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明細書 :紫外線発生装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第5881923号 (P5881923)
登録日 平成28年2月12日(2016.2.12)
発行日 平成28年3月9日(2016.3.9)
発明の名称または考案の名称 紫外線発生装置
国際特許分類 H01J  65/00        (2006.01)
H01J  61/56        (2006.01)
F21S   2/00        (2016.01)
FI H01J 65/00 B
H01J 61/56 N
F21S 2/00 311
請求項の数または発明の数 10
全頁数 32
出願番号 特願2015-552938 (P2015-552938)
出願日 平成27年6月10日(2015.6.10)
国際出願番号 PCT/JP2015/066683
優先権出願番号 2014122855
2014162799
優先日 平成26年6月13日(2014.6.13)
平成26年8月8日(2014.8.8)
優先権主張国 日本国(JP)
日本国(JP)
審査請求日 平成27年10月27日(2015.10.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000236920
【氏名又は名称】富山県
発明者または考案者 【氏名】松本 和憲
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100078031、【弁理士】、【氏名又は名称】大石 皓一
【識別番号】100077779、【弁理士】、【氏名又は名称】牧 哲郎
【識別番号】100078260、【弁理士】、【氏名又は名称】牧 レイ子
【識別番号】100200942、【弁理士】、【氏名又は名称】岸本 高史
審査官 【審査官】桐畑 幸▲廣▼
参考文献・文献 特開2006-93083(JP,A)
西独国特許出願公開第2246365(DE,A)
調査した分野 H01J 65/00
H01J 61/56
F21S 2/00
要約 発光強度が高い紫外線を一様に発生することができる紫外線発生装置を提供する。
ループ状に形成された電気絶縁性の放電管(5)と、放電管(5)と同じループ状になるように放電管(5)に沿って配置された複数の分割電極(6)と、放電管(5)を囲むように配置され、放電管(5)内に閉じた磁場を形成する磁石(2,3,4)とにより紫外線ランプ(10)を形成し、この紫外線ランプ(10)の分割電極(6)に多相交流電源を接続してその多相交流放電電圧を隣り合う分割電極(6)に位相をずらして印加し、これにより生じた放電プラズマ(P)により紫外線を発生する。
特許請求の範囲 【請求項1】
ループ状に形成された電気絶縁性の放電管であって、15/85<酸素ガス/窒素ガス<30/70の混合比で、酸素ガスと窒素ガスが混合された混合ガスが封入されている放電管と、放電管と前記同じループ状になるように前記放電管の外表面に所定の間隔を隔てて、取り付けられた複数の分割電極と、前記放電管を囲むように配置され、前記放電管内に閉じた磁場を形成する磁石とにより紫外線ランプを形成し、
前記紫外線ランプの分割電極に多相交流電源を接続して、その多相交流放電電圧を隣り合う分割電極に位相をずらして印加しこれにより生じた放電プラズマにより紫外線を発生するように構成された紫外線発生装置であって、
前記紫外線ランプが、全体としてループ状に取り付けられた3つ以上の分割電極と、長さが異なり、枠状をなした3つの磁石を備え、前記3つの枠状の磁石のうち、最も長さが長い枠状の磁石が最も外側に、最も長さが短い枠状の磁石が最も内側に、中間の長さを有する枠状の磁石が中央に、それぞれ配置され、最も外側に配置された枠状の磁石の極性と中央に配置された枠状の磁石の極性が逆で、かつ、中央に配置された枠状の磁石の極性と最も内側に配置された枠状の磁石の極性が逆になるように、前記3つの枠状の磁石が配置され、前記電気絶縁性の放電管が前記3つの磁石の間に囲まれるように配置されるとともに、中央に配置された前記枠状の磁石と最も外側に配置された前記枠状の磁石との間の磁力線および中央に配置された前記枠状の磁石と最も内側に配置された前記枠状の磁石との間の磁力線が、前記電気絶縁性の放電管を横切るように、前記電気絶縁性の放電管および前記枠状の3つの磁石が配置され、
前記酸素ガスと窒素ガスが混合された混合ガスが0.5Torrないし1.0Torrの初期封入圧力で、前記放電管内に封入されていることを特徴とする紫外線発生装置。
【請求項2】
前記3つの枠状の磁石のうち、中央に配置された中間の長さを有する磁石がループ状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の紫外線発生装置。
【請求項3】
前記3つの枠状の磁石がループ状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の紫外線発生装置。
【請求項4】
前記電気絶縁性の放電管の外周面に所定の間隔を隔てて取り付けられたN個の分割電極(Nは3以上の整数である。)に、N相交流電源が接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紫外線発生装置。
【請求項5】
前記電気絶縁性の放電管の外周面に所定の間隔を隔てて、6個の分割電極が取り付けられ、6個の分割電極に6相交流電源が接続されていることを特徴とする請求項4に記載の紫外線発生装置。
【請求項6】
前記3つの磁石が永久磁石によって構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の紫外線発生装置。
【請求項7】
前記3つの磁石が磁気シールド部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の紫外線発生装置。
【請求項8】
前記紫外線ランプの周囲を反射板で囲み、この紫外線ランプの分割電極に多相交流電源を接続してその多相交流放電電圧を隣り合う分割電極に位相をずらして印加し、これにより生じた放電プラズマにより紫外線を発生することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の紫外線発生装置。
【請求項9】
前記放電管内に、0.20≦酸素ガス/窒素ガス≦0.35の混合比で、酸素ガスと窒素ガスが混合された混合ガスが封入されていることを特徴とする請求項1ないし8に記載の紫外線発生装置。
【請求項10】
前記多相交流放電電圧が900Vないし1000Vに設定されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の紫外線発生装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線発生装置に関するものであり、さらに詳細には、発光強度が高い紫外線を空間的に一様に且つ時間的に連続して発生することができる紫外線発生装置に関し、また発光強度が高い紫外線を長時間にわたって発生させることができる紫外線発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光硬化性材料の塗膜を硬化させて、塗装する光硬化塗装は、臭気が少なく、数秒という短時間で、塗膜を硬化させることができるため、種々の分野で広く用いられている。
【0003】
しかし、光硬化塗装は、紫外線によって塗膜を硬化するため、塗膜硬化時に大きな電力を消費するとともに、大量の水銀を含む高圧水銀ランプを使用することが必要であり、エネルギーおよび地球環境問題が国内外において大きな関心が寄せられている今、地球環境に有害な水銀を用いることなく、少ないエネルギーで、光硬化性材料の塗膜を硬化させることができる紫外線発生装置の開発が切望されている。
【0004】
本発明者らは、WO 2009123258 A1(特許文献1)において、弱電離性低温プラズマにより、窒素ガスで希釈した一酸化窒素ガスよりなる分子性混合ガスを励起することによって、200nmないし300nmの波長域に強い紫外線を放射できるということを明らかにした。
【0005】
また、上述にように、地球環境問題への関心の高まりに伴って、地球環境に有害な水銀を用いることがない紫外線ランプの開発が進められており、紫外線源としてキセノンを用いた紫外線ランプが実用化されている。
【0006】
しかし紫外線源としてキセノンを用いた紫外線ランプは、水銀を紫外線源とする紫外線ランプに比して、発光効率が劣るという問題があった。
【0007】
また、酸素ガスを含むガスを紫外線源として、放電管内に封入する紫外線ランプにおいては、放電中に、化学的に一層活性化した酸素ガスが、放電管に存在する内容物および壁と反応して、消失(クリーンアップ)してしまうという問題があった。
【0008】
このような放電型ランプにおけるクリーンアップ現象は、酸素ガス以外の封入ガスでも発生するため、これまで、種々の対策法が提案されてきた。
【0009】
たとえば、ガスを封入する前に、アルゴンガスなどの希ガスを用いて、放電管内を放電洗浄し、封入ガスの放電管の内表面および電極などの内蔵物の表面への吸着を抑制する方法や、放電管の内表面および電極などの内蔵物の表面に保護膜を形成して、封入ガスと放電管の内表面および電極などの内蔵物の表面とが接触させないようにして、封入ガスが放電管の内表面および電極などの内蔵物の表面に吸着し、あるいは、反応することを防止する方法が提案されている。
【0010】
また、窒素を紫外線源とする紫外線ランプにおいては、放電時間が長くなるにつれて、窒素の圧力が低下し、紫外線を発生させることができなくなり、寿命が短いという問題があり、特開2008-041275号公報(特許文献2)は、ガスを排気した放電管内に窒素ガスを導入し、窒素ガスが導入された放電管内で、予備的に放電を発生させ、予備的放電後に、放電管内のガスを排気し、ガスが排気された放電管内に、窒素ガスと希ガスとを導入することによって、放電時間が長くなるにつれて、窒素の圧力が低下するという問題の解決手段を提案している。
【先行技術文献】
【0011】

【特許文献1】WO 2009123258 A1
【特許文献2】特開2008-041275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、特許文献1に記載された方法では、放電プラズマ内で、分子性ガスが解離しやすいという問題があり、つねに新しい分子性ガスを大量に流し続けるか、あるいは、解離したガスから元のガスを合成するかなどの手段を講じなければならないという場合があった。
【0013】
本発明者はさらに、酸素ガスおよび窒素ガスを筒状の放電空間内に封入し、筒状の放電空間の長さ方向に沿って分割された電極が、電極間にかかる電圧を位相設定により調整した多相交流電源に接続された紫外線放射装置を発明した。
【0014】
かかる紫外線放射装置によれば、筒状の放電空間に、窒素ガスと酸素ガスの混合ガスを密閉するので、放電空間内の窒素ガスと酸素ガスの一部が放電プラズマにより解離して、窒素と酸素を生成し、生成した窒素と酸素とから、励起状態の一酸化窒素ガスが生成され、こうして生成された一酸化窒素ガスから短波長(200nmないし300nm)の紫外線を発生させ、窒素ガスから中波長(300nmないし400nm)の紫外線を発生させることが可能になる。
【0015】
しかしながら、かかる紫外線放射装置においては、直管状の紫外線ランプを用いているため、直管状の紫外線ランプの両端部の分割電極には、隣り合った分割電極がなく、両端部の分割電極と、隣り合った分割電極の端部との間に電圧を印加することができないため、直管状の紫外線ランプの両端部において、発生する紫外線の強度が極端に低くなって、一様に発光強度が高い紫外線を発生することができないという問題があった。
【0016】
したがって、本発明は、発光強度が高い紫外線を空間的に一様に発生することができる紫外線発生装置を提供することを目的とするものである。
【0017】
一方、特許文献2が提案する方法においては、一旦、放電管内に窒素ガスを導入し、窒素ガスが導入された放電管内で、予備的に放電を発生させた後に、放電管内のガスを排気しているため、予備的な放電によって、放電管の壁内に吸収された窒素ガスも放電管内から排気されてしまい、放電時間を十分に長くし、長時間にわたって、紫外線を発生させることができないという問題があった。
【0018】
したがって、本発明の別の目的は、長時間にわたって、発光強度が高い紫外線を発生させることができる紫外線発生装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者は、本発明の前記目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、ループ状に形成された電気絶縁性の放電管であって、15/85<酸素ガス/窒素ガス<30/70の混合比で、酸素ガスと窒素ガスが混合された混合ガスが0.5Torrないし1.0Torrの初期封入圧力で、封入されている放電管と、放電管と同じループ状になるように放電管の外表面に所定の間隔を隔てて、取り付けられた複数の分割電極と、放電管を囲むように配置され放電管内に閉じた磁場を形成する磁石とにより形成された紫外線ランプであって、全体としてループ状に取り付けられた3つ以上の分割電極と、長さが異なり、枠状をなした3つの磁石を備え、前記3つの枠状の磁石のうち、最も長さが長い枠状の磁石が最も外側に、最も長さが短い枠状の磁石が最も内側に、中間の長さを有する枠状の磁石が中央に、それぞれ配置され、最も外側に配置された枠状の磁石の極性と中央に配置された枠状の磁石の極性が逆で、かつ、中央に配置された枠状の磁石の極性と最も内側に配置された枠状の磁石の極性が逆になるように、前記3つの枠状の磁石が配置され、前記電気絶縁性の放電管が前記3つの磁石の間に囲まれるように配置されるとともに、中央に配置された前記枠状の磁石と最も外側に配置された前記枠状の磁石との間の磁力線および中央に配置された前記枠状の磁石と最も内側に配置された前記枠状の磁石との間の磁力線が、前記電気絶縁性の放電管を横切るように、前記電気絶縁性の放電管および前記枠状の3つの磁石が配置された紫外線ランプの分割電極に多相交流電源を接続してその多相交流放電電圧を隣り合う分割電極に位相をずらして印加し、これにより生じた放電プラズマにより紫外線を発生させる場合には、複数の分割電極がループ状に配置され、すべての分割電極は、隣り合った分割電極を有しているから、すべての隣り合った分割電極間に電圧を印加することができ、したがって、強度が高く、空間的に一様性の高い紫外線を時間的に連続して発生させることが可能になることを見出した。
本明細書において、「ループ」とは、隅部が曲線的に形成されたものだけでなく、直角に形成されたものも含んでいる。例えば楕円形に限らず四角形も「ループ」に含まれる。
【0020】
さらに、本発明者は、長時間にわたって、発光強度が高い紫外線を発生させることができる紫外線発生方法および装置を開発すべく、鋭意研究を重ねたところ、窒素ガスと酸素ガスの分子性混合ガスを石英製の放電管内に封入し、予備的に放電を発生させると、窒素ガスと酸素ガスの分子性混合ガスの圧力が急激に低下し、窒素ガスと酸素ガスが放電管の壁内に急激に吸蔵されるということを見出した。
【0021】
すなわち、本発明者は、複数の分割電極をループ状に配置して、紫外線ランプが構成された紫外線発生装置の石英製の放電管内に、種々のガスを封入し、予備的に放電を発生させたときのガス圧力の変化を測定した。
【0022】
まず、本発明者は、紫外線発生装置の石英製の放電管内に、Arガスを封入し、予備的に放電を発生させたときのArガスの圧力の変化を測定したところ、図1に示されるように、放電管の温度が一定の状態で、Arガスの圧力は徐々に低下し、Arガスが放電管の壁内にわずかに吸蔵されることが見出された。ここに、放電管の温度は紫外線ランプの中央部の温度を指している。
【0023】
本発明者は、次いで、紫外線発生装置の石英製の放電管内に、窒素ガスを封入し、予備的に放電を発生させたときの窒素ガスの圧力の変化を測定したが、図2に示されるように、放電管の温度が一定の状態で、窒素ガスの圧力がわずかに低下し、窒素ガスの場合にも、予備的に放電を発生させたときに、窒素ガスの放電管の壁内への吸蔵量はごくわずかであるということが判明した。
【0024】
さらに、本発明者は、紫外線発生装置の石英製の放電管内に、酸素ガスを封入し、予備的に放電を発生させたときの酸素ガスの圧力の変化を測定したところ、図3に示されるように、放電管の温度が一定の状態で、時間経過とともに、酸素ガスの圧力が低下し、酸素ガスが放電管の壁内に吸蔵されることが見出されたが、酸素ガスの圧力の低下はそれほど大きくはなく、酸素ガスの放電管の壁内への吸蔵量は十分に多くはないということを見出した。
【0025】
そこで、本発明者は、15%の酸素ガスと85%の窒素ガスとの混合ガスを紫外線発生装置の石英製の放電管内に封入し、約5分にわたって、予備的に放電を発生させたときの酸素ガスと窒素ガスとの混合ガスの圧力の変化を測定したところ、図4に示されるように、放電管の温度が一定の状態で、時間経過とともに、酸素ガスと窒素ガスとの混合ガスの圧力が急激に低下し、他のガスを封止した場合に比して、特異的な現象が観察され、多量の酸素ガスと窒素ガスとの混合ガスが放電管の壁内に吸蔵されることが見出された。
【0026】
本発明者は、さらに、15%の酸素ガスと85%の窒素ガスとの混合ガスを紫外線発生装置の石英製の放電管内に封入し、約30分にわたって、放電プラズマを発生させたときの酸素ガスと窒素ガスとの混合ガスの圧力変化を測定した。測定結果は図5に示されている。
【0027】
図5に示されるように、15%の酸素ガスと85%の窒素ガスとの混合ガスの圧力は、放電開始後、時間経過とともに低下するが、混合ガスの圧力低下は、放電を開始してから約10分を経過すると、飽和することがわかった。
【0028】
図6は、酸素ガス濃度が15%で、窒素ガス濃度が85%である混合ガスを0.50Torrの初期圧力で石英製の放電管内に封入し、放電を発生させたときの放電管内の酸素ガスと窒素ガスとの混合ガス組成のスペクトルの時間的な変化を示したグラフであり、図6(a)は、放電プラズマを発生させる前の混合ガス組成のスペクトルであり、図6(b)は、放電プラズマを発生させてから、2分を経過したときの混合ガス組成のスペクトル、図6(c)は、放電プラズマを発生させてから、5分を経過したときの混合ガス組成のスペクトルで、図6(d)は、放電プラズマを発生させてから、10分を経過したときの混合ガス組成のスペクトルである。
【0029】
放電管内に封入したのは、15%の酸素ガスと85%の窒素ガスを含む混合ガスで、酸素ガスと窒素ガスの混合比は、約1:5.7であるが、図6(a)における酸素ガスと窒素ガスとの振幅比は約1:13となっている。これは、QMAの酸素に対する感度が低いためである。
【0030】
図6(b)、図6(c)および図6(d)に示されるように、時間経過とともに、酸素成分は減少し、放電プラズマを発生させてから10分を経過したときには、石英製の放電管内の酸素ガスはほとんどなくなっていることが認められた。
【0031】
ここに、放電プラズマを発生させてから2分経過後から、約40M/Zのところに現れていた信号は、放電洗浄時に放電管の壁内に取り込まれたArガスが、酸素ガスが放電管の壁内に吸蔵されるとともに、放電管の壁から放出されたものと認められる。
【0032】
図7は、15%の酸素ガスと85%の窒素ガスとの混合ガスを紫外線発生装置の石英製の放電管内に封入し、放電プラズマを発生させた後における放電管内のガス組成の時間的変化を測定したグラフである。
【0033】
図7に示されるように、酸素ガス成分は時間経過とともに急激に減少し、10分経過後には、ほとんどなくなっており、酸素ガス成分の減少に伴って、Arガス成分が増加していることがわかる。
【0034】
本発明者は、さらに、酸素ガス濃度を15%から30%に徐々に変化させて、放電を発生させた場合の経時的な酸素ガスと窒素ガスとの混合ガスの圧力変化を測定したところ、上述のように、酸素ガス濃度が15%のときには、酸素がわずかに不足し、酸素ガス濃度が30%のときには、酸素による解離損失が大きくなり、紫外線の発光強度が弱くなるということが見出された。
【0035】
図8は、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスを0.50Torrの初期圧力で石英製の放電管内に封入し、放電を発生させた場合の混合ガス圧力の変化を示すグラフである。
【0036】
図8に示されるように、放電管の温度が一定であるにもかかわらず、放電時間にしたがって、混合ガス圧力は急激に低下し、放電の開始から約10分を経過すると、混合ガス圧力の低下が飽和することが判明した。
【0037】
図9は、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスを0.50Torrの初期圧力で放電管内に封止し、放電プラズマを発生させた場合における石英製の放電管内のガス組成の時間的変化を測定したグラフである。
【0038】
図9に示されるように、放電プラズマを発生させると、石英製の放電管内の酸素ガス濃度は時間経過とともに低下するが、放電プラズマ発生後、20分ないし25分を経過した時点で、酸素ガスの放電管の壁部内への吸蔵に起因する酸素ガス濃度の低下は飽和し、その後も、放電管内には、放電管の壁部内に吸蔵されていない酸素ガスが残存しており、放電管内での酸素ガスのクリーンアップを防止し得ることが見出された。
【0039】
図10は、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスを0.60Torrの初期圧力で放電管内に封入し、放電を発生させた場合の混合ガス圧力の変化を示すグラフである。
【0040】
図10に示されるように、放電管の温度が一定であるにもかかわらず、放電時間にしたがって、混合ガス圧力は低下し、放電の開始から約10分を経過すると、混合ガス圧力の低下が飽和し、したがって、放電の開始から約10分を経過すると、酸素ガスおよび窒素ガスの石英製の放電管の壁部内への吸蔵は飽和することが判明した。図10のデータから、混合ガス圧力の飽和値は、設定したい充填ガス圧力値の0.5Torrにほぼ等しくなることが読み取れる。
【0041】
本発明者が放電管の混合ガス組成を測定したところ、放電プラズマ発生後、20分ないし25分を経過した時点で、酸素ガスの放電管の壁部内への吸蔵に起因する酸素ガス濃度の低下は飽和したが、その後も、放電管内には、放電管の壁部内に吸蔵されていない酸素ガスが残存しており、放電管内での酸素ガスのクリーンアップを防止し得ることが判明した。
【0042】
また、残存した酸素ガス濃度と窒素ガス濃度の比率は、設定したい濃度比の15%:85%にほぼ等しくなることも判明した。
【0043】
したがって、複数の分割電極がループ状に配置された紫外線ランプの放電管内に、15/85<酸素ガス/窒素ガス<30/70の混合比で、酸素ガスと窒素ガスが混合された混合ガスを封入し、放電をさせることによって、長時間にわたって、発光強度が高い紫外線を発生させることが可能になることが見出された。
【0044】
本発明者の実験によれば、15/85<酸素ガス/窒素ガス<30/70の混合比で、酸素ガスと窒素ガスが混合された混合ガスを放電管内に封入し、放電プラズマを発生させると、急激に混合ガスの圧力が低下し、酸素ガスが放電管の壁内に吸蔵され、十分な量の酸素ガスが放電管の壁内に吸蔵されると、定常状態に達し、放電を続けても、酸素ガスが消失することがなく、酸素のクリーンアップ現象を防止することが可能になるから、十分に長い時間にわたって、紫外線を発生させることができることが判明した。
【0045】
本発明において、放電管内に封入される酸素ガスと窒素ガスとの混合ガスが、0.20≦酸素ガス/窒素ガス≦0.35の混合比で、酸素ガスと窒素ガスが混合されていることが好ましい。
【0046】
また、本発明において、放電印加電圧が900Vないし1000Vであることが好ましい。
【0047】
本発明においては、前記紫外線ランプが、全体としてループ状に取り付けられた3つ以上の分割電極と、長さが異なり、枠状をなした3つの磁石を備え、前記3つの枠状の磁石のうち、最も長さが長い枠状の磁石が最も外側に、最も長さが短い枠状の磁石が最も内側に、中間の長さを有する枠状の磁石が中央に、それぞれ配置され、最も外側に配置された枠状の磁石の極性と中央に配置された枠状の磁石の極性が逆で、かつ、中央に配置された枠状の磁石の極性と最も内側に配置された枠状の磁石の極性が逆になるように、前記3つの枠状の磁石が配置され、前記電気絶縁性の放電管が前記3つの磁石の間に囲まれるように配置されるとともに、中央に配置された前記枠状の磁石と最も外側に配置された前記枠状の磁石との間の磁力線および中央に配置された前記枠状の磁石と最も内側に配置された前記枠状の磁石との間の磁力線が、前記電気絶縁性の放電管を横切るように、前記電気絶縁性の放電管および前記枠状の3つの磁石が配置されている。
【0048】
本発明においては、前記紫外線ランプがこのように構成されているため、中央に配置された枠状の磁石と最も外側に配置された枠状の磁石との間の磁力線および中央に配置された枠状の磁石と最も内側に配置された枠状の磁石との間の磁力線が、電気絶縁性の放電管を横切るように、電気絶縁性の放電管および3つの枠状の磁石が配置されているから、発生したプラズマを、電気絶縁性の放電管内の所定の領域に閉じ込めることができ、したがって、強度の高い紫外線を発生させることが可能になる。
【0049】
また、かかる構成に紫外線ランプによれば、3つ以上の分割電極がループ状に形成された電気絶縁性の放電管の外表面に所定の間隔を隔てて取り付けられているから、すべての分割電極の両側に隣り合った分割電極が配置されており、したがって、紫外線を一様に発光させることが可能になる。
【0050】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記3つの枠状の磁石のうち、中央に配置された中間の長さを有する磁石がループ状をなし、同じようにループ状をなす放電管に沿っている。
【0051】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記3つの枠状の磁石がループ状をなしている。
【0052】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記電気絶縁性の放電管の外周面に所定の間隔を隔てて取り付けられたN個の分割電極(Nは3以上の整数である。)に、N相交流電源が接続されている。
【0053】
かかる本発明のさらに好ましい実施態様によれば、N個の分割電極にN相の交流電圧を印加すると、放電は1周期の間に、N個の分割電極間を一回りするので、1秒間に、印加周波数だけ放電が回転し、したがって、どの時刻においても、いずれかの分割電極間で放電が起こり、低周波数の交流放電にもかかわらず、高周波点灯のような連続バリア放電が発生し、放電の結果、プラズマが発生するから、プラズマによって、前記電気絶縁性の放電管内に封入された分子性ガスが励起され、強度が高い紫外線を一様に発生させることが可能になる。
【0054】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記電気絶縁性の放電管の外周面に所定の間隔を隔てて、6個の分割電極が取り付けられ、6個の分割電極に6相交流電源が接続されている。
【0055】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記枠状の3つの磁石が永久磁石によって構成されている。
【0056】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記3つのループ状磁石が磁気シールド部材に取り付けられている。
【発明の効果】
【0064】
本発明によれば、複数の分割電極がループ状に配置され、すべての分割電極は、隣り合った分割電極を有しているから、すべての隣り合った分割電極間に電圧を印加することができ、したがって、発光強度が高く、空間的に一様性の高い紫外線を発生することができる紫外線発生装置を提供することが可能になる。
【0065】
さらに、本発明によれば、紫外線ランプの分割電極に多相交流電源を接続してその多相交流放電電圧を隣り合う分割電極に位相をずらして印加し、これにより生じた放電プラズマにより紫外線を発生するので、どの時刻においても、いずれかの分割電極間で放電が起こり、低周波数の交流放電にもかかわらず、高周波点灯のような連続バリア放電が発生するから、時間的に連続的な紫外線を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、Arガスを放電管内に封入し、予備的に放電を発生させたときのArガスの圧力の変化を示すグラフである。
【図2】図2は、窒素ガスを放電管内に封入し、予備的に放電を発生させたときの窒素ガスの圧力の変化を示すグラフである。
【図3】図3は、酸素ガスを放電管内に封入し、予備的に放電を発生させたときの酸素ガスの圧力の変化を示すグラフである。
【図4】図4は、酸素ガス濃度が15%で、窒素ガス濃度が85%の混合ガスを放電管内に封入し、約5分にわたって、予備的に放電を発生させたときの酸素ガスと窒素ガスの混合ガスの圧力の変化を示すグラフである。
【図5】図5は、酸素ガス濃度が15%で、窒素ガス濃度が85%の混合ガスを放電管内に封入し、約30分にわたって、放電プラズマを発生させたときの酸素ガスと窒素ガスの混合ガスの圧力の変化を示すグラフである。
【図6】図6は、酸素ガス濃度が15%で、窒素ガス濃度が85%の混合ガスを0.50Torrの初期圧力で放電管内に封入し、放電を発生させたときの放電管内の混合ガス組成のスペクトルの時間的な変化を示したグラフであり、図6(a)は、放電プラズマを発生させる前の混合ガス組成のスペクトルであり、図6(b)は、放電プラズマを発生させてから、2分を経過したときの混合ガス組成のスペクトル、図6(c)は、放電プラズマを発生させてから、5分を経過したときの混合ガス組成のスペクトルで、図6(d)は、放電プラズマを発生させてから、10分を経過したときの混合ガス組成のスペクトルである。
【図7】図7は、酸素ガス濃度が15%で、窒素ガス濃度が85%の混合ガスを放電管内に封入し、放電プラズマを発生させた後における放電管内のガス組成の時間的変化を測定したグラフである。
【図8】図8は、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスを0.50Torrの初期圧力で放電管内に封入し、放電を発生させた場合の混合ガス圧力の変化を示すグラフである。
【図9】図9は、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスを0.50Torrの初期圧力で放電管内に封止し、放電プラズマを発生させたときの放電管内の混合ガス組成の時間的変化を測定したグラフである。
【図10】図10は、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスを0.60Torrの初期圧力で放電管内に封入し、放電を発生させた場合の混合ガス圧力の変化を示すグラフである。
【図11】図11は、本発明の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置における磁石の配置を示す略平面図である。
【図12】図12は、図11に示された本発明の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置に用いられている紫外線ランプにおける分割電極の配置を示す平面図である。
【図13】図13は、本発明の好ましい実施態様にかかる紫外線ランプの略平面図である。
【図14】図14は、図13のX-X線に沿った拡大断面図である。
【図15】図15は、図14のY-Y線に沿った断面図である。
【図16】図16は、図11ないし図15に示された本発明の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置の電源接続図である。
【図17】図17は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置に用いられている石英製の放電管5の平面図である。
【図18】図18は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置に用いられている分割電極の平面図である。
【図19】図19は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置に用いられている磁石の配置を示す略平面図である。
【図20】図20は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる紫外線ランプの略平面図である。
【図21】図21は、図20のX-X線に沿って切断した断面図である。
【図22】図22は、実施例1における電極の配置を示すものであり、x軸、y軸およびz軸が定義されている。
【図23】図23は、実施例1における磁石の配置を示す略平面図である。
【図24】図24は、比較例1における電極の配置を示す略平面図である。
【図25】図25は、比較例1における永久磁石の配置を示す略平面図である。
【図26】図26は、実施例1において、紫外線ランプに印加される6相交流電圧の波形である。
【図27】図27(a)は、比較例1の紫外線ランプ#2に6相交流電圧を印加したときの図24のB1線-B1線に沿ったRGB成分の発光輝度分布であり、図27(b)は、図24のB2線-B2線に沿ったRGB成分の発光輝度分布である。
【図28】図28(a)は、実施例1の紫外線ランプ#1に6相交流電圧を印加したときの図22のA1線-A1線に沿ったRGB成分の発光輝度分布であり、図28(b)は、図22のA2線-A2線に沿ったRGB成分の発光輝度分布である。
【図29】図29は、実施例1の紫外線ランプ#1における放射スペクトルを示すグラフである。
【図30】図30は、比較例1の紫外線ランプ#2における平均放電相電圧振幅Vac[V]と、平均放電相電流振幅Iac[mA]と、平均総合放電電力Pac[W]との関係を示すグラフである。
【図31】図31は、実施例1の紫外線ランプ#1における平均放電相電圧振幅Vac[V]と、平均放電相電流振幅Iac[mA]と、平均総合放電電力Pac[W]との関係を示すグラフである。
【図32】図32は、比較例1の紫外線ランプ#2における平均放電相電圧振幅Vac[V]と、放射束密度I[mW/cm2]との関係を示すグラフである。
【図33】図33は、実施例1にかかる紫外線ランプ#1における平均放電相電圧振幅Vac[V]と、放射束密度I[mW/cm2]との関係を示すグラフである。
【図34】図34は、比較例1の紫外線ランプ#2における総合放電電力Pac[W]と放射束密度I[mW/cm2]との関係を示すグラフである。
【図35】図35は、実施例1にかかる紫外線ランプ#1における総合放電電力Pac[W]と放射束密度I[mW/cm2]との関係を示すグラフである。
【図36】図36は、比較例1の紫外線ランプ#2において、y=0、z=20mmに設定し、xの値(mm)を変化させたときの放射束密度I[mW/cm2]を測定したグラフである。
【図37】図37は、実施例1にかかる紫外線ランプ#1において、y=0、z=20mmに設定し、xの値(mm)を変化させたときの放射束密度I[mW/cm2]を測定したグラフである。
【図38】図38は、実施例3に用いる紫外線ランプ#3の配置図である。
【図39】図39は、箱体Bに紫外線ランプ#3を5本並べて収容した状態を模式的に示す斜視図である。
【図40】図40は、図39のA-A線に沿う断面図である
【図41】図41は、図39のB—B線に沿う断面図である。
【図42】図42は、並べた状態の紫外線ランプ#3の断面図である。
【図43】図43は、実施例3における紫外線ランプ#3からの高さ方向の距離と紫外線強度の関係を示すグラフである。
【図44】図44は、実施例3における紫外線ランプ#3の横断方向の距離と紫外線強度の関係を示すグラフである。そのうち、(1)は箱体Bの平面図で、(2)は(1)における(a)線に沿う位置と紫外線強度の関係を示し、(3)は(1)における(b)線に沿う位置と紫外線強度の関係を示す。X軸とY軸は紫外線ランプ#3の最外側面に沿い、マイナスの数値は紫外線ランプ#3の外側の箱Bの側壁を意味する。
【図45】図45は、実施例3における紫外線ランプ#3の長さ方向の距離と紫外線強度の関係を示すグラフである。そのうち、(1)は箱体Bの平面図で、(2)は(1)における(a)線に沿う位置と紫外線強度の関係を示し、(3)は(1)における(b)線に沿う位置と紫外線強度の関係を示す。X軸とY軸は紫外線ランプ#3の最外側面に沿い、マイナスの数値は紫外線ランプ#3の外側の箱Bの側壁を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図11は、本発明の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置における磁石の配置を示す略平面図である。

【0068】
図11に示されるように、本発明の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置1においては、平面視において、ループ状に形成された永久磁石2、永久磁石3および永久磁石4が設けられている。

【0069】
図11においては、永久磁石2、永久磁石3および永久磁石4はいずれも閉じた形状をなしている。

【0070】
3つの永久磁石2、3、4のうち、磁石2の長さが最も長く、永久磁石3の長さが二番目に長く、永久磁石4の長さが最も短くなるように形成されており、図11においては、永久磁石2の内側に、永久磁石3が配置され、永久磁石3の内側に、永久磁石4が配置されている。

【0071】
図11において、最も外側に配置されたループ状の永久磁石2と最も内側に配置されたループ状の永久磁石4とは極性が同一で、中央に配置されたループ状の永久磁石3の極性が、最も外側に配置されたループ状の永久磁石2の極性および最も内側に配置されたループ状の永久磁石4の極性とが逆になるように、それぞれ配置されている。本実施態様においては、最も外側に配置されたループ状の永久磁石2と最も内側に配置されたループ状の永久磁石4はN極が内を向き、中央に配置されたループ状の永久磁石3はS極が上を向くように配置されている。

【0072】
図12は、図11に示された本発明の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置1に用いられている分割電極の略平面図である。

【0073】
図12に示されるように、ループ状をなした石英製の放電管5の外表面に、たとえば、アルミニウムをスパッタリングすることによって、所定の長さのアルミニウム箔により、鏡面状の6つの分割電極6、6、6、6、6、6が形成され、これら6つの分割電極6、6、6、6、6、6によって、ループ状電極7が構成されている。隣り合った分割電極6,6は、たとえば、3mmの間隔を隔てて、石英製の放電管5の外表面に貼り付けられている。各分割電極6は円筒形の放電管5の半周にわたって形成されている。図12において、参照符号20が付されているのは、後述する枝管である。

【0074】
図13は、本発明の好ましい実施態様にかかる紫外線ランプの略平面図である。

【0075】
紫外線ランプ10は、分割電極6をループ状に配置した電極7と、それぞれ、ループ状をなした永久磁石2、永久磁石3および永久磁石4によって構成されている。図13では分割電極6と6の間隔は省略して示している。また永久磁石3は電極7の下にかくれている。

【0076】
図14は、図13のX-X線に沿って切断した断面図である。

【0077】
図14に示されるように、石英製の放電管5の表面に分割電極6、6、6、6、6、6が貼り付けられて形成されたループ状電極7は、ループ状の永久磁石3の真上に位置し、かつ、ループ状の永久磁石2、4によって両側を挟まれるように配置されている。

【0078】
図15は、図14のY-Y線に沿った断面図である。

【0079】
図14および図15に示されるように、石英製の放電管5の外壁の半周面には、アルミニウムをスパッタリングや蒸着することによって、鏡面状で、厚さが1μm以下の分割電極6、6、6、6、6、6が形成されている。

【0080】
分割電極6、6、6、6、6、6の数は、多相交流電源(図示せず)から印加される多相交流の相数と等しく、本実施態様においては、6相交流が印加されるように構成されているため、6つの分割電極6、6、6、6、6、6が石英製の放電管5の半周面に形成されている。ここに、分割電極6、6、6、6、6、6が形成されていない石英製の放電管5の半周面は、石英製の放電管5内で発生した紫外線を外に取り出すための窓として用いられる。

【0081】
図14および図15に示されるように、電極7を覆うように絶縁体9が形成され、その外側の磁気シールド板12に永久磁石2、3、4が取り付けられている。図14において、参照符号15で示されているのは、分割電極6に給電する給電プローブである。

【0082】
図14および図15に示されるように、分割電極6、6、6、6、6、6は、絶縁体9に囲まれている。

【0083】
6つの分割電極6、6、6、6、6、6の長さはほぼ等しく、隣り合った分割電極6、6の間隙は、たとえば、3mmに設定されている。

【0084】
本実施態様においては、ループ状の石英製の放電管5は、気体の供給、排出が可能な小さい枝管20(図12)を残して、石英をループ状の管型に成型し、枝管20を通じて、真空排気して、放電洗浄し、後述のように、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスが0.60Torrの初期圧力で石英製の放電管5内に封入され、枝管20の開口部を閉じることによって作製されている。

【0085】
図14に矢印で示されるように、中央の永久磁石3から、両側の永久磁石2、4に向かい、永久磁石2、4で終端するように、磁力線18が発生されている。

【0086】
この状態で、6つの分割電極6、6、6、6、6、6に6相交流電極(図16)から6相交流が印加されると、隣り合った分割電極6、6間に、連続バリア放電が発生し、石英製の放電管5内の分割電極6に対向する部分に、プラズマPが発生する。こうして発生したプラズマPは、多極磁場の磁力線18によって、図14に示されるように、石英製の放電管5内の所定の領域内に閉じ込められる。

【0087】
本実施態様においては、6つの分割電極6、6、6、6、6、6はループ状の石英製の放電管5の外面に、隣り合った分割電極6、6の間隙が、たとえば、3mmになるように形成されているから、隣り合った分割電極6、6間に、一様に、バリア放電が発生し、したがって、石英製の放電管5内の分割電極6、6、6、6、6、6に対向する部分に、プラズマPが一様に発生する。

【0088】
図16は、図11ないし図15に示された本発明の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置1の電源接続図である。

【0089】
図16に示されるように、6つの分割電極6、6、6、6、6、6は、それぞれの一端に取り付けた給電プローブ15を介して、位相が1/6周期ずつずれていて、振幅が同じ大きさの6相交流電源25に接続されている。

【0090】
6相交流電源25は、周波数、振幅および位相(波形を含む)が制御された低周波交流電源を星形結線して構成され、電源全体は絶縁トランスなどにより、浮遊電位のままにしておき、放電を隣り合った分割電極6、6間にのみ発生させる。

【0091】
以上のように構成された本発明の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置1は、以下のようにして、紫外線を発生する。

【0092】
まず、ループ状の石英製の放電管5に設けられた枝管20を介して、排気装置(図示せず)によって、石英製の放電管5内を真空排気し、放電洗浄する。

【0093】
次いで、石英製の放電管5内に、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスを0.60Torrの初期圧力で石英製の放電管5内に封入し、6つの分割電極6、6、6、6、6、6の各々に、1kw以下の位相制御6出力交流源を接続して、放電電気エネルギーを紫外線ランプ10に供給する。その結果、図14に示されるように、隣り合った分割電極6、6間に、バリア放電が発生し、石英製の放電管5内の分割電極6に対向する部分に、プラズマPが発生する。

【0094】
本実施態様においては、石英製の放電管5がループ状に形成され、永久磁石2、永久磁石3および永久磁石4がループ状に形成されているので、6つの分割電極6、6、6、6、6、6に6相の交流電圧を印加すると、電圧V1、V2、V3.V4、V5、V6が順次、6つの分割電極6、6、6、6、6、6に印加され、放電は1周期の間に、分割電極6、6、6、6、6、6間を一回りするので、1秒間に、放電が印加周波数だけ回転する。
このため、どの時刻においても、いずれかの分割電極6、6間で放電が起こり、低周波数の交流放電にもかかわらず、高周波点灯のような連続バリア放電が発生し、放電の結果、プラズマPが発生する。本実施態様においては、6つの分割電極6、6、6、6、6、6はループ状の石英製の放電管5の外面に、隣り合った分割電極6、6の間隙が3mmになるように形成されているから、隣り合った分割電極6、6間に、バリア放電が一様に発生し、したがって、石英製の放電管5内の分割電極6に対向する部分に、プラズマPが一様に発生して、このプラズマPによって、電気的に中性な分子性ガスが励起されて、紫外線が発生する。このようにして発生した紫外線は、石英製の放電管5の分割電極6、6、6、6、6、6が形成されていない半周面(光の窓)を介して、取り出される。

【0095】
こうして発生したプラズマPは、図14に示されるように、多極磁場の磁力線18によって、ループ状の電極7を構成する石英製の放電管5内の所定の領域内に閉じ込められているから、電気的に中性な混合ガスのプラズマPによる衝突励起が盛んになり、励起混合ガスからの紫外線の発光密度と発光効率とが向上する。

【0096】
この状態で、図示しない温度センサを用いて、本発明者がループ状の放電管5の中央部における放電管5の表面温度を測定し、図示しない圧力センサを用いて、石英製の放電管5内の混合ガス圧力をモニターしたところ、放電管5の表面温度は一定であるにもかかわらず、放電時間とともに、混合ガスの圧力は急激に低下し、混合ガス中の酸素ガスおよび窒素ガスが急激に石英製の放電管5の壁内に吸蔵されることが見出された。

【0097】
放電を開始してから、約10分が経過すると、定常状態に達して、石英製の放電管5内の混合ガス圧力の低下がほぼ飽和し、その後は、放電を続けても、石英製の放電管5内の混合ガス圧力が無視できる程度に変化するに過ぎず、放電プラズマ発生後、20分ないし25分を経過した時点で、酸素ガスの放電管の壁部内への吸蔵に起因する酸素ガス濃度の低下は飽和し、その後も、放電管内には、放電管の壁部内に吸蔵されていない酸素ガスが残存しており、放電管内での酸素ガスのクリーンアップを防止し得ることが見出された。

【0098】
本実施態様においては、石英製の放電管5内に、常温で、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスが封入されているので、プラズマPが閉じ込められている放電空間内の窒素ガス(N2)と酸素ガス(O2)はその一部がプラズマPによって解離して、窒素原子(N原子)と酸素原子(O原子)が生成され、生成された窒素原子(N原子)と酸素原子(O原子)から励起状態の一酸化窒素ガス(NO)が生成されて、励起状態の一酸化窒素ガス(NO)から200nmないし300nmの短波長の紫外線が発生され、窒素ガス(N2)から300nmないし400nmの中波長の紫外線が発生される。

【0099】
発生した紫外線を光硬化塗布膜に照射する場合には、200nmないし300nmの短波長の紫外線は、光硬化塗布膜のごく浅く狭い領域に吸収されて、光硬化反応を起こして、空気中の酸素が光硬化塗布膜の内部への侵入を阻止するバリア層を形成し、300nmないし400nmの中波長の紫外線は光硬化塗布膜の深い部分まで侵入し、光硬化塗布膜全体を硬化させることが可能になる。

【0100】
本実施態様によれば、紫外線発生装置1の紫外線ランプ10は、ループ状の石英製の放電管5と、ループ状の永久磁石2、3、4と、石英製の放電管5の半周面に、石英製の放電管5の軸方向に3mmの間隙で形成された6つの分割電極6、6、6、6、6、6よりなるループ状の電極7によって構成されており、各分割電極6の両側には必ず、3mmの間隙で形成された分割電極6、6が配置されているから、紫外線を空間的に一様に発生させること可能になる。

【0101】
さらに、本実施態様においては、プラズマPは磁力線18によって、図14に示されるように、ループ状の電極7を構成する石英製の放電管5内の所定の領域内に閉じ込められるから、電気的に中性な混合ガスのプラズマPによる衝突励起が盛んになり、強度の高い紫外線を発生することができる。

【0102】
また、本実施態様によれば、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%の混合ガスを0.60Torrの初期圧力で石英製の放電管5内に封入し、放電を開始したところ、放電開始後、約10分が経過すると、定常状態に達して、石英製の放電管5内の混合ガス圧力の低下がほぼ飽和し、その後は、放電を続けても、石英製の放電管5内の混合ガス圧力が無視できる程度に変化するに過ぎず、放電プラズマ発生後、20分ないし25分を経過した時点で、酸素ガスの放電管の壁部内への吸蔵に起因する酸素ガス濃度の低下は飽和し、十分な量の酸素ガスが放電管の壁部内に吸蔵される一方で、その後も、放電管内には、放電管の壁部内に吸蔵されていない酸素ガスが残存しているから、放電管内での酸素ガスのクリーンアップを防止することができ、長時間にわたって、紫外線を発生することが可能になる。

【0103】
図17は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置1に用いられている石英製の放電管5の平面図である。

【0104】
図17に示されるように、石英製の放電管5は、図12の実施態様と同様に、ループ状をなしているが、その角部が略直角に形成されている点で、前記実施態様とその構成を異にしている。

【0105】
石英製の放電管5の長辺は、たとえば、400mmの長さを有し、短辺は、たとえば、33mmの長さを有している。

【0106】
図18は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置1に用いられている電極7の略平面図である。

【0107】
図18に示されるように、ループ状をなした石英製の放電管5の外壁の半周面に、たとえば、アルミニウムをスパッタリングすることによって、鏡面状で、所定の長さのアルミニウム箔により鏡面状の6つの分割電極6A、6B、6C、6D、6E、6Fが形成され、これら6つの分割電極6A、6B、6C、6D、6E、6Fによって、電極7が構成されている。

【0108】
ここに、各分割電極6A、6B、6C、6D、6E、6Fの厚さは約1μm以下に形成されている。
本実施態様においては、ループ状をなした石英製の放電管5の角部が略直角に形成されていることに対応して、両側部に位置する分割電極6Aおよび分割電極6Dはそれぞれ、略直角をなした2つの角部を備えている。角部は2本の直管を接続して形成するので、放電管の縦横の長さの寸法精度が良く、曲線部のものより製造が容易という利点がある。

【0109】
隣り合った分割電極6,6は、たとえば、3mmの間隔を隔てて、石英製の放電管5の外表面に貼り付けられている。

【0110】
図18に示されるように、分割電極6B、6C、6E、6Fは、電極7の長さ方向に沿って、たとえば、134mmの長さを有し、分割電極6Aおよび分割電極6Dはそれぞれ、たとえば、その外周部が156mmの長さを有している。

【0111】
図19は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる紫外線発生装置1に用いられている磁石の配置を示す略平面図である。

【0112】
図19に示されるように、本実施態様においては、ループ状の永久磁石2、永久磁石3および永久磁石4の角部は略直角に形成されている。

【0113】
前記実施態様と同様に、3つの永久磁石2、3、4のうち、磁石2の長さが最も長く、永久磁石3の長さが二番目に長く、永久磁石4の長さが最も短くなるように形成され、永久磁石2の内側に、永久磁石3が配置され、永久磁石3の内側に、永久磁石4が配置されている。

【0114】
前記実施態様と同様に、最も外側に配置されたループ状の永久磁石2と最も内側に配置されたループ状の永久磁石4とは極性が同一で、中央に配置されたループ状の永久磁石3の極性が、最も外側に配置されたループ状の永久磁石2の極性および最も内側に配置されたループ状の永久磁石4の極性とが逆になるように、それぞれ配置されてり、最も外側に配置されたループ状の永久磁石2と最も内側に配置されたループ状の永久磁石4はN極が内を向き、中央に配置されたループ状の永久磁石3はS極が上を向くように配置されている。

【0115】
図20は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる紫外線ランプの平面図である。

【0116】
紫外線ランプ10は、石英製の放電管5(図20には図示されていない)と、ループ状の電極7と、それぞれ、ループ状をなした永久磁石2、永久磁石3および永久磁石4によって構成されている。

【0117】
図21は、図20のX-X線に沿って切断した断面図であり、図14と同様に、石英製の放電管5の外壁の半周面に分割電極6A、6B、6C、6D、6E、6Fが貼り付けられて形成されたループ状電極7は、ループ状の永久磁石3の真上に位置し、ループ状の永久磁石2、4によって両側を挟まれるように配置されている。

【0118】
分割電極6A、6B、6C、6D、6E、6Fが形成されていない石英製の放電管5の半周面は、石英製の放電管5内で発生した紫外線を外部に取り出すための窓になる。

【0119】
以上のように構成された本実施態様にかかる紫外線発生装置1は、以下のようにして、紫外線を発生する。

【0120】
まず、ループ状の石英製の放電管5に設けられた枝管20を介して、排気装置(図示せず)によって、石英製の放電管5内を真空排気し、放電洗浄する。

【0121】
次いで、石英製の放電管5内に、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスを0.60Torrの初期圧力で石英製の放電管5内に封入し、6つの分割電極6A、6B、6C、6D、6E、6Fの各々に、1kw以下の位相制御6出力交流電源を接続して、放電電気エネルギーを紫外線ランプ10に供給する。その結果、図21に示されるように、隣り合った分割電極6、6間に、バリア放電が発生し、石英製の放電管5内の分割電極6に対向する部分に、プラズマPが発生する。

【0122】
本実施態様においては、石英製の放電管5が略直角をなす角部を有するループ状に形成され、永久磁石2、永久磁石3および永久磁石4も略直角をなす角部を有するループ状に形成されているので、6つの分割電極6A、6B、6C、6D、6E、6Fに6相の交流電圧を印加すると、電圧V1、V2、V3.V4、V5、V6が順次、6つの分割電極6A、6B、6C、6D、6E、6Fに印加され、放電は1周期の間に、分割電極6A、6B、6C、6D、6E、6F間を一回りするので、1秒間に、放電が印加周波数だけ回転する。このため、どの時刻においても、いずれかの分割電極6、6間で放電が起こり、低周波数の交流放電にもかかわらず、高周波点灯のような連続バリア放電が発生し、放電の結果、プラズマPが発生する。本実施態様においては、6つの分割電極6A、6B、6C、6D、6E、6Fはループ状の石英製の放電管5の外面に、隣り合った分割電極6、6の間隙が3mmになるように形成されているから、隣り合った分割電極6、6間に、バリア放電が一様に発生し、したがって、石英製の放電管5内の分割電極6に対向する部分に、プラズマPが一様に発生して、このプラズマPによって、電気的に中性な分子性ガスが励起されて、紫外線が発生する。このようにして発生した紫外線は、石英製の放電管5の分割電極6A、6B、6C、6D、6E、6Fが形成されていない半周面を介して、取り出される。

【0123】
こうして発生したプラズマPは、図21に示されるように、多極磁場の磁力線18によって、ループ状の電極7を構成する石英製の放電管5内の所定の領域内に閉じ込められているから、電気的に中性な混合ガスのプラズマPによる衝突励起が盛んになり、励起混合ガスからの紫外線の発光密度と発光効率とが向上する。

【0124】
前記実施態様と同様に、この状態で、図示しない温度センサを用いて、本発明者がループ状の放電管5の中央部における放電管5の表面温度を測定し、図示しない圧力センサを用いて、石英製の放電管5内の混合ガス圧力をモニターしたところ、放電管5の表面温度は一定であるにもかかわらず、放電時間とともに、混合ガスの圧力は急激に低下し、混合ガス中の酸素ガスおよび窒素ガスが急激に石英製の放電管5の壁内に吸蔵されることが見出されている。

【0125】
本実施態様においても、前記実施態様と同様に、放電管内での酸素ガスのクリーンアップを防止し得ることが確認されている。

【0126】
本実施態様においても、石英製の放電管5内に、常温で、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスが封入されているので、プラズマPが閉じ込められている放電空間内の窒素ガス(N2)と酸素ガス(O2)はその一部がプラズマPによって解離して、窒素原子(N原子)と酸素原子(O原子)が生成され、生成された窒素原子(N原子)と酸素原子(O原子)から励起状態の一酸化窒素ガス(NO)が生成されて、励起状態の一酸化窒素ガス(NO)から200nmないし300nmの短波長の紫外線が発生され、窒素ガス(N2)から300nmないし400nmの中波長の紫外線が発生される。

【0127】
本実施態様によれば、紫外線発生装置1の紫外線ランプ10は、角部が略直角に形成されたループ状の石英製の放電管5と、角部が略直角に形成されたループ状の永久磁石2、3、4と、石英製の放電管5の半周面に、石英製の放電管5の軸方向に3mmの間隙で形成された6つの分割電極6A、6B、6C、6D、6E、6Fよりなり、角部が略直角に形成されたループ状の電極7とによって構成されており、各分割電極6の両側には必ず、3mmの間隙で形成された分割電極6、6が配置されているから、紫外線を一様に発生させること可能になる。

【0128】
さらに、本実施態様によれば、プラズマPは磁力線18によって、図21に示されるように、ループ状の電極7を構成する石英製の放電管5内の所定の領域内に閉じ込められるから、電気的に中性な混合ガスのプラズマPによる衝突励起が盛んになり、強度の高い紫外線を発生することができる。

【0129】
また、本実施態様によれば、放電管内での酸素ガスのクリーンアップを防止することができ、長時間にわたって、紫外線を発生することが可能になる。
【実施例】
【0130】
以下、本発明の効果をより一層明確なものにするため、実施例を掲げる。
【実施例1】
【0131】
図22に示されるように、長さが432mm、幅が30mm、径が11.1mmの両端部がU字状をなしたループ状の石英製の放電管5の周囲に、スパッタリングによって、アルミニウム箔を貼り付けて、石英製の放電管5の直管部に145.5mmの長さの分割電極E2、E3、E5およびE6を形成し、ループ状の石英製の放電管5のU字状の部分には、アルミニウム箔を貼り付けて、直線部分の長さが66mmのU字状の分割電極E1、E4を形成した。隣り合った分割電極E1、E2、E3、E4、E5、E6の間隔は、3mmに設定した。
【実施例1】
【0132】
分割電極E1、E2、E3、E4、E5、E6の配置に先立って、図23に示されるように、矩形枠状の永久磁石M1を配置し、矩形枠状の永久磁石M1の内側で、分割電極E1、E2、E3、E4、E5、E6の下方に位置するように、永久磁石M2をループ状に配置した。U字状の分割電極E1、E4の湾曲部の下方に位置する部分は、3つの短い棒状の永久磁石によって、湾曲形状になるように配置した。さらに、ループ状の永久磁石M2の内側には、略矩形枠状の永久磁石M3を配置した。
【実施例1】
【0133】
図22に示されるように、石英製の放電管5の長手方向をx軸、x軸に直交する石英製の放電管5の幅方向をy軸、x軸およびy軸に直交する石英製の放電管5の高さ方向をz軸とし、石英製の放電管5の長手方向の中央部で、幅方向の中央部で、かつ、高さ方向の中央部を原点(x=0、y=0、z=0)と定義した。
【実施例1】
【0134】
図21に示されるように、永久磁石M1および永久磁石M3は、S極が内側を向くように配置し、永久磁石M2は、N極が上側を向くように配置した。したがって、磁力線18は永久磁石M2から出て、永久磁石M1および永久磁石M3に向かい、永久磁石M1および永久磁石M3で終端している。
【実施例1】
【0135】
以上のようにして、分割電極E1~E6を有し、両端部がU字状をなしたループ状の放電管5及び磁石M1~M3により実施例1の紫外線ランプ#1を作製した。
【比較例1】
【0136】
図24に示されるように、長さが400mmで、径が11.1mmの2本の直線状の石英製の放電管5の表面に、それぞれ、長さが62.5mmのアルミニウム箔を貼り付けて、12個の分割電極EE1、EE2、EE3、EE4、EE5、EE6、EE7、EE8、EE9、EE10、EE11およびEE12を形成した。隣り合った分割電極の間隔は、3mmに設定した。
【0137】
図24において、TT1、TT2、TT3、TT4、TT5、TT6、TT7、TT8、TT9、TT10、TT11およびTT12は、給電端子である。分割電極EE1、EE2、EE3、EE4、EE5、EE6、EE7、EE8、EE9、EE10、EE11およびEE12の配置に先立って、図25に示されるように、略矩形枠状の永久磁石MM1と略矩形枠状の永久磁石MM2を配置し、略矩形枠状の永久磁石MM1の内部で、かつ、分割電極EE1、EE2、EE3、EE4、EE5およびEE6の下方に、棒状の永久磁石MM3を配置し、略矩形枠状の永久磁石MM2の内部で、かつ、分割電極EE7、EE8、EE9、EE10、EE11およびEE12の下方に、棒状の永久磁石MM4を配置した。
【0138】
x軸、y軸、z軸および原点(x=0、y=0、z=0)は実施例1と同様に定義した。
【0139】
図25において、永久磁石MM1および永久磁石MM2は、S極が内側を向くように配置し、永久磁石MM3および永久磁石MM4は、N極が上側を向くように配置した。したがって、磁力線18は永久磁石MM3から出て、永久磁石MM1で終端し、また永久磁石MM4から出て、永久磁石MM2で終端し、磁力線に対応する磁場が形成された。
【0140】
以上のようにして、分割電極EE1~EE6を有する直線状の放電管5及び永久磁石MM1~MM4により比較例1の紫外線ランプ#2を作製した。
【0141】
次いで、紫外線ランプ#1の放電管5内に設けられた枝管20から、1気圧換算で、酸素ガスを0.25立方/分(0.25ccm(cubic centimeters per minute))の流量で、窒素ガスを1.25立方/分(1.25ccm)の流量で、それぞれ、石英製の放電管5内に供給した。石英製の放電管5内のガス組成が安定し、石英製の放電管5内のガス圧力が0.50Torrとなった時点で、石英製の放電管5を封止した。
【0142】
同様に、紫外線ランプ#2の放電管5内に設けられた枝管20から、1気圧換算で、酸素ガスを0.25立方/分(0.25ccm(cubic centimeters per minute))の流量で、窒素ガスを1.25立方/分(1.25ccm)の流量で、それぞれ、石英製の放電管5内に供給した。石英製の放電管5内のガス組成が安定し、石英製の放電管5内のガス圧力が0.50Torrとなった時点で、石英製の放電管5を封止した。
【0143】
図26は、紫外線ランプ#1の放電管5内に、0.5ccmで酸素ガスを供給し、1.5ccmで窒素を供給して、ガス圧力が0.5Torrとなった時点で、放電管5を封止したのちに、6相交流電圧を印加したときの6相交流電圧の波形である。
【0144】
図27(a)は、紫外線ランプ#2の放電管5に、6相交流電圧を印加したときの図24のB1-B1線に沿ったRGB成分の発光輝度分布であり、図27(b)は、図24のB2線-B2線に沿ったRGB成分の発光輝度分布である。
【0145】
図27(a)および図27(b)に示されるように、紫外線ランプ#2においては、発光輝度は石英製の放電管5の中央部で高く、両端に近づくにつれて、発光輝度は低下していき、石英製の放電管5の両端部における発光輝度はほぼゼロになることが判明した。
【0146】
一方、図28(a)は、紫外線ランプ#1の放電管5に、6相交流電圧を印加したときの図22のA1-A1線に沿ったRGB成分の発光輝度分布であり、図28(b)は、図22のA2線-A2線に沿ったRGB成分の発光輝度分布である。
【0147】
図28(a)および図28(b)に示されるように、6相交流電圧を印加した結果、紫外線ランプ#1においては、彎曲部を有しているにもかかわらず、全長にわたって、発光輝度がほぼ一様であることが判明した。
【0148】
比較例1にかかる紫外線ランプ#2においては、図27(a)および図27(b)に示されるように、発光輝度は石英製の放電管5の中央部で高く、両端に近づくにつれて発光輝度は低下していき、石英製の放電管5の両端部における発光輝度はほぼゼロになったのに対し、実施例1のループ状の電極を備えた紫外線ランプ#1においては、図28(a)および図28(b)に示されるように、管状電極の両端部に対応する彎曲部における発光輝度は中央部の発光輝度とほぼ同一で、発光強度が高い紫外線を一様に発生することができることが判明した。
【0149】
図29は、実施例1にかかる紫外線ランプ#1における放射スペクトルを示しており、220nmないし280nmの短波長の紫外線が発生し、また、280nmないし380nmの中波長の紫外線が発生したことが認められた。ここに、放射スペクトルは、x=0、y=0、z=20mmの位置で測定したものである。
【0150】
図30は、比較例1にかかる紫外線ランプ#2における平均放電相電圧振幅Vac[V]と、平均放電相電流振幅Iac[mA]および平均総合放電電力Pac[W]との関係を示すグラフであり、図31は、実施例1の紫外線ランプ#1における平均放電相電圧振幅Vac[V]と、平均放電相電流振幅Iac[mA]および平均総合放電電力Pac[W]との関係を示すグラフである。
【0151】
図30よび図31から、実施例1にかかる紫外線ランプ#1においては、比較例1にかかる直管状電極を有する紫外線ランプ#2に比して、同じ放電電圧に対して、放電電流が流れやすく、放電電力が大きくなり、すなわち、放電時の負荷インピーダンスが小さくなることが判明した。
【0152】
図32は、比較例1にかかる紫外線ランプ#2における平均放電相電圧振幅Vac[V]と、放射束密度I[mW/cm]との関係を示すグラフであり、図33は、実施例1にかかる紫外線ランプ#1における平均放電相電圧振幅Vac[V]と、放射束密度I[mW/cm]との関係を示すグラフである。ここに、放射束密度I[mW/cm2]は、x=0、y=0、z=20mmの位置で測定したものである。
【0153】
図32および図33から、比較例1にかかる直管状の放電管を有する紫外線ランプ#2においては、実施例1に比し、同じ印加交流電圧に対する紫外線領域における放射が弱いことが認められた。
【0154】
図34は、比較例1にかかる紫外線ランプ#2における総合放電電力Pac[W]と放射束密度I[mW/cm2]との関係を示すグラフであり、図35は、実施例1にかかる紫外線ランプ#1における総合放電電力Pac[W]と放射束密度I[mW/cm2]との関係を示すグラフである。ここに、放射束密度I[mW/cm2]は、x=0、y=0、z=20mmの位置で測定したものである。
【0155】
図34および図35から、比較例1にかかる紫外線ランプ#2においては、放電電力が45W足らずであったのに対し、実施例1にかかる紫外線ランプ#1においては、電力が大きくなると、放射束密度が高くなることが認められた。
【0156】
図36は、比較例1にかかる紫外線ランプ#2において、y=0、z=20mmに設定し、xの値(mm)を変化させたときの放射束密度I[mW/cm2]を測定したグラフであり、図37は、実施例1にかかる紫外線ランプ#1において、y=0、z=20mmに設定し、xの値(mm)を変化させたときの放射束密度I[mW/cm2]を測定したグラフである。
【0157】
図36と図37から、実施例1にかかる紫外線ランプ#1においては、比較例1にかかる紫外線ランプ#2に比して、x軸方向の放射束密度の一様性が大幅に改善されることが判明した。
【実施例2】
【0158】
実施例1と同様にして、図18のように、分割電極6A~6Fを有し、角部が略直角をなしたループ状の放電管5及び永久磁石2~4により実施例2の紫外線ランプ#3を作製した。
【0159】
こうして得られた紫外線ランプ#3の放電管5内を、排気装置(図示せず)によって真空排気し、放電洗浄した。
【0160】
次いで、放電管5内に、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスを0.50Torrの初期圧力で石英製の放電管5内に封入し、6つの分割電極6A~6Fの各々に、1kw以下の位相制御6出力交流電源を接続して、放電電気エネルギーを紫外線ランプ10に供給したところ、図14に示されるように、隣り合った分割電極間に、バリア放電が発生し、石英製の放電管5内の分割電極6A~6Fに対向する部分に、プラズマPが発生した。
【0161】
図示しない温度センサを用いて、ループ状の放電管5の中央部における放電管5の表面温度を測定し、図示しない圧力センサを用いて、石英製の放電管5内の混合ガス圧力をモニターしたところ、放電管5の表面温度は一定であるにもかかわらず、混合ガスの圧力は、放電時間とともに急激に低下し、混合ガス中の酸素ガスおよび窒素ガスが急激に石英製の放電管5の壁内に吸蔵されることが見出された。
【0162】
放電を開始してから、約10分が経過すると、定常状態に達して、石英製の放電管5内の混合ガス圧力の低下がほぼ飽和したことが認められた。
【0163】
その後も、放電を続けたところ、放電プラズマPの発生後、20分ないし25分を経過した時点で、酸素ガスの放電管の壁部内への吸蔵に起因する酸素ガス濃度の低下は飽和し、十分な量の酸素ガスが放電管の壁部内に吸蔵されたことが判明した。
【0164】
その一方で、酸素ガスの放電管の壁部内への吸蔵に起因する酸素ガス濃度の低下は飽和した後も、放電管内には、放電管の壁部内に吸蔵されていない酸素ガスが残存していることがわかった。
【0165】
したがって、放電開始後、30分を経過しても、放電管内には酸素ガスが残存し、その一方で、十分な量の酸素ガスが放電管の壁部内に吸蔵されており、酸素ガスのクリーンアップを防止することができ、長時間にわたって、紫外線を発生し得ることが見出された。
【実施例3】
【0166】
次に本発明の紫外線ランプに反射鏡を組み合わせた紫外線発生装置を実施例3として説明する
図38は、実施例3のランプ配置図で、実施例2と同様の、角部が略直角をなしたループ状の放電管5を有する紫外線ランプ#3を作製した。
各放電管5の直径はL1で、ループの内側の間隔L2及び隣接する放電管5との間隔L3も直径L1に等しい。
これら複数本の放電管群を、図39に示すように、上面が開放した浅い箱体Bに納める。箱体Bはアルミ板製で表面が鏡面仕上げされている。
図39は、箱体Bに放電管5を5本並べて収容した状態を模式的に示している。
図40は、図39のA-A線に沿う断面図で、図41は図39のB—B線に沿う断面図で、どちらも箱体Bと放電管5の位置関係を示している。
箱体Bの横内側面と放電管5の間隔L4は放電管5の直径L1の2分の1で、箱体Bの縦内側面と放電管5の間隔L5は放電管5の直径L1の2分の1から1分の1で、箱体Bの側面の高さHは30mmで放電管5の直径L1の2倍ある。
さらに図42に示すように、放電管5と放電管5の中間及びループ状の放電管5の内側にも鏡面仕上げしたアルミ板ALを敷き詰める。ここでアルミ板ALよりも上方に放電管5の窓が露出するように配置する。
ここで箱体Bの材料はアルミ板に限らない。鏡のように光を反射するものであればよい。そして実施例1と同様に給電しプラズマを生成して紫外線を発生させ、そのときの紫外線ランプ#3の直上の放射束密度を測定したところ、図43に示すとおり、紫外線の強度が放電管から離れても変わらず一様であることが確認できた。このことから実施例3においては空間の縦方向において紫外線の強さが一様であることが分かる。
図44及び図45は紫外線ランプ#3の放電管5の表面から20mm離れた高さの仮想的な平面における紫外線の強さを示すグラフで、そのうち図44は放電管5の横断方向に沿ってプロットした位置の紫外線の強さを表し、図45は放電管5の長さ方向に沿ってプロットした位置の紫外線の強さを表す。これらから実施例3においては紫外線ランプ#3の中央部と隅部で紫外線の強さが一様であることが分かる。
すなわち反射鏡を組み合わせた実施例3においては、紫外線の強さが紫外線ランプ#3から離れても近くと同じであり、紫外線ランプ#3の隅部でも中央部と変わらない。
【0167】
このように紫外線の強さが光源の放電管から離れても変わらず隅部も中央部と一様であることは、光硬化塗装の基材(例えば自動車の車体外装板)をランプから15mm~35mm離しても同じような光硬化が行えるため、基材が曲面を呈する場合でも、また相対的に移動する場合でも、基材の塗装面に対し均質な光硬化を行うことができ、高品質で生産性の高い光硬化が実現できる。
【0168】
実施例3によれば、紫外線ランプに反射鏡を組み合わせるだけで、空間的一様性が極めて高い紫外線照射が可能となるので、塗装面の光硬化に限らず、食品等の殺菌などにも幅広く応用でき産業上の広い分野での利用が見込まれる。
【0169】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0170】
たとえば、前記実施態様においては、石英製の放電管5を用いているが、石英製の放電管5に代えて、窒化ホウ素など、良好な電気絶縁性と熱伝導性を有する材料によって形成された放電管を用いることもできる。
【0171】
また、前記実施態様および前記実施例においては、永久磁石2、3、4を用いているが、永久磁石2、3、4に代えて、電磁石を用いることもできる。
【0172】
さらに、前記実施態様においては、最も長い永久磁石2、最も短い永久磁石4および中間の長さ有する永久磁石3はいずれもループ状に配置されているが、最も長い永久磁石2、最も短い永久磁石4および中間の長さ有する永久磁石3をいずれもループ状に配置することは必ずしも必要でなく、前記実施例と同様に、最も長い永久磁石および最も短い永久磁石を略矩形枠状に配置し、中間の長さ有する永久磁石のみをループ状に配置することもできる。
【0173】
また、前記実施例においては、長さが最も長い永久磁石2および長さが最も短い永久磁石4は略矩形枠状に配置し、中間の長さを有する永久磁石3としてはループ状の永久磁石を用いているが、長さが最も長い永久磁石2および長さが最も短い永久磁石4として、ループ状の永久磁石を用いることもできる。
【0174】
さらに、本発明のループ状の電極7は、角部が滑らかな曲面によって形成されていても、また、図17ないし図21のように、ループ状の電極7が略直角に形成された角部を備えていてもよい。
【0175】
また、前記実施態様および前記実施例においては、6相交流電源25を用いているため、6つの分割電極6、6、6、6、6、6を用い、位相が1/6周期ずつずれていて、振幅が同じ大きさの交流が供給されるように構成されているが、6相交流電源25に代えて、位相が1/12周期ずつずれていて、振幅が同じ大きさの交流を供給する12相交流電源を用い、12個の分割電極を用いるようにしてもよい。
【0176】
さらに、前記実施態様および前記実施例においては、石英製の放電管5の軸方向に沿って、3mm間隔で、分割電極6、6、6、6、6、6またはE1、E2、E3、E4、E5、E6を石英製の放電管5の半周面に形成しているが、3mm間隔で、分割電極6、6、6、6、6、6またはE1、E2、E3、E4、E5、E6を形成することは必ずしも必要でない。
【0177】
また、前記実施態様においては、ループ状の石英製の放電管5は、気体の供給、排出が可能な小さい枝管20を残して、石英をループ状の管型に成型し、枝管20を通じて、真空排気して、放電洗浄し、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスを0.60Torrの初期圧力で石英製の放電管5内に封入し、枝管20の開口部を閉じることによって作製されているが、ループ状の石英製の放電管5の作製方法はとくに限定されるものではなく、たとえば、作製すべきループ状の石英製の放電管5を2つに分割した形状の分割放電管を成型し、2つの分割石英管を、作製すべきループ状の石英製の放電管5の形に配置し、互いに対向した二組の開口部のうちの一組の開口部間を結合し、他方の組の開口部を介して、真空排気して、放電洗浄し、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスを0.60Torrの初期圧力で石英製の放電管5内に封入することによって、作製してもよい。
【0178】
さらに、前記実施態様においては、ループ状の石英製の放電管5は、気体の供給、排出が可能な小さい枝管20を残して、石英をループ状の管型に成型し、枝管20を通じて、真空排気して、放電洗浄し、酸素ガス濃度が20%で、窒素ガス濃度が80%である混合ガスを0.60Torrの初期圧力で石英製の放電管5内に封入し、枝管20の開口部を閉じることによって作製されているが、気体の供給、排出が可能な小さい枝管20を残して、石英をループ状の管型に成型し、枝管20を通じて、真空排気して、放電洗浄し、酸素放電プラズマによる前処理(コンディショニング)用の酸素を供給した後に、前処理用の酸素を排出し、窒素100に対して酸素を0ないし18を含む混合ガスを供給した後に、開口部を閉じることによって作製することもできる。
【0179】
さらに、前記実施態様および前記実施例においては、分割電極6、6、6、6、6、6またはE1、E2、E3、E4、E5、E6は、アルミニウムをスパッタリングすることによって形成されているが、アルミニウムをスパッタリングすることによって、分割電極6、6、6、6、6、6またはE1、E2、E3、E4、E5、E6を形成することは必ずしも必要でなく、アルミニウムを蒸着して、分割電極6、6、6、6、6、6またはE1、E2、E3、E4、E5、E6を形成することもできる。
【符号の説明】
【0180】
1 紫外線発生装置
2、3、4 永久磁石
5 放電管
6 分割電極
7 電極
9 絶縁体
10 紫外線ランプ
12 磁気シールド板
15 給電プローブ
18 磁力線
20 枝管
25 6相交流電源
P プラズマ
E1、E2、E3、E4、E5、E6 分割電極
M1、M2、M3 永久磁石
EE1、EE2、EE3、EE4、EE5、EE6、EE7、EE8、EE9、EE10、EE11、EE12 分割電極
TT1、TT2、TT3、TT4、TT5、TT6、TT7、TT8、TT9、TT10、TT11、TT12 給電端子
MM1、MM2、MM3 永久磁石



図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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