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明細書 :ネットワーク機器、ネットワークシステム、LSIモジュール及び変換モジュール

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-203885 (P2015-203885A)
公開日 平成27年11月16日(2015.11.16)
発明の名称または考案の名称 ネットワーク機器、ネットワークシステム、LSIモジュール及び変換モジュール
国際特許分類 G06F   3/00        (2006.01)
FI G06F 3/00 P
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2014-081424 (P2014-081424)
出願日 平成26年4月10日(2014.4.10)
発明者または考案者 【氏名】松本 尚
出願人 【識別番号】505195384
【氏名又は名称】国立大学法人奈良女子大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100121441、【弁理士】、【氏名又は名称】西村 竜平
【識別番号】100154704、【弁理士】、【氏名又は名称】齊藤 真大
審査請求 未請求
要約 【課題】LSIモジュールのコネクタを共通化する。
【解決手段】複数の回路から選択された回路を複数の接続ピンに割り当て可能に構成されたLSI1および複数の回路それぞれで共通とされた共通コネクタCNを備えるLSIモジュールM1と、LSIモジュールM1及び外部機器の間に介在して設けられ、共通コネクタCNに接続されるとともに、外部機器が接続される変換モジュールM2とを具備する。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
互いに異なる機能を有する複数の回路から選択された回路を、外部機器との入出力を可能にする複数の接続ピンに割り当て可能に構成されたLSI、及び、前記複数の接続ピンを前記外部機器に接続するものであり、前記複数の回路それぞれで共通とされた共通コネクタを備えるLSIモジュールと、
前記LSIモジュール及び前記外部機器の間に介在して設けられ、前記共通コネクタに接続されるとともに、前記外部機器が接続される変換モジュールと、を具備するネットワーク機器。
【請求項2】
前記LSIが、前記変換モジュールに接続された外部機器の機器データを取得して、前記外部機器の制御機能を発揮する回路を選択して、当該選択した回路を前記複数の接続ピンに割り当てることを特徴とする請求項1記載のネットワーク機器。
【請求項3】
前記LSIが、前記変換モジュールに接続された外部機器の機器データを取得して、前記外部機器の通信規格を判別するとともに、当該通信規格による通信機能を発揮する回路を選択して、当該選択した回路を前記複数の接続ピンに割り当てることを特徴とする請求項1又は2記載のネットワーク機器。
【請求項4】
前記LSIが、前記変換モジュールに接続された外部機器の機器データを取得して、前記外部機器の制御機能を発揮する回路が前記複数の回路に含まれていない場合には、インターネットを介して、外部から取得することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のネットワーク機器。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載のネットワーク機器と、
前記ネットワーク機器の変換モジュールに接続されて、前記選択された回路により制御される外部機器とを備えるネットワークシステム。
【請求項6】
互いに異なる機能を有する複数の回路から選択された回路を、外部機器との入出力を可能にする複数の接続ピンに割り当て可能に構成されたLSI、及び、前記複数の接続ピンを前記外部機器に接続するものであり、前記複数の回路それぞれで共通とされた共通コネクタを備えるLSIモジュール。
【請求項7】
互いに異なる機能を有する複数の回路から選択された回路を、外部機器との入出力を可能にする複数の接続ピンに割り当て可能に構成されたLSI、及び、前記複数の接続ピンを前記外部機器に接続するものであり、前記複数の回路それぞれで共通とされた共通コネクタを備えるLSIモジュールに用いられるものであって、
前記LSIモジュール及び前記外部機器の間に介在して設けられ、前記共通コネクタに接続されるとともに、前記外部機器が接続される変換モジュール。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに異なる機能を有する複数の周辺回路と、外部との入出力を可能にする複数の接続ピンとを備えており、製造後においてユーザにより複数の周辺回路の機能を選択して、複数の接続ピンに割り当て可能に構成されたLSIを用いたLSIモジュールに関する。
また、本発明は、当該LSIモジュールを用いたネットワーク機器、当該ネットワーク機器に用いられる変換モジュール及び前記ネットワーク機器を用いたネットワークシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、LSIチップを用いたLSIモジュールには、各通信回路に対応した接続コネクタ、例えば、イーサネット(登録商標)用の接続コネクタ、I2C用の接続コネクタ、SPI用の接続コネクタ、UART用の接続コネクタ、LIN用の接続コネクタ、CAN用の接続コネクタ、USB用の接続コネクタ等を設けることが一般的である。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2006-39988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、本願発明者は、外部ピン(接続ピン)の数が、内蔵された周辺回路の全機能に対応しきれずに、ユーザが使用時に使う機能を選択し、外部ピンに引き出す内部信号線を設定可能なLSIチップ(CSoC;Configurable System-on-Chip)を用いて、特に、生活環境の向上のための情報処理及び通信(Life Computing and Communication)を統合したネットワークシステム構築を考えている。
【0005】
このとき、従来のようにLSIモジュール毎に、各通信規格毎の接続コネクタを設けると、使用しない通信規格に対応した接続コネクタが不要となってしまい、不経済である。また、LSIモジュールが大型化してしまい、複数のLSIモジュールを設置する場合には、その設置スペースが大きくなってしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、接続される外部機器の通信規格に依らず、LSIモジュールの接続コネクタを共通化することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係るネットワーク機器は、互いに異なる機能を有する複数の回路から選択された回路を、外部機器との入出力を可能にする複数の接続ピンに割り当て可能に構成されたLSI、及び、前記複数の接続ピンを前記外部機器に接続するものであり、前記複数の回路それぞれで共通とされた共通コネクタを備えるLSIモジュールと、前記LSIモジュール及び前記外部機器の間に介在して設けられ、前記共通コネクタに接続されるとともに、前記外部機器が接続される変換モジュールと、を具備することを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、複数の回路それぞれで共通とされた共通コネクタを有するLSIモジュールと、当該共通コネクタに接続されるとともに外部機器が接続される変換モジュールとを備えるので、LSIモジュールに各通信規格毎に専用の接続コネクタを設ける必要が無く、LSIモジュールをコンパクトにすることができる。また、複数のLSIモジュールを一箇所に設置する場合であっても、その設置スペースを小さくすることができる。さらに、LSIモジュールと変換モジュールとを接続する場合に、共通コネクタに変換モジュールを接続するだけで良く、従来のように対応する接続コネクタを選択する作業を不要にでき、接続作業を容易にすることができる。
【0009】
前記LSIが、前記変換モジュールに接続された外部機器の機器データを取得して、前記外部機器の制御機能を発揮する回路を選択して、当該選択した回路を前記複数の接続ピンに割り当てることが望ましい。
これならば、外部機器を変換モジュールを介してLSIモジュールに接続するだけで、LSIが外部機器を判別して、当該外部機器を制御することができる。つまり、このように構成すれば、外部機器のプラグアンドプレイが可能となる。
この場合、外部機器には、LSIに送信するための機器データを予め持たせておく。この機器データは、外部機器のメモリに設定された機器データ格納部に格納されている。
【0010】
ここで、LSIモジュールと外部機器との間の通信規格としては、UART通信(必須信号:TXD、RXD、GND)、I2C通信(必須信号:SDA、SCK、GND)、スレーブ機器が1つのみのSPI通信(必須信号:SCK、MISO、MOSI、GND)、LIN通信(必須信号:LINバス(1本)、GND)、CAN通信(必須信号:CANバス(平衡2本))、USB1.1通信(必須信号:D+、D-、+5V、GND)、USB OTG 2.0 Rev.1.0通信(必須信号:D+、D-、+5V、GND)等が考えられる。
つまり、上記の通信規格を全てサポートするためには、USB電源の2本を除いて、信号線は、4本あれば足りる。言い換えれば、共通コネクタが4本の接続ピンに接続されていれば良い。
但し、外部機器の情報(IF規格(通信規格)やIFの属性情報)が無いと通信が始められない。そこで、外部機器の機器データを取得する通信初期化のための信号線を追加することが考えられる。つまり、共通コネクタの端子数が5本であり、5本の接続ピンに接続されている。
【0011】
本発明では、前記LSIが、前記変換モジュールに接続された外部機器の機器データを取得して、前記外部機器の通信規格を判別するとともに、当該通信規格による通信機能を発揮する回路を選択して、当該選択した回路を前記複数の接続ピンに割り当てることが望ましい。
【0012】
例えば、信号線として、外部機器の機器データを取得する通信初期化フェーズと外部機器の制御を行う通常通信フェーズとを切り替える切り替え信号のやり取りを行うため信号線を追加する。そして、通信初期化フェーズ時に通信規格をI2C通信に固定して、LSIが外部機器から機器データを取得する。この通信初期化フェーズより取得した機器データに基づいて、外部機器の通信規格を判別して、通信規格による通信機能を発揮する回路を選択して、当該選択した回路の機能を前記複数の接続ピンに割り当てて、通常通信フェーズに移行する。
【0013】
LSIモジュールに接続される外部機器が初めてのものの場合には、当該外部機器から取得した機器データを取得しても、LSIモジュールに当該外部機器を制御するためのプログラムが搭載されていないため、制御することができない。このため、前記LSIが、前記変換モジュールに接続された外部機器の機器データを取得して、前記外部機器の制御機能を発揮する回路が前記複数の回路に含まれていない場合には、インターネットを介して、外部から取得することが望ましい。
【0014】
上述したネットワーク機器に好適に用いられるLSIモジュールとしては、互いに異なる機能を有する複数の回路から選択された回路を、外部機器との入出力を可能にする複数の接続ピンに割り当て可能に構成されたLSI、及び、前記複数の接続ピンを前記外部機器に接続するものであり、前記複数の回路それぞれで共通とされた共通コネクタを備えることを特徴とする。
【0015】
また、上述のネットワーク機器に好適に用いられる変換モジュールとしては、互いに異なる機能を有する複数の回路から選択された回路を、外部機器との入出力を可能にする複数の接続ピンに割り当て可能に構成されたLSI、及び、前記複数の接続ピンを前記外部機器に接続するものであり、前記複数の回路それぞれで共通とされた共通コネクタを備えるLSIモジュールに用いられるものであって、前記LSIモジュール及び前記外部機器の間に介在して設けられ、前記共通コネクタに接続されるとともに、前記外部機器が接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
このように構成した本発明によれば、接続される外部機器の通信規格に依らず、LSIモジュールの接続コネクタを共通化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態におけるネットワークシステムを示す模式図。
【図2】同実施形態のLSIチップの構成を示す模式図。
【図3】同実施形態のLSIモジュールと外部機器の信号の送受信を示す模式図。
【図4】変形実施形態のLSIモジュールと外部機器の信号の送受信を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明に係るネットワークシステムの一実施形態について図面を参照して説明する。

【0019】
本実施形態のネットワークシステム100は、図1に示すように、複数のノードデバイス1を接続して構成されたものであり、具体的には生活環境の向上のための情報処理と通信を統合するネットワークシステム(LCCA)である。

【0020】
各ノードデバイス1には、外部機器が接続されており、各ノードデバイス1は、オペレーティングシステム(OS)に基づいて動作して、それぞれの外部機器を制御する。

【0021】
本実施形態のノードデバイス1は、生活環境の向上のための情報処理及び通信(Life Computing and Communication)を結合するLSIチップ(以下、Life Computing and Communication Processor(LCCP))である。

【0022】
このLSIチップ1は、1又は複数のCPUと、1又は複数のメモリと、互いに異なる機能を有する複数の周辺回路と、それらを接続するメモリインターフェイスと、外部との入出力を可能にする複数の接続ピンとを備えており、製造後においてユーザにより複数の周辺回路の機能を選択して、複数の接続ピンに割り当て可能に構成されたもの(CSoC)である。つまり、このLSIチップ1は、チップに設けられた接続ピンの数よりも、チップに内蔵された機能の方が多く、必要な機能だけを前記接続ピンに割り当てて、外部とのデータの送受信を行うことができるように構成されたものである。

【0023】
具体的なLSIチップ1の構成は、図2に示すように、1又は複数のCPU2と、1又は複数のメモリ3a、3b、3c(2つのSRAMと1つのFLASH ROM)と、複数のイーサネット送受信部4a~4dと、それらを接続するメモリインターフェイス5とを備えたシステムLSIである。なお、イーサネットの伝送速度としては、10Mbps、100Mbps、1Gbps、10Gbps等が考えられる。

【0024】
その他、本実施形態のLSIチップ1は、FPUアクセラレータ6、暗号処理装置(CryptoEngine)7、CAN/LIN通信用インターフェイス8、USB OTGコントローラ9、汎用入出力ピン(GPIO)10、非同期シリアル通信(UART)用インターフェイス11、I2C通信用インターフェイス12、ADコンバータ13、DAコンバータ14、EEPROM15、タイマ回路16等の、周辺回路、メモリ及び接続ピンを備えている。

【0025】
本実施形態では、FPUアクセレータ6、汎用入出力ピン(GPIO)10、非同期シリアル通信(UART)用インターフェイス11、I2C通信用インターフェイス12、ADコンバータ13、DAコンバータ14、EEPROM15、タイマ回路16及び複数のイーサネット送受信部4a~4dは、ローカルバス(local bus)によって接続されている。

【0026】
また、CPU2、複数のメモリ3a、3b、3c、複数のイーサネット送受信部4a~4d、暗号処理装置(CryptoEngine)7、CAN/LIN通信用インターフェイス8、USB OTGコントローラ9等は、メモリインターフェイス5に接続されている。さらに、CPU2には、FPUアクセラレータ6が接続されている。なお、FPUをCPUに一体化したものであっても良い。

【0027】
各イーサネット送受信部4a~4dは、物理層(PHY)及び論理層(MAC)を有するものである。また、複数のイーサネット送受信部4a~4dは、積層されて描画されているが、これは表示上の便法であり、半導体基板上に積層して設けられていることを意味するものではない。

【0028】
本実施形態では、複数のイーサネット送受信部4a~4d及びメモリインターフェイス5の間に送受信部間のデータ転送をバイバスするためのスイッチ機構SWが設けられている。

【0029】
このスイッチ機構SWは、単一の半導体スイッチ素子から構成されており、複数のイーサネット送受信部4a~4dの各イーサネット送受信部からの出力を、メモリインターフェイス5又は他のイーサネット送受信部の入力に接続するものである。また、このスイッチ機構SWは、通常はメモリインターフェイスからの出力をイーサネット送受信部の入力に、イーサネット送受信部からの出力をメモリインターフェイスの入力に接続するように機能する。これにより、イーサネット送受信部が、ダイレクトメモリアクセス機能により、データパケットをメモリとの間で入出力することを妨げない。

【0030】
このスイッチ機構SWは、受信パケットのデータ内容により制御される。具体的に複数のイーサネット送受信部4a~4dのうちの任意のイーサネット送受信部において受信されたパケットの内容が、他のイーサネット送受信部からの送信による転送を必要とし、転送に使用する送受信部が他に転送すべきデータパケットを有していない場合に限り、スイッチ機構SWを制御して、メモリにパケットを転送することなく、中継すべきイーサネット送受信部に転送する。転送に使用するイーサネット送受信部の決定は、パケットを受信したイーサネット送受信部に内蔵されるテーブル表を宛先イーサネットアドレスで引くことによって得られる。スイッチ機構が存在する場合には、そのためのテーブル表を含むハードウェアがイーサネット送受信部に含まれる。テーブル表の内容は前もってCPUによって設定されている。

【0031】
スイッチ機構SWを介して転送に使用しようとしたイーサネット送受信部が運悪くパケット送出中等であり、すぐに使用可能でない場合は、ダイレクトメモリアクセス機能によってメモリ上の領域に転送して、CPUに対して受信完了の割り込みを発生させる。この転送において、転送時間短縮のため、転送が必要なパケットと他のパケットで転送領域を別に用意する。また、優先度ごとにパケットを処理するために、転送領域をパケットの優先度ごとに用意する。CPUは受信割込みで起動したプログラムにより、転送用領域に格納されたパケットの内、最も優先度の高いパケットから中継すべきイーサネット送受信部の送信用メモリ領域に優先度別に転送する。便宜上、転送という言葉を使用しているが、実装によってはポインタをセットし直すことで済むケースが多い。

【0032】
スイッチ機構SWを介して転送した場合は、CPUが予め設定したテーブル表によって中継すべきイーサネット送受信部が決定し、スイッチ機構SWを介さない場合にはCPUがプログラムにより中継すべきイーサネット送受信部を決定している。よって、故障等によって使用できないイーサネット送受信部が発生したとしても、テーブル表の書換えやプログラムの振る舞い変更によって対応可能である。つまり、本構成を持つLSIを結合して作られるシステムは運用時に動的にイーサネットパケットの中継経路を変更することが可能である。

【0033】
複数のイーサネット送受信部4a~4dは、メモリインターフェイス5のデータ転送バンド幅が十分に広いため、最大4つの送信と4つの受信を同時に行うことが可能である。もちろん、メモリへの読み書きは一度に一つしか行えないが、そのための軽微な待ち合わせは随所に挿入されたFIFOメモリ回路で行われる。

【0034】
このように構成したLSIチップ1を用いたネットワークシステム100は、図1に示すように、複数のLSIチップ1を互いに接続することにより構成されている。なお、接続トポロジーとしては、1箇所の送受信部の故障又は1つのLSIチップ1の故障などで使えなくなった経路が発生しても任意の迂回通信経路が確保可能な接続形態であれば良い。

【0035】
具体的には、複数のLSIチップ1のイーサネット送受信部4a~4dを互いに接続して構成されている。本実施形態のLSIチップ1は、4つのイーサネット送受信部(ポート)4a~4dを有しており、複数のLSIチップ1が格子状に接続されている。このように接続することで、各ノード(LSIチップ1)が各種入出力インターフェイスを持ったLSIチップであるため、様々な周辺機器、センサ、制御機器を、各ノードのイーサネット送受信部(ポート)以外の接続ポートに接続したシステムが構築可能である。そして、各ノード(LSIチップ1)は、当該ノードに接続された周辺機器、センサ、制御機器を制御する機能を有している。これにより、各ノードに接続される外部周辺機器の制御機能をLSIチップ1のみに持たせることができ、外部周辺機器に制御部を設けなくても良い。

【0036】
図1では、LCCAをホームネットワークに適用した場合を示しており、1つのLSIチップ1は、例えば寝室に設けられた機器に対応して設けられ、エアコン及びリモコン等が接続されて、当該エアコン及びリモコン等を制御する。また、1つのLSIチップ1は、例えば台所に設けられた機器に対応して設けられ、冷蔵庫及び電子レンジ等が接続されて、当該冷蔵庫及び電子レンジ等を制御する。1つのLSIチップ1は、例えば書斎に設けられた機器に対応して設けられ、ディスプレイ、キーボード等のパソコン機器及び無線ラン親機等が接続されて、当該パソコン機器及び無線ラン親機等を制御する。1つのLSIチップ1は、例えばリビングに設けられた機器に対応して設けられ、テレビ及びDVDレコーダ等が接続されて、当該テレビ及びDVDレコーダ等を制御する。

【0037】
しかして、本実施形態のLSIチップ1は、図3に示すように、複数の接続ピン(例えば、汎用入出力ピン(GPIO)10)を外部機器に接続するものであり複数の回路それぞれで共通とされた共通コネクタCNとともにLSIモジュールM1を構成している。つまり、LSIモジュールM1は、複数の通信規格それぞれで共通とされた共通コネクタCNを有している。

【0038】
また、このLSIモジュールM1には、例えば変換ケーブル等の変換モジュールM2を介して外部機器が接続される。この変換モジュールM2は、LSIモジュールM1及び外部機器の間に介在して設けられ、共通コネクタCNに接続されるとともに、外部機器が接続されるものである。この変換モジュールM2は、LSIモジュールM1に接続される外部機器毎に設けられている。このLSIモジュールM1及び変換モジュールM1によりネットワーク機器が構成される。

【0039】
ここで、LSIモジュールM1と外部機器との間の複数の通信規格は、UART通信(必須信号:TXD、RXD、GND)、I2C通信(必須信号:SDA、SCK、GND)、スレーブ機器が1つのみのSPI通信(必須信号:SCK、MISO、MOSI、SS、GND)、LIN通信(必須信号:LINバス(1本)、GND)、CAN通信(必須信号:CANバス(平衡2本))、USB1.1通信(必須信号:D+、D-、+5V、GND)、USB OTG 2.0 Rev.1.0通信(必須信号:D+、D-、+5V、GND)等である。

【0040】
つまり、上記の通信規格を全てサポートするためには、USB電源の2本を除いて、信号線は、4本あれば足りる。言い換えれば、共通コネクタCNが4本の接続ピン(汎用入出力ピン(GPIO)10)に接続されていれば良い。

【0041】
ここで、外部機器の識別情報(IF規格(通信規格)やIFの属性情報の他、通信以外の情報を含む。)が無いと通信が始められない。そこで、外部機器とLSIチップ1との間に形成されるネットワークにおいて、外部機器の機器データを取得する通信初期化のための信号線を追加している。この信号線は、外部機器の機器データを取得する通信初期化フェーズと外部機器の制御を行う通常通信フェーズとを切り替える切り替え信号のやり取りを行うためのものである。つまり、本実施形態では、共通コネクタCNは、通信初期化のための信号線の入出力を行うための接続ピンを加えて、5本の接続ピン(汎用入出力ピン(GPIO)10)に接続されている。

【0042】
そして、本実施形態のLSIチップ1は、変換モジュールM2に接続された外部機器の機器データを取得して、外部機器の通信規格を判別するとともに、当該通信規格による通信機能を発揮する回路を選択して、当該選択した回路を前記複数の接続ピンに割り当てる。

【0043】
以下、外部機器を変換モジュールM2を介してLSIモジュールM1に接続してから通常制御に至るまでの動作について説明する。

【0044】
まず、外部機器を変換モジュールM2を介してLSIモジュールM1に接続すると、LSIチップ1は、外部機器の機器データを取得する通信初期化を行う(通信初期化フェーズ)。つまり、LSIチップ1は、通信初期化フェーズにおいて、切り替え信号を外部機器に送信するとともに、外部機器との間の通信規格をI2C通信に固定して、外部機器のメモリに格納された機器データを取得する。

【0045】
そして、LSIチップ1は、取得した機器データに基づいて、外部機器の通信規格等を判別して、当該外部機器の通信規格に対応する通信機能を発揮する回路を選択して、当該選択した回路を共通コネクタCNに接続された複数の接続ピンに割り当てる。その後、通信初期化フェーズから通常通信フェーズに移行して、外部機器を通常制御する。

【0046】
ここで、外部機器の通信規格がUSB通信の場合と、UART通信の場合とに分けて具体的な動作内容を簡単に説明する。

【0047】
LSIモジュールM1にUSB通信を行う外部機器が接続された場合、LSIチップ1は、外部機器の機器データを取得して、USB通信を行う機器であることを判別する。そうすると、LSIチップ1は、USB通信機能を発揮する回路を選択して、当該選択した回路を、共通コネクタCNに接続された複数の接続ピンに割り当てて、通常のUSB通信を行う。その後、LSIチップ1は、USB通信により、外部機器の識別情報を取得する。

【0048】
一方、LSIモジュールM1にUART通信を行う外部機器が接続された場合、LSIチップ1は、外部機器の機器データを取得して、UART通信を行う機器であることを判別する。このとき、LSIチップ1は、通信規格がURAT通信であるという情報の他に、URAT通信の動作電圧が3.3Vか5Vか、又は通信速度といった通信に関する情報を取得する。URAT通信には、USB通信のように識別情報の共通規格が無いため、通信の属性情報に続いて、外部機器の識別情報を取得した。その後、LSIチップ1は、UART通信機能を発揮する回路を選択して、当該選択した回路を、共通コネクタCNに接続された複数の接続ピンに割り当てて、通常のURAT通信を行う。

【0049】
また、LSIモジュールM1に接続される外部機器が初めてのものの場合には、当該外部機器から取得した機器データを取得しても、LSIモジュールM1に当該外部機器を制御するためのプログラムが搭載されていないため、制御することができない。このため、LSIチップ1が、変換モジュールに接続された外部機器の機器データを取得して、外部機器の制御機能を発揮する回路が前記複数の回路に含まれていない場合には、インターネットを介して、外部から取得する。具体的には、LSIチップ1に搭載できる応用プログラムを外部機器のメーカーサイト又は応用プログラムのアーカイブサイトからダウンロードしてインストールする。

【0050】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係るネットワークシステム100によれば、複数の回路それぞれで共通とされた共通コネクタCNを有するLSIモジュールM1と、当該共通コネクタCNに接続されるとともに外部機器が接続される変換モジュールM2とを備えるので、LSIモジュールM1に各通信規格毎に専用の接続コネクタを設ける必要が無く、LSIモジュールM1をコンパクトにすることができる。また、複数のLSIモジュールM1を一箇所に設置する場合であっても、その設置スペースを小さくすることができる。さらに、LSIモジュールM1と変換モジュールM2とを接続する場合に、共通コネクタCNに変換モジュールM2を接続するだけで良く、従来のように対応する接続コネクタを選択する作業を不要にでき、接続作業を容易にすることができる。

【0051】
LSIチップ1が、変換モジュールM2に接続された外部機器の機器データを自動で取得して、外部機器の通信規格を判別するとともに、当該通信規格による通信機能を発揮する回路を選択して、当該選択した回路を複数の接続ピンに割り当てるので、外部機器を変換モジュールM2を介してLSIモジュールM1に接続するだけで、LSIチップ1が外部機器を判別して、当該外部機器を制御することができる。つまり、このように構成すれば、外部機器のプラグアンドプレイが可能となる。

【0052】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、外部機器の機器データとして、通信規格を示すデータを主として取得する場合について説明したが、その他、通信規格以外の通信に関係の無い機器データを取得するように構成しても良い。

【0053】
また、前記実施形態では、イーサネット通信の接続コネクタ(イーサネット送受信部)と、それ以外の複数の通信に共通した共通コネクタとが別々に構成された場合を説明したが、イーサネット通信を含めた複数の通信に共通した共通コネクタとしても良い。

【0054】
さらに、前記実施形態では、外部機器を変換モジュールM2を介してLSIモジュールM1に接続することにより、LSIチップ1が外部機器の機器データを自動で取得するように構成されているが、別の他の手段により外部機器の機器データをLSIチップ1に入力するように構成すれば、図4に示すように、切り替え信号をやり取りするための信号線を有さない構成としても良い。

【0055】
その上、前記実施形態のように、インターネットを介して外部機器を制御するためのプログラムをダウンロードする場合等には、内部メモリの容量不足によってプログラムを書き換える必要がある。また、LSIチップの内部メモリに格納されているプログラムを更新する必要がある。これらに対応するために、LSIチップが内部メモリのうちフラッシュメモリの書き換え機能を有することが望ましい。具体的には、LSIチップのフラッシュメモリにおいて、データの中継機能(データ通信機能)を発揮する中継プログラム及びデータ書き換え/更新機能を発揮する書き換えプログラムが、フラッシュメモリ等の内部メモリに書き換え不能に格納されており、その他のプログラムについては、前記中継プログラム及び書き換えプログラムにより、実行されていないプログラムを書き換えるように構成する。なお、書き換える/更新するプログラム(例えばOS)によっては、認証ステップを設けることが考えられる。

【0056】
前記実施形態では、複数のイーサネット送受信部4a~4dが多層構造状に図示されているが、これは図面表記上の便法であり、物理的には、少なくとも1つのイーサネット送受信部がその他のイーサネット送受信部に対して平面的に隣接して配置されていても、平面的に離れて配置されていても良い。

【0057】
また、前記実施形態では、4つのイーサネット送受信部を有するものであったが、5つ以上のイーサネット送受信部を有するものであっても良い。例えば、複数のLCCPを格子状に接続した場合において、LCCPと外部装置とをイーサネット接続する場合には、5つ目のイーサネット送受信部が必要となる。また、例えば複数のLCCPを格子状に接続した場合において、LCCPを情報コンセントとして用いて、2ポート用意するのであれば、計6つのイーサネット送受信部が必要となる。さらにそれ以上のイーサネット送受信部を持たせて、巨大なネットワークを構築できるようにしても良い。

【0058】
また、前記実施形態では、LSIチップ1がスイッチ機構SWを有するものであったが、スイッチ機構SWを有さずに、CPU2がプログラムによりスイッチ機構としての機能を代替するように構成したものであっても良い。これならば、物理的な構成としてスイッチ機構を設ける必要が無いため、LSIチップ1の設計を簡略化することができる。

【0059】
複数のLSIチップを用いたネットワークシステムとしては、ホームネットワークの他に、公共施設等のインフラ、自治体又は街等の広域に及ぶネットワークに適用することもできるし、ファクトリーオートメーション(工場自動化)のネットワークシステムに適用することもできるし、自動車やロボット等のネットワークシステムに適用することもできる。

【0060】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0061】
100・・・ネットワークシステム
M1 ・・・LSIモジュール
M2 ・・・変換モジュール
1 ・・・LSIチップ(LCCP)
CN ・・・共通コネクタ
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
2
【図4】
3