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明細書 :試料溶液の質量分析方法及びその装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-222190 (P2014-222190A)
公開日 平成26年11月27日(2014.11.27)
発明の名称または考案の名称 試料溶液の質量分析方法及びその装置
国際特許分類 G01N  27/64        (2006.01)
G01N  27/62        (2006.01)
H01J  49/10        (2006.01)
FI G01N 27/64 B
G01N 27/62 V
G01N 27/62 F
H01J 49/10
請求項の数または発明の数 9
出願形態 OL
全頁数 8
出願番号 特願2013-101840 (P2013-101840)
出願日 平成25年5月14日(2013.5.14)
発明者または考案者 【氏名】内村 智博
出願人 【識別番号】504145320
【氏名又は名称】国立大学法人福井大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100110814、【弁理士】、【氏名又は名称】高島 敏郎
審査請求 未請求
テーマコード 2G041
5C038
Fターム 2G041CA01
2G041DA03
2G041EA03
2G041GA06
2G041GA17
2G041GA19
2G041GA20
2G041GA22
2G041GA23
2G041GA29
2G041GA30
5C038GG07
5C038GH05
要約 【課題】フリットを必要とせず、真空チャンバに試料溶液を連続投入しながらリアルタイムで分析が可能な試料溶液の質量分析方法を提供する。
【解決手段】真空チャンバ内に導入した試料にレーザー光を照射してイオン化させることで質量分析を行う分析方法において、試料を含む試料溶液の貯留部から前記真空チャンバまで試料溶液を供給する溶液導入管と、この溶液導入管の先端から前記真空チャンバに前記試料溶液をパルス射出する試料溶液のパルス射出手段とを準備し、前記パルス射出手段により、前記溶液導入管の先端から前記真空チャンバに試料溶液をパルス状に射出し、前記真空チャンバにパルス状に導入された前記試料溶液にレーザー光を照射して試料イオンを生成させるようにした。
【選択図】 図1
特許請求の範囲 【請求項1】
真空チャンバ内に導入した試料にレーザー光を照射してイオン化させることで質量分析を行う分析方法において、
試料を含む試料溶液の貯留部から前記真空チャンバまで試料溶液を供給する溶液導入管と、この溶液導入管の先端から前記真空チャンバに前記試料溶液をパルス射出する試料溶液のパルス射出手段とを準備し、
前記パルス射出手段により、前記溶液導入管の先端から前記真空チャンバに試料溶液をパルス状に射出し、
前記真空チャンバにパルス状に導入された前記試料溶液にレーザー光を照射して試料イオンを生成させること、
を特徴とする試料溶液の質量分析方法。
【請求項2】
前記パルス射出手段が前記溶液導入管の先端の前記試料溶液を断続的に加熱するヒータで、このヒータによる断続加熱で前記真空チャンバに試料溶液をパルス状に射出することを特徴とする請求項1に記載の試料溶液の質量分析方法。
【請求項3】
前記パルス射出手段がパルスレーザー照射装置で、前記溶液導入管の先端の前記試料溶液にパルスレーザー光を照射することで、前記試料溶液をパルス状に前記真空チャンバに導入することを特徴とする請求項1に記載の試料溶液の質量分析方法。
【請求項4】
前記溶液導入管の外側にガス導入管を設け、前記ガス導入管から導入したガスにより、前記溶液導入管の先端における前記試料溶液の凝固を抑制することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の試料溶液の質量分析方法。
【請求項5】
真空チャンバ内に導入した試料にレーザー光を照射してイオン化させることで質量分析を行う分析装置において、
試料を含む試料溶液の貯留部から前記真空チャンバまで溶液を供給する溶液導入管と、
この溶液導入管の先端から前記真空チャンバに前記試料溶液をパルス射出する試料溶液のパルス射出手段と、
前記真空チャンバにパルス状に導入された前記試料溶液にレーザー光を照射して試料イオンを生成させるレーザー照射手段と、
を有することを特徴とする試料溶液の質量分析装置。
【請求項6】
前記パルス射出手段が前記溶液導入管の先端の前記試料溶液を断続的に加熱するヒータであることを特徴とする請求項5に記載の試料溶液の質量分析装置。
【請求項7】
前記パルス射出手段がパルスレーザー照射装置であることを特徴とする請求項5に記載の試料溶液の質量分析装置。
【請求項8】
前記溶液導入管の外側にガス導入管を設けたことを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の試料溶液の質量分析装置。
【請求項9】
前記溶液導入管の先端を3mmより小さい寸法で前記外管の先端よりも内側又は外側に位置させたことを特徴とする請求項8に記載の試料溶液の質量分析装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、真空チャンバに導入した試料にレーザー光を照射して試料イオンを発生させる質量分析法及びその装置に関し、特に試料を含んだ水溶液等の試料溶液を簡単な方法で質量分析することが可能な方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の質量分析方法としては、試料イオンの電荷量と質量との関係から試料イオンを大きさごとに分離して検出,測定等を行うレーザーイオン化飛行時間型質量分析法(以下、LI/TOFMS法という)がよく知られている。この分析法は、紫外レーザーを光源として芳香族化合物のリアルタイム・高選択的分析が可能であることから、環境分析や分光分析などに広く利用されている。
しかし、LI/TOFMS法の測定対象は気体試料が一般的であり、固体試料や液体試料は加熱やレーザー光などを用いて気化する必要があった。
例えば、2,4-キシレノールおよびその異性体については、これらが溶解した水試料に対して固相抽出を行い、アセトニトリルで溶出させた後、無水硫酸ナトリウムにより脱水して測定試料を得た後、この溶液をガスクロマトグラフに注入し、気化させた試料をレーザーイオン化飛行時間型質量分析計に導入して分析を行っている。
このように、固体や液体の試料分析をLI/TOFMS法で行うには、煩雑で長時間を要する前処理が必要であった。
【0003】
そこで、フリットを用いて試料溶液から溶媒を蒸発させ、残った固体試料にレーザー光を照射して気化させることが行われている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2003-35699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、分析しようとする試料の種類ごとに最適なフリットを設計・製作することは困難である。その一方で、試料溶液のリアルタイムな分析が求められている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、フリットを必要とせず、真空チャンバに試料溶液を連続投入しながらリアルタイムで分析が可能な試料溶液の質量分析方法及びその装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の発明者は溶液導入管(カラム)の先端からフリットを取り外して実験を行った。フリットを取り外すと、試料溶液が溶液導入管から真空チャンバに連続投入され、真空チャンバの真空度が低下するが、溶液導入管の内径を調整することで、真空チャンバの真空度を分析に支障のないレベルに保つことができる。
揮発性の高い試料溶液の場合は、フリットが無くても試料溶液が真空チャンバ内に飛び出し、レーザー光を照射することで試料をイオン化させることが可能ではあるが、その効率が非常に悪い。また、揮発性の低い試料溶液の場合は、溶液導入管の先端で試料溶液が凝固して真空チャンバ内に導入することが困難になることがわかった。
そこで、本願発明の発明者が鋭意研究を行った結果、溶液導入管の先端で試料溶液をパルス状に加熱することで、気化した試料溶液がパルス状に真空チャンバに導入され、揮発性の高い試料溶液の場合は分析効率が高くなり、揮発性の低い試料溶液の場合は凝固することなく真空チャンバに射出できることが判明した。
【0007】
具体的に本願発明は、真空チャンバ内に導入した試料にレーザー光を照射してイオン化させることで質量分析を行う分析方法において、試料を含む試料溶液の貯留部から前記真空チャンバまで試料溶液を供給する溶液導入管と、この溶液導入管の先端から前記真空チャンバに前記試料溶液をパルス射出する試料溶液のパルス射出手段とを準備し、前記パルス射出手段により、前記溶液導入管の先端から前記真空チャンバに試料溶液をパルス状に射出し、前記真空チャンバにパルス状に導入された前記試料溶液にレーザー光を照射して試料イオンを生成させる方法である。
前記パルス射出手段としては、例えば前記溶液導入管の先端の前記試料溶液を断続的に加熱するヒータやパルスレーザー照射装置を用いることができる。
なお、前記溶液導入管の外側にガス導入管を設け、前記ガス導入管から導入したガスにより、前記溶液導入管の先端における前記試料溶液の凝固を抑制するようにしてもよい。
この場合、前記溶液導入管の先端は、3mmより小さい寸法で前記外管の先端よりも内側又は外側に位置させるとよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の方法及び装置によれば、試料溶液から溶媒を蒸発させて試料分子を真空チャンバに導入するためのフリットが不要になり、かつ、試料溶液を真空チャンバに連続導入しながらレーザーを照射して分析を行うことができるので、簡便かつリアルタイムで試料溶液の分析を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の分析装置の一実施形態にかかり、その構成を説明する概略図、図2は本発明の分析装置の他の実施形態にかかり、その構成を説明する概略図である。
図1の実施形態の分析装置1は、真空ポンプPにより真空状態に保たれた真空チャンバ11と、この真空チャンバ11に試料溶液を導入する溶液導入管12と、溶液導入管12から真空チャンバ11に導入された前記試料溶液にイオン化レーザー光16を照射してイオン化させるイオン化レーザー照射部14と、溶液導入管12の先端の試料溶液に射出用パルスレーザー光18を照射し、前記試料溶液をパルス状に真空チャンバ11に射出するための射出用パルスレーザー照射部17と、射出用パルスレーザー照射部17から照射された射出用パルスレーザー光18を真空チャンバ11に導入する導入窓28と、生成したイオンの分析を行う飛行時間型の質量分析器15とを備えている。
【0010】
飛行時間型の質量分析器15は、マイクロチャンネルプレート検出器等の検出器20とこの検出器20からの信号を処理するオシロスコープ21とを備える。図1において符号22~24は電極、25はミラーで、符号27は真空チャンバ11にイオン化レーザー光16を導入する導入窓である。
【0011】
この分析装置1では、溶液導入管12の先端で試料溶液に射出用パルスレーザー光18を照射して溶媒を蒸発させ、試料分子を溶液導入管12の先端から真空チャンバ11に導入する。そして、導入した試料分子にイオン化レーザー光16を照射するために、図示しない遅延器を使って射出用パルスレーザー光18の照射タイミングとイオン化レーザー光16の照射タイミングとをずらしている。
【0012】
図2は、本発明の分析装置の他の実施形態にかかり、溶液導入管12の先端部分の拡大図である。
この実施形態では、溶液導入管12の外側に外管13が設けられていて、溶液導入管12と外管13との間の隙間に外気が導入されるようになっている。溶液導入管12の先端は外管13の先端よりも僅かに内側又は外側に位置するようにしてある。外管13の先端と溶液導入管12の先端との距離Sは、外管13の先端を基準(S=0)として、-3mm<S<3mm程度とするのがよく、-1mm≦S≦1mm程度とするのが好ましい。
試料溶液は、溶液導入管12の先端から真空チャンバ11に導入される際に、気化熱によって急速に冷却され、溶液導入管12の先端で凝固しやすくなるが、このようにすることで試料溶液の凝固を抑制することができる。特に、このような二重管構造は、エマルジョンのように揮発性が低く凝固しやすい試料溶液の分析に有効である。
【0013】
図3は、射出用パルスレーザー光18とイオン化レーザー光16の照射タイミングを説明するグラフである。このグラフでは、射出用パルスレーザー光18の照射タイミングに対するイオン化レーザー光16の照射タイミングの遅延時間を横軸にとっている。また、試料である2,4-キシレノールの分子イオンピーク面積を縦軸にとっている。射出用パルスレーザー照射部17のエネルギーは1mJとした。
図3のグラフから、射出用パルスレーザー光18の照射により試料分子がパルス状に真空チャンバ11に導入されているのがわかる。
また、図3のグラフは遅延時間が8μsecのときがピークであることから、両レーザーの遅延時間は8μsecとすればよいことがわかる。
なお、溶液導入管12の先端とイオン化レーザー光16との距離が2mmである場合は、遅延時間が8μsecから、試料分子の速度を約250m/sと求めることができる。
【0014】
溶液導入管12としては、試料溶液の貯留部Sから試料溶液を真空チャンバ11内に供給できるものであればよく、特に限定されないが、石英等の非誘電体で形成され有機分子の付着が生じにくいキャピラリであるのが好ましい。
本発明の分析装置1では、射出用パルスレーザー光18の照射によって溶液導入管12の先端を加熱することが、真空チャンバ11の真空度を低下させる要因になる。
【0015】
そこで、溶液導入管12の内径を種々に変化させ、試料溶液の代わりに水を連続的に真空チャンバ11に導入しながら圧力を測定した。ポンプPによる真空チャンバ11の到達真空度は1.0×10-3Paであった。内径50μmの溶液導入管12を用いて100℃でその先端部分を加熱すると、真空度は1.0×10-2Paまで低下し、分析を行うには支障があった。しかし、内径を20μmとすると、加熱温度100℃でも真空度が3.4×10-3Paに保たれて、分析には支障がないレベルであった。
以上から、溶液導入管12の内径によって真空チャンバ11の真空度を調整できることがわかる。また、溶媒の種類によっても異なるが、水を主体とする試料溶液においては、溶液導入管12の内径として20μmが一つの目安になる。
【0016】
次に、分析装置1における射出用パルスレーザー光18のエネルギーと真空度との関係について、図4を参照しつつ説明する。
図4に示すように、射出用パルスレーザー光18のエネルギーが増加するにしたがってピーク面積が増加しており、より多くの溶液が気化しているのがわかる。一方、射出用パルスレーザー光18のエネルギーが一定の値(図4の例は内径100μmの溶液導入管12を用いた場合で1mJ)を超えると、真空チャンバ11内の真空度が変化する。図示の例では、1.5mJを超えると急激に真空度が低下した。このことから、真空度の変動は溶液導入管12の内径と射出用パルスレーザー光18のエネルギーに密接に関連することがわかる。そして、射出用パルスレーザー光18を用いる場合は、そのエネルギーとして1mJが一つの目安になる。
【0017】
溶液導入管12の先端とイオン化レーザー光16とは、イオン化効率を高くするために可能な限り近接させるのが好ましい。
イオン化レーザー照射部14としては、試料の種類に応じて適切なものを選択する。例えば、紫外領域の光子を吸収する性質を有する試料に対しては紫外パルスレーザーを用いればよい。
射出用パルスレーザー照射部17は、溶液導入管12の先端の試料溶液に射出用パルスレーザー光18を照射することで試料溶液を真空チャンバ11に射出できるものであればその種類は問わない。イオン化レーザー照射部14と同じものを用いることもできるが、射出用に用いるための波長等を調整する必要がある。
【0018】
上記構成の分析装置1の作用を説明する。
図1の分析装置1においては、まず、分析を行う試料溶液を採取し、濾紙等を使って夾雑物を濾過する。必要に応じて濾過を複数回繰り返すか、固相抽出カートリッジを用いることで不要な夾雑物を除去することができる。このようして得られた試料溶液を、分析に必要な分量だけシリンダS等に保持させる。
このシリンダSに溶液導入管12を差し込み、真空チャンバ11との圧力差によって真空チャンバ11に供給する。このとき、溶液導入管12の先端の試料溶液に射出用パルスレーザー光18を照射して溶媒を蒸発させ、試料分子を溶液導入管12の先端から真空チャンバ11に導入する。
真空チャンバ11では、溶液導入管12から導入された試料溶液にイオン化レーザー光16を照射してイオン化する。電極23,24によって加速された試料イオンは、質量分析器15に導入され、検出器20に衝突する。オシロスコープ21は、試料イオンが検出器20に到達する時間の差を分析結果として出力する。
【0019】
[実施例]
以下、上記構成の分析装置を利用した具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
キャピラリーカラム: GL Sciences製 長さ40cm 内径20μm
イオン化レーザー照射部:Rayture Systems製, GAIA
IIのNd:YAGレーザー(波長266 nm, パルス幅5 ns,周波数10 Hz)
射出用パルスレーザー照射部:Continuum製,Minilite IIのNd:YAGレーザー(波長532 nm, パルス幅5 ns, 周波数10 Hz)
溶液導入管12の先端とイオン化レーザー光16との距離:2mm
二つのレーザー光の照射タイミング調整:Stanford Research Systems製, DG 535ディレイ/パルスジェネレーター
真空チャンバの真空到達度:1.0×10-3Pa
試料溶液:2,4-キシレノール水溶液(1ng/μl)
この実施例1では、二つのレーザー光の照射タイミングの時間差を0とすることで、実質的に射出用パルスレーザー光18を照射しない状態で分析を行った。その結果を図5(a)のグラフに示す。
図5(a)の質量スペクトルから、2,4-キシレノールの分子イオンピークといくつかのフラグメントイオンピークとが観測できる。これは、2,4-キシレノールは揮発性が高いため、溶液導入管12の先端まで導入された2,4-キシレノールが気化しイオン化したものと思われる。すなわち、2,4-キシレノールのように揮発性の高い試料は、射出用パルスレーザー光18を照射しなくても真空チャンバ11に試料溶液を導入できることがわかる。
【0020】
[実施例2]
二つのレーザー光の照射タイミングの時間差を8μsecとした以外は、実施例1と同じである。その結果を図5(b)のグラフに示す。この実施例2では、溶液導入管12の先端に射出用パルスレーザーを照射することで溶媒の水が蒸発し、2,4-キシレノール分子が真空チャンバ11内にパルス状に導入される。
図5(b)のグラフから、実施例1の図5(a)の分子イオンピークに対し1.5倍程度信号強度が増加していることがわかる。このように、射出用パルスレーザー光18を照射することで感度の向上が期待でき、微量分析に適していると言える。
また、この増倍率は各種実験条件の最適化に加え、揮発性が低い分子の方がより大きな値を示すものと考えられる。すなわち、揮発性の低い試料溶液は溶液導入管12の先端で凝固しやすく、そのままでは真空チャンバ11に試料溶液を導入することは困難であるが、射出用パルスレーザー光18を照射することで試料溶液をパルス状に真空チャンバ11に射出することが可能になる。
【0021】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の説明に限定されるものではない。
例えば、上記の説明ではパルスレーザー照射光18を照射することで溶液導入管12の先端から試料溶液を射出するようにしているが、パルス状に試料溶液を射出できるものであれば、断続的に溶液導入管12の先端を加熱できるようにしたヒーターであってもよい。また、図2に示した他の実施形態において溶液導入管12と外管13との間の隙間に通すガスは外気に限らず、分析に支障を与えないものであれば他のガス(窒素やその他の不活性ガス等)を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明の方法及び装置は、試料溶液をリアルタイムで直接分析するのに好適で、河川や湖沼等の水質の分析の他、工場排水や土壌の汚染状況の分析など、広範に適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の分析装置の一実施形態にかかり、その構成を説明する概略図である。
【図2】本発明の分析装置の他の実施形態にかかり、その構成を説明する概略図である。
【図3】射出用パルスレーザー光とイオン化レーザー光の照射タイミングを説明するグラフである。
【図4】射出用パルスレーザー光のエネルギーと信号出力との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例にかかり(a)は射出用パルスレーザー光を照射しない場合の質量スペクトル、(b)は射出用パルスレーザー光を照射した場合の質量スペクトルである。
【符号の説明】
【0024】
1 分析装置
11 真空チャンバ
12 溶液導入管
13 外管
14 イオン化レーザー照射部
15 質量分析器
16 イオン化レーザー光
17 射出用パルスレーザー照射部
18 射出用パルスレーザー光
20 光検出器
21 オシロスコープ
22,23,24 電極
25 ミラー
27,28 導入窓
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4