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明細書 :複合型ゲル粒子検出器およびその動作方法並びにエンドトキシン濃度の測定方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-121458 (P2015-121458A)
公開日 平成27年7月2日(2015.7.2)
発明の名称または考案の名称 複合型ゲル粒子検出器およびその動作方法並びにエンドトキシン濃度の測定方法
国際特許分類 G01N  21/49        (2006.01)
G01N  15/02        (2006.01)
FI G01N 21/49 Z
G01N 15/02 A
請求項の数または発明の数 16
出願形態 OL
全頁数 32
出願番号 特願2013-265294 (P2013-265294)
出願日 平成25年12月24日(2013.12.24)
発明者または考案者 【氏名】小幡 徹
【氏名】谷 徹
出願人 【識別番号】504177284
【氏名又は名称】国立大学法人滋賀医科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 2G059
Fターム 2G059AA01
2G059BB04
2G059CC16
2G059DD05
2G059EE02
2G059GG01
2G059KK01
2G059MM03
2G059MM04
2G059MM12
2G059NN01
2G059PP04
要約 【課題】ゲル粒子の測定精度を向上させるために、複数の異なる角度で後方散乱光成分を同時に検出する。
【解決手段】ゲル粒子測定装置において、試料S及び試薬Rを含む混合溶液Wを収容する試料セル100からの散乱光を検出する検出器であって、入射端が入射光源130に接続され、出射端から入射光Bmを試料セル100に照射する照射用導光部材GFと、試料セル100内の混合溶液W中で散乱して入射光源130側に戻る後方散乱光成分LBSのうち、入射光Bmの光軸と第1の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第1の受光素子が接続される複数の第1の検出用導光部材GFG1と、後方散乱光成分LBSのうち、入射光Bmの光軸と第2の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第2の受光素子が接続される複数の第2の検出用導光部材GFG2とを備える。
【選択図】図11
特許請求の範囲 【請求項1】
ゲル化反応によって試料中の目的物質を粒子化して測定するゲル粒子測定装置において、測定対象である目的物質が含まれる試料と前記目的物質のゲル化を生ずる試薬とが含まれる混合溶液を収容する試料セルからの散乱光を検出する検出器であって、
入射端が入射光源に接続され、出射端から入射光を前記試料セルに照射する照射用導光部材と、
前記試料セル内の前記混合溶液中で散乱して前記照射用導光部材側の方向に戻る後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と第1の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第1の受光素子が接続される複数の第1の検出用導光部材と、
前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と第2の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第2の受光素子が接続される複数の第2の検出用導光部材と、
を備え、前記第1の角度が前記第2の角度より小さい、検出器。
【請求項2】
前記検出器の受光面において、
複数の前記第1の検出用導光部材の複数の前記入射端が、前記照射用導光部材の前記出射端を中心として第1の距離を半径とする円周上に配置され、
複数の前記第2の検出用導光部材の複数の前記入射端が、前記照射用導光部材の前記出射端を中心として第2の距離を半径とする円周上に配置され、
前記第1の距離が前記第2の距離より短い、請求項1に記載の検出器。
【請求項3】
前記検出器の受光面において、
前記照射用導光部材の前記出射端が、前記受光面の中心から前記受光面の周縁方向にオフセットして配置されている、請求項1または2に記載の検出器。
【請求項4】
前記試料セルの周壁が円筒状であり、
前記検出器の受光面が、前記試料セルの前記周壁に整合するように湾曲している、請求項1~3のいずれかに記載の検出器。
【請求項5】
前記検出器が、第1の結合器と、第2の結合器とをさらに有し、
前記第1の結合器が、前記複数の第1の検出用導光部材の複数の前記出射端から導入される複数の受光信号を1つの受光信号に結合して、前記第1の受光素子に導入し、
前記第2の結合器が、前記複数の第2の検出用導光部材の複数の前記出射端から導入される複数の受光信号を1つの受光信号に結合して、前記第2の受光素子に導入する、請求項1~4のいずれかに記載の検出器。
【請求項6】
ゲル化反応によって試料中の目的物質を粒子化して測定するゲル粒子測定装置において、測定対象である目的物質が含まれる試料と前記目的物質のゲル化を生ずる試薬とが含まれる混合溶液を収容する試料セルからの散乱光を検出するゲル粒子検出器であって、
前記試料セル内の前記混合溶液に対して入射光を照射する入射光源と、
前記入射光の光軸を取り囲み、前記試料セル内の前記混合溶液中で散乱した光のうち、前記入射光源側の方向に戻る後方散乱光成分を検出する後方散乱光検出手段と、
前記後方散乱光検出手段の計測結果に基づいて、前記入射光の光軸と第1の角度を成す後方散乱光成分と、前記入射光の光軸と第2の角度を成す後方散乱光成分との信号強度の比率から、前記混合溶液内のゲル粒子のサイズを推定するゲル粒子サイズ推定手段とを備え、
前記後方散乱光検出手段が、
入射端が前記入射光源に接続され、出射端から前記入射光を前記試料セルに照射する照射用導光部材と、
前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と前記第1の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第1の受光素子が接続される複数の第1の検出用導光部材と、
前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と前記第2の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第2の受光素子が接続される複数の第2の検出用導光部材と、
を有し、前記第1の角度が前記第2の角度より小さい、ゲル粒子検出器。
【請求項7】
前記後方散乱光検出手段の検出出力に基づいて、散乱光の変動成分を計測する散乱光変動計測手段と、
前記散乱光変動計測手段の計測結果に基づいて、前記混合溶液がゾル相からゲル相へ相変化する際の前記混合溶液内のゲル粒子の生成開始時点を判別するゲル粒子生成判別手段と、をさらに備える、請求項6に記載のゲル粒子検出器。
【請求項8】
前記ゲル粒子生成判別手段が、前記ゲル粒子サイズ推定手段からの前記ゲル粒子の前記サイズの情報に基づいて、前記ゲル粒子の前記生成開始時点を判別する、請求項7に記載のゲル粒子検出器。
【請求項9】
前記後方散乱光検出手段の受光面において、
複数の前記第1の検出用導光部材の複数の前記入射端が、前記照射用導光部材の前記出射端を中心として第1の距離を半径とする円周上に配置され、
複数の前記第2の検出用導光部材の複数の前記入射端が、前記照射用導光部材の前記出射端を中心として第2の距離を半径とする円周上に配置され、
前記第1の距離が前記第2の距離より短い、請求項6~8のいずれかに記載のゲル粒子検出器。
【請求項10】
前記後方散乱光検出手段の受光面において、
前記照射用導光部材の前記出射端が、前記受光面の中心から前記受光面の周縁方向にオフセットして配置されている、請求項6~9のいずれかに記載のゲル粒子検出器。
【請求項11】
前記試料セルの周壁が円筒状であり、
前記後方散乱光検出手段の受光面が、前記試料セルの前記周壁に整合するように湾曲している、請求項6~10のいずれかに記載のゲル粒子検出器。
【請求項12】
前記後方散乱光検出手段が、第1の結合器と、第2の結合器とをさらに有し、
前記第1の結合器が、前記複数の第1の検出用導光部材の複数の前記出射端から導入される複数の受光信号を1つの受光信号に結合して、前記第1の受光素子に導入し、
前記第2の結合器が、前記複数の第2の検出用導光部材の複数の前記出射端から導入される複数の受光信号を1つの受光信号に結合して、前記第2の受光素子に導入する、請求項6~11のいずれかに記載のゲル粒子検出器。
【請求項13】
ゲル化反応によって試料中の目的物質を粒子化して測定するゲル粒子測定装置において、測定対象である目的物質が含まれる試料と前記目的物質のゲル化を生ずる試薬とが含まれる混合溶液を収容する試料セルからの散乱光を検出するゲル粒子検出器の動作方法であって、
前記ゲル粒子検出器が、入射光源と、後方散乱光検出手段と、ゲル粒子サイズ推定手段とを備え、
前記後方散乱光検出手段が、
入射端が前記入射光源に接続され、出射端から前記入射光を前記試料セルに照射する照射用導光部材と、
前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と第1の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第1の受光素子が接続される複数の第1の検出用導光部材と、
前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と第2の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第2の受光素子が接続される複数の第2の検出用導光部材と、を有し、前記第1の角度が前記第2の角度より小さく、
前記動作方法が、
前記試料セル内の前記混合溶液に対して入射光を照射するステップと、
前記試料セル内の前記混合溶液中で散乱した光のうち、前記照射用導光部材側の方向に戻る後方散乱光成分を検出するステップと、
前記後方散乱光検出手段の計測結果に基づいて、前記入射光の光軸と前記第1の角度を成す後方散乱光成分と、前記入射光の光軸と前記第2の角度を成す後方散乱光成分との信号強度の比率から、前記混合溶液内のゲル粒子のサイズを推定するステップとを含む、ゲル粒子検出器の動作方法。
【請求項14】
前記ゲル粒子検出器が、散乱光変動計測手段と、ゲル粒子生成判別手段とをさらに備え、
前記動作方法が、
前記後方散乱光検出手段の検出出力に基づいて、散乱光の変動成分を計測するステップと、
前記散乱光変動計測手段の計測結果に基づいて、前記混合溶液がゾル相からゲル相へ相変化する際の前記混合溶液内のゲル粒子の生成開始時点を判別するステップと、をさらに含む、請求項13に記載のゲル粒子検出器の動作方法。
【請求項15】
前記ゲル粒子の前記生成開始時点を判別する前記ステップが、
前記ゲル粒子サイズ推定手段からの前記ゲル粒子の前記サイズの情報に基づいて、前記ゲル粒子の前記生成開始時点を判別する、請求項14に記載のゲル粒子検出器の動作方法。
【請求項16】
エンドトキシンが含まれる試料と前記エンドトキシンのゲル化を生ずる試薬とが含まれる混合溶液を収容する試料セルからの散乱光を検出することにより、前記エンドトキシンの濃度を測定する方法であって、
前記測定方法が、前記試料セルからの前記散乱光を、後方散乱光検出手段を用いて複数の異なる角度で同時に検出する方法であり、前記後方散乱光検出手段が、
入射端が前記入射光源に接続され、出射端から前記入射光を前記試料セルに照射する照射用導光部材と、
前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と第1の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第1の受光素子が接続される複数の第1の検出用導光部材と、
前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と第2の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第2の受光素子が接続される複数の第2の検出用導光部材と、を有し、前記第1の角度が前記第2の角度より小さく、
前記測定方法が、
前記試料セル内の前記混合溶液に対して入射光を照射するステップと、
前記試料セル内の前記混合溶液中で散乱した光のうち、後方散乱光成分を検出するステップと、
前記入射光の光軸と第1の角度を成す後方散乱光成分と、前記入射光の光軸と前記第1の角度より大きい第2の角度を成す後方散乱光成分との信号強度の比率から、前記混合溶液内のゲル粒子のサイズを推定するステップと、
前記ゲル粒子の前記サイズの情報に基づいて、前記混合溶液がゾル相からゲル相へ相変化する際の前記混合溶液内のゲル粒子の生成開始時点を判別するステップと、
ゲル粒子の生成開始時間とエンドトキシンの濃度との関係を規定する検量線と、判別した前記ゲル粒子の前記生成開始時点の情報とを参照して、前記エンドトキシンの濃度を決定するステップとを含む、エンドトキシン濃度の測定方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲル化反応によって測定対象の試料中のエンドトキシンやβ-D-グルカンなどの目的物質を粒子化して測定するゲル粒子測定装置の複合型ゲル粒子検出器に係り、より詳細には、ゲル粒子の生成開始時点とゲル粒子のサイズとを同時に測定してゲル粒子の測定精度を向上させるために、複数の異なる角度で後方散乱光成分を同時に検出するように受光素子が配置された、臨床での使用に適した複合型ゲル粒子検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
エンドトキシン(内毒素)とは、主としてグラム染色に染まらない(グラム陰性)細菌類の菌体の膜成分の一部であり、その成分はリポポリサッカライドと呼ばれる脂質多糖類、具体的には、リピドA(Lipid A)と呼ばれる脂質と多糖鎖とが2-ケト-3-デオキシオクトン酸(KDO)を介して結合したリポ多糖(LPS)である。リポ多糖に含まれるリピドA(Lipid A)と呼ばれる脂質構造部分は、感染により人の体内に入ったときに細胞の受容体と結合して炎症を引き起こし、多くの場合様々な重篤な臨床症状を引き起こす。このように、エンドトキシンは、人において敗血症や菌血症という致死率の非常に高い臨床症状の原因となる物質であるため、体内に入ったエンドトキシンの推定をすることは臨床的に要求の高いことである。また、膜を介して間接的とはいえ人工透析に用いる透析液や医薬品(注射剤等)や医療用具(血管カテーテル等)はエンドトキシンによる汚染がないこと(パイロジェンフリー)が重要であり、細菌を用いて調製した医薬品(組み換えタンパク質、遺伝子治療に用いるDNA等)や食品添加物・化粧品などでは混入したエンドトキシンを適正に除去または制御することが不可欠になっている。
【0003】
このエンドトキシンの除去確認、あるいは救急医学における計測は、測定試料数の多さばかりでなく、救命治療という目的にかなった迅速性が求められている。敗血症などの治療のため、エンドトキシン値を計ろうとする研究は古くよりなされ、カブトガニ(Limulus)のアメーバ状血球細胞に含まれる因子群が、エンドトキシンに特異的に反応し、凝集塊となって傷口をふさぐという現象が発見されてから、このリムルスの血球細胞水解物(Limulus Amebocyte Lysate;LAL試薬又はリムルス試薬)を用いてエンドトキシンの定量をする試みがなされている。
【0004】
最初にリムルス試薬を使った測定法は、単に試料となる患者の血漿を混合して静置し、一定時間後に転倒して混合溶液のゲル化の有無を溶液が固まることで確認し、ゲル化を起こすための最大希釈率でエンドトキシン量を推定する所謂ゲル化法と呼ばれる半定量の測定法であった。その後、ゲル化反応の過程における濁度増加に着目し、光学的な計測方法を用いた濁度計で、静置した混合溶液のゲル化反応に伴う濁度変化によりゲル化反応速度を推定し、エンドトキシン濃度を定量測定する比濁時間分析法が知られている。また、リムルス試薬による反応過程の最終段階でコアギュロゲン(Coagulogen)がコアグリン(Coagulin)に転換するゲル化反応を合成基質の発色反応に置き換えた発色合成基質法も既に知られている。これは、凝固過程における凝固前駆物質(コアギュロゲン:Coagulogen)の代わりにコアギュロゲンの酵素作用部位を模した発色合成基質(Boc-Leu-Gly-Arg-p-ニトロアリニド)を加えることにより、その加水分解でp-ニトロアニリンが遊離され、その黄色発色の比色によりエンドトキシン濃度を測定するものである。
【0005】
従来のゲル化反応測定装置としては、例えば次の特許文献1~3に示すものが挙げられる。
【0006】
特許文献1のゲル粒子測定装置によると、ゲル化反応により試料中の目的物質を測定するに当たり、試料及び試薬溶液からなる混合溶液を攪拌条件下で反応させ、ゾル相からゲル相に相転移する際のゲル粒子の生成開始時点を計測することができる。
【0007】
また、特許文献2のゲル粒子測定装置によると、このようなゲル粒子の生成開始時点を、粒子化現象が発生する溶媒中で光減衰を最小限に抑えて計測することができる。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】特許第4551980号公報
【特許文献2】特許第5014466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
臨床現場では、従来のゲル粒子測定装置に対する様々な改良が求められている。例えば、測定の間、ゲル粒子の生成開始時点に関する情報だけではなく、ゲル粒子のサイズに関する情報も同時に得ることができると、判別対象であるゲル粒子と、生体試料中の他の挟雑物(不純物)やノイズとの判別をより高精度で行うことができるようになると期待されている。
【0010】
図16は、粒子情報を同時に検出することの重要性を説明するための実験データの一例である。実験では、同一の試料を同一の条件下で反応させ、左側の(a)には、リムルス試薬とエンドトキシンとの特異的なピークが生じた状態の図を示し、右側の(b)には、非特異的なピークが混在している状態の図を示している。図の上側のグラフは、散乱光強度と測定時間との関係を表し、粒子のサイズ大(L)、中(M)、小(S)に応じたピークの強度(数)を示している。図の下側のグラフは、粒子のサイズ(Level)毎の分布を表している。右側の(b)を参照すると、時間と共に徐々に立ち上がるゲル粒子のピークと、一様に分布する小さな非特異的な粒子群とが混在して現れていることがわかる。
【0011】
ゲル粒子は特異的な反応により生じるので、生成時点のゲル粒子のサイズは、夾雑物(不純物)と比較して小さい。左側の(a)では、検出対象である粒子サイズが小の信号(符号S)は、ゲル粒子の生成と共に急激に立ち上がり、下図を参照しても、その時に粒子群Sが出現することがわかる。しかしながら、右側の(b)では、ノイズである非特異的なピークが混在してしまい、検出対象である粒子サイズが小の信号Sは、急激には立ち上がらずに徐々に立ち上がるに留まっている。これは、粒子サイズが様々な不純物の影響によるものである。下図を参照しても、様々な粒子サイズで一様に分布する粒子群Sが現れていることがわかる。このように、上図に示す散乱光強度と測定時間との関係だけに基づいてゲル粒子の判別を行っていると、判別が困難なケースがある。
【0012】
通常、リムルス試薬と生体試料との反応で起きるゲル化反応は、ゲル粒子が発生以降、成長して一定のサイズの粒子を形成する。一方、夾雑物などによる非特異的な反応生成物が作る粒子は、ゲル粒子とサイズも異なり、形成されるうえでの変化も異なる。よって、粒子の出現による散乱光信号の強弱だけではなく、粒子のサイズに由来する情報を同時に得ることで、より正確な、特異的なリムルス試薬とエンドトキシンとの粒子形成反応を識別することが出来る。
【0013】
一方、粒子のサイズを測定するためには、散乱光の角度分布のデータを得る必要がある。しかしながら、従来は、複数の散乱態様(前方散乱、側方散乱、および後方散乱)のそれぞれの散乱角度に対応する位置に、個別に検出器を配置しており、装置が非常に大がかりなものとなっていた。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ゲル粒子の生成開始時点に関する情報とゲル粒子のサイズに関する情報とを同時に測定してゲル粒子の測定精度を向上させるために、複数の異なる角度で後方散乱光成分を同時に検出するように受光素子が配置された、臨床での使用に適した複合型ゲル粒子検出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するための、本発明に係る第1の検出器は、ゲル化反応によって試料中の目的物質を粒子化して測定するゲル粒子測定装置において、測定対象である目的物質が含まれる試料と前記目的物質のゲル化を生ずる試薬とが含まれる混合溶液を収容する試料セルからの散乱光を検出する検出器であって、入射端が入射光源に接続され、出射端から入射光を前記試料セルに照射する照射用導光部材と、前記試料セル内の前記混合溶液中で散乱して前記照射用導光部材側の方向に戻る後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と第1の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第1の受光素子が接続される複数の第1の検出用導光部材と、前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と第2の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第2の受光素子が接続される複数の第2の検出用導光部材と、を備え、前記第1の角度が前記第2の角度より小さい、検出器である。
【0016】
また、本発明に係る第2の検出器は、第1の検出器において、前記検出器の受光面において、複数の前記第1の検出用導光部材の複数の前記入射端が、前記照射用導光部材の前記出射端を中心として第1の距離を半径とする円周上に配置され、複数の前記第2の検出用導光部材の複数の前記入射端が、前記照射用導光部材の前記出射端を中心として第2の距離を半径とする円周上に配置され、前記第1の距離が前記第2の距離より短い、検出器である。
【0017】
また、本発明に係る第3の検出器は、第1または第2の検出器において、前記検出器の受光面において、前記照射用導光部材の前記出射端が、前記受光面の中心から前記受光面の周縁方向にオフセットして配置されている、検出器である。
【0018】
また、本発明に係る第4の検出器は、第1~第3のいずれかの検出器において、前記試料セルの周壁が円筒状であり、前記検出器の受光面が、前記試料セルの前記周壁に整合するように湾曲している、検出器である。
【0019】
また、本発明に係る第5の検出器は、第1~第4のいずれかの検出器において、前記検出器が、第1の結合器と、第2の結合器とをさらに有し、前記第1の結合器が、前記複数の第1の検出用導光部材の複数の前記出射端から導入される複数の受光信号を1つの受光信号に結合して、前記第1の受光素子に導入し、前記第2の結合器が、前記複数の第2の検出用導光部材の複数の前記出射端から導入される複数の受光信号を1つの受光信号に結合して、前記第2の受光素子に導入する、検出器である。
【0020】
また、本発明に係る第1のゲル粒子検出器は、ゲル化反応によって試料中の目的物質を粒子化して測定するゲル粒子測定装置において、測定対象である目的物質が含まれる試料と前記目的物質のゲル化を生ずる試薬とが含まれる混合溶液を収容する試料セルからの散乱光を検出するゲル粒子検出器であって、前記試料セル内の前記混合溶液に対して入射光を照射する入射光源と、前記入射光の光軸を取り囲み、前記試料セル内の前記混合溶液中で散乱した光のうち、前記入射光源側の方向に戻る後方散乱光成分を検出する後方散乱光検出手段と、前記後方散乱光検出手段の計測結果に基づいて、前記入射光の光軸と第1の角度を成す後方散乱光成分と、前記入射光の光軸と第2の角度を成す後方散乱光成分との信号強度の比率から、前記混合溶液内のゲル粒子のサイズを推定するゲル粒子サイズ推定手段とを備え、前記後方散乱光検出手段が、入射端が前記入射光源に接続され、出射端から前記入射光を前記試料セルに照射する照射用導光部材と、前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と前記第1の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第1の受光素子が接続される複数の第1の検出用導光部材と、前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と前記第2の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第2の受光素子が接続される複数の第2の検出用導光部材と、を有し、前記第1の角度が前記第2の角度より小さい、ゲル粒子検出器である。
【0021】
また、本発明に係る第2のゲル粒子検出器は、第1のゲル粒子検出器において、前記後方散乱光検出手段の検出出力に基づいて、散乱光の変動成分を計測する散乱光変動計測手段と、前記散乱光変動計測手段の計測結果に基づいて、前記混合溶液がゾル相からゲル相へ相変化する際の前記混合溶液内のゲル粒子の生成開始時点を判別するゲル粒子生成判別手段と、をさらに備える、ゲル粒子検出器である。
【0022】
また、本発明に係る第3のゲル粒子検出器は、第2のゲル粒子検出器において、前記ゲル粒子生成判別手段が、前記ゲル粒子サイズ推定手段からの前記ゲル粒子の前記サイズの情報に基づいて、前記ゲル粒子の前記生成開始時点を判別する、ゲル粒子検出器である。
【0023】
また、本発明に係る第4のゲル粒子検出器は、第1~第3のいずれかのゲル粒子検出器において、前記後方散乱光検出手段の受光面において、複数の前記第1の検出用導光部材の複数の前記入射端が、前記照射用導光部材の前記出射端を中心として第1の距離を半径とする円周上に配置され、複数の前記第2の検出用導光部材の複数の前記入射端が、前記照射用導光部材の前記出射端を中心として第2の距離を半径とする円周上に配置され、前記第1の距離が前記第2の距離より短い、ゲル粒子検出器である。
【0024】
また、本発明に係る第5のゲル粒子検出器は、第1~第4のいずれかのゲル粒子検出器において、前記後方散乱光検出手段の受光面において、前記照射用導光部材の前記出射端が、前記受光面の中心から前記受光面の周縁方向にオフセットして配置されている、ゲル粒子検出器である。
【0025】
また、本発明に係る第6のゲル粒子検出器は、第1~第5のいずれかのゲル粒子検出器において、前記試料セルの周壁が円筒状であり、前記後方散乱光検出手段の受光面が、前記試料セルの前記周壁に整合するように湾曲している、ゲル粒子検出器である。
【0026】
また、本発明に係る第7のゲル粒子検出器は、第1~第6のいずれかのゲル粒子検出器において、前記後方散乱光検出手段が、第1の結合器と、第2の結合器とをさらに有し、前記第1の結合器が、前記複数の第1の検出用導光部材の複数の前記出射端から導入される複数の受光信号を1つの受光信号に結合して、前記第1の受光素子に導入し、前記第2の結合器が、前記複数の第2の検出用導光部材の複数の前記出射端から導入される複数の受光信号を1つの受光信号に結合して、前記第2の受光素子に導入する、ゲル粒子検出器である。
【0027】
また、本発明に係る第1のゲル粒子検出器の動作方法は、ゲル化反応によって試料中の目的物質を粒子化して測定するゲル粒子測定装置において、測定対象である目的物質が含まれる試料と前記目的物質のゲル化を生ずる試薬とが含まれる混合溶液を収容する試料セルからの散乱光を検出するゲル粒子検出器の動作方法であって、前記ゲル粒子検出器が、入射光源と、後方散乱光検出手段と、ゲル粒子サイズ推定手段とを備え、前記後方散乱光検出手段が、入射端が前記入射光源に接続され、出射端から前記入射光を前記試料セルに照射する照射用導光部材と、前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と第1の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第1の受光素子が接続される複数の第1の検出用導光部材と、前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と第2の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第2の受光素子が接続される複数の第2の検出用導光部材と、を有し、前記第1の角度が前記第2の角度より小さく、前記動作方法が、前記試料セル内の前記混合溶液に対して入射光を照射するステップと、前記試料セル内の前記混合溶液中で散乱した光のうち、前記照射用導光部材側の方向に戻る後方散乱光成分を検出するステップと、前記後方散乱光検出手段の計測結果に基づいて、前記入射光の光軸と前記第1の角度を成す後方散乱光成分と、前記入射光の光軸と前記第2の角度を成す後方散乱光成分との信号強度の比率から、前記混合溶液内のゲル粒子のサイズを推定するステップとを含む、ゲル粒子検出器の動作方法である。
【0028】
また、本発明に係る第2のゲル粒子検出器の動作方法は、第1のゲル粒子検出器の動作方法において、前記ゲル粒子検出器が、散乱光変動計測手段と、ゲル粒子生成判別手段とをさらに備え、前記動作方法が、前記後方散乱光検出手段の検出出力に基づいて、散乱光の変動成分を計測するステップと、前記散乱光変動計測手段の計測結果に基づいて、前記混合溶液がゾル相からゲル相へ相変化する際の前記混合溶液内のゲル粒子の生成開始時点を判別するステップと、をさらに含む、ゲル粒子検出器の動作方法である。
【0029】
また、本発明に係る第3のゲル粒子検出器の動作方法は、第2のゲル粒子検出器の動作方法において、前記ゲル粒子の前記生成開始時点を判別する前記ステップが、前記ゲル粒子サイズ推定手段からの前記ゲル粒子の前記サイズの情報に基づいて、前記ゲル粒子の前記生成開始時点を判別する、ゲル粒子検出器の動作方法である。
【0030】
また、本発明に係るエンドトキシン濃度の測定方法は、エンドトキシンが含まれる試料と前記エンドトキシンのゲル化を生ずる試薬とが含まれる混合溶液を収容する試料セルからの散乱光を検出することにより、前記エンドトキシンの濃度を測定する方法であって、前記測定方法が、前記試料セルからの前記散乱光を、後方散乱光検出手段を用いて複数の異なる角度で同時に検出する方法であり、前記後方散乱光検出手段が、入射端が前記入射光源に接続され、出射端から前記入射光を前記試料セルに照射する照射用導光部材と、前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と第1の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第1の受光素子が接続される複数の第1の検出用導光部材と、前記後方散乱光成分のうち、前記入射光の光軸と第2の角度を成す散乱光成分がそれぞれの入射端から導入され、それぞれの出射端に第2の受光素子が接続される複数の第2の検出用導光部材と、を有し、前記第1の角度が前記第2の角度より小さく、前記測定方法が、前記試料セル内の前記混合溶液に対して入射光を照射するステップと、前記試料セル内の前記混合溶液中で散乱した光のうち、後方散乱光成分を検出するステップと、前記入射光の光軸と第1の角度を成す後方散乱光成分と、前記入射光の光軸と前記第1の角度より大きい第2の角度を成す後方散乱光成分との信号強度の比率から、前記混合溶液内のゲル粒子のサイズを推定するステップと、前記ゲル粒子の前記サイズの情報に基づいて、前記混合溶液がゾル相からゲル相へ相変化する際の前記混合溶液内のゲル粒子の生成開始時点を判別するステップと、ゲル粒子の生成開始時間とエンドトキシンの濃度との関係を規定する検量線と、判別した前記ゲル粒子の前記生成開始時点の情報とを参照して、前記エンドトキシンの濃度を決定するステップとを含む、エンドトキシン濃度の測定方法である。
【発明の効果】
【0031】
本発明のゲル粒子検出器によると、検出器の限られた面積の受光面内において、測定しようとする後方散乱光成分と後側中間散乱光成分との角度差を最大にするように受光素子を配置することができる。これにより、当該検出器を備えるゲル粒子測定装置において、複数の異なる角度で後方散乱光成分を同時に検出することが可能となり、散乱光の角度分布のデータから、粒子のサイズを得ることが可能となる。
【0032】
また、本発明のゲル粒子検出器により、ゲル粒子の生成開始時点に関する情報とゲル粒子のサイズに関する情報とを同時に測定することができると、粒子のサイズに関する情報を、ゲル粒子が生成されたか否かの判別にフィードバックすることで、判別対象であるゲル粒子と、生体試料中の他の挟雑物(不純物)やノイズとの判別をより高精度で行うことができるようになる。すなわち、エンドトキシン計測を、クリーンな計測領域である医療現場だけではなく、或る程度の許容範囲内で不純物の多少の混入が許容される産業現場においても行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明が適用された実施の形態に係るゲル粒子測定装置の概要を示す説明図である。
【図2】(a)はゲル化反応を模式的に示す説明図、(b)はゲル化反応の進行工程I~IIIを示す説明図、(c)はゲル化反応の進行工程における反応時間と散乱光強度との関係を示す説明図である。
【図3】リムルス試薬を用いた際のエンドトキシンのゲル化反応過程を模式的に示す説明図である。
【図4】(a)はゲル粒子にコヒーレントまたは位相の合った平行光が照射されたときの散乱光の散乱方向を示す説明図、(b)はゲル粒子の粒子径の変化に伴う散乱光の光度分布を示す説明図である。
【図5】散乱光強度の受光角度依存性を説明するための測定結果の一例である。
【図6】背景ノイズを除去する方法を説明するための模式図である。
【図7】背景ノイズを除去する方法を説明するための模式図である。
【図8】背景ノイズを除去する方法を説明するための模式図である。
【図9】実施の形態に係るゲル粒子測定装置を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態で用いる後方散乱光検出器の構成例を示す説明図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図11】実施の形態に係る後方散乱光検出器の受光面を示す説明図であり、(a)は本発明の実施の形態で用いる受光面の説明図、(b)は比較例として示す受光面の説明図である。
【図12】実施の形態に係るゲル粒子測定装置のデータ解析処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】検量線の一例を示す模式図である。
【図14】本発明の変形例で用いる後方散乱光検出器の構成例を示す説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)に示す態様の受光面を試料セルに接触配置した態様を示す平面図である。
【図15】本発明の変形例で用いる後方散乱光検出器の構成例を示す説明図であり、(a)は受光面の説明図、(b)は後方散乱光検出器の側面図である。
【図16】粒子情報を同時に検出することの重要性を説明するための実験データの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明および図面において、同じ符号は同じまたは類似の構成要素を示すこととし、よって、同じまたは類似の構成要素に関する説明を省略する。

【0035】
以下では本発明の理解のため、まず、本発明のゲル粒子検出器を装置の構成の一つとして備えるゲル粒子測定装置の概要について説明する。
<本発明の概要>
装置全体の構成
図1は本発明が適用された実施の形態に係るゲル粒子測定装置の概要を示す説明図である。

【0036】
同図において、ゲル粒子測定装置は、ゲル化反応によって試料S中の目的物質を粒子化して測定するものであって、試料セル1と、撹拌手段2と、入射光源3と、後方散乱光検出手段4と、散乱光変動計測手段5と、ゲル粒子生成判別手段6と、ゲル粒子サイズ推定手段7とを備える。

【0037】
試料セル1は、一方から他方にかけて光が透過する透過部を少なくとも有し、測定対象である目的物質が含まれる試料Sと目的物質のゲル化を生ずる試薬Rとが含まれる溶液を収容する。

【0038】
撹拌手段2は、試料セル1内の試料Sと試薬Rとの混合溶液W全体のゲル化を抑制するように、混合溶液Wを撹拌する。

【0039】
入射光源3は、試料セル1の透過部の外部に設けられ、試料セル1内の混合溶液Wに対してコヒーレントなまたは位相の合った平行光Bmを照射する。

【0040】
後方散乱光検出手段4は、試料セル1の透過部の外部で入射光源3と同じ側に設けられ、試料セル1内の混合溶液W中で散乱した光のうち、入射光源3側の方向に戻る後方散乱光成分を検出する受光部を有する。

【0041】
散乱光変動計測手段5は、後方散乱光検出手段4の検出出力に基づいて、散乱光の光量を計測する。

【0042】
ゲル粒子生成判別手段6は、散乱光変動計測手段5の計測結果に基づいて、混合溶液Wがゾル相からゲル相へ相変化する際の混合溶液W内のゲル粒子Gの生成開始時点を散乱光量の変化から判別する。

【0043】
ゲル粒子サイズ推定手段7は、散乱光変動計測手段5の計測結果に基づいて、混合溶液W内のゲル粒子Gの大きさを推定する。ゲル粒子Gの大きさの推定方法については、図5を参照して後述する。

【0044】
迷光除去手段9は、任意の構成であって、試料セル1を挟んで入射光源3及び後方散乱光検出手段4の反対側に少なくとも設けられ、混合溶液W中を通過する入射光源3からの透過光成分又は透過光成分と同じ方向に向かう散乱光成分からなる迷光成分を除去する。

【0045】
このような技術的手段において、本件の目的物質は、所定の試薬と攪拌条件下でゲル化反応し、ゲル粒子が生成されるものであれば広く含む。目的物質としては、例えばエンドトキシンやβ-D-グルカンが挙げられ、この場合の所定の試薬としてはリムルス試薬が挙げられる。

【0046】
また、試料セル1は、一方から他方にかけて光が透過する透過部を少なくとも有するものであればよく、迷光防止および受光効率の観点から、好ましくは、その形状は円筒状周壁を有するものである。

【0047】
また、透過部から入射された光のうち後方散乱光検出手段4側の方向に戻る後方散乱光以外の散乱光、透過光などの光が試料セル1の内壁で反射散乱すると、その反射散乱光の一部が迷光として後方散乱光検出手段4に誤って捕捉される懸念があるため、このような検出に影響する迷光が生じない構成を採用することが好ましい。すなわち迷光除去手段9は任意の構成である。

【0048】
また、測定条件および反応を一定に保つという観点からすれば、この試料セル1は恒温槽8内に設けられる態様が好ましい。

【0049】
更に、撹拌手段2としては、試料S及び試薬R溶液からなる混合溶液Wに対して撹拌作用を与えるものであれば広く含み、内蔵して直接的に撹拌する態様は勿論のこと、エアによる撹拌作用を与えたり、振盪による撹拌作用を与えるなど適宜選定して差し支えない。

【0050】
ここで、撹拌手段2の撹拌の程度は、試料セル1内の試料S及び試薬R溶液からなる混合溶液W全体のゲル化を抑制するものであることを要する。

【0051】
特に、撹拌手段2による撹拌動作を確実に行うという観点からすれば、試料セル1は、セル容器内に試料S及び試薬R溶液からなる混合溶液Wが直接撹拌可能な撹拌手段2を内蔵したものであることが好ましい。

【0052】
更にまた、入射光源3はコヒーレントまたは位相の合った平行な光を照射するものであればレーザ光源によるレーザ光に限られず、例えばナトリウムランプの光のような単色光をピンホールに通すことによっても作成可能であるほか、高輝度LEDとフィルタとを用いて構成してもよい。

【0053】
また、後方散乱光検出手段4としては、入射光源3から試料セル1内に入射された光Bmで試料S及び試薬R溶液中で散乱した光のうち入射光源3側の方向に戻る後方散乱光成分を検出するものであればよい。この場合、後方散乱光検出手段4としては、入射光源3からの入射光の周りで後方散乱光成分を直接検出する態様でもよいし、あるいは、入射光源3からの入射光の周りの光を集め、グラスファイバ等の導光部材にて任意の場所まで導いて検出する態様でもよい。また、入射光源3から入射された光で混合溶液W中にて入射光源3側の方向に戻らない透過光又は散乱光成分が迷光として後方散乱光検出手段4に検出されないように、迷光成分を除去する迷光除去手段9(試料セル1の周壁内又は外部に光吸収材を設けて入射光の正反射を受光角に入らないように受光角を受光角を設定し、試料乱反射させる構造)を採用することが好ましい。

【0054】
更に、散乱光変動計測手段5としては、後方散乱光検出手段4の検出出力に基づいて散乱光の光量を計測するものであればよく、光量の計測方法としては、例えば検出出力を平均化又はスムージングすると共にフィルタリング化する手法が挙げられる。

【0055】
更にまた、ゲル粒子生成判別手段6としては、前記混合溶液Wがゾル相からゲル相へ相変化するタイミングにつながる前記混合溶液W内のゲル粒子の生成開始時点が少なくとも含まれるゲル粒子の生成状態を判別するものを広く含む。

【0056】
そして、「ゲル粒子の生成状態を判別する」とは、ゲル粒子の生成状態に関する情報を直接判別することは勿論、ゲル粒子の生成状態に基づいて判別可能な情報(例えば目的物質の粒子化サイズや形成過程などの定性情報)を判別することをも含むものである。

【0057】
ここで、ゲル粒子の生成状態とは、ゲル粒子の生成開始(出現)時点、生成過程の変化、生成終了時点、生成量などを広く含むものであるため、本件では、混合溶液Wがゾル相からゲル相へ相変化するタイミングが少なくとも含まれていれば、他の事項を含んでいても差し支えない。

【0058】
更にまた、散乱光変動計測手段5による計測結果を目視するという観点からすれば、散乱光変動計測手段5による計測結果が表示される表示手段10を備えていることが好ましい。

【0059】
装置全体の動作
次に、図1に示すゲル粒子測定装置の動作について説明する。
・ゲル化反応
先ず、ゲル化反応を図2(a)に模式的に示す。

【0060】
同図において、試料Sの目的物質Stに対し特異的に反応する試薬Rが存在すると、試料S中の目的物質Stの濃度に依存した割合にて、その目的物質Stが試薬Rと特異的に反応する現象が起こる。この反応過程において、試薬Rは、目的物質Stの刺激を受けて所定の因子が活性化し、これに起因して所定の酵素が活性化するタイミングで例えば水溶性のタンパク質が酵素による分解反応にて不溶性のタンパク質に転換し、ゲル粒子Gの出現に至ることが起こる。

【0061】
より具体的には、エンドトキシンを例に挙げて、エンドトキシンのゲル化反応過程を模式的に示すと、図3の通りである。

【0062】
同図において、(1)に示すエンドトキシンの刺激がリムルス試薬に伝わると、先ず(2)に示すように、因子C(Factor C)が活性化されて活性化因子C(Activated FactorC)となり、次いで、活性化因子Cの作用により、(3)に示すように、因子B(FactorB)が活性化されて活性化因子B(Activated Factor B)になる。この後、活性化因子Bの作用により、(4)に示すように、Pro-Clotting酵素がClotting酵素になり、(5)に示すように、このClotting酵素がCoagulogen(水溶性タンパク質)を分解してCoagulin(不溶性タンパク質)に生成する。このCoagulin(不溶性タンパク質)は、この条件下で攪拌が行われるとコアグリン分子相互の自動的結合が抑制されるに伴って一定以上のコアグリン単体が蓄積し,一定濃度を超えるとコアグリンの自動重合によりゲル粒子Gとして出現し、一方ここで静置すると(6)に示すように、溶液系全体が容器辺縁から始まって全体に蓄積し重合化・ゲル化を起こす。

【0063】
つまり、試料Sの目的物質Stがエンドトキシンである場合には、混合溶液Wに対して一定の撹拌状態を与えることで混合溶液W全体のゲル化を阻害しつつ、この状態で、リムルス試薬Rにエンドトキシンの刺激が伝わると、Coagulin(不溶性タンパク質)が反応溶液中に産生・蓄積し、一定濃度に達するとゲル粒子Gを産出させると理解される。そしてそこに至るコアグリン産生速度が、エンドトキシン濃度に依存し、その結果粒子出現に至る時間も,エンドトキシン濃度依存的であることである。

【0064】
つまりリムルス試薬Rの反応の流れ(カスケード)にエンドトキシンの刺激が伝わる速度(リムルス反応速度)はエンドトキシン濃度に依存的であり、エンドトキシン濃度が高い程リムルス反応速度が速く、Coagulin(不溶性タンパク質)からなるゲル粒子Gの出現タイミングが早いことが見出された。

【0065】
よって、散乱光変化を精度良く検出するようにすれば、ゲル粒子Gの生成開始時点として前記Coagulin(不溶性タンパク質)からなるゲル粒子Gの出現タイミングを把握することができ、このことが、本実施の形態に係るゲル粒子測定装置の測定原理の基本である。

【0066】
このようなゲル粒子測定装置の測定原理は、例えば従前のゲル化法や比濁時間分析法の測定原理(リムルス試薬Rによる反応過程において、静置した条件下、活性化されたClotting酵素の影響で最終的にゲル化するに至り、このゲル化する過程を濁度により定量測定する態様)とは全く相違するものである。
・ゲル粒子の測定原理
ゲル粒子測定装置の測定原理を図2(b)に模式的に示す。

【0067】
本実施の形態のゲル粒子測定装置では、図2(b)の工程Iに示すように、試料S及び試薬R溶液の混合溶液Wにゲル粒子がない場合(混合溶液Wがゾル相である場合に相当)には、図示外の入射光源からの照射光Bmは、ゲル粒子によって遮られることがないため、その照射光Bmがゲル粒子によって散乱することはなく、当然ながら入射光源3側の後方に戻る後方散乱光成分はない。このため、後方散乱光検出手段4にて検出される散乱光強度は略0に保たれる(図2(c)P参照)。

【0068】
そして、図2(b)の工程IIに示すように、試料S及び試薬R溶液の混合溶液Wにゲル粒子Gが生成開始し始めた場合(混合溶液Wがゾル相からゲル相へ相変化し始めた場合に相当)、例えばエンドトキシンの場合のCoagulin(不溶性タンパク質)のゲル粒子Gが産出し始めると、図示外の入射光源からの照射光Bmは、産出されたCoagulin(不溶性タンパク質)からなるゲル粒子Gの存在によって一部遮られるため、その照射光Bmが散乱することになり、その散乱光のうち入射光源側の方向に戻る後方散乱光成分が後方散乱光検出手段4に検出されることになる。このため、後方散乱光検出手段4による検出出力が安定領域である0レベルから立ち上がり変化しようとする(図2(c)P参照)。この場合、入射光の当たる試料セル1内壁面直下の後方散乱光は、溶媒による減衰をほとんど受けずに検出される。

【0069】
この後、図2(b)の工程IIIに示すように、試料S及び試薬R溶液の混合溶液Wにゲル粒子Gの生成が次第に進行していく場合には、図示外の入射光源からの照射光Bmは、順次生成される多くのゲル粒子Gの存在によって散乱度合が次第に増加することになり、後方散乱光検出手段4に検出される入射光源側の後方に戻る後方散乱光成分も次第に増加する。このため、後方散乱光検出手段4による検出出力が順次増加していき、後方散乱光検出手段4にて検出される散乱光強度は変化点Pを境に順次立ち上がり変化していく(図2(c)P参照)。一方、ある程度強度が増加すれば、前方散乱や側方散乱も、溶媒による減衰以上に強度が上がり検出されるようになる。しかし初期の微粒子から生じる微弱な散乱は減衰により検出されず、試料セル1内壁面直下での後方散乱検出に遅れる。

【0070】
上述した実施の形態では、混合溶液W中に照射された照射光Bmの後方散乱光の光量に基づいて、他方向の散乱に比べて有意に早く混合溶液Wがゾル相からゲル相へ相変化するタイミングにつながるゲル粒子の生成開始時点(図2(b)工程IIのPに相当)を判別する態様が示されている。

【0071】
一般に、臨床試料におけるエンドトキシン測定の要請は、特に救命救急という目的の下では、簡便かつ早く測れることが第一に求められるゆえんである。

【0072】
従来法の比濁時間法で問題になっていた事項である‘感度の悪さによる測り落とし’と、‘測定時間の長さによる不便さ’とは、上述した測定方式でより確実に解消される。

【0073】
つまり、本実施の形態に係るゲル粒子測定装置は、原理的に、均一に試料及びリムルス試薬からなる混合溶液Wを攪拌することで、均一な反応の下、混合溶液系全体としてではなく、局所での微小なゲル粒子を発生させ、それをレーザ光のようなコヒーレントまたは位相の合った平行な均一の光を当てることで散乱を起こさせ、それを検出することにより、エンドトキシンが加わったことによるゲル粒子の出現というゾル相からゲル相への相変化につながる相変化点を検出し、その相変化点に至るまでの時間を測ることにより、リムルス試薬におけるエンドトキシンの量を推量することが可能になるものである。

【0074】
要約すれば、本実施の形態に係るゲル粒子測定装置は、混合溶液系全体の変化(ゲル化)を追うことなく、相変化を起こすまでのタイミング(ゲル粒子の生成開始時点)がエンドトキシン濃度に依存的な反応であることに着眼して構成されたものであり、これにより、従来法のゲル化の速度を測る比濁時間法に比べて、エンドトキシンを早く検出することができるゆえんである。

【0075】
特に、本実施の形態では、散乱光のうち入射光源側の後方に戻る後方散乱光成分に着眼しているが、この理由は以下の通りである。

【0076】
一般に、図4(a)に示すように、粒子に例えばレーザ光等のコヒーレントまたは平行な均一の光(コヒーレントまたは位相の合った平行光)が照射されたモデルを想定すると、コヒーレント光は粒子の存在によって散乱することは広く知られている。このような散乱現象において、粒子のサイズと散乱光の関係とについて調べたところ、単一光の入射によって生じる散乱光の強さ及び方向性は例えば図4(b)に示すような関係が見られる。同図において、散乱現象としては、大きく分類すると3つの態様、すなわち、粒子に対して入射した光と同方向に発生する前方散乱(FS)、入射した光と直角方向に発生する側方散乱(SS)、そして、入射光と反対の方向に発生する後方散乱(BS)があり、さらに分類すると2つの態様、すなわち、前方散乱(FS)と側方散乱(SS)との間の角度に発生する側前中間散乱(OFS)と、後方散乱(BS)と側方散乱(SS)との間の角度に発生する後側中間散乱(OBS)とがある。側前中間散乱(OFS)および後側中間散乱(OBS)については後述する。

【0077】
このような散乱現象においては、発生するエネルギはさておき、粒子のサイズと散乱の方向を考えると、粒子が大きくなるほど前方散乱が主になり、粒子が小さいと後方散乱を含めた全方位への散乱が観察される。このような観察結果からすれば、大きな粒子を捉えるには前方散乱が有利と言える。一方、無の状態から発生し、成長するという現象の下、最初に発生する小さな粒子を早く捉えるためには、どの方向でもよいとはいえるが、散乱光のエネルギが小さいことを考えると、粒子の存在する溶媒中における散乱光の減衰を考慮したときには、その減衰の少ない(溶媒の影響による吸収の少ない)後方散乱が適していると考えられる。

【0078】
とりわけ、本実施の形態でのゲル粒子測定装置は、無から生成する粒子(ゲル化という相変位)を捉えるため、なるべく早く発生する微小な粒子を検出するという目的に、試料セル内壁面直下での後方散乱によるゲル粒子検出は他のいかなる方向の散乱検出よりも優っているものと推測される。

【0079】
このように、本発明では、リムルス試薬による相変化によって出現する微小粒子を、早く感度よく検出することを目的として、後方散乱による検出方式を採用することで前記相変化のタイミングを早く感度よく測ろうとするものである。要するに、微小粒子出現により発生する散乱光のうち、後方散乱光成分を検出する本発明の方式は、小さな粒子を早く検出できることと、粒子の浮遊する溶媒による減衰無く散乱光を検出することができることとの2つの点で優れている。
・ゲル粒子のサイズを推定する方法
図5は、散乱光強度の受光角度依存性を説明するための測定結果の一例である。図5では、コヒーレントまたは位相の合った平行光が照射される粒子の中心粒子径と、粒子から散乱される散乱光強度との関係が、5つの散乱角度で測定されている。5つの散乱角度とは、図4(b)に示す5つの散乱の態様に応じた角度である。

【0080】
図5を参照すると、中心粒子径の変化に対して散乱光強度が最も大きく変化しているのは、後方散乱(BS)のケースである。すなわち、後方散乱(BS)が最も粒径依存性が高く、粒子の成長に対する感度が高いといえる。一方、散乱角度が前方にシフトすると、散乱光強度の変化は次第に緩やかとなり、側前中間散乱(OFS)および前方散乱(FS)では、散乱光強度はほとんど変化しなくなる。しかし、側方散乱(SS)および後側中間散乱(OBS)については、ゲル粒子発生直後の小さい散乱エネルギであっても、散乱光強度の変化は十分に測定可能なレベルであると判断される。

【0081】
後方散乱(BS)と後側中間散乱(OBS)とでは、中心粒子径の変化に対する散乱光強度の変化に違いがあるので、この違いを利用して、本実施の形態のゲル粒子測定装置では、後方散乱(BS)および後側中間散乱(OBS)の散乱光強度を同時に測定し、これらの散乱光強度の比をとることで、ゲル粒子のサイズを推定する。

【0082】
一方、測定装置のサイズを、臨床での使用に適したポータブルなサイズにすることを考慮すると、異なる2つの角度で同時に測定する散乱の態様としては、後方散乱(BS)と後側中間散乱(OBS)との組み合わせが好ましい。本発明のゲル粒子検出器では、これら後方散乱(BS)および後側中間散乱(OBS)の2つの態様の散乱光を同時に検出するために、検出器の受光面内において、複数の導光部材(受光素子)が異なる散乱角度で配置されている。

【0083】
なお、以下の説明において、単に「後方散乱光成分」と記載した場合、後方散乱光成分とは、光源からの照射光がゲル粒子にて散乱した光のうち、少なくとも光源側の方向に戻る成分を意味する。すなわち、以下の説明において、後方散乱光成分とは、純粋な後方散乱(BS)だけの狭い意味ではなく、後方散乱(BS)と後側中間散乱(OBS)との両方を含む広い意味であるとする。
・背景ノイズを除去する方法
図6~図8は、背景ノイズを除去する方法を説明するための模式図である。

【0084】
図6は、実際の試料中のエンドトキシン濃度を測定した際の、散乱光強度の時間変化を説明するための模式図である。(a)は、試料Sと試薬Rとの混合溶液Wに夾雑物(測定対象外粒子)が含まれていた場合の散乱光強度を模式的に示している。夾雑物(測定対象外粒子)が含まれている場合は、受光信号2に示すように、信号強度は時間経過には関係なく略一定値を示している。一方、混合溶液Wがゲル相に変化し始め、ゲル粒子Gが生成開始すると、受光信号1に示すように、受光信号2の信号強度の上にゲル粒子Gによる信号強度が重なって得られる。

【0085】
受光信号1が立ち上がりを開始する時間に着目すると、受光信号1は、背景ノイズである受光信号2の上に重なって得られているので、立ち上がりの開始時間、すなわちゲル粒子Gの生成開始時点には、図中に符号tで示す分の誤差が生じている。本測定系では、図6(b)に示すように、受光信号1と受光信号2との差分である差分信号を得ることにより、ノイズ信号を除去し、立ち上がりの開始時間に関する誤差tを打ち消すことで、ゲル粒子の生成開始時点をより正確に決定している。

【0086】
図7は、迷光、ホワイト雑音、計測時間中の信号ドリフトの影響によるノイズの除去方法を説明するための模式図である。

【0087】
本測定系では小さい粒子に対する散乱光を測定するので、散乱光強度自体が微弱であり、迷光の影響、ホワイト雑音、計測時間中の信号ドリフトを生じやすいことが想定される。ホワイト雑音の発生や信号ドリフトが生じると、散乱強度-時間の変換の誤差が大きくなる。したがって、本測定系では、光源ONのときの散乱信号から光源OFFの時の雑音信号を消去することのより、S/N比を向上させる。具体的には、背景光計測サンプルホールド時間(Toff)に倍数をかけて散乱検出時間となるようにサンプルホールド時間を調節し、信号積分値から雑音積分値を差し引けば、上記の雑音が消去できる。パルス照のTonが小さいことからドリフトも消去できる。

【0088】
図8は、散乱光強度の測定結果を示す模式図であり、(a)は、測定対象ではない非エンドトキシン由来の粒子を初期から含む試料を測定した場合の測定結果を示している。図中には、エンドトキシン由来の粒子成長に対応する散乱光強度81と、試料内に初期から存在する、測定対象ではない粒子に対応する散乱光強度82とが表示されている。ここで、ゲル粒子Gの生成時点を決定する際に、単に散乱光強度だけに着目していると、測定対象ではない初期から存在するd3~d4の大きさの粒子に対応する散乱光強度82の生成時点を誤って用いてしまうおそれがある。したがって、本測定系では、図8(b)に示すように、初期から存在する粒子の散乱光強度を予め除去することで、エンドトキシン由来の粒子成長のみに対応した散乱強度の増加判定を可能とする。具体的には、信号のばらつきを勘案して所定の大きさの成長(信号増分)の閾値を予め設定し、その閾値を越える時までの時間を測定して、粒子発現時間とする。

【0089】
<実施の形態>
本実施の形態に係るゲル粒子測定装置は、エンドトキシンを含む試料が注入される試料セル100を有し、例えば試料の目的物質としてのエンドトキシンの濃度をリムルス試薬を用いたゲル化反応にて測定する。以下ではまず、ゲル粒子測定装置の全体について説明し、次に、本発明の特徴的なゲル粒子検出器について説明する。

【0090】
ゲル粒子測定装置の構成
本実施の形態において、ゲル粒子測定装置は図9に示すように構成されている。

【0091】
同図において、試料セル100は、予め決められた測定ステージに設置されている。本実施の形態では、試料セル100は恒温槽115内に配置されることのより、試料S及び試薬Rからなる混合溶液Wは一定の恒温環境(例えば37℃)下におかれ、測定条件が一定に保持される。試料セル100は有底の筒状容器101であり、本実施形態では、試料セル100は、市販の円筒状周壁を有するキュベットである。試料セル100の材質は、分光分析に利用可能であれば特に制限されず、例えばガラス、プラスチック、または石英(クォーツ)である。

【0092】
符号120は撹拌駆動装置であり、試料セル100内の混合溶液Wを撹拌するために、試料セル100内の磁性撹拌棒121を駆動する。撹拌駆動装置120は例えば混合溶液Wに対して一定の撹拌状態を与え、混合溶液Wを均一に撹拌しながら混合溶液W全体のゲル化を抑制する。特に、本実施形態では、撹拌駆動装置120は、試料セル100内の底壁に内蔵された磁性体からなる撹拌棒(スターラーバー)121に対して磁力による撹拌力を作用させる撹拌駆動源(マグネチックスターラー)として構成されている。

【0093】
符号130はレーザ光源であり、試料セル100の側周壁の外側に設けられ且つコヒーレントまたは位相の合った平行な光を照射する。本実施形態において、レーザ光源130からのコヒーレントまたは位相の合った平行な光Bmは、図10(a)(b)に示すように、試料セル100の略直径部分を横切る経路に沿って照射されており、その光径dは生成されるゲル粒子径(例えば0.2~2μm程度)に対して十分に大きい値(例えば5~20μm程度)に設定される。

【0094】
符号140は後方散乱光検出器であり、試料セル100の外部でレーザ光源130と同じ側に設けられ、レーザ光源130からの照射光Bmが試料セル100内の混合溶液中に生じたゲル粒子にて散乱した光のうち、レーザ光源130側の方向に戻る後方散乱光成分を検出する。後方散乱光検出器140の検出精度は、レーザ光源130からの照射光Bmの通過面積内に1ないし数個のゲル粒子の有無による後方散乱光量変化を検出可能な程度に設定されている。

【0095】
更に、本実施の形態では、試料セル100の外部で試料セル100を挟んでレーザ光源130の反対側には迷光除去部材150が設けられている。この迷光除去部材150は、レーザ光源130から試料セル100内に照射された照射光Bmがそのまま透過して試料セル100の反対側周壁に到達した領域及びその周辺領域に対応して光吸収材を配設したものである。

【0096】
このように試料セル100の一部に迷光除去部材150を設けた理由は以下のようである。つまり、レーザ光源130からの照射光が例えばゲル粒子にて散乱した光のうちレーザ光源130側に戻る後方散乱光成分以外の散乱光成分、あるいは、発生したゲル粒子の周囲をそのまま透過する透過光成分は、試料セル100内壁などで反射されて後方散乱光検出器140に向かう迷光成分になり得るが、これらの中で、特に指向性の高い迷光成分が透過光成分及び透過光成分と同じ方向に向かう散乱光成分であることから、これらに対応した箇所に迷光除去部材150を設けるようにしたものである。

【0097】
符号160はデータ解析装置であり、後方散乱光検出器140からの検出出力を取り込み、例えば後述する図12のフローチャートに示すデータ解析処理を実行する。符号170はディスプレイであり、データ解析装置160で解析された解析結果を表示する。このデータ解析装置160はCPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースなどを含むコンピュータシステムにて構成されており、例えばROM内に図12に示すデータ解析処理のコンピュータプログラムを予め格納しておき、後方散乱光検出器140からの検出出力に基づいてCPUにてデータ解析処理プログラムを実行する。

【0098】
尚、後方散乱光検出器140からの検出出力は例えば図示外の増幅器により電流電圧変換された後、AD変換器によりAD変換され、データ解析装置160に取り込まれる。

【0099】
検出器の構成
図10は、本発明の実施の形態で用いる後方散乱光検出器の構成例を示す説明図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。また、図11は、実施の形態に係る後方散乱光検出器の受光面を示す説明図であり、(a)は本発明の実施の形態で用いる受光面の説明図、(b)は比較例として示す受光面の説明図である。

【0100】
本実施形態では、後方散乱光検出器140は、後方散乱光検出器140の側面の受光面143内において、入射光源130側の方向に戻る後方散乱光成分LBSを2つの異なる散乱角度で同時に測定する。本実施形態では、後方散乱光検出器140は、例えば複数の細孔を有する円筒状のセラミック管(例えば、直径Φ=5mm)であり、図11(a)に示す態様では7つの細孔を有し、図11(b)に示す態様では9つの細孔を有する。図11(a)または(b)に示すように、これら複数の細孔のいずれか一つには、入射光Bmを導光するためのグラスファイバーGFが挿入されている。残りの細孔にもグラスファイバーが挿入されており、符号GFG1で示す複数のグラスファイバーは、各々が、後方散乱光成分のうち、第1の散乱角度で散乱される散乱光をフォトダイオードなどの受光素子(図示せず)に導光し、符号GFG2で示す複数のグラスファイバーは、各々が、後方散乱光成分のうち、側方散乱側にシフトした、第1の散乱角度より大きい第2の散乱角度で散乱される散乱光を、フォトダイオードなどの受光素子(図示せず)に導光する。

【0101】
図11(b)には、比較例として、入射光Bmを導光するグラスファイバーGFが受光面143の中心に位置する態様を示している。本実施の形態では、後方散乱光検出器140の限られた面積の受光面143内において、測定しようとする散乱光の角度差を最大にするために、図11(a)に示すように、入射光Bmを導光するグラスファイバーGFは、略円筒状の後方散乱光検出器140の中心からオフセットして配置されている。

【0102】
図11(a)および(b)において、破線で示す2つの同心円は、入射光Bmを導光するグラスファイバーGFを中心とする同心円である。図11(a)と図11(b)とを比較すると、後方散乱光検出器140の受光面143の断面積は同じであるが、図11(a)では、破線で示す2つの同心円の半径は、図11(b)の2つの同心円の半径よりも大きく、図11(a)のグラスファイバーGFG1およびGFG2の配置の方が、より大きい角度差で2つの後方散乱光成分を検出するのに適していることがわかる。

【0103】
ただし、図11(a)の配置では、グラスファイバーGFG1の中心が破線の円周上に正確に配置されないことも想定されるので、このような場合には、検出精度との兼ね合いで、例えば符号GFG1で示す複数のグラスファイバーを一つのグループとし、必要に応じて、複数のグラスファイバーからの検出出力を平均化して、第1の散乱角度での散乱光のデータとして取り扱う。検出出力を平均化する手段としては、例えば、1:n結合器により、複数のグラスファイバーGFG1からの受光信号を一つの受光素子で検出することにより、nチャンネル間の受光感度のばらつきや、受光面143内での配置のばらつきを解消する。

【0104】
ゲル粒子測定装置の動作
次に、本実施の形態に係るゲル粒子測定装置の動作について説明する。

【0105】
本実施の形態では、図9に示すように、試料セル100にエンドトキシンを含む試料Sを注入した後、図示外のスタートスイッチをオン操作すると、ゲル粒子測定装置による測定シーケンスが開始される。

【0106】
この測定シーケンスは、撹拌駆動装置120にて撹拌棒121を回転させ、試料セル100内の試料S及びリムルス試薬からなる混合溶液Wを撹拌する。これにより、混合溶液W全体が均一に撹拌されると共に、混合溶液W全体のゲル化が抑制される。

【0107】
更に、測定シーケンスは、レーザ光源130からコヒーレントまたは位相の合った平行な光Bmを試料セル100内の混合溶液Wに照射し、混合溶液W中で散乱した光のうち、レーザ光源130側の方向に向かう後方散乱光成分を後方散乱光検出器140にて検出すると共に、後方散乱光検出器140の検出出力をデータ解析装置160に取り込む。

【0108】
一方、試料セル100内の混合溶液W中では、リムルス試薬にエンドトキシンの刺激が伝わり、図3に示すようなリムルス反応が起こり、混合溶液W全体のゲル化が抑制された状態で、ゲル粒子Gが順次生成されていく。

【0109】
本実施の形態では、レーザ光源130からのコヒーレントまたは位相の合った平行な光Bmの通過面積内にゲル粒子Gが例えば1個生成されると、混合溶液Wがゾル相からゲル相に変化する相変化点のタイミングにつながるゲル粒子Gの生成開始時点として把握される。

【0110】
このような反応過程において、データ解析装置160は、例えば図12のフローチャートに示すように、後方散乱光検出器140からの検出出力を散乱光量データ(デジタルデータ)として読み込んだ後、平均化・フィルタリング化処理を行って散乱光量データの光量を計測する。

【0111】
次いで、散乱光量データの光量に基づいて、後方散乱光検出器140にて検出された散乱光量データの増加変化点(図2(c)工程IIのPに相当)を抽出し、予め規定されている検量線を参照することによって、試料Sのエンドトキシン濃度(ETX濃度)を決定する。この段階で、任意でこれをディスプレイ170に表示する。

【0112】
本実施形態では、検量線は、エンドトキシン濃度(ETX濃度)と散乱光量データの増加変化点に至るまでの時間閾値との関係を示し、散乱光量データの増加変化点に至る時間と検量線との相関に基づいてエンドトキシン濃度(ETX濃度)が決定される。また、ディスプレイ170にはエンドトキシン濃度(ETX濃度)以外に、散乱光量データの時系列データ、散乱光量データの光量の時系列計測データなどのデータが切り換え表示されるようになっている。図13に検量線の一例を示す。

【0113】
一方、判別対象であるゲル粒子をより正確に判別するために、上記した工程と平行して、グラスファイバーGFG1を通じて検出された、第1の散乱角度での後方散乱光強度の信号と、グラスファイバーGFG2を通じて検出された、第2の散乱角度での後方散乱光強度の信号との信号強度の比率を取る。

【0114】
後方散乱光検出器が検出可能な立体角に散乱光が入射される信号検出において、ゲル粒子の出現信号だけではなく,信号の出現頻度と異なる2つの角度からの入力信号とを解析することにより、信号の出現頻度から粒子数の増加を計算し、異なる2つの角度からの入力信号の比から粒子の大きさの変化を計算する。このような連続的な計測により、形成されるゲル粒子数の変化と粒子形成の過程とを把握することが出来る。

【0115】
攪拌条件下でのリムルス試薬とエンドトキシン試料との反応によるゲル粒子の形成は、発生と同時に急激に成長し、一定の大きさの粒子を数多く形成するに至る。一方、試料由来の非特異的反応物質による非特異的粒子形成は、その速度およびサイズは、本来のリムルス試薬とエンドトキシンのゲル粒子の形成とは異なる。したがって、これらの判別により、入力信号の変化(粒子信号の増加)が、エンドトキシン由来の反応によるものか、或いは非特異的粒子の混在によるものかを判別することができ,これにより粒子の定性情報(粒子サイズ)を得ることができるようになるので、判別対象であるゲル粒子と、生体試料中の他の夾雑物(不純物)との判別が可能となる。

【0116】
この得られた粒子サイズの情報を、ゲル粒子が生成されたか否かを判別する工程、すなわち、増加変化点の抽出工程にフィードバックすることで、判別対象であるゲル粒子と背景ノイズとをより正確に判別することができる。なお、ゲル粒子を正確に判別する際には、粒子のサイズ情報だけではなく、図6~8を参照して説明した種々のノイズ除去方法をあわせて適用して、背景ノイズを可能な限り除去することが好ましい。

【0117】
背景ノイズを除去した後は、増加変化点の抽出工程以後の工程を順次行い、背景ノイズ除去後のエンドトキシン濃度(ETX濃度)や、散乱光量データの時系列データ、散乱光量データの光量の時系列計測データなどを、ディスプレイ170に切り替え表示する。

【0118】
以上、本発明を特定の実施の形態によって説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。

【0119】
上記実施の形態では、後方散乱光検出器140はゲル粒子測定装置を構成する部品の一つとして例示しているが、後方散乱光検出器140の態様はこれに限られるものではなく、検出器は、後方散乱光検出器140と、光源130と、データ解析装置160とを一つの筐体内に一体化して構成した、複合一体型の検出器として構成してもよく、検出器は任意でディスプレイ170を備えてもよい。

【0120】
筐体の形状は特に限定されるものではないが、例えば、受光面143を露出しつつ後方散乱光検出器140を覆うような、略円筒状とすることができる。また、筐体内に光源130とデータ解析装置160と任意のディスプレイ170とを組み込むうえで、これらの構成を小型化することが求められるが、小型化の一例としては、光源130を例えば半導体レーザで構成し、データ解析装置160を例えば汎用のCPUボードで構成し、任意のディスプレイ170を例えば小型の液晶モニタで構成すればよい。あるいは、後方散乱光検出器140および光源130を筐体内に一体化して検出器を構成し、これとは別に、データ解析装置160およびディスプレイ170を例えばノート型PCやスマートフォン等の携帯情報端末で構成することで、一体化検出器自体をより小型化しよりポータブルに構成することもできる。

【0121】
また、上記実施の形態では、後方散乱光検出器140の受光面143は、図10に示すように平面であるが、受光面143の形状は平面に限定されない。例えば図14に示すように、受光面143は、試料セル100の円筒状の周壁に整合するように湾曲していてもよい。受光面143を湾曲させることで、より深い照射角度を得ることができる。照射角度に関して、図10(b)に示す態様と図14(a)に示す変形例の態様とを比較すると、変形例の態様では、グラスファイバーGFG2に入射される後方散乱光の角度(第2の散乱角度)がより側方散乱側にシフトしており、より深い照射角度を得ていることがわかる。

【0122】
また、受光面143は、試料セル100の側周壁外面に対して接触又は非接触配置されてもよいが、後方散乱光成分の検出性を良好に保つという観点からすれば、図14(b)に示すように接触配置する態様が好ましい。

【0123】
また、上記実施の形態では、後方散乱光検出器140は、図11(a)に示す態様では受光面143に7穴の細孔を有し、図11(b)に示す態様では受光面143に9穴の細孔を有しているが、受光面143に配置される細孔の数はこれらの態様に限定されない。細孔は、2つの異なる散乱角度で散乱される光を受光素子に導光できるように受光面143上に適宜配置されていればよく、所定の散乱角度で散乱光を検出できる限り、受光面143に配置される細孔の数は任意である。

【0124】
また、図15に示すように、後方散乱光検出器140の受光面の先端にテーパ部144を配置して、受光部の側壁に角度をつけて検出器の径を細くしてもよく、このテーパ部の先端にロッドレンズ(円柱レンズ)145を配置して、投光開口角および受光開口角を小さくしてもよい。これにより、試料セル100の小型化、恒温槽115の簡素化および効率化、ひいては後方散乱光検出器140を複数並列に配置して、検出信号をマルチチャンネル化したときの全体の小型化が可能になる。

【0125】
また、上記実施の形態では、試料セル100の外部で当該試料セル100を挟んでレーザ光源130と反対側に迷光除去部材150を配設するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば試料セル100の周囲を囲繞するように筒状カバーを設置し、この筒状カバーの内面を例えば黒色の光吸収材で覆うと共に、筒状カバーの一部には後方散乱光検出器140を装着するための取付孔を開設し、この取付孔に後方散乱光検出器140を装着して、レーザ光源130からの照射光Bmを通過させるようにしてもよい。

【0126】
また、上記実施の形態では、試料セル100は透過性のある材料にて構成されているが、試料セル100内の混合溶液W中での光の透過をほとんど求めないため、試料セル100のうちレーザ光源130及び後方散乱光検出器140の設置箇所に対応した一部だけ透過性を有する入射部としておけば、試料セル100の他の部位については非透過性の材料で構成してもよいし、非透過性の塗料を塗布するようにしてもよい。

【0127】
また、上記実施の形態では、一検体(試料S)分の試料セル100に対するゲル粒子測定装置を示しているが、複数の検体(試料)を同時に処理するという要請下では、例えば複数の試料セル100を一体化したマルチ試料セルを用意し、各試料セルに対応して夫々レーザ光源130、後方散乱光検出器140を配置し、複数の検体(試料)を同時に測定できるようにしてもよい。

【0128】
更に、上記実施の形態では、測定対象の物質をエンドトキシンとしているが、これに限られるものではなく、例えば同じ測定ハードウェアで、かつ、同様ないしは類似のリムルス試薬を用い、測定対象の物質をβ-D-グルカンとすることも可能である。
【符号の説明】
【0129】
1 試料セル
2 撹拌手段
3 入射光源(コヒーレントまたは位相の合った平行光源)
4 後方散乱光検出手段
5 散乱光変動計測手段
6 ゲル粒子生成判別手段
8 恒温槽
9 迷光除去手段
10 表示手段
G ゲル粒子
S 試料
R 試薬
W 混合溶液
Bm 入射光(コヒーレントまたは位相の合った平行光)
140 後方散乱光検出手段
143 受光面
144 テーパ部
145 ロッドレンズ
GF 入射光導光用グラスファイバー
GFG1、GFG2 受光用グラスファイバー
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図9】
5
【図11】
6
【図12】
7
【図13】
8
【図6】
9
【図7】
10
【図8】
11
【図10】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15