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明細書 :セルロース系バイオマス分解酵素の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-201902 (P2017-201902A)
公開日 平成29年11月16日(2017.11.16)
発明の名称または考案の名称 セルロース系バイオマス分解酵素の製造方法
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
C12N   1/15        (2006.01)
C12N   9/42        (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAA
C12N 1/15
C12N 9/42
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 9
出願番号 特願2016-094291 (P2016-094291)
出願日 平成28年5月10日(2016.5.10)
発明者または考案者 【氏名】野▲崎▼ 功一
【氏名】天野 良彦
【氏名】水野 正浩
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
審査請求 未請求
テーマコード 4B050
4B065
Fターム 4B050CC03
4B050DD03
4B050EE02
4B050EE03
4B050EE04
4B050LL05
4B065AA70X
4B065AA70Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065BB02
4B065BB03
4B065BB06
4B065BB18
4B065BB19
4B065BB20
4B065BC03
4B065BC09
4B065BC26
4B065CA31
4B065CA54
要約 【課題】セルロース存在下において培養し、セルラーゼおよびヘミセラーゼを高発現するため形質転換された糸状菌を提供する。また前記糸状菌を形質転換するための組換えベクターを提供する。また前記組換えベクターを構築する遺伝子構築物を提供する。
【解決手段】ヘミセルラーゼ遺伝子と発現可能に連結した、トリコデルマ・リーゼイのCel3Bプロモーターを含む、遺伝子構築物を提供する。
【効果】本発明によれば、セルラーゼ生産菌において、セルロース存在下でセルラーゼ以外のタンパク質、例えばヘミセルラーゼを生産させることが可能になる。またその際、同時にセルラーゼの生産量を増加させることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
ヘミセルラーゼ遺伝子と発現可能に連結した、トリコデルマ・リーゼイのCel3Bプロモーターを含む、遺伝子構築物。
【請求項2】
前記ヘミセルラーゼが、トリコデルマ・リーゼイ由来のキシラン加水分解酵素キシラナーゼ(Xyn1)遺伝子であることを特徴とする、請求項1記載の遺伝子構築物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遺伝子構築物が人工的に組み込まれた組換えベクター。
【請求項4】
請求項3記載の組換えベクターが導入されたトリコデルマ属に属する微生物。
【請求項5】
前記トリコデルマ属に属する微生物が、トリコデルマ・リーゼイである、請求項4記載の微生物。
【請求項6】
セルラーゼおよびヘミセルラーゼの製造方法であって、請求項4または5に記載の微生物をセルロース存在下で培養する工程を含む製造方法。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース系バイオマス分解酵素の製造方法に関する。具体的には、セルロース系バイオマスの分解酵素であるセルラーゼおよびヘミセルラーゼを宿主菌体において高発現させるための遺伝子構築物に関し、前記遺伝子構築物を宿主となる糸状菌に導入した形質転換体に関し、さらに前記形質転換体を培養してセルラーゼおよびヘミセルラーゼを効率的に製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
木材や稲藁等に代表されるセルロース系バイオマスは、地球上で最も多量に生産される再生可能資源であり、トウモロコシ等の食料資源と競合しないため、これを原料としたバイオエタノールの製造等、新たな産業創出に有望視されている(非特許文献1)。
【0003】
セルロース系バイオマスを処理する方法として、塩酸や硫酸などの強酸を用いた酸糖化法がある(非特許文献2)。しかし、この方法は、単糖の過分解のために低収率である、酸使用による環境負荷が大きい、また処理に使用した酸の回収あるいは中和にコストがかる等の問題があった。
【0004】
これに対して、セルロース系バイオマスを酵素により加水分解する方法は、糖の収率が高いこと、温和な条件により実施できるので、設備費を抑制し得ること等の利点があり、従来の酸糖化法の代替として実用化が進められている(特許文献1)。この方法においては、一般的に各種微生物が生産するセルラーゼが使用されている。
【0005】
セルロースを分解に関与するセルラーゼは、大きくセロビオハイドラーゼ、エンドグルカナーゼ、β-グルコシダーゼの3種に大別できる。このうちセロビオハイドラーゼは、セルロースの結晶領域の分解し、エンドグルカナーゼは、セルロースの分子量低下に寄与する。また、β-グルコシダーゼは、セルロースの分解生成物であるセロビオースを分解し、グルコースの生成を触媒する。
【0006】
セルラーゼ生産菌としては、トリコデルマ(Trichoderma)属に属する菌株、例えば、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)や、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)が挙げられ、これらはセルロース系バイオマスの酵素分解に多く使用されている(特許文献2、非特許文献3)。トリコデルマ属は、糸状菌の1種で、菌体外に大量のセロビオハイドラーゼおよびエンドグルカナーゼを生産することで知られている。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開昭58-098089号公報
【特許文献2】特表昭60-500891号公報
【0008】

【非特許文献1】前川 英一、「セルロース質バイオマスとその有効利用」、1983年、京都大学木材研究所、p12-33
【非特許文献2】GRETHLEIN.H.E、「Chemical breakdown of Cellulosic Materials」、1978年、J.Appl.Chem.Biotechnol、28:p296-308
【非特許文献3】森川 康、セルロース利用技術の最先端、2008、シーエムシー出版、p362-376
【非特許文献4】Rahman,Zほか、「Evaluation and characterization of Trichoderma reesei cellulase and xylanase promoters」、2009年、Appl Microbiol Biotechnol、82、899-908.
【非特許文献5】Carpita,N.C,&Gibeaut,D.M、「Structural models of primary cell walls in flowering plants:consistency of molecular structure with the physical properties of the walls during growth」、1993年、Plant J.3: 1930.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
セルロースを栄養源とする培地において目的タンパク質を発現させる際には、セルラーゼのプロモーターを使用するのが一般的である。しかし、この方法によって、プロモーターに使用したセルラーゼの生産量が低下するという課題があった(非特許文献4)。
【0010】
また、セルロース系バイオマスとして処理する木本や草本中においては、セルロースは単体で存在することは無く、その周囲をアラビノース、ガラクトース、グルクロニル基、フェルロイル基、アセチル基により部分的に修飾されたキシランを主要成分としたヘミセルロースに覆われているのが通常である(非特許文献5)。このため、これを分解処理するためには、使用する酵素はセルラーゼのみでは不足であり、ヘミセルロースの分解酵素であるヘミセルラーゼを含む酵素群が必要であるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、これまでトリコデルマ属の菌におけるセルラーゼの発現量を高めるため、あるいは他のタンパク質をセルロース存在下で発現させるために、種々のプロモーターを用いて目的遺伝子を発現させる実験を行ってきた。その過程で、トリコデルマ・リーゼイのセルラーゼのプロモーターにヘミセルラーゼ遺伝子を連結した遺伝子構築物を用い、これをトリコデルマ属の菌に導入することで、セルロースの存在下でヘミセルラーゼの生産量を増加させること、また同時にセルラーゼの生産量も増加することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
即ち請求項1記載の本発明は、ヘミセルラーゼ遺伝子と発現可能に連結した、トリコデルマ・リーゼイのCel3Bプロモーターを含む、遺伝子構築物である。
【0013】
また請求項2記載の本発明は、前記ヘミセルラーゼが、トリコデルマ・リーゼイ由来のキシラン加水分解酵素キシラナーゼ(Xyn1)遺伝子であることを特徴とする、請求項1記載の遺伝子構築物である。
【0014】
また請求項3記載の本発明は、請求項1または2に記載の遺伝子構築物が人工的に組み込まれたベクターである。
【0015】
また請求項4記載の本発明は、請求項3記載のベクターが導入されたトリコデルマ属に属する微生物である。
【0016】
また請求項5記載の本発明は、前記トリコデルマ属に属する微生物が、トリコデルマ・リーゼイである、請求項4記載の微生物である。
【0017】
また請求項6記載の本発明は、セルラーゼおよびヘミセルラーゼの製造方法であって、請求項4または5に記載の微生物をセルロース存在下で培養する工程を含む製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、セルラーゼ生産菌において、セルロース存在下でセルラーゼ以外のタンパク質、例えばヘミセルラーゼを生産させることが可能になる。またその際、同時にセルラーゼの生産量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】Cel3BプロモーターとXyn1遺伝子を結合した遺伝子カセットを示す図である。
【図2】Cel3BプロモーターとXyn1遺伝子を結合した遺伝子構築物により形質転換したトリコデルマ・リーゼイを培養して、セルラーゼ活性を測定した結果である。
【図3】Cel3BプロモーターとXyn1遺伝子を結合した遺伝子構築物により形質転換したトリコデルマ・リーゼイを培養して、キシラナーゼ活性を測定した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るセルロース系バイオマス分解酵素の製造方法の実施の形態について説明する。

【0021】
本発明は、ヘミセルラーゼ遺伝子と発現可能に連結した、トリコデルマ・リーゼイのCel3Bプロモーターを含む遺伝子構築物、およびこれを導入され、ヘミセルラーゼ遺伝子を発現させた形質転換体、ならびに該形質転換体を用いてセルラーゼおよびヘミセルラーゼを製造する方法を提供する。

【0022】
本発明において、遺伝子構築物を導入する宿主としては、例えばトリコデルマ属菌が好ましく用いられる。トリコデルマ属菌の例としては、トリコデルマ・リーゼイ、トリコデルマ・ハルチアナム、トリコデルマ・コニンギ、トリコデルマ・ビリデが挙げられ、特にトリコデルマ・リーゼイが好適である。

【0023】
本発明において、ヘミセルラーゼ遺伝子とは、ヘミセルロースを分解する酵素の総称であるヘミセルラーゼを発現させる遺伝子である。また、ヘミセルロースは、植物細胞壁を構成する多糖類のうち、セルロースとペクチン以外のものをいう。ヘミセルラーゼとしては、例えばキシラナーゼ、β-キシロシダーゼ、αアラビノフラノシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、α-グルクロニダーゼ、フェルロイルエステラーゼ、アセチルキシランエステラーゼが挙げられる。

【0024】
本発明においては、セルラーゼのプロモーターを用いて異種のタンパク質を発現させる。通常は、この際に使用したプロモーターの制御下にある元々のセルラーゼの生産量が著しく低下する。この現象を防ぐため、使用するプロモーターは、セルロース存在下で発現するがセルラーゼの生産量に影響しないものを選択する必要がある。本発明で用いるトリコデルマ・リーゼイのCel3Bプロモーターは、セルロース存在下で目的タンパク質を発現させ、かつセルラーゼの生産量も増加させることが可能である。この際、目的タンパク質をヘミセルラーゼとした場合、培養液中にセルロースのみが存在し、ヘミセルロースが存在しない場合であっても、目的とするヘミセルラーゼを生産することが可能である。ただしこのことは、培養液中に目的タンパク質の誘導物質、例えばヘミセルロースを添加することを妨げるものではない。

【0025】
トリコデルマ・リーゼイのCel3Bプロモーターの塩基配列を配列表の配列番号1に示す。このプロモーターは、その下流に連結する遺伝子を発現する活性を有する限り、天然型の配列を有するものであってもよく、1若しくは2以上の変異(塩基の付加、欠失、置換、挿入)が導入されているものを含むことが可能である。

【0026】
本発明において、遺伝子構築物を宿主のゲノムDNAに導入する方法としては、本発明に係る遺伝子構築物が人工的に組み込まれた組換えベクターが適用可能である。当該組換えベクターにおいては、Cel3Bのプロモーター領域、ヘミセルラーゼ遺伝子、セロビオハイドロラーゼI(以下CBH I)のターミネーター領域からなる構造を含むことが可能である。

【0027】
本発明において、宿主を形質転換する方法は、当業者において公知の方法から任意に選択可能である。形質転換の方法の例としては、プロトプラスト-PEG法、エレクトロポレーション法、アグロバクテリウム法が挙げられる。

【0028】
本発明に係るセルラーゼおよびヘミセルラーゼの製造方法において、本発明によって得られた形質転換体を培養する工程を含むことが可能である。培養方法は、当業者において公知の方法から任意に選択可能である。培養に用いる炭素源の例としては、各種セルロース、例えば、アビセル(登録商標)、ろ紙粉末、乳糖などが挙げられ、窒素源としては、例えば、硫安、ポリペプトン、コーンスティープリカー、などが挙げられる。また、培養に使用する培地は、最少培地、完全培地のいずれも適用可能であり、その他培養に必要な任意の成分を添加することが可能である。培養の方法は、振とう培養、撹拌培養、撹拌振とう培養、静置培養、連続培養のいずれも適用可能である。

【0029】
本発明に係るセルラーゼおよびヘミセルラーゼの製造方法において、前記の培養に用いる炭素源、窒素源として、セルロース系バイオマスを適用することが可能である。セルロース系バイオマスの例としては、草本や木本、農業廃棄物、食料廃棄物が挙げられる。また、本発明においては、バイオマス系セルラーゼの前処理として、粉砕、酸・アルカリ処理、水熱処理等を実施することを妨げない。

【0030】
<実施例1>
(遺伝子構築物の作製)
PCRプライマー3B-F(5'-GCCTTTTGGCCGATGTGCATTGG-3')および、3B-R(5'-CCATGGTGAACGGGCCGCGACCAA-3')を用いて、トリコデルマ・リーゼイのゲノムDNAを鋳型として、Cel3Bプロモーター領域をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅し、増幅したDNA断片の3'-末端を制限酵素Nco Iで切断した。3B-Fプライマー、および3B-Rプライマーの塩基配列を、それぞれ配列表の配列番号2、および配列番号3に示す。

【0031】
PCRプライマーXyn1-F(5'-CCATGGTTGCCTTTTCCAGCCT-3')および、Xyn1-R(5'-TCTAGATACCAGCTCAAACCCCTC-3')を用いて、トリコデルマ・リーゼイのゲノムDNAを鋳型として、Xyn1遺伝子をPCRにより増幅し、増幅したDNA断片の5'-末端を制限酵素Nco Iで切断し、あわせて3'-末端を制限酵素Xba Iで切断した。Xyn1-Fプライマー、およびXyn1-Rプライマーの塩基配列を、それぞれ配列表の配列番号4、および配列番号5に示す。

【0032】
PCRプライマーTcbh1-F(5'-AACTAGTCAGGTCCTGAACCCTTAC-3')および、Tcbh1-R(5'-AACCCGTAGAATCGCCGCTCTAGAT-3')を用いて、トリコデルマ・リーゼイのゲノムDNAを鋳型として、CBH Iターミネーター領域をPCRにより増幅し、増幅したDNA断片の5'-末端を制限酵素Spe Iで切断した。Tcbh1-Fプライマー、およびTcbh1-Rプライマーの塩基配列を、それぞれ配列表の配列番号6、および配列番号7に示す。

【0033】
上記に作成した3つのPCR増幅断片を、5'-末端側からCel3Bプロモーター領域、Xyn1遺伝子、およびCBH Iターミネーター領域の順で連結し、遺伝子カセットを作製した。図1に作製した遺伝子カセットの模式図を示す。

【0034】
(組換えベクターの構築)
上記作製した遺伝子カセットを、糸状菌用プラスミドpTR II(タカラバイオ株式会社製)に連結し、組換えベクターを構築した。

【0035】
(形質転換)
構築した組換えベクターを、トリコデルマ・リーゼイQM9414株に導入し、形質転換を行った。導入は、プロトプラスト-PEG法によって行い、得られた形質転換体は、200 ng/mLのピリチアミンを含む最少培地で生育したコロニーを選抜することで取得した。

【0036】
(前培養)
前培養として、形質転換体の胞子(1.5×10^9個)を次に示す培地150 mLに接種し、220 rpm、30℃にて48時間、振盪培養を行った。

【0037】
培地組成:
2% ソルビトール、1.5% リン酸二水素カリウム、0.5% 硫酸アンモニウム、0.06% 硫酸マグネシウム7水和物、0.06% 塩化カルシウム、0.2% ペプトン、0.0005% 硫酸鉄(II)、0.00016% 硫酸マンガン、0.0014% 硫酸亜鉛、0.00037% 塩化コバルト

【0038】
(セルロース存在下での培養)
前培養した菌体を回収し、滅菌水で洗浄後に、次に示す培地150 mLに接種し、220 rpm、30℃にて144時間、振盪培養を行った。

【0039】
培地組成:
1% アビセル、0.03% 尿素、0.14% 硫酸アンモニウム、0.2% リン酸二水素カリウム、0.03% 塩化カルシウム、0.03% 硫酸マグネシウム7水和物、0.025% ペプトン

【0040】
(キシラン存在下での培養)
前培養した菌体を回収し、滅菌水で洗浄後に、次に示す培地150 mLに接種し、220 rpm、30℃にて144時間、振盪培養を行った。

【0041】
培地組成:
1% Birchwood由来キシラン、0.03% 尿素、0.14% 硫酸アンモニウム、0.2% リン酸二水素カリウム、0.03% 塩化カルシウム、0.03% 硫酸マグネシウム7水和物、0.025% ペプトン

【0042】
(セルラーゼ活性測定)
本実施例に係る方法により製造したセルラーゼの活性を測定するため、基質であるWhatman(登録商標)No.1ろ紙(1×3 cm)1枚、50mM酢酸緩衝液(pH 5.0)、培養液(適宜希釈)からなる反応液0.4 mLを40℃で反応させ、上清を採取した。その後、遊離した還元糖をジニトロサリチル酸法(DNS法)で定量することで、セルラーゼ活性を測定した。また、比較のため、本実施例に係る遺伝子構築物を導入していない、トリコデルマ・リーゼイQM9414で同様のセルラーゼ活性を測定した。

【0043】
図2は、本実施例に係る形質転換体により生産されるセルラーゼ活性を測定した結果のグラフを示す。図中、改良株と記載されているものが、本実施例に係る形質転換体の測定結果であり、親株と記載されているものが、比較のため形質転換を行っていないトリコデルマ・リーゼイQM9414株の測定結果である。また、グラフの横軸は培養時間を示し、縦軸は、測定されたセルラーゼ活性を示し、数値が高い程酵素活性が高いということを示している。図から、本実施例に係る形質転換体の酵素活性が、培養時間100時間の時点で親株の約3倍に達しており、親株に対して大きく向上していることが認められる。

【0044】
<実施例2>
(キシラナーゼ活性測定)
本発明に係る形質転換体により生産されたキシラナーゼの活性を測定するため、実施例1で用いた基質を0.25%Birchwoodキシランに代えて、その他について実施例1と同様の方法により、キシラナーゼ活性を測定した。

【0045】
図3は、本実施例に係る形質転換体により生産されるキシラナーゼ活性を測定した結果のグラフを示す。グラフの項目名等は、実施例1と同様である。図から、本実施例に係る形質転換体の酵素活性が、キシラン培養下での親株の酵素活性と同等となっており、セルロース培養下での親株に対して大きく向上していることが認められる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2