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明細書 :生体信号送信装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-112144 (P2015-112144A)
公開日 平成27年6月22日(2015.6.22)
発明の名称または考案の名称 生体信号送信装置
国際特許分類 A61B   5/0402      (2006.01)
A61B   5/04        (2006.01)
A61B   5/0408      (2006.01)
A61B   5/0478      (2006.01)
A61B   5/0492      (2006.01)
FI A61B 5/04 310Z
A61B 5/04 R
A61B 5/04 300J
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 13
出願番号 特願2013-254225 (P2013-254225)
出願日 平成25年12月9日(2013.12.9)
発明者または考案者 【氏名】田村 拓也
【氏名】▲高▼間 辰雄
【氏名】真弓 俊彦
出願人 【識別番号】506087705
【氏名又は名称】学校法人産業医科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100099508、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 久
【識別番号】100093285、【弁理士】、【氏名又は名称】久保山 隆
【識別番号】100182567、【弁理士】、【氏名又は名称】遠坂 啓太
審査請求 未請求
テーマコード 4C027
Fターム 4C027AA02
4C027JJ03
4C027KK05
要約 【課題】高い利便性を有すると共に、スナップ型とタブ型の電極パッドなどの電極器具と脱着可能とすることにより、衛生的でコストが抑えられる生体信号送信装置を提供する。
【解決手段】生体信号送信装置30は、生体の皮膚面に取り付けられる、例えば、スナップ型の電極パッド21またはタブ型の電極パッドから入力した生体信号を無線信号として受信装置に送信する無線送信部を備えている。生体信号送信装置30は、電極パッド21の端子部212に接触する接触電極311を有し、装置本体部33から突出した接触端子部31と、接触端子部31との間で、スリット状の隙間を介して装置本体部33に設けられ、接触電極311を端子部212に接触させた状態で、端子部212を、接触電極311と共に、先端部に形成された凹部323により挟み込む弾性突状部32とを備えている。
【選択図】図5
特許請求の範囲 【請求項1】
生体の皮膚面に取り付けられる電極器具から入力した生体信号を無線信号として、受信装置に送信する無線送信部を装置本体部に内蔵した生体信号送信装置であって、
前記電極器具の端子部に接触する接触電極を有した接触端子部であり、前記装置本体部から突出した接触端子部と、
前記接触端子部との間で、スリット状の隙間を介して前記装置本体部に設けられ、前記接触電極を前記電極器具の端子部に接触させた状態で、前記電極器具の端子部を、前記接触電極と共に、挟み込む弾性突状部とを備えたことを特徴とする生体信号送信装置。
【請求項2】
前記弾性突状部は、先端部に凹部が形成されている請求項1記載の生体信号送信装置。
【請求項3】
前記弾性突状部は、三角状の突起部として形成され、
前記接触端子部は、前記三角状の突起部の基端から先端に向かう斜辺に沿って、互いが接近するように一対形成されている請求項1記載の生体信号送信装置。
【請求項4】
前記一対の接触端子部のそれぞれの接触電極が前記電極器具の端子部により短絡したときに、前記無線送信部へ電源を通電する電源供給部を備えた請求項3記載の生体信号送信装置。
【請求項5】
前記装置本体部には、前記無線送信部に電源を供給する電池を収納する電池ホルダー部が形成されている請求項1から4のいずれかの項に記載の生体信号送信装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、生体に取り付けた電極器具に接続することで、生体信号を離れた場所に設置された受信装置に送信することができる生体信号送信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
12誘導心電図や、循環、呼吸、酸素飽和度といった生体情報は、医師が患者の状態を知る上では、重要な情報である。例えば、12誘導心電図においては、電極器具の一例である電極パッドが、胸部や四肢などに10個ほど取り付けられる。そして電極パッドからの生体信号は、電極パッドからの配線が接続された心電計の本体により記録される。
【0003】
しかし、電極パッドからの配線は、例えば、携帯用のイベントレコーダで生体信号を記録しているときや、運動能力を測定するために被験者が自転車エルゴメータに搭乗して、生体信号を記録しているときなど、邪魔になる。
【0004】
このような問題に対応するために、心電計と電極パッドとの間の配線をワイヤレスにした生体信号送信装置が開発され、例えば、特許文献1~6として、知られている。
【0005】
特許文献1に記載の無線型生体誘導電極は、胸部などの皮膚面に直接接触するように造られ、生体の皮膚面に取り付けられて、この生体から発生する生体信号を抽出する生体誘導電極部と、生体誘導電極部から抽出された生体信号を増幅して、増幅された生体信号を出力する生体信号形成機構と、この増幅された生体信号を無線信号として送信する送信器と、生体信号形成機構および送信器に電力を供給するマイクロ電池とを備えたものである。
【0006】
特許文献2に記載の無線心電モニタは、患者に接触する接触面に形成され、同心型または離間型に形成された電極と、電極からの信号を増幅する増幅器と、デジタル符号化する符号化変調器と、無線信号として出力する送信器とが、ハウジングに格納されたものである。
【0007】
特許文献3に記載の無線心電計システムおよびその方法には、電極コネクタ、送信器および受信器を備え、既存の電極及びECGモニタで作動するものである。電極コネクタは、使い捨てまたは再利用可能な単体電極に対する取り付け用のコネクタを含むことが記載されている。
【0008】
特許文献4に記載の無線ECGシステムは、胸部組立体により検出した患者の心臓活動および呼吸速度に関わる生理学的データが、身体用電子ユニットから遠隔な基地局に送信されて、基地局にて、生理学的データがECGモニタ上で表示されるよう処理されるものである。この無線ECGシステムでは、胸部組立体が、電極または導電性接着剤と接続されるよう構成された複数の電極コネクタを接続する一つのフレキシブル回路で形成されており、電極コネクタはスナップ端子を有する電極と接続されるスナップ端子を含むことが好ましいと記載されている。
【0009】
特許文献5に記載の装着型無線伝送式心電計は、心電を計測する心電計測ユニットおよび電極と、その心電計測ユニットが計測して出力した心電データを無線で送信する無線送信ユニットと、心電計測ユニットの出力信号に基づく単位時間当たり心拍数が所定数を超えた場合、その単位時間当たり心拍数の変化率が所定変化率を超えた場合および前記心電センサの出力信号に基づく拍動間隔が所定範囲を外れた場合のうちの少なくとも一つの場合である高負荷時に無線送信ユニットを作動させて所定時間に亘る心電データを送信させるCPUと、を具えたものである。この装着型無線伝送式心電計は、電極を表面より突出させる粘着パッドが脱着可能に設けられている。
【0010】
特許文献6に記載の電気リードを電極に接続するためのコネクタ・アッセンブリは、電気リードを電極の電気接点に接続するためのもので、開口部を通して電極の電気接点を受容して保持する保持プレートと、ボディおよびレセプタクルを含むハウジングを有して成るものである。このコネクタ・アッセンブリは、電気リードにより、EGCモニタ装置に接続されるが、代替的態様では、ECG信号が携帯型システムモニタおよび/又は無線接続を通じてECGモニタ装置に送信されるように、電気導体が無線トランシーバーに電気的に接続されてもよいことが記載されている。
【先行技術文献】
【0011】

【特許文献1】特開平6-181891号公報
【特許文献2】特表平4-505564号公報
【特許文献3】特表2004-512846号公報
【特許文献4】特表2005-532849号公報
【特許文献5】特開2006-136405号公報
【特許文献6】特表2012-503497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1,2,5に記載の従来の生体信号送信装置では、電極パッドと無線送信する装置本体とが一体的に形成されているため、コンパクトで利便性が高い。しかし、この無線型生体誘導電極は、患者や被験者などの被測定者に粘着面を貼り付け使用すると、次の被測定者に使用できないため、使い捨てとなってしまう。これでは、生体情報の測定の度に、新たな無線型生体誘導電極が必要となってしまうため、コストが嵩んでしまう。
【0013】
特許文献3,4の従来の生体信号送信装置では、電極と装置本体部とが配線によって接続されているため、EGCモニタ装置(受信装置)との間が無線信号で通信していても、この生体信号送信装置を患者に装着する点において、配線が邪魔となる。
また、特許文献3の従来の生体信号送信装置では、スナップ型やタブ型の使い捨ての電極パッドが使用できることが記載されているが、スナップ型またはタブ型の電極パッドを電極として取り付ける構造が図示されていないため、どのようにして取り付けられるのか判然としない。
【0014】
更に、特許文献6の従来の生体信号送信装置では、スナップ型の電極パッドのみしか考慮されておらず、タブ型の電極パッドを使用することができない。
【0015】
そこで本発明は、高い利便性を有すると共に、スナップ型やタブ型の電極パッドなどの電極器具と脱着可能とすることにより、衛生的でコストが抑えられる生体信号送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、生体の皮膚面に取り付けられる電極器具から入力した生体信号を無線信号として、受信装置に送信する無線送信部を装置本体部に内蔵した生体信号送信装置であって、前記電極器具の端子部に接触する接触電極を有した接触端子部であり、前記装置本体部から突出した接触端子部と、前記接触端子部との間で、スリット状の隙間を介して前記装置本体部に設けられ、前記接触電極を前記電極器具の端子部に接触させた状態で、前記電極器具の端子部を、前記接触電極と共に、挟み込む弾性突状部とを備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明の生体信号送信装置によれば、無線信号により受信装置へ生体情報を送信することができるので、受信装置との間の配線が不要である。また、装置本体部から突出した接触端子部の接触電極と、弾性突状部との間に、電極器具の突出した端子部を嵌め込むことで、端子部と接触電極部とを接触させることができ、端子部を挟み込むことができるため、電極器具の端子部として、例えば、パッド部から突出した使い捨ての既存の電極パッドが使用できる。また、スリット状の隙間にシート状の電極器具を差し込んで、端子部を接触電極に接触させて、接触電極と弾性突状部とによりシート状の電極器具を、挟み込むことにより、シート状に形成された使い捨ての既存の電極パッドも使用することができる。
【0018】
ここで、電極器具とは、生体情報を入力するために、生体に取り付けられるもので、電極器具の電極部が、直接皮膚面と接触して、電極部からの生体情報である電気信号をそのまま端子部に出力するものの他、内蔵される各種のセンサからの電気信号を端子部から出力するものも含まれる。
【0019】
前記弾性突状部は、先端部に凹部が形成されていると、パッド部から突出した端子部に凹部が端子部の外周面に嵌って押さえ付けることができるため、接触電極と弾性突状部とにより、しっかりと端子部を保持することができる。
【0020】
前記弾性突状部は、三角状の突起部として形成され、前記接触端子部は、前記三角状の突起部の基端から先端に向かう斜辺に沿って、互いが接近するように一対形成されているのが望ましい。電極器具として、シート状に形成された電極パッドを使用するときに、三角状の突起部として形成された弾性突状部と、三角状の突起部の斜辺に沿って、互いが接近するように形成された一対の接触端子部との間に、シート状の電極パッドを挟み込めば、電極パッドの端子部を挟み込む範囲を広く確保することができるので、しっかりと、端子部を挟み込むことができる。
【0021】
前記一対の接触端子部のそれぞれの接触電極が前記電極器具の端子部により短絡したときに、電池からの電源が、前記無線送信部に通電される電源供給部を備えるのが望ましい。電極器具を挟み込んだときに電源供給部が無線送信部に通電するので、無駄な通電を排除することができるので、電池の寿命を延ばすことができる。
【0022】
前記装置本体部には、前記電池を収納する電池ホルダー部が形成されていると、電池の交換が容易である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の生体信号送信装置は、受信装置との間の配線が不要であり、脱着式の電極器具が使用できるので、高い利便性を有すると共に、衛生的でコストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係る生体情報処理装置を示す図である。
【図2】図1に示す生体情報処理装置の生体信号送信装置の平面図である。
【図3】図2に示す生体信号送信装置の側面図である。
【図4】図2に示す生体信号送信装置の回路構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図2に示す生体信号送信装置をスナップ型の電極パッドに装着した状態の平面図である。
【図6】図2に示す生体信号送信装置をタブ型の電極パッドに装着した状態の平面図である。
【図7】図2に示す生体信号送信装置の接触端子部の変形例の一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態に係る生体信号送信装置の具体的な例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、生体信号処理システム10は、生体である被測定者Mの生体情報に基づいて12誘導心電図を測定する心電計である。生体信号処理システム10は、被測定者Mの皮膚面に取り付けられる、電極器具の一例である電極パッド20から入力した生体信号(電気信号)を、無線信号として送信する生体信号送信装置30と、この無線信号を受信して、12誘導心電図を印刷することができる受信装置40とを備えている。

【0026】
電極パッド20としては、端子部がパッド部から突出したスナップ型の電極パッド21と、シート状に形成されたタブ型の電極パッド22とが使用できる。
スナップ型の電極パッド21は、端子部がパッド部から突出した使い捨てのモニタリング電極である。スナップ型の電極パッド21は、矩形状のパッド部211の接触面側が、粘着面になって被測定者の皮膚面に貼り付けられて固定される。この粘着面は、中央部に開口が形成され、皮膚面と接触する電極部が露出している。電極部は、おもて面に突起として突出した端子部212と導通している。
タブ型の電極パッド22は、シート状で、軟質な使い捨てのモニタリング電極である。タブ型の電極パッド22は、矩形状のパッド部221の接触面側が、電極部となると共に、粘着面になって皮膚面に貼り付けられて固定される。パッド部221の一端部にタブ部222が設けられている。タブ部222は、皮膚面側が端子部であり、おもて面側が絶縁面となっている。

【0027】
このような電極パッド20に接続される生体信号送信装置30は、図2および図3に示すように、接触電極311を有する接触端子部31と、接触端子部31と共に、電極パッド20を、挟み込む弾性突状部32と、生体信号を無線信号により送信する回路が内蔵された装置本体部33とを備えている。接触端子部31と弾性突状部32と装置本体部33とは、樹脂成形により一体的に形成することができる。

【0028】
接触端子部31は、弾性突状部32の基端から先端に向かう斜辺32aに沿って、互いが接近するように、一対が突出して形成されている。接触端子部31は、装置本体部33と一体的に形成された腕部312の先端から、接触電極311の先端部が突出している。
接触電極311は、腕部312に沿って内部を配線され、装置本体部33の回路に接続されている。

【0029】
弾性突状部32は、一対の接触端子部31との間で、スリット状の隙間321を介して形成された三角状の突起部322である。弾性突状部32の突起部322の先端部には、スナップ型の電極パッド21の端子部212の外周面に嵌って押さえ付けるための凹部323が形成されている。

【0030】
装置本体部33は、平面視して矩形状に形成された板状部331と、板状部331より幅が狭く、厚みが厚く形成され、回路および電源である電池Cを内蔵するための収納部332とを備えている。収納部332には、電池Cを収納するための電池ホルダー部333が形成されている。
次に、装置本体部33の収納部332に内蔵された回路構成を、図4に基づいて説明する。
生体信号送信装置30の回路構成は、増幅部341と、AD変換部342と、無線送信部343と、電源供給部344とを備えている。
増幅部341は、接触電極311からの生体信号を増幅するものである。AD変換部342は、増幅部341により増幅されたアナログ信号の生体信号をデジタル信号の生体信号に変換するものである。

【0031】
無線送信部343は、デジタル信号となった生体信号に基づいて通信パケットを生成すると共に、この通信パケットを無線信号にしてアンテナ345を介して、受信装置40へ送信するものである。無線送信部343は、受信装置40と通信できれば、様々な通信方式が採用できる。通信方式は、例えば、ブルートゥース(登録商標)としたり、WI-FI(登録商標)としたりすることができる。
無線送信部343は、受信装置に対して、他の生体信号送信装置30と識別するための識別情報を有している。この識別情報は、無線送信部343内に予め設定され、通信パケットに含めることで、受信装置40側で生体信号送信装置30の被測定者への取り付け位置を特定することができる。識別情報は、任意の情報としたり、MACアドレスとしたりすることができる。

【0032】
この場合には、測定者が、生体信号送信装置30の識別が外観から認識できるように、生体信号送信装置30に番号や記号を付したり、色分けしておいたりするのが望ましい。生体信号送信装置30の色分けについて、生体信号送信装置30を12誘導心電図の測定に使用する場合には、カラーコードを合わせるのが望ましい。
また、無線送信部343への識別情報として、設定スイッチを装置本体部33に設けることも可能である。

【0033】
電源供給部344は、一対の接触端子部31のそれぞれの接触電極311が電極パッド20の端子部により短絡したときに、電池Cからの電源が、増幅部341とAD変換部342と無線送信部とに通電される。

【0034】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る生体信号送信装置30の動作および使用状態を図面に基づいて説明する。
図1に示す生体信号送信装置30を電極パッド20に接続する前の状態では、接触電極311の間は開放状態である。電源供給部344は、接触電極311間が高抵抗状態であることから、電池Cからの電源を、増幅部341とAD変換部342と無線送信部343に供給しない。従って、接触電極311間が開放状態であるときには、電源供給部344が電池Cからの電源を供給しないので、無駄な通電を排除することができる。このことにより、電源供給部344は、電池Cの寿命を長持ちさせることができる。また、生体信号送信装置30に電源スイッチを設ける必要がないので、小型化やコストダウンを図ることができる。

【0035】
被測定者に取り付ける電極パッド20が、図1に示すスナップ型の電極パッド21である場合には、図5に示すように、測定者は、接触電極311と、弾性突状部32の先端部とにより囲まれた隙間324に、スナップ型の電極パッド21の端子部212を押し込む。弾性突状部32は、その先端部が弾性変形することで隙間324が拡がる。また、接触端子部31の腕部312も端子部212の押し込みの際に撓むことで、隙間324が拡がる。

【0036】
そして、端子部212が隙間324に押し込まれると、弾性突状部32の弾性力により端子部212が、接触電極311と、弾性突状部32との間で挟み込まれる。
弾性突状部32の弾性変形することで、隙間324より直径の大きい端子部212であっても、接触電極311と、弾性突状部32との間に端子部212を嵌め込むことができる。また、弾性突状部32の先端部に凹部323が形成されていることで、端子部212の外周面に嵌って押さえ付けることができる。そのため、接触電極311と弾性突状部32とにより、しっかりと端子部212を保持することができる。

【0037】
接触電極311と弾性突状部32との間に端子部212が嵌め込まれることで、一対の接触電極311の間は、端子部212によって短絡状態となる。図4に示すように、電源供給部344は、接触電極311間が短絡状態となることで、電池Cからの電源を、増幅部341とAD変換部342と無線送信部343へ供給する。

【0038】
測定者は、スナップ型の電極パッド21を、被測定者の所定位置の皮膚面にパッド部211の粘着面を向けて貼り付ける。スナップ型の電極パッド21の端子部212からの微弱な生体信号は、一対の接触電極311のうち一方の接触電極311から増幅部341により増幅される。増幅部341により増幅された生体信号は、AD変換部342によりアナログ信号からデジタル信号へ変換される。デジタル信号に変換された生体信号は、生体信号送信装置30を識別する情報と共に、無線送信部343により、データとして、通信パケットに含められる。
そして、無線送信部343は、通信パケットを無線信号として、アンテナ345を介して受信装置40へ送信する。

【0039】
受信装置40では、無線信号から生体信号を取り出し、記憶手段に記憶したり、印刷手段により印刷したりすることで、測定者は被測定者の12誘導心電図を記録することができる。

【0040】
次に、電極パッド20として、タブ型の電極パッド22を使用する場合を、図6に基づいて説明する。
被測定者に取り付ける電極パッド20が、図1に示すタブ型の電極パッド22である場合には、図6に示すように、測定者は、接触端子部31の腕部312と、弾性突状部32の斜辺との間の隙間321に、タブ型の電極パッド22のタブ部222を差し込む。このとき、測定者は、タブ部222の皮膚面側の端子部を、接触電極311に向くようにして、タブ型の電極パッド22を隙間321に差し込む。
このようにして、接触電極311がタブ部222の端子部に接触した状態で、接触端子部31の接触電極311および腕部312と、弾性突状部32の斜辺との間で、タブ部222を挟み込むことができる。

【0041】
接触電極311と弾性突状部32との間に端子部212が挟み込まれることで、一対の接触電極311の間は、タブ部222の端子部によって短絡状態となる。図4に示すように、電源供給部344は、接触電極311間が短絡状態となることで、電池Cからの電源を、増幅部341とAD変換部342と無線送信部343へ供給する。

【0042】
測定者は、タブ型の電極パッド22のパッド部211を、被測定者の所定位置の皮膚面にパッド部221の粘着面を向けて貼り付けて測定を開始する。測定が開始されれば、後の動作は、スナップ型の電極パッド21と同じなので、説明は省略する。

【0043】
以上のように本実施の形態に係る生体信号送信装置30によれば、図1に示すように、無線信号により受信装置40へ生体信号を送信するため、被測定者と心電計等の受信装置40との配線が不要であり、また、電極パッド20と生体信号送信装置30との間に配線が不要である。そのため、生体信号送信装置30は、被測定者が、ベッドに横たわって安静にしているときだけでなく、日常の生活をしていて携帯用のイベントレコーダで生体信号を記録しているときや、運動能力を測定するために自転車エルゴメータに搭乗して、生体信号を記録しているときなど、生体情報を支障なく測定することができるので利便性が高い。

【0044】
また、図5に示すように、生体信号送信装置30は、装置本体部33から突出した接触端子部31の接触電極311と、弾性突状部32との間に、パッド部211から突出した端子部212を嵌め込むことで、端子部212と接触電極311とを接触させることができ、端子部212を挟み込むことができる。従って、生体信号送信装置30は、端子部212がパッド部211から突出した使い捨てのスナップ型の電極パッドが使用できるので、生体信号送信装置30を使い捨てしなくてもよい。

【0045】
また、図6に示すように、生体信号送信装置30は、弾性突状部32が、接触端子部31との間で、スリット状の隙間321を介して、装置本体部33に設けられている。そのため、この隙間321にタブ型の電極パッド22を差し込んで、タブ部222の端子部を接触電極311に接触させて、接触電極311および腕部312と、弾性突状部32とにより、タブ型の電極パッド22を、挟み込むことができる。従って、生体信号送信装置30は、シート状に形成された使い捨てのタブ型の電極パッド22も使用することができる。

【0046】
よって、生体信号送信装置30は、高い利便性を有すると共に、スナップ型やタブ型の使い捨て電極パッドが使用できるので、衛生的でコストを抑えることができる。
なお、本実施の形態では、端子部212がパッド部211の中央部から突出しているが、端子部212がパッド部211の端部から突出した電極パッドであっても、端子部が吐出していれば、生体信号送信装置30は、問題なく使用することができる。

【0047】
更に、生体信号送信装置30は、図2に示すように、接触端子部31が、三角状の突起部322として形成された弾性突状部32の斜辺32aに沿って、互いが接近するように、一対形成されている。そのため、タブ型の電極パッド22(図6参照)を使用するときに、タブ部222の挿入方向と直交する方向に沿ってスリットが直線状に形成されたものと比較して、弾性突状部32と、一対の接触端子部31とによるハ字状の隙間321に、タブ型の電極パッド22を挟み込めば、タブ部222の端子部を挟み込む範囲を広く確保することができるので、しっかりと、端子部を挟み込むことができる。

【0048】
測定者が、被測定者に対して、生体信号送信装置30を使用して生体情報を測定しているうちに、電池Cが消耗した場合には、図3に示す電池ホルダー部333を引き出して電池Cを交換する。装置本体部33に、電池Cを収納する電池ホルダー部333が形成されているため、電池Cの交換が容易である。従って、測定者は、電極パッド20を交換したり、電池Cを交換したりしながら、生体信号送信装置30を長く使用することができる。

【0049】
なお、本実施の形態に係る生体信号送信装置30では、接触端子部31の腕部312が先端部で繋がっておらず、接触電極311が腕部312の先端から腕部312が延びる方向に沿って突出している。しかし、図7に示すように、この腕部312は、先端部で繋がっていてもよい。この場合には、接触電極311が、腕部312の先端部の内側面から隙間324に突出するように設けることで、スナップ型の電極パッド21の端子部212を、接触電極311と弾性突状部32との間で挟み込むことができる。

【0050】
また、実施の形態では、電池Cを電源としているが、電池の代わりに電気二重層コンデンサなどのスーパーキャパシタを用いて外部から充電して電源として用いてもよい。

【0051】
更に、本実施の形態では、生体信号送信装置を用いた生体信号処理システム10として、12誘導心電図を測定する心電計を例に説明したが、四肢誘導心電図の他、2誘導のもの、1誘導のもの、12誘導よりチャンネル数が多いものなどでも、本発明の生体信号送信装置を用いることができる。

【0052】
また、本発明の生体信号送信装置は、生体の皮膚面に取り付けられる電極器具から入力した生体信号を無線信号として送信し、無線信号を受信する受信装置側にて測定するものであれば、他の測定装置でも応用することができる。

【0053】
例えば、応用できるものとして、以下のものがあげられる。
(1)脳波を測定する脳波モニタ、中枢神経系の麻酔深度を測定するBIS(二波長指数bispectral index(en))モニタ
(2)筋電図
(3)電気生理学な生体信号を測定するもので、神経伝導速度計などの電気生理学的モニタ(SEP(体性感覚誘発電位:Somatosensory Evoked Potentials))
(4)脳表面血流を測定する光トポグラフィ(登録商標)
(5)呼吸数モニタ
(6)CGM(血糖値の経時的モニタ:Continuous Glucose Monitoring)

【0054】
上記測定装置において、被測定者に取り付けられる電極器具は、電極部が、直接皮膚面と接触して、電極部からの生体情報である電気信号をそのまま出力するものであれば、電極器具は、図1に示すスナップ型の電極パッド21やタブ型の電極パッド22のような形状の電極器具とすることで、本発明の生体信号送信装置を接続することができる。
また、呼吸数モニタでは、電極器具に内蔵される呼吸を検出するセンサからの電気信号を、突起状の端子部や、タブ状の端子部から出力させることで、本発明の生体信号送信装置を接続することができる。
また、光トポグラフィでは、電極器具に内蔵される光検出センサからの電気信号を、突起状の端子部や、タブ状の端子部から出力することで、本発明の生体信号送信装置を接続することができる。
更に、CGMでは、電極器具に内蔵される血糖値測定センサからの電気信号を、突起状の端子部や、タブ状の端子部から出力することで、本発明の生体信号送信装置を接続することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、被測定者の生体情報を測定するときに、ワイヤレスで測定できるので、医療施設や介護施設、に好適である。
【符号の説明】
【0056】
10 生体信号処理システム
20 電極パッド
21 スナップ型の電極パッド
211 パッド部
212 端子部
22 タブ型の電極パッド
221 パッド部
222 タブ部
30 生体信号送信装置
31 接触端子部
311 接触電極
312 腕部
32 弾性突状部
32a 斜辺
321 隙間
322 突起部
323 凹部
324 隙間
33 装置本体部
331 板状部
332 収納部
333 電池ホルダー部
341 増幅部
342 AD変換部
343 無線送信部
344 電源供給部
345 アンテナ
40 受信装置
M 被測定者
C 電池
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6