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明細書 :硬化性組成物、およびそれを用いて硬化させた合成樹脂の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6051207号 (P6051207)
登録日 平成28年12月2日(2016.12.2)
発行日 平成28年12月27日(2016.12.27)
発明の名称または考案の名称 硬化性組成物、およびそれを用いて硬化させた合成樹脂の製造方法
国際特許分類 C08G  77/08        (2006.01)
C08G  18/22        (2006.01)
FI C08G 77/08
C08G 18/22
請求項の数または発明の数 6
全頁数 21
出願番号 特願2014-510042 (P2014-510042)
出願日 平成25年4月2日(2013.4.2)
国際出願番号 PCT/JP2013/002274
国際公開番号 WO2013/153773
国際公開日 平成25年10月17日(2013.10.17)
優先権出願番号 2012088447
優先日 平成24年4月9日(2012.4.9)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成28年4月1日(2016.4.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304026696
【氏名又は名称】国立大学法人三重大学
発明者または考案者 【氏名】中村 修平
【氏名】田中 義身
【氏名】狩野 幹人
【氏名】宮田 和代
【氏名】村上 泰
個別代理人の代理人 【識別番号】100110973、【弁理士】、【氏名又は名称】長谷川 洋
審査官 【審査官】小森 勇
参考文献・文献 国際公開第2010/047109(WO,A1)
調査した分野 C08G 77/08
C08G 18/22
特許請求の範囲 【請求項1】
合成樹脂用の硬化触媒として機能する硬化性組成物であって、
(A)チタニウムアルコキシドと、
(B)上記チタニウムアルコキシドを安定化させる2座配位有機キレート化剤と、
(C)グアニジン化合物と、
を含み、
(A)チタニウムアルコキシド、(B)2座配位有機キレート化剤および(C)グアニジン化合物をそれぞれモル比にて1:0.5~3:0.5~2にて含む硬化性組成物。
【請求項2】
前記(B)2座配位有機キレート化剤をアセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンの内の少なくともいずれか1つとし、
前記(C)グアニジン化合物を1-フェニルグアニジンおよび1,1,3,3-テトラメチルグアニジンの内の少なくともいずれか1つとすることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の硬化性組成物を用いて、反応性シラノール基を有するポリジメチルシロキサンのシラノール縮合を生ぜしめて硬化して成る合成樹脂の製造方法
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の硬化性組成物に加えて、アルコキシランを架橋剤として加えて、反応性シラノール基を有するポリジメチルシロキサンのシロキサン結合を生ぜしめて硬化して成る合成樹脂の製造方法
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の硬化性組成物を用いて、ポリエーテルあるいはアクリル系ポリマーを主鎖とする架橋性シリル基ポリマーのシロキサン結合を生ぜしめて硬化して成る合成樹脂の製造方法
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の硬化性組成物を用いて、ポリオールとポリイソシアネートの反応によるウレタン結合を生ぜしめて硬化して成る合成樹脂の製造方法
発明の詳細な説明
【クロスレファレンス】
【0001】
本出願は、2012年4月9日に日本国において出願された特願2012-088447に基づき優先権を主張し、当該出願に記載された内容は、本明細書に援用する。また、本願において引用した特許、特許出願及び文献に記載された内容は、本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、硬化性組成物およびそれを用いて硬化させた合成樹脂に関する。
【背景技術】
【0003】
従来から、合成樹脂用の硬化性組成物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機錫化合物が広く用いられている。近年、環境面および健康面の両面で負荷の小さな化合物への転換が強く望まれるようになり、アミン化合物やカルボン酸化合物(特許文献1を参照)、安全性の問題の少ないビスマス化合物(特許文献2を参照)あるいはチタニウムアルコキシド系触媒、シラノール縮合触媒としてのグアニジン化合物(特許文献3を参照)等を使用することが提案されているが、現用の有機錫化合物系の硬化性組成物を代替するには至っていない。
【0004】
上記のチタニウムアルコキシドは、シリコーン系樹脂やポリウレタン樹脂の硬化性組成物としての機能を有することは既に知られている。チタニウムアルコキシドの通常環境下での最終分解生成物は二酸化チタンである。二酸化チタンは、食品添加物や化粧品にも添加される安全性の高い化合物である。このような理由から、チタニウムアルコキシドは、合成樹脂の硬化性組成物の代替として、最有力視されている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開平08-41358号公報
【特許文献2】特開平05-39428号公報
【特許文献3】国際公開WO2007/094272号公報
【特許文献4】特開2005-248175号公報
【特許文献5】国際公開WO2007/094276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、チタニウムアルコキシド系の硬化性組成物は、水分に対して不安定であり、加水分解しやすいという問題がある。このような問題を解決するために、チタニウムアルコキシドにアセト酢酸エチルやヒドロキシカルボン酸エステル等を配位させ、安定性と硬化性を向上させることも可能である。しかし、それでも、チタニウムアルコキシド系の硬化性組成物は、有機錫化合物ほどの硬化特性を発揮できず、未だ、汎用性の高い硬化性組成物には至っていない。一方、強塩基性の化合物であるグアニジン化合物は、反応性ケイ素基を有する有機重合体の硬化剤として働くことは知られている。しかし、グアニジン化合物は、非常に不安定な化合物であるため、硬化触媒として適していない。例えば、ジフェニルグアニジンなどのアリール基が複数置換したグアニジン化合物は、硬化触媒としては活性が低いという報告がある(例えば、特許文献4、特許文献5を参照)。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、安定性が高く、かつ硬化特性に優れた硬化性組成物およびそれを用いて硬化させた合成樹脂を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行ってきた結果、チタニウムアルコキシドを2座配位のキレート化剤で安定化させ、そこにグアニジン化合物を特定の割合で配合すると、反応性シラノール基含有または反応性シリル基含有ポリマーなどの反応性ケイ素を有する有機重合体から製造される樹脂およびポリウレタン樹脂等の硬化性組成物として現用の有機錫化合物以上の硬化特性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
上記目的を解決するための本発明の一形態は、合成樹脂用の硬化触媒として機能する硬化性組成物であって、(A)チタニウムアルコキシドと、(B)チタニウムアルコキシドを安定化させる2座配位有機キレート化剤と、(C)グアニジン化合物とを含み、(A)チタニウムアルコキシド、(B)2座配位有機キレート化剤および(C)グアニジン化合物をそれぞれモル比にて1:0.5~3:0.5~2にて含む硬化性組成物である。
【0010】
本発明の別の形態は、さらに、(B)2座配位有機キレート化剤をアセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンの内の少なくともいずれか1つとし、(C)グアニジン化合物を1-フェニルグアニジンおよび1,1,3,3-テトラメチルグアニジンの内の少なくともいずれか1つとする硬化性組成物である。
【0011】
本発明の一形態は、上述の硬化性組成物を用いて、反応性シラノール基を有するポリジメチルシロキサンのシラノール縮合を生ぜしめて硬化して成る合成樹脂である。
【0012】
本発明の一形態は、上述の硬化性組成物に加えて、アルコキシランを架橋剤として加えて、反応性シラノール基を有するポリジメチルシロキサンのシロキサン結合を生ぜしめて硬化して成る合成樹脂である。
【0013】
本発明の一形態は、上述の硬化性組成物を用いて、ポリエーテルあるいはアクリル系ポリマーを主鎖とする架橋性シリル基ポリマーのシロキサン結合を生ぜしめて硬化して成る合成樹脂である。
【0014】
本発明の一形態は、上述の硬化性組成物を用いて、ポリオールとポリイソシアネートの反応によるウレタン結合を生ぜしめて硬化して成る合成樹脂である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、安定性が高く、かつ硬化特性に優れた硬化性組成物およびそれを用いて硬化させた合成樹脂を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、実施例1,2および比較例1~8の各試料の生成物の分子量分布測定結果を示す。
【図2】図2は、表3に示す各試料を用いて作製した各硬化体の引張特性を示す。
【図3】図3は、実施例4および比較例13の結果を示す。
【図4】図4は、表4に示す実施例5および比較例14~16の各試料をシャーレに展開した後の粘度の経時変化(増粘率の変化)を示す。
【図5】図5は、表4に示す実施例5,5a,5b,5cの各試料をシャーレに展開した後の粘度の経時変化(増粘率の変化)を示す。
【図6】図6は、表7に示す各試料をシャーレに展開した後の粘度の経時変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る硬化性組成物およびそれを用いて硬化させた合成樹脂の各実施の形態について説明する。

【0018】
<1.硬化性組成物>
この実施の形態に係る硬化性組成物は、合成樹脂用の硬化触媒として機能するものであって、
(A)チタニウムアルコキシドと、
(B)チタニウムアルコキシドを安定化させる2座配位有機キレート化剤と、
(C)グアニジン化合物と、
を含み、
(A)チタニウムアルコキシド、(B)2座配位有機キレート化剤および(C)グアニジン化合物をそれぞれモル比にて1:0.5~3:0.5~2にて含む。以下、(A)、(B)および(C)について詳述する。

【0019】
(1)硬化性組成物の主成分
(A)チタニウムアルコキシド
この実施の形態に係る硬化性組成物中の一成分であるチタニウムアルコキシドとしては、チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラアリルオキシド、チタニウムテトラn-プロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラn-ブトキシド、チタニウムテトライソブトキシド、チタニウムテトラsec-ブトキシド、チタニウムテトラt-ブトキシド、チタニウムテトラn-ペンチルオキシド、チタニウムテトラシクロペンチルオキシド、チタニウムテトラヘキシルオキシド、チタニウムテトラシクロヘキシルオキシド、チタニウムテトラベンジルオキシド、チタニウムテトラオクチルオキシド、チタニウムテトラキス(2-エチルヘキシルオキシド)、チタニウムテトラデシルオキシド、チタニウムテトラドデシルオキシド、チタニウムテトラステアリルオキシド、チタニウムテトラブトキシドダイマー、チタニウムテトラキス(8-ヒドロキシオクチルオキシド)、チタニウムジイソプロポキシドビス(2-エチル-1,3-ヘキサンジオラト)、チタニウムビス(2-エチルヘキシルオキシ)ビス(2-エチル-1,3-ヘキサンジオラト)、チタニウムテトラキス(2-クロロエトキシド)、チタニウムテトラキス(2-ブロモエトキシド)、チタニウムテトラキス(2-メトキシエトキシド)、チタニウムテトラキス(2-エトキシエトキシド)、チタニウムブトキシドトリメトキシド、チタニウムジブトキシドジメトキシド、チタニウムブトキシドトリエトキシド、チタニウムジブトキシドジエトキシド、チタニウムブトキシドトリイソプロポキシド、チタニウムジブトキシドジイソプロポキシド、チタニウムテトラフェノキシド、チタニウムテトラキス(o-クロロフェノキシド)、チタニウムテトラキス(m-ニトロフェノキシド)、チタニウムテトラキス(p-メチルフェノキシド)、チタニウムテトラキス(トリメチルシリルオキシド)等を好適に例示できる。

【0020】
これらのチタニウムアルコキシドは、単独で用いてもよいし、複数用いても構わない。これらの中でも、炭素数1~12のアルコキシド基を含むチタニウムアルコキシドがより好ましく、炭素数1~6のアルコキシド基を含むチタニウムアルコキシドがさらに好ましい。また、これらのオリゴマーも使用することができる。チタニウムアルコキシドのより好ましい例は、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラオルソエトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、またはチタニウムテトラブトキシドである。取り扱い容易さ、入手容易さおよび硬化性の観点からは、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラn—ブトキシド、チタニウムテトラt-ブトキシドが好ましい。また、チタニウムアルコキシドの効果を阻害しない範囲で、チタニウムアルコキシド以外に、アルミニウムあるいはジルコニウムアルコキシド等のチタニウム以外の金属アルコキシドを併用しても良い。

【0021】
(B)2座配位有機キレート化剤
チタニウムアルコキシドを安定化するための2座配位有機キレート化剤(単に、「キレート化剤」と称する)として、一般式: R(CO)-CH-X(R;アルキル基、アリール基、またはベンジル基、X;電子吸引性基)で表される活性メチレン化合物を好適に用いることができる。活性メチレン化合物として、例えば、アセチルアセトン、マロン酸ジエステル、アセト酢酸エステル、シアノ酢酸エステル、メルドラム酸などを例示できる。マロン酸ジエステルとして、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn-プロピル、マロン酸ジn-ブチル、マロン酸ジ2-エチルヘキシル、マロン酸エチルn-ブチル、マロン酸メチルn-ブチル、マロン酸エチルt-ブチル、マロン酸メチルt-ブチル、メチルマロン酸ジエチル、マロン酸ジベンジル、マロン酸ジフェニル、マロン酸ベンジルメチル、マロン酸エチルフェニル、マロン酸t-ブチルフェニル、イソプロピリデンマロネート等を例示できる。また、アセト酢酸エステルとしては、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n-プロピル、アセト酢酸t-ブチル、アセト酢酸n-ブチル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸フェニル等を例示できる。シアノ酢酸エステルとしては、例えば、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、シアノ酢酸n-プロピル、シアノ酢酸i-プロピル、シアノ酢酸n-ブチル、シアノ酢酸i-ブチル、シアノ酢酸t-ブチル,シアノ酢酸ベンジル、ジフェニルシアノ酢酸メチル、ジフェニルシアノ酢酸エチル、2-メチルフェニルシアノ酢酸メチル、2-メチルフェニルシアノ酢酸エチル等が例示できる。これらの活性メチレン化合物のうち、特に好ましいのは、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンである。

【0022】
(C)グアニジン化合物
グアニジン化合物は、一般式: RN=C(NR(5個のRの内の任意の1個は有機基であり、残り4個のRは、それぞれ独立に、水素原子、飽和炭化水素基、-C(=NR)-NR(3個のRはそれぞれ独立に水素原子または有機基)、または、=C(-NR(4個のRはそれぞれ独立に水素原子または有機基)で、表される。

【0023】
グアニジン化合物としては、たとえば、1,1,2-トリメチルグアニジン、1,2,3-トリメチルグアニジン、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、1,1,2,2,3-ペンタメチルグアニジン、2-エチル-1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、1-ベンジルグアニジン、1,3-ジベンジルグアニジン、1-ベンジル-2,3-ジメチルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、1-(3-メチルフェニル)グアニジン、1-(4-メチルフェニル)グアニジン、1-(2-クロロフェニル)グアニジン、1-(4-クロロフェニル)グアニジン、1-(2,3-キシリル)グアニジン、1-(2,6-キシリル)グアニジン、1-(1-ナフチル)グアニジン、2-フェニル-1,3-ジシクロヘキシルグアニジン、1-フェニル-1-メチルグアニジン、1-(4-クロロフェニル)-3-(1-メチルエチル)グアニジン、1-(4-メチルフェニル)-3-オクチルグアニジン、1-(4-メトキシフェニル)グアニジン、1,1’-[4-(ドデシルオキシ)-m-フェニレン]ビスグアニジン、1-(4-ニトロフェニル)グアニジン、4-グアニジノ安息香酸、2-(フェニルイミノ)イミダゾリジン、2-(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1-イルアミノ)-2-イミダゾリン、N-(2-イミダゾリン-2-イル)-2,3-キシリジン、N-(2-イミダゾリン-2-イル)-1-ナフタレンアミン、1,1’-[メチレンビス(p-フェニレン)]ビスグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]-5-デセン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]-5-デセン、7-n-プロピル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]-5-デセン、7-イソプロピル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]-5-デセン、7-n-ブチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]-5-デセン、7-n-シクロヘキシル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]-5-デセン、2,3,5,6-テトラヒドロ-3-フェニル-1H-イミダゾ[1,2-a]イミダゾールなどのグアニジン化合物; 1-メチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-(2-エチルヘキシル)ビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド、1-(3-メチルフェニル)ビグアニド、1-(4-メチルフェニル)ビグアニド、1-(2-クロロフェニル)ビグアニド、1-(4-クロロフェニル)ビグアニド、1-(2,3-キシリル)ビグアニド、1-(2,6-キシリル)ビグアニド、1-(1-ナフチル)ビグアニド、1,3-ジフェニルビグアニド、1,5-ジフェニルビグアニド、1-フェニル-1-メチルビグアニド、1-(4-クロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)ビグアニド、1-(4-メチルフェニル)-5-オクチルビグアニド、1-(4-メトキシフェニル)ビグアニド、1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)ビグアニド、1,1’-ヘキサメチレンビス[5-(4-クロロフェニル)ビグアニド]、2-グアニジノ-1H-ベンゾイミダゾール、1-(4-ニトロフェニル)ビグアニド、1-ベンジルビグアニド、1-(2-フェニルエチル)ビグアニド、3-(2-フェニルエチル)ビグアニド、N,N-ジアミジノアニリン、1,5-エチレンビグアニド、1-モルホリノビグアニド、3-モルホリノビグアニド、1-(4-クロロベンジルオキシ)ビグアニド、1-n-ブチル-N2-エチルビグアニド、1,1’-エチレンビスビグアニド、1-[3-(ジエチルアミノ)プロピル]ビグアニド、1-[3-(ジブチルアミノ)プロピル]ビグアニド、N’,N’’-ジヘキシル-3,12-ジイミノ-2,4,11,13-テトラアザテトラデカンジアミジン、4-[3-(アミジノ)グアニジノ]ベンゼンスルホン酸、1,2-ジイソプロピル-3-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]グアニジン、5-[3-(2,4,5-トリクロロフェノキシ)プロポキシ]-1-イソプロピルビグアニドなどのビグアニド化合物; などを例示できる。これらのグアニジン化合物のうち、特に好ましいのは、1,1,3,3-テトラメチルグアニジンおよび1-フェニルグアニジンである。

【0024】
(2)硬化性組成物中の主要成分の比率
この実施の形態に係る硬化性組成物は、好適には、(A)チタニウムアルコキシド、(B)キレート化剤および(C)グアニジン化合物を、それぞれ、モル比にて、1:0.5~3:0.5~2にて含み、さらに好適には、1:1.5~2.5:0.75~2.0にて含む。(B)キレート化剤を(A)チタニウムアルコキシド1モルに対して0.5モル以上(より好ましくは1.5モル以上)含めることにより(A)チタニウムアルコキシドの安定化を高めることができる一方、3モル以下(より好ましくは2.5モル以下)含めることにより余剰の(B)キレート化剤を残存させにくくすることができ、接着特性や硬化特性を十分に発揮できる。(C)グアニジン化合物は、(A)チタニウムアルコキシド(A)1モルに対して0.5モル以上(より好ましくは0.75モル以上)とし、2モル以下とすることにより、硬化助剤としての機能を効果的に発揮できる。ここで、「硬化特性」とは、高分子化速度が大きいこと(粘度の増加速度が大きいことにつながる)、硬化後の破断強度が大きいこと、硬化後の破断点伸びが大きいこと、硬化後の耐熱水性が高いことの少なくともいずれか1つを意味する。

【0025】
この実施の形態に係る硬化性組成物は、(A)チタニウムアルコキシド、(B)キレート化剤および(C)グアニジン化合物の内の(A)チタニウムアルコキシドおよび(B)キレート化剤の一部若しくは全部がキレートを形成しているもの、(A)チタニウムアルコキシド、(B)キレート化剤および(C)グアニジン化合物が単純に混合しているものを含む。すなわち、(A)チタニウムアルコキシドと(B)キレート化剤とは、必ずしもキレートを形成していなくても良い。硬化性組成物は、原料に由来する残留溶剤、添加量調整および触媒固化防止等の目的で加えられる溶剤、例えばアルコール類、炭化水素系溶剤等、さらにはフィラー等を、硬化性を阻害しない限りにおいて含んでいても良い。また、硬化性組成物は、それを混ぜる樹脂が複数成分からなる場合において、硬化性組成物の一部を樹脂成分の一方に含め、硬化性組成物の残りを樹脂成分の他方に含めても良い。その場合、樹脂成分を混ぜた段階で、その混合物中にて硬化性組成物が瞬間的に存在することになる。反応性シラノール基を有するポリオルガノシロキサンを主剤とする樹脂、アクリル系ポリマーを主鎖とする架橋性シリル基ポリマーを主剤とする樹脂、あるいはポリオールとポリイソシアネートの反応により合成されるポリウレタン樹脂を硬化させる硬化性組成物としては、チタニウムアルコキシドと、アセト酢酸エチルと、1,1,3,3-テトラメチルグアニジンとの組み合わせが好ましく、特に、チタニウムアルコキシドとしてチタニウムテトライソプロポキシドを用いた系(TTiP-EAcAc-TMG系)が好ましい。また、ポリエーテルを主鎖とする架橋性シリル基ポリマーを主剤とする樹脂を硬化させる硬化性組成物としては、チタニウムアルコキシドと、アセト酢酸エチルと、1-フェニルグアニジンとの組み合わせが好ましく、特に、チタニウムアルコキシドとしてチタニウムテトライソプロポキシドを用いた系(TTiP-EAcAc-PhG系)が好ましい。

【0026】
<2.合成樹脂>
(1)反応性シラノール基を有するポリオルガノシロキサンを主剤とする樹脂
反応性シラノール基を有するポリオルガノシロキサンを主剤とする樹脂は、ポリオルガノシロキサンのシラノールの反応によってシロキサン結合を生成して硬化する樹脂と、反応性ケイ素基を有する化合物を架橋剤として、反応性シラノール基を有するポリオルガノシロキサンのシロキサン結合を生成して硬化する樹脂とに大別できる。両種の樹脂とも、(a)末端シラノール変性ポリオルガノシロキサンを必須の主剤とし、後者の樹脂の場合、それに加えて、架橋剤として(b)アルコキシシランを要する。以下、反応性シラノール基を有するポリオルガノシロキサンを主剤とする樹脂の成分となる(a)末端シラノール変性ポリオルガノシロキサンと、(b)アルコキシシランと、(c)硬化性組成物について、それぞれ詳述する。

【0027】
(a)末端シラノール変性ポリオルガノシロキサン
末端シラノール変性ポリオルガノシロキサンの好適な例は、次の一般式(「化1」)で表わされる。ただし、両末端をシラノール変性するのみならず、一末端のみをシラノール変性したポリオルガノシロキサンでも良い。式(「化1」)中、n>1、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1~20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基または炭素数6~10のアリール若しくはアリール置換炭化水素基である。上記炭素数1~20の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどの各官能基を好適な例としてあげることができる。また、炭素数4~10のシクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの各官能基を好適な例としてあげることができる。さらに、炭素数6~10のアリール基若しくはアリール置換炭化水素基としては、フェニル、トルイル、キシリル、エチルフェニル、ベンジル、フェネチルなどの各官能基を好適な例としてあげることができる。特に好ましい末端シラノール変性ポリオルガノシロキサンは、両末端シラノール変性ポリジメチルシロキサンである。

【0028】
【化1】
JP0006051207B2_000002t.gif

【0029】
末端シラノール変性ポリオルガノシロキサンの23℃における粘度は、10~100,000mPa・s、好ましくは20~50,000mPa・s、さらに好ましくは30~10,000mPa・sである。

【0030】
(b)アルコキシシラン
アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n-ブチルトリメトキシシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリプロポキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類等を例示できる。

【0031】
上記例示のアルコキシシランの中で、テトラアルコキシシラン類およびトリアルコキシシラン類が好ましく、さらにはテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランがより好ましく、特にメチルトリメトキシシランがより好ましい。アルコキシシランの添加量は、好ましくはポリオルガノシロキサン1モルに対して0.6~20モルの範囲である。

【0032】
(c)硬化性組成物
前述の(A)チタニウムアルコキシド、(B)キレート化剤および(C)グアニジン化合物を含む硬化性組成物は、それを含む樹脂全質量に対して0.1~10質量%の範囲で加えるのが好ましい。硬化性組成物は、如何なる方法にて、末端シラノール変性ポリオルガノシロキサンと混合し、あるいは末端シラノール変性ポリオルガノシロキサンとアルコキシシランとの混合物に混合しても良い。

【0033】
(2)ポリエーテルあるいはアクリル系ポリマー等を主鎖とする架橋性シリル基ポリマーを主剤とする樹脂

【0034】
以下、ポリエーテルあるいはアクリル系ポリマー等を主鎖とする架橋性シリル基ポリマーを主剤とする樹脂の成分となる(a)ポリエーテルあるいはアクリル系ポリマー等を主鎖とする架橋性シリル基ポリマーと、(b)硬化性組成物について、それぞれ詳述する。

【0035】
(a)ポリエーテルあるいはアクリル系ポリマー等を主鎖とする架橋性シリル基ポリマー
主鎖となり得るポリエーテルは、一般式: -O-R(R: アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基若しくはアリール置換炭化水素等の有機基)で表される繰り返し単位を含むポリマーであり、Rは、「化1」のRと同様に例示できる。主鎖となり得るアクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等のアクリル系単量体の1種以上を重合して得られる重合体である。アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸-n-ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸-n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸-n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸-n-オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシルおよび(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキル; (メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルおよび(メタ)アクリル酸トリシクロデシニル等のアクリル酸脂環式アルキル; (メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイルおよび(メタ)アクリル酸ベンジル等の芳香族アクリル酸エステル類; (メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルのε-カプロラクトン付加反応物等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル; (メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3-メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2-アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸クロロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、および(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等のヘテロ原子含有アクリル酸エステル類が挙げられる。架橋性シリル基は、シリコン原子と、それに結合した水酸基および/または加水分解性官能基とを有し、硬化性組成物によってシロキサン結合を形成するとともに架橋構造を形成し得る基である。架橋性シリル基としては、一般式: Si(R3-nで表される基である(式中、Rは、それぞれ、独立に、炭化水素基であり、Xは、それぞれ、独立に、ハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基及びアミノオキシ基より選ばれる反応性基である。nは、0~2の整数である。)。上記一般式において、Rは、好ましくは、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~0のアリール基又は炭素数7~20のアラルキル基である。n=2のとき、複数のRは、互いに同一であっても、異なってもよい。また、n=0または1のとき、複数のXは、互いに同一であっても、異なってもよい。上記一般式におけるXは、好ましくはアルコキシ基である。ポリエーテルを主鎖とする架橋性シリル基ポリマーとしては、特に、メチルジメトキシシリル基含有オキシアルキレン重合体を用いるのが好ましい。また、アクリル系ポリマーを主鎖とする架橋性シリル基ポリマーとしては、特に、アルコキシシリル基含有アクリル系ポリマーを用いるのが好ましい。

【0036】
(b)硬化性組成物
前述の(A)チタニウムアルコキシド、(B)キレート化剤および(C)グアニジン化合物を含む硬化性組成物は、それを含む樹脂全質量に対して0.1~10質量%の範囲で加えるのが好ましい。硬化性組成物は、如何なる方法にて、ポリエーテルあるいはアクリル系ポリマー等を主鎖とする架橋性シリル基ポリマーと混合しても良い。

【0037】
(3)ポリオールとポリイソシアネートの反応により合成されるポリウレタン樹脂

【0038】
以下、ポリオールとポリイソシアネートの反応により合成されるポリウレタン樹脂の成分となる(a)ポリオールと、(b)ポリイソシアネートと、(c)硬化性組成物について、それぞれ詳述する。

【0039】
(a)ポリオール
ポリオールとしては、2つの水酸基を含有するジオール、若しくは3以上の水酸基を含有するポリオールであれば特に限定されずに用いることができる。たとえば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、アクリル系、ポリブタジエン系若しくはポリオレフィン系等のポリオール、カプロラクトン変性ポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、エポキシ変性ポリオール、アルキド変性ポリオール、ひまし油、フッ素含有ポリオール等のポリオールを単独で用いてもよいし、これらを併用しても良い。ポリオールの平均分子量は、200~10000の範囲のものが好ましい。ポリオールの平均分子量が200以上では、硬化体の柔軟性を高くすることができる。ポリオールの平均分子量が10000以下の場合には、硬化体の硬度を高くすることができる。

【0040】
ここで、ポリエーテル系ポリオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、テトラメチレングルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコール類、エチレンジアミン等の脂肪族アミン化合物類、トルエンジアミン、ジフェニルメタンー4,4-ジアミン等の芳香族アミン化合物、エタノールアミンおよびジエタノールアミン等のようなアルカノールアミン類のような少なくとも2個以上の活性水素基を有する化合物を出発原料として、これにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド若しくはポリオキシテトラメチレンオキサイドに代表されるアルキレンオキサイドを付加させて得られるポリオール等が挙げられる。

【0041】
ポリエステル系ポリオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、1,1,1-トリメチロールプロパンおよびその他の低分子ポリオールなどから選ばれる少なくとも1種と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、その他の低分子脂肪族カルボン酸およびオリゴマー酸などから選ばれる少なくとも1種との縮合重合体;プロピオンラクトンまたはバレロラクトン等の開環重合体等が挙げられる。

【0042】
その他のポリオールとしては、たとえば、ポリマー系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール;ポリブタジエン系ポリオール;水素添加されたポリブタジエン系ポリオール;アクリル系ポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールが挙げられる。

【0043】
(b)ポリイソシアネート
ポリイソシアネートとしては、ポリウレタンを合成可能な公知の化合物を用いることができる。特に、ポリオールと相溶性が良く、常温で硬化可能なポリイソシアネートが好適に用いられる。また、ポリイソシアネートは、分子内にNCO基を2個以上有するものであれば特に好適に用いることができる。たとえば、TDI(例えば、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI))、MDI(例えば、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′-MDI)、2,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′-MDI))、1,4-フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)などの脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(HXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂環式ポリイソシアネート;上記各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、または、これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

【0044】
これらのうち、ポリイソシアネートとして、XDI、TDI、MDI、TMHDI、NDI、HXDI、H12MDI、TMXDI、HDI、IPDIおよびNBDIは、入手が容易であるため好適に用いられる。その中でも、XDI、TDI、MDI、TMXDIおよびHDIは、比較的安価であるためより好ましい。また、XDI、TDIおよびMDIは、反応性が高いため好ましい。この実施の形態においては、このような理由から好適に例示される各種ポリイソシアネートを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

【0045】
樹脂を構成するポリオールとポリイソシアネートの配合量は、特に限定するものではないが、イソシアネートインデックス(イソシアネートインデックスは、[ポリオールが有する(-OH)基の数]/[ポリイソシアネート中のイソシアネート基(-NCO)の数]である。)は、通常、0.5~2.5の範囲である。硬化体を得る場合には、特に限定されないが、イソシアネートインデックスは、さらに好ましくは、0.7~1.5の範囲である。この場合、イソシアネートインデックスが0.7以上の場合には、架橋密度が大きくなり、樹脂強度が高くなる。イソシアネートインデックスが1.5以下の場合には、未反応のイソシアネート基が残存しにくくなるため、硬化体の物性が変化しにくい。

【0046】
(c)硬化性組成物
前述の(A)チタニウムアルコキシド、(B)キレート化剤および(C)グアニジン化合物を含む硬化性組成物は、ポリオールとポリイソシアネートの総量に対して0.001~3質量%の範囲で加えるのが好ましい。硬化性組成物は、如何なる方法にて、ポリオールとポリイソシアネートとの混合物、ポリオールのみ、あるいはポリイソシアネートに対して混合しても良い。また、硬化性組成物中の(A)チタニウムアルコキシド、(B)キレート化剤および(C)グアニジン化合物の内の1または2をポリオールに、残りをポリイソシアネートに予め混ぜておいても良い。

【0047】
前述の(1)~(3)の各種樹脂は、前述の各成分以外の成分、例えば、溶剤、フィラー、分散剤を含んでも良い。上述の各種樹脂は、電気・電子製品、車両・船舶・航空機関連部材、土木・建築関連部材の樹脂成形体、コーティング膜、塗料、接着剤、シーリング材などに使用可能であり、上述の硬化性組成物は、上述の各種樹脂の硬化触媒として好適に用いることができる。
【実施例】
【0048】
次に、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0049】
<1.硬化性組成物に用いた化合物>
(1)チタニウムアルコキシド
チタニウムアルコキシドとして、チタニウムテトライソプロポキシド(関東化学株式会社製、以後、「TTiP」と略する)を用いた。
(2)キレート化剤
キレート化剤として、アセト酢酸エチル(関東化学株式会社製、以後、「EAcAc」と略する)、アセチルアセトン(関東化学株式会社製、以後、「AcAc」と略する)およびマロン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製、以後、「DM」と略する)を用いた。
(3)グアニジン化合物
グアニジン化合物として、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(東京化成工業株式会社製、以後、「TMG」と略する)および1-フェニルグアニジン(日本カーバイド工業株式会社製、以後、「PhG」と略する)を用いた。
【実施例】
【0050】
<2.反応性ケイ素基を有する有機重合体>
反応性ケイ素基を有する有機重合体として、両末端シラノール変性ポリジメチルシロキサン(信越シリコーン株式会社製、品番:X-21-5841、Mw=1000、以後、「PDMS」と略する)およびアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマー(東亜合成株式会社製、品番:ARUFON US-6170、Mw=2900、Si基数:0.5/MN、以後、「US-6170」と略する)を用いた。さらに、反応性ケイ素基を有する有機重合体として、シリル末端ポリエーテル(株式会社カネカ製、品番:S303、以後、「S303」と略する)も使用した。
【実施例】
【0051】
<3.架橋剤>
架橋剤として、メチルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製、以後、「MTMS」と略する)を用いた。
【実施例】
【0052】
<4.ポリウレタン原料>
ポリウレタンの原料として、二液混合型粘着性無黄変低硬度ポリウレタン(商品名: セフタック A30-NY)のポリプロピレン系ポリオールを主成分とするポリオール配合物(ウレタン技研工業株式会社製、以後、「PPG」と略する)と、同ポリウレタンの脂肪族系ジイソシアネートを主成分とするイソシアネート配合物(ウレタン技研工業株式会社製、以後、「DIC」と略する)を用いた。
【実施例】
【0053】
<5.比較硬化剤および比較硬化剤原料>
比較硬化剤として、ジラウリン酸ジブチル錫(東京化成工業株式会社製、以後、「DBTDL」と略する)およびチタンジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)(マツモトファインケミカル株式会社製、商品名:オルガチックスTC-750、以後、「TC-750」と略する)を用いた。さらに、比較硬化剤を構成する原料の一つとして、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製、以後、「アミノシラン」と略する)も使用した。
【実施例】
【0054】
<6.硬化性組成物の調製>
(1)調製例1(TTiP-EAcAc-TMG系)
TTiP0.142gとEAcAc0.13gを容積13.5ccのスクリュー管ビンに秤取り、密封して、マグネチックスターラーを用いて30分間混合後、さらにTMG0.0576gを加え、30分間攪拌して、硬化性組成物1とした。この一連の操作は、乾燥窒素ガスを流した状態のグローブボックス内で行った。硬化性組成物1の組成は、モル比にて、TTiP:EAcAc:TMG=1:2:1であった。
【実施例】
【0055】
(2)調製例2(TTiP-AcAc-TMG系)
調製例1のEAcAc0.13gの代わりにAcAc0.10gを用いた以外、調製例1と同一の手順にて硬化性組成物2を作製した。硬化性組成物2の組成は、モル比にて、TTiP:AcAc:TMG=1:2:1であった。
【実施例】
【0056】
(3)調製例3(TTiP-EAcAc-PhG系)
調製例1のTMG0.0576gの代わりにPhG0.135gを用いた以外、調製例1と同一の手順にて硬化性組成物3を作製した。硬化性組成物3の組成は、モル比にて、TTiP:EAcAc:PhG=1:2:2であった。
【実施例】
【0057】
<7.各種硬化特性評価>
(1)PDMSのシロキサン結合生成による硬化実験
(実施例1)
上述の手順で作製した硬化性組成物1を含むスクリュー管ビンに、PDMS10gを投入し、管内の溶液の温度が60℃になるように加熱しながら、撹拌子を用いてマグネチックスターラーにて2時間の撹拌を行った。撹拌終了後、スクリュー管ビン内の試料を1時間室温になるまで放置し、室温まで冷却した後、内径96mm、深さ12mmのテトラフルオロエチレン製のシャーレにそれを展開し、室温23±2℃、相対湿度50%の環境下に放置し、1週間後に分子量分布を測定した。分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。測定機器にはHLC-8220GPC(東ソー株式会社製)を、カラムにはTSK-GEL SUPER HZM-M(東ソー株式会社製)を、標準物質にはポリスチレン(Polymer Laboratories Ltd.)を、溶媒にはトルエン(和光純薬工業株式会社製)を、それぞれ用いて、GPCを測定した。試料15mgに対してトルエン1ccの割合で容量4ccのガラス製スクリュー管ビン内にて溶かし、その後、容量2ccのGPC用サンプルカップに移し、GPCを測定した。以後のGPCの測定条件も同様である。
【実施例】
【0058】
(実施例2)
硬化性組成物1を硬化性組成物2に代えた以外、実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
(比較例1)
硬化性組成物を加えずに、PDMSのみを用いて実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
(比較例2)
実施例1の硬化性組成物に代えて、TTiPのみとした以外、実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
(比較例3)
調整例1に代えて、TTiP0.142gとEAcAc0.13gを容積13.5ccのガラス製スクリュー管に秤取り、密封して、マグネチックスターラーで30分間混合後、モル比にてTTiP:EAcAc=1:2の混合物を調製した。それ以外、実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
(比較例4)
EAcAc0.13gに代えてAcAc0.10gを用いた以外、比較例3と同様の条件で、モル比にてTTiP:AcAc=1:2の混合物を調製し、その硬化特性を評価した。
(比較例5)
EAcAc0.13gに代えてDM0.132gを用いた以外、比較例3と同様の条件で、モル比にてTTiP:DM=1:2の混合物を調製し、その硬化特性を評価した。
(比較例6)
実施例1に用いた硬化性組成物1に代えて、TMG0.0576gのみを用いた以外、実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
(比較例7)
実施例1に用いた硬化性組成物1に代えて、TTiP0.142gとTMG0.0576gの混合物を用いた以外、実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
(比較例8)
実施例1に用いた硬化性組成物1に代えて、DBTDL0.316gを用いた以外、実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
【実施例】
【0059】
【表1】
JP0006051207B2_000003t.gif
【実施例】
【0060】
【表2】
JP0006051207B2_000004t.gif
【実施例】
【0061】
表1は、実施例1,2および比較例1~8の各試料の配合組成を示す。表2および図1は、各試料の生成物の分子量分布測定結果を示す。表2中、Mwは重量平均分子量を、Mnは数平均分子量を、Mは分布曲線トップの分子量を、それぞれ示す。
【実施例】
【0062】
PDMSの顕著な高分子化が確認された試料は、実施例1,2および比較例7,8であった。これらの内、実施例1の試料が最もピーク値が大きく、錫系硬化剤を用いた比較例8と同等の高分子化が確認された。
【実施例】
【0063】
(2)アルコキシシランを架橋剤とするPDMSのシロキサン結合生成による硬化実験
(実施例3)
乾燥窒素ガスを流した状態のグローブボックス内にて、予め容積13.5ccのガラス製スクリュー管内で硬化性組成物1の5倍量を準備した。その後、硬化性組成物1を1.65g用意し、容積300ccのガラス製フラスコ内のPDMS50gとMTMS6.811gの溶液中に添加した。次に、このフラスコを4本の枝付きガラス蓋で閉じ、混合溶液を撹拌棒により乾燥窒素雰囲気下、40℃にて24時間攪拌し、FT-IRによるSi-O-Ti結合の吸収ピークの消滅を確認後、内径96mm、深さ12mmのテトラフルオロエチレン製シャーレに展開した。シャーレへの展開後、温度25℃、湿度RH50%±10%の雰囲気下で7日間放置して、硬化体シートを得た。作製したシート状硬化試料から、金型を用いてダンベル試料を打ち抜き、精密万能試験機(株式会社島津製作所製、型番:AUTOGRAPH AGS-J)を用いて、JIS K6251に準じて、500mm/minのヘッドスピードにて引張試験を行った。
【実施例】
【0064】
(比較例9)
実施例3の硬化性組成物1に代えてTTiP0.711gを用いた以外、実施例3と同様の条件にて試料を作製し、その硬化体の引張特性を評価した。
(比較例10)
実施例3の硬化性組成物1に代えてTMG0.288gを用いた以外、実施例3と同様の条件にて試料を作製し、その硬化体の引張特性を評価した。
(比較例11)
実施例3の硬化性組成物1に代えて、比較例3にて作製した混合物の5倍量1.362gを用いた以外、実施例3と同様の条件にて試料を作製し、その硬化体の引張特性を評価した。
(比較例12)
実施例3の硬化性組成物1に代えて、DBTDL1.579gを用いた以外、実施例3と同様の条件にて試料を作製し、その硬化体の引張特性を評価した。
【実施例】
【0065】
【表3】
JP0006051207B2_000005t.gif
【実施例】
【0066】
表3は、実施例3および比較例9~12の各試料の配合組成を示す。図2は、表3に示す各試料を用いて作製した各硬化体の引張特性を示す。図2中、各試料の左側、中央および右側の各棒グラフは、それぞれ、弾性率、破断点強度および破断点伸び率を示す。
【実施例】
【0067】
実施例3の硬化体は、最も大きな破断点強度を有しており、かつ比較例12の硬化体より柔らかくて破断点伸び率も大きかった。比較例9の硬化体は、最も大きな破断点伸び率を有するものの、実施例3の硬化体および比較例12の硬化体に比べて、破断点強度の点で劣っていた。比較例10の硬化体は、実施例3の硬化体に比べて、破断点強度の点で劣り、破断点伸び率も小さかった。比較例11の硬化体は、弾性率の測定が不能なほど硬化状態が劣っていた。また、実施例3の硬化体は、比較例12の硬化体に比べて大きな破断点強度および大きな破断点伸び率を有していた。このことから、硬化性組成物1を用いた硬化体は、錫系硬化剤を用いた硬化体より、硬化特性上、優れていると考えられる。
【実施例】
【0068】
(実施例4)
実施例3で作製した硬化体の耐熱水性試験を実施した。試験片には、各硬化体を縦1cm×横1cm×約1.5mm厚の形状にカッターを用いて切り抜いたものを使用した。重量を測定した硬化体を約30gの純水と共にテトラフルオロエチレン製の分解容器(アズワン株式会社製)に入れ、120℃に保った恒温槽にて5日間放置した後、重量を測定した。重量測定は、取り出した試料を50℃に維持された乾燥炉内で2時間乾燥させた後に行い、最終的に、この試験前後の重量減少率を求めた。
【実施例】
【0069】
(比較例13)
比較例12で作製した硬化体について、実施例4と同じ方法で耐熱水性試験を行った。
【実施例】
【0070】
図3は、実施例4および比較例13の結果を示す。
【実施例】
【0071】
実施例4の重量減少率は、比較例13の約1/4であった。このことから、硬化性組成物1を用いた硬化体は、錫系硬化剤を用いた硬化体よりも耐熱水性の面で優れていると考えられる。
【実施例】
【0072】
(3)ポリエーテルあるいはアクリル系ポリマーを主鎖とする架橋性シリル基ポリマーのシロキサン結合生成による硬化実験
(実施例5)
乾燥窒素ガスを流した状態のグローブボックス内にて、アルコキシシリル基含有アクリル系ポリマー(東亞合成株式会社製、品番:ARUFON US-6170)を40g、硬化性組成物1を1.82g入れて、高密度ポリエチレン製容器(容積300cc)内に封入し、遊星式撹拌混合装置(thinky株式会社製、型番:ARE-250T)により、2000rpmで5分間の攪拌と、1500rpmで2分間の脱泡を行った。30分間、室温にて静置後、混合物15gを内径96mm、深さ12mmのテトラフルオロエチレン製のシャーレに展開し、一定時間経過後、粘度測定を行った。粘度測定にはRE-85R(東機産業株式会社製)を用いた。被測定物の測定温度を30℃に維持するため、測定物ホルダーには、ポンプを介して30℃の温水を循環させた。校正は、JIS規格のシリコーンオイルを用いて行った。
【実施例】
【0073】
(実施例5a)
実施例5の硬化性組成物1に代えて、硬化性組成物2を1.65g入れる以外、実施例5と同じ条件として同様の試験を行った。
(実施例5b)
実施例5の硬化性組成物1中のTMGに代えて、PhGを0.37g入れる以外、実施例5と同じ条件として同様の試験を行った。
(実施例5c)
実施例5の硬化性組成物1中のEAcAcに代えて、DMを0.72g入れる以外、実施例5と同じ条件として同様の試験を行った。
(比較例14)
実施例5の硬化性組成物1を比較例3記載の方法で作製した混合物1.50gに代えて、実施例5と同様な試験を行った。
(比較例15)
実施例5の硬化性組成物1をTMG0.32gに代えて、実施例5と同様な試験を行った。
(比較例16)
実施例5の硬化性組成物1をDBTDL1.74gに代えて、実施例5と同様な試験を行った。
【実施例】
【0074】
【表4】
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【実施例】
【0075】
表4は、実施例5,5a,5b,5cおよび比較例14~16の各試料の配合組成およびシャーレ展開後の初期粘度を示す。図4は、表4に示す実施例5および比較例14~16の各試料をシャーレに展開した後の粘度の経時変化(増粘率の変化)を示す。図5は、表4に示す実施例5,5a,5b,5cの各試料をシャーレに展開した後の粘度の経時変化(増粘率の変化)を示す。
【実施例】
【0076】
図4に示すように、実施例5の試料は、比較例14~16の各試料に比べて、シャーレ展開後に、より急速に増粘した。また、図5に示すように、実施例5,5a,5b,5cの各試料の範囲で比較すると、実施例5の試料は、実施例5a,5b,5cの各試料に比べて、シャーレ展開後に、比較的大きな増粘速度を有していた。これらの結果から、TTiPとキレート化剤とグアニジン化合物系の混合物から成る硬化性組成物は、錫系硬化剤、TTiPとキレート化剤のみから成る混合物、グアニジン化合物のみよりも、優れた硬化特性を発揮させるものであり、中でも、キレート化剤にEAcAcを、グアニジン化合物にTMGを用いた硬化性組成物1がより優れた硬化特性を発揮できると考えられる。
【実施例】
【0077】
(実施例6)
乾燥窒素ガスを流した状態のグローブボックス内にて、シリル末端ポリエーテル(株式会社カネカ製、品番:S303)を50g、硬化性組成物3を3.83g入れて、高密度ポリエチレン製容器(容積300cc)内に封入し、遊星式撹拌混合装置(thinky株式会社製、型番:ARE-250T)により、2000rpmで5分間の攪拌と、1500rpmで2分間の脱泡を行った。この混合物試料を25℃の室内に30分間静置後、以下の試験を行った。
(1)皮張り時間の評価
25℃±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気下で調製した混合物試料を、内径30mm、深さ6mmのプラスチック製容器に満たして静置し、表面に張った硬化皮膜が指触により、指に転着しなくなるまでの時間を測定して皮張り時間とし、硬化性の指標とした。皮張り時間が短いほど硬化性に優れることを意味する。
(2)接着強度試験
アルミニウム板に、調製した混合物を塗布し、厚さ0.2mmのスペーサーを介してもう一方のアルミニウム板を直ちに貼り合せた。接着面積は、2cm×2cmとした。温度25℃、相対湿度50%の雰囲気下で、クリップを用いて24時間貼り合せた後、JIS K 6850(剛性被着材の引張りせん断接着強さ試験方法)に準じて、接着強度を測定した。
【実施例】
【0078】
(実施例7)
実施例6における硬化性組成物3の代わりに、硬化性組成物1を3.09g用いて、実施例6と同様に試験を行った。
(比較例17)
実施例6における硬化性組成物3の代わりに、TTiP1.33g+EAcAc1.22gを用いて、実施例6と同様に試験を行った。
(比較例18)
実施例6における硬化性組成物3の代わりに、PhG0.64gを用いて、実施例6と同様に試験を行った。
(比較例19)
実施例6における硬化性組成物3の代わりに、DBTDL3.0gを用いて、実施例6と同様に試験を行った。
(比較例20)
実施例6における硬化性組成物3の代わりに、DBTDL3.0gとアミノシラン3.0gを用いて、実施例6と同様に試験を行った。
【実施例】
【0079】
【表5】
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【実施例】
【0080】
【表6】
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【実施例】
【0081】
表5は、実施例6,7および比較例17~20の各試料の配合組成を示す。表6は、表5に示す各試料の皮張り時間と引張せん断接着強度を示す。表6中の「評価不可」は、静置後24時間を経過しても十分に硬化しなかったため、評価に供することができなかったことを意味する。
【実施例】
【0082】
表6に示すように、実施例6および実施例7により作製した試料は、共に皮張り時間が短く、比較例により作製した各試料に比べ、硬化体の引張りせん断接着強度が大きかった。この結果から、TTiP+EAcAcと、TMG若しくはPhGとを添加した硬化性組成物は、錫系硬化剤やそれにアミノシランカップリング剤を加えた硬化性組成物、TTiPとキレート化剤のみを加えた硬化性組成物、グアニジン化合物のみからなる硬化性組成物よりも、シリル末端ポリエーテルに対して優れた硬化速度と接着強度を発揮させるものであることがわかった。
【実施例】
【0083】
(4)ポリオールとポリイソシアネートの反応によるウレタン結合生成による硬化実験
(実施例8)
PPG45.3gと、硬化性組成物1を約0.036g取り、ポリエチレン製カップ内でマグネチックスターラーを用いて混合し、さらにそこにDIC16.0gを加え、プラスチック製のへらを用いて混合した。これらの操作は、乾燥窒素ガスを流した状態のグローブボックス内にて行った。真空脱泡後、調製した混合物15gを内径96mm、深さ12mmのフッ素樹脂製シャーレに展開し、一定時間経過後、粘度測定を行った。粘度測定は、実施例5と同様の方法により行った。
【実施例】
【0084】
(実施例9)
実施例8における硬化性組成物1の配合量を0.5倍量として調製した混合物につき、実施例8と同様の方法にて粘度測定を行った。
【実施例】
【0085】
(比較例21)
実施例8における硬化性組成物1をTTiP0.0155gに代えた以外、実施例8と同様の条件にて、混合物を作製してその粘度を測定した。
(比較例22)
実施例8における硬化組成物1をTMG0.0360gに代えた以外、実施例8と同様の条件にて、混合物を作製してその粘度を測定した。
(比較例23)
実施例8における硬化性組成物1をTC-750 0.026gに代えた以外、実施例8と同様の条件にて、混合物を作製してその粘度を測定した。
(比較例24)
実施例8における硬化性組成物1をDBTDL 0.036gに代えた以外、実施例8と同様の条件にて、混合物を作製してその粘度を測定した。
【実施例】
【0086】
【表7】
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【実施例】
【0087】
表7は、実施例8,9および比較例21~24の各試料の配合組成を示す。図6は、表7に示す各試料をシャーレに展開した後の粘度の経時変化を示す。
【実施例】
【0088】
各試料をシャーレに展開後60分では、実施例8は、錫系硬化剤を用いた比較例24の約5倍の粘度増加を示した。また、硬化性組成物1の配合量を実施例8の0.5倍量とした実施例9においても、比較例24より粘度増加が大きかった。一方、比較例21,22,23では、粘度増加は極めて小さかった。特に、TMGのみを添加した比較例22では、試験時間中、粘度増加がほとんど無かった。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、樹脂の硬化性触媒あるいは硬化特性に優れた樹脂として利用することができる。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
2
【図4】
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【図5】
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【図6】
5