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明細書 :ポリプロピレンカーボネートを含むポリプロピレン樹脂組成物およびその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-044204 (P2016-044204A)
公開日 平成28年4月4日(2016.4.4)
発明の名称または考案の名称 ポリプロピレンカーボネートを含むポリプロピレン樹脂組成物およびその製造方法
国際特許分類 C08L  69/00        (2006.01)
C08L  23/12        (2006.01)
C08L  23/08        (2006.01)
FI C08L 69/00
C08L 23/12
C08L 23/08
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 10
出願番号 特願2014-167604 (P2014-167604)
出願日 平成26年8月20日(2014.8.20)
発明者または考案者 【氏名】大山 秀子
【氏名】古田 元信
出願人 【識別番号】300071579
【氏名又は名称】学校法人立教学院
個別代理人の代理人 【識別番号】100140109、【弁理士】、【氏名又は名称】小野 新次郎
【識別番号】100075270、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 泰
【識別番号】100101373、【弁理士】、【氏名又は名称】竹内 茂雄
【識別番号】100118902、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 修
【識別番号】100129311、【弁理士】、【氏名又は名称】新井 規之
審査請求 未請求
テーマコード 4J002
Fターム 4J002BB07Y
4J002BB10Y
4J002BB12W
4J002CG01X
4J002FD010
4J002GK01
4J002GN00
4J002GQ00
要約 【課題】延性、耐衝撃性などの機械的性質に優れ、かつ環境適合性の樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)重量平均分子量が1万~100万であるポリプロピレンカーボネート、(B)JIS K7210により測定したMFRが0.1~60であるポリプロピレン、および(C)エポキシ基含有エチレン共重合体を含み、前記成分(B)が連続相であり、前記成分(A)および(C)が数平均粒子径2μm未満の分散相である、樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
(A)重量平均分子量が1万~100万であるポリプロピレンカーボネート、
(B)JIS K7210により測定したMFRが0.1~60であるポリプロピレン、および
(C)エポキシ基含有エチレン共重合体を含み、
前記成分(B)が連続相であり、前記成分(A)および(C)が数平均粒子径2μm未満の分散相である、樹脂組成物。
【請求項2】
前記成分(C)の含有量が、成分(A)と(B)の合計100質量部に対し、1~30質量部である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記成分の質量比(A)/(B)が3~60/97~40である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記成分(A)~(C)を、20~1000(s-1)のせん断速度で溶融混練することを含む製法により得られた、請求項1~3のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の樹脂組成物を含む成形体。
【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載の樹脂組成物を含む射出成形体、押出成形体、チューブ状の成形体、シート・フィルム成形体、または繊維。
【請求項7】
請求項5または6に記載の成形体を用いた家庭用電気製品、電気・電子部品、通信機器部品、または自動車部品。
【請求項8】
前記成分(A)~(C)を、20~1000(s-1)のせん断速度で溶融混練することを含む、請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明はポリプロピレンカーボネートを含むポリプロピレン樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境の改善のため、環境適合型樹脂に対するニーズは非常に高まっている。特に二酸化炭素排出問題は緊急に解決を迫られる重要課題である。ポリプロピレンカーボネート(PPC)は二酸化炭素を原料とした安価な樹脂として知られており、PPCを広範囲に適用できれば地球環境上、非常に好ましい。しかしながら、PPCは耐熱性や機械的性質が不十分であるという問題点がある。
【0003】
これまで、ポリプロピレンカーボネートを用いた樹脂組成物が報告されている。例えば、特許文献1にはポリプロピレンカーボネートと変性ポリプロピレンとの組成物が、特許文献2にはポリプロピレンカーボネートとポリアクリレートとを含む組成物がそれぞれ開示されている。しかし、これらの文献は第三成分としてエポキシ基含有ポリマーを含むことは開示しない。特許文献3にはポリプロピレンカーボネートとポリエステルとエポキシ基含有ポリマーを含む組成物が開示されている。特許文献4にはポリプロピレンカーボネートとポリエチレンとエポキシ基含有ポリマーを含む組成物が開示されているが(実施例)、薄肉成形性の記載があるのみでその構造や物性などには一切言及されていない。したがって、ポリプロピレンカーボネートとポリオレフィン間の界面構造等に関しては明らかにされていない。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2010-138326号公報
【特許文献2】国際公開第2010/053110号
【特許文献3】特表2012-504166号公報
【特許文献4】特開2012-241047号公報
【0005】

【非特許文献1】S. Inoue, H. Koinuma, and T. Tsuruta, J. Polym. Sci., Polym. Lett., Ed., 7, 287(1969).
【非特許文献2】S. Inoue, H. Koinuma, and T. Tsuruta, Makromol. Chem., 130, 210 (1969).
【非特許文献3】4th Annual European Rheology Conference,Italy,2007.Rheol Acta DoI10.1007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のとおりポリプロピレンカーボネートを含む樹脂組成物が提案されているが、延性、耐衝撃性などの機械的性質が未だ十分でなかった。上記事情を鑑み、本発明は延性、耐衝撃性などの機械的性質に優れ、かつ環境適合性の樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ポリプロピレンカーボネートとポリプロピレンと、これらの相溶化剤としてエポキシ基含有エチレン共重合体を含む樹脂組成物により、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、前記課題は以下の本発明により解決される。
(1)(A)重量平均分子量が1万~100万であるポリプロピレンカーボネート、
(B)JIS K7210により測定したMFRが0.1~60であるポリプロピレン、および
(C)エポキシ基含有エチレン共重合体を含み、
前記成分(B)が連続相であり、前記成分(A)および(C)が数平均粒子径2μm未満の分散相である、樹脂組成物。
(2)前記成分(C)の含有量が、成分(A)と(B)の合計100質量部に対し、1~30質量部である、(1)に記載の樹脂組成物。
(3)前記成分の質量比(A)/(B)が3~60/97~40である、(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4)前記成分(A)~(C)を、20~1000(s-1)のせん断速度で溶融混練することを含む製法により得られた、(1)~(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5)前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物を含む成形体。
(6)前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物を含む射出成形体、押出成形体、チューブ状の成形体、シート・フィルム成形体、または繊維。
(7)前記(5)または(6)に記載の成形体を用いた家庭用電気製品、電気・電子部品、通信機器部品、または自動車部品。
(8)前記成分(A)~(C)を、20~1000(s-1)のせん断速度で溶融混練することを含む、(1)に記載の樹脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、延性、耐衝撃性などの機械的性質に優れ、かつ環境適合性の樹脂組成物が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。本明細書においてX~Yはその両端の値、すなわちXおよびYを含む。

【0010】
1.本発明の樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、成分(A)としてポリプロピレンカーボネート、成分(B)としてポリプロピレン、および成分(C)としてエポキシ基含有エチレン系共重合体を含む。

【0011】
(1)成分A
ポリプロピレンカーボネートは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーである。

【0012】
【化1】
JP2016044204A_000002t.gif

【0013】
式中、Rは水素原子、炭素数が1~4のアルキル基である。入手が容易であることから、Rはメチル基であることが好ましい。

【0014】
ポリプロピレンカーボネートは一般に二酸化炭素とエポキシ化合物から製造することができる。具体的には触媒の存在下に二酸化炭素とエポキシ化合物とを交互共重合させることにより、脂肪族ポリカーボネート(APC)を得ることができる。ポリプロピレンカーボネートの製造方法に関しては、例えば、非特許文献1、2に記載されている。ポリプロピレンカーボネートの重量平均分子量は1万~100万である。その下限は好ましくは5万以上であり、より好ましく10万以上である。重量平均分子量が前記下限値未満であると、強度、弾性率等の機械的特性が不十分となる傾向にある。また、重量平均分子量が前記上限値を超えると、成形加工性が低下する。

【0015】
(2)成分B
ポリプロピレンとはプロピレンの重合体であり、本発明においては、他のモノマーとの共重合体も含む。本発明のポリプロピレンの例には、ホモポリプロピレン、プロピレンとエチレンまたは炭素数4~10のα-オレフィンとのブロック共重合体(「ブロックポリプロピレン」ともいう)、プロピレンとエチレンまたは炭素数4~10のα-オレフィンとのランダム共重合体(「ランダムポリプロピレン」ともいう)が含まれる。「ブロックポリプロピレン」と「ランダムポリプロピレン」を合わせて、「ポリプロピレン共重合体」ともいう。

【0016】
ポリプロピレンとして、前記ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンの1種あるいは2種以上を使用してよい。中でも本発明のポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレンやブロックポリプロピレンが好ましい。

【0017】
ポリプロピレン共重合体に用いられる炭素数4~10のα-オレフィンの例には、1-ブテン、1-ペンテン、イソブチレン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、3,4-ジメチル-1-ブテン、1-ヘプテン、3-メチル-1-ヘキセンが含まれる。当該α-オレフィンの含有量は、全モノマー中20質量%以下であることが好ましい。ポリプロピレン共重合体中のエチレンの含有量は、全モノマー中、5質量%以下であることが好ましい。

【0018】
ポリプロピレン共重合体としては、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体、またはプロピレンと1-ブテンとのブロック共重合体であることが好ましく、特にプロピレンとエチレンとのランダム共重合体が好ましい。

【0019】
ポリプロピレンのメルトフローレート(230℃、2.16kg、10分間)は、0.1~60gであり、好ましくは1~30gである。ポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)ともいうが上記範囲外であると樹脂組成物の物性が不十分になることがある。MFRはJIS K7210に準じて測定される。

【0020】
(3)成分C
エポキシ基含有エチレン共重合体とは、エポキシ基を含有する、エチレン系二元共重合体、エチレン系三元共重合体である。当該エチレン系二元共重合体は(a)エチレン単位、(b)エチレン系不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位またはエチレン系不飽和炭化水素基グリシジルエーテル単位からなる共重合体である。当該エチレン系三元共重合体は、(a)エチレン単位、(b)エチレン系不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位またはエチレン系不飽和炭化水素基グリシジルエーテル単位、および(c)酢酸ビニル単位またはアクリル酸メチル単位からなる共重合体である。エチレン単位とは、共重合体中のエチレンに由来する部分をいい、具体的には-(CH-CH)-で表される単位をいう。エチレン系不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位等も同様に定義される。

【0021】
前記共重合体の組成は、エチレン系二元共重合体の場合は、(a)単位:(b)単位は、95~40質量%:5~60質量%が好ましく、90~50質量%:10~50質量%が好ましい。エチレン系三元共重合体の組成は(a)単位:(b)単位:(c)単位は、40~94質量%:1~20質量%:5~40質量%が好ましく、50~90質量%:2~15質量%:8~35質量%が好ましい。エチレン系三元共重合体において(b)エチレン系不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位またはエチレン系不飽和炭化水素基グリシジルエーテル単位を与える化合物は、それぞれ下記一般式(2)、(3)で表される。

【0022】
【化2】
JP2016044204A_000003t.gif

【0023】
一般式(2)において、Rは、一つのエチレン結合を有する炭素数2~13の炭化水素基である。Rの炭素数は、好ましくは2~10である。一般式(2)で表されるエチレン系不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジル等のα,β-不飽和カルボン酸グリシジルが挙げられる。

【0024】
【化3】
JP2016044204A_000004t.gif

【0025】
一般式(3)において、Rは式(2)と同様に定義される。Xは、-CH-O-または下記化学式(3-1)で表される基である。

【0026】
【化4】
JP2016044204A_000005t.gif

【0027】
ここで、エポキシ基含有エチレン共重合のMFRは、好ましくは0.01~50g/10分、さらに好ましくは0.05~30g/10分である。MFRはJIS K7210に規定された方法に準拠して、樹脂温度230℃、測定荷重21N(2.16kg・f)の条件で測定される。このMFRが0.01g/10分未満、または50g/10分を超えると、得られる樹脂組成物の物性が低下したり、成形加工性が低下したりする場合がある。

【0028】
(4)組成比
各成分の組成比は、成分(B)が連続相であり成分(A)および成分(C)が分散相になるように決定される。成分(B)が連続相であることで、安価かつ優れた性能を有する樹脂組成物となる。成分(A)と成分(B)との質量比は、3~60/97~40が好ましく、6~52/94~47がより好ましい。また、成分(A)と成分(B)の合計量100質量部に対する成分(C)の量は、1~30質量部が好ましく、2~25質量部がより好ましく、4~20質量部がさらに好ましい。

【0029】
(5)他の成分
本発明の樹脂組成物にさらに電気伝導性付与物質を添加して、電気伝導性樹脂組成物とすることができる。本発明の樹脂組成物には、さらに用途、目的に応じて他の配合剤、たとえば、カーボンブラック、カーボン繊維、グラファイト、金属ファイバー、カーボンナノチューブ、金属酸化物のような電気伝導性付与物質、帯電防止用可塑剤、例えばタルク、マイカ、炭酸カルシウム、ワラスナイトのような無機充填剤、ガラス繊維、カップリング剤、補強剤、難燃助剤、安定剤、顔料、離型剤、またはエラストマー等の耐衝撃改良剤等を配合することができる。これらの配合剤の配合量は、成分(A)、(B)および(C)の合計100質量部に対して、60質量部以下、好ましくは40質量部以下である。

【0030】
(6)本発明の樹脂組成物の構造
本発明の樹脂組成物は、成分(B)のポリプロピレンが連続相を形成し、成分(A)と(C)が分散相を形成する。成分(C)のエポキシ基含有エチレン系共重合体は、主に成分(A)と(B)の界面に存在するが、成分(A)中または成分(B)中にも存在しうる。(A)相粒子の数平均粒子径は、2μm以下であり、1.5μm以下がより好ましい。数平均粒子径が上記の範囲外であると、得られた樹脂組成物の機械的性質が大幅に低下する。相構造は、走査型電子顕微鏡像あるいは透過型電子顕微鏡像で観察できる。粒子の数平均粒子径は、これら顕微鏡像から求めることが好ましい。(C)相粒子の数平均粒子径も2μm以下であるが、(A)相粒子よりも小さいことが好ましい。

【0031】
本発明においては、成分(B)のポリプロピレンが連続相であるため安価であり、成分(A)のポリプロピレンカーボネートが適切な粒子径で微分散しているため優れた機械的性質を示す。また、ポリプロピレンカーボネートは二酸化炭素を原料とするため、本発明の樹脂組成物は環境適合性も備える。

【0032】
2.本発明の樹脂組成物の製造方法
本発明における樹脂組成物は、成分(A)と(B)と(C)とを溶融混練して得ることができる。溶融混練には、バッチ式二軸混練機、一軸押出機、あるいは二軸押出機、四軸押出機などの混練機を用いることができる。溶融混練の方法は特に限定されない。例えば、成分(A)~(C)を一括して溶融混練して得てもよいし、押出機の前段に成分(A)と成分(C)をフィードし、押出機の後段で成分(B)をフィードして溶融混練することもできる。本発明においては成分が熱分解することを避けるため、強混練セグメントを持たないコニカル押出機、あるいは一軸押出機を用いることも好ましい。溶融混練温度は130~230℃が好ましく、160~210℃がより好ましい。また、熱分解を生じさせないように、混練は短時間で行うことが好ましく、具体的には0.5~5分間行うことが好ましく、0.5~2分間行うことがより好ましい。

【0033】
本発明において、成分(A)~(C)の溶融混練におけるせん断速度の範囲を設定することが重要である。せん断速度が高すぎると成分(A)は容易に分解する場合がある。溶融混練におけるせん断速度は、20~1000(s-1)が好ましく、40~800(s-1)がより好ましく、70~500(s-1)がさらに好ましい。せん断速度が上記の範囲外であると、特に、成分(A)の分解が生じたり、分散不良が生じたりする場合があり好ましくない。

【0034】
本発明において用いることのできる二軸コニカル、同方向回転スクリュータイプ混練器(Thermo Scientific Haake社製、Haake Minila)に関し、そのせん断速度(γ)は以下のように決定される(非特許文献3)。
γ=DΩ/2h
Dは平均スクリュー径、hはスクリューとバレル間の平均ギャップ、Ω=2πN/60は角速度、Nは1分あたりのスクリュー回転数である。Dは10mm、hは0.5mmが好ましい。

【0035】
3.本発明の樹脂組成物の加工方法および用途等
本発明の樹脂組成物は、通常の熱可塑性樹脂成形品に用いられている加工方法により容易に成形品に加工される。加工方法の例には、射出成形や押出成形、フィルム・シート成形、繊維成形、真空成形、ブロー成形、プレス成形、カレンダー成形、発泡成形等が含まれる。この場合、本発明の樹脂組成物は、射出成形体、押出成形体、チューブ状の成形体、シート・フィルム成形体、または繊維として使用できる。また、本発明の樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃性、延性などに優れ、しかも環境適合性を備えることから、電気・電子部品、通信部品、包装用などのフィルム・シート、繊維、自動車部品、冷蔵庫、テレビ等の家庭用電気製品などへ幅広く適用できる。
【実施例】
【0036】
(1)物性試験
引張試験:短冊状試験片を用いて、(株)東洋精機製作所製、ストログラフ VES 50型を使用し、ロードセル1kN、チャック間距離40mm、延伸速度10mm/minで行った。
引張衝撃試験:(株)東洋精機製作所製、DG digital impact testerを使用し、ハンマーの質量による負荷4J、ハンマーの回転軸中心から重心までの距離 0.23mm、ハンマー持ち上げ角度150°、周期0.962sec、温度20℃で、JIS7160に準拠して行った。
SEM観察:混練機で押し出されたストランドを液体窒素中に約5分浸漬後、迅速に取り出して破断し、その破断を金蒸着した後、観察を行った。
【実施例】
【0037】
(2)樹脂組成物の成分
a-1:ポリプロピレンカーボネート
当該ポリマーは前記式(1)においてRがメチル基である構造を有する。
数平均分子量 8.2×10(THF溶媒、GPC)
重量平均分子量 3.9×10(THF溶媒、GPC)
【実施例】
【0038】
b-1:ポリプロピレン
プライムポリマー(株)製ホモポリプロピレン(グレード:E-200GP)
MFR=2.0g/10min(JIS K7210)
密度0.9g/cm
【実施例】
【0039】
c-1:エポキシ基含有エチレン共重合体
住友化学(株)製ボンドファスト7L
MFR(190℃、2.16kg荷重)=7g/10min
融点60℃
表面硬度(ASTM D2240、Shore D)18
エチレン/グリシジルメタクリレート/アクリル酸メチル=70/27/3(重量比)
【実施例】
【0040】
e-1:グラフト共重合体
日油(株)製モディパーA4100
エチレン単位/エチレン系不飽和カルボン酸グリシジルエステル(EGMA)単位からなるセグメントに、スチレンセグメントがグラフトしているグラフト共重合体(セグメント比は70/30(質量比))
EGMA中のグリシジルメタクリレート含量 15質量%、
融点 95℃
ガラス転移温度 -28℃
【実施例】
【0041】
[実施例1~3]および[比較例1~4]
成分(A)は予め熱風型乾燥機を使用して、120℃で4時間予備乾燥を行った後に使用した。
表1に示す組成で各成分の所定量を室温で充分ドライブレンドした。同方向回転スクリューを取り付けた二軸コニカルタイプ混練機(Thermo Scientific社製、Haake MiniLab)を用いて、このドライブレンド物を溶融混練した。溶融混練温度は200℃、スクリュー回転数は40rpmであった。試料は混練装置中で1passで溶融混練した後に、装置から系外へストランド状に押出した。前記のせん断速度式によれば、本例におけるせん断速度は約42(s-1)であった。
【実施例】
【0042】
当該ストランドをカッターで切断してペレットとし、本発明の樹脂組成物を得た。次に、得られたペレットをプレス成型機を用いて、190℃、10MPaで2分間加圧した後、急冷してプレスシートを作製した。当該プレスシートを物性測定に供した。結果を表1に示す。
【実施例】
【0043】
【表1】
JP2016044204A_000006t.gif
【実施例】
【0044】
実施例1で得たストランド破断面について、20個の粒子について測定した分散相の平均径は、約0.82μmであった。また、実施例1で得た樹脂組成物の引張衝撃強度は39.5kJ/mであったが、比較例1は、試験片が脆いため、引張衝撃強度は測定不可であった。比較例2における引張衝撃強度は25.8kJ/mであった。
【実施例】
【0045】
以上、本発明により、延性、耐衝撃性などの機械的性質に優れ、安価で、かつ環境適合性の樹脂組成物が提供できる。