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明細書 :座位又は仰臥位で使用する運動器具

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-182182 (P2016-182182A)
公開日 平成28年10月20日(2016.10.20)
発明の名称または考案の名称 座位又は仰臥位で使用する運動器具
国際特許分類 A63B  23/00        (2006.01)
A63B  23/08        (2006.01)
FI A63B 23/00 F
A63B 23/08
請求項の数または発明の数 17
出願形態 OL
全頁数 37
出願番号 特願2015-063095 (P2015-063095)
出願日 平成27年3月25日(2015.3.25)
新規性喪失の例外の表示 申請有り
発明者または考案者 【氏名】水沢 利栄
出願人 【識別番号】504145320
【氏名又は名称】国立大学法人福井大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100085246、【弁理士】、【氏名又は名称】岡本 清一郎
審査請求 未請求
要約 【課題】膝痛を緩和し得る座位又は仰臥位で使用する運動器具を提供する。
【解決手段】椅子11の座面13に載置されて使用者の臀部に敷かれる基板17の前縁側の、左右の大腿部22,22間に位置する支持部10で膝受け部材7の長さ方向の中央部9が支持されている。膝受け部材7は、使用者の左右の膝裏部5,5を下方から受ける左右の膝受け部6,6を左右側に具えている。膝受け部材7は、支持部10を支点部として、左右の膝受け部6,6が交互に上下する上下スイング動を行うことができる。又該膝受け部材7は、該支持部10を支点部として、前後動する前後スイング動を行い得る。膝受け部材7の長さ方向中央部にハンドル25が突設されている。
【選択図】図8
特許請求の範囲 【請求項1】
使用者の左右の膝裏部を下方から受ける膝受け部を左右側に具えた膝受け部材の長さ方向の中央部が支持部で支持されてなり、該膝受け部材が該支持部を支点部として、前記左右の膝受け部が交互に上下する上下スイング動を行い得る如くなされていることを特徴とする座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項2】
使用者の左右の膝裏部を下方から受ける膝受け部を左右側に具えた膝受け部材の長さ方向の中央部が支持部で支持されてなり、該膝受け部材が、該支持部を支点部として、前記左右の膝受け部が交互に上下する上下スイング動を行い得る如くなされると共に前後動する前後スイング動を行い得る如くなされていることを特徴とする座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項3】
前記膝受け部材が、前記支持部の軸線回りに正逆回動可能となされていることを特徴とする請求項1又は2記載の座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項4】
椅子の着座部に固定される基板の前縁側の、左右の大腿部の間に位置する支持部で、使用者の左右の膝裏部を下方から受ける左右の膝受け部を左右側に具えた膝受け部材の長さ方向の中央部が支持されており、該膝受け部材が、該支持部を支点部として、前記左右の膝受け部が交互に上下する上下スイング動を行い得ると共に前後動する前後スイング動を行い得る如くなされており、
又、前記膝受け部材の長さ方向の中央部にハンドルが突設されており、使用者が該ハンドルを把持して、前記膝受け部材に前記上下スイング動と前記前後スイング動を行わせ得ることを特徴とする座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項5】
椅子の着座部の上面に載置されて使用者の臀部に敷かれる基板の前縁側の、左右の大腿部の間に位置する支持部で、使用者の左右の膝裏部を下方から受ける左右の膝受け部を左右側に具えた膝受け部材の長さ方向の中央部が支持されており、該膝受け部材が、該支持部を支点部として、前記左右の膝受け部が交互に上下する上下スイング動を行い得ると共に前後動する前後スイング動を行い得る如くなされており、
又、前記膝受け部材の長さ方向の中央部にハンドルが突設されており、使用者が該ハンドルを把持して、前記膝受け部材に前記上下スイング動と前記前後スイング動を行わせ得ることを特徴とする座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項6】
前記ハンドルは、垂直状態に突設されていることを特徴とする請求項4又は5記載の座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項7】
前記ハンドルは、前方に向け上方に傾斜する傾斜状態に突設されていることを特徴とする請求項4又は5記載の座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項8】
前記支持部は、前記基板で所要長さに突設されたコイルバネを以て構成されていることを特徴とする請求項4~7の何れかに記載の座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項9】
前記膝受け部材が前記支持部の軸線回りに正逆回動可能となされていることを特徴とする請求項8記載の座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項10】
前記膝受け部材の左端側と右端側は、使用者が手で把持するための把持用突出部とされていることを特徴とする請求項4~7の何れかに記載の座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項11】
前記膝受け部材の長さ方向の中央部及び前記支持部の何れか一方に枢着孔が設けられる一方、その他方には、該枢着孔に挿入される枢軸部が設けられており、該枢軸部が該枢着孔に遊挿された状態で、前記膝受け部材が前記上下スイング動を行い得ることを特徴とする請求項1記載の座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項12】
前記枢軸が前記枢着孔に挿入された状態で、前記膝受け部材が該枢軸の略軸線回りで正逆回動し得ることを特徴とする請求項11記載の座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項13】
椅子の着座部の前端で所要長さ突出でき且つ該突出状態で保持される基板が、該着座部の内部又は下面側に収納可能に設けられており、該基板が該着座部の前端から突出した状態で、該基板に設けられ且つ、椅子に着座した使用者の左右の大腿部の間に位置する支持部で、使用者の左右の膝裏部を下方から受ける左右の膝受け部を左右側に具えた膝受け部材の長さ方向の中央部が支持されており、該膝受け部材が該支持部を支点部として、前記左右の膝受け部が交互に上下する上下スイング動を行い得ると共に前後動する前後スイング動を行い得る如くなされており、
又、前記膝受け部材の長さ方向の中央部にハンドルが突設されており、使用者が該ハンドルを把持して、前記膝受け部材に前記上下スイング動と前記前後スイング動を行わせ得ることを特徴とする座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項14】
支柱部材の上端側部分が、椅子に着座した使用者が手で把持するためのハンドルとなされており、該ハンドルの下方部位において、使用者の左右の膝裏部を下方から受ける左右の膝受け部を左右側に具えた膝受け部材の長さ方向の中央部が支持部で支持されることによって、該膝受け部材の該左右の膝受け部が交互に上下する上下スイング動を行い得る如くなされていることを特徴とする座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項15】
前記膝受け部材を上下スイング動させる際に、前記左右の膝受け部に載せた左右の膝部が、下方に傾斜した該左右の膝受け部から滑り落ちるのを防止するために、該左右の膝受け部の外端側に、該左右の膝部を下方から支持するための左右の膝部止めが配設されていることを特徴とする請求項1~14の何れかに記載の座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項16】
前記左右の膝部止めは、長さ調整可能のバンド部材を用いて構成されており、その一端部が、前記左の膝受け部の外端部分に取り付けられる一方、その他端部が、前記右の膝受け部の外端部分に取り付けられる如くなされ、前記左右の膝受け部に載せられている左右の膝部を前記バンド部材で上から覆うことによって、該左右の膝部を、該バンド部材と前記膝受け部材との間で拘束でき、これによって前記左右の膝部止めが構成されることを特徴とする請求項15記載の座位又は仰臥位で使用する運動器具。
【請求項17】
前記左右の膝部止めの配設部位を左右方向で位置変更可能となされていることを特徴とする請求項15又は16記載の座位又は仰臥位で使用する運動器具。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子に座った状態や左右の脚部を伸ばした長座姿勢等の座位姿勢や仰臥位姿勢で運動を行うための座位又は仰臥位で使用する運動器具に関するものである。より詳しくは、膝部に体重を掛けない座位姿勢で膝裏部を効果的に押圧刺激できると共に大腿四頭筋の筋力を強化できて膝痛を緩和し得るだけでなく、膝痛疾患のない使用者にあっても、脚部の運動、更には、脚部の運動を通しての全身運動を効果的に行うことができ、高齢者であっても転倒の恐れなく安全に運動できる座位又は仰臥位で使用する運動器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
膝関節の痛みの原因の中でも変形性膝関節症の割合は高い。変形性膝関節症は、筋力低下、加齢、肥満等の原因により、クッション機能有する膝関節の軟骨が磨り減って骨同士が擦れ合う状態となることにより膝関節の痛みを起こす疾患である。
【0003】
変形性膝関節症の改善には運動が重要とされており、特に大腿四頭筋の筋力を強化をすることが主流な考え方である。しかし、膝痛の人は、歩いたり走ったりする膝を使った運動を行うことができないために、運動による筋力強化を図ることができないまま膝痛が改善せず、膝痛が悪化することになる。
【0004】
変形性膝関節症等により生じる膝の痛みを緩和する手段の一つとして、特許文献1が開示する膝装着用サポ-タ-が提案されている。該膝装着用サポ-タ-aは図45に示すように、膝bの上部に巻き付けて固定される伸縮性を有する上部固定部cと、膝bの下部に巻き付けて固定される下部固定部dと、膝関節の裏eを覆うカバ-部fとからなり、該カバ-部fの内側に、弾力性のある素材からなるパッド部が装着されていた。そして、該上部固定部cと該下部固定部dと該カバ-部fの張力と前記パッド部の弾力とにより該パッド部が膝裏の屈曲部を押し付けるようになすことにより、該パッド部が、膝関節の隙間の後側に挟まった半月板を膝前方に押し、これによって半月板のずれを防止することで、膝関節の間隙を保持して膝の痛みを緩和しようとするものであった。加えて該膝装着用サポ-タ-aは、膝関節周囲の筋力の低下を補助する補助作用により、膝関節に体重が作用するのを軽減させて膝の痛みを緩和しようとするものであった。
【0005】
又特許文献2には、膝の痛みの緩和を図るためには、膝関節をある程度拡げて膝関節の間に潤滑液としての関節液を流れやすくすることが重要であるとの観点から、図46に示す膝痛緩和補助装置hが提案されている。該膝痛緩和補助装置hは、利用者の膝bの裏eにあてがわれ利用者が膝bを曲げた際の屈曲間隙に挟み付けられて膝関節をてこ状に開かせる立体形状の膝裏あて部材jと、該膝裏あて部材jをあてがった状態で利用者が膝を曲げても該膝裏あて部材jの膝裏への配置状態を保持する保持手段kと、該膝裏あて部材jを利用者の膝裏にあてがった状態で利用者の足首寄り位置を利用者側へ牽引して強制的に膝を曲げる作用を補助する牽引補助手段mとを具えていた。かかる構成を有する膝痛緩和補助装置によるときは、膝関節をてこ状に開かせることができる結果、開いた膝関節へ関節液が流れやすくし軟骨を潤わせて膝部のクッション機能の回復を期待できるので、この面から膝痛緩和を図ることができた。又該膝痛緩和補助装置hは、該膝裏あて部材jを保持手段kに連携させた状態で牽引補助手段mを介して膝曲げを補助できるように構成して該膝裏あて部材jが膝裏からずれにくくし、これによって高い膝痛緩和を期待せんとするものであった。
【0006】
前記したように、膝の痛みの緩和を図るためには、膝関節をある程度拡げて膝関節の間に潤滑液としての関節液を流れやすくすることは効果的である。この意味で、特許文献2記載の膝痛緩和補助装置が、利用者が膝を曲げた際の屈曲間隙に挟み付けられて膝関節をてこ状に拡かせる膝裏あて部材を具えることは有効な手段と言える。しかしながら特許文献2には、膝痛緩和に重要な大腿四頭筋の運動を効果的に行う手段については何も記載されておらず、これを示唆する記載も存在しない。
【0007】
又、特許文献1記載の膝痛緩和サポ-タ-は、特許文献2で指摘されているように、パッド部による膝裏側からの押し付け力が比較的弱いため、膝関節を十分に拡げて該拡げた膝関節の間に潤滑液としての関節液を流れやすくするということができず、膝痛緩和を十分に期待できない恐れがあった。なお特許文献1の段落0022には、特許文献2では触れられていない大腿四頭筋についての記載がある。即ち同段落には、「上部固定部及び前記下部固定部の張力は、膝を屈伸させる際、膝を屈曲させる方向に作用するため、大腿四頭筋の補助作用がある」と記載されている。しかしながら該膝痛緩和サポ-タ-は、あくまでも大腿四頭筋の補助作用を有するだけであって、膝痛緩和のために重要な大腿四頭筋の筋力強化を図り得るものでは何らなかった。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】特開2014-233507号公報
【特許文献2】実用新案登録第3156790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、膝裏部のマッサージと大腿四頭筋の筋力強化を膝部に体重を掛けることなく行い得ることを基本として、膝痛を緩和できるに止まらず、膝痛疾患の有無によらず、脚部の運動、更には脚部の運動を通しての全身運動を、無理なく効果的に行うことを可能とし、高齢者であっても転倒の恐れなくこれらの運動を安全に行うことを可能とする座位又は仰臥位で使用する運動器具の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る座位又は仰臥位で使用する運動器具(以下運動器具という)は、使用者の左右の膝裏部を下方から受ける膝受け部を左右側に具えた膝受け部材の長さ方向の中央部が支持部で支持されてなり、該膝受け部材が該支持部を支点部として、前記左右の膝受け部が交互に上下する上下スイング動を行い得る如くなされていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る運動器具のより好ましい態様は、使用者の左右の膝裏部を下方から受ける膝受け部を左右側に具えた膝受け部材の長さ方向中央部が支持部で支持されてなり、該膝受け部材が、該支持部を支点部として、前記左右の膝受け部が交互に上下する上下スイング動を行い得る如くなされると共に前後動する前後スイング動を行い得る如くなされていることを特徴とするものである。
【0012】
前記の各運動器具において、前記膝受け部材を、前記支持部の軸線回りに正逆回動可能とするのがよい。
【0013】
本発明に係る運動器具のその他の態様は、椅子の着座部に固定される基板の前縁側の、左右の大腿部の間に位置する支持部で、使用者の左右の膝裏部を下方から受ける左右の膝受け部を左右側に具えた膝受け部材の長さ方向の中央部が支持されており、該膝受け部材が、該支持部を支点部として、前記左右の膝受け部が交互に上下する上下スイング動を行い得ると共に前後動する前後スイング動を行い得る如くなされている。又、前記膝受け部材の長さ方向の中央部にハンドルが突設されており、使用者が該ハンドルを把持して、前記膝受け部材に前記上下スイング動と前記前後スイング動を行わせ得ることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る運動器具のその他の態様は、椅子の着座部の上面に載置されて使用者の臀部に敷かれる基板の前縁側の、左右の大腿部の間に位置する支持部で、使用者の左右の膝裏部を下方から受ける左右の膝受け部を左右側に具えた膝受け部材の長さ方向の中央部が支持されており、該膝受け部材が、該支持部を支点部として、前記左右の膝受け部が交互に上下する上下スイング動を行い得ると共に前後動する前後スイング動を行い得る如くなされている。又、前記膝受け部材の長さ方向の中央部にハンドルが突設されており、使用者が該ハンドルを把持して、前記膝受け部材に前記上下スイング動と前記前後スイング動を行わせ得ることを特徴とするものである。
【0015】
前記基板が前記椅子の着座部の上面に載置される場合、前記ハンドルは、垂直状態に突設し、或いは、前方に向け上方に傾斜する傾斜状態に突設するのがよい。
【0016】
前記基板が前記椅子の着座部の上面に載置される場合、前記支持部は、前記基板で所要長さに突設されたコイルバネを以て構成するのがよい。この場合、前記膝受け部材が前記支持部の軸線回りに正逆回動可能とするのがよい。
【0017】
前記基板が前記椅子の着座部の上面に載置される場合、前記膝受け部材の左端側と右端側を、使用者が手で把持するための把持用突出部とするのがよい。
【0018】
本発明に係る運動器具のその他の態様は、前記膝受け部材の長さ方向の中央部及び前記支持部の何れか一方に枢着孔を設ける一方、その他方には、該枢着孔に挿入される枢軸部を設け、該枢軸部が該枢着孔に遊挿された状態で、前記膝受け部材が前記上下スイング動を行い得るように構成するのがよい。この場合、前記枢軸が前記枢着孔に挿入された状態で、前記膝受け部材が該枢軸の略軸線回りで正逆回動し得るように構成するのがよい。
【0019】
本発明に係る運動器具のその他の態様は、椅子の着座部の前端で所要長さ突出でき且つ該突出状態で保持される基板が、該着座部の内部又は下面側に収納可能に設けられており、該突出部材が該着座部の前端から突出した状態で、該基板に設けられ且つ、椅子に着座した使用者の左右の大腿部の間に位置する支持部で、使用者の左右の膝裏部を下方から受ける左右の膝受け部を左右側に具えた膝受け部材の長さ方向の中央部が支持されており、該膝受け部材が該支持部を支点部として、前記左右の膝受け部が交互に上下する上下スイング動を行い得ると共に前後動する前後スイング動を行い得る如くなされており、又、前記膝受け部材の長さ方向の中央部にハンドルが突設されており、使用者が該ハンドルを把持して、前記膝受け部材に前記上下スイング動と前記前後スイング動を行わせ得ることを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係る運動器具のその他の態様は、支柱部材の上端側部分が、椅子に着座した使用者が手で把持するためのハンドルとなされており、該ハンドルの下方部位において、使用者の左右の膝裏部を下方から受ける左右の膝受け部を左右側に具えた膝受け部材の長さ方向の中央部が支持部で支持されることによって、該膝受け部材の該左右の膝受け部が交互に上下する上下スイング動を行い得る如くなされていることを特徴とするものである。
【0021】
前記の各運動器具において、前記膝受け部材を上下スイング動させる際に、前記左右の膝受け部に載せた左右の膝部が、下方に傾斜した該左右の膝受け部から滑り落ちるのを防止するために、該左右の膝受け部の外端側に、該左右の膝部を下方から支持するための左右の膝部止めを設けるのがよい。
【0022】
前記左右の膝部止めは、長さ調整可能バンド部材を用いて構成されており、その一端部が、前記左の膝受け部の外端部分に取り付けられる一方、その他端部が、前記右の膝受け部の外端部分に取り付けられる如くなされ、前記左右の膝受け部に載せられている左右の膝部を前記バンド部材で上から覆うことによって、該左右の膝部を、該バンド部材と前記膝受け部材との間で拘束でき、これによって前記左右の膝部止めが構成される如くなすのがよい。
【0023】
前記左右の膝部止めの配設部位を左右方向で位置変更可能とするのがよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明によるときは、膝部に体重を掛けない座位姿勢や仰臥位姿勢で膝裏部を効果的に押圧刺激できる等、膝裏部に効果的なマッサージ作用を付与できると共に、大腿四頭筋の筋力を強化できて膝痛を緩和し得ることとなる。又、膝痛疾患のない使用者にあっても、脚部の運動、更に、脚部の運動を通しての全身運動を効果的に行うことができる。そして高齢者にあっても、転倒の恐れなく安全に運動することができる。
【0025】
(2) 前記膝受け部材を、上下スイング動可能とすることに加えて前後スイング動可能とする如く構成する場合は、前記膝裏部に対するマッサージ作用をより効果的に行うことができると共に、大腿四頭筋の筋力をより効果的に強化でき、前記膝痛緩和や前記全身運動をより効果的に行い得ることとなる。
【0026】
(3) 併せて、前記膝受け部材を前記支持部の軸線回りに正逆回動可能とする場合は、該膝受け部材を、立体的な8の字状を呈する如くスイング動させることが可能となるため、前記膝痛緩和と前記全身運動をより効果的に行い得ることとなる。
【0027】
(4) 前記運動器具が、椅子の着座部に固定される基板に設けた支持部で前記膝受け部材の長さ方向の中央部が支持される如く構成する場合は、使用者は、左右の足を浮かせて椅子に着座した楽な姿勢で、左右の脚部の重量を利用して左右の膝裏部に押圧刺激を付与でき、該左右の膝裏部を効果的にマッサージできることとなる。又、左右の脚部を伸ばした長座姿勢としての座位姿勢や仰臥位姿勢で運動を行う場合に比し、運動の多様化を図ることができる。
【0028】
(5) 使用者が椅子に着座した状態で使用される前記運動器具において、前記膝受け部材の長さ方向の中央部にハンドルが、垂直状態乃至、前方に向け上方に傾斜する傾斜状態で突設される場合は、使用者が該ハンドルを手で把持した安定姿勢で運動を行うことができると共に、該ハンドルを適宜に回動操作して脚部や上体に所要の負荷を加えた状態で運動することができる。これによって、膝裏部を多様に刺激でき、膝痛を効果的に緩和できることとなる。又、全身運動をより効果的に行い得ることとなる。この場合において、前記膝受け部材を、前記支持部の軸線回りに正逆回動可能とする場合は、運動の一層の多様化を図ることができる。
【0029】
(6) 前記支持部を、前記基板で所要長さに突設されたコイルバネを以て構成することとし、且つ、前記膝受け部材を該コイルバネの軸線回りに正逆回動可能とする場合は、該コイルバネは360度の何れの方向にも弾性的に屈曲できるため、使用者が前記ハンドルを適宜に回動操作することができる。そして、これにより使用者は、前記膝受け部材を、前記上下スイング動や前記前後スイング動、後述する8の字状スイング動等させることが容易であり、膝痛の緩和や全身運動をより効果的に行い得ることとなる。
【0030】
(7) 前記膝受け部材を、前記支持部の軸線回りに正逆回動可能とし、且つ、前記膝受け部材の左端側と右端側を、使用者が手で把持するための把持用突出部とするときは、前記膝受け部材にハンドルが突設されていない場合であっても該把持用突出部を使用者が左右の手で把持することによって、使用者は、該膝受け部材を、前記上下スイング動や前記前後スイング動、後述する8の字状スイング動等させることができる。
【0031】
(8) 前記左右の膝受け部の外端側に左右の膝部止めを設ける場合は、前記膝受け部材を上下スイング動させる際に、前記左右の膝受け部に載せた左右の膝部が、下方に傾斜した該左右の膝受け部から滑り落ちるのを防止できる。
【0032】
特に、前記左右の膝部止めを、長さ調整可能のバンド部材を用いて構成する場合は、該左右の膝部を、該バンド部材と前記膝受け部材との間で拘束できる。これによって、左右の膝部が下方に傾斜した前記左右の膝受け部から滑り落ちるのを確実に防止できる。又、左右の膝部止めを構造簡素に構成できる。
【0033】
そして、このように膝部止めを設ける場合、前記左右の膝部止めの配設部位を左右方向で位置変更可能とする場合は、左右の膝部を内側に寄せた状態や左右の膝部を稍離した状態等、所望の状態で該左右の膝部を止めることができる。これによって、左右の膝裏部に対してのマッサージ作用や、左右の脚部の上下運動の負荷状態を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る運動器具の一例を、これを椅子の座面に設置した状態で示す斜視図である。
【図2】その運動器具を説明する分解斜視図である。
【図3】垂直状態のコイルバネからなる支持部で膝受け部材を水平状態で支持する支持構造を説明する断面図である。
【図4】その運動器具を示す斜視図と、前記コイルバネからなる支持部の屈曲状態を示す断面図である。
【図5】傾斜状態で突出するコイルバネを以てなる支持部材を用いて構成される運動器具を示す分解斜視図である。
【図6】その運動器具を示す斜視図と、傾斜状態で突出するコイルバネを以てなる支持部による膝受け部材の支持状態を示す断面図と、コイルバネからなる支持部の屈曲状態を示す断面図である。
【図7】垂直状態を呈するコイルバネを以てなる支持部で膝受け部材が水平状態で支持されてなる前記運動器具を用いた使用者が、ハンドルを把持して脚部の屈伸運動を繰り返す状態を示す説明図である。
【図8】その運動器具を用いた使用者が、ハンドルを把持して前記膝受け部材を上下スイング動させる運動態様を示す説明図である。
【図9】その運動時における膝部の捩れを説明する模式図である。
【図10】前記運動器具を用いた使用者が、ハンドルを把持して膝受け部材を前後スイング動させる運動態様を示す説明図である。
【図11】前記運動器具を用いた使用者が、ハンドルを把持して膝受け部材を8の字状スイング動させる運動態様を説明する説明図である。
【図12】傾斜状態のコイルバネを用いてなる支持部で膝受け部材を支持してなる運動器具を用いる運動態様を説明する説明図である。
【図13】ハンドルを具えない運動器具を用いて、膝受け部材を上下スイング動させる運動態様を説明する説明図である。
【図14】ハンドルを具えない運動器具を用いて、膝受け部材を前後スイング動させる運動態様を説明する説明図である。
【図15】ハンドルを具えない前記運動器具を用いて、前記膝受け部材に8の字状スイング動を行わせる運動態様を説明する説明図である。
【図16】ハンドルを具える前記運動器具を用いて使用者が、左右の脚部及び上体の筋肉を緊張させる全身運動を行う運動態様を説明する説明図である。
【図17】丸棒状の膝受け部材の中央部を、基板の前縁側部分で突設された支持部に設けた垂直軸受孔に遊挿させて構成された運動器具を、その基板を椅子の座面に設置した状態で示す斜視図である。
【図18】その運動器具の構成を説明する分解斜視図と、断面図である。
【図19】前記枢軸部を前記支持部に設けた傾斜軸受孔に遊挿して構成された運動器具を示す斜視図と、断面図である。
【図20】前記垂直軸受孔に前記枢軸部を遊挿して構成された前記運動器具を用いて、その膝受け部材を上下スイング動させる運動態様を説明する説明図である。
【図21】前記運動器具を用いて前記膝受け部材を上下スイング動させる他の運動態様を説明する説明図である。
【図22】前記運動器具を用いて左右の脚部を屈伸運動させる運動態様を説明する説明図である。
【図23】前記運動器具を用いて前記膝受け部材を8の字状スイング動させる運動態様を説明する説明図である。
【図24】前記運動器具を床面に設置し、使用者が、左右の脚部を伸ばした長座姿勢としての座位姿勢で、前記軸受け部材を上下スイング動させる運動態様を説明する説明図である。
【図25】支柱部材に対して膝受け部材を十字状の交差状態とし且つ該膝受け部材を上下スイング動可能に結着してなる運動器具を示す斜視図である。
【図26】その運動器具を用いて前記膝受け部材を上下スイング動させる運動態様を説明する説明図である。
【図27】その運動器具を用いて左右の膝部の屈伸運動を繰り返す運動態様を説明する説明図である。
【図28】平板状を呈する膝受け部材の中央部を支持部により上下スイング動可能に支持させてなる運動器具を示す斜視図と、該中央部を該支持部で支持している状態を示す断面図である。
【図29】その運動器具を用いて、使用者が、左右の脚部を伸ばした長座姿勢としての座位姿勢で、運動器具の前記左右の膝受け部を上下スイング動させる運動態様を説明する説明図である。
【図30】支柱部材に対して膝受け部材を枢軸を介して回動可能に構成してなる杖型の運動器具を示す斜視図である。
【図31】左右の膝受け部が膝部止めを具える杖型の運動器具を示す斜視図である。
【図32】丸棒状呈する膝受け部材本体の長さ方向中央部の上下方向で見た一方側が欠切されてなる膝受け部材を用いる場合において、該欠切部の底面を、上向き状態にして支持部で支持させた場合と、該底面を下向き状態にして支持部で支持させた場合における、水平状態にある左右の膝受け部の上面部の高さの違いを説明する説明図である。
【図33】前記膝受け部材を吊下部材を用いて吊下してなる運動器具の、左右の膝受け部に左右の脚部を載せた状態を示す説明図である。
【図34】支持部を、基板の板厚内で設けた軸部として構成してなる運動器具を説明する説明図である。
【図35】バンド部材を用いて構成された膝部止めを具える杖型の運動器具の使用状態を示す斜視図である。
【図36】その運動器具を用いて左右の脚部を上下動させている状態を示す正面図と、その場合における膝部の滑り落ちが膝部止めで防止された状態を示す断面図である。
【図37】膝部止めの他の態様を示す斜視図である。
【図38】その膝部止めによる膝部の滑り落ち防止作用の一態様を説明する説明図である。
【図39】その膝部止めによる膝部の滑り落ち防止作用の他の態様を説明する説明図である。
【図40】膝部止めの他の態様を、膝部止めによって膝部の滑り落ちを防止している状態と共に示す断面図である。
【図41】膝部止めのその他の態様を、該膝部止めにより膝部の滑り落ちを防止している状態と共に示す断面図である。
【図42】膝部止めのその他の態様を、これが膝部の滑り落ちを防止している状態で示す断面図である。
【図43】膝受け部材の上下スイング動における上下振幅の大小を説明する説明図である。
【図44】図28に示す運動器具を左右の足裏の土踏まずに押圧刺激を付与するために用いた場合を示す斜視図である。
【図45】従来の膝痛緩和のための膝装着用サポ-タ-の構成とその問題点を説明する説明図である。
【図46】膝関節をてこ状に開かせる膝裏あて部材を具える従来の膝痛緩和補助装置を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】【実施例1】
【0035】
図1、図8(A)において、本発明に係る運動器具1は、使用者2の左右の膝部3,3(図8(A))の裏面側をなす左右の膝裏部5,5を下方から受ける左右の膝受け部6,6を左右側に具えた膝受け部材7の長さ方向の中央部9が支持部10で支持されており、該膝受け部材7が、少なくとも、前記左右の膝受け部6,6が交互に上下する上下スイング動をなし得る如く構成されている。以下、これをより具体的に説明する。
【実施例1】
【0036】
前記運動器具1は、本実施例においては図1~2、図8に示すように、使用者2が前方を向いて椅子11に着座した状態で使用されるものであり、該椅子11の着座部12の上面(座面)13(図1)に載置されて後側部分15が使用者2の臀部に敷かれる基板17を具えている。該基板17は、例えば矩形板状を呈しており、該基板17を前記座面13に載置した状態で、前後方向で見た前縁側部分19は、図1に示すように、該着座部12の前縁20から前方に稍突出状態とされる。該前縁側部分19の上面21の、該使用者2の左右の大腿部22,22間には前記支持部10が設けられており、該支持部10で、前記膝受け部材7の長さ方向の前記中央部9が支持されている(図8(A))。そして該膝受け部材7は、該支持部10を支点部として、前記左右の膝受け部6,6が交互に上下する上下スイング動(図8)を行い得ると共に前後方向で移動する前後スイング動(図10)を行い得る如くなされている。
【実施例1】
【0037】
又、前記膝受け部材7の前記中央部9の上面部23にはハンドル25が突設されている。該膝受け部材7は、本実施例においては図2~4に示すように、直径が65mm程度である丸棒状を呈し、その前記中央部9で、該膝受け部材7の軸線Lと直交する枢着孔26が貫設されている。該枢着孔26の上孔部分26aは、図3(B)に示すように、その下孔部分26bよりも拡大した拡大孔部27とされている。該拡大孔部27は、該下孔部分26bの上端29に、拡径する段差部30が連設され、その外縁で、上端に向けて拡径する円錐状孔部31が連設されてなる。前記ハンドル25は、本実施例においては図3(A)(C)に示すように、下端32が開放された連結孔33を有する円筒状を呈しており、該下端32が前記段差部30に当接した状態で前記上面部23で垂直突出状態にある。そして図7、図8、図11等に示すように、使用者が該ハンドル25の上部24を手で把持して前記膝受け部材7を適宜に回動操作することにより、後述のように、体を安定させて多様に運動できることとなる。
【実施例1】
【0038】
前記支持部10は、本実施例においては図2、図3(A)に示すように、前記基板17の前記前縁側部分19に設けた保持孔35に挿入状態に取り付けられる支持部材36を用いて構成されている。ここに、前記基板17の該前縁側部分19とは、該基板17が前記座面13に載置されて後側部分15が使用者の臀部に敷かれた状態において、前記着座部12の前縁20から前方に向けて稍突出状態とされる部分であり、本実施例においては、該基板17の前後方向で見た両側部分37a,37bの夫々が前記前縁側部分19とされ得る。そして、該一方の側部分37aをなす前縁側部分19の左右方向中央部位には、軸線が垂直な垂直保持孔35a(前記保持孔35の一つ)が設けられる一方、他方の側部分37bをなす前縁側部分19の左右方向中央部位には、図2、図5~6に示すように、前方に向け上方に傾斜する(例えば45度の角度で傾斜する)傾斜保持孔35b(前記保持孔35の一つ)が設けられている。
【実施例1】
【0039】
前記支持部材36は、図2、図3(A)に示すように、所要長さのコイルバネ42の上下端に段部43,45を介して上下の挿入軸46,47が突設されている。そして図3、図6に示すように、該下の挿入軸47が前記垂直保持孔35a又は前記傾斜保持孔35bに挿入されることによって、該コイルバネ42の下の段部45が、該垂直保持孔35a又は該傾斜保持孔35bの上端周縁部分49に当接され、この状態で該コイルバネ42が垂直状態又は傾斜状態で突出し、該コイルバネ42が前記支持部10を構成する。
【実施例1】
【0040】
図3に示すように、前記上の挿入軸46が前記膝受け部材7の前記枢着孔26に挿通され、前記上の段部43が該枢着孔26の下端周縁部分50に当接することによって、該膝受け部材7が、図4に示すように、突出状態にある前記コイルバネ42で支持されて水平状態を呈する。そして該膝受け部材7は、図4で矢印で示すように、前記支持部10に支持された状態で、該支持部10の軸線回り(本実施例においては前記コイルバネ42の軸線回り)に正逆回動できる。
【実施例1】
【0041】
又、該膝受け部材7の前記枢着孔26の上端で突出した前記上の挿入軸46の突出部分51は、図3に示すように、前記ハンドル25の前記連結孔33の下端孔部分に挿入される。そして図3(A)(C)に示すように、該ハンドル25の下端部分52が前記拡大孔部27に挿入され、該ハンドル25の下端32が前記段差部30に当接することによって、該ハンドル25が、前記膝受け部材7の前記中央部9の上面部23で、図4(A)に示すように垂直状態に或いは図6に示すように傾斜状態に突設されることとなる。前記コイルバネ42の弾性変形作用によって、該ハンドル25は、図4(B)(C)、図6(B)(c)にその屈曲形態の一態様を示すように、360度何れの方向にも弾性的に屈曲できる。
【実施例1】
【0042】
次に、前記構成を有する運動器具1を用いて行うことのできる、膝痛緩和のための運動態様を説明する。膝痛を緩和するために必要な運動は、潤滑液としての関節液の分泌を促進でき、且つ、大腿部と下腿部を繋ぐ膝関節内の軟骨部分の隙間を拡げる(以下、膝関節を拡げるともいう)ことができる運動と、大腿四頭筋の筋力強化を図るための運動である。前記膝裏部5を効果的にマッサージすれば、該膝裏部5の血行促進が図られ、骨膜からの関節液の分泌を促進できる。そして膝関節を拡げれば、膝関節内の軟骨部分の隙間に該関節液を流れやすくすることができ、これによって軟骨を潤わせてクッション機能の回復を図ることができる。又、大腿四頭筋は膝関節を持ち上げる機能も有するため大腿四頭筋の筋力強化を図ることは膝痛緩和に有効と言える。
【実施例1】
【0043】
前記構成を有する運動器具1の前記ハンドル25の突出状態には、図4に示すような垂直突出状態と図6に示すような傾斜突出状態があるが、主として、垂直突出状態を呈するハンドル25を具える運動器具1を用いる場合について以下説明する。
【実施例1】
【0044】
図7(A)は、前記基板17を椅子11の前記座面13に載置して使用者が椅子11に着座した状態を示している。該基板17は、図1に示すように、前後方向に長い状態で該座面13に載置され、該基板17の前縁側部分19が前記着座部12の前縁20から前方に稍突出状態とされ、使用者2が、その臀部を該基板17上に載せて着座している。そして使用者2は、その左右の脚部55,55の膝裏部5,5を前記左右の膝受け部6,6上に載せて左右の下腿部56,56を垂らし、左右の手57,57で前記ハンドル25の上部24を把持している。この状態で左右の足59,59は床面60から浮き上がっており、該左右の膝裏部5,5には、使用者の左右の脚部55,55の重量によって、略真上の上側部分に押圧刺激が付与されている。即ち、該左右の膝裏部5,5が、使用者自身の脚部55,55の重量によってマッサージされることとなる。
【実施例1】
【0045】
[第1の運動態様について]
図7(B),図7(C)は、ハンドル25が垂直突出状態において、使用者が、その左右の下腿部56,56の重量を利用して左右の脚部55,55の屈伸運動を繰り返している状態を示している。図7(B)は、左右の脚部55,55を前方に向けて伸ばした状態を示し、又図7(C)は、左右の脚部55,55を後方に屈曲させた状態を示している。この運動によって、前記左右の膝受け部6,6により左右の膝裏部5,5に対して繰り返しの押圧刺激を与えることができる。これによって、該左右の膝裏部5,5が効果的にマッサージされることとなり、該左右の膝裏部5,5の血行促進と膝関節の拡大が図られることとなる。又、これらの運動を通して大腿四頭筋の筋力を強化できることともなる。そしてこれらの運動は、左右の足59,59が床面60から浮き上がった状態で行われるため、左右の膝部3,3に体重を掛けることなく楽に行うことができる。然して、かかる運動によって膝痛を緩和できることとなる。なお、左右の膝部3,3を屈曲させたときに、ふくらはぎを前記基板17の前縁部58(図7(C))に当てる場合は、ふくらはぎのマッサージも行い得る。
【実施例1】
【0046】
[第2の運動態様について]
図8、図9は、使用者2が前記ハンドル25を左右方向で回動させて前記膝受け部材7を上下スイング動させる状態を示している。図8(B)は、前記ハンドル25が垂直突出状態を呈する中立の状態(図8(A))から該ハンドル25を左回りF1に回動させた状態を示し、図8(C)は、同中立の状態(図8(A))から該ハンドル25を右回りF2に回動させた状態を示している。
【実施例1】
【0047】
垂直突出状態にあるハンドル25を左回りF1に回動させた場合は、左の脚部55aが図8(A)に示す状態から図8(B)に示す状態に下がる過程において、前記左の膝裏部5aが前記左の膝受け部6aに受けられた状態で、左の膝部3aがその軸回りで該左の膝受け部6a上を、図9(A)に示す状態から、図9(B)に矢印f1で示すように外向きに転がる状態となる。図9(A)(B)においては、左の膝部3aの外周面部62a上の任意の点63aが、矢印f1に示すように左下方に移動した状態が示されている。この転がる状態は、該左の脚部55aが、重力の作用によって左回り(外向き)f1に所要に捩じれることによって生ずるものである。又、右の膝部3bが図8(A)に示す状態から図8(B)に示す状態に持ち上げられる過程において、前記右の膝裏部5bが前記右の膝受け部6bに受けられた状態で、該右の膝部3bがその軸回りで該右の膝受け部6b上を、図9(C)に示す状態から、図9(D)に矢印f2で示すように内向きに転がる状態となる。図9(C)(D)においては、右の膝部3bの外周面部62b上の任意の点63bが、矢印F2で示すように左下方に移動した状態が示されている。この転がる状態は、該右の膝部3bが、重力の作用によって左回りf2に所要に捩じれることによって生ずるものである。
【実施例1】
【0048】
垂直突出状態にあるハンドル25を、図8(C)に示すように右回りF2に回動させた場合は、前記とは逆の現象が生ずる。即ち、垂直突出状態にあるハンドル25を右回りF2に回動させた場合は、右の膝部3bが図8(A)に示す状態から図8(C)に示す状態に下がる過程において、前記右の膝裏部5bが前記右の膝受け部6bに受けられた状態で、該右の膝部3bがその軸回りで該右の膝受け部6b上を、図9(E)に示す状態から、図9(F)に矢印f3で示すように外向きに転がる状態となる。図9(E)(F)においては、右の膝部3bの外周面部62b上の任意点63bが、矢印f3で示すように右下方に移動した状態が示されている。この転がる状態は、該右の膝部3bが、重力の作用によって右回りf2に所要に捩じれることによって生ずるものである。又、左の膝部3aが図9(G)に示す状態から図9(H)に示す状態に持ち上げられる過程において、前記左の膝裏部5aが前記左の膝受け部6aに受けられた状態で、該左の膝部3aがその軸回りで該左の膝受け部6a上を、図9(G)に示す状態から、図9(H)に矢印f4で示すように内向きに転がる状態となる。図9(G)(H)においては、左の膝部3aの外周面部62a上の任意の点63aが、矢印f4で示すように右下方に移動した状態が示されている。この転がる状態は、該左の膝部3aが、重力の作用によって右回りに所要に捩じれることによって生ずるものである。
【実施例1】
【0049】
このように前記ハンドル25の左右方向での回動操作を繰り返すことによって、左右の膝部3,3に対して外側への転がり運動と内側への転がり運動を交互に行うことができ、膝部3,3の捩れによる効果的なマッサージ作用が得られることとなる。より具体的には、左右の膝部3,3が転がることによって、前記左右の膝裏部5,5の、前記左右の膝受け部6,6で押圧刺激される部位が内側から外側に向けて変化し、或いは、外側から内側に向けて変化するので、該膝裏部5,5が満遍に押圧刺激される。そして本実施例に係る運動器具1によるときは、前記左右の膝受け部6,6の上下動をハンドル25の左右方向での回動操作によって使用者自身が行うことができるため、該ハンドル25の回動操作の速度調節によって、左右の膝受け部6,6の、交互に行われる上下動の速度を調節でき、又、該上下動の振幅を所望に調節でき、これらの調節を、運動中において変化させることもできる。又、左右の膝部3,3の下方への動きをハンドル25の左右方向での回動操作に任せて行うのではなく、前記コイルバネ42を左右方向で屈曲させる際に発生する付勢力に抵抗する力で左右の脚部3,3を下方へ積極的に下げることとすれば、左右の膝裏部5,5に対する押圧刺激をより強くでき、又、大腿四頭筋の筋力がより効果的に強化される。
【実施例1】
【0050】
これらのことから、前記ハンドル25の左右方向での回動操作を繰り返す該第2の運動形態によるときは、左右の膝裏部5,5に対する単位時間当りの押圧刺激の頻度を変えたり、押圧刺激の強弱を変えることができ、効果的なマッサージ作用が得られることとなる。又、かかる効果的なマッサージに伴い、該膝裏部5,5の血行促進と膝関節の拡大が図られることとなり、更に、これらの運動を通して大腿四頭筋の筋力を強化できることともなる。そして、これらの運動を左右の足59,59が床面60から浮き上がった状態で行うことができるため、左右の膝部3,3に体重を掛けることなく無理なく行うことができる。然して、かかる運動によって膝痛を緩和できることとなる。
【実施例1】
【0051】
[第3の運動態様について]
図10は、使用者が前記ハンドル25を前後方向で回動させて前記膝受け部材7を前後スイング動させる状態を示している。図10(A)は、該ハンドル25を前方向F3に回動させた状態を示し、図10(B)は、該ハンドル25を後方向F4に回動させた状態を示している。
【実施例1】
【0052】
前記ハンドル25を前後方向で回動させることにより、前記左右の膝受け部6,6が左右の膝裏部5,5の前側部分から後側部分に亘って、且つ、該左右の膝裏部5,5の夫々の左右方向全幅に亘って効果的に押圧刺激を付与でき、これを繰り返すことによって該膝裏部5,5を満遍なくマッサージできる。この際、前記ハンドル25の前方に向けての回動角度をより大きくすることによって、左右の膝裏部5,5のより前側部分(ふくらはぎに近い部分)にまで押圧刺激を付与できると共に、該ハンドル25の後方に向けての回動角度をより大きくすることによって、左右の膝裏部5,5のより後側部分(大腿部の付け根に近い部分)にまで押圧刺激を付与できることとなる。そして、ハンドル25を前方に向けてより大きな角度に回動させ、その回動した状態を一定時間持続させることにより、その間、左右の膝裏部5,5の前側部分に押圧刺激を与え続けることができ、かかることの相乗作用によって、該左右の膝裏部5,5が効果的にマッサージされることとなり、該左右の膝裏部5,5の血行促進と膝関節の拡大が図られることとなる。
【実施例1】
【0053】
そして本実施例に係る運動器具1によるときは、前記膝受け部材7の前後動をハンドル25の前後方向での回動操作によって使用者自身が行うことができる。そのため使用者は、該ハンドル25の前後動の速度調節を行うことができ、又、該前後動の振幅を所要に調節でき、これらの調節を、運動中において変化させることもできる。又、左右の膝部3,3の前後方向の動きをハンドル25の前後方向での回動操作に任せて行うのではなく、使用者が該ハンドル25を把持した状態で左右の脚部55,55の前後方向での移動を積極的に強く行うこととすれば、大腿四頭筋の筋力がより効果的に強化される。
【実施例1】
【0054】
これらによって、左右の膝裏部5,5の血行促進と膝関節の拡大が図られることとなり、特に左右の膝裏部5,5を、そのより前側で押圧刺激するときは、膝関節をより効果的に拡げることが可能となる。又、これらの運動を通して大腿四頭筋の筋力を強化できることともなる。そして、これらの運動を、左右の足59,59が床面60から浮き上がった状態で行うことができるため、膝部に体重を掛けることなく無理なく行うことができる。然して、かかる運動によって膝痛を緩和できることとなる。
【実施例1】
【0055】
[第4の運動態様について]
本実施例に係る運動器具1によるときは、前記したように、前記膝受け部材7が上下スイング動と前後スイング動を行うことができ、又、該膝受け部材7が前記支持部10の軸線回りで正逆回動でき、しかも該支持部10がコイルバネ42を以て構成されているために、前記ハンドル25の回動操作によって該コイルバネ42を360度何れの方向にも弾性的に屈曲させることができる。
【実施例1】
【0056】
かかることから該運動器具1によるときは、前記ハンドル25の旋回回動操作によって、前記左右の膝受け部6,6を例えば図11に示すように、立体的な8の字状を呈する如くスイング動(以下、8の字状スイング動ともいう)させることができる。該ハンドル25は、図11において、A→B→C→D→Aと回動操作される。この8の字状スイング動は、該ハンドル25の回動操作によって、左右の膝受け部6,6をより小さい8の字状スイング動としたり、より大きい8の字状スイング動とする等、適宜にスイング動させることができる。かかる8の字状スイング動によるときは、左右の膝受け部6,6の上下動に伴う膝部の運動と、前記膝受け部材7の前後動に伴う膝部3,3の運動を同時に行うことができる。又、左右の膝受け部6,6を左右の膝裏部5,5に対して、左右方向に対し傾斜した方向でも当てることができる等、該膝裏部5,5に対して多様な押圧刺激を、刺激を与える部位と押圧刺激の強さを変えて付与できる。又、8の字状スイング動を行わせる際に、この動きをハンドル25の旋回回動操作に任せて行うのではなく、使用者がハンドル25を軽く把持した状態で左右の脚部の移動を力を入れて積極的に強く行うこととすれば、左右の膝裏部5,5に対する押圧刺激をより強くでき、大腿四頭筋の筋力を強化できることともなる。
【実施例1】
【0057】
これらによって、前記左右の膝裏部5,5の効果的なマッサージ作用と、前記左右の膝部3,3の転がりに伴う効果的なマッサージ作用と、左右の膝受け部6,6の前後動に伴う効果的なマッサージ作用が得られ、これらの相乗作用によって左右の膝裏部5,5の血行促進と膝関節の拡張を図ることができる。然して、これらの運動によって膝痛を緩和できることとなる。そして使用者が、ハンドル25を把持してかかる8の字状スイング動に伴う運動を行うことは、左右の脚部の筋肉だけでなく腕部や腰部等の筋肉を刺激することになるため、全身運動を行うことにもなる。
【実施例1】
【0058】
図12に示す運動器具1は、前記支持部10をコイルバネ42を用いて構成する場合において、図6に示すように、前記下の挿入軸47を前記基板17に設けた傾斜保持孔35bに挿入し、前記上の挿入軸46をハンドル25の連結孔33に挿入した状態を示すものであり、該ハンドル25が前方に向け上方に突出した状態とされている。該運動器具1にあっては、その自由状態において、前記支持部10が前方に向け斜め上方に突出するため、この自由状態で左右の膝受け部6,6に左右の膝部3,3を載せると、左右の脚部55,55の重量により該左右の膝受け部6,6が、左右の膝裏部5,5の夫々の、主として前側部分に押圧刺激を付与することとなる。又この場合においても、ハンドル25が垂直状態を呈する場合と同様にして、使用者が該ハンドル25を適宜に回動操作することにより、前記膝受け部材7に、前記上下スイング動や前後スイング動、更にはこれらの組み合わせからなる八の字状スイング動等を行わせることができ、前記と同様にして膝痛の緩和を図ることができる。
【実施例1】
【0059】
[その他の運動態様について]
前記構成を有する運動器具1は、前記ハンドル25を手で持つことなく或いは該ハンドル25を取り外した状態で使用することもできる。図13~15は、前記ハンドル25を取り外した状態で左右の脚部55,55を動かすことだけによって前記膝受け部材7に前記上下スイング動や前記前後スイング動を行わせる場合を示すものである。
【実施例1】
【0060】
図13は、左右の膝裏部5,5を左右の膝受け部6,6に載せた状態で該左右の脚部55,55を、前記コイルバネ42を左右方向で屈曲させる際に発生する付勢力に抵抗して交互に下げることによって、前記膝受け部材7に前記上下スイング動を行わせている状態を示している。
【実施例1】
【0061】
図14(A)は、左右の膝裏部5,5を左右の膝受け部6,6に載せて左右の下腿部56,56を図7(A)に示すと同様にして垂らした状態で、前記コイルバネ42を屈曲させる際の付勢作用に抵抗して左右の膝部3,3を使用者の手前に引き付けることにより前記膝受け部材7を後方に移動させた状態を示している。この状態において前記左右の膝受け部6,6は、前記コイルバネ42の付勢作用により、前記左右の膝裏部5,5を前方に向けて弾性的に押圧する。図14(B)は、左右の膝部3,3を前方に向けて押し出して前記膝受け部材7を前方に移動させた状態を示している。この状態において前記左右の膝受け部6,6は、前記コイルバネ42の付勢作用により、前記左右の膝裏部5,5を後方に向けて弾性的に押圧する。このようにして膝受け部材7を前後動させる運動を繰り返すことにより、左右の膝裏部5,5を効果的にマッサージでき、膝関節を効果的に拡げることができる。加えて、このようにして左右の膝部3,3を前方位置や後方位置に移動させる運動は、前記コイルバネ42の付勢力に抵抗した運動となるため、大腿四頭筋の筋力を強化できることともなる。これらによって、前記と同様にして膝痛の緩和を図り得ることとなる。
【実施例1】
【0062】
かかる膝受け部材7の上下スイング動と前後スイング動は、前記コイルバネ42を前方に向け上方に傾斜状態としてなる運動器具1によっても同様に行うことができる。この場合は、コイルバネ42が前方突出の傾斜状態にあることから、前記膝受け部材7を後方に向けて回動させた状態において、左右の膝受け部6,6が左右の膝裏部5,5の前側部分を、前方に向けて弾性的に押圧する押圧力をより大きなものとなし得る。
【実施例1】
【0063】
ハンドル25を具えない該運動器具1にあっても、図15に示すように、前記膝受け部材7の長さを比較的長く形成して前記膝受け部6,6の外側に外側把持部65,65を設ける場合は、該左右の外側把持部65,65を使用者が左右の手57,57で把持して前記膝受け部材7に立体的な8の字状スイング動を行わせることにより、前記ハンドル25を具えて行う前記運動器具1におけると同様に、左右の膝裏部5,5に多様な押圧刺激を付与できることとなる。
【実施例1】
【0064】
前記構成を有する運動器具1によるときは、これがハンドル25を有する場合も有さない場合も、左右の膝裏部5,5を前記左右の膝受け部6,6に載せて運動している間、左右の足59,59は床面60から浮き上がった状態にある。従って使用者は、膝痛疾患の有無によらず、左右の膝部3,3に体重が掛からない状態で、膝裏部の刺激される部位を自由に変えることができ、又、その刺激の強さも自由に変えることができる。これによって使用者は、脚部、腰部、肩部、背中部、腕部等の全身運動乃至これに近い運動を行うことができる。
【実施例1】
【0065】
図16は全身運動の一態様を示すものであり、前記運動器具1が前記ハンドル25を具える場合において、水平状態にある前記膝受け部材7の前記左右の膝受け部6,6に左右の膝裏部5,5を載せると共に左右の下腿部56,56を垂らした状態で、使用者が左右の手57,57でハンドル25を垂直状態にして把持し、且つ、左右の膝部3,3が左右の膝受け部6,6を力強く下方に押圧した状態とし、この状態で使用者は、該ハンドル25を垂直状態に把持したまま腰部を右回りに強く捩じっている。これによって使用者は、左右の脚部55,55及び、腰部を含む上体66の筋肉を緊張させることができ効果的な全身運動を行い得ることとなる。
【実施例1】
【0066】
本実施例に係る運動器具1によって全身運動を行うその他の態様としては、例えば、前記支持部材7の前記コイルバネ42のバネ剛性を変更したり、前記ハンドル25を上下スイング動させる際において左右の膝部3,3の押し下げ力を使用者が自ら調節したり、或いは、ハンドル25を前後スイング動させる際において左右の膝部3,3を使用者側に引き付ける引き付け力や左右の膝部3,3を前方に押し出す押し出し力を使用者が自ら所要に調節することにより行うことができる。更には、使用者がハンドル25を旋回回動操作する際に該ハンドル25に加える力を使用者が所要に設定すること等によって、又、これらの力の入れ加減を所要に調節しながら、膝受け部材7を上下スイング動させる速度や前後スイング動、8の字状スイング動させる速度を変える等によって、使用者は、膝部に体重を掛けることなく、適切な負荷で全身運動を行うことができる。
【実施例1】
【0067】
例えば、足踏み運動や自転車漕ぎ運動、歩行運動、早歩き運動、ランニング運動等の全身運動を行うことができる。そしてこれらの運動は、膝痛の使用者であっても膝痛のない使用者であっても効果的に行うことができる。又、該運動器具1は、子供から大人まで使用できる。高齢者にあっても、転倒する等の恐れなく安全に運動できることから、該運動器具1は、一般家庭においての他、例えば介護施設等で用いて好ましい。
【実施例2】
【0068】
図17~20は、本発明に係る運動器具1の他の実施例を示すものであり、椅子11の座面13に載置されて使用者の臀部に敷かれる基板17を具えている。そして、該基板17の、左右の大腿部22,22間に位置する支持部10を支点部として、使用者の左右の膝裏部5,5を下方から受ける左右の膝受け部6,6を左右側に具えた膝受け部材7の長さ方向の中央部9が下方から支持されており、前記膝受け部材7が、前記左右の膝受け部6,6が交互に上下する上下スイング動を行い得るようになされている。
【実施例2】
【0069】
前記基板17は図17~18に示すように、前記座面13の前後方向に長い板状を呈し、その前縁側部分19の前縁58は、前方に突の円弧状に形成されている。
【実施例2】
【0070】
前記支持部10は図17~18に示すように、前記前縁側部分19の上面67の中央部位で立設された角柱状を呈しており、その上端部分は、前方から見て台形状に形成されている。そして該支持部10の上端面69の中央部には、図18に示すように、軸線が上下方向である円形の垂直軸受孔70が設けられている。又、該支持部10の前面71の上側部分において、後方に向け斜め下方に傾斜する軸線を有した傾斜軸受孔72が設けられている。
【実施例2】
【0071】
又、前記膝受け部材7は、本実施例においては直径が32mm程度で長さが600mm程度である丸棒状に構成されている。そして、その長さ方向の中央部75で、上下方向に貫通する如く、例えば円柱状軸部73が固定状態に挿通され、該円柱状軸部73の上下部分は、その長さ方向の中央部75の上下で突設されて枢軸部76,76とされている。
【実施例2】
【0072】
該両枢軸部76,76は、図18(B)に示すように、前記垂直軸受孔70に遊挿状態に挿入されると共に、図19(B)に示すように、前記傾斜軸受孔72に遊挿状態に挿入される如くなされている。該枢軸部76は1本でもよいのであるが、本実施例においては、何れか一方の枢軸部76が損傷した場合に備えて予め2本の枢軸部76,76を設けている。
【実施例2】
【0073】
そして本実施例においては、前記枢軸部76の径を8mm程度に設定すると共に、前記垂直軸受孔70と前記傾斜軸受孔72の直径を該枢軸部76の径より大きい15mm程度に大きく設定し、該枢軸部76を該垂直軸受孔70と該傾斜軸受孔72に遊挿状態となし得るように構成されている。
【実施例2】
【0074】
図17~18は、前記何れか一方の枢軸部76を前記垂直軸受孔70に遊挿させた状態を示しており、前記膝受け部材7は水平状態を呈している。該遊挿された状態で、該膝受け部材7は前記垂直軸受孔70の略軸線回りに正逆回転できる。又該膝受け部材7は、図20に示すように、前記左右の膝受け部6,6が交互に上下する上下スイング動を行うことができる。
【実施例2】
【0075】
図19は、前記枢軸部76を前記傾斜軸受孔72に遊挿した状態を示しており、前記膝受け部材7は、前記傾斜軸受孔72の略軸線回りに正逆回転でき、前記左右の膝受け部6,6が交互に上下(この場合は、前記傾斜軸受孔72の軸線と略直交する面内での上下)する上下スイング動を行い得る。
【実施例2】
【0076】
図20~24は、膝痛を緩和するために使用者が該運動器具1を用いて行っている運動態様の一例を示すものであり、該運動器具1は、前記膝受け部材7の前記枢軸部76が前記垂直軸受孔70に遊挿されている。
【実施例2】
【0077】
図20、図21は、使用者2がその左右の膝裏部5,5を前記左右の膝受け部6,6に載せて、左右の膝部3,3を交互に上下動させる運動を行っている状態を示しており、左右の足59,59は床面60から浮き上がった状態にある。この運動によって、前記左右の膝受け部6,6が左右の膝裏部5,5に対して押圧刺激を付与できる。又、前記膝受け部材7の上下スイング動によって、実施例1で説明したと同様に、左右の膝部3,3を前記左右の膝受け部6,6上で転がり運動させることもできる。かかる転がり運動をさせることにより、左右の膝部3,3の捩れによる効果的なマッサージ作用が得られることとなる。より具体的には、左右の膝部3,3が前記膝受け部6,6上で転がることにより、前記左右の膝裏部5,5の、前記左右の膝受け部6,6で押圧刺激される部位が内側から外側に向けて変化し、或いは、外側から内側に向けて変化するので、膝裏部5,5が満遍に押圧刺激される。これによって左右の膝裏部5,5が効果的にマッサージされることとなり、該左右の膝裏部5,5の血行促進と膝関節の拡大が図られることとなる。又、これらの運動を通して大腿四頭筋の筋力を強化できることともなる。そしてこれらの運動は、左右の足59,59が床面60から浮き上がった状態で行われるため、左右の膝部3,3に体重を掛けることなく無理なく行うことができる。然して、かかる運動によって膝痛を緩和できることとなる。
【実施例2】
【0078】
特に本実施例においては、前記膝受け部材7の長さが比較的長く形成されており、その左端側と右端側には、使用者が手で把持するための外側把持部77,77が設けられている。そのため使用者2は、該左右の外側把持部77,77を左右の手で把持して前記膝受け部材7を強制的に上下スイング動をさせることもできる。このように左右の手で左右の外側把持部77,77を把持して前記膝受け部材7に上下スイング動を行わせる場合は、体が安定するために左右の膝部3,3の上下動を行い易く、又、腰部を含む上体の筋肉を緊張させることができて効果的な全身運動を行い得ることともなる。
【実施例2】
【0079】
図22は、前記左右の外側把持部77,77を使用者が左右の手57,57で把持して前記膝受け部材7を略水平に保持し、左右の膝裏部5,5を前記左右の膝受け部6,6に載せた状態で、左右の脚部55,55を前方に向けて伸ばした状態(図22(B))と、左右の脚部55,55を後方に屈曲させた状態(図22(C))を、左右の脚部55,55について同時に行っている状態を示し、該左右の脚部55,55の屈伸運動を繰り返している。かかる運動を行うことによって、左右の膝裏部5,5を効果的にマッサージでき、前記と同様にして膝痛を緩和できることとなる。
【実施例2】
【0080】
図23は、使用者2が、前記左右の外側把持部77,77を左右の手57,57で把持して前記膝受け部材7に8の字状スイング動を行わせている状態を示している。これによって使用者は、前記と同様にして膝痛の緩和を図ることができ、又、全身運動を行い得ることとなる。
【実施例2】
【0081】
図24は、前記枢軸部76を前記垂直軸受孔70に遊挿した状態にある前記運動器具1の前記基板17を床面(本実施例において床面は、絨毯面や畳面も含む)60に敷いて使用者がその臀部を該基板17の後側部分に載せ、且つ、左右の脚部55,55を伸ばした長座姿勢としての座位姿勢で運動を行っている状態を示している。この場合は、左右の膝裏部5,5の上側部分が主として押圧刺激を受ける状態で運動できる。使用者は、左右の膝裏部5,5を前記左右の膝受け部6,6に載せた状態で、積極的に左右の膝部3,3を交互に上下させることにより、前記膝受け部材7を前記上下スイング動させることができる。これによって、前記と同様にして膝痛緩和を図り得る。
【実施例2】
【0082】
これらの左右の脚部55,55の運動は、前記枢軸部76を前記傾斜軸受孔72に遊挿してなる前記運動器具1によっても同様に行うことができる。この場合は、左右の膝裏部5,5の前側部分が主として押圧刺激を受ける状態で運動できる。
【実施例2】
【0083】
又使用者は、本実施例に係る運動器具1を用いて、実施例1における場合と同様にして、膝部に体重を掛けることなく適切な負荷で全身運動を行うことができる。
【実施例3】
【0084】
図25~27は、本発明に係る運動器具1のその他の実施例を示すものであり、床面60等の設置面78で立設され且つ上側部分が把持部79とされた支柱部材80と、該支柱部材80の該把持部79の下側部位81に上下回動可能に取り付けられた膝受け部材7とからなる。該支柱部材80と該膝受け部材7は共に丸棒状に構成されており、該支柱部材80の径は25mm程度で、その長さは800mm程度に設定されている。又、膝受け部材7の径は30mm程度に設定され、その長さは500mm程度に設定されている。
【実施例3】
【0085】
該膝受け部材7は、使用者の左右の膝裏部5,5を下方から受ける膝受け部6,6を左右側に具えており、水平状態でその中央部82が、前記支柱部材80の前記下側部位81に、該支柱部材80と該膝受け部材7とが直角に交差する状態で当接せしめられ、両者の当接部が、例えば紐としての結着材85を用いて結着されている。そして該結着部86は、前記膝受け部材7が、前記左右の膝受け部6,6が交互に上下する上下スイング動を行うための支持部10とされている。なお、該膝受け部材7の前記中央部82は、前記支柱部材80に枢軸(図示せず)を介して枢着されてもよい。この場合は、該枢軸が前記支持部10を構成する。
【実施例3】
【0086】
図26~27は、かかる構成を有する運動器具1の使用状態を示すものである。図26は、その一使用状態を示しており、使用者2は、前記支柱部材80を立設状態にして左右の手57,57で前記把持部79を把持し、左右の膝裏部5,5を前記左右の膝受け部6,6に載せ、左右の足59,59が床面60から浮き上がった状態において、左右の脚部55,55を積極的に交互に上下運動させている。この上下運動によって、左右の膝裏部5,5に左右の膝受け部6,6による押圧刺激を付与できると共に、該左右の膝受け部6,6上で左右の膝部3,3に転がり運動を起こさせることができる。そしてこれらの運動を、膝部3,3に体重を掛けることなく無理なく行うことができる。然して、かかる上下運動を行うことによって左右の膝裏部5,5が効果的にマッサージされ、実施例1で説明したところと同様にして膝痛緩和が図られる。
【実施例3】
【0087】
図27は、該運動器具1の他の使用状態を示すものであり、使用者は、前記支柱部材80を立設状態にし、左右の手57,57で前記把持部79を把持し、前記膝受け部材7が水平状態において左右の膝裏部5,5を前記左右の膝受け部6,6に載せ、左右の足59,59が床面60から浮き上がった状態において、左右の脚部55,55を前方に向けて伸ばした状態と、左右の脚部55,55を後方に屈曲させた状態を繰り返している。かかる屈伸運動を繰り返すことによって左右の膝裏部5,5が効果的にマッサージされ、実施例1で説明したところと同様にして膝痛緩和が図られる。
【実施例3】
【0088】
又使用者は、本実施例に係る運動器具1を用いて、実施例1における場合と同様にして、膝部に体重を掛けることなく適切な負荷で全身運動を行うことができる。
【実施例4】
【0089】
左右の脚部55,55を伸ばした長座姿勢で使用し得る運動器具1の一例としては、実施例2で示した運動器具1があるが、ここでは、その他の実施例を説明する。図28~29は、その一例を示すものであり、左右方向に長い矩形板状を呈する基板17の上面21の中央部で支持部10が突設されている。そして、該支持部10を支点部として、使用者の左右の膝裏部5,5を下方から受ける膝受け部6,6を左右側に具えた膝受け部材7の左右方向の中央部87が下方から支持されている。これによって該膝受け部材7が、該左右の膝受け部6,6が交互に上下する上下スイング動をなし得る如く構成されている。
【実施例4】
【0090】
前記支持部10は、平面視で前後方向に稍長い長方形状の直方体状を呈しており、前方から見て上部には、前後方向に長い三角形状の支点部10aが設けられている。又、前記左右膝受け部6,6は、前後方向にある程度の幅を有する(例えば40mm程度の幅を有する)平板状に構成されており、その下面部90の左右方向の中央部には、前記三角形状の支点部10aを嵌め入れるための三角形状の溝部91が形成されている。
【実施例4】
【0091】
そして本実施例においては、該三角形状の溝部91に該三角形状の支点部10aを嵌め入れた状態で、例えば、該溝部91の左右側に設けられた孔部92と、前記支点部10aの下側で且つ前後方向の中央部位に設けられた、左右方向に貫通した孔部93とに結着紐95を通して結着することによって、平板状を呈する前記膝受け部材7が前記支点部10aで支持された状態とされている。そして、該膝受け部材7が、前記左右の膝受け部6,6が交互に上下する上下スイング動をなし得る如く構成されている。
【実施例4】
【0092】
本実施例においては、該膝受け部材7が、前後方向にある程度の幅を有する平板状に構成されているため、図29(B)に示すように、その前後の角部分96,96を使用者の左右の膝裏部5,5に当てることにより、該膝裏部5,5の前側部分と後側部分に比較的大きな押圧刺激を与えることができる。又該膝受け部材7の上面99が平坦面であるため、前記左右の膝受け部6,6上で、左右の膝部3,3の転がり運動をより安定的に起こさせることができる。そしてこの場合も、かかる上下運動を、膝部3,3に体重を掛けることなく無理なく行うことができる。然して、かかる上下運動を行うことによって左右の膝裏部5,5が効果的にマッサージされ、実施例1で説明したところと同様にして膝痛緩和が図られる。
【実施例5】
【0093】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【実施例5】
【0094】
(1) 本発明に係る運動器具1において、左右の膝部3,3に加える負荷を調節する手段としては、バネ定数の異なるバネ部材(例えば前記コイルバネ42)を用いて構成された複数種類の前記支持部材36を用意し、適宜の支持部材を選択して前記支持部10を構成することの他、同一の支持部材7においてコイルバネ等のバネ部材の弾性変形可能域を所要に設定することにより変更することもできる。
【実施例5】
【0095】
或いは、本発明に係る運動器具1を例えば図25に示すように、支柱部材80の上部側で膝受け部材7を直交状態に付設し、該膝受け部材7を、立設した該支柱部材80に対して正逆傾動可能に構成する場合において、この傾動を行わせる枢軸としてネジ軸を用いることとし、該ネジ軸に螺合するナットの締め付け量を所要に調節することによって前記負荷を調節するということもできる。その他、前記バネ部材は、コイルバネ42に代えて板バネ等の各種のバネ部材を用いても構成でき、更には、硬質ゴムの弾性復元作用を利用しても構成できる等、各種の弾性復元性を有する部材を用いて構成できる。
【実施例5】
【0096】
更には、前記左右の膝受け部6,6上に左右の膝部3,3が載せられた状態において、該左右の膝部3,3をその上側から手で押圧することとし、その押圧力を調節することにより該左右の膝部3,3の負荷を調節することもできる。
【実施例5】
【0097】
(2) 図30、図31は、本発明に係る運動器具1を杖に応用して構成した場合を示すものであり、支柱部材80と膝受け部材7とを十字状に組み合わせてなる、図25に示す運動器具1の変形態様のものである。該杖型の運動器具1は、該支柱部材80を構成する杖本体100の所要高さ部位に、例えば丸棒状を呈する膝受け部材7の長さ方向の中央部101を重ね、該中央部101を、該杖本体100に上下回動可能に連結してなる。図30にあっては、該中央部101を、ボルト等の枢軸102を介して回動可能としてなる。又図31にあっては、該中央部101を前記杖本体100に直角に交差する状態に重ね合わせると共に両者の当接部を、例えば紐としての結着材85を用いて結着し、該結着部86は、前記膝受け部材7が、前記左右の膝受け部6a,6bが交互に上下する上下スイング動を行うための支持部10とされている。なお、前記左右の膝受け部6a,6bを交互に上下させるための前記支持部10は、面状ファスナを結着材として用いて構成する等、公知の各種手段を用いて構成できる。
【実施例5】
【0098】
図30に示す杖型の運動器具1にあっては、該膝受け部材7の長さ方向を杖本体100の長さ方向に沿わせた図30(A)に示す状態において、該運動器具1を杖として用いることができる。この状態で、該膝受け部材7は留め具(図示せず)によって、解除可能に杖本体100にロックされる。そして、歩行時において膝痛が生じたときは、図30(B)に示すように前記膝受け部材7を水平状態に開けば、杖型の運動器具1を構成できる。使用者は、例えば椅子(ベンチ等)11に着座して、図26、図27に示すと同様に左右の膝裏部5a,5bを押圧刺激できることとなり、これによって膝痛を緩和できることとなる。なお、従来の杖におけると同様にして前記杖本体100の長さを調節可能とすることにより、前記膝受け部材7の高さを使用者に応じて調整できる。
【実施例5】
【0099】
(3) 膝受け部材7の長さ方向の中央部10で突設した前記枢軸部76を、基板17に設けた支持部10に設けた前記垂直軸受孔70や前記傾斜軸受孔72に遊挿させる前記実施例において、該枢軸部76を、ピン体やネジ軸を以て構成することもできる。なお、前記とは逆に、該枢着軸76を前記支持部10に設けると共に該枢着軸76を、前記中央部10に設けた軸受孔に遊挿させるように構成してもよい。又、該枢軸部76をコイルバネ等の弾性変形可能の部材を以て構成する場合は、該枢軸部76を前記垂直軸受孔70や前記傾斜軸受孔72又は前記中央部100に設けた軸受孔に、遊びがないか遊びが少ない状態で挿入させることもできる。
【実施例5】
【0100】
(4) コイルバネ42を用いて前記支持部10を構成する前記運動器具1において、該コイルバネ42に代えて、360度何れの方向にも回動可能な球体を以てなるジョイント具を用いることも可能である。
【実施例5】
【0101】
(5) 図32は、前記膝受け部材7の他の態様を示すものであり、丸棒状を呈する膝受け部材本体の長さ方向の中央部9の上下方向で見た一方側が欠切されておりその底面103は、該膝受け部材7の軸線(左右方向の軸線)Lと平行する平坦面として形成されている。そして、該平坦面の中央部で、該軸線と直交する前記枢着孔26が貫設されている。該膝受け部材7は、図32(A)に示すように前記底面103が上向きの状態で、或いは、図32(B)に示すように前記底面103が下向きの状態で、前記コイルバネ42を具える前記支持部材36の上の挿入軸46が前記枢着孔26に挿通されている。そして、前記底面103を上向き状態にしたときは、前記上の段部43が前記枢着孔26の下端縁部116に当接する一方、前記底面103を下向き状態にしたときは、前記上の段部43が、該底面103に当接する。
【実施例5】
【0102】
前記底面103を下向きにした場合(図32(B))と上向きにした場合(図32(A))とを比較すると、該底面103を下向きにした方が、前記左右の膝受け部6a,6bの上面部(膝部3a, 3bを受ける面部)105,105の水平状態の高さを、該底面103を上向きにした場合に比べて低くできる。即ち、該底面103を上向きにするか下向きにするかによって、水平状態にある前記左右の膝受け部6,6の上面部105,105の高さを例えば20~30mm程度変えることができる。この状態で、前記コイルバネ42は、前記基板17の前記上面21と前記膝受け部材7の下面部106との間に介在され(図32(A))、或いは、前記基板17の前記上面21と前記膝受け部材7の前記底面103との間に介在される(図32(B))。
【実施例5】
【0103】
(6) 図33は、本発明に係る運動器具1のその他の実施例を示すものであり、前記膝受け部材7を下方から支持する支持部10を、吊下部材107を用いて構成した場合の一例を示すものである。該吊下部材107は紐状部材の他、金属製や樹脂製等の線状部材を用いて構成することもできる。図33においては紐状部材107aを用いて構成されており、該紐状部材107aの下端側の部分110を、前記膝受け部材7の長さ方向の中央部に設けた取付け部111に掛着等によって取り付けてなる。かかる運動器具1を使用するに際しては、前記紐状部材107aの上端側の部分112を、例えばテーブルの縁部113に固定した固定具115に連結することにより、該紐状部材107aを介して該膝受け部材7が水平状態で吊下された状態となし得る。この状態で、左右の膝受け部6a,6bに左右の膝部3a,3bを載せれば、該膝受け部材7に、前記左右の膝受け部6a,6bが交互に上下する上下スイング動を行わせ得ることとなる。
【実施例5】
【0104】
(7) 前記支持部10は、前記基板17の上面で突出するように構成されることの他、例えば図34に示すように、基板17の板厚内で設けられた例えば軸部94として構成することもできる。この場合は、前記膝受け部材7の長さ方向の中央部で下方に向けて突設された軸受け突部104を該軸部94(支持部10)で支持させる。
【実施例5】
【0105】
(8) 図31、図35、図36は、前記膝受け部材7を上下スイング動させる際に、前記左右の膝受け部6a,6bに載せた左右の膝部3a, 3bが、下方に傾斜した該左右の膝受け部6a,6bから滑り落ちないようにするために、左右の膝受け部6a,6bの外端側に、該左右の膝部を下方から支持するための左右の膝部止め120a,120bを設けた場合を示すものであり、例えば、前記した杖型の運動器具1に応用されている。
【実施例5】
【0106】
前記膝部止め120a,120bは、例えば図31、図35~36に示し、又図37に示すように、バンド部材121を以て構成されている。該バンド部材121は、本実施例においては図31に示すように、左右のバンド片121a,121bを用いて構成されており、該左のバンド片121aは、その一端部122が前記左の膝受け部6aの外端側部分123に取り付けられており、その他端部125に第1の連結部材(本実施例においては第1のバックル部材126a)126が設けられている。又、右のバンド片121bは、その一端部127が前記右の膝受け部6bの外端側部分129に取り付けられており、その他端部130に、前記第1のバックル部材126aと着脱可能に係合し得る第2の連結部材(本実施例においては第2のバックル部材131a)131が設けられている。そして図35に示すように、該左右のバンド片121a,121bの長さを所要に調節して該左右のバンド片121a,121bで、前記左右の膝受け部6a,6bに載せられている左右の膝部3a,3bを上から覆い、且つ該第1、第2のバックル部材126a,131aを相互に係合させることによって、該左右の膝部3a,3bが、連結された左右のバンド片121a,121bと前記膝受け部材7との間で拘束される。これにより、図36に示すように、下方に傾斜した前記膝受け部6a,6bから左右の膝部3a,3bが滑り落ちるのを防止でき、前記上下スイング動を安定的に行い得ることとなる。
【実施例5】
【0107】
下方に傾斜した前記膝受け部6a,6bから左右の膝部3a,3bが滑り落ちるのを防止する手段は、前記左右の膝受け部6a,6bに載せた左右の膝部3a,3bを、左右のバンド片で個別に拘束するように構成してもよい。
【実施例5】
【0108】
図37~40は、バンド部材121を以て構成された膝部止め120a,120bの他の態様を示すものであり、該バンド部材121は、調整部材140で長さ調整可能となされた1本のバンド部材である。該バンド部材121を用いる膝部止め120a,120bは、例えば図1に示されている運動器具1に応用されており、丸棒状を呈する前記膝受け部材7の左右の膝受け部6a,6bの外端側部分123,129の夫々に、小間隔(例えば50mm程度の間隔)を置いて複数個(例えば2個)の取付け孔141,141、141,141が設けられており、夫々の取付け孔141に、例えば紐を以てなる掛着リング142が取り付けられている。図37(A)は、外側に位置する掛着リング142,142(142a,142a)に、前記バンド部材121の両端部分143,143が、環状連結部材(例えばカラビナ)145,145を介して連結されている。これにより図38(A)(B)に示すように、下方に傾斜した左右の膝受け部6a,6bから左右の膝部3a,3bが滑り落ちるのを防止できる。
【実施例5】
【0109】
又図37(B)は、内側に位置する掛着リング142,142(142b,142b)に、前記バンド部材121の両端部分143,143が、前記環状連結部材(例えばカラビナ)145,145を介して連結されている。これにより、図39(A)(B)に示すように、下方に傾斜した左右の膝受け部6a,6bから左右の膝部3a,3bが滑り落ちるのを防止できる。
【実施例5】
【0110】
前記のように、膝受け部6a,6bの外端側部分123,129に複数個の取付け孔141を設ける等、左右の膝部止め120a,120bの配設部位を左右方向で位置変更可能とする構成は、その他の実施例に係る運動器具1においても応用できる。そして、このように左右の膝部止め120a,120bの配設部位を左右方向で位置変更可能とする場合は、左右の膝部3a,3bを内側に寄せた状態や左右の膝部3a,3bを稍離した状態等、所望の状態で該左右の膝部を止めることができる。これによって、左右の膝裏部5a,5bに対してのマッサージ作用や、左右の脚部55a,55bの上下運動の負荷状態を変化させることができる。
【実施例5】
【0111】
例えば、左右の膝部3a,3bを前記のように内側に寄せた状態で左右の脚部55a,55bを積極的に押し下げて前記膝受け部材7に上下スイング動を行わせる場合(図39)は、左右の膝部3a,3bを前記のように稍離した状態する場合(図38)に比し、前記膝受け部材7を上下スイング動させる際における左右の脚部55a,55bの押し下げ時の負荷をより大きくできる。前記支持部10を、例えば図1に示すようにコイルバネ等の付勢手段を用いて構成する場合は、該脚部55a,55bの押し下げ時の負荷をより大きくなし得る。
【実施例5】
【0112】
図40、図41に示す左右の膝部止め120a,120bは、前記左右の膝受け部6a,6bの外端部分に別体の膝部止め部材132a,132bを固定して構成されている。該膝部止め部材132a,132bは、前記左右の膝受け部6a,6bの端部分133a,133bに嵌着状態で固定される固定部135a,135bに膝部止め部120a,120bを設けた構成を有している。
【実施例5】
【0113】
図40においては該固定部135a,135bが、前記端部分133a,133bを嵌め入れて嵌着状態に固定される筒状体128a,128bを以て構成されており、図38においては、該固定部135a,135bが、前記端部分133a,133bの端面136a,136bに設けた固定孔137a,137bに嵌め入れて嵌着状態に固定される固定軸139a,139bを以て構成されている。かかる嵌着手段に代えて、螺合して締め付ける螺締手段を採用してもよく、これらの嵌着部分を適宜接着してもよい。そして図40(B)(C)、図41(B)(C)に示すように、該左右の膝部止め120a,120bによって、下方に傾斜した前記膝受け部6a,6bから左右の膝部3a,3bが滑り落ちるのを防止できる。
【実施例5】
【0114】
又、前記左右の膝部止め120a,120bは、例えば図42(A)(B)に示すように、前記左右の膝受け部6a,6bの外端部分に一体に設けられてもよい。
【実施例5】
【0115】
(9) 図43は、例えば図1に示されている運動器具1の丸棒状を呈する前記膝受け部材7の左右の膝受け部6a,6bの外端側部分123,129の下面部を、その内側から外側に向けて斜め状態に傾斜する傾斜面146,146を呈するようにカットした場合を示している。このようにカットする場合は、該膝受け部材7を、前記左右の膝受け部6a,6bが交互に上下する上下スイング動させる場合、前記基板17が幅広であるときも、例えば図43(B)において示す、カットしない場合(この場合における膝受け部材7を図43(B)に一点鎖線で示している)との比較から明らかなように、該上下スイング動の振幅をより大きく設定できることとなる。なお図43においても、図37におけると同様に、取付け孔141が設けられている。
【実施例5】
【0116】
(10)本発明に係る運動器具1をバーチャル表示装置と連動させれば、足踏み運動や歩行運動、早歩き運動、ランニング運動、山登り運動、自転車漕ぎ運動等の運動をあたかも現実に行っているかのようなバーチャルな状態をモニターに表示させることができる。この場合、例えば、左右の膝部の負荷を所要とし且つ、前記上下スイング動の速度を歩行状態や早歩き状態等に適宜変更すると、使用者がこれらの運動を現実に行っているかのようなバーチャルな状態をモニターに表示できる。又、消費カロリーをモニターに表示させることもでき、このように構成するときは、目標を以て運動を楽しく効果的に行うことができる。
【実施例5】
【0117】
(11)前記基板17は、椅子から前方に向けて突出するように設けることができる他、椅子から前方に向けて突出でき且つ該基板が椅子の内部や椅子の下面に収納状態となり得るように構成することもできる。そして、該基板17に設けた支持部10で前記膝受け部材7を支持させることができる。
【実施例5】
【0118】
(12)左右の膝裏部5,5に押圧刺激を与える前記左右の膝受け部6,6としては、前記した丸棒状を呈するものや板状を呈するもの等を選択でき、丸棒状を太径とするか細径とするかや、板幅をどの程度に設定するか等は、使用者が求める押圧刺激に応じて所要に設定することができ、適宜交換可能に構成することもできる。又、膝裏部5,5に対する押圧刺激を所要に設定できるように、前記左右の膝受け部6,6の横断面形態を、上に突の半丸状や楕円形状、角形状に構成することも可能であり、更には、該左右の膝受け部6,6の表面に、膝裏部5を刺激するための突部を設けることもできる。これらによって、膝裏部5に当接する面積を変えることができ、押圧刺激の大小や押圧部位を所要に設定できることとなる。
【実施例5】
【0119】
(13)前記支持部10は、適宜の蝶番を用いて構成することもできる。
【実施例5】
【0120】
(14)該左右の膝受け部6,6にバイブレーターを組み込むことによって、バイブレーションを加えながら膝裏部5に押圧刺激を付加するように構成することもでき、更には、該膝受け部6,6に加温装置を組み込むことによって、膝裏部に、加温しながら押圧刺激を加えるように構成することもできる。
【実施例5】
【0121】
(15)前記上下スイング動や前後スイング動、八の字状のスイング動を、モーター駆動によって行わせることもできる。
【実施例5】
【0122】
(16)本発明に係る運動器具1は、足裏の土踏まずに押圧刺激を付与するために用いることもできる。図44はその一例を示すものであり、該運動器具1を、その基板17を床面60等の設置面に載せた状態で該設置面に設置し、椅子に着座した使用者は、左右の足59,59の土踏まず部を前記左右の膝受け部6,6に載せる。この状態で使用者が、左右の脚部55,55を積極的に上下させて前記膝受け部材7を上下スイング動させると、足裏の土踏まずに押圧刺激を付与することができる。
【実施例5】
【0123】
又、前記基板17を床面60等の設置面に載せた状態で該設置面に設置される運動器具は、仰臥位で使用されることもある。この場合は使用者は、仰臥位で、その左右の膝受け部6,6に左右の膝裏部5,5を載せ、この状態で該左右の膝受け部6,6を交互に上下動させる運動を行うことができる。これによって、膝部に体重を掛けないで膝裏部を効果的に押圧刺激できる等、膝裏部に効果的なマッサージ作用を付与できると共に、大腿四頭筋の筋力を強化できて膝痛を緩和し得ることとなる。
【符号の説明】
【0124】
1 運動器具
3 膝部
5 膝裏部
6 膝受け部
7 膝受け部材
9 中央部
10 支持部
11 椅子
12 着座部
13 座面
15 後側部分
17 基板
22 大腿部
25 ハンドル
35 保持孔
36 支持部材
42 コイルバネ
46 上の挿入軸
47 下の挿入軸
55 脚部
56 下腿部
57 手
59 足
60 床面
70 垂直軸受孔
72 傾斜軸受孔
75 枢軸部
77 外側把持部
80 支柱部材
120 膝部止め
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
29
【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
34
【図36】
35
【図37】
36
【図38】
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【図39】
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【図40】
39
【図41】
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【図42】
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【図43】
42
【図44】
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【図45】
44
【図46】
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