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明細書 :磁気アクチュエータ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-126012 (P2015-126012A)
公開日 平成27年7月6日(2015.7.6)
発明の名称または考案の名称 磁気アクチュエータ
国際特許分類 H01F   7/06        (2006.01)
H01F   7/122       (2006.01)
H02K  33/16        (2006.01)
FI H01F 7/06 K
H01F 7/08 A
H02K 33/16 A
請求項の数または発明の数 2
出願形態 OL
全頁数 11
出願番号 特願2013-267480 (P2013-267480)
出願日 平成25年12月25日(2013.12.25)
発明者または考案者 【氏名】左近 拓男
出願人 【識別番号】597065329
【氏名又は名称】学校法人 龍谷大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100121337、【弁理士】、【氏名又は名称】藤河 恒生
審査請求 未請求
テーマコード 5E048
5H633
Fターム 5E048AA08
5E048AD02
5H633BB07
5H633GG02
5H633GG09
5H633GG12
5H633GG17
要約 【課題】少ない電力で十分な動力を得ることが容易な磁気アクチュエータを提供する。
【解決手段】この磁気アクチュエータ1は、電気導線20が巻かれて形成されたコイル部材2と、その中心軸Aに沿って設けられた磁性部材3を備え、コイル部材2に電流を流して磁性部材3の存在する場所に磁場を発生させて磁性部材3を移動させることによって動力を得るものであって、コイル部材2は、電気導線20の単位長さ当たりの巻数が一端2aから他端2bに向けて徐々に増加している。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
電気導線が巻かれて形成されたコイル部材と、その中心軸に沿って設けられた磁性部材を備え、前記コイル部材に電流を流して前記磁性部材の存在する場所に磁場を発生させて前記磁性部材を移動させることによって動力を得る磁気アクチュエータであって、
前記コイル部材は、前記電気導線の単位長さ当たりの巻数が一端から他端に向けて徐々に増加していることを特徴とする磁気アクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気アクチュエータにおいて、
電気導線が巻かれて形成された第2のコイル部材を更に備え、
前記磁性部材は、前記第2のコイル部材の中心軸にも沿っており、
前記第2のコイル部材は、前記電気導線の単位長さ当たりの巻数が一端から他端に向けて徐々に増加しており、
前記コイル部材の前記一端と前記第2のコイル部材の前記一端は、対向していることを特徴とする磁気アクチュエータ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種の装置を動かす動力源として、磁気を制御して用いる種々の磁気アクチュエータが知られている。これらの磁気アクチュエータの中には、コイル部材とその中心軸に沿って設けられた磁性部材を備え、コイル部材に電流を流して磁性部材の存在する場所に磁場を発生させて磁性部材を移動又は伸縮させることによって動力を得るものが有る。
【0003】
例えば、特許文献1には、シリンダに充填された流体の磁性部材(磁性流体)を、一方に移動させるときは、コイル部材に電流を流して磁化しコイル部材の内側に引き込み、同時に加圧ばねを圧縮させ、他方に移動させるときは、コイル部材の電流を止めて磁性部材の磁化を失わせ、加圧ばねの弾性復元力により初期位置に戻すという磁気アクチュエータが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、大きな磁歪の特性を示す材料を用いた棒状の磁性部材を、コイル部材に電流を流して伸縮させる磁気アクチュエータが記載されている。なお、磁歪は、磁場中で磁性部材に歪みが生じて伸び縮みする現象である。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特公平07-070390号公報
【特許文献2】特開平09-168197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2などに示される従来の磁気アクチュエータでは、少ない電力で十分な動力を得ることは必ずしも容易ではない。例えば、特許文献1では、通常、磁性部材に働く力はコイル部材の端部に位置する部分のみ生じるため、また、特許文献2では、磁歪による伸び縮みはさほど大きくないため、ともに、十分な動力を得るには電力が大きくなり易い。
【0007】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、コイル部材とその中心軸に沿って設けられた磁性部材を備え、コイル部材に電流を流して磁性部材の存在する場所に磁場を発生させて磁性部材を移動させることによって動力を得るものであって、少ない電力で十分な動力を得ることが容易な磁気アクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の磁気アクチュエータは、電気導線が巻かれて形成されたコイル部材と、その中心軸に沿って設けられた磁性部材を備え、前記コイル部材に電流を流して前記磁性部材の存在する場所に磁場を発生させて前記磁性部材を移動させることによって動力を得る磁気アクチュエータであって、前記コイル部材は、前記電気導線の単位長さ当たりの巻数が一端から他端に向けて徐々に増加していることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の磁気アクチュエータは、請求項1に記載の磁気アクチュエータにおいて、電気導線が巻かれて形成された第2のコイル部材を更に備え、前記磁性部材は、前記第2のコイル部材の中心軸にも沿っており、前記第2のコイル部材は、前記電気導線の単位長さ当たりの巻数が一端から他端に向けて徐々に増加しており、前記コイル部材の前記一端と前記第2のコイル部材の前記一端は、対向していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の磁気アクチュエータによれば、上記のようなコイル部材と磁性部材によって、少ない電力で十分な動力を得ることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る磁気アクチュエータを示す断面図であって、(a)、(b)はそれぞれ磁性部材が異なる位置のものを示すものである。
【図2】同上の磁気アクチュエータの磁気の磁束密度の特性図である。
【図3】同上の磁気アクチュエータの実験(1番目の実験)の様子を示す写真である。
【図4】同上の磁気アクチュエータの実験(1番目の実験)の比較のための実験の様子を示す写真である。
【図5】本発明の実施形態に係る別の磁気アクチュエータを示す断面図であって、(a)、(b)はそれぞれ磁性部材が異なる位置のものを示すものである。
【図6】同上の磁気アクチュエータの実験(2番目の実験)の様子を示す写真である。
【図7】同上の磁気アクチュエータの実験(2番目の実験)の比較のための実験の様子を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る磁気アクチュエータ1は、図1(a)、(b)に示すように、コイル部材2と磁性部材3を備えている。

【0013】
コイル部材2は、電気導線20が巻かれて形成されている。より詳細には、電気導線20は、コイル部材2の中心軸Aを進行方向にして螺旋状に巻かれている。電気導線20は、表面に絶縁層を有する金属線が用いられる。

【0014】
ここで、コイル部材2は、電気導線20の単位長さ当たり(中心軸Aの方向の単位長さ当たり)の巻数が一端2aから他端2bに向けて徐々に増加している。より詳細には、コイル部材2は、電気導線20の単位長さ当たりの巻数が一端2aから他端2bに向けて直線状或いは階段状に増加するようにしたものである。

【0015】
磁性部材3は、磁場の中で磁化する物質であり、通常よく用いられるものとしては、鉄又はその合金などの軟磁性材料を挙げることができる。磁性部材3は、コイル部材2の中心軸に沿って設けられている。また、磁性部材3は、棒状の固体である。

【0016】
また、コイル部材2と磁性部材3の間には、通常、磁性部材3の移動方向を誘導する誘導管部材4が設けられる。誘導管部材4の内周壁の内側に、僅かな隙間を残して、或いは、滑り易くした上で接触して、磁性部材3が配置される。誘導管部材4は、また、その一部の周囲にコイル部材2の電気導線20が巻かれてコイル部材2の位置が固定される。

【0017】
このような構成の磁気アクチュエータ1は、コイル部材2に電流を流すことにより、磁性部材3が存在する場所に、磁場を発生させることができる。そして、この磁場の磁束密度Bは、図2中の曲線aが示すように、コイル部材2に電流を流したとき、コイル部材2の一端2aの位置から他端2bの近傍の位置2c(図2においては約2mm内側)までの長い範囲で徐々に増加し、また、他端2bの近傍の位置2cから外側に向けて、磁束密度Bは急激に減少している。よって、コイル部材2に電流を流したとき、コイル部材2の一端2aの位置から他端2bの近傍の位置2cまでの長い範囲で一定方向の磁束密度Bの勾配が有り、それとは逆向きの勾配が他端2bの近傍の位置2cから外側に有ることになる。なお、磁束密度Bが減少に転じるのが他端2bよりもコイル部材2の内側の位置2cであるのは、他端2bにおける開口の影響である。

【0018】
ここで、図2で示す曲線aは、図1(a)、(b)に示したコイル部材2が通電されたときに、中心軸A上に発生する磁束密度Bの大きさを計算したものであり、コイル部材2の他端2bの位置を座標の原点としている。コイル部材2は、直径0.2mmの電気導線20を互いに隣接させながら巻き付けて、一端2aから他端2bまで電気導線20が積み上がって行き多層になるようにし、それによって、一端2aから他端2bまで階段状に増加するようにしたものである。電気導線20は、1層目100巻、2層目95巻、・・・・、20層目5巻としている。コイル部材2の長さ(一端2aから他端2bまでの長さ)は、20mmである。

【0019】
一般に、磁性体2の各位置の部分に働く力(磁気力)Fmは、次の式(1)で表される。

【0020】
【数1】
JP2015126012A_000003t.gif

【0021】
式(1)より、磁気力Fmは、磁性体2において磁束密度Bの勾配が生じている部分に発生し、その大きさは、磁化率χmに比例し、かつ、磁束密度Bと磁束密度Bの勾配との積に比例する。

【0022】
磁気アクチュエータ1の磁性部材3においては、コイル部材2に電流を流したときには、電流の方向に係わらず、コイル部材2の一端2aの位置から他端2bの近傍の位置2cまでの長い範囲で、磁気力Fmの方向(磁束密度Bと磁束密度Bの勾配との積の方向)は、コイル部材2の一端2aから他端2bに向かう方向となる。その一方、コイル部材2の他端2bの近傍の位置2cから外側では、磁気力Fmの方向(磁束密度Bと磁束密度Bの勾配との積の方向)は、コイル部材2の他端2bから一端2aに向かう方向となる。

【0023】
磁性部材3全体に働く磁気力Fmは、磁性体2の各位置の部分に働く磁気力Fmを合計したものである。磁性部材3の初期位置として、磁性部材3の一端部3aがコイル部材2の一端2aの位置から他端2bの近傍の位置2cまでの長い範囲の中に有るようにすると(図1(a)参照)、その状態でコイル部材2に電流を流したときには、磁性部材3全体に働く磁気力Fmは、コイル部材2の一端2aから他端2bに向かう方向となる。ここで、磁性部材3全体に働く磁気力Fmは、磁性体2においてコイル部材2の一端2aの位置から他端2bの近傍の位置2cまでの長い範囲の中に有る部分に働く磁気力Fmを合計したものとなる。

【0024】
磁束密度Bは、コイル部材2の一端2aの位置では非常に小さいので、磁性部材3全体として、一端2aの開口の影響(端部であることの影響)をほとんど受けない。この点は、開口の影響(端部であることの影響)を受ける通常の均一巻きのコイル部材と異なる。また、同じ長さの電気導線20を用いた場合、電気導線20の単位長さ当たりの巻数は、コイル部材2の一端2aの近くでは少なく、一端2aから他端2bに向けて徐々に増加するので、他端2bの近くでは、通常の均一巻きのコイル部材に比べて、単位長さ当たりの巻数を増やして磁束密度Bを大きくすることができる。従って、磁性部材3全体の磁気密度B、そして、磁性部材3全体に働く磁気力Fmを大きくすることができる。

【0025】
なお、動力を外部に伝達するように、磁性部材3の一端部3aに動力伝達体5Aを接合して、動力伝達体5Aが磁性部材3の移動に追従して移動するようにできる。動力伝達体5Aは、磁化しないものか或いは磁化率の非常に小さいものを用いる。こうして、磁性部材3全体に働く磁気力Fmが大きいので、少ない電力で十分な動力を容易に得ることができる。なお、動力伝達体5Aは、磁性部材3の他端部3bに接合して動力を伝達するようにすることも可能である。

【0026】
コイル部材2に電流を流し続けると、磁性部材3は移動し、その一端部3aがコイル部材2の他端2bの近傍の位置2cから外側に移動する(図1(b)参照)。そうすると、コイル部材2の一端2aの位置から他端2bの近傍の位置2cまでの長い範囲の中に有る部分に働く磁気力Fmの合計と、コイル部材2の他端2bの近傍の位置2cから外側に有る部分に働く磁気力Fmの合計とが、互いにキャンセルして、磁性部材3全体に働く磁気力Fmは非常に小さくなるか或いはなくなる。なお、このとき、動力伝達体5Aなどの状態によっては、慣性力により磁性部材3の移動がある程度継続する。

【0027】
磁性部材3を初期位置に戻すには、コイル部材2の中心軸Aを鉛直方向に設置しておいて、コイル部材2に流す電流を止めたときに重力によって戻すようにすることができる。この場合、戻り過ぎないように、例えば、誘導管部材4の下側に栓5Bなどをしておくことができる。

【0028】
また、或いは、誘導管部材4の下側の栓5Bと磁性部材3の他端部3bとの間に引張りばねを設けて、弾性復元力によって磁性部材3を初期位置に戻すようにすることもできる。その他、様々な方法が可能である。

【0029】
次に、動力が得られることの確認のために行った1番目の実験について述べる。この実験構成は以下の通りである。すなわち、図3に示すように、図2に示したのと同じようにして長い円筒の絶縁材料から成る誘導管部材4を鉛直方向に立て、その周囲に直径0.2mmの電気導線20を互いに隣接させるようにして巻き付けて、下側の一端2aから上側の他端2bまで電気導線20が積み上がって行き多層になるようなコイル部材2を形成した。電気導線20は、1層目50巻、2層目45巻、・・・、10層目5巻である。コイル部材2の長さ(一端2aから他端2bまでの長さ)は約10mm程度である。そして、コイル部材2に5.0Hz、振幅500mVを印加して交流電流を流した。それから、誘導管部材4の中に、直径0.8mm、長さ50m、質量46.3mgの棒状の固体の磁性部材(鉄製の針金)2を上方から挿入した。動力伝達体5Aと栓5Bは用いていない。

【0030】
そうすると、磁性部材3は、10.0Hz、最下点から最上点までの幅9.6mmで振動した。よって、磁性部材3には重力以上の磁気力Fmが発生することと、磁性部材3はコイル部材2に流れる交流電流の2倍の周波数で振動すること、が分かった。これは、交流電流が0値を通過するときに、磁気力Fmがなくなって磁性部材3が落下し、交流電流が正又は負の値になるときに、磁気力Fmが発生して磁性部材3が上昇することを示している。

【0031】
また、以下のようにして磁気力Fmを計算することができる。すなわち、磁性部材3の振動を、周波数f=10.0Hz、振幅A=4.8mmの単振動とみなすと、最下点での加速度a(単位:m/s)は、次のようにして求められる。
a=A×(2πf)
=(4.8×10-3)×(2π×10)
=18.9

【0032】
よって、重力に抗して鉛直上向きに作用する磁気力Fmによる加速度a’は、次のようになる。ここで、gは重力加速度である。
a’=a+g
=18.9+9.8
=28.7

【0033】
これより、重力に抗して鉛直上向きに2.9倍の磁気力Fmが作用したことが分かる。

【0034】
また、比較のため、図4に示すように、前述したのと同様な誘導管部材4と磁性部材3を用い、電気導線20を1層あたり50巻で5層になるように均一に巻いたコイル部材2’を用いて、前述した条件で実験を行った。この場合、磁性部材3は、振動せず、自由落下した。よって、この場合、磁性部材3には重力以上の磁気力Fmが発生していないことが分かる。これは、電気導線20を均一に巻いたコイル部材2’の場合、磁性部材3の中において、コイル部材2の両端に位置する部分のみに磁束密度Bの勾配が少しだけ生じて磁気力Fmが生じるが、磁性部材3全体に働く磁気力Fmは大きくないからである。

【0035】
次に、本発明の実施形態に係る別の磁気アクチュエータ1’について説明する。この磁気アクチュエータ1’は、上記したコイル部材2と磁性部材3を備え、更に、図5(a)、(b)に示すように、コイル部材2と同様な第2のコイル部材6を備えている。この第2のコイル部材6は、上述したような重力や引張りばねなどを用いずに、磁性部材3を初期位置に戻すことができる。

【0036】
第2のコイル部材6は、コイル部材2と同様に電気導線60が巻かれて形成されており、電気導線60の単位長さ当たりの巻数が一端6aから他端6bに向けて徐々に増加している。第2のコイル部材6の中心軸は、コイル部材2の中心軸Aと共通であり、よって、磁性部材3は、第2のコイル部材6の中心軸にも沿っている。また、コイル部材2の一端2aと第2のコイル部材6の一端6aは、対向している。

【0037】
磁性部材3の初期位置として、磁性部材3の一端部3aがコイル部材2の一端2aの位置から他端2bの近傍の位置2cまでの長い範囲の中に有るようにする(図5(a)参照)。そして、コイル部材2に電流を流すと、コイル部材2の一端2aから他端2bに向かう方向に磁性部材3は移動する。この状態で、磁性部材3の他端部3bがコイル部材6の一端6aの位置から他端6bの近傍の位置6c(図5(b)参照)までの長い範囲の中に有るようにする。そして、コイル部材6に電流を流すと、コイル部材6の一端6aから他端6bに向かう方向に磁性部材3は移動して初期位置に戻る。こうして、磁性部材3を初期位置から移動させ、かつ、初期位置に戻すこと、すなわち往復運動が可能になる。

【0038】
次に、往復運動の確認のために行った2番目の実験について述べる。この実験構成は以下の通りである。すなわち、図6に示すように、長い円筒の絶縁材料から成る誘導管部材4を水平方向に置き、その周囲に、直径0.2mmのポリイミド被膜の電気導線20を互いに隣接させるようにして巻き付けて、右側の一端2aから左側の他端2bまで電気導線20が積み上がって行き多層になるようなコイル部材2と、直径0.2mmのポリイミド被膜の電気導線60を互いに隣接させるようにして巻き付けて、左側の一端6aから右側の他端6bに向けて電気導線60が積み上がって行き多層になるような第2のコイル部材6と、を形成した。電気導線20、60は、1層目100巻、2層目95巻、・・・・、20層目5巻である。コイル部材2及び第2のコイル部材6の長さ(一端2a、6aから他端2b、6bまでの長さ)はともに約20mm程度である。誘導管部材4の中には、直径0.08mm、長さ65mm、質量259.7mgの棒状の固体の磁性部材(鉄製の針金)2を挿入した。そして、コイル部材2と第2のコイル部材6に交互に、3.0Hz、振幅2.1Vの半波(半波整流されたもの)を印加した。

【0039】
そうすると、磁性部材3は、最大6mmの変位で振動した。よって、往復運動の確認ができた。

【0040】
また、比較のため、図7に示すように、上述したのと同様な誘導管部材4と磁性部材3を用い、電気導線20、60を1層あたり100巻で10層になるように均一に巻いたコイル部材2’と第2のコイル部材6’を用いて、上述した条件で実験を行った。この場合、磁性部材3は、振動しなかった。これは、電気導線20、60を均一に巻いたコイル部材2’、6’の場合、磁性部材3の中において、コイル部材2の両端に位置する部分のみに磁束密度Bの勾配が少しだけ生じて磁気力Fmが生じるが、磁性部材3全体に働く磁気力Fmは大きくないからである。

【0041】
以上、本発明の実施形態に係る磁気アクチュエータについて説明したが、本発明は、実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内での様々な設計変更が可能である。例えば、コイル部材2及び第2のコイル部材6を形成する電気導線20、60の巻数の増加の割合、全体の巻数、巻き方などは、図に示したものに係わらず、様々なものが可能である。また、磁性部材3は、誘導管部材4に収容された流体(磁性流体)であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 磁気アクチュエータ
2 コイル部材
2a コイル部材の一端
2b コイル部材の他端
20 コイル部材を形成する電気導線
3 磁性部材
3a 磁性部材の一端部
3b 磁性部材の他端部
4 誘導管部材
5A 動力伝達体
6 第2のコイル部材
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図5】
2
【図3】
3
【図4】
4
【図6】
5
【図7】
6