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明細書 :無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5713457号 (P5713457)
公開番号 特開2013-207384 (P2013-207384A)
登録日 平成27年3月20日(2015.3.20)
発行日 平成27年5月7日(2015.5.7)
公開日 平成25年10月7日(2013.10.7)
発明の名称または考案の名称 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法
国際特許分類 H04W  74/04        (2009.01)
H04W  74/08        (2009.01)
H04W  72/04        (2009.01)
FI H04W 74/04
H04W 74/08
H04W 72/04 131
請求項の数または発明の数 8
全頁数 13
出願番号 特願2012-071850 (P2012-071850)
出願日 平成24年3月27日(2012.3.27)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 電子情報通信学会技術研究報告第111巻第295号(平成23年11月17日)第7-12ページに発表
審査請求日 平成26年3月3日(2014.3.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】大槻 暢朗
【氏名】杉山 隆利
【氏名】守倉 正博
【氏名】中戸 裕基
個別代理人の代理人 【識別番号】110001634、【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
審査官 【審査官】石田 紀之
参考文献・文献 特開2009-105989(JP,A)
特開2010-171592(JP,A)
特開2008-131209(JP,A)
特開2011-223419(JP,A)
調査した分野 H04W 74/04
H04W 72/04
H04W 74/08
特許請求の範囲 【請求項1】
アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムであって、
前記アクセスポイントは、
前記複数の端末の各々を、高速通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信手段を備え、
前記端末は、
前記制御パケットを受信する制御パケット受信手段と、
自己の端末識別情報と一致する前記制御パケットに含まれる前記端末識別情報に関係付けられた前記通信期間において、前記アクセスポイントとの間で通信を行う通信手段とを備え、
前記制御パケット送信手段は、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において前記第2の仮想グループに属する前記端末がスリープモードに入る割合と、前記第1の仮想グループに属する前記端末の数及び前記第2の仮想グループに属する前記端末の数とに基づいて、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間を、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長くなるように設定することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムであって、
前記アクセスポイントは、
前記複数の端末の各々を、低遅延通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信手段を備え、
前記端末は、
前記制御パケットを受信する制御パケット受信手段と、
自己の端末識別情報と一致する前記制御パケットに含まれる前記端末識別情報に関係付けられた前記通信期間において、前記アクセスポイントとの間で通信を行う通信手段とを備え、
前記制御パケット送信手段は、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間を、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長く設定するとともに、前記第1の仮想グループの通信期間を、送信区間と受信区間とからなる複数の送受信区間に分けて配置することを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムにおけるアクセスポイントとして動作する無線通信装置であって、
前記複数の端末の各々を、高速通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信手段を備え、
前記制御パケット送信手段は、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において前記第2の仮想グループに属する前記端末がスリープモードに入る割合と、前記第1の仮想グループに属する前記端末の数及び前記第2の仮想グループに属する前記端末の数とに基づいて、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間を、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長くなるように設定することを特徴とする無線通信装置。
【請求項4】
アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムにおけるアクセスポイントとして動作する無線通信装置であって、
前記複数の端末の各々を、低遅延通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信手段を備え、
前記制御パケット送信手段は、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間を、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長く設定するとともに、前記第1の仮想グループの通信期間を、送信区間と受信区間とからなる複数の送受信区間に分けて配置することを特徴とする無線通信装置。
【請求項5】
アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムが行う無線通信方法であって、
前記アクセスポイントが、前記複数の端末の各々を、高速通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信ステップと、
前記端末が、前記制御パケットを受信する制御パケット受信ステップと、
前記端末が、自己の端末識別情報と一致する前記制御パケットに含まれる前記端末識別情報に関係付けられた前記通信期間において、前記アクセスポイントとの間で通信を行う通信ステップとを有し、
前記制御パケット送信ステップでは、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において前記第2の仮想グループに属する前記端末がスリープモードに入る割合と、前記第1の仮想グループに属する前記端末の数及び前記第2の仮想グループに属する前記端末の数とに基づいて、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間を、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長くなるように設定することを特徴とする無線通信方法。
【請求項6】
アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムが行う無線通信方法であって、
前記アクセスポイントが、前記複数の端末の各々を、低遅延通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信ステップと、
前記端末が、前記制御パケットを受信する制御パケット受信ステップと、
前記端末が、自己の端末識別情報と一致する前記制御パケットに含まれる前記端末識別情報に関係付けられた前記通信期間において、前記アクセスポイントとの間で通信を行う通信ステップとを有し、
前記制御パケット送信ステップでは、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間を、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長く設定するとともに、前記第1の仮想グループの通信期間を、送信区間と受信区間とからなる複数の送受信区間に分けて配置することを特徴とする無線通信方法。
【請求項7】
アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムにおけるアクセスポイントとして動作する無線通信装置が行う無線通信方法であって、
前記複数の端末の各々を、高速通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信ステップを有し、
前記制御パケット送信ステップでは、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において前記第2の仮想グループに属する前記端末がスリープモードに入る割合と、前記第1の仮想グループに属する前記端末の数及び前記第2の仮想グループに属する前記端末の数とに基づいて、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間を、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長くなるように設定することを特徴とする無線通信方法。
【請求項8】
アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムにおけるアクセスポイントとして動作する無線通信装置が行う無線通信方法であって、
前記複数の端末の各々を、低遅延通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信ステップを有し、
前記制御パケット送信ステップでは、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間を、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長く設定するとともに、前記第1の仮想グループの通信期間を、送信区間と受信区間とからなる複数の送受信区間に分けて配置することを特徴とする無線通信方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信システムにおいてパケットの衝突回避を行う無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線LANによるアクセスは、無線LAN端末がアクセスポイント(Access Point;AP)と直接通信する1ホップ(インフラストラクチャ・モード)が主に用いられている。しかし、電波が壁や床などで反射して通信品質が不安定になる場所や障害物により電波の届かない場所があり、広い範囲で安定した通信を行うためにはアクセスポイントからの信号を安定して受信できる場所に中継局(Relay Station;RS)を導入することが有効である。
【0003】
しかし、中継局を導入することで伝送回数が増加するため、スループットの低下や遅延時間の増大が問題となる。この問題に対して、無線LAN端末及び中継局のMAC(Media Access Control)層とネットワーク層の中間層にネットワークコーディング(Network Coding;NC)方式を実装し、それらの無線LAN端末並びに中継局でマルチホップネットワークを構成することで、システムスループットを向上させる取り組みがなされている。このとき、無線LANシステムにおいてアクセスポイントの近くにありアクセスポイントと安定して通信できる状態にある無線LAN端末は、中継局を介することなく直接アクセスポイントと通信を行うと考えられる。このようなホップ数の異なる無線LAN端末の混在するNC方式を用いた無線LANシステムが存在する。
【0004】
無線LANの特性を大きく劣化させる要因の一つに無線局の同時送信による衝突が挙げられる。IEEE802.11規格ではCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance;搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式)による自律分散制御が行われている。CSMA/CAではそれぞれの無線LAN端末がキャリアセンスにより他の無線LAN端末の送信状況を把握し、送信タイミングを自律的に制御し送信タイミングをずらすことで、衝突確率を減少させている。
【0005】
しかしながら、無線LANで用いられるCSMA/CAプロトコルでは、無線局の導入等により無線局数が増加すると、バックオフアルゴリズムにより同じバックオフ時間を設ける局が複数存在する確率が高くなり、無線局の同時送信による衝突の確率が増加しシステムのスループット特性劣化の要因となる。この影響を少なくするためには、バックオフアルゴリズムにより競合する無線局数を減らすことが有効である。すなわち、無線局を仮想的にグループ化し、仮想グループごとに通信時間を割り当てることで、同時に競合する無線局数を減らすことができる(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
非特許文献1では、チャネルをアイドル区間とビジー区間の対からなる仮想グループに区切り、無線LAN端末が自律的に仮想グループサイクル数および競合に参加する仮想グループを決定するDCF/VG(Distributed Coordination Function with Virtual Group)方式が提案されている。ここでは、端末において衝突確率を計測し、理論的にスループットを最大化する衝突確率と随時比較しながら仮想グループ内でのSTA数(端末数)を調整する。アイドル区間とビジー区間の対を一つの仮想グループとし、連続するいくつかの仮想グループのうち一つの仮想グループでのみ競合が許可される。
【先行技術文献】
【0007】

【非特許文献1】S.M. Kim, Y.J. Cho, \Performance Evaluation of IEEE 802.11 Distributed Coordination Function with Virtual Group," IEICE Trans. Commun., vol.E88-B, no.12, pp.4625-4635, Dec. 2005.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の方式は、全ての無線局が同等の送信権で良いという前提であれば利用可能であるが、特定の無線局の送信権を任意に設定する必要がある場合には利用できない。例えば、特定の仮想グループは衝突確率を減らすのみならず、消費電力を抑制するために送受信区間を極端に短く設定したい場合、逆に特定の仮想グループのスループットだけを改善したい場合等の環境においては、利用できないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高速通信を要求する端末に対して、通信機会を多く提供することができるとともに、省電力通信を要求する端末に対して、スリープする期間を長くすることができる無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムであって、前記アクセスポイントは、前記複数の端末の各々を、高速通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信手段を備え、前記端末は、前記制御パケットを受信する制御パケット受信手段と、自己の端末識別情報と一致する前記制御パケットに含まれる前記端末識別情報に関係付けられた前記通信期間において、前記アクセスポイントとの間で通信を行う通信手段とを備え、前記制御パケット送信手段は、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において前記第2の仮想グループに属する前記端末がスリープモードに入る割合と、前記第1の仮想グループに属する前記端末の数及び前記第2の仮想グループに属する前記端末の数とに基づいて、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長くなるように設定することを特徴とする。
【0011】
本発明は、アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムであって、前記アクセスポイントは、前記複数の端末の各々を、低遅延通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信手段を備え、前記端末は、前記制御パケットを受信する制御パケット受信手段と、自己の端末識別情報と一致する前記制御パケットに含まれる前記端末識別情報に関係付けられた前記通信期間において、前記アクセスポイントとの間で通信を行う通信手段とを備え、前記制御パケット送信手段は、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長く設定するとともに、前記第1の仮想グループの通信期間を、送信区間と受信区間とからなる複数の送受信区間に分けて配置することを特徴とする。
【0012】
本発明は、アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムにおけるアクセスポイントとして動作する無線通信装置であって、前記複数の端末の各々を、高速通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信手段を備え、前記制御パケット送信手段は、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において前記第2の仮想グループに属する前記端末がスリープモードに入る割合と、前記第1の仮想グループに属する前記端末の数及び前記第2の仮想グループに属する前記端末の数とに基づいて、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長くなるように設定することを特徴とする。
【0013】
本発明は、アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムにおけるアクセスポイントとして動作する無線通信装置であって、前記複数の端末の各々を、低遅延通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信手段を備え、前記制御パケット送信手段は、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長く設定するとともに、前記第1の仮想グループの通信期間を、送信区間と受信区間とからなる複数の送受信区間に分けて配置することを特徴とする。
【0014】
本発明は、アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムが行う無線通信方法であって、前記アクセスポイントが、前記複数の端末の各々を、高速通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信ステップと、前記端末が、前記制御パケットを受信する制御パケット受信ステップと、前記端末が、自己の端末識別情報と一致する前記制御パケットに含まれる前記端末識別情報に関係付けられた前記通信期間において、前記アクセスポイントとの間で通信を行う通信ステップとを有し、前記制御パケット送信ステップでは、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において前記第2の仮想グループに属する前記端末がスリープモードに入る割合と、前記第1の仮想グループに属する前記端末の数及び前記第2の仮想グループに属する前記端末の数とに基づいて、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長くなるように設定することを特徴とする。
【0015】
本発明は、アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムが行う無線通信方法であって、前記アクセスポイントが、前記複数の端末の各々を、低遅延通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信ステップと、前記端末が、前記制御パケットを受信する制御パケット受信ステップと、前記端末が、自己の端末識別情報と一致する前記制御パケットに含まれる前記端末識別情報に関係付けられた前記通信期間において、前記アクセスポイントとの間で通信を行う通信ステップとを有し、前記制御パケット送信ステップでは、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長く設定するとともに、前記第1の仮想グループの通信期間を、送信区間と受信区間とからなる複数の送受信区間に分けて配置することを特徴とする。
【0016】
本発明は、アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムにおけるアクセスポイントとして動作する無線通信装置が行う無線通信方法であって、前記複数の端末の各々を、高速通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信ステップを有し、前記制御パケット送信ステップでは、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において前記第2の仮想グループに属する前記端末がスリープモードに入る割合と、前記第1の仮想グループに属する前記端末の数及び前記第2の仮想グループに属する前記端末の数とに基づいて、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長くなるように設定することを特徴とする。
【0017】
本発明は、アクセスポイントと、複数の端末とを含む無線通信システムにおけるアクセスポイントとして動作する無線通信装置が行う無線通信方法であって、前記複数の端末の各々を、低遅延通信を要求する端末を含む第1の仮想グループと、省電力通信を要求する端末を含む第2の仮想グループのいずれかに分割するために、前記第1または第2の仮想グループそれぞれに属する端末識別情報と、該端末識別情報を持つ前記端末の通信期間を特定する情報とを関係付けた仮想グループ設定情報を含む制御パケットをブロードキャストする制御パケット送信ステップを有し、前記制御パケット送信ステップでは、全ての仮想グループの送受信期間が終了する通信周期において、前記第1の仮想グループに属する前記端末の前記通信期間を、前記第2の仮想グループに属する前記端末の通信期間より長く設定するとともに、前記第1の仮想グループの通信期間を、送信区間と受信区間とからなる複数の送受信区間に分けて配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高速通信を要求する端末に対して、通信機会を多く提供することが可能となるとともに、低遅延を要求する端末に対して、頻繁な送信機会を提供可能となり、かつ、省電力通信を要求する端末に対して、スリープする期間を長くすることが可能になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による無線LANシステムの構成を示す図である。 である。
【図2】当該無線LANシステムが使用する周波数チャネルを示す図である。
【図3】仮想グループ化する際に、アクセスポイントAPが各端末に送信する制御パケットのフォーマットを示す説明図である。
【図4】各端末が送信を許可された期間を超えて送信を行うことを防ぐための条件を示す図である。
【図5】各端末が送信を許可された期間を超えて送信を行うことを防ぐための条件を示す図である。
【図6】各端末が送信を許可された期間を超えて送信を行うことを防ぐための条件を示す図である。
【図7】第1の仮想グループ(仮想グループX)が低消費電力を優先するグループであり、第2の仮想グループ(仮想グループY)が高スループットを優先するグループである場合の構成を示す図である。
【図8】1VG周期中に1つの仮想グループに複数の送受信区間を交互に割り当てる動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による無線LANシステムを説明する。図1は同実施形態による無線LANシステムの構成を示す図である。無線LANシステムは、アクセスポイントAPと、アクセスポイントAPに接続する15台の無線LAN端末(以下、単に端末と称する)STA1~STA15とによって構成する。各端末は、仮想グループを構成している。図1に示す例では、4つの仮想グループVG1~VG4に仮想グループ化した例を示している。仮想グループVG1には、端末STA1と端末STA2が属する。仮想グループVG2には、端末STA3と端末STA4が属する。仮想グループVG3には、端末STA5、端末STA6、端末STA7、端末STA8、端末STA9、端末STA10、端末STA11が属する。仮想グループVG4には、端末STA12、端末STA13、端末STA14、端末STA15が属する。

【0021】
図2は、当該無線LANシステムが使用する周波数チャネルにおける時間割当て構成を示す図である。時間割当て構成は、図2に示すように、アクセスポイントAP及び4つの仮想グループ(図2においては2つの仮想グループを例示している)それぞれに対応する送信区間と受信区間が設けられ、それぞれの仮想グループに属する端末は、対応する送信区間においてデータを送信し、対応する受信区間においてデータを受信する。

【0022】
図3は、仮想グループ化する際に、アクセスポイントAPが各端末に送信する制御パケットのフォーマットを示す図である。制御パケットは、「ヘッダ」、「VG数」、「VG周期」、複数の「VG設定内容」のフィールドを有している。VG数は、LAN内で設定する仮想グループの数であり、図1に示す例は、「4」となる。VG周期は、全ての仮想グループの送受信期間が終了する期間長である。VG設定内容は、さらに、「VGアドレス」、「送信開始時間」、「送信終了時間」、「受信開始時間」、「受信終了時間」のフィールドを有している。VGアドレスは、仮想グループを一意に特定するためのアドレスである。送信開始時間、送信終了時間は、対で対象の仮想グループの送信期間を定めた時間である。受信開始時間、受信終了時間は、対で対象の仮想グループの受信期間を定める時間である。VG設定内容は、仮想グループの数と同数のフィールド有し、図1に示す例では、4つのVG設定内容が連なることになる。

【0023】
次に、図1に示す無線LANシステムの動作を説明する。まず、アクセスポイントAPは、仮想グループ化のための制御パケットをブロードキャストする。この制御パケット(図3参照)を受信した各端末は、その内容に従い自身の送信期間、受信期間を決定するために、自局のVGアドレスと一致する部分の送受信期間を読み取り、自局の動作を決定する。これにより、仮想グループ周期内の送信期間においては通常通りCSMA/CAによるパケット送信が許可されることになる。

【0024】
受信期間においては、パケット送信は禁止されるが、端末は、自局宛てのパケットが送信される可能性があるため受信モードに入る。それ以外の期間は自局に関係のない通信が行われる期間であるため、スリープモードに移行する。

【0025】
また、各端末が送信を許可された期間を超えて送信を行うことを防ぐため、以下の(1)~(3)の条件を設ける。これにより他の仮想グループの送信期間への干渉を無くすことができる。

【0026】
(1)パケット送信開始のタイミングで、パケット長+SIFS長+ACK長(送信時間長)が送信期間内に収まる場合は送信を開始し、収まらない場合は送信を中止しスリープモードに移行する(図4参照)。
(2)バックオフ中に送信期間が終了した場合、バックオフカウンタを保持し、次の期間が自身の受信期間であれば受信モードに移行し、そうでなければスリープモードに移行する(図5参照)。
(3)IFS開始のタイミングで送信期間を超過していた場合、次の期間が自身の受信期間であれば受信モードに移行し、そうでなければスリープモードに移行する(図6参照)。

【0027】
図1に示す無線LANシステムでは、その特徴は各グループを構成する端末のグルーピングの仕方、並びに各グループの送信区間および受信区間を、そのグループに求められる基準(高スループット、低遅延、低消費電力等)に応じて制御することにある。具体的に、各端末のスループット並びに消費電力の要求条件によってグルーピングを行うことで、より高いスループットが必要な端末のグループに対しては、比較的長めの送受信区間を割当て、低スループットで構わないが極力消費電力を抑えたい端末のグループに対しては、短めの送受信区間を割り当てることで、システムスループットを向上させつつ、低消費電力の要求条件を満たすことが可能となる。

【0028】
次に、具体例を挙げてアクセス制御動作を説明する。図7は、第1の仮想グループ(仮想グループX)が低消費電力を優先するグループであり、第2の仮想グループ(仮想グループY)が高スループットを優先するグループである場合の構成を示す図である。これらのグループが定められた周期で交互に通信を行う。予め、第1の仮想グループアドレスは低消費電力を、第2のグループは高スループットを優先するグループであることを、ヘッダ情報にて通知しておくことで、端末は自身の優先すべき基準に基づいて、所属するグループに所属することが可能である。アクセスポイント(AP)並びに中継局(RS)は、各グループ内に所属している端末数を元に、各種パラメータを更新し、次のVG周期時に更新するようにしてもよい。

【0029】
第1のグループは低消費電力を優先するグループであり、このグループに所属する端末は、例えばVG周期の内1/10以下の時間で送受信を行い、9/10以上の時間スリープモードに入ることできるようにするものとする。アクセスポイント(AP)は第1のグループに所属する端末数Nxと、第2のグループに所属する端末数Nyを比較する。第1グループに割り当てる送受信区間をTx、第2のグループに割り当てる送受信区間をTyとすると、割り当て時間は、10×Ny/Nx≦Ty/Txを満たすように、各グループの送受信区間を割り当てる。ここで、10×Tx>Tyとなる場合は、Tx=Ty/10となる時間割り当てを行う。

【0030】
これにより、第1のグループに所属する端末は、第2のグループに所属する端末に比較して、相対的に10分の1以下の送受信区間の長さにすることができ、割り当て送受信区間以外の時間はスリープモードに入ることで消費電力を抑えることが可能となる。

【0031】
一方で、高スループットを優先する第2のグループに所属する端末は、第1のグループに所属する端末に比較して10倍以上の平均スループットを得ることが可能となる。グループ内に中継局(RS)が含まれる場合は、中継局(RS)も端末数に含め、割り当て時間を計算する。

【0032】
また、低消費電力の度合いを分けて複数のグループを作成してもよい。例えば、9/10以下の時間でスリープモードに入るグループと、19/20以下の時間でスリープモードに入るグループに分けてもよい。

【0033】
次に、他の仮想グループ化の例について説明する。図7に示す第2のグループ(仮想グループY)が、高スループット優先のグループではなく、低遅延(低ラウンドトリップタイム)優先のグループである場合、第1のグループ(仮想グループX)の送受信区間以外の時間全てを連続的に送信区間と受信区間の2つに2分するのではなく、細かく送受信区間を分けて設定する。すなわち、1VG周期中に1つの仮想グループにつき1つのみの送受信区間を設定するのではなく、1VG周期中に1つの仮想グループに複数の送受信区間を割り当てる(図8参照)。図8は、1VG周期中に1つの仮想グループに複数の送受信区間を交互に割り当てる動作を示す図である。VGヘッダには、同じグループに対して複数の送受信区間を割り当てるため、それに相当するVG設定内容を記入する必要がある。これにより、低消費電力優先のグループに必要なスリープ期間を確保しつつ、低遅延優先グループには頻繁に送受信の区間を入れ替えることで、ラウンドトリップタイムの低減が可能となる。

【0034】
以上説明したように、従来の無線LANにおいては、CSMA/CAに基づく自律分散的なアクセス制御により、多数の端末が同時にアクセスしようとすると衝突が生じ、効率的にデータ伝送ができないという問題がある。これに対して、仮想グループごとに送信権を競合することによって、衝突の確率を低減する技術がある(例えば、非特許文献1)。

【0035】
しかし、この技術では、各端末に均一に送信機会が与えられるため、例えば高速通信を要求する端末がある場合に、要求に応じた十分な通信容量を提供できないという問題がある。また、省電力を要求する端末が存在する場合に、省電力端末が頻繁に起動することになる問題もある。

【0036】
これに対して、本実施形態では、各グループを構成する端末に応じて各グループの送信区間および受信区間を制御するようにした。すなわち、高速通信を要求する端末により構成されるグループと、省電力通信を要求する端末により構成されるグループに仮想グループ化し、高速通信を要求する端末の仮想グループに対して長い送信期間および受信期間を設定する。また、省電力通信を要求する端末の仮想グループに対して短い送信期間および受信期間を設定する。これにより、高速通信を要求する端末に対して、通信機会を多く提供することが可能となり、かつ、省電力通信を要求する端末に対して、スリープする期間を長くすることが可能になる。なお、省電力通信を要求するレベルは複数に分けてもよく、その要求レベルに応じてグループを形成し、割当て時間を調整することで、詳細な要求レベルに対応することが可能である。また、低遅延通信を要求する端末がある場合には、当該端末の仮想グループに割り当てた送信期間及び受信期間の中で、さらに、複数の送信期間及び受信期間を交互に配置する構成とすることで、遅延時間を短くすることが可能になる。

【0037】
なお、図1におけるアクセスポイントAP、端末STA1~STA15の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりアクセス制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。

【0038】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。

【0039】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明してきたが、上記実施の形態は本発明の例示に過ぎず、本発明が上記実施の形態に限定されるものではないことは明らかである。したがって、本発明の技術思想及び範囲を逸脱しない範囲で構成要素の追加、省略、置換、その他の変更を行っても良い。
【産業上の利用可能性】
【0040】
無線LANにおいて衝突回避を行うことが不可欠な用途に適用できる。
【符号の説明】
【0041】
AP・・・アクセスポイント、STA1~STA15・・・無線LAN端末、VG1~VG4・・・仮想グループ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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【図7】
6
【図8】
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