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明細書 :関節症性乾癬モデル動物及び膿疱性乾癬モデル動物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-055680 (P2017-055680A)
公開日 平成29年3月23日(2017.3.23)
発明の名称または考案の名称 関節症性乾癬モデル動物及び膿疱性乾癬モデル動物
国際特許分類 A01K  67/027       (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
G01N  33/15        (2006.01)
G01N  33/50        (2006.01)
FI A01K 67/027 ZNA
C12N 15/00 A
G01N 33/15 Z
G01N 33/50 Z
請求項の数または発明の数 18
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2015-181223 (P2015-181223)
出願日 平成27年9月14日(2015.9.14)
発明者または考案者 【氏名】秋山 真志
【氏名】杉浦 一充
【氏名】柴田 章貴
出願人 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100114362、【弁理士】、【氏名又は名称】萩野 幹治
審査請求 未請求
テーマコード 2G045
4B024
Fターム 2G045AA29
4B024AA11
4B024BA26
4B024CA06
4B024DA02
4B024EA04
4B024GA11
4B024HA11
要約 【課題】関節症性乾癬の病態、又は膿疱性乾癬の病態を再現するモデル動物を提供することを課題とする。
【解決手段】インターロイキン36受容体アンタゴニストをコードするIL36RN遺伝子が欠損したトランスジェニック非ヒト動物に対してToll様受容体4のリガンドを投与し、関節症性乾癬又は膿疱性乾癬の病態を誘導する。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
インターロイキン36受容体アンタゴニストをコードするIL36RN遺伝子が欠損したトランスジェニック非ヒト動物に対してToll様受容体4のリガンドを投与するステップ、を含む、乾癬モデル動物の作製方法。
【請求項2】
前記トランスジェニック非ヒト動物が、インターロイキン36受容体アンタゴニストをコードするIL36RN遺伝子をホモ型に欠損している、請求項1に記載の作製方法。
【請求項3】
前記トランスジェニック非ヒト動物が齧歯目動物である、請求項1又は2に記載の作製方法。
【請求項4】
前記齧歯目動物がマウスである、請求項3に記載の作製方法。
【請求項5】
前記リガンドがリポ多糖である、請求項1~4のいずれか一項に記載の作製方法。
【請求項6】
前記トランスジェニック非ヒト動物の関節の近傍に前記リガンドが投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の作製方法。
【請求項7】
前記リガンドの投与部位が足である、請求項6に記載の作製方法。
【請求項8】
前記トランスジェニック非ヒト動物の皮下又は皮内に前記リガンドが投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の作製方法。
【請求項9】
前記リガンドの投与部位が背部又は腹部である、請求項8に記載の作製方法。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか一項に記載の作製方法で得られる、乾癬モデル動物。
【請求項11】
請求項6又は7の作製方法で得られる、関節症性乾癬の病態を呈する乾癬モデル動物。
【請求項12】
請求項8又は9の作製方法で得られる、膿疱性乾癬の病態を呈する乾癬モデル動物。
【請求項13】
以下の(1)及び(2)を含む、乾癬用薬剤のスクリーニング方法:
(1)請求項1~12のいずれか一項に記載の作製方法で得られる乾癬モデル動物に被験物質を投与するステップ;
(2)被験物質の予防又は治療効果を判定するステップ。
【請求項14】
ステップ(1)における前記被験物質の投与が、前記乾癬モデル動物を作製するためのToll様受容体4のリガンドの投与の前に行われる、請求項13に記載のスクリーニング方法。
【請求項15】
対照群との比較に基づきステップ(2)の判定を行う、請求項13又は14に記載のスクリーニング方法。
【請求項16】
前記乾癬用薬剤が、関節症性乾癬の予防又は治療、或いは膿疱性乾癬の予防又は治療用の薬剤である、請求項13~15のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
【請求項17】
前記乾癬用薬剤が、尋常性乾癬の予防又は治療用の薬剤である、請求項13~15のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
【請求項18】
以下の(i)及び(ii)を含む、膿疱性乾癬の予防又は治療用の薬剤のスクリーニング方法:
(i)野生型マウスにToll様受容体4のリガンドを投与するとともに、被験物質を投与するステップ;
(ii)被験物質の予防又は治療効果を判定するステップ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、関節症性乾癬モデル動物及び膿疱性乾癬モデル動物に関する。詳しくは、関節症性乾癬モデル動物の作製方法、膿疱性乾癬モデル動物の作製方法、及び関節症性乾癬モデル動物又は膿疱性乾癬モデル動物を用いたスクリーニング方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
乾癬は5つの類型、即ち、尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、滴状乾癬、乾癬性紅皮症及び膿疱性乾癬に大別される。関節症性乾癬、乾癬性紅皮症及び膿疱性乾癬はときに治療困難であり、治療法の開発のための研究が精力的に進められている。これまでの研究によって、膿疱性乾癬の大半がインターロイキン36受容体アンタゴニスト(以下、「IL-36RN」と略称することがある)をコードするIL36RN遺伝子の劣性遺伝という遺伝的素因に起因することが明らかになっている(非特許文献1を参照)。
【0003】
IL36RN遺伝子ノックアウトマウスが作製され(非特許文献2を参照)、当該マウスにIL-36を過剰発現させる、或いはToll様受容体7のリガンド(アゴニスト)であるイミキモドを外用することによって皮膚炎が生ずることが報告された(非特許文献2、3を参照)。但し、このモデルでは臨床的(肉眼的)膿疱を来すことはなく、尋常性乾癬モデルマウスとして各種実験に利用されている。
【0004】
膿疱性乾癬の患者ではしばしば関節症性乾癬を併発する。一方、関節症性乾癬患者の関節ではIL-36の発現が認められる(非特許文献4を参照)。また、IL36RN遺伝子変異(劣性)を認める膿疱性乾癬患者で関節症性乾癬を合併する症例が報告されている。一方で、コラーゲン誘導関節炎(CIA)モデルをはじめとした各種関節炎モデルを用いた実験の結果から、関節炎へのIL-36の関与を否定する報告が集積しており(例えば非特許文献5を参照)、「IL-36は関節炎に関与していない」という考えが定説となっている。
【先行技術文献】
【0005】

【非特許文献1】Sugiura K. et al. J Invest Dermatol. 2013 Nov;133(11):2514-21.
【非特許文献2】Blumberg H. et al., J. Ex. Med. 2007 Oct;204 (11):2603-14.
【非特許文献3】Tortola L. et al., J Clin Invest. 2012 Nov;122(11):3965-76.
【非特許文献4】Frey S. et al., Ann Rheum Dis. 2013 Sep;72(9):1569-74.
【非特許文献5】Damien Dietrich & Cem Gabay Nat Rev Rheumatol. 2014 Nov;10(11):639-40.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
関節症性乾癬及び膿疱性乾癬は難治性であり、新たな治療法の提供が切望される。有効な治療法を確立するためには、これらの病態を再現するモデル動物の創出が望まれる。関節症性乾癬/膿疱性乾癬の病態を再現したモデル動物があれば、例えば、治療薬の探索に有用なスクリーニング系を構築でき、関節症性乾癬及び膿疱性乾癬の治療法の確立に向けた研究が大きく前進する。そこで本発明は、関節症性乾癬の病態、又は膿疱性乾癬の病態を再現するモデル動物(乾癬モデル動物)を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明者らはIL36RN遺伝子に着目して鋭意検討した。一つのケージで複数匹のマウス(雄)を飼育しているとファイティングすることが多いが、IL36RN遺伝子欠損マウス(雄)の場合、ファイティングによって関節炎が生じるという(野生型マウスや道化師様魚鱗癬モデルマウス(ABCA12遺伝子ノックアウトマウス)ではこのような現象は報告されていない)、驚くべき現象を観察した。「IL-36は関節炎に関与していない」という、上記定説を覆すともいえるこの現象について、外傷に伴う感染から自然免疫が賦活化し、関節炎が起こった可能性があると考察し、研究を進めた。具体的には、自然免疫に関与するToll様受容体4(TLR4)に着目し、そのリガンドであるリポ多糖(LPS)をIL36RN遺伝子欠損マウスの後足に皮下投与した。その結果、対照(野生型)群に比べ、著明な腫脹・肥厚(付着部炎の誘発)を認めた。即ち、IL36RN遺伝子欠損マウスにTLR4リガンドを投与することによって、関節症性乾癬の病態を誘導することに成功した。
【0008】
一方、膿疱性乾癬と関節症性乾癬の関連性に鑑み、IL36RN遺伝子欠損マウスが膿疱性乾癬モデルの作製にも利用できる可能性があると考え、IL36RN遺伝子欠損マウスの背部皮下にLPSを投与し、経過を観察した。処置を受けたマウスは、驚くべきことに僅か数日で膿疱を来した。即ち、IL36RN遺伝子欠損マウスにTLR4リガンドを投与することによって、膿疱性乾癬の病態を誘導することにも成功した。特筆すべきことに、野生型マウスにおいても同様の処置で膿疱の形成が認められた。この事実は、IL36RN遺伝子欠損マウスに限らず、野生型マウスなどを用いても、膿疱性乾癬の治療薬開発に有用なスクリーニング系を構築できることを意味する。
以下の発明は上記の成果及び考察に基づく。
[1]インターロイキン36受容体アンタゴニストをコードするIL36RN遺伝子が欠損したトランスジェニック非ヒト動物に対してToll様受容体4のリガンドを投与するステップ、を含む、乾癬モデル動物の作製方法。
[2]前記トランスジェニック非ヒト動物が、インターロイキン36受容体アンタゴニストをコードするIL36RN遺伝子をホモ型に欠損している、[1]に記載の作製方法。
[3]前記トランスジェニック非ヒト動物が齧歯目動物である、[1]又は[2]に記載の作製方法。
[4]前記齧歯目動物がマウスである、[3]に記載の作製方法。
[5]前記リガンドがリポ多糖である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の作製方法。
[6]前記トランスジェニック非ヒト動物の関節の近傍に前記リガンドが投与される、[1]~[5]のいずれか一項に記載の作製方法。
[7]前記リガンドの投与部位が足である、[6]に記載の作製方法。
[8]前記トランスジェニック非ヒト動物の皮下又は皮内に前記リガンドが投与される、[1]~[5]のいずれか一項に記載の作製方法。
[9]前記リガンドの投与部位が背部又は腹部である、[8]に記載の作製方法。
[10][1]~[5]のいずれか一項に記載の作製方法で得られる、乾癬モデル動物
[11][6]又は[7]の作製方法で得られる、関節症性乾癬の病態を呈する乾癬モデル動物。
[12][8]又は[9]の作製方法で得られる、膿疱性乾癬の病態を呈する乾癬モデル動物。
[13]以下の(1)及び(2)を含む、乾癬用薬剤のスクリーニング方法:
(1)[1]~[12]のいずれか一項に記載の作製方法で得られる乾癬モデル動物に被験物質を投与するステップ;
(2)被験物質の予防又は治療効果を判定するステップ。
[14]ステップ(1)における前記被験物質の投与が、前記乾癬モデル動物を作製するためのToll様受容体4のリガンドの投与の前に行われる、[13]に記載のスクリーニング方法。
[15]対照群との比較に基づきステップ(2)の判定を行う、[13]又は[14]に記載のスクリーニング方法。
[16]前記乾癬用薬剤が、関節症性乾癬の予防又は治療、或いは膿疱性乾癬の予防又は治療用の薬剤である、[13]~[15]のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
[17]前記乾癬用薬剤が、尋常性乾癬の予防又は治療用の薬剤である、[13]~[15]のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
[18]以下の(i)及び(ii)を含む、膿疱性乾癬の予防又は治療用の薬剤のスクリーニング方法:
(i)野生型マウスにToll様受容体4のリガンドを投与するとともに、被験物質を投与するステップ;
(ii)被験物質の予防又は治療効果を判定するステップ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】IL36RN(Il1f5)遺伝子ノックアウトマウスの作製に使用したプラスミド及び標的部位。
【図2】関節炎の誘導実験の結果。リポ多糖(LPS)の投与量毎に、3回目(2日目)の投与6時間後に後足の状態を野生型マウス(WT)とIL36RN(Il1f5)遺伝子ホモ欠損マウスの間で比較した。
【図3】IL36RN(Il1f5)遺伝子ホモ欠損マウスにおける関節炎の誘導。3回目(2日目)の投与6時間後に後足の厚さを測定した。
【図4】IL36RN(Il1f5)遺伝子ホモ欠損マウスにおける膿疱の誘導。LPS 50μgを投与したときの2日目(上段)及び4日目(下段)の背部の状態を、野生型マウス(WT)とIL36RN(Il1f5)遺伝子ホモ欠損マウスの間で比較して示す。
【図5】抗IL-1b抗体による治療効果。IL36RN(Il1f5)遺伝子ホモ欠損マウスに対して、LPSの投与1日前に抗IL-1b抗体60μgを投与し、その効果を調べた。上段は2日目の背部の状態。下段は5日目の背部の状態。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.乾癬モデル動物の作製方法(発明の第1の局面)
本発明の第1の局面は、乾癬の病態を示す動物、即ち、乾癬モデル動物の作製方法に関する。本発明の作製方法では、「インターロイキン36受容体アンタゴニストをコードするIL36RN遺伝子が欠損したトランスジェニック非ヒト動物に対してToll様受容体4のリガンドを投与するステップ」が行われる。

【0011】
本発明の作製方法ではまず、所定の特徴を備える動物(本明細書では「処置用動物」と呼ぶ)を用意し、乾癬を誘導する処置を施す。本発明に使用する処置用動物は、インターロイキン36受容体アンタゴニストをコードするIL36RN遺伝子が欠損したトランスジェニック非ヒト動物(以下、「IL36RN遺伝子欠損動物」とも呼ぶ)からなる。IL36RN遺伝子欠損動物の動物種は特に限定されず、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ブタ、ウシ、及びウマ等を含む。好ましくはマウス(例えば129、129P3、129S1、A、AHe、AKR、B57BL、C57BL/6N、C57BL/6J、C57BL/6Ei、C57BL/10、C57BR/cd、BALB/c、BALB/cBy、B6C3F1、B6D2F1、B6Albino、C.B-17 SCID、C3H、CBA/J、CBA/N、CBA/Ca、CD2F1、db、DBA/1、DBA/2、HRS/J、C57L/J、NZB、NZW、RIIIS/J、ICR、NC、NOD、NOD SCID、NSG、ob、SHO、SJL、SWR等の系統))やラット(例えばBN、CD(SD)、Wistar、F344、LEW等の系統)などの齧歯目動物であり、最も好ましくはマウスである。

【0012】
IL36RN遺伝子欠損動物は、好ましくは、IL36RN遺伝子をホモ型に欠損している。この特徴を備えるIL36RN遺伝子欠損動物を用いれば乾癬の病態を誘導し易くなる。IL36RN遺伝子のメッセンジャーRNAについては、乾癬病変部で誘導されることが報告されている。IL36RN遺伝子の配列の例として、公共のデータベースに登録されている、マウスのIl1f5遺伝子(IL36RN遺伝子に相当する)の配列を配列番号1(ACCESSION: NM_001146087, DEFINITION:Mus musculus interleukin 1 family, member 5 (delta) (Il1f5), transcript variant 1, mRNA)に示し、ラットのIl36rn遺伝子の配列を配列番号2(ACCESSION:NM_001107814, DEFINITION: Rattus norvegicus interleukin 36 receptor antagonist (Il36rn), mRNA)に示す。

【0013】
IL36RN遺伝子欠損動物は例えばジーンターゲティングを利用して作製できる。ジーンターゲティングは遺伝子の相同組換えを利用してゲノムに改変を加える技術である。ジーンターゲティングを利用すれば、特定の遺伝子が欠損した遺伝子改変動物(ノックアウト動物)、特定の遺伝子が導入された遺伝子改変動物(ノックイン動物)等を作製することができる。ジーンターゲティングを利用した遺伝子改変動物(ノックアウト動物、ノックイン動物)の作製法は、マウスの場合を例にとれば、大別して(a)ターゲティングベクターの構築、(b)ES細胞へのターゲティングベクターの導入及び相同組換え体の同定、(c)ブラストシストへの相同組み換え体の注入、(d)仮親の子宮内への胚移植及び出産(キメラ仔マウス)、(e)キメラ仔マウスと野生型マウスの交配(F1世代であるヘテロ接合体マウスの産出)、及び(f)F1世代同士の交配(F2世代であるホモ接合体マウスの産出)からなる。ラットなど、他の齧歯類を用いた場合も同様の手順で遺伝子改変動物を得ることができる。尚、ジーンターゲティングによる遺伝子改変動物の作製法については例えばJoyner, A. L.:Gene Targeting (IRL press)、Capeccchi, M. R., Science, 244, 1288-1292 (1989)、Hua Gu, et al., Science, 265, 103-106 (1994)、McHugh, T. J. et al., Cell, 87, 1339-1349 (1996)、Shibata, H. et al., Science, 278, 120-123 (1997)等が参考になる。尚、マウスES細胞を利用した遺伝子ターゲティングによってIL36RN遺伝子がホモ型に欠損しているマウスが作製されている(例えば、非特許文献2、3を参照)。

【0014】
本発明者らの検討の結果、IL36RN遺伝子欠損動物は、Toll様受容体4のリガンド(以下、「TLR4リガンド」と呼ぶ)の投与によって乾癬の症状を呈しうることが明らかとなった。本発明の作製方法ではこの知見を利用する。即ち、処置用動物(IL36RN遺伝子欠損動物)に対してTLR4のリガンドを投与することで乾癬の病態を誘導する。理論に拘泥するわけではないが、処置用動物にTLR4リガンドを投与すると、表皮角化細胞や炎症細胞からIL-36α(Il-1f6)、IL-36β(Il-1f8)、IL-36γ(Il-1f9)が誘導され、表皮角化細胞や炎症細胞のIL-36受容体を介した炎症のシグナルが亢進し、その結果、乾癬の症状が現れる。TLR4ガンドとしては、これらに限定されるものではないが、例えばR型又はS型リポ多糖(LPS)、モノホスホリルリピドA、リピドA(LPSの構成成分)、Heat-killed Bacteria、パクリタキセル(Paclitaxel)、LPSペプチド、フェチュインA(Fetuin-A)又はヒアルロン酸を用いる。これらの物質は市販もされており、容易に入手可能である。例えばリポ多糖であれば、Sigma社が提供するもの(例えば製品番号L3024)、InvivoGen社が提供するもの(例えば製品番号tlrl-eblps)、Wako社が提供するもの(例えば製品番号125-05181)などを用いることができる。二種類以上のTLR4リガンドを併用してもよい。

【0015】
本発明の一態様(第1の態様)では、処置用動物の関節の近傍にTLR4リガンドを投与し、関節症性乾癬の病態を誘導する。関節症性乾癬とは乾癬性関節炎とも呼ばれ、尋常性乾癬の諸症状(皮膚が赤く盛り上がる紅斑、細かいカサブタのような鱗屑、フケのようにボロボロとはがれ落ちる落屑が主な症状)に加え、全身の関節に炎症、強ばり、変形などが起こり、痛みを伴う、乾癬の一類型である。本邦では、関節症性乾癬患者は乾癬患者全体の6~8%を占める。

【0016】
処置用動物の関節の近傍にTLR4リガンドを投与すると付着部炎が誘導され、腫脹や肥厚が観察される。処置が容易であること、症状を観察し易いことなどの理由から、足(前足又は後足)、好ましくは足裏に皮下注射、筋肉内注射などによってTLR4リガンドを投与する。関節症性乾癬の症状を誘導するのに十分な量となるようにTLR4リガンドの投与量は設定される。具体的には例えば、本発明に使用する処置用動物がマウスであって、TLR4リガンドとしてリポ多糖を投与する場合には、例えば1回あたりの投与量を40ng~100μg、好ましくは100ng~50μg、更に好ましくは300ng~3μgとする。投与量が少なすぎる場合には十分な誘導効果が得られない。これとは逆に投与量が多すぎると必要以上の刺激が加わり好ましくない。

【0017】
典型的には、時間的間隔(例えば半日~3日、好ましくは1日~2日)を置いた2回以上の投与(例えば2回~20回、好ましくは2回~10回)によって付着部炎を誘導する。

【0018】
本発明の別の態様(第2の態様)では、処置用動物の皮下又は皮内にTLR4リガンドを投与し、膿疱性乾癬の病態を誘導する。膿疱性乾癬は膿(うみ)を伴った皮膚病変が特徴的であり、汎発性のものでは発熱などの全身症状を伴い、重症では死に至る危険性がある。本邦では、膿疱性乾癬患者は乾癬患者全体の約1%を占める。

【0019】
処置用動物の皮下又は皮内にTLR4リガンドを投与することにより、膿疱の形成が観察される。処置が容易であること、症状を観察し易いことなどの理由から、背部又は腹部にTLR4リガンドを投与する。好ましくは、背部を投与部位とする。通常は、TLR4リガンドの投与に先立って投与部位及びその周囲を除毛しておく。膿疱を来すのに十分な量となるようにTLR4リガンドの投与量は設定される。具体的には例えば、本発明に使用する処置用動物がマウスであって、TLR4リガンドとしてリポ多糖を投与する場合には、例えば1回あたりの投与量を50ng~200μg、好ましくは100ng~100μg、更に好ましくは1μg~20μgとする。投与量が少なすぎる場合には十分な誘導効果が得られない。これとは逆に投与量が多すぎると必要以上の刺激が加わり好ましくない。

【0020】
典型的には、時間的間隔(例えば半日~3日、好ましくは1日~2日)を置いた2回以上の投与(例えば2回~20回、好ましくは3回~10回)によって膿疱の形成を誘導する。1日に1回1μg~20μg(好ましくは3μg~10μg)を投与するという、リポ多糖の投与スケジュールは、野生型マウスと比較して優位に、IL36RN遺伝子欠損マウスに膿疱を誘導し得る条件として重要である。尚、後述の実施例に示す通り、本発明者らの検討によって、条件次第では、野生型マウスでもTLR4リガンドの投与によって膿疱を来すことが明らかとなった(実施例を参照)。

【0021】
2.乾癬モデル動物の用途(発明の第2の局面)
本発明の第2の局面は、本発明の作製方法で得られる乾癬モデル動物(以下、「本発明の乾癬モデル動物」とも呼ぶ)の用途に関する。典型的な用途として、乾癬の予防又は治療(改善)に有効な物質、即ち、乾癬用薬剤のスクリーニング方法が提供される。本発明のスクリーニング方法では以下のステップが行われる。尚、本明細書において「乾癬用薬剤」とは、乾癬を発症している患者に対してその症状の改善や治癒などを目的として使用される薬剤はもとより、乾癬を発症するおそれのある者に対して予防的に(再発防止の目的も含む)使用される薬剤も含む用語として用いられる。このように、本発明のスクリーニング方法を利用して選抜される薬剤は、乾癬の予防又は治療(改善)を目的として使用され得る。
(1)本発明の作製方法で得られる乾癬モデル動物に被験物質を投与するステップ
(2)被験物質の予防又は治療効果を判定するステップ

【0022】
ステップ(1)では、本発明の乾癬モデル動物に被験物質を投与する。被験物質の投与方法としては、皮膚への塗布、皮膚内、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内又は腹腔内注射、経口投与、噴霧投与、経鼻投与、経気管投与を例示することができる。

【0023】
被験物質の投与時期(投与のタイミング)は特に限定されない。例えば、乾癬モデル動物を作製するためのTLR4リガンドの投与の前、投与と同時、或いは投与の後に被験物質を投与する。被験物質を複数回投与することにしてもよい。その場合には各回の投与量は同一であっても異なっていても良い。

【0024】
被験物質としては様々な分子サイズの有機化合物(核酸、ペプチド、タンパク質、脂質(単純脂質、複合脂質(ホスホグリセリド、スフィンゴ脂質、グリコシルグリセリド、セレブロシド等)、プロスタグランジン、イソプレノイド、テルペン、ステロイド等))又は無機化合物を用いることができる。被験物質は天然物由来であっても、或いは合成によるものであってもよい。後者の場合には例えばコンビナトリアル合成の手法を利用して効率的なスクリーニング系を構築することができる。既存の薬剤(例えば、抗サイトカイン抗体、抗リウマチ薬、ステロイド薬)を被験物質としてもよい。また、細胞抽出液、培養上清などを被験物質として用いてもよい。

【0025】
ステップ(1)に続くステップ(2)では、被験物質の予防又は治療効果を判定する。予防又は治療効果があると判定された被験物質は有力な薬剤候補となる。乾癬モデル動物としての関節症性乾癬モデル動物を用いた場合(即ち、関節の近傍にTLR4リガンドを投与して付着部炎を誘導する第1の態様の作製方法が適用される場合)には、関節症性乾癬の病態に応じた評価指標を用いて判定し、関節症性乾癬の予防又は治療に有効な物質をスクリーニングする。具体的な指標を例示すると、腫脹・肥厚の有無又は程度、腫脹・肥厚が認められるまでの時間、炎症性サイトカインの量、病変部と所属リンパ節の炎症細胞全体に占める各種炎症細胞の割合、または各種炎症細胞の数、脾臓の重さである。肉眼的観察、組織の顕微鏡観察(病理組織)、関節部の厚みの計測、免疫学的検出、フローサイトメトリー、X線撮影、CT、MRI、免疫組織化学、ELISA、リアルタイムPCR、重量測定などによって、これらの指標を用いた評価が可能である。二以上の指標を併用して判定することにしてもよい。通常は、採用する指標の数が増えれば、より信頼度の高い判定結果が得られる。判定基準の具体例を以下に示す。
(i)被験物質の投与によって、腫脹・肥厚が認められなくなった場合、又は腫脹・肥厚の程度が低下した場合(腫脹・肥厚が抑制された又は改善した場合)、被験物質に予防効果又は治療効果があると判定する。
(ii)被験物質の投与によって、腫脹・肥厚が認められる時期が遅延した場合、被験物質に予防効果があると判定する。

【0026】
乾癬モデル動物としての膿疱性乾癬モデル動物を用いた場合(即ち、皮下又は皮内にTLR4リガンドを投与して膿疱を誘導する第2の態様の作製方法が適用される場合)、膿疱性乾癬の病態に応じた評価指標を用いて判定し、膿疱性乾癬の予防又は治療に有効な物質をスクリーニングする。具体的な指標を例示すると、膿の有無又は程度、膿が認められるまでの時間、紅斑の有無又は程度、紅斑が認められるまでの時間、炎症性サイトカインの量、病変部と所属リンパ節の炎症細胞全体に占める各種炎症細胞の割合、または各種炎症細胞の数、脾臓の重さである。肉眼的観察、組織の顕微鏡観察(病理組織)、病変(膿、紅斑)部位のサイズの計測、免疫学的検出、フローサイトメトリー、免疫組織化学、ELISA、リアルタイムPCR、重量測定などによって、これらの指標を用いた評価が可能である。二以上の指標を併用して判定することにしてもよい。通常は、採用する指標の数が増えれば、より信頼度の高い判定結果が得られる。判定基準の具体例を以下に示す。
(i)被験物質の投与によって、膿の形成が認められなくなった場合、又は膿の程度が低下した場合、被験物質に予防効果又は治療効果があると判定する。
(ii)被験物質の投与によって、膿の形成が認められる時期が遅延した場合、被験物質に予防効果があると判定する。
(iii)被験物質の投与によって、紅斑の形成が認められなくなった場合、又は紅斑の程度が低下した場合、被験物質に予防効果又は治療効果があると判定する。
(iv)被験物質の投与によって、紅斑の形成が認められる時期が遅延した場合、被験物質に予防効果があると判定する。

【0027】
ところで、尋常性乾癬においても、膿疱性乾癬と同様にIL-36が関与するとの報告(上掲の非特許文献3)がある。本願では関節症性乾癬の病態形成にIL-36が重要な役割を果たすことを示している(「課題を解決するための手段」の欄を参照)。これらの報告と結果に鑑みれば、乾癬モデル動物としての膿疱性乾癬モデル動物又は関節症性乾癬モデル動物を用いたスクリーニング方法は、尋常性乾癬の予防又は治療に有効な物質の探索手段としても有用といえる。従って、上記のステップ(1)及び(2)によって特徴付けられるスクリーニング方法を、尋常性乾癬の予防又は治療用の薬剤を同定する手段として利用することも想定される。

【0028】
一方、上でも言及した通り、野生型マウスにTLR4リガンドを投与した場合に膿疱の形成が認められた(実施例も参照)。この事実に鑑み本願は、以下のステップ(i)及び(ii)を含む、膿疱性乾癬の予防又は治療用の薬剤のスクリーニング方法も提供する。
(i)野生型マウスにToll様受容体4のリガンドを投与するとともに、被験物質を投与するステップ
(ii)被験物質の予防又は治療効果を判定するステップ

【0029】
本発明のスクリーニング方法では、好ましくは、被験物質が投与されるモデル動物群(試験群)と、被験物質が投与されないこと以外は同条件のモデル動物群(対照群)を用意する。そして、採用した指標に関して試験群と対照群を比較し、その結果を基にしてステップ(2)の判定を行う。比較の結果、例えば試験群の方が対照群よりも、症状が軽い場合や、試験群の方が対照群よりも症状の表出ないし形成が遅い場合、試験群で症状の有意な軽快を認める場合など、試験群に治療ないし予防効果が認められれば、被験物質が有力な薬剤候補であると判定できる。このように被験物質を投与する群(試験群)と投与しない群(対照群)とを比較することによれば、被験物質の有効性を容易に且つ高い信頼度で判定することができる。尚、用意した複数のモデル動物をまず試験群と対照群とに分け、そして各群に対してTLR4リガンドの投与を行って病態を誘導することにしても、或いは用意した複数のモデル動物に対してTLR4リガンドの投与を行って病態を誘導した後に試験群と対照群とに分けることにしてもよい。

【0030】
試験群及び対照群に含まれる個体数は特に限定されない。一般に使用する個体数が多くなるほど信頼度の高い結果が得られるが、多数の個体を同時に取り扱うことは使用する個体の確保や操作(飼育を含む)の面で困難を伴う。そこで例えば各群に含まれる個体数を1~50、好ましくは2~30、さらに好ましくは5~20とする。

【0031】
本発明のスクリーニング方法によって選択された化合物が標的の疾患(関節症性乾癬、膿疱性乾癬、又は尋常性乾癬)に対して十分な薬効を有する場合には、当該化合物をそのまま薬剤の有効成分として使用することができる。一方で十分な薬効を有しない場合には化学的修飾などの改変を施してその薬効を高めた上で、標的の疾患に対する薬剤の有効成分として当該化合物を使用することができる。勿論、十分な薬効を有する場合であっても、更なる薬効の増大を目的として同様の改変を施してもよい。

【0032】
本明細書で特に言及しない事項(条件、操作方法など)については常法に従えばよく、例えばMolecular Cloning(Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)、Current protocols in molecular biology(Eedited by Frederick M. Ausubel et al., 1987)、Current protocols in Immunology, John Wiley& Sons Inc等を参考にすることができる。
【実施例】
【0033】
関節症性乾癬及び膿疱性乾癬に対する治療法の開発を目指し、これらの病態を再現するモデル動物の創出を試みた。
【実施例】
【0034】
1.材料・方法
(1)IL36RN(Il1f5)遺伝子ノックアウトマウスの作製
ES細胞を用いてコンベンショナルなIl1f5(ヒトのIL36RN遺伝子に相当)遺伝子ノックアウトマウスを作製する。ES細胞にはHK3i細胞(C57BL/6N系統)を使用した。使用したプラスミド(ターゲティングベクター)の構成及び標的部位を図1に示す。Il1f5遺伝子のエクソン1(Ex1)の一部からエクソン3(Ex3)の一部にまたがる領域(配列番号3)をPr Neo pA(配列番号4)に置換した。
【実施例】
【0035】
(2)TLR4のリガンド(アゴニスト)
本実験ではリポ多糖(LPS)(製品名Lipopolysaccharides from Escherichia coli O111:B4、SIGMA-ALDRICH社)を使用した。
【実施例】
【0036】
(3)マウス系統
本実験ではC57BL/6N系統のマウスを使用した。
【実施例】
【0037】
(4)関節炎/膿疱の誘発
関節炎/膿疱の誘発のために、IL36RN(Il1f5)遺伝子ホモ欠損マウスの関節近傍又は後足の足裏にLPSを下記の通り投与する。
(投与量)
関節炎:2μg/ml~2mg/mlの濃度で20μl
膿疱:2μg/ml~2mg/mlの濃度で50μl
(投与スケジュール)
関節炎:1日1回、3日間
膿疱:1日1回、1~5日間
【実施例】
【0038】
2.結果
(1)関節炎の誘導
複数のオスマウスを同ケージで飼育するとファイティングすることが多い。IL36RN遺伝子ホモ欠損マウス及びヘテロ欠損マウスではファイティングにより関節炎が起こった(WTマウスではこのような現象は認めていない)。この現象の機序として、外傷に伴う感染から自然免疫が賦活化し、関節症性乾癬と同様の関節炎が起こっている可能性を考え、TLR4アゴニストをIL36RN遺伝子ホモ欠損マウスの関節近傍に局所投与することにより関節炎を誘導することを試みた。まず、8~12週齢、オスの野生型(WT)マウス及びIL36RN遺伝子ホモ欠損マウスの後足の関節近傍に、TLR4リガンド(アゴニスト)であるLPSを40ng~40μg(容量20μl)の投与量で1日1回、3日間皮下注射した。そして、最終投与6時間後に後足の厚さを測定した。その結果、LPS 300ng以上で、IL36RN遺伝子ホモ欠損マウスにおいてWTマウスより優位に後足の腫脹・肥厚がみられた(図2、3)。
【実施例】
【0039】
(2)膿疱の再現
8~12週齢、オスの野生型(WT)マウス及びIL36RN遺伝子ホモ欠損マウスの除毛した背部皮膚に、LPSを100ng~100μg(容量50μl)の投与量で1日1回、1~5日間皮下注射し、皮膚の状態を観察した。50μg投与した群では、5日間投与後においてWTマウス、IL36RN遺伝子ホモ欠損マウスいずれにおいても著しい紅斑・膿疱がみられた(図4)。尚、3μg投与した群においても、Il36RN遺伝子欠損マウスでは著しい紅斑・膿疱が、また野生型においても軽度ではあるものの、紅斑・膿疱が観察された。
【実施例】
【0040】
一方、投与1日前に抗IL-1b抗体(biolegend社: 製品番号 503502)60μgを腹腔投与することにより紅斑・膿疱は減少し、皮膚症状は軽快した(図5)。
【実施例】
【0041】
更なる実験として、投与量と表現型との関係を検討したところ、LPS 10μgの投与(1回)によってIL36RN遺伝子ホモ欠損マウスで優位に翌日から紅斑、膿疱が出現した。また、LPS 3μgを連日、背部に皮下注射すると、注射後2日目よりホモで優位に紅斑・膿疱が出現した。この結果から、3μg~10μgの投与(1日に1回)は、野生型マウスと比較して優位に、IL36RN遺伝子欠損マウスに病変を誘導する条件といえる。
【実施例】
【0042】
3.考察
IL36RN遺伝子ホモ欠損マウスの関節近傍にTLR4リガンドを局所投与することによって、関節症性乾癬と同様の関節炎を誘導すること、即ち、関節症性乾癬モデルの作製に成功した。また、IL36RN遺伝子ホモ欠損マウスの皮膚にTLR4リガンドを局所投与することによって、膿疱の病変を再現すること、即ち膿疱性乾癬モデルの作製にも成功した。これらの乾癬モデルは、関節症性乾癬と膿疱性乾癬の病態解明、或いは治療薬の開発のための有用な実験動物となる。一方、上記の実験によって、従来の関節炎モデルで立証されてきた定説と異なり、関節症性乾癬の病態形成にIL-36が関与することが明らかとなった。この事実は、今後の治療戦略において重要な意義を持つ。また、作製に成功したモデル動物の活用を図る上でも重要である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のモデル動物は関節症性乾癬又は膿疱性乾癬の病態を再現する。関節症性乾癬の病態を再現するモデル動物は関節症性乾癬に対する薬剤や治療法の開発、更には関節症性乾癬の発症機構の解明などに利用され得る。同様に、膿疱性乾癬の病態を再現するモデル動物も薬剤等の開発、発症機構の解明などに有用である。従って、本発明には、難治性の疾患である関節症性乾癬/膿疱性乾癬の治療法の確立への多大な貢献が期待される。
【0044】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4