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明細書 :止血装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-139556 (P2015-139556A)
公開日 平成27年8月3日(2015.8.3)
発明の名称または考案の名称 止血装置
国際特許分類 A61B  17/12        (2006.01)
A61B  17/00        (2006.01)
FI A61B 17/12
A61B 17/00 320
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 10
出願番号 特願2014-014026 (P2014-014026)
出願日 平成26年1月29日(2014.1.29)
発明者または考案者 【氏名】只野 耕太郎
【氏名】川嶋 健嗣
【氏名】田邉 稔
【氏名】伴 大輔
【氏名】吉木 均
出願人 【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
【識別番号】504179255
【氏名又は名称】国立大学法人 東京医科歯科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100064414、【弁理士】、【氏名又は名称】磯野 道造
審査請求 未請求
テーマコード 4C160
Fターム 4C160DD70
4C160MM32
要約 【課題】過熱による患部組織の炭化を回避し、高周波ノイズを発生させず、かつ、広範囲に、止血を行うことを課題とする。
【解決手段】本発明は、生体の出血している患部の止血を行う止血装置1であって、水蒸気を発生させるボイラタンク2と、対象患部100に向けられ、ボイラタンク2から送られてきた水蒸気を対象患部100に対して噴霧する噴霧部5と、ボイラタンク2と噴霧部5の間に設けられ、操作者によって水蒸気の噴霧に関する操作が行われると、噴霧部5から水蒸気を噴霧させるフットペダル弁4と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
生体の出血している患部の止血を行う止血装置であって、
水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、
前記患部に向けられ、前記水蒸気発生部から送られてきた水蒸気を噴霧する噴霧部と、
前記水蒸気発生部と前記噴霧部の間に設けられ、操作者によって水蒸気の噴霧に関する操作が行われると、前記噴霧部から水蒸気を噴霧させる噴霧操作部と、
を備えることを特徴とする止血装置。
【請求項2】
手術ロボットを用いて生体の出血している患部の止血を行う止血装置であって、
水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、
前記患部に向けられ、前記水蒸気発生部から送られてきた水蒸気を噴霧する噴霧部と、
前記噴霧部を保持し、保持した前記噴霧部の姿勢を制御信号に基いて制御する前記手術ロボットの保持駆動部と、
操作者によって前記噴霧部の姿勢に関する操作が行われると、その操作に対応する制御信号を前記保持駆動部に送信する遠隔操作装置と、
前記水蒸気発生部と前記噴霧部の間に設けられ、前記操作者によって水蒸気の噴霧に関する操作が行われると、前記噴霧部から水蒸気を噴霧させる噴霧操作部と、
を備えることを特徴とする止血装置。
【請求項3】
前記水蒸気発生部は、密閉容器内で水を加熱して水蒸気を発生させるボイラタンクであり、
前記止血装置は、さらに、
前記ボイラタンクと接続され、所定圧力以上の水蒸気を大気に逃がすリリーフ弁を備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の止血装置。
【請求項4】
前記噴霧操作部は、前記操作者が足で踏むことで前記噴霧部による水蒸気の噴霧に関する操作が行われるフットペダル弁である
ことを特徴とする請求項3に記載の止血装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、生体(人間など)の出血している患部の止血を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
生体の出血している患部の止血を行う方法には、例えば、患部の圧迫や結紮による機械的止血、電気メスによる焼灼(特許文献1参照)や液体窒素による凍結などの物理的止血、薬剤により血管収縮や血液凝固を行う化学的止血などがある。
【0003】
例えば、鏡視下手術(腹腔鏡手術)においては、主に、電気メスを用いた焼灼による物理的止血が行われる。電気メスによれば、高周波電流による抵抗熱で患部組織の水分を爆発蒸散させることで、患部を凝固(蛋白質変性)させ、止血を行うことができる。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】玉置雅弘、「治療手技の進歩(3)‐潰瘍焼灼術」、排尿障害プラクティス、Vol.15、No.3、p.55-59、2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電気メスによる止血では、過熱により患部組織が炭化してしまったり、高周波電流によるノイズ(高周波ノイズ)がペースメーカや手術ロボット等の電子機器に悪影響を及ぼしたりする可能性があるという問題があった。また、患部において電気メスの加熱部分が当接した箇所しか加熱されないので、広範囲の止血には適していないという問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、過熱による患部組織の炭化を回避し、高周波ノイズを発生させず、かつ、広範囲に、止血を行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、生体の出血している患部の止血を行う止血装置であって、水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、前記患部に向けられ、前記水蒸気発生部から送られてきた水蒸気を噴霧する噴霧部と、前記水蒸気発生部と前記噴霧部の間に設けられ、操作者によって水蒸気の噴霧に関する操作が行われると、前記噴霧部から水蒸気を噴霧させる噴霧操作部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
このように、生体の出血している患部に対して水蒸気を噴霧することで、水蒸気が患部の表面に接触して凝縮(液化)する際に大きな凝縮熱を瞬間的に与えることができ、蛋白質変性によって患部を止血することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、患部に水蒸気を噴霧することにより、過熱による患部組織の炭化を回避し、高周波ノイズを発生させず、かつ、広範囲に、止血を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の止血装置の全体構成図である。
【図2】本実施形態の止血装置におけるチューブの構造図である。
【図3】ノズルの種類と、それぞれの加熱範囲を示す説明図である。
【図4】止血装置を用いて止血を行う様子を示す模式図である。
【図5】止血装置を手術ロボットに適用した場合の、噴霧部と手術ロボットの保持駆動部の構造図である。
【図6】手術ロボットに適用した止血装置の全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)の止血装置について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態において、生体の出血している患部の止血を行う止血装置1は、ボイラタンク2(水蒸気発生部)と、圧力計3と、フットペダル弁4(噴霧操作部)と、噴霧部5と、リリーフ弁6と、チューブ7(水蒸気用配管)とを備える。なお、ボイラタンク2と、フットペダル弁4と、噴霧部5と、リリーフ弁6とは、図示のようにチューブ7で接続されている。

【0012】
ボイラタンク2(以下、単に「タンク」とも称する。)は、密閉容器内で水を加熱して水蒸気を発生させる装置である。
圧力計3は、ボイラタンク2における水蒸気の圧力を計測し、表示する。

【0013】
フットペダル弁4は、ボイラタンク2と噴霧部5の間に設けられ、操作者が足で踏むことで噴霧部5による水蒸気の噴霧に関する操作が行われると開弁し、対象患部100(患部)などに向けられた噴霧部5から水蒸気を噴霧させる装置である。対象患部100のうち、水蒸気が噴霧された部分は加熱され、被加熱部101となる。

【0014】
噴霧部5は、ボイラタンク2からチューブ7を経由して(以下、説明を簡潔にするために「チューブ7を経由して」の記載は適宜省略する。)送られてきた水蒸気を、フットペダル弁4の開弁時に、ノズル51から対象患部100(患部)に対して噴霧する装置である。なお、噴霧部5のノズル51から対象患部100までの距離は、操作者が、対象患部100の状態や形状などから適宜判断して決定し、調節すればよい。

【0015】
リリーフ弁6は、ボイラタンク2とチューブ7を介して接続され、所定圧力以上の水蒸気を大気に逃がすことでボイラタンク2内が所定圧力以上にならないようにし、ボイラタンク2の故障や事故を防ぐ安全装置である。

【0016】
図2に示すように、チューブ7は、内側樹脂層71(例えばフッ素ゴム製)の外側に断熱層72(例えばポリエチレン製)が設けられ、さらに断熱層72の外側に外側樹脂層73(例えばフッ素ゴム製)が設けられた三重構造となっており、内側樹脂層71の内側に水蒸気用空間74が設けられている。断熱層72により、水蒸気用空間74を通過する水蒸気からチューブ7の外部に逃げる熱の量を低減させることができる。これにより、水蒸気がボイラタンク2から噴霧部5まで移動する際に気相から液相に変化することを防ぐことができる。また、水蒸気用空間74を水蒸気が通過している場合でも、外側樹脂層73の温度があまり上がらないため、作業者がチューブ7を素手で触ることができる。

【0017】
次に、図3を参照して、噴霧部5のノズル51の種類と、それぞれの場合の加熱範囲について説明する。図3に示すように、噴霧部5に対して、ノズル51a,51b,51cのいずれかを、ねじ52によって取り付けることができる。なお、ノズル51の形状はこれら以外であってもよい。

【0018】
ノズル51aは、水蒸気が排出される孔を4つ有しており、この場合、加熱範囲は、領域Raのような形状となる。
ノズル51bは、軸方向に垂直な断面視で見た場合に円形が外側に向かって大きくなっていく形状となっており、この場合、加熱範囲は、領域Rbのような円の形状となる。
ノズル51cは、水蒸気が排出される孔が細長い形状となっており、この場合、加熱範囲は、領域Rcのような細長い形状となる。

【0019】
水蒸気を用いた加熱の大きな特徴は、水蒸気が対象患部の表面に接触して凝縮(液化)した際に大きな凝縮熱を瞬間的に与えることができることと、面的な加熱が可能なことである。そして、ノズル51の形状、ノズル51の孔の数、噴霧対象との距離などによって、様々な加熱範囲を実現することができる。しかも、凝縮熱は対象患部の表面に瞬間的に与えられるため、その熱が深部まで届かず、患部の深部を不要に蛋白質変性させる事態を回避できる。
なお、以下で説明する図4、図5では、ノズル51として、図3のノズル51bを採用している。

【0020】
次に、図4を参照して、止血装置1を用いて止血を行う様子について説明する。図4に示すように、操作者201は、ベッド102上に仰臥して手術用シーツ103(対象患部100に対応する部分は開放されている。)をかけられている患者Cの対象患部100に対してノズル51が向くように噴霧部5を保持し、フットペダル弁4を踏むことで、ノズル51から水蒸気を対象患部100に対して噴霧させ、水蒸気による患部組織の蛋白質変性によって対象患部100を止血することができる。なお、蛋白質変性が起きる温度は、蛋白質の種類によって若干異なるが、概ね70℃程度である。

【0021】
ここで、止血装置1の動作原理と理論計算について説明する。
対象患部100に与える熱量は、水蒸気の温度と単位時間あたりの流量によって決定する。止血装置1における水蒸気の温度管理は、ボイラタンク2内で飽和した水蒸気の圧力を調整することによって行う。なお、水蒸気の飽和状態では、温度は圧力の関数であるから、圧力を計測すれば温度も計算により求まる。

【0022】
止血装置1における水蒸気の流量管理は、圧縮性流体である水蒸気をチョークさせて行う。以下、詳細に説明する。
水蒸気のような圧縮性流体の流量制御は一般に容易ではないが、上流圧力と下流圧力の比が式(1)に示す臨界圧力比bよりも小さくなるという条件を満たすと、流れは速度限界に達し、いわゆるチョーク流れとなり、式(2)に示す簡易な流量式で流量を計算できる。
【数1】
JP2015139556A_000003t.gif
ここで、Rは気体定数、κは比熱比(水蒸気の場合κ=1.34)、Pは上流圧力(タンク内圧)、Pは下流圧力(噴霧先の圧力。本実施形態では大気圧)、Gは質量流量、Sは管路の有効断面積(実際の断面積よりも少し小さい)、θはタンク内温度である。このとき、タンク内は飽和水蒸気で満たされているため、温度θは内圧Pにより一義的に定まる。また、Sは設計時に定まるため、質量流量Gはタンク内圧Pのみにより定まる。

【0023】
次に、止血装置1によって対象に投射する熱エネルギーに関する理論計算を示す。
水蒸気の持つ熱エネルギー(エンタルピ)は、気相の顕熱、凝縮熱伝達により素早く伝わる潜熱(気体・液体間の潜熱。以下同様)、および、熱伝導により比較的緩やかに伝わる液相の顕熱に分類できる。水蒸気は潜熱が大きく、熱エネルギーを対象に対して瞬間的に与えることができる。なお、気相顕熱は2.0kJ/kg・K、潜熱は2.3M(メガ)J/kg、液相顕熱は4.2kJ/kg・Kである。これらの質量あたりの熱量と、質量流量Gにより、投射熱量Q[W]が定まる。

【0024】
次に、止血装置1によって対象患部100の加熱を行う場合に必要な水蒸気の質量と噴霧時間の計算例を示す。

【0025】
チューブ7が内径直径2mmの円形状とすると、チューブ7の有効断面積Sは約2.8mmとなる。ボイラタンク2内の圧力(P)を200kPa(abs)、大気圧(P)を100kPa(abs)とし、チョーク流れになる条件式(1)を満たすとする。このとき、タンク内圧(P)が200kPa(abs)であることから、飽和蒸気圧曲線(不図示)から水蒸気の温度は125℃となる。そして、式(2)に各値を代入すると、質量流量(G)は1.1g/sと算出される。

【0026】
次に、125℃の水蒸気が生体に与える質量あたりの熱エネルギー(エンタルピ)を計算する。ここで、水蒸気噴霧による伝熱は、前記したように、気相の顕熱、凝縮熱(潜熱)、および、液相の顕熱の3つの種類があるが、伝熱時間の極めて短い凝縮熱伝熱が主であるため、以下の噴霧時間の計算においては潜熱のみを考慮する。37℃の生体に対して125℃の水蒸気が持つ水蒸気の熱エネルギーのうち、89%は潜熱であり、潜熱の大きさは2.3kJ/g(=2.3M(メガ)J/kg)である。したがって、噴霧によって対象に投射される熱エネルギーは、1.1g/s×2.3kJ/g=2.53kWとなる。

【0027】
この値を含む各値を用いて、実際に生体に噴霧する場合に必要な噴霧時間を、想定ケースに基づき算出する。このとき、生体の温度は37℃、比熱は4.2mJ/mm・Kで一様であるものとする。

【0028】
まず、ポリープ様の患部を結紮し切除した痕を想定し、直径20mm、深さ3mmの円柱形状の範囲(10mm×10mm×3.14×3mm=942mm)を90℃まで加熱する(すなわち53K温度上昇させる)ものとする。このとき必要な熱量は、942mm×53K×4.2mJ/mm・K≒210Jである。したがって、水蒸気から対象への伝熱効率を100%と仮定した場合、止血装置1による水蒸気噴霧を約83ms(=210J/2.53kW)行うことで加熱・止血が達成される。伝熱効率を30%と仮定した場合は約277ms(=(210J/2.53kW)/0.3)、伝熱効率を10%と仮定した場合は約830ms(=(210J/2.53kW)/0.1)となる。

【0029】
次に、潰瘍に対して水蒸気を用いた止血を行う場合を想定する。潰瘍は幅5mm、長さ10mm程度のスロット状の形状で、深さ5mmの範囲(5mm×10mm×5mm=250mm)を90℃まで加熱する(すなわち53K温度上昇させる)とする。このとき必要な熱量は250mm×53K×4.2mJ/mm・K≒56Jである。したがって、水蒸気から対象への伝熱効率を100%と仮定した場合、止血装置1による水蒸気噴霧を約22ms(=56J/2.53kW)行うことで加熱・止血が達成される。伝熱効率を30%と仮定した場合は約74ms(=(56J/2.53kW)/0.3)、伝熱効率を10%と仮定した場合は約220ms(=(56J/2.53kW)/0.1)となる。

【0030】
なお、実際の伝熱効率は、諸条件による。したがって、例えば、実際に行う予定の諸条件に基いて予め実験して伝熱効率を求め、その伝熱効率に基いて水蒸気の噴霧時間を決定してもよい。また、その決定した噴霧時間で水蒸気噴霧を行った後、対象患部が止血されたか否かを操作者が目視確認し、止血されていなければさらに水蒸気噴霧を行うなど、微調整を行ってもよい。また、噴霧時間を予め決定せず、操作者が、対象患部の出血状況を目視確認しながら、対象患部が止血されるまで水蒸気噴霧を行ってもよい。

【0031】
このように、本実施形態の止血装置1によれば、対象患部100に対して水蒸気噴霧を行うことによって、過熱による患部組織の炭化を回避し、高周波ノイズを発生させず、かつ、広範囲の止血を行うことができる。これにより、心電図機器等の電子機器に対するリスク要因が排除され、安全な手術が実現できる。

【0032】
なお、前記したように、この水蒸気噴霧による止血では、気相の顕熱、凝縮熱(潜熱)、および、液相の顕熱のうち、主に凝縮熱(潜熱)が大きく作用することによって止血を行うため、噴霧部5から噴霧される水蒸気の温度は、例えば、125℃の場合と105℃の場合とで、作用効果に大きな差は生じない。

【0033】
次に、本実施形態の止血装置を、鏡視下手術を行う手術ロボットに適用する場合について説明する。図5は、噴霧部と手術ロボットの保持駆動部の構造図である。図5に示すように、噴霧部5を手術ロボットの保持駆動部301に保持させることで、噴霧部5を手術ロボットに適用することができる。
保持駆動部301は、噴霧部5を保持し、保持した噴霧部5の姿勢(位置)を、制御信号に基いて制御する、手術ロボットの装置である。保持駆動部301は、配線302から供給される電力によって動作する。

【0034】
図6に示すように、手術ロボットに適用される止血装置1aは、図1で示した各構成に加えて、保持駆動部301と、遠隔操作装置501とを、さらに備える。
遠隔操作装置501は、操作者によって噴霧部5の姿勢に関する操作が行われる装置であり、その操作に対応する制御信号を保持駆動部301に送信する。遠隔操作装置501としては、例えば、センサブル・テクノロジーズ社製のPHANTOM Omniを用いることができる。

【0035】
止血装置1aでは、噴霧部5を、ガイドであるトロッカ401内を経由して腹腔内に挿入し、使用する。
なお、手術ロボットとしては、一般に、他に、遠隔操作装置501と保持駆動部301の間に設けられるマスタコンピュータとスレーブコンピュータや、噴霧部5の位置情報を計測する位置検知センサなどが使用されるが、図6ではそれらの図示を省略している。

【0036】
このようにして、鏡視下手術を行う手術ロボットに適用する止血装置1aを容易に実現することができる。これにより、水蒸気噴霧による広範囲な面的止血を実現できるので、鏡視下手術における術式の幅が広がる。

【0037】
なお、発明者らは、止血装置1aを用いて、豚の脾臓を使った鏡視下手術ロボットにおける止血実証実験を行い、水蒸気噴霧による止血が成功したことを確認した。

【0038】
以上で本実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
例えば、噴霧操作部としては、フットペダル弁4の代わりに、操作者が手で操作する装置を用いてもよい。

【0039】
また、ボイラタンク2から噴霧部5までの間のチューブ7のどこかに、マイクロ波などによってチューブ7内の水蒸気を加熱する装置を導入してもよい。
また、手術ロボットに適用した止血装置1aの場合、噴霧部5は、鉗子に付随させて固定してもよいし、もしくは、内視鏡の付近に固定してもよい。

【0040】
また、チューブ7は、金属製などであってもよい。
その他、具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1,1a 止血装置
2 ボイラタンク
3 圧力計
4 フットペダル弁
5 噴霧部
6 リリーフ弁
7 チューブ
51,51a,51b,51c ノズル
71 内側樹脂層
72 断熱層
73 外側樹脂層
74 水蒸気用空間
100 対象患部
101 被加熱部
102 ベッド
103 手術用シーツ
201 操作者
301 保持駆動部
302 配線
401 トロッカ
501 遠隔操作装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5