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明細書 :家族性高コレステロール血症の迅速遺伝子解析方法及び該方法に使用するプライマーセット

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2013-017478 (P2013-017478A)
公開日 平成25年1月31日(2013.1.31)
発明の名称または考案の名称 家族性高コレステロール血症の迅速遺伝子解析方法及び該方法に使用するプライマーセット
国際特許分類 C12Q   1/68        (2006.01)
C12M   1/00        (2006.01)
C12M   1/34        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
FI C12Q 1/68 ZNAA
C12M 1/00 A
C12M 1/34 Z
C12N 15/00 A
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 24
出願番号 特願2012-132894 (P2012-132894)
出願日 平成24年6月12日(2012.6.12)
優先権出願番号 2011131710
優先日 平成23年6月13日(2011.6.13)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】馬渕 宏
【氏名】野原 淳
【氏名】野口 徹
出願人 【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100088904、【弁理士】、【氏名又は名称】庄司 隆
【識別番号】100124453、【弁理士】、【氏名又は名称】資延 由利子
【識別番号】100135208、【弁理士】、【氏名又は名称】大杉 卓也
【識別番号】100152319、【弁理士】、【氏名又は名称】曽我 亜紀
審査請求 未請求
テーマコード 4B024
4B029
4B063
Fターム 4B024AA11
4B024CA09
4B024HA12
4B029AA07
4B029BB20
4B029CC08
4B029FA15
4B029GA03
4B063QA01
4B063QA12
4B063QA19
4B063QQ43
4B063QR32
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS34
4B063QS40
4B063QX02
要約 【課題】迅速かつ効率的にFHに関連する遺伝子変異、特にLDLRの全エクソンの遺伝子変異を迅速かつ網羅的に検出する方法に関する。
【解決手段】FH関連遺伝子変異、特にLDLR遺伝子の全エクソンおよびエクソン ・イントロン境界領域における遺伝子変異もしくは遺伝子多型の有無を一度に検出可能なプライマーセットを提供した。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
以下のプライマーセットを含む家族性高コレステロール血症(FH)を検出するためのキット。
(1)それぞれ配列番号35及び配列番号36で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット17
(2)それぞれ配列番号29及び配列番号30で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット14A
(3)それぞれ配列番号69及び配列番号70で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4F
(4)それぞれ配列番号25及び配列番号26で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12A
(5)それぞれ配列番号19及び配列番号20で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット9A
(6)それぞれ配列番号15及び配列番号73で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット7B
(7)それぞれ配列番号13及び配列番号14で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット6
(8)それぞれ配列番号3及び配列番号4で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット2
(9)それぞれ配列番号23及び配列番号24で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット11A
【請求項2】
さらに、以下から選択されるプライマーセットを1以上含む請求項1に記載のキット。
(1)それぞれ配列番号65及び配列番号66で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット1C
(2)それぞれ配列番号67及び配列番号68で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット3C
(3)それぞれ配列番号71及び配列番号72で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット5C
(4)それぞれ配列番号75及び配列番号76で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット8D
(5)それぞれ配列番号21及び配列番号22で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10A
(6)それぞれ配列番号27及び配列番号28で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット13A
(7)それぞれ配列番号31及び配列番号32で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット15
(8)それぞれ配列番号33及び配列番号34で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット16
(9)それぞれ配列番号37及び配列番号38で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット18
【請求項3】
以下のすべてのプライマーセットを含む請求項1又は2に記載のキット。
(1)それぞれ配列番号65及び配列番号73で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット7C
(2)それぞれ配列番号77及び配列番号78で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット9B
(3)それぞれ配列番号79及び配列番号80で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10D
(4)それぞれ配列番号81及び配列番号82で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット11B
(5)それぞれ配列番号83及び配列番号84で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12D
(6)それぞれ配列番号85及び配列番号86で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット13B
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1に記載の各プライマーセットが、複数の領域に区画された容器のそれぞれ異なるウェルに添加されている、FH関連遺伝子変異検出プレート。
【請求項5】
試料由来のDNAをテンプレートとして、請求項1~3のいずれか1に記載のキットを用いてポリメラーゼ連鎖反応を行うことによりFH関連遺伝子変異を検出する方法。
【請求項6】
前記FH関連遺伝子変異の検出方法が、HRM(High Resolution Melting)法である請求項5に記載の検出方法。
【請求項7】
さらに、頻度の高い6種のSNPを特異的に検出できる請求項6に記載の検出方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、迅速かつ効率的に家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia; FH)に関連する遺伝子変異、特に低比重リポタンパク質受容体(low-density lipoprotein receptor; LDLR)遺伝子の全エクソンの遺伝子変異を迅速かつ網羅的に検出する方法、および遺伝子多型(single nucleotide polymorphism; SNP)を同時に検出して除外する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(家族性高コレステロール血症)
血中総コレステロール(total cholesterol; TC)のうち、低比重リポタンパクコレステロール(low-density lipoprotein cholesterol; LDL-C)は動脈硬化を促進し、高比重リポタンパクコレステロール(high-density lipoprotein cholesterol; HDL-C)は動脈硬化を抑制する。FHは、遺伝的に顕著な高LDL-C血症を示す。
従来、FHは稀な疾患と考えられていたが、実は最も頻度の高い遺伝性疾患の一つであり、適切な診断と病態の理解と治療は日常診療でもきわめて重要である。
【0003】
FHの臨床症状の三つの主な特徴は高LDL-C血症、腱黄色腫、冠動脈疾患(coronary heart disease; CHD)である。FHは常染色体優性遺伝性疾患であり、ヘテロ接合体性FH(以下、ヘテロFHと称する場合がある)とホモ接合体性FH(以下、ホモFHと称する場合がある)が区別できる。
【0004】
(高LDL-C血症)
本発明者らの調査では、ヘテロFHの血中TC(平均±SD)は330±60 mg/dl、ホモFHでは669±104 mg/dl、正常者では179±26 mg/dlである。よって、ホモFH及びヘテロFHは、正常者と比較して、それぞれ約2倍及び約4倍となっている。
【0005】
(腱黄色腫)
腱黄色腫はFHに特異的な臨床症状であり、その好発部位は手背伸筋腱、アキレス腱などである。
アキレス腱のX線撮影はアキレス腱黄色腫を客観的・定量的に評価する方法である。アキレス腱厚は、正常者では6.3±1.2 mm(平均±SD)であり、9.0 mm以上はアキレス腱黄色腫と診断できる。アキレス腱肥厚はFHの85%で確認できる。アキレス腱黄色腫が認められないFH、特に若年者FHの診断には家族調査や遺伝子診断が必須である。
FHに皮膚黄色腫が出現する頻度は必ずしも高くない。特に高コレステロール血症が軽症の若年ヘテロFH患者ではほとんど黄色腫はみられない。10歳未満で黄色腫を認められる例はホモFHと考えられる。黄色腫を指標にFHをスクリーニングすると見逃す可能性が非常に高い。特に全身性黄色腫はホモFHであるか、極めて重症のヘテロFHしか認められない。
よって、腱黄色腫のみをFHの診断の指標とすることは非常に危険である。
【0006】
(冠動脈硬化症)
FHは高頻度に動脈硬化症、特に冠動脈硬化症、大動脈硬化症を併発する。FHにおける末梢動脈硬化は稀である。
【0007】
(FHの成因)
細胞内コレステロールは細胞膜の構成成分として、また、性ホルモン及び胆汁酸の前駆物質として重要であり、欠乏や過剰が起こらないように制御されている。細胞内コレステロールが過剰になればコレステロール合成酵素(HMG-CoA還元酵素)が抑制され、血中からLDL-Cを取り込むLDLRが減少する。細胞内コレステロールが減少すればHMG-CoA還元酵素活性が増加し、LDLRが増加して血中LDL-Cを細胞内へ取り込む。このことから、LDL-Cが細胞に入る機構の異常がFHの原因と考えられる。
なおLDLRは細胞表面にある糖タンパク質であり、LDLR遺伝子は第19染色体短腕上にあり、その大きさは約45kbで、18のエクソンと17のイントロンから成る。該遺伝子のどこかにLDLRの機能異常を来たす変異があれば、FHが発症する。
【0008】
上記以外の原因によるFHとして、LDLRのリガンドであるアポリポ蛋白B(ApoB)の異常による家族性欠陥アポリポ蛋白B血症(familial defective apolipoprotein B-100; FDB)、proprotein convertase subtilisin/kexin type 9(PCSK9)機能亢進症、常染色体性劣性遺伝性高コレステロール血症(autosomal recessive hypercholesterolemia; ARH)が知られている。
【0009】
また、LDLR遺伝子の変異については、下記文献に一部記載されている。
特許文献1では、「ヒトLDLレセプター遺伝子のエクソン4のコドン109の塩基配列がTCAになっているか又はこれにCが挿入されてTCCAになっているかを調べることから成る、ヒトLDLレセプター遺伝子異常の診断方法」を開示している。
特許文献2では、「195個の候補遺伝子に関し258個の遺伝子多型をPCR、配列特異的オリゴヌクレオチドプローブ、およびサスペンション・アレイ・テクノロジー(SAT)を用いて検出し、脂質代謝異常に有意に関連する遺伝子多型を検出する方法」を開示している。
特許文献3では、「家族性高コレステロール血症を引き起こす突然変異の存在の有無を分析する体外法」を開示している。
上記特許文献では、LDLR遺伝子の変異が単に列挙されているのみである。千以上の存在が知られているLDLR遺伝子の変異をどのように検出すれば、効率的にFH関連遺伝子変異を特定できるかが不明である。
【先行技術文献】
【0010】

【特許文献1】特開平10-99099号公報
【特許文献2】特開2009-247263号公報
【特許文献3】特表2006-515762号公報
【0011】

【非特許文献1】日本医事新報 No.4363(2007年12月8日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者らは、現在までに、約千例もの臨床診断FHの遺伝子解析を行なってきた。しかし、約2割の症例の病因遺伝子変異がいまだに未検出である。個々の点遺伝子変異を解析の対象とする従来の変異検出系では、対象とする点変異以外は検出できず、これによりLDLR遺伝子上に変異が無いことを確認できるわけではない。
このため,遺伝子変異未検出症例ではその後のLDLR遺伝子の全エクソンの精査が必要となり、この精査が遺伝子診断を遅らせる大きな原因となっている。
加えて、千以上の存在が知られているFH関連遺伝子変異を個別に検出することは非常に困難である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決するために、FH関連遺伝子変異、特にLDLR遺伝子の全エクソンおよびエクソン ・イントロン境界領域における遺伝子変異もしくはSNPの有無を一度に検出可能なプライマーセットを提供した。
【発明の効果】
【0014】
本発明の迅速遺伝子解析方法により、一度に迅速かつ効率的にLDLRの全エクソンおよびエクソン ・イントロン境界領域の遺伝子変異もしくはSNPの有無を検出することが可能になった。さらに、頻度の高いSNPを同時に特定することで、その後の解析対象から除外することができた。
【0015】
すなわち、本発明は以下の通りである。
「1.以下のプライマーセットを含む家族性高コレステロール血症(FH)を検出するためのキット。
(1)それぞれ配列番号35及び配列番号36で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット17
(2)それぞれ配列番号29及び配列番号30で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット14A
(3)それぞれ配列番号69及び配列番号70で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4F
(4)それぞれ配列番号25及び配列番号26で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12A
(5)それぞれ配列番号19及び配列番号20で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット9A
(6)それぞれ配列番号15及び配列番号73で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット7B
(7)それぞれ配列番号13及び配列番号14で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット6
(8)それぞれ配列番号3及び配列番号4で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット2
(9)それぞれ配列番号23及び配列番号24で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット11A
2.さらに、以下から選択されるプライマーセットを1以上含む前項1に記載のキット。
(1)それぞれ配列番号65及び配列番号66で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット1C
(2)それぞれ配列番号67及び配列番号68で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット3C
(3)それぞれ配列番号71及び配列番号72で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット5C
(4)それぞれ配列番号75及び配列番号76で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット8D
(5)それぞれ配列番号21及び配列番号22で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10A
(6)それぞれ配列番号27及び配列番号28で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット13A
(7)それぞれ配列番号31及び配列番号32で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット15
(8)それぞれ配列番号33及び配列番号34で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット16
(9)それぞれ配列番号37及び配列番号38で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット18
3.以下のすべてのプライマーセットを含む前項1又は2に記載のキット。
(1)それぞれ配列番号65及び配列番号73で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット7C
(2)それぞれ配列番号77及び配列番号78で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット9B
(3)それぞれ配列番号79及び配列番号80で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10D
(4)それぞれ配列番号81及び配列番号82で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット11B
(5)それぞれ配列番号83及び配列番号84で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12D
(6)それぞれ配列番号85及び配列番号86で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット13B
4.前項1~3のいずれか1に記載の各プライマーセットが、複数の領域に区画された容器のそれぞれ異なるウェルに添加されている、FH関連遺伝子変異検出プレート。
5.試料由来のDNAをテンプレートとして、前項1~3のいずれか1に記載のキットを用いてポリメラーゼ連鎖反応を行うことによりFH関連遺伝子変異を検出する方法。
6.前記FH関連遺伝子変異の検出方法が、HRM(High Resolution Melting)法である前項5に記載の検出方法。
7.さらに、頻度の高い6種のSNPを特異的に検出できる前項6に記載の検出方法。」
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のプライマーセット
【図2】FH関連遺伝子変異の頻度
【図3】LDLR遺伝子変異の頻度
【図4】Gradient PCRでのLDLR遺伝子の増幅結果
【図5】(1)LDLR遺伝子の各エクソン及びApoB R3500周辺解析用プライマーセットを配置した位置を示したプレートの模式図、(2)FH関連遺伝子変異を同時に解析した結果
【図6】陽性反応が認められたエクソンのHRM曲線分析結果
【図7】SNP判別用プライマーの構造図
【図8】(1)LDLR遺伝子の各エクソン及びSNP解析用プライマーセットを配置した位置を示したプレートの模式図、(2)FH関連遺伝子変異及びSNPを同時に検出した結果
【図9】Exon 13及びExon 13SNP解析用プライマーセットを用いた際のHRM曲線分析結果
【発明を実施するための形態】
【0017】
(家族性高コレステロール血症の遺伝子変異)
ホモFH患者は2つの変異対立遺伝子を有し、ヘテロFH患者は1つの変異対立遺伝子及び1つの正常対立遺伝子を有する。
FHは、4つのFH関連遺伝子の突然変異に起因する。LDLR遺伝子、ApoB遺伝子及びPCSK9遺伝子は常染色体優性遺伝性高コレステロール血症(autosomal dominant hypercholesterolemia; ADH)の病因遺伝子であり、LDLRAP1遺伝子は劣勢遺伝形式を示すARHの病因遺伝子である。

【0018】
(ホモFHの診断)
ホモFHの臨床診断は、(1)小児期からみられる黄色腫、(2)アテローム硬化性疾患及び(3)血中TC 550 mg/dl以上であればほぼ確定的である。しかし、血中TC 500 mg/dl以下でもホモFHの可能性がある。
よって、ホモFHの確定診断には血中TC濃度の測定とともに、LDLR活性の測定、LDLR遺伝子変異等の解析が必要となる。
また、「ホモFHの疑いのある患者」とは、上記(1)~(3)のいずれか1以上の要件を満たす患者を意味する。

【0019】
(ヘテロFHの診断)
ヘテロFHの診断基準は、以下のいずれかを満たせばよい。
(1)腱黄色腫を伴う高コレステロール血症
(2)一親等に(1)を満たす者がいる高コレステロール血症
(3)FH関連遺伝子に異常を示す高コレステロール血症
上記高コレステロール血症の診断基準は血中TCが230 mg/dl以上である。この際、高コレステロール血症は高LDL-C血症に基づくものであり、その診断基準値は160 mg/dl以上となる。
なお、血中TC 230 mg/dl以下でも腱黄色腫を認め、FHと診断された例もある。加えて、発明者らの研究からでは、20歳以下のヘテロFHや20歳以上の25%のFHでは腱黄色腫が認められないことを確認している。
よって、ヘテロFHの確定診断には、LDLR遺伝子等の解析が必要となる。
また、「ヘテロFHの疑いのある患者」とは、上記(1)~(3)のいずれか1以上の要件を満たす患者を意味する。

【0020】
(対象患者及び試料)
本発明のFHの検査方法の対象患者は、好ましくは日本人である。また、試料は、FH関連遺伝子を含んでいれば特に限定されないが、血液由来が好ましい。加えて、試料中のFH関連遺伝子は、自体公知の方法を利用して抽出することができる。

【0021】
(本発明のプライマーセットを含むFH関連遺伝子変異を検出するためのキット)
本発明のLDLR遺伝子の全エクソンおよびエクソン ・イントロン境界領域の遺伝子変異を一度に検出可能なプライマーセット及びApoB遺伝子変異を検出可能な1種類のプライマーセットを図1に示す。

【0022】
本発明のキットは、少なくとも以下の1以上のプライマーセットを含む。
(1)それぞれ配列番号1及び配列番号2で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット1A、それぞれ配列番号51及び配列番号2で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット1B、又は、それぞれ配列番号65及び配列番号66で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット1C
(2)それぞれ配列番号3及び配列番号4で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット2
(3)それぞれ配列番号5及び配列番号6で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット3A、それぞれ配列番号5及び配列番号52で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット3B、又は、それぞれ配列番号67及び配列番号68で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット3C
(4)それぞれ配列番号7及び配列番号8で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4A及びそれぞれ配列番号9及び配列番号10で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4C、それぞれ配列番号7及び配列番号53で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4B及びそれぞれ配列番号54及び配列番号10で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4D、それぞれ配列番号7及び配列番号53で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4B及びそれぞれ配列番号69及び配列番号70で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4F、又は、それぞれ配列番号7及び配列番号8で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4A及びそれぞれ配列番号69及び配列番号70で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4F
(5)それぞれ配列番号11及び配列番号12で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット5A、それぞれ配列番号55及び配列番号12で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット5B、又は、それぞれ配列番号71及び配列番号72で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット5C
(6)それぞれ配列番号13及び配列番号14で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット6
(7)それぞれ配列番号15及び配列番号16で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット7A、それぞれ配列番号15及び配列番号73で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット7B、又は、それぞれ配列番号74及び配列番号73で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット7C
(8)それぞれ配列番号17及び配列番号18で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット8A、それぞれ配列番号56及び配列番号18で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット8B、それぞれ配列番号57及び配列番号58で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット8C、又は、それぞれ配列番号75及び配列番号76で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット8D
(9)それぞれ配列番号19及び配列番号20で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット9A、又は、それぞれ配列番号77及び配列番号78で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット9B
(10)それぞれ配列番号21及び配列番号22で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10A、それぞれ配列番号21及び配列番号59で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10B及びそれぞれ配列番号60及び配列番号22で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10C、又は、それぞれ配列番号79及び配列番号80で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10D
(11)それぞれ配列番号23及び配列番号24で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット11A、又は、それぞれ配列番号81及び配列番号82で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット11B
(12)それぞれ配列番号25及び配列番号26で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12A、又は、それぞれ配列番号25及び配列番号61で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12B及びそれぞれ配列番号62及び配列番号26で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12C、又は、それぞれ配列番号83及び配列番号84で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12D
(13)それぞれ配列番号27及び配列番号28で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット13A、又は、それぞれ配列番号85及び配列番号86で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット13B
(14)それぞれ配列番号29及び配列番号30で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット14A、又は、それぞれ配列番号63及び配列番号64で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット14B
(15)それぞれ配列番号31及び配列番号32で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット15
(16)それぞれ配列番号33及び配列番号34で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット16
(17)それぞれ配列番号35及び配列番号36で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット17
(18)それぞれ配列番号37及び配列番号38で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット18
(19)それぞれ配列番号39及び配列番号40で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット19

【0023】
好ましい本発明のキットは、少なくとも以下の9個のプライマーセットを含む。
(1)それぞれ配列番号35及び配列番号36で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット17
(2)それぞれ配列番号29及び配列番号30で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット14A、又は、それぞれ配列番号29-1及び配列番号30-1で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット14B
(3)それぞれ配列番号7及び配列番号8で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4A及びそれぞれ配列番号9及び配列番号10で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4C、それぞれ配列番号7及び配列番号53で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4B及びそれぞれ配列番号54及び配列番号10で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4D、それぞれ配列番号7及び配列番号53で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4B及びそれぞれ配列番号69及び配列番号70で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4F、又は、それぞれ配列番号7及び配列番号8で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4A及びそれぞれ配列番号69及び配列番号70で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4F
(4)それぞれ配列番号25及び配列番号26で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12A、又は、それぞれ配列番号25及び配列番号61で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12B及びそれぞれ配列番号62及び配列番号26で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12C、又は、それぞれ配列番号83及び配列番号84で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12D
(5)それぞれ配列番号19及び配列番号20で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット9A、又は、それぞれ配列番号77及び配列番号78で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット9B
(6)それぞれ配列番号15及び配列番号16で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット7A、それぞれ配列番号15及び配列番号73で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット7B、又は、それぞれ配列番号74及び配列番号73で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット7C
(7)それぞれ配列番号13及び配列番号14で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット6
(8)それぞれ配列番号3及び配列番号4で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット2
(9)それぞれ配列番号23及び配列番号24で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット11A、又は、それぞれ配列番号81及び配列番号82で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット11B

【0024】
より好ましい本発明のキットは、上記好ましい態様のキットに、少なくとも以下の10個から選ばれる1以上のプライマーセットを含む。
(1)それぞれ配列番号1及び配列番号2で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット1A、それぞれ配列番号51及び配列番号2で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット1B、又は、それぞれ配列番号65及び配列番号66で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット1C
(2)それぞれ配列番号5及び配列番号6で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット3A、それぞれ配列番号5及び配列番号52で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット3B、又は、それぞれ配列番号67及び配列番号68で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット3C
(3)それぞれ配列番号11及び配列番号12で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット5A、それぞれ配列番号55及び配列番号12で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット5B、又は、それぞれ配列番号71及び配列番号72で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット5C
(4)それぞれ配列番号17及び配列番号18で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット8A、それぞれ配列番号56及び配列番号18で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット8B、それぞれ配列番号57及び配列番号58で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット8C、又は、それぞれ配列番号75及び配列番号76で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット8D
(5)それぞれ配列番号21及び配列番号22で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10A、それぞれ配列番号21及び配列番号59で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10B及びそれぞれ配列番号60及び配列番号22で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10C、又は、それぞれ配列番号79及び配列番号80で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10D
(6)それぞれ配列番号27及び配列番号28で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット13A、又は、それぞれ配列番号85及び配列番号86で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット13B
(7)それぞれ配列番号31及び配列番号32で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット15
(8)それぞれ配列番号33及び配列番号34で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット16
(9)それぞれ配列番号37及び配列番号38で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット18
(10)それぞれ配列番号39及び配列番号40で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット19

【0025】
最も好ましくは、本発明のキットは、以下のプライマーセットのすべてを含む。
(1)それぞれ配列番号35及び配列番号36で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット17
(2)それぞれ配列番号29及び配列番号30で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット14A
(3)それぞれ配列番号69及び配列番号70で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット4F
(4)それぞれ配列番号25及び配列番号26で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12A
(5)それぞれ配列番号19及び配列番号20で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット9A
(6)それぞれ配列番号15及び配列番号73で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット7B
(7)それぞれ配列番号13及び配列番号14で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット6
(8)それぞれ配列番号3及び配列番号4で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット2
(9)それぞれ配列番号23及び配列番号24で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット11A
(10)それぞれ配列番号65及び配列番号66で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット1C
(11)それぞれ配列番号67及び配列番号68で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット3C
(12)それぞれ配列番号71及び配列番号72で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット5C
(13)それぞれ配列番号75及び配列番号76で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット8D
(14)それぞれ配列番号21及び配列番号22で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10A
(15)それぞれ配列番号27及び配列番号28で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット13A
(16)それぞれ配列番号31及び配列番号32で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット15
(17)それぞれ配列番号33及び配列番号34で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット16
(18)それぞれ配列番号37及び配列番号38で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット18
(19)それぞれ配列番号65及び配列番号73で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット7C
(20)それぞれ配列番号77及び配列番号78で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット9B
(21)それぞれ配列番号79及び配列番号80で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット10D
(22)それぞれ配列番号81及び配列番号82で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット11B
(23)それぞれ配列番号83及び配列番号84で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット12D
(24)それぞれ配列番号85及び配列番号86で表される塩基配列を含む2つのオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット13B

【0026】
(FH関連遺伝子変異の有無の検出方法)
本発明のFH関連遺伝子変異の有無を検出する方法は、好ましくは、HRM(High Resolution Melting)曲線分析を使用する。しかしながら、種々の条件を変更することにより、例えば、以下の自体公知の方法を利用することができるが、特に限定されない。
DNAシークエンス法、PCR-RFLP(restriction fragment length polymorphism)法、SSCP (single strand conformation polymorphism)法、ECA(electrochemical array)法、Allele specific PCR法、TaqMan allelic discrimination法、Hybridization法(DNA microarray, DNA chip)、Mass spectrometry法、Denaturing HPLC(high performance liquid chromatography)法、Invader assay法、MLPA(multiplex ligation-dependent probe amplification)法。

【0027】
(HRM曲線分析)
高解像度融解(High Resolution Melting, HRM)曲線分析はPCR後の増幅産物を解析する方法であり、既知変異か新規変異かを問わず、増幅対象配列内の全ての変異を検出することが可能である。
遺伝子変異ヘテロ接合体のPCR増幅産物では、熱変性状態から伸長温度以下に急速に冷やすと、ヘテロデュプレクスを含む4種類の二本鎖DNA分子が形成される。4種類の二本鎖DNAの加温変性過程における融解曲線は、ホモデュプレックスのみの曲線とは大きく異なったものとなる。HRM曲線分析は、二本鎖DNA結合蛍光色素であるLCGreenを利用してこの差異を検出し,PCR産物中の変異の有無を判別する手法である。

【0028】
(FH関連遺伝子変異の頻度表)
本発明者らは、すでに約800人の患者の遺伝子変異の解析により、FH関連遺伝子変異の頻度表(参照:図2)及びLDLR遺伝子変異の頻度表(参照:図3)を作成している(2010年10月13日時点)。

【0029】
図2及び図3中の"Allele name"は、遺伝子変異の名称を意味する。図2及び図3中に記載の各遺伝子変異の一部は、「http://www.ucl.ac.uk/ldlr/Current/search.php?select_db=LDLR&srch=all」に登録されている。加えて、Atherosclerosis 165 (2002) 335-342の記載を参照することができる。
また、図中の「累計」は、全患者数における各順位までの遺伝子変異の出現確率を示す。例えば、図2中の順位1のK790X遺伝子変異の有無を検出すれば、約31.66%の確率でヘテロFH患者の遺伝子変異を特定できる。
また、同じ順位に複数の遺伝子変異がある場合、例えば4つの遺伝子変異を有する順位19の場合には、順位1~順位19のすべての遺伝子変異の有無を検出すれば、約80.02%の確率でヘテロFH患者の遺伝子変異を特定できるが、順位1~順位18のすべての遺伝子変異及び順位19の2つの遺伝子変異の有無を検出すれば、約79.15%の確率でヘテロFH患者の遺伝子変異を特定できる。なお、同じ順位の複数の遺伝子変異間には順位がなく、いずれの遺伝子変異から検査しても良い。
さらに、順位1~28のすべての遺伝子変異の有無を検出すれば、約84.28%の確率でヘテロFH患者の遺伝子変異を特定できる。

【0030】
(FH関連遺伝子変異検出プレート)
本発明のFH関連遺伝子変異検出プレートは、本発明の各プライマーセットが、複数の領域に区画された容器のそれぞれ異なるウェルに添加されている。
容器は、複数の領域に区画されており、それらの区画に投入した溶液が混ざり合わないものであれば特に制限はない、区画の数も特に制限はないが、10~2000の範囲であれば良く、特に好ましくは、48個、96個、384個、1536個等規格にそった数が挙げられる。容器の材質は、特に制限はなく、市販のマイクロタイタープレート等が好ましく用いられる。さらに、96Wellプレート等を設置できるトレイを持つ各社から市販されている一般的な自動分注器を用いることによって、自動で分注できる。
加えて、本発明のFH関連遺伝子変異検出プレートは、各プライマーセットを添加した後に、乾燥、好ましくは凍結乾燥しても良い。
凍結乾燥の方法は、それ自体既知の通常用いられる方法から適宜選択することができるが、具体的には、例えば、液体窒素により急速に凍結させ、真空ポンプ等により減圧させた後、容器の温度を徐々に上昇させることにより行うことができる。

【0031】
(FH関連遺伝子変異を検出する方法)
本発明のFH関連遺伝子変異を検出する方法では、試料から抽出したDNA(FH関連遺伝子)をテンプレートとして、本発明の各プライマーセットを用いてポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction; PCR)を行うことによりFH関連遺伝子変異を増幅・検出することを特徴とする。
なお、エクソンおよびエクソン ・イントロン境界領域内に含まれる小規模な遺伝子変異若しくはSNPに関し、本発明である1 plate HRM法によって遺伝子変異を含むエクソンを迅速に判別し、さらに該エクソンを対象としたダイレクトシークエンス等により変異を確認することができる。
また、大規模欠失/重複変異はMLPA法で検出することができる。

【0032】
(頻度の高いSNP)
頻度の高いSNP、特に日本人に頻度の高いSNPは、以下の通りである。
intron 7:c.1060+10G>C
exon 9:c.1194C>T
exon 10:c.1413A>G
exon 11:c.1617C>T
exon 12:c.1773C>T
exon 13:c.1959T>C
上記SNPは極めて頻度が高いため、その全てをダイレクトシークエンスにより確認していると時間とコストがかかる。そこで、本発明では、シークエンスの前段階でSNPを除外出来るよう、極めて狭い範囲を対象としたSNP同定用プライマーを設計した(参照:図7)。
本発明のFH関連遺伝子変異を検出する方法に、上記SNP検出系を組み込むことにより、他のエクソンの解析と平行して上記6種のSNPの有無が確認可能である。

【0033】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0034】
(試料の処理方法)
FH遺伝子解析に使用する血液試料は、患者から採血により取得した。加えて、ゲノムDNA(FH関連遺伝子)は、Genomic DNA Purification Kit (Gentra Systems, Minneapolis, MN, USA)を用いて白血球細胞から抽出した。
【実施例1】
【0035】
(HRM法を用いたFH関連遺伝子の検出方法)
PCRは、LightScanner Master Mix(Idaho Technology社)に添付の指示書に従い、以下の条件で行った。なお、解析にはLightScanner(Idaho Technology社)を使用した。
PCR条件
Light Scanner Master Mix:2μL
Forward Primer(2μM): 0.5μL
Reverse Primer(2μM): 0.5μL
Template DNA:2.5ng/μL×2μL
Total:5μL(指示書に記載の奨励量の半分)
温度条件:各実施例により異なる
【実施例2】
【0036】
(Gradient PCRでのFH関連遺伝子変異の増幅の確認)
下記表に記載のプライマーセットを用い、PCRマシンのGradient機能を利用して67℃から72℃までのアニーリング温度でFH関連遺伝子変異(exon 6、exon 8、exon 10、exon 11、exon 12、exon 13、exon 16及びexon 17)を増幅できるかを確認した。詳細は、以下の通りである。
【実施例2】
【0037】
【表1】
JP2013017478A_000002t.gif
【実施例2】
【0038】
(Gradient PCRでのFH関連遺伝子変異の増幅結果)
Gradient PCRでのFH関連遺伝子変異の増幅結果を図4に示す。exon 6の増幅結果では、72℃では増幅を確認することができなかった。exon 12の増幅結果では、72℃では増幅を確認することができなかった。exon16の増幅結果では、71℃及び72℃では増幅を確認することができなかった。exon17の増幅結果では、72℃では増幅を確認することができなかった。
以上により、それぞれのプライマーによりPCR時の至適温度条件が異なることが示された。増幅反応が特異的かつ安定に起こる至適温度から温度を下げると、PCR時に生成される非特異産物が増加し、HRM法での解析時にMelting Curveの波形に乱れが生じて、解析が困難になる。このため、1つのプレート内で同時にexon 6、exon 8、exon 10、exon 11、exon 12、exon 13、exon 16及びexon 17のFH遺伝子関連変異を検出するためには、Gradient PCRの温度勾配に合わせた位置に再配置したうえでの増幅、若しくは一定の温度条件で安定した増幅が可能な新たなプライマーセットの組み合わせが必要である。
【実施例3】
【0039】
(FH関連遺伝子変異を検出するためのプライマーセットの選択)
1つのプレート内で同時に各FH関連遺伝子変異を検出するために、最適なプライマーを検討、選択した。詳細は、以下の通りである。なお、温度条件は、{95℃ 2分 → [ 95℃ 30秒 → 72℃ 30秒] × 80回 → 95℃ 30秒 → 25℃ 30秒 → 4℃}とした。
【実施例3】
【0040】
(本PCR条件では安定して増幅されなかった組み合わせ)
本PCR条件では安定して目的配列が増幅されなかった組み合わせは、以下の通りである{下記の表の()内の数字は配列番号を示す}。
【実施例3】
【0041】
【表2】
JP2013017478A_000003t.gif
【実施例3】
【0042】
(本PCR条件で一定量の増幅は起きるが、Melting Curveが乱れるため解析ができなかった組み合わせ)
本PCR条件で一定量の反応生成物が増幅されるが、非特異産物などの影響によりMelting Curveが乱れることが原因で解析ができなかった組み合わせは、以下の通りである{下記の表の()内の数字は配列番号を示す}。
【実施例3】
【0043】
【表3】
JP2013017478A_000004t.gif
【実施例3】
【0044】
(解析出来ているように見えるが、変異非保有者でも偽陽性となることが多い組み合わせ)
本PCR条件で増幅が起き、Melting Curveも安定しているように見えた場合にも、変異非保有者で解析時の波形がずれて偽陽性となってしまうことが多いために採用しなかった組み合わせは、以下の通りである{下記の表の()内の数字は配列番号を示す}。
【実施例3】
【0045】
【表4】
JP2013017478A_000005t.gif
【実施例3】
【0046】
(PCRの温度条件やHRMの波形には問題がなかったが、分離出来ない既知の遺伝子変異もしくはSNPが存在した組み合わせ)
PCRの温度条件やHRMの波形には問題がなかったが、分離出来ない既知の遺伝子変異もしくはSNPが存在したプライマーの組み合わせは、以下の通りである{下記の表の()内の数字は配列番号を示す}。
【実施例3】
【0047】
【表5】
JP2013017478A_000006t.gif
【実施例3】
【0048】
(PCRの温度条件及びHRMの波形には問題がなかったが、プライマーの配列がエクソン領域もしくはエクソン・イントロン境界領域に重なっていた組み合わせ又はプライマー)
PCRの温度条件及びHRMの波形には問題がなかったが、プライマーの配列がエクソン領域もしくはエクソン・イントロン境界領域に重なっており、プライマー配列内に存在する遺伝子変異やSNPを検出できない可能性が高いために採用しなかった組み合わせ又はプライマーは、以下の通りである{下記の表の()内の数字は配列番号を示す}。
【実施例3】
【0049】
【表6】
JP2013017478A_000007t.gif
【実施例3】
【0050】
(SNP等とプライマー配列が重なるために採用しなかったプライマー)
SNP等とプライマー配列が重なっており、SNPの影響で温度条件が変わって、一方のアリルのみが増幅されてしまう可能性があるために採用しなかったプライマーは、以下の通りである{下記の表の()内の数字は配列番号を示す}。
【実施例3】
【0051】
【表7】
JP2013017478A_000008t.gif
【実施例3】
【0052】
(解析可能だが配列内にSNPが1つ多く含まれることになるために採用しなかったプライマー)
解析可能だが配列内にSNPが1つ多く含まれることになり、遺伝子変異検出の迅速性に影響が出るために採用しなかったプライマーは、以下の通りである{下記の表の()内の数字は配列番号を示す}。
【実施例3】
【0053】
【表8】
JP2013017478A_000009t.gif
【実施例3】
【0054】
以上により、1つのプレート内で同時に各FH関連遺伝子変異を検出するために、最適なプライマーを図1に記載のプライマーセットとして選択した。
【実施例4】
【0055】
(FH関連遺伝子変異を同時に検出可能であるかの確認)
図1に記載のプライマーセットが、1つのプレート内{参照:図5(1)}で同時にLDLR遺伝子変異を検出することができるかを確認した。なお、エクソン1及びエクソン18は陽性検体を使用しなかった。
【実施例4】
【0056】
試料(サンプル)1:遺伝子変異IVS15-3C>A(対象プライマーセット:Exon 16)、SNP c.1060+10G>C(対象プライマーセット:Exon 7)及びSNP c.1959T>C(対象プライマーセット:Exon 13)を含む。
試料(サンプル)2:遺伝子変異A480V(対象プライマーセット:Exon 10)及び2416dupG(対象プライマーセット:Exon 17)を含む。
温度条件:95℃ 2分 → [ 95℃ 30秒 → 72℃ 30秒] × 80回 → 95℃ 30秒 → 25℃ 30秒 → 4℃
解析法: HRM曲線分析
【実施例4】
【0057】
使用した各プライマーセットは、以下の通りである{下記の表の()内の数字は配列番号を示す}。
【実施例4】
【0058】
【表9】
JP2013017478A_000010t.gif
【実施例4】
【0059】
(FH関連遺伝子変異を同時に検出した結果)
FH関連遺伝子変異を同時に検出した結果を図5(2)及び図6に示す。
サンプル1に関し、C8(Exon7)、G2(Exon 13)及びG5(Exon 16)で陽性反応を確認した。該陽性反応は、サンプル1に含まれる遺伝子変異もしくはSNPと完全に一致した。
サンプル2に関し、D11(Exon 10)及びH6(Exon 17)で陽性反応を確認した。該陽性反応は、サンプル2に含まれる遺伝子変異と完全に一致した。
以上により、本発明のプライマーセットを用いれば、1つのプレート内で同時にLDLR遺伝子変異もしくはSNPの有無を検出することができることを確認した。
【実施例5】
【0060】
(FH関連遺伝子変異の検出と並行してSNPの同定が可能であるかの確認)
図8に記載のプライマーセットが、1つのプレート内{参照:図8(1)}でLDLR遺伝子変異の検出と並行して頻度の高いSNPを同定することができるかを確認した。なお、エクソン1及びエクソン18は陽性検体を使用しなかった。
【実施例5】
【0061】
試料(サンプル)1:遺伝子変異R94H(対象プライマーセット:Exon 4)並びにSNPであるc.1060+10G>C(対象プライマーセット:Exon 7及びExon 7SNP)を含む。
試料(サンプル)2:SNPであるc.1413A>G(対象プライマーセット:Exon 10及びExon 10SNP)、SNPであるc.1959T>C(対象プライマーセット:Exon 13及びExon 13SNP)並びに遺伝子変異であるc.1931delA(対象プライマーセット:Exon 13)を含む。
プライマー濃度:SNP判別用プライマーセット(Forward、Reverseそれぞれ4μM)、Exon 1およびExon 4解析プライマーセット(Forward、Reverseそれぞれ1μM)、ならびに上記以外のプライマーセット(Forward、Reverseそれぞれ2μM)
温度条件:95℃ 2分 → [ 95℃ 30秒 → 72℃ 30秒] × 80回 → 95℃ 30秒 → 25℃ 30秒 → 4℃
解析法: HRM曲線分析
【実施例5】
【0062】
使用した各プライマーセットは、以下の通りである。
【実施例5】
【0063】
【表10】
JP2013017478A_000011t.gif
【実施例5】
【0064】
(FH関連遺伝子変異を同時に検出した結果)
FH関連遺伝子変異及びSNPを同時に検出した結果を図8(2)及び図9に示す。
サンプル1に関し、「Exon 4」、「Exon 7」及び「Exon 7SNP」で陽性反応を確認した。さらに、「Exon 7」及び「Exon 7SNP」のHRM曲線分析結果は、c.1060+10G>C陽性コントロールのHRM曲線分析結果と同一波形であった。すなわち、「Exon 7」及び「Exon 7SNP」の陽性反応は、c.1060+10G>Cによるものであることを確認できた。該陽性反応は、サンプル1に含まれる遺伝子変異、SNP陽性と完全に一致した。
サンプル2に関し、「Exon 10」、「Exon 10SNP」、「Exon 7」及び「Exon 7SNP」で陽性反応を確認した。エクソン10に関し、「Exon 10」及び「Exon 10SNP」のHRM曲線分析結果は、c.1413A>G陽性コントロールのHRM曲線分析結果と同一波形であった。すなわち、「Exon 10」及び「Exon 10SNP」の陽性反応は、c.1413A>Gによるものであることを確認できた。一方、エクソン13に関し、「Exon 13SNP」のHRM曲線分析結果は、c.1959T>C陽性コントロールのHRM曲線分析結果と同一波形であったが、「Exon 13」のHRM曲線分析結果は、c.1959T>C陽性コントロールのHRM曲線分析結果とは異なる波形であった。(異なる波形:参照:図9)すなわち、サンプル2のエクソン13にはSNPであるc.1959T>Cの他にさらなる変異が含まれることを確認できた。該陽性反応は、サンプル2に含まれる遺伝子変異、SNP陽性と完全に一致した。
以上により、本発明のプライマーセットを用いれば、1つのプレート内でLDLR遺伝子変異の検出と並行して頻度の高いSNPを判別することができることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明では、一度に迅速かつ効率的にLDLRの全エクソンおよびエクソン ・イントロン境界領域内の遺伝子変異もしくはSNPの有無を検出する方法、並びに頻度の高いSNPの有無を検出する方法を提供することができる。
図面
【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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