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明細書 :シクロヘキサノンの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6210488号 (P6210488)
公開番号 特開2015-081250 (P2015-081250A)
登録日 平成29年9月22日(2017.9.22)
発行日 平成29年10月11日(2017.10.11)
公開日 平成27年4月27日(2015.4.27)
発明の名称または考案の名称 シクロヘキサノンの製造方法
国際特許分類 C07C  45/33        (2006.01)
C07C  49/403       (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 45/33
C07C 49/403 A
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 6
全頁数 10
出願番号 特願2013-221267 (P2013-221267)
出願日 平成25年10月24日(2013.10.24)
審査請求日 平成28年8月24日(2016.8.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
発明者または考案者 【氏名】山本 豪紀
個別代理人の代理人 【識別番号】110001612、【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
審査官 【審査官】齋藤 光介
参考文献・文献 Kesavan, V. et al.,Angew. Chem. Int. Ed.,1999年,vol.38, no.23,p.3521-3523
調査した分野 C07C
C07B
CAplus/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させるシクロヘキサノンの製造方法であって、
前記酸化反応処理を、硝酸ニッケル、アセチルアセトンニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、過塩素酸ニッケル及び硫酸ニッケル並びにそれらの水和物より選択される一以上のニッケル化合物存在下、及び4~100MPaの圧力下で行うことを特徴とするシクロヘキサノンの製造方法。
【請求項2】
前記酸化反応処理を、100~200℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1記載のシクロヘキサノンの製造方法。
【請求項3】
前記ニッケル化合物は、シクロヘキサンに対し、0.05~2.0mol%であることを特徴とする請求項1又は2記載のシクロヘキサノンの製造方法。
【請求項4】
前記酸化反応による反応混合物の一部を、新たなシクロヘキサンに触媒として加え、新たなシクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のシクロヘキサノンの製造方法。
【請求項5】
4~100MPaの圧力下で原料シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させるシクロヘキサノンの製造方法であって、
前記原料シクロヘキサンに、シクロヘキサンの酸化反応条件に供されたシクロヘキサンと硝酸ニッケル、アセチルアセトンニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、過塩素酸ニッケル及び硫酸ニッケル並びにそれらの水和物より選択される一以上のニッケル化合物との混合物を触媒として加えることを特徴とするシクロヘキサノンの製造方法。
【請求項6】
前記混合物は、ニッケル化合物を触媒として用いて4~100MPaの圧力下でシクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させた反応混合物の一部であることを特徴とする請求項5記載のシクロヘキサノンの製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、シクロヘキサンの酸化反応によりシクロヘキサノンを製造する方法に関し、特に、副生成物を抑制し、高効率にシクロヘキサノンを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒存在下でのシクロアルカンの酸素による直接酸化は、長きにわたって研究されてきた方法である。このような酸素による接触酸化方法の多くにおいて、最も推奨される触媒は、コバルト化合物である。しかし、コバルト触媒を用いたシクロヘキサノンの製造方法は数多く例示されているにも拘らず、一般的にはシクロヘキサンの転化率が低く、また、酸化途中のシクロヘキサノールやシクロヘキシルペルオキシド、酸化され過ぎたアジピン酸などを副生する場合が多く、シクロヘキサノンの選択性が低いという問題がある。
【0003】
そこで、本発明者は、先に、シクロヘキサンの空気による直接酸化において、コバルト触媒のみを用いて、副生成物の生成を抑制して効率良くシクロヘキサノンを製造する方法を提案した(特許文献1)。具体的には、シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて、コバルト化合物を触媒として酸化させるシクロヘキサノンの製造方法であって、前記酸化処理を無溶媒で行うことで、シクロヘキサンの転化率10~11%、シクロヘキサノンの選択性100%でシクロヘキサノンを製造できることを示した。この方法は、特別な反応溶媒を用いないこと、コバルト以外の共触媒を用いないこと、及びシクロヘキサノンの選択性が高いことなどの利点を有している。
【0004】
また、シクロヘキサンをコバルト以外の触媒を用いて酸化することも従来知られており、例えば特許文献2には、シクロヘキサンを、コバルト、マンガン、クロム、鉄、ニッケル、リチウム、カリウム、およびナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも1個の金属のアセチルアセトン系金属キレート化合物の存在下、酸素または酸素含有ガスで液相酸化をすることを特徴とするシクロヘキサンの酸化法が記載されている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2013-14535号公報
【特許文献2】特公昭42-11820号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法では、コバルト塩を酸化に用いており、昨今のコバルトを取り巻く状況(生産地の偏在、重要激増、価格高騰など)を鑑みると、コバルト塩を用いない製造方法の開発が望まれる。
また、特許文献2に記載の方法は、シクロヘキサンの転化率は5~11%と高いが、シクロヘキサノンの選択性が低いため、転化率と選択性とから換算されるシクロヘキサノンの収率は、2.1~4.2%と非常に低い。また、シクロヘキサノールも併せて生成されるため、シクロヘキサノンを分離する工程が必要となる。
【0007】
本発明は、上記のような問題を鑑みてなされたものであって、シクロヘキサンの酸化反応を行うにあたり、シクロヘキサンの転化率及びシクロヘキサノンの選択性を向上させ、副生成物を抑制するとともに、コバルト化合物以外の触媒を用いて、効率的に且つ安価にシクロヘキサノンを製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、シクロヘキサンの酸化反応において、コバルト化合物の代わりにニッケル化合物を用いるとともに特定の圧力下で酸化反応を行うことで、シクロヘキサンの転化率及びシクロヘキサノンの選択性を向上させ、副生成物を抑制するとともに、コバルト化合物以外の触媒を用いて、効率的に且つ安価にシクロヘキサノンを製造できることを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明の第一の態様は、シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させるシクロヘキサノンの製造方法であって、前記酸化反応処理は、ニッケル化合物存在下、及び4~100MPaの圧力下で行われることを特徴とするシクロヘキサノンの製造方法を提供するものである。
【0010】
また、本発明の第二の態様は、4~100MPaの圧力下で原料シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させるシクロヘキサノンの製造方法であって、前記原料シクロヘキサンに、シクロヘキサンの酸化反応条件に供されたシクロヘキサンとニッケル化合物との混合物を触媒として加えることを特徴とするシクロヘキサノンの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シクロヘキサンの酸化反応を行うにあたり、シクロヘキサンの転化率及びシクロヘキサノンの選択性を向上させ、副生成物を抑制するとともに、コバルト化合物以外の触媒を用いて、効率的に且つ安価にシクロヘキサノンを製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の第一の実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法は、シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させるシクロヘキサノンの製造方法であって、前記酸化反応処理が、ニッケル化合物存在下、及び4~100MPaの圧力下で行われることを特徴とする。

【0013】
第一の実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法において、反応圧力は、4~100MPaであり、好ましくは5~30MPaであり、より好ましくは5~10MPaである。反応圧力が4MPa未満では、シクロヘキサノンの選択性が低いため、シクロヘキサノンの収率が低くなる。また、シクロヘキサノールが生成されてしまうため、それを分離する工程が必要となる。一方、反応圧力が100MPaを超えるような高圧では、特に耐圧性の高い反応装置が必要となるため、望ましくない。

【0014】
また、第一の実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法に用いられるニッケル化合物は、例えば、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、アセチルアセトンニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、酢酸ニッケル、オクタン酸ニッケル、過塩素酸ニッケル、テトラフルオロホウ酸ニッケル、及び炭酸ニッケル並びにそれらの水和物より選ばれる1以上であることが好ましく、中でも硝酸ニッケル、アセチルアセトンニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、過塩素酸ニッケル及び硫酸ニッケル並びにそれらの水和物より選ばれることがより好ましい。

【0015】
上記ニッケル化合物の添加量は、特に限定されないが、添加量が少なすぎるとシクロヘキサノンの収率が低くなり、添加量が多すぎると反応液の撹拌効率や触媒の反応効率が低くなる傾向にあるため、シクロヘキサンに対して0.005~100mol%が好ましく、0.05~10.0mol%がより好ましく、0.05~2.0mol%が特に好ましい。

【0016】
第一の実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法において、反応時間は特に限定されないが、好ましくは6~48時間である。反応時間が短すぎるとシクロヘキサノンの収量が低くなる傾向があり、長すぎると無駄な時間を費やすことになる。

【0017】
また、反応温度は、100~200℃が好ましく、130~150℃がより好ましい。反応温度が100℃未満では、反応速度が著しく低下することによりシクロヘキサノンの収率が低下する傾向があり、反応温度が200℃を超えると、シクロヘキサノンがさらに酸化された生成物を与える傾向となる。

【0018】
第一の実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法において、酸素又は酸素含有ガスとしては、酸素ガス、空気、または酸素ガスもしくは空気を窒素、二酸化炭素、ヘリウム等の不活性ガスで希釈したものを用いることができる。シクロヘキサンと酸素又は酸素含有ガスとの接触は、例えば、シクロヘキサンおよびニッケル化合物を含む液を、酸素又は酸素含有ガスの雰囲気下に置くことにより行ってもよいし、この液中に酸素又は酸素含有ガスを吹き込むことにより行ってもよい。

【0019】
本実施形態では、触媒としてニッケル化合物の存在下に、シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させることにより、酸化反応を行う。この酸化反応は、液相、気相のいずれでも行うことができるが、液相にて行うことがより好ましい。また、酸化反応は、反応液中に溶存する酸素濃度を高くし、シクロヘキサノンの収率と選択性とを向上させるという観点から、例えばオートクレーブなどの密閉式反応容器で行われることが好ましい。

【0020】
また、本実施形態においては、ニッケル化合物を触媒として用いてシクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させ、その反応混合物の一部を次の反応の新たなシクロヘキサンに加え、酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させた場合に、次の反応は新たなニッケル化合物を触媒として加えることなく、効率よくシクロヘキサンの酸化反応が進行し、副生成物を生ずることなく、シクロヘキサンの転化率が向上する。
また、この場合、最初の酸化反応が進行しなかった場合にも、その混合物の一部を次の反応の新たなシクロヘキサンに加えることにより、後の酸化反応は効率よく進行し、副生成物を生ずることなく、シクロヘキサンの転化率が向上する。さらに、後の酸化反応の反応混合物の一部を、順次、次の反応の新たなシクロヘキサンに加える操作を、複数回(複数世代)行った場合にも、シクロヘキサンの転化率はそれほど低下しない。

【0021】
即ち、本発明の第二の実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法は、4~100MPaの圧力下で原料シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させるに際し、前記原料シクロヘキサンに、シクロヘキサンとニッケル化合物との混合物であって、シクロヘキサンの酸化反応条件に供されたものを触媒として加えることを特徴とする。
この場合、前記シクロヘキサンとニッケル化合物との混合物は、ニッケル化合物を触媒として用いてシクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させた反応混合物の一部とすることができる。前記シクロヘキサンとニッケル化合物との混合物は、実際に酸化反応が進行するしないにかかわらず、酸化反応条件に供された混合物、即ち、所定の温度及び圧力下で酸素又は酸素含有ガスと接触された混合物とすることができる。例えば、上記混合物の酸化反応が進行しなかった場合、すなわちシクロヘキサノンの生成が認められなかった混合物であっても、上記混合物の一部を次の反応の新たなシクロヘキサンに加えることにより、後の酸化反応は効率よく進行することができる。その際、新たなシクロヘキサンの酸化反応には、新たなニッケル化合物を触媒として加える必要はない。

【0022】
本実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法において、上記シクロヘキサンとニッケル化合物との混合物が供される酸化反応条件は、上記第一の実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法と同様の条件が好ましいが、酸化反応は進行しなくてもよいため特に限定はされない。

【0023】
また、上記混合物の新たな原料シクロヘキサンへの添加量(移動量)は特に限定されないが、過度に少ないと反応速度が低下するので、原料シクロヘキサンに対して1/500体積量以上であることが好ましく、1/50体積量以上1/1体積量未満であることがより好ましい。
なお、本実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法においては、酸化反応後の混合物の一部を、順次、次の反応の新たなシクロヘキサンに加える操作を複数回(複数世代)行うことも可能である。

【0024】
本実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法では、高い選択性でシクロヘキサノンを製造することが可能であるが、反応終了後の反応混合物には、シクロヘキサノンのほかに、未反応の原料、用いた触媒が少量含まれることもある。これらの化合物からシクロヘキサノンを分離する方法としては、特に限定されず、蒸留、抽出など公知の方法が挙げられる。

【0025】
以上のように、本実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法によれば、触媒としてニッケル化合物を使用しても、コバルト化合物を用いた場合に匹敵する変換率でシクロヘキサノンを製造することができる。
【実施例】
【0026】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0027】
まず、本発明で用いた測定方法を以下に示す。
(シクロヘキサノン及び未反応のシクロヘキサンの組成比)
H-NMRを用い、シクロヘキサノン及びシクロヘキサンのシグナルの積分比から算出した。
【実施例】
【0028】
(実施例1)
ステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子工業株式会社製、10ml)にシクロヘキサン(10mmol)、臭化ニッケル(0.0625mol%)を加え、酸素:窒素(21:79)混合ガスを10MPaに充填した後に系を閉じ、135℃で24時間加熱撹拌した。その後、反応混合物をサンプリングし、H-NMRの測定を行い、その積分比から算出した生成物の組成比を下記表1に示す。
【実施例】
【0029】
(実施例2~10)
触媒となるニッケル化合物の種類及び量を下記表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様に反応を行い、生成物の組成比を求めた。結果を下記表1に示す。
【実施例】
【0030】
(実施例11~21)
触媒となるニッケル化合物の種類、量及び反応時間を下記表2に示すように変えたこと以外は実施例1と同様に反応を行い、生成物の組成比を求めた。結果を下記表2に示す。
【実施例】
【0031】
【表1】
JP0006210488B2_000002t.gif
【実施例】
【0032】
【表2】
JP0006210488B2_000003t.gif
【実施例】
【0033】
上記表1及び2より、触媒として種々のニッケル化合物を用いて本発明の圧力範囲内で反応を行った実施例1~21では、いずれも100%の非常に高い選択性でシクロヘキサノンが得られていることがわかる。
【実施例】
【0034】
(実施例22)
ステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子工業株式会社製、10ml)にシクロヘキサン(10mmol)、臭化ニッケル(0.2500mol%)を加え、酸素:窒素(21:79)混合ガスを10MPaに充填した後に系を閉じ、135℃で24時間加熱撹拌した。その後、反応混合物をサンプリングし、H-NMRの測定を行い、その積分比から算出した生成物の組成比を下記表3に示す。
【実施例】
【0035】
(実施例23~25、比較例1,2)
反応圧力を下記表3に示すように変えたこと以外は実施例22と同様に反応を行い、生成物の組成比を求めた。結果を下記表3に示す。
【実施例】
【0036】
【表3】
JP0006210488B2_000004t.gif
【実施例】
【0037】
上記表3より、4~100MPaの圧力下で反応を行った実施例22~25では、いずれも100%の非常に高い選択性でシクロヘキサノンが得られているが、2MPaの圧力下で反応を行った比較例1では、シクロヘキサノンの選択性が非常に低く、また、1MPaの圧力下で反応を行った比較例2では、シクロヘキサノンが全く生成しないことがわかる。
【実施例】
【0038】
(実施例26~29)
反応温度を下記表4に示すように変えたこと以外は実施例22と同様に反応を行い、生成物の組成比を求めた。結果を実施例22とともに下記表4に示す。
【実施例】
【0039】
【表4】
JP0006210488B2_000005t.gif
【実施例】
【0040】
上記表4より、反応温度を変えても、いずれも100%の非常に高い選択性でシクロヘキサノンが得られていることがわかる。
【実施例】
【0041】
(実施例30~33)
反応時間を下記表5に示すように変えたこと以外は実施例22と同様に反応を行い、生成物の組成比を求めた。結果を実施例22とともに下記表5に示す。
【実施例】
【0042】
(実施例34~37)
触媒の種類及び反応時間を下記表5に示すように変えたこと以外は実施例22と同様に反応を行い、生成物の組成比を求めた。結果を下記表5に示す。
【実施例】
【0043】
【表5】
JP0006210488B2_000006t.gif
【実施例】
【0044】
上記表5より、反応時間5時間以上で反応を行った実施例30~33では、いずれも100%の非常に高い選択性でシクロヘキサノンが得られており、また、触媒の種類を変えても、100%の非常に高い選択性でシクロヘキサノンが得られた。
【実施例】
【0045】
(実施例38)
実施例9で得られた酸化反応混合物(第1世代)の一部を新たなシクロヘキサンに加えて、同条件で加熱攪拌し、その後、反応混合物(第2世代)をサンプリングし、H-NMRの測定を行い、反応混合物の組成比を算出した。なお、酸化反応混合物と新たなシクロヘキサンとの混合物は、新たなシクロヘキサンの量を調整することにより、全体量を一定とした。第1世代の酸化反応混合物の第2世代の反応への移動量及び上記算出結果を下記表6に示す。
【実施例】
【0046】
(実施例39~42)
第1世代の酸化反応混合物を表6に示すものに変えたこと以外は実施例38と同様に行った。結果を下記表6に示す。
【実施例】
【0047】
(実施例43)
ステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子工業株式会社製、10ml)にシクロヘキサン(10mmol)、Ni(ClO・6HO(1mol%)を加え、酸素:窒素(21:79)混合ガスを0.1MPaに充填した後に系を閉じ、135℃で24時間加熱撹拌したところ、シクロヘキサノンが生成しなかった(比較例3)。比較例3で得られた酸化反応混合物(第1世代)の一部を新たなシクロヘキサンに加えて、酸素:窒素(21:79)混合ガスを10MPaに充填した後に系を閉じ、135℃で24時間加熱撹拌した。その後、反応混合物(第2世代)をサンプリングし、H-NMRの測定を行い、反応混合物の組成比を算出した。結果を下記表6に示す。
【実施例】
【0048】
【表6】
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【実施例】
【0049】
以上より、第2世代の反応では新しいシクロヘキサンに第1世代の反応混合物の一部を加えるだけで、新たなコバルト化合物を追加することなく酸化反応は進行し続け、反応後のシクロヘキサノン選択性も100%を維持することができた。また、実施例43より、第1世代(1st)でのシクロヘキサノンの生成は、第2世代の酸化反応にとって必須ではないことが分かる。
【実施例】
【0050】
(実施例44)
実施例38で得られた酸化反応混合物(第2世代)の一部を新たなシクロヘキサンに加えて、同条件で加熱攪拌し、その後、反応混合物(第3世代)をサンプリングし、H-NMRの測定を行い、反応混合物の組成比を算出した。この操作を繰り返すことで、第5世代までのシクロヘキサノン及び未反応のシクロヘキサンの組成比を算出した。酸化反応混合物の次世代の反応への移動量及び上記算出結果を下記表7に示す。
【実施例】
【0051】
【表7】
JP0006210488B2_000008t.gif
【実施例】
【0052】
以上より、触媒として加熱後の反応混合物の一部を用いると、順次酸化反応を進行させることができた(第2~5世代)。