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明細書 :ベーチェット病の判定を補助する方法、及びベーチェット病の活動性の評価を補助する方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-070798 (P2016-070798A)
公開日 平成28年5月9日(2016.5.9)
発明の名称または考案の名称 ベーチェット病の判定を補助する方法、及びベーチェット病の活動性の評価を補助する方法
国際特許分類 G01N  33/68        (2006.01)
G01N  33/543       (2006.01)
FI G01N 33/68
G01N 33/543 597
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 15
出願番号 特願2014-200824 (P2014-200824)
出願日 平成26年9月30日(2014.9.30)
発明者または考案者 【氏名】三村 俊英
【氏名】荒木 靖人
【氏名】相崎 良美
出願人 【識別番号】504013775
【氏名又は名称】学校法人 埼玉医科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100107515、【弁理士】、【氏名又は名称】廣田 浩一
【識別番号】100107733、【弁理士】、【氏名又は名称】流 良広
【識別番号】100115347、【弁理士】、【氏名又は名称】松田 奈緒子
【識別番号】100163038、【弁理士】、【氏名又は名称】山下 武志
審査請求 未請求
テーマコード 2G045
Fターム 2G045AA25
2G045BB24
2G045CA12
2G045CA21
2G045DA36
2G045FA37
2G045FB03
2G045FB12
2G045GC15
要約 【課題】ベーチェット病であるか否かを簡便に、高い精度で判定することができるベーチェット病の判定を補助する方法、ベーチェット病の活動性を簡便に、高い精度で評価することができるベーチェット病の活動性の評価を補助する方法を提供すること。
【解決手段】末梢血中の好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかを測定する測定工程と、前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いと、前記ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いとの比、及び前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかを指標として、被験体がベーチェット病であるか否かの判定を補助する判定補助工程と、を含むベーチェット病の判定を補助する方法などである。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
末梢血中の好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかを測定する測定工程と、
前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いと、前記ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いとの比(ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い/ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合い)、及び前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかを指標として、被験体がベーチェット病であるか否かの判定を補助する判定補助工程と、を含むことを特徴とするベーチェット病の判定を補助する方法。
【請求項2】
測定工程が、好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いを測定し、
判定補助工程が、前記好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いと、前記ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いとの比(ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い/ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合い)を指標とする請求項1に記載のベーチェット病の判定を補助する方法。
【請求項3】
測定工程が、γδT細胞における、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いを測定し、
判定補助工程が、前記γδT細胞における、前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いを指標とする請求項1に記載のベーチェット病の判定を補助する方法。
【請求項4】
ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかの測定が、フローサイトメトリー法により行われる請求項1から3のいずれかに記載のベーチェット病の判定を補助する方法。
【請求項5】
末梢血中のγδT細胞における、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかを測定する測定工程と、
前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いと、前記ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いとの比(ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い/ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合い)、及び前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかを指標として、ベーチェット病の活動性の評価を補助する活動性評価補助工程と、を含むことを特徴とするベーチェット病の活動性の評価を補助する方法。
【請求項6】
測定工程が、γδT細胞における、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いを測定し、
活動性評価補助工程が、前記γδT細胞における、前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いと、前記ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いとの比(ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い/ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合い)を指標とする請求項5に記載のベーチェット病の活動性の評価を補助する方法。
【請求項7】
測定工程が、γδT細胞における、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いを測定し、
活動性評価補助工程が、前記γδT細胞における、前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いを指標とする請求項6に記載のベーチェット病の活動性の評価を補助する方法。
【請求項8】
ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかの測定が、フローサイトメトリー法により行われる請求項5から7のいずれかに記載のベーチェット病の活動性の評価を補助する方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーチェット病であるか否かの判定を補助する方法、及びベーチェット病の活動性の評価を補助する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベーチェット病は、眼病変、粘膜病変、皮膚病変などを主症状とする慢性再発性の全身性炎症性疾患である。ベーチェット病の病因は不明であるが、何らかの遺伝素因に、外因が加わり、白血球の機能が亢進し、炎症を引き起こすと考えられている。
【0003】
現在のベーチェット病の診断は、眼病変、粘膜病変、皮膚病変などの臨床所見に基づいており、特異的な検査がないため、診断に苦慮することが多いという問題がある。
また、ベーチェット病の活動性の指標として、一般的に、C反応性タンパク、赤血球沈降速度などの炎症反応が用いられているが、ベーチェット病で観られる、好中球やリンパ球の活性化といった白血球機能異常の病態を反映していないという問題もある。前記白血球機能異常を簡便に検出できる方法は、臨床に応用されていないのが現状である。
【0004】
これまでに、細胞の活性化における遺伝子発現変化には、ヒストン修飾など、エピゲノム変化の関与が大きいことが知られている。
また、アルツハイマー病の状態を決定するための方法として、血液成分を含むサンプルを用い、エピジェネティックマーカーの量を決定する方法(例えば、特許文献1参照)、神経変性疾患を発症するリスクを決定する方法として、脳脊髄液から単離した幹細胞内のH3K27のメチル化のレベルを決定する工程を含む方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
【0005】
しかしながら、ベーチェット病の診断や活動性の評価に有効な方法は、未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特表2012-529659号公報
【特許文献2】特表2013-526705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ベーチェット病であるか否かを簡便に、高い精度で判定することができるベーチェット病の判定を補助する方法、ベーチェット病の活動性を簡便に、高い精度で評価することができるベーチェット病の活動性の評価を補助する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 末梢血中の好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、ヒストンH3リシン4のトリメチル化(以下、「H3K4me3」と称することがある)の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化(以下、「H3K27me3」と称することがある)の度合いの少なくともいずれかを測定する測定工程と、
前記H3K4me3の度合いと、前記H3K27me3の度合いとの比(H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い)、及び前記H3K4me3の度合いの少なくともいずれかを指標として、被験体がベーチェット病であるか否かの判定を補助する判定補助工程と、を含むことを特徴とするベーチェット病の判定を補助する方法である。
<2> 末梢血中のγδT細胞における、H3K4me3の度合い及びH3K27me3の度合いの少なくともいずれかを測定する測定工程と、
前記H3K4me3の度合いと、前記H3K27me3の度合いとの比(H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い)、及び前記H3K4me3の度合いの少なくともいずれかを指標として、ベーチェット病の活動性の評価を補助する活動性評価補助工程と、を含むことを特徴とするベーチェット病の活動性の評価を補助する方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、ベーチェット病であるか否かを簡便に、高い精度で判定することができるベーチェット病の判定を補助する方法、ベーチェット病の活動性を簡便に、高い精度で評価することができるベーチェット病の活動性の評価を補助する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、試験例1において、各細胞亜集団におけるH3K4me3-APC抗体の平均蛍光強度値を求めた結果を示すグラフである。
【図2】図2は、試験例1において、各細胞亜集団におけるH3K4me3-APC抗体の平均蛍光強度値と、H3K27me3-FITC抗体の平均蛍光強度値との比を求めた結果を示すグラフである。
【図3】図3は、試験例2において、各細胞亜集団におけるH3K4me3-APC抗体の平均蛍光強度値を求めた結果を示すグラフである。
【図4】図4は、試験例2において、各細胞亜集団におけるH3K4me3-APC抗体の平均蛍光強度値と、H3K27me3-FITC抗体の平均蛍光強度値との比を求めた結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(ベーチェット病の判定を補助する方法)
本発明のベーチェット病の判定を補助する方法は、測定工程と、判定補助工程とを少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の工程を含む。

【0012】
<測定工程>
前記ベーチェット病の判定を補助する方法における測定工程は、末梢血中の好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、H3K4me3の度合い及びH3K27me3の度合いの少なくともいずれかを測定する工程である。

【0013】
-好中球及びγδT細胞の少なくともいずれか-
前記好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかは、被験体の末梢血から調製することができる。
前記末梢血の採取方法としては、特に制限はなく、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができる。
前記末梢血から好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかを調製する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、モノ・ポリ分離溶液(DSファーマバイオメディカル株式会社製)を用い、末梢血から、前記好中球及びγδT細胞が含まれる末梢血単核球(以下、「PBMCs」と称することがある)及び顆粒球を分離する方法が挙げられる。
前記好中球及びγδT細胞は、精製されていてもよいし、精製されていない混合物であってもよい。前記混合物は、前記好中球及びγδT細胞以外の細胞亜集団を含んでいてもよい。

【0014】
-H3K4me3の度合い及びH3K27me3の度合いの少なくともいずれかの測定-
前記好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、H3K4me3の度合い及びH3K27me3の度合いの少なくともいずれかの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フローサイトメトリー法、クロマチン免疫沈降法、ウエスタンブロッティング法などが挙げられる。これらの中でも、フローサイトメトリー法が、必要とする細胞数が少ないため患者の負担が軽く、短期間で解析を行うことができ、1個の細胞レベルでの検出が可能であるため検出感度が高い点で、好ましい。

【0015】
前記フローサイトメトリー法の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、蛍光抗体を用いて染色した細胞をフローサイトメーターにより解析する方法が挙げられる。

【0016】
前記蛍光抗体としては、好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、H3K4me3の度合い及びH3K27me3の度合いの少なくともいずれかを測定することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

【0017】
前記蛍光抗体に用いる蛍光物質としては、特に制限はなく、公知の物質を適宜選択することができ、例えば、フルオレセインイソチオシアネート(以下、「FITC」と称することがある)、アロフィコシアニン(以下、「APC」と称することがある)、フィコエリトリン(以下、「PE」と称することがある)、シアニン(以下、「Cy」と称することがある)色素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、蛍光物質の組合せとしても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

【0018】
前記好中球を検出する蛍光抗体の具体例としては、CD66b、及びCD16に対する抗体を蛍光標識したものなどが挙げられる。市販品としては、例えば、PE Mouse Anti-Human CD66b(BD社製)、PE-Cy5 Mouse Anti-Human CD16(BD社製)などが挙げられる。

【0019】
前記γδT細胞を検出する蛍光抗体の具体例としては、γ鎖とδ鎖とからなるT細胞受容体に対する抗体を蛍光標識したものなどが挙げられる。市販品としては、例えば、PE Mouse Anti-Human TCRγδ(BD社製)などが挙げられる。

【0020】
前記H3K4me3を検出する蛍光抗体の市販品としては、例えば、Tri-Methyl-Histone H3(Lys4)(C42D8) Rabbit mAb(Alexa Fluor(R) 647 Conjugate、CST社製)などが挙げられる。

【0021】
前記H3K27me3を検出する蛍光抗体の市販品としては、例えば、Tri-Methyl-Histone H3(Lys27)(C36B11) Rabbit mAb(Alexa Fluor(R) 488 Conjugate、CST社製)などが挙げられる。

【0022】
前記フローサイトメトリー法における内在性コントロールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、IgGなどが挙げられる。
前記IgGを検出する蛍光抗体の市販品としては、例えば、rabbit IgG-FITC(Rabbit(DA1E) mAb IgG XP(R) Isotype Control(Alexa Fluor(R) 488 Conjugate、CST社製)、rabbit IgG-APC(Rabbit(DA1E) mAb IgG XP(R) Isotype Control(Alexa Fluor(R) 647 Conjugate、CST社製)などが挙げられる。

【0023】
前記染色の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。

【0024】
前記フローサイトメーターとしては、特に制限はなく、公知の装置を適宜選択することができ、例えば、FACS Calibur HGフローサイトメーター(BD社製)などが挙げられる。
前記フローサイトメーターによる測定の条件としては、特に制限はなく、公知の条件を適宜選択することができる。

【0025】
前記フローサイトメトリー法では、前記H3K4me3の度合い及びH3K27me3の度合いは、前記蛍光抗体由来の蛍光強度により求めることができる。

【0026】
<判定補助工程>
前記判定補助工程は、前記H3K4me3の度合いと、前記H3K27me3の度合いとの比(以下、「H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い」と称することがある)、及び前記H3K4me3の度合いの少なくともいずれかを指標として、被験体がベーチェット病であるか否かの判定を補助する工程である。

【0027】
-ベーチェット病-
前記ベーチェット病は、眼病変、粘膜病変、皮膚病変などを主症状とする慢性再発性の全身性炎症性疾患である。

【0028】
-指標-
前記判定補助工程における指標としては、前記好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、前記H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い、及び前記H3K4me3の度合いの少なくともいずれかを用いる。前記指標は、前記H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い、又は前記H3K4me3の度合いを単独で使用してもよいし、両者を併用してもよい。
前記指標に用いる細胞は、好中球、又はδT細胞を単独で使用してもよいし、両者を併用してもよい。

【0029】
-判定-
前記被験体がベーチェット病であるか否かの判定を補助する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)前記好中球における、前記H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合いが健常人と比べて低い場合、(2)前記γδT細胞における、前記H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合いが健常人と比べて高い場合、及び(3)前記γδT細胞における、前記H3K4me3の度合いが健常人と比べて高い場合の少なくともいずれかの場合には、前記被験体がベーチェット病であると判定することができる。

【0030】
例えば、前記測定工程を、蛍光抗体を用いたフローサイトメトリー法により行った場合には、(1)前記好中球における、前記H3K4me3に対する抗体の蛍光強度と、前記H3K27me3に対する蛍光強度との比が、2.37未満である場合、(2)前記γδT細胞における、前記H3K4me3に対する蛍光強度と、前記H3K27me3に対する抗体の蛍光強度との比が、1.79を超える場合、及び(3)前記γδT細胞における、前記H3K4me3に対する抗体の蛍光強度が、43.9を超える場合の少なくともいずれかの場合には、前記被験体がベーチェット病であると判定することができる(後述する試験例1参照)。なお、前記値は、内在性コントロールとして、IgGに対する蛍光抗体を用いた場合の値である。

【0031】
前記ベーチェット病の判定を補助する方法は、(1)測定工程が、好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、H3K4me3の度合い及びH3K27me3の度合いを測定し、判定補助工程が、前記好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、前記H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合いを指標とする態様、(2)測定工程が、γδT細胞における、H3K4me3の度合いを測定し、判定補助工程が、前記γδT細胞における、前記H3K4me3の度合いを指標とする態様が好ましい。

【0032】
<その他の工程>
前記ベーチェット病の判定を補助する方法におけるその他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、末梢血から、前記好中球及びγδT細胞が含まれる末梢血単核球及び顆粒球を分離する工程などが挙げられる。
前記末梢血から、前記好中球及びγδT細胞が含まれる末梢血単核球及び顆粒球を分離する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。

【0033】
(ベーチェット病の活動性の評価を補助する方法)
本発明のベーチェット病の活動性の評価を補助する方法は、測定工程と、活動性評価補助工程とを少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の工程を含む。

【0034】
<測定工程>
前記ベーチェット病の活動性の評価を補助する方法における測定工程は、末梢血中のγδT細胞における、H3K4me3の度合い及びH3K27me3の度合いの少なくともいずれかを測定する工程である。

【0035】
-γδT細胞-
前記γδT細胞は、被験体の末梢血から調製することができる。
前記末梢血の採取方法としては、特に制限はなく、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができる。
前記末梢血からγδT細胞を調製する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノ・ポリ分離溶液(DSファーマバイオメディカル株式会社製)を用い、末梢血から、前記γδT細胞が含まれる末梢血単核球及び顆粒球を分離する方法が挙げられる。
前記γδT細胞は、精製されていてもよいし、混合物であってもよい。前記混合物は、前記γδT細胞以外の細胞亜集団を含んでいてもよい。

【0036】
-H3K4me3の度合い及びH3K27me3の度合いの少なくともいずれかの測定-
前記γδT細胞における、H3K4me3の度合い及びH3K27me3の度合いの少なくともいずれかの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、上記ベーチェット病の判定を補助する方法のH3K4me3の度合い及びH3K27me3の度合いの少なくともいずれかの測定の項目に記載した方法と同様にして行うことができる。

【0037】
<活動性評価補助工程>
前記活動性評価補助工程は、前記H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い、及び前記H3K4me3の度合いの少なくともいずれかを指標として、ベーチェット病の活動性の評価を補助する工程である。

【0038】
-ベーチェット病の活動性-
前記ベーチェット病は、活動期と非活動期とに区別される。
前記活動期のベーチェット病とは、眼病変、粘膜病変、皮膚病変などのベーチェット病に特有の症状のいずれかが認められる状態をいう。
前記非活動期のベーチェット病とは、前記ベーチェット病に特有の症状が認められない状態をいう。

【0039】
-指標-
前記活動性評価補助工程における指標としては、前記γδT細胞における、前記H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い、及び前記H3K4me3の度合いの少なくともいずれかを用いる。前記指標は、前記H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い、又は前記H3K4me3の度合いを単独で使用してもよいし、両者を併用してもよい。

【0040】
-評価-
前記ベーチェット病の活動性の評価を補助する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)前記γδT細胞における、前記H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合いが健常人と比べて高い場合、及び(2)前記γδT細胞における、前記H3K4me3の度合いが健常人と比べて高い場合の少なくともいずれかの場合には、活動期のベーチェット病であると評価することができる。

【0041】
例えば、前記測定工程を、蛍光抗体を用いたフローサイトメトリー法により行った場合には、(1)前記γδT細胞における、前記H3K4me3に対する抗体の蛍光強度と、前記H3K27me3に対する蛍光強度との比が、1.87を超える場合、及び(2)前記γδT細胞における、前記H3K4me3に対する抗体の蛍光強度が、80.9を超える場合の少なくともいずれかの場合には、活動期のベーチェット病であると評価することができる(後述する試験例2参照)。なお、前記値は、内在性コントロールとして、IgGに対する蛍光抗体を用いた場合の値である。

【0042】
前記ベーチェット病の活動性の評価を補助する方法は、(1)測定工程が、γδT細胞における、H3K4me3の度合い及びH3K27me3の度合いを測定し、活動性評価補助工程が、前記γδT細胞における、前記H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合いを指標とする態様、(2)測定工程が、γδT細胞における、H3K4me3の度合いを測定し、活動性評価補助工程が、前記γδT細胞における、前記H3K4me3の度合いを指標とする態様が好ましい。

【0043】
<その他の工程>
前記ベーチェット病の活動性の評価を補助する方法におけるその他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記ベーチェット病の判定を補助する方法のその他の工程の項目に記載した工程などが挙げられる。
【実施例】
【0044】
以下、試験例を挙げて、本発明を説明するが、本発明は、以下の試験例に何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0045】
(試験例1:健常人とベーチェット病患者との比較)
健常人(12名)、及びベーチェット病患者(13名)から採取した末梢血を用い、細胞亜集団ごとにおける(1)H3K4me3の度合いと、H3K27me3の度合いとの比(H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い)、及び(2)H3K4me3の度合いを、以下のようにして、フローサイトメトリー法にて調べた。
【実施例】
【0046】
<末梢血からのPBMCs及び顆粒球の分離>
前記末梢血の採取には、ベノジェクトII真空採血管(テルモ株式会社製、VP-H100K(ヘパリンナトリウム))を用いた。
2本のモノ・ポリ分離溶液(DSファーマバイオメディカル株式会社製、DSBN100) 6mLに、それぞれ前記末梢血 7mLを静かに重層した。次いで、室温で、400×g(≒1,430rpm)で40分間遠心した。
血漿を別のチューブに回収後、リンパ球層と好中球層の混合物を2本のチューブに回収し、PBS(-)(DULBECCO’S PHOSPHATE BUFFERED SALINE:SAFC Biosciences社製、56064C)液で、それぞれ50mLとした。次いで、室温で、400×g(≒1,430rpm)で10分間遠心した。
上清を吸引し、沈殿にACK バッファー(Lonza社製、10-548E)を1.5mLずつ加え懸濁後、室温で3分間静置した。その後、1つにまとめ、PBS(-)を加え、50mLとした。次いで、室温で、400×g(≒1,430rpm)で10分間遠心した。
上清を除去し、PBS(-)を1mL加え、細胞数を数えた。
以上により、末梢血から、PBMCs及び顆粒球を分離した。
【実施例】
【0047】
<染色>
フローサイトメトリー法に用いる測定用試料として、以下の6種類を調製した。なお、蛍光抗体を用いた染色の方法は、後述のとおりである。
(1) 測定用試料-1 :
細胞表面マーカー染色用抗体 ・・・ CD4-PE、及びCD8-PE-Cy5
細胞内染色用抗体 ・・・ Rabbit-IgG-FITC、及びRabbit-IgG-APC
(2) 測定用試料-2 :
細胞表面マーカー染色用抗体 ・・・ CD4-PE、及びCD8-PE-Cy5
細胞内染色用抗体 ・・・ H3K27me3-FITC、及びH3K4me3-APC
(3) 測定用試料-3 :
細胞表面マーカー染色用抗体 ・・・ CD66b-PE、及びCD16-PE-Cy5
細胞内染色用抗体 ・・・ Rabbit-IgG-FITC、及びRabbit-IgG-APC
(4) 測定用試料-4 :
細胞表面マーカー染色用抗体 ・・・ CD66b-PE、及びCD16-PE-Cy5
細胞内染色用抗体 ・・・ H3K27me3-FITC、及びH3K4me3-APC
(5) 測定用試料-5 :
細胞表面マーカー染色用抗体 ・・・ TCRγδ-PE
細胞内染色用抗体 ・・・ Rabbit-IgG-FITC、及びRabbit-IgG-APC
(6) 測定用試料-6 :
細胞表面マーカー染色用抗体 ・・・ TCRγδ-PE
細胞内染色用抗体 ・・・ H3K27me3-FITC、及びH3K4me3-APC
【実施例】
【0048】
前記蛍光抗体を用いた、細胞表面マーカー染色、及び細胞内染色は、以下のようにして行った。
前記分離した末梢血単核球及び顆粒球を、1.5mLチューブあたり1×10細胞となるようにし、そこに、PBS(-)を1mL加えた。次いで、4℃で、300×g(2,000rpm)で10分間遠心した。
上清を除去し、50μLのPBS(-)と、細胞表面マーカー(抗原)に対する抗体とを加え、遮光条件下、氷上で30分間静置した。
【実施例】
【0049】
前記細胞表面抗原に対する抗体は、以下のとおりである。
(1) CD4-PE(Anti-Human CD4 PE、eBioscience社製、12-0049-42) ・・・ 3μL
前記CD4-PEは、蛍光物質であるPEで標識された抗ヒトCD4抗体であり、CD4陽性T細胞を検出するために用いる。
(2) CD8-PECy5(Anti-Human CD8a PE-Cyanine5、eBioscience社製、15-0088-42) ・・・ 3μL
前記CD8-PECy5は、蛍光物質であるPE-Cyanine5で標識された抗ヒトCD8a抗体であり、CD8陽性T細胞を検出するために用いる。
(3) CD66b-PE(PE Mouse Anti-Human CD66b、BD社製、561650) ・・・ 5μL
前記CD66b-PEは、蛍光物質であるPEで標識されたマウス抗ヒトCD66b抗体であり、好中球を検出するために用いる。
(4) CD16-PECy5(PE-Cy5 Mouse Anti-Human CD16、BD社製、561725) ・・・ 5μL
前記CD16-PECy5は、蛍光物質であるPE-Cy5で標識されたマウス抗ヒトCD16抗体であり、好中球を検出するために用いる。
(5) TCRγδ-PE(PE Mouse Anti-Human TCRγδ、BD社製、561994) ・・・ 6μL
前記TCRγδ-PEは、蛍光物質であるPEで標識されたマウス抗ヒトTCRγδ抗体であり、γδT細胞を検出するために用いる。
【実施例】
【0050】
前記静置後、PBS(-) 1mLで洗浄した。次いで、4℃で、300×g(2,000rpm)で10分間遠心した。
上清を吸引し、沈殿をボルテックスミキサーで懸濁した。次いで、Fixarion/Permeabilization solution(BD社製、554722)を250μL加え、遮光条件下、4℃で20分間静置し、固定及び透過処理を行った。
前記静置後、1×Perm/Wash buffer 1mLで洗浄した。なお、前記1×Perm/Wash bufferは、10×Perm/Wash buffer(BD社製、554723)を滅菌水で1:10に希釈したものを用いた。
次いで、4℃で、6,000rpmで10分間遠心した。この洗浄操作は、2回行った。
【実施例】
【0051】
前記遠心後、沈殿に1×Perm/Wash buffer 50μLと、細胞内染色用抗体(ヒストン抗体、又はアイソタイプ コントロール IgG抗体)を加え、遮光条件下、氷上で30分間静置した。
【実施例】
【0052】
前記ヒストン抗体、又はアイソタイプ コントロール IgG抗体は、以下のとおりである。
(1) H3K27me3-FITC(Tri-Methyl-Histone H3(Lys27)(C36B11) Rabbit mAb(Alexa Fluor(R) 488 Conjugate、CST社製、#5499S) ・・・ 4μL
前記H3K27me3-FITCは、蛍光物質であるFITCで標識されたラビットモノクローナル抗体であり、H3K27me3を検出するために用いる。
(2) H3K4me3-APC(Tri-Methyl-Histone H3(Lys4)(C42D8) Rabbit mAb(Alexa Fluor(R) 647 Conjugate、CST社製、#12064S) ・・・ 4μL
前記H3K4me3-APCは、蛍光物質であるAPCで標識されたラビットモノクローナル抗体であり、H3K4me3を検出するために用いる。
(3) rabbit IgG-FITC(Rabbit(DA1E) mAb IgG XP(R) Isotype Control(Alexa Fluor(R) 488 Conjugate)、CST社製、#2975S) ・・・ 2μL
前記rabbit IgG-FITCは、蛍光物質であるFITCで標識されたラビットモノクローナル抗体であり、内在性コントロールとして用いる。
(4) rabbit IgG-APC(Rabbit(DA1E) mAb IgG XP(R) Isotype Control(Alexa Fluor(R) 647 Conjugate)、CST社製、#2985S) ・・・ 4μL
前記rabbit IgG-APC蛍光物質であるAPCで標識されたラビットモノクローナル抗体であり、内在性コントロールとして用いる。
【実施例】
【0053】
前記静置後、1×Perm/Wash buffer 1mLで洗浄した。
次いで、4℃で、6,000rpmで10分間遠心した。この遠心は、2回行った。
上清を取り除き、沈殿にPBS(-)を500μL加え、測定用試料とした。
【実施例】
【0054】
<測定>
前記測定用試料をFACSチューブ(Falcon社製、352054)へ移し、FACS Calibur HGフローサイトメーター(BD社製、4カラータイプ、レーザー:488nmアルゴンレーザー、635nm赤色半導体レーザー)を用いて測定し、平均蛍光強度(MFI)値を求めた。
前記MFI値は、以下のように補正して求めた。
H3K27me3-FITC抗体のMFI値は、H3K27me3-FITC抗体由来の蛍光強度を、コントロールであるRabbit-IgG-FITC由来の蛍光強度で除した値を平均した値である。
H3K4me3-APC抗体のMFI値は、H3K4me3-APC抗体由来の蛍光強度を、コントロールであるRabbit-IgG-APC由来の蛍光強度で除した値を平均値したである。
なお、前記測定用試料-2のコントロールは、前記測定用試料-1であり、前記測定用試料4のコントロールは、前記測定用試料-3であり、前記測定用試料-6のコントロールは前記測定用試料-5である。
【実施例】
【0055】
-H3K4me3の度合い-
図1に各細胞亜集団におけるH3K4me3-APC抗体のMFI値を示す。
図1中、横軸は細胞亜集団を示し、各細胞亜集団の項目における、「A」は健常人由来の末梢血を用いた場合の結果を示し、「B」はベーチェット病患者由来の末梢血を用いた場合の結果を示す。
図1の結果から、ベーチェット病患者では、γδT細胞において、H3K4me3-APC抗体のMFI値が、健常人と比較して有意(P<0.05)に上昇していた。
また、γδT細胞におけるカットオフ値は、43.9であった。
したがって、γδT細胞におけるH3K4me3の度合いを指標とすることにより、被験体がベーチェット病であるか否かを判定することができることが示された。
【実施例】
【0056】
-H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い-
図2に各細胞亜集団における、H3K4me3-APC抗体のMFI値と、H3K27me3-FITC抗体のMFI値との比(H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い)を示す。
図2中、横軸は細胞亜集団を示し、各細胞亜集団の項目における、「A」は健常人由来の末梢血を用いた場合の結果を示し、「B」はベーチェット病患者由来の末梢血を用いた場合の結果を示す。
図2の結果から、ベーチェット病患者では、H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合いが、γδT細胞においては、健常人と比較して有意(P<0.05)に上昇していた。また、好中球においては、健常人と比較して有意(P<0.01)に減少していた。
また、γδT細胞におけるカットオフ値は、1.79であり、好中球におけるカットオフ値は、2.37であった。
したがって、好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合いを指標とすることにより、被験体がベーチェット病であるか否かを判定することができることが示された。
【実施例】
【0057】
(試験例2:活動期のベーチェット病患者と非活動期のベーチェット病患者との比較)
活動期のベーチェット病患者(6名)、及び非活動期のベーチェット病患者(7名)から採取した血液を用いた以外は、試験例1と同様にして、細胞亜集団ごとにおける(1)H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い、及び(2)H3K4me3の度合いを、フローサイトメトリー法にて調べた。
前記活動期のベーチェット病患者とは、眼病変、粘膜病変、皮膚病変などのベーチェット病に特有の症状のいずれかが認められる患者である。
【実施例】
【0058】
-H3K4me3の度合い-
図3に各細胞亜集団におけるH3K4me3-APC抗体のMFI値を示す。
図3中、横軸は細胞亜集団を示し、各細胞亜集団の項目における、「C」は非活動期のベーチェット病患者由来の末梢血を用いた場合の結果を示し、「D」は活動期のベーチェット病患者由来の末梢血を用いた場合の結果を示す。
図3の結果から、活動期のベーチェット病患者では、γδT細胞において、H3K4me3-APC抗体のMFI値が、非活動期のベーチェット病患者と比較して有意(P<0.05)に上昇していた。
また、γδT細胞におけるカットオフ値は、80.9であった。
したがって、γδT細胞におけるH3K4me3の度合いを指標とすることにより、ベーチェット病が、活動期であるか、又は非活動期であるかを評価することができることが示された。
【実施例】
【0059】
-H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い-
図4に各細胞亜集団における、H3K4me3-APC抗体のMFI値と、H3K27me3-FITC抗体のMFI値との比(H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合い)を示す。
図4中、横軸は細胞亜集団を示し、各細胞亜集団の項目における、「C」は非活動期のベーチェット病患者由来の末梢血を用いた場合の結果を示し、「D」は活動期のベーチェット病患者由来の末梢血を用いた場合の結果を示す。
図4の結果から、活動期のベーチェット病患者では、γδT細胞において、H3K4me3の度合い/H3K27me3の度合いが、非活動期のベーチェット病患者と比較して有意(P<0.05)に上昇していた。
また、γδT細胞におけるカットオフ値は、1.87であった。
したがって、γδT細胞におけるH3K4me3の度合い/H3K27me3の度合いを指標とすることにより、ベーチェット病が、活動期であるか、又は非活動期であるかを評価することができることが示された。
【実施例】
【0060】
本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
<1> 末梢血中の好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかを測定する測定工程と、
前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いと、前記ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いとの比(ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い/ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合い)、及び前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかを指標として、被験体がベーチェット病であるか否かの判定を補助する判定補助工程と、を含むことを特徴とするベーチェット病の判定を補助する方法である。
<2> 測定工程が、好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いを測定し、
判定補助工程が、前記好中球及びγδT細胞の少なくともいずれかにおける、前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いと、前記ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いとの比(ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い/ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合い)を指標とする前記<1>に記載のベーチェット病の判定を補助する方法である。
<3> 測定工程が、γδT細胞における、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いを測定し、
判定補助工程が、前記γδT細胞における、前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いを指標とする前記<1>に記載のベーチェット病の判定を補助する方法である。
<4> ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかの測定が、フローサイトメトリー法により行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載のベーチェット病の判定を補助する方法である。
<5> 末梢血中のγδT細胞における、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかを測定する測定工程と、
前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いと、前記ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いとの比(ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い/ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合い)、及び前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかを指標として、ベーチェット病の活動性の評価を補助する活動性評価補助工程と、を含むことを特徴とするベーチェット病の活動性の評価を補助する方法である。
<6> 測定工程が、γδT細胞における、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いを測定し、
活動性評価補助工程が、前記γδT細胞における、前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いと、前記ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いとの比(ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い/ヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合い)を指標とする前記<5>に記載のベーチェット病の活動性の評価を補助する方法である。
<7> 測定工程が、γδT細胞における、ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いを測定し、
活動性評価補助工程が、前記γδT細胞における、前記ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合いを指標とする前記<6>に記載のベーチェット病の活動性の評価を補助する方法である。
<8> ヒストンH3リシン4のトリメチル化の度合い及びヒストンH3リシン27のトリメチル化の度合いの少なくともいずれかの測定が、フローサイトメトリー法により行われる前記<5>から<7>のいずれかに記載のベーチェット病の活動性の評価を補助する方法である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3