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明細書 :RNA発現用線状二本鎖DNA

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-073512 (P2015-073512A)
公開日 平成27年4月20日(2015.4.20)
発明の名称または考案の名称 RNA発現用線状二本鎖DNA
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
C12Q   1/68        (2006.01)
FI C12N 15/00 A
C12Q 1/68 ZNAA
請求項の数または発明の数 10
出願形態 OL
全頁数 38
出願番号 特願2013-213459 (P2013-213459)
出願日 平成25年10月11日(2013.10.11)
発明者または考案者 【氏名】中村 美紀子
【氏名】赤田 倫治
【氏名】星田 尚司
出願人 【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100107984、【弁理士】、【氏名又は名称】廣田 雅紀
【識別番号】100102255、【弁理士】、【氏名又は名称】小澤 誠次
【識別番号】100096482、【弁理士】、【氏名又は名称】東海 裕作
【識別番号】100188352、【弁理士】、【氏名又は名称】松田 一弘
【識別番号】100131093、【弁理士】、【氏名又は名称】堀内 真
【識別番号】100150902、【弁理士】、【氏名又は名称】山内 正子
【識別番号】100177714、【弁理士】、【氏名又は名称】藤本 昌平
【識別番号】100141391、【弁理士】、【氏名又は名称】園元 修一
審査請求 未請求
テーマコード 4B024
4B063
Fターム 4B024AA20
4B024CA04
4B024CA20
4B024DA02
4B024EA04
4B024FA02
4B024FA07
4B024FA10
4B024GA11
4B063QA01
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR32
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS16
4B063QS25
要約 【課題】本発明の課題は、RNA発現用DNA配列の上流又は下流にシグナルペプチドやタグペプチド等をコードするDNA配列を簡易に付与することや、RNA発現用DNA配列に変異を簡易に導入することができる、RNA発現用線状二本鎖DNAを提供することにある。
【解決手段】ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA、又はRNA発現用DNA配列と、ターミネータ配列と、プロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを作製する。また、ターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えた配列を含む線状二本鎖DNAを作製するためのフォワードプライマーであって、ターミネータのセンス鎖配列とプロモータ配列にアニールするDNA配列を順次備えたフォワードプライマーを作製する。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(a)又は(b)に示されるターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA。
(a)ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA;
(b)RNA発現用DNA配列と、ターミネータ配列と、プロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA;
【請求項2】
RNA発現用DNA配列が、タンパク質をコードする遺伝子配列であることを特徴とする請求項1記載のRNA発現用線状二本鎖DNA。
【請求項3】
ターミネータ配列が、(A/T/G),(A/T/G),T,A,A,A,(A/T/G/C),(A/T/G/C),(A/G/C)の連続した9塩基の配列を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のRNA発現用線状二本鎖DNA。
【請求項4】
プロモータ配列が、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)のプロモータ配列又はヒト伸長因子1α(EF1α)プロモータ配列であることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載のRNA発現用線状二本鎖DNA。
【請求項5】
プラスミドの複製開始点、又は薬剤耐性遺伝子を含まないことを特徴とする請求項1~4のいずれか記載のRNA発現用線状二本鎖DNA。
【請求項6】
(a)におけるRNA発現用DNA配列の下流、又は、(b)におけるRNA発現用DNA配列の上流に、シグナルペプチド又はタグペプチドをコードするDNA配列を備えたことを特徴とする請求項1~5のいずれか記載のRNA発現用線状二本鎖DNA。
【請求項7】
RNA発現用線状二本鎖DNAの長さが200~5000塩基であることを特徴とする請求項1~6のいずれか記載のRNA発現用線状二本鎖DNA。
【請求項8】
ターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを作製するためのフォワードプライマーであって、ターミネータ配列のセンス鎖配列と、プロモータ配列にアニールするDNA配列とを順次備えたことを特徴とするフォワードプライマー。
【請求項9】
ターミネータ配列のセンス鎖配列が、長さ30~250塩基であり、(A/T/G),(A/T/G),T,A,A,A,(A/T/G/C),(A/T/G/C),(A/G/C)の連続した9塩基の配列を含むことを特徴とする請求項8記載のフォワードプライマー。
【請求項10】
ターミネータ配列のセンス鎖配列が、配列番号3又は4で示される配列であることを特徴とする請求項8又は9記載のフォワードプライマー。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAや、該ターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを作製するためのフォワードプライマーに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタンパク質を細胞内に発現させる技術は、細胞内におけるタンパク質の機能解析、工業・医療・農業分野で商業的に利用されるタンパク質の生産等に広く用いられており、今日では欠かせない技術である。細胞内で特定のタンパク質を発現させるためには、細胞内へタンパク質をコードする遺伝子を導入する方法が有用であり、導入する遺伝子等のRNA発現用DNA配列の運搬体としてプラスミドベクターを使用した方法が広く利用されている。
【0003】
一方、これまでに正確性の高いDNAポリメラーゼが開発されたことから、PCR法によりタンパク質をコードする遺伝子を数時間で合成することが可能になった。そこで、タンパク質をコードする遺伝子を含む線状二本鎖DNAを細胞に導入する方法も検討されている。この方法により、タンパク質の機能解析、タンパク質の生産、創薬のためのスクリーニング等の目的に応じて、細胞内でRNA発現用DNA配列由来のRNAが十分に発現すれば、従来の手間と時間のかかるプラスミド構築を、簡便で迅速なPCR法による線状二本鎖DNAの作製に替えることが可能となり、大幅な時間の短縮、ハイスループット化が期待できる。
【0004】
線状二本鎖DNAをそのまま細胞内に導入し、細胞内でRNA発現用DNA配列由来のRNAを発現させる場合に用いる線状二本鎖DNAとしては、プロモータ配列、タンパク質をコードする遺伝子配列等のRNA発現用DNA配列、ターミネータ配列を順次備える線状二本鎖DNAが用いられているが、細胞内でのRNAの発現は簡便かつ十分なものではなかった。また、プロモータ配列、タンパク質をコードする遺伝子配列、発現マーカーをコードするDNA配列、ターミネータ配列、ポリアデニレーションシグナル配列を含むDNA断片をPCR法により調製する方法が提案されているが(特許文献1参照)、各配列の両端に制限酵素サイト又はアニーリング配列をそれぞれ組み込み、PCR法により該DNA断片を構築し、次いでその5’末端にリン酸を付加するか制限酵素により突出末端を作製してセルフライゲーションにより環状化を行う必要がある等、作業が煩雑でかつ時間がかかるという問題があり、さらに、作製したDNA断片も、線状二本鎖DNAとしてではなく、環状化して動物細胞に導入するものであった。
【0005】
本発明者らは、ターミネータ配列を含むDNA配列の相補配列からなり、線状二本鎖DNAによる細胞におけるRNA発現用のリバースプライマーであって、前記ターミネータ配列が、30~200塩基からなり、(A/T/G),(A/T/G),T,A,A,A,(A/T/G/C),(A/T/G/C),(A/G/C)の連続した9塩基の配列を含むリバースプライマーや、このプライマーを用いて、プロモータ配列とRNA発現用DNA配列と前記連続した9塩基の配列を含むターミネータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNAをPCR法により作製し、これを細胞内に導入してRNAを発現させることを提案した(特許文献2参照)。
【0006】
この特許文献2の手法により、複雑な操作を必要とせず、簡便かつ迅速にRNA発現用の線状二本鎖DNAを作製することができ、該線状二本鎖DNAを細胞に導入することにより、タンパク質の機能解析、タンパク質の生産、創薬のためのスクリーニング等の目的に応じて、細胞内でRNA発現用DNA配列由来のRNAを簡便かつ十分に発現させることが可能となった。しかしながら、あくまでプロモータ配列とRNA発現用DNA配列とターミネータ配列とを順次備えたものであるため、タンパク質にシグナルペプチド又はタグペプチドを付与する場合は、RNA発現用DNA配列とプロモータ配列又はターミネータ配列との間にシグナルペプチド又はタグペプチドをコードするDNA配列を挿入する必要があり、作業が煩雑になるという問題が残っていた。さらに、RNA発現用DNA配列に対して変異を導入する場合にも、RNA発現用DNA配列の上流にプロモータ配列、下流にターミネータ配列を備えていることから、変異を有するプライマーを用いてPCR法によりRNA発現用DNA配列に変異を導入する作業が煩雑になるという問題も残っていた。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開2004-141025号公報
【特許文献2】国際公開第2012/147370号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、RNA発現用の線状二本鎖DNAを細胞に導入することにより細胞内でRNAを簡便かつ目的に応じて十分に発現させることができるようになったものの、細胞内におけるタンパク質の機能解析、工業・医療・農業分野で商業的に利用されるタンパク質の生産等において、発現するタンパク質にシグナルペプチド、タグペプチド等のペプチドを付与する場合や、変異を導入する場合は、該線状二本鎖DNAの作製について改良すべき点が残されていた。
【0009】
本発明の課題は、RNA発現用DNA配列の上流又は下流にシグナルペプチドやタグペプチド等をコードするDNA配列を簡易に付与することや、RNA発現用DNA配列に変異を簡易に導入することができる、RNA発現用線状二本鎖DNAを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、タンパク質をコードする遺伝子配列の下流にターミネータ配列が結合されていない線状二本鎖DNAと、ターミネータ配列を有する線状二本鎖DNAとを用いて、細胞内でRNAを発現させることを鋭意検討したなかで、プロモータ配列とタンパク質をコードする遺伝子配列を順次備えた線状二本鎖DNA、及び、タンパク質をコードする遺伝子配列とターミネータ配列を順次備えた線状二本鎖DNAを複数作製した。その過程で、ターミネータ配列とプロモータ配列とタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNAをそのまま細胞に導入したところ、驚くことに細胞内で遺伝子が発現することを見いだした。
【0011】
これまでの技術常識では、細胞内で遺伝子を発現させるには、プロモータ配列とタンパク質をコードする遺伝子配列とターミネータ配列とを順次備える二本鎖DNAを細胞に導入する必要があったが、前記結果から、細胞に導入する線状二本鎖DNAとしては、必ずしもプロモータ配列とタンパク質をコードする遺伝子配列とターミネータ配列とを順次備えることが必須ではないと考え、プロモータ配列、タンパク質をコードする遺伝子配列、ターミネータ配列の配置を様々に組み合わせて実験を行ったところ、ターミネータ配列とプロモータ配列とタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNAや、タンパク質をコードする遺伝子配列とターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNAを細胞にそのまま導入した場合に細胞内で遺伝子が発現することを見いだし、加えて、かかる線状二本鎖DNAは、シグナルペプチドやタグペプチドをコードするDNA配列を簡易に付与できること、シグナルペプチドやタグペプチドを付与しても細胞内で遺伝子が発現すると共にシグナルペプチドやタグペプチドが有効に機能すること、RNA発現用DNAに変異を簡易に導入できること等、非常に有用であることを見いだし、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は、[1](a)ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA、又は(b)RNA発現用DNA配列と、ターミネータ配列と、プロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA、に示されるターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAや、
[2]RNA発現用DNA配列が、タンパク質をコードする遺伝子配列であることを特徴とする上記[1]記載のRNA発現用線状二本鎖DNAや、
[3]ターミネータ配列が、(A/T/G),(A/T/G),T,A,A,A,(A/T/G/C),(A/T/G/C),(A/G/C)の連続した9塩基の配列を含むことを特徴とする上記[1]又は[2]記載のRNA発現用線状二本鎖DNAや、
[4]プロモータ配列が、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)のプロモータ配列又はヒト伸長因子1α(EF1α)プロモータ配列であることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか記載のRNA発現用線状二本鎖DNAや、
[5]プラスミドの複製開始点、又は薬剤耐性遺伝子を含まないことを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか記載のRNA発現用線状二本鎖DNAや、
[6](a)におけるRNA発現用DNA配列の下流、又は、(b)におけるRNA発現用DNA配列の上流に、シグナルペプチド又はタグペプチドをコードするDNA配列を備えたことを特徴とする上記[1]~[5]のいずれか記載のRNA発現用線状二本鎖DNAや、
[7]RNA発現用線状二本鎖DNAの長さが200~5000塩基であることを特徴とする上記[1]~[6]のいずれか記載のRNA発現用線状二本鎖DNAに関する。
【0013】
また、本発明は、[8]ターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを作製するためのフォワードプライマーであって、ターミネータ配列のセンス鎖配列と、プロモータ配列にアニールするDNA配列とを順次備えたことを特徴とするフォワードプライマーや、
[9]ターミネータ配列のセンス鎖配列が、長さ30~250塩基であり、(A/T/G),(A/T/G),T,A,A,A,(A/T/G/C),(A/T/G/C),(A/G/C)の連続した9塩基の配列を含むことを特徴とする上記[8]記載のフォワードプライマーや、
[10]ターミネータ配列のセンス鎖配列が、配列番号3又は4で示される配列であることを特徴とする上記[8]又は[9]記載のフォワードプライマーに関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAによれば、RNA発現用DNA配列の上流又は下流にシグナルペプチド又はタグペプチドをコードするDNA配列を付与することや、RNA発現用DNA配列に変異を導入することが簡易となる。即ち、シグナルペプチド又はタグペプチドをコードするDNA配列をRNA発現用DNA配列に付与する場合は、前述の(a)の態様によれば、RNA発現用DNA配列とターミネータ配列の間に挿入する必要はなくRNA発現用DNA配列の下流にこれを連結するのみでよく、また、前述の(b)の態様によれば、プロモータ配列とRNA発現用DNA配列の間に挿入する必要はなくRNA発現用DNA配列の上流にこれを連結するのみでよく、シグナルペプチド又はタグペプチドをコードするDNA配列をRNA発現用DNA配列に簡易に付与することができる。この効果は、特にRNA発現用DNA配列を変えてその発現をそれぞれ検討する場合や目的に応じて上記ペプチド配列をコードするDNA配列を変える場合により大きいものとなる。さらに、RNA発現用DNA配列に変異を導入する場合は、前述の(a)の態様によれば、RNA発現用DNA配列のアンチセンス鎖配列に変異を有する配列を含むリバースプライマーを用いてPCRを行うだけでよく、前述の(b)の態様によれば、RNA発現用DNA配列のセンス鎖配列に変異を有する配列を含むフォワードプライマー用いてPCRを行うだけでよい。
【0015】
また、本発明によれば、RNA発現用線状二本鎖DNAを作製することも簡易にできるようになる。即ち、前述の(a)の態様では、RNA発現用DNA配列の下流にターミネータ配列を連結する必要がなく、(b)の態様では、RNA発現用DNA配列の上流にプロモータ配列を連結する必要がないため、ターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNAを作製しておくことで、特にRNA発現用DNA配列を変えてその発現をそれぞれ検討する場合は、対応するRNA発現用線状二本鎖DNAを簡易に作製することができる。
【0016】
さらに、ターミネータ配列のセンス鎖配列とプロモータ配列にアニールする配列を順次備えた本発明のフォワードプライマーにより、複雑な操作を必要とせず、簡易かつ迅速に、ターミネータ配列の下流にプロモータ配列を順次備えた配列を含むRNA発現用線状二本鎖DNAを作製することが可能となり、シグナルペプチド、タグペプチド等をコードするDNA配列を付与することやRNA発現用DNA配列に変異を導入することが簡易にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1、3、5、7に用いたpEGFP-C1のマップを示す図である。
【図2】(a)実施例1において作製したRNA発現用線状二本鎖DNA No.i-3をヒト胎児腎細胞(HEK293細胞)に導入して観察した結果であり、写真の左が微分干渉顕微鏡像、右が蛍光顕微鏡像を示す図である。(b)実施例1において作製した線状二本鎖DNA No.i-1をHEK293細胞に導入して観察した結果であり、写真の左が微分干渉顕微鏡像、右が蛍光顕微鏡像を示す図である。
【図3】実施例2で作製した、β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、mCherryタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(β-gloter-CMVp-mCherry)、及び、β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、mCherryタンパク質をコードする遺伝子配列とFLAGペプチドをコードするDNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(β-gloter-CMVp-mCherry-FLAG)のアガロース電気泳動の結果を示す図である。
【図4】(a)実施例2で作製した、β-gloter-CMVp-mCherry-FLAGの配置図である。(b)実施例2における、β-gloter-CMVp-mCherry-FLAG、及び、β-gloter-CMVp-mCherryをそれぞれ導入したHEK293細胞から抽出したトータルタンパク質のウェスタンブロッティングによる解析結果を示す図である。(c)実施例2において、β-gloter-CMVp-mCherry-FLAGをHEK293細胞に導入して観察した蛍光顕微鏡像を示す図である。
【図5】実施例3で作製した、β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(pEGFP)、及び、β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、CAAXペプチドをコードするDNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(pEGFP-CAAX)のアガロース電気泳動の結果を示す図である。
【図6】(a)実施例3における、β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、CAAXペプチドをコードするDNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAをHEK293細胞に導入して観察した結果であり、左写真が微分干渉顕微鏡像、右写真が蛍光顕微鏡像を示す図である。(b)実施例3における、β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAをHEK293細胞に導入して観察した結果であり、左写真が微分干渉顕微鏡像、右写真が蛍光顕微鏡像を示す図である。
【図7】実施例4で作製した、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNA(CMVp-gluc)、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(CMVp-gluc-Svter)、SV40ターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(Svter-CMVp-gluc)、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列と、β-グロビンターミネータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(CMVp-gluc-βgloter)、及び、β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(βgloter-CMVp-gluc)のアガロース電気泳動の結果を示す図である。
【図8】実施例4で作製した、CMVp-gluc、CMVp-gluc-Svter、Svter-CMVp-gluc、CMVp-gluc-βgloter、βgloter-CMVp-glucを各HEK293細胞にそれぞれ導入し、分泌型ルシフェラーゼ活性を測定した結果を示す図である。横軸は導入した線状二本鎖DNA、縦軸は分泌型ルシフェラーゼ活性(counts/sec/μl)を示す。
【図9】実施例4で作製した、CMVp-gluc、CMVp-gluc-Svter、Svter-CMVp-gluc、CMVp-gluc-βgloter、βgloter-CMVp-glucを各ヒト子宮頸部類上皮腫細胞(HeLa細胞)にそれぞれ導入し、分泌型ルシフェラーゼ活性を測定した結果を示す図である。横軸は導入した線状二本鎖DNA、縦軸は分泌型ルシフェラーゼ活性(counts/sec/μl)を示す。
【図10】実施例4で作製した、CMVp-gluc、CMVp-gluc-Svter、Svter-CMVp-gluc、CMVp-gluc-βgloter、βgloter-CMVp-glucを各アフリカミドリザル腎臓由来細胞(COS-7)細胞にそれぞれ導入し、分泌型ルシフェラーゼ活性を測定した結果を示す図である。横軸は導入した線状二本鎖DNA、縦軸は分泌型ルシフェラーゼ活性(counts/sec/μl)を示す。
【図11】実施例4で作製した、CMVp-gluc、CMVp-gluc-Svter、Svter-CMVp-gluc、CMVp-gluc-βgloter、βgloter-CMVp-glucを各NIH由来のマウス胎仔由来線維芽細胞(NIH3T3細胞)にそれぞれ導入し、分泌型ルシフェラーゼ活性を測定した結果を示す図である。横軸は導入した線状二本鎖DNA、縦軸は分泌型ルシフェラーゼ活性(counts/sec/μl)を示す。
【図12】(a)実施例5で作製した、線状二本鎖DNA No.j-1、j-4のアガロース電気泳動の結果を示す図である。(b)実施例5で作製した、線状二本鎖DNA No.j-14、j-21のアガロース電気泳動の結果を示す図である。(c)実施例5で作製した、線状二本鎖DNA No.j2-1のアガロース電気泳動の結果を示す図である。
【図13】実施例5、7で用いたpKM426のマップを示す図である。
【図14】(a)実施例5で作製した、RNA発現用線状二本鎖DNA No.j-14(EGFP-Svter-CMVp)をHEK293細胞(上段)及びHeLa細胞(下段)にそれぞれ導入して観察した結果であり、右が微分干渉顕微鏡像、左が蛍光顕微鏡像を示す図である。(b)実施例5で作製した、RNA発現用線状二本鎖DNA No.j2-1(NcSu9(99)-EGFP-Svter-CMVp)をHEK293細胞(上段)及びHeLa細胞(下段)にそれぞれ導入した結果であり、(1)及び(2)それぞれ右が微分干渉顕微鏡像、左が蛍光顕微鏡像を示す図である。
【図15】実施例6で用いたpKM593のマップを示す図である。
【図16】実施例6で作製した、β-グロビンターミネータ配列と、EF1αプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(β-Globin(121-190)-EF1αp-hCluc)、プロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNA(EF1αp-hCluc)、及び、プロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列と、β-グロビンターミネータとを順次備えた線状二本鎖DNA(EF1αp-hCluc-βGlobin(121-220))のアガロース電気泳動の結果を示す図である。
【図17】実施例6において、EF1αp-hCluc、EF1αp-hCluc-βGlobin(121-220)、β-Globin(121-190)-EF1αp-hClucを各HeLa細胞にそれぞれ導入してルシフェラーゼを測定した結果を示す図である。
【図18】(a)実施例7で作製した、線状二本鎖DNA No.o-11、No.o-13~No.o-16のアガロース電気泳動の結果を示す図である。(b)実施例7で作製した、線状二本鎖DNA No.o-17~No.o-21のアガロース電気泳動の結果を示す図である。
【図19】実施例7で作製した、RNA発現用線状二本鎖DNA No.o-41~No.o-47のアガロース電気泳動の結果を示す図である。
【図20】実施例7で作製した、RNA発現用線状二本鎖DNA No.o-41~No.o-47の配置図である。図中、Su9はミトコンドリア移行シグナルペプチドをコードするDNA配列、EGFPはEGFPタンパク質をコードする遺伝子配列、terはSV40ターミネータ、5CGCはシトシンとグアニンが100%のCCCCCGGGGGCCCCCからなる配列、CMVpはCMVプロモータであり、o-43における-1000~-600、o-44における-2000~-600、o-45における-3000~-600、o-46における-3717~-600はpEGFP-C1中の配列を示す。
【図21】実施例7で作製した、RNA発現用線状二本鎖DNA No.o-41~No.o-47を各HeLa細胞にそれぞれ導入して観察した結果であり、上が蛍光顕微鏡像、下が微分干渉顕微鏡像を示す図である。
【図22】実施例8で作製した、β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、mCherryタンパク質をコードする遺伝子配列とFLAGペプチドをコードするDNA配列に変異を有する配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA No.D1A、Y2A、K3A、D4A、D5A、D6A、D7A、K8Aのアガロース電気泳動の結果を示す図である。
【図23】実施例8における、作製したRNA発現用線状二本鎖DNA No.D1A、Y2A、K3A、D4A、D5A、D6A、D7A、K8A、β-gloter-CMVp-mCherry-FLAG、及び、β-gloter-CMVp-mCherryをそれぞれ導入したHEK293細胞から抽出したトータルタンパク質のウェスタンブロッティングによる解析結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAとしては、(a)ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(以下、「本件RNA発現用線状二本鎖DNA1」ということがある)や、(b)RNA発現用DNA配列と、ターミネータ配列と、プロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(以下、「本件RNA発現用線状二本鎖DNA2」ということがある)であれば特に制限されず、本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAをそのまま細胞に導入するだけで、細胞内でRNAを発現させることが可能であるものであればよい。本件RNA発現用線状二本鎖DNA1としては、ターミネータ配列の下流(3’末端側)にプロモータ配列が動作可能に連結され、さらに前記プロモータ配列の下流にRNA発現用DNA配列が動作可能に連結されているものであればよく、また、本件RNA発現用線状二本鎖DNA2としては、RNA発現用DNA配列の下流にターミネータ配列が動作可能に連結され、前記ターミネータ配列の下流にプロモータ配列が動作可能に連結されているものであればよい。

【0019】
また、本発明のフォワードプライマーとしては、本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを作製するためのフォワードプライマーであって、ターミネータ配列のセンス鎖配列と、プロモータ配列にアニールするDNA配列とを順次備えたことを特徴とするフォワードプライマーであれば特に制限されず、ここで、ターミネータ配列のセンス鎖配列と、プロモータ配列にアニールするDNA配列とを順次備えたものとしては、ターミネータ配列のセンス鎖配列の下流にプロモータ配列にアニールするDNA配列が連結されているものであればよい。

【0020】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAや本発明のフォワードプライマーにおけるターミネータ配列としては、RNAの発現を行う目的、RNA発現を行う細胞の種類、プロモータの種類、RNA発現用DNA配列の種類等によって適宜選択することができ、天然に存在するターミネータ配列であっても、データベース上の配列に基づいて人工的に合成したターミネータ配列であってもよいが、複雑な操作を必要とせずに簡易かつ迅速に本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを作製するには、人工的に合成したターミネータ配列を選択することが好ましい。人工的に合成したターミネータ配列は、変異RNA発現の誘導に機能しうる限りは、天然に存在するターミネータ配列の部分配列であっても、そのDNA配列に置換、欠損、挿入を有するものであってもよい。

【0021】
人工的に合成したターミネータ配列を用いる場合、本発明のターミネータ配列としては、十分なRNA発現量を目的に応じて得る観点から、1番目の塩基がA(アデニン)、T(チミン)、又はG(グアニン)であり、2番目の塩基がA、T、又はGであり、3番目の塩基がTであり、4番目の塩基がAであり、5番目の塩基がAであり、6番目の塩基がAであり、7番目の塩基がA、T、G、又はC(シトシン)であり、8番目の塩基がA、T、G、又はCであり、9番目の塩基がA、G、又はCである、(A/T/G),(A/T/G),T,A,A,A,(A/T/G/C),(A/T/G/C),(A/G/C)の連続した9塩基の配列を含むターミネータ配列を好適に例示することができ、この9塩基として、A,(A/T),T,A,A,A,(A/T/G),(A/G/C),(A/C)の連続した9塩基の配列を含むものをより好適に例示することができ、かかる連続した9塩基は1又は2以上含まれていてもよい。また、人工的に合成したターミネータ配列の長さとしては、上記観点に沿う限り特に制限されないが、本発明のフォワードプライマーにおいては、好ましくは30~250塩基、より好ましくは40~200塩基、さらに好ましくは60~120塩基からなるのがよい。

【0022】
このようなターミネータ配列としては、公知の文献(国際公開第2012/147370号パンフレット)等に記載の配列を利用することができ、例えば、ラビットβ-グロビン(Rabbit β-globin)ターミネータ配列(配列番号1)又はシミアンウイルス40(SV40)ターミネータ配列(配列番号2)の一部であって上記の長さ及び配列を有するものを好ましく挙げることができ、この中から、タンパク質の機能解析、タンパク質の生産、創薬のためのスクリーニング等の目的に応じて十分なRNA発現量が得られるものを適宜選択することが好ましい。例えば、ラビットβ-グロビンターミネータ配列の塩基配列における塩基番号121~190番目の塩基配列(配列番号3)や、ラビットβ-グロビンターミネータ配列の塩基配列における塩基番号121~180番目、121~200番目、121~220番目、130~190番目の塩基配列、SV40ターミネータ配列の塩基配列における塩基番号130~208番目の塩基配列(配列番号4)や、SV40ターミネータ配列の塩基配列における塩基番号121~220番目、130~220番目の塩基配列等をより好ましく挙げることができる。

【0023】
また、天然に存在するターミネータ配列を用いる場合、本発明のターミネータ配列としては、ウィルスのターミネータ配列であっても、大腸菌、枯草菌等の原核生物のターミネータ配列であっても、酵母、マウス、ヒト、ラビット等の真核生物のターミネータ配列であってもよく、具体的には、ラビットβ-グロビン(Rabbit β-globin)ターミネータ配列、シミアンウイルス40(SV40)ターミネータ配列、ウシ成長ホルモン(BGH)ターミネータ配列、HSV・TKターミネータ配列、CYC1ターミネータ配列、ADHターミネータ配列、SPAターミネータ配列、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのノパリンシンターゼ(NOS)遺伝子ターミネータ配列、カリフラワー・モザイク・ウイルス(CaMV)35S遺伝子のターミネータ配列、トウモロコシ由来のZein遺伝子ターミネータ配列、ルビスコ小サブユニット(SSU)遺伝子ターミネータ配列、サブクローバー・スタント・ウイルス(SCSV)遺伝子ターミネータ配列、LacZアルファターミネータ配列、polyTターミネータ配列等を挙げることができ、十分なRNA発現量を目的に応じて得る観点からは、好ましくはラビットβ-グロビンターミネータ配列(配列番号1)やSV40ターミネータ配列(配列番号2)を挙げることができる。

【0024】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAや本発明のフォワードプライマーにおけるプロモータ配列としては、十分なRNAの発現を得る目的、RNAを発現させる哺乳動物等の細胞の種類やRNA発現用DNA配列、ターミネータ配列等により適宜選択することができ、具体的には、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモータ配列、ヒト伸長因子1α(EF1α)プロモータ配列、シミアンウイルス(SV40)プロモータ配列、アデノウィルス後期(Adenovirus Major Late、AML)のAMLプロモータ配列、SV40及びHTLV-1 LTRの融合プロモータであるSRαプロモータ配列、ヒトユビキチンCプロモータ配列、α-アクチンプロモータ配列、β-アクチンプロモータ配列、U6プロモータ配列、H1プロモータ配列、テトラサイクリンによってRNA発現が抑制されるTet-Offプロモータ配列、テトラサイクリンによってRNA発現が誘導されるTet-Onプロモータ配列、亜鉛等の金属や種々の刺激により誘導されるメタロチオネインプロモータ配列、活性酸素により誘導されるAREプロモータ配列を挙げることができ、RNAの発現量を高める観点からは、好ましくはCMVプロモータ配列、ヒト伸長因子EF1αプロモータ配列、より好ましくはCMVプロモータ配列を好適に挙げることができ、RNA発現の誘導に機能しうる限りは、その部分配列であっても、DNA配列の置換、欠失、挿入を含んでいてもよい。

【0025】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAにおけるRNA発現用DNA配列としては、RNAを発現しうる線状二本鎖DNA配列であればよく、タンパク質をコードする遺伝子配列の他、shRNA(small hairpin RNA)発現配列、siRNA(short interfering RNA)発現配列、miRNA(micro-RNA)、核酸アプタマー発現配列、デゴイ発現配列、アンチセンスオリゴヌクレオチド発現配列、リボザイム発現配列等の機能性核酸を発現するDNA配列を挙げることができる。

【0026】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを用いてタンパク質を発現する場合、RNA発現用DNA配列としては、タンパク質をコードする遺伝子配列を選択することができ、タンパク質をコードする遺伝子配列としては、用途に合わせて全長の遺伝子配列でも、その一部でもよく、変異が導入されていてもよい。また、その由来はいかなる生物から単離された遺伝子でも、遺伝子工学的に作製した人工的な遺伝子でもよく、遺伝子における5’末端の開始コドン及び3’末端に停止コドンは適宜含んでいても含んでいなくてもよい。

【0027】
また、本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを用いてタンパク質の発現をノックダウンする場合、RNA発現用DNA配列としては、タンパク質をコードする遺伝子のmRNAの発現を抑制できるshRNA発現用DNA配列や、siRNA発現用DNA配列や、アンチセンスオリゴヌクレオチドを選択することができる。また、本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを用いてタンパク質の活性化作用を阻害又は抑制する場合は、RNA発現用DNA配列としては、タンパク質の活性化作用を阻害又は抑制できる核酸アプタマー発現配列や、リボザイム発現配列を選択することができ、特定の遺伝子の転写を抑制する場合は、RNA発現用DNA配列としてデゴイ発現配列を設定することができ、上記配列は、それぞれ標的RNAの配列、及び、その転写因子が結合し得る配列の情報に基づいて人工合成することができる。また、疾患の治療効果を有するタンパク質を発現する配列や、疾患の原因又は進行に関わるタンパク質の発現抑制機能を有する配列をRNA発現用DNA配列とすることにより、本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAをDNAワクチンとして応用することができる。

【0028】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAとしては、プラスミドの複製開始点、又は薬剤耐性遺伝子を含まないものが好ましく、プラスミドの複製開始点としては、ColE1、R因子、F因子等の複製開始点を挙げることができ、薬剤耐性遺伝子としては、アンピシリン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子等を挙げることができる。

【0029】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAは、本件RNA発現用線状二本鎖DNA1におけるRNA発現用DNA配列の下流、又は、本件RNA発現用線状二本鎖DNA2におけるRNA発現用DNA配列の上流にシグナルペプチド又はタグペプチドをコードするDNA配列を備えることができる。シグナルペプチドとしては、ゴルジ体移行シグナルペプチド、細胞膜移行シグナルペプチド、ミトコンドリア移行シグナルペプチド、核移行シグナルペプチド、シナプス移行シグナルペプチド、核小体移行シグナルペプチド、核膜移行シグナルペプチド、ペルオキシソーム移行シグナルペプチド等を好適に挙げることができ、タグペプチドとしては、FLAGタグペプチド、HAタグペプチド、MYCタグペプチド、GFPタグペプチド、MBPタグペプチド、GSTタグペプチド、HISタグ、SNAPタグ、ACPタグ、CLIPタグ、TAPタグ、V5タグ等を好適に挙げることができる。

【0030】
また、本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAにおいては、ターミネータ配列とプロモータ配列の間、又はRNA発現用DNA配列とターミネータ配列の少なくとも一方にはリンカー配列を備えることもできる。リンカー配列は、ターミネータ配列とプロモータ配列、又はRNA発現用DNA配列とターミネータ配列を連結する配列であり、長さとしては、十分なRNAの発現量を得る観点からは、好ましくは1000塩基以内、より好ましくは300塩基以内、さらに好ましくは100塩基以内、中でも30塩基以内を挙げることができ、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)の任意の塩基から構成される。

【0031】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAの長さ(塩基)としては、RNAの発現量を高める観点からは、好ましくは200~5000塩基、より好ましくは200~3000塩基、さらに好ましくは200~1700塩基を挙げることができる。

【0032】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを製造する方法としては特に制限されず、フュージョンPCR法(特開2009-268360)等のPCR法や制限酵素処理とDNAリガーゼを用いたライゲーション法により、ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列を順次有するように連結させる方法や、又はRNA発現用DNA配列と、ターミネータ配列と、プロモータ配列を順次有するように連結させる方法を例示することができるが、PCR法を用いた方法を好適に例示することができる。

【0033】
例えば、プロモータ配列とRNA発現用DNA配列を順次備えた二本鎖DNAをテンプレートとすれば、本発明のフォワードプライマーと、RNA発現用DNA配列の3’末端領域の配列のアンチセンス鎖配列からなるリバースプライマーを用いてPCRを行うことで、本件RNA発現用線状二本鎖DNA1を簡易かつ迅速に作製することが可能となる。テンプレートとして用いるプロモータ配列とRNA発現用DNA配列を順次備えた二本鎖DNAは、線状二本鎖DNAでも環状DNAでもよい。

【0034】
また、プロモータ配列とRNA発現用DNA配列を順次備えた二本鎖DNAがない場合には、まず、本発明のフォワードプライマーと、プロモータ配列の3’末端領域の配列のアンチセンス鎖配列からなるリバースプライマーとを用いてプロモータ配列をテンプレートとしてPCRを行うことでターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えた配列を含む線状二本鎖DNAを作製し、次に、作製した前記線状二本鎖DNAにおけるターミネータ配列の上流、又は作製した前記線状二本鎖DNAにおけるプロモータ配列の下流にRNA発現用DNA配列を常法により連結させることで本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを作製することができる。

【0035】
この他、RNA発現用DNA配列と、ターミネータ配列と、長さとしては9~45塩基、好ましくは12~24塩基であり、塩基としてはシトシン(C)とグアニン(G)が50%以上、好ましくは80%以上であり、より好ましくはシトシンとグアニンが100%のCCCCCGGGGGCCCCC(配列番号5:5CGC)からなるアニーリング配列を含むリンカー配列とを順次備えた線状二本鎖DNAと、該アニーリング配列を含むリンカー配列とプロモータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNAを作製し、得られた2つの線状二本鎖DNAをテンプレートとしてRNA発現用DNA配列の5’末端領域のセンス鎖配列からなるフォワードプライマーと、プロモータ配列の3’末端領域のアンチセンス鎖配列からなるリバースプライマーでPCRを行う方法や、RNA発現用DNA配列と該アニーリング配列を含むリンカー配列を順次備えた線状二本鎖DNAと、該アニーリング配列を含むリンカー配列とターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNAを作製し、得られた2つの線状二本鎖DNAをテンプレートとしてRNA発現用DNA配列の5’末端領域のセンス鎖配列からなるフォワードプライマーと、プロモータ配列の3’末端領域のアンチセンス鎖配列からなるリバースプライマーでPCRを行う方法も挙げることができる。

【0036】
ターミネータ配列として100塩基を超えるように長い配列を用いる場合には、まずはターミネータ配列の下流の配列のセンス鎖配列とプロモータ配列にアニールするDNA配列を順次備えた本発明のフォワードプライマーと、プロモータ配列の3’末端領域のアンチセンス鎖配列からなるリバースプライマーを用いて、プロモータ配列をテンプレートとしてPCRを行い、ターミネータ配列の下流の配列とプロモータ配列を順次備えた配列からなる線状二本鎖DNAを作製する。また、別途ターミネータ配列の全長を有する線状二本鎖DNAをPCR等により作製する。次に上記で得られたターミネータ配列の下流の配列とプロモータ配列を順次備えた配列からなる線状二本鎖DNA及びターミネータ配列の全長を有する線状二本鎖DNAをテンプレートとして、ターミネータ配列の5’末端領域の配列のセンス鎖配列からなるフォワードプライマーとプロモータ配列の3’末端領域のアンチセンス鎖配列からなるリバースプライマーを用いてPCRを行うことで、ターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えた配列を含む線状二本鎖DNAを作製することもできる。その後、作製した線状二本鎖DNAにおけるターミネータ配列の上流又は作製した線状二本鎖DNAにおけるプロモータ配列の下流に、RNA発現用DNA配列を常法により連結させることで本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを作製することができる。

【0037】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを用いると、ゴルジ体移行シグナルペプチド、細胞膜移行シグナルペプチド、ミトコンドリア移行シグナルペプチド、核移行シグナルペプチド、シナプス移行シグナルペプチド、核小体移行シグナルペプチド、核膜移行シグナルペプチド、ペルオキシソーム移行シグナルペプチド等のシグナルペプチドをコードするDNA配列、FLAGタグペプチド、HAタグペプチド、MYCタグペプチド、GFPタグペプチド、MBPタグペプチド、GSTタグペプチド、HISタグペプチド、SNAPタグ、ACPタグ、CLIPタグ、TAPタグ、V5タグ等のタグペプチドをコードするDNA配列、プロモータ活性を増強するエンハンサー配列等をRNA発現用DNA配列の上流又は下流に簡易に付与することが可能となる。

【0038】
例えば、本件RNA発現用線状二本鎖DNA1をテンプレートとして、ターミネータ配列の5’末端領域のセンス鎖配列からなるフォワードプライマーと、付与するシグナルペプチドやタグペプチド等をコードするDNA配列のアンチセンス鎖配列とRNA発現用DNA配列の3’末端領域のアンチセンス鎖配列とを順次備えたリバースプライマーを用いてPCRを行うだけで、本件RNA発現用線状二本鎖DNA1の下流(3’末端側)にシグナルペプチドやタグペプチド等をコードするDNA配列を付与することや、本件RNA発現用線状二本鎖DNA2をテンプレートとして、付与するシグナルペプチド、タグペプチド等をコードするDNA配列のセンス鎖配列とRNA発現用DNA配列にアニールする配列とを順次備えたフォワードプライマーと、プロモータ配列の3’末端領域のアンチセンス鎖配列からなるリバースプライマーを用いてPCRを行うだけで、本件RNA発現用線状二本鎖DNA2の上流(5’末端側)にシグナルペプチドやタグペプチド等をコードするDNA配列を付与することが可能となる。

【0039】
さらに、本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを用いると、RNA発現用DNA配列に置換、付加、欠損等の変異を簡易に導入することが可能となる。例えば、本件RNA発現用線状二本鎖DNA1をテンプレートとして、ターミネータ配列の5’末端領域のセンス鎖配列からなるフォワードプライマーと、RNA発現用DNA配列の3’末端領域のアンチセンス鎖配列に変異を有する配列からなるリバースプライマーを用いてPCRを行うだけで、本件RNA発現用線状二本鎖DNA1のRNA発現用DNA配列に変異を導入することができ、また、本件RNA発現用線状二本鎖DNA2をテンプレートとして、RNA発現用DNA配列の5’末端領域のセンス鎖配列に変異を有する配列からなるフォワードプライマーと、プロモータ配列の3’末端領域のアンチセンス鎖配列からなるリバースプライマーを用いてPCRを行うだけで、本件RNA発現用線状二本鎖DNA2のRNA発現用DNA配列に変異を導入することができる。

【0040】
本発明のフォワードプライマーは人工的に化学合成したり、かかるフォワードプライマーのDNA配列をテンプレートにPCR法にて増幅したり、遺伝子工学的手法にて、かかるフォワードプライマーのDNA配列を組み込んだプラスミドを大腸菌等を用いて増幅し、制限酵素等を用いて切り出すこと等によって作製することができる。

【0041】
本発明のフォワードプライマーにおける、ターミネータ配列のセンス鎖配列の長さとしては、好ましくは30~250塩基、より好ましくは40~200塩基、さらに好ましくは60~120塩基を挙げることができる。

【0042】
本発明のフォワードプライマーは、PCR反応を阻害しない限りは、標識分子配列、タグペプチド、シグナルペプチドをコードするDNA配列を含んでもよく、また、同位体等で標識や修飾を受けたDNA分子であってもよい。かかる標識分子としては、蛍光色素、化学物質等を挙げることができ、タグペプチドとしてはFLAGタグペプチド、HAタグペプチド、MYCタグペプチド、GFPタグペプチド、MBPタグペプチド、GSTタグペプチド、HISタグ、SNAPタグ、ACPタグ、CLIPタグ、TAPタグ、V5タグ等を挙げることができ、シグナルペプチドとしては、ゴルジ体移行シグナルペプチド、細胞膜移行シグナルペプチド、ミトコンドリア移行シグナルペプチド、核移行シグナルペプチド、シナプス移行シグナルペプチド、核小体移行シグナルペプチド、核膜移行シグナルペプチド、ペルオキシソーム移行シグナルペプチドを挙げることができる。

【0043】
本発明のフォワードプライマーにおけるプロモータ配列にアニールするDNA配列の長さとしては、好ましくは5塩基~50塩基、より好ましくは10塩基~30塩基、特に好ましくは15塩基~25塩基を挙げることができ、プロモータとして機能しうる配列の5’末端領域のセンス鎖配列を含有していればよく、必ずしもプロモータ配列の5’末端の塩基を含む必要はない。

【0044】
本発明のフォワードプライマーは、ターミネータ配列とプロモータ配列とを順次備えた配列を含む線状二本鎖DNAを作製するためのキットとして提供することもでき、かかるキットには本発明のフォワードプライマーの他、バッファー、dNTPs、コントロールテンプレート、説明書等を含んでもよい。

【0045】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを細胞内にそのまま導入することでRNA発現用DNA配列に対応するRNAが発現する形質転換細胞を製造することができる。本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを細胞内に導入する方法としては、リポソーム法、リポフェクション法、マイクロインジェクション法、DEAEデキストラン法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法等を挙げることができ、Lipofectin Reagent(登録商標)、Lipofectamine(登録商標)、Lipofectamine(登録商標)2000 Reagent(インビトロジェン社製)、SuperFect(登録商標)Transfection Reagent(キアゲン社製)、FuGENE(登録商標)HD Transfection Reagent(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)、FuGENE(登録商標)6 Transfection Reagent(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)等の市販のトランスフェクション試薬ならびに当技術分野で広く用いられている手法を用いることができる。

【0046】
本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを細胞内に導入し、RNA発現用DNA配列に対応するRNAが発現する形質転換細胞を製造する場合において、本発明のRNA発現用線状二本鎖DNAを導入する細胞としては、哺乳動物細、植物細胞、昆虫細胞、酵母等を挙げることができ、好ましくは哺乳動物細胞を挙げることができ、より好ましくはヒト、サル、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ブタ、イヌ由来の細胞を挙げることができ、特に好ましくはヒト、マウス由来の細胞を好適に挙げることができる。

【0047】
本発明においてRNA発現を行う細胞株としては、好ましくはHEK293細胞、HeLa細胞、COS-7細胞、NIH-3T3細胞、ヒト骨肉腫細胞(HOS細胞)、培養ヒト骨芽細胞(SaM-1細胞)、ヒト白血球T細胞(jurkat細胞)、ヒト乳癌培養樹立細胞(MCF-7細胞)、ヒト肝臓ガン由来細胞(HepG2細胞)、ヒト結腸癌由来細胞(CaCO-2細胞)、ヒト骨芽細胞(SaOS細胞)、ヒト慢性骨髄性白血病細胞(K562細胞)、サル腎由来細胞(CV-1細胞)、アフリカミドリザル腎臓細胞(COS-1細胞)、マウス由来線維芽細胞(L929細胞)、マウス奇形腫細胞(F9細胞)、マウス骨芽様細胞(MC-3T3-E1細胞)、ラット副腎髄質褐色腫(PC-12細胞)、ラット骨芽細胞様細胞(ROS17/2.8細胞)、チャイニーズハムスター卵巣由来細胞(CHO-K1細胞)、ハムスター腎細胞(BHK-21細胞)等を挙げることができ、より好ましくはHEK293細胞、HeLa細胞、COS-7細胞、NIH-3T3細胞を挙げることができ、株化Bリンパ芽球(EB3細胞)等の胚性幹細胞(ES細胞)や、組織から採取した初代培養細胞等でもよい。

【0048】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0049】
[ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(1)]
(実施例:β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、GFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAの作製)
pEGFP-C1(クロンテック社製)をテンプレートとして、配列番号6(pEGFP-600)に示されるフォワードプライマーと配列番号7(pEGFP+720c)に示されるリバースプライマーを用いて、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNA No.i-1を作製した。pEGFP-C1のマップを図1に示す。
【実施例1】
【0050】
次に、pTRIEX-3 Hygro β-gal(Novagen社製)をテンプレートとして、配列番号8(hGlucC(28)-GlobinpA+21)に示されるフォワードプライマーと配列番号9(pEGFP-573c-βGlobinpA+500c)に示されるリバースプライマーを用いて、β-グロビンターミネータ配列(配列番号1)の塩基番号21番目~500番目の配列を備えた線状二本鎖DNA No.i-2を作製した。
【実施例1】
【0051】
PCR反応は、GXLポリメーラーゼ(タカラバイオ社製)を用いてその推奨プロトコールに準じて行った。それぞれの最終濃度は、テンプレート50pg/μl、フォワードプライマー0.3μM、リバースプライマー0.3μMに調製し、icyclerサーマルサイクーラー(BIO-RAD社製)を用いて,98℃10秒、60℃15秒、68℃2分のサイクルを30回行った。
【実施例1】
【0052】
さらに前記作製した2種類の線状二本鎖DNAであるNo.i-1及びNo.i-2をテンプレートとして、配列番号8に示されるフォワードプライマーと配列番号7に示されるリバースプライマーを用いて、β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA No.i-3を作製した。PCR反応は、前記と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、60℃15秒、68℃3分のサイクルを30回行った。
【実施例1】
【0053】
(比較例:CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNAの作製)
pEGFP-C1(クロンテック社製)をテンプレートとして、配列番号6に示されるフォワードプライマーと配列番号7に示されるリバースプライマーを用いて、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNA No.i-1を作製した。PCR反応は、いずれも前記と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、60℃15秒、68℃2分のサイクルを30回行った。
【実施例1】
【0054】
(細胞への導入)
HEK293細胞を2000細胞/wellになるように96wellプレートに播種して18時間培養後、前記作製した、β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA No.i-3、及び、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNA No.i-1それぞれ100ngをFuGENE(登録商標)HD Transfection Reagentキット(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)により各細胞に導入し、48時間後に蛍光顕微鏡で観察した。結果を図2に示す。
【実施例1】
【0055】
(結果)
β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを導入した細胞では緑蛍光が観察されたが(図2(a)右写真)、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNAを導入した細胞では緑蛍光が観察されなかった(図2(b)右写真)。前記結果より、ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを細胞にそのまま導入することで、細胞内でRNAが発現することが明らかとなった。
【実施例2】
【0056】
[ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列と、タグペプチドをコードするDNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA]
(β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、mCherryタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAの作製)
pmCherry-C1(クロンテック社製)をテンプレートとして、β-グロビンターミネータ配列のセンス鎖配列と、CMVプロモータ配列にアニールするDNA配列とを順次備えた配列番号10(βGlopA(121-190)-eCMV-600)に示されるフォワードプライマーと、配列番号11(9C-mCherry+687c)に示されるリバースプライマーを用いて、β-グロビンターミネータ配列の塩基番号121番目~190番目の配列と、CMVプロモータ配列と、mCherryタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(β-gloter-CMVp-mCherry)を作製した。
【実施例2】
【0057】
(β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、mCherryタンパク質をコードする遺伝子配列と、FLAGペプチドをコードするDNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAの作製)
pmCherry-C1をテンプレートとして、配列番号10に示されるフォワードプライマーと配列番号12(9C-DYKDDDDKc-mCherry+687c)に示されるリバースプライマーを用いて、β-グロビンターミネータ配列の塩基番号121番目~190番目の配列と、CMVプロモータ配列と、mCherryタンパク質をコードする遺伝子配列と、FLAGペプチドをコードするDNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(β-gloter-CMVp-mCherry-FLAG)を作製した。
【実施例2】
【0058】
PCR反応は、いずれも実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、60℃15秒、68℃2分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNAのアガロース電気泳動の結果を図3(1)、(2)に示す。
【実施例2】
【0059】
(細胞への導入)
HEK293細胞を2000細胞/wellになるように96wellプレートに播種して18時間培養後、作製したβ-gloter-CMVp-mCherry-FLAG、及び、β-gloter-CMVp-mCherryそれぞれ100ngを、FuGENE(登録商標)HD Transfection Reagentキット(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)により各細胞に導入した。β-gloter-CMVp-mCherry-FLAGの配置図を図4(a)に示す。
【実施例2】
【0060】
(ウェスタンブロッティングによるmCherry及びFLAG発現の確認)
β-gloter-CMVp-mCherry-FLAG、及び、β-gloter-CMVp-mCherryをそれぞれ導入したHEK293細胞から常法にしたがってトータルタンパク質を抽出した。得られたトータルタンパク質をSDS-PAGEにて分離した後、分離したタンパク質をメンブレンにトランスファーした。このメンブレンをブロッキングバッファーにてブロッキングした後、洗浄バッファーにて洗浄を行なった。洗浄したメンブレンに、抗FLAGモノクローナル抗体である1E6(和光純薬工業社製)、M2(シグマアルドリッチ社製)、FLA-1(MBL社製)、抗mCherry抗体であるRFPポリクローナル抗体(MBL社製)を添加してインキュベートした後に洗浄した。洗浄したメンブレンに、2次抗体HRP-抗マウスIgG抗体(Jackson Immuno research社製)又は、HRP-抗ラビットIgG抗体(Jackson Immuno research社製)を添加した。メンブレン上の発色の様子を観察した結果を図4(b)に示す。
【実施例2】
【0061】
(結果)
図4(b)において、右レーン(FLAG)がβ-gloter-CMVp-mCherry-FLAGを導入したHEK293細胞から抽出したタンパク質、左レーン(-)がβ-gloter-CMVp-mCherryを導入したHEK293細胞から抽出したタンパク質のウェスタンブロッティングによる解析結果である。右レーンでは抗FLAG抗体(anti-FLAG)、抗mCherry抗体(anti-RFP)のいずれを用いてもバンドが検出され、β-gloter-CMVp-mCherry-FLAGを導入したHEK293細胞においてFLAGペプチドを融合したmCherryタンパク質が存在していることが明らかとなった。
【実施例2】
【0062】
一方、左レーンでは抗mCherry抗体を用いた場合のみにバンドが検出され、β-gloter-CMVp-mCherryを導入したHEK293細胞においてはmCherryタンパク質が存在していることが明らかとなった。さらに、HEK293細胞にβ-gloter-CMVp-mCherry-FLAGを導入し、48時間後に蛍光顕微鏡で観察した結果、赤色蛍光が観察され(図4(c))、mCherry遺伝子が細胞内で発現していることが確認された。
【実施例2】
【0063】
前記結果より、ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列と、タグペプチドをコードするDNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを細胞にそのまま導入することにより細胞内でRNAが発現すること、及び、ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを用いると、RNA発現用DNAの下流にタグペプチドをコードするDNA配列を簡易に付与することが可能であることが明らかとなった。さらに、本発明のフォワードプライマーを用いることで、簡便かつ迅速にターミネータ配列の下流にプロモータ配列を順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを作製することができることが明らかとなった。
【実施例3】
【0064】
[ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列と、シグナルペプチドをコードするDNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA]
(β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、CAAXペプチドをコードするDNA配列を順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAの作製)
pEGFP-C1(クロンテック社製)をテンプレートとして、配列番号10に示されるフォワードプライマーと配列番号13(3CGC9-CCTICc-pEGFP+717c)に示されるリバースプライマーを用いて、β-グロビンターミネータ配列の塩基番号121番目~190番目の配列と、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、CAAXペプチドをコードするDNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(pEGFP-CAAX)を作製した。PCR反応は、実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、65℃15秒、68℃3分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNAのアガロース電気泳動の結果を図5(2)に示す。
【実施例3】
【0065】
(β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAの作製)
pEGFP-C1(クロンテック社製)をテンプレートとして、配列番号10に示されるフォワードプライマーと配列番号14(EGFP+717c)に示されるリバースプライマーを用いて、β-グロビンターミネータ配列の塩基番号121番目~190番目の配列と、CMVプロモータ配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(pEGFP)を作製した。PCR反応は、実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、65℃15秒、68℃3分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNAのアガロース電気泳動の結果を図5(1)に示す。
【実施例3】
【0066】
(細胞への導入)
HEK293細胞を2000細胞/wellになるように96wellプレートに播種して18時間培養後、作製したpEGFP-CAAX、及びpEGFPそれぞれ100ngを、FuGENE(登録商標)HD Transfection Reagentキット(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)により細胞に導入し、48時間後に蛍光顕微鏡で観察した。pEGFP-CAAXを細胞に導入して観察した結果を図6(a)、pEGFPを細胞に導入して観察した結果を図6(b)に示す。
【実施例3】
【0067】
(結果)
pEGFP-CAAXを導入した細胞においては、ゴルジ・細胞膜が存在する場所に緑蛍光が観察され、EGFPタンパク質がゴルジ・細胞膜が存在する場所に局在して発現していることが確認された。一方、pEGFPを導入した細胞においては、細胞全体に緑蛍光が観察された。
【実施例3】
【0068】
前記結果より、ターミネータ配列とプロモータ配列とRNA発現用DNA配列とシグナルペプチドをコードするDNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを細胞にそのまま導入することにより細胞内でRNAが発現すること、及び、シグナルペプチドが有効に機能していることが明らかとなった。
【実施例4】
【0069】
[ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(2)]
(プロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNAの作製)
pCMV-Gluc(ニュー・イングランド・バイオラボ社製)をテンプレートとして、配列番号6に示されるフォワードプライマーと、配列番号15(Gluc+558ttaC)に示されるリバースプライマーを用いて、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNA(CMVp-gluc)を作製した。PCR反応は実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、60℃15秒、68℃2分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNAのアガロース電気泳動の結果を図7(1)に示す。
【実施例4】
【0070】
(SV40ターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAの作製)
pCMV-Gluc(ニュー・イングランド・バイオラボ社製)をテンプレートとして、SV40ターミネータ配列のセンス鎖配列とCMVプロモータ配列にアニールするDNA配列とを順次備えた配列番号16(SV40pA(130-208)-eCMV-600)に示されるフォワードプライマーと配列番号15に示されるリバースプライマーを用いて、SV40ターミネータ配列の塩基番号130番目~208番目の配列と、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(Svter-CMVp-gluc)を作製した。PCR反応は、実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、60℃15秒、68℃2分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNAのアガロース電気泳動の結果を図7(3)に示す。
【実施例4】
【0071】
(β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAの作製)
pCMV-Gluc(ニュー・イングランド・バイオラボ社製)をテンプレートとして、β-グロビンターミネータ配列のセンス鎖配列とCMVプロモータ配列にアニールするDNA配列とを順次備えた配列番号17(βGlopA(121-190)-eCMV-600)に示されるフォワードプライマーと配列番号15に示されるリバースプライマーを用いて、β-グロビンターミネータ配列の塩基番号121番目~190番目の配列と、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(βgloter-CMVp-gluc)を作製した。PCR反応は、実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、60℃15秒、68℃2分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNAのアガロース電気泳動の結果を図7(5)に示す。
【実施例4】
【0072】
(CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNAの作製)
まず、pCMV-Gluc(ニュー・イングランド・バイオラボ社製)をテンプレートとして、配列番号6に示されるフォワードプライマーと配列番号18(SV40polyA+140c-Gluc+558c)に示されるリバースプライマーを用いて、プロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列の塩基番号121番目~140番目の配列とを順次備えた線状二本鎖DNA(CMVp-gluc-SV40 121-140)を作製した。次に、作製したCMVp-gluc-SV40 121-140をテンプレートとして、配列番号6に示されるフォワードプライマーと配列番号19(SV40polyA(121-220)c)に示されるリバースプライマーを用いて、プロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列の塩基番号121番目~220番目の配列とを順次備えた線状二本鎖DNA(CMVp-gluc-Svter)を作製した。PCR反応は、いずれも実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、60℃15秒、68℃2分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNAのアガロース電気泳動の結果を図7(2)に示す。
【実施例4】
【0073】
(CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列と、β-グロビンターミネータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNAの作製)
まず、pCMV-Gluc(ニュー・イングランド・バイオラボ社製)をテンプレートとして、配列番号6に示されるフォワードプライマーと配列番号20(βGlobinpA(121-140)c-hGluc+558c)に示されるリバースプライマーを用いて、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列と、β-グロビンターミネータ配列の塩基番号121番目~140番目の配列とを順次備えた線状二本鎖DNA(CMVp-gluc-βgloter121-140)を作製した。次に、作製したCMVp-gluc-βgloter121-140をテンプレートとして、配列番号6に示されるフォワードプライマーと配列番号21(βGlopA(121-190)cWT)に示されるリバースプライマーを用いて、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列と、β-グロビンターミネータ配列の塩基番号121番目~190番目の配列とを順次備えた線状二本鎖DNA(CMVp-gluc-βgloter)を作製した。PCR反応は、それぞれ実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、60℃15秒、68℃2分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNAのアガロース電気泳動の結果を図7(4)に示す。
【実施例4】
【0074】
(細胞への導入)
HEK293細胞、HeLa細胞、COS-7細胞、NIH3T3細胞をそれぞれ2000細胞/wellになるように96wellプレートに播種して18時間培養後、前記で得られた、CMVp-gluc、Svter-CMVp-gluc、βgloter-CMVp-gluc、CMVp-gluc-Svter、CMVp-gluc-βgloterそれぞれ40ngをFuGENE(登録商標)HD Transfection Reagentキット(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)により各細胞に導入し、24時間後に採取した培養上清に含まれる分泌型ルシフェラーゼをBioLux Gaussia Luciferase assay kit(New England Biolabs社製)とCentro LB960(ベルトールド社製)を用いて測定した。HEK293細胞、HeLa細胞、COS-7細胞、NIH3T3細胞を用いた場合におけるルシフェラーゼの測定をそれぞれ図8~11に示す。
【実施例4】
【0075】
(結果)
Svter-CMVp-gluc及びβgloter-CMVp-glucを導入することにより、HEK293細胞、HeLa細胞、COS-7細胞、NIH3T3細胞のすべてにおいてルシフェラーゼ活性が測定され、それぞれの細胞内でルシフェラーゼ遺伝子が発現していることが明らかとなった。特にβgloter-CMVp-glucにおいては、HEK293細胞、HeLa細胞、COS-7細胞を用いた場合には、従来の二本鎖DNAで用いられている配列の順である、CMVプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列と、β-グロビンターミネータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNA(CMVp-gluc-βgloter)よりもルシフェラーゼ量が高い値であった。
【実施例4】
【0076】
前記結果より、ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを細胞にそのまま導入することにより細胞内でRNAが発現することが明らかとなり、特に、ターミネータ配列としてβ-グロビンターミネータ配列、プロモータ配列としてCMVプロモータ配列を用い、HEK293細胞、HeLa細胞、又はCOS-7細胞に導入することで、細胞内においてRNAを高発現させることが可能であることが明らかとなった。
【実施例5】
【0077】
[RNA発現用DNA配列と、ターミネータ配列と、プロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA]
(EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列と、CMVプロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAの作製)
pEGFP-C1(クロンテック社製)をテンプレートとして、配列番号22(6AC-pEGFP-600)に示されるフォワードプライマーと配列番号23(CMVpC)に示されるリバースプライマーを用いて、6AC(acacacacacac)-CMVプロモータ配列を順次備えた線状二本鎖DNA(No.j-1)を作製した。次に、pEGFP-C1(クロンテック社製)をテンプレートとして、配列番号24(pEGFP+1)に示されるフォワードプライマーと配列番号25(eCMV-571600c-pEGFP+1018c)に示されるリバースプライマーを用いて、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列と、CMVプロモータ配列上流側30塩基とを順次備えた線状二本鎖DNA(No.j-4)を作製した。PCR反応は、実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、55℃15秒、68℃2分のサイクルを30回行った。さらに前記作製した2種類の線状二本鎖DNA No.j-1及びNo.j-4をテンプレートとして、配列番号24に示されるフォワードプライマーと配列番号23に示されるリバースプライマーを用いて、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列と、CMVプロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(No.j-14:EGFP-Svter-CMVp)を作製した。PCR反応はGXLポリメーラーゼ(タカラバイオ社製)を用いてその推奨プロトコールに準じて行った。それぞれの最終濃度は、テンプレートそれぞれ0.5pg/μl、フォワードプライマー0.3μM、リバースプライマー0.3μMに調製し、icyclerサーマルサイクーラー(BIO-RAD社製)を用いて98℃10秒、65℃15秒、68℃3分のサイクルを30回行った。作製したそれぞれの線状二本鎖DNA No.j-1、j-4、j-14のアガロース電気泳動の結果をそれぞれ図12(a)、図12(b)に示す。
【実施例5】
【0078】
[シグナルペプチドをコードするDNA配列と、RNA発現用DNA配列と、ターミネータ配列と、プロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA]
(ミトコンドリア移行シグナルペプチドをコードするDNA配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列と、CMVプロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAの作製)
pEGFP-C1(クロンテック社製)をテンプレートとして、配列番号22に示されるフォワードプライマーと配列番号23に示されるリバースプライマーを用いて、6AC-CMVプロモータ配列を順次備えた線状二本鎖DNA(No.j-1)を作製した。次に、図13に示すKm plasmid pKM426をテンプレートとして、配列番号26(eCMV-30-NcSu9+1)に示されるフォワードプライマーと配列番号25に示されるリバースプライマーを用いて、ミトコンドリア移行シグナルペプチドをコードするDNA配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列と、CMVプロモータ配列の上流側30塩基とを順次備えた線状二本鎖DNA(No.j-21)を作製した。PCR反応は、実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、55℃15秒、68℃2分秒のサイクルを30回行った。
【実施例5】
【0079】
さらに、前記作製した2種類の線状二本鎖DNA No.j-1及びj-21をテンプレートとして、配列番号27(NcSu9+1)に示されるフォワードプライマーと配列番号23に示されるリバースプライマーを用いて、ミトコンドリア移行シグナルペプチドをコードするDNA配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列と、CMVプロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(No.j2-1:NcSu9(99)-EGFP-Svter-CMVp)を作製した。PCR反応はGXLポリメーラーゼ(タカラバイオ社製)を用いてその推奨プロトコールに準じて行った。それぞれの最終濃度は、テンプレートとして No.j-1及びNo.j-21それぞれ0.5pg/μl、フォワードプライマー0.3μM、リバースプライマー0.3μMに調製し、icyclerサーマルサイクーラー(BIO-RAD社製)を用いて98℃10秒、65℃15秒、68℃3分のサイクルを30回行った。
【実施例5】
【0080】
作製したそれぞれの線状二本鎖DNA No.j-21、j2-1のアガロース電気泳動の結果をそれぞれ図12(b)、図12(c)に示す。
【実施例5】
【0081】
(細胞への導入)
HEK293細胞、HeLa細胞をそれぞれ2000細胞/wellになるように96wellプレートに播種して18時間培養後、作製したRNA発現用線状二本鎖DNA No.j2-1及びj-14それぞれ100ngをFuGENE(登録商標)HD Transfection Reagentキット(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)により各細胞に導入し、24時間後に蛍光顕微鏡で観察した。観察結果を図14に示す。
【実施例5】
【0082】
(結果)
図14(a)は、RNA発現用線状二本鎖DNA No.j-14(EGFP-Svter-CMVp)をHEK293及びHeLa細胞にそれぞれ導入した場合、図14(b)は、RNA発現用線状二本鎖DNA No.j2-1(NcSu9(99)-EGFP-Svter-CMVp)をHEK293及びHeLa細胞にそれぞれ導入した場合の蛍光観察結果を示す。EGFP-Svter-CMVpを導入した細胞においては、細胞内全体に緑蛍光が観察され(図14(a))、NcSu9(99)-EGFP-Svter-CMVpを導入した細胞においては、細胞内のミトコンドリアが存在する所に緑蛍光が観察された(図14(b))。
【実施例5】
【0083】
前記結果より、RNA発現用DNA配列と、ターミネータ配列と、プロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA、及び、シグナルペプチドをコードするDNA配列と、RNA発現用DNA配列と、ターミネータ配列と、プロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを細胞にそのまま導入することにより細胞内でRNAが発現すること及びシグナルペプチドが有効に機能していることが明らかとなった。
【実施例6】
【0084】
[ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(3)]
(参考例6-1:EF1αプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNAの作製)
図15に示すpKM593をテンプレートとして、配列番号28(EFlαp-1100)に示されるフォワードプライマーと配列番号29(hCLuc+1662c)に示されるリバースプライマーを用いて、EF1αプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えた線状二本鎖DNA(EF1αp-hCluc)を作製した。PCR反応は、実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、55℃15秒、68℃6分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNAのアガロース電気泳動の結果を図16(2)に示す。
【実施例6】
【0085】
(参考例6-2:EF1αプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列と、β-Globinターミネータとを順次備えた線状二本鎖DNAの作製)
pKM593をテンプレートとして、配列番号28に示されるフォワードプライマーと配列番号30(βglobinpA121-220c)に示されるリバースプライマーを用いて、EF1αプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列と、β-Globinターミネータ配列の塩基番号121番目~220番目の配列とを順次備えた線状二本鎖DNA(EF1αp-hCluc-β-Globin(121-220))を作製した。PCR反応は、実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、55℃15秒、68℃6分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNAのアガロース電気泳動の結果を図16(3)に示す。
【実施例6】
【0086】
(実施例:β-Globinターミネータ配列と、EF1αプロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAの作製)
pKM593をテンプレートとして、β-Globinターミネータ配列のセンス鎖配列とEF1αプロモータ配列にアニールする配列とを順次備えた配列番号31(βGlopA(121-190)-EFlap-1100)に示されるフォワードプライマーと、配列番号29に示されるリバースプライマーを用いて、β-Globinターミネータ配列の塩基番号121番目~190番目の配列と、プロモータ配列と、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA(β-Globin(121-190)-EF1αp-hCluc)を作製した。PCR反応は、実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、55℃15秒、68℃6分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNAのアガロース電気泳動の結果を図16(1)に示す。
【実施例6】
【0087】
(細胞への導入)
HEK293細胞を2000細胞/wellになるように96wellプレートに播種して18時間培養後、前記で得られた、EF1αp-hCluc、EF1αp-hCluc-βGlobin(121-220)、β-Globin(121-190)-EF1αp-hClucそれぞれ27ngをFuGENE(登録商標)HD Transfection Reagentキット(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)によりHEK293細胞に導入し、24時間後に採取した培養上清に含まれる分泌型ルシフェラーゼをCL-S1000 Cluc発光基質1000(ATTO社製)とGLOMAX20/20 LUMINOMETER(Promega社製)を用いて測定した。ルシフェラーゼの測定を図17に示す。
【実施例6】
【0088】
(結果)
EF1αp-hCluc-β-Globin(121-220)、及び、β-Globin(121-190)-EF1αp-hClucのいずれも、HEK293細胞においてルシフェラーゼ活性が測定され、それぞれの細胞内でルシフェラーゼ遺伝子が発現していることが明らかになった。
【実施例6】
【0089】
前記結果より、プロモータの種類を問わずに、ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを細胞にそのまま導入することにより細胞内でRNAが発現することが明らかとなった。
【実施例7】
【0090】
[RNA発現用線状二本鎖DNAの長さの違いによる発現量の影響]
(ミトコンドリア移行シグナルペプチドをコードするDNA配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列と、CMVプロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAの作製)
pEGFP-C1(クロンテック社製)をテンプレートとして、表1に記載の配列番号6、32、33、34、35、36、37に示されるフォワードプライマーと配列番号23に示されるリバースプライマーを用いて、CMVプロモータ配列を含む線状二本鎖DNAであるNo.o-11、No.o-13~No.o-18を作製した。次に、Km plasmid pKM426をテンプレートとして、表2に記載の配列番号26に示されるフォワードプライマーと配列番号25、38、39に示されるリバースプライマーを用いて、ミトコンドリア移行シグナルペプチドをコードするDNA配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNAであるNo.o-19~No.o-21を作製した。PCR反応はGXLポリメーラーゼ(タカラバイオ社製)を用いてその推奨プロトコールに準じて行った。それぞれの最終濃度は、テンプレートそれぞれ0.5pg/μl、フォワードプライマー0.3μM、リバースプライマー0.3μMに調製し、icyclerサーマルサイクーラー(BIO-RAD社製)を用いて98℃10秒、60℃15秒、68℃2分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNA No.o-11、No.o-13~No.o-16のアガロース電気泳動の結果を図18(a)No.o-17~No.o-21のアガロース電気泳動の結果を図18(b)に示す。
【実施例7】
【0091】
【表1】
JP2015073512A_000002t.gif
【実施例7】
【0092】
【表2】
JP2015073512A_000003t.gif
【実施例7】
【0093】
さらに、表3中のテンプレート欄に記載した2種類の線状二本鎖DNA No.o-11及びNo.o-19、No.o-13及びNo.o-20、No.o-14及びNo.o-20、No.o-15及びNo.o-20、No.o-16及びNo.o-20、No.o-17及びNo.o-20、No.o-18及びNo.o-21それぞれ5pgずつをテンプレートとして、表3の配列番号27に示すフォワードプライマーと配列番号23に示すリバースプライマーを用いて、ミトコンドリア移行シグナルペプチドをコードするDNA配列と、EGFPタンパク質をコードする遺伝子配列と、SV40ターミネータ配列と、CMVプロモータ配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAであるNo.o-41~No.o-47を作製した。それぞれのPCR反応はGXLポリメーラーゼ(タカラバイオ社製)を用いてその推奨プロトコールに準じて行った。それぞれの最終濃度は、テンプレートそれぞれ0.5pg/μl、フォワードプライマー0.3μM、リバースプライマー0.3μMに調製し、icyclerサーマルサイクーラー(BIO-RAD社製)を用いて、98℃15秒、74℃5分のサイクルを40回行った。作製したRNA発現用線状二本鎖DNA No.o-41~No.o-47のアガロース電気泳動の結果を図19に、作製したRNA発現用線状二本鎖DNA No.o-41~No.o-47の配置図を図20に順番に示す。
【実施例7】
【0094】
【表3】
JP2015073512A_000004t.gif
【実施例7】
【0095】
なお、図20における数字は、図1に示すように、pEGFP-C1のEGFPタンパク質をコードする遺伝子の開始コドンのアデニンの位置を1とした場合のpEGFP-C1上の塩基の位置を示し、例えば1018はpEGFP-C1のEGFPタンパク質をコードする遺伝子の開始コドンのアデニンの位置を1とした場合の3’末端側の1018番目の塩基を示し、-600はpEGFP-C1のEGFPタンパク質をコードする遺伝子の開始コドンのアデニンの位置を1とした場合の5’末端側の600番目の塩基を示す。
【実施例7】
【0096】
(細胞への導入)
HeLa細胞を2000細胞/wellになるように96wellプレートに播種して18時間培養後、前記で得られたRNA発現用線状二本鎖DNA No.o-41~o-47それぞれ100ngをFuGENE(登録商標)HD Transfection Reagentキット(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)により各細胞に導入し、24時間後に蛍光顕微鏡で観察した。観察結果を図21に示す。
【実施例7】
【0097】
No.o-41、47、42,43を導入した細胞では160msの露光時間で緑蛍光が観察されたが、No.o-44、45、46を導入した細胞では1sの露光時間で緑蛍光が少し観察された。前記結果より、RNA発現用線状二本鎖DNAの長さが短いほどRNA発現量が多く、また、o-41でも緑蛍光が観察されたことから、ターミネータとプロモータがリンカー配列を介さずに直接連結していてもよいことが明らかとなった。
【実施例8】
【0098】
[ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列と、タグペプチドをコードするDNA配列に変異を有する配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA]
(β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、mCherryタンパク質をコードする遺伝子配列と、FLAGペプチドをコードするDNA配列に変異を有する配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAの作製)
pmCherry-C1(クロンテック社製)をテンプレートとして、表4の配列番号10に示されるフォワードプライマーと、配列番号40、41、42、43、44、45、46、47に示されるリバースプライマーを用いて、β-グロビンターミネータ配列と、CMVプロモータ配列と、mCherryタンパク質をコードする遺伝子配列と、FLAGペプチドをコードするDNA配列に変異を有する配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNA No.D1A、Y2A、K3A、D4A、D5A、D6A、D7A、K8Aをそれぞれ作製した。なお、No.D1A、Y2A、K3A、D4A、D5A、D6A、D7A、K8Aは、それぞれFLAGのペプチドDYKDDDDKにおける1アミノ酸がアラニン(A)に変異したペプチドであるAYKDDDDK、DAKDDDDK、DYADDDDK、DYKADDDK、DYKDADDK、DYKDDADK、DYKDDDAK、DYKDDDDAをコードするように変異を有するDNA配列を備えている。
【実施例8】
【0099】
【表4】
JP2015073512A_000005t.gif
【実施例8】
【0100】
PCR反応は、いずれも実施例1記載と同様の反応溶液組成にて、98℃10秒、60℃15秒、68℃2分のサイクルを30回行った。作製した線状二本鎖DNAのアガロース電気泳動の結果を図22に示す。
【実施例8】
【0101】
(細胞への導入)
実施例2に記載の方法と同様に、作製したRNA発現用線状二本鎖DNA No.D1A、Y2A、K3A、D4A、D5A、D6A、D7A、K8A、β-gloter-CMVp-mCherry-FLAG、及び、β-gloter-CMVp-mCherryをHEK293細胞にそれぞれ導入した。
【実施例8】
【0102】
(ウェスタンブロッティングによるmCherry及びFLAG発現の確認)
実施例2に記載の方法と同様に、作製したRNA発現用線状二本鎖DNA No.D1A、Y2A、K3A、D4A、D5A、D6A、D7A、K8A、β-gloter-CMVp-mCherry-FLAG、及び、β-gloter-CMVp-mCherryをHEK293細胞にそれぞれ導入したHEK293細胞からトータルタンパク質を抽出し、ウェスタンブロッティングを行った。結果を図23に示す。図23において、1Da、2Ya、3Ka、4Da、5Da、6Da、7Da、8Kaレーンが、それぞれ作製したRNA発現用線状二本鎖DNA No.D1A、Y2A、K3A、D4A、D5A、D6A、D7A、K8Aを導入したHEK293細胞から抽出したタンパク質のウェスタンブロッティングによる解析結果、左から2番目のレーン(FLAG)がβ-gloter-CMVp-mCherry-FLAG、一番左レーン(-)がβ-gloter-CMVp-mCherryを導入したHEK293細胞から抽出したタンパク質のウェスタンブロッティングによる解析結果である。
【実施例8】
【0103】
(結果)
図23において、1Da、2Ya、3Ka、4Da、5Da、6Da、7Da、8Kaレーンそれぞれにおいて抗FLAG抗体(anti-FLAG)、抗mCherry抗体(anti-RFP)のいずれを用いてもバンドが検出されたが、バンドのパターンがFLAGレーンと異なっていた。上記結果から、ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列と、タグペプチドをコードするDNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを用いると、変異を有するプライマーを用いてPCRを行うだけでタグペプチドをコードするDNA配列に簡易に変異を導入することが可能であること、及び、ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列と、タグペプチドをコードするDNA配列に変異を有する配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAを細胞にそのまま導入すると、細胞内に変異を有するFLAGペプチドが存在していることが明らかとなった。したがって、ターミネータ配列と、プロモータ配列と、RNA発現用DNA配列とを順次備えたRNA発現用線状二本鎖DNAも同様に、変異を有するプライマーを用いてPCRを行うだけで、RNA発現用DNA配列の下流に簡易に変異を導入することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明によると、RNA発現用DNAの上流又は下流にシグナルペプチドをコードするDNA配列、タグペプチドをコードするDNA配列等を付与することや、RNA発現用DNAに変異を導入することが簡易となることから、細胞内におけるタンパク質の機能解析や、細胞を用いた有用タンパク質の生産等の分野において有用である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
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【図5】
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【図6】
5
【図7】
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【図8】
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【図9】
8
【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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