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明細書 :リジンオリゴマー誘導体及びそれからなる軟骨組織マーカー

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6112427号 (P6112427)
登録日 平成29年3月24日(2017.3.24)
発行日 平成29年4月12日(2017.4.12)
発明の名称または考案の名称 リジンオリゴマー誘導体及びそれからなる軟骨組織マーカー
国際特許分類 C07K   5/04        (2006.01)
C07K   7/04        (2006.01)
C07K   1/13        (2006.01)
A61K  47/42        (2017.01)
A61K  47/50        (2017.01)
A61K  49/00        (2006.01)
G01N  33/483       (2006.01)
FI C07K 5/04 ZNA
C07K 7/04
C07K 1/13
A61K 47/42
A61K 47/48
A61K 49/00 A
G01N 33/483 C
G01N 33/483 E
請求項の数または発明の数 10
全頁数 30
出願番号 特願2014-504955 (P2014-504955)
出願日 平成25年3月13日(2013.3.13)
国際出願番号 PCT/JP2013/056974
国際公開番号 WO2013/137302
国際公開日 平成25年9月19日(2013.9.19)
優先権出願番号 2012055511
優先日 平成24年3月13日(2012.3.13)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成28年1月15日(2016.1.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
発明者または考案者 【氏名】大橋 俊孝
【氏名】加来田 博貴
個別代理人の代理人 【識別番号】100113181、【弁理士】、【氏名又は名称】中務 茂樹
【識別番号】100180600、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 俊一郎
審査官 【審査官】福澤 洋光
参考文献・文献 特開2009-023993(JP,A)
特開2003-335857(JP,A)
芳谷学, et al.,関節軟骨に特異的に結合するX線造影化イメージングプローブの創出研究,日本薬学会第132年会要旨集2,2012年 3月 5日,p.271 30P2-pm134
調査した分野 C07K 1/00-19/00
C12N 1/00-15/90
CA/MEDLINE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
特許請求の範囲 【請求項1】
リジンのε-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されてなり、C末端カルボキシル基、N末端アミノ基及び/又はα-アミノ基に、電磁波を発生又は吸収し得る基が結合されてなることを特徴とする、リジンオリゴマー誘導体。
【請求項2】
3~12個のリジンが連結されてなる請求項1に記載のリジンオリゴマー誘導体。
【請求項3】
前記電磁波を発生又は吸収し得る基が、蛍光団又はX線造影用の基である請求項1又は2に記載のリジンオリゴマー誘導体。
【請求項4】
前記電磁波を発生又は吸収し得る基が、ヨウ素原子を含むX線造影用の基である請求項3に記載のリジンオリゴマー誘導体。
【請求項5】
請求項1に記載のリジンオリゴマー誘導体からなる軟骨組織マーカー。
【請求項6】
3~12個のリジンが連結されてなる請求項5に記載の軟骨組織マーカー。
【請求項7】
前記電磁波を発生又は吸収し得る基が、蛍光団又はX線造影用の基である請求項5又は6に記載の軟骨組織マーカー。
【請求項8】
前記電磁波を発生又は吸収し得る基が、ヨウ素原子を含むX線造影用の基である請求項7に記載の軟骨組織マーカー。
【請求項9】
ε-アミノ基とカルボキシル基とのペプチド結合により連結されてなるリジンオリゴマーからなる、軟骨を標的化してこれに薬剤を運搬するための担体。
【請求項10】
3~12個のリジンが連結されてなる請求項9に記載の担体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、リジンオリゴマー誘導体に関する。また本発明は、軟骨基質に特異的に結合する性質を有するリジンオリゴマー誘導体からなる軟骨組織マーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
軟骨組織は、膝関節等の関節において、骨相互の間に生じる摩擦を緩和し、衝撃を吸収するために存在する、軟骨細胞とそれを取り囲む基質からなる支持組織である。様々な原因によって軟骨組織を形成する軟骨基質が変性すると、含水率が低下して、その機能を維持することが難しくなり、慢性の関節炎を伴う関節疾患である変形性関節症(OA:osteoarthritis)を発症する。これは、関節の構成要素の変性により軟骨の破壊と骨及び軟骨の増殖性変化を来たす疾患である。日本における変形性関節症の総患者数は、約800万人とされており、人口の高齢化とともに数はさらに増加することが予想されている。
【0003】
変形性関節症により軟骨及び骨の損傷・破壊が進行するとその後の段階ではそれらを元どおりに戻すことはできない。しかしながら、早期に発見して適切な治療を施せば、症状の進行を遅らせることは可能である。変形性関節症の症状の現れ方や進み方は人により千差万別であるため、適切な治療を選択するには、患者個々の関節軟骨の状態を早期に精密に検査し、異常を把握することが極めて重要である。これと同様に、臨床以前の問題としても、関節組織の変性に対する効果の高い治療剤を開発する上で、少なくとも実験動物の関節軟骨の変性を定性的及び定量的に、また可能な限り生きた状態(in vivo)で経時的に、評価できることも、極めて重要である。
【0004】
現在、ヒト患者における関節の検査には、単純X線撮影、関節液検査、関節鏡検査などが一般的に行われている。単純X線検査は安価でありどの医療機関でも実施可能ではあるものの、関節軟骨の主要成分がコンドロイチン硫酸とケラタン硫酸側鎖を含有するプロテオグリカンであるアグリカンと、コラーゲンとであるため、X線検査では関節軟骨自体は写らない。実験動物においても同様である。従って、X線撮影では、関節裂隙(関節における向かい合った2個の骨端間の間隙)の狭小化その他、関節周囲の骨の変化を見ることで関節破壊の程度を調べることはできても、軟骨自体の変化については間接的な評価に止まる。すなわち、X線撮影では、軟骨が現に受けている損傷や変性の程度を直接検出はできず、したがって、その定量化もできない上、症状の進んでいない状態での関節軟骨の損傷の発見が困難である。一方、他の方法である関節液検査では、関節軟骨の状態を、生理学的ないし生化学的変化を指標として用いて捉えることはできても、関節軟骨の厚みや変形等の物理的状態を知るには無力である。また、直接に関節軟骨を画像診断する方法として、関節鏡を用いた方法がある。それらは、例えば関節鏡の先端からレーザー光を照射し、軟骨組織から発生する超音波を検出することで軟骨の物性を測定する方法(特許文献1参照)、軟骨の圧縮変形に伴う吸光度の時間的変化を近赤外線水分計を用いて測定することによって、軟骨の変性の程度を初期段階から客観的に評価する方法(特許文献2参照)等であるが、何れも高度に侵襲性であり、大きな身体的負担や感染などのリスクを患者に強いるという欠点がある。このためそれらの方法をヒト患者に適用するには場合が限定され、実験動物においても、そのような侵襲の影響は関節疾患に対する薬物評価に必要な経時的検査に行うのを困難にするため、利用に適さない。
【0005】
これらに対し、近年、ヒト患者では軟骨イメージングにMRIが利用されるようになりつつあり、軟骨自体の質的評価を可能にする検査手段として期待されているが、MRI装置は極めて高価であるためこれを導入できる医療機関はごく限られ、しかも解像度には未だ問題を残しており、その点からも利用は困難である。
【0006】
このような状況にあって、軟骨の状態を早期に診断する方法やそのための正確な疾患マーカーの開発が進められている(特許文献3及び4参照)。
【0007】
一方、近年、生体内部組織の3次元画像を選択的に作成する技術として、蛍光分子を用いてex vivoで生体組織の光学投影断層撮影(Optical Projection Tomography:OPT)を行う蛍光イメージング装置が開発されている。これによれば、蛍光染色された生体組織に対して、励起光としてパルスレーザを照射して個々のパルス照射毎に生体組織の照射部位より発生するフォトンを光電子増倍管によって増幅して検出し、これを時間相関単一光子計数法で処理して得られたデータを画像化処理に付すことにより、目的組織の任意の断面画像やその組織全体の画像(3次元画像、断面画像)を作成することができる。また、生きたラットやマウス等の小動物の体内の蛍光標識物質の位置を外部から検出して画像化することができるin vivo蛍光イメージングシステムも、近年開発され市販されている(例えばGE HEALTHCARE社製「eXplore Optix」)。これによれば、目的とする組織に特異的に集積する蛍光標識を動物に投与し、その3次元的分布を経時的に測定して画像化することができる。in vivo 蛍光イメージングは非侵襲性で行われるため安全であり、しかも高感度であることから、生きた実験動物の特定の組織やその成分をマークして経時的に画像化し、タンパク質の動態や、病変の状態変化を評価することに利用され始めており、将来的にはヒト組織について同様な利用が期待されている。
【0008】
近年、下記式で示される構造を有するポリアルギニンペプチド(a)又はポリリジンペプチド(b)が、軟骨組織に特異的に結合することを利用した軟骨マーカーが報告された(特許文献5参照)。これらのポリペプチドは、下記式に示されるように、アルギニン又はリジンのα-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されたものである。特許文献5記載の化合物は、そのN末端もしくはC末端に対して、蛍光団やX線吸収性基を結合させた軟骨組織マーカーである。
【0009】
【化1】
JP0006112427B2_000002t.gif

【0010】
特許文献5記載の化合物について、蛍光物質を導入する場合においては、高感度な蛍光団を導入することにより、所望の軟骨組織の可視化が可能である。一方、X線吸収物質を用いるには、X線吸収性の原子団、たとえばヨウ素原子等を多く含ませる必要がある。しかし、ポリアルギニンペプチド又はポリリジンペプチドは分子量が大きいため、オリゴマー1分子あたりに導入しなければならないヨウ素原子数が多く必要になる。この場合、当該ポリアルギニンペプチド又はポリリジンペプチドの溶解性、また軟骨組織における当該化合物の浸透性などに影響を及ぼしうるため、その改善が要求されている。
【0011】
特許文献6には、アミノ基がウレタン結合で保護されたε-ポリリジンが記載されている。ここで、ε-ポリリジンは、リジンのε-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されたものである。特許文献6にはこのようなε-ポリリジンを、トイレタリー用品、化粧品、飼料添加物、医薬、農薬、食品添加物、電子材料などに用いることについて記載されている。しかしながら、このようなε-ポリリジンを生体組織のマーカーに用いることについては何ら記載されておらず、ε-ポリリジンに蛍光団やX線造影用の基を導入することについても何ら記載されていない。
【先行技術文献】
【0012】

【特許文献1】特開2004-024855号公報
【特許文献2】特開2005-055224号公報
【特許文献3】特開2003-225093号公報
【特許文献4】特表平10-502807号公報
【特許文献5】特開2009-023993号公報
【特許文献6】特開2003-335857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、軟骨組織に特異的に結合するリジンオリゴマー誘導体を提供することである。また、そのようなリジンオリゴマー誘導体からなる軟骨組織マーカーを提供することである。そして、蛍光団やX線造影用の基を結合させた軟骨組織の可視化用試薬(組成物)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、リジンのε-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されたオリゴペプチドであるリジンオリゴマーが軟骨組織マーカーとなりうることを見出した。そして、該リジンオリゴマーに電磁波を発生又は吸収し得る基を結合させることにより、軟骨を可視化することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち本発明は、リジンのε-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されてなり、C末端カルボキシル基、N末端アミノ基及び/又はα-アミノ基に、電磁波を発生又は吸収し得る基が結合されてなることを特徴とする、リジンオリゴマー誘導体である。
【0016】
このとき、3~12個のリジンが連結されてなることが好ましい。また、前記電磁波を発生又は吸収し得る基が、蛍光団又はX線造影用の基であることが好ましく、前記電磁波を発生又は吸収し得る基が、ヨウ素原子を含むX線造影用の基であることがより好ましい。本発明の好適な実施態様は、このようなリジンオリゴマー誘導体からなる軟骨組織マーカーである。
【発明の効果】
【0017】
複数のリジンが、ε-アミノ基とカルボキシル基とのペプチド結合により連結されてなるオリゴペプチドは、軟骨基質に特異的に集積する性質を有する。したがって、このようなオリゴペプチドに電磁波を発生又は吸収し得る基を結合させてなる本発明のリジンオリゴマー誘導体は、軟骨組織マーカーとして有用である。
【0018】
本発明の軟骨組織マーカーによれば、実験動物における蛍光イメージング装置やX線撮影装置などによる軟骨組織の可視化システムの構築が達成される。当該システムを用いることで、軟骨の基質量の経時的且つ定量的な評価も可能となる。したがって、例えば、関節リウマチ、変形性関節症、あるいは外傷等における軟骨基質の減少や、軟骨腫瘍等における軟骨基質の増加の検出に有用である。軟骨疾患の治療後の経過観察にも有用である。また、軟骨疾患の治療剤の開発において、軟骨の状態を評価する手段としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】化合物A~Cを用いたときの軟骨の染色像である。
【図2】化合物26~29を用いたときの軟骨の染色像である。
【図3】化合物Dを用いたときの軟骨のX線CT撮像写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のリジンオリゴマー誘導体は、リジンのε-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されてなるものである。汎用のポリリジンのようにα-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されているのではなく、ε-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されていることに大きな特徴がある。リジンオリゴマー誘導体がこのような構造を有することによって、軟骨組織に対して特異的に結合することができる。そのメカニズムは必ずしも明らかではないが、ペプチド結合に関与していないα-アミノ基が適当な間隔で配置されることによって、軟骨基質を構成するコンドロイチン硫酸中に含まれているスルホン酸基との相互作用が大きくなるためであると推定される。

【0021】
本発明のリジンオリゴマー誘導体を構成するリジンの数は特に限定されないが、3~12個のリジンが連結されてなることが好ましい。リジンの数が3個未満である場合には、軟骨組織への結合性が低下するおそれがある。一方、リジンの数が12個を超える場合には、合成が困難になるし、分子量が大きくなりすぎて組織内にスムーズに拡散することが困難になるおそれがある。

【0022】
そして、本発明のリジンオリゴマー誘導体は、C末端カルボキシル基、N末端アミノ基及び/又はα-アミノ基に、電磁波を発生又は吸収し得る基が結合されてなるものである。このような基を結合させることによって、軟骨組織を可視化することができる。

【0023】
本発明のリジンオリゴマー誘導体の好適な化学構造は、下記式(I)に示されている通りである。

【0024】
【化2】
JP0006112427B2_000003t.gif

【0025】
上記式(I)中、nは、1~10の整数である。すなわち、オリゴマーを構成するリジン単位が3~12個含まれているということである。Wは、電磁波を発生又は吸収し得る基であり、蛍光団又はX線造影用の基であることが好ましい。またRは、それぞれ独立に、アミノ基又は電磁波を発生又は吸収し得る基である。したがって、Rが、全てアミノ基であってもよいし、一部がアミノ基で一部が電磁波を発生又は吸収し得る基であってもよいし、全て電磁波を発生又は吸収し得る基であってもよい。Rは、蛍光団又はX線造影用の基であることが好ましい。

【0026】
本発明において「電磁波を発生又は吸収し得る基」とは、電磁波(電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、ガンマ線など)を発生又は吸収することができ、その結果、肉眼、顕微鏡、イメージング装置などにより、その存在をイメージングできる基のことをいう。ここで、電磁波を吸収し得る基としては、例えばX線造影用の基が例示され、外部から照射された電磁波の減少分によってイメージングが可能である。また、電磁波を発生する基としては、例えば蛍光団が例示され、より高いエネルギーを吸収して蛍光を発生することによってイメージングが可能である。

【0027】
X線造影用の基としては、X線を多く吸収するヨウ素原子を含む基の利用が考えられ、造影能を向上させるために、ヨードベンゼン、特にトリヨードベンゼン誘導体が好適に利用される。本発明においては、軟骨組織をなすコンドロイチン硫酸のスルホ基などのアニオン性側鎖を認識するために、リジンオリゴマーに対し導入されるヨウ素含有基が、グアニジノ基やアミノ基等のカチオン性基を含むことも望ましい。

【0028】
蛍光団としては、軟骨周囲の他の組織に強い親和性のない蛍光物質(蛍光色素等)由来のものであればよい。したがって、骨が染色されるカルセインや、細胞核のDNAが染色されるヘキストなどは避けるべきであるが、当業者に周知の他の蛍光色素を、適宜選択してよい。特に限定されるものではないが、そのような蛍光物質のうち蛍光色素の例としては、NBDなどのベンゾフラザン系色素、ローダミン系色素(例えば、ローダミン、カルボキシ-X-ローダミン、カルボキシローダミン、テトラエチルローダミン、テトラメチルローダミン、ローダミンレッド、ローダミングリーン等)のほか、フルオレセイン系色素(例えば、フルオレッセイン、カルボキシナフトフルオレッセイン、テトラクロロフルオレッセイン、テトラブロモスルホンフルオレッセイン等)、シアニン系色素(例えば、Cy7、Cy5.5、Cy5、Cy3.5、Cy3その他のCy色素:GE Healthcare)、Alexa Fluor類(例えば、Alexa Fluor 790、Alexa Fluor 750、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 405等:INVITROGEN)、VivoTag(例えば、VivoTag S750、VivoTag 680、VivoTag S680:VisEn Medical)、Atto系色素(例えば、Atto 740、Atto 725、Atto 700、Atto 680、Atto 655、Atto 647、Atto 637、Atto 635、Atto 633、Atto 620、Atto 611X、Atto 610、Atto 594、Atto 590、Atto 565、Atto 550、Atto 532、Atto 520、Atto 495、Atto 488、Atto 465、Atto 425等:ATTO-TEC GmbH)、BODIPY系色素(例えば、BODIPY 493/503、BODIPY 558/568、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY TMR-X、BODIPY TR-X、BODIPY-530/550、BODIPY-FL-X)、CAL Fluor系色素(例えば、CAL Fluor-Gold 540、CAL Fluor Orange 560、CAL Fluor Red 590、CAL Fluor Red 610、CAL Fluor Red 635等)、カスケード(Cascade)ブルー、オレゴングリーン系色素(例えば、Oregon Green 488、Oregon Geen 500、Oregon Green 514等)ロードル(Rhodol)グリーン、テキサスレッド等が挙げられる。また色素以外の蛍光物質の例として、Qdot[量子ドットの光子放出を利用したナノクリスタル蛍光体(数百~数千個の半導体物質の原子、例えば、セレンまたはテルルと混合したカドミウムを、硫化亜鉛のシェルで被覆したもの、更にポリマーで、次いで生体高分子でコーティングしたものが入手可能):INVITROGEN]等が挙げられる。

【0029】
本発明のリジンオリゴマー誘導体の化学合成方法は特に限定されない。例えば、Biopolymers,1980,19,219-229に記載された方法で、又はこれに準じて適宜変更を加えた方法にしたがって行うことができる。以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

【0030】
(1)リジンオリゴマーの調製
例えば、ε-アミノ基をZ基(ベンジルオキシカルボニル基)などで保護し、かつα-アミノ基をBoc基(tert-ブトキシカルボニル基)で、さらにカルボキシル基をメチルエステルなどの保護したリジン誘導体を原料に、ペプチド結合形成を可能にする縮合剤を用いてペプチド形成することなどにより、ε-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されたリジンオリゴマーを得ることができる。そして、得られたカルボン酸エステルを水酸化リチウム等を用いたけん化により脱保護することで、リジンオリゴマーのカルボン酸体を得ることができる。

【0031】
(2)電磁波を発生又は吸収し得る基の導入
得られたカルボン酸体に、蛍光団やX線造影用の基などを導入し、Boc基を酸を用いて脱保護することで、電磁波を発生又は吸収し得る基が結合されてなるリジンオリゴマー誘導体を得ることができる。

【0032】
(3)X線造影用の基の導入
(1)記載の脱Bocリジンオリゴマーに対し、3-ヨードもしくは3,5-ジヨード-4-(2-グアノジノエチルアミノ)安息香酸、3-ヨードもしくは3,5-ジヨード-4-(2-アミノエチルアミノ)安息香酸、2,3,5-トリヨード安息香酸などの含ヨウ素安息香酸誘導体、もしくはこれらの含ヨウ素安息香酸誘導体とジアミンとがペプチド結合してなるアミノ基含有アミドなどのX線造影剤を、一般的なペプチド合成用縮合剤の存在下で反応させ、X線撮像可能なリジンオリゴマー誘導体を得ることが出来る。また、ここで用いられるカチオン性X線造影剤は、アミノ安息香酸エステルを原料に、そのアミノ基への還元的アミノアルキル化、さらに、末端アミノ基のグアニジノ化を経て、硫酸銀存在下、メタノール中、ヨウ素と反応させることで得ることが出来る。

【0033】
本発明のリジンオリゴマー誘導体は薬学的に許容される塩であってもよい。また、異性体(例えば光学異性体、幾何異性体及び互換異性体)などが存在する場合は、本発明はそれらの異性体を包含し、また溶媒和物、水和物及び種々の形状の結晶を包含するものである。本発明において、薬学的に許容される塩としては、薬理学的及び製剤学的に許容される一般的な塩、特に、酸付加塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩を挙げることができる。

【0034】
リジンのε-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されてなるリジンオリゴマーは、軟骨組織に特異的に結合することから、軟骨組織に対するマーカーとして機能することができる。したがって、蛍光団やX線造影用の基など、電磁波を発生又は吸収し得る基が導入された、本発明のリジンオリゴマー誘導体は、蛍光顕微鏡や光学投影断層撮影、X線撮影などの方法によって、容易に検出できる軟骨組織可視化用試薬として用いることができる。

【0035】
本発明の軟骨組織マーカーを、滅菌された水性媒質(特に水又は生理食塩水、緩衝生理食塩水等)中に溶解させてなる組成物とすることにより、軟骨組織の可視化用試薬として使用することができる。組成物中の濃度は適宜であってよいが、例えば、0.01mM~1mMの濃度のものを適当量だけ、例えば関節腔内に投与するようにすることができるが、これに限定されない。

【0036】
以上説明したように、ε-アミノ基とカルボキシル基とのペプチド結合により連結されてなるリジンオリゴマーは、軟骨に選択的に集積する。この点は、電磁波を発生又は吸収し得る基が結合したリジンオリゴマー誘導体を用いて、後の実施例に示されるように実証された。したがって、このリジンオリゴマーは、軟骨を標的化してこれに薬剤を運搬するための担体として使用することができる。すなわち、ε-アミノ基とカルボキシル基とのペプチド結合により連結されてなるリジンオリゴマーに対して、軟骨の治療に用いられる薬剤成分を結合させた医薬は、それを投与(例えば関節腔内に)することによって、薬剤成分を効率よく軟骨に集積させることができる。この場合、当該医薬の軟骨への集積状態を確認するために、電磁波を発生又は吸収し得る基が結合していても構わないが、そのような基を有さなくてもよい。

【0037】
本発明の、ε結合で連結されたリジンオリゴマーは、軟骨組織に特異的に結合することから、これに蛍光団やX線造影用の基等の、電磁波を発生又は吸収し得る基を結合させることにより、軟骨組織を可視化することが可能となり、軟骨疾患の治療剤の開発において、軟骨の状態を評価する手段として有用である。また、当該リジンオリゴマーは軟骨に治療薬を選択的に送達するための手段としても有用である。
【実施例】
【0038】
[リジンオリゴマー誘導体の合成]
【実施例】
【0039】
1)中間体2の合成
Nα-(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジン(1)(985mg、4mmol)を無水1,4-ジオキサン(3mL)、水(3mL)に溶解し、トリエチルアミン(615μL、4.4mmol)を加え、氷冷下、二炭酸ジ-tert-ブチル(960mg、4.4mmol)を滴下し、18時間撹拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=5:1)で反応終了を確認し、反応液を0.5規定塩酸水溶液(80mL)にあけ、酢酸エチル(3×40mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(80mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1→2:1)を行い、白色固体の中間体2(1.29g、93%)を得た。
1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ: 5.21(br s, 1H), 4.62(br s, 1H), 4.28(br s, 1H), 3.14(d, 2H, J = 6.0Hz), 1.88(br s, 1H), 1.76(br s, 1H), 1.45-1.23(m, 22H), 0.92-0.88(m, 1H)。
【実施例】
【0040】
【化3】
JP0006112427B2_000004t.gif
【実施例】
【0041】
2)中間体4の合成
Ar雰囲気下、Nα-(tert-ブトキシカルボニル)-Nε-(ベンジルオキシカルボニル)-L-リジン(3)(810mg、2.1mmol)を無水DMF(2mL)、無水メタノール(1mL)に溶解し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(390mg、2.6mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(490mg、2.6mmol)の順に加え、氷冷し、2時間撹拌した。TLC(酢酸エチルのみ)で反応終了を確認し、反応液を水にあけ、酢酸エチル(3×70mL)で抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(70mL)、水(70mL)、飽和食塩水(70mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン = 1:4→1:2)を行い、無色油状の中間体4(839mg、99%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.36-7.33(m, 5H), 5.09(s, 2H), 5.06(s, 1H), 4.81(s, 1H), 3.73(s, 3H), 3.20(q, 2H, J = 6.5 Hz), 1.77-1.67(m, 2H), 1.53-1.51(m, 2H), 1.42-1.37(m, 11H)。
【実施例】
【0042】
【化4】
JP0006112427B2_000005t.gif
【実施例】
【0043】
3)中間体5の合成
中間体4(839mg、2.1mmol)をメタノール(15mL)に溶解し、Pd/C(触媒量)を加え、水素雰囲気下、室温で40分撹拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン = 2:1)で反応終了を確認し、反応液をセライト濾過し、減圧下で溶媒留去後、無色油状の中間体5(563mg、q.y.)を得、そのまま次の反応に用いた。
【実施例】
【0044】
【化5】
JP0006112427B2_000006t.gif
【実施例】
【0045】
4)中間体6の合成
Ar雰囲気下、中間体5(560mg、2.2mmol)、Nα-(tert-ブトキシカルボニル)-Nε-(ベンジルオキシカルボニル)-L-リジン(837mg、2.2mmol)(3)を無水DMF(10mL)に溶解し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(337mg、2.2mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(423mg、2.2mmol)の順に加え、氷冷し、5.5時間撹拌した。TLC(酢酸エチル:n-ヘキサン = 3:1)で反応終了を確認し、反応液を水にあけ、酢酸エチル(3×70mL)で抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(70mL)、水(70mL)、飽和食塩水(70mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、白色固体の中間体6(596mg、44%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.36(br s, 5H), 6.18(br s, 1H), 5.19(br s, 2H), 5.10(s, 2H), 4.90(br s, 1H), 4.25(br s, 1H), 4.00(br s, 1H), 3.73(s, 3H), 3.21(br s, 4H), 1.83(br s, 2H), 1.44(d, 18H, J = 3.0Hz)。
【実施例】
【0046】
【化6】
JP0006112427B2_000007t.gif
【実施例】
【0047】
5)中間体7の合成
中間体6(790mg、1.3mmol)をTHF:水=3:2(32mL)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(161mg、3.8mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。TLC(酢酸エチル)で反応終了を確認し、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)にあけ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(2×50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、無色粘性の中間体7(840mg、q.y.)を得、そのまま次の反応に用いた。
Rf = 0.48 (CH2Cl2 : MeOH = 1 : 2); 1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.34(br s, 5H), 5.14(br s, 1H), 5.09(s, 2H), 4.16-3.84(m, 3H), 3.18(br s, 3H), 1.97-1.90(m, 1H), 1.77(br s, 2H), 1.63-1.21(m, 5H), 1.51(s, 4H), 1.44-1.40(m, 18H)。
【実施例】
【0048】
【化7】
JP0006112427B2_000008t.gif
【実施例】
【0049】
6)中間体8の合成
中間体6(595mg、1.0mmol)をメタノール(13mL)に溶解し、Pd/C(触媒量)を加え、水素雰囲気下、室温で7.5時間撹拌した。TLCプレート(酢酸エチル)で反応終了を確認し、反応液をセライト濾過し、減圧下で溶媒留去後、白色固体の中間体8(469mg、q.y.)を得、そのまま次の反応に用いた。
【実施例】
【0050】
【化8】
JP0006112427B2_000009t.gif
【実施例】
【0051】
7)中間体9の合成
Ar雰囲気下、中間体8(376mg、0.77mmol)、Nα-(tert-ブトキシカルボニル)-Nε-(ベンジルオキシカルボニル)-L-リジン(3)(293mg、0.77mmol)を無水DMF(5mL)に溶解し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(141mg、0.92mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(176mg、0.92mmol)の順に加え、氷冷し、4時間撹拌した。TLC(酢酸エチルのみ)で反応終了を確認し、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)にあけ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン =1:3)を行い、白色泡状固体の中間体9(504mg、77%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.35(br s, 5H), 6.47(br s, 2H), 5.37-5.05(m, 6H), 4.23(br s, 1H), 4.00(br s, 2H), 3.73(s, 3H), 3.21(t, J = 6.5 Hz, 6H), 1.80(br s, 3H), 1.71-1.24(m, 13H), 1.43(d, J = 3.5 Hz, 27H)。
【実施例】
【0052】
【化9】
JP0006112427B2_000010t.gif
【実施例】
【0053】
8)中間体10の合成
Ar雰囲気下、中間体8(255mg、0.52mmol)、中間体7(319mg、0.52mmol)を無水DMF(5mL)に溶解し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(96mg、0.62mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル) -3-エチルカルボジイミド塩酸塩(119mg、0.62mmol)の順に加え、氷冷し、2時間撹拌した。TLCプレート(塩化メチレン:メタノール = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を水(50mL)にあけ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機層を水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン = 9:1)を行い、白色固体の中間体10(464mg、83%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.42-7.29(m, 5H), 6.59(br s, 1H), 6.50(br s, 1H), 5.61-5.17(m, 4H), 5.10(s, 2H), 4.24(br s, 1H), 4.00(br s, 3H), 3.73(s, 3H), 3.32(br s, 2H), 3.27-3.17(m, 6H), 1.79-1.35(m, 24H), 1.45-1.41(m, 36H)。
【実施例】
【0054】
【化10】
JP0006112427B2_000011t.gif
【実施例】
【0055】
9)中間体11の合成
中間体9(504mg、0.6mmol)をメタノール(5mL)に溶解し、Pd/C(触媒量)を加え、水素雰囲気下、室温で1.5時間撹拌した。TLCプレート(酢酸エチル)で反応終了を確認し、反応液をセライト濾過し、減圧下で溶媒留去後、白色泡状固体の中間体11(421mg、99%)を得、そのまま次の反応に用いた。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 6.57(br s, 1H), 6.50(br s, 1H), 5.44(br s, 1H), 5.26(br s, 2H), 4.23(br s, 1H), 4.07-3.93(m, 2H), 3.73(s, 3H), 3.24(d, J = 5.0 Hz, 4H), 2.71(t, J = 6.5 Hz, 2H), 1.81(br s, 3H), 1.65(br s, 3H), 1.59-1.46(m, 7H), 1.44-1.43(m, 27H), 1.40-1.39(m, 7H)。
【実施例】
【0056】
【化11】
JP0006112427B2_000012t.gif
【実施例】
【0057】
10)中間体12の合成
中間体10(446mg、0.41mmol)をメタノール(5mL)に溶解し、Pd/C(触媒量)を加え、水素雰囲気下、室温で0.5時間撹拌した。TLCプレート(酢酸エチル)で反応終了を確認し、反応液をセライト濾過し、減圧下で溶媒留去後、白色泡状固体の中間体12(392mg、95%)を得、そのまま次の反応に用いた。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 6.97(br s, 1H), 5.60-5.49(m, 3H), 4.22(br s, 1H), 4.16-3.98(m, 3H), 3.73(s, 3H), 3.23(br s, 5H), 2.74(br s, 2H), 1.82(br s, 20H), 1.70-1.22(m, 7H), 1.44-1.43(m, 36H)。
【実施例】
【0058】
【化12】
JP0006112427B2_000013t.gif
【実施例】
【0059】
11)中間体13の合成
Ar雰囲気下、中間体8(469mg、1.0mmol)、中間体2(360mg、1.0mmol)を無水DMF(8mL)に溶解し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(176mg、1.2mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(220mg、1.2mmol)の順に加え、氷冷し、13時間撹拌した。TLCプレート(酢酸エチル)で反応終了を確認し、反応液を水にあけ、酢酸エチル(3×90mL)で抽出し、有機層を水(2×90mL)、飽和食塩水(90mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン =2:1→1:0)を行い、黄色固体の中間体13(166mg、21%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 6.45-6.37(m, 2H), 5.27(br s, 1H), 4.71(br s, 1H), 4.25(br s, 1H), 4.90(br s, 1H), 4.25(br s, 1H), 4.01(br s, 2H), 3.74(s, 3H), 3.25(br s, 3H), 3.12(br s, 2H), 1.80(br s, 3H), 1.69-1.64(m, 4H), 1.45(s, 36H)。
【実施例】
【0060】
【化13】
JP0006112427B2_000014t.gif
【実施例】
【0061】
12)中間体14の合成
Ar雰囲気下、中間体11(143mg、0.2mmol)、中間体2(69mg、0.2mmol)を無水DMF(3mL)に溶解し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(37mg、0.24mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(46mg、0.24mmol)の順に加え、氷冷し、14時間撹拌した。TLCプレート(酢酸エチル)で反応終了を確認し、反応液を水(50mL)にあけ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、有機層を水(70mL)、飽和食塩水(70mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール = 19:1)を行い、白色固体の中間体14(118mg、56%)を得た。
Rf = 0.57 (CH2Cl2 : MeOH = 9 : 1); 1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 5.47(br s, 1H), 4.24(br s, 1H), 4.00(br s, 2H), 3.31-3.17(m, 7H), 1.81(br s, 4H), 1.61-1.43(m, 14H), 1.43(d, J = 3.5 Hz, 45H)。
【実施例】
【0062】
【化14】
JP0006112427B2_000015t.gif
【実施例】
【0063】
13)中間体15の合成
Ar雰囲気下、中間体12(189mg、0.20mmol)、中間体2(69.3mg、0.20mmol)を無水DMF(3mL)に溶解し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(36.8mg、0.24mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(46.0mg、0.24mmol)の順に加え、氷冷し、20時間撹拌した。TLCプレート(塩化メチレン:メタノール = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)にあけ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機層を水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)を行い、白色固体の中間体15(235mg、92%)を得た。
Rf = 0.51 (CH2Cl2 : MeOH = 9 : 1); 1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.14(s, 1H), 6.79(s, 1H), 6.58(s, 1H), 5.75(br s, 1H), 5.51(br s, 2H), 5.41(br s, 1H), 4.89(br s, 1H), 4.21(br s, 3H), 4.01(br s, 2H), 3.41(br s, 3H), 3.22(br s, 3H), 3.11(d, J = 6.0 Hz), 1.77-0.90(m, 35H), 1.43(t, J = 2.0 Hz, 36H), 1.42(s, 18H)。
【実施例】
【0064】
【化15】
JP0006112427B2_000016t.gif
【実施例】
【0065】
14)中間体16の合成
中間体13(90mg、0.11mmol)をTHF:水=3:1(5.5mL)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(28mg、0.66mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。TLC(酢酸エチル)で反応終了を確認し、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)にあけ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、有機層を 飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、無色粘性の中間体16(83mg、94%)を得、そのまま次の反応に用いた。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 5.45(br s, 2H), 4.84(br s, 1H), 4.23-3.84(m, 3H), 3.17(br s, 5H), 1.94-0.19(m, 14H), 1.80(br s, 2H), 1.43(s, 36H). FAB-MS m/e:804[M+H]+
【実施例】
【0066】
【化16】
JP0006112427B2_000017t.gif
【実施例】
【0067】
15)中間体17の合成
中間体14(180mg、0.17mmol)をTHF:水=3:2(1mL)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(43mg、1.0mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。TLC(酢酸エチル)で反応終了を確認し、反応液を0.5規定塩酸水溶液(40mL)にあけ、酢酸エチル(3×40mL)で抽出し、有機層を水(2×40mL)、飽和食塩水(40mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、白色固体の中間体17(160mg、92%)を得、そのまま次の反応に用いた。
Rf = 0.49 (CH2Cl2 : MeOH = 9 : 1); 1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 5.39(br s, 2H), 4.05(br s, 2H), 3.10(d, J = 5.0 Hz, 2H), 1.80(br s, 5H), 1.56(br s, 7H), 1.44-1.24(m, 9H), 1.44(d, J = 4.0 Hz, 45H)。
【実施例】
【0068】
【化17】
JP0006112427B2_000018t.gif
【実施例】
【0069】
16)中間体18の合成
中間体15(190mg、0.15mmol)をTHF:水=3:2(18mL)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(89mg、2.1mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。TLC(酢酸エチル)で反応終了を確認し、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)にあけ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(2×50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、無色粘性の中間体18(210mg、q.y.)を得、そのまま次の反応に用いた。
Rf = 0.48 (CH2Cl2 : MeOH = 1 : 2); 1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 5.61-5.50(m, 2H), 4.36-3.68(m, 6H), 3.48(d, J = 5.0 Hz, 2H), 3.09(br s, 6H), 2.26-0.86(m, 29H), 1.43(br s, 54H)。
【実施例】
【0070】
【化18】
JP0006112427B2_000019t.gif
【実施例】
【0071】
17)中間体20の合成
Ar雰囲気下、4-クロロ-7-ニトロベンゾフラザン(NBD-Cl:19)(99.4mg、0.5mmol)を無水DMF(3mL)に溶解し、トリエチルアミン(69μL、0.5mmol)、N-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2-ジアミノエタン(87μL、0.6mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。TLC(酢酸エチル:n-ヘキサン = 1:1)で反応終了を確認し、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)にあけ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、有機層を水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、茶緑色油状の中間体20(171mg、q.y.)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 8.51(d, 1H, J = 9.0 Hz), 7.70(br s, 1H), 6.17(d, 1H, J = 9.0 Hz), 5.08(br s, 1H), 3.61(br s, 4H), 1.47(s, 9H)。
【実施例】
【0072】
【化19】
JP0006112427B2_000020t.gif
【実施例】
【0073】
18)中間体21の合成
Ar雰囲気下、中間体20(90mg、0.28mmol)を4.0規定塩化水素1,4-ジオキサン溶液(2mL)に溶解し、遮光し、5.5時間撹拌した。TLCプレート(塩化メチレン:メタノール = 29:1)で反応終了を確認し、反応液を風乾し、減圧下で溶媒留去後、メタノール/酢酸エチルで再結晶を行い、赤褐色固体の中間体21(68mg、94%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 8.56(d, 1H, J = 9.0 Hz), 6.46(d, 1H, J = 9.0 Hz), 3.87(t, 2H, J = 6.0 Hz), 3.34(br s, 2H)。
【実施例】
【0074】
【化20】
JP0006112427B2_000021t.gif
【実施例】
【0075】
19)中間体22(Kε1-Boc)の合成
Ar雰囲気下、中間体2(100mg、0.3mmol)を無水DMFに溶解し、氷冷下、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(55mg、0.36mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(69mg、0.36mmol)、中間体21(78mg、0.30mmol)の順に加え、遮光し、室温に戻し2時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を0.5M 塩酸水溶液(40mL)にあけ、酢酸エチル(3×40mL)で抽出し、有機層を水(2×40mL)、飽和食塩水(40mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:5)を行い、黄色固体の中間体22(110mg、67%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 6.43(d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.90(br s, 1H), 3.66(br s, 2H), 3.55(br s, 2H), 2.97(t, J = 5.5 Hz, 2H), 1.63(br s, 1H), 3.66(br s, J = 2.0 Hz, 18H).
【実施例】
【0076】
【化21】
JP0006112427B2_000022t.gif
【実施例】
【0077】
20)中間体23(Kε3-Boc)の合成
Ar雰囲気下、中間体16(73.9mg、0.092mmol)を無水DMFに溶解し、トリエチルアミン(26μL、0.184mmol)を加え、氷冷下、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(16.8mg、0.110mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(21.1mg、0.110mmol)、中間体21(23.9mg、0.092mmol)の順に加え、遮光し、室温に戻し20時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)にあけ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:n-ヘキサン:酢酸エチル:メタノール = 9:5:4:1)を行い、橙色泡状固体の中間体23(74.8mg、81%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 8.51(d, 1H, J = 8.5 Hz), 8.12(br s, 1H), 7.66(br s, 1H), 6.65(br s, 1H), 6.44(br s, 1H), 6.21(d, 1H, J = 8.5 Hz), 5.60(br s, 1H), 5.48(br s, 2H), 4.75(br s, 1H), 4.00(br s, 2H), 3.67(br s, 3H), 3.26(br s, 1H), 1.82(br s, 3H), 1.43(s, 36H)。
【実施例】
【0078】
【化22】
JP0006112427B2_000023t.gif
【実施例】
【0079】
21)中間体24(Kε4-Boc)の合成
Ar雰囲気下、中間体17(119mg、0.12mmol)、中間体21(31mg、0.12mmol)を無水DMF(3mL)に溶解し、トリエチルアミン(33μL、0.24mmol)を加え、氷冷下、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(21mg、0.14mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(27mg、0.14mmol)の順に加え、遮光し、室温に戻し8時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール = 19:1)で反応終了を確認し、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)にあけ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)、水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=29:1→9:1)を行い、橙色泡状固体の中間体24(113.4mg、79%)を得た。
Rf = 0.55 (CH2Cl2: MeOH = 9 : 1); 1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 8.49(d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.13(br s, 1H), 6.90(br s, 1H), 6.49(br s, 1H), 6.19(d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.78(br s, 1H), 5.41(br s, 1H), 4.76(br s, 1H), 4.23-4.02(m, 1H), 3.67(br s, 3H), 3.48(br s, 3H), 3.10(br s, 3H), 1.79(q, J = 12.5 Hz, 45H), 1.71-1.17 (m, 32H), 1.41(br s, 2H) ; [α]D +14.4o (c = 1.0083, MeOH)。
【実施例】
【0080】
【化23】
JP0006112427B2_000024t.gif
【実施例】
【0081】
22)中間体25(Kε5-Boc)の合成
Ar雰囲気下、中間体18(168mg、0.13mmol)、中間体21(34.6mg、0.13mmol)を無水DMF(3mL)に溶解し、トリエチルアミン(36μL、0.26mmol)を加え、氷冷下、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(24.5mg、0.16mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(30.7mg、0.16mmol)の順に加え、遮光し、室温に戻し17.5時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール = 19:1)で反応終了を確認し、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)にあけ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)、水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール = 29:1→9:1)を行い、橙色泡状固体の中間体25(77.4mg、41%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 8.49(d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.22(br s, 1H), 6.19(d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.81(br s, 1H), 4.05(br s, 5H), 3.68(br s, 4H), 3.49(br s, 4H), 3.10(br s, 6H), 1.83-1.11(m, 28H), 1.42(t, J = 5.0 Hz, 54H); [α]D +21.7o (c = 1.0108, MeOH)。
【実施例】
【0082】
【化24】
JP0006112427B2_000025t.gif
【実施例】
【0083】
23)目的化合物26(Kε1-NBD)の合成
Ar雰囲気下、中間体22(83mg、0.15mmol)を無水メタノール(2mL)、4.0規定塩酸1,4-ジオキサン溶液(2mL)に溶解し、遮光し、2時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を風乾し、減圧下で溶媒留去後、メタノール/酢酸エチルで再結晶を行い、赤色固体の目的化合物26(Kε1-NBD)(25mg、40%)を得た。
m.p. 151.4-153.9℃; 1H-NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 8.55(d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.49(d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.87(t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.68-3.58(m, 4H), 2.91(t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.89-1.78(m, 2H), 1.71-1.61(m, 2H), 1.50-1.41(m, 2H); 13C-NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 170.7, 146.5, 145.8, 145.3, 138.4, 123.3, 100.3, 54.3, 52.1, 40.3, 39.0, 32.0, 28.0, 23.0; Absmax/Emmax(PBS): 475 nm/539 nm; [α]23D = +21.1 cm3 g-1 dm-1 (c = 1.0 g cm-3 in MeOH); Elemental Anal. calcd (%) for C14H23Cl2N7O4・1/2H2O・1/2CH3OH: C 38.76, H 5.83, N 21.82, found: C 38.46, H 5.50, N 21.59; MALDI-TOFMS m/z: 352 [M+H] +.
【実施例】
【0084】
【化25】
JP0006112427B2_000026t.gif
【実施例】
【0085】
24)目的化合物27(化合物A)(Kε3-NBD)の合成
Ar雰囲気下、中間体23(71.5mg、0.071mmol)を無水メタノール(1mL)、4.0規定塩酸1,4-ジオキサン溶液(1mL)に溶解し、遮光し、5.5時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を風乾し、減圧下で溶媒留去後、メタノール/酢酸エチルで再結晶を行い、橙色固体の目的化合物27(化合物A)(Kε3-NBD)(46.3mg、87%)を得た。
Mp 183.3-184.7℃; 1H-NMR(300 MHz,CD3OD)δ: 8.56(d, 1H, J = 9.0 Hz), 6.51(d, 1H, J = 9.0 Hz), 3.94-3.77(m, 6H), 3.54-3.49(m, 2H), 3.24-3.10(m, 3H), 2.97(t, 2H, J = 7.75 Hz), 1.96-1.81(m, 5H), 1.76-1.68(m, 4H), 1.65-1.60(m, 2H), 1.55-1.38(m, 9H)。MALDI-TOF/MS; 608.319 [M+H](化合物27:C26H45N11O6= 607.36)
【実施例】
【0086】
【化26】
JP0006112427B2_000027t.gif
【実施例】
【0087】
25)目的化合物28(Kε4-NBD)の合成
Ar雰囲気下、中間体24(102.8mg、0.083mmol)を無水メタノール(2mL)、4.0規定塩酸1,4-ジオキサン溶液(2mL)に溶解し、遮光し、2時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を風乾し、減圧下で溶媒留去後、メタノール/酢酸エチルで再結晶を行い、橙色固体の目的化合物28(Kε4-NBD)(66.2mg、87%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 8.56(d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.50(d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.87-3.78(m, 7H), 3.55-3.52(m, 1H), 3.21-3.10(m, 5H), 2.96(t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.94-1.37(m, 26H); Absmax/Emmax(PBS): 476 nm/540 nm; Anal. calcd for C32H62Cl5N13O7・3H2O: C 39.53, H 7.05, N 18.73, found: C 39.57, H 6.82, N 18.58。
【実施例】
【0088】
【化27】
JP0006112427B2_000028t.gif
【実施例】
【0089】
26)目的化合物29(Kε5-NBD)の合成
Ar雰囲気下、中間体25(76.4mg、0.052mmol)を無水メタノール(2mL)、4.0規定塩酸1,4-ジオキサン溶液(2mL)に溶解し、遮光し、1時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を風乾し、減圧下で溶媒留去後、メタノール/酢酸エチルで再結晶を行い、橙色固体の目的化合物29(Kε5-NBD)(41.4mg、73%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 8.56(d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.51(d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.00-3.68 (m, 8H), 3.57-3.48(m, 1H), 3.34-3.07(m, 7H), 2.97(t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.92-1.82(m, 8H), 1.79-1.68(m, 4H), 1.61(t, J = 6.5 Hz, 7H), 1.46(br s, 12H); Absmax/Emmax(PBS): 476 nm/539 nm; Anal. calcd for C38H69N15O8・4H2O・CH3OH: C 39.46, H 7.39, N 17.70, found: C 39.44, H 7.00, N 17.55。
【実施例】
【0090】
【化28】
JP0006112427B2_000029t.gif
【実施例】
【0091】
27)中間体31の合成
無水メタノール(60mL)に、活性化したモレキュラーシーブス4Aと4-アミノ安息香酸エチル(30)(1.7g、10mmol)、酢酸(0.63mL、11mmol)、N-tert-ブトキシカルボニル-2-アミノアセトアルデヒド(1.9g、12mmol)を加え、Ar雰囲気下室温で29時間撹拌した。TLC(酢酸エチル:n-ヘキサン:塩化メチレン = 1:2:3)で反応終了を確認した後、シアノ水素化ほう素ナトリウム(0.6g、10mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。TLC(酢酸エチル:n-ヘキサン:塩化メチレン = 1:2:3)で反応終了を確認後、反応液に水(10mL)を加え、酢酸エチルでセライト濾過し、濾液を2規定塩酸水溶液(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン:塩化メチレン = 1:5:4)を行い、白色固体の中間体31(2.38g、77%)を得た。
1H-NMR(300 MHz,CDCl3)δ: 7.88(d, 2H, J = 9.0 Hz), 6.56(d, 2H, J = 9.0 Hz), 4.81(s, 1H), 4.68(s, 1H), 4.32(q, 2H, J = 7.0 Hz), 3.40(t, 2H, J = 6.0 Hz), 3.31(br s, 2H), 1.46(s, 9H), 1.36(t, 3H, J = 7.0 Hz)。
【実施例】
【0092】
【化29】
JP0006112427B2_000030t.gif
【実施例】
【0093】
28)中間体32の合成
中間体31(806mg、2.6mmol)、ヨウ素(1,32g、5.2mmol)、硫酸銀(1.78g、5.7mmol)を無水メタノール(10mL)に溶解し、遮光、Ar雰囲気下室温で1.5時間撹拌した。TLC(酢酸エチル:n-ヘキサン = 1:3)で反応終了を確認した後、反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を過剰量加え、酢酸エチルでセライト濾過した。濾液を水(50mL)にあけ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機層を水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:7)を行い、白色固体の中間体32(1.14g、78%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 8.41(s, 2H), 4.84(br s, 1H), 4.35(q, 2H, J = 7.1 Hz), 4.07(br s, 1H), 3.41(br s, 4H), 1.45(s, 9H), 1.38(t, 3H, J = 7.1 Hz)。
【実施例】
【0094】
【化30】
JP0006112427B2_000031t.gif
【実施例】
【0095】
29)中間体33の合成
中間体32(562mg、1.0mmol)を無水塩化メチレン(5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、遮光、室温下1.5時間撹拌した。TLC(酢酸エチル:n-ヘキサン = 1:1)で反応終了を確認し、反応液を水(10mL)にあけ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機層を水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、黄色粘性の中間体33(364mg、79%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 8.41(s, 2H), 4.35(q, 2H, J = 7.1 Hz), 3.40(br s, 2H), 3.04(br s, 2H), 2.05(br s, 2H), 1.38(t, 3H, J = 7.1 Hz)。
【実施例】
【0096】
【化31】
JP0006112427B2_000032t.gif
【実施例】
【0097】
30)中間体34の合成
中間体32(560mg、1.0mmol)をTHF(3.0mL)、水(1.0mL)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(62.9mg、1.5mmol)を加え、40℃で13時間撹拌した。TLC(酢酸エチル:n-ヘキサン = 1:3)で反応終了を確認し、反応液に0.1規定塩酸水溶液(20mL)を加え、析出した固体をろ取し、水で洗浄し、白色固体の中間体34(498mg、94%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 8.38(s, 2H), 6.72(br s, 1H), 3.41(t, 2H, J = 6.0 Hz), 1.43(s, 9H)。
【実施例】
【0098】
【化32】
JP0006112427B2_000033t.gif
【実施例】
【0099】
31)中間体36の合成
グアニジン塩酸塩(35)(1.45g、15mmol)を無水1,4-ジオキサン(25mL)に溶解し、氷冷下、4.5規定水酸化ナトリウム水溶液(12.5mL)を滴下した後、二炭酸ジ-tert-ブチル(7.2mL、32mmol)を滴下し、24時間撹拌した。TLC(酢酸エチル:n-ヘキサン = 1:4)で反応終了を確認し、反応液 を水(50mL)にあけ、酢酸エチル(3×70mL)で抽出し、有機層を水(2×50mL)、飽和食塩水(2×50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン:塩化メチレン = 1:6:1)を行い、白色固体の中間体36(1.93g、49%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, DMSO-d6)δ: 10.45(br s, 1H), 8.48(br s, 2H), 1.40(s, 18H)。
【実施例】
【0100】
【化33】
JP0006112427B2_000034t.gif
【実施例】
【0101】
32)中間体37の合成
中間体36(1.93g、7.4mmol)、トリエチルアミン(2.1mL、14.8mmol)をAr雰囲気下、無水塩化メチレン(15mL)に溶かし、-78℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.9mL、11.6mmol)を10分かけて滴下し、室温にて20時間撹拌した。TLC(酢酸エチル:n-ヘキサン = 1:4)で反応終了を確認し、反応液 を飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)にあけ、塩化メチレン(3×50mL)で抽出し、有機層を水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン = 1:10)を行い、白色固体の中間体37(786mg、27%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, DMSO-d6)δ: 11.09(br s, 2H), 1.45(s, 18H)。
【実施例】
【0102】
【化34】
JP0006112427B2_000035t.gif
【実施例】
【0103】
33)中間体38の合成
Ar雰囲気下、中間体37(364mg、0.8mmol)、中間体33(318mg、0.8mmol)を無水塩化メチレン(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.44mL、3.2mmol)を加え、室温で16.5時間撹拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン = 1:2)で反応終了を確認し、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)にあけ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、有機層を水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン:塩化メチレン = 2:75:50)を行い、白色泡状固体の中間体38(524mg、94%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 11.49(s, 1H), 8.63(br s, 1H), 8.41(s, 2H), 4.34 (q, 2H, J = 7.25 Hz), 3.72(q, 2H, J = 5.75 Hz), 3,54(q, 2H, J = 5.75 Hz), 1.51(s, 9H), 1.49(s, 9H), 1.38(t, 3H, J = 7.25 Hz)。
【実施例】
【0104】
【化35】
JP0006112427B2_000036t.gif
【実施例】
【0105】
34)中間体39の合成
中間体38(518mg、0.7mmol)をTHF(6.0mL)、水(2.0mL)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(111mg、2.6mmol)を加え、40℃で23時間撹拌した。TLC(酢酸エチル:n-ヘキサン = 1:2)で反応終了を確認し、反応液を0.1規定塩酸水溶液(20mL)にあけ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機層を水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、白色泡状固体の中間体39(503mg、q.y.)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 11.49(br s, 1H), 8.62(br s, 1H), 8.45(s, 2H), 3.72(q, 2H, J = 5.75 Hz), 3.60(t, 2H, J = 5.75 Hz), 1.51(s, 9H), 1.49(s, 9H)。 FAB-MS m/e:675[M+H]+
【実施例】
【0106】
【化36】
JP0006112427B2_000037t.gif
【実施例】
【0107】
35)中間体40の合成
Ar雰囲気下、遮光し、化合物27(化合物A)(17.4mg、0.023mmol)、中間体39(74.5mg、0.110mmol)を無水DMF(3mL)に溶解し、トリエチルアミン(29μL、0.207mmol)を加え、氷冷下、HOBt・H2O(18.3mg、0.119mmol)、EDCI・HCl(22.3mg、0.116mmol)の順に加え、室温に戻し27.5時間撹拌した。TLCプレート(酢酸エチル:塩化メチレン = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を水(20mL)にあけ、塩化メチレン(3×30mL)で抽出し、有機層を 飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール = 9:1)を行い、褐色粘性の中間体40(16.3mg、22%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 11.50(s, 4H), 8.46(d, 1H, J = 9.0 Hz), 8.26(s, 2H), 8.21(s, 4H), 8.15(s, 2H), 6.11(d, 1H, J = 9.0 Hz), 4.53(br s, 3H), 3.99(br s, 3H), 3.67-3.63(m, 7H), 3.44(br s, 10H), 1.49(s, 80H)。
【実施例】
【0108】
【化37】
JP0006112427B2_000038t.gif
【実施例】
【0109】
36)中間体41の合成
Ar雰囲気下、遮光し、化合物27(化合物A)(13.0mg、0.017mmol)、中間体34(51.0mg、0.096mmol)を無水DMF(3mL)に溶解し、トリエチルアミン(21μL、0.153mmol)を加え、氷冷下、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(13.5mg、0.088mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(16.3mg、0.085mmol)の順に加え、室温に戻し20時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)にあけ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:n-ヘキサン:酢酸エチル:メタノール = 9:5:4:1)を行い、橙色泡状固体の中間体41(74.8mg、81%)を得た。
1H-NMR(300 MHz,CD3OD)δ: 8.42(d, 1H, J = 9.0 Hz), 8.42-8.20(m, 8H), 8.16(br s, 1H), 8.10(br s, 1H), 6.71(br s, 3H), 6.33(d, 1H, J = 9.0 Hz), 4.43-4.35(m, 3H), 3.63(br s, 3H), 3.56-3.53(m, 3H), 1.78(br s, 6H), 1.43(s, 36H)。
【実施例】
【0110】
【化38】
JP0006112427B2_000039t.gif
【実施例】
【0111】
37)目的化合物42(化合物B)の合成
Ar雰囲気下、中間体40(15.7mg、4.1μmol)を無水メタノール(0.5mL)、無水塩化メチレン(0.5mL)、4.0規定塩酸1,4-ジオキサン(1.0mL)に溶解し、遮光し、11.5時間撹拌した。TLCプレート(塩化メチレン:メタノール = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を風乾し、減圧下で溶媒留去後、メタノール/酢酸エチルで再結晶を行い、橙色固体の目的化合物42(化合物B)(4.2mg、40%)を得た。
Mp 189.4-191.5℃; 1H-NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 8.53-8.47(m, 6H), 8.36-8.31(m, 7H), 8.25-8.13(m, 10H), 6.33(d, 1H, J = 9.0 Hz), 4.36(br s, 3H), 3.66-3.62(m, 4H), 3.48-3.40(m, 25H), 1.85-1.76(m, 9H), 1.65-1.43(m, 21H); MALDI-TOF/MS m/e:2431.913[M+H](化合物42: C66H85I8N27O10=2430.93)
【実施例】
【0112】
【化39】
JP0006112427B2_000040t.gif
【実施例】
【0113】
38)化合物43(化合物C)の合成
Ar雰囲気下、中間体41(3.9mg、1.5μmol)を無水メタノール(0.5mL)、4.0規定塩酸1,4-ジオキサン溶液(0.5mL)に溶解し、遮光し、10.5時間撹拌した。TLCプレート(塩化メチレン:メタノール = 19:1)で反応終了を確認し、反応液を風乾し、減圧下で溶媒留去後、メタノール/酢酸エチルで再結晶を行い、橙色固体の化合物43(化合物C)(2.5mg、69%)を得た。
Mp 192.9-195.7℃; 1H-NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 8.43-8.23(m, 9H), 6.33(d, 1H, J = 9.0 Hz), 4.38(br s, 4H), 3.66(br s, 7H), 1.79(br s, 8H), 1.49(br s, 18H);MALDI-TOF/MS; 2301.939 [M+HCl+H](化合物43: C62H77I8N19O10= 2262.85)
【実施例】
【0114】
【化40】
JP0006112427B2_000041t.gif
【実施例】
【0115】
39)中間体45の合成
Ar雰囲気下、2,3,5一トリヨード安息香酸(44)(100mg、0.2mmol)、N-(tert-ブトキシカルボニル) -1,2-ジアミノエタン(32μL、0.2mmol)を無水DMF(3mL)に溶解し、氷冷し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(37mg、0.24mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル) -3-エチルカルボジイミド塩酸塩(46mg、0.24mmol)の順に加え、室温で13,5時間撹拌した。TLCプレート(n-ヘキサン:酢酸エチル = 1:1)で反応終了を確認し、反応液を水(30mL)にあけ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、n-ヘキサン/酢酸エチルで再結晶を行い、白色固体の中間体45(106mg、82%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 8.22(d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.53(d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.50(br s, 1H), 4.91(br s, 1H), 3.53(q, J = 5.4 Hz, 2H), 3.40(br s, 2H), 1.44(s, 9H).
【実施例】
【0116】
【化41】
JP0006112427B2_000042t.gif
【実施例】
【0117】
40)中間体46の合成
Ar雰囲気下、中間体45(415mg、0.65mmol)を無水メタノール(10mL)、4.0規定塩酸1,4-ジオキサン溶液(6mL)に溶解し、2時間撹拌した。TLC(n-ヘキサン:酢酸エチル = 1:1)で反応終了を確認し、反応液を風乾し、減圧下で溶媒留去後、メタノール/酢酸エチルで再結晶を行い、白色固体の中間体46(326.2mg、87%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 8.34(d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.71(d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.60(t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.17 (t, J = 6.5 Hz, 2H); MALDI-TOFMS m/z: 543 [M+H]+.
【実施例】
【0118】
【化42】
JP0006112427B2_000043t.gif
【実施例】
【0119】
41)中間体47の合成
Ar雰囲気下、中間体18(289mg、0.23mmol)、中間体46(133mg、0.23mmol)を無水DMF(8mL)に溶解し、氷冷下、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(43mg、0.28mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(54mg、0.28mmol)の順に加え、室温に戻し2時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を水(70mL)にあけ、酢酸エチル(3×70mL)で抽出し、有機層を水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒留去後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール = 19:1)を行い、白色固体の中間体47(158mg、39%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 8.30(d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.63(d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.94(br s, 5H), 3.44(br s, 3H), 3.20-3.07(m, 10H), 3.02(d, J = 6.5 Hz, 2H), 1.71(br s, 5H), 1.51(d, J = 6.5 Hz, 21H), 1.44-1.42 (m, 54H).
【実施例】
【0120】
【化43】
JP0006112427B2_000044t.gif
【実施例】
【0121】
42)目的化合物48(化合物D)(Kε5-TIB)の合成
Ar雰囲気下、中間体47(100mg、0.056mmol)を無水メタノール(2mL)、4.0規定塩酸1,4-ジオキサン溶液(1mL)に溶解し、1時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール = 9:1)で反応終了を確認し、反応液を風乾し、減圧下で溶媒留去後、メタノール/酢酸エチルで再結晶を行い、白色固体の目的化合物48(化合物D)(74mg、95%)を得た。
m.p. 208.0-209.5℃; 1H-NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 8.32(d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.66(d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.96-3.85(m, 5H), 3.59-3.47(m, 1H), 3.24(br s, 6H), 2.97(t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.87(br s, 10H), 1.74(br s, 2H), 1.60(d, J = 6.5 Hz, 9H), 1.48(br s, 11H); 13C-NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 171.5, 170.6, 170.2, 170.1, 148.7, 147.9, 136.3, 113.2, 107.7, 97.2, 95.0, 61.6, 54.5, 54.3, 50.0, 40.4, 40.1, 32.3, 32.2, 29.8, 28.0, 23,4, 23.1, 20.9, 14.5.; [α]21D =+19.9 cm3 g-1 dm-1 (c = 1.0 g cm-3 in MeOH); Elemental Anal. calcd (%) for C39H75Cl6I3N12O6・3/2H2O: C 32.79, H 5.50, N 11.77, found: C 33.01, H 5.52, N 11.41; MALDI-TOFMS m/z: 1183 [M+H]+.
【実施例】
【0122】
【化44】
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【実施例】
【0123】
[正常マウス大腿骨遠位端の軟骨組織可視化用試薬溶液への浸漬及びex vivo検出]
正常なC57B6/J系マウス(8週齢、雌)2匹を用意し、エーテルにて深麻酔殺後大腿骨遠位端を得、これをリジンオリゴマー誘導体の0.1mM溶液100μLに室温1時間浸漬した。1時間後、緩衝生理食塩水にて2回洗浄した。これを4%CMCコンパウンド内に包埋し、液体窒素とヘキサンで凍結して、硬組織切片用のタングステンカーバイド製ブレードTC-65(Leica製)とCryofilm (Leica製)を用いて、脱灰せずにクライオスタットで7μmの厚さに薄切した。切片を室温に10秒置いて解凍し、100%エタノールに約30秒間浸漬し、4%パラホルムアルデヒド(PFA)内にしばらく保存した後、水道水で洗浄し、蛍光顕微鏡撮影を行った。蛍光フィルターとしては、GFPフィルターを用いた。リジンペプチドは蛍光剤NBDで標識されているので、そのシグナルが検出された。
【実施例】
【0124】
リジンオリゴマー誘導体として以下のA~Cの3種類を用いたときの軟骨の染色像を図1に示す。このときのリジンオリゴマー誘導体溶液の溶媒は25%のエタノールを含有する生理食塩水であった。図1は、大腿骨遠位端膝関節の矢状断面の関節軟骨部分の拡大写真である。破線は軟骨と石灰化軟骨層との境界面であるタイドマークを示す。蛍光シグナル(カラー写真では緑色)は、軟骨層の表層からタイドマークまで認められ、リジンオリゴマー誘導体は石灰化軟骨層には結合していないことがわかる。化合物A及びBには軟骨組織の染色が認められるが、化合物Cではその染色が表面組織に限定されることが分かる。
A:化合物27
B:化合物42
C:化合物43
【実施例】
【0125】
また、リジンオリゴマー誘導体として、以下の4種類を用いたときの軟骨の染色像を図2に示す。このときのリジンオリゴマー誘導体溶液の溶媒は生理食塩水であった。図2は、大腿骨遠位端膝関節の矢状断面の関節軟骨部分の拡大写真である。蛍光シグナルは、軟骨層の表層からタイドマークまで認められ、リジンオリゴマー誘導体は石灰化軟骨層には浸入していないことがわかる。化合物26~29のいずれにも軟骨組織の染色が認められた。しかしながら、リジン単位を1個しか含まない化合物26の染色はわずかであった。一方、リジン単位を3個含む化合物27は、十分に染色されることがわかり、リジン単位を4個又は5個含む化合物28及び29は、さらに濃く染色されることがわかった。軟骨層における白色(カラー写真では緑色)部分が化合物による染色部位である。また、円形白色部(カラー写真では青色)の一部は、ヘキストによる核染部位で、石灰化層にも見られる。
Kε1-NBD:化合物26
Kε3-NBD:化合物27
Kε4-NBD:化合物28
Kε5-NBD:化合物29
【実施例】
【0126】
[豚膝関節軟骨のX線造影用試薬溶液への浸漬及びX線CT撮像評価]
農協にて購入した豚膝関節軟骨片を、カミソリを用いて、約1.0×0.5×0.2cmの大きさにカットした。この軟骨片を化合物D(化合物48:Kε5-TIB)の200mMのリン酸緩衝液およびリン酸緩衝液のみに30分間浸漬した。30分後、いずれの軟骨片もリン酸緩衝液ですすぎ、洗浄した後、キムワイプで余分な水分を拭き取った。いずれの軟骨片サンプルもマイクロCT分析システム(SkyScan 1174,SkyScan,Aartselaar,Belgium)を用いて、10.7μm等方ボクセルにて、撮像、画像再構築を行った。その電子データを容積測定再構築ソフトウェア(NRecon,CTAn,CTvol・CTVox,SkyScan)を用いてさらに精査し、CT撮像画像を得た。
【実施例】
【0127】
得られたX線CT画像を図3に示す。図3中、「Kε5-TIB」が化合物48を含む水溶液に浸漬した試料であり、「PBS」がリン酸緩衝液のみに浸漬した試料である。それぞれ2個ずつあるのは、向きを変えて撮影したものである。写真中、軟骨撮像画像の網目状部分は石灰化層であり、その上部に軟骨層が位置している。PBSのみのものは軟骨層が写っていないのに対し、化合物D溶液に浸漬したものは軟骨層が白く撮像された。濃淡も十分に観察されるので、軟骨層の厚さだけではなく、その中に含まれるコンドロイチン硫酸の濃度などについても知見を得ることができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2