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明細書 :予備成形体およびそれを用いた金属基複合材料ならびにその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-075357 (P2017-075357A)
公開日 平成29年4月20日(2017.4.20)
発明の名称または考案の名称 予備成形体およびそれを用いた金属基複合材料ならびにその製造方法
国際特許分類 C22C  47/06        (2006.01)
C01B  32/05        (2017.01)
C22C   1/10        (2006.01)
C01B  32/152       (2017.01)
C01B  32/158       (2017.01)
C22C  49/14        (2006.01)
C22C  19/03        (2006.01)
C22C 101/10        (2006.01)
FI C22C 47/06
C01B 31/02 101A
C22C 1/10 G
C01B 31/02 101F
C22C 49/14
C22C 19/03 G
C22C 101:10
請求項の数または発明の数 17
出願形態 OL
全頁数 31
出願番号 特願2015-202940 (P2015-202940)
出願日 平成27年10月14日(2015.10.14)
発明者または考案者 【氏名】崔 龍範
【氏名】佐々木 元
【氏名】松木 一弘
【氏名】杉尾 健太郎
【氏名】許 哲峰
【氏名】氏野 洋志
出願人 【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110001427、【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4G146
4K020
Fターム 4G146AA11
4G146AB05
4G146AC04A
4G146AD11
4G146AD17
4G146CA16
4G146CB03
4G146CB10
4G146CB11
4G146CB26
4G146CB28
4K020AA04
4K020AC06
4K020BB08
要約 【課題】従来の製造方法とは異なる製造プロセスにより、予備成形体およびそれを用いた金属基複合材料を得る。
【解決手段】金属基複合材料1の予備成形体3は、母材金属2の特性を強化するためのナノ炭素繊維からなる強化材4と、該強化材4,4同士を架橋するための架橋材5と、を有する。予備成形体3は、この予備成形体3に混入されていたスペーサ粒子の溶解除去により形成された複数の気孔6,6,…同士が互いに連通している連続気孔7を有しており、予備成形体3の外表面ないし連続気孔7の表面には無電解めっき層9が形成されている。金属基複合材料1は、予備成形体3が大気圧の10倍以下となる圧力下において溶融した母材金属2内で低圧含浸処理されることにより、母材金属2が連続気孔7内に充填されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
ナノ炭素繊維からなる強化材により母材金属の特性が強化された金属基複合材料における予備成形体の製造方法であって、
前記強化材の粉末体と、該強化材同士を架橋するための架橋材の粉末体と、溶媒に対する可溶性を有するスペーサ粒子とを混入撹拌して混合材料を形成するステップと、
前記混合材料を加圧成形して固体状の混合体を形成するステップと、
前記混合体を加熱して前記架橋材により前記強化材同士を架橋するステップと、
前記混合体を溶媒に浸して前記スペーサ粒子を溶媒により溶解除去することにより、残留した前記強化材および前記架橋材からなり、該スペーサ粒子が溶解した後に形成される複数の気孔同士が互いに連通した連続気孔を有する基体を生成するステップと、
前記基体の外表面ないし前記連続気孔の表面に無電解めっき処理により無電解めっき層を形成するステップと、を備える、予備成形体の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の予備成形体の製造方法において、
前記スペーサ粒子の粒子径は600~700μmの範囲である、予備成形体の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の予備成形体の製造方法において、
前記スペーサ粒子の粒子径は180~355μmの範囲である、予備成形体の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の予備成形体の製造方法において、
前記スペーサ粒子の粒子径は30~60μmの範囲である、予備成形体の製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の予備成形体の製造方法において、
前記混合材料を形成するステップでは、前記スペーサ粒子と前記架橋材および前記強化材とを重量比が90:10~70:30の範囲内でそれぞれ混合する、予備成形体の製造方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の予備成形体の製造方法において、
前記混合材料を形成するステップでは、前記架橋材と前記強化材とを重量比が70:30~30:70の範囲内でそれぞれ混合する、予備成形体の製造方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の予備成形体の製造方法において、
前記気孔同士の間に形成される前記予備成形体の内壁が60μm以上の厚さになるように該予備成形体を生成し、
前記無電解めっき層を形成するステップでは、ニッケル無電解めっき処理により、前記連続気孔の表面から少なくとも30μmの深さまでニッケルが入り込むようにニッケル無電解めっき層を形成する、予備成形体の製造方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の予備成形体の製造方法において、
前記架橋材は炭素粉末からなる、予備成形体の製造方法。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の予備成形体の製造方法において、
前記架橋材は非鉄金属粉末からなる、予備成形体の製造方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の予備成形体の製造方法において、
前記スペーサ粒子はNaClの粒子からなる、予備成形体の製造方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の予備成形体を、溶融した母材金属内で大気圧の10倍以下となる圧力下の低圧含浸法により処理して、前記連続気孔内に該母材金属が充填された金属基複合材料を製造する、金属基複合材料の製造方法。
【請求項12】
母材金属の特性を強化するためのナノ炭素繊維からなる強化材と、該強化材同士を架橋するための架橋材と、を有する金属基複合材料の予備成形体であって、
前記予備成形体は、該予備成形体に混入されていたスペーサ粒子の溶解除去により形成された複数の気孔同士が互いに連通している連続気孔を有しており、
前記予備成形体の外表面ないし前記連続気孔の表面には無電解めっき層が形成されている、金属基複合材料の予備成形体。
【請求項13】
請求項12に記載の金属基複合材料の予備成形体において、
前記気孔の各々の大きさは600~700μmの範囲である、金属基複合材料の予備成形体。
【請求項14】
請求項12に記載の金属基複合材料の予備成形体において、
前記気孔の各々の大きさは180~355μmの範囲である、金属基複合材料の予備成形体。
【請求項15】
請求項12に記載の金属基複合材料の予備成形体において、
前記気孔の各々の大きさは30~60μmの範囲である、金属基複合材料の予備成形体。
【請求項16】
請求項12~15のいずれか1項に記載の金属基複合材料の予備成形体において、
前記気孔間には厚さ60μm以上の内壁が形成されており、
前記無電解めっき層は、前記連続気孔の表面から少なくとも30μmの深さまでニッケルが入り込むように形成されたニッケル無電解めっき層である、金属基複合材料の予備成形体。
【請求項17】
請求項12~16のいずれか1項に記載の金属基複合材料の予備成形体の前記連続気孔内に前記母材金属が低圧含浸処理により充填されている、金属基複合材料。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、予備成形体およびそれを用いた金属基複合材料ならびにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、種々の要求に適合する材料を実現すべく、母材金属に強化材を複合化させることにより、単体の材料では持ち合わせなかった特性を向上させた複合材料、特にカーボンナノファイバ等のナノ炭素繊維を複合化させて母材金属の特性を強化した金属基複合材料が開発されている。
【0003】
具体的には、金属基複合材料は、高熱伝導率、低熱膨張係数、高強度、優れた加工性、低コスト等といった種々の特性を有している。そして、金属基複合材料は、このような特性が期待される製品として、例えばディスクブレーキ、ヒートシンク(放熱板)、サングラスのフレーム構造、ベアリング等といった様々な製品に用いられている。このような金属基複合材料を製造する一般的な方法として、粉末冶金法や高圧鋳造法が挙げられる。
【0004】
例えば、特許文献1には、粉末冶金法を基本とする、複合材を作製するための金属粒子(マグネシウム合金やアルミニウム合金)とカーボンナノファイバ(VGCF)等の炭素粉末との複合化方法、および金属基複合材料の製造方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、アルミニウム合金等からなる不定形状の母粒子の表面や内部に、短繊維からなるカーボンナノファイバ等の子粒子を固着させて金属基複合粉体とし、これを出発原料として押出し加工や粉末冶金法によって製造される金属基複合材料が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、メソフェーズピッチにカーボンナノファイバが混入され、メソフェーズピッチが連続多孔質構造体に形成されると共に、該連続多孔質構造体が不活性ガス下1000℃~3000℃の温度範囲で加熱されて炭化または黒鉛化され、高圧鋳造法によりキャビティ内の溶融アルミニウムが約100MPaの高圧で加圧されて、該炭化もしくは黒鉛化された連続多孔質構造体の連続孔内に溶融アルミニウムが連続孔の内壁と密着した状態で充填されている金属基複合材料およびその製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特許第5360547号公報
【特許文献2】特開2007-224359号公報
【特許文献3】特許第5181169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、特許文献1および2の粉末冶金法は、アルミニウム粉末とカーボンナノファイバとを混合した構成材料を、型に入れて高圧下で押出し、その後に構成材料の融点以下の温度で焼成するというプロセスからなる。しかしながら、この粉末冶金法では、アルミニウム粉末に対するカーボンナノファイバ粉末の分散率を十分に保ったまま型押し後における成形品の強度が低下しないように高い圧力で押し固めるため、自ずと製品の大きさが限られてしまい、その結果として、大型製品への適用が困難になるという問題があった。
【0009】
また、粉末冶金法では、ベアリングのような比較的単純な形状の製品であれば高圧下の型押しによって所望の形状を得ることが可能であるが、上記ディスクブレーキ、ヒートシンク、サングラスのフレーム構造のような比較的複雑な形状を有する製品の場合では、型押し成形後に更なる加工処理を行わなければ所望の形状を得ることができない。すなわち、粉末冶金法では、高圧下での押出し成形が前提となっているため、比較的複雑な形状を有する製品を製造することが容易でなかった。
【0010】
さらに、粉末冶金法では、高圧下で型押し成形しなければならないため、高圧状態を作り出すための製造設備が大がかりとなり、その結果として、金属基複合材料の製造に伴うコストが高くなってしまうという問題もあった。
【0011】
一方、特許文献3の高圧鋳造法では、一般的にメソフェーズピッチおよびカーボンナノファイバからなる予備成形体と溶融金属との濡れ性が劣ることから、連続多孔質構造体の連続孔内に溶融アルミニウムを充填する際、約100MPaといった高い圧力をかけて連続孔の内壁とアルミニウムとの密着性を高めている。しかしながら、特許文献3による製造方法でも、特許文献1および2の製造方法と同様、高圧状態を作り出すための製造設備が大がかりとなって、金属基複合材料の製造に伴うコストが高くなるという問題があった。さらに、大型製品を製造するためには、高圧を加えることができるより大きな設備が必要となることから、高圧鋳造法でも大型製品への適用が困難であった。
【0012】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の製造方法とは異なる製造プロセスにより、予備成形体およびそれを用いた金属基複合材料を得られるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明は、スペーサ粒子が溶解した後に形成される連続気孔を有する予備成形体に無電解めっき処理を行うようにした。また、低圧含浸法により、その予備成形体の連続気孔内に母材金属を充填して金属基複合材料を製造するようにした。
【0014】
具体的には、本発明の第1の形態は、ナノ炭素繊維からなる強化材により母材金属の特性が強化された金属基複合材料における予備成形体の製造方法であって、強化材の粉末体、該強化材同士を架橋するための架橋材の粉末体、および溶媒に対する可溶性を有するスペーサ粒子を混入撹拌して混合材料を形成するステップと、混合材料を加圧成形して固体状の混合体を形成するステップと、混合体を加熱して架橋材により強化材同士を架橋するステップと、混合体を溶媒に浸してスペーサ粒子を溶媒により溶解除去することにより、残留した強化材および架橋材からなり、該スペーサ粒子が溶解した後に形成される複数の気孔同士が互いに連通した連続気孔を有する基体を生成するステップと、基体の外表面ないし連続気孔の表面に無電解めっき処理により無電解めっき層を形成するステップと、を備えることを特徴とする。
【0015】
この第1の形態によれば、混合材料の形成から固体状の混合体を加熱するまでのプロセスを経ることにより、強化材の各々が架橋材によって架橋され、強化材の各々は予備成形体のマトリクス内で熱伝導経路が縦横に構築された状態とすることができる。その結果、予備成形体内に滞留している熱がスムーズに流れるようにすることが可能となる。また、混合体を溶媒に浸してスペーサ粒子を溶媒により溶解除去する処理(スペーサ処理)を行うことによって、複数の気孔同士が互いに連通している連続気孔が適切に形成され、低圧含浸処理を行う際に溶融した母材金属を連続気孔内に含浸させることができる。その結果、製造された金属基複合材料内における気孔欠陥の発生を抑制することが可能となる。さらに、基体の外表面ないし連続気孔の表面に無電解めっき層を形成することにより、基体の外表面付近ないし連続気孔の表面付近に残留するマイクロポア(微少な気孔欠陥)が無電解めっき層に埋め尽くされ、予備成形体と溶融した母材金属との濡れ性が向上する。その結果、高圧を必要としない低圧含浸法により、金属基複合材料を製造することが可能となる。
【0016】
第2の形態は、第1の形態において、スペーサ粒子の粒子径は600~700μmの範囲であることを特徴とする。
【0017】
この第2の形態によれば、所望の大きさによる気孔を得ることができる。
【0018】
第3の形態は、第1の形態において、スペーサ粒子の粒子径は180~355μmの範囲であることを特徴とする。
【0019】
この第3の形態によれば、スペーサ粒子の粒子径をより小さくすることによって、連続気孔における各気孔を微細化できかつ予備成形体内の組織を緻密化できる。
【0020】
第4の形態は、第1の形態において、スペーサ粒子の粒子径は30~60μmの範囲であることを特徴とする。
【0021】
この第4の形態によれば、第3の形態による効果をより顕著に得ることができる。
【0022】
第5の形態は、第1~第4の形態のいずれかにおいて、混合材料を形成するステップでは、スペーサ粒子と架橋材および強化材とを重量比が90:10~70:30の範囲内でそれぞれ混合することを特徴とする。
【0023】
この第5の形態によれば、予備成形体内に占める連続気孔の気孔率が適切な範囲に抑えられ、予備成形体の骨格が脆くならず、スペーサ処理後でも予備成形体の外形を十分に維持することができる。
【0024】
第6の形態は、第1~第5の形態のいずれかにおいて、混合材料を形成するステップでは、架橋材と強化材とを重量比が70:30~30:70の範囲内でそれぞれ混合することを特徴とする。
【0025】
この第6の形態によれば、スペーサ処理後であっても、亀裂や欠損が生じないような、適切な予備成形体を得ることができる。また、スペーサ処理により各気孔の大きさにバラツキが生じないような適切な連続気孔を形成することができる。
【0026】
第7の形態は、第1~第6の形態のいずれか1つにおいて、気孔同士の間に形成される予備成形体の内壁が60μm以上の厚さになるように予備成形体を生成し、無電解めっき層を形成するステップでは、ニッケル無電解めっき処理により、連続気孔の表面から少なくとも30μmの深さまでニッケルが入り込むようにニッケル無電解めっき層を形成することを特徴とする。
【0027】
この第7の形態によれば、気孔間の内壁に残留するマイクロポアがニッケル無電解めっき層に埋め尽くされ、連続気孔の表面と溶融した母材金属との濡れ性をさらに向上させることができる。さらに、内壁の厚みが隣り合うそれぞれの気孔表面から形成される無電解めっき層同士の厚みと同じ厚さになり、気孔間の内壁全体に無電解めっき層が形成されるようにすることができる。
【0028】
第8の形態は、第1~第7の形態のいずれか1つにおいて、架橋材は炭素粉末からなることを特徴とする。
【0029】
この第8の形態によれば、ナノ炭素繊維からなる強化材と同種の材質により、強化材同士を架橋しやすくすることができる。
【0030】
第9の形態は、第1~第7の形態のいずれか1つにおいて、架橋材は非鉄金属粉末からなることを特徴とする。
【0031】
この第9の形態によれば、非鉄金属粉末を含む予備成形体と母材金属との濡れ性をさらに向上させることができ、かつ、金属基複合材料における熱伝導率を高めることができる。
【0032】
第10の形態は、第1~第9の形態のいずれかにおいて、スペーサ粒子はNaClの粒子からなることを特徴とする。
【0033】
この第10の形態によれば、高融点(800℃)かつ水溶性のNaCl粒子を用いることにより、低コストで容易にマイクロメートル単位の気孔を形成することができる。
【0034】
第11の形態は、金属基複合材料の製造方法であって、第1~第10の形態のいずれかの予備成形体を、溶融した母材金属内で大気圧の10倍以下となる圧力下の低圧含浸法により処理して、連続気孔内に母材金属が充填された金属基複合材料を製造することを特徴とする。
【0035】
この第11の形態によれば、第1~第10の形態のいずれかの予備成形体を用いて、高圧を必要としない低圧含浸法により、金属基複合材料を製造することができる。
【0036】
第12の形態は、母材金属の特性を強化するためのナノ炭素繊維からなる強化材と、該強化材同士を架橋するための架橋材と、を有する金属基複合材料の予備成形体であって、予備成形体は、予備成形体に混入されていたスペーサ粒子の溶解除去により形成された複数の気孔同士が互いに連通している連続気孔を有しており、予備成形体の外表面ないし連続気孔の表面には無電解めっき層が形成されていることを特徴とする。
【0037】
この第12の形態によれば、第1の形態と同様の効果を得ることができる。
【0038】
第13の形態は、第12の形態において、気孔の各々の大きさは600~700μmの範囲であることを特徴とする。
【0039】
この第13の形態によれば、第2の形態と同様の効果を得ることができる。
【0040】
第14の形態は、第12の形態において、気孔の各々の大きさは180~355μmの範囲であることを特徴とする。
【0041】
この第14の形態によれば、第3の形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
第15の形態は、第12の形態において、気孔の各々の大きさは30~60μmの範囲であることを特徴とする。
【0043】
この第15の形態によれば、第4の形態と同様の効果を得ることができる。
【0044】
第16の形態は、第12~第15の形態のいずれか1つにおいて、前記気孔間には厚さ60μm以上の内壁が形成されており、無電解めっき層は、連続気孔の表面から少なくとも30μmの深さまでニッケルが入り込むように形成されたニッケル無電解めっき層であることを特徴とする。
【0045】
この第16の形態によれば、第7の形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】
第17の形態は、第12~第16の形態のいずれかの金属基複合材料の予備成形体の連続気孔内に母材金属が低圧含浸処理により充填されていることを特徴とする。
【0047】
この第17の形態によれば、第11の形態と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明では、従来の製造方法とは異なる製造プロセスにより、予備成形体およびそれを用いた金属基複合材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る金属基複合材料を示す概略図である。
【図2】図2は、金属基複合材料の組織状態を示す概略図である。
【図3】図3は、強化材と架橋材との構成を示す概略図である。
【図4】図4は、予備成形体の組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図5】図5は、ニッケル無電解めっき処理が行われる前の金属基複合材料の組織状態を概略的に示す断面図である。
【図6】図6は、ニッケル無電解めっき処理が行われた後の金属基複合材料の組織状態を示す図5相当図である。
【図7】図7は、気孔間の内壁全体にニッケル無電解めっき処理が行われた状態を示す図5相当図である。
【図8】図8は、混合材料を形成する工程を模式的に示す図である。
【図9】図9は、混合材料を加圧して固体状の混合体を形成する工程を模式的に示す図である。
【図10】図10は、混合体を加熱処理する工程を模式的に示す図である。
【図11】図11は、スペーサ処理で基体を形成する工程を模式的に示す図である。
【図12】図12は、ニッケル無電解めっき処理の工程を模式的に示す図である。
【図13】図13は、低圧鋳造装置を模式的に示す図である。
【図14】図14は、実施例によるVGCFの組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図15】図15は、実施例によるMPの組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図16】図16は、加熱処理後のサンプル1(混合体)を示す写真である。
【図17A】図17Aは、スペーサ処理後のサンプル1(基体)を示す写真である。
【図17B】図17Bは、サンプル1の組織を部分的に拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図18】図18は、加熱処理後のサンプル2(混合体)を示す写真である。
【図19A】図19Aは、スペーサ処理後のサンプル2(基体)を示す写真である。
【図19B】図19Bは、サンプル2の組織を部分的に拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図20】図20は、加熱処理後のサンプル3(混合体)を示す写真である。
【図21】図21は、スペーサ処理後のサンプル3(基体)を示す写真である。
【図22】図22は、スペーサ処理後のサンプル4(基体)を示す写真である。
【図23A】図23Aは、スペーサ処理後のサンプル4(基体)の組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図23B】図23Bは、図23Aの(c)部を拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図24】図24は、サンプル5(基体)を示す写真である。
【図25A】図25Aは、サンプル5(基体)の図23A相当図である。
【図25B】図25Bは、サンプル5(基体)の図23B相当図である。
【図26】図26は、サンプル6(基体)を示す写真である。
【図27A】図27Aは、サンプル6(基体)の図23A相当図である。
【図27B】図27Bは、サンプル6(基体)の図23B相当図である。
【図28】図28は、サンプル7(基体)を示す写真である。
【図29A】図29Aは、サンプル7(基体)の図23A相当図である。
【図29B】図29Bは、サンプル7(基体)の図23B相当図である。
【図30】図30は、サンプル8(基体)を示す写真である。
【図31】図31は、NaCl粒子(粒子径600~700μm)の電子顕微鏡写真である。
【図32】図32は、NaCl粒子(粒子径180~355μm)の電子顕微鏡写真である。
【図33】図33は、NaCl粒子(粒子径30~60μm)の電子顕微鏡写真である。
【図34A】図34Aは、サンプル9(基体)の組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図34B】図34Bは、図34Aの内壁部分を拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図35A】図35Aは、サンプル10(基体)の組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図35B】図35Bは、図35Aの内壁部分を拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図36】図36は、サンプル11(基体)の組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図37A】図37Aは、ニッケル無電解めっき処理が行われたサンプル10(予備成形体)の組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図37B】図37Bは、図37Aの(a)部を拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図38A】図38Aは、ニッケル無電解めっき処理が行われたサンプル10(予備成形体)の組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図38B】図38Bは、図38Aの(a)部を拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図38C】図38Cは、図38Aの(b)部を拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図39】図39は、ニッケル無電解めっき処理が行われたサンプル9(予備成形体)の組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図40A】図40Aは、ニッケル無電解めっき処理が行われたサンプル9(予備成形体)の組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図40B】図40Bは、図40Aの(a)部を拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図41A】図41Aは、サンプル12(金属基複合材料)の組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図41B】図41Bは、図41Aの(a)部を拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図42A】図42Aは、サンプル12(金属基複合材料)の電子顕微鏡写真である。
【図42B】図42Bは、サンプル12(金属基複合材料)の電子顕微鏡写真である。
【図43】図43は、図41Aに示す組織を部分的に拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図44A】図44Aは、サンプル10(金属基複合材料)の組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図44B】図44Bは、図44Aの(a)部を拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図45】図45は、図44Aに示す組織を部分的に拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図46】図46は、サンプル9(金属基複合材料)の組織状態を説明する電子顕微鏡写真である。
【図47A】図47Aは、図46に示す組織を部分的に拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【図47B】図47Bは、図47Aの(a)部を拡大して説明する電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものではない。

【0051】
本発明の実施形態に係る金属基複合材料1は、高熱伝導率、低熱膨張係数、高強度、優れた加工性、低コスト等といった種々の特性を有しており、例えばディスクブレーキ、ヒートシンク(放熱板)、サングラスのフレーム構造、ベアリング等といった様々な製品に用いられる。

【0052】
図1に示すように、金属基複合材料1は、母材金属2を備えている。この母材金属2としては、純アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム系合金、チタン系合金などが挙げられる。そして、アルミニウム合金としては、Mg、Si、Cu、Zn、Mnの少なくとも1種を含むものが採用され、例えば、Al-Si系、Al-Cu系、Al-Mn系、Al-Mn-Mg系のものが用いられる。本発明の実施形態に係る金属基複合材料1では、母材金属2として、純アルミニウムを用いている。

【0053】
また、図2および図3に示すように、金属基複合材料1は、金属基複合材料1が製造される前の中間体として機能する多孔性の予備成形体3を含む。予備成形体3は、上記母材金属2の特性を強化するための強化材4を有している。この強化材4は、カーボンナノファイバ(以下「CNF」という)、カーボンナノチューブなどの短繊維からなるナノ炭素繊維が適している。本発明の実施形態に係る金属基複合材料1では、CNFからなる強化材4として、気相法炭素繊維のVGCF(Vapor Grown Carbon Fiber:昭和電工株式会社製)を用いている。このVGCFは、平均繊維径が約150nm、平均繊維長さが10~20μmの短繊維により構成されており、特に熱伝導率に優れている。また、短繊維からなるVGCFは、3次元ないし2次元ランダム配向による等方性を有している。

【0054】
また、予備成形体3は、上記強化材4,4同士を架橋するための架橋材5を有している。この架橋材5は、例えば炭素粉末のメソフェーズピッチ(以下「MP」という)からなり、このMPが予備成形体3のマトリクス中で強化材4(VGCF)のそれぞれを架橋している。すなわち、図3に示すように、等方性を有する強化材4,4,…の各々が架橋材5(MP)によって架橋されているため、強化材4,4,…の各々は予備成形体3のマトリクス内で熱伝導経路が縦横に構築された状態となり、それによって、予備成形体3内に滞留している熱がスムーズに流れるように構成されている。なお、MPの材質を炭素粉末からなるものにすることにより、ナノ炭素繊維からなる強化材4と同種の材質により強化材4,4,…同士を架橋しやすくなる。

【0055】
図4および図5に示すように、予備成形体3には、後述する予備成形体3の作製過程において、混合材料を形成する際に混入されたスペーサ粒子を溶解除去する処理(すなわちスペーサ処理)によって複数の気孔6,6,…同士が互いに連通した連続気孔7が設けられている。本発明の実施形態に係る金属基複合材料1では、この連続気孔7内に、低圧含浸法によってアルミニウムが充填された状態となっている(図1参照)。また、予備成形体3の気孔6,6間には、所定の厚さを有する内壁8が形成されている。この内壁8は、後述する無電解めっき層との関係により、60μm以上の厚さに形成されるようにするのが好ましい。

【0056】
ここで、上記気孔6,6,…の各々の大きさは、後述するNaCl粒子の粒子径に応じて、600~700μmの範囲であるのが好ましい。また、より好ましくは180~355μmの範囲である。さらに好ましくは30~60μmの範囲である。

【0057】
図6に示すように、予備成形体3の外表面ないし連続気孔7の表面には無電解めっき層9が形成されている。具体的には、無電解めっき層9は、予備成形体3(基体)の外表面ないし連続気孔7の表面からニッケルが入り込むようにニッケル無電解めっき層が形成されている。このように、予備成形体3の外表面ないし連続気孔7の表面に無電解めっき層9を形成することにより、予備成形体3(基体)の外表面付近ないし連続気孔7の表面付近に残留するマイクロポア(微少な気孔欠陥)が無電解めっき層9に埋め尽くされ、予備成形体3と溶融した母材金属2との濡れ性が向上する。その結果、100MPa前後の高圧条件を必要としない低圧含浸法により、無電解めっき層9を介して母材金属2と予備成形体3(基体)とが十分に密着した金属基複合材料1を製造することが可能となる。

【0058】
また、無電解めっき層9は、連続気孔7の表面から少なくとも30μmの深さまでニッケルが入り込むように形成されているのが好ましい。そして、気孔6,6間の内壁8が60μm以上の厚さになるように予備成形体3が生成されていれば、図6に示すように、気孔6,6間に無電解めっき層9が十分に形成されることになる。これにより、気孔6,6間の内壁8に残留するマイクロポアが無電解めっき層9に埋め尽くされ、連続気孔7の表面と溶融した母材金属2との濡れ性をさらに向上させることができる。

【0059】
さらに、予備成形体3の気孔6,6間に60μm程度の厚みを有する内壁8が形成されているのがより好ましい。すなわち、互いに隣り合う気孔6,6表面から形成される無電解めっき層9の厚みと同じ厚さになる内壁8が形成されていれば、図7に示すように、気孔6,6間の内壁8全体に無電解めっき層9が形成されるようになる。これにより、気孔6,6間の内壁8全体に残留するマイクロポアが無電解めっき層9に埋め尽くされ、連続気孔7の表面と溶融した母材金属2との濡れ性をさらに向上させることができる。

【0060】
次に、図8~図13を参照して、予備成形体3および金属基複合材料1の製造方法を説明する。

【0061】
[予備成形体の製造方法]
はじめに、予備成形体3の製造方法について詳述する。

【0062】
まず、図8に示すような攪拌器11を用いて、予備成形体3の前段階となる各構成粉末の混合材料を形成する。具体的には、強化材4の粉末体と架橋材5の粉末体と溶媒に対する可溶性を有するスペーサ粒子10とを容器11a内に混入し、図8の矢印方向に撹拌棒11bを回転させてしばらく撹拌することにより混合材料3aを形成する。本実施形態では、スペーサ粒子10としてNaClからなる粒子が用いられる。高融点(800℃)かつ水溶性のNaCl粒子を用いることにより、低コストで容易にマイクロメートル単位の気孔6を形成することができる。

【0063】
ここで、スペーサ粒子10の粒子径は600~700μmの範囲であるのが好ましい。また、より好ましいスペーサ粒子10の粒子径は180~355μmの範囲である。さらに好ましくは30~60μmの範囲である。すなわち、スペーサ処理に用いられるNaCl粒子の粒子径をより小さくすることによって、連続気孔7における各気孔6,6,…を微細化できかつ予備成形体3内の組織を緻密化できる。さらに、混合材料3aを生成する過程で混入されるスペーサ粒子10(NaCl粒子)の粒子径を適宜変えることにより、予備成形体3の組織状態および連続気孔7の大きさを調整することができる。

【0064】
また、混合材料3aを形成するステップでは、スペーサ粒子10と架橋材5(MP)および強化材4(VGCF)との重量比が90:10~70:30の範囲内でそれぞれを混合するのが好ましい。特に、スペーサ粒子10と架橋材5および強化材4との重量比が70:30となるようにそれぞれを混合するのが好ましい。このようにすれば、予備成形体3内に占める連続気孔7の気孔率が適切な範囲に抑えられ、予備成形体3の骨格が脆くならず、スペーサ処理後でも予備成形体3の外形を十分に維持することができる。さらに、連続気孔7として複数の気孔6,6,…同士が互いに連通した状態となり、複数の気孔6,6,…同士が互いに連通しない状態(すなわち各気孔6,6,…が互いに閉じたクロスポアの状態)にならないようにすることができる。そして、複数の気孔6,6,…同士が互いに連通している連続気孔7が適切に形成されていれば、後述する低圧含浸処理を行う際に溶融した母材金属2を連続気孔7内に含浸させることができ、製造された金属基複合材料1内における気孔欠陥の発生を抑制することができる。

【0065】
さらに、混合材料3aを形成するステップでは、架橋材5(MP)と強化材4(VGCF)との重量比が70:30~30:70の範囲内でそれぞれを混合するのが好ましい。このようにすれば、亀裂や欠損が生じないような適切な予備成形体3を得ることができる。また、後述するスペーサ処理により各気孔6,6,…の大きさにバラツキが生じないような適切な連続気孔7を形成することができる。より好ましくは、架橋材5と強化材4との重量比は70:30である。このような比率であれば、内部組織が緻密かつ強固になって、亀裂や欠損が生じないような、適切な強度の骨格をなす予備成形体3を得ることが可能となる。

【0066】
次に、図9に示すような加圧器12を用いて、混合体3bを加圧成形して固体状の混合体3bを形成する。具体的には、加圧器12の容器12a内に上記混合材料3aを封入し、加圧部12bから混合材料3aに75MPa以下の圧力を加えることにより、固体状の混合体3bを形成する。ここで、混合材料3aに加える圧力値としては、25MPa以下になるように加圧部12bを制御するのが好ましい。

【0067】
次に、図10に示すような加熱器13を用いて、固体状の混合体3bを加熱することにより、強化材4,4,…同士を架橋材5により架橋する。具体的には、加熱器13内に固体状の混合体3bが封入された加圧器12を設置し、約500℃の温度で所定の時間(例えば約1時間)をかけて加熱部13aにより加熱処理を行う。この加熱処理が終了した後、加熱された混合体3bを大気雰囲気下で自然冷却する。

【0068】
次に、混合体3bを溶媒に浸してスペーサ粒子10を溶媒により溶解除去する処理(スペーサ処理)を行うことにより、連続気孔7を有する基体3cを生成する。具体的には、図11に示すように、蒸留水W(溶媒)が満たされた容器14内に上記加熱処理された混合体3bを浸す。混合体3bがこの蒸留水Wに浸されることにより、混合体3b内に含有されていたスペーサ粒子10が蒸留水Wに溶け出すようになる。すなわち、混合体3bを蒸留水Wに浸してNaClからなるスペーサ粒子10を蒸留水Wにより溶解除去することにより、強化材4および架橋材5が残留し、この残留した強化材4および架橋材5が予備成形体3の骨格をなす基体3cとなる。さらに、基体3c内には、スペーサ粒子10が溶解した後に複数の気孔6,6,…が形成され、これら複数の気孔6,6,…同士が互いに連通した連続気孔7が形成される(図4および図5参照)。

【0069】
スペーサ粒子10が蒸留水Wに完全に溶けた後、容器14内から基体3cを取り出し、基体3cに残っている蒸留水Wを乾燥により蒸発除去させる。以上により、基体3cの生成が終了する。

【0070】
次に、図12に示すような無電解めっき装置15を用いて、上記製造プロセスにより生成された基体3cに無電解めっき処理を行う。

【0071】
具体的には、例えば温度343kの水(すなわち約70℃のお湯)が満たされた容器15a内にめっき浴槽15bを浸し、そのめっき浴槽15b内に満たされたニッケルめっき浴15cの温度が343k(約70℃)かつ水素イオン指数(PH)の値が6.5となるように測定器具15dにより調整する。そして、上記プロセスにより生成された基体3cをめっき浴槽15b内のニッケルめっき浴15cに所定時間(例えば約5分間)浸漬させる。

【0072】
以上により、基体3cの外表面ないし連続気孔7の表面にニッケル無電解めっき層9を形成した予備成形体3の生成が終了する。

【0073】
ここで、上述のように、無電解めっき層9は、基体3cの外表面ないし連続気孔7の表面に形成される。具体的には、無電解めっき層9は、基体3cの外表面上ないし連続気孔7の表面上に積層されるのではなく、基体3c内にニッケルが浸透することにより、基体3cの外表面ないし連続気孔7の表面から所定の深さまでニッケルが入り込むように形成される(図6および図7参照)。その結果、無電解めっき処理の前後にかかわらず、各気孔6,6,…の大きさが変わることなく、予備成形体3内における連続気孔7の気孔率が維持されることになる。

【0074】
[金属基複合材料の製造方法]
次に、図13に示すような低圧鋳造装置16を用いて、低圧含浸法により金属基複合材料1を製造する。

【0075】
低圧鋳造装置16に設けられている黒鉛鋳型16a内に上記予備成形体3を入れ、その予備成形体3の上から溶融した母材金属2(本実施形態では溶融アルミニウム)を黒鉛鋳型16a内に流し込む。その後、黒鉛からなる封止体16bにより黒鉛鋳型16aを封止して、ガス注入管16cから不活性ガス(例えばアルゴンガス)を黒鉛鋳型16a内に注入し、黒鉛鋳型16a内の温度が高温状態(973k)になるように黒鉛鋳型16aを加熱する。

【0076】
このような高温かつ不活性ガス雰囲気下で、低圧鋳造装置16の押圧具16dにより封止体16bに圧力を加えて黒鉛鋳型16a内を加圧する。具体的には、大気圧(約0.1MPa)の10倍以下となる圧力(例えば0.8MPa)を黒鉛鋳型16a内の予備成形体3および溶融アルミニウムに加えて、この加圧状態を所定の時間(例えば0.6ks)保持する。なお、押圧具16dに連結されて低圧鋳造装置16に吊り下げられている重り16eの量を適宜変えることにより、押圧具16dから黒鉛鋳型16aに加えられる圧力値を調整することが可能となる。これにより、予備成形体3の連続気孔7内に溶融アルミニウムが充填される。加圧処理が終了した後、加熱状態を解除し、黒鉛鋳型16a内で予備成形体3を冷却する。

【0077】
以上のような低圧含浸法による処理を経て、予備成形体3の連続気孔7内に母材金属2が充填された金属基複合材料1が製造される。

【0078】
[その他の実施形態]
本発明の実施形態に係る金属基複合材料1の予備成形体3では、架橋材5として炭素粉末からなるメソフェーズピッチ(MP)を用いたが、この形態に限られない。例えば、架橋材5として、非鉄金属粉末からなるものを用いてもよい。この非鉄金属粉末としては、Cu、Ca、Mgのいずれか1種からなるものが好ましい。このような非鉄金属粉末を架橋材として用いることにより、非鉄金属粉末を含む予備成形体3と母材金属2との濡れ性をさらに向上させることができ、かつ、金属基複合材料1における熱伝導率を高めることができる。要は、架橋材5としては、ナノ炭素繊維からなる強化材4,4同士を架橋する役割を備える材料であって、かつ、金属基複合材料1における熱伝導率を向上させるような材料であればよい。

【0079】
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【実施例】
【0080】
以下、本発明に係る実施例を示す。本実施例では、以下のプロセスによりサンプル1~12を作製した。
【実施例】
【0081】
[予備成形体の製造]
はじめに予備成形体を作製した。まず、VGCF粉末体(強化材)とMP粉末体(架橋材)とNaCl粒子(スペーサ粒子)とを所定の容器内に混入し、撹拌棒で約10分間撹拌して混合材料を形成した(図8参照)。本実施例で用いたVGCFの形状およびその物性を表1および図14に示す。同様に、MP粉末の大きさおよびその物性を表2および図15に示す。なお、サンプル1~12に関し、混合材料における各構成材料の重量比およびNaCl粒子の粒子径に関する詳細については後述する。
【実施例】
【0082】
【表1】
JP2017075357A_000003t.gif
【実施例】
【0083】
【表2】
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【実施例】
【0084】
混合材料を形成した後、所定の加圧器に上記混合材料を封入し、75MPaの圧力を加えて混合材料を固体状の混合体に成形した(図9参照)。その後、固体状の混合体を加熱器内に入れて、約500℃の温度で約1時間加熱処理を行い、大気雰囲気下で混合体を冷却した(図10参照)。この後、スペーサ処理により、蒸留水が満たされた容器内に上記混合体を浸し、その混合体内に含有されているNaCl粒子を溶解除去した(図11参照)。これにより、残留したVGCFおよびMPからなる基体を生成し、この基体内に複数の気孔同士が互いに連通した連続気孔を形成した。NaCl粒子が蒸留水に完全に溶けた後、容器内から基体を取り出して、基体に残っている蒸留水を乾燥により除却した。
【実施例】
【0085】
[NaCl粒子とMP粉末体およびVGCF粉末体との重量比]
ここで、混合材料を形成する過程において、NaCl粒子とMP粉末体およびVGCF粉末体との重量比が異なる3種類のサンプル1~3および5を作製した。各サンプルにおける重量比の詳細を表3に示す。なお、サンプル1~3および5では、粒子径が180~355μmの範囲に含まれるNaCl粒子を用いた。
【実施例】
【0086】
【表3】
JP2017075357A_000005t.gif
【実施例】
【0087】
図16、図18および図20は、サンプル1~3のそれぞれについて、スペーサ処理前の加熱処理された混合体の状態を示している。図16、図18および図20に示すように、サンプル1~3は、スペーサ処理前の加熱処理された混合体の状態において、いずれも円柱形状を維持していた。また、図17A、図19Aおよび図21は、サンプル1~3のそれぞれについて、スペーサ処理を行った後の基体の状態を示している。
【実施例】
【0088】
図17A、図19Aおよび図21に示すように、サンプル1~3は、スペーサ処理後であっても混合体の外形(円柱形状)が崩れることなく、加熱処理後における混合体の外形が維持されていた。また、図17Bおよび図19Bに示すように、スペーサ処理で得られたサンプル1および2の電子顕微鏡写真による組織状態を観察すると、組織内に大きな亀裂や欠損は見られず、適切な連続気孔が形成されていた。特に、サンプル3と同じ条件で作製されたサンプル5の電子顕微鏡写真による組織状態(図25A参照)を確認したところ、組織内に大きな亀裂や欠損は見られず、各々の大きさがほぼ均等な連続気孔が適切に形成されていた。
【実施例】
【0089】
このように、NaCl粒子とMP粉末体およびVGCF粉末体との重量比が90:10~70:30の範囲であれば、NaCl粒子の混入量が適切となって、基体内に占める連続気孔の気孔率が適切な範囲に抑えられることにより、基体が脆くならず、スペーサ処理後でも基体の外形が健全に維持された。特に、NaCl粒子とMP粉末体およびVGCF粉末体との重量比が70:30であれば、より健全な基体を得ることができることがわかった。
【実施例】
【0090】
[MPとVGCFとの重量比]
次に、混合材料を形成する過程において、NaCl粒子とMP粉末体およびVGCF粉末体との重量比を上述した適正な範囲の中から70:30に固定した上で、MPとVGCFとの重量比が異なる5種類のサンプル4~8を作製した。表4にサンプル4~8におけるそれぞれの重量比を示す。なお、サンプル4~8では、粒子径が180~355μmの範囲に含まれるNaCl粒子を用いた。
【実施例】
【0091】
【表4】
JP2017075357A_000006t.gif
【実施例】
【0092】
サンプル4~8は、サンプル1~3と同様、スペーサ処理前の加熱処理された混合体の状態で円柱形状を維持していた。その後、スペーサ処理で得られた各サンプル(基体)の状態における写真および電子顕微鏡写真による組織状態を図22~図30にそれぞれ示す。さらに、各サンプルにおけるスペーサ処理後の基体の形状および判定結果を表5に示す。
【実施例】
【0093】
【表5】
JP2017075357A_000007t.gif
【実施例】
【0094】
サンプル4(MPとVGCFとの重量比が100:0)では、図22に示すように、スペーサ処理後に大きな亀裂や欠損は見られなかった。しかし、図23Aに示すように、スペーサ処理によって連続気孔が形成されていたものの、各気孔の大きさにバラツキが見られた。なお、サンプル4にはVGCFが混入されていないことから、基体内にMPしか存在しておらず(図23B参照)、この点においてサンプル4は本発明に係る金属基複合材料の予備成形体として不適である。
【実施例】
【0095】
サンプル5(MPとVGCFとの重量比が70:30)では、図24に示すように、スペーサ処理後において、問題になるような大きな亀裂や欠損は見られなかった。そして、図25Aに示すように、スペーサ処理によって適切な連続気孔が形成されており、各気孔の大きさもほぼ均等に形成されていた。また、図25Bに示すように、サンプル5では、VGCF同士がMPにより適切に架橋されていることが確認できた。このため、サンプル5では、後述するサンプル6および7よりも基体内の組織が緻密かつ強固になり、スペーサ処理後であっても亀裂や欠損が生じることなく加熱処理後における混合体の外形を維持することができた。
【実施例】
【0096】
サンプル6(MPとVGCFとの重量比が50:50)では、図26に示すように、スペーサ処理後において、大きな亀裂や欠損は見られなかった。そして、図27Aに示すように、サンプル6でも、スペーサ処理によって適切な連続気孔が形成されており、各気孔の大きさもほぼ均等に形成されていた。ただし、サンプル6では、サンプル5と比較してMPの混入量が相対的に増えていることから、図27Bに示すように、MPにより適切に架橋されていないVGCFがわずかだが確認された。
【実施例】
【0097】
サンプル7(MPとVGCFとの重量比が30:70)では、図28に示すように、スペーサ処理後において、大きな亀裂や欠損は見られなかった。そして、図29Aに示すように、サンプル7でも、スペーサ処理により適切な気孔が形成されており、各気孔の大きさもほぼ均等に形成されていた。ただし、サンプル7では、サンプル5および6と比較してMPの混入量が相対的に増えているため、図29Bに示すように、MPにより適切に架橋されていないVGCFが確認された。
【実施例】
【0098】
サンプル8(MPとVGCFとの重量比が0:100)は、MPが混入されていないため、本発明に係る金属基複合材料の予備成形体として不適である。なお、サンプル8は、VGCF同士が架橋されていないため、図30に示すように、基体内の組織が非常に脆くなっており、その結果としてスペーサ処理後に混合体の外形(円柱形状)が保たれなかった。
【実施例】
【0099】
このように、粒子径が適正な範囲に含まれるNaCl粒子を用いた場合、MP粉末体とVGCF粉末体との重量比を70:30~30:70の範囲にすれば、亀裂や欠損が生じないような適切な予備成形体を得ることができ、スペーサ処理により各気孔の大きさにバラツキが生じないような適切な連続気孔を形成することができることがわかった。特に、MP粉末体とVGCF粉末体との重量比を70:30にすると、基体内の組織が緻密かつ強固になり、スペーサ処理後であっても基体の外形を健全に維持できることがわかった。
【実施例】
【0100】
[NaCl粒子の粒子径]
次に、混合材料を形成する過程において、混入されるNaCl粒子の粒子径が異なる3種類のサンプル9~11を作製した。表6にそれぞれのNaCl粒子の粒子径を示す。また、各粒子径におけるNaCl粒子の電子顕微鏡写真を図31~図33にそれぞれ示す。
【実施例】
【0101】
【表6】
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【実施例】
【0102】
サンプル9~11のいずれも、上述した適正な範囲の中から、NaCl粒子とMP粉末体およびVGCF粉末体との重量比が70:30であって、MP粉末体とVGCF粉末体との重量比が70:30となるようにそれぞれを混合した。さらに、サンプル9~11の組織状態を表した電子顕微鏡写真を図34A~図36にそれぞれ示す。
【実施例】
【0103】
サンプル9では、図34Aに示すように、スペーサ処理により適切な連続気孔が形成されていることが確認できた。また、図34Bを参照して、気孔間の内壁における組織状態を観察すると、MPがVGCF同士を適切に架橋していた。
【実施例】
【0104】
サンプル10では、図35Aに示すように、スペーサ処理により適切な連続気孔が形成されていた。より具体的には、サンプル10は、サンプル9に形成された連続気孔よりも緻密な連続気孔が形成されており、かつ、各気孔の大きさもほぼ均等に形成されていた。また、サンプル10では、気孔間における内壁の厚みが薄く形成されており、サンプル9よりも基体内の組織がより緻密に構成されていた。さらに、図35Bを参照して、気孔間の内壁における組織状態を観察すると、MPがVGCF同士を適切に架橋していた。
【実施例】
【0105】
サンプル11では、図36に示すように、スペーサ処理により理想的な連続気孔が形成されていた。すなわち、サンプル11は、サンプル9および10に形成された連続気孔よりも緻密な連続気孔が形成されており、かつ、各気孔の大きさもほぼ均等に形成されていた。また、サンプル11では、気孔間における内壁の厚みがより薄く形成されていた。
【実施例】
【0106】
このように、スペーサ処理に用いられるNaCl粒子の粒子径をより小さくすることによって、連続気孔における各気孔を微細化できかつ基体内の組織を緻密化できることがわかった。さらに、混合材料を生成する過程で混入されるNaCl粒子の粒子径を適宜変えることにより、上記製造プロセスにより生成される基体の組織状態および連続気孔の大きさを調整できることもわかった。
【実施例】
【0107】
[ニッケル無電解めっき処理]
次に、サンプル9および10に無電解めっき処理を行った。具体的には、温度343kの水(すなわち約70℃のお湯)が満たされた容器内に無電解ニッケルめっき浴槽を浸し、めっき浴の温度が343k(約70℃)かつ水素イオン指数(PH)の値が6.5となるように調整した。そして、サンプル9および10を無電解ニッケルめっき浴槽に約5分間浸漬させた(図12参照)。これにより、サンプル9および10における基体の外表面ないし連続気孔の表面にニッケル無電解めっき層を形成した。
【実施例】
【0108】
[ニッケル無電解めっき層におけるNi含有率]
上記ニッケル無電解めっき処理を行ったサンプル10(粒子径180~355μmのNaCl粒子を用いてスペーサ処理した予備成形体)の電子顕微鏡写真を図37A~図38Cに示す。図37Aおよび図37Bに示すように、サンプル10に形成されたニッケル無電解めっき層は、基体の外表面から約350μmの深さまで入り込んでいた。
【実施例】
【0109】
また、図38A~図38Cに示すように、サンプル10に形成されたニッケル無電解めっき層は、連続気孔を構成する気孔の表面から約30μmの深さまで入り込むように形成されていた。ここで、ニッケル無電解めっき処理を行ったサンプル10に関し、図38Bに示した『1』地点および図38Cに示した『2』地点におけるニッケル原子(Ni)と炭素原子(C)との含有比率の計測結果を表7に示す。
【実施例】
【0110】
【表7】
JP2017075357A_000009t.gif
【実施例】
【0111】
表7に示すように、基体(MPおよびVGCF)組織内に約17%のニッケル原子(Ni)が含有されていた。すなわち、サンプル10では、基体内にニッケルが入り込むようにしてニッケル無電解めっき層が形成されていることを確認した。
【実施例】
【0112】
一方、上記ニッケル無電解めっき処理を行ったサンプル9(粒子径600~700μmのNaCl粒子を用いてスペーサ処理した予備成形体)の電子顕微鏡写真を図39~図40Bに示す。図39に示すように、サンプル9に形成されたニッケル無電解めっき層は、基体の外表面から約970μmの深さまで入り込んでいた。すなわち、サンプル9では、サンプル10の計測結果よりも2倍以上の深さまで基体内にニッケルが入り込んでいた。
【実施例】
【0113】
また、ニッケル無電解めっき処理を行ったサンプル9に関し、図40Aに示した『1』地点および図40Bに示した『2』地点におけるニッケル原子(Ni)と炭素原子(C)との含有比率を調べた結果を表8に示す。
【実施例】
【0114】
【表8】
JP2017075357A_000010t.gif
【実施例】
【0115】
表8に示すように、基体の組織内において、約10~13%の範囲でニッケル原子(Ni)が含有されていた。すなわち、サンプル9でも、基体内にニッケルが入り込むようにしてニッケル無電解めっき層が形成されていることを確認した
このように、基体にニッケル無電解めっき処理を行うことによって、基体の外表面上ないし連続気孔の表面上に積層されるのではなく、基体内にニッケルが浸透することにより、基体の外表面ないし連続気孔の表面から所定の深さまでニッケルが入り込むようにニッケル無電解めっき層が形成されることがわかった。そして、ニッケル無電解めっき処理の前後にかかわらず、各気孔の大きさが変化せず、予備成形体内における連続気孔の気孔率が維持されるようになる。
【実施例】
【0116】
[金属基複合材料の作製]
次に、上記ニッケル無電解めっき処理を行ったサンプル9および10と、ニッケル無電解めっき処理を行わなかったサンプル12とを用いて、低圧含浸法により金属基複合材料を作製した。なお、サンプル12は、ニッケル無電解めっき処理を行う前のサンプル10と同じ構成の予備成形体(すなわちニッケル無電解めっき処理がされていない基体)を用いた。ここで、表9に本実施例による低圧含浸法の作製条件を示す。
【実施例】
【0117】
【表9】
JP2017075357A_000011t.gif
【実施例】
【0118】
具体的には、低圧鋳造装置(図13参照)の黒鉛鋳型内に上記予備成形体を設置し、その予備成形体の上から母材金属となる溶融アルミニウムを黒鉛鋳型内に流し込んだ。その後、黒鉛からなる封止体により黒鉛鋳型を封止して、アルゴンガスを黒鉛鋳型内に注入し、鋳型内の温度が973k(700℃)になるように黒鉛鋳型を加熱した。この高温かつ不活性ガス雰囲気下で、低圧鋳造装置の押圧具により封止体に約0.8MPaの圧力を鋳型内の予備成形体(サンプル9および10)および溶融アルミニウムに加えて、約10分間(0.6ks)保持した。加圧処理が終了した後、黒鉛鋳型内の加熱状態を解除し、黒鉛鋳型内で冷却処理した。このような低圧含浸法により、予備成形体の連続気孔内にアルミニウムが充填された金属基複合材料が製造された。
【実施例】
【0119】
サンプル12の電子顕微鏡写真を図41A~図43に示す。特に、図42Aおよび図42Bに示すように、サンプル12では、母材金属となるアルミニウムと予備成形体との界面付近にマイクロポアが観察された。これは、無電解めっき処理がされていないMPおよびVGCFからなる基体と母材金属(アルミニウム)との濡れ性が低いことに起因し、低圧含浸法のような低圧条件下ではアルミニウムが予備成形体に十分に密着しなかった。
【実施例】
【0120】
次に、サンプル10の電子顕微鏡写真を図44A~図45に示す。同様に、サンプル9の電子顕微鏡写真を図46~図47Bに示す。図45に示すように、サンプル10では、予備成形体内に入り込んだニッケル無電解めっき層が確認された。また、図46および図47Bに示すように、サンプル9でも、予備成形体内に入り込んだニッケル無電解めっき層が確認された。そして、サンプル9および10のいずれも、サンプル12に見られたようなマイクロポアは全く存在しなかった。
【実施例】
【0121】
このように、MPおよびVGCFからなる基体にニッケル無電解めっき処理を行った予備成形体を用いることによって、予備成形体に対する母材金属(アルミニウム)の濡れ性が大幅に改善され、低圧含浸法のような低圧条件下であっても、ニッケル無電解めっき層を介してアルミニウムが予備成形体に十分に密着することがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、ディスクブレーキ、ヒートシンク、サングラスのフレーム構造、ベアリング等といった様々な製品に用いられる金属基複合材料として産業上の利用が可能である。
【符号の説明】
【0123】
1:金属基複合材料
2:母材金属
3:予備成形体
3a:混合材料
3b:混合体
3c:基体
4:強化材
5:架橋材
6:気孔
7:連続気孔
8:内壁
9:無電解めっき層
10:スペーサ粒子
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図5】
3
【図6】
4
【図7】
5
【図8】
6
【図9】
7
【図10】
8
【図11】
9
【図12】
10
【図13】
11
【図4】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17A】
16
【図17B】
17
【図18】
18
【図19A】
19
【図19B】
20
【図20】
21
【図21】
22
【図22】
23
【図23A】
24
【図23B】
25
【図24】
26
【図25A】
27
【図25B】
28
【図26】
29
【図27A】
30
【図27B】
31
【図28】
32
【図29A】
33
【図29B】
34
【図30】
35
【図31】
36
【図32】
37
【図33】
38
【図34A】
39
【図34B】
40
【図35A】
41
【図35B】
42
【図36】
43
【図37A】
44
【図37B】
45
【図38A】
46
【図38B】
47
【図38C】
48
【図39】
49
【図40A】
50
【図40B】
51
【図41A】
52
【図41B】
53
【図42A】
54
【図42B】
55
【図43】
56
【図44A】
57
【図44B】
58
【図45】
59
【図46】
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【図47A】
61
【図47B】
62