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明細書 :ルーバー装置、給湯システム、空調システム、及び外装材

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-044910 (P2016-044910A)
公開日 平成28年4月4日(2016.4.4)
発明の名称または考案の名称 ルーバー装置、給湯システム、空調システム、及び外装材
国際特許分類 F24J   2/04        (2006.01)
F24J   2/08        (2006.01)
F24J   2/38        (2014.01)
F24J   2/42        (2006.01)
E06B   5/00        (2006.01)
E06B   7/084       (2006.01)
FI F24J 2/04 E
F24J 2/08
F24J 2/38
F24J 2/42 J
F24J 2/42 Q
E06B 5/00 A
E06B 7/084
請求項の数または発明の数 9
出願形態 OL
全頁数 36
出願番号 特願2014-170378 (P2014-170378)
出願日 平成26年8月25日(2014.8.25)
発明者または考案者 【氏名】西岡 真稔
【氏名】鍋島 美奈子
【氏名】中尾 正喜
出願人 【識別番号】506122327
【氏名又は名称】公立大学法人大阪市立大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100156845、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 威一郎
【識別番号】100124039、【弁理士】、【氏名又は名称】立花 顕治
【識別番号】100124431、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 順也
【識別番号】100112896、【弁理士】、【氏名又は名称】松井 宏記
【識別番号】100179213、【弁理士】、【氏名又は名称】山下 未知子
【識別番号】100170542、【弁理士】、【氏名又は名称】桝田 剛
審査請求 未請求
テーマコード 2E036
2E039
Fターム 2E036JA01
2E036KA03
2E036KB03
2E036KB05
2E036LA06
2E036LB02
2E036LB05
2E036MA01
2E036MA03
2E036NA01
2E036NA10
2E036NB01
2E036QA02
2E039AA03
2E039AA05
2E039AA09
要約 【課題】本発明の目的は、ガラス窓を有する建物の窓辺における太陽光の遮熱効率を高めることである。
【解決手段】本発明の一側面に係るルーバー装置は、ガラス窓を備える建物の窓辺に配置されるルーバー装置であって、太陽光を遮るために配列された複数のルーバーユニットを備える。そして、前記各ルーバーユニットは、前記太陽光を吸収し集熱する真空管式の集熱器で構成される軸体と、前記軸体よりも室外側に取り付けられる遮光用の羽根部材であって、前記軸体に前記太陽光を集光するフレネルレンズで構成された羽根部材と、を有し、前記複数のルーバーユニットの羽根部材は、室内側から室外の眺望が可能なように、互いに離間して配置される。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
ガラス窓を備える建物の窓辺に配置されるルーバー装置であって、
太陽光を遮るために配列された複数のルーバーユニットを備え、
前記各ルーバーユニットは、
前記太陽光を吸収し集熱する真空管式の集熱器で構成される軸体と、
前記軸体よりも室外側に取り付けられる遮光用の羽根部材であって、前記軸体に前記太陽光を集光するフレネルレンズで構成された羽根部材と、
を有し、
前記複数のルーバーユニットの羽根部材は、室内側から室外の眺望が可能なように、互いに離間して配置される、
ルーバー装置。
【請求項2】
前記複数のルーバーユニットの軸体は、一方向に沿って列状に配設されており、
前記各ルーバーユニットの羽根部材は、前記太陽光の入射方向の変化に応じて前記太陽光の集光する位置を調節可能なように、前記軸体の並ぶ配列方向に沿って平行移動可能に構成される、
請求項1に記載のルーバー装置。
【請求項3】
前記各ルーバーユニットは、前記羽根部材よりも更に室外側に回動可能に取り付けられる複数の導光板であって、前記羽根部材に前記太陽光を反射する反射面をそれぞれ有する複数の導光板を更に備える、
請求項1に記載のルーバー装置。
【請求項4】
前記複数のルーバーユニットは、地面に対して垂直方向に所定の間隔を空けて配置され、
前記各ルーバーユニットは、軸体及び羽根部材の軸方向が地面に対して水平方向を向くように構成される、
請求項1から3のいずれか1項に記載のルーバー装置。
【請求項5】
前記複数のルーバーユニットは、地面に対して水平方向に所定の間隔を空けて配置され、
前記各ルーバーユニットは、軸体及び羽根部材の軸方向が地面に対して垂直方向を向くように構成される、
請求項1から3のいずれか1項に記載のルーバー装置。
【請求項6】
ガラス窓を備える建物の窓辺に配置されるルーバー装置と、
熱を搬送するための熱搬送機構と、
前記熱搬送機構で搬送された熱によって温められた温水を貯湯する貯湯タンクと、
を備え、
前記ルーバー装置は、太陽光を遮るために配列された複数のルーバーユニットを備え、
前記各ルーバーユニットは、前記太陽光を吸収し集熱する真空管式の集熱器で構成される軸体と、前記軸体よりも室外側に取り付けられる遮光用の羽根部材であって、前記軸体に前記太陽光を集光するフレネルレンズで構成された羽根部材と、を有し、
前記複数のルーバーユニットの羽根部材は、室内側から室外の眺望が可能なように、互いに離間して配置され、
前記熱搬送機構は、前記各ルーバーユニットの軸体で集められた軸体を搬送する、
給湯システム。
【請求項7】
ガラス窓を備える建物の窓辺に配置されるルーバー装置と、
熱を搬送するための熱搬送機構と、
前記熱搬送機構で搬送された熱を利用して、暖房、冷房及び除湿の少なくともいずれかを行う空調機構と、
を備え、
前記ルーバー装置は、太陽光を遮るために配列された複数のルーバーユニットを備え、
前記各ルーバーユニットは、前記太陽光を吸収し集熱する真空管式の集熱器で構成される軸体と、前記軸体よりも室外側に取り付けられる遮光用の羽根部材であって、前記軸体に前記太陽光を集光するフレネルレンズで構成された羽根部材と、を有し、
前記複数のルーバーユニットの羽根部材は、室内側から室外の眺望が可能なように、互いに離間して配置され、
前記熱搬送機構は、前記各ルーバーユニットの軸体で集められた軸体を搬送する、
空調システム。
【請求項8】
建物の外装となる外側ガラス材と、
前記外側ガラス材に対して前記建物の内側に配置されるルーバー装置と、
を備え、
前記ルーバー装置は、太陽光を遮るために配列された複数のルーバーユニットを備え、
前記各ルーバーユニットは、前記太陽光を吸収し集熱する真空管式の集熱器で構成される軸体と、前記軸体よりも室外側に取り付けられる遮光用の羽根部材であって、前記軸体に前記太陽光を集光するフレネルレンズで構成された羽根部材と、を有し、
前記複数のルーバーユニットの羽根部材は、室内側から室外の眺望が可能なように、互いに離間して配置される、
外装材。
【請求項9】
前記外側ガラス材に対向して配置される内側ガラス材を更に備え、
前記ルーバー装置は、前記外側ガラス材と前記内側ガラス材とで形成される内部空間に配置される、
請求項8に記載の外装材。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ルーバー装置、給湯システム、空調システム、及び外装材の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の高層建築物では、外装を軽量化して柱及び梁の構造部材へ作用する荷重負担を軽減し、それにより構造部材の寸法を小さくしてコスト削減を図る目的から、外装ガラス張り構造が多用されている。
【0003】
従来、この外装ガラス張りの建築物では、外壁の外側と内側とにガラス壁を設ける二重構造(ダブルスキン構造)が採用されている。そして、外側及び内側のガラス壁の間にできた中間層で太陽熱を遮熱し、当該中間部に籠った熱を排気すべく空気を流し、窓際周辺部(ペリメータゾーン)の熱環境をコントロールする空調システムが採用されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2002-256637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ダブルスキン構造では、太陽熱を遮断するための高機能なガラスをガラス壁(ガラス窓)に用いるとともに、ファンを用いて中間層に籠った空気を屋外に排気することが行われている。しかしながら、空気による熱搬送は効率が悪く、中間層の空気に閉じ込められた熱が建物内に再放出されてしまうため、太陽光の遮熱効率が悪いという問題点があった。
【0006】
本発明は、一側面では、このような点を考慮してなされたものであり、ガラス窓を有する建物の窓辺における太陽光の遮熱効率を高める技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0008】
すなわち、本発明の一側面に係るルーバー装置は、ガラス窓を備える建物の窓辺に配置されるルーバー装置であって、太陽光を遮るために配列された複数のルーバーユニットを備える。そして、前記各ルーバーユニットは、前記太陽光を吸収し集熱する真空管式の集熱器で構成される軸体と、前記軸体よりも室外側に取り付けられる遮光用の羽根部材であって、前記軸体に前記太陽光を集光するフレネルレンズで構成された羽根部材と、を有し、前記複数のルーバーユニットの羽根部材は、室内側から室外の眺望が可能なように、互いに離間して配置される。
【0009】
上記構成によれば、フレネルレンズで構成された羽根部材によって、ルーバー装置の軸体に太陽光が集光される。軸体に集光された太陽光は、当該軸体によって吸収されて集熱される。この太陽光の熱を集熱する軸体は真空管で構成されている。そのため、集熱された太陽光の熱の当該軸体から建物内への再放出は生じにくい。
【0010】
したがって、上記構成によれば、集熱された太陽光の熱の建物内への再放出を防止することができるため、ガラス窓を有する建物の窓辺における太陽光の遮熱効率を高めることができる。
【0011】
ただし、フレネルレンズは太陽光を軸体に集光するように構成されるため、太陽光の入射側からではなく出射側からフレネルレンズを通して得られる景色は不鮮明である。そのため、太陽光を軸体に集光するように複数のフレネルレンズを隙間なく配置すると、室内側から室外の眺望が損なわれてしまう可能性がある。そこで、上記構成では、室内からの眺望を確保するために、フレネルレンズで構成される羽根部材は、室内側から室外の眺望が可能なように、互いに離間して配置される。これによって、上記構成では、室内からの眺望を確保した上で、太陽光の遮熱効率の向上を実現している。
【0012】
また、上記一側面に係るルーバー装置の別の形態として、前記複数のルーバーユニットの軸体は、一方向に沿って列状に配設されてもよい。そして、前記各ルーバーユニットの羽根部材は、前記太陽光の入射方向の変化に応じて前記太陽光の集光する位置を調節可能なように、前記軸体の並ぶ配列方向に沿って平行移動可能に構成されてもよい。当該構成によれば、太陽位置の変化に対応可能なルーバー装置を簡易な構造で実現することができる。
【0013】
また、上記一側面に係るルーバー装置の別の形態として、前記各ルーバーユニットは、前記羽根部材よりも更に室外側に回動可能に取り付けられる複数の導光板であって、前記羽根部材に前記太陽光を反射する反射面をそれぞれ有する複数の導光板を更に備えてもよい。当該構成では、羽根部材の方に太陽光を反射する反射面を有する導光板を利用することで、羽根部材に対する太陽光の入射角度を規定することができる。そのため、当該構成によれば、フレネルレンズで構成される羽根部材を動かすことなく、太陽位置の変化に対応可能なルーバー装置を構成することができる。
【0014】
また、上記一側面に係るルーバー装置の別の形態として、前記複数のルーバーユニットは、地面に対して垂直方向に所定の間隔を空けて配置されてもよい。そして、前記各ルーバーユニットは、軸体及び羽根部材の軸方向が地面に対して水平方向を向くように構成されてもよい。当該構成によれば、水平型のルーバー装置を提供することができる。
【0015】
また、上記一側面に係るルーバー装置の別の形態として、前記複数のルーバーユニットは、地面に対して水平方向に所定の間隔を空けて配置されてもよい。そして、前記各ルーバーユニットは、軸体及び羽根部材の軸方向が地面に対して垂直方向を向くように構成されてもよい。当該構成によれば、垂直型のルーバー装置を提供することができる。
【0016】
また、本発明の一側面に係る給湯システムは、ガラス窓を備える建物の窓辺に配置されるルーバー装置と、熱を搬送するための熱搬送機構と、前記熱搬送機構で搬送された熱によって温められた温水を貯湯する貯湯タンクと、を備える。前記ルーバー装置は、太陽光を遮るために配列された複数のルーバーユニットを備える。前記各ルーバーユニットは、前記太陽光を吸収し集熱する真空管式の集熱器で構成される軸体と、前記軸体よりも室外側に取り付けられる遮光用の羽根部材であって、前記軸体に前記太陽光を集光するフレネルレンズで構成された羽根部材と、を有する。前記複数のルーバーユニットの羽根部材は、室内側から室外の眺望が可能なように、互いに離間して配置される。そして、前記熱搬送機構は、前記各ルーバーユニットの軸体で集められた軸体を搬送する。当該構成によれば、ガラス窓を有する建物の窓辺における太陽光の遮熱効率を高めつつ、ルーバー装置の軸体で集められた熱を給湯に利用することができる。
【0017】
また、本発明の一側面に係る空調システムは、ガラス窓を備える建物の窓辺に配置されるルーバー装置と、熱を搬送するための熱搬送機構と、前記熱搬送機構で搬送された熱を利用して、暖房、冷房及び除湿の少なくともいずれかを行う空調機構と、を備える。前記ルーバー装置は、太陽光を遮るために配列された複数のルーバーユニットを備える。前記各ルーバーユニットは、前記太陽光を吸収し集熱する真空管式の集熱器で構成される軸体と、前記軸体よりも室外側に取り付けられる遮光用の羽根部材であって、前記軸体に前記太陽光を集光するフレネルレンズで構成された羽根部材と、を有する。前記複数のルーバーユニットの羽根部材は、室内側から室外の眺望が可能なように、互いに離間して配置される。そして、前記熱搬送機構は、前記各ルーバーユニットの軸体で集められた軸体を搬送する。当該構成によれば、ガラス窓を有する建物の窓辺における太陽光の遮熱効率を高めつつ、ルーバー装置の軸体で集められた熱を空調に利用することができる。
【0018】
また、本発明の一側面に係る外装材は、建物の外装となる外側ガラス材と、前記外側ガラス材に対して前記建物の内側に配置されるルーバー装置と、を備える。前記ルーバー装置は、太陽光を遮るために配列された複数のルーバーユニットを備える。前記各ルーバーユニットは、前記太陽光を吸収し集熱する真空管式の集熱器で構成される軸体と、前記軸体よりも室外側に取り付けられる遮光用の羽根部材であって、前記軸体に前記太陽光を集光するフレネルレンズで構成された羽根部材と、を有する。そして、前記複数のルーバーユニットの羽根部材は、室内側から室外の眺望が可能なように、互いに離間して配置される。当該構成によれば、ガラス窓を有する建物の窓辺における太陽光の遮熱効率を高めることのできる外装材を提供することができる。
【0019】
また、上記一側面に係る外装材の別の形態として、前記外側ガラス材に対向して配置される内側ガラス材を更に備えてもよい。そして、前記ルーバー装置は、前記外側ガラス材と前記内側ガラス材とで形成される内部空間に配置されてもよい。当該構成によれば、太陽光の熱を集熱するルーバー装置と建物内部の空間とを遮断することができるため、建物の窓辺における太陽光の遮熱効率を更に高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ガラス窓を有する建物の窓辺における太陽光の遮熱効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、実施の形態に係るルーバー装置を例示する平面図である。
【図2】図2は、実施の形態に係るルーバー装置を例示する側面図である。
【図3】図3は、実施の形態に係る羽根部材が軸体に太陽光を集光する場面を例示する。
【図4】図4は、実施の形態に係る羽根部材が回動する場面を例示する。
【図5A】図5Aは、実施の形態に係る軸体を例示する。
【図5B】図5Bは、図5AのX-X線断面を例示する。
【図6A】図6Aは、実施の形態に係る給湯システムを例示する。
【図6B】図6Bは、実施の形態に係る空調システムを例示する。
【図6C】図6Cは、実施の形態に係るデシカント空調システムを例示する。
【図7A】図7Aは、実施の形態に係る外装材を例示する。
【図7B】図7Bは、他の例に係る外装材を例示する。
【図8】図8は、他の例に係るルーバー装置を例示する。
【図9】図9は、建物と太陽光との関係を例示する。
【図10】図10は、他の例に係る軸体を例示する。
【図11A】図11Aは、他の例に係る伝熱フィンの形状を例示する。
【図11B】図11Bは、他の例に係る伝熱フィンの形状を例示する。
【図12A】図12Aは、他の例に係るルーバー装置を例示する。
【図12B】図12Bは、他の例に係るルーバー装置が太陽位置の変化に対応する場面を例示する。
【図13A】図13Aは、他の例に係るルーバー装置を例示する側面図である。
【図13B】図13Bは、他の例に係るルーバー装置を例示する平面図である。
【図13C】図13Cは、他の例に係るルーバー装置に太陽光が入射する場面を例示する。
【図13D】図13Dは、他の例に係るルーバー装置に太陽光が入射する場面を例示する。
【図14A】図14Aは、他の例に係るルーバー装置の羽根部材の角度を調節する機構を模式的に例示する。
【図14B】図14Bは、他の例に係るルーバー装置の羽根部材の角度を調節する機構を模式的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形が行われてもよい。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。

【0023】
§1 構成例
<全体構造>
まず、図1~図4を用いて、本実施形態に係るルーバー装置2を説明する。図1は、本実施形態に係るルーバー装置2の構成を模式的に例示する平面図である。図2は、本実施形態に係るルーバー装置2の構成を模式的に例示する側面図である。図3は、本実施形態に係るルーバー装置2の羽根部材21が軸体20に太陽光を集光する場面を例示する。また、図4は、本実施形態に係るルーバー装置2の羽根部材21が回動する場面を例示する。

【0024】
なお、図1~図4では、説明の便宜のために、x軸、y軸及びz軸を用いて各方向を例示している。ここでは、z軸方向が地面に対して垂直な方向に相当し、z軸の正の向きが鉛直上向きに相当する。また、xy平面は地面に対して水平な面に相当し、x軸方向及びy軸方向はそれぞれ地面に対して水平な方向に相当する。以下では、z軸正の方向及び負の方向をそれぞれ「上」及び「下」と称し、x軸正の方向及び負の方向をそれぞれ「左」及び「右」と称し、y軸正の方向及び負の方向をそれぞれ「前」及び「後」と称することとする。

【0025】
図1及び図2に例示されるように、本実施形態に係るルーバー装置2は、太陽光を遮るために配列された複数のルーバーユニット26を備えている。このルーバー装置2は、ブラインドとして利用可能であり、ガラス窓を備える建物の窓辺に配置される。そのため、図2に例示されるように、各ルーバーユニット26は、ルーバー装置2の前方から入射する太陽光を遮っている。

【0026】
本実施形態では、この各ルーバーユニット26は、x軸方向に延びる軸体20と、軸体20よりも室外側に取り付けられる遮光用の羽根部材21と、を備えている。軸体20は、後述するように、太陽光を吸収し集熱する真空管式の集熱器で構成されており、その両端を一対の枠材23によって固定されている。

【0027】
この軸体20の両端には、それぞれ歯車22が回転自在に取り付けられている。また、各歯車22には、上下方向に対向する一対の支持部材25が取り付けられている。各支持部材25は、軸体20から前方に延びており、x軸方向に延びる羽根部材21の両端を支持している。具体的には、羽根部材21の各端部を一対の支持部材25が支持しており、これによって、羽根部材21は軸体20よりも室外側に固定されている。なお、支持部材25は、例えば、金属製又は樹脂製の棒状の部材である。羽根部材21を固定可能であれば、支持部材25はいかなる材料が用いられてもよい。

【0028】
羽根部材21は、板状に形成されており、当該羽根部材21の面がz軸方向に沿うように取り付けられている。この羽根部材21は、太陽光を遮光し、太陽光の熱を遮熱するために利用される。具体的には、図3で例示されるように、羽根部材21は、軸体20に太陽光を集光するフレネルレンズで構成される。そして、軸体20は、そのフレネルレンズの焦点位置又はその近傍に配置される。軸体20に集光可能であれば、羽根部材21は、いかなる形状のフレネルレンズであってもよい。ただし、軸体20に太陽光を集光するためには、直線上に光を集光可能なリニアフレネルレンズを羽根部材21として採用するのが好ましい。

【0029】
図3は、フレネルレンズで構成される羽根部材21が太陽光を集光する場面を例示している。フレネルレンズは指向性のある光を集光する。したがって、太陽光のうち直達日射SAは、羽根部材21によって軸体20に集光される。一方、散乱日射SBは、様々な方向を向いているため、軸体20には集光されず、羽根部材21をそのまま透過する。そのため、本実施形態に係るルーバー装置2は、熱量の大きい直達日射SAを軸体20に集光して遮熱し、熱量の小さい散乱日射SBを室内側に採光することができる。

【0030】
ここで、図3では、羽根部材21の面は、太陽光の入射方向に対して垂直となるように向けられている。太陽の位置が変化すると、羽根部材21の面に対する太陽光の入射角度が変化するため、太陽光の焦点位置が軸体20からずれてしまう可能性がある。

【0031】
例えば、図4に例示される直達日射SA1は、早朝、日没前等の比較的に高度の低い位置にいる太陽からの光を例示している。他方、図4に例示される直達日射SA2は、南中等の比較的に高度の高い位置にいる太陽からの光を例示している。この直達日射SA1と直達日射SA2との関係のように、太陽光の入射角度が上下方向に変化した場合には、太陽光の焦点位置が軸体20から上下方向にずれてしまう。そこで、図4に例示されるように、本実施形態に係る羽根部材21は、軸体20を軸として上下方向に回動可能に構成されている。

【0032】
詳細には、図2に例示されるように、ルーバー装置2は、各軸体20の前方及び後方で上下方向に延びる紐状部材24を備えている。各紐状部材24は、図示を省略する歯付きプーリーなどで吊り下げられ、上下方向に移動可能に構成されている。この各紐状部材24は歯車22と噛合している。

【0033】
そのため、ユーザは、当該紐状部材24を上下いずれかに引っ張ることで、歯車22を軸体20回りに回転させることができ、これによって、図4に例示されるように、羽根部材21の取り付け角度を変更することができる。したがって、ユーザは、太陽光の入射角度が上下方向に変化した場合には、羽根部材21の取り付け角度を変更することによって、太陽光の焦点位置が軸体20に合うように調節することができる。

【0034】
一方、太陽光の入射角度が左右方向に変化した場合には、太陽光の焦点位置は、軸体20上で左右に変化するに過ぎない。そのため、羽根部材21の位置及び向きを変更せずとも、太陽光の焦点位置は軸体20上に維持される。すなわち、羽根部材21の位置及び向きを変更することなく、太陽の位置の変化に対応することが可能である。

【0035】
なお、本実施形態では、図1及び図2に例示されるように、複数のルーバーユニット26は、地面に対して垂直方向(z軸方向)に所定の間隔を空けて配置されている。そして、各ルーバーユニット26は、軸体20及び羽根部材21の軸方向が地面に対して水平方向(x軸方向)を向くように構成されている。これによって、本実施形態に係るルーバー装置2は、水平型のブラインドを構成している。

【0036】
ここで、羽根部材21(フレネルレンズ)は、室外側から入射する太陽光を軸体20に集光する。そのため、羽根部材21を後方から見た場合、換言すると、フレネルレンズを室内側から見た場合、フレネルレンズを通して得られる景色は不鮮明である。そのため、本実施形態では、羽根部材21は、室内側から室外の眺望が可能なように、互いに離間して配置されている。具体的には、隣接する2つのルーバーユニット26において、上側に配置される羽根部材21の下端部と下側に配置される羽根部材21の上端部との間に隙間Jが設けられる。隙間Jの長さは実施の形態により適宜決定されてもよい。これによって、室内側から室外の眺望を確保することができる。

【0037】
<軸体の構成>
次に、図5A及び図5Bを用いて、軸体20の構成を説明する。図5Aは、本実施形態に係る軸体20の構成を例示し、図5Bは図5AのX-X線断面図である。図5A及び図5Bで例示されるように、本実施形態に係る軸体20は、太陽光を吸収し集熱する真空管式の集熱器で構成されている。

【0038】
具体的には、軸体20は、一端部が半球状に形成されて閉じられており、他端部が開口した円筒状の中空のガラス製の外側ガラス管201を備えている。この外側ガラス管201は、水平方向に延びるように配置されている。そして、この外側ガラス管201の内部には、円筒状で中空のガラス製の内側ガラス管202が配置されている。

【0039】
内側ガラス管202は、外側ガラス管201と同径上で小径に形成されており、当該外側ガラス管201と同軸に配置される。そして、外側ガラス管201及び内側ガラス管202の開口側の端部同士は気密的に一体に結合しており、その内部空間、つまり外側ガラス管201の内周面と内側ガラス管202の外周面との間には真空層203が形成されている。すなわち、軸体20は、外側ガラス管201と内側ガラス管202と構成される真空二重ガラス管である。この真空二重ガラス管の端部、つまり、内側ガラス管202の開口は、軸体20の固定される枠材23によって封止されている。

【0040】
そして、真空層203側に位置する内側ガラス管202の外周面には、太陽光を吸収し集熱する選択吸収膜204がコーティングされている。選択吸収膜204は、太陽光を吸収し集熱する膜であればよく、例えば、黒色クロム、黒色ニッケル、窒化アルミニウム等で形成される多層の膜であってもよいし、スパッタリング、電気メッキ等で表面に凹凸の付けられた膜であってもよい。

【0041】
当該選択吸収膜204の反対側、すなわち、内側ガラス管202の内部空間には、当該内側ガラス管202の内周面に接するように伝熱フィン205が設けられている。そして、この内部空間には、当該伝熱フィン205に包まれるように、U字管206が設けられている。

【0042】
伝熱フィン205は、例えばアルミ製であり、選択吸収膜204の熱をU字管206に伝達する。U字管206は、例えば銅製であり、その両端部は内側ガラス管202の開口から枠材23側へ突出し、枠材23内を通る配管と連結している。これにより、U字管206内には、当該配管から供給される熱媒液が流れる。

【0043】
熱媒液は、選択吸収膜204において集熱された熱を搬送するための液体であり、例えば、水、不凍液等である。当該熱媒液は、ポンプの作用によって配管内を移動しており、U字管206内を移動する際に、当該U字管206に伝達された熱で温められる。したがって、選択吸収膜204において集熱された熱は、伝熱フィン205を介してU字管206に伝達され、U字管206内を流れる熱媒液に吸収される。なお、当該熱媒液は、配管を通って、下水道に排水されてもよいし、以下で説明する給湯システムで利用されてもよい。本実施形態に係る軸体20は、以上のような真空管式の集熱器として構成されることで、羽根部材21(フレネルレンズ)によって集光される太陽光を吸収し、集熱することができる。

【0044】
<効果>
本実施形態に係るルーバー装置2では、フレネルレンズで構成された羽根部材21によって、軸体20に太陽光が集光される。そして、軸体20に集光された太陽光は、軸体20の選択吸収膜204において吸収され、集熱される。

【0045】
ここで、当該選択吸収膜204は、外側ガラス管201と内側ガラス管202とで形成される真空層203内に存在する。真空状態では熱伝導はほぼ生じないため、選択吸収膜204で集熱された太陽光の熱は、軸体20外部には伝達されにくく、建物内には再放出されにくい。

【0046】
従って、上記実施形態によれば、集熱された太陽光の熱の建物内への再放出を防止することができるため、ガラス窓を有する建物の窓辺における太陽光の遮熱効率を高めることができる。つまり、本実施形態に係るルーバー装置2を建物内のペリメーターゾーン又はダブルスキン部に配置することで、当該ペリメーターゾーンの空調負荷を軽減することが可能になる。

【0047】
また、本実施形態に係るルーバー装置2では、集熱された太陽光の熱は、建物外に排気される空気ではなく、熱媒液に取り込まれ、例えば、下水道に排出される。そのため、本実施形態によれば、ヒートアイランド現象の一因となっている建物内の熱の大気拡散を防止することができる。

【0048】
また、上記実施形態に係るルーバー装置2では、羽根部材21は、当該羽根部材21の面の範囲に入射する太陽光を軸体20に当たるように集光する。そのため、ガラス窓を透過して減衰した太陽光であっても、軸体20(集熱器)あたりの集熱量を高めることができ、太陽光の適度な遮熱を維持しつつ、集熱を効率よく行うことができる。

【0049】
また、上記実施形態に係るルーバー装置2では、羽根部材21は、熱量の大きい直達日射SAを軸体20に集光することで遮断し、熱量の小さく、室内の採光に適した散乱日射SBのみを透過させる。すなわち、上記実施形態によれば、熱量の大きい直達日射SAを軸体20によって吸収することで適切に太陽光の遮熱を行いつつ、熱量の小さい散乱日射SBを採光することによって室外から室内に適度な明かりをもたらすことができる。

【0050】
<給湯システム>
次に、図6Aを用いて、上述したルーバー装置2を利用した給湯システムについて説明する。図6Aは、ルーバー装置2を備える給湯システム1aを例示する。図6Aで例示されるように、上記ルーバー装置2は、例えば、給湯システム1aの構成要素として、利用することができる。

【0051】
図6Aで例示されるように、本実施形態に係る給湯システム1aは、上記ルーバー装置2を含む第1配管経路Aと、貯湯タンク5を含む第2配管経路Bとを備えており、これらは熱交換器4で連結されている。まず、第1配管経路Aについて説明する。第1配管経路Aは、ルーバー装置2の各軸体20に連結された閉じた経路であり、ポンプ3により、各軸体20を流れる熱媒液が図中の矢印方向に循環するようになっている。また、第2配管経路Bは、貯湯タンク5に追加される水道水を循環させる閉じた経路であり、ポンプ6により貯湯タンク5の水を第2配管経路Bの図中の矢印方向に沿って循環させている。また、貯湯タンク5には、給湯する際に貯湯タンク5内の温水を更に温める給湯器7が接続されている。給湯器7は、例えば、ガス、石油、電気等のボイラ類、又はヒートポンプであり、補助熱源として利用される。

【0052】
以上の給湯システム1aは次のように動作する。すなわち、ルーバー装置2の各軸体20で集められた熱は、まず、ルーバー装置2を経由する熱媒液に取り込まれる。具体的には、ポンプ3の作用によって、第1配管経路Aを循環する熱媒液が各軸体20のU字管206を通過する。このとき、当該U字管206を流れる熱媒液は、伝熱フィン205を介して、選択吸収膜204で集められた熱を取得する。

【0053】
そして、第1配管経路A内の熱媒液に取り込まれた熱は、熱交換器4を介して、第2配管経路B内の水に移動する。熱交換器4によって温められた第2配管経路B内の熱媒液は、ポンプ6の作用によって、貯湯タンク5に蓄えられる。一方、熱交換器4によって冷却された第1配管経路A内の熱媒液は、ポンプ3の作用によって、再度、ルーバー装置2のU字管206に流入する。

【0054】
したがって、貯湯タンク5には、第1配管経路A、熱交換器4、及び第2配管経路Bを介して搬送された熱によって温められた温水が貯湯される。つまり、この熱交換器4、第1配管経路A、及び第2配管経路Bが、軸体20で集められた熱を搬送するための熱搬送機構に相当する。そして、本実施形態に係る給湯システム1aでは、貯湯タンク5に蓄えられた温水は、給湯器7で更に温められて、利用される。

【0055】
当該給湯システム1aによれば、集熱された太陽光の熱は、建物内で給湯利用された後に、下水道に排出される。そのため、当該給湯システム1aによれば、ヒートアイランド現象の一因となっている建物内の熱の大気拡散を防止しつつ、集熱された太陽光の熱を有効に利用することができる。

【0056】
なお、図6Aで例示される給湯システム1aは、ルーバー装置2を利用した給湯システムの一例に過ぎず、上述した具体的な構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び、追加が可能である。例えば、ルーバー装置2と貯湯タンク5とは、熱交換器4を介さず、直接、配管で連結されてもよい。この場合、ルーバー装置2と貯湯タンク5とを連結する配管が、本発明の熱搬送機構に相当する。

【0057】
<空調システム>
次に、図6Bを用いて、上述したルーバー装置2を利用した空調システムについて説明する。図6Bは、ルーバー装置2を備える空調システム1bを例示する。図6Bで例示されるように、上記ルーバー装置2は、例えば、空調システム1bの構成要素として、利用することができる。

【0058】
ルーバー装置2から貯湯タンク5までの経路に関しては、上記給湯システム1aと同様であるため、構成及び動作の説明を省略する。図6Bで例示される空調システム1bは、上記給湯システム1aの構成要素の他、貯湯タンク5を含む第3配管経路Cと、低温蓄熱槽13を含む第4配管経路Dとを備えている。

【0059】
第3配管経路Cと第4配管経路Dとは、それぞれが閉じた経路となり、吸収式冷凍機11で連結される場合と、吸収式冷凍機11を経由せず、一体の閉じた経路を形成する(図の点線Fで連結される経路)場合と、を選択的にとることができる。なお、第3配管経路Cでは、ポンプ9によって、貯湯タンク5の水が図中の矢印方向に沿って循環し、第4配管経路Dでは、ポンプ12によって、低温蓄熱槽13の水が図中の矢印方向に沿って循環している。

【0060】
そして、低温蓄熱槽13は、ファンコイルユニット15と第5配管経路Eで連結している。第5配管経路Eは、ポンプ14によって、低温蓄熱槽13とファンコイルユニット15との間で低温蓄熱槽13の水を循環させる閉じた経路である。また、ファンコイルユニット15は、冷媒又は熱媒として低温蓄熱槽13から供給される水を利用して、室内の冷房又は暖房を行う。本実施形態では、このように、吸収式冷凍機11、低温蓄熱槽13、及びファンコイルユニット15で、冷房及び暖房の両方を行う空調機構10が形成されている。

【0061】
以上の空調システム1bは次のように動作する。当該空調システム1bが冷房を行う場合、第3配管経路Cと第4配管経路Dとは、それぞれ閉じた経路となり、吸収式冷凍機11で連結される状態になる。そして、ルーバー装置2を利用して温められた貯湯タンク5の温水は、ポンプ9の作用によって、吸収式冷凍機11に送られる。なお、上記給湯システム1aで説明したように、第1配管経路A、熱交換器4、及び第2配管経路Bが本発明の熱搬送機構に相当し、貯湯タンク5には、ルーバー装置2で集められた熱によって温められた温水が貯湯されている。

【0062】
吸収式冷凍機11は、気化熱による冷却を行う蒸発器、蒸発器で蒸発した水蒸気を吸収液により吸収する吸収器、吸収器の吸収液の濃度を加熱により再生する再生器、及び再生器で蒸発させられた水蒸気を蒸発器で用いる冷媒に凝縮する凝縮器で構成される。吸収式冷凍機11では、第3配管経路Cは再生器に接続しており、第4配管経路Dは蒸発器に接続している。そして、吸収式冷凍機11は、第3配管経路Cを介して貯湯タンク5から供給される温水を熱源として利用して、第4配管経路D内を循環する水を冷却する。

【0063】
熱源として利用された第3配管経路Cの水は、ポンプ9の作用によって貯湯タンク5に戻り、再び熱を取得して、吸収式冷凍機11の熱源として利用される。一方、吸収式冷凍機11で冷却された第4配管経路D内の水は、ポンプ12の作用によって低温蓄熱槽13に蓄えられる。すなわち、貯湯タンク5は、低温蓄熱槽13に対して熱源となる温水を蓄える高温蓄熱槽として機能する。

【0064】
低温蓄熱槽13に蓄えられた冷水は、ポンプ14の作用によって第5配管経路E内を循環し、ファンコイルユニット15に供給される。ファンコイルユニット15は、低温蓄熱槽13から供給された冷水を用いて室内の空気を冷やすことで、冷房を行う。そして、ファンコイルユニット15が冷房を行うことで温められた水は、第5配管経路Eを経由して低温蓄熱槽13に戻り、再び冷却されて、ファンコイルユニット15の冷媒として利用される。本実施形態に係る空調システム1b(空調機構10)では、このようにして、冷房が行われる。

【0065】
一方、空調システム1bが暖房を行う場合、第3配管経路Cと第4配管経路Dとは、吸収式冷凍機11を経由せず、直接連結して一体の閉じた経路を形成する(図の点線Fで連結される経路)状態となる。そのため、ルーバー装置2を利用して温められた貯湯タンク5の温水(図中のカッコ書き)は、ポンプ9及びポンプ12のうちの少なくとも一方の作用によって、低温蓄熱槽13に送られる。

【0066】
そして、低温蓄熱槽13に蓄えられた温水は、ポンプ14の作用によって第5配管経路E内を循環し、ファンコイルユニット15に供給される。ファンコイルユニット15は、低温蓄熱槽13から供給された温水を用いて室内の空気を暖めることで、暖房を行う。そして、ファンコイルユニット15が暖房を行うことで冷やされた水は、第5配管経路Eを経由して低温蓄熱槽13に戻り、再び温められて、ファンコイルユニット15の熱媒として利用される。また、ファンコイルユニット15から戻る水によって冷やされた低温蓄熱槽13の水は、第4配管経路D及び第3配管経路Cを経由して貯湯タンク5に戻り、再び温められて、低温蓄熱槽13に供給される。本実施形態に係る空調システム1b(空調機構10)では、このようにして、暖房が行われる。

【0067】
なお、図6Bで例示される空調システム1bは、ルーバー装置2を利用した空調システムの一例に過ぎず、上述した具体的な構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び、追加が可能である。例えば、上記空調システム1bは、冷房及び暖房の両方を行うことができるが、冷房及び暖房のいずれか一方を行えなくてもよい。

【0068】
この場合、例えば、第3配管経路Cと第4配管経路Dとは直接連結されていなくてもよい。このとき、空調システム1b(空調機構10)は暖房を行えない。また、例えば、第3配管経路Cは、吸収式冷凍機11に代えて、放熱器に連結されてもよい。このとき、空調システム1b(空調機構10)は冷房を行えず、放熱器は、本発明の空調機構に相当し、貯湯タンク5から供給される温水(熱)を利用して暖房を行う。

【0069】
また、図6Bで例示される空調システム1bにおいて、貯湯タンク5から、上記給湯システム1aのように給湯に利用できる経路が設けられてもよい。これにより、ルーバー装置2を用いて集められた熱を用いて冷房及び暖房の少なくともいずれか一方と給湯とを行うことのできる空調給湯システムが構成されてもよい。

【0070】
更に、図6Cに例示されるように、空調機構10に代えて、ルーバー装置2をデシカント除湿機16に連結することによって、除湿可能な空調システムを構成してもよい。図6Cは、除湿可能な空調システム1cを例示する。この空調システム1cでは、第1配管経路Aが、軸体20で集められた熱を搬送するための熱搬送機構に相当する。また、デシカント除湿機16が、除湿を行うための空調機構に相当する。

【0071】
デシカント除湿機16は、例えば、デシカントローターと顕熱交換ローターとを備えており、室内の空気を室外に排気する一方で、デシカントローターで室外の空気を除湿した上で室内に給気する。これにより、デシカント除湿機16は、室内の除湿を行うことができる。

【0072】
ここで、この空気の除湿を行うデシカントローターには、シリカゲル剤、ゼオライト剤等の吸湿剤が利用されている。空気中の水分を吸着した吸湿剤は、熱を加えることで水分を脱着し、再生させることができる。そのため、デシカント除湿機16には、デシカントローターと顕熱交換ローターとの間に、吸湿剤を再生するための熱源が設けられる。

【0073】
この吸湿剤を再生するための熱源は、例えば、温水を利用した熱交換器等である。そこで、図6Cに例示されるように、ルーバー装置2に接続する第1配管経路Aの配管をデシカント除湿機16(熱交換器)に連結し、ルーバー装置2で得られる温水をデシカント除湿機16の熱交換器に送るようにポンプ3を作用させる。これによって、空調システム1cでは、ルーバー装置2により集熱した熱を、デシカント除湿機16の吸湿剤の再生に利用することができる。

【0074】
なお、ルーバー装置2の接続する空調システムは、冷房、暖房及び除湿可能な空調機構を備えてもよいし、複数の空調機構を備えてもよい。例えば、空調システムは、上記空調機構10及びデシカント除湿機16を共に備えてもよい。この場合、ルーバー装置2を接続する空調機構を場面に応じて切り替えてもよい。すなわち、ルーバー装置2で集熱した熱を暖房又は冷房に利用する場合には、図6Bに例示されるように、ルーバー装置2に接続する第1配管経路Aの配管を熱交換器4に連結してもよい。一方、ルーバー装置2で集熱した熱を除湿に利用する場合には、図6Cに例示されるように、ルーバー装置2に接続する第1配管経路Aの配管をデシカント除湿機16に連結してもよい。

【0075】
<外装材>
次に、図7Aを用いて、上述したルーバー装置2を利用した外装材について説明する。図7Aは、ルーバー装置2を備える外装材8を例示する。図7Aで例示されるように、例えば、上記ルーバー装置2は、建物の外装材8の構成要素として、利用することができる。

【0076】
本実施形態に係る外装材8は、図7Aに例示されるように、板状に形成される外側ガラス材81と、当該外側ガラス材81の上下の両端を固定する矩形状の枠材82と、を備えている。また、外装材8は、外側ガラス材81が建物の外装となるように図中の左側を建物の外側に向けて配設され、外側ガラス材81に対して建物の内側(図中の右側)には上記ルーバー装置2が配置されている。そして、上記ルーバー装置2の各羽根部材21の取り付け角度を変更するための紐状部材24が、枠材82の内部空間に配置された歯付きプーリー83に巻回され、ルーバー装置2の前方及び後方に吊り下げられている。当該歯付きプーリー83は外装材8の外部から手動で回転操作できるようになっている。そのため、ユーザは、紐状部材24を操作することでルーバー装置2の各羽根部材21の取り付け角度を変更することができる。

【0077】
このような外装材8を建物のガラス窓に利用することで、太陽光の熱が建物内に侵入する前に集熱し、集熱された太陽光の熱の建物内への放出を予防することができる。そのため、当該外装材8によれば、当該建物の窓辺における太陽光の遮熱効率を高めることができる。そして、これによって、当該建物内のペリメーターゾーンの空調負荷を軽減することが可能になる。

【0078】
なお、図7Aで例示される外装材8は、ルーバー装置2を利用した外装材の一例に過ぎず、上述した具体的な構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び、追加が可能である。例えば、外装材8は、歯付きプーリー83を電動で駆動する駆動装置を備えてもよい。これにより、羽根部材21の取り付け角度を電動で変更することができるようになる。

【0079】
また、図7Bで例示されるように、外装材8は、更に、外側ガラス材81に対向して配置される内側ガラス材84を備えてもよい。そしてこの場合、ルーバー装置2は、外側ガラス材81と内側ガラス材84とで形成される内部空間に配置されてよい。これにより、太陽光の熱を集熱するルーバー装置2の存在する空間と建物内部の空間とが内側ガラス材84によって遮断される。そのため、ルーバー装置2で集熱した熱が建物内部に再放出されてしまうことを防止することができ、建物の窓辺における太陽光の遮熱効率を更に高めることができる。

【0080】
なお、この場合、外装材8の内部空間に配置されたルーバー装置2の羽根部材21の取り付け角度を当該外装材8の外部から変更できるように、外装材8は、例えば、当該外装材8の外部から紐状部材24を操作できるように構成されてもよい。

【0081】
§2 変形例
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。

【0082】
<軸体及び羽根部材の配置>
上記ルーバー装置2では、複数のルーバーユニット26は、地面に対して垂直方向(上下方向)に所定の間隔を空けて配置されている。そして、各ルーバーユニット26は、軸体20及び羽根部材21の軸方向が地面に対して水平方向(左右方向)を向くように構成されている。これによって、ルーバー装置2は、水平型のブラインドを構成している。しかしながら、軸体20及び羽根部材21の配置向きはこのような例に限定されなくてもよく、図8に例示されるように、ルーバー装置2は垂直型のブラインドを構成してもよい。

【0083】
図8は、垂直型のブラインドとして構成されるルーバー装置2を例示する。図8で例示されるように、垂直型のルーバー装置2では、複数のルーバーユニット26は、地面に対して水平方向(左右方向)に所定の間隔を空けて配置される。そして、各ルーバーユニット26は、軸体20及び羽根部材21の軸方向が地面に対して垂直方向(上下方向)を向くように構成される。

【0084】
この場合、太陽光の入射角度が上下方向に変化したときには、太陽光の焦点位置は、軸体20上で上下に変化するに過ぎない。そのため、このルーバー装置2では、羽根部材21の位置及び向きを変更することなく、太陽の位置の変化に対応することができる。一方、太陽光の入射角度が左右方向に変化したときには、太陽光の焦点位置は軸体20から左右方向にずれてしまう。そのため、このルーバー装置2では、羽根部材21は、軸体20を軸として左右方向に回動可能に構成される。

【0085】
ここで、図1、図8及び図9を用いて、ルーバー装置2が設置されるガラス窓の向きと当該ルーバー装置2のタイプとの関係を説明する。図9は、建物の窓と太陽光の入射角度との関係を例示する。

【0086】
図1及び図8は、ルーバー装置2を正面から見た状態を例示している。そのため、それぞれの図の左側がルーバー装置2から見て右側となり、それぞれの図の右側がルーバー装置2から見て左側となる。また、それぞれの図の上側がルーバー装置2の上方となり、それぞれの図の下側がルーバー装置2の下方となる。そして、図1及び図8では、紙面手前側(y軸正の方向)に建物のガラス窓が存在するように、ルーバー装置2は配置されている。

【0087】
図9で例示されるように、南向きの窓91には、上方から太陽光が入射しやすい。すなわち、南向きの窓91に配置されたルーバー装置2には、このルーバー装置2から見て上方から太陽光が入射しやすい。そのため、南向きの窓91付近でルーバー装置2を利用する場合には、羽根部材21をより水平に配置したほうが、太陽光を羽根部材21に入射させやすくなる。したがって、南向きの窓91付近では、図1で例示される水平型のルーバー装置2が比較的に利用しやすい。

【0088】
一方、図9で例示されるように、東向きの窓92には、この窓92から見て右側から太陽光が入射しやすい。すなわち、東向きの窓92に配置されるルーバー装置2には、このルーバー装置2から見て右側から太陽光が入射しやすい。そのため、東向きの窓92付近でルーバー装置2を利用する場合には、羽根部材21をより垂直に配置したほうが、太陽光を羽根部材21に入射させやすくなる。したがって、東向きの窓92付近では、図8で例示される垂直型のルーバー装置2が比較的に利用しやすい。

【0089】
なお、図9で不図示の西向きの窓も、東向きの窓92と同様である。西向きの窓に配置されたルーバー装置2には、このルーバー装置2から見て左側から太陽光が入射しやすい。そのため、西向きの窓付近でルーバー装置2を利用する場合には、羽根部材21をより垂直に配置したほうが、太陽光を羽根部材21に入射させやすくなる。したがって、西向きの窓付近では、図8で例示される垂直型のルーバー装置2が比較的に利用しやすい。

【0090】
このように、利用場所に応じて、軸体20及び羽根部材21の適した配置向きがある。そのため、ルーバー装置2は、利用場所に応じて、軸体20及び羽根部材21の配置向きを変更できるように構成されてもよい。

【0091】
なお、垂直型のルーバー装置2では、軸体20の軸方向は、地面に対して垂直方向を向いている。そのため、軸体20内で生じる熱対流によって、軸体20内を流れる熱媒液は、選択吸収膜204に集められた熱により温められて上昇し、当該軸体20から自然に排出されうる。したがって、垂直型のルーバー装置2では、熱媒液を強制的に循環させるポンプを省略してもよい。また、外側ガラス管201と内側ガラス管202と構成される真空二重ガラス管の内部空間に熱媒液が直接流入するように、U字管206を省略してもよい。更に、この場合には、伝熱フィン205も省略してよい。

【0092】
<ヒートパイプの利用>
また、垂直型のルーバー装置2の各軸体20では、選択吸収膜204で集められた熱の搬送にヒートパイプが利用されてもよい。図10を利用して、当該ヒートパイプを利用する例を説明する。

【0093】
図10は、ヒートパイプ207を備える場合における軸体20の構成を例示する。図10で例示される軸体20では、外側ガラス管201と内側ガラス管202とで構成される真空二重ガラス管の開口は蓋部材208で封止されており、ヒートパイプ207内に熱媒液が封入されている。

【0094】
そのため、この場合には、選択吸収膜204において集熱された熱は、伝熱フィン205を介してヒートパイプ207に伝達され、当該ヒートパイプ207内に封入されている熱媒液に吸収される。ヒートパイプ207内の熱媒液が温められると、当該ヒートパイプ207内で熱対流が生じる。そのため、温められた熱媒液は、ヒートパイプ207の頭部207aに集まる。

【0095】
そこで、このような軸体20を利用する場合には、当該ヒートパイプ207の頭部207aを冷却する機構を設けてもよい。また、上記給湯システム1a及び上記空調システム1bで当該軸体20の構成を利用するために、当該ヒートパイプ207の頭部207aから上記貯湯タンク5に熱を搬送する機構を設けてもよい。

【0096】
なお、伝熱フィン205の形状は、特に限定されなくてよく、図11A及び図11Bに例示されるような形状であってもよい。例えば、図11Aでは、内側ガラス管202の内周面に接する円弧状の外周部205aと、ヒートパイプ207の外周面に接する円弧状の内周部205bと、外周部205aと内周部205bとを連結する連結部205cと、を備える伝熱フィン205が例示されている。また、例えば、図11Bでは、ヒートパイプ207を挟持するように対置される平板状の一対の伝熱フィン205が例示されている。

【0097】
<その他>
また、上記ルーバー装置2の上述した具体的な構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び、追加が可能である。

【0098】
例えば、軸体20及び羽根部材21で構成されるルーバーユニット26の数は、1組であってもよいし、複数組であってもよい。当該ルーバーユニット26は、少なくとも1つあればよい。また、例えば、上記実施形態では、外側ガラス管201と内側ガラス管202とで構成される真空二重ガラス管の開口は、枠材23で封止されているが、断熱材で封止されてもよい。

【0099】
また、上記ルーバー装置2の上述した具体的な構成に関して、各構成要素の材質、位置、大きさ、及び形状は、実施の形態に応じて、適宜、選択及び変更可能である。

【0100】
(選択吸収膜の配置)
例えば、選択吸収膜204は、U字管206又はヒートパイプ207に対する熱伝導の効率を高めるために、内側ガラス管202の内周面、又は、伝熱フィン205の外周面に設けられてもよい。

【0101】
(焦点位置の調節)
また、上記実施形態では、太陽位置の変化に伴う太陽光の焦点位置のずれに対応可能なように、羽根部材21は軸体20を軸として回動可能に構成されている。しかしながら、太陽位置の変化に対応する方法はこのような例に限定されなくてもよく、例えば、太陽位置の変化に伴う太陽光の焦点位置のずれに対応可能なように、軸体20を移動可能に構成してもよい。また、以下で説明するように、羽根部材21を平行移動可能に構成することで、又は導光板を設けることで、太陽位置の変化に伴う太陽光の焦点位置のずれに対応してもよい。

【0102】
まず、図12A及び図12Bを用いて、各羽根部材21を平行移動可能に構成することで、太陽の位置の変化に対応する方法を説明する。図12A及び図12Bは、各羽根部材21が平行移動可能に構成されたルーバー装置2の1組のルーバーユニット26aを例示する。

【0103】
図12Aに例示されるように、太陽光の入射角度が上下方向に移動した場合には、羽根部材21を透過した太陽光(直達日射)の焦点位置は上下方向にずれる。例えば、羽根部材21の面に対して垂直に入射する直達日射SA1に比べて、羽根部材21に上方から入射する直達日射SA2の焦点位置は下方にずれる。この焦点位置のずれ量Lは、入射角度の変化量Kに対応する。そこで、図12Bに例示されるように、この太陽光の焦点位置のずれに応じて、羽根部材21を垂直方向に平行移動可能に構成する。

【0104】
詳細には、図12A及び図12Bで例示される水平型のルーバー装置2では、複数のルーバーユニット26aの軸体20は、垂直方向(上下方向)に沿って列状に配設されている。これに対して、各羽根部材21は、垂直方向(上下方向)に支持部材27で連結されている。各羽根部材21を支持する支持部材27には任意に材料が用いられてよい。

【0105】
この支持部材27は、歯車等で吊り下げられることで、上下方向に移動可能に構成されている。そのため、図12Bで例示されるように、この支持部材27を上下いずれかに移動することで、各羽根部材21を上下いずれかに移動することができる。ただし、各羽根部材21を平行移動可能に構成する方法は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。

【0106】
このように、各羽根部材21を軸体20の配列方向に平行移動可能に構成することで、太陽の位置の変化に対応することができる。例えば、図12Bで例示される場面では、直達日射SA2の焦点位置はずれ量Lだけ下方にずれている。そのため、この直達日射SA2の焦点位置のずれ量Lに対応するように、ユーザは、各羽根部材21を上方に距離Mだけ平行移動させる。これにより、直達日射SA2の焦点位置は軸体20に合わせることができる。すなわち、太陽光の焦点位置のずれを解消することができる。

【0107】
なお、図12A及び図12Bでは、水平型のルーバー装置2が例示されている。この水平型のルーバー装置2では、各羽根部材21は垂直方向に平行移動可能に構成される。一方、図8で例示される垂直型のルーバー装置2の場合には、各軸体20は水平方向に沿って列状に配設されており、各羽根部材21は水平方向(左右方向)に平行移動可能に構成される。

【0108】
すなわち、複数の軸体20が一方向に沿って列状に配設されている場合には、太陽光の入射角度がその配列方向に変化した場合に、太陽光の焦点位置が軸体20からずれうる。そのため、各羽根部材21は、太陽光の入射方向の変化に応じて太陽光の集光する位置を調節可能なように、この軸体20の並ぶ配列方向に沿って平行移動可能に構成される。

【0109】
このように各羽根部材21を一方向に平行移動可能に構成する構造は、各羽根部材21を軸体20の周りに回動可能に構成するよりも、簡単になる可能性が高い。例えば、図12A及び図12Bに例示されるように、支持部材27のみで各羽根部材21を垂直方向に平行移動可能に構成することができる。そのため、当該変形例によれば、太陽の位置の変化に対応可能なルーバー装置2をより簡単な構造で構成することができる。

【0110】
次に、図13A~図13Dを用いて、導光板を用いて太陽光の焦点位置を調節する方法を説明する。図13Aは、導光板28を備えるルーバー装置2(ルーバーユニット26b)を模式的に例示する側面図である。図13Bは、当該ルーバー装置2(ルーバーユニット26b)を模式的に例示する平面図である。また、図13C及び図13Dは、導光板28の利用場面を例示する。

【0111】
図13Aで例示されるように、この変形例では、各ルーバーユニット26bは、羽根部材21よりも更に前方(室外側)に回動可能に取り付けられる複数の導光板28を備えている。導光板28の材料は適宜選択可能である。各導光板28の上側の面は、太陽光を反射する反射面281となっている。この反射面281には、太陽光を鏡面反射しやすいように、銀、アルミニウム等の金属が蒸着されていてもよい。

【0112】
図13A及び図13Bに例示されるように、各導光板28の両端に歯車282が取り付けられており、歯車282の前方及び後方には上下方向に延びる一対の紐状部材29が配置されている。各紐状部材29は、図字を省略する歯付きプーリー等で吊り下げられ、上下方向に移動可能に構成されている。そして、この各紐状部材29は歯車282と噛合している。

【0113】
そのため、ユーザは、この紐状部材29を上下いすれかに引っ張ることで、歯車282を回転させ、これによって、図13C及び図13Dに例示されるように、導光板28の取り付け角度を変更することができる。なお、各紐状部材29を上下いずれかに移動させる駆動装置をルーバー装置2に設けることで、導光板28の取り付け角度の変更を自動で行うことができる。

【0114】
本変形例では、各導光板28の反射面281は太陽光を反射する。そこで、図13C及び図13Dに例示されるように、各導光板28の取り付け角度を調節することで、各ルーバーユニット26bの羽根部材21に入射する太陽光の角度を一定にすることができる。

【0115】
例えば、図13Cの場面では、太陽光の直達日射SA1は、水平方向(前後方向)に推進しており、羽根部材21に対して垂直方向に入射する。本変形例では、この場面における太陽光の入射角を基準に採用している。つまり、図13Cの場面では、直達日射SA1に作用しないように、各導光板28の反射面281を垂直方向に向けられている。そのため、直達日射SA1は、導光板28の有無に関係なく、羽根部材21に入射する。

【0116】
一方、図13Dの場面では、太陽光の直達日射SA2は、直達日射SA1と比べて水平方向から傾いており、各羽根部材21に入射する角度が変化しうる。そこで、各導光板28の取り付け角度を調節して、図13Dに例示されるように、直達日射SA2を反射面281で鏡面反射する。これによって、図13Cの場面と同様に、各羽根部材21に対して垂直な方向に入射するように、直達日射SA2の照射角度を曲げることができる。なお、各導光板28の取り付け角度の調整は適宜行われる。

【0117】
このように導光板28を用いる方法では、羽根部材21及び軸体20を移動させることなく、太陽位置の変化に伴う太陽光の焦点位置のずれに対応することができる。羽根部材21はフレネルレンズで構成され、軸体20は真空管式の集熱器で構成される。そのため羽根部材21及び軸体20は比較的に大型になる可能性がある。

【0118】
これに対して、本変形例では、導光板28を用いることで、羽根部材21に対する太陽光の入射角度を規定するところ、この導光板28は太陽光の反射面を有するに過ぎない。そのため、各導光板28は、羽根部材21より非常に小型に構成可能である。したがって、本変形例では、比較的に大型に構成される羽根部材21及び軸体20を動かすことなく、太陽位置の変化に伴う太陽光の焦点位置のずれに対応することのできるため、シンプルで故障し難いルーバー装置2を提供することができる。

【0119】
(羽根部材の角度調節機構)
また、上記ルーバー装置2では、紐状部材24及び歯車22で構成される機構により羽根部材21の角度が調節される。しかしながら、羽根部材21の角度を調節する機構は、このような例に限定されなくてよく、例えば、図14A及び図14Bで例示される機構が用いられてもよい。

【0120】
図14Aは、ラック241とピニオン221とを用いた機構を模式的に例示する。当該機構では、ピニオン221が羽根部材21に取り付けられる。そのため、ピニオン251をモーター等で回転させて、ラック241を図の上下方向に移動させることで、ピニオン221が回転し、羽根部材21の角度が変更される。また、図14Bは、軸付きかさ歯車242とかさ歯車222とを用いた機構を模式的に例示する。当該機構では、かさ歯車222が羽根部材21に取り付けられる。そのため、かさ歯車252をモーター等で回転させて、軸付きかさ歯車242を回転させることで、かさ歯車222が回転し、羽根部材21の角度が変更される。

【0121】
(羽根部材の取り付け角度)
また、上記実施形態及び変形例では、羽根部材21は、当該羽根部材21の面がz軸方向に沿うように取り付けられている。しかしながら、羽根部材21の取り付け角度はこのような例に限定されなくてもよく、羽根部材21はz軸から傾けて取り付けられてもよい。この場合、隣接する2つのルーバーユニット26において、上側に配置される羽根部材21の下端部と下側に配置される羽根部材21の上端部との間にz軸方向に長さを有する隙間Jが設けられるように、各ルーバーユニット26は配置される。これによって、室内側から室外の眺望を確保することができる。

【0122】
(取り付け角度の調節)
また、上記ルーバー装置2では、ユーザの手動によって、羽根部材21の取り付け角度が変更され、太陽光の焦点位置の調節が行われる。しかしながら、この太陽光の焦点位置の調節は、手動ではなく、自動で行われてもよい。この場合、例えば、ルーバー装置2には紐状部材24を駆動可能なモーター等の駆動装置が取り付けられてもよい。そして、この駆動装置によって、羽根部材21の取り付け角度を自動制御し、太陽光の焦点位置の調節を行ってもよい。上記変形例に係るルーバーユニット(26a、26b)で構成されるルーバー装置についても同様である。すなわち、羽根部材21の位置及び導光板28の角度は自動で制御されてもよい。

【0123】
(羽根部材と採光との関係)
また、上記実施形態及び変形例では、室外の眺望を確保するために、隣接する2つ羽根部材21の間に隙間Jが設けられている。しかしながら、上記のとおり、羽根部材21は、太陽光のうち直達日射成分は軸体20に集光して遮断するものの、散乱日射成分は軸体20に集光せずにそのまま透過させる。そのため、室内の採光の観点からは、隙間Jは設けられていなくてもよい。すなわち、隣接する2つの羽根部材21は互いに当接するように配置されてもよい。また、隣接する2つの羽根部材21は一体型に形成されてもよい。更に、この場合、ルーバー装置2は、単一のルーバーユニット26で構成されてもよい。隙間Jの設けられていないルーバー装置2は、例えば、室外の眺望が不要な場所で利用可能である。

【0124】
また、ルーバー装置2を建物のガラス窓として利用してもよい。すなわち、建物のガラス窓を羽根部材21としてフレネルレンズで構成し、焦点位置に軸体20を配置してもよい。これにより、建物のガラス窓と一体型のルーバー装置2を構成することができる。なお、羽根部材21が嵌め殺しの窓として構成される場合には、太陽の位置の変化による太陽光の焦点位置のずれに対応可能なように、軸体20が移動可能に構成されてもよい。
【符号の説明】
【0125】
1a…給湯システム、1b…空調システム、1c…空調システム、
2…ルーバー装置、
20…軸体、21…羽根部材(フレネルレンズ)、22…歯車、
23…枠材、24…紐状部材、25…支持部材、
26…ルーバーユニット、
27…支持部材、
28…導光板、281…反射面、282…歯車、29…紐状部材、
201…外側ガラス管、202…内側ガラス管、203…真空層、204…選択吸収膜、
205…伝熱フィン、206…U字管、207…ヒートパイプ、208…蓋部材、
221…ピニオン、241…ラック、251…ピニオン、
222…かさ歯車、242…軸付きかさ歯車、252…かさ歯車、
3…ポンプ、4…熱交換器、5…貯湯タンク、6…ポンプ、7…給湯器、
8…外装材、81…外側ガラス材、82…枠材、83…歯付きプーリー、
84…内側ガラス材、
10…空調機構、
11…吸収式冷凍機、12…ポンプ、13…低温蓄熱槽、14…ポンプ、
15…ファンコイルユニット、
16…デシカント除湿機、
91…(南向きの)窓、92…(東向きの)窓、
SA(SA1、SA2)…直達日射、SB…散乱日射
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5A】
4
【図5B】
5
【図6A】
6
【図6B】
7
【図6C】
8
【図7A】
9
【図7B】
10
【図8】
11
【図9】
12
【図10】
13
【図11A】
14
【図11B】
15
【図12A】
16
【図12B】
17
【図13A】
18
【図13B】
19
【図13C】
20
【図13D】
21
【図14A】
22
【図14B】
23