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明細書 :PAI-1阻害剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-147744 (P2015-147744A)
公開日 平成27年8月20日(2015.8.20)
発明の名称または考案の名称 PAI-1阻害剤
国際特許分類 C07K  14/81        (2006.01)
A61K  38/00        (2006.01)
A61K  45/00        (2006.01)
A61P   9/10        (2006.01)
A61P   7/02        (2006.01)
G01N  33/15        (2006.01)
G01N  33/50        (2006.01)
FI C07K 14/81 ZNA
A61K 37/02
A61K 45/00
A61P 9/10 101
A61P 7/02
G01N 33/15 Z
G01N 33/50 Z
請求項の数または発明の数 14
出願形態 OL
全頁数 15
出願番号 特願2014-021457 (P2014-021457)
出願日 平成26年2月6日(2014.2.6)
発明者または考案者 【氏名】浦野 哲盟
【氏名】岩城 孝行
【氏名】鈴木 優子
【氏名】梅村 和夫
出願人 【識別番号】504300181
【氏名又は名称】国立大学法人浜松医科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100094400、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 三義
【識別番号】100086379、【弁理士】、【氏名又は名称】高柴 忠夫
【識別番号】100149548、【弁理士】、【氏名又は名称】松沼 泰史
審査請求 未請求
テーマコード 2G045
4C084
4H045
Fターム 2G045FA13
4C084AA02
4C084AA17
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA16
4C084CA53
4C084NA14
4C084ZA451
4C084ZA452
4C084ZA541
4C084ZA542
4C084ZC411
4C084ZC412
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA40
4H045DA56
4H045EA20
4H045FA20
要約 【課題】本発明は、新規なPAI-1阻害剤、及び当該PAI-1阻害剤を用いてPAI-1活性を阻害する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】PAI-1(プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1)中の374位のグリシン残基を含む3~9のアミノ酸残基からなる第1領域とPAI-1の31位のアスパラギンから35位のセリンまでの領域を含む第2領域との分子内相互作用を阻害する、PAI-1阻害剤、及び、in vitro又はin vivo(但し、ヒトの生体内を除く。)において、PAI-1中の374位のグリシン残基を含む3~9のアミノ酸残基からなる第1領域又はPAI-1の31位のアスパラギンから35位のセリンまでの領域を含む第2領域に結合可能な物質とPAI-1とを結合させることにより、PAI-1中の前記第1領域と前記第2領域との分子内相互作用を阻害する、PAI-1活性の阻害方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
PAI-1(プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1)中の374位のグリシン残基を含む9以下のアミノ酸残基からなる第1領域又はPAI-1の31位のアスパラギンから35位のセリンまでの領域を含む第2領域に結合可能な物質からなることを特徴とする、PAI-1阻害剤。
【請求項2】
前記第1領域が、PAI-1の371位のロイシンから379位のプロリンまでの領域である、請求項1に記載のPAI-1阻害剤。
【請求項3】
前記第1領域が、PAI-1の372位のフェニルアラニンから376位のバリンまでの領域である、請求項1に記載のPAI-1阻害剤。
【請求項4】
前記第2領域が、PAI-1の31位のアスパラギンから35位のセリンまでの領域である、請求項1~3のいずれか一項に記載のPAI-1阻害剤。
【請求項5】
配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列のうち4番目のグリシン残基を含む3~9アミノ酸の部分アミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである、請求項1に記載のPAI-1阻害剤。
【請求項6】
PAI-1中のs2B(βシート2B)を形成する領域又はPAI-1中のs1B(βシート1B)を形成する領域に結合可能な物質からなることを特徴とする、PAI-1阻害剤。
【請求項7】
in vitro又はin vivo(但し、ヒトの生体内を除く。)において、PAI-1を、PAI-1中の374位のグリシン残基を含む9以下のアミノ酸残基からなる第1領域又はPAI-1の31位のアスパラギンから35位のセリンまでの領域を含む第2領域に結合可能な物質と結合させることにより、PA(プラスミノゲンアクチベータ)に対する阻害活性を低下させることを特徴とする、PAI-1活性の阻害方法。
【請求項8】
前記第1領域が、PAI-1の371位のロイシンから379位のプロリンまでの領域である、請求項7に記載のPAI-1活性の阻害方法。
【請求項9】
前記第1領域が、PAI-1の372位のフェニルアラニンから376位のバリンまでの領域である、請求項7に記載のPAI-1活性の阻害方法。
【請求項10】
前記第2領域が、PAI-1の31位のアスパラギンから35位のセリンまでの領域である、請求項7~9のいずれか一項に記載のPAI-1活性の阻害方法。
【請求項11】
前記物質が、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列のうち4番目のグリシン残基を含む3~9アミノ酸の部分アミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである、請求項7に記載のPAI-1活性の阻害方法。
【請求項12】
in vitro又はin vivo(但し、ヒトの生体内を除く。)において、PAI-1を、PAI-1中のs2B(βシート2B)を形成する領域又はPAI-1中のs1B(βシート1B)を形成する領域に結合可能な物質と結合させることにより、PAに対する阻害活性を低下させることを特徴とする、PAI-1活性の阻害方法。
【請求項13】
被験物質と、PAI-1中の374位のグリシン残基を含む3~9のアミノ酸残基からなる第1領域と同一のアミノ酸配列からなる野生型ペプチドとの結合性を評価する工程と、
前記被験物質と、PAI-1中の374位のグリシン残基を含む3~9のアミノ酸残基からなる第1領域と同一のアミノ酸配列のうち、374位のグリシン残基のみが酸性アミノ酸残基又は塩基性アミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列からなる変異型ペプチドとの結合性を評価する工程と、
変異型ペプチドとの結合性よりも、野生型ペプチドとの結合性の方が有意に強かった被検物質を、PAI-1阻害剤の候補物質として選択する工程と、
を有することを特徴とする、PAI-1阻害剤のスクリーニング方法。
【請求項14】
前記野生型ペプチドが、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号2で表されるアミノ酸配列のうち4番目のグリシン残基を含む3~9アミノ酸の部分アミノ酸配列からなるペプチドであり、
前記変異型ペプチドが、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである、請求項13に記載のPAI-1阻害剤のスクリーニング方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1(plasminogen activator inhibitor type 1(PAI-1))における分子内相互作用を阻害することによりPAI-1活性を失活させるPAI-1阻害剤、及び当該PAI-1阻害剤を用いてPAI-1活性を阻害する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PAI-1は、生体内に生理的に存在するプラスミノゲンアクチベータの特異的インヒビターであり、線維素溶解(線溶)活性発現を制御している。線溶活性の低下は、凝固活性の亢進や血小板活性化の亢進と同様に血栓症発症のリスクとなる。本発明者らによって、これまでに、血液の線溶活性が血漿中のtPA量とPAI-1量のバランスで決まること(非特許文献1及び2参照。)、肥満、高血圧、脂質異常、メンタルストレス等の心血管疾患のリスク時に血中PAI-1濃度が増加することを報告した(非特許文献3及び4参照。)。メタボリック症候群等に伴い血漿中PAI-1濃度が増加する事は他の施設からも多く報告されており、PAI-1はこれらの病態時の血栓症発症の直接の原因因子として注目されている。また、PAI-1は、急性相タンパクの一つであり、手術後に増加することや(非特許文献5参照。)、熱傷時に増加することが(非特許文献6参照。)報告されており、外傷や感染症合併時の微小血栓形成に伴う臓器障害の原因分子としても注目されている。また、炎症性細胞や腫瘍細胞の膜表面の特異受容体に結合したウロキナーゼ型PA(uPA)に結合して細胞浸潤・増殖・転移を促進する機能も報告されている(非特許文献7及び8参照。)。
【0003】
さらに、本発明者らは、最近、出血傾向を示すPAI-1欠損症例を見いだし、世界第2例目の症例として報告した(非特許文献9参照。)。また、血漿中のプラスミノゲンアクチベータインヒビター活性又は濃度を測定することにより、早産又は流産の発症危険度を調べられることを見出した(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】国際公開第2013/073191号
【0005】

【非特許文献1】Urano,et al.,Thrombosis and Haemostasis,1990,vol.63,p.82-86.
【非特許文献2】Urano,et al.,Thrombosis and Haemostasis,1991,vol.66,p.474-478.
【非特許文献3】Urano,et al.,The Japanese Journal of Physiology,1993,vol.43,p.221-228.
【非特許文献4】Urano,et al.,Thrombosis Research,1994,vol.74,p.595-603.
【非特許文献5】Aoki,et al.,Surgery Today(Official Journal of the Japan Surgical Society),1994,vol.24,p.1039-1043.
【非特許文献6】Aoki,et al.,Burns,1998,vol.24,p.74-77.
【非特許文献7】Morita,et al.,International Journal of Cancer,1998,vol.78,p.286-292.
【非特許文献8】Abe,et al.,Cancer,1999,vol.86,p.2602-2611.
【非特許文献9】Iwaki,et al.,Journal of Thrombosis and Haemostasis,2011,vol.9,p.1200-1206.
【非特許文献10】Nukuna,et al.,Journal of Biological Chemistry,2004,vol.279,p.50132-50141.
【非特許文献11】Urano,et al.,European Journal of Biochemistry,1992,vol.209,p.985-992.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの知見から、メタボリック症候群等の血栓症の高リスク者における血栓症予防や、外傷や感染症時の多臓器不全予防、悪性腫瘍の増殖・浸潤・転移の抑制などを目的として、PAI-1阻害薬の開発が試みられている。しかしながら、現時点ではまだいずれの阻害薬も市場に出ていないのが現状である。
【0007】
本発明は、新規なPAI-1阻害剤、及び当該PAI-1阻害剤を用いてPAI-1活性を阻害する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、新しく血漿中PAI-1欠損症例を見出し、当該症例におけるPAI-1の変異を解析したところ、反応部位(R346-M347)のC末端側にあるG374R(374位のグリシンがアルギニンに置換された変異)の1アミノ酸置換変異体であり、このG374R変異型PAI-1は発現細胞内で多量体を形成していることを見出した。さらにG374R変異型PAI-1について解析を進めたところ、374位のグリシン残基(G374)及びその近傍の領域の分子内相互作用を阻害することにより、PAI-1活性を失活させられることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、以下のPAI-1阻害剤、PAI-1活性の阻害方法、及びPAI-1阻害剤のスクリーニング方法を提供するものである。
(1) PAI-1(プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1)中の374位のグリシン残基を含む9以下のアミノ酸残基からなる第1領域又はPAI-1の31位のアスパラギンから35位のセリンまでの領域を含む第2領域に結合可能な物質からなることを特徴とする、PAI-1阻害剤。
(2) 前記第1領域が、PAI-1の371位のロイシンから379位のプロリンまでの領域である、前記(1)のPAI-1阻害剤。
(3) 前記第1領域が、PAI-1の372位のフェニルアラニンから376位のバリンまでの領域である、前記(1)のPAI-1阻害剤。
(4) 前記第2領域が、PAI-1の31位のアスパラギンから35位のセリンまでの領域である、前記(1)~(3)のいずれかのPAI-1阻害剤。
(5) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列のうち4番目のグリシン残基を含む3~9アミノ酸の部分アミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである、前記(1)のPAI-1阻害剤。
(6) PAI-1中のs2B(βシート2B)を形成する領域又はPAI-1中のs1B(βシート1B)を形成する領域に結合可能な物質からなることを特徴とする、PAI-1阻害剤。
(7) in vitro又はin vivo(但し、ヒトの生体内を除く。)において、PAI-1を、PAI-1中の374位のグリシン残基を含む9以下のアミノ酸残基からなる第1領域又はPAI-1の31位のアスパラギンから35位のセリンまでの領域を含む第2領域に結合可能な物質と結合させることにより、PA(プラスミノゲンアクチベータ)に対する阻害活性を低下させることを特徴とする、PAI-1活性の阻害方法。
(8) 前記第1領域が、PAI-1の371位のロイシンから379位のプロリンまでの領域である、前記(7)のPAI-1活性の阻害方法。
(9) 前記第1領域が、PAI-1の372位のフェニルアラニンから376位のバリンまでの領域である、前記(7)のPAI-1活性の阻害方法。
(10) 前記第2領域が、PAI-1の31位のアスパラギンから35位のセリンまでの領域である、前記(7)~(9)のいずれかのPAI-1活性の阻害方法。
(11) 前記物質が、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列のうち4番目のグリシン残基を含む3~9アミノ酸の部分アミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである、前記(7)のPAI-1活性の阻害方法。
(12) in vitro又はin vivo(但し、ヒトの生体内を除く。)において、PAI-1を、PAI-1中のs2B(βシート2B)を形成する領域又はPAI-1中のs1B(βシート1B)を形成する領域に結合可能な物質と結合させることにより、PAに対する阻害活性を低下させることを特徴とする、PAI-1活性の阻害方法。
(13) 被験物質と、PAI-1中の374位のグリシン残基を含む3~9のアミノ酸残基からなる第1領域と同一のアミノ酸配列からなる野生型ペプチドとの結合性を評価する工程と、
前記被験物質と、PAI-1中の374位のグリシン残基を含む3~9のアミノ酸残基からなる第1領域と同一のアミノ酸配列のうち、374位のグリシン残基のみが酸性アミノ酸残基又は塩基性アミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列からなる変異型ペプチドとの結合性を評価する工程と、
変異型ペプチドとの結合性よりも、野生型ペプチドとの結合性の方が有意に強かった被検物質を、PAI-1阻害剤の候補物質として選択する工程と、
を有することを特徴とする、PAI-1阻害剤のスクリーニング方法。
(14) 前記野生型ペプチドが、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号2で表されるアミノ酸配列のうち4番目のグリシン残基を含む3~9アミノ酸の部分アミノ酸配列からなるペプチドであり、
前記変異型ペプチドが、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである、前記(13)に記載のPAI-1阻害剤のスクリーニング方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るPAI-1阻害剤及びPAI-1活性の阻害方法を用いることにより、in vitro又はin vivoにおいてPAI-1活性を効果的に抑制することができる。このため、当該PAI-1阻害剤は、血栓症や多臓器不全等のようなPAI-1活性に起因して生じる各種の疾患に対する予防や治療のための医薬用組成物として有用である。また、当該PAI-1阻害剤は、より優れたPAI-1阻害剤の開発にも資する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ヒトPAI-1のアミノ酸配列(配列番号5)を示した図である。
【図2】ヒトPAI-1の活性型の構造解析結果を示した図である。
【図3】ヒトPAI-1の潜在型の構造解析結果を示した図である。
【図4】実施例1において、10%SDS-PAGEの結果を示した図である。
【図5】実施例2において、各反応溶液における405nmの吸光度の増加の測定結果を示した図である。
【図6】実施例2において、図5に示した結果から算出した各ペプチドのPAI阻害活性を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
PAI-1は、セリンプロテアーゼインヒビター(serine protease inhibitor(Serpin))スーパーファミリーの一つであり、ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ(urokinase type plasminogen activator(uPA))及び組織型プラスミノゲンアクチベータ(tissue type plasminogen activator(tPA))の主要な生理的な制御因子である。

【0013】
PAI-1には、反応部位ループ(反応部位を含むループ)が分子外に持ち上がっており、基質と結合可能な活性型(active form)と、uPAやtPAとの相互作用により反応部位(ヒトPAI-1では、R346-M347)のペプチド結合が切断されて反応部位ループのN末端側が分子内のシャッター領域の間に入り込んで新たなβシートを形成する開裂型(cleaved form)と、反応部位が結合されることなく、反応部位ループのN末端側が分子内に入り込んで新たなβシートを形成する潜在型(latent form)とがある。シャッター領域とは、S2、S3、S5及びS6のβシート構造からなる領域であり、開裂型と潜在型においては、反応部位ループのN末端側はS3シートとS5シートの間に入り込み、新たにS4シートを形成する。379アミノ酸からなるヒトPAI-1のアミノ酸配列(配列番号5)を図1に示す。また、ヒトPAI-1の活性型の構造解析結果を図2に、潜在型の構造解析結果を図3に、それぞれ示す(非特許文献10から引用。)。なお、図1のアミノ酸配列には、非特許文献10において報告されているデータに基づき、各二次構造の情報も示した。

【0014】
G374R変異型PAI-1を発現している症例では、G374R変異型PAI-1は発現細胞内で多量体を形成しており、血漿中PAI-1は欠損している、Serpinopathyに分類される病態を示していた。一般的に、PAI-1をはじめとするSerpinの多量体は、Serpinの反応部位ループが他分子のシャッター領域内にS4シートとして入り込み、これにより押し出された他分子の反応部位ループが、更に別のシャッター領域に入り込む事により形成される。したがって、多量体形成を示す分子異常の多くはシャッター領域に多い。しかしながら、G374は、シャッター領域ではなく、反応部位ループのC末端側の領域に存在している。つまり、PAI-1のG374の変異は、機能不全又は機能欠損の新規に発見された変異である。

【0015】
活性型PAI-1において、G374及びその近傍の領域(s2B:βシート2B)は、s1B(βシート1B)と互いに結合している。これに対してG374R変異型PAI-1では、疎水性アミノ酸であるグリシン残基が塩基性アミノ酸であるアルギニン残基に変異したことにより、分子内相互作用が損なわれる結果、活性型構造が維持できず、潜在型になっているのではないかと推察される。

【0016】
<PAI-1阻害剤及びPAI-1活性の阻害方法>
本発明に係るPAI-1阻害剤は、PAI-1中のs2B(βシート2B)を形成する領域又はPAI-1中のs1B(βシート1B)を形成する領域に結合可能な物質からなることを特徴とする。活性型PAI-1において、s2Bは、s1Bの一部と分子内相互作用により互いに結合する。s2B(βシート2B)を形成する領域に結合可能な物質(以下、「s2B結合物質」ということがある。)又はs1B(βシート1B)を形成する領域に結合可能な物質(以下、「s1B結合物質」ということがある。)とPAI-1を結合させることにより、PAI-1分子内における第1領域と第2領域の相互作用が阻害される結果、活性型の安定性が損なわれて潜在型となる結果、PAI活性が阻害される。

【0017】
s2B結合物質及びs1B結合物質としては、ペプチドであってもよく、抗体等のタンパク質であってもよく、糖鎖や脂肪鎖等により修飾されたタンパク質又は核酸であってもよく、低分子化合物であってもよい。抗体としては、モノクローナル抗体であってもよく、ポリクローナル抗体であってもよく、キメラ抗体であってもよく、人工抗体であってもよい。また、s2B結合物質としては、s2Bを形成する領域と特異的に結合可能な物質が好ましく、s1B結合物質としては、s1Bを形成する領域と特異的に結合可能な物質が好ましい。また、PAI-1に対する結合能を損なわない限度において、糖鎖修飾、脂質修飾、リン酸化、ペプチド修飾等の各種修飾が行われていてもよい。s1B結合物質としては、例えば、s2Bを形成する領域又はその部分領域と同一のアミノ酸配列からなるペプチドが挙げられ、s2Bを形成する領域中のヒトPAI-1のF372(372位のフェニルアラニン)からV376(376位のバリン)までの5アミノ酸からなる領域(FMGQV領域、図1の最下段の四角で囲われた領域)に相当する領域と同一のアミノ酸配列からなるペプチドが好ましい。

【0018】
特に、ヒトPAI-1又はヒトPAI-1とのアミノ酸配列の相同性(配列同一性)が高い(例えば、80%以上、好ましくは90%以上)PAI-1に対する阻害剤の場合、本発明に係るPAI-1阻害剤は、PAI-1中の部分領域のうち、G374を含む部分領域である第1領域、又はPAI-1のN31(31位のアスパラギン)からS35(35位のセリン)までの領域を含む第2領域に結合可能な物質からなることが好ましい。活性型PAI-1において、第1領域と第2領域は、分子内相互作用により互いに結合する領域である。第1領域に結合可能な物質(以下、「第1領域結合物質」ということがある。)とPAI-1を結合させることにより、PAI-1分子内における第1領域と第2領域の相互作用が阻害される結果、活性型の安定性が損なわれて潜在型となる結果、PAI活性が阻害される。同様に、第2領域に結合可能な物質(以下、「第2領域結合物質」ということがある。)とPAI-1を結合させることにより、PAI-1分子内における第1領域と第2領域の相互作用が阻害される結果、活性型の安定性が損なわれて潜在型となる結果、PAI活性が阻害される。

【0019】
本発明において、第1領域とは、PAI-1中のG374を含む9以下のアミノ酸残基からなる領域である。第1領域中におけるG374の位置は特に限定されるものではなく、領域の真ん中付近であってもよく、領域の端付近であってもよく、領域のN末端であってもよく、領域のC末端であってもよい。また、第1領域のアミノ酸長は、9以下であれば特に限定されるものではないが、3~9アミノ酸であることが好ましく、3~8アミノ酸であることがより好ましく、4~6アミノ酸であることがさらに好ましく、5アミノ酸であることがよりさらに好ましい。なお、第1領域としては、G374のみであってもよい。

【0020】
本発明における第1領域としては、PAI-1のF372からV376までの5アミノ酸からなる領域(FMGQV領域)を含む領域であることが好ましい。FMGQV領域は、s2B(βシート2B)を形成する領域内にある。中でも、PAI-1のL371(371位のロイシン)からP379(379位のプロリン)までの領域のうちのG374を含む1~9のアミノ酸からなる部分領域であることがより好ましく、PAI-1のL371からP379までの領域のうちのG374を真ん中又はその近傍に含む1~8のアミノ酸からなる部分領域であることがさらに好ましく、PAI-1のF372からV376までの領域がよりさらに好ましい。

【0021】
本発明において、第2領域は、PAI-1のN31からS35までの5アミノ酸からなる領域(NVVFS領域、図1の最上段の四角で囲われた領域)を含む領域である。NVVFS領域は、s1B(βシート1B)を形成する領域内にある。第2領域中におけるNVVFS領域の位置は特に限定されるものではなく、領域の真ん中付近であってもよく、領域の端付近であってもよく、領域のN末端であってもよく、領域のC末端であってもよい。また、第2領域は、NVVFS領域を含むPAI-1の部分領域であれば特に限定されるものではないが、s1Bを形成する領域内にあることが好ましい。本発明における第2領域としては、NVVFS領域を含む12以下のアミノ酸からなる領域であることが好ましく、NVVFS領域を含む8以下のアミノ酸からなる領域であることがより好ましく、NVVFS領域を真ん中又はその近傍に含む8以下のアミノ酸からなる領域であることがさらに好ましく、NVVFS領域がよりさらに好ましい。

【0022】
第1領域結合物質及び第2領域結合物質としては、ペプチドであってもよく、抗体等のタンパク質であってもよく、糖鎖や脂肪鎖等により修飾されたタンパク質又は核酸であってもよく、低分子化合物であってもよい。抗体としては、モノクローナル抗体であってもよく、ポリクローナル抗体であってもよく、キメラ抗体であってもよく、人工抗体であってもよい。また、第1領域結合物質としては、第1領域と特異的に結合可能な物質が好ましく、第2領域結合物質としては、第2領域と特異的に結合可能な物質が好ましい。

【0023】
第1領域結合物質がペプチドの場合、第1領域結合物質としては、前記第2領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列からなるペプチドが好ましく、NVVFSからなるペプチド(配列番号3)がより好ましい。

【0024】
第2領域結合物質がペプチドの場合、第2領域結合物質としては、前記第1領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列からなるペプチドが好ましい。具体的には、LFMGQVMEP(PAI-1のL371からP379までの領域と同一のアミノ酸配列、配列番号2)からなるペプチド、又は配列番号2で表されるアミノ酸配列のうち4番目のグリシン残基を含む3~8アミノ酸の部分アミノ酸配列からなるペプチドが好ましく、FMGQV(PAI-1のF372からV376までの領域と同一のアミノ酸配列、配列番号1)からなるペプチドがより好ましい。

【0025】
本発明に係るPAI-1阻害剤となる第1領域結合物質又は第2領域結合物質は、PAI-1に対する結合能を損なわない限度において、糖鎖修飾、脂質修飾、リン酸化、ペプチド修飾等の各種修飾が行われていてもよい。

【0026】
本発明に係るPAI-1活性の阻害方法は、本発明に係るPAI-1阻害剤を用いることを特徴とする。PAI-1を、本発明に係るPAI-1阻害剤と結合させることにより、PAに対する阻害活性を低下させることができる。本発明に係るPAI-1活性の阻害方法において、活性を阻害する対象となるPAI-1は、いずれの生物種由来のものであってもよいが、哺乳類由来のものが好ましく、ヒト、マウスやラット、サル等の実験動物、ウサギ、イヌ、ウシ、ウマ、ヒツジ等の家畜若しくは愛玩動物等に由来するものがより好ましく、ヒト由来のPAI-1が特に好ましい。また、活性を阻害する対象となるPAI-1は、生体中に存在するものであってもよく、人工的に合成されたものであってもよい。

【0027】
具体的には、PAI-1に、本発明に係るPAI-1阻害剤を接触させることにより、両者を結合させる。in vitroで行う場合には、PBS(リン酸生理食塩水)、Trisバッファー、HEPESバッファー等のバッファー中に、PAI-1とPAI-1阻害剤とを共に含有させた状態で所定の時間インキュベートすることにより、両者を結合させることができる。in vivoで行う場合には、例えば、本発明に係るPAI-1阻害剤を静脈注射等により投与することによって、血液中のPAI-1にPAI-1阻害剤を結合させることができる。

【0028】
本発明に係るPAI-1活性の阻害方法においては、本発明に係るPAI-1阻害剤と共に、その他のPAI-1阻害剤を併用してもよい。その他のPAI-1阻害剤としては、PAI-1のシャッター領域を標的とした阻害剤が挙げられる。

【0029】
<PAI-1阻害剤のスクリーニング方法>
本発明に係るPAI-1阻害剤のスクリーニング方法(以下、単に「本発明に係るスクリーニング方法」ということがある。)は、被験物質の中から、PAI-1中のG374を含む部分領域と同一のアミノ酸配列からなる野生型ペプチドとは結合するが、G374が変異した変異型ペプチドには結合しない若しくは極弱くしか結合しない物質を選択することを特徴とする。野生型ペプチドと結合する物質は、PAI-1の前記第1領域と結合でき、PAI-1分子内における第1領域と第2領域の相互作用が阻害される結果、PAI活性を阻害できる可能性が高い。一方で、変異型ペプチドと結合する物質は、野生型ペプチドと結合可能であったとしても、野生型ペプチドとの結合は非特異的な結合である可能性が高く、PAI-1阻害剤としては好ましくない。すなわち、野生型ペプチドと強く結合し、変異型ペプチドとはほとんど結合しない物質が、PAI-1阻害剤として好適である可能性が高いといえる。

【0030】
当該野生型ペプチドは、具体的には、PAI-1中のG374を含む3~9のアミノ酸残基からなる第1領域と同一のアミノ酸配列からなるペプチドである。当該変異型ペプチドは、具体的には、PAI-1中のG374を含む3~9のアミノ酸残基からなる第1領域と同一のアミノ酸配列のうち、G374のみが酸性アミノ酸残基(アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基)又は塩基性アミノ酸残基(アルギニン残基、ヒスチジン残基、リジン残基)に置換されているアミノ酸配列からなるペプチドである。本発明に係るスクリーニング方法において用いられる野生型ペプチドと変異型ペプチドは、G374に相当するグリシン残基以外は同一であることが好ましい。

【0031】
本発明に係るスクリーニング方法において用いられる野生型ペプチドとしては、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号2で表されるアミノ酸配列のうち4番目のグリシン残基を含む3~8アミノ酸の部分アミノ酸配列からなるペプチドが好ましく、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチドがより好ましい。本発明に係るスクリーニング方法において用いられる変異型ペプチドとしては、配列番号2で表されるアミノ酸配列のうち4番目のグリシン残基のみが酸性アミノ酸残基又は塩基性アミノ酸残基に置換されている3~8アミノ酸の全長又は部分アミノ酸配列からなるペプチドが好ましく、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるペプチドがより好ましい。

【0032】
具体的には、被験物質と前記野生型ペプチドとの結合性を評価し、被験物質と前記変異型ペプチドとの結合性を評価した後、変異型ペプチドとの結合性よりも、野生型ペプチドとの結合性の方が有意に強かった被検物質を、PAI-1阻害剤の候補物質として選択する。野生型ペプチドとの結合性と変異型ペプチドとの結合性の評価は、いずれを先に行ってもよく、同時に行ってもよい。

【0033】
被験物質と野生型ペプチド又は変異型ペプチドの結合性の評価は、2つの物質が互いに結合している量について、定量的又は半定量的に測定可能な方法の中から適宜選択して実施することができる。当該方法としては、例えば、BIACOA、免疫沈降法等が挙げられる。
【実施例】
【0034】
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0035】
なお、以下の実施例において用いた配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド(FMGQVペプチド)及び配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド(FMRQVペプチド)は、いずれもGenscript社により合成及び精製されたもの(HPLCによる精製度が99%以上)を購入したものを、DMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解させた状態で使用した。ヒト遺伝子組み換えPAI-1は、Oxford Biomedical Research社(米国)より購入したものを用い、ヒト遺伝子組み換え一本鎖tPAは、東洋紡第一製薬社より供与頂いたものを用い、uPAは三菱ウェルファーマ社より購入したものを用いた。S2444は、Chromogenix社より購入したものを用いた。
【実施例】
【0036】
[実施例1]
FMGQVペプチド(野生型PAI-1のG374を含む5アミノ酸からなる領域と同一のアミノ酸配列からなるペプチド)と、FMRQVペプチド(G374R変異型PAI-1のG374を含む5アミノ酸からなる領域と同一のアミノ酸配列からなるペプチド)が、PAI-1とtPAとの高分子複合体形成に与える影響を調べた。
まず、HEPESバッファー(20mM、pH7.4、100mM NaCl及び0.1% Tween80を含む。)に、FMGQVペプチド(10mM)又はFMRQVペプチド(10mM)とPAI-1(3μM)含有する反応溶液を調製し、室温で1時間震盪してプレインキュベーションした。次いで、当該反応溶液にtPAを最終濃度が1μMとなるように添加し、30分間37℃でインキュベートした。インキュベート後の反応溶液を、10%SDS-PAGEすることにより、tPA-PAI-1高分子複合体が形成されたかどうかを確認した。FMGQVペプチド又はFMRQVペプチドに代えて、等量の前記HEPESバッファーを添加して同様にインキュベートしたものをコントロール1、等量のDMSOを添加して同様にインキュベートしたものをコントロール2とした。
【実施例】
【0037】
10%SDS-PAGEの結果を図4に示す。図4中、レーン1はPAI-1のみを、レーン2はtPAのみを、レーン3はコントロール1(バッファー添加)を、レーン4はコントロール2(DMSO添加)を、レーン5はFMGQVペプチドを添加した反応溶液を、レーン6はFMRQVペプチドを添加した反応溶液を、それぞれ泳動した結果である。この結果、FMGQVペプチドはtPA-PAI-1高分子複合体形成を阻害したが、溶媒として使用したDMSOとFMRQVペプチドは阻害しなかった。
【実施例】
【0038】
[実施例2]
FMGQVペプチド及びFMRQVペプチドが、uPAに対するPAI-1のPAI活性に与える影響を調べた。uPAに対するPAI活性は、非特許文献11に記載の方法に準じて行った。
具体的には、PAI-1(5nM)とFMGQVペプチド又はFMRQVペプチド(0、0.03、0.07、0.13、0.25、0.5、又は1.0mM)を含有する反応溶液を調製し、当該反応溶液を室温で10分間プレインキュベーションした。次いで、当該反応溶液にuPAを最終濃度が2nMとなるように添加し、10分間37℃でインキュベートした。インキュベート後の反応溶液の残存uPA活性を、特異発色合成基質であるS2444(最終濃度0.4mM)を用いて、405nmの吸光度の増加分として測定した。FMGQVペプチド又はFMRQVペプチドに代えて、等量のDMSOを添加して同様にインキュベートし測定したものをコントロールとした。
【実施例】
【0039】
各反応溶液における405nmの吸光度の増加の測定結果を図5に示す。横軸はS2444添加後の反応時間、縦軸は405nmの吸光度を示す。また、図6に、図5の結果から算出した各ペプチドのPAI阻害活性を示す。横軸は反応溶液に添加したペプチド濃度、縦軸はPAI-1阻害活性(uPAのみを添加した反応溶液におけるS2444水解能を100%として算出した活性(%))を示す。この結果、FMGQVペプチドは濃度依存性にPAI-1のuPA活性阻害活性を抑制し、残存uPA活性が検出できた。特に、1mMのFMGQVペプチド存在下では、uPA残存活性はほぼPAI-1非存在時(図中、「uPA alone」)と同等であった。一方、溶媒として使用したDMSO及びFMRQVペプチドは、uPA活性阻害活性を阻害せず、残存uPA活性が検出できなかった。
【実施例】
【0040】
実施例1及び2の結果から、野生型のアミノ酸配列であるFMGQVペプチドは、tPA-PAI-1高分子複合体形成を阻害し、PAI-1のuPA活性阻害活性を抑制したが、G374R変異型PAI-1のアミノ酸配列であるFMRQVペプチドは、どちらの効果も示さなかった。FMGQVペプチドは、G374近傍と対応するs1BのNVVFS配列部位との結合を競合的に阻害し、高次構造を変化させてPAI-1活性を阻害したと推察された。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係るPAI-1阻害剤及びPAI-1活性の阻害方法を用いることにより、in vitro又はin vivoにおいてPAI-1活性を効果的に抑制することができるため、当該PAI-1阻害剤等は、血栓症や多臓器不全の予防や治療の分野や、より優れたPAI-1阻害剤の開発や製造等の分野で利用が可能である。
図面
【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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