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明細書 :放射線治療装置制御装置、特定部位位置計測方法、および、放射線治療装置制御装置の作動方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5472757号 (P5472757)
登録日 平成26年2月14日(2014.2.14)
発行日 平成26年4月16日(2014.4.16)
発明の名称または考案の名称 放射線治療装置制御装置、特定部位位置計測方法、および、放射線治療装置制御装置の作動方法
国際特許分類 A61N   5/10        (2006.01)
FI A61N 5/10 M
請求項の数または発明の数 20
全頁数 22
出願番号 特願2011-540557 (P2011-540557)
出願日 平成22年11月12日(2010.11.12)
国際出願番号 PCT/JP2010/070203
国際公開番号 WO2011/059061
国際公開日 平成23年5月19日(2011.5.19)
優先権出願番号 2009260614
優先日 平成21年11月16日(2009.11.16)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成23年12月22日(2011.12.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】半田 隆信
【氏名】▲高▼橋 邦夫
【氏名】高山 賢二
【氏名】溝脇 尚志
【氏名】平岡 眞寛
【氏名】成田 雄一郎
個別代理人の代理人 【識別番号】100134544、【弁理士】、【氏名又は名称】森 隆一郎
【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100108578、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 詔男
【識別番号】100126893、【弁理士】、【氏名又は名称】山崎 哲男
【識別番号】100149548、【弁理士】、【氏名又は名称】松沼 泰史
審査官 【審査官】五閑 統一郎
参考文献・文献 特表2008-514352(JP,A)
特表2009-533086(JP,A)
特表2007-507275(JP,A)
特開2007-236760(JP,A)
調査した分野 A61N 5/10
特許請求の範囲 【請求項1】
被写体を透過した放射線を用いて撮影された透過画像に前記被写体のうちの特定部位が映し出される位置に基づいて視線直線を算出する視線算出部と、
複数の透過画像に基づいて算出された前記特定部位が辿る軌跡の位置と前記視線直線の位置とに基づいて特定部位位置を算出する位置算出部と、
治療用放射線が前記特定部位位置を透過するように、前記治療用放射線を出射する放射線照射装置を制御する照射部と、
を具備する放射線治療装置制御装置。
【請求項2】
請求項1において、
互いに異なる複数の時刻に第1位置から出射された放射線を用いてそれぞれ撮影された複数の第1透過画像と、前記複数の時刻に前記第1位置と異なる第2位置から出射された放射線を用いてそれぞれ撮影された複数の第2透過画像とに基づいて前記軌跡を算出する軌跡モデル作成部
をさらに具備する放射線治療装置制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項のいずれか1項において、
前記透過画像が撮影された時刻に計測されたサロゲート信号値を収集するサロゲート信号取得部をさらに具備し、
前記位置算出部は、さらに、サロゲート信号値集合を部分軌跡集合に対応付けるテーブルを参照して、前記部分軌跡集合から前記サロゲート信号値に対応する部分軌跡を算出し、
前記軌跡は、前記部分軌跡を含み、
前記特定部位位置は、前記部分軌跡のうちの前記視線直線に最も近い第1点と、前記視線直線のうちの前記部分軌跡に最も近い第2点とを結ぶ線分に含まれる第3点の位置を示し、
前記サロゲート信号値は、前記被写体のうちの前記特定部位と異なるマーカの位置を示す、
放射線治療装置制御装置。
【請求項4】
請求項において、
前記透過画像が撮影された時刻に計測されたサロゲート信号値を収集するサロゲート信号取得部をさらに具備し、
前記位置算出部は、さらに、サロゲート信号値集合を位置集合に対応付けるテーブルを参照して、前記位置集合のうちの前記サロゲート信号値に対応する第1点を算出し、
前記特定部位位置は、前記第1点と前記視線直線のうちの前記第1点に最も近い第2点とを結ぶ線分に含まれる第3点の位置を示し、
前記第3点は、前記第1点と異なり、
前記サロゲート信号値は、前記被写体のうちの前記特定部位と異なるマーカの位置を示す、
放射線治療装置制御装置。
【請求項5】
請求項1~請求項3のいずれか1項において、
前記特定部位位置は、前記軌跡のうちの前記視線直線に最も近い第1点と、前記視線直線のうちの前記軌跡に最も近い第2点とを結ぶ線分に含まれる第3点の位置を示す、
放射線治療装置制御装置。
【請求項6】
請求項において、
前記軌跡は、線分に形成されている、
放射線治療装置制御装置。
【請求項7】
請求項3または請求項のいずれか1項において、
前記特定部位位置は、入力装置が操作されることにより入力される情報に基づいて前記第1点と前記第2点と前記第3点とのうちから選択された点の位置を示し、
前記第3点は、前記第1点と異なり、かつ、前記第2点と異なる、
放射線治療装置制御装置。
【請求項8】
請求項1~請求項のいずれか1項において、
前記治療用放射線が前記特定部位位置を透過するように、前記放射線照射装置を駆動する駆動装置を前記特定部位位置に基づいて制御する駆動部
をさらに具備する放射線治療装置制御装置。
【請求項9】
請求項において、
前記照射部は、さらに、前記特定部位位置が算出される前に算出された過去特定部位位置に基づいて範囲を算出し、前記特定部位位置が前記範囲に含まれていないときに、前記治療用放射線が出射されないように前記放射線照射装置を制御する、
放射線治療装置制御装置。
【請求項10】
請求項1~請求項のいずれか1項において、
前記治療用放射線が前記被写体に照射される照射野の形状が更新されるように、前記治療用放射線を部分的に遮蔽する照射野形状制御装置を前記透過画像に基づいて制御する照射野形状制御部
をさらに具備する放射線治療装置制御装置。
【請求項11】
被写体を透過した放射線を用いて撮影された透過画像に前記被写体のうちの特定部位が映し出される位置に基づいて視線直線を算出するステップと、
複数の透過画像に基づいて算出された前記特定部位が辿る軌跡の位置と前記視線直線の位置とに基づいて特定部位位置を算出するステップと、
を具備する特定部位位置計測方法。
【請求項12】
請求項11において、
互いに異なる複数の時刻に第1位置から出射された放射線を用いてそれぞれ撮影された複数の第1透過画像と、前記複数の時刻に前記第1位置と異なる第2位置から出射された放射線を用いてそれぞれ撮影された複数の第2透過画像とに基づいて前記軌跡を算出するステップ
をさらに具備する特定部位位置計測方法。
【請求項13】
請求項12において、
前記軌跡と前記複数の時刻にそれぞれ計測された複数サロゲート信号値とに基づいて、サロゲート信号値集合を部分軌跡集合に対応付けるテーブルを作成するステップと、
前記透過画像が撮影された時刻に計測されたサロゲート信号値を収集するステップと、
前記部分軌跡集合から前記サロゲート信号値に対応する部分軌跡を算出するステップと、
をさらに具備し、
前記特定部位位置は、前記部分軌跡のうちの前記視線直線に最も近い第1点と、前記視線直線のうちの前記部分軌跡に最も近い第2点とを結ぶ線分に含まれる第3点の位置を示し、
前記サロゲート信号値は、前記被写体のうちの前記特定部位と異なるマーカの位置を示す
特定部位位置計測方法。
【請求項14】
請求項12において、
前記軌跡と前記複数の時刻にそれぞれ計測された複数サロゲート信号値とに基づいて、サロゲート信号値集合を位置集合に対応付けるテーブルを作成するステップと、
前記透過画像が撮影された時刻に計測されたサロゲート信号値を収集するステップと、
前記位置集合のうちの前記サロゲート信号値に対応する第1点を算出するステップと、
をさらに具備し、
前記特定部位位置は、前記第1点と前記視線直線のうちの前記第1点に最も近い第2点とを結ぶ線分に含まれる第3点の位置を示し、
前記第3点は、前記第1点と異なり、
前記サロゲート信号値は、前記被写体のうちの前記特定部位と異なるマーカの位置を示す
特定部位位置計測方法。
【請求項15】
請求項11~13のいずれか1項において、
前記特定部位位置は、前記軌跡のうちの前記視線直線に最も近い第1点と、前記視線直線のうちの前記軌跡に最も近い第2点とを結ぶ線分に含まれる第3点の位置を示す
特定部位位置計測方法。
【請求項16】
請求項15において、
前記軌跡は、線分に形成されている
特定部位位置計測方法。
【請求項17】
請求項13または請求項14のいずれか1項において、
前記特定部位位置は、入力装置が操作されることにより入力される情報に基づいて前記第1点と前記第2点と前記第3点とのうちから選択された点の位置を示し、
前記第3点は、前記第1点と異なり、かつ、前記第2点と異なる
特定部位位置計測方法。
【請求項18】
放射線治療装置制御装置が、請求項11~請求項17のいずれか1項に記載される特定部位位置計測方法を実行するステップと、
前記放射線治療装置制御装置が、前記特定部位位置に基づいて、放射線照射装置前記被写体に出射する治療用放射線の向きを制御するステップと、
を具備する放射線治療装置制御装置の作動方法。
【請求項19】
請求項18において、
前記放射線治療装置制御装置が、前記特定部位位置が算出される前に前記特定部位位置計測方法により算出された過去特定部位位置に基づいて範囲を算出するステップと、
前記放射線治療装置制御装置が、前記特定部位位置が前記範囲に含まれていないときに、前記治療用放射線が出射されないように前記放射線照射装置を制御するステップと、
をさらに具備する放射線治療装置制御装置の作動方法。
【請求項20】
請求項18または請求項19のいずれか1項において、
前記放射線治療装置制御装置が、前記治療用放射線を部分的に遮蔽する照射野形状制御装置を前記透過画像に基づいて制御することで前記治療用放射線の照射野の形状を制御するステップ
をさらに具備する放射線治療装置制御装置の作動方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療装置制御装置特定部位位置計測方法、および、放射線治療装置制御装置の作動方法に関し、特に、人体内部の腫瘍患部を放射線治療するときに利用される放射線治療装置制御装置特定部位位置計測方法、および、放射線治療装置制御装置の作動方法に関する。
本願は、2009年11月16日に、日本に出願された特願2009-260614号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
患部(腫瘍)に治療用放射線を照射することにより患者を治療する放射線治療が知られている。その放射線治療は、治療効果が高いことが望まれ、その放射線は、患部の細胞に照射される線量に比較して、正常な細胞に照射される線量がより小さいことが望まれている。このためには治療用放射線を正確に患部に照射する必要がある。その放射線治療を実行する放射線治療装置は、患者の透過画像を撮像するイメージャシステムと、その治療用放射線を出射する治療用放射線照射装置と、その治療用放射線照射装置を駆動する駆動装置と、を備えている。その放射線治療装置は、その透過画像に基づいて患部の位置を算出し、その位置に治療用放射線が照射されるようにその駆動装置を用いてその治療用放射線照射装置を駆動する。
【0003】
その治療用放射線照射装置とイメージャシステムとを支持する支持構造は、その支持構造そのものの自重や、その治療用放射線照射装置の重量によりたわむ。このため、その支持構造を移動したときに、その患者の透過画像は、所望の視野からずれている他の視野を写すことがある。このとき、照射対象の位置決め操作や位置決め精度確認において、ユーザに誤った情報を与えてしまう。照射対象の位置決め操作や位置決め精度確認をより正確に実行することが望まれている。
【0004】
特開2001-259059号公報には、患部の呼吸性移動を正確にトラッキングする患部トラッキング方法が開示されている。その患部トラッキング方法は、患部の移動をトラッキングするための患部トラッキング方法において、患部周辺を撮影した透過画像からオプティカルフローを計算し、そのフローベクトルを合成することによって、患部の動きベクトルを計算することを特徴とする。
【0005】
特許第4064952号公報には、治療放射線を確実に照射対象に照射することができる放射線照射装置が開示されている。その放射線治療装置は、アイソセンタに位置される患者の患部に治療用放射線を照射するための放射線治療装置であって、アイソセンタを通る回転軸に対して回動自在な回転部材に配設される複数の透視画像用放射線発生装置と、前記複数の透視画像用放射線発生装置のそれぞれから照射される透視画像用放射線を検出して前記透視画像用放射線発生装置との間に配置される患部のイメージ画像を検出する複数のイメージャ用検出器と、前記回転部材に配設されて前記患部に治療用放射線を照射する治療用放射線発生装置と、前記回転部材に対して前記治療用放射線発生装置を移動させる移動手段と、前記複数の透視画像用放射線発生装置および前記複数のイメージャ用検出器で時系列に撮像されたそれぞれの透視画像の画像データに基づいて予測患部位置を演算する時系列データ処理装置と、前記予測患部位置の情報に基づいて前記予測患部位置に前記治療用放射線発生装置の照射軸を移動させるための移動量を演算する解析装置と、前記移動量の情報に基づいて前記治療用放射線発生装置の前記照射軸を前記予測患部位置に移動するように前記移動手段を制御する制御装置とを具備し、前記制御装置は、前記複数の透視画像用放射線発生装置のうちの2つが同時に前記透視画像用放射線を前記アイソセンタに位置される前記患部に照射しないように前記複数の透視画像用放射線発生装置を制御する。
【0006】
特開2007-236760号公報には、運動する被検体の一部分に放射線をより確実に照射する放射線治療装置制御装置が開示されている。その放射線治療装置制御装置は、被検体の一部分に治療用放射線を照射する治療用放射線照射装置と、前記被検体の運動を検出する運動検出装置と、前記被検体に対して前記治療用放射線照射装置を移動させる駆動装置とを備える放射線治療装置を制御する放射線治療装置制御装置であり、運動集合を位置集合に対応付ける患部位置データベースと、前記運動を前記運動検出装置から収集する運動収集部と、前記位置集合のうちの前記運動に対応する位置に前記治療用放射線が照射されるように、前記駆動装置を用いて前記治療用放射線照射装置を移動させる照射位置制御部と、を具備する。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開2001-259059号公報
【特許文献2】特許第4064952号公報
【特許文献3】特開2007-236760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、被写体の内部に配置される特定部位をより高精度に測定する放射線治療装置制御装置特定部位位置計測方法、および、放射線治療装置制御装置の作動方法を提供する。
本発明は、被写体の内部に配置される特定部位をより高精度に測定するときに、その被写体に照射される放射線の被曝量を低減する放射線治療装置制御装置特定部位位置計測方法、および、放射線治療装置制御装置の作動方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に、発明を実施するための形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0010】
本発明による放射線治療装置制御装置(2)は、被写体(43)を透過した放射線(35、36)を用いて撮影された透過画像に被写体(43)のうちの特定部位(60)が映し出される位置に基づいて視線直線(72)を算出する視線算出部(53)と、特定部位(60)が辿る軌跡(71)(82)(91)の位置と視線直線(72)の位置とに基づいて特定部位位置(74、75、76)(84、85、86)(93、94、95)を算出する位置算出部(55)と、治療用放射線(23)が特定部位位置(74、75、76)(84、85、86)(93、94、95)を透過するように、治療用放射線(23)を出射する放射線照射装置(16)を制御する照射部(58)と、を備えている。
【0011】
このような放射線治療装置制御装置(2)は、1枚の透過画像を用いて被写体(43)の内部に配置される特定部位(60)が配置される特定部位位置(74、75、76)(84、85、86)(93、94、95)をより高精度に算出することができる。このため、このような放射線治療装置制御装置(2)は、特定部位位置(74、75、76)(84、85、86)(93、94、95)を算出するときに、被写体(43)に照射される放射線(35、36)の被曝量を低減することができる。
【0012】
特定部位位置(74、75、76)(84、85、86)(93、94、95)は、軌跡(71)(82)(91)のうちの視線直線(72)に最も近い第1点(74)(84)(93)と、視線直線(72)のうちの軌跡(71)(82)(91)に最も近い第2点(75)(85)(94)とを結ぶ線分に含まれる第3点の位置を示している。
【0013】
軌跡(82)は、線分に形成されている。軌跡(82)の線分が視線直線(72)と平行でないときに、軌跡(82)のうちの視線直線(72)に最も近い第1点(84)は、唯一に決定し、視線直線(72)のうちの軌跡(82)に最も近い第2点(85)は、唯一に決定する。このため、特定部位位置(84、85、86)は、より確実に算出されることができる。
【0014】
本発明による放射線治療装置制御装置(2)は、互いに異なっている複数の時刻に第1位置から出射された放射線(35)を用いてそれぞれ撮影された複数の第1透過画像と、その複数の時刻にその第1位置と異なっている第2位置から出射された放射線(36)を用いてそれぞれ撮影された複数の第2透過画像とに基づいて軌跡(71)(82)(91)を算出する軌跡モデル作成部(51)をさらに備えている。
【0015】
本発明による放射線治療装置制御装置(2)は、その透過画像が撮影された時刻に計測されたサロゲート信号値を収集するサロゲート信号取得部(54)をさらに備えている。位置算出部(55)は、さらに、サロゲート信号値集合(66)を部分軌跡集合(67)に対応付けるテーブル(65)を参照して、部分軌跡集合(67)からそのサロゲート信号値に対応する部分軌跡(92)を算出する。軌跡(91)は、部分軌跡(92)のうちの視線直線(72)に最も近い第1点(93)と、部分軌跡(92)を含んでいる。特定部位位置(93、94、95)は、視線直線(72)のうちの部分軌跡(92)に最も近い第2点(94)と、を結ぶ線分に含まれる第3点の位置を示している。軌跡(91)が曲線であるときに、軌跡(91)のうちの視線直線(72)に最も近い点は、複数個存在することがあり、視線直線(72)のうちの軌跡(91)に最も近い点は、複数個存在することがある。このような放射線治療装置制御装置(2)によれば、第1点(93)または第2点(94)が複数個存在する確率が低減し、特定部位位置(93、94、95)がより確実に算出されることができる。
【0016】
本発明による放射線治療装置制御装置(2)は、その透過画像が撮影された時刻に計測されたサロゲート信号値を収集するサロゲート信号取得部(54)をさらに備えている。位置算出部(55)は、さらに、サロゲート信号値集合(66)を位置集合(67)に対応付けるテーブル(65)を参照して、位置集合(67)のうちのそのサロゲート信号値に対応する第1点(74)(84)(93)を算出する。このとき、特定部位位置(75、76)(85、86)(94、95)は、第1点(74)(84)(93)と視線直線(72)のうちの第1点(74)(84)(93)に最も近い第2点(75)(85)(94)とを結ぶ線分に含まれる第3点の位置を示している。ただし、その第3点は、第1点(74)(84)(93)と異なっている。
【0017】
そのサロゲート信号値は、被写体(43)のうちの特定部位(60)と異なっているマーカ(61)の位置を示している。
【0018】
特定部位位置(74、75、76)(84、85、86)(93、94、95)としては、入力装置が操作されることにより入力される情報に基づいて第1点(74)(84)(93)と第2点(75)(85)(94)とその第3点とのうちから選択された点の位置を採用することもできる。このとき、その第3点は、第1点(74)(84)(93)と異なり、かつ、第2点(75)(85)(94)と異なっている。
【0019】
本発明による放射線治療装置制御装置(2)は、治療用放射線(23)が特定部位位置(74、75、76)(84、85、86)(93、94、95)を透過するように、放射線照射装置(16)を被写体(43)に対して駆動する駆動装置(15)を特定部位位置(74、75、76)(84、85、86)(93、94、95)に基づいて制御する駆動部(56)をさらに備えている。
【0020】
照射部(58)は、さらに、特定部位位置が算出される前に算出された過去特定部位位置(88-1~88-3)(96-1~96-3)に基づいて範囲(89)(97)を算出し、特定部位位置が範囲(89)(97)に含まれていないときに、治療用放射線(23)が出射されないように放射線照射装置(16)を制御する。
【0021】
本発明による放射線治療装置制御装置(2)は、治療用放射線(23)が被写体(43)に照射される照射野の形状が更新されるように、治療用放射線(23)を部分的に遮蔽する照射野形状制御装置(20)をその透過画像に基づいて制御する照射野形状制御部(57)をさらに備えている。
【0022】
本発明による特定部位位置計測方法は、被写体(43)を透過した放射線(35、36)を用いて撮影された透過画像に被写体(43)のうちの特定部位(60)が映し出される位置に基づいて視線直線(72)を算出するステップと、特定部位(60)が辿る軌跡(71)(82)(91)の位置と視線直線(72)の位置とに基づいて特定部位位置を算出するステップとを備えている。このような特定部位位置計測方法は、1枚の透過画像を用いて被写体(43)の内部に配置される特定部位(60)が配置される特定部位位置をより高精度に算出することができる。このため、このような特定部位位置計測方法は、特定部位位置を算出するときに、被写体(43)に照射される放射線(35、36)の被曝量を低減することができる。
【0023】
特定部位位置は、軌跡(71)(82)(91)のうちの視線直線(72)に最も近い第1点(74)(84)(93)と、視線直線(72)のうちの軌跡(71)(82)(91)に最も近い第2点(75)(85)(94)とを結ぶ線分に含まれる第3点の位置を示している。
【0024】
軌跡(82)は、線分に形成されていることが好ましい。軌跡(82)の線分が視線直線(72)と平行でないときに、軌跡(82)のうちの視線直線(72)に最も近い第1点(84)は、唯一に決定し、視線直線(72)のうちの軌跡(82)に最も近い第2点(85)は、唯一に決定する。このため、特定部位位置は、より確実に算出されることができる。
【0025】
本発明による特定部位位置計測方法は、互いに異なる複数の時刻に第1位置から出射された放射線(35、36)を用いてそれぞれ撮影された複数の第1透過画像と、その複数の時刻にその第1位置と異なる第2位置から出射された放射線(35、36)を用いてそれぞれ撮影された複数の第2透過画像とに基づいて軌跡(71)(82)(91)を算出するステップをさらに備えている。
【0026】
本発明による特定部位位置計測方法は、軌跡(91)とその複数の時刻にそれぞれ計測された複数サロゲート信号値とに基づいて、サロゲート信号値集合(66)を部分軌跡集合に対応付けるテーブル(65)を作成するステップと、その透過画像が撮影された時刻に計測されたサロゲート信号値を収集するステップと、部分軌跡集合からそのサロゲート信号値に対応する部分軌跡(92)を算出するステップとをさらに備えている。特定部位位置は、部分軌跡(92)のうちの視線直線(72)に最も近い第1点(93)と、視線直線(72)のうちの部分軌跡(92)に最も近い第2点(94)とを結ぶ線分に含まれる第3点の位置を示している。軌跡(91)が曲線であるときに、軌跡(91)のうちの視線直線(72)に最も近い点は、複数個存在することがあり、視線直線(72)のうちの軌跡(91)に最も近い点は、複数個存在することがある。このような特定部位位置計測方法によれば、第1点(93)または第2点(94)が複数個存在する確率が低減し、特定部位位置がより確実に算出されることができる。
【0027】
本発明による特定部位位置計測方法は、軌跡(71)(82)(91)とその複数の時刻にそれぞれ計測された複数サロゲート信号値とに基づいて、サロゲート信号値集合(66)を位置集合(67)に対応付けるテーブル(65)を作成するステップと、その透過画像が撮影された時刻に計測されたサロゲート信号値を収集するステップと、位置集合(67)のうちのそのサロゲート信号値に対応する第1点(74)(84)(93)を算出するステップとをさらに備えている。このとき、特定部位位置は、第1点(74)(84)(93)と視線直線(72)のうちの第1点(74)(84)(93)に最も近い第2点(75)(85)(94)とを結ぶ線分に含まれる第3点の位置を示している。ただし、その第3点は、第1点(74)(84)(93)と異なっている。
【0028】
そのサロゲート信号値は、被写体(43)のうちの特定部位(60)と異なるマーカ(61)の位置を示すことが好ましい。
【0029】
特定部位位置としては、入力装置が操作されることにより入力される情報に基づいて第1点(74)(84)(93)と第2点(75)(85)(94)とその第3点とのうちから選択された点の位置を採用することもできる。このとき、その第3点は、第1点(74)(84)(93)と異なり、かつ、第2点(75)(85)(95)と異なっている。
【0030】
本発明による放射線治療装置制御装置(2)の作動方法は、放射線治療装置制御装置(2)が、本発明による特定部位位置計測方法を実行するステップと、放射線治療装置制御装置(2)が、特定部位位置を治療用放射線(23)が透過するように、放射線照射装置(16)被写体(43)に出射する治療用放射線(23)の向きを制御するステップとを備えている。すなわち、本発明による特定部位位置計測方法は、被写体(43)の特定部位(60)に治療用放射線(23)を照射するときに、治療用放射線(23)が照射される直前に実行されることが好ましい。
【0031】
本発明による放射線治療装置制御装置(2)の作動方法は、放射線治療装置制御装置(2)が、特定部位位置が算出される前にその特定部位位置計測方法により算出された過去特定部位位置(88-1~88-3)(96-1~96-3)に基づいて範囲(89)(97)を算出するステップと、放射線治療装置制御装置(2)が、特定部位位置が範囲(89)(97)に含まれていないときに、治療用放射線(23)が出射されないように放射線照射装置(16)を制御するステップとをさらに備えていることが好ましい。
【0032】
本発明による放射線治療装置制御装置(2)の作動方法は、放射線治療装置制御装置(2)が、治療用放射線(23)が被写体(43)に照射される照射野の形状が更新されるように、治療用放射線(23)を部分的に遮蔽する照射野形状制御装置(20)をその透過画像に基づいて制御することで治療用放射線(23)の照射野の形状を制御するステップをさらに備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0033】
本発明による放射線治療装置制御装置特定部位位置計測方法、および、放射線治療装置制御装置の作動方法は、被写体の内部に配置される特定部位の特定部位位置をより高精度に測定することができる。
本発明による放射線治療装置制御装置特定部位位置計測方法、および、放射線治療装置制御装置の作動方法は、さらに、1枚の透過画像を用いてその特定部位位置を算出するときに、複数枚の透過画像を用いてその特定部位位置を算出する技術に比較して、その被写体に照射される放射線の被曝量をより低減することができる。





【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の1実施形態に係る放射線治療システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の1実施形態に係る放射線治療装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の1実施形態に係る放射線治療装置制御装置を示すブロック図である。
【図4】本発明の1実施形態に係る放射線治療装置における患者を中心とした断面図である。
【図5】本発明の1実施形態に係るサロゲートテーブルを示す図である。
【図6】本発明の1実施形態に係る放射線治療装置における患部位置を示す斜視図である。
【図7】本発明の1実施形態に係る放射線治療の動作を示すフローチャートである。
【図8】他の軌跡を示す平面図である。
【図9】他の患部位置を示す斜視図である。
【図10】さらに他の軌跡を示す斜視図である。
【図11】さらに他の患部位置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面を参照して、本発明による放射線治療装置制御装置の実施の形態を記載する。その放射線治療装置制御装置2は、図1に示されているように、放射線治療システム1に適用されている。放射線治療システム1は、放射線治療装置制御装置2と放射線治療装置3と赤外線カメラ5とを備えている。放射線治療装置制御装置2は、パーソナルコンピュータに例示されるコンピュータである。放射線治療装置制御装置2と放射線治療装置3と赤外線カメラ5とは、双方向に情報を伝送することができるように、互いに接続されている。赤外線カメラ5は、患者に照射される赤外線の反射光を用いて患者の赤外線画像を撮像し、その赤外線画像を放射線治療装置制御装置2に出力する。

【0036】
図2は、放射線治療装置3を示している。放射線治療装置3は、旋回駆動装置11とOリング12と走行ガントリ14と首振り機構15と治療用放射線照射装置16とを備えている。旋回駆動装置11は、回転軸17を中心に回転可能にOリング12を土台に支持し、放射線治療装置制御装置2により制御されて回転軸17を中心にOリング12を回転させる。回転軸17は、鉛直方向に平行である。旋回駆動装置11は、さらに、土台に対するOリング12の旋回角を計測する。Oリング12は、回転軸18を軸とするリング状に形成され、回転軸18を中心に回転可能に走行ガントリ14を支持している。回転軸18は、鉛直方向に垂直であり、回転軸17に含まれるアイソセンタ19を通る。回転軸18は、さらに、Oリング12に対して固定され、すなわち、Oリング12とともに回転軸17を中心に回転する。走行ガントリ14は、回転軸18を中心とするリング状に形成され、Oリング12のリングと同心円になるように配置されている。放射線治療装置3は、さらに、図示されていない走行駆動装置を備えている。その走行駆動装置は、放射線治療装置制御装置2により制御されて回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させる。その走行駆動装置は、さらに、Oリング12に対する走行ガントリ14の走行角を計測する。

【0037】
首振り機構15は、治療用放射線照射装置16が走行ガントリ14の内側に配置されるように、治療用放射線照射装置16を走行ガントリ14に支持している。首振り機構15は、チルト軸21およびパン軸22を有している。パン軸22は、走行ガントリ14に対して固定され、回転軸18に交差しないで回転軸18に平行である。チルト軸21は、パン軸22に直交している。首振り機構15は、放射線治療装置制御装置2により制御されて、パン軸22を中心に治療用放射線照射装置16を回転させ、チルト軸21を中心に治療用放射線照射装置16を回転させる。

【0038】
治療用放射線照射装置16は、放射線治療装置制御装置2により制御されて、治療用放射線23を放射する。治療用放射線23は、パン軸22とチルト軸21とが交差する交点を通る直線に概ね沿って放射される。治療用放射線23は、一様強度分布を持つように形成されている。治療用放射線照射装置16は、マルチリーフコリメータ(MLC)20を備えている。そのマルチリーフコリメータ20は、放射線治療装置制御装置2により制御され、治療用放射線23の一部を遮蔽することにより、治療用放射線23が患者に照射されるときの照射野の形状を変更する。

【0039】
治療用放射線23は、このように治療用放射線照射装置16が走行ガントリ14に支持されることにより、首振り機構15で治療用放射線照射装置16がアイソセンタ19に向かうように一旦調整されると、旋回駆動装置11によりOリング12が回転し、または、その走行駆動装置により走行ガントリ14が回転しても、常に概ねアイソセンタ19を通る。即ち、走行・旋回を行うことで任意方向からアイソセンタ19に向けて治療用放射線23の照射が可能になる。

【0040】
放射線治療装置3は、さらに、複数のイメージャシステムを備えている。すなわち、放射線治療装置3は、診断用X線源24、25とセンサアレイ32、33とを備えている。診断用X線源24は、走行ガントリ14に支持されている。診断用X線源24は、走行ガントリ14のリングの内側に配置され、アイソセンタ19から診断用X線源24を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置されている。診断用X線源24は、放射線治療装置制御装置2により制御されてアイソセンタ19に向けて診断用X線35を放射する。診断用X線35は、診断用X線源24が有する1点から放射され、その1点を頂点とする円錐状のコーンビームである。診断用X線源25は、走行ガントリ14に支持されている。診断用X線源25は、走行ガントリ14のリングの内側に配置され、アイソセンタ19から診断用X線源25を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置されている。診断用X線源25は、放射線治療装置制御装置2により制御されてアイソセンタ19に向けて診断用X線36を放射する。診断用X線36は、診断用X線源25が有する1点から放射され、その1点を頂点とする円錐状のコーンビームである。

【0041】
センサアレイ32は、走行ガントリ14に支持されている。センサアレイ32は、診断用X線源24により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した診断用X線35を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ33は、走行ガントリ14に支持されている。センサアレイ33は、診断用X線源25により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した診断用X線36を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ32、33としては、FPD(Flat Panel Detector)、X線II(Image Intensifier)が例示される。

【0042】
このようなイメージャシステムによれば、センサアレイ32、33により得た画像信号に基づき、アイソセンタ19を中心とする透過画像を生成することができる。

【0043】
放射線治療装置3は、さらに、カウチ41とカウチ駆動装置42とを備えている。カウチ41は、放射線治療システム1により治療される患者43が横臥することに利用される。カウチ41は、図示されていない固定具を備えている。その固定具は、その患者が動かないように、その患者をカウチ41に固定する。カウチ駆動装置42は、カウチ41を土台に支持し、放射線治療装置制御装置2により制御されてカウチ41を移動させる。

【0044】
図3は、放射線治療装置制御装置2を示している。放射線治療装置制御装置2は、図示されていないCPUと記憶装置と入力装置とインターフェースとを備えている。そのCPUは、放射線治療装置制御装置2にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置と入力装置とインターフェースとを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録し、そのCPUにより生成される情報を一時的に記録する。その入力装置は、ユーザに操作されることにより情報を生成し、その情報をそのCPUに出力する。その入力装置としては、キーボードが例示される。そのインターフェースは、放射線治療装置制御装置2に接続される外部機器により生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をその外部機器に出力する。その外部機器は、放射線治療装置3の旋回駆動装置11と走行駆動装置と首振り機構15と治療用放射線照射装置16とマルチリーフコリメータ20とイメージャシステム(診断用X線源24、25、センサアレイ32、33)とカウチ駆動装置42とを含んでいる。

【0045】
そのコンピュータプログラムは、軌跡モデル作成部51と撮影部52と視線算出部53とサロゲート信号取得部54と位置算出部55と首振り駆動部56と照射野形状制御部57と照射部58とを含んでいる。

【0046】
軌跡モデル作成部51は、放射線治療装置3の旋回駆動装置11を用いてOリング12を所定の旋回角に固定し、放射線治療装置3の走行駆動装置を用いて走行ガントリ14を所定の走行角に固定する。軌跡モデル作成部51は、走行ガントリ14が固定された状態で、放射線治療装置3のイメージャシステムを用いて互いに異なる複数の撮影時刻に患者43の複数の透過画像を撮影し、その複数の透過画像をその複数の撮影時刻に対応付けて記憶装置に記録する。軌跡モデル作成部51は、さらに、赤外線カメラ5を用いてその複数の撮影時刻に患者43の複数の赤外線画像を撮影し、その複数の赤外線画像をその複数の撮影時刻に対応付けて記憶装置に記録する。軌跡モデル作成部51は、さらに、その複数の透過画像に基づいて、患者43が呼吸することにより変動する患者43の患部の軌跡を算出する。軌跡モデル作成部51は、さらに、その複数の透過画像とその複数の赤外線画像とに基づいて、赤外線カメラ5により撮影された赤外線画像から算出されるサロゲート信号値と患者43の患部の位置との関係を示すサロゲートテーブルを算出する。

【0047】
撮影部52は、放射線治療装置3のイメージャシステムを用いて患者43の透過画像を撮像する。

【0048】
視線算出部53は、撮影部52により撮影された透過画像に基づいて、視線を算出する。

【0049】
サロゲート信号取得部54は、撮影部52により透過画像が撮影された時刻と同時に、赤外線カメラ5を用いて患者43の赤外線画像を撮影する。サロゲート信号取得部54は、さらに、その赤外線画像を画像処理することによりサロゲート信号を生成する。

【0050】
位置算出部55は、入力装置を介してユーザにより入力される情報と軌跡モデル作成部51により作成されたサロゲートテーブルと視線算出部53により算出された視線とサロゲート信号取得部54により生成されたサロゲート信号とに基づいて患者43の患部の患部位置を算出する。

【0051】
首振り駆動部56は、位置算出部55により算出された患部位置を治療用放射線23が透過するように、首振り機構15を用いて治療用放射線照射装置16を駆動する。照射野形状制御部57は、撮影部52により撮影された透過画像に基づいて照射野の形状を算出し、その算出された形状に治療用放射線23の照射野が形成されるようにマルチリーフコリメータ20を制御する。照射部58は、治療用放射線照射装置16を用いて、治療用放射線23を患者に照射する。

【0052】
図4は、患者43を示している。患者43は、患部60と体表面マーカ61とを備えている。患部60は、患者43の体内に配置され、患者43の呼吸と連動して運動する。患部60は、放射線治療装置3のイメージャシステムにより撮影される透過画像に映し出される。体表面マーカ61は、患者43の呼吸と連動して運動するように患者43の体表面に貼り付けられ、赤外線カメラ5により撮像される赤外線画像に映し出される。

【0053】
赤外線カメラ5は、体表面マーカ61を赤外線画像に撮影することができるように配置され、放射線治療装置3が支持される土台に固定されている。

【0054】
このとき、軌跡モデル作成部51は、入力装置を介してユーザにより入力される情報に基づいて、放射線治療装置3のイメージャシステムにより撮影される透過画像に患部60がより明確に映し出されるように、放射線治療装置3の旋回駆動装置11を用いてOリング12を所定の旋回角に固定し、放射線治療装置3の走行駆動装置を用いて回転軸18を中心に走行ガントリ14を所定の走行角に固定する。軌跡モデル作成部51は、走行ガントリ14が固定された状態で、放射線治療装置3のイメージャシステムを用いて互いに異なる複数の撮影時刻に患者43の複数の透過画像を撮影し、その複数の透過画像をその複数の撮影時刻に対応付けて記憶装置に記録する。軌跡モデル作成部51は、さらに、赤外線カメラ5を用いてその複数の撮影時刻に患者43の複数の赤外線画像を撮影し、その複数の赤外線画像をその複数の撮影時刻に対応付けて記憶装置に記録する。軌跡モデル作成部51は、さらに、その複数の透過画像に基づいて、患者43が呼吸することにより変動する患者43の患部の軌跡を算出する。軌跡モデル作成部51は、さらに、その複数の透過画像とその複数の赤外線画像とに基づいて、患者43の体表面の位置と患者43の患部の位置との関係を示すサロゲートテーブルを算出する。

【0055】
サロゲート信号取得部54は、撮影部52により透過画像が撮影された時刻と同時に、赤外線カメラ5を用いて患者43の赤外線画像を撮影する。サロゲート信号取得部54は、さらに、その赤外線画像を画像処理することによりサロゲート信号値を算出する。そのサロゲート信号値は、その赤外線画像に体表面マーカ61が映し出される位置に対応している。

【0056】
図5は、軌跡モデル作成部51により作成されるサロゲートテーブルを示している。そのサロゲートテーブル65は、サロゲート信号集合66を患部位置集合67に対応付けている。すなわち、サロゲート信号集合66のうちの任意の要素は、患部位置集合67のうちの1つの要素に対応している。サロゲート信号集合66の要素は、それぞれ、サロゲート信号取得部54により収集され得るサロゲート信号を示している。患部位置集合67の要素は、それぞれ、軌跡モデル作成部51により算出される軌跡に含まれる点の位置を示している。

【0057】
このとき、軌跡モデル作成部51は、赤外線カメラ5を用いて撮影された赤外線画像に患部60が映し出される位置が、放射線治療装置3のイメージャシステムにより撮影される透過画像を画像処理することより算出された患部60の位置に対応するように、サロゲートテーブル65を作成する。

【0058】
このとき、位置算出部55は、サロゲートテーブル65を参照して、患部位置集合67のうちのサロゲート信号取得部54により生成されたサロゲート信号値に対応する位置を算出する。

【0059】
図6は、軌跡モデル作成部51により算出される軌跡を示している。その軌跡71は、滑らかである閉曲線に形成されている。軌跡71は、患部60の軌跡を示し、サロゲートテーブル65の患部位置集合67の要素から形成されている。

【0060】
図6は、さらに、視線算出部53により算出された視線を示している。その視線72は、診断用X線源24の1点と患部60とを通るように、算出される。すなわち、視線72は、診断用X線源24により出射される診断用X線35の頂点とセンサアレイ32上の点73とを結ぶ直線に形成されている。このとき、点73は、診断用X線35とセンサアレイ32とを用いて撮影される透過画像を画像処理することより算出された点であり、その透過画像に患部60が映し出された位置に対応している。視線72は、または、診断用X線源24の1点と患部60とを通るように、算出される。すなわち、視線72は、診断用X線源25により出射される診断用X線36の頂点とセンサアレイ33上の点73とを結ぶ直線に形成されている。このとき、点73は、診断用X線36とセンサアレイ33とを用いて撮影される透過画像を画像処理することより算出された点であり、その透過画像に患部60が映し出された位置に対応している。

【0061】
図6は、さらに、位置算出部55により算出される複数の点を示している。その複数の点は、第1点74と第2点75と第3点76とを含んでいる。第1点74は、サロゲートテーブル65の患部位置集合67のうちのサロゲート信号取得部54により生成されたサロゲート信号値に対応する位置に配置されている。第2点75は、視線72のうちの第1点74に最も近い点を示している。第3点76は、第1点74と第2点75とを結ぶ線分に含まれる1つの点を示し、入力装置を介してユーザにより入力される比にその線分を内分する点を示している。第3点76は、さらに、第1点74と異なり、第2点75と異なっている。位置算出部55は、入力装置を介してユーザにより入力される情報に基づいて第1点74と第2点75と第3点76とから選択された1つの点の位置を患部位置として算出する。

【0062】
このとき、照射部58は、さらに、第1点74と第2点75との距離が予め設定された閾値より大きいときに、治療用放射線23を出射しないように治療用放射線照射装置16を制御する。

【0063】
本発明による放射線照射方法の実施の形態は、放射線治療システム1を用いて実行され、患部の軌跡を作成する動作と、放射線治療する動作とを備えている。

【0064】
その患部の軌跡を作成する動作では、ユーザは、まず、放射線治療装置3のカウチ41に患者43を固定する。ユーザは、さらに、患者43の患部60が概ねアイソセンタ19に重なって配置されるように、放射線治療装置制御装置2を操作してカウチ41を移動させる。ユーザは、さらに、放射線治療装置3のイメージャシステムにより撮影される透過画像に患部60がより明確に映し出されるように、放射線治療装置3の旋回駆動装置11を用いてOリング12を所定の旋回角に固定し、放射線治療装置3の走行駆動装置を用いて回転軸18を中心に走行ガントリ14を所定の走行角に固定する。放射線治療装置制御装置2は、走行ガントリ14が固定された状態で、診断用X線源24とセンサアレイ32とを用いて互いに異なる複数の撮影時刻に患者43の複数の透過画像を撮影し、診断用X線源25とセンサアレイ33とを用いてその複数の撮影時刻に患者43の複数の透過画像を撮影し、赤外線カメラ5を用いてその複数の撮影時刻に患者43の複数の赤外線画像を撮影する。放射線治療装置制御装置2は、その複数の透過画像に基づいて、患者43が呼吸することにより変動する患者43の患部60の軌跡71を算出する。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その複数の透過画像とその複数の赤外線画像とに基づいてサロゲートテーブル65を算出する。

【0065】
図7は、その放射線治療する動作を示している。その放射線治療する動作は、その患部の軌跡を作成する動作が実行された直後に実行され、患者43がその患部の軌跡を作成する動作で固定された状態のまま実行される。放射線治療装置制御装置2は、放射線治療装置3の旋回駆動装置11を用いてOリング12を治療計画が示す旋回角に固定し、放射線治療装置3の走行駆動装置を用いて走行ガントリ14を治療計画が示す走行角に固定する。

【0066】
放射線治療装置制御装置2は、走行ガントリ14が固定された状態で、診断用X線源24とセンサアレイ32とを用いて患者43の透過画像を撮影し、診断用X線源25とセンサアレイ33とを用いて患者43の透過画像を撮影し、赤外線カメラ5を用いてに患者43の赤外線画像を撮影する(ステップS1)。放射線治療装置制御装置2は、診断用X線源24とセンサアレイ32とを用いて撮影された透過画像と診断用X線源25とセンサアレイ33とを用いて撮影された透過画像とに基づいて患部60の位置を特定することができるかどうかを判別する(ステップS2)。

【0067】
放射線治療装置制御装置2は、その2つの透過画像に基づいて患部60の位置を特定することができるときに、すなわち、その2つの透過画像の両方が患部60を明確に映し出しているときに、(ステップS2、YES)、ステレオ視方式で(すなわち、その2つの透過画像に基づいて)患部60の患部位置を特定する(ステップS3)。

【0068】
放射線治療装置制御装置2は、その2つの透過画像に基づいて患部60の位置を特定することができないときに(ステップS2、NO)、その2つの透過画像のうちの1つが患部60を明確に映し出しているかどうかを判別する(ステップS4)。放射線治療装置制御装置2は、その2つの透過画像の両方が患部60を明確に映し出していないときに(ステップS4、NO)、再度ステップS1からの動作を実行する。

【0069】
放射線治療装置制御装置2は、その2つの透過画像のうちの1つの透過画像が患部60を明確に映し出しているときに(ステップS4、YES)、シングルイメージ方式で患部位置を算出する(ステップS5)。すなわち、放射線治療装置制御装置2は、その1つの透過画像に基づいて視線72を算出する。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その赤外線画像に基づいてサロゲート信号値を算出し、サロゲートテーブル65を参照して、患部位置集合67のうちのそのサロゲート信号値に対応する位置の第1点74を算出する。放射線治療装置制御装置2は、さらに、視線72のうちの第1点74に最も近い第2点75を算出する。放射線治療装置制御装置2は、さらに、入力装置を介してユーザにより入力される比に第1点74と第2点75とを結ぶ線分を内分する第3点76を算出する。放射線治療装置制御装置2は、さらに、入力装置を介してユーザにより予め入力された情報に基づいて第1点74と第2点75と第3点76とから選択された1つの点の位置を患部位置として算出する。

【0070】
放射線治療装置制御装置2は、ステレオ視方式で算出された患部位置に基づいて、または、シングルイメージ方式で算出された患部位置に基づいて、治療用放射線23の照射軸がその患部位置を通るように、首振り機構15を制御する(ステップS6)。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その透過画像に基づいて照射野の形状を算出し、その算出された形状に治療用放射線23の照射野が形成されるようにマルチリーフコリメータ20を制御する(ステップS7)。放射線治療装置制御装置2は、さらに、治療用放射線照射装置16を用いて、治療用放射線23を患者に照射する(ステップS8)。このとき、放射線治療装置制御装置2は、第1点74と第2点75との距離が予め設定された閾値より大きいときに、治療用放射線23を出射しないように治療用放射線照射装置16を制御する。

【0071】
放射線治療装置制御装置2は、患者43の患部60に照射された治療用放射線23の線量がその治療計画の線量になるまで、ステップS1~ステップS8の動作を繰り返して周期的に実行する。

【0072】
放射線治療装置制御装置2は、ステップS1で撮影された2つの透過画像のうちの1つの透過画像のみに基づいて患者43の患部60の位置を高精度に算出することができない。このような放射線治療する動作によれば、放射線治療装置制御装置2は、ステップS1で撮影された2つの透過画像のうちの1つの透過画像が患部60を映し出しているときに、患部60の患部位置をより高精度に算出することができる。このため、放射線治療システム1は、患者43をより高精度に放射線治療することができる。

【0073】
第1点74と第2点75との距離が予め設定された閾値より大きいことは、適切な患部位置が算出されない可能性が高い。このため、第1点74と第2点75との距離が予め設定された閾値より大きいときに、治療用放射線23を出射しないように治療用放射線照射装置16を制御することによれば、放射線治療システム1は、さらに、信頼度を向上させることができる。

【0074】
軌跡71を算出するための透過画像を撮影するイメージャシステムの位置は、放射線治療時に治療用放射線照射装置16が配置される位置と独立である。このため、軌跡71は、より確実に、かつ、より高精度に算出されることができ、好ましい。

【0075】
なお、その放射線治療する動作では、イメージャシステムの1つだけを動作させることにより患部位置を算出することもできる。この場合でも、同様にして、患部60の患部位置をより高精度に算出することができ、放射線治療システム1は、患者43をより高精度に放射線治療することができる。このとき、さらに、患者43に照射される放射線の被曝量を低減することができ、好ましい。

【0076】
なお、軌跡71、82、91は、放射線治療装置3のイメージャシステムと異なる他の装置を用いて算出することもできる。その装置としては、MRIや4D-CTが例示される。このように算出された軌跡を用いた場合であっても、放射線治療装置制御装置2は、同様にして、ステップS1で撮影された2つの透過画像のうちの1つの透過画像が患部60を映し出しているときに、患部60の患部位置をより高精度に算出することができ、放射線治療システム1は、患者43をより高精度に放射線治療することができる。

【0077】
なお、赤外線カメラ5は、患者43を透過する放射線を用いないで呼吸の位相を計測する他のセンサに置換されることができる。そのセンサとしては、患者が呼吸するときの換気量を測定するスパイロメータが例示される。このようなセンサを備えた場合であっても、放射線治療装置制御装置2は、同様にして、ステップS1で撮影された2つの透過画像のうちの1つの透過画像が患部60を映し出しているときに、患部60の患部位置をより高精度に算出することができ、放射線治療システム1は、患者43をより高精度に放射線治療することができる。

【0078】
図8は、軌跡モデル作成部51により算出される他の軌跡を示している。その軌跡82は、線分から形成され、放射線治療装置3のイメージャシステムにより複数の時刻にそれぞれ撮影される複数の透過画像から算出された複数の点81に基づいて算出される。複数の点81は、その複数の時刻に患部60が配置された位置を示している。軌跡82は、複数の点81から近似された線分を示している。このような軌跡82の作成方法としては、最小二乗法が例示される。

【0079】
図9は、このような軌跡82を用いたときに、位置算出部55により算出される複数の点を示している。その複数の点は、第1点84と第2点85と第3点86とを含んでいる。第1点84は、軌跡82のうちの視線72に最も近い点を示している。第2点85は、視線72のうちの第1点84に最も近い点を示している。第3点86は、第1点84と第2点85とを結ぶ線分に含まれる1つの点を示し、入力装置を介してユーザにより入力される比にその線分を内分する点を示している。第3点86は、さらに、第1点84と異なり、第2点85と異なっている。位置算出部55は、入力装置を介してユーザにより入力される情報に基づいて第1点84と第2点85と第3点86とから選択された1つの点の位置を患部位置として算出する。

【0080】
このように算出された患部位置は、サロゲート信号を用いて算出される患部位置と比較して、精度が比較的低い。しかしながら、このような患部位置は、サロゲート信号、サロゲートテーブル65を必要としないで算出されることができる。このため、位置算出部55は、その患部位置をより容易に、より高速に算出することができる。このとき、放射線治療システム1は、さらに、その患部位置の算出に赤外線カメラ5を必要としない。このため、放射線治療システム1は、赤外線カメラ5を省略することができ、より安価に作製されることができる。軌跡82のうちの視線72に最も近い第1点84は、軌跡82が曲線であるときに、複数が算出されることがある。軌跡82が線分に近似されることによれば、第1点84をより確実に唯一に算出することができ、好ましい。

【0081】
このとき、照射部58は、第1点84と第2点85との距離が予め設定された閾値より大きいときに、治療用放射線23を出射しないように治療用放射線照射装置16を制御する。照射部58は、さらに、図10に示されているように、位置算出部55により直前に算出された患部位置88-1~88-3に基づいて範囲89を算出する。範囲89は、患部位置88-1~88-3の次に算出される患部位置が存在すると予測される範囲を示している。照射部58は、位置算出部55により次に算出された患部位置が範囲89に含まれていないときに、治療用放射線23を出射しないように治療用放射線照射装置16を制御する。その算出された患部位置が範囲89に含まれていないことは、その患部位置が適切に算出されていない可能性が高い。このため、このような制御によれば、放射線治療システム1は、さらに、信頼度を向上させることができる。

【0082】
図11は、軌跡モデル作成部51により算出される他の軌跡を示している。その軌跡91は、なめらかな閉曲線に形成され、複数の部分に分割されている。このとき、軌跡モデル作成部51により算出されるサロゲートテーブルは、サロゲート信号集合66を部分軌跡集合に対応付けている。すなわち、サロゲート信号集合66のうちの任意の要素は、その部分軌跡集合のうちの1つの要素に対応している。その部分軌跡集合の要素は、それぞれ、軌跡91が分割された部分の1つを示している。

【0083】
このとき、位置算出部55は、サロゲートテーブル65を参照して、患部位置集合67のうちのサロゲート信号取得部54により生成されたサロゲート信号値に対応する部分軌跡92を算出する。位置算出部55は、部分軌跡92と視線72とに基づいて第1点93と第2点94と第3点95とを算出する。第1点93は、軌跡91のうちの視線72に最も近い点を示している。第2点94は、視線72のうちの第1点93に最も近い点を示している。第3点95は、第1点93と第2点94とを結ぶ線分に含まれる1つの点を示し、入力装置を介してユーザにより入力される比にその線分を内分する点を示している。第3点95は、さらに、第1点93と異なり、第2点94と異なっている。位置算出部55は、入力装置を介してユーザにより入力される情報に基づいて第1点93と第2点94と第3点95とから選択された1つの点の位置を患部位置として算出する。

【0084】
軌跡91が曲線であるときに、軌跡91のうちの視線72に最も近い第1点93は、複数が算出されることがあり、視線72のうちの軌跡91に最も近い第2点94は、複数が算出されることがある。軌跡91のうちの部分軌跡92から第1点93が算出されることによれば、第1点93をより確実に唯一に算出することができ、第2点94をより確実に唯一に算出することができ、好ましい。

【0085】
このとき、照射部58は、位置算出部55により算出された患部位置に治療用放射線23を出射するように治療用放射線照射装置16を制御する。なお、照射部58は、位置算出部55により直前に算出された算出結果に基づいて治療用放射線23を出射しないように治療用放射線照射装置16を制御することもできる。たとえば、照射部58は、第1点93と第2点94との距離が予め設定された閾値より大きいときに、治療用放射線23を出射しないように治療用放射線照射装置16を制御することもできる。さらに、照射部58は、位置算出部55により直前に算出された患部位置96-1~96-3に基づいて範囲97を算出する。範囲97は、患部位置96-1~96-3の次に算出される患部位置が存在すると予測される範囲を示している。照射部58は、位置算出部55により次に算出された患部位置(第1点93と第2点94と第3点95とから選択された1つの点)が範囲97に含まれていないときに、治療用放射線23を出射しないように治療用放射線照射装置16を制御する。このため、このような制御によれば、図10を用いて説明された既述の制御と同様にして、放射線治療システム1は、さらに、信頼度を向上させることができる。

【0086】
なお、本発明による特定部位位置計測方法は、ゲーティング照射に適用されることができる。このとき、照射部58は、位置算出部55により算出された患部位置が所定範囲内であるときに、治療用放射線照射装置16を用いて治療用放射線23を患者に照射し、位置算出部55により算出された患部位置がその所定範囲内でないときに、治療用放射線23を出射しないように治療用放射線照射装置16を制御する。この場合でも、放射線治療システム1は、同様にして、患部60の患部位置をより高精度に算出することができ、患者43をより高精度に放射線治療することができ、さらに、患者43に照射される放射線の被曝量を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の放射線治療装置制御装置および特定部位位置計測方法により、被写体の内部に配置される特定部位の特定部位位置をより高精度に測定することができる。さらに、1枚の透過画像を用いてその特定部位位置を算出するときに、複数枚の透過画像を用いてその特定部位位置を算出する技術に比較して、その被写体に照射される放射線の被曝量をより低減することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 放射線治療システム
2 放射線治療装置制御装置
3 放射線治療装置
5 赤外線カメラ
11 旋回駆動装置
12 Oリング
14 走行ガントリ
15 首振り機構
16 治療用放射線照射装置
17 回転軸
18 回転軸
19 アイソセンタ
20 マルチリーフコリメータ
21 チルト軸
22 パン軸
23 治療用放射線
24 診断用X線源
25 診断用X線源
32 センサアレイ
33 センサアレイ
35 診断用X線
36 診断用X線
41 カウチ
42 カウチ駆動装置
43 患者
51 軌跡モデル作成部
52 撮影部
53 視線算出部
54 サロゲート信号取得部
55 位置算出部
56 首振り駆動部
57 照射野形状制御部
58 照射部
60 患部
61 体表面マーカ
65 サロゲートテーブル
66 サロゲート信号集合
67 患部位置集合
71 軌跡
72 視線
73 点
74 第1点
75 第2点
76 第3点
81 複数の点
82 軌跡
84 第1点
85 第2点
86 第3点
88-1 患部位置
88-2 患部位置
88-3 患部位置
89 範囲
91 軌跡
92 部分軌跡
93 第1点
94 第2点
95 第3点
96-1 患部位置
96-2 患部位置
96-3 患部位置
97 範囲
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10