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明細書 :放射線治療計画装置および放射線治療計画装置の作動方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5397861号 (P5397861)
登録日 平成25年11月1日(2013.11.1)
発行日 平成26年1月22日(2014.1.22)
発明の名称または考案の名称 放射線治療計画装置および放射線治療計画装置の作動方法
国際特許分類 A61N   5/10        (2006.01)
FI A61N 5/10 P
請求項の数または発明の数 25
全頁数 25
出願番号 特願2009-544749 (P2009-544749)
出願日 平成20年12月5日(2008.12.5)
国際出願番号 PCT/JP2008/072178
国際公開番号 WO2009/072618
国際公開日 平成21年6月11日(2009.6.11)
優先権出願番号 2007317653
優先日 平成19年12月7日(2007.12.7)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成23年11月14日(2011.11.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】高橋 邦夫
【氏名】高山 賢二
【氏名】宮部 結城
【氏名】成田 雄一郎
【氏名】溝脇 尚志
個別代理人の代理人 【識別番号】100102864、【弁理士】、【氏名又は名称】工藤 実
審査官 【審査官】武山 敦史
参考文献・文献 国際公開第2006/039009(WO,A2)
特開2007-236760(JP,A)
特開2006-051064(JP,A)
特開2006-180910(JP,A)
特開2002-186678(JP,A)
特開2001-327514(JP,A)
特開平08-089589(JP,A)
調査した分野 A61N 5/10
特許請求の範囲 【請求項1】
単一の時刻における被検体の複数部位が配置される複数位置を示す3次元データを収集する3次元データ収集部と、
前記被検体の周期的な運動に連動して変化する前記複数部位のうちの特定部位の特定位置を時系列的に測定するマーカ位置測定部と、
前記3次元データ収集部で収集された、前記単一の時刻における前記被検体の前記複数部位が配置される前記複数位置を示す前記3次元データと、前記マーカ位置測定部で測定された時系列的な特定位置とに基づいて時系列的な前記複数部位の位置を算出する位置算出部と、
治療用放射線の出射方向である予定基準照射角度と前記予定基準照射角度毎に出射する治療用放射線の予定線量と前記位置算出部で算出される時系列的な複数部位の位置とに基づいて、前記複数部位の各々に照射される放射線の線量を算出する線量算出部
とを具備する放射線治療計画装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記被検体の周期的な運動に基づいて変化するように制御される治療用放射線を照射する照射方法が入力される照射方法入力装置を備え、前記照射方法入力装置に入力された照射方法を収集する照射方法収集部を更に具備し、
前記線量算出部は、前記照射方法入力装置に入力されて前記照射方法収集部により収集された前記照射方法により制御された場合の治療用放射線の線量を算出する
放射線治療計画装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれかにおいて、
被検体の周期的な運動の複数位相に対応する複数時刻を検出する位相検出部を更に具備し、
前記マーカ位置測定部で測定される前記特定部位の位置は、前記位相検出部で検出した複数時刻での位置を示す
放射線治療計画装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれかにおいて、
前記複数部位の中からいずれかを選択する情報が入力される選択部位入力装置を備え、
前記線量算出部は、前記選択部位入力装置に入力された情報に基づいて選択された前記複数部位のうちの選択部位に照射される放射線の線量を更に算出する
放射線治療計画装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれかにおいて、
前記3次元データは、前記被検体における、放射線照射を予定する患部部位、放射線照射の回避を予定する危険部位、及び、前記マーカ位置測定部で測定可能な部位に関する位置を示す
放射線治療計画装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれかにおいて、
前記マーカ位置測定部で測定される前記特定部位は、前記マーカ位置測定部で測定可能な、前記被検体自身の構成要素、前記被検体の体表面に設けられたマーカ、又は前記被検体の体内に設けられたマーカである
放射線治療計画装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれかにおいて、
前記位置算出部での算出方法は、被検体に配置される固定部位から前記特定部位までの距離が拡大縮小する変化に合わせて前記固定部位から複数部位までの距離が拡大縮小するように推測する線形拡大縮小による
放射線治療計画装置。
【請求項8】
請求項1~請求項6のいずれかにおいて、
前記位置算出部での算出方法は、被検体に配置される固定部位と前記特定部位の位置とを予め設定されている人体モデルのシミュレーションを適用して複数部位の位置を推測するシミュレーション法による
放射線治療計画装置。
【請求項9】
3次元データ収集手段が、単一の時刻における被検体の複数部位が配置される複数位置を示す3次元データを収集するステップと、
マーカ位置測定手段が、前記被検体の周期的な運動に連動して変化する前記複数部位のうちの特定部位の特定位置を時系列的に測定するステップと、
位置算出手段が、前記単一の時刻における前記被検体の前記複数部位が配置される前記複数位置を示す前記3次元データと前記マーカ位置測定部で測定された時系列的な特定位置とに基づいて時系列的な前記複数部位の位置を算出するステップと、
線量算出手段が、治療用放射線の出射方向である予定基準照射角度と前記予定記基準照射角度毎に出射する治療用放射線の予定線量と時系列的な複数部位の位置とに基づいて、前記複数部位の各々に照射される放射線の線量を算出するステップ
とを具備する放射線治療計画装置の作動方法。
【請求項10】
請求項9において、
照射方法収集手段が、照射方法入力装置から、前記被検体の周期的な運動に基づいて変化するように制御される治療用放射線を照射する照射方法を収集するステップと、
前記線量算出手段が、前記照射方法により制御された場合の治療用放射線の線量を算出するステップ
とをさらに具備する放射線治療計画装置の作動方法。
【請求項11】
請求項9または請求項10のいずれかにおいて、
位相検出手段が、被検体の周期的な運動の複数位相に対応する複数時刻を検出するステップを更に具備し、
前記特定部位の位置は、前記複数時刻での位置を示す
放射線治療計画装置の作動方法。
【請求項12】
請求項9~請求項11のいずれかにおいて、
前記線量算出手段が、選択部位入力装置に入力された情報に基づいて前記複数部位から選択された選択部位に照射される放射線の線量を更に算出するステップ
とをさらに具備する放射線治療計画装置の作動方法。
【請求項13】
請求項9~請求項12のいずれかにおいて、
前記3次元データは、前記被検体における、放射線照射を予定する患部部位、放射線照射の回避を予定する危険部位、及び、前記マーカ位置測定部で測定可能な部位に関する位置を示す
放射線治療計画装置の作動方法。
【請求項14】
請求項9~請求項13のいずれかにおいて、
前記特定部位は、前記被検体自身の構成要素、前記被検体の体表面に設けられたマーカ、又は前記被検体の体内に設けられたマーカである
放射線治療計画装置の作動方法。
【請求項15】
請求項9~請求項14のいずれかにおいて、
前記複数部位の位置は、被検体に配置される固定部位から前記特定部位までの距離が拡大縮小する変化に合わせて前記固定部位から複数部位までの距離が拡大縮小するように推測する線形拡大縮小により算出される
放射線治療計画装置の作動方法。
【請求項16】
請求項9~請求項14のいずれかにおいて、
前記複数部位の位置は、被検体に配置される固定部位と前記特定部位の位置とを予め設定されている人体モデルのシミュレーションを適用して複数部位の位置を推測するシミュレーション法により算出される
放射線治療計画装置の作動方法。
【請求項17】
単一の時刻における被検体の複数部位が配置される複数位置を示す3次元データを収集する3次元データ収集部と、
前記被検体の周期的な運動に連動して変化する前記複数部位のうちの特定部位の特定位置を時系列的に測定するマーカ位置測定部と、
前記3次元データ収集部で収集された、前記単一の時刻における前記被検体の前記複数部位が配置される前記複数位置を示す前記3次元データと前記マーカ位置測定部で測定された時系列的な特定位置とに基づいて前記複数部位のうちの照射部位の照射位置を算出する位置算出部と、
前記照射位置に治療用放射線が照射されるように、駆動装置を用いて治療用放射線照射装置を移動させる照射制御部
とを具備する放射線治療装置制御装置。
【請求項18】
請求項17において、
前記位置算出部は、前記複数部位のうちの実質的に固定される固定部位から前記特定部位までの距離が拡大縮小する変化に合わせて前記固定部位から前記複数部位の各々までの距離が拡大縮小するように推測する線形拡大縮小により、前記照射位置を算出する
放射線治療装置制御装置。
【請求項19】
請求項17または請求項18のいずれかにおいて、
前記特定部位の運動を測定して前記運動を示す運動情報を生成するマーカ運動測定部と、
前記3次元データと前記運動情報とに基づいて、特定位置運動集合を位置集合に対応付ける患部位置テーブルを作成する患部位置テーブル作成部とを更に具備し、
前記位置算出部は、前記患部位置テーブルを参照して、前記位置集合のうちから前記特定位置に対応する前記照射位置を算出する
放射線治療装置制御装置。
【請求項20】
請求項17~請求項19のいずれかにおいて、
前記被検体の周期的な運動の複数位相に対応する複数時刻を検出する位相検出部を更に具備し、
前記位置集合は、前記複数時刻での前記特定部位の位置を示す
放射線治療装置制御装置。
【請求項21】
単一の時刻における被検体の複数部位が配置される複数位置を示す3次元データを収集する3次元データ収集部と、
前記被検体の周期的な運動に連動して変化する前記複数部位のうちの特定部位の特定位置を時系列的に測定するマーカ位置測定部と、
前記3次元データ収集部で収集された前記単一の時刻における3次元データ内の複数部位の位置と前記マーカ位置測定部で測定された時系列的な特定位置とに基づいて、前記3次元データ内の複数部位の位置を時系列的に展開することにより、前記複数部位の動きを算出する位置算出部と、
治療用放射線の出射方向である予定基準照射角度と前記予定基準照射角度毎に出射する治療用放射線の予定線量と前記位置算出部で算出される前記複数部位の動きとに基づいて、前記複数部位の各々に照射される放射線の線量を算出する線量算出部
とを具備する放射線治療計画装置。
【請求項22】
請求項21において、
前記複数部位の動きは、呼吸位相毎の前記複数部位の位置を示す
放射線治療計画装置。
【請求項23】
単一の時刻における被検体の複数部位が配置される複数位置を示す3次元データを収集する3次元データ収集部と、
前記被検体の周期的な運動に連動して変化する前記複数部位のうちの前記被検体の体表面に設けられた第1のマーカの動きと、前記複数部位のうちの前記被検体の体内に設けられた第2のマーカの動きとを測定するマーカ位置測定部と、
前記3次元データ収集部で収集された前記単一の時刻における3次元データ内の複数部位の位置と前記マーカ位置測定部で測定された前記第1のマーカの動きと前記第2のマーカの動きと時系列的な特定位置とに基づいて、前記3次元データ内の複数部位の位置を時系列的に展開することにより、前記複数部位の動きを算出する位置算出部と、
治療用放射線の出射方向である予定基準照射角度と前記予定基準照射角度毎に出射する治療用放射線の予定線量と前記位置算出部で算出される前記複数部位の動きとに基づいて、前記複数部位の各々に照射される放射線の線量を算出する線量算出部
とを具備する放射線治療計画装置。
【請求項24】
単一の時刻における被検体の複数部位が配置される複数位置を示す3次元データを収集する3次元データ収集部と、
前記被検体の周期的な運動に連動して変化する前記複数部位のうちの特定部位の特定位置を時系列的に測定するマーカ位置測定部と、
前記3次元データ収集部で収集された、前記単一の時刻における前記被検体の前記複数部位が配置される前記複数位置を示す前記3次元データと、前記マーカ位置測定部で測定された時系列的な特定位置とに基づいて時系列的な前記複数部位の位置を算出する位置算出部と、
治療用放射線の出射方向である予定基準照射角度と前記予定基準照射角度毎に出射する治療用放射線の予定線量と前記位置算出部で算出される時系列的な複数部位の位置とに基づいて、前記複数部位の各々に照射される放射線の線量を算出する線量算出部とを具備し、
前記位置算出部での算出方法は、前記被検体のうちのカウチに接触している固定部位から前記特定部位までの距離が拡大縮小する変化に合わせて前記固定部位から複数部位までの距離が拡大縮小するように推測する線形拡大縮小による
放射線治療計画装置。
【請求項25】
単一の時刻における被検体の複数部位が配置される複数位置を示す3次元データを収集する3次元データ収集部と、
前記被検体の周期的な運動に連動して変化する前記複数部位のうちの特定部位の特定位置を時系列的に測定するマーカ位置測定部と、
前記3次元データ収集部で収集された、前記単一の時刻における前記被検体の前記複数部位が配置される前記複数位置を示す前記3次元データと、前記マーカ位置測定部で測定された時系列的な特定位置とに基づいて時系列的な前記複数部位の位置を算出する位置算出部と、
治療用放射線の出射方向である予定基準照射角度と前記予定基準照射角度毎に出射する治療用放射線の予定線量と前記位置算出部で算出される時系列的な複数部位の位置とに基づいて、前記複数部位の各々に照射される放射線の線量を算出する線量算出部とを具備し、
前記位置算出部での算出方法は、前記被検体の骨盤又は背骨から前記特定部位までの距離が拡大縮小する変化に合わせて前記骨盤又は背骨から複数部位までの距離が拡大縮小するように推測する線形拡大縮小による
放射線治療計画装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療計画装置および放射線治療計画方法に関し、特に、患部に放射線を照射することにより患者を治療する放射線治療の治療計画を作成するときに利用される放射線治療計画装置および放射線治療計画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患部(腫瘍)に治療用放射線を照射することにより患者を治療する放射線治療が知られている。その治療用放射線としては、X線が例示される。その放射線治療としては、患部が移動する移動分を考慮してその患部の大きさより広い範囲を照射すること、呼吸同期照射(ゲイテッドイラディエイション)、動体追尾照射、IMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy:強度変調放射線治療)が知られている。その呼吸同期照射は、観測される患者の運動に基づいて治療用放射線を照射したり照射を停止したりする手法である。このような呼吸同期照射は、たとえば、呼吸位相がある状態のときにしか照射しないために、治療時間が長くなってしまうという欠点があり、患者に負担をかけると共に、医療の効率でも改善が求められている。その動体追尾照射は、患部の位置を観測し、その位置に治療用放射線を照射する手法である。IMRTは、複数のビームを組み合わせることで、患者の部位毎に照射される放射線の量に強弱をつけ、腫瘍の形に適した放射線治療を行う照射方法である。その放射線治療は、治療効果が高いことが望まれ、より適切に評価されることが望まれている。
【0003】
呼吸の位相毎に3次元画像が取得できる4D-CTが知られている。このような3次元画像を用いて、動くターゲットへの線量分布予測を行う四次元放射線治療計画装置が開発されるとともに、X線照射方向がリアルタイムに変更でき追尾できる放射線治療システムが知られている。さらに、X線撮像だけでなく、放射線治療装置にMRI装置を組み合わせ、リアルタイムに体内臓器の位置を確認することができる技術が知られている。さらに、これらの臓器の動きや体輪郭の変更、毎回の治療実績を元に治療を修正しながら行うADAPTIVE治療が知られている。
【0004】
4D-CTにより呼吸の複数位相に準じた断層画像を用いて計画する四次元治療計画装置が知られている。その四次元治療計画装置は、まず、4D-CTを用いて呼吸の各位相(例えば8位相)に対応した複数の断層画像を取得する。その四次元治療計画装置は、次いで、呼吸に伴って変形する臓器の形状とその呼吸位相との対応関係を構築する。その四次元治療計画装置は、入力された治療計画が実施されたときに、各位相の断層像から抽出された臓器が照射された線量を算出する。その四次元治療計画装置は、その各位相での線量をその対応関係に基づいて足し合わせることにより、その臓器に照射された線量を算出する。4D-CTは、一般に、患者に照射されるX線の線量が大きく、時間分解能が粗い。患者に照射されるX線の線量が小さく、かつ、放射線治療で患者に照射される線量がより正確に算出されることが望まれている。
【0005】
特開平08-089589号公報には、放射線照射領域について動きのある被検体の複数の状態を考慮して治療計画を立てることが可能な放射線治療計画に用いる表示方法が開示されている。その放射線治療計画に用いる表示方法は、複数の異なる状態のそれぞれで得た一連のCT画像を読み込んで放射線照射領域と放射線非照射領域並びに放射線治療パラメータを設定し、放射線照射領域と放射線非照射領域とについて、放射線照射と同じ幾何学条件を用いて照射野面上に投影して、複数の異なる状態における投影形状を生成し、複数の異なる状態毎に生成した放射線照射領域についての投影形状を各照射角度毎に重ね合わせ、各照射角度毎に重ね合わされた放射線照射領域と設定された放射線治療パラメータとにより各照射角度毎の照射野形状を生成し、重ね合わされた放射線照射領域と生成された照射野形状とを各照射角度毎に重ね合わせて表示することを特徴としている。
【0006】
特開2001-327514号公報には、被検体の呼吸、心拍等に応じて変化する病変部の位置・形状等を正確に反映した設定を行うことができ、もってより緻密かつ正確な放射線治療を実施することが可能な放射線治療計画装置が開示されている。その放射線治療計画装置は、被検体にX線を曝射することにより取得される画像に基づいて放射線治療の計画を策定する放射線治療計画装置において、前記被検体に関する位相データの相違に応じた複数の画像を生成する画像生成手段と、前記画像に対し、当該画像上に存在する目標部位に対するターゲット形状を設定・入力する入力手段と、前記位相データの相違に応じた複数の画像及び前記ターゲット形状を重畳表示する画像表示手段とを有していることを特徴としている。
【0007】
特許第3746747号公報(特開2004-097646号公報)には、放射線の照射治療中においても、リアルタイムに治療野の状態をモニタすることが可能な放射線治療装置が開示されている。その放射線治療装置は、被検体の治療野へ治療用放射線を照射する放射線照射ヘッドと、前記被検体の前記治療野に診断用X線を照射するX線源と、前記被検体を透過した前記診断用X線の透過X線を検出して、診断画像データとして出力するセンサアレイと、を具備し、前記センサアレイは、前記放射線照射ヘッドの移動に連動して動く。
【0008】
特開2006-021046号公報には放射線の照射治療中においても、リアルタイムに治療野の状態をモニタすることが可能な放射線治療装置が開示されている。その放射線治療装置は、O型ガントリと、前記O型ガントリに移動可能に設けられ、被検体の治療野へ治療用放射線を照射する放射線照射ヘッドと、前記O型ガントリに移動可能に設けられ、前記被検体の前記治療野に診断用X線を照射するX線源と、前記O型ガントリに移動可能に設けられ、前記被検体を透過した前記診断用X線の透過X線を検出して、診断画像データとして出力するセンサアレイとを具備し、前記センサアレイは、前記放射線照射ヘッドを挟んで対象な位置に設けられ、前記O型ガントリ上を前記放射線照射ヘッドの移動に連動して動き、前記X線源は、前記センサアレイの動きに連動して動く。
【0009】
特開2007-236760号公報には、運動する被検体の一部分に放射線をより確実に照射する放射線治療装置制御装置が開示されている。その放射線治療装置制御装置は、被検体の一部分に治療用放射線を照射する治療用放射線照射装置と、前記被検体の運動を検出する運動検出装置と、前記被検体に対して前記治療用放射線照射装置を移動させる駆動装置とを備える放射線治療装置を制御する放射線治療装置制御装置であり、運動集合を位置集合に対応付ける患部位置データベースと、前記運動を前記運動検出装置から収集する運動収集部と、前記位置集合のうちの前記運動に対応する位置に前記治療用放射線が照射されるように、前記駆動装置を用いて前記治療用放射線照射装置を移動させる照射位置制御部とを具備している。
【0010】
特表2008-514352号公報には、運動中の標的を動的に追跡する信頼性があって効率的な方法が開示されている。その方法は、1つ又は2つ以上の基準構造を含む解剖学的領域内の1つ又は2つ以上の標的を動的に追跡して治療用放射線を前記解剖学的領域の運動中、前記標的に投与する方法であって、前記運動中の解剖学的領域内の前記基準構造に対する前記標的の存在場所をリアルタイムで突き止めるステップと、前記運動中の解剖学的領域内の前記標的にリアルタイムで投与されるべき前記治療用放射線の所望の量を処方する放射線量分布を生じさせるステップとを有し、前記放射線量分布は、前記運動中における前記解剖学的領域の変形を計算に入れている。
【発明の開示】
【0011】
本発明の課題は、放射線治療の治療計画をより適切に評価する放射線治療計画装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、放射線治療の治療計画の作成の負担を軽減する放射線治療計画装置を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、危険部位に照射される放射線の線量をより正確に算出する放射線治療計画装置を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、危険部位に照射される放射線の線量がより小さい治療計画を作成する放射線治療計画装置を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、危険部位に照射される放射線の線量がより小さい放射線治療計画方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、危険部位に照射される放射線の線量がより小さい放射線治療装置制御装置および放射線照射方法を提供することにある。
【0012】
本発明による放射線治療計画装置は、静止状態又は一時点の状態における被検体の複数部位が配置される複数位置を示している3次元データを収集する3次元データ収集部と、被検体の周期的な運動に連動して変化する複数部位のうちの特定部位の特定位置を時系列的に測定するマーカ位置測定部と、3次元データ収集部で収集された3次元データとマーカ位置測定部で測定された時系列的な特定位置とに基づいて時系列的な複数部位の位置を算出する位置算出部と、治療用放射線の出射方向である予定基準照射角度と予定基準照射角度毎に出射する治療用放射線の予定線量と位置算出部で算出される時系列的な複数部位の位置とに基づいて、複数部位の各々に照射される放射線の線量を算出する線量算出部とを備えている。
【0013】
本発明による放射線治療計画装置は、簡易な装置で構成されることができ、被検体の周期的な運動に連動して位置が変化する複数部位に照射される治療用放射線の線量をより正確かつ迅速に推算できる。本発明による放射線治療計画装置は、さらに、4D-CTにより測定された情報に基づいて被検体の複数部位の運動を算出することに比較して、被検体の複数部位の運動を算出するときに被検体に照射される放射線の線量を低減することができる。さらに、その放射線の線量の情報を利用して放射線治療計画を作成・修正することより、患部により確実に放射線を照射するとともに危険部位を避けて放射線を放射することは勿論、患部以外の部位に照射する放射線量をより少なくする精密な放射線治療に資することができる。
【0014】
本発明による放射線治療計画装置は、被検体の周期的な運動に基づいて変化するように制御される治療用放射線を照射する照射方法が入力される照射方法入力装置を備え、その照射方法入力装置に入力された照射方法を収集する照射方法収集部をさらに備えている。このとき、線量算出部は、その照射方法入力装置に入力されて照射方法収集部により収集された照射方法により制御された場合の治療用放射線の線量を算出する。すなわち、本発明による放射線治療計画装置は、任意の照射方法が実行されるときの複数部位の各々に照射される治療用放射線の線量を算出することができる。
【0015】
本発明による放射線治療計画装置は、被検体の周期的な運動の複数位相に対応する複数時刻を検出する位相検出部をさらに備えている。このとき、マーカ位置測定部で測定される特定部位の位置は、位相検出部で検出した複数時刻での位置を示している。
【0016】
本発明による放射線治療計画装置は、複数部位の中からいずれかを選択する情報が入力される選択部位入力装置を備えている。このとき、線量算出部は、その選択部位入力装置に入力された情報に基づいて選択された複数部位のうちの選択部位に照射される放射線の線量をさらに算出する。すなわち、本発明による放射線治療計画装置は、ユーザにより指定される任意の部位に照射される治療用放射線の線量を算出することができる。
【0017】
3次元データは、被検体における、放射線照射を予定する患部部位、放射線照射の回避を予定する危険部位、及び、マーカ位置測定部で測定可能な特定部位に関する位置を示している。マーカ位置測定部で測定される特定部位は、マーカ位置測定部で測定可能な、被検体自身の構成要素、被検体の体表面に設けられたマーカ、又は被検出体の体内に設けられたマーカである。
【0018】
位置算出部での算出方法は、被検体に配置される固定部位から特定部位までの距離が拡大縮小する変化に合わせてその固定部位から複数部位までの距離が拡大縮小するように推測する線形拡大縮小によることが処理量がより小さい点で好ましい。
【0019】
位置算出部での算出方法は、被検体に配置される固定部位と特定部位の位置とを予め設定されている人体モデルのシミュレーションを適用して複数部位の位置を推測するシミュレーション法によることが誤差がより小さい点で好ましい。
【0020】
本発明による放射線治療計画方法は、静止状態又は一時点の状態における被検体の複数部位が配置される複数位置を示している3次元データを収集するステップと、その被検体の周期的な運動に連動して変化するその複数部位のうちの特定部位の特定位置を時系列的に測定するステップと、その3次元データとそのマーカ位置測定部で測定された時系列的な特定位置とに基づいて時系列的なその複数部位の位置を算出するステップと、治療用放射線の出射方向である予定基準照射角度とその予定記基準照射角度毎に出射する治療用放射線の予定線量と時系列的な複数部位の位置とに基づいて、その複数部位の各々に照射される放射線の線量を算出するステップとを備えている。
【0021】
本発明による放射線治療計画方法は、請求項9において、照射方法入力装置から、その被検体の周期的な運動に基づいて変化するように制御される治療用放射線を照射する照射方法を収集するステップと、その照射方法により制御された場合の治療用放射線の線量を算出するステップとをさらに備えている。
【0022】
本発明による放射線治療計画方法は、被検体の周期的な運動の複数位相に対応する複数時刻を検出するステップをさらに備えている。その特定部位の位置は、その複数時刻での位置を示している。
【0023】
本発明による放射線治療計画方法は、選択部位入力装置に入力された情報に基づいてその複数部位から選択された選択部位に照射される放射線の線量をさらに算出するステップとをさらに備えている。
【0024】
その3次元データは、その被検体における、放射線照射を予定する患部部位、放射線照射の回避を予定する危険部位、及び、そのマーカ位置測定部で測定可能な部位に関する位置を示している。
【0025】
その特定部位は、その被検体自身の構成要素、その被検体の体表面に設けられたマーカ、又はその被検体の体内に設けられたマーカである。
【0026】
その複数部位の位置は、被検体に配置される固定部位からその特定部位までの距離が拡大縮小する変化に合わせてその固定部位から複数部位までの距離が拡大縮小するように推測する線形拡大縮小により算出される。
【0027】
その複数部位の位置は、被検体に配置される固定部位とその特定部位の位置とを予め設定されている人体モデルのシミュレーションを適用して複数部位の位置を推測するシミュレーション法により算出される。
【0028】
本発明による放射線治療装置制御装置は、被検体の複数部位が配置される複数位置を示している3次元データを収集する3次元データ収集部と、複数部位のうちの特定部位の特定位置を測定するマーカ位置測定部と、その3次元データと特定位置とに基づいて複数部位のうちの照射部位の照射位置を算出する位置算出部と、その照射位置に治療用放射線が照射されるように、駆動装置を用いて治療用放射線照射装置を移動させる照射制御部とを備えている。被検体の運動に連動して変化する患部を治療する放射線治療では、被検体の複数の部位の位置を時系列的に特定することが必要であり、その患部の位置を時系列的に特定することが必要である。本発明による放射線治療装置制御装置は、4D-CTにより測定された情報に基づいて被検体の複数部位の時系列的な位置を算出することに比較して、被検体の複数部位の時系列的な位置を算出するときに被検体に照射される放射線の線量を低減することができる。
【0029】
位置算出部は、複数部位のうちの実質的に固定される固定部位から特定部位までの距離が拡大縮小する変化に合わせて固定部位から複数部位の各々までの距離が拡大縮小するように推測する線形拡大縮小により、照射位置を算出することが処理量がより小さい点で好ましい。
【0030】
本発明による放射線治療装置制御装置は、特定部位の運動を測定して運動を示している運動情報を生成するマーカ運動測定部と、その3次元データと運動情報とに基づいて、特定位置運動集合を位置集合に対応付ける患部位置テーブルを作成する患部位置テーブル作成部とをさらに備えている。このとき、位置算出部は、患部位置テーブルを参照して、位置集合のうちから特定位置に対応する照射位置を算出することが処理量がより小さい点で好ましい。
【0031】
本発明による放射線治療装置制御装置は、被検体の周期的な運動の複数位相に対応する複数時刻を検出する位相検出部をさらに備えている。このとき、患部位置テーブルの位置集合は、その複数時刻での特定部位の位置を示していることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、放射線治療システムの実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、放射線治療装置を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明による放射線治療計画装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図4】図4は、患者を示す図である。
【図5】図5は、DVH(Dose Volume Histograms)を示すグラフである。
【図6】図6は、本発明による放射線治療計画方法の実施の形態を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明による放射線治療装置制御装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図8】図8は、患部位置テーブルを示す図である。
【図9】図9は、患部位置テーブルを作成する動作を示すフローチャートである。
【図10】図10は、放射線治療する動作を示すフローチャートである。

【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図面を参照して、本発明による放射線治療システムの実施の形態を記載する。その放射線治療システム1は、図1に示されているように、放射線治療計画装置2と放射線治療装置3とスパイロメータ4とコンピュータ断層撮影装置5と赤外線カメラ6とを備えている。放射線治療計画装置2は、パーソナルコンピュータに例示されるコンピュータである。放射線治療計画装置2は、双方向に情報を伝送することができるように放射線治療装置3に接続され、スパイロメータ4とコンピュータ断層撮影装置5と赤外線カメラ6とに接続されている。
【0034】
スパイロメータ4は、患者が呼吸するときの換気量を測定し、その換気量を放射線治療計画装置2に出力する。コンピュータ断層撮影装置5は、各方向からX線を人体に透過させて複数の透過画像を撮影し、その複数の透過画像をコンピュータで画像処理してその人体の断面の画像を生成し、その複数の透過画像をコンピュータで画像処理してその人体の内部の状態を示す3次元データを生成する。その3次元データは、その人体を形成する複数の部位のX線が吸収される程度を示している。赤外線カメラ6は、患者に照射される赤外線の反射光を用いて患者の赤外線画像を撮像し、その赤外線画像を放射線治療計画装置2に出力する。
【0035】
図2は、放射線治療装置3を示している。放射線治療装置3は、旋回駆動装置11とOリング12と走行ガントリ14と首振り機構15と治療用放射線照射装置16とを備えている。旋回駆動装置11は、回転軸17を中心に回転可能にOリング12を土台に支持し、図示されていない放射線治療装置制御装置により制御されて回転軸17を中心にOリング12を回転させる。回転軸17は、鉛直方向に平行である。Oリング12は、回転軸18を中心とするリング状に形成され、回転軸18を中心に回転可能に走行ガントリ14を支持している。回転軸18は、鉛直方向に垂直であり、回転軸17に含まれるアイソセンタ19を通る。回転軸18は、さらに、Oリング12に対して固定され、すなわち、Oリング12とともに回転軸17を中心に回転する。走行ガントリ14は、回転軸18を中心とするリング状に形成され、Oリング12のリングと同心円になるように配置されている。放射線治療装置3は、さらに、図示されていない走行駆動装置を備えている。その走行駆動装置は、放射線治療装置制御装置により制御されて回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させる。
【0036】
首振り機構15は、走行ガントリ14のリングの内側に固定され、治療用放射線照射装置16が走行ガントリ14の内側に配置されるように、治療用放射線照射装置16を走行ガントリ14に支持している。首振り機構15は、パン軸21およびチルト軸22を有している。チルト軸22は、走行ガントリ14に対して固定され、回転軸18に交差しないで回転軸18に平行である。パン軸21は、チルト軸22に直交している。首振り機構15は、放射線治療装置制御装置により制御されて、パン軸21を中心に治療用放射線照射装置16を回転させ、チルト軸22を中心に治療用放射線照射装置16を回転させる。
【0037】
治療用放射線照射装置16は、放射線治療装置制御装置により制御されて、治療用放射線23を放射する。治療用放射線23は、パン軸21とチルト軸22とが交差する交点を通る直線に概ね沿って放射される。治療用放射線23は、一様強度分布を持つように形成されている。治療用放射線照射装置16は、図示されていないMLC(マルチリーフコリメータ)を備え、治療用放射線23は、さらに、そのMLCにより一部が遮蔽されて治療用放射線23が患者に照射されるときの照射野の形状が放射線治療装置制御装置により制御される。
【0038】
治療用放射線23は、このように治療用放射線照射装置16が走行ガントリ14に支持されることにより、首振り機構15で治療用放射線照射装置16がアイソセンタ19に向かうように一旦調整されると、旋回駆動装置11によりOリング12が回転し、または、その走行駆動装置により走行ガントリ14が回転しても、常に概ねアイソセンタ19を通る。即ち、走行・旋回を行うことで任意方向からアイソセンタ19に向けて治療用放射線23の照射が可能になる。
【0039】
放射線治療装置3は、さらに、複数のイメージャシステムを備えている。すなわち、放射線治療装置3は、診断用X線源24、25とセンサアレイ32、33とを備えている。診断用X線源24は、走行ガントリ14に支持されている。診断用X線源24は、走行ガントリ14のリングの内側に配置され、アイソセンタ19から診断用X線源24を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置されている。診断用X線源24は、放射線治療装置制御装置により制御されてアイソセンタ19に向けて診断用X線35を放射する。診断用X線35は、診断用X線源24が有する1点から放射され、その1点を頂点とする円錐状のコーンビームである。診断用X線源25は、走行ガントリ14に支持されている。診断用X線源25は、走行ガントリ14のリングの内側に配置され、アイソセンタ19から診断用X線源25を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置されている。診断用X線源25は、放射線治療装置制御装置により制御されてアイソセンタ19に向けて診断用X線36を放射する。診断用X線36は、診断用X線源25が有する1点から放射され、その1点を頂点とする円錐状のコーンビームである。
【0040】
センサアレイ32は、走行ガントリ14に支持されている。センサアレイ32は、診断用X線源24により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した診断用X線35を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ33は、走行ガントリ14に支持されている。センサアレイ33は、診断用X線源25により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した診断用X線36を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ32、33としては、FPD(Flat Panel Detector)、X線II(Image Intensifier)が例示される。
【0041】
このようなイメージャシステムによれば、センサアレイ32、33により得た画像信号に基づき、アイソセンタ19を中心とする透過画像を生成することができる。
【0042】
放射線治療装置3は、さらに、センサアレイ31を備えている。センサアレイ31は、センサアレイ31と治療用放射線照射装置16とを結ぶ線分がアイソセンタ19を通るように配置されて、走行ガントリ14のリングの内側に固定されている。センサアレイ31は、治療用放射線照射装置16により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した治療用放射線23を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ31としては、FPD、X線IIが例示される。
【0043】
放射線治療装置3は、さらに、カウチ41とカウチ駆動装置42とを備えている。カウチ41は、放射線治療システム1により治療される患者43が横臥することに利用される。カウチ41は、図示されていない固定具を備えている。その固定具は、その患者が動かないように、その患者をカウチ41に固定する。カウチ駆動装置42は、カウチ41を土台に支持し、放射線治療装置制御装置により制御されてカウチ41を移動させる。
【0044】
図3は、放射線治療計画装置2を示している。放射線治療計画装置2は、コンピュータであり、図示されていないCPUと記憶装置と入力装置と出力装置とインターフェースとを備えている。そのCPUは、放射線治療計画装置2にインストールされる複数のコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置と入力装置と出力装置とインターフェースとを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録し、そのCPUに利用される情報を記録し、そのCPUにより生成される情報を記録する。その入力装置は、ユーザに操作されることにより生成される情報をそのCPUに出力する。その出力装置は、そのCPUにより生成された情報をユーザに認識可能に出力する。その入力装置としては、キーボード、マウスが例示される。その出力装置としては、そのCPUにより生成された画面を表示するディスプレイが例示される。さらに、その入力装置または出力装置としては、リムーバブルメモリドライブ、通信装置が例示される。そのリムーバブルメモリドライブは、リムーバブルメモリに記録されている情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をそのリムーバブルメモリに記録する。そのリムーバブルメモリとしては、フラッシュメモリ、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク)、磁気テープ(ビデオテープ)、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスクが例示される。その通信装置は、通信回線網を介してそのCPUにより生成された情報を他のコンピュータに送信し、その通信回線網を介して他のコンピュータから出力された情報をそのCPUに出力する。その通信回線網としては、LAN、インターネット、専用回線が例示される。そのインターフェースは、放射線治療計画装置2に接続される外部機器により生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をその外部機器に出力する。その外部機器は、放射線治療装置3とスパイロメータ4とコンピュータ断層撮影装置5とを含んでいる。
【0045】
そのコンピュータプログラムは、3次元データ収集部51と位相検出部52とマーカ位置測定部53と位置算出部54と照射方法収集部55と線量算出部56と治療計画データ確定部57とを含んでいる。
【0046】
3次元データ収集部51は、コンピュータ断層撮影装置5により生成された患者43の3次元データをコンピュータ断層撮影装置5から収集して、その3次元データを患者43の識別情報に対応付けて記憶装置に記録する。その3次元データは、患者43の複数の部位のX線の透過量の程度を示している。
【0047】
位相検出部52は、患者43が呼吸するときの換気量をスパイロメータ4から収集する。位相検出部52は、スパイロメータ4により測定された換気量に基づいて患者43の呼吸を複数の段階(呼吸位相)に分割し、スパイロメータ4により測定された換気量に基づいてその呼吸が各段階になる複数の時刻を検出する。
【0048】
マーカ位置測定部53は、放射線治療装置3のイメージャシステムを用いて患者43の透過画像を撮影時刻に対応付けて時系列的に撮像する。マーカ位置測定部53は、その透過画像と位相検出部52により検出された時刻とに基づいてマーカ(詳細は後述される)の動き(運動)を算出する。そのマーカの動きは、位相検出部52により検出された複数の時刻毎のマーカの位置を示し、呼吸位相毎のマーカの位置を示している。マーカ位置測定部53は、さらに、赤外線カメラ6を用いて患者43の赤外線画像を撮影時刻に対応付けて時系列的に撮像し、その赤外線画像と位相検出部52により検出された時刻とに基づいてマーカの動きを算出することを付加してもよい。
【0049】
位置算出部54は、3次元データ収集部51により収集された3次元データとマーカ位置測定部53により算出されたマーカの動きとに基づいて、患者43の複数の部位の動き(運動)を算出する。その部位の動きは、呼吸位相毎のその部位の位置を示している。このような位置の算出方法としては、線形拡大縮小、シミュレーションが例示される。その線形拡大縮小は、複数の部位のうちの実質的に固定された固定部位(カウチに接触していて固定されている部位もしくは実質的に固定されている部分)からマーカまでの距離が拡大縮小する変化に合わせて、その固定部位から複数の部位の各々までの距離が線形に拡大縮小するように、複数の部位の全部の位置を推測する方法である。その固定部位としては、骨盤、背骨が例示される。そのシミュレーションは、数学的な人体モデルを用いて、複数の部位のうちの固定された固定部位の位置とマーカの位置とに基づいて、複数の部位の全部の位置を推測する方法である。
【0050】
照射方法収集部55は、ユーザにより入力装置に照射方法が入力されたときに、入力装置からその照射方法を収集する。その照射方法は、基準照射角度と処方線量と照射手法とを示している。その基準照射角度は、患者43の患部に治療用放射線23を照射する方向を示し、走行角と旋回角とを示している。その走行角は、走行駆動装置により回転されたときの走行ガントリ14の向きを示している。その旋回角は、旋回駆動装置11により回転されたときのOリング12の向きを示している。その処方線量は、その各基準照射角度から患部に照射される治療用放射線23の線量を示している。
【0051】
その照射手法としては、動体追尾照射と呼吸同期照射とが例示される。その動体追尾照射は、位置補正追尾照射、形状補正追尾照射(MLC制御)、位置補正追尾照射と形状補正追尾照射との組み合わせが例示される。その位置補正追尾照射は、スパイロメータ4(またはイメージャシステム)を用いて計測される測定値に基づいて患者43に対する治療用放射線23の相対位置を変化させる手法である。その形状補正追尾照射は、スパイロメータ4(またはイメージャシステム)を用いて計測される測定値に基づいて治療用放射線23の照射野の形状を変化させる手法である。その呼吸同期照射は、治療用放射線23を照射する手法であり、スパイロメータ4(またはイメージャシステム)を用いて計測される測定値に基づいて治療用放射線23を照射したり照射を停止したりする手法である。
【0052】
照射方法収集部55は、さらに、その入力された照射手法に基づいて詳細な照射手法を算出する。たとえば、照射方法収集部55は、照射手法に位置補正追尾照射が選択されたときに、呼吸位相とともに患者43に対する治療用放射線23の相対位置がどのように変化するかを算出し、すなわち、首振り機構15を用いてパン軸21およびチルト軸22を中心に治療用放射線照射装置16をどのように回転させるかを算出する。照射方法収集部55は、照射手法に形状補正追尾照射が選択されたときに、呼吸位相とともに治療用放射線23の照射野がどのように変化するかを算出し、すなわち、治療用放射線照射装置16のMLCをどのように制御するかを算出する。照射方法収集部55は、照射手法に呼吸同期照射が選択されたときに、呼吸位相のどのタイミングで照射を停止しまたは開始するかを算出する。
【0053】
線量算出部56は、位置算出部54により算出された動きに基づいて、照射方法収集部55により収集された照射方法により患者43に治療用放射線23が照射されたときに複数の部位の各々に照射される治療用放射線23の線量を算出する。その線量は、その照射方法が実行されている期間から分割された複数の微小期間の各々に照射された放射線の線量の合計を示す累積の線量を示している。
【0054】
線量算出部56は、さらに、その3次元データをユーザに認識可能にディスプレイに表示し、その複数の部位のうちのユーザにより入力された輪郭に対応する部位の位置を算出する。線量算出部56は、さらに、照射方法収集部55により収集された照射方法により患者43に治療用放射線23が照射されたときにその選択された部位に照射される治療用放射線23の累積の線量を算出し、その選択される部位に関するDVH(Dose Volume Histograms)を算出する。その選択される部位としては、患者43の患部と危険臓器とが例示される。
【0055】
治療計画データ確定部57は、線量算出部56により算出された線量が適正であるときに、治療計画を作成して完成させる。その治療計画は、照射方法収集部55により特定された照射方法と、照射方法収集部55により算出された詳細な照射手法の組み合わせから形成される。
【0056】
図4は、3次元データ収集部51により収集される3次元データを示している。その3次元データは、被写体を立体的に示し、複数のVOXEL71-(0,0,0)~71-(X,Y,Z)に複数の透過率を対応付けている。VOXEL71-(0,0,0)~71-(X,Y,Z)は、それぞれ、被写体(患者43)が配置される空間を隙間なく充填する複数の立方体に対応している。その立方体の一辺の長さとしては、1cmが例示される。VOXEL71-(0,0,0)~71-(X,Y,Z)の各VOXEL71-(x,y,z)(x=0,1,2,…,X、y=0,1,2,…,Y、z=0,1,2,…,Z)に対応する透過率は、ある時刻で(ある呼吸位相で)、その1つのVOXEL71-(x,y,z)に対応する位置(x,y,z)に配置される立方体のX線の透過率を示している。
【0057】
その3次元データは、患者43を示している。患者43は、患部61と危険臓器60とを有している。患部61は、病気がある部位を示し、治療用放射線23を照射すべき部位を示している。患部61としては、肺の一部が例示される。危険臓器60は、患部61と異なる臓器を示し、治療用放射線23を照射すべきでない部位を示している。危険臓器60としては、骨髄が例示される。患者43は、さらに、体表面マーカ62と金マーカ63とが配置されている。体表面マーカ62は、赤外線カメラ6により撮像される赤外線画像に映し出されるものであり、患者43の体表面に貼り付けられている。金マーカ63は、金から形成される球であり、患者43の呼吸と連動して運動するように患者43の体内に埋め込まれている。
【0058】
なお、金マーカ63は、球と異なる形状に形成されることもできる。その形状としては、コイル状が例示される。金マーカ63は、金と異なる材料から形成されることもできる。その材料としては、白金が例示される。金マーカ63は、患者43の呼吸と連動して運動する他のランドマークに置換されることもできる。そのランドマークは、イメージャシステムにより検出されるものであり、その患者の臓器が例示される。その臓器としては、骨(肋骨)、横隔膜、患部そのものが例示される。金マーカ63は、イメージャシステムと異なる他の検出器により検出される他のマーカに置換されることができる。そのマーカとしては、電波を発生するカプセルが例示される。
【0059】
このとき、マーカ位置測定部53は、放射線治療装置3のイメージャシステムを用いて時系列的に撮像された患者43の透過画像と位相検出部52により検出された時刻とに基づいて金マーカ63の動きを算出する。マーカ位置測定部53は、赤外線カメラ6を用いて時系列的に撮像された患者43の赤外線画像と位相検出部52により検出された時刻とに基づいて体表面マーカ62の動きを算出する。
【0060】
位置算出部54は、この3次元データとマーカ位置測定部53により算出された体表面マーカ62の動きと金マーカ63の動きとに基づいて、患者43のVOXEL71-(0,0,0)~71-(X,Y,Z)に対応する複数の部位がどのように移動するかを算出する。すなわち、位置算出部54は、その3次元データとマーカの動きとに基づいて、位相検出部52により検出された複数の呼吸位相毎の複数の3次元データを作成する。その複数の3次元データは、それぞれ、3次元データ収集部51により収集された3次元データと同様にして、複数のVOXELから構成され、異なる呼吸位相に対応する3次元データのあるVOXEL71-(x,y,z)に対応する位置が異なるように、算出される。なお、その複数の部位の動きの算出には、体表面マーカ62の動きと金マーカ63の動きとの両方が必須でなく、位置算出部54は、体表面マーカ62の動きと金マーカ63の動きとのうちのいずれか一方に基づいてその複数の部位の動きを算出することもできる。
【0061】
さらに、VOXEL71-(0,0,0)~71-(X,Y,Z)のうちの患部61に対応するVOXELの個数は、複数である。VOXEL71-(0,0,0)~71-(X,Y,Z)のうちの危険臓器60に対応するVOXELの個数は、複数である。このようにVOXEL71-(0,0,0)~71-(X,Y,Z)の大きさを設計することによれば、位置算出部54は、患部61(または危険臓器60)を分割した複数の部位毎に動きを算出することができ、その結果、患部61(または危険臓器60)の変形を算出することができる。このようにVOXEL71-(0,0,0)~71-(X,Y,Z)の大きさを設計することによれば、さらに、線量算出部56は、患部61(または危険臓器60)を分割した複数の部位毎に照射される線量を算出することができる。
【0062】
図5は、線量算出部56により算出されたDVHを示している。そのDVHは、ユーザの操作により選択された部位に対して、ある線量以上が照射される部位の割合を示している。その部位としては、心臓、肺、せき髄、PTV(計画標的体積;Planning Target Volume)が例示される。そのPTVは、内的標的体積と設定誤差(SM;Set-up Margin)とを含む領域を示している。その設定誤差は、その内的標的体積の周辺の領域を示し、毎回の照射における領域を示している。その内的標的体積は、臨床的標的体積とインターナルマージン(IM;Internal Margin)とを含む領域を示している。そのインターナルマージンは、その臨床的標的体積の周辺の領域を示し、呼吸、嚥下、心拍動、蠕動、膀胱の膨張などの体内臓器の動きにより、その臨床的標的体積が移動する領域を示している。その臨床的標的体積は、肉眼的腫瘍体積と微小部分とを含む領域を示している。その微小部分は、その肉眼的腫瘍体積の周辺の顕微鏡的な進展範囲を示し、または、腫瘍が所属するリンパ節を含んだ領域を示している。その肉眼的腫瘍体積は、画像診断、触診、視診により腫瘍が存在すると判断される領域を示している。このようなDVHによれば、ユーザ、特に、医者は、治療用放射線23が適切に照射されているかどうかをより容易に判別することができる。
【0063】
図6は、本発明による放射線治療計画方法の実施の形態を示している。ユーザは、まず、コンピュータ断層撮影装置5を用いて患者43の患部とその患部の周辺の部位との3次元データを作成する(ステップS1)。放射線治療計画装置2は、コンピュータ断層撮影装置5により生成された3次元データに基づいて、患者43の患部とその患部の周辺の臓器とを示す画像を生成し、その画像をディスプレイに表示する。ユーザは、放射線治療計画装置2を用いてその画像を閲覧し、その画像のうちの患部61が映し出される領域の輪郭を示す情報を放射線治療計画装置2に入力し、その画像のうちの危険臓器60が映し出される領域の輪郭を示す情報を放射線治療計画装置2に入力する。放射線治療計画装置2は、その情報に基づいて、患部61の位置と危険臓器60の位置とを算出する。
【0064】
ユーザは、さらに、コンピュータ断層撮影装置5により3次元データを採取したときと同様の姿勢に放射線治療装置3のカウチ41に患者43を固定し、患者43の呼吸が監視されるようにスパイロメータ4をセットする。放射線治療計画装置2は、スパイロメータ4から換気量を収集し、その換気量に基づいてその呼吸が各段階になる複数の時刻を検出する(ステップS2)。放射線治療計画装置2は、スパイロメータ4を用いて呼吸位相を検出しながら、赤外線カメラ6を用いて患者43の赤外線画像を撮像する。放射線治療計画装置2は、スパイロメータ4を用いて呼吸位相を検出しながら、診断用X線源24を用いて診断用X線35を患者43に照射し、センサアレイ32を用いて患者43の患部の透過画像を撮像する。放射線治療計画装置2は、さらに、スパイロメータ4を用いて呼吸位相を検出しながら、診断用X線源25を用いて診断用X線36を放射し、センサアレイ33を用いて患者43の患部の透過画像を撮像する。
【0065】
放射線治療計画装置2は、その赤外線画像に基づいて体表面マーカ62が呼吸に伴ってどのように移動するかを算出する。すなわち、放射線治療計画装置2は、その赤外線画像に基づいて、呼吸が各段階になる複数の時刻での体表面マーカ62の位置を算出する。
【0066】
放射線治療計画装置2は、さらに、その透過画像に基づいて金マーカ63が呼吸に伴ってどのように移動するかを算出する。すなわち、放射線治療計画装置2は、その透過画像に基づいて、呼吸が各段階になる複数の時刻での金マーカ63の位置を算出する(ステップS3)。
【0067】
放射線治療計画装置2は、その体表面マーカ62の動きと金マーカ63の動きとに基づいて、VOXEL71-(0,0,0)~71-(X,Y,Z)に対応する患者43の複数の部位の動きを算出し、呼吸位相毎の患者43の複数の部位の位置を算出する(ステップS4)。
【0068】
ユーザは、次いで、放射線治療に適切と思われる照射方法を放射線治療計画装置2に入力する(ステップS5)。その照射方法は、基準照射角度と処方線量と照射手法とを示している。その基準照射角度は、患者43の患部に治療用放射線23を照射する方向を示している。その処方線量は、その各基準照射角度から患部に照射される治療用放射線23の線量を示している。放射線治療計画装置2は、その照射手法が位置補正追尾照射を示しているときに、呼吸位相とともに患者43に対する治療用放射線23の相対位置がどのように変化するかを算出する。放射線治療計画装置2は、その照射手法に形状補正追尾照射を示しているときに、呼吸位相とともに治療用放射線23の照射野がどのように変化するかを算出し、すなわち、治療用放射線照射装置16のMLCをどのように制御するかを算出する。放射線治療計画装置2は、その照射手法が呼吸同期照射を示しているときに、呼吸位相のどのタイミングで照射を停止し開始するかを算出する。
【0069】
放射線治療計画装置2は、その算出された複数の部位の動きに基づいて、その照射方法により患者43に治療用放射線23が照射されたときに複数の部位に照射される治療用放射線23の線量を算出する。放射線治療計画装置2は、さらに、ユーザにより入力された輪郭に基づいて患部61の位置を特定し、患部61に照射される治療用放射線23の線量を算出し、患部61のDVHを算出する。放射線治療計画装置2は、さらに、ユーザにより入力された輪郭に基づいて危険臓器60の位置を特定し、危険臓器60に照射される治療用放射線23の線量を算出し、危険臓器60のDVHを算出する(ステップS6)。
【0070】
ユーザは、患部61のDVHと危険臓器60のDVHとに基づいてその照射方法が適否を判別する(ステップS7)。ユーザは、その照射方法が不適切であるときに(ステップS7、NG)、再度、放射線治療に適切と思われる照射方法を放射線治療計画装置2に入力する(ステップS5)。ユーザは、その照射方法が適切であるときに(ステップS7、OK)、その照射方法を含むように、治療計画を作成し、治療計画を確定する(ステップS8)。
【0071】
このように作成された治療計画に基づく放射線治療は、周知の放射線治療と同様にして、放射線治療装置3により実行される。すなわち、放射線治療装置3は、ユーザにより位置補正追尾照射が選択されたときに、スパイロメータ4から収集される量またはイメージャシステムを用いて計測される量に基づいて患部の位置を算出し、治療用放射線23がその患部の位置を透過するように、首振り機構15を用いて治療用放射線照射装置16を移動させる。放射線治療装置3は、ユーザにより形状補正追尾照射が選択されたときに、スパイロメータ4から収集される量またはイメージャシステムを用いて計測される量に基づいて、治療用放射線23の照射野の形状を変化させる。放射線治療装置3は、ユーザにより呼吸同期照射が選択されたときに、スパイロメータ4から収集される量またはイメージャシステムを用いて計測される量に基づいて、治療用放射線23を照射・停止させる。
【0072】
このような放射線治療計画方法によれば、治療計画を作成するときに、コンピュータ断層撮影装置5により1つの3次元データを作成するだけでよく、4D-CTにより測定された情報に基づいて患者43の複数のVOXELに対応する複数の部位の動きを算出することに比較して、患者43の複数のVOXELに対応する複数の部位の動きを算出するときに患者43に照射される放射線の線量をより低減することができる。このような放射線治療計画方法によれば、さらに、4D-CTを用いて算出される複数の部位の動きを用いて線量を算出するときと同様に、放射線治療で患者43の各部位に照射される治療用放射線23の線量を正確に算出することができる。
【0073】
4D-CTにより検出される3次元データは、一般に、時間分解能が粗く、その時間分解能をスパイロメータ4を用いて分割される呼吸位相より高精度にすることが困難である。このような放射線治療計画方法によれば、さらに、4D-CTに比較してマーカの動きを検出する時間分解能をより容易に向上させることができ、このとき、放射線治療で患者43の各部位に照射される治療用放射線23の線量をより正確に算出することができる。
【0074】
ユーザは、4D-CTにより測定された情報に基づいて患部61または危険臓器60に照射される放射線の線量を算出するときに、複数の時刻毎に検出された複数の3次元データの各々に関して患部61または危険臓器60の輪郭を放射線治療計画装置に入力する必要がある。本発明による放射線治療計画方法によれば、ユーザは、患部61または危険臓器60に照射される累積の線量を算出するときに、1つの呼吸位相に対応する3次元データに関して患部61または危険臓器60の輪郭を放射線治療計画装置に入力するだけでよく、4D-CTにより測定された情報に基づいてその累積の線量を算出することに比較して、ユーザの手間を軽減することができ、治療計画をより速く作成することできる。
【0075】
なお、スパイロメータ4は、換気量と異なる他の物理量を測定する他の呼吸計に置換されることができる。その呼吸計としては、カメラが例示される。そのカメラは、患者の胸の表面を撮像し、その表面の位置を測定する。スパイロメータ4は、さらに、人体の呼吸と異なる他の運動を監視する運動検出装置に置換されることができる。その運動としては、周期的な運動と周期的でない運動とが例示される。その周期的な運動としては、心拍動が例示される。その心拍動を検出する運動検出装置としては、心電図計と脈拍計と血圧計とが例示される。その心電図計は、患者の心電図を作成する装置であり、患者の心臓の活動量を測定する。その脈拍計は、患者の脈拍を測定する。その周期的でない運動としては、嚥下、膀胱の膨張が例示される。
【0076】
なお、放射線治療装置3のイメージャシステムは、金マーカ63(または呼吸と連動して運動するランドマーク)の位置を測定する他の装置に置換することできる。その装置としては、MRI装置、PET(Positron Emission Tomography)検査装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)、超音波検査装置が例示される。そのMRI装置は、核磁気共鳴を利用して人体の細胞が有する磁気を検出し、その磁気をコンピュータにより画像化し、その人体の内部の状態を示す3次元データを生成する。そのPET検査装置は、陽電子崩壊する核種で標識された化合物を放射性トレーサーとして用いて、その人体の内部の状態を示す3次元データを生成する。そのSPECTは、体内に投与した放射性同位体から放出されるγ線の分布を検出し、その分布に基づいて人体の内部の状態を示す3次元データを生成する。その超音波検査装置は、人体に向けて超音波を発生し、反射した超音波(エコー)に基づいてその人体の内部の状態を示す3次元データを生成する。
【0077】
なお、赤外線カメラ6は、体表面マーカ62の位置を測定するための他の装置に置換することできる。その装置としては、CCDカメラ、レーザ計測器が例示される。そのCCDカメラは、患者に照射される可視光の反射光を用いて患者の画像を撮像し、その画像を放射線治療計画装置2に出力する。そのレーザ計測器は、体表面マーカ62が配置される領域に赤外線レーザをスキャンし、その赤外線レーザが体表面マーカ62とセンサの間を往復する時間とその赤外線レーザを発射した方向とに基づいて体表面マーカ62の位置を測定する。
【0078】
なお、位相検出部52は、赤外線カメラ6により撮像される赤外線画像に基づいて体表面マーカ62の位置を算出し、その位置に基づいて患者43の呼吸が各段階になる時刻を検出することもできる。さらに、位相検出部52は、放射線治療装置3のイメージャシステムにより撮像される透過画像に基づいて金マーカ63の位置を算出し、その位置に基づいて患者43の呼吸が各段階になる時刻を検出することもできる。このとき、放射線治療システム1は、スパイロメータ4を備える必要がなく、好ましい。
【0079】
なお、本発明による放射線治療計画方法は、放射線治療装置3と異なる他の放射線治療装置にも適用することができる。このような放射線治療装置は、動体追尾照射または呼吸同期照射を実行することができる周知の放射線治療装置を含んでいる。その周知の放射線治療装置としては、治療用放射線照射装置16をロボットアームで支持する装置、治療用放射線照射装置16を支持する部材がOリング形状と異なる形状に形成されている放射線治療装置が例示される。その形状としては、C型、Ω型、L型が例示される。
【0080】
図7は、本発明による放射線治療装置制御装置の実施の形態を示している。その放射線治療装置制御装置80は、コンピュータであり、図示されていないCPUと記憶装置と入力装置と出力装置とインターフェースとを備えている。そのCPUは、放射線治療装置制御装置80にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置と入力装置と出力装置とを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録し、そのCPUに利用される情報を記録し、そのCPUにより生成される情報を記録する。その入力装置は、ユーザに操作されることにより生成される情報をそのCPUに出力する。その入力装置としては、キーボード、マウスが例示される。その出力装置は、そのCPUにより生成された情報をユーザに認識可能に出力する。その出力装置としては、ディスプレイが例示される。そのインターフェースは、放射線治療装置制御装置80に接続される外部機器により生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をその外部機器に出力する。その外部機器は、スパイロメータ4とコンピュータ断層撮影装置5と赤外線カメラ6と放射線治療装置3の旋回駆動装置11と走行駆動装置と首振り機構15と治療用放射線照射装置16とMLCとイメージャシステム(診断用X線源24、25、センサアレイ31、32、33)とカウチ駆動装置42とを含んでいる。
【0081】
そのコンピュータプログラムは、患部位置データベース81と3次元データ収集部82と位相検出部83とマーカ運動測定部84と患部位置テーブル作成部85とマーカ位置測定部86と位置算出部87と照射制御部88とを含んでいる。
【0082】
患部位置データベース81は、マーカの位置と患部の位置との関係を示す患部位置テーブルを他のコンピュータプログラムにより検索可能に、かつ、変更可能に記憶装置に記録する。
【0083】
3次元データ収集部82は、3次元データ収集部51と同様にして、コンピュータ断層撮影装置5により生成された患者43の3次元データをコンピュータ断層撮影装置5から収集して、その3次元データを記憶装置に記録する。その3次元データは、患者43の複数の部位のX線の透過量の程度を示している。
【0084】
位相検出部83は、位相検出部52と同様にして、患者43が呼吸するときの換気量をスパイロメータ4から収集する。位相検出部83は、スパイロメータ4により測定された換気量に基づいて患者43の呼吸を複数の段階(呼吸位相)に分割し、スパイロメータ4により測定された換気量に基づいてその呼吸が各段階になる複数の時刻を検出する。
【0085】
マーカ運動測定部84は、マーカ位置測定部53と同様にして、放射線治療装置3のイメージャシステムを用いて患者43の透過画像を撮影時刻に対応付けて時系列的に撮像する。マーカ運動測定部84は、その透過画像と位相検出部83により検出された時刻とに基づいて金マーカ63の動き(運動)を算出する。マーカ運動測定部84は、さらに、赤外線カメラ6を用いて患者43の赤外線画像を撮影時刻に対応付けて時系列的に撮像し、その赤外線画像と位相検出部52により検出された時刻とに基づいて体表面マーカ62の動きを算出する。このようなマーカの動きは、位相検出部83により検出された複数の時刻毎のマーカの位置を示し、呼吸位相毎のマーカの位置を示している。
【0086】
患部位置テーブル作成部85は、マーカ運動測定部84により算出される呼吸位相毎のマーカの位置と3次元データ収集部82により収集される3次元データとに基づいて、患者43の複数の部位の動き(運動)を算出する。その部位の動きは、呼吸位相毎のその部位の位置を示している。このような位置の算出方法としては、線形拡大縮小、シミュレーションが例示される。患部位置テーブル作成部85は、その複数の部位の動きとマーカ運動測定部84により算出される呼吸位相毎のマーカの位置とに基づいて、患部の動きを算出し、患部位置データベース81により記録される患部位置テーブルを作成する。
【0087】
マーカ位置測定部86は、放射線治療装置3のイメージャシステムを用いて患者43の透過画像を撮像する。マーカ位置測定部86は、その透過画像に基づいて金マーカ63の位置を算出する。マーカ位置測定部86は、さらに、赤外線カメラ6を用いて患者43の赤外線画像を撮影時刻に対応付けて時系列的に撮像し、その赤外線画像に基づいて体表面マーカ62の位置を算出する。
【0088】
位置算出部87は、患部位置データベース81により記録される患部位置テーブルを参照して、マーカ位置測定部86により収集されるマーカの位置に対応する患部位置を算出する。
【0089】
照射制御部88は、位置算出部87により算出される患部位置を治療用放射線23が透過するように、首振り機構15を用いて治療用放射線照射装置16を駆動し、MLCを用いて治療用放射線23の照射野の形状を制御する。照射制御部88は、さらに、治療用放射線照射装置16を駆動した後に、治療用放射線照射装置16を用いて治療用放射線23をその患部位置に照射する。なお、照射制御部88は、その患部位置を治療用放射線23が透過するように、旋回駆動装置11または走行駆動装置またはカウチ駆動装置42をさらに用いて、患者43と治療用放射線照射装置16との位置関係を変更することもできる。
【0090】
図8は、患部位置データベース81により記憶装置に記録される患部位置テーブルを示している。その患部位置テーブル91は、体表面マーカ位置集合92と金マーカ位置集合93とを患部位置集合94に対応付けている。すなわち、体表面マーカ位置集合92のうちの任意の要素と金マーカ位置集合93のうちの任意の要素との組み合わせは、患部位置集合94のうちの1つの要素に対応している。体表面マーカ位置集合92の要素は、マーカ運動測定部84により算出された呼吸位相毎の体表面マーカ62の位置を示している。金マーカ位置集合93の要素は、マーカ運動測定部84により算出された呼吸位相毎の金マーカ63の位置を示している。患部位置集合94の要素は、患部61の位置を示し、体表面マーカ位置集合92の要素が示す位置に体表面マーカ62が配置され、かつ、金マーカ位置集合93の要素が示す位置に金マーカ63が配置されるときに患部61が配置される位置を示している。
【0091】
すなわち、照射制御部88は、患部位置テーブル91を参照して、患部位置集合94のうちからマーカ位置測定部86により収集された体表面マーカ62の位置と金マーカ63の位置とに対応する患部位置を算出し、治療用放射線23がその患部位置を透過するように、首振り機構15を用いて治療用放射線照射装置16を駆動し、MLCを用いて治療用放射線23の照射野の形状を制御する。
【0092】
本発明による放射線照射方法の実施の形態は、放射線治療装置制御装置80により実行され、患部位置テーブル91を作成する動作と放射線治療する動作とを備えている。
【0093】
図9は、患部位置テーブル91を作成する動作を示している。ユーザは、まず、コンピュータ断層撮影装置5を用いて患者43の患部とその患部の周辺の部位との3次元データを作成する(ステップS11)。放射線治療装置制御装置80は、コンピュータ断層撮影装置5により生成された3次元データに基づいて、患者43の患部とその患部の周辺の臓器とを示す画像を生成し、その画像をディスプレイに表示する。ユーザは、放射線治療装置制御装置80を用いてその画像を閲覧し、その画像のうちの患部61が映し出される領域の輪郭を示す情報を放射線治療装置制御装置80に入力する。放射線治療装置制御装置80は、その情報に基づいて、患部61の位置を算出する。
【0094】
ユーザは、さらに、コンピュータ断層撮影装置5により3次元データを採取したときと同様の姿勢に放射線治療装置3のカウチ41に患者43を固定し、患者43の呼吸が監視されるようにスパイロメータ4をセットする。放射線治療装置制御装置80は、スパイロメータ4から換気量を収集し、その換気量に基づいてその呼吸が各段階になる複数の時刻を検出する(ステップS12)。放射線治療装置制御装置80は、スパイロメータ4を用いて呼吸位相を検出しながら、赤外線カメラ6を用いて患者43の赤外線画像を撮像する。放射線治療装置制御装置80は、さらに、スパイロメータ4を用いて呼吸位相を検出しながら、診断用X線源24を用いて診断用X線35を患者43に照射し、センサアレイ32を用いて患者43の患部の透過画像を撮像する。放射線治療装置制御装置80は、さらに、スパイロメータ4を用いて呼吸位相を検出しながら、診断用X線源25を用いて診断用X線36を放射し、センサアレイ33を用いて患者43の患部の透過画像を撮像する。
【0095】
放射線治療装置制御装置80は、その赤外線画像に基づいて体表面マーカ62が呼吸に伴ってどのように移動するかを算出する。すなわち、放射線治療装置制御装置80は、その赤外線画像に基づいて、呼吸が各段階になる複数の時刻での体表面マーカ62の位置を算出する。
【0096】
放射線治療装置制御装置80は、さらに、その透過画像に基づいて金マーカ63が呼吸に伴ってどのように移動するかを算出する。すなわち、放射線治療装置制御装置80は、その透過画像に基づいて、呼吸が各段階になる複数の時刻での金マーカ63の位置を算出する(ステップS13)。
【0097】
放射線治療装置制御装置80は、その体表面マーカ62の動きと金マーカ63の動きとに基づいて、VOXEL71-(0,0,0)~71-(X,Y,Z)に対応する患者43の複数の部位の動きを算出し、呼吸位相毎の患者43の複数の部位の位置を算出し、呼吸位相毎の患部61の位置を算出する(ステップS14)。
【0098】
放射線治療装置制御装置80は、ステップS13で算出された呼吸位相毎の体表面マーカ62の位置と呼吸位相毎の金マーカ63の位置とがステップS14で算出された呼吸位相毎の患部61の位置に対応するように、患部位置テーブル91を作成して記憶装置に記録する(ステップS15)。
【0099】
図10は、放射線治療する動作を示している。ユーザは、まず、コンピュータ断層撮影装置5または放射線治療装置3のイメージャシステムにより3次元データを採取したときと同様の姿勢に放射線治療装置3のカウチ41に患者43を固定する。放射線治療装置制御装置80は、診断用X線源24を用いて診断用X線35を放射し、センサアレイ32を用いて診断用X線35に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。放射線治療装置制御装置80は、さらに、診断用X線源25を用いて診断用X線36を放射し、センサアレイ33を用いて診断用X線36に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。放射線治療装置制御装置80は、その透過画像に基づいて金マーカ63の位置を算出する。放射線治療装置制御装置80は、さらに、赤外線カメラ6を用いて患者43の赤外線画像を撮影時刻に対応付けて時系列的に撮像し、その赤外線画像に基づいて体表面マーカ62の位置を算出する(ステップS21)。
【0100】
放射線治療装置制御装置80は、患部位置テーブル91を参照して、患部位置集合94のうちからステップS21で算出された体表面マーカ62の位置と金マーカ63の位置とに対応する患部位置を算出する(ステップS22)。放射線治療装置制御装置80は、治療用放射線23がその患部位置を透過するように、首振り機構15を用いて治療用放射線照射装置16を駆動し、MLCを用いて治療用放射線23の照射野の形状を制御する(ステップS23)。放射線治療装置制御装置80は、その追尾動作により治療用放射線照射装置16が移動した直後に治療用放射線照射装置16を用いて治療用放射線23をその患部に照射する(ステップS24)。放射線治療装置制御装置80は、ステップS21~ステップS24の動作を周期的に繰り返して実行することにより、患者43を放射線治療する。
【0101】
このような放射線照射方法によれば、位置補正追尾照射または形状補正追尾照射が適用されるときに、コンピュータ断層撮影装置5により1つ時点の3次元データを作成するだけでよく、4D-CTにより測定された情報に基づいて患者43の複数の部位の動きを算出することに比較して、患者43の患部61の動きを算出するときに患者43に照射される放射線の線量をより低減することができる。
【0102】
4D-CTにより検出される3次元データは、一般に、時間分解能が粗く、その時間分解能をスパイロメータ4を用いて分割される呼吸位相より高精度にすることが困難である。このような放射線照射方法によれば、さらに、4D-CTに比較してマーカの動きを検出する時間分解能をより容易に向上させることができ、このとき、患者43の患部61に治療用放射線23をより高精度に照射することができる。
【0103】
本発明による放射線照射方法の実施の他の形態は、既述の実施の形態におけるステップS22の動作が他の動作に置換されている。その動作では、ステップS21で体表面マーカ62の位置と金マーカ63の位置とが算出される毎に、その体表面マーカ62の位置と金マーカ63の位置と放射線治療装置制御装置80がコンピュータ断層撮影装置5により生成された3次元データとに基づいて患者43の複数の部位の位置を算出し、患部61の患部位置を算出する。
【0104】
このような放射線照射方法は、患者43の透過画像と赤外線画像とが入力されてから所定の時間内に患部61の患部位置を算出することができる程度に放射線治療装置制御装置80のCPUの処理速度が十分に速いときに、適用することができる。このような放射線照射方法によれば、既述の実施の形態における放射線照射方法と同様にして、患者43の患部61の位置を算出するときに患者43に照射される放射線の線量をより低減することができ、患者43の患部61に治療用放射線23をより高精度に照射することができる。このような放射線照射方法は、さらに、患部位置テーブル91を作成する必要がなく、好ましい。
【0105】
本発明による放射線治療計画装置および放射線治療計画方法は、放射線治療で被検体の各部位に照射される治療用放射線の線量をより正確に算出することができる。本発明による放射線治療計画装置および放射線治療計画方法は、さらに、被検体の各部位に照射される治療用放射線の線量をより正確に算出するときに、すなわち、治療用放射線が照射されるときの被検体の動きを算出するときに、その被検体に照射される放射線の線量を低減することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9