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明細書 :センシング方法およびセンシングシステム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5632989号 (P5632989)
公開番号 特開2011-090591 (P2011-090591A)
登録日 平成26年10月24日(2014.10.24)
発行日 平成26年12月3日(2014.12.3)
公開日 平成23年5月6日(2011.5.6)
発明の名称または考案の名称 センシング方法およびセンシングシステム
国際特許分類 G08C  23/04        (2006.01)
H04B  10/80        (2013.01)
H04B  10/40        (2013.01)
H04B  10/50        (2013.01)
H04B  10/60        (2013.01)
H04B  10/27        (2013.01)
FI G08C 23/00 A
H04B 9/00 X
H04B 9/00 Y
H04B 9/00 N
請求項の数または発明の数 6
全頁数 15
出願番号 特願2009-244995 (P2009-244995)
出願日 平成21年10月24日(2009.10.24)
審査請求日 平成24年10月23日(2012.10.23)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132881
【氏名又は名称】国立大学法人東京農工大学
発明者または考案者 【氏名】黒川 隆志
【氏名】田中 洋介
個別代理人の代理人 【識別番号】100095485、【弁理士】、【氏名又は名称】久保田 千賀志
審査官 【審査官】井上 昌宏
参考文献・文献 特開2008-021292(JP,A)
特開2003-296864(JP,A)
特開2008-014731(JP,A)
特開2006-165651(JP,A)
特開2006-154963(JP,A)
特開2007-184754(JP,A)
調査した分野 G08C13/00~25/04
G01B11/00~11/30
G01D5/26~5/38
G01N21/84~21/958
H04B9/00
H01H35/00
H04N5/30~5/335
特許請求の範囲 【請求項1】
監視装置がレーザ光を光ファイバーを介して複数のセンサノードに送出し、前記各センサノードでは受け取った前記レーザ光の一部を光電変換部により光電変換して電力を生成し、その前記電力を二次電池に充電し、前記電力または前記二次電池に充電した電力により自己回路を駆動して、センサから取得した所定のセンシング情報により前記レーザ光を変調して前記光ファイバーを介して前記監視装置に返送するセンシングシステムであって、
前記各センサノードは、
制御部と、
前記光電変換部を太陽電池モードで動作させ、前記監視装置が前記レーザ光の送出を停止したことを検出するレーザ光送出停止検知回路と、
前記光電変換部をフォトダイオードモードで動作させ、前記監視装置が前記レーザ光の送出を再開したことを検出するレーザ光送出再開検知回路と、
前記光電変換部を、前記レーザ光送出停止検知回路または前記レーザ光送出再開検知回路に接続するスイッチ回路とを備え、
前記光電変換部が前記レーザ光送出停止検知回路に接続されている場合において、前記レーザ光送出停止検知回路が前記レーザ光の送出停止を検出したときは(前記光電変換部の起電力を監視することで検出される)、前記制御部は前記光電変換部が前記レーザ光送出再開検知回路に接続されるように前記スイッチ回路を制御し、
前記光電変換部が前記レーザ光送出再開検知回路に接続されている場合において、前記レーザ光送出再開検知回路が前記レーザ光の送出再開を検出したときは(逆バイアスされている前記光電変換部の出力電流を監視することで検出される)、前記制御部は前記光電変換部が前記レーザ光送出停止検知回路に接続されるように前記スイッチ回路を制御するとともに、前記監視装置へのデータ伝送のタイミングを、他のセンサノードによる前記監視装置へのデータ伝送へのタイミングと衝突しないように設定する、
ことを特徴とするセンシングシステム。
【請求項2】
前記センサノードは、前記光ファイバーを介して入射した前記レーザ光を前記光電変換部とMEMS型光変調器とに分岐するとともに、前記MEMS型光変調器からの変調されたレーザ光を前記監視装置に返送する光分岐結合部を備え、
前記光分岐結合部は、第1サーキュレータと、カプラーと、第2サーキュレータとからなり、
前記第1サーキュレータは前記監視装置からの前記レーザ光を入射し、前記カプラーに出射し、
前記カプラーは入射した前記レーザ光を、前記光電変換部に送出するとともに前記第2サーキュレータを介して前記MEMS型光変調器に返送し、
前記第2サーキュレータは前記MEMS型光変調器からの前記変調されたレーザ光を入射して前記第1サーキュレータを介して前記監視装置に返送する、
ことを特徴とする請求項1に記載のセンシングシステム。
【請求項3】
前記センサノードは、前記光ファイバーを介して入射した前記レーザ光を前記光電変換部とMEMS型光変調器とに分岐するとともに、前記MEMS型光変調器からの変調されたレーザ光を前記監視装置に返送する光分岐結合部を備え、
前記光分岐結合部は、サーキュレータと、カプラーとからなり、
前記サーキュレータは前記監視装置からの前記レーザ光を入射し、前記カプラーに出射するとともに、前記MEMS型光変調器からの前記変調されたレーザ光を入射して前記サーキュレータを介して前記監視装置に返送し、
前記カプラーは入射した前記レーザ光を、前記光電変換部に送出するとともに前記MEMS型光変調器に送出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のセンシングシステム。
【請求項4】
前記レーザ発生装置は、
所定波長の発電用レーザ光を発生する発電用光発生部と、前記発電用レーザ光の波長とは異なる波長の信号用レーザ光を発生する信号用光発生部と、前記発電用レーザ光と前記信号用レーザ光とを合波して出射するWDMフィルタとを備え、
前記センサノードは、
前記レーザ発生装置からのレーザ光を前記光ファイバーを介して入射し、当該レーザ光から前記発電用レーザ光を取り出して前記光電変換部に送出するとともに前記信号用レーザ光を取り出して前記MEMS型光変調器に送出し、さらに前記MEMS型光変調器において変調されたレーザ光を入射して前記監視装置に返送するWDMフィルタからなる光分岐結合部を備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載のセンシングシステム。
【請求項5】
前記光電変換部の出力側と、前記二次電池との間に直流昇圧回路を備えたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のセンシングシステム。
【請求項6】
前記センサノードは、前記二次電池の充電電圧検出機能を有し、当該充電電圧が所定値よりも低下したときに、センシング動作を行わないことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のセンシングシステム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバーを用いてレーザ光を複数のセンサノードに送出し、前記各センサノードでは受け取ったレーザ光の一部を電力に変換して二次電池を充電するとともに当該電力によりセンサから取得した所定のセンシング情報(データ)により前記レーザ光を変調して監視装置に返送するセンシング技術に関し、特に各センサノードからのデータ伝送が相互に衝突することなく、監視装置がデータを確実に受け取ることができるセンシング方法およびセンシングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のセンサノードを用いて温度等を監視するセンシングシステムが、本願発明者により既に提案されている(特許文献1)。
【0003】
この技術は、監視装置側から電力用に利用できるレーザ光を光ファイバーを介してセンサノードに送出するもので、センサノードでは受け取ったレーザ光の一部を光電変換して電子回路駆動に使用するとともに、他の一部に変調を加えて光信号として監視装置に送り返す。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2008-21292(出願人:黒川隆志,発明者:黒川隆志等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、監視装置では、各センサノードからのセンシングデータを同時に受け取った場合、当該データの分別・識別ができず、結果としてこれらのデータをセンシング情報として認識できない。
【0006】
このような場合には、当該センシングデータを無視する(廃棄する)することで、センシングを続行できるが、測定効率が低下する(場合によっては著しく低下する)ことは否めない。
【0007】
本発明の目的は、光ファイバーを介して受信したレーザ光の一部を電力に変換して回路を駆動し、センシング情報(データ)により前記レーザ光を変調して監視装置に返送するセンシング技術に関し、特に各センサノードからのセンシング情報の送信の衝突を生じることなくセンシング情報(データ)を監視装置に確実に返送することができるセンシング方法およびセンシングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は(1)から(8)を要旨とする。
(1)
監視装置がレーザ光を光ファイバーを介して複数のセンサノードに送出し、前記各センサノードでは受け取った前記レーザ光の一部を電力用光電変換部により光電変換して電力を生成し前記電力を二次電池に充電し、前記電力または前記二次電池に充電した電力により自己回路を駆動して、センサから取得した所定のセンシング情報により前記レーザ光を変調して前記光ファイバーを介して前記監視装置に返送するセンシング方法であって、
前記監視装置は、レーザ光の送出を停止した後、当該レーザ光の送出を再開する一方、
前記各センサノードは、前記監視装置によるレーザ光の送出停止および前記レーザ光の送出再開を検知し、その後に前記レーザ光の送出再開を検知したときは、前記監視装置へのデータ伝送のタイミングを、他のセンサノードによる前記監視装置へのデータ伝送へのタイミングと衝突しないように設定する、
ことを特徴とするセンシング方法。
【0009】
(2)
監視装置がレーザ光を光ファイバーを介して複数のセンサノードに送出し、前記各センサノードでは受け取った前記レーザ光の一部を電力用光電変換部により光電変換して電力を生成し、その前記電力を二次電池に充電し、前記電力または前記二次電池に充電した電力により自己回路を駆動して、センサから取得した所定のセンシング情報により前記レーザ光を変調して前記光ファイバーを介して前記監視装置に所定タイミングで返送するセンシングシステムであって、
各センサノードは、前記監視装置が前記レーザ光の送出を停止した状態から前記レーザ光の送出を再開したことをフォトダイオードにより検知するレーザ光送出停止/再開検知回路を備え、
前記各センサノードの制御部は、前記二次電池が充電されている状態において、前記レーザ光送出停止/再開検知回路が、前記レーザ光の送出の再開を検知したときは、前記監視装置へのデータ伝送のタイミングを、他のセンサノードによる前記監視装置へのデータ伝送へのタイミングと衝突しないように設定する、
ことを特徴とするセンシングシステム。
【0010】
(3)
監視装置がレーザ光を光ファイバーを介して複数のセンサノードに送出し、前記各センサノードでは受け取った前記レーザ光の一部を光電変換部により光電変換して電力を生成し、その前記電力を二次電池に充電し、前記電力または前記二次電池に充電した電力により自己回路を駆動して、センサから取得した所定のセンシング情報により前記レーザ光を変調して前記光ファイバーを介して前記監視装置に返送するセンシングシステムであって、
前記各センサノードは、
制御部と、
前記光電変換部を太陽電池モードで動作させ、前記監視装置が前記レーザ光の送出を停止したことを検出するレーザ光送出停止検知回路と、
前記光電変換部をフォトダイオードモードで動作させ、前記監視装置が前記レーザ光の送出を再開したことを検出するレーザ光送出再開検知回路と、
前記光電変換部を、前記レーザ光送出停止検知回路または前記レーザ光送出再開検知回路に接続するスイッチ回路とを備え、
前記光電変換部が前記レーザ光送出停止検知回路に接続されている場合において、前記レーザ光送出停止検知回路が前記レーザ光の送出停止を検出したときは(前記光電変換部の起電力を監視することで検出される)、前記制御部は前記光電変換部が前記レーザ光送出再開検知回路に接続されるように前記スイッチ回路を制御し、
前記光電変換部が前記レーザ光送出再開検知回路に接続されている場合において、前記レーザ光送出再開検知回路が前記レーザ光の送出再開を検出したときは(逆バイアスされている前記光電変換部の出力電流を監視することで検出される)、前記制御部は前記光電変換部が前記レーザ光送出停止検知回路に接続されるように前記スイッチ回路を制御するとともに、前記監視装置へのデータ伝送のタイミングを、他のセンサノードによる前記監視装置へのデータ伝送へのタイミングと衝突しないように設定する、
ことを特徴とするセンシングシステム。
【0011】
(4)
前記センサノードは、前記光ファイバーを介して入射した前記レーザ光を前記光電変換部とMEMS型光変調器とに分岐するとともに、前記MEMS型光変調器からの変調されたレーザ光を前記監視装置に返送する光分岐結合部を備え、
前記光分岐結合部は、第1サーキュレータと、カプラーと、第2サーキュレータとからなり、
前記第1サーキュレータは前記監視装置からの前記レーザ光を入射し、前記カプラーに出射し、
前記カプラーは入射した前記レーザ光を、前記光電変換部に送出するとともに前記第2サーキュレータを介して前記MEMS型光変調器に返送し、
前記第2サーキュレータは前記MEMS型光変調器からの前記変調されたレーザ光を入射して前記第1サーキュレータを介して前記監視装置に返送する、
ことを特徴とする(2)または(3)に記載のセンシングシステム。
【0012】
(5)
前記センサノードは、前記光ファイバーを介して入射した前記レーザ光を前記光電変換部とMEMS型光変調器とに分岐するとともに、前記MEMS型光変調器からの変調されたレーザ光を前記監視装置に返送する光分岐結合部を備え、
前記光分岐結合部は、サーキュレータと、カプラーとからなり、
前記サーキュレータは前記監視装置からの前記レーザ光を入射し、前記カプラーに出射するとともに、前記MEMS型光変調器からの前記変調されたレーザ光を入射して前記サーキュレータを介して前記監視装置に返送し、
前記カプラーは入射した前記レーザ光を、前記光電変換部に送出するとともに前記MEMS型光変調器に送出する、
ことを特徴とする(2)または(3)に記載のセンシングシステム。
【0013】
(6)
前記レーザ発生装置は、
所定波長の発電用レーザ光を発生する発電用光発生部と、前記発電用レーザ光の波長とは異なる波長の信号用レーザ光を発生する信号用光発生部と、前記発電用レーザ光と前記信号用レーザ光とを合波して出射するWDMフィルタとを備え、
前記センサノードは、
前記レーザ発生装置からのレーザ光を前記光ファイバーを介して入射し、当該レーザ光から前記発電用レーザ光を取り出して前記光電変換部に送出するとともに前記信号用レーザ光を取り出して前記MEMS型光変調器に送出し、さらに前記MEMS型光変調器において変調されたレーザ光を入射して前記監視装置に返送するWDMフィルタからなる光分岐結合部を備えた、
ことを特徴とする(2)または(3)に記載のセンシングシステム。
【0014】
(7)
前記光電変換部の出力側と、前記二次電池との間に直流昇圧回路を備えたことを特徴とする(2)から(6)の何れかに記載のセンシングシステム。
【0015】
(8)
前記センサノードは、前記二次電池の充電電圧検出機能を有し、当該充電電圧が所定値よりも低下したときに、センシング動作を行わないことを特徴とする(2)から(7)の何れかに記載のセンシングシステム。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、センサノードからセンシング情報(データ)を監視装置に返送する場合に、データ送信の衝突を生じることがないので(すなわち、監視装置では受信エラーが発生しないので)、センシング効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態を示す説明図であり、センシングシステムの基本構成図である。
【図2】本発明におけるセンサノードの構成例を示す図である。
【図3】本発明におけるセンサノードの他の構成例を示す図である。
【図4】図2および図3におけるセンサノードの作用を示すフローチャートである。
【図5】本発明を構成する監視装置からのレーザ光の送信状態と、センサノードのセンシング情報の各返送タイミングを示す図である。
【図6】本発明のセンシングシステムを示す説明図であり、図3に示したセンサノードをより具体的に示す図である。
【図7】(A)はMEMS型光変調器の具体構成を示す説明図、(B)はMEMS型光変調器の他の具体構成を示す説明図である。
【図8】光分岐結合部の第1構成例を示す説明図であり、2つのサーキュレータと1つのカプラーを用いた例を示す図である。
【図9】光分岐結合部の第2構成例を示す説明図であり、1つのサーキュレータと1つのカプラーを用いた例を示す図である。
【図10】光分岐結合部の第3構成例を示す説明図であり、WDMフィルタを用いた例を示す図である。
【図11】図10の光分岐結合部の説明図であり、(A)は監視装置のレーザ発生装置に設けられたWDMフィルタの構成を、(B)はセンサノードの光分岐結合部に設けられたWDMフィルタの構成を、(C)はWDMに用いられるフィルタ膜の特性を示す図である。
【図12】MPUが二次電池の充電電圧検出機能を有するセンサノードを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面により本発明の実施形態を図面により説明する。
図1は本発明のセンシングシステムの基本構成図である。図1のシステム100において、監視装置1が光ファイバー2を介してレーザ光LAを複数のセンサノードT1,T2,・・・,TMに送出する。

【0019】
図2は、図1に示したセンサノードの構成例を示す図であり、センサノードT1,T2,・・・,TM(図2では符号3で代表して示す)は、マイクロプロセッサユニット(MPU)30と、光分岐結合部31と、光電変換部32と、直流昇圧回路33と、二次電池34と、MEMS型光変調器35と、MEMS駆動回路36と、センサ37と、フォトダイオード321と、増幅器38とを備えている。

【0020】
MPU30は、センサノード3の全回路の制御を行っている。図示はしないが、MPU30には、メモリが内蔵されている。このメモリは、制御プログラム等の各種プログラムや測定開始時刻等の設定値が記憶されたROM、およびMPU30の作業に使用されるRAMからなる。このメモリの一部または全部は、MPU30とは別に設けることができる。

【0021】
図2のセンサノード3では、光分岐結合部31が受け取ったレーザ光LAの一部を光電変換部32およびフォトダイオード321にレーザ光LA1として送るとともに、他の一部を光変調器(本実施形態ではMEMS型光変調器35)にレーザ光LA2として送出する。

【0022】
光電変換部32は受け取ったレーザ光LA1を光電変換して電力を生成し、この電力を直流昇圧回路33によって昇圧した後、二次電池34の充電に供する。光電変換部32が生成する電力または二次電池34の充電電力により、センサノード3の回路(MPU30,MEMS駆動回路36等の自己回路)が駆動される。

【0023】
MPU30は、センサ37から取得した所定のセンシング情報(データ)に基づき制御信号を生成し、この制御信号によりMEMS駆動回路36を制御する。MEMS駆動回路36は、上記制御信号に基づき、MEMS型光変調器35を駆動する電圧を発生する。MEMS駆動回路36では、レーザ光LA2を変調し、この変調したレーザ光MLAを、光ファイバー2を介して監視装置1に返送する。

【0024】
図2では、MPU30が、フォトダイオード321の出力を、増幅器38を介して監視(すなわち、監視装置1からのレーザ光LAの送出停止および送出再開を監視)している。図2に示したフォトダイオード321および増幅器38が、本発明におけるレーザ光送出停止/再開検知回路を構成している。

【0025】
図3はセンサノードの他の構成例を示す図であり、センサノードT1,T2,・・・,TM(図3でも符号3で代表して示す)は、MPU30と、光分岐結合部31と、光電変換部32と、直流昇圧回路33と、二次電池34と、MEMS型光変調器35と、MEMS駆動回路36と、センサ37と、増幅器38と、スイッチ回路39とを備えている。

【0026】
図3においても、図2の場合と同様、センサノード3では、MPU30が全回路の制御を行っている。また、MPU30には、ROMやRAMとして機能するメモリが内蔵されているが、メモリの一部または全部を、MPU30の外部に設けることができる。

【0027】
図3のセンサノード3では、光分岐結合部31が受け取ったレーザ光LAの一部を光電変換部32にレーザ光LA1として送るとともに、他の一部を光変調器(本実施形態ではMEMS型光変調器35)にレーザ光LA2として送出する。

【0028】
図3の光電変換部32は、図2の場合と同様、受け取ったレーザ光LA1を光電変換して電力を生成し、この電力によりセンサノード3の自己回路が駆動される。また、図3のMPU30は、図2の場合と同様、センサ37から取得した所定のセンシング情報(データ)に基づき制御信号を生成し、この制御信号に基づき、MEMS駆動回路36はMEMS型光変調器35を駆動する電圧を発生する。
図3のMEMS駆動回路36では、図2の場合と同様、レーザ光LA2を変調し、この変調したレーザ光MLAを光ファイバー2を介して監視装置1に返送する。

【0029】
図3では、MPU30が、スイッチ回路39(トランジスタ等からなる)を駆動して、レーザ光LAの送出停止を監視する第1モードと、当該送出停止後にレーザ光LAの送出再開を監視する第2モードとに切り替えることができる。

【0030】
第1モードでは、光電変換部32は発電部として機能している。この場合には、光電変換部32がレーザ光送出停止検知回路としても機能している。MPU30が、光電変換部32が発電していないこと(監視装置1がレーザ光LAの送出を停止したこと)を検知したときは、スイッチ回路39を駆動して第1モードから第2モードに切り換える。

【0031】
第2モードでは、光電変換部32はフォトセンサとして機能している。この場合には、光電変換部32と増幅器38がレーザ光送出再開検知回路として機能しており、MPU30が、光電変換部32が光を受光したとき(監視装置1がレーザ光LAの送出を再開したこと)を検知したときは、スイッチ回路39を駆動して第2モードから第1モードに切り換える。

【0032】
MPU30は、監視装置1がレーザ光LAの送出を再開したことを検知したときは、監視装置1へのデータ伝送のタイミングを、他のセンサノードによる監視装置1へのデータ伝送へのタイミングと衝突しないように設定する。

【0033】
上記図2および図3におけるセンサノード3の作用を図4のフローチャートにより説明する。
センサノード3では、MPU30が監視装置1によるレーザ光の送出停止を監視しており(S110)、レーザ光LAの送出停止がないときは(S120の「NO」)監視を続行するが、レーザ光LAの送出停止があったときは(S120の「YES」)、レーザ光LAの送出再開を監視する(S130)。

【0034】
MPU30はレーザ光LAの送出再開を検知しないとき(S140の「NO」)は監視を続行するが、送出再開を検知したときは(S140の「YES」)他のセンサノード3とは互いに異なるデータ送信タイミングをプログラムにセットし(S150)、センシング情報(データ)によりレーザ光LA2を変調して監視装置1に異なるタイミングで返送する(S160)。

【0035】
図5に、監視装置1からのレーザ光LAの送信状態と、センサノードT1,T2,・・・,TMのセンシング情報の各返送タイミングを示す。図5において、TRSTは、レーザ光の送出再開時刻(リスタートタイム)を示している。
以上のように、本発明では、センサノードT1,T2,・・・,TMによるセンシング情報の各データ伝送タイミングを一定時間ずらしているので、センサノードからのデータは相互に衝突が生じることがなく、センシング効率が向上する。

【0036】
図6は、本発明のセンシングシステムを示す説明図であり、図3に示したセンサノードをより具体的に示す図である。
図6において、センサノード3は、MPU30と、光分岐結合部31と、光電変換部32と、直流昇圧回路33と、二次電池34と、MEMS型光変調器35と、センサ37と、増幅器38と、スイッチ回路39とを備えている。

【0037】
MEMS型光変調器35は、図7(A),(B)に示すように、可動ミラー351を2つのポジションの何れかに固定する静電気電極352とを備えている。図7(A),(B)においてMEMS型光変調器35は、可動ミラー351と、可動ミラー351を2つのポジションの何れかに固定する静電気電極352とを備えている。静電気電極352は、加えられる電圧に応じた静電気引力または静電気斥力により、可動ミラー351のポジションを変更することができる。

【0038】
入射したレーザ光LA2を可動ミラー351に照射するための光学系は、図7(A)では2つの光ファイバーF1,F2と、レンズLとにより構成(透過型構成)され、図7(B)では、光ファイバーFとレンズLにより構成(反射型構成)されている。静電気電極352は、加えられる電圧に応じた静電気引力または静電気斥力により、可動ミラー351のポジションを変更することができる。

【0039】
図6において、スイッチ回路39は、光電変換部32が太陽電池モードで動作する接続(すなわち、レーザ光送出停止検知回路への接続)、フォトダイオードで動作する接続(すなわち、レーザ光送出再開検知回路への接続)の何れかを選択できる。

【0040】
本実施形態ではMPU30が直流昇圧回路33の出力端子間電圧を検出している。よって、本実施形態では、光電変換部32と直流昇圧回路33とが、本発明のレーザ光送出停止検知回路を構成している。監視装置1がレーザ光LAを出力しているときには、直流昇圧回路33の出力端子間には電圧が表れるので、MPU30はスイッチ回路39のスイッチ端子(c端子)を直流昇圧回路33側(図6では端子a側)に作動させる。

【0041】
一方、監視装置1がレーザ光LAを出力していないときには、直流昇圧回路33の出力端子間には電圧が表れないので、監視装置1がレーザ光LAを出力しなくなったときには、MPU30はスイッチ回路39のスイッチ端子(c端子)をレーザ光送出再開検知回路側(図6では端子b側)に作動させる。
フォトダイオードモードでは、光電変換部32が逆バイアスされているので速い応答速度でレーザ光送出の再開が検知できる。具体的には、光電変換部32からの光電流は増幅器38によって増幅され、MPU30に伝えられる。よって、逆バイアスされた光電変換部32と増幅器38とが、本発明のレーザ光送出再開検知回路を構成している。

【0042】
監視装置1は、レーザ光LAの送出を停止すると、ただちに、あるいは所定時間を置いて、レーザ光LAの送出を再開する。MPU30は、増幅器38の出力電圧を監視、すなわち、光電変換部32で生じ光電流を増幅器38で増幅して検出しており、当該出力を検出したときは、光電変換部32が直流昇圧回路33に接続されるようにスイッチ回路39のc端子をa端子側に作動させる。

【0043】
これと同時に、MPU30は、ROMに格納されているデータ伝送タイミングを予め定められている時間にセットする。この予め定められている時間、すなわちタイミングは、他のセンサノードとは互いに異なるデータ伝送タイミングであり、これが送信プログラムにセットされる。

【0044】
図8に光分岐結合部31の第1構成例を示す。図8では光分岐結合部を符号31Aで示す。光分岐結合部31Aは、第1サーキュレータ311と、カプラー312(たとえば、分岐比10:1)と、第2サーキュレータ313とからなる。

【0045】
第1サーキュレータ311は監視装置1からのレーザ光LAを入射し、カプラー312に出射する。カプラー312は入射したレーザ光LAを、光電変換部32にLA1として送出するとともに第2サーキュレータ313を介してMEMS型光変調器35にLA2として送出する。

【0046】
第2サーキュレータ313はMEMS型光変調器35から返される変調されたレーザ光MLAを入射して第1サーキュレータ311を介して監視装置1に返送する。

【0047】
図9に光分岐結合部31の第2構成例を示す。図9では光分岐結合部を符号31Bで示す。光分岐結合部31Bは、サーキュレータ311と、カプラー312(たとえば、分岐比10:1)とからなる。
サーキュレータ311は監視装置1からのレーザ光LAを入射し、カプラー312に出射する。

【0048】
カプラー312は入射したレーザ光LAを、光電変換部32にレーザ光LA1として送出するとともに透過型構成(図11(A))のMEMS型光変調器35にレーザ光LA2として送出する。MEMS型光変調器35からの変調されたレーザ光LAは第1サーキュレータ311を介して監視装置1に返送する。

【0049】
図10に光分岐結合部31の第3構成例を示す。図10では光分岐結合部を符号31Cで示す。光分岐結合部31Cは、WDMフィルタ314からなる。一方、監視装置1のレーザ発生装置11は、波長λ1(たとえば、λ1=1.5μm)の発電用光を発生する発電用光発生部111と、波長λ2(たとえば、λ2=1.3μm)の信号用光を発生する信号用光発生部112と、WDMフィルタ(Wave-length Division Multiplexing Filter)113とからなる。

【0050】
WDMフィルタ113により、波長λ1の発電用光と波長λ2の信号用光とは1本のファイバーに結合され、レーザ光LAとしてサーキュレータ13を介してセンサノード3に送出する。なお、上記例では、λ1>λ2としてあるが、λ1<λ2とすることもできる。

【0051】
センサノード3では、監視装置1からのレーザ光LAを入射し、WDMフィルタ314は、入射したレーザ光LAに含まれる波長λ1の発電用光を光電変換部32にレーザ光LA1として送出する。これとともに、WDMフィルタ314は、波長λ2の信号用光をMEMS型光変調器35にレーザ光LA2として送出し、MEMS型光変調器35から返される変調されたレーザ光MLAを入射して監視装置1に返送する。

【0052】
図11(A)は、図10のWDMフィルタ113の構成を示している。図11(A)においてWDMフィルタ113は、レンズL1とフィルタ膜FLTとレンズL2とからなり、光ファイバーF1からのレーザ光に含まれる波長λ1成分はレンズL1とフィルタ膜FLTとレンズL2を介して光ファイバーF3に入射され、光ファイバーF2からのレーザ光に含まれる波長λ2成分はレンズL2を通過した後フィルタ膜FLTに反射されて再びレンズL2を通過し光ファイバーF3に入射される。

【0053】
図11(B)は、図10のWDMフィルタ314の構成を示している。図11(B)においてWDMフィルタ314は、レンズL1とフィルタ膜FLTとレンズL2とからなり、光ファイバーF1からのレーザ光に含まれる波長λ1成分はレンズL1とフィルタ膜FLTとレンズL2を介して光ファイバーF3に入射され、光ファイバーF2からのレーザ光に含まれる波長λ2成分はレンズL1を通過した後フィルタ膜FLTに反射されて再びレンズL1を通過し光ファイバーF2に入射される。図11(C)にフィルタ膜FLTの反射率の特性例を示す。

【0054】
図2において、MPU30は、二次電池34の充電電圧を検出することができ、充電電圧が所定値よりも低下したときに、センシング動作を行わないようにできる。この場合には、MPU30は低電力消費モードで動作し、光電変換部32からの電力のほとんどは二次電池34の充電に費やされる。

【0055】
図12にリセットICを導入した充電回路の例を示す。図12において、光電変換部32に直流昇圧回路33が接続され、直流昇圧回路33には逆流防止用ダイオードDを介して二次電池34が接続されている。二次電池34に並列接続された分圧用抵抗r1,r2の中点電圧と、アノード接地のツェナーダイオードZDのカソード電圧とが比較器CMPにより比較されている。充電電圧が低下し、分圧用抵抗r1,r2の中点電圧がツェナーダイオードZDの逆阻止電圧(例えば1.8[V])を下回るとトランジスタスイッチ回路SWからリセット信号がMPU30に与えられる。
【符号の説明】
【0056】
1 監視装置
2 光ファイバー
3 センサノード
11 レーザ発生装置
12 光情報受信装置
13 サーキュレータ
30 マイクロプロセッサユニット(MP)
31 光分岐結合部
32 光電変換部
33 直流昇圧回路
34 二次電池
35 MEMS型光変調器
36 センサ
37 センサ
38 増幅器
39 スイッチ回路
100 センシングシステム
111 レーザ光源
112 変調器
311,313 サーキュレータ
312 カプラー
314 WDMフィルタ
351 可動ミラー
352 静電気電極
353 MEMS駆動回路
LA,LA1,LA2 レーザ光
MLA 変調されたレーザ光
1,T2,・・・,TM センサノード
図面
【図1】
0
【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図3】
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