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明細書 :イヤホン

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-147571 (P2017-147571A)
公開日 平成29年8月24日(2017.8.24)
発明の名称または考案の名称 イヤホン
国際特許分類 H04R   1/10        (2006.01)
FI H04R 1/10 104C
H04R 1/10 104F
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 13
出願番号 特願2016-027323 (P2016-027323)
出願日 平成28年2月16日(2016.2.16)
発明者または考案者 【氏名】吉原 順一郎
【氏名】羽田 卓史
出願人 【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100149548、【弁理士】、【氏名又は名称】松沼 泰史
【識別番号】100141139、【弁理士】、【氏名又は名称】及川 周
【識別番号】100147267、【弁理士】、【氏名又は名称】大槻 真紀子
審査請求 未請求
テーマコード 5D005
Fターム 5D005BD12
5D005BE03
5D005BF00
要約 【課題】ケーブルが絡むのを防止でき、良好なデザインを確保できるとともに使用時に違和感を覚えることのないイヤホンを提供する。
【解決手段】一対のスピーカ部2A,2Bと、電子機器に対して接続されるジャック部6と、ジャック部6と一対のスピーカ部2A,2Bとの間で信号を伝送する一対のケーブル10A,10Bと、一対のケーブル10A,10Bに沿ってスライド移動可能なスライダ20と、を備え、一対のケーブル10A,10Bは、ジャック部6側からスピーカ部2A,2B側に向かってスライダ20をスライド移動させることで係合され、スピーカ部2A,2B側からジャック部6側に向かってスライダ20をスライド移動させることで離脱される歯部11A,11Bを有し、スライダ20には、電子機器に対して信号を発信するコントローラ40が取り付けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
使用者の耳に装着される一対のスピーカ部と、
電子機器に対して接続されるジャック部と、
前記ジャック部と前記一対のスピーカ部とに電気的に接続され、前記ジャック部と前記一対のスピーカ部との間で信号を伝送する一対のケーブルと、
前記一対のケーブルに沿ってスライド移動可能なスライダと、
を備え、
前記一対のケーブルは、前記ジャック部側から前記スピーカ部側に向かって前記スライダをスライド移動させることで係合され、前記スピーカ部側から前記ジャック部側に向かって前記スライダをスライド移動させることで離脱される係合部を有し、
前記スライダには、前記電子機器に対して信号を発信するコントローラが取り付けられていることを特徴とするイヤホン。
【請求項2】
前記スライダには、前記コントローラと電気的に接続された接点が設けられ、
前記一対のケーブルのうち少なくとも一方には、前記ジャック部と電気的に接続された導電部が設けられ、
前記接点は、前記スライダのスライド移動により前記導電部に摺接することを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項3】
前記コントローラは、音を信号に変換するマイクを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のイヤホン。
【請求項4】
前記係合部は、線ファスナーであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のイヤホン。
【請求項5】
前記コントローラの全長は、前記スライダの全長よりも長いことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のイヤホン。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤホンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、オーディオ機器等の電子機器から発せられる音楽や再生音声を聴くために、イヤホンが用いられる。一般に、イヤホンは、使用者の耳に装着されるスピーカ部と、電子機器に対して接続されるジャック部と、ジャック部とスピーカ部との間で信号を伝送するためのケーブルと、を備えている。ケーブルは、長尺となっており、搬送時や収納時に非常に絡まりやすいため、使用者にとって煩わしいことがある。
【0003】
このような煩わしさを改善するために、例えば特許文献1から5には、一対のケーブルにいわゆる線ファスナーを採用したイヤホンが記載されている。特許文献1から5に記載の技術によれば、線ファスナーを結合することで一対のケーブルが互いに絡むのを防止できるので、使用者の煩わしさを解消できるとされている。
【0004】
ところで、近年、スマートフォンやタブレット端末等、音楽や再生音声を発する機能を備えた携帯型の電子機器が普及している。音楽や再生音声を聴きつつ、スマートフォンやタブレット端末等を操作するために、リモートコントローラ(以下、単に「コントローラ」という。)を備えたイヤホンが知られている。一般に、コントローラは、イヤホンのケーブルに設けられる。また、一対のケーブルを備えたイヤホンにコントローラを適用する場合にあっては、一方のケーブルにコントローラが設けられる。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特許第5327764号公報
【特許文献2】特開2012-105267号公報
【特許文献3】実用新案登録第3132983号公報
【特許文献4】特表2006-527934号公報
【特許文献5】特開2004-56636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コントローラが一方のケーブルに設けられるため、ケーブルの全体にわたって線ファスナーを設けることができない。したがって、従来のコントローラを備えたイヤホンにあっては、ケーブルが絡みやすいとの課題が残されている。また、一方のケーブルにコントローラが設けられるため、非対象なデザインとなり外観の向上という点でも課題が残されている。さらに、一方のケーブルにコントローラが設けられるため、使用者がイヤホンを装着したときの重量バランスが悪く、違和感を覚えるおそれがある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ケーブルが絡むのを防止でき、良好なデザインを確保できるとともに、使用時に違和感を覚えることのないイヤホンの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明に係るイヤホンは、使用者の耳に装着される一対のスピーカ部と、電子機器に対して接続されるジャック部と、前記ジャック部と前記一対のスピーカ部とに電気的に接続され、前記ジャック部と前記一対のスピーカ部との間で信号を伝送する一対のケーブルと、前記一対のケーブルに沿ってスライド移動可能なスライダと、を備え、前記一対のケーブルは、前記ジャック部側から前記スピーカ部側に向かって前記スライダをスライド移動させることで係合され、前記スピーカ部側から前記ジャック部側に向かって前記スライダをスライド移動させることで離脱される係合部を有し、前記スライダには、前記電子機器に対して信号を発信するコントローラが取り付けられていることを特徴としている。
【0009】
本発明によれば、一対のケーブルは、ジャック部側からスピーカ部側に向かってスライダをスライド移動させることで係合され、スピーカ部側からジャック部側に向かってスライダをスライド移動させることで離脱される係合部を有するので、ジャック部側からスピーカ部側に向かってスライダをスライド移動させることで、一対のケーブルを互いに係合させて一体化することができる。したがって、一対のケーブルが互いに絡むのを防止できる。
また、一対のケーブルに沿ってスライド移動可能なスライダには、電子機器に対して信号を発信するコントローラが取り付けられているので、一体化された一対のケーブルに沿うようにコントローラを配置できる。これにより、イヤホンの外観が略対称となるので良好なデザインを確保できる。
さらに、コントローラは、一体化された一対のケーブルに沿うように配置されるので、イヤホンの一対のスピーカ部を使用者の耳に装着したときに、コントローラの重量を一対のケーブルおよび使用者の両耳で支持できる。したがって、使用者は、違和感を覚えることなく快適に使用できる。
【0010】
また、前記スライダには、前記コントローラと電気的に接続された接点が設けられ、前記一対のケーブルのうち少なくとも一方には、前記ジャック部と電気的に接続された導電部が設けられ、前記接点は、前記スライダのスライド移動により前記導電部に摺接することを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、スライダの接点は、スライダのスライド移動によりケーブルに設けられた導電部に摺接するので、余計な配線を設けることなく、コントローラにより電子機器に対して信号を発信して電子機器を操作することができる。しかも、接点は、スライダのスライド移動により導電部に摺接するので、コントローラが取り付けられたスライダを所望の位置に配置した状態で、電子機器を操作できる。したがって、コントローラの操作性に優れたイヤホンとすることができる。
【0012】
また、前記コントローラは、音を信号に変換するマイクを備えていることを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、使用者は、コントローラが取り付けられたスライダを所望の位置に移動させて、コントローラのマイクに対して発声することができる。したがって、コントローラの操作性に優れたイヤホンとすることができる。
【0014】
また、前記係合部は、線ファスナーであることを特徴としている。
【0015】
本発明によれば、係合部は、線ファスナーであるので、スライダをスライド移動するだけで容易に一対のケーブルを係合および離脱させることができる。したがって、操作性に優れたイヤホンとすることができる。
【0016】
また、前記コントローラの全長は、前記スライダの全長よりも長いことを特徴としている。
【0017】
本発明によれば、コントローラの全長は、スライダの全長よりも長いので、コントローラを把持して容易にスライダをスライド移動させることができる。したがって、操作性に優れたイヤホンとすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、一対のケーブルは、ジャック部側からスピーカ部側に向かってスライダをスライド移動させることで係合され、スピーカ部側からジャック部側に向かってスライダをスライド移動させることで離脱される係合部を有するので、ジャック部側からスピーカ部側に向かってスライダをスライド移動させることで、一対のケーブルを互いに係合させて一体化することができる。したがって、一対のケーブルが互いに絡むのを防止できる。
また、ケーブルに沿ってスライド移動可能なスライダには、電子機器に対して信号を発信するコントローラが取り付けられているので、一体化された一対のケーブルに沿うようにコントローラを配置できる。これにより、イヤホンの外観が略対称となるので良好なデザインを確保できる。
さらに、コントローラは、一体化された一対のケーブルに沿うように配置されるので、イヤホンの一対のスピーカ部を使用者の耳に装着したときに、コントローラの重量を一対のケーブルおよび使用者の両耳で支持できる。したがって、使用時に違和感を覚えることなく、快適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のイヤホンの外観斜視図である。
【図2】ジャック部の拡大図である。
【図3】一対のケーブルおよびスライダの拡大図である。
【図4】スライダおよびコントローラの拡大図である。
【図5】スライダの接点の拡大図である。
【図6】他の実施形態に係るコントローラとスライダとの取付構造を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施形態に係るイヤホンについて説明する。
図1は、本発明のイヤホンの外観斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のイヤホン1は、不図示の電子機器に接続されて使用されるものである。イヤホン1が接続される電子機器としては、例えばスマートフォンやタブレット端末等の音楽や再生音声を発する機能を備えた携帯型の電子機器である。

【0021】
実施形態のイヤホン1は、一対のスピーカ部2A,2Bと、ジャックユニット5と、一対のケーブル10A,10Bと、スライダ20と、コントローラ40と、を主に備えている。以下に、各構成の詳細について説明する。
一対のスピーカ部2A,2Bは、放音を行う。一対のスピーカ部2A,2Bは、筐体にスピーカを内蔵している。一対のスピーカ部2A,2Bは、それぞれ使用者の耳に挿入されることで使用者に装着される。一方のスピーカ部2Aは、使用者の右耳に装着される。他方のスピーカ部2Bは、使用者の左耳に装着される。

【0022】
ジャックユニット5は、ジャック部6と、ケース7と、コード8と、ケーブル固定部9とを備えている。
図2は、ジャック部の拡大図である。
図2に示すように、ジャック部6は、電子機器のインターフェースに挿入することで接続される入出力端子である。ジャック部6は、4極有しており、先端から基端に向かって、第一端子部6a、第二端子部6b、第三端子部6c、第四端子部6dの順番に配置されている。
第一端子部6aは、例えば電子機器から左耳に装着されるスピーカ部2Bに対しての音声信号が入力される。第二端子部6bは、例えば電子機器から右耳に装着されるスピーカ部2Aに対しての音声信号が入力される。第三端子部6cは、第一端子部6aおよび第二端子部6bの共通のグランドとなっている。第四端子部6dは、後述するように他方のケーブル10Bの歯部11B、接点30およびリード線35を介してコントローラ40と電気的に接続されており、コントローラ40を操作した時の信号やマイク45の信号等を電子機器に対して出力する。

【0023】
ケース7は、例えば樹脂材料により筒状に形成されており、大径部7aと小径部7bとを有している。大径部7aは、ジャック部6を支持している。小径部7bは、ジャック部6と電気的に接続されたコード8の一端を支持している。
図1および図2に示すように、コード8は、内部に複数の導線を有している。コード8は、例えばゴム等によって複数の導線が被覆される線状の部材である。コード8は、後述する一対のケーブル10A,10Bを介して、一対のスピーカ部2A,2Bおよびコントローラ40と電気的に接続されている。コード8は、一対のスピーカ部2A,2Bおよびコントローラ40と電子機器との間の信号を伝送する。
ケーブル固定部9は、例えば樹脂材料により形成されている。ケーブル固定部9は、一対のケーブル10A,10Bのジャック部6側の端部を支持している。ケーブル固定部9は、一対のケーブル10A,10Bとコード8との接続部分を被覆している。

【0024】
以下、一対のケーブル10A,10Bの構成について詳細に説明する。
図1に示すように、一対のケーブル10A,10Bは、ジャック部6と一対のスピーカ部2A,2Bとに電気的に接続されている。一対のケーブル10A,10Bは、一対のスピーカ部2A,2Bおよびコントローラ40と電子機器との間の信号を伝送する。
一対のケーブル10A,10Bは、可撓性を有しており、例えば30cm程度の長尺に形成されている。一対のケーブル10A,10Bの一端は、コード8に接続されており、ケーブル固定部9により支持されている。一対のケーブル10A,10Bのうち、一方のケーブル10Aは、右耳に装着されるスピーカ部2Aに接続されている。
一対のケーブル10A,10Bのうち、他方のケーブル10Bは、左耳に装着されるスピーカ部2Bに接続されている。

【0025】
図3は、一対のケーブルおよびスライダの拡大図である。
図3に示すように、一方のケーブル10Aは、複数の歯部11A(請求項の「係合部」に相当。)と、複数の歯部11Aをケーブル10Aの長手方向に連結する連結部12Aとを有している。
複数の歯部11Aは、内側に突出するとともに、先端部が平面視で半円状に形成されている。歯部11Aの先端部は、後述する他方のケーブル10Bに設けられた複数の歯部11B間に入り込んで係合可能となっている。
複数の歯部11Aは、ケーブル10Aの長手方向に所定の幅を開けて配置される。複数の歯部11Aの間には、他方のケーブル10Bに設けられた歯部11Bの先端部が入り込んで係合可能となっている。
複数の歯部11Aの基端部は、連結部12Aによって連結されている。連結部12Aは、帯状に形成されており、右耳に装着されるスピーカ部2Aへ信号を伝達するための導線が内部に配索されている。

【0026】
他方のケーブル10Bは、複数の歯部11B(請求項の「係合部」に相当。)と、複数の歯部11Bをケーブル10Bの長手方向に連結する連結部12Bとを有している。他方のケーブル10Bの歯部11Bは、一方のケーブル10Aの歯部11Aと同一の形状となって対称に配置されているため、詳細な説明を省略する。
複数の歯部11Bの基端部は、連結部12Bによって連結されている。連結部12Bは、帯状に形成されており、左耳に装着されるスピーカ部2Bへ信号を伝達するための導線が内部に配索されている。

【0027】
他方のケーブル10Bの歯部11Bは、例えば、導電性を有する高分子材料、いわゆる導電性高分子により形成されている。具体的に歯部11Bを形成する材料としては、例えばポリプロピレンやポリスチレン等の樹脂材料に銀粉やグラフェン、カーボン粉末等を含有させた導電性高分子の樹脂材料である。また、廉価な樹脂材料の表面に導電性高分子を塗布することにより、歯部11Bを形成してもよい。なお、歯部11Bを形成する材料としては、上記に限定されることはなく、例えば金やプラチナ、アルミニウム等の金属材料であってもよい。また、樹脂材料の表面に金やプラチナ等の金属材料でメッキを施すことにより、歯部11Bを形成してもよい。他方のケーブル10Bの歯部11Bは、他方のケーブル10Bの端部において不図示の導線によりジャック部6と電気的に接続される。これにより、他方のケーブル10Bの歯部11Bは、ジャック部6と電気的に接続された導電部15となっている。

【0028】
図4は、スライダおよびコントローラの拡大図である。
スライダ20は、スライダ本体21と、コントローラ取付部25と、を有している。
スライダ本体21は、一対の本体板部21a,21bと、中央壁部22aと、一対の側壁部22b,22cと、を備えている。
一対の本体板部21a,21bは、平面視でスピーカ部2A,2B側に膨出しており、スピーカ部2A,2B側からジャック部6側に向かって、幅が漸次狭くなるように形成されている。一対の本体板部21a,21bは、一対のケーブル10A,10Bが係脱する方向および一対のケーブル10A,10Bの長手方向と直交する方向から、一対のケーブル10A,10Bを挟み込むように配置されている。

【0029】
一対の本体板部21a,21bの間には、中央壁部22aと、一対の側壁部22b,22cと、が設けられている。
中央壁部22aは、平面視で本体板部21a,21bの中央部よりもスピーカ部2A,2B側に設けられている。中央壁部22aは、一対のケーブル10A,10Bの長手方向に沿うように延びている。中央壁部22aは、一対のケーブル10A,10Bの間に配置される。

【0030】
一対の側壁部22b,22cは、平面視で本体板部21a,21bの中央部よりもジャック部6側に設けられている。一対の側壁部22b,22cは、それぞれ一対のケーブル10A,10Bの長手方向に沿うように延びている。一対の側壁部22b,22cの離間距離は、スピーカ部2A,2B側からジャック部6側に向かって漸次狭くなっている。一対の側壁部22b,22cの最小離間距離は、一対のケーブル10A,10Bが係合して一体化した時の幅と略同一となっている。

【0031】
スライダ20の中央壁部22aは、スピーカ部2A,2B側からジャック部6側に向かってスライダ20をスライド移動させることで、互いに係合された一対のケーブル10A,10Bの歯部11A,11Bの間に入り込む。これにより、互いに係合された一対のケーブル10A,10Bの歯部11A,11Bは、互いに離脱される。
また、スライダ20の一対の側壁部22b,22cは、ジャック部6側からスピーカ部2A,2B側に向かってスライダ20をスライド移動させることで、離間された一対のケーブル10A,10Bの歯部11A,11Bを接近させる。これにより、互いに離間された一対のケーブル10A,10Bの歯部11A,11Bは、互いに係合される。
このように、一対のケーブル10A,10Bの歯部11A,11Bは、ジャック部6側からスピーカ部2A,2B側に向かってスライダ20をスライド移動させることで係合され、スピーカ部2A,2B側からジャック部6側に向かってスライダをスライド移動させることで離脱される線ファスナー18となっている。

【0032】
コントローラ取付部25は、本体板部21aに設けられている。コントローラ取付部25は、平面視で一対のケーブル10A,10Bの長手方向に沿うように延びるとともに、両端が本体板部21aに接続されている。コントローラ取付部25は、例えば一対のケーブル10A,10Bが係脱する方向に開口する長円形状の開口部25aを有する。コントローラ取付部25の開口部25aには、後述するコントローラ40の一端部40aが挿通されてコントローラ40が取り付けられている。

【0033】
図5は、スライダの接点の拡大図である。
図5に示すように、スライダ20には、接点30が設けられている。接点30は、スライダ本体21における一対の本体板部21a,21bの間に設けられている。具体的に接点30は、一方の本体板部21aに設けられた第一接点31と、他方の本体板部21bに設けられた第二接点32と、により構成されている。
第一接点31は、一方の本体板部21aに取り付けられており、他方の本体板部21bに向かって膨出するように設けられている。第二接点32は、他方の本体板部21bに取り付けられており、一方の本体板部21aに向かって膨出するように設けられている。第一接点31および第二接点32、例えば薄板の銅等の金属材料を湾曲させることにより形成されている。

【0034】
第一接点31と第二接点32との離間寸法は、他方のケーブル10Bの歯部11B(すなわち導電部15)の厚さ寸法よりも小さくなっている。これにより、第一接点31と第二接点32とは、スライダ20のスライド移動により導電部15に摺接する。なお、第一接点31と第二接点32とは、例えばケーブル10Bの歯部11Bの側面に溝を設け、この溝に沿うように移動しながら導電部15に摺接する構成とされてもよい。

【0035】
第一接点31からは、リード線35が引き出されている。リード線35は、例えば銅等の金属材料の撚線が絶縁材料により被覆されて形成されている。リード線35は、スライダ本体21やコントローラ取付部25に設けられた連通孔やスリット等を通じて、コントローラ40と接続されている。リード線35は、スライダ20に設けられた連通孔やスリットに収納されており、外部に露出しない構成となっていてもよい。なお、図1および図3から図5の各図面においては、分かり易くするために、リード線35がスライダ20の外部に露出された状態を記載している。

【0036】
コントローラ40は、イヤホン1の制御ユニットであり、第一操作ボタン41と、第二操作ボタン42と、第三操作ボタン43と、マイク45と、を有している。コントローラ40は、ケーブル10A,10Bの長手方向に沿うように延びる直方体状に形成されている。コントローラ40の全長は、スライダ20の全長よりも長くなっており、使用者が容易に把持できるようになっている。コントローラ40の一端部40aは、スライダ20に対して回動可能に取り付けられている。コントローラ40の他端部40bは、自由端となっている。

【0037】
第一操作ボタン41、第二操作ボタン42および第三操作ボタン43は、コントローラ40の表面に配置される。
第一操作ボタン41は、コントローラ40の一端部40aに設けられている。第一操作ボタン41は、表面に「+」の文字が付されている。使用者は、第一操作ボタン41を押圧することにより、例えば一対のスピーカ部2A,2Bが発する音量を上昇させることができる。
第二操作ボタン42は、コントローラ40の他端部40bに設けられている。第二操作ボタン42は、表面に「-」の文字が付されている。使用者は、第二操作ボタン42を押圧することにより、例えば一対のスピーカ部2A,2Bが発する音量を低下させることができる。
第三操作ボタン43は、第一操作ボタン41と第二操作ボタン42との間に設けられている。使用者は、第三操作ボタン43を押圧することにより、例えば電子機器により再生される音楽の曲の選定や、再生、停止、通話の開始・停止等を行うことができる。
コントローラ40の内部には、マイク45が設けられている。マイク45は、例えばスマートフォン等の電子機器を介して通話を行う際に、使用者の音声等の音を信号に変換する。

【0038】
上述したイヤホン1は、次のように使用される。
すなわち、イヤホン1の搬送時や収容時等においては、使用者は、ジャック部6側からスピーカ部2A,2B側に向かってスライダ20をスライド移動させる。これにより、一対のケーブル10A,10Bは、歯部11A,11Bが互いに係合されて一体化するので、一対のケーブル10A,10Bが互いに絡むのが防止される。
また、イヤホン1の使用時においては、使用者は、スピーカ部2A,2B側からジャック部6側に向かってスライダ20をスライド移動させる。これにより、一対のケーブル10A,10Bは、歯部11A,11Bが互いに離脱されて二又となる。したがって、使用者は、自身の耳にスピーカ部2A,2Bを挿入してイヤホン1を容易に装着できる。さらに、例えば電子機器がスマートフォンである場合、使用者は、電話による通話時にスライダ20をスライド移動させることにより、コントローラ40のマイク45を所望の位置に配置できる。

【0039】
本実施形態のイヤホン1によれば、一対のケーブル10A,10Bは、ジャック部6側からスピーカ部2A,2B側に向かってスライダ20をスライド移動させることで係合され、スピーカ部2A,2B側からジャック部6側に向かってスライダ20をスライド移動させることで離脱される歯部11A,11Bを有するので、ジャック部6側からスピーカ部2A,2B側に向かってスライダ20をスライド移動させることで、一対のケーブルを互いに係合させて一体化することができる。したがって、例えば搬送時や収納時において、一対のケーブル10A,10Bを互いに係合させることにより、一対のケーブル10A,10Bが互いに絡むのを防止できる。
また、一対のケーブル10A,10Bに沿ってスライド移動可能なスライダ20には、電子機器に対して信号を発信するコントローラ40が取り付けられているので、一体化された一対のケーブル10A,10Bに沿うようにコントローラ40を配置できる。これにより、イヤホン1の外観が略対称となるので良好なデザインを確保できる。
さらに、コントローラ40は、一体化された一対のケーブル10A,10Bに沿うように配置されるので、イヤホン1の一対のスピーカ部2A,2Bを使用者の耳に装着したときに、コントローラ40の重量を一対のケーブル10A,10Bおよび使用者の両耳で支持できる。したがって、使用者は、違和感を覚えることなく、快適に使用できる。

【0040】
また、スライダ20の接点30は、スライダ20のスライド移動により他方のケーブル10Bに設けられた導電部15に摺接するので、余計な配線を設けることなく、コントローラ40により電子機器に対して信号を発信して電子機器を操作することができる。しかも、接点30は、スライダ20のスライド移動により導電部15に摺接するので、コントローラ40が取り付けられたスライダ20を所望の位置に配置した状態で、電子機器を操作できる。したがって、コントローラ40の操作性に優れたイヤホン1とすることができる。

【0041】
また、使用者は、コントローラ40が取り付けられたスライダ20を所望の位置に移動させて、コントローラ40のマイク45に対して発声することができる。したがって、コントローラ40の操作性に優れたイヤホン1とすることができる。

【0042】
また、一対のケーブル10A,10Bの歯部11A,11Bは、線ファスナーであるので、スライダ20をスライド移動するだけで、容易に一対のケーブル10A,10Bを係合および離脱させることができる。したがって、操作性に優れたイヤホン1とすることができる。

【0043】
また、コントローラ40の全長は、スライダ20の全長よりも長いので、コントローラ40を把持して容易にスライダ20をスライド移動させることができる。したがって、操作性に優れたイヤホン1とすることができる。

【0044】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

【0045】
上述した実施形態では、コントローラ40が第一操作ボタン41、第二操作ボタン42および第三操作ボタン43を備えていたが、この態様に限定されない。操作ボタンの個数や機能は上述の実施形態に限定されることはなく、種々変更が可能である。また、コントローラ40の表面に、例えば電子機器の情報(例えば、電子機器により発信される音楽の曲名等)を表示する表示部を設けてもよい。

【0046】
上述した実施形態では、他方のケーブル10Bの歯部11Bに導電部15を設けたが、一方のケーブル10Aの歯部11Aに導電部15を設けてもよい。また、一対のケーブル10A,10Bの連結部12A,12Bのうち少なくとも一方に導電部15を設ける構成としてもよい。

【0047】
上述した実施形態では、一方のケーブル10Aの歯部11Aの先端部が他方のケーブル10Bの歯部11B間に入り込み、他方のケーブル10Bの歯部11Bの先端部が一方のケーブル10Aの歯部11A間に入り込むことで互いに係合する線ファスナー18となっていたが、これに限定されない。したがって、例えば、一対のケーブル10A,10Bの一方に、長手方向に延在する凹溝を設け、他方に、長手方向に延在する凸条を設け、凹溝に凸条が入り込むことで互いに係合する構成としてもよい。

【0048】
図6は、他の実施形態に係るコントローラとスライダとの取付構造を示した斜視図である。
コントローラ40とスライダ20との取り付け構造は上述の実施形態に限定されない。上述した実施形態のコントローラ取付部25は、平面視で一対のケーブル10A,10Bの長手方向に沿うように延びるとともに、両端が本体板部21aに接続されており、長円形状の開口部25aを有していた(図4参照)。
これに対して、例えば図6に示すように、コントローラ40の一端部40aを二又に形成するとともに互いに対向する位置に一対の軸部47,47を設け、コントローラ取付部25に設けた孔に軸部47,47を回動可能に係合する構成としてもよい。また、リード線35をスライダ20に設けられた連通孔やスリットに収納し、外部に露出しない構成としてもよい。この構成によれば、一対の軸部47,47の中心軸P周りに回動可能にコントローラ40を設けることができる。これにより、コントローラ40は、スライダ20への引っ掛かりが防止されて滑らかに回動できるので、耐久性を向上することができる。また、コントローラ取付部25の孔が外部に露出しないので、優れたデザイン性を確保できる。また、リード線35をスライダ20に設けられた連通孔やスリットに収納することで、リード線35が他部と引っ掛かるのを防止できるとともに、優れたデザイン性を確保できる。

【0049】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 イヤホン
2A,2B スピーカ部
6 ジャック部
10A,10B ケーブル
11A,11B 歯部(係合部)
15 導電部
18 線ファスナー
20 スライダ
30 接点
31 第一接点(接点)
32 第二接点(接点)
40 コントローラ
45 マイク
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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