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明細書 :4型葉酸受容体の発現を指標とした制御性T細胞の検出方法、及び免疫賦活剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4730733号 (P4730733)
公開番号 特開2006-304740 (P2006-304740A)
登録日 平成23年4月28日(2011.4.28)
発行日 平成23年7月20日(2011.7.20)
公開日 平成18年11月9日(2006.11.9)
発明の名称または考案の名称 4型葉酸受容体の発現を指標とした制御性T細胞の検出方法、及び免疫賦活剤
国際特許分類 C12Q   1/04        (2006.01)
G01N  33/53        (2006.01)
C12N   5/0783      (2010.01)
A61K  39/395       (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61P  37/04        (2006.01)
FI C12Q 1/04
G01N 33/53 Y
C12N 5/00 202L
A61K 39/395 D
A61K 39/395 N
A61K 39/395 Y
A61P 35/00
A61P 37/04
請求項の数または発明の数 8
微生物の受託番号 IPOD FERM AP-20509
全頁数 20
出願番号 特願2005-134279 (P2005-134279)
出願日 平成17年5月2日(2005.5.2)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成16年11月5日 日本免疫学会発行の「日本免疫学会総会・学術集会記録 第34巻」に発表
審査請求日 平成20年4月25日(2008.4.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
【識別番号】503359821
【氏名又は名称】独立行政法人理化学研究所
発明者または考案者 【氏名】坂口 志文
【氏名】廣田 圭司
【氏名】山口 智之
個別代理人の代理人 【識別番号】100065215、【弁理士】、【氏名又は名称】三枝 英二
【識別番号】100076510、【弁理士】、【氏名又は名称】掛樋 悠路
【識別番号】100124431、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 順也
審査官 【審査官】福澤 洋光
参考文献・文献 特開2004-208548(JP,A)
The Journal of Experimental Medicine,2005年 3月,Vol.201, No.5,p.723-35
International Immunology,2004年,Vol.16, No.8,p.1189-1201
Gene,2000年,Vol.258,p.117-125
調査した分野 C12Q1/00-1/68
G01N1/00-37/00
C12N1/00-15/90
CA/MEDLINE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus(JDreamII)
PubMed
特許請求の範囲 【請求項1】
(i)制御性T細胞、及び(ii)ナイーブT細胞及び活性化T細胞よりなる群から選択される少なくとも1種の細胞を含む細胞群から制御性T細胞を検出する方法であって、細胞表面の4型葉酸受容体の発現量を測定し、該発現量を指標として制御性T細胞を検出することを特徴とする、方法。
【請求項2】
4型葉酸受容体の発現量を、抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性の抗4型葉酸受容体抗体フラグメントを用いて測定する、請求項1に記載の検出方法。
【請求項3】
(i)制御性T細胞、及び(ii)ナイーブT細胞及び活性化T細胞よりなる群から選択される少なくとも1種の細胞を含む細胞群から、4型葉酸受容体の発現量が最も強い細胞集団を構成する細胞を単離することを特徴とする、制御性T細胞の単離方法。
【請求項4】
前記T細胞群が、被験哺乳類動物から分離されたT細胞群、又はナイーブT細胞に対して抗原刺激を行ったT細胞群である、請求項3に記載の単離方法。
【請求項5】
抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性の抗4型葉酸受容体抗体フラグメントを含有することを特徴とする、制御性T細胞の検出用試薬。
【請求項6】
抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性の抗4型葉酸受容体抗体フラグメントを有効成分として含有することを特徴とする、免疫賦活剤。
【請求項7】
腫瘍治療剤である、請求項6に記載の免疫賦活剤。
【請求項8】
前記抗4型葉酸受容体抗体が、抗4型葉酸受容体キメラ抗体又は抗4型葉酸受容体ヒト型化抗体であり、前記抗4型葉酸受容体抗体フラグメントが、抗4型葉酸受容体キメラ抗体フラグメント又は抗4型葉酸受容体ヒト型化抗体フラグメントである、請求項6又は7に記載の免疫賦活剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、制御性T細胞の検出方法、制御性T細胞の単離方法、及び制御性T細胞の検出用試薬に関する。
【0002】
更に、本発明は、制御性T細胞を減じることにより、活性化T細胞による免疫応答を効果的に発現させる、免疫賦活剤に関する。
【背景技術】
【0003】
CD4CD25のT細胞は、制御性T細胞(以下、「Treg細胞」と表記する)と呼ばれており、免疫抑制活性を持ち、免疫寛容の維持において重要な役割を担っていることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。このTreg細胞は、活性化T細胞と相反する免疫応答を行うため、これらを区別して臨床的に応用することにより、一層効果的に免疫賦活や免疫抑制を図ることが可能になることが報告されており(例えば、特許文献2参照)、Treg細胞と活性化T細胞とを区別する技術を確立することが重要となっている。
【0004】
これまでに、Treg細胞において発現する種々の物質が報告されている。例えば、非特許文献3には、Treg細胞にはCD25と共にGITRが高発現していることが報告されている。しかしながら、CD25とGITRは、Treg細胞のみならず、活性化T細胞においても高発現しているため、Treg細胞と活性化T細胞とを識別する指標とはできないことが分かっている。また、非特許文献4には、Foxp3がTreg細胞に特異的に発現することが報告されている。しかしながら、Foxp3は、転写因子であり、細胞表面には発現しないため、Foxp3を指標としてTreg細胞を単離又は除去する方法では、Treg細胞が除去されたT細胞群や単離されたTreg細胞を生存した状態で臨床的に使用することができない。このように、従来の技術では、Treg細胞を生きたまま活性化T細胞と区別して検出し、分離又は除去することができないのが現状である。
【0005】
また、これまで、Treg細胞を生きたまま分離又は除去する技術だけでなく、生体内でTreg細胞を選択的に減少させる技術に関しても、一切報告されていない。

【非特許文献1】Sakaguchi, S., et al., 1995, “Immunologic self-tolerance maintained by activated T cells expressing IL-2 receptor alpha-chains (CD25). Breakdown of a single mechanism of self-tolerance causes various autoimmune diseases.” J. Immunol. 155, 1151-1164
【非特許文献2】Shimizu, J., et al., 1999, “Induction of tumor immunity by removing CD25+CD4+ T cells: a common basis between tumor immunity and autoimmunity.”, J. Immunol. 163, 5211-5218
【非特許文献3】Shimizu, J., et al., 2002, “Stimulation of CD25(+)CD4(+) regulatory T cells through GITR breaks immunological self-tolerance.”, Nat. Immunol. 3, 135-142
【非特許文献4】Hori, S., et al., 2003, “Control regulatory T cell development by the transcription factor Foxp3.”, Science 299, 1057-1061
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、Treg細胞と活性化T細胞とを生細胞のまま区別する技術を提供することを目的とする。更に、本発明は、生体内でTreg細胞を減じることができ、活性化T細胞による免疫応答を効果的に発現させる免疫賦活剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、Treg細胞は、活性化T細胞やナイーブT細胞に比べて、細胞表面に4型葉酸受容体(folate receptor 4;folate receptor δ;folate binding protein 3)を高発現しており、細胞表面の4型葉酸受容体の発現量を指標とすることにより、Treg細胞を活性化T細胞やナイーブT細胞から区別化できることを見出した。更に、Treg細胞の特異的検出に使用される抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性フラグメントには、生体内でTreg細胞を減少させて、生体内の免疫活性を賦活する作用があることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に改良を重ねることにより完成したものである。
【0008】
即ち、本発明は、下記態様の発明を包含する:
項1. (i)制御性T細胞、及び(ii)ナイーブT細胞及び活性化T細胞よりなる群から選択される少なくとも1種の細胞を含む細胞群から制御性T細胞を検出する方法であって、細胞表面の4型葉酸受容体の発現量を測定し、該発現量を指標として制御性T細胞を検出することを特徴とする、方法。
項2. 4型葉酸受容体の発現量を、抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性フラグメントを用いて測定する、項1に記載の検出方法。
項3. (i)制御性T細胞、及び(ii)ナイーブT細胞及び活性化T細胞よりなる群から選択される少なくとも1種の細胞を含む細胞群から、4型葉酸受容体の発現量が最も強い細胞集団を構成する細胞を単離することを特徴とする、制御性T細胞の単離方法。
項4. 前記T細胞群が、被験哺乳類動物から分離されたT細胞群、又はナイーブT細胞に対して抗原刺激を行ったT細胞群である、項3に記載の単離方法。
項5. 抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性フラグメントを含有することを特徴とする、制御性T細胞の検出用試薬。
項6. 抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性フラグメントを有効成分として含有することを特徴とする、免疫賦活剤。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
(I)Treg細胞の検出・単離方法
本発明のTreg細胞の検出方法は、(i)Treg細胞、及び(ii)ナイーブT細胞及び/又は活性化T細胞を含む細胞群からTreg細胞を検出する方法であり、該細胞群を被験体として、T細胞の表面の4型葉酸受容体の発現量を測定し、該発現量を指標としてTreg細胞を検出することを特徴とするものである。
【0010】
本発明のTreg細胞の検出方法は、被験体となる細胞群から、(i)Treg細胞と、(ii)ナイーブT細胞及び/又は活性化T細胞とを区別して、Treg細胞を特異的に検出するものである。該検出方法において、被験体として用いられるT細胞群は、(i)Treg細胞と、及び(ii)ナイーブT細胞及び/又は活性化T細胞を含むものであれば、特に制限されない。被験体として用いられる細胞群としては、具体的には、哺乳類動物から分離されたT細胞を含む細胞群、又は哺乳類動物から分離されたT細胞に対して抗原刺激を行った細胞群が例示される。
【0011】
なお、本発明において、被験体となる細胞群には、T細胞以外に、血球系細胞やリンパ節細胞等が含まれていることを妨げるものではない。T細胞以外の細胞は4型葉酸受容体の発現量が低いので、本発明において、T細胞以外の細胞が被験体である細胞群に含まれていても、Treg細胞の検出の精度に悪影響は殆どない。
【0012】
本発明のTreg細胞の検出方法において、T細胞の表面の4型葉酸受容体の発現量の測定は、公知の方法に従って行うことができる。かかる測定方法としては、例えば、抗原抗体反応を利用する方法;4型葉酸受容体に対するリガンドを利用する方法;in situ ハイブリダイゼーションの手法を利用する方法等が挙げられる。
【0013】
上記の抗原抗体反応を利用する方法によるT細胞の表面の4型葉酸受容体の発現量の測定は、具体的には、抗4型葉酸受容体抗体を用いて、これを被験体であるT細胞群中のT細胞の4型葉酸受容体と抗原抗体反応させ、4型葉酸受容体に結合した該抗体を検出することにより行うことができる。
【0014】
ここで使用される抗4型葉酸受容体抗体は、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の別を問わないが、好ましくはモノクローナル抗体である。抗4型葉酸受容体ポリクローナル抗体は、4型葉酸受容体又はTreg細胞を免疫原として、マウス、ハムスター、ウサギ等の哺乳動物を免疫し、該免疫動物から常法に従って回収することにより得ることができる。また、抗4型葉酸受容体モノクローナル抗体は、該抗体を産生する該ハイブリドーマ細胞を培養することにより得ることができる。抗4型葉酸受容体モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞は、4型葉酸受容体、4型葉酸受容体発現細胞、又はTreg細胞で免疫した動物から抗4型葉酸受容体モノクローナル抗体産生細胞を回収し、細胞融合法によりミエローマ細胞と融合させることにより調製できる。これらの技術は当該技術分野では確立された方法である。なお、マウス由来の4型葉酸受容体に対する抗体を産生するマウス-ラットハイブリドーマとして、TH6細胞株(FARM AP-20509)が、独立行政法人産業技術総合研究所 微生物寄託センターに寄託されている。
【0015】
また、上記抗4型葉酸受容体抗体の代わりに、該抗体のFabフラグメントやF(ab')2フラグメント等の抗4型葉酸受容体結合性フラグメントを使用することもできる。これら4型葉酸受容体結合性フラグメントは、公知の方法で製することができる。
【0016】
上記抗体又はそのフラグメントは、その検出の為に、通常の標識物質によって、直接的に修飾されていてもよいし、また標識物質を結合させた第二抗体を介して間接的に修飾することもできる。
【0017】
上記抗体の標識に使用される標識物質としては、特に制限されないが、例えば、125I、3H、14C等の放射性同位元素類;アルカリホスファターゼ、パーオキシダーゼ等の酵素;フィコエリスリン(PE)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(RITC)等の蛍光物質;ビオチン等が挙げられる。これらの標識物質による標識は、公知の方法に従って行うことができる。
【0018】
上記の抗原抗体反応を利用する方法において、抗原抗体反応の反応条件については、通常の条件に従って適宜設定することができる。また、4型葉酸受容体に結合した上記抗体を検出する方法についても、該抗体の標識物質の種類に応じて適宜設定される。
【0019】
4型葉酸受容体に対するリガンドを利用する方法によるT細胞の表面の4型葉酸受容体の発現量の測定については、上記の抗原抗体反応を利用する方法において、抗体の代わりに4型葉酸受容体に対するリガンドを使用することにより実施することができる。ここで、4型葉酸受容体に対するリガンドとしては、特に制限されず、公知のもの又は公知の方法で取得されたものを使用することができる。また、かかる方法における各種の条件も、使用するリガンドの種類や標識物質の種類に応じて適宜設定することができる。
【0020】
また、in situ ハイブリダイゼーションの手法を利用する方法によるT細胞の表面の4型葉酸受容体の発現量の測定は、一般的な方法に従って行うことができる。具体的には、4型葉酸受容体のmRNAに対する標識プローブを用いて、被験T細胞内で4型葉酸受容体のmRNAとハイブリダイズさせ、これを検出することにより行うことができる。in situ ハイブリダイゼーションにおいて使用される標識プローブは、4型葉酸受容体のmRNAに特異的な相補配列を有し、検出が容易なように標識物質が結合されてなるものである。当該プローブについては、他のRNAとの交差反応性の低い塩基配列であることが望ましく、例えば、公知の4型葉酸受容体cDNAを切断することにより製することができる。プローブの標識に使用される標識物質としては、特に制限されないが、例えば、125I、3H、14C等の放射性同位元素;FITC、RITC等の蛍光物質;ジコキシゲニン;ビオチン等が例示される。これらの標識物質のプローブへの結合は、当業界で公知の方法に従って行われる。また、in situ ハイブリダイゼーションにおいて、被験T細胞の前処理(固定化)条件、ハイブリダイゼーションの条件、標識物質の検出条件等については、当業界で公知の方法に従って適宜設定することができる。
【0021】
上記の4型葉酸受容体の発現量の測定方法の内、好ましくは、抗原抗体反応を利用する方法及び4型葉酸受容体に対するリガンドを利用する方法であり、これらの方法によれば、被験T細胞群を生きた状態のままで該発現量の測定を行うことが可能になる。中でも特に好ましくは、抗原抗体反応を利用する方法であるである。
【0022】
斯くして測定されたT細胞の4型葉酸受容体の発現量を指標として、Treg細胞がナイーブT細胞及び活性化T細胞と区別されて検出される。即ち、被験体である細胞群において、4型葉酸受容体の発現量に基づいて、(1)Treg細胞の細胞集団、及び(2)活性化T細胞の細胞集団及び/又は(3)ナイーブT細胞の細胞集団の2又は3つの細胞集団;或いは、(1)Treg細胞の細胞集団、及び(2)活性化T細胞とナイーブT細胞が混在する細胞集団の2つの細胞集団が検出される。ここで、4型葉酸受容体の発現量が多い順に、Treg細胞、活性化T細胞、ナイーブT細胞であり、上記のように検出される細胞集団の内、4型葉酸受容体の発現量が最も多い細胞集団を構成する細胞がTreg細胞である。
【0023】
また、被験体である細胞群において、Treg細胞、活性化T細胞、ナイーブT細胞の順で、CD25の発現量が多い傾向にあるので、本発明の検出方法において、4型葉酸受容体の発現量と共に、CD25の発現量を指標とすることにより、Treg細胞、活性化T細胞、及びナイーブT細胞のそれぞれの区別化を一層明確に行うことが可能になる。即ち、4型葉酸受容体の発現量とCD25の双方の発現量を指標とすることにより、被験体であるT細胞群を、Treg細胞の細胞集団、活性化T細胞の細胞集団、及びナイーブT細胞の細胞集団の3つの細胞集団に峻別することができる。なお、ここで、CD25の発現量の測定は、抗CD25抗体を使用する方法等の公知の方法に従って行うことができる。
【0024】
被験体である細胞群からTreg細胞の単離は、公知の方法で実施できる。好適な単離方法の一例として、ソーティング機能を備えるフローサイトメーターにより、4型葉酸受容体の発現量に基づいて、被験細胞群からTreg細胞を単離する方法が例示される。また、その他、磁気ビーズを利用して被験細胞群からTreg細胞を単離する方法も例示される。
【0025】
本発明の方法によれば、Treg細胞を単離して、Treg細胞と活性化T細胞とを分離することができるので、Treg細胞と活性化T細胞とを区別化して臨床的に応用することが可能となる。
【0026】
例えば、悪性腫瘍や感染症等の疾患を患っている患者から、T細胞を含む細胞群を採取し、必要に応じて該細胞群を抗原刺激して活性化T細胞を誘導した後に、本発明の方法によってTreg細胞を除いた細胞群を再度、当該患者に移植することにより、患者体内で活性化T細胞の作用を効果的に発現させて該疾患を治療することができる。
【0027】
また、例えば、臓器移植後の患者や自己免疫疾患の患者から、T細胞を含む細胞群を採取し、必要に応じて該細胞群を抗原刺激してTreg細胞を誘導した後に、本発明の方法によって単離したTreg細胞を再度、当該患者に移植することにより、患者体内でTreg細胞の作用を効果的に発揮させて、免疫抑制作用や自己免疫疾患の治癒作用を高めることができる。
【0028】
また、前述するように、抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性フラグメントを使用することにより、Treg細胞と活性化T細胞とを区別して、Treg細胞を特異的に検出することができる。故に、更に、本発明は、抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性フラグメントを含有する、Treg細胞の検出用試薬を提供する。
【0029】
(II)免疫賦活剤
前述のTreg細胞の検出用試薬として使用される抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性フラグメントは、生体内でTreg細胞に結合して該細胞を選択的に減じさせ、活性化T細胞の作用を効果的に発揮させることができる。故に、本発明は、更に、抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性フラグメントを有効成分として含む免疫賦活剤を提供する。
【0030】
当該免疫賦活剤をヒトに適用する場合、有効成分である抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性フラグメントは、ヒトに対する異種抗原性を低下させるために人為的に改変した遺伝子組換え型抗体(例えば、キメラ抗体、ヒト型化(Humanized)抗体)、又はこれらの抗体のフラグメントであることが望ましい。これらの改変抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。ここで、キメラ抗体とは、ヒト以外の哺乳動物由来抗体の可変領域とヒト抗体由来の定常領域とからなる抗体である。また、ヒト型化抗体とは、ヒト以外の哺乳動物由来抗体の相補性決定領域と、ヒト抗体由来のフレームワーク領域及びC領域とからなる抗体である。
【0031】
当該免疫賦活剤は、抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性フラグメントと共に、薬学的に許容される基材や担体を混合して製剤化されることにより調製される。当該免疫賦活剤の形態については、特に制限されないが、好適な形態の一例として、注射剤が挙げられる。
【0032】
当該免疫賦活剤の投与量は、生体内で免疫を賦活するのに有効な量であり、患者の年齢、性別、投与方法、疾患の種類等に応じて適宜設定される。当該免疫賦活剤の投与量の一例として、成人1日当たり、抗4型葉酸受容体抗体又は4型葉酸受容体結合性フラグメントが約1~5000mg、好ましくは約3~3000mgとなる量が挙げられる
当該免疫賦活剤の投与経路としては、例えば皮下、筋肉内、腹膜内、腹腔内、胸膜内、胸腔内、静脈内等が挙げられる。
【0033】
当該免疫賦活剤は、悪性腫瘍、感染症等の治療に有効である。中でも、特に当該免疫賦活剤は、腫瘍悪性腫瘍に対する治療効果に優れており、腫瘍治療剤として有用である。
【発明の効果】
【0034】
本発明のTreg細胞の検出、単離方法によれば、細胞表面の4型葉酸受容体の発現量を指標とすることにより、Treg細胞を活性化T細胞やナイーブT細胞から区別して検出し単離できる。従って、本発明の方法を臨床的に応用することによって、患者からTreg細胞を選択的に除去したり、Treg細胞を選択的に収集して患者に移植することが可能になるので、臓器移植時の免疫抑制や悪性腫瘍に対する細胞療法等に有用である。
【0035】
また、本発明の免疫賦活剤は、生体内でTreg細胞に結合し、該細胞を選択的に減じさせて、活性化T細胞の作用を効果的に発揮させることができる。本発明の免疫賦活剤は、特に悪性腫瘍や感染症等の疾患に対する治療効果に優れており、これらの疾患の治療剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に、参考例、実施例等に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
参考例1 抗4型葉酸受容体抗体を産生するマウスハイブリドーマ細胞の調製
まず、免疫原となるCD25+CD4+T細胞株を以下の方法に従って作製した。即ち、正常BALB/cマウス由来脾臓・リンパ節細胞を、ハイブリドーマJ11D(抗HSA抗体産生細胞、American type culture collectionより購入)の培養上清(1/8希釈)及びハイブリドーマ3.155(抗CD8抗体産生細胞、American type culture collectionより購入)の培養上清(1/10希釈)を含むRPMI培地に入れ、氷上30分静置した後、これを、抗ラットIgGヤギ抗体(ICN Pharmaceuticals社製、5μg/ml希釈を5ml/dish)でコートした10cmディッシュ(1匹あたり2枚)に入れて4℃で30分インキュベートし、パニング法により、浮遊細胞をCD4+細胞が豊富な細胞群として回収した。次いで、回収した細胞群に対して、ビオチン標識抗CD25抗体(クローン名7D4、PharMingen社製、1/200希釈)、PE標識streptavidin(PharMingen社製、1/400希釈)、MACSビーズ標識抗PE抗体(Miltenyi Biotec社製、1/10希釈)の順で、各氷上で30分反応した後、磁気ビーズカラムを2回通した陽性分画としてCD25+CD4+細胞群を取得した。かくして得られた細胞群を、抗CD3抗体(ハイブリドーマ2C11の培養上清10%容量;ハイブリドーマ2C11はAmerican type culture collectionより購入)、インターロイキン2(IL-2)(シオノギ製薬より分与、200 U/ml)、及び15Gy放射線照射した脾細胞と共に、共培養を繰り返し行って刺激することにより、CD25+CD4+T細胞株を得た。
【0037】
上記で得られたCD25+CD4+T細胞株5×106個を、ラット(Wister rat;日本クレア社製)に対して2週間おきに3回腹腔内注射することで免疫した。最終注射の3日後にラットの脾臓細胞を回収し、P3U1マウス骨髄腫細胞(順天堂大学より分与)とPolyethyleneglycol 4000(Merck社, 1 g/ml)を用いて細胞融合させた。ハイブリドーマのスクリーニングはその培養上清がCD25+CD4+細胞をCD25-CD4+細胞より強く染色できるかをFACSで調べることにより行った。詳細にはBALB/cマウスからパニング法により回収したCD4+リンパ球を、各培養上清と反応させた後、FITC標識抗ラットIgGマウス抗体F(ab’)2断片(Jackson ImmunoResearch社製、1/1000希釈)を反応させ、ラット血清(1/50希釈)でブロッキングした後にPE標識抗CD25抗体(クローン名PC61、PharMingen社)を反応させ、FACSキャリバーにより解析した。
【0038】
斯くして、マウスハイブリドーマTH6細胞株(FARM AP-20509)を得た。
【0039】
参考例2 抗4型葉酸受容体抗体(TH6抗体)の製造
上記参考例1で得られたマウスハイブリドーマTH6細胞株の5×10個を、免疫不全マウスであるSCIDマウス(日本クレア社製)の腹腔内へ注入し、10日後から腹水を採取した。採取した腹水を遠心分離し、次いで0.45μmフィルター(Millipore社製)を通すことで細胞成分等を除き、Protein Gカラム(Amersham Biosciences社製)を用いてモノクローナル抗体(TH6抗体)を精製した。カラムからの溶出は0.1Mグリシン-HCl pH2.7で行い、透析膜(Spectrum Laboratories, MWCO 12-14000)を用いてPBSに透析後、0.2μmのフィルター(Millipore社)を通して精製抗体とした。
【0040】
参考例3 抗4型葉酸受容体抗体(TH6抗体)の反応特異性
ヒトHEK293T由来細胞株Plat-E細胞(東京大学医科学研究所より分与)に、マウス4型葉酸受容体(FLR4)の全長cDNAを組み込んだpMXSベクター(東京大学医科学研究所より分与)又は空のpMXSベクターをFugene 6(Roche Molecular Biochemicals)を用いてトランスフェクションした。この細胞1×108cells/mlに対して、ビオチン標識のTH6抗体(Amersham biotinization kitにより標識した)又はビオチン標識IgG2b (PharMingen社製)を1μg/mlとなるように添加して、氷上30分反応し、洗浄後にPE標識streptavidin(PharMingen社製)を0.5μg/mlとなるように添加して氷上30分反応を行い、FACS解析した。
【0041】
得られた結果を図1に示す。図1中、左図に、TH6抗体を使用した場合の結果を示し、右図に、IgG2b(コントロール)を使用した場合の結果を示す。また、図1中、FLR4遺伝子導入細胞(図1中、FLR4と表記)を実線で、空ベクターのみを導入した細胞(図1中、Mockと表記)を影付きで示す。図1に示すように、参考例2で得られたTH6抗体は、FLR4遺伝子導入細胞に対して特異的に結合しており、この結果から、TH6抗体は、FLR4に対して特異的に結合する抗体であることが確認された。
【0042】
参考例4 胸腺細胞及びリンパ節細胞における4型葉酸受容体の発現の確認
<胸腺細胞における4型葉酸受容体の発現の確認>
BALB/cマウスから回収した胸腺細胞1×109cells/mlに、ビオチン標識のTH6抗体(Amersham biotinization kitにより標識した)又はビオチン標識IgG2b (PharMingen社製)を1μg/mlとなるように添加して、氷上30分反応を行った。次いで、FITC標識抗CD4抗体(PharMingen社製)、PE標識抗CD8抗体(PharMingen社製)及びAPC標識Streptavidin(PharMingen社製)をそれぞれ0.4μg/mlとなるように添加して氷上30分反応後、FACS解析を行った。
【0043】
得られた結果を図2に示す。図2では、CD8+CD4-(左上)、CD8+CD4+(右上)、CD8-CD4-(左下)、CD8-CD4+(右下)の各細胞群におけるAPCの蛍光輝度について、TH6抗体を使用した場合を実線で、IgG2b(コントロール)を使用した場合を影付きで示す。この結果から、胸腺細胞では、CD8-CD4+細胞分画中に4型葉酸受容体を発現している細胞の比率が高いことが明らかとなった。
【0044】
<リンパ節細胞における4型葉酸受容体の発現の確認>
BALB/cマウスから回収したリンパ節細胞1×108cells /mlに、ビオチン標識のTH6抗体(Amersham biotinization kitにより標識した)又はビオチン標識IgG2b(PharMingen社製)を1μg/mlとなるように添加して、氷上30分反応を行った。次いで、FITC標識抗CD4抗体(PharMingen社製)、FITC標識抗CD8抗体(PharMingen社製)、又はFITC標識抗B220抗体(PharMingen社製)を0.4μg/mlとなるように添加すると共に、APC標識Streptavidin(PharMingen社製)を0.4μg/mlとなるように添加して氷上30分反応後、FACS解析を行った。
【0045】
得られた結果を図3に示す。図3では、CD4+(左上)、CD8+(左下)、B220+(右上)の各細胞群におけるAPCの蛍光輝度について、TH6抗体を使用した場合を実線で、IgG2b(コントロール)を使用した場合を影付きで示す。この結果から、リンパ節細胞では、CD8+細胞やB細胞に比べて、CD4+細胞において高い割合で4型葉酸受容体が発現していることが明らかとなった。
【0046】
実施例1-1 Treg細胞の検出
BALB/cマウスのリンハ゜節・脾臓中からパニング法によりCD4+細胞群を回収し、このCD4+細胞(1×106~2.5×106cells/ml)に対して、C57/Bl/6マウスの脾臓細胞を15Gy放射線照射した細胞を抗原提示細胞(APC)として等量加え、更にIL-2 (添加後濃度50 U/ml)を加えることにより刺激を行い、37℃で9日間培養した。
【0047】
上記刺激前後のCD4+細胞群を被験体として、以下の方法によりTreg細胞の検出を行った。
【0048】
CD4+細胞を2×108cells /mlの濃度で含む細胞含有液に、Alexa Fluor488標識TH6抗体(Molecular Probes社製、Alexa Fluor 488 Monoclonal antibody labeling kitにより標識)を1μg/ml、PE標識抗CD25抗体(PharMingen社製)を2μg/ml、及びCyCrome標識抗CD4抗体(PharMingen社製)を0.4μg/mlとなるようにそれぞれ添加して、氷上30分反応後、FACS解析を行った。
【0049】
得られた結果を図4に示す。図4中、左図には、刺激前のCD4+細胞群を被験体とした際の結果を、右図には、刺激後のCD4+細胞群を被験体とした際の結果をそれぞれ示す。図4の左右の図において、縦軸はPEの蛍光輝度であり、横軸はAlexa Fluor488の蛍光輝度である。図4から分かるように、Treg細胞であるCD25+CD4+細胞は、CD25CD4+細胞に比べて4型葉酸受容体の発現量が多いことが確認された。
【0050】
本結果から、抗原刺激前のCD4+細胞群は、4型葉酸受容体とCD25共に高発現の細胞集団、及び4型葉酸受容体中から低等度CD25低発現の細胞集団の2分画に分かれることが確認された。また、抗原刺激後のCD4+細胞群は、4型葉酸受容体とCD25共に高発現の細胞集団、4型葉酸受容体中等度CD25高から中等度発現の細胞集団、及び4型葉酸受容体とCD25低発現の細胞集団の3分画に分かれることが確認された。
【0051】
実施例1-2 Treg細胞の検出
Thy1.2陽性のBALB/cマウス1匹から磁気ビーズ法MACSにより回収したCD25+CD4+細胞、及びThy1.1陽性のBALB/cマウス1匹から磁気ビーズ法MACSにより回収したCD25-CD4+細胞を用いて以下の試験を行った。即ち、CD25+CD4+細胞及びCD25-CD4+細胞を混合したものを被験細胞群として、上記実施例1-1と同様の方法で、抗原刺激を行った。刺激前及び刺激後9日目(右)の細胞群(5×107cells/ml)に、ビオチン標識抗Thy1.2抗体(PharMingen社製)を0.2μg/mlとなるように添加して、氷上30分反応させた。次いで、Alexa Fluor488標識TH6抗体(Molecular Probes社製、Alexa Fluor 488 Monoclonal antibody labeling kitにより標識を1μg/ml、PE標識抗CD25抗体(PharMingen社製)を2μg/ml、APC標識抗CD4抗体(PharMingen社製)を0.25μg/ml、及びPerCpCy5.5標識streptavidin(PharMingen社製)を0.4μg/mlとなるようにそれぞれ添加して氷上30分反応させ、FACS解析した。
【0052】
得られた結果を図5に示す。図5中、左図には、刺激前のCD25+CD4+細胞及びCD25-CD4+細胞の混合細胞群を被験体とした際の結果を、右図には、刺激後の該混合細胞群を被験体とした際の結果をそれぞれ示す。図5の左右の図において、Thy1.2陽性細胞を黒色のドットとして表示し、Thy1.2陰性細胞を灰色のdotとして表示し、また縦軸はPEの蛍光輝度であり、横軸はAlexa Fluor488の蛍光輝度である。この結果から、CD25+細胞由来の細胞は、刺激後には4型葉酸受容体及びCD25共に高発現の細胞になることが明らかとなった。
【0053】
実施例2 Treg細胞の分離
<4型葉酸受容体の発現量に基づく細胞の分離>
BALB/cマウスの脾臓・リンパ節からパニング法によりCD4+細胞を回収し、該細胞(2×108cells/ml)に、Alexa Fluor488標識TH6抗体(Molecular Probes社製、Alexa Fluor 488 Monoclonal antibody labeling kitにより標識)を1μg/ml、PE標識抗CD25抗体(PharMingen社製)を2μg/ml、及びCyChrome標識抗CD4抗体(PharMingen社製)を0.4μg/mlとなるようにそれぞれ添加して氷上30分反応させ、FACS解析した(図6の左図)。
【0054】
また、BALB/cマウスの脾臓・リンパ節からパニング法により回収したCD4+細胞(2×106cells/ml)に、C57/Bl/6マウスのAPC(15Gy X線照射した脾臓細胞)を2×106cells/mlとなるように加え、更にIL-2を50U/mlとなるように加えて9日間37℃で培養した。細胞からLympholyte-M(Cedarlane社)を用いた比重遠心法により死細胞を除いた細胞群に対して、抗Fc受容体抗体(ハイブリドーマ2.4G2細胞の培養上清;該ハイブリドーマ細胞はAmerican type culture collectionより購入)と氷上30分反応させた後、上記と同様の方法で、4型葉酸受容体及びCD25の発現量についてFACS解析した(図6の右図)。
【0055】
斯くして4型葉酸受容体とCD25の発現量を測定したCD4陽性細胞を、図6に示すa~eの細胞集団に区分化し、各々の細胞集団をMoflow (Dako Cytomation)を用いて95%以上の純度で分離した。
【0056】
<a~eの各細胞集団におけるfoxp3遺伝子の発現量の測定>
上記で得られたa~eの各細胞集団に含まれる細胞におけるfoxp3遺伝子の発現量をリアルタイムPCR法により定量し、内部標準HPRTのmRNA量に対する比率を算出した。
【0057】
定量の方法は、約5×105個の分離した細胞からIsogen(日本ジーン社製)を用いてRNAを抽出し、SuperscriptII reverse-transcriptaseとoligo(dT)12-18 primer(Invitrogen)を用いて逆転写することにより、cDNAを得た。リアルタイムPCRは、ABI/PRISM770 sequence detection system (PE Applied Biosystems)を用いた。プライマーとプローブはFoxp3 primers: 5’-CCC AGG AAA GAC AGC AAC CTT-3’ and 5’-TTC TCA CAA CCA GGC CAC TTG-3’; Foxp3 probe: 5’-FAM-ATC CTA CCC ACT GCT GGC AAA TGG AGT C-3’; HPRT primers: 5’-TGA AGA GCT ACT GTA ATG ATC AGT CAA C-3’ and 5’-AGC AAG CTT GCA ACC TTA ACC A-3’; HPRT probe: 5’-VIC-TGC TTT CCC TGG TTA AGC AGT ACA GCC C-3’であり、intron/exon境界に設計した。QuantiTect Probe PCR kit (Qiagen社製)を用い、0.4μMのプライマーと0.2μMのTaqMan probeの濃度で、95℃10分の後、95℃15秒と60℃60秒のサイクルを40回繰り返す反応を各サンプルにつきトリプリケイトで行った。各サンプルのFoxp3及びHPRTのmRNA量の相対量をトリプリケイトの平均値として算出し、Foxp3 mRNA量をHPRT mRNA量で除した値(Foxp3/HPRT比)を算出し、Aの細胞集団の値を100として、各分画でのFoxp3/HPRT比の相対値を求めた。
【0058】
得られた結果を図7に示す。この結果から、cの細胞集団は、Treg細胞に特異的なマーカーであるfoxp3をaの細胞集団と同程度に高発現しており、Treg細胞から構成される細胞集団であることが確認された。この結果からも、4型葉酸受容体の発現量を指標として、Treg細胞を特異的に検出、分離可能であることが確認された。
【0059】
<a~eの各細胞集団に対するallo抗原による再刺激>
上記で得られたa~eの各細胞集団における細胞(1×104個)をc57/Bl/6マウスのAPC(脾臓細胞に15Gy X線照射した細胞、1×105個)と96穴U底プレートで共培養し5及び7日間37℃で培養した。培養終了前6時間の3H thymidine (1μM Ci/well)の取り込みを測定した。duplicateの平均値を標準偏差と共に示した。
【0060】
得られた結果を図8に示す。この結果から、4型葉酸受容体高発現細胞(a及びcの細胞集団)はallo抗原による再刺激に対して無反応性である一方、刺激後の4型葉酸受容体中等度・CD25中等度発現細胞(dの細胞集団)は再刺激に対して早期より高い増殖反応を示した。また、CD25低発現細胞(b及びeの細胞集団)は、早期では低い増殖反応性しか示さないが、後期には増殖反応性を示す傾向が見られた。この結果から、a及びcの細胞集団はTreg細胞、dの細胞集団は活性化T細胞、b及びeの細胞集団はナイーブT細胞であることが確認された。
【0061】
<免疫応答抑制活性の測定>
bの細胞集団(5×104cells/ml)に、a又はcの細胞集団を1×104cells/ml(図9中、1/5と表記)又は2.5×103cells/ml(図9中、1/20と表記)となるように加えて、C57/Bl/6マウス由来のAPC(1×105cells/ml)で7日間37℃で培養し、培養終了前6時間の3H thymidine (1 μM Ci/well)の取り込みを測定した。duplicateの平均値を標準偏差と共に示した。また、比較のために、a又はcの細胞集団を添加しなかったもの(図9中、右から2番目にbとして表記する)、及びa~cの細胞集団を一切加えなかったもの(図9中、右端に-として表記する)についても、同様に測定を行った。
【0062】
得られた結果を図9に示す。この結果から、cの細胞集団は、aの細胞集団(即ち、通常マウス中のTreg細胞)以上に、強い免疫応答抑制活性を持っていることが明らかとなった。
【0063】
<皮膚移植片の生着延長に対する作用の測定>
T細胞を欠損しているBALB/cヌードマウスにC57/Bl/6マウスの皮膚片を移植し、創部が治癒した2週間以降に、1×105個のa、c又はdの各細胞集団の細胞を2×105個のBALB/c T細胞(脾臓・リンパ節細胞よりJ11d陽性細胞をパニングにより除いた細胞群;未刺激の細胞(Fresh T cells))と共に静脈内注射した。移入日をday 0として皮膚片の拒絶が観測されるまでの日数を示した。また、比較として、上記BALB/c T細胞(未刺激のT細胞;Fresh T cells)を単独で静脈内注射した場合についても、同様に試験を行った。
【0064】
得られた結果を図10に示す。この結果から、a及びcの細胞集団の細胞を用いることでallo皮膚移植片の生着延長を誘導できることが確認された。
【0065】
実施例3 抗4型葉酸受容体抗体(TH6抗体)がTreg細胞に及ぼす効果
<試験1>
参考例2で製したモノクローナル抗体(TH6抗体)又はそのFab断片の30μgを300μlのPBS(pH7.2)に希釈したものをBALB/cマウスに静脈内投与した。投与4日後に、該マウスからリンパ節細胞を採取した。得られたリンパ節細胞に対して、抗Fc受容体抗体でブロッキングした後、FITC標識抗CD4抗体及びPE標識CD25抗体を反応させて、FACS解析を行った。また、比較として、BALB/cマウスにPBSのみを投与したものについても、同様に試験を行った。なお、本試験で使用したTH6抗体のFab断片は、ImmunoPure Fab Preparation Kit (Pierce社製)を用いて作製後、PBSに透析することにより製した。
【0066】
得られた結果を図11に示す。この結果から、4型葉酸受容体に対する抗体、またはそのFab断片を投与することにより、CD25+CD4+細胞(即ちTreg細胞)を減じることができることが明らかとなった。
【0067】
<試験2>
参考例2で製したモノクローナル抗体(TH6抗体)又はラットIgG(シグマ社製)の1~100μgをBALB/cマウスに静脈内投与した。投与4日後に、該マウスから末梢血を採取し、赤血球を溶血した後、上記試験1と同様にCD25及びCD4を染色し、FACS解析を行った。
【0068】
得られた結果を図12に示す。図12には、前方散乱光(FSC)と後方散乱光(SSC)により区分されるリンパ球分画中、CD25+CD4+細胞分画の割合(上図)及びCD4+細胞分画の割合(下図)の平均値を標準偏差と共に示す。図12に示すように、TH6抗体投与によりCD25+CD4+細胞は用量依存的に1/5にまで低下した。一方、CD4+細胞も用量依存的に半分近くにまで減少したが、CD25+CD4+細胞に比べて減少の割合は軽度であった。この試験結果からも、TH6抗体は、生体内でCD25+CD4+細胞を選択的に減じ得ることが確認された。
【0069】
<試験3>
BALB/cマウスの生後10及び20日目に、参考例2で製したモノクローナル抗体(TH6抗体)又はラットIgG(シグマ社製)の100μgを腹腔内投与した。最終投与から3ヶ月後に、該マウスから血清と胃を採取した。
【0070】
マウスから採取された血清については、抗胃壁細胞自己抗体価をELISA法により測定した。96穴平底のELISA plate(ICN社製、Limbro/Titertek plate)にBALB/cマウスの胃粘膜側の細胞溶解液をPBSで1/1000希釈して一晩コートし、0.05%Tween-20/PBSで洗浄後、1%BSA/PBSで室温1時間blocking後、1%BSA/PBSを用いて1/20に希釈した血清サンプルを室温1時間反応させた。次いで、0.05%Tween-20/PBSで洗浄した後、ALP標識抗マウスIgG(シグマ社製、1/1000希釈)で室温1時間反応させた。その後、0.05%Tween-20/PBSで洗浄し、更に10重量%ジエタノールアミン溶液(pH9.8)で溶解したALP substrate(シグマ社製、1mg/ml)を添加して30分反応させ、OD405nmを測定した。
【0071】
得られた結果を図13に示す。図13中、各●印が各マウス血清での測定値を示す。図中の線は正常BALB/cマウスから採取した血清で測定したOD405nm値の平均値を示す。この結果から、TH6抗体を投与したマウス全例において、高値の抗胃壁細胞自己抗体が産生されていることが明らかとなった。
【0072】
また、マウスから採取された胃については、10%ホルマリンで固定し、薄切後、HE(ヘマトキシリン-エオジン)染色し、顕微鏡で観察した(図14)。TH6抗体を投与したマウスでは、胃壁の肥厚と胃壁細胞(濃い赤で染まる基底部にある細胞)の消失、リンパ球の浸潤が認められた。また、TH6抗体を投与したマウスでは自己免疫性胃炎が誘導されていた。
【0073】
<総合考察>
TH6抗体の投与により、生体内でTreg細胞を除くことができ、自己免疫疾患を発症させることができた。また、補体等と結合する部位であるFc部分を欠いたTH6のFab断片でも完全型抗体と同様にTreg細胞を減少させたことから、4型葉酸受容体がTreg細胞の生存に必須であり、TH6抗体がその機能を阻害している可能性が高いことが示された。つまり、FLR4の機能を阻害することによってもTreg細胞を減少させることができる可能性がある。
【0074】
実施例4 抗4型葉酸受容体抗体(TH6抗体)の腫瘍治療効果-1
<試験A>
線維芽細胞腫Meth A細胞(岡山大学より分与)2×105個をBALB/cマウスに皮下接種し、同日に参考例2で製したモノクローナル抗体(TH6抗体)又はラットIgG(シグマ社製)の100μgを静脈内投与した。投与後、約4日おきに腫瘍の長径と短径を測した。
【0075】
図15のAに、各マウスでの平均腫瘍径の推移(上段)、及び腫瘍接種後の生存率(下段)を示す。但し、マウスの生存の判定において、平均腫瘍径が15mmを超えた時点で死亡とみなした。図15のAから分かるように、IgG投与群では12匹中3匹で腫瘍が生着しなかったが、TH6抗体投与群では12匹中全例で腫瘍拒絶された。
【0076】
<試験B>
線維芽細胞腫Meth A細胞(岡山大学より分与)2×105個をBALB/cマウスに0日目に皮下接種し、8日目の時点で腫瘍径が4mm以上となったマウスに対して、8、12、及び16日目の計3回、参考例2で製したモノクローナル抗体(TH6抗体)又はラットIgG(シグマ社製)を10μgずつ静脈内投与した。
【0077】
図15のBに、各マウスでの平均腫瘍径の推移(上段)、及び腫瘍接種後の生存率(下段)を示す。IgGを投与したマウスでは16匹中1例を除いて腫瘍死したが、TH6抗体を投与したマウスでは16例中9例で腫瘍拒絶された。この結果から、触知可能なMeth A腫瘍に対しても、TH6抗体の投与は有効であることが確認された。
【0078】
<試験C>
大腸癌Colon 26細胞(東北大学加齢医学研究所より分与)2×105個をBALB/cマウスに0日目に皮下接種し、8日目の時点で腫瘍径が3mm以上となったマウスに対して、8、12、及び16日目の計3回、参考例2で製したモノクローナル抗体(TH6抗体)又はラットIgG(シグマ社製)を10μgずつ静脈内投与した。
【0079】
図15のCに、各マウスでの平均腫瘍径の推移(上段)、及び腫瘍接種後の生存率(下段)を示す。IgGを投与したマウスでは8匹中1例を除いて腫瘍死したが、TH6抗体を投与したマウスでは8例中5例で腫瘍拒絶された。
【0080】
<試験C総合考察>
抗CD25抗体の投与によりTreg細胞を減少させる方法は腫瘍接種以前の投与では効果を認めるものの、腫瘍接種後の投与では効果がないことが知られている。これはCD25がTreg細胞のみならず活性化T細胞でも高発現しているためと考えられる。
【0081】
これに対して、TH6抗体を投与することによって、触知可能腫瘍をも半数以上で治癒させることができた。これは、TH6抗体の作用によって、活性化T細胞を除かずにTreg細胞のみを除くことができたためであると考えられる。
【0082】
実施例5 抗4型葉酸受容体抗体(TH6抗体)の腫瘍治療効果-2
<試験I>
線維芽細胞腫Meth A細胞(岡山大学より分与)2×105個をBALB/cマウスの背部に接種した後、免疫応答を高めるために抗GITR抗体(DTA-1抗体;マウスハイブリドーマDTA-1細胞を用いて製造;マウスハイブリドーマDTA-1細胞は京都大学再生医科学研究所にて保管)30μgを静脈内投与した。当該マウスから鼡径及び腋下リンパ節と脾細胞を採取し、これを、マイトマイシンC処理により細胞分裂を停止させたMeth A細胞(リンパ球の1/25~1/5細胞数)と共培養し、培養6日目より50 U/mlとなるようにIL-2を加え、9日目にLympholyte-Mを用いた比重遠心法により生細胞を回収した。得られた細胞(約5×107個)を、参考例2で製したTH6抗体(1μg/ml)を含む培地0.5ml又は培地0.5mlのみに加えて氷上30分インキュベートした後、これにウサギ由来補体含有液(Cedarlane社製、1バイアルを1ml 滅菌水に溶解後、2%FCS入りRPMI溶液で1/10に希釈)を5ml添加し、37℃で30分インキュベートした。補体処理前にTH6抗体を加えた群をTH6 high 除去群(TH6hi depleted)とし、TH6抗体を加えなかった群をwholeとした。洗浄後、約5×105個細胞を再度TH6抗体(5μg/ml)を含む培地50μl中でインキュベートした後、FITC標識抗ラット抗体(Jackson ImmunoResarch社製)を1μg/mlとなるように添加して、氷上30分反応させた。次いで、ラット血清により氷上20分ブロッキングした後に、PE標識抗CD25抗体(PharMingen社製)、APC標識抗CD4抗体(PharMingen社製)又はビオチン標識抗CD8抗体(PharMingen社製)を0.25μg/mlとなるように添加し、次いでAPC標識streptavidin(左より3番目図)を0.4μg/mlとなるように添加して、氷上30分反応した後、FACS解析した。
【0083】
得られた結果を図16に示す。図16中、左から、TH6抗体を加えなかった群(whole)、CD4+細胞、CD8+細胞、TH6 high 除去群(TH6hi depleted)について、それぞれ解析した結果を示す。また、図16中、縦軸はPEの蛍光輝度(CD25の発現量に相当)であり、横軸はFITCの蛍光輝度(4型葉酸受容体の発現量に相当)である。
【0084】
この結果から、腫瘍細胞で刺激した場合も、allo抗原で刺激した場合と同様に、4型葉酸受容体とCD25共に高発現;4型葉酸受容体中等度・CD25中から高発現;及び4型葉酸受容体とCD25共に低発現の3つの細胞集団に分けられることが確認された。4型葉酸受容体とCD25共に高発現の細胞群は、CD4+細胞に多く、CD8+細胞にはほぼ認められなかった。また、TH6抗体と補体で処理をすることにより、4型葉酸受容体とCD25共に高発現の細胞群を除去できることが確認された。
【0085】
<試験II>
上記試験Iで培養した細胞をTH6抗体による処理をしない群(Whole)と、TH6抗体及び補体で処理した群(TH6hi depleted)に分け、各群の2×106細胞ずつを、T細胞のないBALB/c ヌードマウスに移入した。その翌日(day 0)に、線維芽細胞腫Meth A細胞(岡山大学より分与)2×105個を上記マウスに対して皮下接種し、その後の腫瘍径の変化を計測した。
【0086】
得られた結果を図17に示す。各マウスでの平均腫瘍径の推移(左図)、及び腫瘍接種後の生存率(右図)を示す。但し、生存の判定において、平均腫瘍径が15mmを超えた時点又は高度の体重減少を認めた場合は、実際に死亡確認されていなくても死亡とみなした。
【0087】
<試験III>
上記試験IIにおいて、腫瘍接種後90日目又は死亡と見なされた時点で、マウスから血清を採取して、上記実施例3の試験3と同様の方法で、血清中の抗胃壁細胞自己抗体価を測定した。
【0088】
得られた結果を図18に示す。図18中の線は、正常BALB/cマウスから採取した血清で測定したOD405nm値の平均値を示す。この結果から、TH6抗体及び補体で処理した群(TH6hi depleted)を移入したマウスでは、TH6抗体による処理をしない群(Whole)に比べて、血清中の抗体価が高いことが明らかとなった。
【0089】
<総合考察>
培養した細胞群から4型葉酸受容体高発現細胞を除去した細胞群(TH6hi depleted)を移入したマウスでは、腫瘍の増殖は緩やかで12匹中5匹のマウスでは拒絶に至った。これに対して、培養後の細胞群全体(Whole)を移入した場合では、12匹中2~3匹のマウスで腫瘍の増殖が抑えられる傾向を認めたものの、その他のマウスでは無刺激のリンパ球を移入した場合と同程度に急速な腫瘍の増大を認めた。このことから、試験管内で抗腫瘍活性を持つT細胞を刺激増殖させた上で、活性化T細胞を残してTreg細胞を除くことにより、強い腫瘍免疫応答を誘導できたと考えられる。実際、4型葉酸受容体高発現細胞を除去した細胞群(TH6hi depleted)は、全例で抗胃壁細胞抗体を認め、抗体価も高い傾向にあり、重度の自己免疫病も誘導しやすいと考えられる。
【0090】
以上の結果から、試験管内で腫瘍に反応するT細胞を誘導した後に4型葉酸受容体高発現細胞を除去し、これを生体内に移入することによって腫瘍免疫活性を増強できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】参考例3の試験結果、即ちTH6抗体の反応特異性を示す図である。図1中、左図に、TH6抗体を使用した場合の結果を示し、右図に、IgG2b(コントロール)を使用した場合の結果を示す。また、図1中、FLR4遺伝子導入細胞(図1中、FLR4と表記)を実線で、空ベクターのみを導入した細胞(図1中、Mockと表記)を影付きで示す。図1の右及び左図において、横軸は細胞当たりのPE蛍光輝度を示し、縦軸は細胞数を示す。
【図2】参考例4において、胸腺細胞における4型葉酸受容体の発現量を測定した結果を示す図である。具体的には、図2には、CD8+CD4-(左上)、CD8+CD4+(右上)、CD8-CD4-(左下)、CD8-CD4+(右下)の各細胞群におけるAPCの蛍光輝度について、TH6抗体を使用した場合を実線で、IgG2b(コントロール)を使用した場合を影付きで示す。図2において、縦軸は細胞数を示し、横軸は細胞当たりのAPCの蛍光輝度を示す。
【図3】参考例4において、リンパ節細胞における4型葉酸受容体の発現量を測定した結果を示す図である。具体的には、図3には、CD4+(左上)、CD8+(左下)、B220+(右上)の各細胞群におけるAPCの蛍光輝度について、TH6抗体を使用した場合を実線で、IgG2b(コントロール)を使用した場合を影付きで示す。図3において、縦軸は細胞数を示し、横軸は細胞当たりのAPCの蛍光輝度を示す。
【図4】実施例1-1の試験結果、即ち、BALB/cマウスのリンハ゜節・脾臓中からパニング法により得られたCD4+細胞群の抗原刺激前後における各細胞のCD25と4型葉酸受容体の発現量を測定した結果を示す図である。図4中、左図には、抗原刺激前のCD4+細胞群を被験体とした際の結果を、右図には、抗原刺激後のCD4+細胞群を被験体とした際の結果をそれぞれ示す。図4の左右の図において、縦軸はPEの蛍光輝度であり、横軸はAlexa Fluor488の蛍光輝度である。
【図5】実施例1-2の試験結果、即ちCD25+CD4+細胞及びCD25-CD4+細胞の混合細胞群の抗原刺激前後における各細胞のCD25と4型葉酸受容体の発現量を測定した結果を示す図である。図5中、左図には、刺激前の該混合細胞群を被験体とした際の結果を、右図には、刺激後の該混合細胞群を被験体とした際の結果をそれぞれ示す。図5の左右の図において、Thy1.2陽性細胞を黒色のドットとして表示し、Thy1.2陰性細胞を灰色のdotとして表示し、また縦軸はPEの蛍光輝度であり、横軸はAlexa Fluor488の蛍光輝度である。
【図6】実施例2において、BALB/cマウスの脾臓・リンパ節由来のCD4+細胞における各細胞のCD25と4型葉酸受容体の発現量を測定した結果を示す図である。図6中、左図には、BALB/cマウスの脾臓・リンパ節由来のCD4+細胞に対して、抗原刺激することなく測定した結果を、右図には、該CD4+細胞に対して抗原刺激した後に測定した結果を示す。図6の左右の図において、縦軸はPEの蛍光輝度であり、横軸はAlexa Fluor488の蛍光輝度である。
【図7】実施例2において、図6に示すa~eの細胞集団の細胞について、foxp3遺伝子の発現量を測定した結果である。図7中、縦軸は、aの細胞集団のfoxp3遺伝子の発現量を100とした際のfoxp3遺伝子発現量の相対値を示す。
【図8】実施例2において、図6に示すa~eの細胞集団の細胞について、allo抗原による再刺激を行った際に、培養終了前6時間の3H thymidine (1 μM Ci/well)の取り込みを測定した結果である。図8中、縦軸は、放射物質量Cpm(Count per minute)を示す。
【図9】実施例2において、図6に示すa及びcの細胞集団の免疫応答抑制活性を測定した結果である。図9中、縦軸は、放射物質量Cpm(Count per minute)を示す。
【図10】実施例2において、図6に示すa、c及びdの細胞集団の細胞について、allo皮膚移植片の生着延長に対する作用を測定した結果である。図10中、横軸は試験開始後の日数であり、縦軸は移植した皮膚片が生着している個体の割合(Graft Survival)(%)である。
【図11】実施例3の試験1において、TH6抗体(左図)、PBS(中図)、又はTH6抗体のFab断片(右図)を静脈内投与したマウスから回収したリンパ節細胞について、CD25とCD4の発現量を測定した結果である。
【図12】実施例3の試験2において、TH6抗体又はラットIgGを静脈内投与したマウスから回収した末梢血について、CD25+CD4+細胞分画の割合(上図)及びCD4+細胞分画の割合(下図)を測定した結果である。
【図13】実施例3の試験3において、TH6抗体又はラットIgGを投与したBALB/cマウスの血清中の抗胃壁細胞自己抗体価を測定した結果である。図13中、縦軸はOD405nmの測定値;各●印は各マウス血清での測定値;図中の線は正常BALB/cマウス血清でのOD405nm値の平均値である。
【図14】実施例3の試験3において、TH6抗体又はラットIgGを投与したBALB/cマウスから採取した胃をHE染色して顕微鏡観察した際の顕微鏡写真図である。上図はTH6抗体を投与したマウスの胃の顕微鏡写真図であり、下図はラットIgGを投与したマウスの胃の顕微鏡写真図である。
【図15】実施例4において、抗4型葉酸受容体抗体(TH6)の腫瘍治療効果について、評価した結果である。図14中、Aには線維芽細胞腫Meth A細胞とTH6抗体又はラットIgGを同日に投与した際の結果;Bには、線維芽細胞腫Meth A細胞を投与して腫瘍径が4mm以上となったマウスに対して、TH6抗体又はラットIgGを投与した際の結果;Cには、大腸癌Colon 26細胞を投与して腫瘍径が3mm以上となったマウスに対して、TH6抗体又はラットIgGを投与した際の結果を示す。図15中、上段の図には、平均腫瘍径の推移(縦軸は平均腫瘍径、横軸は投与後日数;上段の上図はTH6抗体の投与の場合、上段の下図はラットIgGの投与の場合)を示し、下段の図には、腫瘍接種後のマウスの生存率を示す。
【図16】実施例5の試験Iにおいて、各種細胞処理により得られる細胞について、各種の表面マーカーを測定した結果である。図16中、左から、TH6抗体を加えなかった群(whole)、CD4+細胞、CD8+細胞、TH6 high 除去群(TH6hi depleted)について、それぞれCD25及び4型葉酸受容体の発現量を解析した結果を示す。また、図16中、縦軸はPEの蛍光輝度であり、横軸はFITCの蛍光輝度である。
【図17】実施例5の試験IIにおいて、TH6抗体を加えなかったT細胞群(whole)、又はTH6抗体及び補体で処理したT細胞群(TH6hi depleted)を、線維芽細胞腫Meth A細胞と共にマウスに投与した際の結果である。図17中、左図には平均腫瘍径の推移の結果を、右図には腫瘍接種後の生存率を示す。
【図18】実施例5の試験IIIにおいて、TH6抗体を加えなかったT細胞群(whole)、又はTH6抗体及び補体で処理したT細胞群(TH6hi depleted)を投与したBALB/cヌードマウスの血清中の抗胃壁細胞自己抗体価を測定した結果である。図18中、縦軸はOD405nmの測定値;各○印は各マウス血清での測定値;図中の線は正常BALB/cマウス血清でのOD405nm値の平均値である。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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