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明細書 :立体物の組み立て支援装置及びプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-097488 (P2016-097488A)
公開日 平成28年5月30日(2016.5.30)
発明の名称または考案の名称 立体物の組み立て支援装置及びプログラム
国際特許分類 B23P  21/00        (2006.01)
G06Q  50/04        (2012.01)
H04N   5/74        (2006.01)
G05B  19/418       (2006.01)
FI B23P 21/00 307J
G06Q 50/04
H04N 5/74 Z
G05B 19/418 Z
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2014-238159 (P2014-238159)
出願日 平成26年11月25日(2014.11.25)
発明者または考案者 【氏名】椎尾 一郎
【氏名】橋本 菜摘
出願人 【識別番号】305013910
【氏名又は名称】国立大学法人お茶の水女子大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100107113、【弁理士】、【氏名又は名称】大木 健一
審査請求 未請求
テーマコード 3C030
3C100
5C058
5L049
Fターム 3C030DA04
3C030DA10
3C030DA36
3C030DA37
3C100AA29
3C100AA38
3C100AA56
3C100BB05
3C100BB34
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA31
5L049CC03
要約 【課題】投影機により立体物の組み立てを行う作業領域へ前記立体物に係る前記映像を投影することにより、前記立体物の組み立て支援を行うための装置を提供する。
【解決手段】立体物は、その表面に凹凸が生じている又は模様が付されていることなどにより他の部位と区別可能な特徴部位を含む。取り付けるべき前記立体物の種類、及び、当該立体物の取り付け位置と取り付け方向の情報(以下「第1情報」)を予め記憶している部品取付テーブルと、取り付けるべき前記立体物及び前記特徴部位の情報(以下「第2情報」)を予め記憶している部品形状テーブルと、前記投影機で投影する前記映像の画像データを記憶する画像メモリと、を備える。前記特徴部位が存在する位置(以下「立体物特徴部位位置」)にマーカーを描画する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
映像を投影する投影機と、前記映像を生成する処理部とを備え、前記投影機により立体物の組み立てを行う作業領域へ前記立体物に係る前記映像を投影することにより、前記立体物の組み立て支援を行うための装置であって、
前記立体物は、その表面に凹凸が生じている又は模様が付されていることなどにより他の部位と区別可能な特徴部位を含むものであり、
取り付けるべき前記立体物の種類、及び、当該立体物の取り付け位置と取り付け方向の情報(以下「第1情報」)を予め記憶している部品取付テーブルと、
取り付けるべき前記立体物及び前記特徴部位の情報(以下「第2情報」)を予め記憶している部品形状テーブルと、
前記投影機で投影する前記映像の画像データを記憶する画像メモリと、を含み、
前記処理部は、
次に取り付けるべき前記立体物について前記第1情報を取得するステップと、
次に取り付けるべき前記立体物の種類に対応する前記第2情報を取得するステップと、
前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記立体物を、前記取り付け位置及び前記取り付け方向に取り付けたとしたときに前記特徴部位が存在する位置(以下「立体物特徴部位位置」)を求めるステップと、
前記投影機の位置及び前記投影機の投影方向に基づき、前記立体物特徴部位位置に対応する前記画像メモリの位置を求め、当該位置に予め定められたマーカーを描画するステップと、
前記マーカーを含む前記画像メモリの前記画像データに基づき前記映像を投影させるステップと、を備える立体物特徴部位マーカー投影処理を実行することを特徴とする立体物の組み立て支援装置。
【請求項2】
前記作業領域は、その表面に凹凸が生じている又は模様が付されていることなどにより他の部位と区別可能な特徴部位(以下「ベース特徴部位」)を含むものであり、
前記処理部は、前記立体物特徴部位マーカー投影処理に先立ち、
前記投影機の位置及び前記投影機の投影方向、並びに、前記作業領域との位置関係に基づき、前記ベース特徴部位に対応する前記画像メモリの位置を求め、当該位置に予め定められた第2マーカーを描画するステップと、
前記第2マーカーを含む前記画像メモリの前記画像データに基づき前記映像を投影させるステップと、を実行することを特徴とする請求項1記載の立体物の組み立て支援装置。
【請求項3】
投影機により立体物の組み立てを行う作業領域へ前記立体物に係る映像を投影することにより、前記立体物の組み立て支援を行うための装置を実現するためのプログラムであって、
前記立体物は、その表面に凹凸が生じている又は模様が付されていることなどにより他の部位と区別可能な特徴部位を含むものであり、
取り付けるべき前記立体物の種類、及び、当該立体物の取り付け位置と取り付け方向の情報(以下「第1情報」)を予め記憶し、
取り付けるべき前記立体物及び前記特徴部位の情報(以下「第2情報」)を予め記憶し、
次に取り付けるべき前記立体物について前記第1情報を取得するステップと、
次に取り付けるべき前記立体物の種類に対応する前記第2情報を取得するステップと、
前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記立体物を、前記取り付け位置及び前記取り付け方向に取り付けたとしたときに前記特徴部位が存在する位置(以下「立体物特徴部位位置」)を求めるステップと、
前記投影機の位置及び前記投影機の投影方向に基づき、前記立体物特徴部位位置に対応する画像メモリの位置を求め、当該位置に予め定められたマーカーを描画するステップと、
前記マーカーを含む前記画像メモリの画像データに基づき前記映像を投影させるステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を投影するプロジェクタ(投影機)と、映像を生成するコンピュータ(パソコン、処理部)とを備え、プロジェクタにより立体物の組み立てを行うベース(作業領域)へ立体物に係る映像を投影することにより、立体物の組み立て支援を行うための装置及び当該装置を実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造作業の指示装置を開示するものとして、下記特許文献1がある。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2002-108435号公報 光源からの光をLCDパネルに照射し、その透過光をレンズで拡大させて、製造作業者に対する作業指示情報を照射面に投影させる。作業指示情報はメモリにあらかじめ記憶され、CPUによる制御によって、作業の進行にしたがって適切な作業指示情報が読み出され、LCDパネルの表示が切り 換えられることによって、照射面上の基板等の上面に投影される作業指示情報の表示が切り換えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、図形や文字などの作業指示情報を平面上に単に投影するだけのものである。したがって、立体物についてその具体的な取付位置及び取付方向を指示することができない。また、作業指示とは異なる間違った作業をしたとしても、そのことを知るすべはない。
【0005】
この発明は、立体物を組み立てる際に、明確かつ直感的な作業指示を与えることのできる立体物の組み立て支援装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、映像を投影する投影機と、前記映像を生成する処理部とを備え、前記投影機により立体物の組み立てを行う作業領域へ前記立体物に係る前記映像を投影することにより、前記立体物の組み立て支援を行うための装置であって、
前記立体物は、その表面に凹凸が生じている又は模様が付されていることなどにより他の部位と区別可能な特徴部位を含むものであり、
取り付けるべき前記立体物の種類、及び、当該立体物の取り付け位置と取り付け方向の情報(以下「第1情報」)を予め記憶している部品取付テーブルと、
取り付けるべき前記立体物及び前記特徴部位の情報(以下「第2情報」)を予め記憶している部品形状テーブルと、
前記投影機で投影する前記映像の画像データを記憶する画像メモリと、を含み、
前記処理部は、
次に取り付けるべき前記立体物について前記第1情報を取得するステップと、
次に取り付けるべき前記立体物の種類に対応する前記第2情報を取得するステップと、
前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記立体物を、前記取り付け位置及び前記取り付け方向に取り付けたとしたときに前記特徴部位が存在する位置(以下「立体物特徴部位位置」)を求めるステップと、
前記投影機の位置及び前記投影機の投影方向に基づき、前記立体物特徴部位位置に対応する前記画像メモリの位置を求め、当該位置に予め定められたマーカーを描画するステップと、
前記マーカーを含む前記画像メモリの前記画像データに基づき前記映像を投影させるステップと、を備える立体物特徴部位マーカー投影処理を実行する、ものである。
【0007】
前記作業領域は、その表面に凹凸が生じている又は模様が付されていることなどにより他の部位と区別可能な特徴部位(以下「ベース特徴部位」)を含むものであり、
前記処理部は、前記立体物特徴部位マーカー投影処理に先立ち、
前記投影機の位置及び前記投影機の投影方向、並びに、前記作業領域との位置関係に基づき、前記ベース特徴部位に対応する前記画像メモリの位置を求め、当該位置に予め定められた第2マーカーを描画するステップと、
前記第2マーカーを含む前記画像メモリの前記画像データに基づき前記映像を投影させるステップと、を実行するようにしてもよい。
【0008】
この発明は、投影機により立体物の組み立てを行う作業領域へ前記立体物に係る映像を投影することにより、前記立体物の組み立て支援を行うための装置を実現するためのプログラムであって、
前記立体物は、その表面に凹凸が生じている又は模様が付されていることなどにより他の部位と区別可能な特徴部位を含むものであり、
取り付けるべき前記立体物の種類、及び、当該立体物の取り付け位置と取り付け方向の情報(以下「第1情報」)を予め記憶し、
取り付けるべき前記立体物及び前記特徴部位の情報(以下「第2情報」)を予め記憶し、
次に取り付けるべき前記立体物について前記第1情報を取得するステップと、
次に取り付けるべき前記立体物の種類に対応する前記第2情報を取得するステップと、
前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記立体物を、前記取り付け位置及び前記取り付け方向に取り付けたとしたときに前記特徴部位が存在する位置(以下「立体物特徴部位位置」)を求めるステップと、
前記投影機の位置及び前記投影機の投影方向に基づき、前記立体物特徴部位位置に対応する画像メモリの位置を求め、当該位置に予め定められたマーカーを描画するステップと、
前記マーカーを含む前記画像メモリの画像データに基づき前記映像を投影させるステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
この発明に係るプログラムは、例えば、記録媒体に記録される。
媒体には、例えば、EPROMデバイス、フラッシュメモリデバイス、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD-ROM、Video-CDを含む)、DVD(DVD-Video、DVD-ROM、DVD-RAMを含む)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。
【0010】
また、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ波回線等の無線通信媒体等の通信媒体を含む。インターネットもここでいう通信媒体に含まれる。
【0011】
媒体とは、何等かの物理的手段により情報(主にデジタルデータ、プログラム)が記録されているものであって、コンピュータ、専用プロセッサ等の処理装置に所定の機能を行わせることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】発明の実施の形態に係る装置のブロック図である。
【図2】発明の実施の形態に係る部品形状テーブルと部品取付テーブルの説明図である。
【図3】発明の実施の形態に係る装置の処理フローチャートである。
【図4】発明の実施の形態に係るプロジェクタを作業領域に設置した状態を示す平面図である。
【図5】発明の実施の形態に係るプロジェクタを作業領域に設置した状態を示す側面図である(ベースの突起にベースマーカーを投影した状態を示す)。
【図6】発明の実施の形態に係るプロジェクタを作業領域に設置した状態を示す側面図である(まだ取り付けられていないトイブロックの突起に向けてマーカーを投影した状態を示す)。
【図7】発明の実施の形態に係るプロジェクタを作業領域に設置した状態を示す側面図である(まだ取り付けられていないトイブロックを点線で示している)。
【図8】発明の実施の形態に係るプロジェクタを作業領域に設置した状態を示す側面図である(取り付けられたトイブロックの突起に向けてマーカーを投影した状態を示す)。
【図9】発明の実施の形態に係るプロジェクタを作業領域に設置した状態を示す側面図である(まだ取り付けられていないトイブロックを点線で示している)。
【図10】発明の実施の形態に係る装置を用いた作業手順の説明図である(ベースをベースマーカーに合わせる前の状態を示す)。
【図11】発明の実施の形態に係る装置を用いた作業手順の説明図である(ベースをベースマーカーに合わせた状態を示す)。
【図12】図11の拡大図である。
【図13】発明の実施の形態に係る装置を用いた作業手順の説明図である(まだ取り付けられていないトイブロックの突起に向けてマーカーを投影した状態を示す。図6に対応)。
【図14】発明の実施の形態に係る装置を用いた作業手順の説明図である(取り付けられたトイブロックの突起がマーカーに一致した状態を示す。図8に対応)。
【図15】発明の実施の形態に係る装置を用いた作業手順の説明図である(取り付け済みのトイブロックのマーカーを消去するとともに、まだ取り付けられていない追加のトイブロックの突起に向けてマーカーを投影した状態を示す。図6に対応)。
【図16】発明の実施の形態に係る装置を用いた作業手順の説明図である(追加で取り付けられたトイブロックの突起がマーカーに一致した状態を示す。図8に対応)。
【図17】発明の実施の形態に係る装置を用いた作業手順の説明図である(取り付け済みのトイブロックのマーカーを消去するとともに、まだ取り付けられていない追加のトイブロックの突起に向けてマーカーを投影した状態を示す。図6に対応)。
【図18】発明の実施の形態に係る装置を用いた作業手順の説明図である(追加で取り付けられたトイブロックの突起がマーカーに一致した状態を示す。図8に対応)。
【図19】発明の実施の形態に係る装置を用いた作業手順の説明図である(取り付け済みのトイブロックのマーカーを消去するとともに、まだ取り付けられていない追加のトイブロックの突起に向けてマーカーを投影した状態を示す。図9に対応)。
【図20】発明の実施の形態に係る装置を用いた作業手順の説明図である(追加で取り付けられたトイブロックの突起がマーカーに一致した状態を示す)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態は、プロジェクタのみにより立体物の組み立て支援を行う技術に関するものである。

【0014】
建物や物体に映像を投影するプロジェクションマッピングでは、立体物の形状を補償した映像を投影することでひずみの無い映像投影を実現している。本発明の実施の形態ではこの手順を逆にし、組み立て位置に部品を置いた場合に正しく見える映像を投影することで、ユーザに部品取り付け位置及び方向を提示する。「正しく見える」とは、投影されているマーカーに後述の立体物特徴部位位置(ブロックの突起)が一致しているということである。組み立て位置に立体物を置いた場合に正しく見え、かつ、組み立て位置に立体物を置いていなかったら正しく見えないように、プロジェクタから立体物特徴部位位置(ブロックの突起)への投影軸は斜めになっている。

【0015】
後述するように、本発明の実施の形態では、立方体又は直方体形状をなし、そのひとつの面にひとつ又は複数の凸部(突起)を持ち、当該面に対向する面に当該突起を受け入れる凹部をもつトイブロックの組み立て支援を目的に、トイブロックの突起(stud)の先端部分に円形マーカーを投影し、トイブロックの組み立てを支援している。

【0016】
本発明の実施の形態システムは、組み立て部品の特徴的な部位(トイブロックでは突起位置)に投影を行うのみで、部品や人の位置検出は行わない。投影位置に合わせてユーザが手作業で部品を置くことで、実世界と投影情報の位置合わせを行う。シンプルな処理であるにもかかわらず効果的な作業支援が可能であり、実用性の高いシステムである。

【0017】
ユーザがトイブロックの組み立て作業を行う作業領域の上方に、光軸を鉛直方向に合わせて真下に投影する(実物大に投影)ようプロジェクタを設置する(後述の図4及び図5参照)。これをコンピュータと接続し、組み立て支援のための情報を表示する。トイブロックは突起のある組み立て基板(ベース)やブロックの上に、別のブロックを重ねて固定する。そこで、作業エリア上方のプロジェクタから、組み立て基板やブロックの突起(stud)の先端部分に円形マーカを投影し、ブロック組み立てを行うユーザとインタラクションすることでブロックの組み立て支援を行う。

【0018】
図1は、発明の実施の形態に係る装置のブロック図である。

【0019】
1は、処理部であるコンピュータである。

【0020】
2は、コンピュータ1に接続されたプロジェクタ(投影機)

【0021】
10は、プロジェクタ2の位置及び投影方向、並びに、ベース(作業領域)との位置関係に基づき、ベースの突起(ベース特徴部位)に対応する画像メモリ14の位置を求め、当該位置に予め定められたベースマーカー(第2マーカー、整列した多数の円形マーカー)を描画するベースマーカー画像生成部である。ベースマーカー画像生成部10は、コンピュータで実行されるプログラムにより実現される。

【0022】
ベース(作業領域)は、その表面に凹凸が生じている又は模様が付されていることなどにより他の部位と区別可能な特徴部位(ベース特徴部位)を含む。特徴部位は、後述の突起であるが、他にも、格子などの模様が付されたマーカーシールであってもよい。

【0023】
ベースマーカー画像生成部10は、まず最初にベースマーカーを描画し、プロジェクタ2により投影させる。そして、作業者にベースの位置合わせを行わせる。

【0024】
11は、取り付けるべきトイブロック(立体物)の種類、及び、当該トイブロックの取り付け位置と取り付け方向の情報(第1情報)を予め記憶している部品取付テーブルである。図2に示すように、部品取付テーブル11は、例えば、部品種類=部品αとして定義されているトイブロックを、所定の位置1に、所定の向きαで取り付けるという取付内容を記憶している。位置及び方向は、例えば三次元座標上で定義される。

【0025】
12は、取り付けるべきトイブロック及びその突起(特徴部位)の情報(第2情報)を予め記憶している部品形状テーブルである。図2に示すように、部品形状テーブル12は、部品種類=部品αについてその大きさ1(例えば突起の数を基準として、突起の数=4)、形状α(例えば立方体)、突起の配置α(例えば上面に正方形状に配置)という部品ごとの形状を記憶している。これらは、例えば三次元座標上で定義される。

【0026】
13は、トイブロックの突起に合わせて所定のマーカー(円形ドット)を生成するマーカー画像生成部である。マーカー画像生成部13は、コンピュータで実行されるプログラムにより実現され、次の(ア)及び(イ)の処理を行う。

【0027】
(ア)部品取付テーブルから読み出した第1情報及び部品形状テーブル12から読み出した第2情報に基づき、トイブロックを、ベース上において、所定の取り付け位置及び取り付け方向に取り付けたとしたときに、トイブロックの突起が存在する位置(立体物特徴部位位置)を求める。

【0028】
(イ)プロジェクタ2の位置及び投影機の投影方向に基づき、立体物特徴部位位置に対応する画像メモリ14の位置(アドレス)を求め、当該位置に予め定められたマーカー(円形ドット)を描画する。

【0029】
14は、プロジェクタ2で投影する映像(主にマーカー)の画像データを記憶する画像メモリである。

【0030】
図3は、発明の実施の形態に係る装置の処理フローチャートである。これと、図4~図20を参照して説明を加える。

【0031】
図4に示すように、プロジェクタ2をベースBの一辺の中央に設置する。このとき、プロジェクタ2の投影方向は真下(ベースBと直交)とする。多くのプロジェクタにおいて、そこから出る光の下側(プロジェクタの足側)のラインは、プロジェクタで照らす方向に対してまっすぐ(プロジェクタのレンズ面に対して直角)であるので、このように設定する。図4において、符号Bは作業エリア、符号Aはそこでは作業を行わないエリアである。

【0032】
なお、エリアAを作業する領域として使うようにしてもよい。この場合、エリアAではプロジェクタ2の投影方向(z方向)を表現できないものの、x-y方向の指示は可能であり、これを利用して作業者に対して作業を指示(マーカーに合わせてブロックを置くような指示)をすることができる。

【0033】
図5に示すように、プロジェクタ2の真下(符号A)を除き、その投影軸は斜めになる(ベースBと直交しない)。

【0034】
組み立て位置に立体物を置いた場合に正しく見え、かつ、組み立て位置に立体物を置いていなかったら正しく見えないようにするためには、投影軸は斜めである必要がある。この点で、プロジェクタ2の真下は本発明の実施の形態に係る作業を行うには不適当である。そこで、図4のプロジェクタ2の真下の投影領域(点線)Aで作業を行うことはせず、実線のベースBの部分を作業領域とし、この領域で作業を行うこととする。

【0035】
なお、一般的には、光の投影範囲とベースBのサイズは関係していなくともよい。たとえば、5×5のドット(突起)を投影し、10×10ドット(突起)のベースBの一部である任意の5×5の位置に合わせて投影し、そこで作業するといったことも可能である。

【0036】
また、図4及び後述の例では、ベースBのサイズとプロジェクタ2による投影の最大範囲を一致させているが、これには限定されない。プロジェクタ2の投影最大位範囲の一部を使うようにしてもよい。

【0037】
図3を参照して説明を加える。図3の実線のST1~ST9はコンピュータが行う処理であり、点線のMT1及びMT2は作業者が行う作業である。なお、ベースBを用いないでトイブロックを机の上などで直接組み立てる場合は、ST1、ST2、MT1は不要である。この場合、机のトップがベースBとなる。

【0038】
ST1:コンピュータ1が、ベースマーカー画像を生成する。
ベースBには、図10、図11などに示すように、その表面に多数の突起が設けられている(凹凸が生じている又は模様が付されている)。これら突起が特徴部位(ベース特徴部位)となる。

【0039】
コンピュータ1は、プロジェクタ2の位置及び投影方向、並びに、ベースBとの位置関係に基づき、ベース特徴部位に対応する画像メモリ14の位置を求め、当該位置に円形ドット(第2マーカー)を描画する。

【0040】
プロジェクタ2の取付位置やベースBの大きさや位置関係が毎回変わるのであれば、その度にそれらの情報を入力することになる。毎回一定であれば、それらの情報は一度入力してしまえば変更する必要はない。

【0041】
例えば、毎回同じベースBを使用するとともに、プロジェクタ2の位置及び投影方向を固定し、コンピュータ1が毎回同じ円形ドット(第2マーカー)を描画するようにして、以下に述べるように、ベースBをこれに合わせるようにすれば(いわばキャリブレーションを行えば)、プロジェクタ2の取付位置やベースBの大きさや位置関係をコンピュータ1に毎回入力する必要はない(図10及び図11参照)。なお、突起や模様などのポイントとなるもの(特徴部位)のほかに、ベースBの外形の座標を用いることができる。

【0042】
ST2:プロジェクタ2が、円形ドット(第2マーカー)を投影する(図5、図10及び図11参照)。

【0043】
MT1:作業者が、ベースBを円形ドット(第2マーカー)に合わせる(図11参照)。
位置合わせが終わったら(図12参照)、マウスをクリックする/所定のキー入力を行うことにより、位置合わせ終了をコンピュータ1に伝え、次のST4を実行させる。

【0044】
ST3:コンピュータ1は、部品取付テーブル11から第1情報を読み出す。
ST4:コンピュータ1は、部品形状テーブル12から第2情報を読み出す。
ST5:コンピュータ1は、立体物特徴部位位置を求める。
ST6:コンピュータ1は、マーカー画像を描画する。

【0045】
これらの処理について、図7を参照して説明を加える。

【0046】
第1情報及び第2情報に基づき、コンピュータ1は所定のトイブロックQ1をベースBの所定の位置に所定の方向で取り付けた状態を予測(計算)することができる。例えば、図7の点線で示すようになることを予測できる。したがって、トイブロックQ1の突起Fbがどこに位置するかを求めることができる。

【0047】
プロジェクタ2の位置及び投影方向、並びに、ベースBとの位置関係は、上述のように予めわかっているから、これらの情報とトイブロックQ1の突起Fbの位置に基づき、トイブロックQ1の突起Fbに円形ドット(マーカー)を投影するには、画像メモリ14のどの位置に円形ドット(マーカー)を描画すればいいかを求めることができる。図7の例では、トイブロックQ1の突起Fbからプロジェクタ2へ引いた直線L4の上に円形ドット(マーカー)を描画すればよい。

【0048】
ST7:プロジェクタ2は、マーカー画像を投影する(図13参照)。

【0049】
トイブロックQ1が実際に取り付けられているかどうかにかかわらず、直線L4のように、円形ドット(マーカー)は投影される。トイブロックQ1の突起Fbは、トイブロックQ1の高さの分だけベースBよりも高く(図7)、直線L4はベースBへの円形ドット(第2マーカー)の投影線L3(点線)とは少しずれる。このため直線L4による円形ドット(マーカー)は、ベースB上の突起とはずれる(図6のFaとMb’)。このことを作業者は容易に把握でき、トイブロックQ1をここに取り付けると認識することができる(作業者は次に取り付けるべきトイブロックの種類を知っているものとする)。

【0050】
なお、次の作業位置をより明確に作業者に知らせるように、直線L4による円形ドット(マーカー)の色を、ベースBの円形ドット(第2マーカー)とは異なる色彩とするようにしてもよい。

【0051】
MT2:作業者が、トイブロックを円形ドット(マーカー)に合わせて取り付ける(図14参照)。

【0052】
トイブロックQ1を取り付ける前は図6のようにマーカーMb’と突起Faがずれているが、トイブロックQ1を正しく取り付けると図8のようになり、円形ドット(マーカー)Mbが突起Fbにぴたりと一致する。これで作業者はトイブロックQ1を正しく取り付けたと認識し、マウスをクリックする/所定のキー入力を行うことにより、コンピュータ1を次のステップに進ませる。

【0053】
ST8:コンピュータ1が、全ての部品を取り付けたかどうか判定する。

【0054】
部品取付テーブル11の内容を最後まで読み出したら、処理を終了する。

【0055】
ST9:コンピュータ1が、今回のマーカー画像を除去し(図15参照)、再び処理を繰り返す(ST3~ST7、図9、図16~図20)。

【0056】
例えば、図9のようにトイブロックQ1の上にトイブロックQ2を重ねるのであれば、トイブロックQ2の突起Fcに一致するようにマーカーMcを描画する。

【0057】
発明の実施の形態によれば、トイブロックの組み立てを支援できるのみならず、正しく部品を置くことでマーカーが正しく表示されると達成感があり、気持ちよく組み立てることができるという利点がある。正しく部品を置くべき下のブロックに表示する(下になるブロックの突起に表示する)という手法(従来の物体があるところへのプロジェクションマッピング)に比べ、作業者の心理的好感度は発明の実施の形態のほうが高い。

【0058】
発明の実施の形態には、オーバーハングするブロック(一部が空中に浮くブロック)に対する指示が可能であるという利点もある。

【0059】
発明の実施の形態は、トイブロック以外にも、規格化された部品を使って組み立てるシステムの組み立て支援に適用することができる。例えば、規格化された部品を使う組み立て家具(システム家具)の組み立て支援などに利用できる。

【0060】
投影に適しない部品を扱う場合(特徴的な部位がなくて投影で指示しにくい場合)は、たとえば部品にマーカーシールを貼り付け、これに対して発明の実施の形態の装置で指示するようにもできる。例えば、家具の組み立てであるなら、あらかじめ家具の部品にトイブロックの突起のような整列した水玉模様のシールを何箇所かに貼り付けておき、そこに発明の実施の形態の方式で投影すれば同様の効果が得られる。

【0061】
また、突起や模様などのポイントとなるもの(特徴部位)として、立体物の外形(トイブロック上面の四隅)の座標も用いることができる。

【0062】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0063】
1 コンピュータ(処理部)
2 プロジェクタ(投影機)
10 ベースマーカー画像生成部
11 部品取付テーブル
12 部品形状テーブル
13 マーカー画像生成部
14 画像メモリ
A 投影域
B ベース(作業領域)
Fa ベースBの突起(ベース特徴部位)
Fb トイブロックQ1の突起(特徴部位)
Fc トイブロックQ2の突起(特徴部位)
L1 作業可能領域の限界を示す線
L1’ プロジェクタ投影の限界を示す線
L2 プロジェクタ投影の限界(作業可能領域の限界を示す線)
L3 ベース特徴部位FaへのマーカーMaの投影線
L4 トイブロックQ1の突起FbへのマーカーMbの投影線
L5 トイブロックQ2の突起FcへのマーカーMcの投影線
Ma ベースマーカー(第2マーカー)
Mb トイブロックQ1の突起Fbに投影されるマーカー
Mb’ ベースBに投影されたマーカーMb(トイブロックQ1無し)
Mc トイブロックQ2の突起Fcに投影されるマーカー
Mc’ ベースBに投影されたマーカーMc(トイブロックQ2無し)
Q1、Q2 トイブロック(立体物)
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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