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明細書 :燃料電池用ガス拡散電極とその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-116289 (P2014-116289A)
公開日 平成26年6月26日(2014.6.26)
発明の名称または考案の名称 燃料電池用ガス拡散電極とその製造方法
国際特許分類 H01M   4/88        (2006.01)
H01M   4/96        (2006.01)
D01F   9/16        (2006.01)
H01M   8/10        (2006.01)
FI H01M 4/88 C
H01M 4/96 B
D01F 9/16
H01M 8/10
請求項の数または発明の数 9
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2013-151032 (P2013-151032)
出願日 平成25年7月19日(2013.7.19)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用申請有り
優先権出願番号 2012243050
優先日 平成24年11月2日(2012.11.2)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】衣本 太郎
出願人 【識別番号】304028726
【氏名又は名称】国立大学法人 大分大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100099759、【弁理士】、【氏名又は名称】青木 篤
【識別番号】100077517、【弁理士】、【氏名又は名称】石田 敬
【識別番号】100087413、【弁理士】、【氏名又は名称】古賀 哲次
【識別番号】100093665、【弁理士】、【氏名又は名称】蛯谷 厚志
【識別番号】100102990、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 良博
【識別番号】100080919、【弁理士】、【氏名又は名称】田崎 豪治
審査請求 未請求
テーマコード 4L037
5H018
5H026
Fターム 4L037CS03
4L037FA14
4L037PA52
4L037PC09
5H018AA06
5H018AS01
5H018BB01
5H018BB03
5H018BB16
5H018DD05
5H018DD06
5H018EE05
5H018HH05
5H018HH08
5H026AA06
要約 【課題】燃料電池用ガス拡散電極として、導電率に影響するリグニン、ヘミセルロース、その他の不純物を低減して導電率が炭素繊維に対して遜色なく、また良好なガス分散機能とガス反応サイトを確保するための連通性に優れた細孔を形成した竹炭繊維電極を提供し、並びにその製造方法を提供するものである。
【解決手段】加圧圧縮された竹炭繊維体を含み、導電率が30S/cm以上である燃料電池用ガス拡散電極、ならびにチップ化した竹材をアルカリ水溶液を用いて処理し、得られた竹繊維体を不活性雰囲気下で炭化処理して竹炭繊維体を得、ついでこの竹炭繊維体を燃料電池用ガス拡散電極に用いることを特徴とする燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
チップ化した竹材をアルカリ水溶液を用いて処理し、得られた竹繊維体を不活性雰囲気下で炭化処理して竹炭繊維体を得、ついでこの竹炭繊維体を燃料電池用ガス拡散電極に用いることを特徴とする燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
【請求項2】
チップ化した竹材を、ほぐした後にアルカリ水溶液を用いて処理する請求項1に記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
【請求項3】
アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液または水酸化カルシウム水溶液である請求項1または2に記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
【請求項4】
アルカリ水溶液が、濃度1~10wt%、温度25~200℃である請求項1~3のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
【請求項5】
アルカリ水溶液処理で得られる竹繊維体を、抄紙、不織布、または織物のいずれかの竹繊維体に圧縮成形した後に炭化処理して、竹炭繊維体を得る請求項1~4のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
【請求項6】
炭化処理は、1300℃以上の温度で行なう請求項1~5のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
【請求項7】
炭化処理は、不活性雰囲気下で450~1300℃の温度で予備炭化した後に、1300℃以上の温度で行なう請求項1~6のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
【請求項8】
圧縮成形された竹炭繊維体を含み、導電率が30S/cm以上である燃料電池用ガス拡散電極。
【請求項9】
竹炭繊維体が請求項1~7のいずれか1項に記載の製造方法で得られた竹炭繊維体である請求項8に記載の燃料電池用ガス拡散電極。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、固体高分子形燃料電池、金属-空気二次電池等の燃料電池用のガス拡散電極とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体高分子形燃料電池のガス拡散電極は、たとえば図8に示すように、固体高分子電解質層を中間に置き、マイナス極側とプラス極側に配置される。マイナス極側のガス拡散電極は、反応ガス分散路と触媒層で構成し、プラス極側のガス拡散電極は、触媒層とガス反応(発電反応)路で構成する。このガス拡散電極は、導電性に優れていることが要求され、そのうえに反応ガス分散路はガス分散性が、ガス反応路は適正なガス反応サイトを構成する細孔性状が要求される。このため反応ガス分散路とガス反応路は、PAN系またはピッチ系の炭素繊維が多く採用されている。また、金属-空気二次電池の正極にも多孔質の炭素繊維製のガス拡散電極が用いられている。
【0003】
しかしながら、これらの炭素繊維は、その高価原料の使用及び複雑で時間のかかる製造工程のためコストが著しく嵩む。
【0004】
そこで、本発明者は、多量に放置され廃材化され殆んど活用されていない伐竹に注目しこれを利用して、前記機能を満足する竹炭繊維製ガス拡散電極の製作に挑戦した。従来、この竹材を活用するものとして、繊維素反応型樹脂を用いて竹繊維織物を樹脂加工し、アルカリ水溶液を付与した後、無張力又は低張力の状態で放置し、しかる後に中和、水洗することを特徴とする竹繊維織物の製造方法が提案されている(特許文献1)ものの、用途について前記電極に適用しょうとする報告はない。これは、竹繊維織物を単に炭化処理しても前記機能を満足する電極は得られないためと考えられる。すなわち、竹繊維織物にはセルロース以外にリグニン、ヘミセルロース、その他樹脂等の不純物を含有するため単純な炭化処理ではこれ等が残存してしまい炭素繊維に比較して導電率が低くまたガス分散機能とガス反応サイトを確保するための連通性に優れた密度の高い細孔形成ができないためである。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2008-101291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記した問題点を解決するものであり、燃料電池用ガス拡散電極として、導電率に影響するリグニン、ヘミセルロース、その他の不純物を低減して導電率が炭素繊維に対して遜色なく、また良好なガス分散機能とガス反応サイトを確保するための連通性に優れた緻密な細孔を形成した竹炭繊維電極を提供し、並びにその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の問題を解決するために、以下の発明を提供するものである。
(1)チップ化した竹材をアルカリ水溶液を用いて処理し、得られた竹繊維体を不活性雰囲気下で炭化処理して竹炭繊維体を得、ついでこの竹炭繊維体を燃料電池用ガス拡散電極に用いることを特徴とする燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
(2)チップ化した竹材を、ほぐした後にアルカリ水溶液を用いて処理する上記(1)に記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
(3)アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液または水酸化カルシウム水溶液である上記(1)または(2)に記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
(4)アルカリ水溶液が、濃度1~10wt%、温度25~200℃である上記(1)~(3)のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
(5)アルカリ水溶液処理で得られる竹繊維体を、抄紙、不織布、または織物のいずれかの竹繊維体に圧縮成形した後に炭化処理して、竹炭繊維体を得る上記(1)~(4)のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
(6)炭化処理は、1300℃以上の温度で行なう上記(1)~(5)のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
(7)炭化処理は、不活性雰囲気下で450~1300℃の温度で予備炭化した後に、1300℃以上の温度で行なう上記(1)~(6)のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
(8)圧縮成形された竹炭繊維体を含み、導電率が30S/cm以上である燃料電池用ガス拡散電極。
(9)竹炭繊維体が上記(1)~(7)のいずれかに記載の製造方法で得られた竹炭繊維体である上記(8)に記載の燃料電池用ガス拡散電極。
【発明の効果】
【0008】
本発明の燃料電池用の竹炭繊維製ガス拡散電極は、前記製造方法で精製した竹繊維体を好ましくはシート状に圧縮成形した後に、好ましくは二段の炭化処理をするために導電率に影響するリグニン、ヘミセルロース、その他の不純物を大幅に低減することができ、導電率を炭素繊維に対して遜色なく、また、ガス連通性に優れた細孔を高密度で形成して、良好なガス分散通気機能とガス反応発電機能を確保したものである。
【0009】
燃料電池のガス反応サイトに本発明のガス拡散電極を適用すると、非濡れ性に優れるので、ここでの生成水を瞬時に弾いて電極外に排出する作用により、常に良好な発電反応サイトを維持確保して高い発電効率を期待し得る。
【0010】
副次的に、放置竹林とその伐竹により排出される廃棄竹材の処理という行政問題が解決され、放置竹林が減少して環境問題が解決されるとともに、雇用が創出され得る。また、次世代電池の低価格化と原材料の安定供給が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明における竹繊維製造工程-竹繊維シート製造工程-竹炭シート製造工程-ガス拡散電極製造工程順A~Lを示す概略フロー説明図。
【図2】図2に示す工程A~D順に対応して当該生成物の実写を示す説明図。
【図3】図2に示す工程E~G順に対応して当該生成物の実写を示す説明図。
【図4】図2に示す工程H~L順に対応して当該生成物の実写を示す説明図。
【図5】竹繊維シートの熱処理前後の外観と光学顕微鏡写真の比較を示す説明図。
【図6】竹繊維シートの熱処理前・後の繊維径分布の比較を示すグラフと大きさ厚さ重さの変化率を示す表。
【図7】竹繊維シートの熱処理温度(炭化温度)と導電率の関係例を示すグラフである。
【図8】燃料電池の一例である固体高分子形燃料電池の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の燃料電池用ガス拡散電極の原料である竹材としては、特に制限されないが、所謂竹繊維を主体とするたとえば孟宗竹、真竹、黒竹、篠竹、根曲竹、圏紋竹、矢竹、おかめ竹、支那竹、煤竹、淡竹、蓬莱竹、胡麻竹、金明孟宗竹等が挙げられる。
これらの竹材は、アルカリ水溶液による処理の効果と繊維の純度を向上させるために、その内外皮を予め除去しておくことが好ましい。より好ましくは、製造される繊維の直径を均一にする目的から、内外皮除去の際、用いる竹材の繊維束が均一である部分のみを残すことが望ましい。
またこれらの竹材は、アルカリ水溶液による処理の際、たとえば予め周速差を持たせたピンチロールにより加圧ローリングしてほぐ(解)しておくことが好ましい。これにより、次工程のアルカリ水溶液による処理の浸透の速度を迅速にし、且つ均一にするためセルロースからのヘミセルロース及びリグニン等の分離除去効率を格段に高めることができる。
加えて、アルカリ水溶液を用いての処理の際に、竹材が乾燥していると煮沸効果が低下するため、煮沸処理の開始まで竹材は乾燥させることなく、液体中で保存あるいは冷凍、冷蔵保存することが好ましい。より好ましくは、雑菌の繁殖を抑えるために、それに有効な液体、例えば過酸化水素、過塩素酸、硫酸などの水溶液に浸漬、冷蔵保存される。安全性と廃棄物の点からは過酸化水素が最も好ましい。

【0013】
このようにして得られた竹材は、好ましくは処理容器の容量に応じて適宜切断するが、例えば長さ1~10cm程度の切片(チップ)とした後に、アルカリ水溶液を用いて処理、好ましくは煮沸処理される。この際に、煮沸容器は圧力釜が好ましいが、大気圧釜でも構わない。

【0014】
アルカリとしては、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、等が挙げられるが、工業的にはセルロースからの主にヘミセルロース及びリグニン等の分離除去効果等の点から、水酸化ナトリウムが最も好ましい。

【0015】
これらの水溶液の濃度は、セルロースからの主にヘミセルロース及びリグニン分離除去効果および環境面、製造安全面、排水処理等の点から、通常1~5質量%水溶液として用いられる。温度は、通常は25~200℃程度から選ばれるが、リグニン及びヘミセルロースの分離除去効果の観点から、60℃以上が好ましい。

【0016】
処理時間は、アルカリ濃度、温度、竹材の大きさ等によって異なるが、リグニン及びヘミセルロースの分離除去効果の観点から通常1時間~8時間程度から選ばれる。

【0017】
上記処理の終了後には、適宜、中和、圧縮、リグニン及びヘミセルロース等の水洗処理除去を行うことができる。すなわち、これらの処理、中和、圧縮、水洗処理により、竹の香料や色成分が分解、除去され、かつ竹繊維間の組織結合(糖を主体とする)が解放され、開繊により薄茶色の毛状の竹繊維が得られる。
なお、図1に示すD圧縮は、アルカリ処理温度が60℃未満の場合には、残留リグニン及びヘミセルロースがあるので必要であるが、60℃以上の高温度処理の場合には残留リグニン及びヘミセルロースが極少になるため、必ずしも必要ではなく適宜に省略してもよい。

【0018】
ついで、この竹繊維は、好ましくは抄紙、不織布、または織物であるシート状などの竹繊維体に成形されるが、簡易さ等の点から、ガス均等分散性から抄紙によるのが最も好適である。これらの竹繊維体化工程は、常法を採用することができ、たとえば不織布の形成は、ニードルパンチ法によることができる。

【0019】
得られた竹繊維体は、好ましくは加圧圧縮して角柱又は円柱の棒状、或いはシート状に成形処理して高密度の竹炭繊維体を得ることができる。加圧圧縮方法は、竹繊維を破壊しない程度の圧力、例えば20~100MPaであればよい。

【0020】
ついで、得られた竹繊維体は、真空、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で炭化される。炭化温度は、1300℃以上が好ましく、得られる竹炭繊維体の導電率を考慮すると、導電率の急上昇が見られる1400℃以上であるのが更に好ましい。竹繊維体の炭化は2500℃程度まで、さらに黒鉛化するまで炭化するためには2500~3000℃程度とすることができる。

【0021】
この炭化は、これらの温度帯域に導入するのではなく、低温域から昇温させて後に、これらの温度にするのが好適である。たとえば、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で450~1000℃、好ましくは850~1000℃程度の温度で3時間以上予備焼成して、竹繊維に由来する挟雑物を除去した後に、ついで1300℃以上の温度で炭化が行なわれる。

【0022】
得られた竹炭繊維体は、難炭化性成分を煮沸処理により除去し、かつ上記のような熱処理(予備焼成)を図7の(1)に示すように3時間以上の長時間行うことにより導電率を図7の(2)に示す短時間炭化処理するよりも30S/cm以上と著しく向上させることができる。かつ、竹炭繊維は従来の炭素繊維に比し非濡れ性に優れるので、燃料電池用ガス拡散電極に用いた場合、生成水を迅速に弾いて外に排出する作用により反応サイトを常に健全に維持して発電効率を高めるのである。

【0023】
本発明の燃料電池用ガス拡散電極は、竹炭繊維体を含む。特に、竹炭繊維体は、本発明の上記製造方法で得られたものが好適である。竹炭繊維体は、非濡れ性に優れるので、撥水処理は不要である。

【0024】
本発明において、燃料電池としては、固体高分子形燃料電池または金属空気二次電池が好適に用いられるが、固体高分子形燃料電池が最も好適である。固体高分子形燃料電池においては、板状等の高分子電解質層の両面に一対の触媒層を介してガス拡散電極を設けた構造を備えるのが一般的であり、通常は、このような膜-電極接合体(Membrane Electrode Assembly:以下、MEA)をセパレータを介して積層したスタック構造で用いられる。ガス拡散電極は、触媒層および電解質層表面に燃料ガスや空気を導くとともに、発生した電流を取り出すために、高いガス拡散性能と高い導電性とが要求される。従来、このようなガス拡散電極としては、炭素繊維紙(カーボンペーパー)が一般的に用いられている。本発明の竹炭繊維体は、これに遜色なく代えて用いられる。

【0025】
さらに、金属空気電池においては、通常、正極に表面積増大のために多孔質のガス拡散電極が用いられる。このガス拡散電極として、従来の炭素繊維に代えて、本発明の竹炭繊維製ガス拡散電極を好適に使用し得る。
【実施例】
【0026】
実施例1
図1は竹繊維製造工程-竹繊維シート製造工程-竹炭シート製造工程-ガス拡散電極製造工程順を示す概略フロー説明図、図2~図4は、図1に示す工程A~L順に対応して当該生成物の実写を示す説明図、図5は竹繊維シートの熱処理前後の外観と光学顕微鏡写真の比較を示す説明図、図6は竹繊維シートの熱処理前・後の繊維径分布の比較を示すグラフと大きさ厚さ重さの変化率を示す表、図7は竹繊維シートの熱処理温度(炭化温度)と導電率の関係例を示すグラフである。図7は、竹繊維シートの炭化温度と導電率との関係例を示す。
1.燃料電池用の竹炭繊維製ガス拡散電極の製造過程
図1から図4に示すように、原料竹である孟宗竹を、長さ1cm程度に切断し、これを化学的処理として約2%の水酸化ナトリウム水溶液を使用して、約80℃で約3時間煮沸処理した。ついで水洗した後に乾燥させた後物理的処理として ミキサーにより解繊して毛状竹繊維を得た。この毛状竹繊維を水中に拡散し抄紙して厚さ0.35mm、3×3cmの不繊シートに抄紙した。図4のHにその不繊シートの外観と図5の炭化前の顕微鏡写真を示すとともに、図6の左側に不繊シートの平均繊維系径を示す。平均繊維系径の平均約12.5μmであった。
【実施例】
【0027】
ついで、この不繊シートを水洗後に自然乾燥させ、20MPaの圧力で圧縮した図4のIに示す圧縮不繊シートを焼成炉を用いて、一段目の熱処理である予備炭化処理を窒素雰囲気下で1000℃×3時間行った。ついでこの後二段目熱処理としての炭化処理を窒素雰囲気下で1400℃×3時間行った。
【実施例】
【0028】
この熱処理後の竹炭シートの外観を図4のKに示し、顕微鏡写真を図5の右側に示すとともに、図6の右側に不繊シートの炭化後の平均繊維系径分布と平均繊維系径を示す。平均繊維系径の平均約5.39μmであった。また、形状と質量変化を図6の下段の表に示す。
【実施例】
【0029】
表1は、竹繊維シートの炭化前後のサイズ変化を炭化温度との関係の一例を示す。
【実施例】
【0030】
【表1】
JP2014116289A_000003t.gif
【実施例】
【0031】
2.得られた燃料電池用の竹炭繊維製ガス拡散電極の特性
以上のようにして作製した竹炭繊維シートに市販の燃料電池用白金担持カーボン触媒と電解質成分高分子を塗布して作製したガス拡散電極を2枚準備し、それを電解質に浸漬させ、片側に水素、もう一方に酸素を供給して構成させた燃料電池の電池電圧は表2に示すように、1.0V程度であって、一般的に使用される炭素繊維からなるガス拡散電極と同程度であった。表2は竹炭繊維シート製のガス拡散電極を用いた燃料電池の性能例を示し、電流特性は炭素繊維からなるガス拡散電極と遜色ない性能であった。
【実施例】
【0032】
【表2】
JP2014116289A_000004t.gif
【実施例】
【0033】
さらに、表3および4に、その他の竹繊維体の製造法と炭化処理法ならびに竹繊維体の特性の具体的例1~19を示す。
なお、各具体例においては、チップ化竹材は、内外皮を除去し、いずれも予め周速差を持たせたピンチロール(上下ロール径:40mm,上ロール周速90rpm、下ロール周速100rpm)で圧下率5~10%のローリングによりほぐし、ついでアルカリ水溶液による煮沸処理を行った。
【実施例】
【0034】
【表3】
JP2014116289A_000005t.gif
【実施例】
【0035】
【表4】
JP2014116289A_000006t.gif

【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の燃料電池用ガス拡散電極は、前述した優れた作用効果を呈するので、電気自動車産業、ハイブリット電気自動車産業等に貢献すること多大なものがある。また本発明の炭化繊維体は各種ガス或いは液体の洗浄、脱臭、濾過機能があり用途の拡張及び発展性が期待できる。
図面
【図1】
0
【図6】
1
【図7】
2
【図8】
3
【図2】
4
【図3】
5
【図4】
6
【図5】
7