 0.0343 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ7.90 (s, 4H), 7.46 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 7.17 (s, 4H), 7.09 (s, 4H), 7.03 (ddd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 3J(H,H) = 6.0 Hz, 4J(H,H) = 3.0 Hz, 4H), 7.50 (s, 2H), 7.46 (d, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 2H), 7.34 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 2H), 6.97-6.94 (m, 8H), 6.81 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 6.56 (d, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 4H), 6.54 (d, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 4H), 3.93 (t, 3J(H,H) = 6.0 Hz, 8H), 1.72 (quin, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 8H), 1.38 (quin, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 8H), 1.18-1.05 (m, 32H), 0.70 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 12H)。
【実施例】
【0270】
<2,5,8,11-テトラキス(11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ペリレン(化合物24b)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりに2,5,8,11-テトラキス(Bpin)ペリレン(化合物23)を使用し、3-ブロモ-2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6a)の代わりに3-ブロモ-11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6c)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、2,5,8,11-テトラキス(11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)ペリレン(化合物24b)を黄色固体として得た(48 %, 20.4 mg, 0.00985 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2/CS2 = 1/1): δ 7.89 (s, 4H), 7.47 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 7.44 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 7.39 (s, 4H), 7.35-7.31 (m, 8H), 6.84--6.76 (m, 8H), 6.75 (d, 4J(H,H) = 2.7 Hz, 4H), 6.56 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4H), 6.52 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 3.5 Hz, 4H), 2.57 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 8H), 1.64 (quin, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 8H), 1.42-1.20 (m, 34H), 0.92 (t, 3J(H,H) = 6.5 Hz, 12H)。
【実施例】
【0271】
合成例18(化合物26a)、及び合成例19(化合物26b)
【実施例】
【0272】
【化52】
JP2016162982A_000054t.gif
【実施例】
【0273】
<1,3,5,7,9-ペンタキス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)コラヌレン(化合物26a)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりに1,3,5,7,9-ペンタキス(Bpin)コラヌレン(化合物25)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、1,3,5,7,9-ペンタキス(2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)コラヌレン(化合物26a)を黄色固体として得た(33 %, 37.5 mg, 0.0167 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ7.86-7.62 (m, 5H), 7.52-7.44 (m, 5H), 7.16-7.06 (m, 5H), 7.06--6.98 (d, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 5H), 6.96-6.88 (m, 10H), 6.80-6.70 (m, 5H), 6.56-6.42 (m, 10H), 3.99-3.78 (m, 10H), 1.32-0.98 (m, 60H), 0.78-0.68 (m, 15H)。
【実施例】
【0274】
<1,3,5,7,9-ペンタキス(11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)コラヌレン(化合物26b)の合成>
1,3,5,7-テトラキス(Bpin)アズレン(化合物8)の代わりに1,3,5,7,9-ペンタキス(Bpin)コラヌレン(化合物25)を使用し、3-ブロモ-2-(オクチルオキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6a)の代わりに3-ブロモ-11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(化合物6c)を使用すること以外は上記化合物9の合成方法と同様に、1,3,5,7,9-ペンタキス(11-ヘキシルベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン-3-イル)コラヌレン(化合物26b)を黄色固体として得た(57 %, 23.7 mg, 0.0117 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2/CS2 = 1/1): δ 7.91 (s, 5H), 7.48 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 5H), 7.35 (dd, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 5H), 7.28 (d, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 5H), 6.79 (d, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 5H), 6.76 (t, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 5H), 6.74 (s, 5H), 6.50 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 10H), 2.55 (t, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 10H), 1.62 (quin, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 10H), 1.40-1.30 (m, 30H), 0.94 (t, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 15H)。
【実施例】
【0275】
合成例20
【実施例】
【0276】
【化53】
JP2016162982A_000055t.gif
【実施例】
【0277】
3,6-ジブロモナフタレン-2,7-ジイルビス(トリフルオロメタンスルホネート)(1.01 g, 1.74 mmol)、[1,1’-ジフェニル]-2-イルボロン酸(2.74 g, 13.8 mmol, 8当量)、Pd2(dba)3・CHCl3(183 mg, 177μmol, 10 mol%)、及びSPhos(145 mg, 353μmol, 20 mol%)のトルエン溶液(15 mL)に、炭酸セシウム(4.50 g, 13.8 mmol, 8当量)の水溶液(5 mL)を添加し、混合物を80℃で3日間窒素下に攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応混合物をCHCl3で抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶液を真空下に蒸発させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/CH2Cl2 = 90: 10~60: 40)で精製し、トルエンから再結晶させることで、2,3,6,7-テトラキス([1,1’-ビフェニル]-2-イル)ナフタレンを白色結晶として得た(1.08 g, 84 %)。
1H NMR (600 MHz, tetrachloroethane-d2, 140℃) δ 7.57 (s, 4H), 7.27 (t, 4H), 7.20-7.16 (m, 8H), 7.09 (t, 8H), 7.05 (t, 4H), 6.76 (d, 8H), 6.55 (br d, 4H); 13C NMR (150 MHz, tetrachloroethane-d2, 140℃) δ 141.4 (4o), 140.6 (4o), 139.3 (4o), 139.3 (4o), 131.7 (CH), 131.3 (4o), 130.1 (CH), 129.5 (CH), 129.3 (CH), 127.2 (CH), 126.6 (CH), 126.4 (CH), 125.8 (CH); HRMS (APCI) m/z calcd for C58H41 [M+1]+: 737.3220, found: 737.3203; mp: >300℃。
【実施例】
【0278】
合成例21
【実施例】
【0279】
【化54】
JP2016162982A_000056t.gif
【実施例】
【0280】
2,3,6,7-テトラキス([1,1’-ビフェニル]-2-イル)ナフタレン(73.4 mg, 100μmol)の乾燥CH2Cl2溶液(20 mL)に、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(DDQ;157 mg, 692μmol, 7当量)を0℃で添加した。5分間攪拌した後、トリフルオロメタンスルホン酸(0.2 mL)を溶液に添加した。得られた溶液を0℃で1時間攪拌した。反応混合物をトリエチルアミンで中和し、一晩中懸濁した。沈殿を収集し、ろ液をアセトンで希釈した。上澄みを除去し、残渣をメタノールで洗浄した。得られた全ての沈殿を合わせ、真空下に乾燥し、ダブルヘリセンの異性体混合物を橙色固体として得た(45.9 mg, 64 %)。
Twisted-isomer ((P,P), (M,M)): 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 10.43 (d, 4H), 10.35 (d, 4H), 10.04 (d, 4H), 9.50 (t, 4H), 9.29 (d, 4H), 8.69 (t, 4H), 8.17 (t, 4H); HRMS (APCI) m/z calcd for C58H29 [M+1]+: 725.2251, found: 725.2264; mp: >300 oC.
Meso-isomer ((P,M)): 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 10.43 (d, 4H), 10.33 (d, 4H), 9.97 (d, 4H), 9.52 (t, 4H), 8.84 (d, 4H), 8.65 (t, 4H), 8.12 (t, 4H); HRMS (APCI) m/z calcd for C58H29[M+1]+: 725.2232, found: 725.2264。
【実施例】
【0281】
試験例1:光物理的研究
合成例21で得たダブルヘリセンのUV/VIS吸収スペクトルを、Shimadzu UV-3510 spectrometerを用いて、0.5 nmの解像度で記録し、蛍光スペクトルを、FP-6600 Hitachi spectrometerを用いて、0.2 nmの解像度で測定した。測定には、脱気したスペクトルグレードのクロロホルム希薄液に1cm四方の石英セルを使用した。結果を図1に示す。図1において、実線はUV/VIS吸収スペクトル、点線は蛍光スペクトルである。なお、図1において、twistedとは(P, P)及び(M, M)、mesoとは(P, M)を意味する。
【実施例】
【0282】
試験例2:正孔輸送特性
合成例4で得た化合物9を用いて薄膜(膜厚380 nm)を作製し、SCLC法(Appl. Phys. Lett. 2007, 90, 203512)にしたがって正孔移動度を測定したところ、1.1~1.9×10-4 cm2/Vsであった。なお、従来から正孔輸送材料として使用されているSpiro-OMeTADについても同様に薄膜(膜厚300 nm)を作製し、正孔移動度を測定したところ1.0~2.2×10-4 cm2/Vsであった。このため、本発明の光電変換素子に使用される化合物は、従来から特に正孔輸送特性に優れると考えられている材料であるSpiro-OMeTADと同程度の正孔移動度を有している。
【実施例】
【0283】
実施例1
合成例4で得た化合物9を用いて、以下のように太陽電池を作製した。
【実施例】
【0284】
F-doped SnO2ガラス基板(FTO付きガラス基板)にTiO2膜を大気中、450℃でスプレー熱分解法(SPD法)により製膜し約30 nmの膜(Compact TiO2膜)を得た。さらに、室温で、このCompact TiO2膜上に、スピンコート法によりmesoporous TiO2を約250 nm製膜し、大気中500℃で30分間焼成することで、mesoporous TiO2膜を得た。
【実施例】
【0285】
次に、Pb濃度を70℃で1.0 Mに調整したPbI2のジメチルホルムアミド(DMF)溶液と、0.063 MのCH3NH3Iのイソプロパノール溶液とを調製した。室温にて、直前まで70 ℃で保温したmesoporous TiO2膜の上に、上記調製したPbI2の70℃のジメチルホルムアミド(DMF)溶液をスピンコートすることにより成膜し、70℃で60分間加熱乾燥し、PbI2層を形成した。このPbI2層が形成された基板を上記のCH3NH3Iのイソプロパノール溶液に、室温にて40秒間浸漬した。70℃で60分間加熱乾燥し、放冷することで、mesoporous TiO2膜上に、厚みが200~300nmのCH3NH3PbI3層(光吸収層)を形成した。
【実施例】
【0286】
その後、上記のCH3NH3PbI3層(光吸収層)の上に、合成例4で得た化合物9を0.060 M、酸化剤としてコバルト(III)錯体塩である
【実施例】
【0287】
【化55】
JP2016162982A_000057t.gif
【実施例】
【0288】
を0.012 M(「化合物9」1モルに対して0.2モル)含有するクロロベンゼン溶液を用いて、室温でスピンコート法により成膜し、35℃で60分間加熱乾燥し、放冷し、厚みが200~250nmの正孔輸送層(p型バッファ層)を形成した。
【実施例】
【0289】
さらに、この上に、Au背面電極(金属電極)を蒸着法により製膜し目的の太陽電池を得た。
【実施例】
【0290】
実施例2
酸化剤であるコバルト(III)錯体塩の添加量を、「化合物9」1モルに対して0.05モルとし、正孔輸送層(p-型バッファ層)を形成する際のスピンコート後の乾燥温度を70℃とすること以外は実施例1と同様に、太陽電池を作製した。
【実施例】
【0291】
実施例3
酸化剤であるコバルト(III)錯体塩の添加量を、「化合物9」1モルに対して0.1モルとし、正孔輸送層(p-型バッファ層)を形成する際のスピンコート後の乾燥温度を70℃とすること以外は実施例1と同様に、太陽電池を作製した。
【実施例】
【0292】
実施例4
酸化剤であるコバルト(III)錯体塩の添加量を、「化合物9」1モルに対して0.15モルとし、正孔輸送層(p-型バッファ層)を形成する際のスピンコート後の乾燥温度を70℃とすること以外は実施例1と同様に、太陽電池を作製した。
【実施例】
【0293】
実施例5
正孔輸送層(p-型バッファ層)を形成する際のスピンコート後の乾燥温度を70℃とすること以外は実施例1と同様に、太陽電池を作製した。
【実施例】
【0294】
実施例6
酸化剤であるコバルト(III)錯体塩の添加量を、「化合物9」1モルに対して0.1モルとすること以外は実施例1と同様に、太陽電池を作製した。
【実施例】
【0295】
実施例7
酸化剤であるコバルト(III)錯体塩の添加量を、「化合物9」1モルに対して0.15モルとすること以外は実施例1と同様に、太陽電池を作製した。
【実施例】
【0296】
実施例8
合成例4で得た化合物9の代わりに、合成例21で得たダブルヘリセンを用いたこと以外は実施例1と同様に、太陽電池を作製した。
【実施例】
【0297】
比較例1
合成例4で得た化合物9の代わりに、従来から知られている正孔輸送材料であるSpiro-OMeTADを用いたこと以外は実施例1と同様に、太陽電池を作製した。
【実施例】
【0298】
比較例2
正孔輸送層(p型バッファ層)を形成しなかったこと以外は実施例1と同様に、太陽電池を作製した。
【実施例】
【0299】
試験例3
実施例1及び比較例1~2の太陽電池の光電変換特性について、JIS C 8913: 1998のシリコン結晶系太陽電池セルの出力測定方法に準拠した方法で測定した。ソーラーシュミレーター(分光計器社製 SMO-250III型)に、AM 1.5G相当のエアマスフィルターを組み合わせ、2次基準Si 太陽電池で100 mW/cm2の光量に調整して測定用光源とし、色素増感型太陽電池セルの試験サンプルに光照射をしながら、ソースメーター(Keithley Instruments Inc. 製、2400型汎用ソースメーター)を使用してI-Vカーブ特性を測定し、I-Vカーブ特性測定から得られた開放電圧(Voc)、短絡電流(Isc)、フィルファクター(FF)、直列抵抗(Rs)、及び並列抵抗(Rsh)を導出した。そして、短絡電流密度(Jsc)、及び光電変換効率(PCE)を以下の式1及び式2を用いて算出した。
【実施例】
【0300】
式1:短絡電流密度(Jsc;mA/cm2)=Isc(mA)/有効受光面S(cm2
式2:光電変換効率(PCE;%)=Voc(V)×Jsc(mA/cm2)×FF×100/100(mW/cm2
結果を表2に示す。この結果、本発明の光電変換素子に使用される化合物を用いることで、太陽電池として機能させることができた。特に、従来から特に正孔輸送特性に優れると考えられている材料であるSpiro-OMeTADと比較しても優れた光電変換効率を得ることも可能である。
【実施例】
【0301】
【表2】
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【実施例】
【0302】
試験例4
実施例2~5の太陽電池の光電変換特性について、上記試験例3と同様に測定した。結果を表3に示す。この結果、コバルト(III)錯体塩量を0.20モル当量とすると、最も光電変換素子を向上させることができた。
【実施例】
【0303】
【表3】
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【実施例】
【0304】
試験例5
実施例3及び6の太陽電池の光電変換特性について、上記試験例3及び4と同様に測定した。結果を表4に示す。その結果、正孔輸送層(p-型バッファ層)を形成する際のスピンコート後の乾燥温度を35℃とすると、最も光電変換素子を向上させることができた。
【実施例】
【0305】
【表4】
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【実施例】
【0306】
試験例6
実施例4及び7の太陽電池の光電変換特性について、上記試験例3~5と同様に測定した。結果を表5に示す。その結果、正孔輸送層(p-型バッファ層)を形成する際のスピンコート後の乾燥温度を35℃とすると、最も光電変換素子を向上させることができた。
【実施例】
【0307】
【表5】
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【実施例】
【0308】
試験例7
実施例1及び5の太陽電池の光電変換特性について、上記試験例3~6と同様に測定した。結果を表6に示す。その結果、正孔輸送層(p-型バッファ層)を形成する際のスピンコート後の乾燥温度を35℃とすると、最も光電変換素子を向上させることができた。
【実施例】
【0309】
【表6】
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【実施例】
【0310】
試験例8
実施例8の太陽電池の光電変換特性について、上記試験例3~7と同様に測定した。その結果、Jsc: 8.85 mA / cm2、Voc: 0.657 V、FF: 0.648、PCE: 3.76 %、Rs: 4Ω・cm2、Rsh: 505Ω・cm2であった。
図面
【図1】
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