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明細書 :老化マーカー及びその使用

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-112849 (P2017-112849A)
公開日 平成29年6月29日(2017.6.29)
発明の名称または考案の名称 老化マーカー及びその使用
国際特許分類 C12Q   1/68        (2006.01)
G01N  33/53        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
FI C12Q 1/68 ZNAA
G01N 33/53 D
G01N 33/53 M
C12N 15/00 A
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 10
出願番号 特願2015-248523 (P2015-248523)
出願日 平成27年12月21日(2015.12.21)
発明者または考案者 【氏名】南野 徹
出願人 【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100149548、【弁理士】、【氏名又は名称】松沼 泰史
【識別番号】100141139、【弁理士】、【氏名又は名称】及川 周
【識別番号】100147267、【弁理士】、【氏名又は名称】大槻 真紀子
審査請求 未請求
テーマコード 4B024
4B063
Fターム 4B024AA11
4B024CA09
4B024HA12
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ03
4B063QQ08
4B063QQ53
4B063QR08
4B063QR42
4B063QR50
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS25
4B063QX01
要約 【課題】新たな老化マーカーを提供する。
【解決手段】(1)Transmembrane glycoprotein NMB(GPNMB)遺伝子又はGPNMBタンパク質からなる老化マーカー、(2)GPNMB遺伝子のcDNAを増幅するためのプライマーセット、GPNMB遺伝子のmRNAに特異的にハイブリダイズするプローブ、又はGPNMBタンパク質に対する特異的結合物質、を備える老化判定用キット、及び(3)生体試料中の、GPNMB遺伝子又はGPNMBタンパク質の発現量を定量する工程を備え、前記GPNMB遺伝子又は前記GPNMBタンパク質の発現量が老化の進行度に対応する、老化判定方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
Transmembrane glycoprotein NMB(GPNMB)遺伝子又はGPNMBタンパク質からなる老化マーカー。
【請求項2】
GPNMB遺伝子のcDNAを増幅するためのプライマーセット、
GPNMB遺伝子のmRNAに特異的にハイブリダイズするプローブ、又は
GPNMBタンパク質に対する特異的結合物質、を備える、老化判定用キット。
【請求項3】
生体試料中の、GPNMB遺伝子又はGPNMBタンパク質の発現量を定量する工程を備え、前記GPNMB遺伝子又は前記GPNMBタンパク質の発現量が老化の進行度に対応する、老化判定方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、老化マーカー及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
老化マーカーとして、テロメアの短縮や老化関連酸性β-ガラクトシダーゼの発現上昇等が知られている(例えば、非特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】Goldstein S., Replicative senescence: the human fibroblast comes of age., Science, 249 (4973), 1129-1133, 1990.
【非特許文献2】Dimri G. P., A biomarker that identifies senescent human cells in culture and in aging skin in vivo., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 92 (20), 9363-9367, 1995.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、テロメアの短縮やβガラクトシダーゼの発現上昇を伴わない老化も存在する。したがって、新たな老化マーカーの探索が不可欠である。そこで、本発明は、新たな老化マーカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の態様を含む。
(1)Transmembrane glycoprotein NMB(GPNMB)遺伝子又はGPNMBタンパク質からなる老化マーカー。
(2)GPNMB遺伝子のcDNAを増幅するためのプライマーセット、GPNMB遺伝子のmRNAに特異的にハイブリダイズするプローブ、又はGPNMBタンパク質に対する特異的結合物質、を備える、老化判定用キット。
(3)生体試料中の、GPNMB遺伝子又はGPNMBタンパク質の発現量を定量する工程を備え、前記GPNMB遺伝子又は前記GPNMBタンパク質の発現量が老化の進行度に対応する、老化判定方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、新たな老化マーカーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実験例2の結果を示すグラフである。
【図2】実験例3の結果を示すグラフである。
【図3】実験例4の結果を示すグラフである。
【図4】実験例5の結果を示すグラフである。
【図5】(a)及び(b)は、実験例6の結果を示す写真である。倍率は400倍である。
【図6】(a)及び(b)は、実験例7の結果を示すグラフである。
【図7】(a)~(c)は、実験例8の結果を示すグラフである。
【図8】実験例9の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[老化マーカー]
1実施形態において、本発明は、GPNMB遺伝子又はGPNMBタンパク質からなる老化マーカーを提供する。

【0009】
実施例において後述するように、発明者らは、老化を誘導した血管内皮細胞で発現が上昇する遺伝子を探索し、GPNMB遺伝子を見出した。そして、老化した細胞において、GPNMB遺伝子の発現及びGPNMBタンパク質の発現が上昇することを確認した。係る知見から、GPNMB遺伝子及びGPNMBタンパク質を老化マーカーとして用いることができる。

【0010】
ヒトGPNMB遺伝子のGenbankアクセッション番号はNM_001005340である。また、マウスGPNMB遺伝子のGenbankアクセッション番号はNM_053110である。配列番号1にヒトGPNMBのcDNAの塩基配列を示す。GPNMBは、1回膜貫通型のタンパク質であり、一部は切断され、血液中に分泌されることが知られている。

【0011】
実施例において後述するように、発明者らは、細胞の継代数が上昇するのに伴い、GPNMB遺伝子の発現量も上昇することを明らかにした。係る知見から、GPNMB遺伝子及びGPNMBタンパク質は、老化の進行度を示すマーカーであるということもできる。

【0012】
[老化判定用キット]
1実施形態において、本発明は、GPNMB遺伝子のcDNAを増幅するためのプライマーセット、GPNMB遺伝子のmRNAに特異的にハイブリダイズするプローブ、又はGPNMBタンパク質に対する特異的結合物質、を備える、老化判定用キットを提供する。

【0013】
プライマーセットとしては、GPNMB遺伝子のcDNAを増幅することができるものであれば特に限定されない。例えば、ヒトGPNMB遺伝子のcDNAを増幅するプライマーとしては、配列番号2に示す塩基配列からなるセンスプライマー及び配列番号3に示す塩基配列からなるアンチセンスプライマーのセット等が挙げられる。

【0014】
mRNAに特異的にハイブリダイズするプローブとしては、GPNMB遺伝子のmRNAに特異的にハイブリダイズするものであれば特に限定されない。プローブは、担体上に固定されてDNAマイクロアレイ等を構成していてもよい。

【0015】
特異的結合物質としては、例えば、抗体、抗体断片、アプタマー等が挙げられる。抗体は、例えば、マウス等の動物にGPNMBタンパク質又はその部分ペプチドを抗原として免疫することにより作製することができる。あるいは、ファージライブラリー等の抗体ライブラリーのスクリーニング等により作製することができる。

【0016】
抗体断片としては、Fv、Fab、scFv等が挙げられる。上記の抗体又は抗体断片は、ポリクローナルであってもよく、モノクローナルであってもよい。

【0017】
アプタマーとは、標識物質に対する特異的結合能を有する物質である。アプタマーとしては、核酸アプタマー、ペプチドアプタマー等が挙げられる。GPNMBタンパク質に特異的結合能を有する核酸アプタマーは、例えば、systematic evolution of ligand by exponential enrichment(SELEX)法等により選別することができる。また、GPNMBタンパク質に対する特異的結合能を有するペプチドアプタマーは、例えば酵母を用いたTwo-hybrid法等により選別することができる。

【0018】
特異的結合物質は、GPNMBタンパク質に特異的に結合することができれば特に制限されず、市販のものであってもよい。また、特異的結合物質は、担体上に固定されてプロテインチップ等を構成していてもよい。

【0019】
本実施形態の老化判定用キットを用いて、生体試料中のGPNMB遺伝子の発現又はタンパク質の発現を検出することができる。GPNMB遺伝子又はタンパク質の発現が検出されることは、対象組織又は細胞が老化していることを示す。

【0020】
生体試料としては、血清、血漿、末梢白血球、組織、尿等が挙げられる。生体試料が、末梢白血球、組織等である場合、本実施形態の老化判定用キットは、上記のプライマーセット、上記のプローブ、上記の特異的結合物質のいずれであってもよい。また、生体試料が血清、血漿、尿等である場合、本実施形態の老化判定用キットは、上記の特異的結合物質を備えるものであることが好ましい。

【0021】
GPNMB遺伝子の発現又はタンパク質の発現の検出は定量的であってもよい。実施例において後述するように、GPNMB遺伝子の発現量又はタンパク質の発現量の高さは老化の進行度と対応する。したがって、本実施形態の老化判定用キットを用いることにより、生体試料が由来する個体又は生体試料中の組織若しくは細胞の老化の進行度を判定することができる。

【0022】
[老化判定方法]
1実施形態において、本発明は、生体試料中の、GPNMB遺伝子又はGPNMBタンパク質の発現量を定量する工程を備え、前記GPNMB遺伝子又は前記GPNMBタンパク質の発現量が老化の進行度に対応する、老化判定方法を提供する。

【0023】
生体試料は、上述したものと同様である。GPNMB遺伝子又はGPNMBタンパク質の発現量の定量方法としては、GPNMB遺伝子のcDNAを増幅するためのプライマーセットを用いたリアルタイムPCR;GPNMB遺伝子のmRNAに特異的にハイブリダイズするプローブを固定したマイクロアレイによる遺伝子発現解析;GPNMB遺伝子のmRNAに特異的にハイブリダイズするプローブを用いたノーザンブロッティング;GPNMBタンパク質に対する特異的結合物質を用いたウエスタンブロッティング、ELISA、免疫染色等が挙げられる。

【0024】
実施例において後述するように、GPNMB遺伝子の発現量又はタンパク質の発現量の高さは、細胞の老化の進行度と対応する。すなわち、細胞の老化が進行するほど、GPNMB遺伝子の発現量又はタンパク質の発現量が上昇する。したがって、本実施形態の老化判定用キットを用いることにより、生体試料が由来する個体又は生体試料中の組織若しくは細胞の老化の進行度を判定することができる。

【0025】
老化の進行度を判定する場合には、老化の進行度が予めわかっている標準を設けてもよい。このような標準としては、例えば、継代数が分かっている細胞等が挙げられる。
【実施例】
【0026】
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0027】
[実験例1]
(老化マーカーの探索)
発明者らは、DNAマイクロアレイ解析により、老化を誘導した血管内皮細胞で発現が上昇する遺伝子を探索した。その結果、GPNMB遺伝子を見出した。
【実施例】
【0028】
[実験例2]
(老化細胞ではGPNMBのmRNAの発現量が上昇した)
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を第4継代から第9継代まで培養し、各継代数の細胞におけるGPNMB遺伝子のmRNAの発現をリアルタイムPCRにより定量した。GPNMB遺伝子増幅用プライマーとしては、センスプライマーとして配列番号2に示す塩基配列からなるプライマーを用い、アンチセンスプライマーとして、配列番号3に示す塩基配列からなるプライマーを用いた。
【実施例】
【0029】
図1は、GPNMB遺伝子の発現量の定量結果を示すグラフである。その結果、GPNMB遺伝子の発現量は、細胞の継代が進むほど、すなわち細胞の老化が進むほど上昇することが明らかになった。
【実施例】
【0030】
この結果は、GPNMB遺伝子が老化マーカーであることを示す。また、GPNMB遺伝子のmRNAの発現量は、老化の進行に対応して上昇することから、GPNMB遺伝子は老化の進行度を示すマーカーであるともいえる。
【実施例】
【0031】
[実験例3]
(老化細胞ではGPNMBタンパク質の発現量が上昇した)
第7継代、第11継代及び第12継代のHUVEC細胞におけるGPNMBタンパク質の発現量をウエスタンブロッティングにより測定した。GPNMBタンパク質の検出には、抗GPNMB抗体(型式「Ab98856」、Abcam社)を使用した。
【実施例】
【0032】
また、GPNMBタンパク質と共に、p53、p21及びp16タンパク質の発現量も測定した。また、対照としてβアクチンの発現量を測定した。なお、老化細胞では、G1期の不可逆的な増殖停止が認められることが知られている。そして、老化細胞では、細胞周期の進行を阻害するp16、p53及びこれらのターゲットである転写因子p21の発現が上昇することが知られている。すなわち、p53、p21及びp16タンパク質は、老化マーカーであるといえる。
【実施例】
【0033】
p53タンパク質の検出には、抗p53抗体(型式「sc-126」、Santa Cruz社)を使用した。p21タンパク質の検出には、抗p21抗体(型式「OP-64」、Millipore社)を使用した。p16タンパク質の検出には、抗p16抗体(型式「51-1325GR」、BD Pharmingen社)を使用した。βアクチンの検出には、抗βアクチン抗体(型式「#4970」、Cell signaling社)を使用した。
【実施例】
【0034】
図2は、ウエスタンブロッティングの結果を示す写真である。レーン1は第7継代の細胞の結果であり、レーン2は第11継代の細胞の結果であり、レーン3は第12継代の細胞の結果である。その結果、第7継代の若い細胞と比較して、第11継代及び第12継代の老化細胞では、GPNMBタンパク質の発現量の上昇が認められた。p53、p21及びp16タンパク質においても、同様の傾向が認められた。この結果は、GPNMBタンパク質が老化マーカーであることを示す。
【実施例】
【0035】
[実験例4]
(GPNMB遺伝子のノックダウンにより細胞増殖速度が低下した)
HUVECに、レトロウイルスを用いてGPNMB特異的shRNA(short hairpin RNA)を導入し、GPNMBの発現をノックダウンした細胞を用意した(GPNMB抑制群)。対照として未処理のHUVECを用いた(対照群)。使用したGPNMB特異的shRNAの塩基配列を配列番号4に示す。
【実施例】
【0036】
GPNMB抑制群及び対照群の各細胞を培養し、細胞増殖(population doubling)を測定した。図3は、細胞増殖を測定した結果を示すグラフである。その結果、GPNMB抑制群の細胞は細胞増殖速度が低下することが明らかとなった。
【実施例】
【0037】
[実験例5]
(GPNMB遺伝子のノックダウンにより既知老化マーカーの発現量が上昇した)
実験例2と同様にして、実験例4で使用した対照群及びGPNMB抑制群の細胞中のGPNMBタンパク質の発現量をウエスタンブロッティングにより測定した。また、p53、p21及びβアクチンの発現量も測定した。図4は、ウエスタンブロッティングの結果を示す写真である。レーン1及び2は対照群の結果であり、レーン3及び4はGPNMB抑制群の結果である。
【実施例】
【0038】
その結果、GPNMB抑制群の細胞中では、GPNMBタンパク質の発現量が低下していることが確認された。また、GPNMB抑制群の細胞中では、老化マーカーであるp53及びp21の発現量の上昇が確認された。
【実施例】
【0039】
実験例4及び5の結果より、GPNMB遺伝子のノックダウンにより、内皮細胞の老化が促進されることが示された。
【実施例】
【0040】
[実験例6]
(GPNMB遺伝子のノックダウンにより細胞中の活性酸素種が上昇した)
実験例4で使用した対照群及びGPNMB抑制群の細胞中の活性酸素種(reactive oxygen species、ROS)を検出した。まず、対照群及びGPNMB抑制群の細胞をパラホルムアルデヒド固定した。続いて、ジヒドロエチジウム染色により活性酸素種を検出した。また、同時にDAPI(4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール)染色により細胞の核を染色した。
【実施例】
【0041】
図5(a)及び(b)は染色結果を示す蛍光顕微鏡写真である。図5(a)は対照群の細胞の結果であり、図5(b)はGPNMB抑制群の細胞の結果である。その結果、GPNMB抑制群の細胞では、活性酸素種が増加していることが明らかとなった。この結果は、GPNMBタンパク質が、活性酸素種を低減させる機能を有することを示す。
【実施例】
【0042】
[実験例7]
(肥満モデルマウスではGPNMB遺伝子の発現量が上昇した)
4週齢から8週間、通常食(CE-2)を与えたマウス(対照群)及び高脂肪食(HFD)を与えたマウス(肥満食群)を用意した。各マウスから動脈組織及び肺内皮細胞を採取し、実験例2と同様にしてリアルタイムPCRを行い、GPNMB遺伝子の発現量を定量した。動脈組織としては下行大動脈を用いた。また、肺内皮細胞としては、肺組織から抗CD31抗体(型式「553369」、BD Biosciences社)及び磁気ビーズを用いて分離したCD31陽性細胞を用いた。
【実施例】
【0043】
図6(a)及び(b)はGPNMB遺伝子の発現量の定量結果を示すグラフである。図6(a)は動脈組織の結果を示し、図6(b)は内皮細胞の結果を示す。その結果、肥満食群のマウスの動脈組織及び肺内皮細胞では、対照群と比較してGPNMB遺伝子の発現量が上昇していることが明らかとなった。この結果は、肥満ストレスにより血管のGPNMB遺伝子の発現量が上昇することを示す。
【実施例】
【0044】
[実験例8]
(動脈硬化モデルマウスではGPNMB遺伝子の発現量が上昇した)
22週齢の動脈硬化モデルマウス(ApoEノックアウトマウス)(動脈硬化群)及び通常マウス(対照群)から、動脈、肺内皮細胞及び心臓内皮細胞を採取し、実験例2と同様にしてリアルタイムPCRを行い、GPNMB遺伝子の発現量を定量した。動脈組織としては下行大動脈を用いた。また、肺内皮細胞、心臓内皮細胞としては、それぞれ肺組織並びに心臓組織から、抗CD31抗体(型式「553369」、BD Biosciences社)及び磁気ビーズを用いて分離したCD31陽性細胞を用いた。
【実施例】
【0045】
図7(a)~(c)は、GPNMB遺伝子の発現量の定量結果を示すグラフである。図7(a)は動脈組織の結果を示し、図7(b)は肺内皮細胞の結果を示し、図7(c)は心臓内皮細胞の結果を示す。その結果、動脈硬化群のマウスの動脈組織、肺内皮細胞及び心臓内皮細胞では、対照群と比較してGPNMB遺伝子の発現量が上昇していることが明らかとなった。この結果は、動脈硬化モデルマウスで血管のGPNMB遺伝子の発現量が上昇することを示す。
【実施例】
【0046】
[実験例9]
(動脈硬化関連疾患の患者の白血球でGPNMB遺伝子の発現量が上昇した)
健常人(n=32)、冠動脈疾患の患者(n=29)及び閉塞性動脈硬化症の患者(n=11)から末梢白血球を採取し、実験例2と同様にしてリアルタイムPCRを行い、GPNMB遺伝子の発現量を定量した。健常人、冠動脈疾患の患者及び閉塞性動脈硬化症の患者の年齢は66.33±12.11(平均値±標準偏差)であった。
【実施例】
【0047】
図8は、GPNMB遺伝子の発現量の定量結果を示すグラフである。その結果、冠動脈疾患の患者及び閉塞性動脈硬化症の患者では、健常人と比較してGPNMB遺伝子の発現量が上昇していることが明らかとなった。この結果は、動脈硬化疾患で、末梢白血球のGPNMB遺伝子の発現量が上昇することを示す。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明により、新たな老化マーカーを提供することができる。GPNMB遺伝子又はタンパク質の発現量は老化に伴い上昇するため、ヒトでGPNMB遺伝子又はタンパク質の発現量が上昇することは、実年齢に見合わず老化が進行しているか、老化関連疾患の合併を意味する可能性が高い。健康診断、人間ドック等で血液又は尿サンプルからGPNMBの発現レベルを評価することは、個体老化の程度を評価、積極的リハビリテーションの介入、老化関連疾患の積極的二次スクリーニングを行うべき集団の選出等に有用である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7