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明細書 :インドール化合物及び該化合物を含む細胞修復剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-147833 (P2016-147833A)
公開日 平成28年8月18日(2016.8.18)
発明の名称または考案の名称 インドール化合物及び該化合物を含む細胞修復剤
国際特許分類 C07D 209/16        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61K  31/4045      (2006.01)
A61K  31/404       (2006.01)
A61K  31/405       (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
FI C07D 209/16 CSP
A61P 43/00 107
A61K 31/4045 ZNA
A61K 31/404
A61K 31/405
C12N 15/00 A
請求項の数または発明の数 10
出願形態 OL
全頁数 29
出願番号 特願2015-025888 (P2015-025888)
出願日 平成27年2月13日(2015.2.13)
発明者または考案者 【氏名】鈴木 信雄
【氏名】関口 俊男
【氏名】上西 篤志
【氏名】染井 正徳
【氏名】田淵 圭章
【氏名】近藤 隆
【氏名】服部 淳彦
出願人 【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100088904、【弁理士】、【氏名又は名称】庄司 隆
【識別番号】100124453、【弁理士】、【氏名又は名称】資延 由利子
【識別番号】100135208、【弁理士】、【氏名又は名称】大杉 卓也
【識別番号】100152319、【弁理士】、【氏名又は名称】曽我 亜紀
審査請求 未請求
テーマコード 4B024
4C086
4C204
Fターム 4B024AA01
4B024CA04
4B024CA12
4B024CA20
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC13
4C086BC14
4C086GA02
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB22
4C204BB01
4C204CB03
4C204DB13
4C204EB02
4C204FB03
4C204GB26
要約 【課題】X線等の放射線の照射によって損傷した細胞を修復する新規細胞修復剤の提供。
【解決手段】式(I)に代表されるインドール系化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物、並びに前記化合物等を含む細胞修復剤。前記細胞修復剤としては、式(I)で表される化合物の他、メラトニン誘導体;5-メトキシトリプトファン等のトリプトファン誘導体;N-アセチル-5-メトキシトリプタミン等のトリプタミン誘導体も用いることができる。
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(R、R、R、Rは各々独立に水素原子等;RはOH、フェニルカルバモイルオキシ基等;Rはメチル基等。)
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
以下の一般式(I)を有するインドール化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物。
【化1】
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(ここで、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、各々独立して、以下の通りである、
R1:水素、ブロモ基、又は、クロロ基
R2:ブロモ基、水素、クロロ基、ニトロ基、N-アセチル基、エチル基、又は、エチル-CONH-
R3:メトキシ基、ヒドロキシ基、N-フェニルカルバモイル基、水素、ブロモ基、ニトロ基、N-アセチル基、クロロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアシル基、又は、置換基を有していてもよいアシルオキシル基
R4:ブロモ基、水素、クロロ基、O-アセチル基、又は、-CH2O(フェニル)
R6:ブロモ基、酸素、又は、水素
R7:水素、アリル基、プロパルギル基、フェニルメチル基、アセチル基、メチル基、アルデヒド基、ヒドロキシ基、メトキシ基、メチルヘキシルカルボニル基、クロロプロピルカルボニル基、ブロモプロピル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシル基、又は、下記のいずれか1の置換基
【化2】
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【請求項2】
以下のいずれか1以上の化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物である請求項1に記載のインドール化合物。
(1)N-フェニル-N'-(5-ヒドロキシ-1-メチル-インドール-3-イル)エチル-N'-メチル尿素
(2)N-フェニル-N'-メチル-N'-[5-(N-フェニル-カルバモイル)オキシ-1-メチルインドール-3-イル]-エチル尿素

【請求項3】
請求項1又は2に記載のインドール化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物を含む細胞修復剤。

【請求項4】
前記細胞修復剤は、放射線細胞修復剤である請求項3に記載の細胞修復剤。

【請求項5】
以下の一般式(I I)を有するインドール化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物を含む細胞修復剤。
【化3】
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(ここで、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、各々独立して、以下の通りである、
R1:水素、ブロモ基、又は、クロロ基
R2:ブロモ基、水素、クロロ基、ニトロ基、N-アセチル基、エチル基、又は、エチル-CONH-
R3:メトキシ基、ヒドロキシ基、N-フェニルカルバモイル基、水素、ブロモ基、ニトロ基、N-アセチル基、クロロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアシル基、又は、置換基を有していてもよいアシルオキシル基
R4:ブロモ基、水素、クロロ基、O-アセチル基、又は、-CH2O(フェニル)
R5:N-アセチル基、N-ジメチル基、N-メトキシカルボニル基、N-ジアセチル基、エチル-CONH-基、メチルプロピル-CONH-、メチルペンチル-CONH-、メチルヘプチル-CONH-、ニトリル基、トリフルオロメチル-CONH-、又は、下記のいずれか1の置換基
【化4】
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R6:ブロモ基、酸素、又は、水素
R7:水素、アリル基、プロパルギル基、フェニルメチル基、アセチル基、メチル基、アルデヒド基、ヒドロキシ基、メトキシ基、メチルヘキシルカルボニル基、クロロプロピルカルボニル基、ブロモプロピル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシル基、又は、下記のいずれか1の置換基
【化5】
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【請求項6】
以下のいずれか1以上の化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物である請求項5に記載のインドール化合物を含む細胞修復剤。
N-フェニル-N'-(5-ヒドロキシ-1-メチル-インドール-3-イル)エチル-N'-メチル尿素
N-フェニル-N'-メチル-N'-[5-(N-フェニル-カルバモイル)オキシ-1-メチルインドール-3-イル]-エチル尿素
N-アセチル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N-アセチル-1-アリル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N-アセチル-5-メトキシ-1-プロパルギル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N-アセチル-1-ベンジル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N,1-ジアセチル-5-メトキシ-2,4,7-トリブロモトリプタミン
N-アセチル-5-メトキシ-2,4,7-トリブロモトリプタミン
N-アセチル-2,6-ジブロモ-5-メトキシトリプタミン
N-アセチル-2,7-ジブロモ-5-メトキシトリプタミン
N-アセチル-4,7-ジブロモ-2,3-ジヒドロ-5-メトキシ-2-オキソトリプタミン
N-アセチル-5-メトキシ-4,6,7-トリクロロトリプタミン
N-アセチル-5-メトキシトリプタミン
N,N-ジメチル-5-ヒドロキシトリプタミン
1-ホルミル-5-ヒドロキシ-N-メトキシ-カルボニルトリプタミン
4-アセトキシ-5-メトキシ-N,N,1-トリアセチルトリプタミン
N-シクロプロピルカルボニル-トリプタミン
N-シクロプロピルカルボニル-1-ヒドロキシトリプタミン
N-プロパノイルトリプタミン
1-ヒドロキシ-N-プロパノイル-トリプタミン
N-ペンタノイルトリプタミン
1-ヒドロキシ-N-ペンタノイル-トリプタミン
N-ヘプタノイルトリプタミン
N-ヘプタノイル-1-ヒドロキシトリプタミン
N-ノナノイルトリプタミン
1-ヒドロキシ-N-ノナノイル-トリプタミン
N-シクロロヘキシルカルボニル-トリプタミン
N-シクロヘキシルカルボニル-1-ヒドロキシトリプタミン
N-(2-フロイル)トリプタミン
N-(2-フロイル)-1-ヒドロキシ-トリプタミン
4-ベンジルオキシ-5-ブロモ-インドール-3-アセトニトリル
N-アセチル-2,3-ジヒドロ-5-ニトロトリプタミン
N-アセチル-1-ヒドロキシ-5-ニトロトリプタミン
N-アセチル-1-メトキシ-5-ニトロ-トリプタミン
2,3-ジヒドロ-6-ニトロ-N-トリフルオロアセチルトリプタミン
N-アセチル-5-アセチルアミノ-1-メトキシトリプタミン
N-アセチル-6-アセチルアミノ-1-メトキシトリプタミン
N-アセチル-1-メトキシ-6-プロパノイルアミノトリプタミン
(dl)-5-クロロ-N-メトキシカルボニル-トリプトファン N-メチルアミド
(S)-(+)-N-アセチル-1-ヒドロキシ-トリプトファンメチルエステル
(S)-(+)-N-アセチル-5-メトキシ-トリプトファンメチルエステル
(S)-(+)-N-アセチル-1-アリル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモ-トリプトファン メチル エステル
(S)-(+)-N-アセチル-5-メトキシ-1-プロパギル-2,4,6-トリブロモ-トリプトファン メチル エステル
(S)-(+)-N-アセチル-1-ベンジル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモ-トリプトファン メチル エステル
(S)-(+)-N-アセチル-1-t-ブトキシ-カルボニル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプトファンメチルエステル
N-シクロプロピルカルボニル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
1,5-ジメトキシ-N-ピバロイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
1-アセチル-5-メトキシ-N-ピバロイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
5-メトキシ-N-ペンタノイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
5-メトキシ-N-ノナノイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
5-メトキシ-N-パルミトイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N,1-ジアセチル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N-アセチル-5-メトキシ-1-p-トルエン-スルホニル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N-アセチル-5-メトキシ-1-オクタノイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N-アセチル-1-(4-クロロ)ブチリル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N-アセチル-5-メトキシ-1-(Z)-9-オクタ-デセノイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N-アセチル-1-(3-ブロモ)プロピル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
[3-(アセチルアミノ)エチル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモインドール-1-イル]メチルオキシラン
5-メトキシトリプトファン
1-ベンジル-2,4,6-トリブロモメラトニン
ブロモメラトニン
メラトニン

【請求項7】
以下のいずれか1以上の化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物である請求項5に記載のインドール化合物を含む細胞修復剤。
N-(2-フロイル)トリプタミン
4-ベンジルオキシ-5-ブロモ-インドール-3-アセトニトリル
(S)-(+)-N-アセチル-1-ヒドロキシ-トリプトファン メチル エステル
(S)-(+)-N-アセチル-5-メトキシ-トリプトファン メチル エステル
N-シクロプロピルカルボニル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
5-メトキシトリプトファン

【請求項8】
以下のいずれか1以上の化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物である請求項5に記載のインドール化合物を含む細胞修復剤。
N-アセチル-1-ベンジル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N-アセチル-5-メトキシトリプタミン
N-シクロプロピルカルボニル-トリプタミン
N-アセチル-2,3-ジヒドロ-5-ニトロトリプタミン
N-アセチル-1-メトキシ-5-ニトロ-トリプタミン
N-アセチル-5-アセチルアミノ-1-メトキシトリプタミン
N-アセチル-1-メトキシ-6-プロパノイルアミノトリプタミン
(S)-(+)-N-アセチル-1-ベンジル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモ-トリプトファン メチル エステル
1,5-ジメトキシ-N-ピバロイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N,1-ジアセチル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
N-アセチル-1-(4-クロロ)ブチリル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
[3-(アセチルアミノ)エチル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモインドール-1-イル]メチルオキシラン

【請求項9】
前記細胞修復剤は、放射線細胞修復剤である請求項5~8のいずれか1に記載の細胞修復剤。

【請求項10】
前記細胞修復剤は、放射線照射後細胞修復剤である請求項5~9のいずれか1に記載の細胞修復剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、インドール化合物及び該化合物を含む細胞修復剤に関する。
【背景技術】
【0002】
(放射線)
放射線が生体分子に与える影響には直接作用と間接作用がある。直接作用は、放射線が直接、標的となる生体高分子を電離・励起して主鎖や側鎖の切断といった傷害を生じさせる。一方、放射線照射により、標的分子以外が電離・励起され、生じたラジカルが標的分子に攻撃することを間接作用と言う。放射線の直接作用の標的分子はDNA分子であり、間接作用のほとんどは生体を構成する水分子である。
DNA鎖の損傷には、DNA一本鎖切断 (DNA single-strand break:SSB) とDNA二本鎖切断 (DNA double-strand break:DSB) がある。DNAにこれらの損傷(特に重篤なDSB)が起こると、DNA損傷修復機構やアポトーシス経路が働く。放射線による損傷を利用したものが、放射線がん治療である。 放射線治療は外科療法や化学療法に比べて体の負担が少なく、老齢者や末期がん患者にも適用可能であり、ほぼすべてのがんに対して効果があり、治療の対象とすることができる。
【0003】
骨に対する放射線の影響を調べた研究において、臨床実験では、超高圧放射線治療により、骨の成長阻害、放射線骨壊死、放射線障害性腫瘍形成がX線撮影により確認されたという報告がある (非特許文献1:Radiographics 18, 1123-1125 (1998)) 。また、in vivo の研究においてはラットの後脚にγ線と炭素線を照射した場合に、破骨細胞のサイズ減少が観察されたと示している (非特許文献2:Radiat. Environ. Biophys. 42, 219-223 (2003))。このように、骨に対する放射線の影響解析は臨床実験やin vivoの実験が多くを占めている。
【0004】
(放射線被爆)
自然災害により、原子力発電所やそれと関連する原子燃料製造施設や放射性廃棄物処理施設など原子力施設からの放射能漏れ事故が起こっている。これにより、原子力施設の業務に従事する人々、周辺地域住民が放射線被爆することがある。
【0005】
(放射線の治療剤)
いくつかの放射線被爆の治療剤についてすでに報告されている。しかし、その多くは、放射線照射前に使用する予防剤がほとんどである。放射照射後の細胞修復剤は、知られていない。
【先行技術文献】
【0006】

【非特許文献1】Radiographics 18, 1123-1125 (1998)
【非特許文献2】Radiat. Environ. Biophys. 42, 219-223 (2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明では、インドール化合物並びに、該化合物を含む細胞修復剤、特に、放射照射後の細胞修復剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために研究した結果、以下の一般式(I)又は(I I)を有するインドール化合物が、細胞修復能力、特に、放射線照射後の細胞修復能力を有することを確認して、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成した。
【0009】
【化1】
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【0010】
【化2】
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【0011】
上記一般式(I)及び(I I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、各々独立して、以下の通りである。
R1:水素、ブロモ基、又は、クロロ基
R2:ブロモ基、水素、クロロ基、ニトロ基、N-アセチル基、エチル基、又は、エチル-CONH-
R3:メトキシ基、ヒドロキシ基、N-フェニルカルバモイル基、水素、ブロモ基、ニトロ基、N-アセチル基、クロロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアシル基、又は、置換基を有していてもよいアシルオキシル基
R4:ブロモ基、水素、クロロ基、O-アセチル基、又は、-CH2O(フェニル)
R5:N-アセチル基、N-ジメチル基、N-メトキシカルボニル基、N-ジアセチル基、エチル-CONH-基、メチルプロピル-CONH-、メチルペンチル-CONH-、メチルヘプチル-CONH-、ニトリル基、トリフルオロメチル-CONH-、又は、下記のいずれか1の置換基
【化3】
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R6:ブロモ基、酸素、又は、水素
R7:水素、アリル基、プロパルギル基、フェニルメチル基、アセチル基、メチル基、アルデヒド基、ヒドロキシ基、メトキシ基、メチルヘキシルカルボニル基、クロロプロピルカルボニル基、ブロモプロピル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシル基、又は、下記のいずれか1の置換基
【化4】
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【0012】
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.一般式(I)を有するインドール化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物。
2.一般式(I)を有するインドール化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物を含む細胞修復剤。
3.一般式(I)を有するインドール化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物を含む放射線細胞修復剤。
4.一般式(I I)を有するインドール化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物を含む細胞修復剤。
5.一般式(I I)を有するインドール化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物を含む放射線細胞修復剤。
6.一般式(I I)を有するインドール化合物、その塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物を含む放射線照射後細胞修復剤。
【発明の効果】
【0013】
本発明のインドール化合物並びに該化合物を含む細胞修復剤は、優れた細胞修復能力、特に放射線照射後の細胞修復能力を示した。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の化合物の例示。
【図2】本発明の化合物の例示。
【図3】本発明の化合物の例示。
【図4】本発明の化合物の例示。
【図5】X線を照射したキンギョのウロコの生細胞活性。
【図6】メラトニン(10-4 M)をX線の照射前(A)、照射時(B)、照射後(C)に分けて添加し、X線を4 Gyの強度で照射したキンギョのウロコの生細胞活性。
【図7】DNAマイクロアレイに用いたガスケットスライドの配置(実験はduplicationで行った)。
【図8】アレイ解析において、X線照射により発現量が減少した遺伝子
【図9】アレイ解析において、X線照射により発現量が上昇した遺伝子数
【図10】X線照射のみ行った群に対して、放射線照射時にメラトニン添加をした場合に変化した遺伝子マップ。
【図11】X線照射のみ行った群に対して、放射線照射後にメラトニン添加をした場合に変化した遺伝子マップ。
【図12】X照射後にメラトニンを添加したときのNIH3T3及びMG-63の生細胞活性。
【図13】マウス線維芽細胞NIH3T3におけるメラトニン受容体の発現(左のレーンから、ラダー、MT1、MT2、RORαを示す)。
【図14】本発明の化合物13、14、47及び48の合成手順
【図15】本発明の化合物54、55、56、57及び58の合成手順
【図16】本発明の化合物によるX線照による細胞修復作用の確認
【図17】本発明の化合物によるX線照による細胞修復作用の確認
【図18】本発明の化合物によるX線照による細胞修復作用の確認
【図19】本発明の化合物によるX線照による細胞修復作用の確認
【図20】本発明の化合物によるX線照による細胞修復作用の確認
【図21】本発明の化合物によるX線照による細胞修復作用の確認
【図22】本発明の化合物であるブロモメラトニンによるX線照による細胞修復作用の確認
【発明を実施するための形態】
【0015】
(本発明の新規インドール化合物)
本発明の新規インドール化合物は、以下の一般式(1)を有するインドール化合物(以後、「本発明の新規インドール化合物」と称する場合がある)からなる。
【化5】
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【0016】
上記一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、各々独立して、以下の通りである。
R1:水素、ブロモ基、又は、クロロ基
R2:ブロモ基、水素、クロロ基、ニトロ基、N-アセチル基、エチル基、又は、エチル-CONH-
R3:メトキシ基、ヒドロキシ基、N-フェニルカルバモイル基、水素、ブロモ基、ニトロ基、N-アセチル基、クロロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアシル基、又は、置換基を有していてもよいアシルオキシル基
R4:ブロモ基、水素、クロロ基、O-アセチル基、又は、-CH2O(フェニル)
R5:N-アセチル基、N-ジメチル基、N-メトキシカルボニル基、N-ジアセチル基、エチル-CONH-基、メチルプロピル-CONH-、メチルペンチル-CONH-、メチルヘプチル-CONH-、ニトリル基、トリフルオロメチル-CONH-、又は、下記のいずれか1の置換基
【化6】
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R6:ブロモ基、酸素、又は、水素
R7:水素、アリル基、プロパルギル基、フェニルメチル基、アセチル基、メチル基、アルデヒド基、ヒドロキシ基、メトキシ基、メチルヘキシルカルボニル基、クロロプロピルカルボニル基、ブロモプロピル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシル基、又は、下記のいずれか1の置換基
【化7】
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ここで、「置換基を有していてもよいアルキル基」は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチルのごとき炭素数1~10のアルキル基であり、好ましくは、炭素数1~6のアルキル基であって、より好ましくは、-CH、-CHCN、-CHCOOH、-CHCOOCH、または-CHCHCOOCHである。
「置換基を有していてもよいアルケニル基」は、例えば、ビニル基、プルペニル基、イソプロペニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基のごとき炭素数2~10のアルケニル基であり、好ましくは、炭素数2~6のアルケニル基であって、より好ましくは、-CHCH=CHである。
「置換基を有していてもよいアルキニル基」は、例えば、エチニル基、プロペニル基のごとき炭素数2~10のアルキニル基であって、好ましくは、炭素数2~6のアルキニル基である。
「置換基を有していてもよいアリール基」は、例えば、フェニル基、ナフチル基のごとき炭素数6~20のアリール基であって、好ましくは、炭素数6~10のアリール基である。
「置換基を有していてもよいアラルキル基」は、例えば、ベンジル基、フェネチル基のごとき炭素数7~20のアラルキル基であって、好ましくは、炭素数7~10のアラルキル基である。
「置換基を有していてもよいアルコキシル基」は、例えば、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、イソプロポキシル基、ブトキシル基、tert-ブトキシル基のごとき炭素数1~10のアルコキシル基であって、好ましくは、炭素数1~6のアルコキシル基である。
「置換基を有していてもよいアシル基」は、例えば、アセチル基、ベンゾイル基のごとき炭素数1~10のアシル基であって、好ましくは、炭素数6~10のアシル基である。
「置換基を有していてもよいアシルオキシル基」は、例えば、アセトキシル基、ベンゾイルオキシル基のごとき炭素数1~10のアシルオキシル基であって、好ましくは、炭素数6~10のアシルオキシル基である。

【0017】
詳しくは、以下の化合物を例示することができる。
化合物13:N-フェニル-N'-(5-ヒドロキシ-1-メチル-インドール-3-イル)エチル-N'-メチル尿素
化合物14:N-フェニル-N'-メチル-N'-[5-(N-フェニル-カルバモイル)オキシ-1-メチルインドール-3-イル]-エチル尿素
さらに、本発明の新規インドール化合物は、以下を含む。
化合物47:1,5-ジメトキシ-N-ピバロイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
化合物48:1-アセチル-5-メトキシ-N-ピバロイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
化合物54:N-アセチル-5-メトキシ-1-オクタノイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
化合物55:N-アセチル-1-(4-クロロ)ブチリル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
化合物56:N-アセチル-5-メトキシ-1-(Z)-9-オクタ-デセノイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
化合物57:N-アセチル-1-(3-ブロモ)プロピル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
化合物58:[3-(アセチルアミノ)エチル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモインドール-1-イル]メチルオキシラン
加えて、上記新規インドール化合物の塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物も対象とする。

【0018】
(本発明の細胞修復剤)
本発明の「細胞修復剤」は、少なくとも、以下の一般式(I)を有する化合物(以後、「本発明の化合物」と称する場合がある)を有する。
なお、本発明の細胞修復剤は、放射線照射、紫外線照射、炭素線照射、原子力発電所等の被爆等による細胞(組織、器官も含む)損傷を修復することができることを意味する。
加えて、修復とは、「細胞の活性を上昇させる、細胞の代謝を上昇させる、細胞の生存を維持する」等を意味するが、特に限定されない。
さらに、本発明の細胞修復剤は、好ましくは、放射線細胞修復剤(放射線照射による細胞の損傷を防ぐための予防剤も含む)、より好ましくは放射線照射後細胞修復剤である。

【0019】
【化8】
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【0020】
上記一般式(II)のR1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、上記記載と同一である。

【0021】
本発明の化合物は、メラトニン、ブロモメラトニン、さらには、下記に列挙される化合物1~60を例示できるが、特に限定されない(参照:図1~4)。
化合物1:N-アセチル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(N-Acetyl-5-methoxy-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物2:N-アセチル-1-アリル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(N-Acetyl-1-allyl-5-methoxy-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物3:N-アセチル-5-メトキシ-1-プロパルギル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(N-Acetyl-5-methoxy-1-propargyl-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物4:N-アセチル-1-ベンジル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(N-Acetyl-1-benzyl-5-methoxy-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物5:N,1-ジアセチル-5-メトキシ-2,4,7-トリブロモトリプタミン
(N,1-Diacetyl-5-methoxy-2,4,7-tribromotryptamine)
化合物6:N-アセチル-5-メトキシ-2,4,7-トリブロモトリプタミン
(N-Acetyl-5-methoxy-2,4,7-tribromotryptamine)
化合物7:N-アセチル-2,6-ジブロモ-5-メトキシトリプタミン
(N-Acetyl-2,6-dibromo-5-methoxytryptamine)
化合物8:N-アセチル-2,7-ジブロモ-5-メトキシトリプタミン
(N-Acetyl-2,7-dibromo-5-methoxytryptamine)
化合物9:N-アセチル-4,7-ジブロモ-2,3-ジヒドロ-5-メトキシ-2-オキソトリプタミン
N-Acetyl-4,7-dibromo-2,3-dihydro-5-methoxy-2-oxotryptamine
化合物10:N-アセチル-5-メトキシ-4,6,7-トリクロロトリプタミン
(N-Acetyl-5-methoxy-4,6,7-trichlorotryptamine)
化合物11:N-アセチル-5-メトキシトリプタミン
(N-Acetyl-5-methoxytryptamine)
化合物12:N,N-ジメチル-5-ヒドロキシトリプタミン
(N,N-Dimethyl-5-hydroxytryptamine)
化合物13:N-フェニル-N'-(5-ヒドロキシ-1-メチル-インドール-3-イル)エチル-N'-メチル尿素
(N-Phenyl-N'-(5-hydroxy-1-methyl-indol-3-yl)ethyl-N'-methylurea)
化合物14:N-フェニル-N'-メチル-N'-[5-(N-フェニル-カルバモイル)オキシ-1-メチルインドール-3-イル]-エチル尿素
(N-Phenyl-N'-methyl-N'-[5-(N-phenyl-carbamoyl)oxy-1-methylindol-3-yl]-ethylurea)
化合物15:1-ホルミル-5-ヒドロキシ-N-メトキシ-カルボニルトリプタミン
(1-Formyl-5-hydroxy-N-methoxy-carbonyltryptamine)
化合物16:4-アセトキシ-5-メトキシ-N,N,1-トリアセチルトリプタミン
(4-Acetoxy-5-methoxy-N,N,1-triacetyltryptamine)
化合物17:N-シクロプロピルカルボニル-トリプタミン
(N-Cyclopropylcarbonyl-tryptamine)
化合物18:N-シクロプロピルカルボニル-1-ヒドロキシトリプタミン
(N-Cyclopropylcarbonyl-1-hydroxytryptamine)
化合物19:N-プロパノイルトリプタミン
(N-Propanoyltryptamine)
化合物20:1-ヒドロキシ-N-プロパノイル-トリプタミン
(1-Hydroxy-N-propanoyl-tryptamine)
化合物21:N-ペンタノイルトリプタミン
(N-Pentanoyltryptamine)
化合物22:1-ヒドロキシ-N-ペンタノイル-トリプタミン
(1-Hydroxy-N-pentanoyl-tryptamine)
化合物23:N-ヘプタノイルトリプタミン
(N-Heptanoyltryptamine)
化合物24:N-ヘプタノイル-1-ヒドロキシトリプタミン
(N-Heptanoyl-1-hydroxytryptamine)
化合物25:N-ノナノイルトリプタミン
(N-Nonanoyltryptamine)
化合物26:1-ヒドロキシ-N-ノナノイル-トリプタミン
(1-Hydroxy-N-nonanoyl-tryptamine)
化合物27:N-シクロロヘキシルカルボニル-トリプタミン
(N-Cyclorohexylcarbonyl-tryptamine)
化合物28:N-シクロヘキシルカルボニル-1-ヒドロキシトリプタミン
(N-Cychrohexylcarbonyl-1-hydroxytryptamine)
化合物29:N-(2-フロイル)トリプタミン
(N-(2-Furoyl)tryptamine)
化合物30:N-(2-フロイル)-1-ヒドロキシ-トリプタミン
(N-(2-Furoyl)-1-hydroxy-tryptamine)
化合物31:4-ベンジルオキシ-5-ブロモ-インドール-3-アセトニトリル
(4-Benzyloxy-5-bromo-indole-3-acetonitrile)
化合物32:N-アセチル-2,3-ジヒドロ-5-ニトロトリプタミン
(N-Acetyl-2,3-dihydro-5-nitrotryptamine)
化合物33:N-アセチル-1-ヒドロキシ-5-ニトロトリプタミン
(N-Acetyl-1-hydroxy-5-nitrotryptamine)
化合物34:N-アセチル-1-メトキシ-5-ニトロ-トリプタミン
(N-Acetyl-1-methoxy-5-nitro-tryptamine)
化合物35:2,3-ジヒドロ-6-ニトロ-N-トリフルオロアセチルトリプタミン
(2,3-Dihydro-6-nitro-N-trifluoroacetyltryptamine)
化合物36:N-アセチル-5-アセチルアミノ-1-メトキシトリプタミン
(N-Acetyl-5-acetylamino-1-methoxytryptamine)
化合物37:N-アセチル-6-アセチルアミノ-1-メトキシトリプタミン
(N-Acetyl-6-acetylamino-1-methoxytryptamine)
化合物38:N-アセチル-1-メトキシ-6-プロパノイルアミノトリプタミン
(N-Acetyl-1-methoxy-6-propanoylaminotryptamine)
化合物39:(dl)-5-クロロ-N-メトキシカルボニル-トリプトファン N-メチルアミド
((dl)-5-Chloro-N-methoxycarbonyl-tryptophan N-methylamide)
化合物40:(S)-(+)-N-アセチル-1-ヒドロキシ-トリプトファンメチルエステル
((S)-(+)-N-Acetyl-1-hydroxy-tryptophan methyl ester)
化合物41:(S)-(+)-N-アセチル-5-メトキシ-トリプトファンメチルエステル
((S)-(+)-N-Acetyl-5-methoxy-tryptophan methyl ester)
化合物42:(S)-(+)-N-アセチル-1-アリル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモ-トリプトファンメチルエステル
((S)-(+)-N-Acetyl-1-allyl-5-methoxy-2,4,6-tribromo-tryptophan methyl ester)
化合物43:(S)-(+)-N-アセチル-5-メトキシ-1-プロパギル-2,4,6-トリブロモ-トリプトファンメチルエステル
((S)-(+)-N-Acetyl-5-methoxy-1-propagyl-2,4,6-tribromo-tryptophan methyl ester)
化合物44:(S)-(+)-N-アセチル-1-ベンジル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモ-トリプトファンメチルエステル
((S)-(+)-N-Acetyl-1-benzyl-5-methoxy-2,4,6-tribromo-tryptophan methyl ester)
化合物45:(S)-(+)-N-アセチル-1-t-ブトキシ-カルボニル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプトファンメチルエステル
((S)-(+)-N-Acetyl-1-t-butoxy-carbonyl-5-methoxy-2,4,6-tribromotryptophan methyl ester)
化合物46:N-シクロプロピルカルボニル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(N-Cyclopropylcarbonyl-5-methoxy-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物47:1,5-ジメトキシ-N-ピバロイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(1,5-Dimethoxy-N-pivaloyl-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物48:1-アセチル-5-メトキシ-N-ピバロイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(1-Acetyl-5-methoxy-N-pivaloyl-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物49:5-メトキシ-N-ペンタノイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(5-Methoxy-N-pentanoyl-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物50:5-メトキシ-N-ノナノイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(5-Methoxy-N-nonanoyl-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物51:5-メトキシ-N-パルミトイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(5-Methoxy-N-palmitoyl-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物52:N,1-ジアセチル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(N,1-Diacetyl-5-methoxy-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物53:N-アセチル-5-メトキシ-1-p-トルエン-スルホニル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(N-Acetyl-5-methoxy-1-p-toluene-sulfonyl-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物54:N-アセチル-5-メトキシ-1-オクタノイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(N-Acetyl-5-methoxy-1-octanoyl-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物55:N-アセチル-1-(4-クロロ)ブチリル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(N-Acetyl-1-(4-chloro)butyryl-5-methoxy-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物56:N-アセチル-5-メトキシ-1-(Z)-9-オクタ-デセノイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(N-Acetyl-5-methoxy-1-(Z)-9-octa-decenoyl-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物57:N-アセチル-1-(3-ブロモ)プロピル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
(N-Acetyl-1-(3-bromo)propyl-5-methoxy-2,4,6-tribromotryptamine)
化合物58:[3-(アセチルアミノ)エチル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモインドール-1-イル]メチルオキシラン
([3-(Acetylamino)ethyl-5-methoxy-2,4,6-tribromoindol-1-yl]methyloxirane)
化合物59:5-メトキシトリプトファン
(5-methoxytryptophan)
化合物60:1-ベンジル-2,4,6-トリブロモメラトニン
(1-benzyl-2,4,6-ribomomelatonin)
加えて、上記インドール化合物の塩、それらの溶媒和物、又は、それらの水和物も対象とする。

【0022】
(本発明の細胞修復剤の組成)
本発明の細胞修復剤、特に、放射線細胞修復剤、より好ましくは、放射線照射後細胞修復剤は、本発明の化合物に加えて、生体親和性材料、添加剤等も含むこともできる。
生体親和性材料としては、例えば、ゼラチン、フィブリン、アルブミン、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、キチン、キトサン、アルギン酸、ペクチン、アガロース、ハイドロキシアパタイト、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリジメチルシロキサン、又はグリコール酸、乳酸もしくはアミノ酸の重合体もしくはこれらの共重合体、又はこれらの生体親和性材料の2種類以上の混合物等が挙げられる。
添加剤としては、注射剤として用いる場合の等張化剤、pH調節剤、無痛化剤、又は固形剤として用いる場合の賦形剤、崩壊剤、コーティング剤が挙げられる。具体的にはpHを6~8に保つため、又は細胞と等張に保つために用いられる塩類や糖類が挙げられる。さらに、本発明の運搬体は、固体状であっても溶液状であってもよい。本発明の運搬体が固体状である場合、そのままの状態又は精製水、生理的食塩水、生体と等張な緩衝液等を用いて溶液状とし、所望の細胞に負荷する。

【0023】
(本発明の放射線細胞修復剤の用途)
本発明の放射線細胞修復剤(特に、放射線照射後細胞修復剤)の用途は、特に限定されないが、原子力発電所等の事故による放射線被爆したヒトを含む哺乳類の治療、放射線を用いた治療剤等に使用することができる。

【0024】
(本発明の放射線細胞修復剤の投与方法)
本発明の放射線細胞修復剤(特に、放射線照射後細胞修復剤)を生体(ヒトを含む動物、特に、ヒトを含む哺乳類)に投与する方法としては、経口、注射、点眼、点鼻、経肺、皮膚を介した吸収のいずれでも良く、好ましくは注射である。投与部位は疾患に応じて選択できるが、手術時に必要な部位に直接留置することもできる。例えば、本発明の放射線細胞修復剤(特に、放射線照射後細胞修復剤)を、静脈注射(点滴等)による全身投与、患部(放射線被爆箇所)に注射することによる局所投与等が挙げられる。

【0025】
本発明の放射線細胞修復剤は、投与される1日用量(本発明の化合物の量)は、0.5 mg~200 mg、好ましくは5.0 mg~150 mg、より好ましくは10.0 mg~100 mg、最も好ましくは30.0 mg~70.0 mgである。

【0026】
(本発明の各化合物の塩)
本発明の各化合物の塩としては、通常知られているアミノ基等の部分が塩酸、硫酸、硝酸及び燐酸等の無機酸の塩、トリフルオロ酢酸等の有機カルボン酸の塩、ベンゼンスルボン酸及びメタンスルホン酸等の有機スルホン酸の塩となったもの、並びにカルボン酸部分がナトリウム、カリウム、カルシウム等の金属塩、アンモニア、トリエチルアミン等の有機塩基の塩となった化合物が挙げられるが特に限定されない。

【0027】
(本発明の各化合物の溶媒和物、水和物)
本発明の各化合物の溶媒和物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド、ベンゼン等が付加した有機溶媒和物が挙げられるが特に限定されない。また、本発明の各化合物の水和物としては、空気中の水分を吸収して生成したものも含む。

【0028】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。すべての実施例は、金沢大学動物実験倫理規定に従い行った。
【実施例1】
【0029】
(本発明の化合物によるX線照射による細修復作用の確認)
本実施例では、本発明の化合物の代表例であるメラトニンが、X線照射による細胞障害を修復できるかどうかを確認した。詳細は、以下の通りである。
【実施例1】
【0030】
(材料)
体長約10 cmの成熟した淡水魚のキンギョ(Carassius auratus)を10個体用いた。すべての実験内容は金沢大学動物実験倫理規定に従い、麻酔下でウロコを採取した。
【実施例1】
【0031】
(キンギョのウロコに対するX線照射方法)
淡水魚のキンギョをMS-222で麻酔し、ウロコを抜去した。その後、25℃で2週間飼育して再生したウロコを採取し、1%の抗生物質を含み、メラトニン添加(10-4 M)・メラトニン無添加のL-15培地が入った96穴マイクロプレートに入れ、15℃で3時間、前培養した。この時、4つの群{I:コントロール(放射線照射無し・メラトニン無添加)、II:放射線照射無し・メラトニン添加、III:放射線照射・メラトニン無添加、IV:放射線照射・メラトニン添加)を用意した。前培養後、X線照射装置 (MBR-1520-3, Hitachi)により、ウロコにX線を2,4,8Gyの強度で照射した。重粒子線を照射しない群についても、照射する群と同様の操作を行った。照射後に15℃で24時間培養し、Cell Counting Kit-8により、生細胞活性を測定した。
【実施例1】
【0032】
(CCK-8による重粒子線照射したウロコの生細胞活性測定方法)
重粒子線を照射したウロコが入っているL-15培地を抜き、Cell Counting Kit-8をL-15培地で10倍希釈した反応液を各ウェルに105 μLずつ添加した後、インキュベーター内で、25℃、3時間呈色反応させた。反応後に上清90 μLを新しい96穴マイクロプレートに移し、マイクロプレートリーダー(MTP-310Lab, CORONA)で450 nmの吸光度を測定した。また、ウロコの入っていないウェルにも同様の操作を行い、その値をブランクとした。そして、測定した450 nmの吸光度からブランク値を差し引いた吸光度を求めた。
【実施例1】
【0033】
(ウロコの面積測定方法)
生細胞活性測定に使ったウロコは面積測定するために、残った反応液を取り除き、PBSを各100 μL/wellずつ添加して洗浄した。PBSを取り除き、メチレンブルーを各wellに100μLずつ加え、1時間染色させた。染色後、メチレンブルーを除き、透明なポリプロピレンシート上に染色されたウロコを96穴マイクロプレートと同配置で置き、イメージスキャナーで画像を取り込んだ。アメリカ国立衛生研究所(National institutes of health:NIH)が提供する画像処理ソフトウェア「Image J」で取り込んで面積を測定し、単位面積あたりの生細胞活性を算出した。
【実施例1】
【0034】
(統計処理方法)
測定結果は、すべて平均値±標準誤差(Standard error of mean:SEM)(n=10)で示した。それぞれの群間の統計的優位性は、2群間の平均値の差の検定(paired t-test)により評価した。また、以下の実施例2においても同様の統計処理を行った。
【実施例1】
【0035】
(本発明の化合物によるX線照射による細修復作用の結果)
X線を2,4,8Gyの強度でウロコに照射した時の生細胞活性の結果を図5に示す。コントロールに対するX線照射群の生細胞活性の割合は、2Gy, 4Gy, 8Gy,においてそれぞれ99 .1%, 93.6%, 82.3%に減少したが、メラトニンを添加することで107.4%, 108.5%, 86%に上昇した。
すなわち、本発明の化合物であるメラトニンは、X線照射による細胞障害を修復できることを確認した。
【実施例2】
【0036】
(本発明の化合物のX線照射時及びX線照射後に投与による細胞修復作用の確認並びに該細胞修復作用における遺伝子発現の解析)
本実施例では、本発明の化合物の代表例であるメラトニンをX線照射時及びX線照射後に投与することにより、X線照射による細胞障害を修復できるかどうかを確認し、さらに、メラトニン投与による発現が変化した遺伝子を解析した。詳細は、以下の通りである。
【実施例2】
【0037】
(メラトニンの添加時期を変えたキンギョのウロコに対するX線照射)
本実施例では、実施例1の記載を基にして、メラトニンの添加時期を、以下の(1)~(3)に分けて行った。
(1)X線照射前に添加:再生ウロコをメラトニン添加(10-4 M)したL-15培地に入れ、15℃、3時間の前培養を行った。その後、照射直前にメラトニン無添加培地200 μLで2回洗浄してX線を4 Gyの強度で照射し、メラトニン無添加培地で15℃、24時間培養した。
(2)線照射時に添加:再生ウロコを抜き、メラトニン無添加培地で前培養後、前の培地を除き、メラトニン添加培地を200 μL入れて培養した。10分後、X線を照射し、メラトニン無添加培地200 μLで2回洗浄してメラトニン無添加培地で15℃、24時間培養した。
(3)X線照射後に添加:再生ウロコを抜き、メラトニン無添加培地で前培養後、X線を照射し、メラトニン添加培地で15℃、24時間培養した。培養後の生細胞活性測定は実施例1と同様にした。
【実施例2】
【0038】
(メラトニン投与による発現が変化した遺伝子の解析方法)
実施例1に記載の方法に従い、4GyのX線照射後15℃、24時間培養したキンギョのウロコを1.5 mLのマイクロチューブに移し、-80℃で保管した。その後、ウロコをアレイ解析に用いた。
【実施例2】
【0039】
○Agilent Technologyとの共同研究によるキンギョのオリジナルアレイの開発方法
ショットガン法により決定した多くの短いキンギョの塩基配列を断片化・平滑化・リン酸化・末端処理・アダプタ連結・PCR増幅し、DNAライブラリーを作成した。そして、Agilent Sure Select Zebrafish All Exon Kitを用いてキンギョの塩基配列をゼブラフィッシュとハイブリダイゼーションさせ、結合したもの回収し、PCR増幅した。シークエンスライブラリーは、約100 baseのアダプタを含めて250~600 baseペアエンド解析手法を用いてシークエンスした。EnsemblのデータベースからZebrafishのGene transfer format (GIF)ファイルを入手し、CSVファイルを作成した。マッピングツールbowtie2によりマッピングした。このように、ゼブラフィッシュのエキソーム解析を原型として、発見された変異部位と置き換えて、キンギョとゼブラフィッシュのキメラエキソームを作成し、別に行ったEST解析の結果と合わせて、オリジナルアレイを開発した。
○キンギョのオリジナルアレイを用いたDNAマイクロアレイ解析
本実施例に用いたキンギョのウロコから、市販のRNA抽出キット(RNase Easy Fibrous Mini-Kit, Qiagen)を用いて指定の方法によりtotal RNAを抽出した。さらに、市販のcDNA合成キット(PrimeScript II 1st strand cDNA Synthesis Kit, Takara Bio)を使用して、total RNAからcDNAを合成し、さらにcDNAから標識されたcRNAを合成した。
合成したcRNAを図7のようにガスケットスライドに配置した。DNA マイクロアレイスキャナ(G2565CA, Agilent Technologies)にガスケットスライドをセットし、キンギョエキソームとハイブリダイゼーションさせた。その後、それぞれのメラトニン添加時期において、X線照射により発現量が変化した遺伝子を調べた。また、X線のみ照射した群に対して、それぞれの時期にメラトニンを添加してX線を照射した群で、発現量が変化した遺伝子をDNA Damage Responseのパスウェイ上にマップした。
【実施例2】
【0040】
(本発明の化合物のX線照射時及びX線照射後に投与による細修復作用の確認結果)
メラトニンの添加時期をX線の(1)照射前に添加、(2)照射時に添加、(3)照射後に添加の3通りに分け、X線4Gyを照射したキンギョのウロコの生細胞活性を図6に示す。メラトニンをX線照射前、照射時、照射後に添加した時に、添加していない時と比べて生細胞活性が上昇し、照射時、照射後では有意であった(照射時p<0.05,照射後p<0.01)。【実施例2】
【0041】
(本発明の化合物による細胞修復作用における遺伝子発現の解析結果)
メラトニンの添加時期をX線の照射時に添加、照射後に添加の2通りに分け、X線4 Gyを照射したキンギョのウロコについてアレイ解析を行った。メラトニンの添加時期を変えたそれぞれの群に対してX線照射により発現量が減少した遺伝子数を図8に、上昇した遺伝子数を図9に示す。
メラトニンを照射時に添加した場合に、414の遺伝子が特異的に減少し、145の遺伝子が上昇した。また、照射後にメラトニンを添加した場合に、758の遺伝子が特異的に減少し、523の遺伝子が上昇した。また、X線照射のみ行った群に対して、放射線照射時にメラトニン添加をした場合に変化した遺伝子を図10に、照射後に添加した場合に変化した遺伝子を図11に示す。
メラトニンを照射時に添加した場合に、
GADD45B,GADD45G,SESN1,MDM2,CDKN1A,CCNB1,CCNB2,TP53,CCNE2,CCND1,CCND2,CDK5,CDC25A,SMC1A,TLK1,ABL1,CHEK1が上昇し、DDB2,BAX,RAD50,CHEK2,FANCD2が減少した。
照射後にメラトニンを添加した場合に、GADD45B,DDB2,MDM2,CDKN1A,CCNB1,CCNB2,TP53,CCND1,CHEK2,CDC25A,FANCD2,SMC1A,TLK1,ABL1,CHEK1が上昇し、
GADD45B,SESN1,BAX,RAD50,CCNE2,CCND2,CDK5が減少した。
これらの結果からメラトニンの添加時期を変えた場合に特異的に変化した遺伝子があることを確認した。
【実施例2】
【0042】
以上の結果より、コントロールを1とした場合にX線照射群の生細胞活性の割合は、X線照射前添加群、X線照射時添加群、X線照射後添加群において0.91, 0.90, 0.91に減少したが、それぞれの添加時期にメラトニンを加えることで、0.93, 0.97, 1.06に上昇した。
特に、X線照射時と照射後に添加した場合には有意な上昇が見られた(それぞれp<0.05, p<0.01)。放射線の間接作用で重要となるヒドロキシラジカルは反応性が高い。種々の有機化合物との反応速度定数は、ヒドロキシラジカルで概ね10 L/mol/secであるのに対し、オゾンでは10-4~104 L/mol/secであると報告されている。また、ヒドロキシラジカルそのものの寿命も10-6秒ほどであるとされている。反応性が高く、短寿命であるため、メラトニンをX線の照射時に添加したときはラジカルをスカベンジすることで間接作用を防護したと考えられる。一方で、照射後に添加して生細胞活性が上昇したものは、DNA修復酵素の発現上昇を介して直接作用によるダメージを修復したと考えられる。
さらに、本実施例では、メラトニンの添加時期によって特異的に変化する遺伝子があることが明らかとなった。まず、照射時にメラトニンを添加した群でのみ上昇した遺伝子としてSESN1(sestrin 1)があげられる。SESN1は放射線照射による生物マーカーであり、発現はp53により調節され、ペルオキシレドキシンの抗酸化体としての機能を維持する役割を持つ。ペルオキシレドキシンはチオールをもつペルオキシダーゼの一種で、活性酸素種の過酸化水素による酸化ストレスから生体を防護することが報告されている。これより、メラトニンが放射線照射時に存在することで自身がラジカルスカベンジャーとなるだけでなく、他の抗酸化体の機能性を維持することでラジカルや活性酸素種から細胞を防護する可能性がある。
次に、X線照射後にメラトニンを添加することでCHEK2(checkpoint kinase 2)とFANDC2(Fanconi anemia, complementation group D2)の特異的な発現上昇が見られた。CHEK2でコードされるタンパク質Chk2は、DNAダメージや複製阻害に応答し、素早くリン酸化され、活性化し、細胞周期の停止を行う。特にヒトにおいてはp53を安定させ、G1期で細胞周期を停止させる。また、Chk2は、hCds1と複合体を形成し、BRCA1をリン酸化する。BRCA1のリン酸化は、DNA損傷後の細胞生存に重要であることも報告されている。さらに、FANDC2は、FA(Fanconi Anemia)相補群の内の1つであり、DNA複製ストレスによりモノユビキチン化され、FA-BRCA経路を活性化する。FA-BRCA経路では、BRCA1とFANCD1/BRCA2が共同的に機能し、DNA修復を行うことで細胞の形質転換を防いでいる。
以上により、X線照射後にメラトニンを添加することで、前述のCHEK2やFANDC2の発現が上昇した。即ち、放射線照射後のメラトニン添加はDNA修復を促進させることで細胞を修復していると考えられる。
【実施例3】
【0043】
(本発明の化合物によるX線照射による哺乳動物細修復作用の確認)
本実施例では、本発明の化合物の代表例であるメラトニンが、X照射後のメラトニン添加による哺乳動物細胞障害を修復できるかどうかを確認した。詳細は、以下の通りである。
【実施例3】
【0044】
(材料)
ヒト骨芽細胞MG-63とマウス線維芽細胞NIH3T3をJCRB細胞バンクより購入した。
MG-63の培養は、10 % FBS(Fetal Bovine Serum, gibco)、1% 抗生物質、1% MEM 非必須アミノ酸溶液(MEM Non-essential Amino Acids Solution(×100), Wako)を含むE-MEM培地(Eagle's minimal essential medium with L-Glutamine and Phenol Red, Wako)を用いて、CO2インキュベーター(APC-30D, ASTEC)内で培養した(37℃、5 % CO2)。
NIH3T3の培養は、10 % FBS、1 % 抗生物質、1 % L-グルタミン(200 nm/l L-Glutamine Solution(×100), Wako)を含むD-MEM培地(Dulbecco's Modified Eagle's Medium(High Glucose)with Phenol Red, Wako)を用いて、CO2インキュベーター内で培養した(37℃、5 % CO2)。
【実施例3】
【0045】
(各細胞に対するX線照射方法)
9 cmシャーレで数回継代した後、1.0×103 cells/wellになるように96穴マイクロプレートに100 μLずつ播種し、24時間培養した。培養後、X線照射装置(MBR-1520R-3, Hitachi)により、4 Gyの強度でX線を照射した。その後、メラトニン無添加・メラトニン添加培地(10-4 M)を200 μLずつ入れた。NIH3T3は5日間、MG-63は4日間培養後、生細胞活性を測定した。
【実施例3】
【0046】
(CCK-8による生細胞活性測定方法)
培地を抜き、CCK-8を10倍希釈した培地を150 μL加え、37℃のCO2インキュベーター内で3時間40分の呈色反応を行った。その後、上清100 μLを新しい96穴マイクロプレートに移し、マイクロプレートリーダーで450 nmの波長の吸光度を測定した。また、細胞の入っていないウェルにも同様の操作を行い、その値をブランクとした。そして、測定した450 nmの吸光度からブランク値を差し引いた吸光度を求めた。
【実施例3】
【0047】
(統計処理方法)
測定結果は、すべて平均値±標準誤差(Standard error of mean:SEM)(n=8~16)で示した。それぞれの群間の統計的優位性は、F-検定で2群間の分散を確認後、分散が等しくないと仮定した2群による検定(Welch's t-test)により評価した。
【実施例3】
【0048】
(本発明の化合物によるX線照射による哺乳動物細修復作用の確認結果)
MG-63とNIH3T3のそれぞれに対して4GyのX線を照射し、メラトニン添加群にX線照射後メラトニンを添加し、数日間培養した後に生細胞活性を測定した。結果を図12に示す。コントロールを1とした場合にX線(4Gy)照射群の生細胞活性の割合は、MG-63とNIH3T3で、0.58, 0.53に減少し、メラトニンを照射後に添加すると、0.59, 0.63に上昇した。マウス線維芽細胞では、メラトニン投与による生細胞活性の割合は有意な上昇が見られた(p<0.01)。【実施例4】
【0049】
(本発明の化合物のX線照射後に投与による哺乳動物細胞修復作用における遺伝子発現の解析)
本実施例では、本発明の化合物の代表例であるメラトニンをX線照射後に投与することにより、メラトニン受容体の遺伝子発現を解析した。詳細は、以下の通りである。
【実施例4】
【0050】
(材料)
マウス線維芽細胞NIH3T3をJCRB細胞バンクより購入した。
【実施例4】
【0051】
(メラトニン受容体の遺伝子発現の解析方法)
9 cmシャーレで数回継代した後に細胞を回収し、実施例2と同様の方法により、mRNA抽出し、cDNAを合成した。メラトニンの受容体は細胞膜にMT1とMT2が存在し(Ettaoussi et al, 2015)、核にRORα(RAR-related orphan receptor alpha)が(Wiesenberg et al., 1995)が存在する。それぞれについて下記のプライマーを用いて、PCR試薬(TaKaRa Ex Taq, TaKaRa)を用いてサーマルサイクラー(PC708, ASTEC)によりPCR反応を行った。温度条件は、初期熱変性を95℃、30秒間、サイクリングは熱変性を98℃、10秒間、アニーリングを60℃、30秒間、伸長反応を72℃、15秒間で35サイクルとした。その後PCR産物を3.5 % Nusieve GTG Agarose(Lonza)ゲルを用いて電気泳動を行い、発現の有無を調べた。
【実施例4】
【0052】
○MT1増幅プライマー
MT1フォワードプライマー:CTACGTGTTCCTGATATGGATGCT(配列番号1)
MT1リバースプライマー:GAGTGTTCCGGTTTGC(配列番号2)
○MT2増幅プライマー
MT2フォワードプライマー:GAAGGGCTCTTTGTCACCAGTTAC(配列番号3)
MT2リバースプライマー:GGTTCAGGAGCCCATAAACAAT(配列番号4)
○RORα増幅プライマー
RORαフォワードプライマー:TTCCCCTACTGTTCCTTCACC(配列番号5)
RORαリバースプライマー:TGCCACATCACCTCTCTCTG(配列番号6)
【実施例4】
【0053】
(本発明の化合物のX線照射後に投与による哺乳動物細胞修復作用における遺伝子発現の解析結果)
マウスの線維芽細胞NIH3T3におけるメラトニン受容体(MT1とMT2及びRORα)についてPCRを行い、電気泳動の結果を図13に示す。マウスの線維芽細胞で膜受容体(MT1,MT2)は発現しておらず、核受容体(RORα)の発現のみを確認した。
これにより、RORαがメラトニンの細胞修復作用に関与していると考えられる。
【実施例5】
【0054】
(本発明の化合物の合成及び合成確認)
本発明の新規インドール化合物である化合物13、14、47、48、54、55、56、57及び58を合成して、さらに合成ができていることを確認した。詳細は、以下の通りである。
【実施例5】
【0055】
(化合物13の合成及び合成確認)
フェニルイソシアネート(0.9 mL, 8.28 mmol) を無水テトラヒドロフラン (1 mL) に溶かして、1,8-ジメチル-1,2,3,3a,8,8a-ヘキサヒドロピロロ [2,3-b]インドール-5-オール・ボランコンプレックス (94.1 mg, 0.43 mmol) を無水テトラヒドロフラン (9 mL) に溶かした溶液に、氷冷撹拌下加えた後、全体を65°Cで1.5時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去して得られた固形物を、クロロホルムを溶出溶液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、溶出順に化合物14 (76.1 mg, 40%) および化合物13 (70.5 mg, 51%) を得た(参照:図14)。
mp 132-134°C (無色アモルファス, クロロホルム-ヘキサンから再結晶). IR (KBr): 3370, 1634, 1533, 1488, 1243, 1205, 887, 748 cm-1. 1H-NMR (CDCl3)δ: 2.94 (2H, t, J=6.4 Hz), 3.00 (3H, s), 3.56 (2H, t, J=6.4 Hz), 3.65 (3H, s), 5.31 (1H, s,重水添加により消失), 5.79 (1H, s), 6.73 (2H, br d, J=7.6 Hz), 6.85-6.90 (3H, m), 7.06 (1H, d, J=2.2 Hz), 7.11 (2H, t, J=7.6 Hz), 7.17 (1H, d, J=8.8 Hz). MS m/z: 323 (M+). Anal. Calcd for C19H21N3O2・1/3H2O: C, 69.28; H, 6.63; N, 12.75. Found: C, 69.18; H, 6.42; N, 12.63.
【実施例5】
【0056】
(化合物14の合成及び合成確認)
フェニルイソシアネート(0.07 mL, 0.64 mmol) を無水テトラヒドロフラン(1 mL) に溶かして、化合物13(10.0 mg, 0.03 mmol) を無水テトラヒドロフラン(1 mL) に溶かした溶液に加え、5時間還流撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、得られた固形物を、酢酸エチルエステル-ヘキサン(1:1, v/v)混合溶媒を溶出溶液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、化合物14 (12.6 mg, 92%)を得た(参照:図14)。
mp 182-184°C (無色プリズム晶、クロロホルム-メタノールから再結晶)。IR (KBr): 3375, 1710, 1645, 1526, 1484, 1443, 1227, 746 cm-1. 1H-NMR (DMSO-d6)δ: 2.89 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.98 (3H, s), 3.55 (2H, t, J=7.6 Hz), 3.74 (3H, s), 6.90 (1H, t, J=7.3 Hz), 6.98 (1H, dd, J=8.5, 2.2 Hz), 7.03 (1H, t, J=7.3 Hz), 7.19 (2H, t, J=7.5 Hz), 7.22 (1H, s), 7.31 (2H, t, J=7.5Hz), 7.38-7.44 (4H, m), 7.52 (2H, d, J=8.3 Hz), 8.16 (1H, s), 10.12 (1H, s, 重水添加により消失). High-resolution MS (FAB+) m/z: Calcd for C26H27N4O3: 443.2083. Found: 443.2044. Anal. Calcd for C26H26N4O3・1/4H2O: C, 69.86; H, 5.98; N, 12.53. Found: C, 69.83; H, 5.92; N, 12.43.
【実施例5】
【0057】
(化合物47の合成及び合成確認)
0.91 mL(0.51 mmol)の0.557M臭素-酢酸液を、1,5-ジメトキシ-N-ピバロイルトリプタミン(51.4 mg, 0.17 mmol) を酢酸 (3.0 mL) に溶かした溶液に加え、室温下2時間撹拌した。反応液に水を加えた後、氷冷撹拌下に20%水酸化カリウム水溶液を加えて中性にした。反応液全体をクロロホルム-メタノール (95:5, v/v)混合溶媒で抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、芒硝で乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られた油状物質を、クロロホルム-メタノール (99:1, v/v)混合溶媒を溶出溶液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、化合物47 (10.5 mg, 11%)を得た(参照:図14)。
mp 181-182 °C (分解点、無色針状晶、酢酸エチルエステル-ヘキサンから再結晶)。 IR (KBr): 3315, 1633, 1541, 1400, 1306, 972 cm-1. 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.13 (9H, s), 3.19 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.59 (2H, q, J=6.6 Hz), 3.88 (3H, s), 4.06 (3H, s), 5.75 (1H, br s), 7.57 (1H, s). Anal. Calcd for C17H21N2O2Br3: C, 37.74; H, 3.91; N, 5.18. Found: C, 37.66; H, 3.97; N, 4.95.
【実施例5】
【0058】
(化合物48の合成及び合成確認)
最初に、化合物47(10.0 mg, 0.02 mmol) を1.5 mLの8%塩酸-メタノール(1:2, v/v)混合溶媒に溶かした溶液に、室温下,亜鉛末(15.7 mg, 0.23 mmol)を加え、3時間還流撹拌した。反応液に水を加えた後、氷冷撹拌下に20%水酸化カリウム水溶液を加えてアルカリ性にした。反応液全体をクロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、芒硝で乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られた油状物質を、クロロホルムを溶出溶液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィを行い化合物46である5-メトキシ-N-ピバロイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン(7.2 mg, 80%)を得た(参照:図14)。
mp 133-135 °C (無色粉末、クロロホルム-ヘキサンから再結晶)。IR (KBr): 3205, 1635, 1529, 1304, 1018 cm-1. 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.14 (9H, s), 3.19 (2H, t, J=6.5 Hz), 3.63 (2H, q, J=6.5 Hz), 3.87 (3H, s), 5.86 (1H, br t, J=6.5 Hz), 7.47 (1H, s), 9.23 (1H, br s, 重水添加により消失). HR-MS m/z: Calcd for C16H19N2O2Br3: 507.8997, 509.8976, 511.8955, 513.8935. Found: 507.9011, 509.8994, 511.8975, 513.8954. Anal. Calcd for C16H19N2O2Br3: C, 37.27; H, 3.81; N, 5.43. Found: C, 37.20; H, 3.80; N, 5.21.
【実施例5】
【0059】
次に、化合物46(58.8 mg, 0.12 mmol) を無水酢酸 (3.0 mL) に加え、2時間還流撹拌した。溶媒を減圧下に留去し得られた油状物質を、クロロホルムを溶出溶液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、化合物48 (43.0 mg, 68%) を得た(参照:図14)。
mp 200-201 °C (分解点、無色プリズム晶、酢酸エチルエステルから再結晶). IR (KBr): 3325, 1716, 1637, 1535, 1392, 1007 cm-1. 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.15 (9H, s), 2.85 (3H, s), 3.30 (2H, t, J=6.9 Hz), 3.60 (2H, q, J=6.9 Hz), 3.89 (3H, s), 5.84 (1H, br s), 8.58 (1H, s). MS m/z: 550, 552, 554, 556 (M+). Anal. Calcd for C18H21N2O3Br3・1/8H2O: C, 38.93; H, 3.86; N, 5.04. Found: C, 39.08; H, 3.88; N, 4.75.
【実施例5】
【0060】
(化合物54の合成及び合成確認)
2,4,6-トリブロモメラトニン(69.5 mg, 0.15 mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(2.0 mL) に溶かした溶液を、ナトリウムヒドリド(17.8 mg, 0.45 mmol) に加えた。窒素ガス雰囲気中、室温下10分間撹拌した後、オクタノイルクロリド(0.10 mL, 0.59 mmol) を加えて室温下に2時間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、全体を酢酸エチルエステルで抽出した。抽出液を芒硝で乾燥後、減圧下に留去し得られた油状物を、クロロホルム-メタノール (99:1, v/v)混合溶媒を溶出溶液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、化合物54 (71.4 mg, 81%)を得た(参照:図15)。
mp 132-134 °C (無色針状晶、クロロホルムから再結晶)。IR (KBr): 3383, 1701, 1680, 1541, 1390 cm-1. 1H-NMR (CDCl3)δ: 0.88 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.22-1.43 (8H, m), 1.80 (2H, quant, J=7.3 Hz), 1.96 (3H, s), 3.14 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.28 (2H, t, J=6.7 Hz), 3.59 (2H, q, J=6.7 Hz, 重水添加により t, J=6.7 Hzに変化), 3.90 (3H, s), 5.58 (1H, br s, 重水添加により消失), 8.47 (1H, s). MS m/z: 592, 594, 596, 598 (M+). Anal. Calcd for C21H27Br3N2O3: C, 42.38; H, 4.57; N, 4.71. Found: C, 42.28; H, 4.69; N, 4.69.
【実施例5】
【0061】
(化合物55の合成及び合成確認)
2,4,6-トリブロモメラトニン(84.0 mg, 0.18 mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(2.0 mL) に溶かした溶液を、ナトリウムヒドリド(21.5 mg, 0.54 mmol) に加えた。窒素ガス雰囲気中、室温下10分間撹拌した後、4-クロロブチリルクロリド(0.08 mL, 0.72 mmol) を加えて室温下に2時間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、全体を酢酸エチルエステルで抽出した。抽出液を芒硝で乾燥後、減圧下に留去し得られた油状物を、クロロホルム-メタノール (99:1, v/v)混合溶媒を溶出溶液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、化合物55(80.0 mg, 78%)を得た(参照:図15)。
mp 206.5-207.5 °C (無色針状晶、クロロホルムから再結晶). IR (KBr): 3392, 1701, 1670, 1545, 1392, 1227 cm-1. 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.96 (3H, s), 2.31 (2H, quint, J=6.4 Hz), 3.29 (2H, t, J=6.4 Hz), 3.38 (2H, t, J=6.8 Hz), 3.59 (2H, q, J=6.8 Hz), 3.70 (2H, t, J=6.4 Hz), 3.90 (3H, s), 5.61 (1H, br s, 重水添加により消失). 8.54 (1H, s). MS m/z: 570, 572, 574, 576 (M+). Anal. Calcd for C17H18N2O3Br3Cl: C, 35.60; H, 3.16; N, 4.88. Found: C, 35.50; H, 3.17; N, 4.91.
【実施例5】
【0062】
(化合物56の合成及び合成確認)
2,4,6-トリブロモメラトニン(179.7 mg, 0.38 mmol) を無水N,N-ジメチルホルムアミド(4.0 mL) に溶かした溶液を、ナトリウムヒドリド(46.0 mg, 1.15 mmol) に加えた。窒素ガス雰囲気中、室温下10分間撹拌した後、(Z)-9-オクタデセノイルクロリド(0.50 mL, 1.53 mmol) を加えて室温下に2時間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、全体を酢酸エチルエステルで抽出した。抽出液を芒硝で乾燥後、減圧下に留去し得られた油状物を、酢酸エチルエステル-ヘキサン(1:1, v/v)混合溶媒を溶出溶液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、化合物56 (221.9 mg, 79%)を得た(参照:図15)。
mp 87-89 °C (無色プリズム晶、クロロホルムから再結晶). IR (KBr): 3288, 1707, 1635, 1547, 1394 cm-1. 1H-NMR (CDCl3)δ: 0.88 (3H, t, J=6.7 Hz), 1.22-1.45 (21H, m), 1.80 (2H, quint, J=7.3 Hz), 1.96 (3H, s), 1.93-2.06 (3H, m), 3.14 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.28 (2H, t, J=6.7 Hz), 3.58 (2H, q, J=6.7 Hz, 重水添加によりt, J=6.7 Hzに変化), 3.90 (3H, s), 5.30-5.43 (2H, m), 5.58 (1H, br s, 重水添加により消失), 8.47 (1H, s). Anal. Calcd for C31H45Br3N2O3: C, 50.77; H, 6.18; N, 3.82. Found: C, 50.72; H, 6.15; N, 3.79.
【実施例5】
【0063】
(化合物57の合成及び合成確認)
2,4,6-トリブロモメラトニン(68.9 mg, 0.15 mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(2.0 mL) に溶かした溶液を、ナトリウムヒドリド(17.6 mg, 0.44 mmol) に加えた。窒素ガス雰囲気中、室温下10分間撹拌した後、1,3-ジブロモプロパン(118.7 mg, 0.59 mmol)を加えて室温下に1時間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、全体を酢酸エチルエステルで抽出した。抽出液を芒硝で乾燥後、減圧下に留去し得られた油状物を、酢酸エチルエステル-ヘキサン(1:1, v/v)混合溶媒を溶出溶液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、化合物57 (52.0 mg, 60%)を得た(参照:図15)。
mp 152.0-153.5 °C (無色針状晶、クロロホルムから再結晶). IR (KBr): 3282, 1635, 1564, 1415, 1300, 1230 cm-1. 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.93 (3H, s), 2.30 (2H, q, J=6.8 Hz), 3.22 (2H, t, J=6.8 Hz), 3.39 (2H, t, J=6.5 Hz), 3.57 (2H, q, J=6.5 Hz), 3.89 (3H, s), 4.32 (2H, t, J=6.8 Hz), 5.56 (1H, br s, 重水添加により消失). 7.56 (1H, s). MS m/z: 586, 588, 590, 592, 594 (M+). Anal. Calcd for C16H18N2O2Br4: C, 32.57; H, 3.08; N, 4.75. Found: C, 32.72; H, 3.08; N, 4.66.
【実施例5】
【0064】
(化合物58の合成及び合成確認)
2,4,6-トリブロモメラトニン(200.5 mg, 0.43 mmol) 、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド(27.7 mg, 0.08 mmol)および炭酸カリウム(294.8 mg, 2.13 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(6.0 mL) に溶かした溶液に、1-ブロモ-2,3-エポキシプロパン (175.1 mg, 1.28 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.0 mL) に溶かした溶液を撹拌下加えた。さらにヨードカリウム(14.5 mg, 0.08 mmol)を加えた後、全体を23時間還流撹拌した。水を加え酢酸エチルエステルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄後、芒硝で乾燥し、減圧下に溶媒を留去し得られた油状物を、クロロホルム-メタノール(95:5, v/v)混合溶媒を溶出溶液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、化合物58 (176.6 mg, 79%)を得た(参照:図15)。
mp 150-152 °C (無色プリズム晶、酢酸エチルエステルから再結晶). IR (KBr): 3309, 1635, 1546, 1456, 1436, 1411 cm-1. 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.93 (3H, s), 2.52 (1H, dd, J=4.5, 2.5 Hz), 2.82 (1H, br. t, J=4 Hz), 3.23 (3H, br t, J=6.6 Hz), 3.57 (2H, br q, J=6.6 Hz), 3.88 (3H, s), 4.19 (1H, dd, J=15.8, 5.1 Hz), 4.54 (J=15.8, 3.1 Hz), 5.56 (1H, br s, 重水添加により消失), 7.55 (1H, s). Anal. Calcd for C16H17Br3N2O3: C, 36.60; H, 3.26; N, 5.34. Found: C, 36.47; H, 3.22; N, 5.24.
【実施例5】
【0065】
2,4,6-トリブロモメラトニン及びその他の本発明の化合物は、自体公知の方法、例えば、文献「Heterocycles, 53 (8), 1725-1736 (2000)」及び「Heterocycles, 68 (8), 1565-1569 (2006).」の記載に従って、合成した。
【実施例6】
【0066】
(メラトニン以外の本発明の化合物によるX線照による細胞修復作用の確認)
本実施例では、本発明の化合物(図1~4)及びブロモメラトニンが、X照射による細胞障害を修復できるかどうかを確認した。詳細は、以下の通りである。
【実施例6】
【0067】
(メラトニン以外の本発明の化合物によるX線照による細胞修復作用の結果)
実施例1に記載の方法を参照して、X線照射のみ(化合物添加なし)の細胞活性値をコントロールとして、各化合物(図1~4に記載の化合物)を添加した時の細胞活性値{化合物添加の細胞活性値/X線照射のみ(化合物添加なし)の細胞活性値}を測定した。
測定結果を図16~21に示す。図16~21に記載の細胞活性値の結果から明らかなように、本発明の化合物は細胞修復作用、特に放射線照射後の細胞修復作用を有することを確認した。なお、ブロモメラトニンも同様に細胞修復作用を有することを確認した(参照:図22)。
【実施例6】
【0068】
本発明の化合物において、細胞修復活性作用が高いのは、以下の化合物であった。
化合物4:N-アセチル-1-ベンジル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
化合物11:N-アセチル-5-メトキシトリプタミン
化合物17:N-シクロプロピルカルボニル-トリプタミン
化合物32:N-アセチル-2,3-ジヒドロ-5-ニトロトリプタミン
化合物34:N-アセチル-1-メトキシ-5-ニトロ-トリプタミン
化合物36:N-アセチル-5-アセチルアミノ-1-メトキシトリプタミン
化合物38:N-アセチル-1-メトキシ-6-プロパノイルアミノトリプタミン
化合物44:(S)-(+)-N-アセチル-1-ベンジル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモ-トリプトファンメチルエステル
化合物47:1,5-ジメトキシ-N-ピバロイル-2,4,6-トリブロモトリプタミン
化合物52:N,1-ジアセチル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
化合物55:N-アセチル-1-(4-クロロ)ブチリル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
化合物58:[3-(アセチルアミノ)エチル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモインドール-1-イル]メチルオキシラン
【実施例6】
【0069】
さらに、本発明の化合物において、細胞修復活性作用が非常に高いのは、以下の化合物であった。
化合物29:N-(2-フロイル)トリプタミン
化合物31:4-ベンジルオキシ-5-ブロモ-インドール-3-アセトニトリル
化合物40:(S)-(+)-N-アセチル-1-ヒドロキシ-トリプトファンメチルエステル
化合物41:(S)-(+)-N-アセチル-5-メトキシ-トリプトファンメチルエステル
化合物46:N-シクロプロピルカルボニル-5-メトキシ-2,4,6-トリブロモトリプタミン
化合物59:5-メトキシトリプトファン
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、インドール化合物並びに該化合物を含む細胞修復剤を提供することができる。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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