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明細書 :放射性セシウム吸着繊維及びその製造方法並びに放射性セシウム吸着繊維を用いた水中の放射性セシウム濃度の検出装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成28年2月8日(2016.2.8)
発明の名称または考案の名称 放射性セシウム吸着繊維及びその製造方法並びに放射性セシウム吸着繊維を用いた水中の放射性セシウム濃度の検出装置
国際特許分類 G21F   9/12        (2006.01)
D01F   6/76        (2006.01)
D01F   6/94        (2006.01)
D01F   1/10        (2006.01)
B01J  20/18        (2006.01)
B01J  20/30        (2006.01)
B01J  20/28        (2006.01)
G01N   1/10        (2006.01)
G01N  30/00        (2006.01)
FI G21F 9/12 501F
D01F 6/76 D
D01F 6/94 Z
D01F 1/10
G21F 9/12 501B
G21F 9/12 501K
B01J 20/18 B
B01J 20/18 E
B01J 20/30
B01J 20/28 A
G01N 1/10 C
G01N 30/00 A
国際予備審査の請求
全頁数 14
出願番号 特願2014-521430 (P2014-521430)
国際出願番号 PCT/JP2013/066478
国際公開番号 WO2013/187505
国際出願日 平成25年6月14日(2013.6.14)
国際公開日 平成25年12月19日(2013.12.19)
優先権出願番号 2012134813
優先日 平成24年6月14日(2012.6.14)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LT , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US , UZ , VC
発明者または考案者 【氏名】笠井 信一
【氏名】大城 優
【氏名】小林 高臣
出願人 【識別番号】503162265
【氏名又は名称】株式会社カサイ
【識別番号】304021288
【氏名又は名称】国立大学法人長岡技術科学大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100080089、【弁理士】、【氏名又は名称】牛木 護
【識別番号】100161665、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 知之
【識別番号】100121153、【弁理士】、【氏名又は名称】守屋 嘉高
【識別番号】100178445、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 淳二
【識別番号】100133639、【弁理士】、【氏名又は名称】矢野 卓哉
【識別番号】100188994、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 裕介
審査請求 未請求
テーマコード 2G052
4G066
4L035
Fターム 2G052AA06
2G052AA38
2G052AB28
2G052BA14
2G052ED07
2G052GA18
2G052HA02
4G066AA14D
4G066AA41B
4G066AA51B
4G066AA61B
4G066AB12D
4G066AC31C
4G066BA16
4G066BA36
4G066CA12
4G066CA45
4G066FA03
4G066FA27
4G066FA38
4L035AA04
4L035BB03
4L035BB11
4L035EE20
4L035JJ01
4L035JJ10
要約 水に溶解した放射性セシウムを効率的に吸着、回収することのできる、放射性セシウム吸着繊維及びその製造方法を提供する。高分子材料を溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とによって放射性セシウム吸着繊維を得た。或いは、高分子材料とプルシアンブルーを溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とによって放射性セシウム吸着繊維を得た。
特許請求の範囲 【請求項1】
高分子材料を溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とによって得られたことを特徴とする放射性セシウム吸着繊維。
【請求項2】
高分子材料とプルシアンブルーを溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とによって得られたことを特徴とする放射性セシウム吸着繊維。
【請求項3】
高分子材料を溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とを備えたことを特徴とする放射性セシウム吸着繊維の製造方法。
【請求項4】
高分子材料とプルシアンブルーを溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とを備えたことを特徴とする放射性セシウム吸着繊維の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2記載の放射性セシウム吸着繊維を収容したカラムと、このカラムを通過した積算水量を計測する積算水量計測手段とを備えたことを特徴とする放射性セシウム吸着繊維を用いた水中の放射性セシウム濃度の検出装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性セシウム吸着繊維及びその製造方法並びに放射性セシウム吸着繊維を用いた水中の放射性セシウム濃度の検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
東日本大震災における原子力発電所の事故の影響で、大量の放射性セシウムが拡散した。しかし、水に溶解した放射性セシウムを水から除去するための放射性セシウム吸着繊維は、ほとんど知られていなかった。
【0003】
なお、特許文献1には、金属イオン吸着性の変性アクリロニトリルポリマーが開示されているが、セシウムは対象となっていない。また、特許文献2には、セシウムを吸着することができるとの記載があるが、実際にセシウムを吸着したデータはない。
【0004】
また、ゼオライト粉末は放射性セシウムを吸着することが知られているが、ゼオライト粉末の回収は極めて困難であり、また、ゼオライトは一旦吸着した放射性セシウムを放出する性質があるため、放射性セシウムの回収には向いていなかった。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開平7-70231号公報
【特許文献2】特開2006-26588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、水に溶解した放射性セシウムを効率的に吸着、回収することのできる、放射性セシウム吸着繊維及びその製造方法を提供することを目的とする。また、水に溶解した極めて低濃度の放射性セシウムの濃度を測定することのできる、放射性セシウム吸着繊維を用いた水中の放射性セシウム濃度の検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意検討した結果、N-メチルピロリドン(NMP)にポリスルホンを溶解するとともにゼオライトを分散させ、これを水中にシリンジを用いて押し出すことにより、ゼオライトを担持した繊維状のポリスルホンが得られること、そして、この繊維状のポリスルホンが極めて高い放射性セシウム吸着性能を有することを見出し、本発明に想到した。
【0008】
すなわち、本発明の放射性セシウム吸着繊維は、高分子材料を溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とによって得られたことを特徴とする。
【0009】
また、高分子材料とプルシアンブルーを溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とによって得られたことを特徴とする。
【0010】
本発明の放射性セシウム吸着繊維の製造方法は、高分子材料を溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、高分子材料とプルシアンブルーを溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の放射性セシウム吸着繊維を用いた水中の放射性セシウム濃度の検出装置は、本発明の放射性セシウム吸着繊維を収容したカラムと、このカラムを通過した積算水量を計測する積算水量計測手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、水に溶解した放射性セシウムを効率的に吸着、回収することのできる、放射性セシウム吸着繊維及びその製造方法が提供される。
【0014】
また、水に溶解した極めて低濃度の放射性セシウムの濃度を測定することのできる、放射性セシウム吸着繊維を用いた水中の放射性セシウム濃度の検出装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】放射性セシウム吸着繊維の製造方法を示す模式図である。
【図2】放射性セシウム吸着繊維の電子顕微鏡写真である。
【図3】放射性セシウム濃度の検出装置の使用例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の放射性セシウム吸着繊維は、高分子材料を溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とによって得られたものである。或いは、本発明の放射性セシウム吸着繊維は、高分子材料とプルシアンブルーを溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とによって得られたものである。

【0017】
また、本発明の放射性セシウム吸着繊維の製造方法は、高分子材料を溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とを備えたものである。或いは、高分子材料とプルシアンブルーを溶解しゼオライトを分散させたポリマー溶液を調製する溶液調製工程と、前記溶液調製工程で調製されたポリマー溶液を水中に押し出して繊維状に成形する繊維成形工程とを備えたものである。

【0018】
本発明の放射性セシウム吸着繊維は、溶液調製工程と繊維成形工程の2つの工程により簡単に製造することができる。また、本願の放射性セシウム吸着繊維は、繊維に微細孔が形成された構造となっていて通水性が良好であるとともに、繊維中のゼオライトの分散性が良好であることから、水に溶解した放射性セシウムを極めて効率的に吸着することができ、水中の放射性セシウムの濃度が検出限界外のごく薄い濃度であっても、放射性セシウムを効率的に吸着して濃縮することができる。また、繊維状に形成されたものであるため、河川などに設置した際に水を堰き止めるようなことがなく、放射性セシウムの吸着に用いられた後の回収が簡単である。

【0019】
ここで、本発明において用いられる高分子材料は、ポリスルホン、6,6-ナイロン、6-ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリスチレンスルホン酸が好ましい。また、高分子材料を溶解する有機溶媒としては、N-メチルピロリドン(NMP)、蟻酸、n-ブタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランが好ましい。

【0020】
また、ゼオライトは、150メッシュ以下のものが好ましい。

【0021】
溶液調製工程において、高分子材料を溶かす際には、30~100℃に有機溶媒を加温することにより高分子材料の溶解が早くなる。また、ポリマー溶液中の高分子材料含有量は、10~30質量%が好ましい。

【0022】
また、ポリマー溶液中のゼオライトの含有量は20~30質量%、プルシアンブルーは5~15質量%が好ましい。

【0023】
繊維成形工程において、射出に用いられる水の温度を50℃程度とすることにより、有機溶媒の溶けだしが早く、繊維が形成されやすい。

【0024】
以下、本発明の放射性セシウム吸着繊維及びその製造方法について具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
【実施例1】
【0025】
ポリスルホン(BASF社製、分子量不明、グレードE2010)、ゼオライト(日東粉化商事株式会社製、粒径150メッシュ)、プルシアンブルー(Alfa Aesar社製)、NMP(米山科学工業社製)を用いて以下の実験を行った。なお、放射線量はベクレル分析装置(Caqintec社製CAPTUS-3000A;測定誤差10Bq以下)を使用して測定した。
【実施例1】
【0026】
図1に示すように、室温にて、ポリスルホン(PSF)20質量%、ゼオライト30質量%、NMP50質量%となるように原料を混合し、ゼオライトが分散したポリスルホンのポリマー溶液を作製した。このポリマー溶液をシリンジに入れ、シリンジの先を水中に入れた状態でシリンジの先からポリマー溶液を水中に押し出すと、水中に繊維が成形された。この繊維を乾燥し、図1の写真に示すような繊維を得た。
【実施例1】
【0027】
得られた繊維の電子顕微鏡写真を図2に示す。多孔質のポリスルホン中にゼオライトが取り込まれている構造を有していた。
【実施例2】
【0028】
ポリスルホン20質量%、ゼオライト40質量%、NMP40質量%となるように原料を混合したほかは、実施例1と同様に操作を行なって繊維を作製した。そして、作製した繊維13.5をカラムに充填し、このカラムに放射性セシウム約1,000Bq/kgを含む水約10リットルを継ぎ足しながら20時間循環通水した後に繊維を取り出し、繊維に吸着された放射線量を測定した。繊維の放射線量は112,493Bq/kgに達していた。
【実施例2】
【0029】
また、これとは別に、ポリスルホン20質量%、ゼオライト40質量%、プルシアンブルー5質量%、NMP35質量%となるように原料を混合したほかは、実施例1と同様に操作を行なって繊維を作製した。そして、作製した繊維15.0gをカラムに充填し、このカラムに放射性セシウム約1,000Bq/kgを含む水約10リットルを継ぎ足しながら20時間循環通水した後に繊維を取り出し、繊維に吸着された放射線量を測定した。繊維の放射線量は200,945Bq/kgに達していた。なお、通水終了時にタンク内の放射性セシウム含有水溶液を測定したところ500Bq/kgであったことにより、吸着繊維が吸着飽和に達していると判断した。また、この吸着繊維を700℃で2時間焼却すると、質量が30%程度減少した。したがって、吸着後の繊維を焼却することにより、放射性セシウムを30万Bq/kgに濃縮できたことになる。
【実施例3】
【0030】
ポリスルホン30質量%、ゼオライト30質量%、NMP40質量%となるように原料を混合したほかは、実施例1と同様に操作を行なって繊維を作製した。そして、作製した繊維129gをネットに入れ、検出限界値以下の放射性セシウムを含む水が流れる住宅地周辺の用水路に30日間浸した。その後、引き上げた繊維からは701Bqの放射線量が観測され、繊維に放射性セシウムが5434Bq/kg吸着されたことが確認された。
【実施例3】
【0031】
また、作製した繊維200gをネットに入れ、検出限界値以下の放射性セシウムを含む水が流れる沼へ流れ込む水路に30日間浸した。その後、引き上げた繊維からは449.1Bqの放射線量が観測され、繊維に放射性セシウムが2245Bq/kg吸着されたことが確認された。
【実施例4】
【0032】
本発明の放射性セシウム吸着繊維を用いた水中の放射性セシウム濃度の検出装置の一実施例について説明する。
【実施例4】
【0033】
放射性セシウム濃度の検出装置の使用例を示す図3において、1は本実施例の検出装置である。検出装置1は、放射性セシウム吸着繊維を収容したカラム2と、カラム2を通過した積算水量を計測する積算水量計測手段3を備えている。カラム1と積算水量計測手段2は配管を介して直列に接続されている。そして、被検出水は、積算水量計測手段3を上流側、カラム2を下流側として、積算水量計測手段3からカラム2へ送られるようになっている。なお、積算水量計測手段2としては、例えば、一般の水道メータを用いることができる。
【実施例4】
【0034】
また、積算水量計測手段3の上流側と、カラム2の下流側には、それぞれ弁4,5が設けられている。そして、弁4の上流側、弁5の下流側には、それぞれ外部の配管と接続するための接続部6,7が設けられている。さらに、弁4、積算水量計測手段3、カラム2、弁5からなる第1のラインとは並列に、弁8、バイパス管9からなる第2のラインが並列に接続されている。
【実施例4】
【0035】
つぎに、検出装置1の使用例について図3に基づき説明する。なお、本使用例は、既存の水道配管中に本実施例の検出装置1を挿入して、井戸水中の放射性セシウム濃度を検出する例を示すものである。
【実施例4】
【0036】
20は地面、21は井戸である。井戸21の水はポンプ22により汲み上げられ、検出装置1の接続部6に送られるようになっている。また、検出装置1を経由して、接続部7から吐出された水は、蛇口23から外部に放出されるようになっている。また、ポンプ22の吐出側には、別の蛇口24が設けられている。
【実施例4】
【0037】
井戸水中の放射性セシウム濃度は、積算水量計測手段3により計測された井戸水の積算流量と、カラム2に収容された放射性セシウム吸着繊維への放射性セシウムの吸着量から求めることができる。なお、正確に井戸水中の放射性セシウム濃度を求めるためには、井戸水の積算流量と放射性セシウムの吸着量との間に比例関係があることが必要である。したがって、あらかじめ、想定される放射性セシウム濃度の範囲内で、井戸水の積算流量と放射性セシウムの吸着量との間に比例関係があることを確認しておくこと望ましい。
【実施例4】
【0038】
カラム2に収容された放射性セシウム吸着繊維に捕捉された放射性セシウムの量を測定する場合は、カラム2を検出装置1から取り外し、カラム2から放射性セシウム吸着繊維を取り出し、繊維の放射線量を測定する。なお、カラム2を取り外す場合には、弁4,5を閉める。さらに弁8を開ければ、カラム2を取り外した場合においても、バイパス管9を経由して井戸水を流すことができ、蛇口23から井戸水を使用可能である。
【実施例4】
【0039】
実際に、既存の水道配管中に本実施例の検出装置1を挿入して、井戸水中の放射性セシウム濃度を検出する実験を行った。内径50mm、長さ585mmのカラム2に、95mmの円柱形状に成形した放射性セシウム吸着繊維を直列に3個入れ、28,641リットルの井戸水を通水した。その結果、3個の放射性セシウム吸着繊維のうち、上流側の1個のみ39.3Bq/kgの放射性セシウムが検出され、下流側の2個からは放射性セシウムが検出されなかった。したがって、井戸水中の放射性セシウムは、上流側の1個の放射性セシウム吸着繊維により、全量が吸着されたことが確認された。上流側の1個の放射性セシウム吸着繊維の質量は41.9gであることから、井戸水中の放射性セシウム濃度は、0.057mBq/リットルであることが分かった。
【実施例4】
【0040】
以上のように、本実施例の放射性セシウム吸着繊維を用いた水中の放射性セシウム濃度の検出装置は、本発明の放射性セシウム吸着繊維を収容したカラム2と、このカラム2を通過した積算水量を計測する積算水量計測手段3とを備えたものであり、水に溶解した極めて低濃度の放射性セシウムの濃度を測定することができる。
【符号の説明】
【0041】
2 カラム
3 積算水量計測手段
図面
【図3】
0
【図1】
1
【図2】
2