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明細書 :マイクロ流体チップ及びマイクロ流体チップ内のマイクロプローブの駆動方法、弾性粒子の駆動方法、および装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-054684 (P2016-054684A)
公開日 平成28年4月21日(2016.4.21)
発明の名称または考案の名称 マイクロ流体チップ及びマイクロ流体チップ内のマイクロプローブの駆動方法、弾性粒子の駆動方法、および装置
国際特許分類 C12M   1/34        (2006.01)
G01N  37/00        (2006.01)
G01N  33/483       (2006.01)
C12M   1/00        (2006.01)
FI C12M 1/34 A
G01N 37/00 101
G01N 33/483 A
C12M 1/00 A
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 15
出願番号 特願2014-183618 (P2014-183618)
出願日 平成26年9月9日(2014.9.9)
発明者または考案者 【氏名】佐久間 臣耶
【氏名】伊藤 啓太郎
【氏名】新井 史人
出願人 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100085361、【弁理士】、【氏名又は名称】池田 治幸
【識別番号】100147669、【弁理士】、【氏名又は名称】池田 光治郎
審査請求 未請求
テーマコード 2G045
4B029
Fターム 2G045AA24
2G045CB01
2G045FA01
2G045HA09
4B029AA08
4B029BB01
4B029FA01
4B029FA15
4B029GA08
4B029GB10
要約 【課題】駆動周波数が高く、しかも簡単に構成される、マイクロ流体チップ内のマイクロプローブの駆動方法を提供する。
【解決手段】一対の第1平行フレーム部40と第2平行フレーム部42、或いは第1平行フレーム部40と第3平行フレーム部44および一対の連結フレーム部50、52が一体に構成されるだけでなく、その一対の連結フレーム部50、52には、マイクロプローブ16、60が対を成す直線状の可動フレーム部54、56、又は64、66を介して連結されていて、マイクロ流体チップ本体30が1平面内で構成されるので、マイクロプローブ16、60の駆動について高い駆動周波数が得られる。また、部品点数の増加や組み立ての煩雑化がなく、計測装置10の小型化や低価格化が可能となる。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
マイクロ流体チップであって、
互いに平行な一対の平行フレーム部と、該一対の平行フレーム部の一端部および他端部をそれぞれ連結する一対の連結フレーム部とを一体に備える板状のマイクロ流体チップ本体に、前記一対の平行フレーム部および前記一対の連結フレーム部により囲まれた空間内の前記平行フレーム部の長さ方向の中央部に、前記一対の平行フレーム部の一方側に操作端を有するマイクロプローブを該平行フレーム部の長さ方向に交差する方向に移動可能に設けるとともに、前記一対の連結フレーム部からそれぞれ前記マイクロプローブに向かうに従って前記一対の平行フレーム部の一方側へ向かう少なくとも1対の直線状の可動フレーム部を用いて、前記マイクロプローブと前記一対の連結フレーム部との間を連結し、
前記マイクロ流体チップ本体をその平行フレーム部の長さ方向において挟圧することにより前記マイクロプローブを駆動する
ことを特徴とするマイクロ流体チップ。
【請求項2】
請求項1に記載の前記マイクロ流体チップ本体をその平行フレーム部の長さ方向において挟む駆動装置を用いて、該流体チップ本体を挟圧することにより前記マイクロプローブを駆動することを特徴とするマイクロ流体チップ内のマイクロプローブの駆動方法。
【請求項3】
マイクロ流体チップ内に設けられたマイクロ流路内の弾性粒子の駆動方法であって、
前記弾性微粒子を案内するマイクロ流路が形成された第1平行フレーム部と、該第1平行フレーム部に平行な第2平行フレーム部と、該第1平行フレーム部のおよび第2平行フレーム部の一端部および他端部をそれぞれ連結する一対の連結フレーム部とを一体に備える板状のマイクロ流体チップ本体に、前記第1平行フレーム部、第2平行フレーム部、一対の連結フレーム部により囲まれた空間内の前記マイクロ流路方向の中央部に、前記マイクロ流路内の弾性微粒子に対して接近離隔可能な操作端を有するマイクロプローブを前記マイクロ流路方向に交差する方向に移動可能に設けるとともに、前記一対の連結フレーム部からそれぞれ前記マイクロプローブに向かうに従って前記マイクロ流路側へ向かう直線状の少なくとも1対の可動フレーム部を用いて、前記マイクロプローブと前記一対の連結フレーム部との間を連結し、
前記マイクロ流体チップ本体をその長手方向において挟圧する駆動装置を用いて、前記一対の連結フレーム部を互いに接近させ且つ離隔させることで、前記マイクロプローブを前記マイクロ流路内の弾性微粒子に対して接近離隔駆動させる
ことを特徴とする弾性粒子の駆動方法。
【請求項4】
マイクロ流体チップ内に設けられたマイクロ流路内の弾性粒子の駆動装置であって、
前記弾性微粒子を案内するマイクロ流路が形成された第1平行フレーム部と、該第1平行フレーム部に平行な第2平行フレーム部と、該第1平行フレーム部のおよび第2平行フレーム部の一端部および他端部をそれぞれ連結する一対の連結フレーム部とを一体に備え、前記第1フレーム部、第2平行フレーム部、一対の連結フレーム部により囲まれた空間内の前記マイクロ流路方向の中央部に、前記マイクロ流路内の弾性微粒子に対して接近離隔可能な操作端を有するマイクロプローブを前記マイクロ流路方向に交差する方向に移動可能に設けるとともに、前記一対の連結フレーム部からそれぞれ前記マイクロプローブに向かうに従って前記マイクロ流路側へ向かう直線状の少なくとも1対の可動フレーム部を用いて、前記マイクロプローブと前記一対の連結フレーム部との間を連結した板状のマイクロ流体チップ本体と、
前記マイクロ流体チップ本体をその長手方向において挟圧し、前記一対の連結フレーム部を互いに接近させ且つ離隔させることで、前記マイクロプローブを前記マイクロ流路内の弾性微粒子に対して接近離隔駆動させる駆動装置と
を含むことを特徴とする弾性粒子の駆動装置。
【請求項5】
前記駆動装置は、圧電素子を用いて機械的に変位させる出力部材を有する圧電アクチュエータである
ことを特徴とする請求項4の弾性粒子の駆動装置。
【請求項6】
前記マイクロプローブの操作端による押圧による変形させられる前記弾性粒子の変形を撮像する撮像装置と、
該撮像装置により撮像された弾性粒子の変形量が一定となるように前記駆動装置の挟圧力を制御する電子制御装置と
を、さらに含むことを特徴とする請求項4または5の弾性粒子の駆動装置。
【請求項7】
MEMS技術により形成された前記マイクロ流体チップ本体と、該マイクロ流体チップ本体に形成された前記マイクロプローブおよびそれに連結された前記一対の連結フレーム部との間に空間を掛止する凹所が形成された一対のガラス基板とが、該一対のガラス基板が該マイクロ流体チップ本体を挟むように一体化されることにより構成されている
ことを特徴とする請求項1のマイクロ流体チップ。
【請求項8】
前記マイクロ流体チップは、
MEMS技術により形成された前記マイクロ流体チップ本体と、該マイクロ流体チップ本体に形成された前記マイクロプローブおよびそれに連結された前記一対の連結フレーム部との間に空間を掛止する凹所が形成された一対のガラス基板とが、該一対のガラス基板が該マイクロ流体チップ本体を挟むように一体化されることにより構成されている
ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1の弾性粒子の駆動装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
マイクロ流体チップ、マイクロ流体チップ内のマイクロプローブの駆動方法、マイクロ流体チップに設けられたマイクロ流路内を移動させられる細胞を操作したり、力学的特徴量等を計測するための細胞の駆動方法、および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロ流体チップを用いた単一細胞、たとえば単細胞微生物、ラン藻、赤血球、卵子等の機械的物性の計測が注目されている。特に、細胞の力学的特徴量を計測するためには、マイクロ流路内の細胞を機械的に操作するためのマイクロプローブを配置する必要がある。このマイクロプローブの駆動方法に関しては、従来はマイクロ流体チップに搭載した磁石等を駆動することで、その磁石と磁気的にカップリングさせたマイクロプローブの駆動を行なっていた。たとえば、特許文献1に記載の磁気駆動マイクロツール駆動機構がそれである。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2011-255364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、計測対象である細胞の大きさは、その種類に応じて1~100μm程度と非常に幅広い範囲であり、たとえば細胞の大きさに合わせてマイクロプローブを作成したとしても、駆動源の大きさを測定対象となる細胞のサイズに合わせて作製することは、技術的に困難であった。
【0005】
たとえば、マイクロプローブの駆動源として磁石をマイクロ流体チップに駆動する場合、MEMS技術を用いて作製したロボットフレームに組付により磁石を搭載するため、ロボットフレームの薄膜化の困難性から、測定対象となる細胞の大きさの範囲が所定以上の大きさのものに限定されるという問題があった。また、ロボットフレームと磁石との間に介在する薄膜との摩擦抵抗や、ロボットフレームと磁石との間の距離によって駆動特性が非線型となることで、駆動周波数が十分に得られないという問題があった。さらに、ロボットフレームを駆動する磁石を薄膜を介してマイクロ流体チップに設け、且つその磁石を駆動する駆動源をロボットフレームとは別に準備する必要があるため、部品点数の増加と組み立ての煩雑化により装置の小型化や低価格化が困難であった。
【0006】
このような課題は、前記単一細胞以外の弾性変形可能な弾性粒子の力学的特徴量をマイクロ流体チップを用いて計測する場合も、同様に存在する。
【0007】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、駆動周波数が高く、しかも簡単に構成される、マイクロ流体チップ及びマイクロ流体チップ内のマイクロプローブの駆動方法を提供するとともに、計測対象となる弾性微粒子の範囲が従来よりも小径のものまで測定あるいは操作することが可能な弾性粒子の駆動方法、および弾性粒子の駆動装置を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、(1)マイクロ流体チップであって、(2)互いに平行な一対の平行フレーム部と、該一対の平行フレーム部の一端部および他端部をそれぞれ連結する一対の連結フレーム部とを一体に備える板状のマイクロ流体チップ本体に、前記一対の平行フレーム部および前記一対の連結フレーム部により囲まれた空間内の前記平行フレーム部の長さ方向の中央部に、前記一対の平行フレーム部の一方側に操作端を有するマイクロプローブを該平行フレーム部の長さ方向に交差する方向に移動可能に設けるとともに、前記一対の連結フレーム部からそれぞれ前記マイクロプローブに向かうに従って前記一対の平行フレーム部の一方側へ向かう少なくとも1対の直線状の可動フレーム部を用いて、前記マイクロプローブと前記一対の連結フレーム部との間を連結し、(3)前記マイクロ流体チップ本体をその平行フレーム部の長さ方向において挟圧することにより前記マイクロプローブを駆動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成された第1発明のマイクロ流体チップでは、前記マイクロ流体チップ本体をその平行フレーム部の長さ方向において挟む駆動装置を用いて、該流体チップ本体を挟圧すると、前記一対の連結フレーム部が接近させられ、それに連結された少なくとも一対の可動グレーム部を介して挟圧力が変換されてマイクロプローブが前記平行フレーム部の一方の側へ移動させられる。また、反対に、駆動装置による挟圧が解除されると、前記一対の連結フレーム部が離隔させられ、それに連結された少なくとも一対の可動グレーム部を介してマイクロプローブが前記平行フレーム部の一方の側とは反対側へ移動させられる。このように、前記駆動装置を用いてそのマイクロ流体チップ本体をその平行フレーム部の長さ方向において挟むことにより前記前記マイクロプローブの操作端を前記平行フレーム部の長さ方向において駆動することができる。
【0010】
これにより、第1発明によれば、一対の平行フレーム部および一対の連結フレーム部が一体に構成されるだけでなく、その一対の連結フレーム部には、マイクロプローブが1対の直線状の可動フレーム部を介して連結されていて、マイクロ流体チップ本体が1平面内で構成されるので、従来のように、ロボットフレームと磁石との間に介在する薄膜との摩擦抵抗や、ロボットフレームと磁石との間の距離によって駆動特性が非線型となることがなく、マイクロプローブの駆動について高い駆動周波数が得られる。また、マイクロ流体チップ本体をその平行フレーム部の長さ方向において挟む駆動装置を用いてマイクロプローブを駆動できるので、従来のようにロボットフレームを駆動する磁石を薄膜を介してマイクロ流体チップに設け、且つその磁石を駆動する駆動源をロボットフレームとは別に準備する必要がなくなるため、部品点数の増加や組み立ての煩雑化がなく、計測装置の小型化や低価格化が可能となる。
【0011】
また、前記第1発明を弾性粒子に対して好適に適用する第2発明の要旨とするところは、(1)マイクロ流体チップ内に設けられたマイクロ流路内の弾性粒子の駆動方法であって、(2)前記弾性微粒子を案内するマイクロ流路が形成された第1平行フレーム部と、該第1平行フレーム部に平行な第2平行フレーム部と、該第1平行フレーム部のおよび第2平行フレーム部の一端部および他端部をそれぞれ連結する一対の連結フレーム部とを一体に備える板状のマイクロ流体チップ本体に、前記第1平行フレーム部、第2平行フレーム部、一対の連結フレーム部により囲まれた空間内の前記マイクロ流路方向の中央部に、前記マイクロ流路内の弾性微粒子に対して接近離隔可能な操作端を有するマイクロプローブを前記マイクロ流路方向に交差する方向に移動可能に設けるとともに、前記一対の連結フレーム部からそれぞれ前記マイクロプローブに向かうに従って前記マイクロ流路側へ向かう直線状の少なくとも1対の可動フレーム部を用いて、前記マイクロプローブと前記一対の連結フレーム部との間を連結し、(3)前記マイクロ流体チップ本体をその長手方向において挟圧する駆動装置を用いて、前記一対の連結フレーム部を互いに接近させ且つ離隔させることで、前記マイクロプローブを前記マイクロ流路内の弾性微粒子に対して接近離隔駆動させることを特徴とする。
【0012】
このように構成された第2発明の弾性粒子の駆動方法によれば、一対の第1、第2平行フレーム部および一対の連結フレーム部が一体に構成されるだけでなく、その一対の連結フレーム部には、マイクロプローブが1対の直線状の可動フレーム部を介して連結されていて、マイクロ流体チップ本体が1平面内で構成されるので、従来のように、ロボットフレームと磁石との間に介在する薄膜との摩擦抵抗や、ロボットフレームと磁石との間の距離によって駆動特性が非線型となることがなく、マイクロプローブの駆動について高い駆動周波数が得られる。また、マイクロ流体チップ本体をその平行フレーム部の長さ方向において挟む駆動装置を用いてマイクロプローブを駆動できるので、従来のようにロボットフレームを駆動する磁石を薄膜を介してマイクロ流体チップに設け、且つその磁石を駆動する駆動源をロボットフレームとは別に準備する必要がなくなるため、部品点数の増加や組み立ての煩雑化がなく、計測装置の小型化や低価格化が可能となる。さらに、マイクロ流路内を案内される弾性粒子が、マイクロプローブの操作端によって高い駆動周波数で操作されるとともに、計測対象となる弾性微粒子の大きさの範囲が従来よりも小径のものまで操作され、その力学的特徴量の計測が可能となる。
【0013】
また、上記第2発明の方法を好適に実施する装置発明である第3発明の要旨とするところは、(1)マイクロ流体チップ内に設けられたマイクロ流路内の弾性粒子の駆動装置であって、(2)前記弾性微粒子を案内するマイクロ流路が形成された第1平行フレーム部と、該第1平行フレーム部に平行な第2平行フレーム部と、該第1平行フレーム部のおよび第2平行フレーム部の一端部および他端部をそれぞれ連結する一対の連結フレーム部とを一体に備え、前記第1平行フレーム部、第2平行フレーム部、一対の連結フレーム部により囲まれた空間内の前記マイクロ流路方向の中央部に、前記マイクロ流路内の弾性微粒子に対して接近離隔可能な操作端を有するマイクロプローブを前記マイクロ流路方向に交差する方向に移動可能に設けるとともに、前記一対の連結フレーム部からそれぞれ前記マイクロプローブに向かうに従って前記マイクロ流路側へ向かう直線状の少なくとも1対の可動フレーム部を用いて、前記マイクロプローブと前記一対の連結フレーム部との間を連結した板状のマイクロ流体チップ本体と、(3)前記マイクロ流体チップ本体をその長手方向において挟圧し、前記一対の連結フレーム部を互いに接近させ且つ離隔させることで、前記マイクロプローブを前記マイクロ流路内の弾性微粒子に対して接近離隔駆動させる駆動装置とを含むことを特徴とする。
【0014】
このように構成された第3発明の弾性粒子の駆動装置によれば、一対の平行フレーム部および一対の連結フレーム部が一体に構成されるだけでなく、その一対の連結フレーム部には、マイクロプローブが1対の直線状の可動フレーム部を介して連結されていて、マイクロ流体チップ本体が1平面内で構成されるので、従来のように、ロボットフレームと磁石との間に介在する薄膜との摩擦抵抗や、ロボットフレームと磁石との間の距離によって駆動特性が非線型となることがなく、マイクロプローブの駆動について高い駆動周波数が得られる。また、マイクロ流体チップ本体をその平行フレーム部の長さ方向において挟む駆動装置を用いてマイクロプローブを駆動できるので、従来のようにロボットフレームを駆動する磁石を薄膜を介してマイクロ流体チップに設け、且つその磁石を駆動する駆動源をロボットフレームとは別に準備する必要がなくなるため、部品点数の増加や組み立ての煩雑化がなく、計測装置の小型化や低価格化が可能となる。さらに、マイクロ流路内を案内される弾性粒子が、マイクロプローブの操作端によって高い駆動周波数で操作されるとともに、計測対象となる弾性微粒子の大きさの範囲が従来よりも小径のものまで操作され、その力学的特徴量の計測が可能となる。
【0015】
ここで、好適には、前記駆動装置は、圧電セラミックス等の圧電素子(ピエゾ素子)が積層されることにより構成されて、機械的な変位を出力部材から出力する圧電アクチュエータである。これにより、マイクロ流体チップの駆動において、前記駆動装置の駆動出力について高い駆動周波数が得られる。
【0016】
また、好適には、前記弾性粒子の駆動装置は、前記マイクロプローブの操作端による押圧による変形させられる前記弾性粒子の変形を撮像する撮像装置と、該撮像装置により撮像された弾性粒子の変形量が一定となるように前記駆動装置の挟圧力を制御する電子制御装置とを、含む。このようにすれば、弾性粒子が一定の変形を受けたときの変形応答性に基づいてその弾性粒子の力学的特徴量を、弾性粒子毎に高速で計測できる。
【0017】
また、好適には、前記マイクロ流体チップは、MEMS技術により形成された前記マイクロ流体チップ本体と、該マイクロ流体チップ本体に形成された前記マイクロプローブおよびそれに連結された前記一対の連結フレーム部との間に空間を形成する凹所が形成された一対のガラス基板とが、該一対のガラス基板が該マイクロ流体チップ本体を挟むように陽極接合により一体化されることにより構成される。このようにすれば、マイクロ流体チップ本体とそのマイクロ流体チップ本体を挟む一対のガラス基板とが、マイクロ流路を維持し且つ前記マイクロプローブおよびそれに連結された前記一対の連結フレーム部の動きを損なうことなく、液密に且つ強度に接合される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例である弾性粒子の駆動装置の要部を説明するための図である。
【図2】図1の弾性粒子の駆動装置に用いられるマイクロ流体チップの構成を説明する斜視図である。
【図3】図2のマイクロ流体チップにおいて、一対の下カバーおよび上カバーに挟持された板状のマイクロ流体チップ本体の構成を説明する斜視図である。
【図4】図3のマイクロ流体チップ本体に一体に形成されている可動部であるマイクロプローブおよびそれに駆動力を付与する連結フレーム部の構成および作動を、説明する要部拡大図である。
【図5】図2のマイクロ流体チップにおいて、マイクロ流体チップ本体の下面を覆う下カバーの構成を説明する斜視図である。
【図6】図2のマイクロ流体チップにおいて、マイクロ流体チップ本体の上面を覆う上カバーの構成を説明する斜視図である。
【図7】図2のマイクロ流体チップの製造工程を説明する工程図である。
【図8】図2のマイクロ流体チップにおいて、マイクロプローブの駆動特性を説明する図である。
【図9】図1の弾性粒子の駆動装置において、弾性粒子に対応する卵子がマイクロプローブにより挟圧されている状態を時系列的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
図1は、本発明の一実施例の弾性粒子の駆動装置(以下、計測装置という)10の要部を示している。図1において、計測装置10は、長手状の基台12上の長手方向の中央部に載置され、計測対象物である弾性粒子を一列に導くためのマイクロ流路14とその弾性粒子を操作するマイクロプローブ16とを備える長手板状のマイクロ流体チップ18と、そのマイクロ流体チップ18の両端にそれぞれ接するように基台12上に固定され、駆動信号に応じてそのマイクロ流体チップ18を挟圧可能な一対の圧電アクチュエータ20および22と、マイクロ流路14内に弾性粒子を流体と共に所定の流速で供給する弾性粒子供給装置24と、マイクロ流路14内のマイクロプローブ16により操作される位置の弾性粒子を撮像し、撮像した画像情報を出力する撮像装置26と、撮像装置26からの入力信号を予め記憶したプログラムに従って処理し、圧電アクチュエータ20および22の駆動を制御するとともに、たとえば弾性粒子の力学的特徴量を算出して出力する電子制御装置28とを、備えている。
【実施例】
【0021】
圧電アクチュエータ20および22は、マイクロ流体チップ18をその長手方向に挟圧する駆動装置として機能するものであり、たとえば圧電セラミックス等の圧電素子(ピエゾ素子)が積層されることにより構成されて、機械的な変位を出力部材から出力するように構成されている。応答性の高い駆動装置であれば必ずしも圧電アクチュエータでなくてもよい。また、弾性粒子供給装置24は、たとえば、シリンダとそのシリンダ内に挿入されたピストンとそのピストンを駆動する駆動装置とを有し、シリンダ内の弾性粒子を含む流体を一定の流量で押し出す形式の定量ポンプから構成される。また、撮像装置26は、たとえば顕微鏡を通して弾性粒子を撮像する顕微鏡付CCDカメラにより構成されたものである。
【実施例】
【0022】
図2の斜視図に示されるように、マイクロ流体チップ18は、たとえば数μm乃至百数十μm程度の厚みを有するSi板から成るマイクロ流体チップ本体30と、たとえば数十μm乃至数百μm程度の厚みを有するガラス板から成りマイクロ流体チップ本体30の下面に密着してその下面全体を覆う下カバー板32と、たとえば数十μm乃至数百μm程度の厚みを有するガラス板から成りマイクロ流体チップ本体30の上面に密着してその上面全体を覆う上カバー板34との積層体から一体的に構成されている。
【実施例】
【0023】
マイクロ流体チップ本体30は、所謂MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術により、長手板状の1枚のSi基板に対して半導体集積回路作製プロセスを用いて構成されたものである。図3の斜視図に示されるように、マイクロ流体チップ本体30は、弾性微粒子を案内する直線状のマイクロ流路14が溝状に形成された第1平行フレーム部40と、その第1平行フレーム部40の外側位置にそれと平行に形成された第2平行フレーム部42および第3平行フレーム部44と、さらに外側位置に形成された第4平行フレーム部46および第5平行フレーム部48と、それら第1平行フレーム部40、第2平行フレーム部42、第3平行フレーム部44、第4平行フレーム部46、および第5平行フレーム部48の一端部および他端部を相互にそれぞれ連結する一対の連結フレーム部50、52とを一体に備えている。本実施例では、マイクロ流路14は、相対的に大きな幅寸法とされた接続口14aおよび14bを両端に有し、全体としてマイクロ流体チップ本体30の幅方向の中心線C上に位置している。
【実施例】
【0024】
マイクロ流体チップ本体30の一対の第1平行フレーム部40および第2平行フレーム部42と一対の連結フレーム部50、52とにより囲まれた矩形の空間K1内のマイクロ流路14の方向の中央部には、マイクロ流路14内の弾性微粒子に対して接近離隔可能な操作端を有するマイクロプローブ16がマイクロ流路14の方向に直交する方向に移動可能に設けられるとともに、一対の連結フレーム部50、52からそれぞれマイクロプローブ16に向かうに従ってマイクロ流路14側へ向かう直線状の少なくとも1対(本実施例では3対)の可動フレーム部54、56を用いて、マイクロプローブ16と一対の連結フレーム部46、48との間がそれぞれ連結されている。また、本実施例では、マイクロ流体チップ本体30の一対の第1平行フレーム部40および第3平行フレーム部44と一対の連結フレーム部50、52とにより囲まれた矩形の空間K2内には、中心線Cに対する対称的に、マイクロプローブ16と一対の連結フレーム部50、52との間をそれぞれ連結する3対の可動フレーム部54、56と同様の、マイクロプローブ60と一対の連結フレーム部50、52との間をそれぞれ連結する3対の可動フレーム部64、66が、形成されている。
【実施例】
【0025】
本実施例では、測定対称となる弾性粒子がマイクロ流路14内を一列に流れ、単一の弾性粒子毎にマイクロプローブ16で操作されるように、マイクロ流体チップ本体30の厚み寸法、マイクロ流路14の幅寸法、マイクロプローブ16、60の幅寸法等は、弾性粒子の径に応じて、適宜選択されている。また、マイクロプローブ16、および、それを一対の連結フレーム部50、52にそれぞれ連結する3対の可動フレーム部54、56と、マイクロプローブ60、および、それを一対の連結フレーム部50、52にそれぞれ連結する3対の可動フレーム部64、66とは、一対の圧電アクチュエータ20および22による挟圧時にマイクロ流路14側へ変位させられることから、マイクロ流体チップ本体30内の可動部分に対応している。
【実施例】
【0026】
図4は、マイクロ流体チップ本体30のうち、マイクロプローブ16、および、それを一対の連結フレーム部50、52にそれぞれ連結する3対の可動フレーム部54、56を、模式的に示す図である。図4において、3対の可動フレーム部54および56はそれぞれ互いに平行であって、中心線Cに対して所定の角度θを成し、可動フレーム部54と56とは、中心線Cに直交するマイクロプローブ16の幅中心線Dに対して対称的に配置されている。これにより、一対の連結フレーム部50、52のマイクロ流路14方向の互いに接近する方向の変位がマイクロプローブ16の幅中心線D方向の変位すなわちマイクロ流路14に接近する方向の変位に変換され、マイクロ流路14内を一列に移動する弾性粒子Pがそのマイクロプローブ16の操作端16aにより操作されるようになっている。
【実施例】
【0027】
図5は、マイクロ流体チップ本体30の下面全体に密着してその下面全体を覆うガラス製の下カバー板32を示している。下カバー板32には、マイクロ流体チップ本体30のうちの可動部分との間、すなわち、マイクロプローブ16、および、それを一対の連結フレーム部50、52にそれぞれ連結する3対の可動フレーム部54、56と、マイクロプローブ60、および、それを一対の連結フレーム部50、52にそれぞれ連結する3対の可動フレーム部64、66との間にそれぞれ隙間を形成するための、所定深さの一対の凹所70、72がマイクロ流路14の両側に対称的に形成されている。
【実施例】
【0028】
図6は、マイクロ流体チップ本体30の上面に密着してその上面全体を覆うガラス製の上カバー板34を示している。上カバー板34にも、マイクロ流体チップ本体30のうちの可動部分との間、すなわち、マイクロプローブ16、および、それを一対の連結フレーム部50、52にそれぞれ連結する3対の可動フレーム部54、56と、マイクロプローブ60、および、それを一対の連結フレーム部50、52にそれぞれ連結する3対の可動フレーム部64、66との間にそれぞれ隙間を形成するための、所定深さの一対の凹所74、76がマイクロ流路14の両側に対称的に形成されている。また、この上カバー板には、マイクロ流体チップ本体30のマイクロ流路14の両端に設けられた接続口14aおよび14bと重なる位置に、貫通穴78、80が形成されている。
【実施例】
【0029】
図7は、マイクロ流体チップ18の製造工程を示している。図7のP1乃至P6は、下カバー板32および上カバー板34の製造工程を示し、P7乃至P8はマイクロ流体チップ本体30の製造工程を示し、P9はマイクロ流体チップ本体30と下カバー板32および上カバー板34とを組合せて相互に接合する接合工程を示している。
【実施例】
【0030】
図7のP1では、下カバー板32および上カバー板34の素材、たとえばほう珪酸ガラスであるガラス板の一面に所定の金属層用パターンで、たとえばLOR/OFPRとして知られるレジストが露光および洗浄によりパターニングされ、P2では、そのパターニングされたガラス板の一面に、アルミニウム、モリブデン等の陽極接合用金属がスパッタされる。次いで、P3においてレジストがリフトオフされることで、上記ガラス板の一面のうち、凹所70、72、74、76の周縁部となる部分およびガラス板の一面の周縁部に金属層が直接形成される。次に、P4において凹所70、72、74、76を形成するためのパターンで、たとえばPMERとして知られるレジストが露光および洗浄によりパターニングされ、P5においてエッチングにより、所定深さの凹所70、72、74、76が形成され、下カバー板32および上カバー板34が製造される。そして、P6では、貫通穴78、80がサンドブラストによりその上カバー板34に形成される。
【実施例】
【0031】
一方、P7では、マイクロ流体チップ本体30の素材、たとえば単結晶Si板の一面或いは両面に、マイクロ流路14、第1平行フレーム部40、第2平行フレーム部42、第3平行フレーム部44、第4平行フレーム部46、および第5平行フレーム部48と、それらの一端部および他端部を相互にそれぞれ連結する一対の連結フレーム部50、52と、マイクロプローブ16および可動フレーム部54、56と、マイクロプローブ60および可動フレーム部64、66とを形成するためのパターンで、たとえばSU-8として知られるレジストが露光および洗浄によりパターニングされる。次いで、P8では、ドライエッチングにより上記レジストで覆われていない部分が除去されることにより、マイクロ流体チップ本体30が製作される。
【実施例】
【0032】
そして、P9では、たとえば、400乃至600℃の温度下で、0.1乃至0.7MPa程度で押圧状態で350乃至400V程度の電圧が印加される陽極接合により、マイクロ流体チップ本体30の下面に下カバー板32が接合され、マイクロ流体チップ本体30の上面に上カバー板34が接合される。上記の工程では、1枚のSi板に多数個のマイクロ流体チップ本体30が形成され、1枚のガラス板に多数個の下カバー板32が形成され、且つ1枚のガラス板に多数個の上カバー板34が形成されていて、多数個のマイクロ流体チップ18が一挙に製造される。P9に続いて、ダイシングにより多数個のマイクロ流体チップ18が単一のマイクロ流体チップ18に分離される。
【実施例】
【0033】
以上のように製造されたマイクロ流体チップ18は、マイクロプローブ16、60と、および、圧電アクチュエータ20、22の挟圧力変化による駆動による連結フレーム部50、52の接近および離隔方向の動きを方向変換してマイクロプローブ16、60へ伝達する可動フレーム部54、56、64、66とは、一平面内において一体構造により設けられているので、摩擦抵抗や駆動遅れがなく、高い駆動周波数を得ることができる。図8は、マイクロ流体チップ18が圧電アクチュエータ20、22により駆動された場合の、時間経過と変位との関係を示すグラフである。図8に示すように、駆動周波数が1.6kHzであっても波形歪が観察されず、このオーダの駆動応答性が得られることが確認された。
【実施例】
【0034】
図9は、図1の計測装置10において、弾性粒子として100μm程度の卵子を用いた場合に、マイクロプローブ16および60に挟圧操作された卵子を僅かな時間間隔で撮像した写真を示している。電子制御装置28は、撮像装置26からの卵子信号に応答して、卵子が所定の挟圧位置に到達したこと判定して圧電アクチュエータ20および22の駆動タイミングを出力することにより、卵子が1個ずつマイクロプローブ16および60に挟圧されるように圧電アクチュエータ20および22を制御する。また、電子制御装置28は、所定の駆動周波数で一定ストロークで駆動されるマイクロプローブ16および60により挟圧された卵子の画像から、たとえばその局所的変形に基づく外膜の変形応答性、歪状態、或いは変形状態に基づいて卵子の力学的特徴量の1つである硬さを定量的に計測する。
【実施例】
【0035】
上述のように、本実施例のマイクロ流体チップ18は、互いに平行な一対の平行フレーム部40および42又は44と、それら一対の平行フレーム部40および42又は44の一端部および他端部をそれぞれ連結する一対の連結フレーム部50、52とを一体に備える板状のマイクロ流体チップ本体30に、一対の平行フレーム部40および42又は44および前記一対の連結フレーム部50、52により囲まれた空間K1又はK2内の第1平行フレーム部40の長さ方向の中央部に、第1平行フレーム部40側に操作端を有するマイクロプローブ16、60をその第1平行フレーム部40の長さ方向に交差する方向に移動可能に設けるとともに、一対の連結フレーム部50、52からそれぞれマイクロプローブ16又は60に向かうに従って第1平行フレーム部40側へ向かう少なくとも1対の直線状の可動フレーム部54、56、又は64、66を用いて、マイクロプローブ16又は60と一対の連結フレーム部50、52との間を連結し、マイクロ流体チップ本体30を第1平行フレーム部40の長さ方向において挟む圧電アクチュエータ(駆動装置)20、22を用いて、マイクロ流体チップ本体30を挟圧することによりマイクロプローブ16、60を駆動する。
【実施例】
【0036】
マイクロ流体チップ本体30をその平行フレーム部の長さ方向において挟む圧電アクチュエータ(駆動装置)20、22を用いて、その流体チップ本体30を挟圧すると、一対の連結フレーム部50、52が接近させられ、それに連結された可動フレーム部54、56、又は64、66を介して挟圧力が変換されてマイクロプローブ16、60が第1平行フレーム部40側へ移動させられる。また、反対に、圧電アクチュエータ(駆動装置)20、22による挟圧が解除されると、一対の連結フレーム部50、52が離隔させられ、それに連結された可動フレーム部54、56、又は64、66を介してマイクロプローブ16、60が第1平行フレーム部40側とは反対側へ移動させられる。このように、圧電アクチュエータ(駆動装置)20、22を用いてそのマイクロ流体チップ本体30をその第1平行フレーム部40の長さ方向において挟むことによりマイクロプローブ16、60を第1平行フレーム部40の長さ方向において駆動することができる。
【実施例】
【0037】
これにより、一対の第1平行フレーム部40と第2平行フレーム部42、或いは第1平行フレーム部40と第3平行フレーム部44および一対の連結フレーム部50、52が一体に構成されるだけでなく、その一対の連結フレーム部50、52には、マイクロプローブ16、60は対を成す直線状の可動フレーム部54、56、又は64、66を介して連結されていて、マイクロ流体チップ本体30が1平面内で構成されるので、従来のように、ロボットフレームと磁石との間に介在する薄膜との摩擦抵抗や、ロボットフレームと磁石との間の距離によって駆動特性が非線型となることがなく、マイクロプローブ16、60の駆動について高い駆動周波数が得られる。また、マイクロ流体チップ本体30をその第1平行フレーム部40の長さ方向において挟む圧電アクチュエータ(駆動装置)20、22を用いてマイクロプローブ16、60を駆動できるので、従来のようにロボットフレームを駆動する磁石を薄膜を介してマイクロ流体チップに設け、且つその磁石を駆動する駆動源をロボットフレームとは別に準備する必要がなくなるため、部品点数の増加や組み立ての煩雑化がなく、計測装置10の小型化や低価格化が可能となる。
【実施例】
【0038】
また、本実施例の計測方法および計測装置10によれば、弾性微粒子Pを案内するマイクロ流路14が形成された第1平行フレーム部40と、その第1平行フレーム部40に平行な第2平行フレーム部42又は第3平行フレーム部44と、その第1平行フレーム部40および第2平行フレーム部42の一端部および他端部をそれぞれ連結する一対の連結フレーム部50、52とを一体に備える板状のマイクロ流体チップ本体30に、第1平行フレーム部40、第2平行フレーム部42又は第3平行フレーム部44、一対の連結フレーム部50、52により囲まれた空間K1内又はK2内のマイクロ流路14方向の中央部に、マイクロ流路14内の弾性微粒子Pに対して接近離隔可能な操作端を有するマイクロプローブ16、60をマイクロ流路14方向に交差する方向に移動可能に設けるとともに、一対の連結フレーム部50、52からそれぞれマイクロプローブ16、60に向かうに従ってマイクロ流路14側へ向かう直線状の少なくとも1対の可動フレーム部54、56、又は64、66を用いて、マイクロプローブ16、60と一対の連結フレーム部50、52との間を連結し、マイクロ流体チップ本体30をその長手方向において挟圧する圧電アクチュエータ(駆動装置)20、22を用いて、一対の連結フレーム部50、52を互いに接近させ且つ離隔させることで、マイクロプローブ16、60の操作端をマイクロ流路14内の弾性微粒子Pに対して接近離隔駆動させる。
【実施例】
【0039】
これにより、一対の第1平行フレーム部40と第2平行フレーム部42、第1平行フレーム部40と第3平行フレーム部44および一対の連結フレーム50、52が一体に構成されるだけでなく、その一対の連結フレーム部50、52には、マイクロプローブ16、60が対を成す直線状の可動フレーム部54、56、又は64、66を介して連結されていて、マイクロ流体チップ本体30が1平面内で構成されるので、従来のように、ロボットフレームと磁石との間に介在する薄膜との摩擦抵抗や、ロボットフレームと磁石との間の距離によって駆動特性が非線型となることがなく、マイクロプローブ16、60の駆動について高い駆動周波数が得られる。また、マイクロ流体チップ本体30をその第1平行フレーム部40の長さ方向において挟む圧電アクチュエータ(駆動装置)20、22を用いてマイクロプローブ16、60を駆動できるので、従来のようにロボットフレームを駆動する磁石を薄膜を介してマイクロ流体チップに設け、且つその磁石を駆動する駆動源をロボットフレームとは別に準備する必要がなくなるため、部品点数の増加や組み立ての煩雑化がなく、計測装置10の小型化や低価格化が可能となる。さらに、マイクロ流路14内を案内される弾性粒子Pが、マイクロプローブ16、60の操作端によって高い駆動周波数で操作されるとともに、計測対象となる弾性微粒子Pの大きさの範囲が従来よりも小径のものまで操作され、その力学的特徴量の計測が可能となる。
【実施例】
【0040】
また、本実施例によれば、挟む圧電アクチュエータ(駆動装置)20、22は、圧電セラミックス等の圧電素子(ピエゾ素子)が積層されることにより構成されて、機械的な変位を出力部材から出力する圧電アクチュエータである。これにより、マイクロ流体チップ本体30の駆動において、それを挟む圧電アクチュエータ(駆動装置)20、22を用いてマイクロプローブ16、60の駆動出力について高い駆動周波数が得られる。
【実施例】
【0041】
また、本実施例の計測装置(弾性粒子の駆動装置)10は、マイクロプローブ16、60の操作端による押圧による変形させられる弾性粒子Pの変形を撮像する撮像装置26と、その撮像装置26により撮像された弾性粒子Pの変形量が一定となるように圧電アクチュエータ(駆動装置)20、22の挟圧力を制御する電子制御装置とを、含む。このため、弾性粒子Pが一定の変形を受けたときの変形量或いは変形応答性に基づいてその弾性粒子の力学的特徴量を、弾性粒子P毎に高速で計測できる。
【実施例】
【0042】
また、本実施例のマイクロ流体チップ18は、MEMS技術により形成された前記マイクロ流体チップ本体30と、そのマイクロ流体チップ本体30に形成されたマイクロプローブ16、60およびそれに連結された対を成す可動フレーム部54、56、又は64、66との間に空間(厚み方向の隙間)を形成する凹所K1、K2が形成された一対の下カバー板(ガラス基板)32および上カバー板(ガラス基板)34とが、その一対のガラス基板が該マイクロ流体チップ本体30を挟むように陽極接合により一体化されることにより構成される。このため、マイクロ流体チップ本体30とそのマイクロ流体チップ本体30を挟む一対のガラス基板とが、マイクロ流路14を維持し且つマイクロプローブ16、60およびそれに連結された対を成す可動フレーム部54、56、又は64、66の動きを損なうことなく、液密に且つ強度に接合される。
【実施例】
【0043】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例のマイクロ流体チップ本体30において、第3平行フレーム部44、第4平行フレーム部46、第5平行フレーム部48、マイクロプローブ60、可動フレーム部64、66の一部または全部は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【実施例】
【0044】
すなわち、前述の実施例のマイクロ流体チップ本体30において、少なくとも一対の第1平行フレーム部40および第2平行フレーム部42と、その両端部を連結する一対の連結フレーム部50、52と、マイクロプローブ16、可動フレーム部54、56があればよい。
【実施例】
【0045】
また、前述の実施例において、マイクロ流体チップ本体30と下ガラス板32および上ガラス板34との間の陽極接合において、金属層を介在させることなく、直接接合されていてもよい。更には、マイクロ流体チップ本体30と下ガラス板32および上ガラス板34とは、陽極接合以外の方法として例えば接着剤等を用いて接合してもよい。
【実施例】
【0046】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
【符号の説明】
【0047】
10:計測装置(弾性粒子の駆動装置)
14:マイクロ流路
16、60:マイクロプローブ
18:マイクロ流体チップ
20、22:圧電アクチュエータ(駆動装置)
24:弾性粒子供給装置
26:撮像装置
30:マイクロ流体チップ本体
32:下カバー板(ガラス基板)
34:上カバー板(ガラス基板)
40:第1平行フレーム部
42:第2平行フレーム部
50、52:連結フレーム部
54、56、64、66:可動フレーム部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8