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明細書 :放射線量測定方法及び測定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-008893 (P2016-008893A)
公開日 平成28年1月18日(2016.1.18)
発明の名称または考案の名称 放射線量測定方法及び測定装置
国際特許分類 G01T   1/20        (2006.01)
FI G01T 1/20 L
G01T 1/20 C
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 7
出願番号 特願2014-129848 (P2014-129848)
出願日 平成26年6月25日(2014.6.25)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用申請有り 日本原子力学会2014年春の年会予稿集521ページ「遠隔観察・分光技術を用いた炉内検査技術の開発(その3)(4)シンチレータと光ファイバを用いた放射線計測」伊藤 敬輔、石川 高史、内藤 裕之、伊藤 主税、2014年3月10日 [刊行物等]日本原子力学会「2014年春の年会」第3日(3月28日)K46「(4)シンチレータと光ファイバを用いた放射線計測」伊藤 敬輔、石川 高史、内藤 裕之、伊藤 主税、2014年3月28日
発明者または考案者 【氏名】伊藤 敬輔
【氏名】石川 高史
【氏名】内藤 裕之
【氏名】伊藤 主税
出願人 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
個別代理人の代理人 【識別番号】100139114、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 貞嗣
【識別番号】100092495、【弁理士】、【氏名又は名称】蛭川 昌信
【識別番号】100139103、【弁理士】、【氏名又は名称】小山 卓志
【識別番号】100145920、【弁理士】、【氏名又は名称】森川 聡
【識別番号】100094787、【弁理士】、【氏名又は名称】青木 健二
【識別番号】100097777、【弁理士】、【氏名又は名称】韮澤 弘
【識別番号】100091971、【弁理士】、【氏名又は名称】米澤 明
審査請求 未請求
テーマコード 2G188
Fターム 2G188CC13
2G188CC15
要約 【課題】 高放射線量場において実用し得る放射線量測定方法及び装置を実現する。
【解決手段】 放射線感応部1のシンチレーター発光機構部1aは、ルビーを使用して放射線量測定対象物から放出される放射線に感応して放射線量に応じてシンチレーター光1bを発生するように構成し、この発光をフッ素ドープ石英コア3aを使用して構成した光ファイバー3によって放射線量測定対象物から離れて位置する信号処理部2に伝送するように構成し、この信号処理部において、光学フィルター2aを介在させてシンチレーター光以外の波長の光を遮断し、前記光学フィルターを通過した光を光電変換回路2bによって光電変換して放射線量に対応する電力量の電気信号を得るように構成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
放射線感応部にシンチレーター発光機構を使用し、放射線量測定対象物から放出される放射線に感応して該放射線の線量に応じて発光するシンチレーター光を光ファイバーによって放射線量測定対象物から離れて位置する信号処理部に伝送し、この信号処理部においてシンチレーター光を電気信号に変換して放射線量測定対象物から放出される放射線量を測定する放射線量測定方法において、
前記シンチレーター発光機構部には、感応部材としてルビーを使用して放射線量に対応したシンチレーター光を発生させ、
前記光ファイバーには、フッ素ドープ石英コアを使用して前記シンチレーター光を伝送させ、
前記信号処理部には、光学フィルターを介在させてシンチレーター光以外の波長の光を遮断し、前記光学フィルターを通過した光を光電変換して放射線量に対応する電力量の電気信号を得ることを特徴とする放射線量測定方法。
【請求項2】
請求項1において、感応部材としてのルビーは、人工ルビーを使用することを特徴とする放射線量測定方法。
【請求項3】
放射線感応部にシンチレーター発光機構を使用し、放射線量測定対象物から放出される放射線に感応して該放射線の線量に応じて発光するシンチレーター光を光ファイバーによって放射線量測定対象物から離れて位置する信号処理部に伝送し、この信号処理部においてシンチレーター光を電気信号に変換して放射線量測定対象物から放出される放射線量を測定する放射線量測定装置において、
前記シンチレーター発光機構部は、感応部材としてルビーを使用して放射線量に対応したシンチレーター光を発生するように構成し、
前記光ファイバーは、フッ素ドープ石英コアを使用して前記シンチレーター光を伝送するように構成し、
前記信号処理部は、光学フィルターを介在させてシンチレーター光以外の波長の光を遮断し、前記光学フィルターを通過した光を光電変換して放射線量に対応する電力量の電気信号を得るように構成したことを特徴とする放射線量測定装置。
【請求項4】
請求項3おいて、感応部材としてのルビーは、人工ルビーを使用したことを特徴とする放射線量測定装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線量測定方法及び測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力施設の高放射線量場における放射線量の測定には、耐放射線性に優れた遠隔操作式の測定装置が必要である。
【0003】
遠隔操作式の放射線量測定装置として、放射線感応部にシンチレーター発光機構を使用し、放射線量測定対象物から放出される放射線に感応して該放射線の線量に応じて発光するシンチレーター光を光ファイバーによって放射線量測定対象物から離れて位置する信号処理部に伝送し、この信号処理部においてシンチレーター光を電気信号に変換して放射線量を測定する構成が提案されている。
【0004】
このような構成の放射線量測定装置は、測定作業者や信号処理部が進入することができないような狭隘な場所や高放射線で危険な場所に位置する放射線量測定対象物に対向するように放射線感応部を挿し入れることにより、放射線量測定対象物から放出される放射線の線量に応じたシンチレーター光を発生させ、このシンチレーター光を光ファイバーによって放射線量測定対象物から離れた広範な場所や安全な場所まで伝送し、そこに位置させた信号処理部においてシンチレーター光を電気信号に変換して計数することにより放射線量測定対象物が放出する放射線量を測定するように使用される。

【特許文献1】特開平9-140658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した遠隔操作式の放射線量測定装置は、低線量場に位置する放射線量測定対象物の放射線量を安全に測定することができるが、耐放射線性は1kGy程度であり、線量率で10kGy/h以上の高線量場に曝されるとシンチレーター発光機構の発光特性が劣化すると共に光ファイバーの光伝送特性が劣化することから短時間で使用不可能状態になり、
また、高放射線に曝されると光ファイバー自体も発光(チェレンコフ光)してシンチレーター光に混入させることから放射線量測定精度が低下し、
更に、シンチレーター光の発光数(シンチレーター光に感応して発生する電気信号の発生回数)を計数することにより行う放射線量の測定は、高放射線量の測定においては電気信号の発生速度が信号処理部の計数速度限界を超えてしまうことから測定不能状態となる、等の課題がある。
【0006】
従って、本発明は、放射線感応部にシンチレーター発光機構を使用し、放射線量測定対象物から放出される放射線に感応して該放射線の線量に応じて発光するシンチレーター光を光ファイバーによって放射線量測定対象物から離れて位置する信号処理部に伝送し、この信号処理部においてシンチレーター光を電気信号に変換して放射線量測定対象物が放出する放射線量を測定する構成の放射線量測定において、
発明の目的の1つは、高放射線量に曝されることによるシンチレーター発光機構の発光特性の劣化と光ファイバーの光伝送特性の劣化を共に軽減して実用し得る構成を実現し、
他の目的は、チェレンコフ光が発生しても放射線量測定精度を低下させることがない構成を実現し、
更に他の目的は、高放射線量において発生する発光に対しても応動し得る信号処理を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る放射線量測定方法は、放射線感応部にシンチレーター発光機構を使用し、放射線量測定対象物から放出される放射線に感応して該放射線の線量に応じて発光するシンチレーター光を光ファイバーによって放射線量測定対象物から離れて位置する信号処理部に伝送し、この信号処理部においてシンチレーター光を電気信号に変換して放射線量測定対象物から放出される放射線量を測定する構成の放射線量測定において、
前記シンチレーター発光機構部には、感応部材としてルビーを使用して放射線量に対応したシンチレーター光を発生させ、
前記光ファイバーには、フッ素ドープ石英コアを使用して前記シンチレーター光を伝送させ、
前記信号処理部には、光学フィルターを介在させてシンチレーター光以外の波長の光を遮断し、前記光学フィルターを通過した光を光電変換して放射線量に対応する電力量の電気信号を得るように構成する。
【0008】
また、本発明に係る放射線量測定方法は、感応部材としてのルビーは、人工ルビーを使用することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る放射線量測定方法は、放射線感応部にシンチレーター発光機構を使用し、放射線量測定対象物から放出される放射線に感応して該放射線の線量に応じて発光するシンチレーター光を光ファイバーによって放射線量測定対象物から離れて位置する信号処理部に伝送し、この信号処理部においてシンチレーター光を電気信号に変換して放射線量測定対象物から放出される放射線量を測定する放射線量測定装置において、
前記シンチレーター発光機構部は、感応部材としてルビーを使用して放射線量に対応したシンチレーター光を発生するように構成し、
前記光ファイバーは、フッ素ドープ石英コアを使用して前記シンチレーター光を伝送するように構成し、
前記信号処理部は、光学フィルターを介在させてシンチレーター光以外の波長の光を遮断し、前記光学フィルターを通過した光を光電変換して放射線量に対応する電力量の電気信号を得るように構成したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る放射線量測定方法は、感応部材としてのルビーは、人工ルビーを使用したことを特徴とする放射線量測定装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、放射線感応部にシンチレーター発光機構を使用し、放射線量測定対象物から放出される放射線に感応して該放射線の線量に応じて発光するシンチレーター光を光ファイバーによって放射線量測定対象物から離れて位置する信号処理部に伝送し、この信号処理部においてシンチレーター光を電気信号に変換して放射線量測定対象物が放出する放射線量を測定する構成の放射線量測定において、
シンチレーター発光機構部における感応部材としてルビーを使用したことにより、高放射線量に曝されることによる発光特性の劣化を軽減し、フッ素ドープ石英コアを使用して光ファイバーを構成したことにより、高放射線量に曝されることによる光伝送特性の劣化を軽減して実用し得る耐放射線性を実現することができ、
シンチレーター発光機構部における感応部材として使用したルビーにより放射線量に応じて発生するシンチレーター光と高放射線量に曝されることにより発生して光ファイバーに混入するチェレンコフ光は波長帯が異なることから、光学フィルターによりシンチレーター光と区別して遮断することにより放射線量測定精度の低下を防止することができ、
信号処理部は光学フィルターを通過した光を光電変換して放射線量に対応する電力量の電気信号を得るように構成したことにより、高放射線量に応じて発生するシンチレーター光に対しても応動し得る信号処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例である遠隔操作式の放射線量測定装置を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の遠隔操作式の放射線量測定は、放射線感応部にシンチレーター発光機構を使用し、放射線量測定対象物から放出される放射線に感応して該放射線の線量に応じて発光するシンチレーター光を光ファイバーによって放射線量測定対象物から離れて位置する信号処理部に伝送し、この信号処理部においてシンチレーター光を電気信号に変換して放射線量測定対象物から放出される放射線量を測定するように構成する。

【0014】
そして、前記シンチレーター発光機構部には、感応部材としてルビーを使用して放射線量に対応したシンチレーター光を発生させる。前記ルビーは、Cr23を僅かに(例えば約0.4%)含むAl23の人工ルビーで、放射線に感応して約693nmの波長で発光する構成とするのが実用的である。ルビーは、シンチレーター発光(波長693nm)特性に関しては、積算線量で1.2MGyの高い放射線を照射した後でも照射前と同等の発光特性を維持することができる。

【0015】
また、前記光ファイバーは、フッ素ドープ石英コアを使用した構成とする。フッ素ドープ石英コアを使用して構成した光ファイバーは、伝送目的のシンチレーター光(波長693nm)の伝送損失に関しては、積算線量で1.2MGyの高い放射線を照射した後でも照射前と同等の光伝送特性を維持することができる。

【0016】
また、前記信号処理部には、光学フィルターを介在させてシンチレーター光以外の波長の光を遮断し、前記光学フィルターを通過した光を光電変換して放射線量に対応する電力量の電気信号を得るように構成する。フッ素ドープ石英コアを使用して構成された光ファイバーが高放射線に曝されて発光するチェレンコフ光は、その波長が300nm~500nmであることから、光ファイバーに進入してシンチレーター光に混入して伝送されるチェレンコフ光は、光電変換される前に光学フィルターによってシンチレーター光(波長693nm)と分別して遮断することができる。そして、放射線量の測定(計量)は、シンチレーター光の発光量に応じて発生する電気信号の量の積分値で行うようにすることにより、高放射線量での発光であっても処理不能になることがない。
【実施例】
【0017】
この実施例の放射線量測定装置は、破損した原子炉の格納容器や圧力容器内に残留する高放射線量の燃料屑の放射線量測定に適するように構成される。具体的には、1Gy/h~10kGy/hの測定能力を持ち、10kGy/hの環境下で1日以上の使用に耐える構成とする。
【実施例】
【0018】
この実施例の遠隔操作式の放射線量測定装置は、図1に示すように、放射線に感応して発光(シンチレーター光)するシンチレーター発光機構を使用した放射線感応部1と、先端に前記放射線感応部1を取り付けて該放射線感応部1を放射線量測定対象物に対抗するように挿し入れ、放射線感応部1で発生したシンチレーター光を後端部に接続した信号処理部2まで伝送する光ファイバー3により構成される。
【実施例】
【0019】
前記放射線感応部1は、シンチレーター発光機構部1aの感応部材としてルビーを使用して放射線量に対応したシンチレーター光1bを発生させる。前記ルビーは、Cr23を僅かに(例えば約0.4%)含むAl23の人工ルビーで、放射線に感応して約693nmの波長で発光する構成とし、光ファイバー3の先端面に取り付け、その周囲をステンレ
ス鋼板製の遮光カバー1cで包囲する。しかも、このルビーは、シンチレーター発光(波長693nm)特性に関しては、積算線量で1.2MGyの高い放射線を照射した後でも照射前と同等の発光特性を維持することができる。
【実施例】
【0020】
前記光ファイバー3は、フッ素ドープ石英コア3aを使用した構成とする。フッ素ドープ石英コア3aは、伝送目的のシンチレーター光(波長693nm)1bの伝送損失に関しては、積算線量で1.2MGyの高い放射線を照射した後でも照射前と同等の光伝送特性を維持することができ、10kGy/hの高放射線量場での測定においても1日以上の測定作業に供することができる。そして、フッ素ドープ石英コア3aの外周は、ステンレス鋼板製又はPEEK製の保護管3bで包囲する。
【実施例】
【0021】
前記信号処理部2には、光学フィルター2aを介在させてシンチレーター光1bの波長帯以外の波長の光を遮断し、前記光学フィルター2aを通過した光を光電変換回路2bによって光電変換して放射線量に対応する電力量の電気信号を得るように構成する。フッ素ドープ石英コア3aを使用して構成された光ファイバー3が高放射線に曝されて発光するチェレンコフ光3cは、その波長が300nm~500nmであることから、光ファイバー3に進入してシンチレーター光1bに混入して伝送されるチェレンコフ光3cは、光電変換される前に光学フィルター2aによってシンチレーター光(波長693nm)1bと分別して遮断することができる。そして、放射線量の測定(計量)は、シンチレーター光1bの発光量に応じて発生する電気信号の量を積分した値で行うように構成することにより、高放射線量での発光であっても処理不能になることがない。
【符号の説明】
【0022】
1…放射線感応部 1a…シンチレーター発光機構部 1b…シンチレーター光 1c…遮光カバー 2…信号処理部 2a…光学フィルター 2b…光電変換回路 3…光ファイバー 3a…フッ素ドープ石英コア 3b…保護管
図面
【図1】
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