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明細書 :触覚センサ及び集積化センサ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-057113 (P2016-057113A)
公開日 平成28年4月21日(2016.4.21)
発明の名称または考案の名称 触覚センサ及び集積化センサ
国際特許分類 G01L   1/22        (2006.01)
G01L   5/00        (2006.01)
G01L   5/16        (2006.01)
FI G01L 1/22 F
G01L 5/00 101Z
G01L 5/16
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 17
出願番号 特願2014-182263 (P2014-182263)
出願日 平成26年9月8日(2014.9.8)
発明者または考案者 【氏名】竹井 邦晴
【氏名】原田 真吾
出願人 【識別番号】505127721
【氏名又は名称】公立大学法人大阪府立大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100065248、【弁理士】、【氏名又は名称】野河 信太郎
【識別番号】100159385、【弁理士】、【氏名又は名称】甲斐 伸二
【識別番号】100163407、【弁理士】、【氏名又は名称】金子 裕輔
【識別番号】100166936、【弁理士】、【氏名又は名称】稲本 潔
審査請求 未請求
テーマコード 2F049
2F051
Fターム 2F049BA13
2F049CA01
2F049CA05
2F049DA04
2F051AA10
2F051AB09
2F051DA00
要約 【課題】本発明は、感圧面に平行な力に対する感度が高い触覚センサを提供する。
【解決手段】本発明の触覚センサは、開口を有する中空部が設けられた基材と、前記開口の少なくとも一部を覆うように前記基材上に設けられた可撓部と、前記開口と重なるように前記可撓部上に設けられた突起部と、3つ以上の歪みセンサとを備え、前記可撓部は、対象物が前記突起部に直接的又は間接的に接触することにより前記中空部に向かって撓むように設けられ、3つ以上の歪みセンサは、前記突起部の周りに配置され、かつ、各歪みセンサの少なくとも一部が前記開口と重なるように前記可撓部上又は前記可撓部中に設けられ、前記可撓部が撓むことにより生じる歪みを3つ以上の歪みセンサが検知することを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
開口を有する中空部が設けられた基材と、前記開口の少なくとも一部を覆うように前記基材上に設けられた可撓部と、前記開口と重なるように前記可撓部上に設けられた突起部と、3つ以上の歪みセンサとを備え、
前記可撓部は、対象物が前記突起部に直接的又は間接的に接触することにより前記中空部に向かって撓むように設けられ、
3つ以上の歪みセンサは、前記突起部の周りに配置され、かつ、各歪みセンサの少なくとも一部が前記開口と重なるように前記可撓部上又は前記可撓部中に設けられ、
前記可撓部が撓むことにより生じる歪みを3つ以上の歪みセンサが検知することを特徴とする触覚センサ。
【請求項2】
前記基材は、柔軟性を有する請求項1に記載の触覚センサ。
【請求項3】
前記歪みセンサは、高分子材料中に導電性微粒子及びカーボンナノチューブが混練された感圧抵抗部を有し、前記感圧抵抗部の電気抵抗値から前記可撓部の歪みを検出する請求項1又は2に記載の触覚センサ。
【請求項4】
前記中空部、前記可撓部、前記突起部及び3つ以上の歪みセンサは、センサ素子を構成し、
複数の前記センサ素子が二次元に並べられた請求項1~3のいずれか1つに記載の触覚センサ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載の触覚センサと、前記基材上に設けられた温度センサとを備える集積化センサ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、触覚センサ及び集積化センサに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットハンドが物を掴む場合、ロボットハンドには適切な把持力の調節が求められる。ロボットハンドの把持力が強すぎる場合、物が損傷するおそれがある。また、ロボットハンドの把持力が弱すぎる場合、ロボットハンドから物が滑り落ちてしまう場合がある。また、ロボットハンドにより脆弱な物を掴む場合、ロボットハンドには絶妙な把持力の調節が求められる。このため、ロボットハンドの把持力を調節するための触覚センサが開発されている。
【0003】
弾性変形可能なカンチレバーを備えた触覚センサや、可撓性の梁を備えた触覚センサが知られている。(例えば、特許文献1、2参照。)これらの触覚センサでは、外装材に加えられた力によりカンチレバーや梁を変形させ、センサの感圧面に垂直な方向の力や感圧面に平行な方向の力を検出している。また、これらのセンサでは、CVD法などにより基板上に積層体を形成している。
また、Si基板の開口部を支持膜で覆いこの支持膜上に2つの圧電体を設置した触覚センサが知られている。(例えば、特許文献3参照。)この検出素子では、圧電体上の弾性膜に加えられた力により支持膜を変形させ、圧電体の電位差を測定することにより加えられた剪断力を検出している。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2014-134543号公報
【特許文献2】特開2013-68503号公報
【特許文献3】特開2011-112459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の触覚センサは感圧面に平行な力に対する感度が十分に高くないという問題がある。また、従来の触覚センサは半導体基板を用いているため、曲面上に設けることが難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、感圧面に平行な力に対する感度が高い触覚センサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、開口を有する中空部が設けられた基材と、前記開口の少なくとも一部を覆うように前記基材上に設けられた可撓部と、前記開口と重なるように前記可撓部上に設けられた突起部と、3つ以上の歪みセンサとを備え、前記可撓部は、対象物が前記突起部に直接的又は間接的に接触することにより前記中空部に向かって撓むように設けられ、3つ以上の歪みセンサは、前記突起部の周りに配置され、かつ、各歪みセンサの少なくとも一部が前記開口と重なるように前記可撓部上又は前記可撓部中に設けられ、前記可撓部が撓むことにより生じる歪みを3つ以上の歪みセンサが検知することを特徴とする触覚センサを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、開口を有する中空部が設けられた基材と、前記開口の少なくとも一部を覆うように基材上に設けられた可撓部と、前記開口と重なるように可撓部上に設けられた突起部とを備えるため、対象物を突起部に直接的又は間接的に接触させることにより可撓部を中空部に向かって撓ませることができる。また、対象物との接触により外部圧力が上方から突起部にかかった場合突起部を沈み込ませることができ、可撓部を撓ませることができる。また、対象物との接触により外部圧力が斜め上又は側方から突起部にかかった場合や突起部と対象物との間に摩擦力が生じた場合、その外部圧力や摩擦力により突起部を傾斜させることができ、可撓部を撓ませることができる。従って、突起部にかかる力の大きさや方向により異なる形状に可撓部を撓ませることができる。また、斜め上又は側方からの外部圧力又は摩擦力が突起部にかかった場合、突起部を傾斜させることができるため、外部圧力又は摩擦力の大きさや方向を感度よく可撓部の形状に反映させることができる。
本発明によれば、少なくとも一部が中空部の開口と重なるように可撓部上又は可撓部中に設けられた歪みセンサを備えるため、対象物が突起部に接触することにより撓んだ可撓部の歪みを歪みセンサにより検出することができる。
本発明によれば、3つ以上の歪みセンサが突起部の周りに配置されるため、撓んだ可撓部の形状に応じた歪みパターンを検出することができる。可撓部の形状は対象物との接触による突起部にかかった力の大きさや方向を反映しているため、検出された歪みパターンをパターン解析することにより、突起部にかかった力の大きさや方向を算出することができる。また、3つ以上の歪みセンサを備えることにより、突起部にかかった力の大きさや方向を三次元で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態の触覚センサの概略上面図である。
【図2】(a)~(c)は、図1の一点鎖線A-Aにおける触覚センサの概略断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の触覚センサの概略上面図である。
【図4】(a)~(d)は、本発明の一実施形態の触覚センサの概略断面図である。
【図5】(a)(b)は本発明の一実施形態の触覚センサに含まれる歪みセンサが有する感圧抵抗部の概略断面図である。
【図6】本発明の一実施形態の集積化センサの概略上面図である。
【図7】本発明の一実施形態の集積化センサに含まれる温度検知シートの概略上面図である。
【図8】(a)~(c)は、感圧抵抗測定実験の測定装置の概略断面図である。
【図9】感圧抵抗測定実験の測定結果を示すグラフである。
【図10】(a)は歪み検知実験の測定結果を示すグラフであり、(b)は突起部への荷重の向きを示す図である。
【図11】(a)は歪み検知実験の測定結果を示すグラフであり、(b)は突起部への荷重の向きを示す図である。
【図12】(a)はシミュレーションの計算結果を示す図であり、(b)は、中空部の開口の位置を示す図である。
【図13】シミュレーションの計算結果を示す図である。
【図14】(a)は温度検知実験の測定結果を示すグラフであり、(b)は温度検知実験の測定装置の概略断面図である。
【図15】温度検知実験の測定結果を示すグラフである。
【図16】(a)~(c)は歪み・温度検知実験の測定結果などを示す図である。
【図17】(a)~(c)は歪み・温度検知実験の測定結果などを示す図である。
【図18】(a)~(c)は歪み・温度検知実験の測定結果などを示す図である。
【図19】(a)~(c)は歪み・温度検知実験の測定結果などを示す図である。
【図20】(a)~(c)は歪み・温度検知実験の測定結果などを示す図である。
【図21】(a)~(c)は歪み・温度検知実験の測定結果などを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の触覚センサは、開口を有する中空部が設けられた基材と、前記開口の少なくとも一部を覆うように前記基材上に設けられた可撓部と、前記開口と重なるように前記可撓部上に設けられた突起部と、3つ以上の歪みセンサとを備え、前記可撓部は、対象物が前記突起部に直接的又は間接的に接触することにより前記中空部に向かって撓むように設けられ、3つ以上の歪みセンサは、前記突起部の周りに配置され、かつ、各歪みセンサの少なくとも一部が前記開口と重なるように前記可撓部上又は前記可撓部中に設けられ、前記可撓部が撓むことにより生じる歪みを3つ以上の歪みセンサが検知することを特徴とする。

【0010】
本発明の触覚センサにおいて、基材は柔軟性を有することが好ましい。
このような構成によれば、曲面上や柔軟構造上に触覚センサを配置することが可能になる。
本発明の触覚センサにおいて、歪みセンサは、高分子材料中に導電性微粒子及びカーボンナノチューブが混練された感圧抵抗部を有し、感圧抵抗部の電気抵抗値から可撓部の歪みを検出することが好ましい。
このような構成によれば、感圧抵抗部を印刷法により形成することができるため、柔軟性シート上または接触部材の裏面上に感圧抵抗部を容易に設けることができる。

【0011】
本発明の触覚センサにおいて、中空部、可撓部、突起部及び3つ以上の歪みセンサは、センサ素子を構成し、複数のセンサ素子が二次元に並べられたことが好ましい。
このような構成によれば、対象物を複数のセンサ素子の突起部に接触させることができ、触覚センサにより対象物の大きさを検出することができる。また、触覚センサと対象物との間の局所的な滑り状態や局所的な摩擦力を検出することができる。
また、本発明は、本発明の触覚センサと、前記基材上に設けられた温度センサとを備える集積化センサも提供する。
本発明の集積化センサによれば、対象物により突起部にかかる力と対象物の温度を同時に検出することができる。

【0012】
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。

【0013】
触覚センサ及び集積化センサ
図1は本実施形態の触覚センサの概略上面図である。図2(a)~(c)は、図1の一点鎖線A-Aにおける触覚センサの概略断面図であり、図2(b)(c)は突起部に対象物が接触した際の触覚センサの概略断面図である。図3は、複数のセンサ素子を有する本実施形態の触覚センサの概略上面図である。図4(a)~(d)は、それぞれ本実施形態の触覚センサの概略断面図である。
本実施形態の触覚センサ20は、開口を有する中空部3が設けられた基材1と、前記開口の少なくとも一部を覆うように基材1上に設けられた可撓部5と、前記開口と重なるように可撓部5上に設けられた突起部7と、3つ以上の歪みセンサ9とを備え、可撓部5は、対象物13が突起部7に直接的又は間接的に接触することにより中空部3に向かって撓むように設けられ、3つ以上の歪みセンサ9は、突起部7の周りに配置され、かつ、各歪みセンサ9の少なくとも一部が前記開口と重なるように可撓部5上又は可撓部5中に設けられ、可撓部5が撓むことにより生じる歪みを3つ以上の歪みセンサ9が検知することを特徴とする。
以下、本実施形態の触覚センサ20及び集積化センサについて説明する。

【0014】
1.触覚センサ
触覚センサ20は、対象物13が突起部7に直接的又は間接的に接触した際、突起部7にかかった力の大きさや方向を検知するセンサである。また、触覚センサ20は、図1~3のように、中空部3、可撓部5、突起部7、3つ以上の歪みセンサ9を含むセンサ素子12を含んでもよく、触覚センサ20は、図3のように複数のセンサ素子12を含んでもよい。
触覚センサ20は、例えば、義手、ロボット、電子皮膚、入力装置、異常検出装置、安全装置などに利用することができる。

【0015】
2.基材、中空部
基材1は、触覚センサ20の基材である。基材1は、剛性材料からなってもよく、柔軟性材料からなってもよいが、柔軟性材料からなることが好ましい。このことにより、曲面上や柔軟構造上に触覚センサ20を配置することが可能になる。また、ロボットハンドの把持部に触覚センサ20を設ける場合、基材1が柔軟性材料からなると、対象物13の形状に倣って触覚センサ20が変形することが可能になり、対象物13を安定して把持することが可能になる。基材1の材料は、例えば、シリコーンゴムなどである。

【0016】
基材1は、中空部3を有する。このことにより、可撓部5を中空部3に向かって撓ませることができ、可撓部5の撓みを利用して突起部7にかかった力の大きさや方向を検知することができる。また、中空部3は開口を有し、この開口の少なくとも一部を可撓部5が覆う。
中空部3は、可撓部5を撓ませることができる空間であればよく、基材1に設けられた貫通穴であってもよく、有底穴であってもよい。中空部3の開口の形状は、円形であってもよく、方形であってもよく、多角形であってもよいが、円形であることが好ましい。中空部3の開口の形状を円形とすることにより、その中心部に突起部7を設けることができ、円周上に等間隔で3つ以上の歪みセンサ9を設けることが可能になる。このことにより、触覚センサ20が突起部7にかかった力の大きさや方向を感度よく検知することができる。中空部3の開口の直径又は幅は、例えば0.01mm以上10mm以下とすることができる。
中空部3の深さは、例えば中空部3の開口の直径(又は幅)16分の1より深く、4分の1より浅くすることができる。このことにより、突起部7に大きな力がかかった場合に可撓部5を中空部3の底又は触覚センサ20の下の物体に接触させることができ、可撓部5及び歪みセンサ9が損傷することを抑制することができる。

【0017】
図3のように触覚センサ20が複数のセンサ素子12を有する場合、基材1に複数の中空部3を設け、それぞれの中空部3上に可撓部5、歪みセンサ9、突起部7を設けることにより、複数のセンサ素子12を設けることができる。また、触覚センサ20が複数のセンサ素子12を有する場合、それぞれのセンサ素子12が基材1を有してもよい。

【0018】
3.可撓部、突起部、歪みセンサ
可撓部5は、中空部3の開口を覆うように基材1上に設けられる。また、突起部7は、中空部3の開口と重なるように可撓部5上に設けられる。このことにより、図2(b)(c)のように、対象物13を突起部7に直接的又は間接的に接触させることにより可撓部5を中空部3に向かって撓ませることができる。
可撓部5は、中空部3の開口全体を覆うように基材1上に設けられてもよく、中空部3の開口の一部を覆うように基材1上に設けられてもよいが、中空部3の開口全体を覆うように設けられることが好ましい。可撓部5が中空部3の開口全体を覆うことにより、可撓部5の全周囲を基材1に固着することができ、突起部7に力がかかった際の可撓部5の形状変化を安定化することができる。また、可撓部5に柔軟性の高い材料を用いることが可能になる。

【0019】
可撓部5は、例えば、図1、2のように、基材1上に設けられた柔軟性シート6と、柔軟性シート6上に設けられた円柱状の突起部7が設けられた接触部材8の一部とを含んでもよい。この場合、柔軟性シート6の材料は、ポリエチレン、シリコーンゴムなどの高分子材料とすることができ、接触部材8の材料は、シリコーンゴムなどの高分子材料とすることができる。また、可撓部5は、図4(a)(b)(d)のように柔軟性シート6から構成されてもよく、図4(c)のように接触部材8の一部から構成されてもよい。

【0020】
突起部7は、対象物13と直接的又は間接的に接触する接触部材8の全部又は一部であってもよい。また、接触部材8は、図2、図4(c)のように突起部7と可撓部5の両方を構成する部材であってもよい。この場合、接触部材8の材料は、シリコーンゴムなどの柔軟性材料とすることができる。また、接触部材8は、図4(a)、(b)、(d)のように突起部7を構成する部材であってもよい。この場合、接触部材8の材料は、剛性材料であってもよく、柔軟性材料であってもよい。
なお、突起部7が対象物13と間接的に接触する場合には、触覚センサ20の上にカバーなどを設け、カバーなどの上から対象物13が突起部7に接触する場合を含む。

【0021】
突起部7の形状は、可撓部5から突起した形状であれば特に限定されないが、例えば、図2、図4(a)~(c)のように円柱状であってもよく、図4(d)のようにドーム状であってもよい。このことにより、触覚センサ20が突起部7にかかった力の方向を感度よく検出することができる。突起部7の直径又は幅は、例えば、中空部3の開口の直径又は幅の4分の1以上4分の3以下とすることができる。また、突起部7の高さは、例えば、中空部3の開口の直径又は幅の8分の1以上8分の7以下とすることができる。
突起部7は、中空部3の中心部と重なるように可撓部5上に設けられてもよい。このことにより、触覚センサ20が突起部7にかかった力の大きさや方向を感度よく検知することができる。

【0022】
歪みセンサ9は、少なくとも一部が中空部3の開口と重なるように可撓部5上又は可撓部5中に設けられる。また、歪みセンサ9は、中空部3の開口の周りの基材1と中空部3の開口との両方に重なるように可撓部5上又は可撓部5中に設けることができる。このことにより、対象物13が突起部7に直接的又は間接的に接触することにより撓んだ可撓部5の歪みを歪みセンサ9により検出することができる。歪みセンサ9は、図2(a)のように、可撓部5を構成する柔軟性シート6と接触部材8との間に設けられてもよい。また、歪みセンサ9は、図4(a)(d)のように柔軟性シート6の上面上に設けられてもよく、図4(b)のように柔軟性シート6の裏面上に設けられてもよい。また、歪みセンサ9は、図4(c)のように接触部材8の裏面上に設けられてもよい。

【0023】
歪みセンサ9は、可撓部5が撓むことにより生じる歪みを検知することができれば特に限定されない。歪みセンサ9は、高分子材料中に導電性微粒子が混練された感圧抵抗部10を有するものであってもよい。
図5(a)(b)は、本実施形態の触覚センサ20に含まれる歪みセンサ9が有する感圧抵抗部10の概略断面図である。歪みセンサ9は、高分子材料15中に導電性微粒子16及びカーボンナノチューブ17が混練された感圧抵抗部10を有し、感圧抵抗部10の電気抵抗値から可撓部5の歪みを検出するセンサであってもよい。このような感圧抵抗部10は、スクリーン印刷などの印刷法により形成することができるため、柔軟性シート6上または接触部材8の裏面上に容易に設けることができる。なお、感圧抵抗部10の電気抵抗値を測定するための配線11は、感圧抵抗部10と同一面上に印刷法により形成することができる。

【0024】
図5(a)は、変形していない感圧抵抗部10の概略断面図であり、図5(b)は、一端が下向きに変形し伸張した感圧抵抗部10の概略断面図である。この感圧抵抗部10に電流を流したとき、電流は主に導電性微粒子16を流れる。図5(b)のように、この感圧抵抗部10が伸張すると、導電性微粒子16の接触面積が狭くなるため感圧抵抗部10の電気抵抗は大きくなる。逆に感圧抵抗部10が圧縮されると導電性微粒子16の接触面積が広くなるため、感圧抵抗部10の電気抵抗は小さくなる。従って、感圧抵抗部10を可撓部5の撓みと共に変形するように設け、感圧抵抗部10の電気抵抗値を測定することにより、可撓部5の歪みを測定することができる。

【0025】
突起部7の周りには3つ以上の歪みセンサ9が配置される。また、3つ以上の歪みセンサ9が中空部3の開口の縁に沿って等間隔に配置することができる。3つ以上の歪みセンサ9により、それぞれ歪みを検知することにより、撓んだ可撓部5の形状に応じた歪みパターンを検出することができる。この歪みパターンをパターン解析することにより、突起部7にかかった力の大きさ及び向きを検出することができる。また、3つ以上の歪みセンサ9で検知することにより、突起部7にかかった力の大きさや方向を三次元で検出することができる。
なお、突起部7の周りの歪みセンサ9の数は、3つ以上6つ以下であってもよく、4つ以上7つ以下であってもよく、5つ以上8つ以下であってもよく、6つ以上10つ以下であってもよい。歪みセンサ9の数を増やすことにより突起部7にかかった力の向きを検出する解像度を大きくすることができる。

【0026】
例えば、図2(b)のように、上方から対象物13を突起部7に接触させた場合、対象物13からの圧力により突起部7を沈み込ませることができ、可撓部5を撓ませることができる。この場合、突起部7の周囲の撓んだ可撓部5では実質的に均等に歪みが生じ、突起部7の周囲に設けた3つ以上の歪みセンサ9は、同等の歪みを検出する。従って、3つ以上の歪みセンサ9により歪みを検出することにより、突起部7に対象物13が接触し上方から突起部7に圧力がかかったことを検出することができる。

【0027】
例えば、図2(c)のように、対象物13を突起部7に接触させ斜め上又は側方から圧力が突起部7にかかった場合や突起部7と対象物13との間に摩擦力が生じた場合、その圧力や摩擦力により突起部7を傾斜させることができ、可撓部5を撓ませることができる。
この場合、突起部7の周囲の撓んだ可撓部5では、圧力又は摩擦力の向きにより不均一な歪みが生じる。従って、突起部7の周囲に設けた3つ以上の歪みセンサ9では、圧力又は摩擦力の向きに応じて異なる歪みを検出する。従って、3つ以上の歪みセンサ9の歪みパターンから、突起部7にかかった力の大きさ及び向きを検出することができる。また、突起部7の周りの歪みセンサ9の数を増やすことにより、触覚センサ20が検出する力の向きの解像度を高くすることができる。
また、斜め上又は側方からの圧力又は摩擦力が突起部7にかかった場合、突起部7を傾斜させることができるため、圧力又は摩擦力の大きさや方向を感度よく撓んだ可撓部5の形状に反映させることができる。この可撓部5の撓みにより生じる歪みを3つ以上の歪みセンサ9により検出することができるため、突起部7にかかった力の向きを感度よく検出することができる。

【0028】
また、予め、突起部7にかかった力の大きさ及び向きと3つ以上の歪みセンサ9の歪みパターンとの関係を調べデータベース化することができる。このことにより、測定された歪みパターンとデータベースの歪みパターンとを比較しパターン解析することにより、突起部7にかかった力の大きさや方向を算出することができる。

【0029】
図3のように、触覚センサ20が中空部3、可撓部5、突起部7、3つ以上の歪みセンサ9を含むセンサ素子12を複数含み、複数のセンサ素子12が二次元に並べられている場合、複数のセンサ素子12による外部圧力などの検出は並列に実行することができる。この場合、対象物13を複数のセンサ素子12の突起部7に接触させることができ、触覚センサ20により対象物13の大きさを検出することができる。また、触覚センサ20と対象物13との間の局所的な滑り状態や局所的な摩擦力を検出することができる。このことにより、触覚センサ20をロボットハンドなどに設置すると、重量や摩擦係数が未知の対象物13を把持することが可能になる。
複数のセンサ素子12による突起部7にかかった力の検出は、同時に検出してもよく、スイッチを切り替えることにより順次検出してもよい。

【0030】
4.集積化センサ、温度センサ
集積化センサ30は、本実施形態の触覚センサ20と基材1上に設けられた温度センサ22とを備える。このため、集積化センサ30により、対象物13により突起部7にかかる力と対象物13の温度を同時に検出することができる。
図6は、本実施形態の集積化センサ30の概略上面図であり、図7は、本実施形態の集積化センサ30に含まれる温度検知シート28の概略上面図である。図6に示した集積化センサ30は、図3に示した触覚センサ20に図7に示した温度検知シート28を重ね合わせた構造を有している。

【0031】
集積化センサ30が備える温度センサ22は、対象物13の温度を測定することができるものであれば特に限定されないが、熱電対であってもよく、温度により電気抵抗値が変化する測温抵抗部を備えたセンサであってもよい。温度センサ22は、測温抵抗部を備えたセンサであることが好ましい。このことにより、温度センサ22を印刷法などにより形成することができる。
温度センサ22は、基材1上に直接設けられてもよく、柔軟性シート6上に設けられてもよく、接触部材8上に設けられてもよく、温度センサ用シート24上に設けてもよい。図7のように温度センサ22を温度センサ用シート24上に設け温度検知シート28を形成する場合、温度検知シート28を図3に示したような触覚センサ20に重ね合わせて接着することにより集積化センサ30を形成することができる。この場合、温度センサ22及び温度センサ用配線を温度センサ用シート24上に形成することができるため、歪みセンサ9用の配線11と温度センサ用の配線とを積層することができ、集積化センサ30の小型化が可能になる。また、温度センサ用シート24に接触部材用開口26を設けることにより、温度センサ用シート24が突起部7と重なることを防止することができる。

【0032】
感圧抵抗測定実験
歪みセンサ9を作製し、シリコーンゴムシート32の歪みと感圧抵抗部10の電気抵抗値との関係を調べた。
まず、カーボンナノチューブ(CNT)インクに銀微粒子を混練して作成したペーストを、厚さ0.5mmのシリコーンゴム(PDMS)シート32上に塗布・乾燥することにより感圧抵抗部10を作成した。図8のように、PDMSシート32及び感圧抵抗部10が張り出すようにこのPDMSシート32を試料台33に固定した。そして、図8(b)(c)のようにPDMSシート32の端部の位置を変位させ感圧抵抗部10の電気抵抗値を測定した。なお、図8(b)のようにPDMSシート32の端部の位置を変位させた場合、引張り荷重により感圧抵抗部10が伸張した状態であり、図8(c)のようにPDMSシート32の端部の位置を変位させた場合圧縮荷重により感圧抵抗部10が圧縮された状態である。

【0033】
感圧抵抗測定実験の結果を図9に示す。なお、図9は、感圧抵抗部10の電気抵抗値Rを、図8(a)のように感圧抵抗部10に荷重がかかっていない状態の感圧抵抗部10の電気抵抗値R0で割った値と、PDMSシート32の端部の変位との関係を示している。
図9から感圧抵抗部10が伸長すると感圧抵抗部10の電気抵抗値が大きくなり、感圧抵抗部10が圧縮されると感圧抵抗部10の電気抵抗値が小さくなることがわかった。また、R/R0は、0.04~50で変化することがわかった。従って、感圧抵抗部10をPDMSシート32と共に形状が変化するように設け、感圧抵抗部10の電気抵抗値を測定することによりPDMSシート32に歪みを検知することができることがわかった。

【0034】
歪み検知実験
図1、2に示したような4つの歪みセンサ9a~9dが突起部7の周りに設けられた触覚センサ20を作製し、図2(b)、図10(b)のようにほぼ上方から突起部7に指で約0.3秒荷重をかけ可撓部5を撓ませて歪みセンサ9a~9dの感圧抵抗部10の電気抵抗値の変化を測定した。なお、基材1には、ポリエステル製のシートを用い、柔軟性シート6には、ポリエチレン(PE)製のシートを用い、接触部材8はシリコーンゴム(PDMS)で作製した。また、歪みセンサ9は、CNTインクに銀微粒子を混練して作製したペーストを柔軟性シート6上にスクリーン印刷することにより作製し、配線11は銀ペーストを柔軟性シート6上にスクリーン印刷することにより作製した。また、中空部3の開口は、直径5mmの円とし、突起部7は、直径2mm、高さ1mmの円柱とした。
測定結果を図10(a)に示す。図10(a)では、感圧抵抗部10の電気抵抗値を感圧抵抗部10にかかる圧力に換算している。
図10(a)に示したように、歪みセンサ9a、9dでは、約15mNの圧力が計測され、歪みセンサ9b、9cでは、約12mNの圧力が計測された。従って、ほぼ上方から突起部7に荷重をかけると、歪みセンサ9a~9dで測定される圧力はほぼ同じになることがわかった。

【0035】
次に、図2(c)、図11(b)のように、歪みセンサ9aから歪みセンサ9cに向かう斜め上方向からの荷重を約0.3秒指で突起部7にかけ可撓部5を撓ませて歪みセンサ9a~9dの感圧抵抗部10の電気抵抗値の変化を測定した。
測定結果を図11(a)に示す。図11(a)では、感圧抵抗部10の電気抵抗値を感圧抵抗部10にかかる圧力に換算している。
図11(a)に示したように、荷重方向に配置された歪みセンサ9cでは約13mNの圧力が計測され、歪みセンサ9cと対向するように配置された歪みセンサ9aでは約8.5mNの圧力が計測された。また、歪みセンサ9b、9cでは約5mNの圧力が計測された。従って、斜め上方向からの荷重を突起部7にかけると荷重方向に配置された歪みセンサで最も高い圧力が計測されることがわかった。

【0036】
シミュレーション
図1、2に示したような触覚センサ20について、突起部7にz方向に-20mNの荷重(上方からの荷重)をかけた際の可撓部5の歪みについてシミュレーションを行った。中空部3の開口は、図12(b)に示したように直径5mmの円として計算した。
シミュレーション結果を図12(a)に示す。図12に示したように、上方から突起部7に荷重がかかると、開口の縁に沿って円状に圧力がかかることがわかった。従って、4つの歪みセンサ9a~9dでは、同等の歪みが検出されると考えられる。この結果は、図10(a)に示した歪み検知実験の測定結果と一致している。
従って、4つの歪みセンサ9a~9dから計測される歪みがほぼ同等である場合、対象物13が上方から突起部7に接触したことを触覚センサ20により検出することができる。

【0037】
次に、図1、2に示したような触覚センサ20について、x方向に20mN、z方向に-10mNの荷重(斜め上方向からの荷重)を突起部7にかけた際の可撓部5の歪みについてシミュレーションを行った。中空部3の開口は、直径5mmとして計算した。
シミュレーション結果を図13に示す。図13に示したように、斜め上方向から突起部7に荷重がかかると、荷重方向に配置された歪みセンサ9c付近に大きな圧力がかかることがわかった。従って、4つの歪みセンサ9a~9dのうち歪みセンサ9cで最も大きい歪みが検出されると考えられる。この結果は、図11(a)に示した歪み検知実験の測定結果と一致している。
従って、4つの歪みセンサ9a~9dから測定される歪みのうち1つの歪みセンサ9cから計測される歪みが特に大きい場合、歪みセンサ9cに向かう斜め上方向からの荷重が突起部7にかかったことを触覚センサ20により検出することができる。

【0038】
温度検知実験
測温抵抗部を備えた温度センサ22を作製し、温度センサ22の温度応答性を調べた。測温抵抗部は、CNTインクに高分子材料のPEDOT:PSSを混練して作製したペーストを温度センサ用シート24上に印刷することにより作製した。作製した温度センサ22を図14(b)のように配置し、温度センサ22の上方1mmの箇所に60℃の加熱物体35を約57秒間配置して測温抵抗部の電気抵抗値の変化を測定した。この測定結果を図14(a)に示す。なお、図14(a)では、測温抵抗部の電気抵抗値の変化量ΔRと時間の関係を示している。
図14(a)に示したように、加熱物体35を配置して約20秒で約10%電気抵抗値が変化した。また、加熱物体35を除去して約50秒でΔRは約2%まで回復した。

【0039】
次に、22℃~80℃の加熱物体35を用いて、同様の方法で測温抵抗部の電気抵抗値の変化を測定し測温抵抗部の電気抵抗値の変化量ΔRを調べた。この測定結果を図15に示す。なお、図15に示したΔRは、加熱物体35を配置して電気抵抗値が安定した時点でのΔRである。図15に示したように、22℃~80℃にかけて測温抵抗部の電気抵抗値の変化量ΔRは温度が高くなると比例して大きくなることがわかった。また、感度は0.25%/℃であった。従って、作製した温度センサ22により、1mm上方の加熱物体35の温度を測定することができることがわかった。

【0040】
歪み・温度検知実験
図3に示したような9つのセンサ素子12a~12iを有する触覚センサ20を作製した。また、図7に示したような温度検知シート28を作製した。そして、温度検知シート28を触覚センサ20に重ね合わせて図6のような集積化センサ30を作製した。なお、触覚センサ20の作製方法は、上述の歪み検知実験と同様である。また、隣接する突起部7の間隔は、15mmとした。
温度検知シート28は、ポリエチレンテレフタラート製の温度センサ用シート24上にCNTインクに高分子材料のPEDOT:PSSを混練して作製したペーストを印刷し温度センサ22を形成することにより作製した。なお、温度センサ22は、センサ素子12a~12iにそれぞれ近接するように設けた。

【0041】
まず、図16(a)のように集積化センサ30に含まれるセンサ素子12fの突起部7の上方から指で突起部7に荷重を加え、各歪みセンサ9及び各温度センサ22で測定を行った。この結果を図16(b)(c)に示す。図16(b)に示したように、センサ素子12fの4つの歪みセンサ9で同等の圧力が検出された。このことからセンサ素子12fの突起部7の上方から突起部7に荷重が加えられたことを集積化センサ30により検出することができた。また、図16(c)に示したようにセンサ素子12fに近接して設置した温度センサ22で最も高い温度が測定された。このことから温度の高い対象物13がセンサ素子12fに接近したことを集積化センサ30により検出することができた。
従って、対象物13が集積化センサ30に接触した位置及びこの接触による圧力の大きさ、圧力の方向並びに温度を同時に検出することができた。

【0042】
次に、図17(a)のように集積化センサ30に含まれるセンサ素子12eの突起部7の上方から指で突起部7に荷重を加え、各歪みセンサ9及び各温度センサ22で測定を行った。この結果を図17(b)(c)に示す。図17(b)に示したように、センサ素子12eの4つの歪みセンサ9で同等の圧力が検出された。このことからセンサ素子12eの突起部7の上方から突起部7に荷重が加えられたことを集積化センサ30により検出することができた。また、図17(c)に示したようにセンサ素子12eに近接して設置した温度センサ22で最も高い温度が測定された。このことから温度の高い対象物13がセンサ素子12eに接近したことを集積化センサ30により検出することができた。

【0043】
次に、図18(a)のように集積化センサ30に含まれるセンサ素子12d、12gの突起部7の上方から指で突起部7に荷重を加え、各歪みセンサ9及び各温度センサ22で測定を行った。この結果を図18(b)(c)に示す。図18(b)に示したように、センサ素子12d、12gでそれぞれ4つの歪みセンサ9で同等の圧力が検出された。このことからセンサ素子12d、12gの突起部7の上方から突起部7に荷重が加えられたことを集積化センサ30により検出することができた。また、図18(c)に示したようにセンサ素子12d、12gに近接して設置した2つの温度センサ22で高い温度が測定された。このことから温度の高い対象物13がセンサ素子12d、12gに接近したことを集積化センサ30により検出することができた。
従って、集積化センサ30に含まれる複数のセンサ素子12で同時に圧力などを検出できた。

【0044】
次に、図19(a)のように集積化センサ30に含まれるセンサ素子12dの突起部7に指で斜め上方向から荷重を加え、各歪みセンサ9及び各温度センサ22で測定を行った。この結果を図19(b)(c)に示す。図19(b)に示したように、センサ素子12d4つの歪みセンサ9のうち1つの歪みセンサ9で高い圧力が検出された。このことからこの高い圧力が検出された歪みセンサ9に向かう斜め方向の荷重がセンサ素子12dの突起部7に加えられたことを集積化センサ30により検出することができた。また、図19(c)に示したようにセンサ素子12dに近接して設置した温度センサ22で高い温度が測定された。このことから温度の高い対象物13がセンサ素子12dに接近したことを集積化センサ30により検出することができた。

【0045】
次に、図20(a)のように集積化センサ30に含まれるセンサ素子12bの突起部7に指で斜め上方向から荷重を加え、各歪みセンサ9及び各温度センサ22で測定を行った。この結果を図20(b)(c)に示す。図20(b)に示したように、センサ素子12bの4つの歪みセンサ9のうち1つの歪みセンサ9で高い圧力が検出された。このことからこの高い圧力が検出された歪みセンサ9に向かう斜め方向の荷重がセンサ素子12bの突起部7に加えられたことを集積化センサ30により検出することができた。また、図20(c)に示したようにセンサ素子12bに近接して設置した温度センサ22で高い温度が測定された。このことから温度の高い対象物13がセンサ素子12bに接近したことを集積化センサ30により検出することができた。

【0046】
次に、図21(a)のように集積化センサ30に含まれるセンサ素子12c、12fの突起部7に指で斜め上方向から荷重を加え、各歪みセンサ9及び各温度センサ22で測定を行った。この結果を図21(b)(c)に示す。図21(b)に示したように、センサ素子12cの4つの歪みセンサ9のうち1つの歪みセンサ9で高い圧力が検出され、センサ素子12fの4つの歪みセンサ9のうち2つの歪みセンサ9で高い圧力が検出された。このことからセンサ素子12cではこの高い圧力が検出された歪みセンサ9に向かう斜め方向の荷重がセンサ素子12cの突起部7に加えられたことを集積化センサ30により検出することができた。センサ素子12fでは、荷重が加えられた方向を検出することはできなかった。これは突起部7にかかる荷重が大きすぎたためと考えられる。また、図21(c)に示したようにセンサ素子12c、12fに近接して設置した温度センサ22で高い温度が測定された。このことから温度の高い対象物13がセンサ素子12c、12fに接近したことを集積化センサ30により検出することができた。
【符号の説明】
【0047】
1:基材 3:中空部 5:可撓部 6:柔軟性シート 7:突起部 8:接触部材 9、9a、9b、9c、9d:歪みセンサ 10:感圧抵抗部 11:配線 12:センサ素子 13:対象物 14:接続端子 15:高分子材料 16:導電性微粒子 17:カーボンナノチューブ 20:触覚センサ 22:温度センサ 24:温度センサ用シート 26:接触部材用開口 28:温度検知シート 30:集積化センサ 32:シリコーンゴムシート 33:試料台 35:加熱物体
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
20