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明細書 :蓄電装置およびその制御方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-177718 (P2015-177718A)
公開日 平成27年10月5日(2015.10.5)
発明の名称または考案の名称 蓄電装置およびその制御方法
国際特許分類 H02J   7/00        (2006.01)
H01M  10/44        (2006.01)
H01M  10/48        (2006.01)
FI H02J 7/00 302C
H02J 7/00 H
H01M 10/44 Q
H01M 10/48 P
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 13
出願番号 特願2014-054882 (P2014-054882)
出願日 平成26年3月18日(2014.3.18)
発明者または考案者 【氏名】山村 朝雄
【氏名】坂本 清志
出願人 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100087480、【弁理士】、【氏名又は名称】片山 修平
【識別番号】100137615、【弁理士】、【氏名又は名称】横山 照夫
審査請求 未請求
テーマコード 5G503
5H030
Fターム 5G503BA03
5G503BA04
5G503BB01
5G503BB02
5G503BB03
5G503BB05
5G503GA01
5G503GD02
5G503HA02
5H030AA01
5H030AS03
5H030AS08
5H030BB01
5H030BB08
5H030BB21
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
要約 【課題】電池間の端子間電圧を均一化し、かつ大電流放電を可能とすること。
【解決手段】第1端子と第2端子との間に直列に接続された複数の電池と、第1端子と第2端子との間に直列に接続された複数のキャパシタと、電池の第1端子側のノードと対応するキャパシタの第2端子側のノードとの間に接続された複数の第1スイッチと、電池の第2端子側のノードと対応するキャパシタの第2端子側のノードとの間に接続された第2スイッチと、第1端子とキャパシタのうち最も第1端子側のキャパシタの第1端子側のノードとの間に接続された第3スイッチと、電池を第1電流で放電するときに第1スイッチと第2スイッチおよび第3スイッチとを交互にオンおよびオフし、かつ電池を第1電流より大きい第2電流で放電するときに第1スイッチをオフし第2スイッチのうち最も第2端子側の第2スイッチと第3スイッチをオンする制御部と、を具備する蓄電装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
第1端子と第2端子との間に直列に接続された複数の電池と、
前記第1端子と前記第2端子との間に直列に接続され、前記複数の電池にそれぞれ対応する複数のキャパシタと、
それぞれが、前記複数の電池のそれぞれの前記第1端子側のノードと、前記対応するキャパシタの前記第2端子側のノードと、の間に接続された複数の第1スイッチと、
それぞれが、前記複数の電池のそれぞれの前記第2端子側のノードと、前記対応するキャパシタの前記第2端子側のノードと、の間に接続された複数の第2スイッチと、
前記第1端子と、前記複数のキャパシタのうち最も前記第1端子側のキャパシタの前記第1端子側のノードと、の間に接続された第3スイッチと、
前記複数の電池を第1電流で放電するときに、前記複数の第1スイッチと、前記複数の第2スイッチおよび前記第3スイッチと、を交互にオンおよびオフし、かつ前記複数の電池を前記第1電流より大きい第2電流で放電するときに、前記複数の第1スイッチをオフし、前記複数の第2スイッチのうち最も前記第2端子側の第2スイッチと前記第3スイッチをオンする制御部と、
を具備することを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
第1端子と第2端子との間に直列に接続された複数の電池と、
前記第1端子と前記第2端子との間に直列に接続され、前記複数の電池にそれぞれ対応する複数のキャパシタと、
それぞれが、前記複数の電池のそれぞれの前記第1端子側のノードと、前記対応するキャパシタの前記第2端子側のノードと、の間に接続された複数の第1スイッチと、
それぞれが、前記複数の電池のそれぞれの前記第2端子側のノードと、前記対応するキャパシタの前記第2端子側のノードと、の間に接続された複数の第2スイッチと、
前記第1端子と、前記複数のキャパシタのうち最も前記第1端子側のキャパシタの前記第1端子側のノードと、の間に接続された第3スイッチと、
前記複数の電池を第1電流で放電するときに、前記複数の第1スイッチ、前記複数の第2スイッチおよび前記第3スイッチを制御することにより、前記複数の電池および前記複数のキャパシタのそれぞれの電圧を均一化し、かつ前記複数の電池を前記第1電流より大きい第2電流で放電するときに、前記複数の第1スイッチをオフし、前記複数の第2スイッチのうち最も前記第2端子側の第2スイッチと前記第3スイッチをオンする制御部と、
を具備することを特徴とする蓄電装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の電池を前記第2電流で放電するときに、前記複数の第2スイッチのうち最も前記第2端子側の第2スイッチ以外をオンすることを特徴とする請求項1または2記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数の電池を前記第2電流で放電するときに、前記複数の第2スイッチのうち最も前記第2端子側の第2スイッチ以外をオフすることを特徴とする請求項1または2記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数の電池を充電するときに、前記複数の第1スイッチと、前記複数の第2スイッチおよび前記第3スイッチと、を交互にオンおよびオフすることを特徴とする請求項1記載の蓄電装置。
【請求項6】
第1端子と第2端子との間に直列に接続された複数の電池と、
前記第1端子と前記第2端子との間に直列に接続され、前記複数の電池にそれぞれ対応する複数のキャパシタと、
それぞれが、前記複数の電池のそれぞれの前記第1端子側のノードと、前記対応するキャパシタの前記第2端子側のノードと、の間に接続された複数の第1スイッチと、
それぞれが、前記複数の電池のそれぞれの前記第2端子側のノードと、前記対応するキャパシタの前記第2端子側のノードと、の間に接続された複数の第2スイッチと、
前記第1端子と、前記複数のキャパシタのうち最も前記第1端子側のキャパシタの前記第1端子側のノードと、の間に接続された第3スイッチと、
を具備する蓄電装置の制御方法であって、
前記複数の電池を第1電流で放電するときに、前記複数の第1スイッチと、前記複数の第2スイッチおよび前記第3スイッチと、を交互にオンおよびオフするステップと、
前記複数の電池を前記第1電流より大きい第2電流で放電するときに、前記複数の第1スイッチをオフし、前記複数の第2スイッチのうち最も前記第2端子側の第2スイッチと前記第3スイッチをオンするステップと、
を含むことを特徴とする蓄電装置の制御方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置およびその制御方法に関し、例えば複数の電池とキャパシタとを備える蓄電装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池を用いた蓄電装置は、電池容量を大きくするため複数の電池(例えば電池セル)を直列に接続する。特許文献1および2には、電池に並列にキャパシタを接続した蓄電装置が開示されている。特許文献1では、電池に並列に接続されるキャパシタをスイッチで逐次切り換える。特許文献2では、複数の電池に複数のキャパシタが並列に接続されている。特許文献3および4には、スイッチを用い電池の電圧を均等化することが開示されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2013-192371号公報
【特許文献2】特開2009-199830号公報
【特許文献3】特表2000-511398号公報
【特許文献4】特開2008-219964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の電池間に容量のばらつきがあると、充電放電容量は容量の小さい電池で決まってしまう。特許文献1の方法では、キャパシタにより電池間で電荷が移動するため、電池間の端子間電圧を均一化できる。これにより、各電池の容量に応じ充放電できる。一方、電池を大電流で放電させる場合、電池の内部抵抗が高いため、電圧降下が大きくなる。キャパシタは、電池に比べ内部抵抗が小さい。このため、電池に並列にキャパシタを接続する。これにより、大電流で放電する際の電圧低下を抑制できる。しかしながら、特許文献1のように、電池間の端子間電圧を均一化すると、大電流での放電が難しい。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、電池間の端子間電圧を均一化し、かつ大電流での放電を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1端子と第2端子との間に直列に接続された複数の電池と、前記第1端子と前記第2端子との間に直列に接続され、前記複数の電池にそれぞれ対応する複数のキャパシタと、それぞれが、前記複数の電池のそれぞれの前記第1端子側のノードと、前記対応するキャパシタの前記第2端子側のノードと、の間に接続された複数の第1スイッチと、それぞれが、前記複数の電池のそれぞれの前記第2端子側のノードと、前記対応するキャパシタの前記第2端子側のノードと、の間に接続された複数の第2スイッチと、前記第1端子と、前記複数のキャパシタのうち最も前記第1端子側のキャパシタの前記第1端子側のノードと、の間に接続された第3スイッチと、前記複数の電池を第1電流で放電するときに、前記複数の第1スイッチと、前記複数の第2スイッチおよび前記第3スイッチと、を交互にオンおよびオフし、かつ前記複数の電池を前記第1電流より大きい第2電流で放電するときに、前記複数の第1スイッチをオフし、前記複数の第2スイッチのうち最も前記第2端子側の第2スイッチと前記第3スイッチをオンする制御部と、を具備することを特徴とする蓄電装置である。
【0007】
本発明は、第1端子と第2端子との間に直列に接続された複数の電池と、前記第1端子と前記第2端子との間に直列に接続され、前記複数の電池にそれぞれ対応する複数のキャパシタと、それぞれが、前記複数の電池のそれぞれの前記第1端子側のノードと、前記対応するキャパシタの前記第2端子側のノードと、の間に接続された複数の第1スイッチと、それぞれが、前記複数の電池のそれぞれの前記第2端子側のノードと、前記対応するキャパシタの前記第2端子側のノードと、の間に接続された複数の第2スイッチと、前記第1端子と、前記複数のキャパシタのうち最も前記第1端子側のキャパシタの前記第1端子側のノードと、の間に接続された第3スイッチと、前記複数の電池を第1電流で放電するときに、前記複数の第1スイッチ、前記複数の第2スイッチおよび前記第3スイッチを制御することにより、前記複数の電池および前記複数のキャパシタのそれぞれの電圧を均一化し、かつ前記複数の電池を前記第1電流より大きい第2電流で放電するときに、前記複数の第1スイッチをオフし、前記複数の第2スイッチのうち最も前記第2端子側の第2スイッチと前記第3スイッチをオンする制御部と、を具備することを特徴とする蓄電装置である。
【0008】
上記構成において、前記制御部は、前記複数の電池を前記第2電流で放電するときに、前記複数の第2スイッチのうち最も前記第2端子側の第2スイッチ以外をオンする構成とすることができる。
【0009】
上記構成において、前記制御部は、前記複数の電池を前記第2電流で放電するときに、前記複数の第2スイッチのうち最も前記第2端子側の第2スイッチ以外をオフする構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記制御部は、前記複数の電池を充電するときに、前記複数の第1スイッチと、前記複数の第2スイッチおよび前記第3スイッチと、を交互にオンおよびオフする構成とすることができる。
【0011】
本発明は、第1端子と第2端子との間に直列に接続された複数の電池と、前記第1端子と前記第2端子との間に直列に接続され、前記複数の電池にそれぞれ対応する複数のキャパシタと、それぞれが、前記複数の電池のそれぞれの前記第1端子側のノードと、前記対応するキャパシタの前記第2端子側のノードと、の間に接続された複数の第1スイッチと、それぞれが、前記複数の電池のそれぞれの前記第2端子側のノードと、前記対応するキャパシタの前記第2端子側のノードと、の間に接続された複数の第2スイッチと、前記第1端子と、前記複数のキャパシタのうち最も前記第1端子側のキャパシタの前記第1端子側のノードと、の間に接続された第3スイッチと、を具備する蓄電装置の制御方法であって、前記複数の電池を第1電流で放電するときに、前記複数の第1スイッチと、前記複数の第2スイッチおよび前記第3スイッチと、を交互にオンおよびオフするステップと、前記複数の電池を前記第1電流より大きい第2電流で放電するときに、前記複数の第1スイッチをオフし、前記複数の第2スイッチのうち最も前記第2端子側の第2スイッチと前記第3スイッチをオンするステップと、を含むことを特徴とする蓄電装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電池間の端子間電圧を均一化し、かつ大電流での放電を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例1に係る蓄電装置の回路図である。
【図2】図2は、実施例1に係る蓄電装置において通常の充放電を行なう場合の各スイッチのオンおよびオフのタイミングチャートである。
【図3】図3(a)および図3(b)は、実施例1に係る蓄電装置において大電流での放電時の各スイッチのオンおよびオフのタイミングチャートである。
【図4】図4は、比較例1に係る蓄電装置の回路図である。
【図5】図5(a)から図5(d)は、実施例1および比較例2における充電時のシミュレーション結果を示す図である。
【図6】図6(a)から図6(d)は、実施例1および比較例2における放電時のシミュレーション結果を示す図である。
【図7】図7(a)から図7(d)は、実施例1および比較例2における大電流での放電時のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、実施例1に係る蓄電装置の回路図である。図1に示すように、蓄電装置100は、複数の電池B1からB6、複数のキャパシタC1からC6、スイッチSW11からSW16、SW21からSW26およびSW3、並びに制御部10を備えている。
【実施例1】
【0016】
電池B1からB6は、端子T1と端子T2との間に直列に接続されている。複数のキャパシタC1からC6は、端子T1とT3との間に直列に、かつ電池B1からB6と並列に接続されている。電池B1からB6の個数とキャパシタC1からC6の個数とは同じである。電池B1からB6とキャパシタC1からC6は、それぞれ対応している。電池B1からB6は、例えば二次電池であり、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、またはナトリウム硫黄電池である。電池B1からB6は、例えば電池セルに対応してもよい。
【実施例1】
【0017】
スイッチSW11からSW16は、それぞれ電池B1からB6の端子T1側のノードと、対応するキャパシタC1からC6の端子T2側のノードと、の間に接続されている。スイッチS21からSW26は、それぞれ電池B1からB6の端子T2側のノードと、対応するキャパシタC1からC6の端子T2側のノードと、の間に接続されている。スイッチSW3は、端子T1と、複数のキャパシタのうち最も端子T1側のキャパシタC1の端子T1側のノードと、の間に接続されている。スイッチSW11からSW16、SW21からSW26およびSW3は、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等のトランジスタである。
【実施例1】
【0018】
制御部10は、スイッチSW11からSW16、SW21からSW26およびSW3のオンおよびオフを制御する。制御部10は、電池B1からB6を通常の電流で充放電する場合と、電池B1からB6を大電流で放電する場合と、の2つの場合で、異なる制御を行なう。大電流で放電する場合の電流(第2電流)は、通常の電流で放電する場合の電流(第1電流)より大きい。例えば、第2電流は第1電流の2倍以上、または10倍以上である。
【実施例1】
【0019】
図2は、実施例1に係る蓄電装置において通常の充放電を行なう場合の各スイッチのオンおよびオフのタイミングチャートである。図2に示すように、制御部10は、期間T10において、スイッチSW11からSW16をオンとし、スイッチSW21からSW26およびSW3をオフとする。制御部10は、期間T20において、スイッチSW11からSW16をオフとし、スイッチSW21からSW26およびSW3をオンとする。このように、制御部10は、スイッチSW11からSW16と、スイッチSW21からSW26およびSW3と、を交互にオンおよびオフする。
【実施例1】
【0020】
これにより、電池B1は、キャパシタC1とC2とに交互に並列に接続される。また、電池B2は、キャパシタC2およびC3と交互に並列に接続される。よって、電池B1の電圧(端子間電圧)とB2の電圧とは、キャパシタC2を介した電荷の移動により均一化される。同様に、電池B2からB6についてもキャパシタC2からC6を介した電荷の移動によって電圧が均一化される。電圧が均一化された後には、電池B1からB6およびキャパシタC1からC6の互いの電圧(端子間電圧)はほぼ同じとなる。
【実施例1】
【0021】
なお、図2において、期間T10と期間T20との間に各スイッチがオフする期間を設けてもよい。また、制御部10は、複数の電池B1からB2を充放電するときに、複数のスイッチSW11からSW16、複数のスイッチSW21からSW26およびスイッチSW3と、を制御することにより、複数の電池B1からB6および複数のキャパシタC1からC6のそれぞれの電圧をほぼ均一化すればよい。
【実施例1】
【0022】
図3(a)および図3(b)は、実施例1に係る蓄電装置において大電流での放電時の各スイッチのオンおよびオフのタイミングチャートである。図3(a)に示すように、時刻t1前において、スイッチS11からSW16、スイッチSW21からSW26、スイッチS3は、オフである。制御部10は、時刻t1において、スイッチSW3およびSW26(スイッチS21からS26のうち最も端子T2側のスイッチ)をオンし、残りのスイッチをオフに維持する。制御部10は、時刻t2において、スイッチSW3およびSW26をオフし、残りのスイッチをオフに維持する。このように、制御部10は、電池B1からB6を大電流で放電するときに、スイッチSW11からSW16をオフし、スイッチSW26とSW3をオンし、スイッチSW21からSW25をオフする。
【実施例1】
【0023】
これにより、キャパシタC1からC6は端子T1とT2との間に直列に接続され、かつ電池B1からB6に並列に接続される。端子T1とT2との間の放電電流は、主に内部抵抗の小さいキャパシタC1からC6を介して流れる。よって、電池の電圧降下を抑制できる。
【実施例1】
【0024】
図4は、比較例1に係る蓄電装置の回路図である。比較例1は、特許文献1の技術を応用した例である。図4に示すように、比較例1では、実施例1のキャパシタC1とスイッチS3が設けられていない。その他の構成は実施例1の図1と同じであり、説明を省略する。比較例1では、制御部10が図2と同様に、スイッチSW11からSW16とスイッチSW21からSW26とを交互にオンおよびオフする。これにより、キャパシタC2からC6を介し電荷が移動するため、電池B1からB6の電圧を均一化できる。
【実施例1】
【0025】
実施例1の図3(a)と同様に、比較例1において、電池B1からB6とキャパシタC2からC6とを並列に接続し、大電流で放電させる場合を考える。この場合、端子T1とT2との間に電池B1からB6が6個直列に接続される。一方、キャパシタC2からC6は5個直列に接続される。電池B1からB6間の電圧が均一化されると、電池B1からB6およびキャパシタC2からC6の電圧Eはほぼ等しい。このとき、ノードN11とN12との間の電圧は6×Eであり、ノードN21とN22との間の電圧は5×Eである。よって、ノードN11とN21とを接続し、かつノードN12とN22とを接続すると、過電流が流れてしまう。このため、比較例1では、電池B1からB6に並列にキャパシタC2からC6を接続することが難しい。
【実施例1】
【0026】
一方、実施例1によれば、電池B1からB6とキャパシタC1からC6との個数がそれぞれ6個と同じである。通常の充放電の場合、制御部10は、スイッチSW3をスイッチSW21からSW26と同期してオンおよびオフする。これにより、キャパシタC1は、キャパシタC2からC6とほぼ同じ電圧となる。よって、ノードN11とN12との間の電位差は6×Eであり、ノードN21とN22との間の電位差は6×Eであり、ほぼ同じとなる。このため、電池B1からB6に並列にキャパシタC2からC6を接続することができる。
【実施例1】
【0027】
図3(b)に示すように、制御部10は、時刻t1において、スイッチSW3およびSW21からSW26をオンし、スイッチSW11からSW16をオフに維持する。制御部10は、時刻t2において、スイッチSW3およびSW21から26をオフし、スイッチSW11からSW16をオフに維持する。このように、制御部10は、電池B1からB6を大電流で放電するときに、スイッチSW26に加えSW21からSW25をオンしてもよい。各電池B1からB6および各キャパシタC1からC6の電圧はほぼ同じため、スイッチS21からSW25にはほとんど電流は流れない。図3(b)では、オンまたはオフするスイッチを、スイッチSW11からSW16のグループと、スイッチSW21からSW26およびスイッチSW3と、の2つのグループに分けることができる。通常の充放電の場合も大電流で放電する場合も、これらのグループは変わらない。よって、制御部10の制御を簡素化できる。
【実施例1】
【0028】
図3(a)および図3(b)において、時刻t1前および時刻t2後において、図2のように、各スイッチをオンおよびオフ動作していてもよい。
【実施例1】
【0029】
実施例1について、充放電特性のシミュレーションを行なった。シミュレーションでは、電池B1からB6として鉛蓄電池を用いた。シミュレーションの条件は以下である。
【実施例1】
【0030】
6電池(6セル)における充電上限電圧および放電下限電圧は、それぞれ13.7Vおよび10.5Vである。1電池(1セル)における充電上限電圧は、2.28Vおよび1.75Vである。電池1個の電池容量を10Ahとすると、電池1個に蓄積される電荷量は、10A×3600秒=36000Cである。よって、電池1個の静電キャパシタンスは、36000C/(2.28-1.75)V=68000Fである。
【実施例1】
【0031】
電池B1からB3、B5からB6を正常な電池セルとして、容量を68000/10F/Ah、電池B4を例えば劣化した電池セルとして、容量を34000/5F/Ahとした。各電池B1からB6の初期電圧は2.28V、内部抵抗は0.02Ωとした。キャパシタC1からC6は、静電容量を1000F、初期電圧を2.28V、内部抵抗を0.005Ωとした。
【実施例1】
【0032】
放電および充電の端子T1からT2間に流れる電流を4A、スイッチのオンおよびオフの周波数を1Hzとした。充電時は、端子T1とT2との間の電圧が充電上限電圧である13.7Vで制限され、放電時は、端子T1とT2との間の電圧が放電下限電圧である10.5Vで制限されるとした。
【実施例1】
【0033】
比較例2として、スイッチが全てオフの場合についてシミュレーションした。
【実施例1】
【0034】
図5(a)から図5(d)は、実施例1および比較例2における充電時のシミュレーション結果を示す図である。図5(a)は、時間に対する端子T1とT2間の電圧を示す図、図5(b)は、時間に対する端子T1からT2に流れる電流を示す図である。実線は実施例1、破線は比較例2を示す。図5(c)は、実施例1における時間に対する各電池セルの端子間電圧を示す図である。実線は電池B3およびB4の電圧、破線は電池B1、B2、B5およびB6の電圧を示す。図5(d)は、比較例2における時間に対する各電池セルの端子間電圧を示す図である。実線は電池B4の電圧、破線は電池B1からB3、B5およびB6の電圧を示す。
【実施例1】
【0035】
図5(a)および図5(b)に示すように、4Aの電流で充電を行なうと、端子T1とT2との間の電圧は上昇する。電圧が充電上限電圧となると充電が停止する。実施例1は、比較例2に比べ若干充電時間が長くなる。
【実施例1】
【0036】
図5(c)に示すように、実施例1においては、電池B3およびB4の電圧が他の電池より若干高いものの、電池B1からB6は、ほぼ同じ電圧である。図5(d)に示すように、比較例2では、電池B4の電圧が他の電池より早く上昇する。このため、電池B4では充電上限電圧2.28Vを約4000秒で越えてしまう。よって、電池B4は過充電状態となり破損する可能性がある。仮に、電池B4の電圧が2.28Vとなった時点で充電を停止したとすると、他の電池B1からB3、B5およびB6においては、電池容量まで充電せずに充電が停止してしまう。
【実施例1】
【0037】
一方、図5(c)に示すように、実施例1においては、電池B4が他の電池と同様に電圧が上昇する。このため、全ての電池B1からB6について、過充電状態とはならず、かつ電池容量まで充電することができる。
【実施例1】
【0038】
図6(a)から図6(d)は、実施例1および比較例2における放電時のシミュレーション結果を示す図である。図6(a)は、時間に対する端子T1とT2間の電圧を示す図、図6(b)は、時間に対する端子T1からT2に流れる電流を示す図である。実線は実施例1、破線は比較例2を示す。図6(c)は、実施例1における時間に対する各電池セルの端子間電圧を示す図である。実線は電池B3およびB4の電圧、破線は電池B1、B2、B5およびB6の電圧を示す。図6(d)は、比較例2における時間に対する各電池セルの端子間電圧を示す図である。実線は電池B4の電圧、破線は電池B1からB3、B5およびB6の電圧を示す。
【実施例1】
【0039】
図6(a)および図6(b)に示すように、-4Aの電流で放電を行なうと、端子T1とT2との間の電圧は下降する。電圧が放電下限電圧となると放電が停止する。実施例1は、比較例2に比べ若干放電時間が長くなる。
【実施例1】
【0040】
図6(c)に示すように、実施例1においては、電池B3およびB4の電圧が他の電池より若干低いものの、電池B1からB6は、ほぼ同じ電圧である。図6(d)に示すように、比較例2では、電池B4の電圧が他の電池より早く下降する。このため、電池B4では放電下限電圧1.75Vを約4000秒で越えてしまう。よって、電池B4は過放電状態となり破損する可能性がある。仮に、電池B4の電圧が1.75Vとなった時点で放電を停止したとすると、他の電池B1からB3、B5およびB6においては、過放電状態とならず、かつ電池容量まで放電せずに放電が停止してしまう。
【実施例1】
【0041】
一方、図6(c)に示すように、実施例1においては、電池B4が他の電池と同様に電圧が下降する。このため、全ての電池B1からB6について電池容量まで放電することができる。
【実施例1】
【0042】
このように、実施例1においては、通常の充放電のときに、電池B1からB6間に電池容量のばらつきがあっても、電池容量まで充放電することができる。
【実施例1】
【0043】
次に、1秒の間に100Aで放電するシミュレーションを行なった。図7(a)から図7(d)は、実施例1および比較例3における大電流での放電時のシミュレーション結果を示す図である。図7(a)は、時間に対する端子T1とT2間の電圧を示す図、図7(b)は、時間に対する端子T1からT2に流れる電流を示す図である。図7(c)は、時間に対する各電池セルを流れる電流を示す図である。図7(d)は、時間に対する各キャパシタを流れる電流を示す図である。実線は実施例1を示し、破線は、スイッチを全てオフした比較例3を示す。
【実施例1】
【0044】
実施例1では、全てのスイッチをオフした状態で、時刻が1秒から2秒の間でスイッチSW3とスイッチSW26をオンし、他のスイッチをオフしている。その後、全てのスイッチをオフしている。比較例3では、時刻が1秒から2秒の間においても全てのスイッチをオフしている。
【実施例1】
【0045】
図7(a)に示すように、比較例3では、端子T1とT2間の電圧が2V以下まで低下する。実施例1では、電圧低下は11V程度までである。図7(b)に示すように、実施例1および比較例3とも、端子T1とT2の間に100Aの電流が流れる。図7(c)に示すように、比較例3では、各電池B1からB6に100Aの電流が流れる。実施例1では、各電池B1からB6に流れる電流は約20Aである。図7(d)に示すように、比較例3では、各キャパシタC1からC6に電流は流れない。実施例1では、約80Aの電流が流れる。
【実施例1】
【0046】
このように、比較例3では、電池B1からB6に100Aが流れることにより、端子T1とT2との間の電圧は2V以下にまで低下する。実施例1では、電池B1からB6に約20Aが流れ、キャパシタC1からC6に約80Aが流れる。このように、内部抵抗が低いキャパシタC1からC6に主に電流が流れる。よって、端子T1とT2の間の電圧の低下は、約11Vまで抑えられる。
【実施例1】
【0047】
図7(a)から図7(d)において、大電流を放電するときに、スイッチSW11からSW16およびスイッチSW21からSW25をオフする例を説明したが、スイッチSW11からSW16をオフしスイッチSW21からSW25をオンしても、ほぼ同じ結果となる。
【実施例1】
【0048】
実施例1によれば、図4の比較例1に比べ、図1のように、端子T1側にキャパシタC1が接続されている。キャパシタC1の端子T1側のノードと端子T1との間にスイッチSW3が接続されている。電池B1からB6を充放電するときに、図2のように、スイッチSW3をスイッチS21からSW26と同じタイミングでオンおよびオフさせる。これにより、キャパシタC1は、キャパシタC2からC6および電池B1からB6とほぼ同じ電圧となる。よって、図2のN11とN12の間の電位差とN21とN22の電位差とはほぼ同じである。
【実施例1】
【0049】
大電流を放電するときに、スイッチSW3とスイッチSW26をオンし、他のスイッチをオフする。このとき、図1のノードN11とN21とが直接接続し、ノードN12とN22とが直接接続する。このとき、N11とN12の間の電位差と、N21とN22の電位差と、はほぼ同じであるため、過電流等が流れることなく、電池B1からB6とキャパシタC1からC6とを並列に接続できる。
【実施例1】
【0050】
実施例1では、充電と放電との両方でスイッチSW11からSW16と、スイッチSW21からSW26およびSW3と、を交互にオンおよびオフする例を説明したが、充電と放電とのいずれか一方でスイッチSW11からSW16と、スイッチSW21からSW26およびSW3と、を交互にオンおよびオフすればよい。すなわち、充電と放電とのいずれか一方で、電池B1からB6およびキャパシタC1からC6の端子間電圧を均一化すればよい。
【実施例1】
【0051】
電池B1からB6のうち1つの電池容量が異なる場合を例に説明したが、電池B1からB6の互いに電池容量が異なっていてもよい。電池容量が異なる例として、電池の劣化について説明したが、電池を使用する前から電池容量が異なっていてもよい。電圧の均等化のため、各キャパシタC1からC6の静電キャパシタンスは互いにほぼ同じであることが好ましい。また、各電池B1からB6は同じ種類の電池であることが好ましく、各電池B1からB6の充電上限電圧はほぼ同じであり、各電池B1からB6の放電下限電圧はほぼ同じであることが好ましい。当然のことながら、電池およびキャパシタの数はそれぞれ6個に限られない。また、第1端子T1を正極端子であり、第2端子T2を負極端子としたが、第1端子T1が負極端子であり、第2端子T2が正極端子でもよい。
【実施例1】
【0052】
以上、発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 制御部
B1-B6 電池
C1-C6 キャパシタ
SW11-SW16 スイッチ
SW21-SW26 スイッチ
SW3 スイッチ
T1、T2 端子
N11、N12、N21、N22 ノード
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6