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明細書 :床面状態検出装置および床面状態検出方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-223795 (P2016-223795A)
公開日 平成28年12月28日(2016.12.28)
発明の名称または考案の名称 床面状態検出装置および床面状態検出方法
国際特許分類 G01N  21/27        (2006.01)
G01S  17/89        (2006.01)
G01S  15/89        (2006.01)
G01C   3/06        (2006.01)
FI G01N 21/27 A
G01S 17/89
G01S 15/89 B
G01C 3/06 120Q
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2015-107436 (P2015-107436)
出願日 平成27年5月27日(2015.5.27)
発明者または考案者 【氏名】難波 孝彰
【氏名】山田 陽滋
【氏名】丹羽 邦幸
出願人 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100087723、【弁理士】、【氏名又は名称】藤谷 修
【識別番号】100165962、【弁理士】、【氏名又は名称】一色 昭則
審査請求 未請求
テーマコード 2F112
2G059
5J083
5J084
Fターム 2F112AD01
2F112BA16
2F112BA20
2F112CA08
2F112DA19
2F112DA21
2F112DA25
2F112DA28
2F112EA03
2F112FA21
2F112FA35
2F112FA50
2F112GA01
2G059AA05
2G059BB08
2G059CC11
2G059CC14
2G059CC15
2G059DD13
2G059EE01
2G059EE02
2G059EE11
2G059FF01
2G059HH01
2G059HH02
2G059KK04
2G059MM01
2G059MM10
5J083AA02
5J083AB20
5J083AC29
5J083AD04
5J083AD13
5J083AD14
5J083AE06
5J083AF01
5J083AG05
5J083BE17
5J083DC05
5J084AA05
5J084AA13
5J084AA14
5J084AA15
5J084AB16
5J084AD01
5J084AD02
5J084AD13
5J084BA04
5J084BA21
5J084BA34
5J084BA40
5J084BB18
5J084CA07
5J084CA24
5J084CA65
5J084CA67
5J084CA68
5J084CA70
5J084CA76
5J084EA40
要約 【課題】床面上の液体を非接触で検出すること。
【解決手段】距離画像取得部10により、第1の距離画像と第2の距離画像を取得する。第1の距離画像は、液体および床面に対して反射する波長の光を用いる。第2の距離画像は、液体に対しては透過し、床面に対しては反射する波長の光を用いる。次に、差分抽出部11により、第1の距離画像と第2の距離画像の差分を抽出する。次に、液体検出部13において、記憶部12に記憶された多数の液体の形状データを用いて、差分とのマッチングを行う。そして、差分の形状データと各種液体の形状データとの相関のうち、最も相関の大きな値が所定のしきい値以上である場合、床面上に液体が存在すると推定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
床面上に存在する液体を検出する床面状態検出装置において、
前記液体および前記床面に対して反射する周波数の第1の電磁波または音波を前記床面および前記液体に照射し、第1の距離画像を取得する第1の距離画像取得部と、
前記液体に対して透過し、前記床面に対して反射する周波数の第2の電磁波または音波を前記床面および前記液体に照射し、第2の距離画像を取得する第2の距離画像取得部と、
前記第1の距離測定部にて取得した前記第1の距離画像と、前記第2の距離測定部にて取得した前記第2の距離画像との差分を抽出する差分抽出部と、
前記差分抽出部により抽出した差分から、前記液体の検出を行う液体検出部と、
を有することを特徴とする床面状態検出装置。
【請求項2】
床面上に存在する液体を検出する床面状態検出装置において、
前記液体および前記床面に対して反射する周波数の第1の電磁波または音波を前記床面および前記液体に照射し、第1の距離画像を取得する第1の距離画像取得部と、
前記液体に対して吸収し、前記床面に対して反射する周波数の第3の電磁波または音波を前記床面および前記液体に照射し、第3の距離画像を取得する第3の距離画像取得部と、
前記第1の距離測定部にて取得した前記第1の距離画像と、前記第3の距離測定部にて取得した前記第3の距離画像との差分を抽出する差分抽出部と、
前記差分抽出部により抽出した差分から、前記液体の検出を行う液体検出部と、
を有することを特徴とする床面状態検出装置。
【請求項3】
複数の前記液体の特徴パターンを記憶し保持する記憶部をさらに有し、
前記液体検出部は、前記差分抽出部により抽出した差分と、前記記憶部に記憶した複数の前記液体の特徴パターンとを比較して前記液体の特徴を推定する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の床面状態検出装置。
【請求項4】
前記液体検出部により検出した前記液体の位置に派遣して前記液体に接触させ、前記液体の検出を行う接触感知手段をさらに設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の床面状態検出装置。
【請求項5】
床面上に存在する液体を検出する床面状態検出方法において、
前記液体および前記床面に対して反射する周波数の第1の電磁波または音波を前記床面および前記液体に照射し、第1の距離画像を取得し、
前記液体に対して透過し、前記床面に対して反射する周波数の第2の電磁波または音波を前記床面および前記液体に照射し、第2の距離画像を取得し、
前記第1の距離画像と前記第2の距離画像の差分を抽出し、その差分から前記液体の検出を行う、
ことを特徴とする床面状態検出方法。
【請求項6】
床面上に存在する液体を検出する床面状態検出方法において、
前記液体および前記床面に対して反射する周波数の第1の電磁波または音波を前記床面および前記液体に照射し、第1の距離画像を取得し、
前記液体に対して吸収し、前記床面に対して反射する周波数の第3の電磁波または音波を前記床面および前記液体に照射し、第3の距離画像を取得し、
前記第1の距離画像と前記第3の距離画像の差分を抽出し、その差分から前記液体の検出を行う、
ことを特徴とする床面状態検出方法。
【請求項7】
前記差分と、記憶した複数の前記液体の特徴パターンとを比較して、前記液体の特徴を推定する、
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の床面状態検出方法。
【請求項8】
前記差分により検出した前記液体の位置に、前記液体に接触させて前記液体の検出を行う接触感知手段を派遣する、ことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の床面状態検出方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、床面上に存在する液体を非接触で検出する床面状態検出装置および床面状態検出方法に関する。特に、距離画像を利用して液体を検出するものに関する。
【背景技術】
【0002】
床面に水などの液体が存在する場合、人が液体によって足を滑らせ転倒する危険性がある。たとえば、医療施設や介護施設では患者が嘔吐、吐血などして床面上に液体が存在する場合があり、患者等がこれに足を取られて転倒するリスクがある。また、雨の日には建物の出入り口付近の床面が水で濡れてしまう場合があり、洗面所、トイレ、浴室などの水回り付近の床面がこぼれた水で濡れてしまう場合もある。そのような場合にも同様に転倒リスクがある。また、自動車等の運転においては路面上の水たまりは事故の原因となる。それらの事故を未然に防止するために、床面上の液体を早期に検出する技術が求められている。
【0003】
床面の状態を非接触で検出する方法としては、赤外線など電磁波を照射して反射特性を測定し、その反射特性の違いから判別する方法が広く知られている。他に特許文献1~4に記載の方法がある。
【0004】
特許文献1には、路面に対して複数の周波数で電磁波を照射し、反射強度の周波数依存性を測定し、その特性により路面状態を判別する方法が記載されている。
【0005】
特許文献2には、電磁波や音波を用いて距離を測定することで路面の凹凸形状を測定し、降雨センサにより降雨を検出することにより、路面上の水たまりを検出することが記載されている。
【0006】
特許文献3には、撮像素子の基板の温度を変えて遠赤外線画像を取得し、基板温度の違いによる遠赤外線画像の差異により路面上の水たまりや路面の凍結などを検出することが記載されている。
【0007】
特許文献4には、カメラにより路面を撮影し、画像を解析して輝度のヒストグラムを作成し、そのヒストグラムによって路面状態を判別する方法が示されている。
【0008】
また、対象物を三次元的に計測する距離画像センサが知られている(たとえば特許文献5、6)。距離画像は、画像データの各画素が距離情報を有したものであり、測距方式としてTOF(タイム・オブ・フライト;Time of Flight)方式が一般的である。TOFは、放射した電磁波や音波が対象物によって反射されて戻ってくるまでの時間により距離を求める方式である。他にも、三角測距方式やパターン照射方式などの測距方式により距離画像を取得することが従来知られている。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特開2008-180623号公報
【特許文献2】特開2010-257307号公報
【特許文献3】特開2008-236062号公報
【特許文献4】特許第5190204号
【特許文献5】特開2009-124398号公報
【特許文献6】特開2014-160014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の床面状態の検出方法は、反射強度の測定により床面状態を判別しているが、この方法では実際には床面上に何か物体が存在することがわかる程度であり、その物体が液体かどうかまで判別することは困難であった。また、特許文献2の方法では、降雨以外の要因で水たまりが存在している場合や、凹凸のない平面上に水が存在している場合には検出することができない。
【0011】
そこで本発明の目的は、床面上の液体を検出することが可能な床面状態検出装置および床面状態検出方法を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、床面上に存在する液体を検出する床面状態検出装置において、液体および床面に対して反射する周波数の第1の電磁波または音波を床面および液体に照射し、第1の距離画像を取得する第1の距離画像取得部と、液体に対して透過し、床面に対して反射する周波数の第2の電磁波または音波を床面および液体に照射し、第2の距離画像を取得する第2の距離画像取得部と、第1の距離測定部にて取得した第1の距離画像と、第2の距離測定部にて取得した第2の距離画像との差分を抽出する差分抽出部と、差分抽出部により抽出した差分から、液体の検出を行う液体検出部と、を有することを特徴とする床面状態検出装置である。
【0013】
また、本発明は、床面上に存在する液体を検出する床面状態検出装置において、液体および床面に対して反射する周波数の第1の電磁波または音波を床面および液体に照射し、第1の距離画像を取得する第1の距離画像取得部と、液体に対して吸収し、床面に対して反射する周波数の第3の電磁波または音波を床面および液体に照射し、第3の距離画像を取得する第3の距離画像取得部と、第1の距離測定部にて取得した第1の距離画像と、第3の距離測定部にて取得した第3の距離画像との差分を抽出する差分抽出部と、差分抽出部により抽出した差分から、液体の検出を行う液体検出部と、を有することを特徴とする床面状態検出装置である。
【0014】
本発明の検出対象となる液体は、液状の物体であれば任意である。たとえば、水、アルコール、あるいはそれらを溶媒とする溶液などである。液体に気体や固体が混合されたものであってよく、ゾル状、ゲル状のものであってもよい。さらには液体が凍った状態や半解凍の状態でもよい。
【0015】
また、本発明における床面とは、建物の床の表面のみならず、道路などの路面や地面なども含むものとする。また、床面は平坦な場合でも凹凸がある場合でもよい。
【0016】
第1~3の距離画像の取得は、電磁波を用いてもよいし、音波を用いてもよい。また、測距方式は電磁波や音波の照射を利用する方式であれば任意の方式でよい。たとえば、タイム・オブ・フライト(TOF)方式、三角測距方式、パターン照射方式などの方式を用いることができる。
【0017】
本発明の路面状態検出装置は、複数の液体の特徴パターンを記憶し保持する記憶部をさらに有していてもよく、液体検出部は、差分抽出部により抽出した差分と、記憶部に記憶した複数の液体の特徴パターンとを比較して液体の特徴(液体の形状やそれに関連する特徴)を推定してもよい。特徴パターンは、液体の形状パターンや点群パターンなど、液体の形状やそれに関連する特徴についてのパターンである。このように特徴パターンを用いてマッチングを行うことで液体形状をより精度よく検出することができる。
【0018】
また、液体検出部により検出した液体の位置に派遣して液体に接触させ、液体の検出を行う接触感知手段をさらに設けてもよい。このように液体を直接検出する手段を設けることで、液体の位置、範囲などをより詳細に検出することができる。
【0019】
他の本発明は、床面上に存在する液体を検出する床面状態検出方法において、液体および床面に対して反射する周波数の第1の電磁波または音波を床面および液体に照射し、第1の距離画像を取得し、液体に対して透過し、床面に対して反射する周波数の第2の電磁波または音波を床面および液体に照射し、第2の距離画像を取得し、第1の距離画像と第2の距離画像の差分を抽出し、その差分から液体の検出を行う、ことを特徴とする床面状態検出方法である。
【0020】
また他の本発明は、床面上に存在する液体を検出する床面状態検出方法において、液体および床面に対して反射する周波数の第1の電磁波または音波を床面および液体に照射し、第1の距離画像を取得し、液体に対して吸収し、床面に対して反射する周波数の第3の電磁波または音波を床面および液体に照射し、第3の距離画像を取得し、第1の距離画像と第3の距離画像の差分を抽出し、その差分から液体の検出を行う、ことを特徴とする床面状態検出方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、床面と液体とを区別して検出することができ、床面上に存在する液体を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1の床面状態検出装置の構成を示した図。
【図2】実施例1の床面状態検出装置の動作を示したフローチャート。
【図3】実施例1における床面上の液体検出の原理を模式的に示した図。
【図4】実施例2の床面状態検出装置の構成を示した図。
【図5】実施例2における床面上の液体検出の原理を模式的に示した図。
【図6】実施例3の床面状態検出装置の構成を示した図。
【図7】実施例1における床面上の液体検出の原理を模式的に示した図。
【図8】実施例2における床面上の液体検出の原理を模式的に示した図。
【図9】液体の形状の例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0024】
図1は、実施例1の床面状態検出装置の構成を示した図である。実施例1の床面状態検出装置は、床面上に存在する液体を非接触で検出する装置であり、図1のように、距離画像取得部10と、差分抽出部11と、記憶部12と、液体検出部13と、によって構成されている。検出対象の液体は任意のものでよい。たとえば、水、アルコール、油、あるいはそれらを溶媒とするものである。また、純粋な液体に限らず、液体に気体や固体が混合されたものであってもよく、ゾル状、ゲル状のものであってもよい。さらには液体が凍った状態や半解凍の状態でもよい。また、床面は単に建物の床の表面を意味するだけでなく、路面や地面なども含むものとする。
【実施例1】
【0025】
距離画像取得部10は、2つの距離画像センサ10A、Bからなる。距離画像センサ10A、Bは電磁波を用いたTOF(タイム・オブ・フライト;Time of Flight)方式により距離画像を取得するものである。TOF方式は、対象物に照射された光が反射されて戻ってくるまでの時間により距離を測定する方式である。また、距離画像は、二次元的な画像の各画素が距離情報を有したものである。以下、距離画像センサ10Aにより取得される距離画像を第1の距離画像、距離画像センサ10Bにより取得される距離画像を第2の距離画像と呼ぶことにする。
【実施例1】
【0026】
距離画像センサ10A、Bは、発光素子、受光素子、距離演算部を有している。発光素子は発光ダイオードや半導体レーザーなどであり、強度変調された所定波長の光を放射する。受光素子はCCDやCMOSなどの二次元イメージセンサである。距離演算部は、二次元イメージセンサの画素ごとに対象物までの距離Rを算出し、距離画像データを出力する。具体的には、発光素子より放射された光の変調位相と二次元イメージセンサの各画素により受光した光の変調位相との位相差φを算出し、R=cφ/(4πf)により対象物までの距離Rを算出する。ここでcは光速、fは変調周波数である。測定可能な最大距離はc/(2f)である。また、距離演算部は、たとえばその距離演算に特化したIC(ASIC)や、コンピュータのプログラムによる信号処理により実現される。
【実施例1】
【0027】
なお、距離画像センサ10A、Bは、レーザーなどの指向性の高い光を照射し、これを二次元的または三次元的に走査し、受光素子により反射光を受光して距離画像を得る方式であってもよい。
【実施例1】
【0028】
ここで、距離画像センサ10Aと距離画像センサ10Bは、発光素子の発光波長が次のように異なっている。
【実施例1】
【0029】
距離画像センサ10Aの発光素子が放射する光の波長(以下、第1波長)は、液体および床面に対して反射する波長である。液体および床面に対する反射率は、液体表面での反射による距離画像、および床面での反射による距離画像が取得可能な範囲であればよく、それは距離画像センサ10Aの受光性能などに依存する。
【実施例1】
【0030】
距離画像センサ10Bの発光素子が放射する光の波長(以下、第2波長)は、液体に対しては透過し、床面に対しては反射する波長である。液体に対する透過率は、液体表面での反射による距離画像は取得できない程度であればよく、床面に対する反射率は、その床面での反射による距離画像取得が可能な範囲であればよい。それは距離画像センサ10Bの受光性能などに依存する。
【実施例1】
【0031】
第1の距離画像と第2の距離画像との差をより明確となるように、距離画像センサ10A、Bの受光性能を選択して液体の検出精度向上を図ることが望ましい。
【実施例1】
【0032】
液体の吸収率が高く第2の距離画像の取得が難しい場合には、後述する実施例2の方法によって液体の検出を行うとよい。
【実施例1】
【0033】
なお、上記の反射・透過特性を有するのであれば、第1、2の距離画像を取得するために対象物に照射するのは光に限らず、任意の周波数(波長)の電磁波でよい。
【実施例1】
【0034】
たとえば、検出対象の液体が水である場合、可視光帯域や赤外線帯域などに反射帯域が存在し、赤外線帯域やミリ波帯域などに透過帯域が存在しているので、そのような帯域内の所定波長を第1、2波長として選択すればよい。
【実施例1】
【0035】
また、第1の距離画像と第2の距離画像を取得できるのであれば、距離画像取得部10は2つの距離画像センサ10A、Bを有する構成でなくともよく、たとえば以下のような構成としてもよい。
【実施例1】
【0036】
周波数可変の発光素子を搭載した距離画像センサを用い、発光素子の発光波長を第1波長と第2波長に変えることで第1の距離画像と第2の距離画像を取得可能としたものであってもよい。また、発光波長の異なる2つの発光素子を搭載した距離画像センサを用い、駆動する発光素子を交互に入れ換えることで第1の距離画像と第2の距離画像を取得するものであってもよい。また、発光素子として白色光など波長のブロードな光を放射するものを用い、2つの受光素子を用い、一方の受光素子の前に第1波長を透過させるフィルタを設け、他方の受光素子の前に第2波長を透過させるフィルタを設けることで、第1、2の距離画像を取得できるようにしてもよい。
【実施例1】
【0037】
差分抽出部11および液体検出部13は、距離画像センサ10A、Bからの第1の距離画像と第2の距離画像のデータから、液体の検出を行う。これは、たとえばコンピュータのプログラムによる信号処理によって実現される。その具体的な動作については後述する。
【実施例1】
【0038】
記憶部12は、液体の形状データを多数保持している。この記憶部12は、たとえばハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶装置である。液体の形状データは、床面形状、床面の摩擦係数、液体の表面張力、重力などをパラメータとして振って液体の表面形状を様々に変化させたときの形状データである。
【実施例1】
【0039】
次に、実施例1の床面状態検出装置の動作について、図2のフローチャートに従って説明する。
【実施例1】
【0040】
[ステップS1]
まず、距離画像取得部10により、第1の距離画像と第2の距離画像を取得する。第1の距離画像は、液体および床面に対して反射する波長である第1波長の光を用いて取得する。また、第2の距離画像は、液体に対しては透過し、床面に対しては反射する波長である第2波長の光を用いて取得する。第1の距離画像と第2の距離画像のうち一方を取得後、他方を取得するようにしてもよいが、距離画像取得のために照射する第1波長の光と第2波長の光が干渉しないのであれば、光を同時に照射して第1の距離画像と第2の距離画像を同時に取得してもよい。
【実施例1】
【0041】
[ステップS2]
次に、差分抽出部11により、第1の距離画像と第2の距離画像の差分を抽出する。ここで、差分は、一方の距離画像には存在するが他方の距離画像には存在しない部分である。つまり、第1の距離画像のみに存在し第2の距離画像には存在しない部分と、第2の距離画像のみに存在し第1の距離画像には存在しない部分を抽出する。
【実施例1】
【0042】
[ステップS3]
次に、液体検出部13において、ステップS2において第1の距離画像と第2の距離画像の差分が抽出されなかった場合にはステップS4へ進み、差分が抽出された場合にはステップS5へと進む処理を行う。
【実施例1】
【0043】
ここで、差分の有無は液体の有無に対応し、差分が存在する場合には床面上に液体が存在し、差分が存在しない場合には床面上に液体が存在しない。その原理について図3を用いて説明する。
【実施例1】
【0044】
図3(a)のように、平坦な床面100上に液体200が存在する場合を考える。距離画像センサ10Aの放射する光は、液体および床面に対して反射される第1波長である。距離画像センサ10Aの放射する光は液体表面および床面に反射されて距離画像センサ10Aに戻る。よって、距離画像センサ10Aによって取得される第1の距離画像は、図3(b)に示すように、床面の表面形状と液体の表面形状が一体となったものが取得される。なお、図3(b)において、液体表面および床面のうち距離画像が取得できる部分を実線で、されない部分を点線で示している。後述する図3(c)においても同様である。このように、第1の距離画像のみでは、液体の表面形状と床面の表面形状とを区別することができない。
【実施例1】
【0045】
一方、距離画像センサ10Bの放射する光は、液体に対しては透過し、床面に対しては反射される第2波長である。そのため、液体が存在する位置では、第2波長の光は透過して床面に到達し、床面により反射されて距離画像センサ10Bに戻る。また、液体が存在しない位置では床面により反射されて距離画像センサ10Bに戻る。よって、距離画像センサ10Bによって取得される第2の距離画像は、図3(c)に示すように、液体が存在しない位置だけでなく、液体が存在する位置についても床面の表面形状が取得され、液体の表面形状は取得されない。
【実施例1】
【0046】
図3(b)と図3(c)を比較すると、図3(b)では液体の表面形状が取得されている点で図3(c)と異なり、図3(c)では液体が存在する位置の床面の表面形状が取得されている点で図(b)と異なっている。よって、第1の距離画像と第2の距離画像の差分を抽出すると、図3(d)のように、液体の表面形状と、液体が存在する領域の床面の表面形状が抽出される。つまり、床面上の液体の形状が抽出される。なお、図3(d)では図3(b)と図3(c)の差分を実線で、それ以外の部分は点線で示している。また、図3(d)のように、液体が存在する位置の床面の形状もわかるので、床面からの液体の高さも検出することができる。図3は床面100が平坦な場合であるが、図7のように床面101に凹凸があり、そのくぼみに液体201が存在している場合にも同様に、液体の表面形状と液体が存在する領域の床面の表面形状を抽出することができる。つまり、床面の形状によらず、液体の形状を抽出することができる。
【実施例1】
【0047】
また、図3(b)、(c)のように、第1の距離画像のみに存在し第2の距離画像には存在しない部分は液体の表面形状に対応し、第2の距離画像のみに存在し第1の距離画像には存在しない部分は、液体が存在する領域の床面の形状に対応する。そのため、液体の表面形状が分かればよいのならば、ステップS2における差分の抽出において、第1の距離画像のみに存在し第2の距離画像には存在しない部分のみを抽出し、第2の距離画像のみに存在し第1の距離画像には存在しない部分については抽出しなくてもよい。たとえば、床面の形状が既知である場合などである。
【実施例1】
【0048】
また、床面上に液体が存在しない場合には、第1、2の距離画像ともに床面の表面形状のみが取得される。そのため第1の距離画像と第2の距離画像に違いはなく、第1の距離画像と第2の距離画像の差分は抽出されない。
【実施例1】
【0049】
以上のように、第1の距離画像と第2の距離画像の差分を抽出することで、床面上に液体が存在するか否かを検出することができ、また差分から液体のおよその形状、位置、範囲、量などを検出することができる。
【実施例1】
【0050】
[ステップS4]
ステップS3において第1の距離画像と第2の距離画像との差分が抽出されなかった場合、床面上には液体が存在しないということなので、液体検出部13はその旨の判定をする。
【実施例1】
【0051】
[ステップS5]
ステップS3において第1の距離画像と第2の距離画像との差分が抽出された場合、床面上には液体が存在する。
【実施例1】
【0052】
そこで、液体検出部13において、記憶部12に記憶された多数の液体の形状データを用いて、差分とのマッチングを行う。マッチング手法は、従来知られている各種の手法を用いることができる。たとえば差分の形状データと液体の形状データとの相関を取ることで差分の形状データと液体の形状データとの類似性を評価する。また、機械学習を用いることもできる。
【実施例1】
【0053】
差分と一致する液体の形状データが存在しない場合は、液体でないものを検出した可能性や誤検出の可能性もある。たとえば、差分の形状データと各種液体の形状データとの相関のうち、最も相関の大きな値が所定のしきい値よりも小さい場合や、差分の形状データと各種液体の形状データとの相関の平均値が所定のしきい値よりも小さい場合である。そのような場合にはステップS4へと進んで床面に液体が存在しない旨の判定を行うようにしてもよい。
【実施例1】
【0054】
なお、液体の形状データのデータ数については、その数が多いほど液体の形状の検出精度を向上させることができるが、一方で多いとマッチングの処理時間が長くなるので、そのバランスを図るようにする。
【実施例1】
【0055】
また、形状データに限らず、形状に関連する特徴データを用いてマッチングを行ってもよい。たとえば、点群(ポイントクラウド)データを用いてマッチングを行い、液体の形状あるいはそれに関連する特徴の検出を行ってもよい。
【実施例1】
【0056】
[ステップS6]
ステップS5におけるマッチングにより、記憶部12に記憶された多数の液体の形状データのうち最も差分の形状データに近い形状を、実際の液体の形状と推定する。たとえば、差分の形状データとの相関が最も高い液体の形状データを、実際の液体の形状と推定する。この判定した液体形状と第1、2の距離画像から、床面上の液体の位置、範囲、形状、量などを特定することができる。もちろん、単に液体が存在するか否かの判定のみを行うようにしてもよい。たとえば、差分の形状データと各種液体の形状データとの相関のうち、最も相関の大きな値が所定のしきい値以上である場合や、差分の形状データと各種液体の形状データとの相関の平均値が所定のしきい値以上である場合には、床面上に液体が存在する旨の判定をする。
【実施例1】
【0057】
なお、第1、2の距離画像の解像度が十分に高い場合には、第1の距離画像と第2の距離画像の差分から液体の形状はおおよそ特定できるため、液体の形状をより高精度に特定する必要がないのであれば、このステップS5は省略して、第1、2の距離画像およびその差分から直接に液体の位置、範囲、形状、量などを特定するようにしてもよい。
【実施例1】
【0058】
また、ステップS6による液体形状の推定により、液体の端部の表面形状がわかるので、床面上の液体の接触角がわかる。図9は、接触角の違いによる液体形状の違いを示した図である。図9(a)は接触角が大きく、かつ90°以下の場合(浸漬ぬれの場合)、図9(b)は接触角が90°より大きい場合(付着ぬれの場合)、図9(c)は接触角が0°の場合(拡張ぬれの場合)である。図9(a)の場合、液体の表面形状はレンズ状である。図9(b)の場合、液体はつぶれた球体状である。また、図9(c)の場合、液体の表面形状は端部を除いてほぼ平坦な形状である。
【実施例1】
【0059】
接触角は、床面の界面張力Fr、液体の表面張力Fs、液体と床面との間の界面張力Fiによって決まり、それらは床面、液体それぞれの表面特性により決まる。したがって、液体の種別が既知または推定可能であれば、接触角から床面の状態(床面の材質や撥水性、親水性など)を推定することが可能である。逆に、床面の表面特性をあらかじめ測定して記憶しておけば、液体の種別の推定に利用することができ、また液体の形状をより精度よく推定するためにも利用することができる。
【実施例1】
【0060】
また、ステップS5、S6での形状データや点群データ等とのマッチングによる液体の形状判定においては、それらデータを教師データとする機械学習を行ってもよい。すなわち、教師データから液体の特徴を自動的に抽出して液体かどうかの判定、液体であればその形状の判定を行うようにしてもよい。機械学習には種々の方法があるが、その1つとして、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれる多層のニューラルネットワークを用いた解析手法がある。ディープラーニングを用いることで、液体の形状判定を非常に高い精度で行うことが可能となる。
【実施例1】
【0061】
以上のように、実施例1の床面状態検出装置によれば、床面と液体とを区別して検出することができ、床面上に存在する液体を非接触で検出することができる。
【実施例1】
【0062】
実施例1の床面状態検出装置によって床面上の液体を早期に発見することができるため、各種の転倒防止策を取ることができる。
【実施例1】
【0063】
たとえば、液体周囲の床面などに警告表示を投影する、液体に着色して視覚的に分かりやすくする、液体周囲において警告音を発する、第三者に床面上の液体の存在を通報して知らせる、ポールや柵を巡らせる、などの対策をとることで液体の周囲に人が近づかないようにすることができる。
【実施例1】
【0064】
また、液体に吸収剤、乾燥剤、滑り止めを散布する、液体領域上にマットなどを敷設する、送風して液体を乾燥させる、掃除ロボットを派遣して液体を取り除く、などの対策をとることで、液体の存在していた場所に人が入っても転倒しないようにすることができる。
【実施例1】
【0065】
また、すでに人が転倒しつつある場合には、マットやエアバックなどを床面に展開する、あらかじめ人に身に着けさせていたエアバックを展開する、などの方法によって、転倒したとしても怪我などを負わないようにすることができる。
【実施例1】
【0066】
また、リスク判定手段を設け、そのリスク評価に基づいて上記の各種転倒防止策を講じてもよい。リスク判定手段は、たとえば、床面状態検出装置により検出した液体の情報(液体の位置、範囲、形状、深さなど)や、液体周囲の人の情報(人の位置、歩行速度など)を考慮して、人の転倒リスクを判定する。
【実施例1】
【0067】
実施例1の床面状態検出装置による液体の検出は、人の転倒リスク回避以外にも利用することができる。たとえば、自動車等の運転において水たまりなどによる事故を未然に防止するためにも役立てることができる。
【実施例2】
【0068】
図4は、実施例2の床面状態検出装置の構成を示した図である。実施例2の床面状態検出装置は、実施例1の距離画像取得部10を、距離画像取得部20としたものであり、距離画像取得部20は、距離画像取得部10が有する距離画像センサ10A、Bのうち、距離画像センサ10Bのみを距離画像センサ10Cに置き換えたものである。他の構成は実施例1の床面状態検出装置と同様である。
【実施例2】
【0069】
距離画像センサ10Cは、距離画像センサ10A、Bと同様に電磁波を用いたTOF(タイム・オブ・フライト;Time of Flight)方式により距離画像を取得するものであり、発光素子、受光素子、距離演算部を有している。以下、距離画像センサ10Cにより取得され距離画像を第3の距離画像と呼ぶこととする。
【実施例2】
【0070】
距離画像センサ10Cの発光素子が放射する光の波長(以下、第3波長)は、液体に対しては吸収し、床面に対しては反射する波長である。液体に対して吸収とは、液体表面での反射が少なく、かつ液体による光の吸収があることによって、距離画像センサ10Cから放射された第3波長の光が距離画像センサ10Cに戻る光の強度が小さく、距離画像が取得できない(距離が無限大と判定される)程度であればよく、床面に対する反射率は、その床面での反射による距離画像取得が可能な範囲であればよい。それは距離画像センサ10Cの受光性能などに依存する。
【実施例2】
【0071】
第1の距離画像と第3の距離画像との差をより明確となるように、距離画像センサ10A、Cの受光性能を選択して液体の検出精度向上を図ることが望ましい。
【実施例2】
【0072】
なお、上記の反射・透過特性を有するのであれば、第3の距離画像を取得するために対象物に照射するのは光に限らず、任意の周波数(波長)の電磁波でよい。
【実施例2】
【0073】
たとえば検出対象が水の場合、マイクロ波、テラヘルツ帯域や赤外線帯域に吸収帯があるので、そのような帯域内の所定波長を第3波長として選択すればよい。
【実施例2】
【0074】
この実施例2の床面状態検出装置によれば、床面と液体とを区別して検出することができ、床面上に存在する液体を非接触で検出することができる。その原理を図5を用いて説明する。
【実施例2】
【0075】
図5(a)のように、平坦な床面100上に液体200が存在する場合を考える。距離画像センサ10Aの取得する第1の距離画像は、図3(b)に示したものと同様である。すなわち、第1の距離画像として床面の表面形状と液体の表面形状が一体となったものが取得される(図5(b)参照)。なお、図5(b)において、液体表面および床面のうち距離画像が取得できる部分を実線で、されない部分を点線で示している。後述する図5(c)においても同様である。
【実施例2】
【0076】
一方、距離画像センサ10Cの放射する光は、液体に対しては吸収され、床面に対しては反射される第3波長である。そのため、液体が存在する位置では、第3波長の光は吸収されて距離画像センサ10Cには戻らない。距離画像センサ10Cは、放射した光が反射されて戻ってくるまでの時間により距離を求めるTOF方式であるから、光が戻ってこない場合には距離が無限大となる。よって、距離画像センサ10Cによって取得される第3の距離画像は、図5(c)に示すように、液体が存在する位置については距離が無限大として取得され、液体が存在しない位置については床面形状が取得される。なお、距離が無限大の場合、通常の距離画像センサでは測定可能な最大距離として判定される。
【実施例2】
【0077】
図5(b)と図5(c)を比較すると、図5(b)では液体の表面形状が取得されている点で図3(c)と異なっている。よって、第1の距離画像と第3の距離画像の差分を抽出すると、図5(d)において実線で示すように、液体の表面形状が抽出される。図5は床面100が平坦な場合であるが、図8のように床面101に凹凸があり、そのくぼみに液体201が存在している場合にも、同様に液体の表面形状を抽出することができる。つまり、床面の形状によらず、液体の表面形状を抽出することができる。
【実施例2】
【0078】
なお、上記原理の説明から明らかなように、実施例2の床面状態検出装置では、液体が存在する位置の床面形状は測定できず、液体の床面からの高さが不明となる。しかし、事前に床面形状を測定しておいて記憶部12に記憶しておく、または液体周囲の床面形状から推測すれば、液体が存在する位置の床面形状も推定することができるので、液体の床面からの高さも推定することができる。
【実施例3】
【0079】
実施例3の床面状態検出装置は、図6に示すように、実施例1の床面状態検出装置に接触感知手段30を付加したものである。
【実施例3】
【0080】
接触感知手段30は、液体と実際に接触させることにより液体の存在を検出する手段である。たとえば、液体と接触することで色、体積、重量などが変化する試薬を用いることができる。接触感知手段30は、移動ロボットなどに搭載されており、実施例1の方法によって床面上に液体が存在することを検出した場合に、その液体のそばまで接触感知手段30を派遣する。そして、接触感知手段30を液体と接触させて実際にその場所に液体が存在するかどうかや、液体のより詳細な範囲などを検出する。また、液体を採取して成分を分析し、あるいは液体の粘度などを測定して、床面の滑りやすさを把握することもできる。
【実施例3】
【0081】
なお、実施例2の床面状態検出装置に接触感知手段30を設けてもよい。同様に液体のより詳細な情報を検出することができる。
【実施例3】
【0082】
また、接触感知手段30に替えてあるいは加えて高精度カメラを搭載して派遣し、高解像度の画像(距離画像やカラー画像)を取得することで、液体の位置、範囲等の検出精度の向上を図ってもよい。
【実施例3】
【0083】
[各種変形例]
実施例1~3では、第1~3の距離画像を取得するために電磁波を照射しているが、本発明は電磁波に限るものではなく、音波を用いて距離画像を取得するものであってもよい。つまり、第1の距離画像と第2、3の距離画像を取得するために両方とも電磁波を用いる場合(実施例1~3の場合)、第1の距離画像を取得するために電磁波を用い第2、3の距離画像を取得するために音波を用いる場合、第1の距離画像を取得するために音波を用い第2、3の距離画像を取得するために電磁波を用いる場合、第1の距離画像と第2、3の距離画像を取得するために両方とも音波を用いる場合の4パターンいずれであってもよい。
【実施例3】
【0084】
実施例1は、液体により反射される第1波長と液体を透過する第2波長の電磁波により第1、2の距離画像を取得するものであり、実施例2は、第1波長と液体により吸収される第3波長の電磁波により第1、3の距離画像を取得するものであったが、第1~3の距離画像をいずれも取得して、第1の距離画像と第2の距離画像の差分と、第1の距離画像と第3の距離画像の差分の双方を考慮することにより、液体の検出精度向上を図ってもよい。
【実施例3】
【0085】
また、実施例1~3において、距離画像センサだけでなく2次元カラー画像も取得して液体の検出精度の向上を図ってもよい。また、距離画像と同時に反射強度も測定し、反射強度を用いて距離画像の補正を行ってもよい。
【実施例3】
【0086】
また、実施例1~3では、距離画像を取得するための測距方式としてTOF方式を用いているが、本発明はこれに限るものではない。電磁波や音波の照射を利用した測距方式であれば任意の方式を用いることができる。たとえば、TOF方式以外にも三角測距方式やパターン照射方式などを用いることができる。複数の測距方式で距離画像を取得して補正することで精度の向上を図ってもよい。ただし、第2の距離画像の取得する際には、液体中を電磁波あるいは音波が透過するため、光速あるいは音速が変化し、距離測定に誤差が生じる。したがって、測距方式は、この液体透過による距離の測定誤差が少ない方式が望ましい。三角測距方式は反射角度により距離を測定する方式であるため、液体による屈折で反射角度が変化し距離測定誤差が大きくなり、この点で三角測距方式よりもTOF方式の方が液体による距離の測定誤差が少なく望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明によれば、非接触で床面上の液体を検出することができるので、それに応じて各種の転倒防止措置を講ずることができ、転倒リスクを低減することができる。たとえば、病院や介護施設において患者、被介護者、看護士、介護士、サービス業者などをアシストする高齢者向け見守りシステム、移動ロボットによる生活支援サービス、業務用監視カメラシステム、自動車やシルバーカート等の自動運転支援システムなどに本発明を適用して、転倒リスク軽減やスリップ防止を図るシステムを実現できる。
【符号の説明】
【0088】
10、20:距離画像取得部
10A~C:距離画像センサ
11:差分抽出部
12:記憶部
13:液体検出部
30:接触感知手段
100、101:床面
200、201:液体
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8