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明細書 :光アイソレータ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5023321号 (P5023321)
公開番号 特開2007-290874 (P2007-290874A)
登録日 平成24年6月29日(2012.6.29)
発行日 平成24年9月12日(2012.9.12)
公開日 平成19年11月8日(2007.11.8)
発明の名称または考案の名称 光アイソレータ
国際特許分類 C30B  29/32        (2006.01)
C30B  13/00        (2006.01)
G02B   1/02        (2006.01)
FI C30B 29/32 C
C30B 13/00
G02B 1/02
請求項の数または発明の数 1
全頁数 5
出願番号 特願2006-116979 (P2006-116979)
出願日 平成18年4月20日(2006.4.20)
審査請求日 平成20年12月4日(2008.12.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
発明者または考案者 【氏名】小松 隆一
個別代理人の代理人 【識別番号】100082164、【弁理士】、【氏名又は名称】小堀 益
【識別番号】100105577、【弁理士】、【氏名又は名称】堤 隆人
審査官 【審査官】伊藤 光貴
参考文献・文献 特開昭53-043099(JP,A)
特開2005-227606(JP,A)
特開平09-178940(JP,A)
特開平4-299302(JP,A)
調査した分野 C30B 1/00-35/00
G02B 1/02
特許請求の範囲 【請求項1】
光ファイバを接続する、ファラデー回転子及びMgTiO複屈折単結晶板を備えた光アイソレータであって、
前記ファラデー回転子の光入射側及び光出射側のそれぞれに、前記MgTiO複屈折単結晶板を垂直面が前記ファラデー回転子側に向くように且つ常光線と異常光線ともに45°ずれるように配置し、さらに、前記ファラデー回転子の光入射側に配設された前記MgTiO複屈折単結晶板の光出射面及び前記ファラデー回転子の光出射側に配設されたMgTiO複屈折単結晶板の光入射面を、それぞれc軸に平行な面とした光アイソレータ
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、複屈折率が大きいMgTiO単結晶体を使用した光アイソレータに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバを接続する中継光増幅器には、反射戻り光が雑音を誘起することから、反射戻り光を遮断して雑音を押さえるために光アイソレータが使用されている。光アイソレータは、複屈折単結晶プリズムの間にファラデー回転素子を配し、複屈折単結晶プリズムの傾斜面をファラデー回転素子の各々反対側に向け、かつ各々の傾斜面が平行となるように配置されている。光アイソレータのプリズムに用いられる複屈折性単結晶には、主としてルチル単結晶が利用されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
ルチル単結晶は、浮遊帯溶融法(FZ法)、ベルヌイ法などで製造されている(特許文献3、4参照)。

【特許文献1】特開平6-175070号公報
【特許文献2】特開2001-264694公報
【特許文献3】特開平7-330429号公報
【特許文献4】特開2004-361815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ルチルの複屈折率(Δn)は約0.3であるが、常光線の屈折率n1と異常光線の屈折率n2との差である複屈折率Δn=│n1-n2│が大きければ、常光線と異常光線との分離角はより大きくなる。その結果、複屈折率が大きい複屈折単結晶をプリズムに使用できれば、光アイソレータを小型化することが可能となる。そのため、ルチル複屈折単結晶より複屈折が大きい複屈折単結晶が求められていた。
【0005】
そこで、本発明は、前記課題を解決するために、ルチル複屈折単結晶より複屈折率が大きいMgTiO単結晶体を使用した光アイソレータを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光ファイバを接続する、ファラデー回転子及びMgTiO複屈折単結晶板を備えた光アイソレータであって、前記ファラデー回転子の光入射側及び光出射側のそれぞれに、前記MgTiO複屈折単結晶板を垂直面が前記ファラデー回転子側に向くように且つ常光線と異常光線ともに45°ずれるように配置し、さらに、前記ファラデー回転子の光入射側に配設された前記MgTiO複屈折単結晶板の光出射面及び前記ファラデー回転子の光出射側に配設されたMgTiO複屈折単結晶板の光入射面を、それぞれc軸に平行な面とした光アイソレータである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のMgTiO複屈折単結晶体は、従来のルチル複屈折単結晶体より複屈折率が大きく、複屈折単結晶を薄くできるので、光アソレータの複屈折単結晶プリズムの小型化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の一実施例としてFZ法によるMgTiO複屈折結晶の製造方法ついて説明する。
【実施例】
【0011】
3NのMgO、TiOを化学量論組成(MgO:TiO=1:1)で秤量し、それを混合、破砕して、棒状に成形し、1300℃で10hr焼成して1cm径長さ10cmのMgTiOセラミクス棒を作成した。焼結密度は理論密度の95%以上であった。
【0012】
このMgTiOの棒2本をFZ育成炉の下軸と上軸に設置した。加熱時には上下軸を回転させる。下軸に設置したセラミックス棒の上端にランプ加熱の集中部がくるようにして加熱を行った。MgTiOの融点は1600℃以上であるので、上端がそれ以上の温度になるように調整し、観測窓より上端が融解したことを確認する。
【0013】
その後上軸に設置したセラミクス棒を徐々に(1cm/min.)近づけて、融解部に接触させる。融液が接触により固化したら、再度加熱し、加熱する出力を調整し、融液が安定に存在する出力を求める。
【0014】
融液部が安定してから、上下軸を一定速度、この実施例では10mm/hrで下に移動させるか、または下軸の移動速度よりも上軸の移動速度をやや小さくして移動させた。30mm育成してから、上軸の移動をとめて、上下軸が離れることを確認し、その後ランプ出力を1時間程度でゼロにして、さらに1時間後にセラミックス棒を取り出した。下軸に融液から成長した多結晶が成長しているが、最初の実験では多結晶を構成している単結晶の径は2mm径以下であった。
【0015】
この育成結晶が付いているセラミクス棒を、下軸にして同じ実験を何回も行った。加熱融解部の大きさは15mm程度の長さなので、融液の下部はいつも育成結晶部がくるようにする。何回も育成を行うとそのたびに育成した多結晶部を構成している単結晶の径は大きくなり、この実験では4回で単結晶が得られた。
【0016】
その後はこの単結晶を下軸に用い、上軸には原料棒としてセラミクス棒を用い、単結晶が育成できるようになった。育成条件としては、回転数20-30rpm、移動速度3-30mm/hであった。育成した単結晶は、8-10mm径長さ20-35mmであった。
【0017】
育成結晶を用いてX解回折実験を行った結果、MgTiO単相であることが確認された。
【0018】
育成結晶を切り出し、厚み1mmの両面を光学研磨した板を作製した。
【0019】
この板の複屈折率を測定した。その結果、ルチル等の他の複屈折結晶と同じ屈折率がc軸からの角度のみに依存する光学1軸性の3方晶系に属し、1.5μmの波長で従来の結晶より大きな複屈折率(Δn=0.36)を持ち、ルチル単結晶のΔn=-0.30より大きいことが確認された。
【0020】
また、この板の透過率を測定した。その結果、3μmまで透明であることが判った。光ファイバーに用いられる1.3~1.5μmの波長でも透明であることが判った。
【0021】
また、得られたMgTiO単結晶は水と反応しないことから耐水性にも優れていることがわかった。
【0022】
図1は本発明の製造方法により得られたMgTiO複屈折単結晶を組み込んだ光アイソレータの概略図である。
【0023】
光ファイバ1,2を接続する光アイソレータは、ファラデー回転子3、MgTiO複屈折単結晶板4,5を備え、ファラデー回転子3の光入射側及び光出射側のそれぞれに、MgTiO複屈折単結晶板4,5を垂直面Mがファラデー回転子1側に向くように配置し、且つ常光線と異常光線ともに45°ずれるように配置する。
【0024】
MgTiO複屈折単結晶板4,5は、複屈折率が大きいので小型にすることができ、光アイソレータを従来より小型化が可能となる。特に、ファラデー回転子3の光入射側に配設されたMgTiO複屈折単結晶板4の光出射面、及びファラデー回転子3の光出射側に配設されたMgTiO複屈折単結晶板5の光入射面を、それぞれc軸に平行な面とすると、複屈折率を最も大きくとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のMgTiO複屈折単結晶板を組み込んだ光アイソレータの概略図である。
【符号の説明】
【0026】
1,2:光ファイバ
3 :ファラデー回転子
4,5:MgTiO複屈折単結晶板
図面
【図1】
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